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JP6607713B2 - シミュレーションプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の鋼板を溶接により接合し後熱通電加熱するシミュレーションプログラムに関する。
加熱コイルや冷却ジャケットなどの形状、高周波による加熱条件、冷却条件などの熱処理条件について事前に予測し、かつ金属部品の変形、歪み、熱処理品質を予測するために、有限要素法を用いたコンピュータシミュレーション技術がある(特許文献1)。
一方、複数の鋼板を重ねて溶接する方法として抵抗スポット溶接方法がある。抵抗スポット溶接方法は、複数の鋼板を重ね合わせて一対の電極で挟み、電極の棒に沿って加圧した状態で一対の電極に電流を流す。すると、鋼板の圧着部分が抵抗加熱されて溶解し、所定の領域が溶解して凝固することで塊となり、ナゲットと呼ばれる溶融凝固部が形成される(特許文献2、3)。
特開2010−230331号公報 WO2011/013793A1 WO2014/208747A1
上記した特許文献1では、一般的なコンピュータシミュレーション技術が開示されているに過ぎず、抵抗スポット溶接へどのように適用すればよいか具体的な開示がされていない。
そこで、本発明は、複数の鋼板を溶接により接合する抵抗溶接及び後熱通電加熱のシミュレーションプログラムを提供し、複数の鋼板を溶接により接合して所望の継手強度を達成することができる条件を予測可能にすることを目的とする。
本発明のコンセプトは次の通りである。
[1] コンピュータに、複数の鋼板を重ねて一対の電極で挟んで通電することにより複数の鋼板を接合する溶接領域及びその周辺領域について複数の要素に分割するステップと
複数の鋼板の溶接終了からクール時間経過後に、前記溶接領域を挟む一対の電極に高周波の電流を流すことによって後熱通電加熱を行うものとして、
電流及び磁場解析によって鋼板における各要素のジュール損失量を求めて、複数の鋼板における各要素のジュール損失量から各要素の温度、組織、応力、ひずみを求めることを繰り返すことにより、
前記一対の電極に流す電流の周波数、大きさ、通電時間、クール時間及び前記一対の電極による鋼板への加圧、電極の形状を含む一以上のパラメータの高周波による後熱通電加熱後の溶接品質への影響を予測するステップと、実行させるシミュレーションプログラム。
[2] コンピュータに、シミュレーションの結果として、溶接領域及びその周辺領域の温度分布を求めさせる、前記[1]に記載のシミュレーションプログラム。
[3] コンピュータに、溶接領域における各要素の温度履歴に基づいて焼戻し母曲線による焼戻しパラメータ法により換算硬さの分布を求めさせる、前記[1]又は[2]に記載のシミュレーションプログラム。
[4] コンピュータに、前記換算硬さ分布から、抵抗スポット溶接により形成されたナゲット部と比べてHAZ(Heat-Affected Zone)部の硬さが低くなるような、前記パラメータを求めさせる、前記[3]に記載のシミュレーションプログラム。
本発明によれば、複数の鋼板を溶接により接合する際の温度分布や硬さ分布などの接合品質を、電流及び磁場解析、熱解析、金属組織解析及び弾塑性解析の繰り返しによりシミュレーションすることができ、一対の電極に流す電流の周波数、大きさ、通電時間、クール時間及び一対の電極による鋼板への加圧、電極の形状を含む一以上のパラメータの高周波による後熱通電加熱後の溶接品質への影響を予測し、所望の高い継手強度が得られる一以上のパラメータについての条件出しをすることができ、効率化、溶接構造物の品質を保証することができる。
本発明の実施形態に係るシミュレーションプログラムの対象の一つである抵抗スポット溶接及び後熱通電加熱による処理で作製される溶接構造物の概要を示す斜視図である。 抵抗スポット溶接及び後熱通電加熱による処理のタイムチャートの例である。 抵抗スポット溶接及び後熱通電加熱による処理により得られる溶接構造物の断面を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーションプログラムを実行するコンピュータのブロック図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーションプログラムのフロー図である。 シミュレーション結果の一例として、後熱通電加熱の周波数をパラメータとしたときの温度分布に関し、(a)は周波数を50Hzとした場合のシミュレーション結果を、(b)は周波数を25kHzとした場合のシミュレーション結果を、それぞれ示す図である。 図6に示すシミュレーション結果に関し、中心からの距離に対する温度を示す分布図である。 シミュレーション結果の一例として、中心からの距離に対する硬さを示す分布図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について、抵抗スポット溶接を例に挙げて詳細に説明する。
