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JP6574259B2 - 新規水中接着剤化合物 - Google Patents

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JP6574259B2
JP6574259B2 JP2017539992A JP2017539992A JP6574259B2 JP 6574259 B2 JP6574259 B2 JP 6574259B2 JP 2017539992 A JP2017539992 A JP 2017539992A JP 2017539992 A JP2017539992 A JP 2017539992A JP 6574259 B2 JP6574259 B2 JP 6574259B2
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Description

本発明は、新規水中接着剤化合物に関する。
水中で使用可能な接着剤は多くない。数少ない水中接着剤として、エポキシ系接着剤が知られている(特許文献1)。しかし、エポキシ系接着剤は、反応性の高いエポキシ基による接着剤であるために、使い方が限られてしまう。また通常2種類の樹脂を直前に混合する必要があり、その配合によって接着強度が変化してしまう。さらに硬化時間も通常数時間以上と長い。そこで、新規な水中接着剤が求められていた。
様々な自己修復性材料の開発が試みられている。特許文献2は、自己修復性のゲル材料を開示している。しかし、このような自己修復性材料は、自己修復性付与の代償として、柔らかい材料となり、強度を要する部材には適さないものであった。そこで、一定の強度がある新規な自己修復性材料が求められていた。
特開2003−155466号公報 特開2013−144769号公報
本発明の目的は、新規な水中接着剤を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究の結果、後述する新規化合物が、水中接着剤となることを見いだして、本発明に到達した。
したがって、本発明は、次の(1)以下を含む。
(1)
次の式I:
Figure 0006574259
(ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
mは1〜5の整数であり、nは繰り返し単位の重合度である)
で表される高分子化合物。
(2)
次の式II:
Figure 0006574259
(ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
mは1〜5の整数である)
で表される化合物と、
次の式III:
Figure 0006574259
で表される化合物とが重合されてなる、高分子化合物。
(3)
次の式II:
Figure 0006574259
(ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
mは1〜5の整数である)
で表される化合物と、
次の式IV:
Figure 0006574259
(ただし、式中、R3及びR4は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
jは1〜5の整数である)
で表される化合物とが重合されてなる、高分子化合物。
(4)
重合度が10〜1,000の範囲にある、(1)〜(3)のいずれかに記載の高分子化合物。
(5)
R1及びR2が、それぞれ独立に、メチレン基(−CH2−)又はエチレン基(−CH2−CH2−)である、(1)〜(4)のいずれかに記載の高分子化合物。
(6)
mが1〜3の整数である、(1)〜(5)のいずれかに記載の高分子化合物。
(7)
R3及びR4が、それぞれ独立に、メチレン基(−CH2−)又はエチレン基(−CH2−CH2−)である、(3)〜(6)のいずれかに記載の高分子化合物。
(8)
jが1〜3の整数である、(3)〜(7)のいずれかに記載の高分子化合物。
(11)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、接着剤。
(12)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、水中接着剤。
(13)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、自己修復性材料。
(14)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、非共有結合型自己修復性材料。
(15)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、耐疲労性材料。
(16)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、応力記録性材料。
(17)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、応力非線形応答性塑性変形材料。
