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JP6604437B2 - 切削インサート及び刃先交換式回転切削工具 - Google Patents

切削インサート及び刃先交換式回転切削工具 Download PDF

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JP6604437B2 JP2018525130A JP2018525130A JP6604437B2 JP 6604437 B2 JP6604437 B2 JP 6604437B2 JP 2018525130 A JP2018525130 A JP 2018525130A JP 2018525130 A JP2018525130 A JP 2018525130A JP 6604437 B2 JP6604437 B2 JP 6604437B2
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Description

本発明は、被削材に正面削り加工(平面加工)や側面削り加工(立壁面加工)等を施すのに好適な切削インサート、及びこれを装着した刃先交換式回転切削工具に関する。
本願は、2016年6月27日に、日本に出願された特願2016−126975号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、例えば下記特許文献1、2に示されるようなソリッドタイプのエンドミルが知られている。この種のエンドミルは、中心軸回りに回転させられるシャンクと、シャンクの先端部分に形成された切れ刃部と、備えている。また、切れ刃部のうち、中心軸方向の先端部には、先端側へ向けて凸となる円弧形状をなす底切れ刃が配置され、径方向の外端部には、径方向の外側へ向けて凸となる円弧形状をなす外周切れ刃が配置されている。
そして、被削材に対して、正面削り加工(平面加工)を施す際には、底切れ刃が使用され、側面削り加工(立壁面加工)を施す際には、外周切れ刃が使用される。
特表2010−520064号公報 特開2007−152502号公報
しかしながら、上記従来のエンドミルでは、下記の課題を有していた。
被削材に対して、正面削り加工を施すときに、底切れ刃で切削することにより加工面に付与される挽き目(加工目、加工痕)と、側面削り加工を施すときに、外周切れ刃で切削することにより加工面に付与される挽き目とを、互いに同じ性状に仕上げることが難しかった。つまり、被削材の加工部位や形状によって、切削加工後の加工面の性状がばらついて、仕上げ加工や中仕上げ加工等において加工面全体としての加工精度を均等にすることができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、被削材の加工部位や形状に係わらず、加工面の性状が均等となるように切削加工を施すことが可能な切削インサート、及びこれを用いた刃先交換式回転切削工具を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、中心軸回りに回転させられる工具本体の先端部に形成された取付座に、着脱可能に装着される切削インサートであって、
板状のインサート本体と、前記インサート本体に形成された切れ刃部と、を備え、
前記切れ刃部は、
前記インサート本体の前記中心軸方向の先端部に配置され、前記中心軸に直交する径方向に沿うように延びるとともに、前記中心軸方向の先端側へ向けて凸となる円弧形状をなす底切れ刃と、
前記底切れ刃のすくい面と、
前記インサート本体の前記径方向の外端部に配置され、前記中心軸方向に沿うように延びるとともに、前記径方向の外側へ向けて凸となる円弧形状をなす外周切れ刃と、
前記外周切れ刃のすくい面と、
前記底切れ刃の前記径方向の外端と前記外周切れ刃の前記中心軸方向の先端とを繋ぐとともに、先端外周側へ向けて凸となる円弧形状をなすコーナーR切れ刃と、
前記コーナーR切れ刃のすくい面と、を備え、
前記コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見て、
前記コーナーR切れ刃の円弧中心点を通り、該円弧中心点から前記径方向の内側へ向かうに従い前記中心軸方向の基端側へ向けて延びるとともに、前記中心軸に対して45°の角度で交差する仮想直線を対称軸として、前記底切れ刃と前記外周切れ刃とが、互いに線対称形状となるように形成されており、
前記底切れ刃の曲率半径及び前記外周切れ刃の曲率半径を前記切れ刃部の回転軌跡の最大径の1/2よりも大きく設定し、
前記コーナーR切れ刃の曲率半径を前記切れ刃部の回転軌跡の最大径の1/2よりも小さく設定することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、中心軸回りに回転させられる工具本体の先端部に形成された取付座に、着脱可能に装着される切削インサートであって、
板状のインサート本体と、
前記インサート本体に形成された切れ刃部と、を備え、
前記切れ刃部は、
前記インサート本体の前記中心軸方向の先端部に配置され、前記中心軸に直交する径方向に沿うように延びるとともに、前記中心軸方向の先端側へ向けて凸となる円弧形状をなす底切れ刃と、
前記底切れ刃のすくい面と、
前記インサート本体の前記径方向の外端部に配置され、前記中心軸方向に沿うように延びるとともに、前記径方向の外側へ向けて凸となる円弧形状をなす外周切れ刃と、
前記外周切れ刃のすくい面と、
前記底切れ刃の前記径方向の外端と前記外周切れ刃の前記中心軸方向の先端とを繋ぐとともに、先端外周側へ向けて凸となる円弧形状をなすコーナーR切れ刃と、
前記コーナーR切れ刃のすくい面と、を備え、
前記底切れ刃の曲率半径と、前記外周切れ刃の曲率半径とが、互いに同一であり、
前記底切れ刃の曲率半径及び前記外周切れ刃の曲率半径を前記切れ刃部の回転軌跡の最大径の1/2よりも大きく設定し、
前記コーナーR切れ刃の曲率半径を前記切れ刃部の回転軌跡の最大径の1/2よりも小さく設定し、
前記コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見て、
前記底切れ刃における前記中心軸方向の先端を通り前記径方向に沿って延びる直線を径方向基準線とし、
前記外周切れ刃における前記径方向の外端を通り前記中心軸方向に沿って延びる直線を中心軸方向基準線とし、
前記コーナーR切れ刃と前記底切れ刃との境界点における接線を第1の接線とし、
前記コーナーR切れ刃と前記外周切れ刃との境界点における接線を第2の接線とし、
前記第1の接線と前記径方向基準線との交点、前記第1の接線と前記中心軸方向基準線との交点、及び、前記径方向基準線と前記中心軸方向基準線との交点を、互いに直線で繋いで形成される直角三角形を第1の直角三角形とし、
前記第2の接線と前記中心軸方向基準線との交点、前記第2の接線と前記径方向基準線との交点、及び、前記径方向基準線と前記中心軸方向基準線との交点を、互いに直線で繋いで形成される直角三角形を第2の直角三角形として、
前記第1の直角三角形と前記第2の直角三角形とが、互いに合同であることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、中心軸回りに回転させられる工具本体と、前記工具本体の先端部に形成された取付座と、前記取付座に着脱可能に装着される切削インサートと、を備えた刃先交換式回転切削工具であって、前記切削インサートとして、上述の切削インサートを用いたことを特徴とする。