[抵抗スポット溶接の概要]
図1は本発明の実施形態に係るシミュレーションプログラムの対象の一つである抵抗スポット溶接及び後熱通電加熱による処理で作製される溶接構造物の概要を示す斜視図であり、図2は抵抗スポット溶接及び後熱通電加熱による処理のタイムチャートの例である。抵抗スポット溶接においては、例えば、図1に示すように、複数の鋼板2,2を重ねて一対の電極3,4で挟んで加圧し、一対の電極3,4に直流電流又は低周波電流を短時間に流して重ね合わせ部分を溶かして凝固させる。抵抗スポット溶接によりナゲット部(溶融凝固部)が形成される。この溶解及び凝固は、図2に示す「第1通電」と「第2通電」による加熱に相当する。第1通電では鋼板に付着している酸化スケールを除去し、第2通電では第1通電よりも長く電流を流すと鋼板同士が溶接され、ナゲット部が発生し座屈と共にへそ部が発生する。
本発明の実施形態で対象とするシミュレーションプログラムにおいては、さらに、一対の電極3,4で複数の鋼板2,2を挟んで所定圧力を加えたままの状態を保持する。内部を水冷している一対の電極3,4が複数の鋼板2、2に接触し続けていることにより、抜熱により、ナゲット部が冷却される。そして、第2通電直後のクール期間が経過すると、一対の電極3,4に高周波の電流を短時間流すことにより、ナゲット部やその周囲の領域であるHAZ(Heat-Affected Zone)部が加熱される。これにより、ナゲット部の周りに広範囲な蓄熱リングができる。この蓄熱リングの熱が蓄熱リングよりも内側の内部及び蓄熱リングよりも外側の外部に熱伝達され、内部への熱伝達によりナゲット部が焼戻しされる。この電流での加熱が図2に示す「第3通電」による加熱に相当する。
図3は、抵抗スポット溶接及び後熱通電加熱による処理により得られる溶接構造物の断面を模式的に示す図である。溶接構造物1は、溶接部13と非溶接部11とを備える。非溶接部11は、溶接前の組織を保持している。溶接部13は、ナゲット部(溶融凝固部)13aと、ナゲット部13aを包囲するHAZ部(熱影響部)13bと、HAZ部13bにおいて鋼板2,2との境界に形成されるコロナボンド部位13cとを備える。HAZ部13bと鋼板2,2との境界には隙間14が生じる。
本発明の実施形態では、図2に例示するタイムチャートのように、第1通電及び第2通電による抵抗スポット溶接と、クール期間経過後、第3通電に示す後通電による焼戻処理と、をコンピュータシミュレーションし、スポット溶接を含めた加熱処理の条件の最適化を図る。
[シミュレーションプログラムの概要]
図4は、本発明の実施形態に係るシミュレーションプログラムを実行するコンピュータのブロック図である。本発明の実施形態に係るシミュレーションプログラムは、入力手段21、出力手段22、演算手段23と、記憶手段24などで構成されたコンピュータにおいて、記憶手段24に格納されて、演算手段23に展開して実行されて、溶接に関するシミュレーションがなされる。
図5は、本発明の実施形態に係るシミュレーションプログラムのフロー図である。
ステップ1において、複数の鋼板を重ねて一対の電極で挟んで通電することにより複数の鋼板を接合する溶接領域及びその周辺領域について複数の要素に分割する。ここでは、複数の鋼材の重ね合わせ部(溶接部でもよい)と重ね合わせ部の周囲の鋼板部分とを、複数の要素に分割し、一対の電極も複数の領域に分割する。その際、シミュレーション開始の初期の各要素の状態、各要素に材料情報として電気伝導率、比透磁率、熱、相変態、応力ひずみ等の種々の材料物性情報を設定することにより、複数の鋼板の枚数や厚さについても設定することができる。
図1に示すように電極3,4が対称性を有する場合には、図1に示す電極の軸を含む断面のうち、左右何れかの半分の領域を複数の要素に分割することにより、計算処理の時間の短縮化が図れる。後述するステップ2のための分割の仕方とステップ3のための分割の仕方とを変えるようにしてもよい。