(18)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、応力緩和性材料。
(21)
次の式II:
Figure 0006574259
(ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
mは1〜5の整数である)
で表される化合物と、
次の式III:
Figure 0006574259
で表される化合物とを重合する工程、
を含む、(2)に記載された高分子化合物を製造する方法。
(22)
次の式II:
Figure 0006574259
(ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
mは1〜5の整数である)
で表される化合物と、
次の式IV:
Figure 0006574259
(ただし、式中、R3及びR4は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
jは1〜5の整数である)
で表される化合物とを重合する工程、
を含む、(3)に記載された高分子化合物を製造する方法。
(31)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる接着剤を、被接着部材の被接着面に接触させて固定する工程、
固定された接着剤を加熱する工程、
加熱された接着剤を冷却する工程、
を含む、接着方法。
(32)
固定する工程、加熱する工程、及び冷却する工程が、水中、水溶液中または高湿度環境下で行われる、(31)に記載の接着方法。
(33)
被接着部材の被接着面が、水又は水溶液で濡れた非接着面である、(31)〜(32)のいずれかに記載の接着方法。
(34)
加熱する工程が、高分子化合物のガラス転移点の温度以上に加熱する工程であり、
冷却する工程が、高分子化合物のガラス転移点の温度以下に冷却する工程である、(31)〜(33)のいずれかに記載の接着方法。
(35)
被接着部材の材質が、金属、ガラス、木材、及び合成樹脂から選択された材質である、(31)〜(34)のいずれかに記載の接着方法。
(36)
加熱する工程に代えて、
固定された接着剤を超音波処理する工程、が行われる、(31)〜(35)のいずれかに記載の接着方法。
(41)
(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる自己修復性材料の切断面を再接触させて固定する工程、
を含む、自己修復方法。
(42)
固定する工程の後に、高分子化合物のガラス転移点の温度以上で維持する工程、を含む、(41)に記載の方法。
本発明の新規接着剤によれば、水中での接着が可能である。本発明の接着剤は、反応性の高いエポキシ基を含有しないものであり、2剤の混合等を要しないものであるので、水中での取り扱い性に優れている。
図1はT2EGの動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。 図2はT3EGの動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。 図3はT4EGの動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。 図4はU3EGの動的粘弾性測定の結果を示すグラフである。 図5はT3EGの特性をまとめて示す説明図である。 図6は接着力評価試験の手順の説明図と結果のグラフである。 図7は水中接着耐久性試験の結果を示すグラフである。 図8は接着強度のプロセス依存性試験の結果を示すグラフである。 図9は塩に対する耐久性試験の結果を示す説明図である。 図10は接着の基材依存性の試験の結果を示す写真である。 図11はダンベル型試験片の形状と大きさを示す図面である。 図12は定性的自己修復性試験の手順と結果を示す写真である。 図13は自己修復試験(定量的評価)の手順である。 図14はT2EG(TUEG2)についての圧縮による自己修復試験(定量的評価)の結果である。 図15はT3EG(TUEG3)についての圧縮による自己修復試験(定量的評価)の結果である。 図16は圧縮による自己修復試験(定性的評価)の手順と結果を示す写真である。 図17はT2EG(TUEG2)についての非線形クリープ応答試験の結果である。 図18はT3EG(TUEG3)についての非線形クリープ応答試験の結果である。 図19はTC8(TUC8)についての線形クリープ応答試験の結果である。 図20は応力によるクリープ速度の変化を示すグラフである。 図21は応力緩和試験の結果である。 図22はT2EGのx線回折測定結果である。 図23はT3EGのx線回折測定結果である。
具体的な実施の形態をあげて、以下に本発明を詳細に説明する。本発明は、以下にあげる具体的な実施の形態に限定されるものではない。
[高分子化合物(式I)]
本発明は、次の式I:
Figure 0006574259
(ただし、式中、nは繰り返し単位の重合度である)
(ただし、式中、*は隣接する繰り返し単位が結合していることを表す)
で表される高分子化合物を提供する。
[高分子化合物(式II及びIII)]