また、上記切削インサートにおいて、前記インサート本体には、該インサート本体を厚さ方向に貫通するネジ挿通孔が形成されており、前記ネジ挿通孔の孔中心が、前記仮想直線上に位置していることが好ましい。
また、上記切削インサートにおいて、前記インサート本体には、該インサート本体を厚さ方向に貫通するネジ挿通孔が形成されており、前記ネジ挿通孔の孔中心が、前記径方向基準線と前記中心軸方向基準線との交点と、前記コーナーR切れ刃の円弧中心点と、を通る仮想直線上に位置していることが好ましい。
また、上記切削インサートにおいて、前記底切れ刃のすくい面、前記外周切れ刃のすくい面、及び、前記コーナーR切れ刃のすくい面が、同一平面上に形成されていることが好ましい。
また、上記切削インサートにおいて、
前記コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見て、
前記底切れ刃における前記中心軸方向の先端を通り前記径方向に沿って延びる直線を径方向基準線とし、前記コーナーR切れ刃と前記底切れ刃との境界点における接線を第1の接線とし、前記コーナーR切れ刃と前記外周切れ刃との境界点における接線を第2の接線として、
前記第1の接線と前記径方向基準線との間に形成される角度θ1が、12〜25°であり、
前記第2の接線と前記径方向基準線との間に形成される角度θ2が、(90°−θ1)°であることが好ましい。
また、上記切削インサートにおいて、前記底切れ刃の曲率半径及び前記外周切れ刃の曲率半径に対して、前記コーナーR切れ刃の曲率半径が、33%以下であることが好ましい。
また、上記切削インサートにおいて、
前記外周切れ刃のねじれ角が、正の値を有し、
前記コーナーR切れ刃と前記外周切れ刃との境界点における前記コーナーR切れ刃の軸方向すくい角が、正の値を有し、
前記コーナーR切れ刃と前記底切れ刃との境界点における前記コーナーR切れ刃の軸方向すくい角が、正の値を有していることが好ましい。
本発明の切削インサート及び刃先交換式回転切削工具によれば、被削材の加工部位や形状に係わらず、加工面の性状が均等となるように切削加工を施すことが可能である。このため、仕上げ加工や中仕上げ加工等において、加工面全体にわたって良好な加工面精度を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る刃先交換式回転切削工具を示す斜視図である。 刃先交換式回転切削工具の平面図である。 刃先交換式回転切削工具の側面図である。 刃先交換式回転切削工具の正面図である。 刃先交換式回転切削工具に装着される切削インサートを示す斜視図である。 切削インサートを示す(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図である。 切削インサートの切れ刃部を拡大して示す(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図である。 コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見た、本発明の一実施形態に係る切削インサートの平面図である。 コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見た、参考例の切削インサートの平面図である。 コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見た、参考例の切削インサートの平面図である。 (a)本発明の切削インサート(刃先交換式回転切削工具)で切削した加工面のピックフィードのピッチ及びカスプハイトを示す図、(b)従来の切削工具で切削した加工面のピックフィードのピッチ及びカスプハイトを示す図である。 本発明の一実施形態に係る切削インサートの変形例を示す(a)平面図、(b)側面図、(c)正面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る切削インサート5及びこれを備えた刃先交換式回転切削工具6について、図面を参照して説明する。
本実施形態の切削インサート5は、いわゆるレンズと呼ばれる凸円弧形状の底切れ刃11と、いわゆるバレルと呼ばれる凸円弧形状の外周切れ刃9と、底切れ刃11と外周切れ刃9とを接続する凸円弧形状のコーナーR切れ刃13と、から構成される複合R切れ刃を備えた複合Rインサートである。そして、この切削インサート5を備えた刃先交換式回転切削工具6は、被削材に対して正面削り加工(平面加工)や側面削り加工(立壁面加工)を含む種々の切削加工を施すのに適しており、特に、加工面の仕上げ加工や中仕上げ加工等において、優れた面精度を得ることができるものである。
図1〜図4に示されるように、刃先交換式回転切削工具6は、中心軸C回りに回転させられる略円柱状の工具本体1と、工具本体1の中心軸C方向の先端部2に形成された取付座3と、取付座3に着脱可能に装着され、切れ刃部4を有する切削インサート5と、を備えている。
本実施形態の刃先交換式回転切削工具6は、鋼材等で形成された工具本体1と、工具本体1よりも硬質の超硬合金等で形成された切削インサート5と、を備えている。工具本体1の先端部2に形成された取付座(インサート取付座)3には、板状をなす切削インサート5がそのインサート中心軸を工具の中心軸Cに一致させた状態で、取り外し可能に装着される。取付座3に取り付けられた切削インサート5は、その切れ刃部4が、工具本体1の先端側及び径方向外側に突出して配置される。
刃先交換式回転切削工具6は、工具本体1の基端部(シャンク部)が、工作機械の主軸(不図示)に取り付けられ、主軸が回転駆動させられるのにともなって、中心軸C回りの工具回転方向Rに回転させられる。そして、主軸とともに工具本体1が、中心軸Cに交差する方向や中心軸C方向に送られることで、金属材料等からなる被削材に対して切削インサート5の切れ刃部4で切り込んでいき、転削加工(ミーリング加工)を施す。なお、本実施形態の刃先交換式回転切削工具6は、例えば4〜6軸の多軸制御のマシニングセンタ等の工作機械に用いることがより好ましい。
本実施形態においては、工具本体1の中心軸Cが延在する方向、つまり中心軸Cに沿う方向を、中心軸C方向という。また、中心軸C方向のうち、工具本体1のシャンク部から取付座3へ向かう方向(図2及び図3における下方)を先端側といい、取付座3からシャンク部へ向かう方向(図2及び図3における上方)を基端側という。
また、中心軸Cに直交する方向を径方向という。径方向のうち、中心軸Cに接近する方向を径方向の内側といい、中心軸Cから離間する方向を径方向の外側という。
また、中心軸C回りに周回する方向を周方向という。周方向のうち、切削時に主軸の回転により工具本体1が回転させられる向きを工具回転方向Rといい、これとは反対の回転方向を、工具回転方向Rとは反対側(つまり反工具回転方向)という。
なお、上記した向き(方向)の定義は、刃先交換式回転切削工具6の中心軸Cに対してインサート中心軸が一致させられる(同軸に配置される)切削インサート5においても、同様に適用される。従って、切削インサート5を示す図6〜図10及び図12においては、インサート中心軸を、中心軸Cと同じ符号Cを用いて表す。