ステップ2において、電流及び磁場解析によって鋼板における各要素のジュール損失量を求める。ここで、「鋼板における各要素」とは、抵抗を有する部分の各要素という意味であり、鋼板が溶融、凝固する部分の各要素を含む。各要素に応じて、鋼板の領域と電極との領域にはその状態に応じて電気伝導率、比透磁率が設定され、一対の電極の鋼板への接触面によって電流の出入り面が確定されているので、キルヒオッフの電流・電圧の関係式を立てて連立することにより、各要素に流れる電流が求められる。よって、各要素に流れる電流と抵抗率とによりジュール損失量が求められる。商用周波数を含めた低周波電流を流す段階では専ら電流解析によれば十分であり、高周波電流を流す段階では磁場解析を併用し、マックスウェルの電磁波の方程式を連立すればよい。解析条件として、一対の電極に流す電流の周波数、大きさ、通電時間、クール時間及び前記一対の電極による鋼板への加圧、電極の形状(電極の寸法を含む)を含む一以上のパラメータが設定される。
ステップ3において、ステップ2で求めた複数の鋼板における各要素のジュール損失量から各要素の発熱量を求め、その各要素の発熱量から各要素の温度、組織、応力、ひずみを関係させて連成解析を行い、各要素の応力・ひずみ・金属組織(金属組成体積分率)を求める。ステップ3では、熱解析、金属組織解析、弾塑性解析を順に又は繰り返し行い、各結果を相互に連関させて連成解析を行う。これにより、各要素の温度やひずみ、応力、金属組成を予測する。要素毎に、温度と弾塑性構造と相変態とを相互に関連させて、解析を行い、ステップ2で求めた各要素のジュール損失量から各要素の発熱量を求めて熱伝導方程式などを用いて解析する。
具体的に説明すると、ステップ3では、解析用の要素を必要に応じて定義し、次の情報が設定される。
第1に、鋼板の各素材に関する材料物性情報として、鋼材に関する等温変態線図、連続冷却変態線図、オーステナイト変態温度情報、マルテンサイト変態温度情報、溶融開始温度情報などの相変態特性情報と、鋼材に関する熱伝導率、比熱、密度、潜熱(溶融潜熱など)に関する熱伝導特性情報と、ヤング率、ポアソン比、線膨張係数、降伏点、加工硬化係数、変態膨張率、変態塑性係数などの応力・ひずみ物性情報が用いられる。
第2に、電極内部の冷却のために熱伝達率の値を設定する。電極の鋼板への接触による抜熱を考慮するためである。
第3に、ステップ2で求めた各要素でのジュール損失量がそれぞれ設定される。
第4に、解析条件の情報として、加熱時間、クール期間周波数、連成回数が設定される。
ステップ3では、これらの設定されたデータに基いて、有限要素法を用いて解析をし、各要素における温度と金属組成体積分率を求める。この堆積分率は、それぞれの組織、例えば、フェライト、パーライト、オーステナイト、マルテンサイト、ベイナイトなどの割合で示される。その結果、各要素の温度、変位量、応力・ひずみ、金属組成として金属組成体積分率が求められる。また、ステップ3では、一対の電極が複数の鋼板を挟んで加圧しているので、電極に接触している鋼板の各要素では外部からの圧力が応力・ひずみ解析で考慮される。
ステップ4では、ステップ3での各解析の結果、各要素の温度が変化するので、各要素の電気伝導率、比透磁率を更新し、また、鋼板同士の接触面積の変化、及び鋼板と電極との接触面積の変化を考慮し、電極の接触抵抗率、接触熱伝導率を変化させる。そして、連成回数が所定の値になるまで、ステップ2に戻り、連成回数が所定の値となると、結果を出力する。図2に示す「クール期間」では、ステップ5でステップ2にリターンしないで電流解析をすることなく、ステップ3に移行すればよい。図2に示すタイムチャートのうち、「第1通電」、「第2通電」と「第3通電」とでは周波数のオーダーが異なるので、周波数を変更する。
本発明の実施形態によれば、シミュレーションプログラムの結果として、時間の経過に伴う電流密度分布、温度分布その他の各種分布が出力される。さらに、後熱通電加熱が終了したら、ステップ3のみを繰り返す行うことにより、加熱終了後の放熱の温度分布を得ることができる。
本発明の実施形態によれば、溶接領域における各要素の温度履歴に基づいて焼戻し母曲線による焼戻しパラメータ法により換算硬さの分布を求めることができる。焼戻温度及び保持時間が焼戻し後の硬さに影響するため、焼戻しパラメータと呼ばれる指標が用いられる。焼戻しパラメータPは、次式で定められる。
P=T(C+logt)
ここで、Tは焼戻し温度でその単位は絶対温度であり、tは焼戻し時間であり、Cは材料による定数であり、材料の炭素割合で決まる。
実際に、焼戻し温度及び焼戻し時間の組み合わせが異なる実験結果を、縦軸に焼戻し後の硬さ、横軸に焼戻しパラメータで整理すると、同じ材料であれば一つの焼戻し母曲線を描くため、温度時間履歴により換算硬さが求められる。