本発明は、次の式II:
Figure 0006574259
で表される化合物と、
次の式III:
Figure 0006574259
で表される化合物とが重合されてなる、高分子化合物を提供する。
[高分子化合物(式II及びIV)]
本発明は、次の式II:
Figure 0006574259
で表される化合物と、
次の式IV:
Figure 0006574259
で表される化合物とが重合されてなる、高分子化合物を提供する。
[重合度(n)]
上記の重合されてなる高分子化合物の繰り返し単位の重合度(n)は、例えば、10〜1,000の範囲、10〜500の範囲、10〜100の範囲とすることができる。また、数平均重合度を、10〜1,000の範囲、10〜500の範囲、10〜100の範囲とすることができる。重合度及び数平均重合度は、公知の手段によって、決定することができる。
[R1、R2、m]
上記式I及びIIにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、好ましくはそれぞれ独立にメチレン基(−CH2−)又はエチレン基(−CH2−CH2−)であり、特に好ましくはメチレン基(−CH2−)である。mは、例えば1〜5、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3の整数である。
[R3、R4、j]
上記式IVにおいて、R3及びR4は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、好ましくはそれぞれ独立にメチレン基(−CH2−)又はエチレン基(−CH2−CH2−)であり、特に好ましくはメチレン基(−CH2−)である。jは、例えば1〜5、好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜3の整数である。
[T2EG、T3EG、T4EG]
本発明の好適な高分子化合物として、T2EG、T3EG、T4EGをあげることができる。T3EGは、特に好ましい。以下にこれらの構造式を示す。
Figure 0006574259
[高分子化合物の物性]
好適な実施の態様において、本発明の高分子化合物は、例えば1,000〜100,000、3,000〜30,000、5,000〜15,000の数平均分子量(MN:g/モル)を有し、例えば−10℃〜120℃、0℃〜100℃、5℃〜70℃のガラス転移点温度を有するものとできる。
[水中接着剤]
本発明の高分子化合物は、接着剤として使用することができる。この接着剤は、大気中に限られることなく水中においても接着に使用でき、さらに、接着した後に大気中に限られることなく水中においてもその接着を維持でき、すなわち水中接着剤として使用できる。水中とは、水中及び水溶液中を含む。ここでいう水中接着には、高湿度環境のため表面に水が付着した状態の2つの被接着表面を、乾燥させるプロセスを経ずに接着させることを含む。すなわち、水又は水溶液で濡れた被接着面の接着を含む。また、本発明の高分子化合物は、接着性と水との接触下での安定性を生かして、補修剤、ライニング剤としても、好適に使用できる。
[接着方法]
本発明の接着剤は、接着剤を被接着部材の被接着面に接触させて固定する工程、固定された接着剤を加熱する工程、加熱された接着剤を冷却する工程、を含む接着方法に使用できる。固定する工程、加熱する工程、及び冷却する工程は、それぞれ独立に、大気中又は水中で行うことができる。好適な実施の態様において、固定する工程、加熱する工程、及び冷却する工程を、水中で行うことができる。この加熱する工程に代えて、超音波処理する工程を行うこともできる。
[固定する工程]
接着剤を被接着部材の被接着面に接触させて固定する工程は、公知の手段によって、行うことができる。例えば、専用の固定器具を用意して、この固定を行ってもよい。
[加熱する工程]
固定された接着剤を加熱する工程は、接着剤である高分子化合物のガラス転移点の温度(Tg)以上に加熱する工程である。Tgは、例えばT2EGでは60℃、T3EGでは30℃、T4EGでは10℃である。例えばTgよりも100℃、50℃、20℃、10℃高い温度以上に加熱することができる。チオ尿素を含有する高分子の分解温度250℃が上限温度であり、分解温度以下であれば所望により加熱することができるが、操作の便宜から、例えば200℃以下、100℃以下とすることができる。
[冷却する工程]
加熱された接着剤を冷却する工程は、接着剤である高分子化合物のガラス転移点の温度(Tg)以下に冷却する工程である。例えばTgよりも40℃、30℃、20℃、10℃低い温度以下に冷却することができる。温度の下限は特にないが、操作の便宜から、例えば5℃以上、0℃以上とすることができる。
[超音波処理する工程]
固定された接着剤を加熱する工程に代えて、固定された接着剤を超音波処理する工程を、行うことができる。この超音波処理により、接着剤が溶着される。超音波処理としては、例えば10〜100Hz、30〜60Hzの周波数で、例えば10〜1,000W、20〜500Wの出力で、例えば30秒〜60分、1分〜45分の超音波処理を行うことができる。
[被接着部材の材質]