図1〜図4において、取付座3は、工具本体1の先端部2に、工具の中心軸Cを含んで径方向に延びて形成されたスリット状のインサート嵌合溝7と、インサート嵌合溝7に挿入された切削インサート5を固定するための固定用ネジ8と、を備えている。
インサート嵌合溝7は、工具本体1の先端面に開口し、工具本体1の径方向に延びて工具本体1の外周面にも開口している。インサート嵌合溝7は、工具本体1の先端面から基端側へ向かって所定の長さ(深さ)に形成されたスリット状をなしている。
工具本体1の先端部2にスリット状のインサート嵌合溝7を形成したことにより、工具本体1の先端部2は2つに分割されて、一対の先端半体部(半割り片)が形成されている。また、先端部2には、先端半体部の一方の表面部から、インサート嵌合溝7と交差して他方の先端半体部内に達するように、インサート固定用ネジ孔が形成されている。インサート固定用ネジ孔のネジ孔中心軸は、先端部2において径方向に延びており、具体的には径方向のうち、インサート嵌合溝7が工具本体1の径方向に延びる向きに対して、直交する向きに延びている。
インサート固定用ネジ孔のうち、一方の先端半体部に形成された孔部分の内径は、他方の先端半体部に形成された孔部分の内径よりも大きくされている。また、他方の先端半体部に形成された孔部分の内周面には、固定用ネジ8の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部が形成されている。インサート固定用ネジ孔のうち、少なくとも一方の先端半体部に形成された孔部分は、貫通孔となっている。本実施形態の例では、一方の先端半体部及び他方の先端半体部の各孔部分が、それぞれ貫通孔とされている。
図5〜図8に示されるように、切削インサート5は、板状のインサート本体15と、インサート本体15に形成された切れ刃部4と、インサート本体15に形成され、該インサート本体15を厚さ方向に貫通するネジ挿通孔18と、を備えている。
本実施形態の切削インサート5は、中心軸Cを対称軸として表裏反転対称(180°回転対称)に形成されている。
インサート本体15は、略平板形状をなしている。インサート本体15の厚さ方向を向く表裏面は、一対の平面部16、17とされている。ネジ挿通孔18は、インサート本体15を厚さ方向に貫通するとともに、一方の平面部16と他方の平面部17とに開口して形成された貫通孔である。ネジ挿通孔18には、切削インサート5を取付座3に装着し固定する際に、固定用ネジ8が挿通される。インサート本体15におけるネジ挿通孔18の配置については、別途後述する。
切れ刃部4は、インサート本体15における中心軸C方向の先端部及び径方向の外端部に配置されている。切れ刃部4は、工具回転方向Rを向くすくい面と、すくい面に交差して先端側及び径方向外側の少なくともいずれかを向く逃げ面と、すくい面と逃げ面との交差稜線に形成される切れ刃と、を備えている。
前記切れ刃には、外周切れ刃9と、底切れ刃11と、コーナーR切れ刃13と、が含まれる。前記切れ刃は、外周切れ刃9、底切れ刃11及びコーナーR切れ刃13を備えたことにより、全体として略L字状をなしている。また、各切れ刃(9、11、13)に対して、すくい面及び逃げ面がそれぞれ隣接配置される。
本実施形態の切削インサート5は、2枚刃の切削インサートであり、外周切れ刃9、底切れ刃11及びコーナーR切れ刃13を備えた前記切れ刃の組を、中心軸Cを中心として、180°回転対称に2組有している。
図7(a)に示されるように、底切れ刃11は、インサート本体15の中心軸C方向の先端部に配置され、径方向に沿うように延びるとともに、中心軸C方向の先端側へ向けて凸となる円弧形状をなしている。
底切れ刃11は、そのコーナーR切れ刃13に接続する径方向外端から径方向の内側へ向かうに従い、中心軸C方向の先端側へ向けて傾斜して延びている。底切れ刃11における、径方向に沿う単位長さあたりの中心軸C方向へ向けた変位量(つまり径方向に対する傾き)は、該底切れ刃11の径方向外端から径方向内側へ向かうに従い漸次小さくされていき、径方向内端においてゼロとなる。
切れ刃部4の切れ刃全長のうち、底切れ刃11の径方向内端は、中心軸C方向の最先端に位置している。本実施形態では、底切れ刃11の径方向内端が、中心軸C上に配置されている。底切れ刃11の径方向内端(中心軸C方向の最先端)における接線(後述する径方向基準線)RRは、中心軸Cに垂直な平面(水平面)に対して平行に延びる。
切削インサート5を工具本体1の取付座3(インサート嵌合溝7)に装着して、刃先交換式回転切削工具6を中心軸C回りに回転させると、底切れ刃11の回転軌跡は、先端側へ向けて膨出する凸レンズ形状をなす。
本実施形態の例では、図7(b)に示されるように、底切れ刃11の軸方向すくい角(アキシャルレーキ)が、0°である。ただしこれに限定されるものではなく、底切れ刃11の軸方向すくい角は、正の値(ポジティブ角)や負の値(ネガティブ角)であってもよい。また、図6(c)及び図7(c)に示されるように、底切れ刃11の径方向すくい角は、0°とされている。
図7(a)に示されるように、底切れ刃11の径方向外端と、コーナーR切れ刃13の径方向内端とは、境界点Aにおいて共通の接線(後述する第1の接線)L1を有して互いになだらかに接続している。つまり、境界点Aから径方向内側へ向かう切れ刃部分が底切れ刃11であり、境界点Aから径方向外側へ向かう切れ刃部分がコーナーR切れ刃13である。
切れ刃部4の工具回転方向Rを向くすくい面のうち、底切れ刃11の中心軸C方向の基端側に隣接する部分に、底切れ刃11のすくい面12が形成されている。本実施形態の例では、底切れ刃11のすくい面12が平面状をなしている。
また、インサート本体15において中心軸C方向の先端側を向く先端面のうち、底切れ刃11の工具回転方向Rとは反対側に隣接する部分に、底切れ刃11の逃げ面が形成されている。底切れ刃11の逃げ面は、先端側へ向けて凸となる曲面状をなしている。底切れ刃11の逃げ面は、該底切れ刃11から工具回転方向Rとは反対側へ向かうに従い中心軸C方向の基端側へ向けて傾斜しており、これにより底切れ刃11には逃げ角が付与されている。
図7(a)に示されるように、外周切れ刃9は、インサート本体15の径方向の外端部に配置され、中心軸C方向に沿うように延びるとともに、径方向の外側へ向けて凸となる円弧形状をなしている。
外周切れ刃9は、そのコーナーR切れ刃13に接続する中心軸C方向の先端から基端側へ向かうに従い、径方向外側へ向けて傾斜して延びている。外周切れ刃9における、中心軸C方向に沿う単位長さあたりの径方向へ向けた変位量(つまり中心軸C方向に対する傾き)は、該外周切れ刃9の中心軸C方向の先端から基端側へ向かうに従い漸次小さくされていき、中心軸C方向の基端においてゼロとなる。
切れ刃部4の切れ刃全長のうち、外周切れ刃9の中心軸C方向の基端は、径方向の最外端に位置している。外周切れ刃9の中心軸C方向の基端(径方向の最外端)における接線(後述する中心軸方向基準線)CRは、中心軸Cに平行な平面(鉛直面)に対して平行に延びる。
切削インサート5を工具本体1の取付座3に装着して、刃先交換式回転切削工具6を中心軸C回りに回転させると、外周切れ刃9の回転軌跡は、径方向外側へ向けて膨出するバレル形状(樽形状)をなす。
本実施形態の例では、図7(b)に示されるように、外周切れ刃9のねじれ角(軸方向すくい角に相当)が、0°である。ただしこれに限定されるものではなく、外周切れ刃9のねじれ角は、正の値や負の値であってもよい。また、外周切れ刃9の径方向すくい角(中心方向すくい角。ラジアルレーキ)は、0°とされている。ただしこれに限定されるものではなく、外周切れ刃9の径方向すくい角は、正の値や負の値であってもよい。