よって、スポット溶接で形成したナゲット部及びHAZ部と、スポット溶接の影響を受けない鋼材の部位との間で、ナゲット部よりも硬さを低くして靭性を高くすることができる。それに必要な電流の周波数、電流値、通電時間、クール時間、その他のパラメータを予測することができる。
さらに、本発明の実施形態では、求めた換算硬さ分布から、抵抗スポット溶接により形成されたナゲット部と比べてHAZ(Heat-Affected Zone)部の硬さが低くなるように、一種類以上のパラメータを変化させて、この条件を満たす、抵抗スポット溶接と後熱通電加熱のパラメータ(タイムチャートを構成する条件)を求めることができる。
本発明の実施形態に係るシミュレーションプログラムの使用方法を説明する。
第1の方法としては、図2に示す「第一通電」の開始において材料の温度をその環境温度である室温に設定し、素材となる鋼材の各種物性情報及び寸法情報を設定する。これにより、「第1通電」及び「第2通電」による抵抗スポット溶接と、「第3通電」による後熱通電加熱による焼戻処理とをトータル的にシミュレートすることができる。
第2の方法としては、図2に示す「第二通電」の終了直後における材料の温度を、実験的に求めたり、別途シミュレーションにより予測したり、これらを組み合わせることにより求めておき、「第二通電」の終了直後におけるスポット溶接の状態の鋼材、ナゲット部及びHAZ部の部位や物性情報を設定する。また各要素の温度を「第二通電」の終了直後の温度に設定する。これにより、「第3通電」による後熱通電加熱による焼戻処理をシミュレートすることができる。
[シミュレーション結果]
次に、実際のシミュレーション結果について説明する。前述の第2の方法を用いた。図2に示す「第一通電」から「第二通電」直後までについては別途シミュレーションを行い、「第二通電」の終了直後における鋼材、ナゲット部及びHAZ部の部位や物性値を設定し、「第3通電」による後熱通電加熱による焼戻処理についてシミュレーションを行った。
鋼材はS45Cとし、シミュレーションでの鋼材は、一片86mm、厚さt1.2mmとした。電極はφ16mm×16mmの銅製とした。
図6は、シミュレーション結果の一例として、周波数をパラメータとしたときの温度分布に関し、(a)は周波数を50Hzとした場合のシミュレーション結果を、(b)は周波数を25kHzとした場合のシミュレーション結果を、それぞれ示す図である。各図の左には加熱サイクルのタイムチャートが示されており、右にはシミュレーション結果である高周波による後熱通電加熱の温度分布が示されている。温度分布ではメッシュが濃い方がより高温になることが分かる。
シミュレーションの結果から次のことが分かった。図6(a)に示すように、後熱通電加熱の周波数が低い50Hzでは一対の電極で挟まれた部位が最も温度が上昇しているのに対し、図6(b)に示すように、後熱通電加熱の周波数が高い25kHzでは一対の電極で挟まれた部分から離れた部位(HAZ部)が最も温度が上昇している。
図7は、図6に示すシミュレーション結果に関し、中心からの距離に対する温度を示す分布図である。図3の断面図において、上下中心線から下側に0.2mm下がった矢印の各位置での温度を示している。後熱通電加熱の周波数が商用周波数50Hzであるときは、ナゲット部が最も温度が高くなる。一方、後熱通電加熱の周波数が25kHzであるときは、ナゲット部の隣接部が最も温度が高くなり、この最も温度が高いリング部からナゲット部にかけて熱伝達があり、HAZ部にて所望の焼戻処理をすることができると予測される。
このように、鋼板、板厚、ナゲット径などで周波数を変化させ、後熱により最も加熱したい部位を特定することができる。
よって、従来のように、加熱サイクルのデザインでも、後熱通電加熱の周波数を一つとっても、試験的に実機で溶接することなく、最適な周波数を予測することができ、トライアンドエラーの回数を大幅に削減することができる。また、温度分布は肉眼で色などにより推定することができるが、試験者の主観を排除することが難しい。これに対して、本発明の実施形態では、後熱通電加熱の周波数を変化させることで、後熱通電加熱により最も加熱したい部位を特定することができ、後熱通電加熱時の蓄熱リングの大きさや位置を求めることができる。よって、実機によるトライアンドエラーを繰り返す回数が減り、鋼材の厚さや組成、ナゲット部の直径(スポット電極の直径)に応じて、電流の周波数や大きさを予め予測することができる。従って、所望の溶接品質についての確保が図れる。