本発明の接着剤は、広範な材質の部材の接着に使用することができる。接着が困難とされる材質であっても好適に接着することができる。被接着部材の材質としては、例えば、金属、ガラス、木材、樹脂をあげることができる。
[自己修復性材料]
本発明の高分子化合物は、自己修復性材料として使用することができる。この自己修復性材料は、大気中においても水中においても溶解することなく使用できる材料であり、そして、大気中においても水中においても自己修復の特性を発揮する。本明細書において、自己修復とは、材料が、切断等の損傷を受けても外部から補助剤を添加することなく、損傷部位の修復がなされることをいう。損傷部位の修復は、繰り返し可能であることが好ましい。本発明の高分子化合物を用いた自己修復には化学反応を伴わず、非共有結合の架橋構造のみによると考えられ、すなわち非共有結合性自己修復性材料であり、繰り返しての自己修復が可能である。
本発明の高分子化合物の自己修復性は、切断面を再接触させて、自己修復した後に、例えば12時間後に切断前の95%以上にまで引っ張り強度が回復するという、高い自己修復性を示す。また、実施例に示すように、例えば12時間後からさらに6時間後(再接触から18時間後)まで回復させることで100%まで回復させることも可能なものであって、一般に、自己修復性のある材料は、柔らかい材料であることが多いが、本発明の高分子化合物は、それ自身が機械的強度を要する部材として使用できるほどに、十分な機械的強度を備えている。
[自己修復方法]
本発明の自己修復性材料は、自己修復性材料の切断面を再接触させて固定する工程、
を含む方法によって、自己修復することができる。好適な実施の態様において、この固定による保持は、例えば20秒〜12時間、1分〜6時間の間、行うことができ、これを越えて保持して、再接合を強固なものとしてもよい。この工程は、常温で行うこともできる、好適な実施の態様において、自己修復の促進のために、固定する工程の後に、高分子化合物のガラス転移点の温度以上へと加熱する工程を設けてもよい。ガラス転移点は、例えばT2EGでは60℃、T3EGでは30℃、T4EGでは10℃である。例えばガラス転移点よりも40℃、30℃、20℃、10℃高い温度以上に加熱することができる。温度の上限は特にないが、操作の便宜から、例えば200℃以下、100℃以下とすることができる。あるいは、加熱する工程に代えて、超音波処理する工程を設けて、自己修復を促進することもできる。超音波処理の条件としては、例えば接着方法において上述した超音波処理の条件を使用することができる。
[組成物]
本発明の高分子化合物は、上述した繰り返し単位を備えることによって、上述の優れた特性を発揮しているので、これらの優れた特性を損なわない範囲において、公知の手段を使用して、その他の繰り返し単位を導入し、あるいは側鎖を修飾した場合にも、それらの高分子化合物は、本発明の範囲内にある。また、本発明の高分子化合物は、単体として使用しても、接着剤及び自己修復性材料として優れた特性を発揮するので、これらの優れた特性を損なわない範囲内において、公知の手段を使用して、特性を制御するために、所望の添加剤を添加した場合にも、添加剤が添加された組成物は、本発明の範囲内にある。
[耐疲労性材料・応力緩和性材料]
本発明の高分子化合物は、耐疲労性材料として使用することができる。この耐疲労性材料は、大気中においても水中においても溶解することなく使用できる材料であり、そして、大気中においても水中においても耐疲労性の特性を発揮する。本明細書において、耐疲労性とは、材料が、引き延ばし等の応力を繰り返し受けても、速やかに応力緩和が生じて、同時に応力を受ける以前のヤング率を速やかに回復できることをいう。このような条件では、通常の樹脂であれば、繰り返される応力によって、疲労が蓄積して、ヤング率等の回復を示すことなく、破断等してしまう。したがって、本発明の耐疲労性材料は、応力緩和性材料でもある。本発明の高分子化合物を用いた耐疲労性及び応力緩和は化学反応を伴わず、非共有結合の架橋構造のみによると考えられ、繰り返しての応力緩和及び耐疲労性の発揮が可能である。
[応力記録性材料・応力非線形応答性塑性変形材料]
本発明の高分子化合物は、応力記録性材料及び応力非線形応答性塑性変形材料として使用することができる。この応力記録性材料及び応力非線形応答性塑性変形材料は、大気中においても水中においても溶解することなく使用できる材料であり、そして、大気中においても水中においても耐疲労性の特性を発揮する。本明細書において、応力記録とは、材料が、一定の閾値以上の応力を受けることで、変形と応力緩和が生じて、変形後の形状がそのまま安定して維持されることをいう。この塑性変形は、閾値以上の応力で生じるので、すなわち本発明は応力非線形応答性塑性変形材料にもある。本発明の高分子化合物を用いた応力記録は化学反応を伴わず、非共有結合の架橋構造のみによると考えられ、繰り返しての応力記録及び応力非線形応答性塑性変形が可能である。
[非晶性材料]
本発明の高分子化合物は、非晶性材料として使用することができる。
以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明する。本発明は、以下に例示する実施例に限定されるものではない。