図7(a)に示されるように、外周切れ刃9の中心軸C方向の先端と、コーナーR切れ刃13の中心軸C方向の基端とは、境界点Bにおいて共通の接線(後述する第2の接線)L2を有して互いになだらかに接続している。つまり、境界点Bから中心軸C方向の基端側へ向かう切れ刃部分が外周切れ刃9であり、境界点Bから中心軸C方向の先端側へ向かう切れ刃部分がコーナーR切れ刃13である。
切れ刃部4の工具回転方向Rを向くすくい面のうち、外周切れ刃9の径方向内側に隣接する部分に、外周切れ刃9のすくい面10が形成されている。本実施形態の例では、外周切れ刃9のすくい面10が平面状をなしている。
また、インサート本体15において径方向外側を向く外周面のうち、外周切れ刃9の工具回転方向Rとは反対側に隣接する部分に、外周切れ刃9の逃げ面が形成されている。外周切れ刃9の逃げ面は、径方向外側へ向けて凸となる曲面状をなしている。外周切れ刃9の逃げ面は、該外周切れ刃9から工具回転方向Rとは反対側へ向かうに従い径方向内側へ向けて傾斜しており、これにより外周切れ刃9には逃げ角が付与されている。
図7(a)に示されるように、コーナーR切れ刃13は、底切れ刃11の径方向の外端と外周切れ刃9の中心軸C方向の先端とを繋ぐとともに、先端外周側へ向けて凸となる円弧形状をなしている。
コーナーR切れ刃13は、その底切れ刃11に接続する径方向内端から径方向の外側へ向かうに従い、中心軸C方向の基端側へ向けて傾斜して延びている。コーナーR切れ刃13における、径方向に沿う単位長さあたりの中心軸C方向へ向けた変位量(つまり径方向に対する傾き)は、該コーナーR切れ刃13の径方向内端から径方向外側へ向かうに従い漸次大きくされている。
またコーナーR切れ刃13は、その外周切れ刃9に接続する中心軸C方向の基端から先端側へ向かうに従い、径方向内側へ向けて傾斜して延びている。コーナーR切れ刃13における、中心軸C方向に沿う単位長さあたりの径方向へ向けた変位量(つまり中心軸C方向に対する傾き)は、該コーナーR切れ刃13の中心軸C方向の基端から先端側へ向かうに従い漸次大きくされている。
切削インサート5を工具本体1の取付座3に装着して、刃先交換式回転切削工具6を中心軸C回りに回転させると、コーナーR切れ刃13の回転軌跡は、中心軸C方向の先端側へ向かうに従い漸次縮径する筒状に形成され、その縦断面(中心軸Cを含む断面)が円弧形状(例えば中心角(円弧中心角)が略60〜85°程度の円弧形状)をなす。
本実施形態の例では、図7(b)に示されるように、コーナーR切れ刃13と底切れ刃11との境界点AにおけるコーナーR切れ刃13の軸方向すくい角が、0°である。また、コーナーR切れ刃13と外周切れ刃9との境界点BにおけるコーナーR切れ刃13の軸方向すくい角が、0°である。ただしこれに限定されるものではなく、境界点A、BにおけるコーナーR切れ刃13の軸方向すくい角は、正の値や負の値であってもよい。
コーナーR切れ刃13の径方向すくい角は、0°とされている。ただしこれに限定されるものではなく、コーナーR切れ刃13の径方向すくい角は、正の値や負の値であってもよい。
切れ刃部4の工具回転方向Rを向くすくい面のうち、コーナーR切れ刃13の径方向内側に隣接する部分に、コーナーR切れ刃13のすくい面14が形成されている。本実施形態の例では、コーナーR切れ刃13のすくい面14が平面状をなしている。
また、インサート本体15の外面のうち、コーナーR切れ刃13の工具回転方向Rとは反対側に隣接する部分に、コーナーR切れ刃13の逃げ面が形成されている。コーナーR切れ刃13の逃げ面は、インサート本体15の先端外周側へ向けて凸となる曲面状をなしており、中心軸C方向の先端側かつ径方向外側を向いて形成されている。コーナーR切れ刃13の逃げ面は、該コーナーR切れ刃13から工具回転方向Rとは反対側へ向かうに従い中心軸C方向の基端側かつ径方向内側へ向かうように傾斜しており、これによりコーナーR切れ刃13には逃げ角が付与されている。
切れ刃部4において、底切れ刃11の曲率半径と、外周切れ刃9の曲率半径とは、互いに同一である。本実施形態の例では、底切れ刃11の曲率半径及び外周切れ刃9の曲率半径が、外周切れ刃9を中心軸C回りに回転させて得られる回転軌跡の外径(切れ刃部4の最大直径)に等しい。
また、底切れ刃11の曲率半径及び外周切れ刃9の曲率半径に対して、コーナーR切れ刃13の曲率半径は小さい。本実施形態の例では、底切れ刃11の曲率半径及び外周切れ刃9の曲率半径に対して、コーナーR切れ刃13の曲率半径が、33%以下である。
また本実施形態では、底切れ刃11のすくい面12、外周切れ刃9のすくい面10、及び、コーナーR切れ刃13のすくい面14が、同一平面上に形成されている。つまり、切れ刃部4の切れ刃のすくい面全体が、1つの平面により形成されている。
そして、図7(a)及び図8に示されるように、コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見て、コーナーR切れ刃13の円弧中心点Oを通り、該円弧中心点Oから径方向の内側へ向かうに従い中心軸C方向の基端側へ向けて延びるとともに、中心軸Cに対して45°の角度αで交差する仮想直線VLを対称軸として、底切れ刃11と外周切れ刃9とが、互いに線対称形状となるように形成されている。
具体的に本実施形態では、コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見て、切れ刃部4の切れ刃の刃長全体が、仮想直線VLを対称軸として線対称形状に形成されている。
なお、本実施形態の例では、底切れ刃11のすくい面12、外周切れ刃9のすくい面10及びコーナーR切れ刃13のすくい面14が、互いに同一平面上に形成されていることから、上記「コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見て」は、底切れ刃11のすくい面12を正面に見て、及び、外周切れ刃9のすくい面10を正面に見て、と同義である。
また、上記角度αは、仮想直線VLと中心軸Cとが交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を指している。
また、図7(a)及び図8に示されるように、コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見て、底切れ刃11における中心軸C方向の先端を通り径方向に沿って延びる直線を径方向基準線RRとし、外周切れ刃9における径方向の外端を通り中心軸C方向に沿って延びる直線を中心軸方向基準線CRとし、コーナーR切れ刃13と底切れ刃11との境界点Aにおける接線を第1の接線L1とし、コーナーR切れ刃13と外周切れ刃9との境界点Bにおける接線を第2の接線L2とし、第1の接線L1と径方向基準線RRとの交点D、第1の接線L1と中心軸方向基準線CRとの交点E、及び、径方向基準線RRと中心軸方向基準線CRとの交点Fを、互いに直線で繋いで形成される直角三角形(△DEF)を第1の直角三角形T1とし、第2の接線L2と中心軸方向基準線CRとの交点G、第2の接線L2と径方向基準線RRとの交点H、及び、径方向基準線RRと中心軸方向基準線CRとの交点Fを、互いに直線で繋いで形成される直角三角形(△GHF)を第2の直角三角形T2として、第1の直角三角形T1と第2の直角三角形T2とが、互いに合同である。