また、後熱通電加熱の際の温度分布についても求めることができるので、抵抗スポット溶接で溶解した部分が焼戻しされるときに、延性や靭性を回復させるのに好ましい温度まで加熱することができる。後熱通電加熱を何処にどの程度流せばよいかについての指針を得ることができる。よって、このようにして設定した各種パラメータを用いて抵抗スポット溶接して後熱通電加熱による焼戻処理により、所望の溶接構造物を得ることができる。
図8は、シミュレーション結果の一例として、中心からの距離に対する硬さを示す分布図である。図3の断面図において、上下中心線から下側に0.2mm下がった矢印の各位置での硬さを示している。硬さは前述のように焼戻しパラメータを用いて求めた。図8により、ナゲット部、HAZ部の各部位の硬さを求めることができる。よって、所望の高い継手強度に対応した硬さ分布となるよう抵抗スポット溶接及び焼戻処理の条件を予測することができる。
このシミュレーション結果では、後熱通電加熱の周波数をパラメータとしている。その他のパタメータとしては、一対の電極に流す電流の大きさ、通電時間、クール時間、及び一対の電極による鋼板への加圧、電極の形状(電極の寸法を含む)などでもよい。高周波による後熱通電加熱後の溶接品質に一以上のパラメータがどのように影響するかを予測し、所望の継手強度を求めることができる。
本発明の実施形態によれば、複数の鋼板の抵抗スポット溶接及び高周波の後熱通電加熱による焼戻処理において、高い接合強度(継手強度と呼んでもよい)を達成することが可能な抵抗スポット溶接及び焼戻し条件を予測することができる。
本発明の実施形態では、ステップ1などでの各要素の電気伝導率、比透磁率を設定することにより、二枚以上の鋼板について溶接する場合についてもシミュレーションすることができ、複数枚の鋼板の厚みが異なる場合についても同様にシミュレーションすることができる。
本発明の実施形態は上述に限らず、本発明の範囲において適宜変更することができる。図8に示す加熱のタイムチャートにおいて、「第2通電」、「第3通電」を別々に行うことなく、複数の周波数の電流を一対の電極に流して溶接及び焼戻しを同時にしたり、低い周波数の電流を先に流してその後重畳して高周波の電流を流し、さらにその後高周波電流のみを流したりする場合について、適宜図5に示すフローチャートを変更してもよい。つまり、本発明の実施形態に係る、複数の鋼板を溶接により接合する抵抗溶接及び後熱通電加熱のシミュレーションプログラムは、抵抗溶接の状態を加味して後熱通電加熱のシミュレーションプログラムであっても、抵抗溶接と後熱通電加熱とを重ねて行うシミュレーションプログラムであってもよく、何れも本発明の範囲に含まれる。
上述では、抵抗スポット溶接の場合を例にとって説明したが、シーム溶接その他の抵抗溶接など、各種の溶接後の後熱通電加熱により焼戻しをする場合にも当然適用できる。

Claims (4)

  1. コンピュータに、
    重ねられた複数の鋼板を接合する溶接領域及びその周辺領域について複数の要素に分割するステップと、
    複数の鋼板の溶接終了からクール時間経過後に、前記溶接領域を挟む一対の電極に高周波の電流を流すことによって後熱通電加熱を行うものとして、
    電流及び磁場解析によって鋼板における各要素のジュール損失量を求めて、複数の鋼板における各要素のジュール損失量から各要素の温度、組織、応力、ひずみを求めることを繰り返すことにより、
    前記一対の電極に流す電流の周波数、大きさ、通電時間、クール時間及び前記一対の電極による鋼板への加圧、電極の形状を含む一以上のパラメータの高周波による後熱通電加熱後の溶接品質への影響を予測するステップと、
    を実行させるシミュレーションプログラム。
  2. コンピュータに、シミュレーションの結果として、溶接領域及びその周辺領域の温度分布を求めさせる、請求項1に記載のシミュレーションプログラム。
  3. コンピュータに、前記溶接領域における各要素の温度履歴に基づいて焼戻し母曲線による焼戻しパラメータ法により換算硬さの分布を求めさせる、請求項1又は2に記載のシミュレーションプログラム。
  4. コンピュータに、前記換算硬さ分布から、抵抗スポット溶接により形成されたナゲット部と比べてHAZ(Heat-Affected Zone)部の硬さが低くなるような、前記パラメータを求めさせる、請求項3に記載のシミュレーションプログラム。
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