[製造例1:T3EGの合成]
製造例1のポリマーとして、T3EGを、以下のように合成した。
両末端にアミノ基を持つトリエチレングリコールとモル比で0.95当量のチオカルボニルジイミダゾールをジメチルホルムアミド溶媒中に加えて、アルゴン雰囲気下、80℃で6時間撹拌した。反応混合物を激しく撹拌したメタノール中に滴下してペースト状の不溶物を得た。不溶物と上清をデカンテーションにより分離しクロロホルムに溶解させた。再びこれをメタノール中に滴下し、生じた沈殿物を分離する操作をさらに2回繰り返した。得られたペースト状の不溶物を80℃で24時間真空乾燥させて、黄色がかった透明の樹脂として、T3EGを得た。このポリマーの合成のスキームを、次のスキーム1に示す。
スキーム1:
Figure 0006574259
なお、チオカルボニルイミダゾールの代わりに両末端にイソチオシアネート基を持つモノマーを用いても、同様にポリマーを合成することができた。得られたポリマーの分離精製には上述のチオカルボニルイミダゾールを用いた場合と同じ方法を用いた。得られたポリマーは、上述のチオカルボニルイミダゾールを用いた場合と同様の性質を示した。このポリマーの合成のスキームを、次のスキーム2に示す。
スキーム2:
Figure 0006574259
[製造例2〜5:T2EG、T4EG、TC8、TC12の合成]
製造例2〜5のポリマーとして、それぞれT2EG、T4EG、TC8、TC12を、T3EGと同様の方法によって合成した。
[製造例6:U3EGの合成]
U3EGの合成には、モノマーには両末端にアミノ基を持つトリエチレングリコールとモル比で0.95当量のカルボニルジイミダゾールを、溶媒にはN−メチルピロリドンを用いた(温度、反応時間は同じ。)反応混合物を激しく撹拌したアセトンに滴下すると、粉末状の不溶物が生じた。これをろ過で分離した後に、粉末を過剰量のメタノールで洗浄した。得られた粉末を80℃で24時間真空乾燥させて、白色の粉末として、U3EGを得た。
Figure 0006574259
[合成したポリマーの特定(1)]
製造例1〜6で合成したポリマーの化学構造を、1H NMR、 13C NMRを用いて確認した。測定には20mgのポリマーサンプルを0.7mLのジメチルスルホキシド−d6に溶解させたものを用いた。測定は全て室温で行った。U3EGの測定には溶媒として重水を用いた。
T2EG:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 2.80 (br, CH2NH2), 3.45−3.59 (br, CH2O, C(S)NHCH2), 7.50 (br, C(S)NH). 13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ):44.05, 69.54,183.34
T3EG:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 2.78 (br, CH2NH2), 3.45−3.59 (br, CH2O, C(S)NHCH2), 7.49 (br, C(S)NH). 13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ):44.03, 69.54, 70.11, 183.34
T4EG:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 2.76 (br, CH2NH2), 3.45−3.59 (br, CH2O, C(S)NHCH2), 7.48 (br, C(S)NH). 13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ):44.04, 69.52, 70.15, 70.28, 183.21
TC8:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 1.21(br, CH2), 1.41(br, C(S)NHCH2), 3.03 (br, CH2NH2), 7.23 (br, C(S)NH). 13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 26.91, 29.32, 44.18
TC12:
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 1.20(br, CH2), 1.40(br, C(S)NHCH2), 3.08 (br, CH2NH2), 7.21 (br, C(S)NH). 13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 26.91, 29.35, 44.18
U3EG:
1H NMR (500 MHz, D2O, δ): 3.10 (br, CH2NH2), 3.55 (br, C(O)NHCH2), 3.80-3.92 (br, CH2O ) 13C NMR (500 MHz, DMSO-d6, δ): 40.04, 70.01, 70.27, 160.84