また、図7(a)及び図8に示されるコーナーR切れ刃13のすくい面14の正面視において、径方向基準線RRと中心軸方向基準線CRとの交点Fと、コーナーR切れ刃13の円弧中心点Oと、を通る仮想直線は、上記仮想直線VLと一致する。
そして、ネジ挿通孔18の孔中心は、仮想直線VL上に位置している。具体的に、すくい面14の正面視においてネジ挿通孔18の孔中心は、仮想直線VLと中心軸Cとの交点I上に配置されている。
また、コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見て、第1の接線L1と径方向基準線RRとの間に形成される角度θ1が、12〜25°であり、第2の接線L2と径方向基準線RRとの間に形成される角度θ2が、(90°−θ1)°である。また、より好ましくは、角度θ1は15〜22°である。
なお、上記角度θ1は、第1の接線L1と径方向基準線RRとが交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を指している。また、上記角度θ2は、第2の接線L2と径方向基準線RRとが交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度を指している。
以上説明した本実施形態の切削インサート5及び刃先交換式回転切削工具6によれば、コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見て、コーナーR切れ刃13の円弧中心点(円弧の中心)Oを通り中心軸Cに対して45°の角度αで交差する仮想直線VLを対称軸として、底切れ刃11と外周切れ刃9とが、線対称形状に形成されている。
或いは、コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見て、底切れ刃11の曲率半径と外周切れ刃9の曲率半径とが互いに同一であり、かつ、コーナーR切れ刃13と底切れ刃11とを接続する境界点Aの接線(第1の接線)L1を斜辺とする第1の直角三角形T1(△DEF)と、コーナーR切れ刃13と外周切れ刃9とを接続する境界点Bの接線(第2の接線)L2を斜辺とする第2の直角三角形T2(△GHF)とが、互いに合同である。
従って、例えば、被削材に正面削り加工(平面加工)を施すときに、底切れ刃11で切削することにより被削材の加工面に付与される挽き目(加工目、加工痕)と、被削材に側面削り加工(立壁面加工)を施すときに、外周切れ刃9で切削することにより被削材の加工面に付与される挽き目とが、互いに同じ性状となる。
すなわち本実施形態では、底切れ刃11の曲率半径と外周切れ刃9の曲率半径とが、互いに同一であり、かつ、底切れ刃11と外周切れ刃9とが互いに線対称に形成されている。従って、被削材の加工面のうち、平面部のカスプハイトと立壁部のカスプハイトとを同等にするにあたって、いずれも同一のピックフィード(ピッチ)で加工することができ、平面部と立壁部の挽き目を互いに揃えることができる。このため、被削材全体にわたって同じ品質とされた加工面を得ることができる。
つまり、底切れ刃11と外周切れ刃9のいずれを使用した切削加工の場合においても、被削材の加工面の性状を一定に揃えることができるのである。
ここで、ピッチ及びカスプハイトが示された図11(a)を参照する。図11(a)は、被削材Wの加工面の断面を拡大して示す図であり、図中において符号Pが、被削材Wの加工面に付与された加工痕のピッチ(ピックフィードのピッチに相当)を表しており、符号CHが、加工痕のカスプハイトを表している。本実施形態によれば、被削材Wの加工部位や形状に係わらず、ピックフィードのピッチ(幅)Pやカスプハイト(深さ)CHを一定に揃えることができる。
また、上述のように被削材の加工面の性状を一定に揃えることができるので、加工面の面粗さや光沢等を、加工面全体に均等にすることができる。つまり、加工面全体としての表面性能や見栄えを均一化できる。これにより、仕上げ加工や中仕上げ加工において、加工の高精度化に有利な効果を得ることができる。
また、正面削り加工(平面加工)において底切れ刃11で切削可能な加工面の傾斜角度の範囲と、側面削り加工(立壁面加工)において外周切れ刃9で切削可能な加工面の傾斜角度の範囲とが、互いに同一となるため、被削材の加工面の性状を一定に揃えつつ、より多くの加工形状に対応することができる。
なお、本実施形態の切削インサート5及び刃先交換式回転切削工具6を多軸制御のマシニングセンタ等の工作機械に用いた場合には、本実施形態による作用効果がより格別顕著なものとなる。上記多軸制御とは、例えば4〜6軸の制御を指す。多軸制御であることで、互いに傾斜が異なる複数の加工面同士を、より均等な性状に加工しやすくなる。この場合、例えばタービンブレードのような複雑な3次元曲面を有する被削材であっても、高精度に安定して切削加工を施すことができる。
ここで、図8〜図10を参照して、本実施形態についてより詳しく説明する。図8は、本実施形態の切削インサート5を表しており、図9及び図10は、本実施形態とは技術思想が異なる参考例の切削インサート20、30を表している。図8〜図10はそれぞれ、コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見た切削インサート5、20、30の平面図である。図8〜図10に示される3つの切削インサート5、20、30は、すべて、底切れ刃11の曲率半径と外周切れ刃9の曲率半径とが、互いに同一である。
そして図8に示される本実施形態の切削インサート5では、中心軸Cに対して45°の角度αで交差する仮想直線VLを対称軸として、底切れ刃11と外周切れ刃9とが、互いに線対称形状となるように形成されている。また、図8に示される本実施形態の切削インサート5では、第1の直角三角形T1(△DEF)と第2の直角三角形T2(△GHF)とが、互いに合同である。これにより、上述した優れた作用効果を奏する。
一方、図9及び図10に示される参考例の切削インサート20、30では、底切れ刃11の曲率半径と外周切れ刃9の曲率半径とが互いに同一ではあるが、コーナーR切れ刃13の円弧中心点を通過し、中心軸Cに対して45°の角度で交差する仮想直線VLに関して底切れ刃11と外周切れ刃9とが線対称形状に形成されていない。また、図9及び図10に示される参考例の切削インサート20、30では、第1の直角三角形T1(△DEF)と第2の直角三角形T2(△GHF)とが、互いに合同ではない。ここで、辺GFは外周切れ刃9における径方向の外端を通り中心軸C方向に沿って延びる直線であり、辺DFは、底切れ刃11における中心軸C方向の先端を通り径方向に沿って延びる直線であり、辺GHはコーナーR切れ刃13と外周切れ刃9との境界点における接線であり、辺DEはコーナーR切れ刃13と底切れ刃11との境界点における接線である。
従って、図9及び図10に示される参考例の切削インサート20、30では、被削材に正面削り加工(平面加工)を施して加工面に付与される挽き目と、被削材に側面削り加工(立壁面加工)を施して加工面に付与される挽き目とを、互いに同一の性状とすることが難しい場合がある。つまり、単に底切れ刃11の曲率半径と外周切れ刃9の曲率半径とを同一に設定しても、上述した本実施形態のような優れた作用効果が得られるとは限らない。
また本実施形態によれば、従来のボールエンドミルやラジアスエンドミル等の切削工具に比べて、加工時間を短縮することができる。
具体的に、従来のボールエンドミルタイプの切削工具では、切れ刃部の中心軸回りの回転軌跡が半球状をなし、この回転軌跡の半径は工具直径(切れ刃部の回転軌跡の最大直径)の1/2である。そして、ボールエンドミルタイプの切削工具においては、底切れ刃に対応する切れ刃部分の曲率半径、及び、外周切れ刃に対応する切れ刃部分の曲率半径が、ともに工具直径の1/2となる。つまりボールエンドミルタイプの切削工具では、工具半径(工具直径の1/2)に応じて、所定のカスプハイト値以下となるようにピックフィードを設定し、切削加工を行うこととなる。また、ラジアスエンドミルタイプの切削工具の場合は、傾斜した加工面などを切削加工する際にコーナーR切れ刃が使用されるが、該コーナーR切れ刃の曲率半径は、一般にボールエンドミルの切れ刃の曲率半径よりも小さい(工具直径が同一の場合)ことから、ピックフィードはボールエンドミルよりもさらに小さくなる。
これに対して本実施形態では、底切れ刃11の曲率半径及び外周切れ刃9の曲率半径を、工具直径の1/2よりもそれぞれ大きく設定することができる。このため、従来のボールエンドミルで加工した加工面の挽き目のカスプハイトと同等のカスプハイトを得るにあたって(つまり所定のカスプハイト値以下とするにあたって)、本実施形態によればピックフィード(ピッチ)を大きく設定することができる。
なお本実施形態では、底切れ刃11の曲率半径及び外周切れ刃9の曲率半径が、工具直径(切れ刃の回転軌跡の最大径)に等しくされている。従って本実施形態では、従来のボールエンドミルに比べて、ピックフィードを約2倍近い値に設定することができる。
ここで、図11(a)、(b)を参照して、本実施形態と従来例のピックフィード(ピッチ)の違いについて説明する。図11(a)は、本実施形態の切削インサート5(刃先交換式回転切削工具6)で切削した被削材Wの加工面(加工痕)の断面を表しており、図11(b)は、従来の切削工具で切削した被削材Wの加工面の断面を表している。図中において、符号Pはピックフィードのピッチであり、符号CHはカスプハイトである。図11(a)、(b)に示されるように、カスプハイトCHを互いに同一に設定した場合には、図11(a)の本実施形態の方が、ピックフィードのピッチPを大きくすることができる。
このように本実施形態によれば、カスプハイトCHを小さく抑えつつ、ピックフィード(ピッチP)を大きく設定することができる。これにより、加工面に加工痕として付与される凹凸(スカラップ)の数を減らすことができ、加工面精度を高めることができる。また、ピックフィードを大きくした分、ツールパス長さ(総加工長さ)を削減することができ、加工時間を短縮することが可能になる。
本実施形態の切削インサート5を装着した刃先交換式回転切削工具6と、従来例のボールエンドミルとを用いて、実際に被削材(S50C)の切削試験を行ってみたところ、工具直径、切削速度、送り量及びカスプハイト(スカラップハイト)を互いに同一に設定した場合、本実施形態は従来例に比べて、加工時間を約30%も削減できることが確認された。また、加工面の算術平均粗さRa及び十点平均粗さRzは、両方ともに、本実施形態が従来例よりも小さい値となり、加工面精度に優れていることがわかった。
また、底切れ刃11と外周切れ刃9とを接続するコーナーR切れ刃13の曲率半径については、例えば工具直径の1/2よりも小さく設定することができる。従って、このコーナーR切れ刃13を用いて、従来のボールエンドミルでは不可能であった被削材の隅部の切削加工など、種々の切削加工への対応が可能となる。
以上より本実施形態によれば、被削材の加工部位や形状に係わらず、加工面の性状が均等となるように切削加工を施すことが可能である。このため、仕上げ加工や中仕上げ加工等において、加工面全体にわたって良好な加工面精度を得ることができる。
また本実施形態では、インサート本体15に、該インサート本体15を厚さ方向に貫通するネジ挿通孔18が形成されており、このネジ挿通孔18には、工具本体1の取付座3(インサート嵌合溝7)に切削インサート5を固定するための固定用ネジ8が挿通される。
そして本実施形態によれば、ネジ挿通孔18の孔中心が仮想直線VL上に位置しているので、底切れ刃11を用いた切削加工時においても、外周切れ刃9を用いた切削加工時においても、切削インサート5をネジ挿通孔18(固定用ネジ8)回りに回転させようとする力が抑えられる。
具体的には、底切れ刃11を用いた切削加工時においては、該底切れ刃11が受ける切削抵抗の切れ刃法線方向成分が、ネジ挿通孔18の孔中心に向かうように作用する。また、外周切れ刃9を用いた切削加工時においては、該外周切れ刃9が受ける切削抵抗の切れ刃法線方向成分が、ネジ挿通孔18の孔中心に向かうように作用する。このため、固定用ネジ8で固定された切削インサート5を、該固定用ネジ8回りに回転させようとする力が緩和されて、取付座3に対する切削インサート5の微振動(回転微振動)が抑制される。
これにより、被削材の加工面の性状が安定して、高精度加工を実現することができる。
特に、被削材の3次元形状の構成部分に対して、該構成部分の外面に沿った工具軌跡でフライス加工を行う、いわゆる面沿い加工による仕上げ加工や中仕上げ加工において、高精度化に有利な効果を得ることができる。
また本実施形態では、底切れ刃11のすくい面12、外周切れ刃9のすくい面10及びコーナーR切れ刃13のすくい面14が、同一平面上に形成されている。このため、切れ刃全長にわたって、軸方向すくい角や径方向すくい角が概ね変化しない。
しかしながら一般には、底切れ刃11のすくい面12、外周切れ刃9のすくい面10及びコーナーR切れ刃13のすくい面14は、互いに異なる平面や曲面により形成されている。そして、コーナーR切れ刃13と底切れ刃11との境界点A、及び、コーナーR切れ刃13と外周切れ刃9との境界点Bは、互いに形状の異なる2つの切れ刃が接続される部分であることから、境界点A、Bを挟んだ切れ刃の両側では、軸方向すくい角や径方向すくい角が変化する。このため、切削加工時には、境界点A、B近傍の切削負荷が大きくなりやすい。
そこで本実施形態のように、底切れ刃11のすくい面12、外周切れ刃9のすくい面10、及び、コーナーR切れ刃13のすくい面14を、同一平面上に形成することとすれば、境界点A、Bの近傍においても、切れ刃のすくい面は1つの平面によって形成されることになる。
これにより、境界点A、Bを挟んだ切れ刃の両側において、軸方向すくい角や径方向すくい角が大きく変化するようなことが抑えられ、境界点A、B近傍に大きな切削負荷が作用することを防止できる。従って、コーナーR切れ刃13と底切れ刃11との接続部分、及び、コーナーR切れ刃13と外周切れ刃9との接続部分における刃先強度が顕著に高められ、工具寿命が延長する。
また、底切れ刃11のすくい面12、外周切れ刃9のすくい面10及びコーナーR切れ刃13のすくい面14が、同一平面上に形成されているので、切削インサート5の製造が容易である。また、これらのすくい面10、12、14同士の間(接続部位)に凹部(谷部)等が形成されないことから、切削加工時における切屑の引っ掛かり等が抑制されて、切屑排出性が高められる。
また本実施形態では、コーナーR切れ刃13のすくい面14を正面に見て、第1の接線L1と径方向基準線RRとの間に形成される角度θ1が12〜25°であり、第2の接線L2と径方向基準線RRとの間に形成される角度θ2が(90°−θ1)°であるので、コーナーR切れ刃13近傍の切れ刃強度を確保しつつ、種々の被削材の加工部位や形状により対応しやすくなる。
具体的には、角度θ1が12°以上(角度θ2が78°以下)であるので、コーナーR切れ刃13の刃長が大きくなり過ぎることを抑制できる。これにより、底切れ刃11及び外周切れ刃9の各刃長を十分に確保して、上述した本実施形態の効果(カスプハイトCHを小さく抑えつつピックフィードのピッチPを大きくできる等)をより格別なものにできる。詳しくは、角度θ1が12°未満の場合(角度θ2が78°を超える場合)には、コーナーR切れ刃13の刃長が大きくなり過ぎる結果、底切れ刃11、外周切れ刃9及びコーナーR切れ刃13を含む切れ刃全体の形状がボールエンドミルに近いものとなり、上述した本実施形態による効果が得られにくくなるおそれがある。そして、角度θ1が12°以上(角度θ2が78°以下)であれば、底切れ刃11で加工するときにコーナーR切れ刃13が被削材に干渉することを抑制できる。また、外周切れ刃9で加工するときにコーナーR切れ刃13が被削材に干渉することを抑制できる。従って、種々の加工形態に対応しやすくなる。なお、上述した作用効果をより顕著なものとするためには、角度θ1が15°以上(角度θ2が75°以下)であることが望ましい。
また、角度θ1が25°以下(角度θ2が65°以上)であるので、たとえ底切れ刃11及び外周切れ刃9の各曲率半径が大きく設定された場合でも、コーナーR切れ刃13が工具の先端外周側へ向けて尖って形成されるようなことが抑制されて、切れ刃部4のコーナーR切れ刃13近傍の剛性を確保できる。これにより、コーナーR切れ刃13近傍が大きく刃先欠損してしまうようなことが防止される。なお、この作用効果をより顕著なものとするためには、角度θ1が22°以下(角度θ2が68°以上)であることが望ましい。
また本実施形態では、コーナーR切れ刃13の曲率半径が、底切れ刃11の曲率半径及び外周切れ刃9の曲率半径に対して、33%以下と十分に小さく設定されているため、このコーナーR切れ刃13を用いることにより、被削材の隅部の切削加工や倣い加工など種々の切削加工に容易に対応しやすい。また、コーナーR切れ刃13の曲率半径が小さく設定されているため、底切れ刃11及び外周切れ刃9の各刃長を大きく確保することができる。
ここで、図12(a)〜(c)は、本実施形態の切削インサート5の変形例を表している。この変形例では、図12(b)に示されるように、外周切れ刃9のねじれ角が正の値を有しており、この外周切れ刃9とコーナーR切れ刃13との境界点BにおけるコーナーR切れ刃13の軸方向すくい角も、正の値を有している。また、底切れ刃11とコーナーR切れ刃13との境界点AにおけるコーナーR切れ刃13の軸方向すくい角も、正の値を有している。つまり、外周切れ刃9のねじれ角、コーナーR切れ刃13における外周切れ刃9近傍の軸方向すくい角、及び、コーナーR切れ刃13における底切れ刃11近傍の軸方向すくい角が、すべてポジティブ角である。
従って、この変形例によれば、切削加工時に生じた切屑が効率よく工具先端から基端側へと送られて、切屑排出性がよい。また、切屑排出性が良好に維持されることから、切削速度を高めることができ、加工能率が向上する。
また図示の例では、切れ刃の刃長全域にわたってすくい面が1つの平面により形成されていることから、外周切れ刃9のねじれ角、境界点BにおけるコーナーR切れ刃13の軸方向すくい角、境界点AにおけるコーナーR切れ刃13の軸方向すくい角、及び、底切れ刃11の軸方向すくい角が、すべて同一の角度βとされている。このため、上述のように切屑排出性が高められる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、切削インサート5にネジ挿通孔18が形成され、該ネジ挿通孔18の孔中心が、仮想直線VL上に位置しているとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、ネジ挿通孔18の孔中心は、仮想直線VL上に配置されていなくてもよい。ただし、ネジ挿通孔18の孔中心が、仮想直線VL上に配置されていることにより、前述の実施形態で説明した優れた作用効果が得られることから、好ましい。
また、ネジ挿通孔18が形成されていない切削インサート5であってもよく、この場合、切削インサート5は、工具本体1の取付座3にクランプ機構等により着脱可能に装着される。
また、前述の実施形態では、底切れ刃11のすくい面12、外周切れ刃9のすくい面10及びコーナーR切れ刃13のすくい面14が、同一平面上に形成されているとしたが、これに限定されるものではなく、これらのすくい面10、12、14が、同一曲面(凸曲面、凹曲面)上に形成されていてもよい。或いは、これらのすくい面10、12、14が、互いに異なる平面や曲面により形成されていてもよい。
また、前述の実施形態では、角度θ1が12〜25°であり、角度θ2が(90°−θ1)°であることとしたが、角度θ1、θ2の数値範囲は上述したものに限定されない。
また、前述の実施形態では、コーナーR切れ刃13の曲率半径が、底切れ刃11の曲率半径及び外周切れ刃9の曲率半径に対して、33%以下であるとしたが、これに限定されるものではない。ただし、コーナーR切れ刃13の曲率半径は、底切れ刃11の曲率半径及び外周切れ刃9の曲率半径よりも、小さく設定される。
なお、前述の実施形態において、切削インサート5の基体(インサート本体15)の材質は、炭化タングステン(WC)とコバルト(Co)を含む超硬合金の他に、例えば、サーメット、高速度鋼、炭化チタン、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、及びこれらの混合体からなるセラミックス、立方晶窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、多結晶ダイヤモンドあるいは立方晶窒化硼素からなる硬質相と、セラミックスや鉄族金属などの結合相とを超高圧下で焼成する超高圧焼成体を用いることも可能である。
また、工具本体1は、例えば、SKD61等の合金工具鋼で製造する場合の他、SKD61等の合金工具鋼と超硬合金とを接合し形成したものを用いることも可能である。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の切削インサート及び刃先交換式回転切削工具は、被削材の加工部位や形状に係わらず、加工面の性状が均等となるように切削加工を施すことが可能である。また、仕上げ加工や中仕上げ加工等において、加工面全体にわたって良好な加工面精度を得ることができる。従って、産業上の利用可能性を有する。
1 工具本体
2 先端部
3 取付座
4 切れ刃部
5 切削インサート
6 刃先交換式回転切削工具
9 外周切れ刃
10 外周切れ刃のすくい面
11 底切れ刃
12 底切れ刃のすくい面
13 コーナーR切れ刃
14 コーナーR切れ刃のすくい面
15 インサート本体
18 ネジ挿通孔
A 境界点
B 境界点
C 中心軸
CR 中心軸方向基準線
D、E、F、G、H 交点
L1 第1の接線
L2 第2の接線
O 円弧中心点
RR 径方向基準線
T1 第1の直角三角形
T2 第2の直角三角形
VL 仮想直線
α 角度
β 角度(ねじれ角、軸方向すくい角)
θ1 角度
θ2 角度

Claims (9)

  1. 中心軸回りに回転させられる工具本体の先端部に形成された取付座に、着脱可能に装着される切削インサートであって、
    板状のインサート本体と、
    前記インサート本体に形成された切れ刃部と、を備え、
    前記切れ刃部は、
    前記インサート本体の前記中心軸方向の先端部に配置され、前記中心軸に直交する径方向に沿うように延びるとともに、前記中心軸方向の先端側へ向けて凸となる円弧形状をなす底切れ刃と、
    前記底切れ刃のすくい面と、
    前記インサート本体の前記径方向の外端部に配置され、前記中心軸方向に沿うように延びるとともに、前記径方向の外側へ向けて凸となる円弧形状をなす外周切れ刃と、
    前記外周切れ刃のすくい面と、
    前記底切れ刃の前記径方向の外端と前記外周切れ刃の前記中心軸方向の先端とを繋ぐとともに、先端外周側へ向けて凸となる円弧形状をなすコーナーR切れ刃と、
    前記コーナーR切れ刃のすくい面と、を備え、
    前記コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見て、
    前記コーナーR切れ刃の円弧中心点を通り、該円弧中心点から前記径方向の内側へ向かうに従い前記中心軸方向の基端側へ向けて延びるとともに、前記中心軸に対して45°の角度で交差する仮想直線を対称軸として、前記底切れ刃と前記外周切れ刃とが、互いに線対称形状となるように形成されており、
    前記底切れ刃の曲率半径及び前記外周切れ刃の曲率半径を前記切れ刃部の回転軌跡の最大径の1/2よりも大きく設定し、
    前記コーナーR切れ刃の曲率半径を前記切れ刃部の回転軌跡の最大径の1/2よりも小さく設定することを特徴とする切削インサート。
  2. 請求項1に記載の切削インサートであって、
    前記インサート本体には、該インサート本体を厚さ方向に貫通するネジ挿通孔が形成されており、
    前記ネジ挿通孔の孔中心が、前記仮想直線上に位置していることを特徴とする切削インサート。
  3. 中心軸回りに回転させられる工具本体の先端部に形成された取付座に、着脱可能に装着される切削インサートであって、
    板状のインサート本体と、
    前記インサート本体に形成された切れ刃部と、を備え、
    前記切れ刃部は、
    前記インサート本体の前記中心軸方向の先端部に配置され、前記中心軸に直交する径方向に沿うように延びるとともに、前記中心軸方向の先端側へ向けて凸となる円弧形状をなす底切れ刃と、
    前記底切れ刃のすくい面と、
    前記インサート本体の前記径方向の外端部に配置され、前記中心軸方向に沿うように延びるとともに、前記径方向の外側へ向けて凸となる円弧形状をなす外周切れ刃と、
    前記外周切れ刃のすくい面と、
    前記底切れ刃の前記径方向の外端と前記外周切れ刃の前記中心軸方向の先端とを繋ぐとともに、先端外周側へ向けて凸となる円弧形状をなすコーナーR切れ刃と、
    前記コーナーR切れ刃のすくい面と、を備え、
    前記底切れ刃の曲率半径と、前記外周切れ刃の曲率半径とが、互いに同一であり、
    前記底切れ刃の曲率半径及び前記外周切れ刃の曲率半径を前記切れ刃部の回転軌跡の最大径の1/2よりも大きく設定し、
    前記コーナーR切れ刃の曲率半径を前記切れ刃部の回転軌跡の最大径の1/2よりも小さく設定し、
    前記コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見て、
    前記底切れ刃における前記中心軸方向の先端を通り前記径方向に沿って延びる直線を径方向基準線とし、
    前記外周切れ刃における前記径方向の外端を通り前記中心軸方向に沿って延びる直線を中心軸方向基準線とし、
    前記コーナーR切れ刃と前記底切れ刃との境界点における接線を第1の接線とし、
    前記コーナーR切れ刃と前記外周切れ刃との境界点における接線を第2の接線とし、
    前記第1の接線と前記径方向基準線との交点、前記第1の接線と前記中心軸方向基準線との交点、及び、前記径方向基準線と前記中心軸方向基準線との交点を、互いに直線で繋いで形成される直角三角形を第1の直角三角形とし、
    前記第2の接線と前記中心軸方向基準線との交点、前記第2の接線と前記径方向基準線との交点、及び、前記径方向基準線と前記中心軸方向基準線との交点を、互いに直線で繋いで形成される直角三角形を第2の直角三角形として、
    前記第1の直角三角形と前記第2の直角三角形とが、互いに合同であることを特徴とする切削インサート。
  4. 請求項3に記載の切削インサートであって、
    前記インサート本体には、該インサート本体を厚さ方向に貫通するネジ挿通孔が形成されており、
    前記ネジ挿通孔の孔中心が、前記径方向基準線と前記中心軸方向基準線との交点と、前記コーナーR切れ刃の円弧中心点と、を通る仮想直線上に位置していることを特徴とする切削インサート。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の切削インサートであって、
    前記底切れ刃のすくい面、前記外周切れ刃のすくい面、及び、前記コーナーR切れ刃のすくい面が、同一平面上に形成されていることを特徴とする切削インサート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の切削インサートであって、
    前記コーナーR切れ刃のすくい面を正面に見て、
    前記底切れ刃における前記中心軸方向の先端を通り前記径方向に沿って延びる直線を径方向基準線とし、
    前記コーナーR切れ刃と前記底切れ刃との境界点における接線を第1の接線とし、
    前記コーナーR切れ刃と前記外周切れ刃との境界点における接線を第2の接線として、
    前記第1の接線と前記径方向基準線との間に形成される角度θ1が、12〜25°であり、
    前記第2の接線と前記径方向基準線との間に形成される角度θ2が、(90°−θ1)°であることを特徴とする切削インサート。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の切削インサートであって、
    前記底切れ刃の曲率半径及び前記外周切れ刃の曲率半径に対して、前記コーナーR切れ刃の曲率半径が、33%以下であることを特徴とする切削インサート。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の切削インサートであって、
    前記外周切れ刃のねじれ角が、正の値を有し、
    前記コーナーR切れ刃と前記外周切れ刃との境界点における前記コーナーR切れ刃の軸方向すくい角が、正の値を有し、
    前記コーナーR切れ刃と前記底切れ刃との境界点における前記コーナーR切れ刃の軸方向すくい角が、正の値を有していることを特徴とする切削インサート。
  9. 中心軸回りに回転させられる工具本体と、
    前記工具本体の先端部に形成された取付座と、
    前記取付座に着脱可能に装着される切削インサートと、を備えた刃先交換式回転切削工具であって、
    前記切削インサートとして、請求項1〜8のいずれか一項に記載の切削インサートを用いたことを特徴とする刃先交換式回転切削工具。
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