ポリマーの重合度、数平均分子量は1H NMRの末端アミノ基に隣接するメチレン由来のピークとNH由来のピークの積分比から求めた。モノマー仕込み比から予想される重合度は41であり、全てのポリマーにおいてこの値付近の妥当な重合度のポリマーが得られたことを確認した。多角度光散乱測定を用いたZimm−plotにより重量平均分子量を求め、多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)を得た(T3EG、U3EGのみ)。
ガラス転移温度を、示差走査熱量測定を用いて測定した。アルミニウム製のパンに4mgのサンプルをのせ−20℃から200℃まで10℃/minで昇降温を3サイクル繰り返した。ポリマーのガラス転移温度に特徴的なエンタルピー緩和を含むピークが全てのポリマーにおいて観察された。ガラス転移温度の測定は動的粘弾性測定の温度分散からも求めており、示差走査熱量測定と一致する結果が得られた。
上記のポリマーの特定の結果をまとめて、表1に示す。
[合成したポリマーの特定(2)]
動的粘弾性測定を行い貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G’’)の周波数依存性(600−0.01rad/s)を測定した(サンプル高さ1mm、12mm平行プレート、ひずみ0.1%)。表1には0.01rad/sでのそれぞれの値を示した。図1〜4に、T2EG、T3EG、T4EG、U3EGそれぞれの20、40、60℃における測定結果を示した。図1〜4のグラフにおいて、黒塗り正方形の印は貯蔵弾性率(G’)、白抜き正方形の印は損失弾性率(G’’)、下向き白抜き三角形の印はtanδをそれぞれ示す。貯蔵弾性率と損失弾性率が交差する周波数(ωi)はバルク中でのネットワークの動的性質を表す指標となる。この交差する点の周波数からネットワークの寿命を算出することができる(結合寿命 = 2π/ωi)。T3EG、T4EGのネットワーク結合寿命は室温においてそれぞれ31秒、3.1秒、T2EGの結合寿命は40℃において310秒であった。一方U3EGサンプルは今回測定した温度範囲では貯蔵弾性率が低下する挙動は示さなかった(結合寿命は最低でも600秒以上)。
上記のポリマーの特定の結果をまとめて、表1に示す。
Figure 0006574259
表1に示されるように、チオ尿素をオリゴエーテル構造で連結されている場合、原子数が同数の単純なアルキル鎖と比較して低いガラス転移点を持つ。また、広角X線散乱測定を行い、オリゴエーテル構造で連結されたポリマーは熱履歴に関わらず、全く結晶性を示さないことが確認された。
[水中接着性試験]
合成したポリマーの水中接着性を確認するために、以下のような操作を脱イオン水中で行った。
厚さ1mm、幅10mmの短冊状アルミニウム板2枚及び、厚さ0.3mm、8mm x 3mmに加工した樹脂片のT3EGを用意した。これに対して、次の操作A、Bを順に行った。
(操作A):
アルミニウム片2つを接触面積50mm2となるように5mm重ね合わせ、この間にポリマーを挟み込んだ。そして、ポリマーを挟み込んだ状態でアルミニウム片を固定した。この固定には専用設計した治具を用いた。このようにして、T3EGを挟み込んだ状態で治具で固定したアルミニウム片を用意した。この操作は、20℃で行った。
(操作B):
このT3EGを挟み込んだ状態で治具で固定したアルミニウム片を、別途用意した80℃の水浴に移しかえて30秒間静置した後に、再び室温の水浴につけて1分間静置した。その後、治具から取り外したところ、アルミニウム2片は完全に接着していた。このようにして、T3EGを挟み込んだ状態で接着したアルミニウム片を得た。
上記の操作A、Bによる水中接着性試験の操作のスキームを、次のスキーム3に示す。
スキーム3:
Figure 0006574259
T3EGの代わりに市販のホットメルトボンド(エチレンビニルアセテート系)(住友3M社製、製品名3M(商標登録) Scotch−Weld(商標登録) ホットメルト接着剤3738)を用いて、T3EGと同様に上記の操作A、Bによる水中接着性試験を行ったが、この場合には、全く接着性を示さなかった。
T3EG純品の代わりに、T2EGまたはT4EGを用いて、T3EGと同様に上記の操作A、Bによる水中接着性試験を行ったところ、いずれも水中接着性を示した。ただし、T2EGの接着性はT3EGよりも劣るものであった。また、T4EGの接着性はT3EGと同一の温度条件下ではT3EGよりも劣るものであったが、操作Bにおいて室温の水浴につけて1分間静置することに代えて、5℃の水浴に1分間静置したところ、T3EGと同等の接着性を示した。
上述の接着試験と同様に操作Aを行って、T3EGを挟み込んだ状態で治具で固定したアルミニウム片を用意し、これを80℃で30秒間静置する代わりに、出力30W、周波数40Hzの超音波で15分処理したところ、同様にアルミニウム片が接着することが確認された。
[溶解性試験]
T3EGは乾燥状態でホットメルトボンドとしても使用可能であり、どのような溶媒に耐性があるかは重要な知見である。そこで、溶媒に対する耐性(溶解性)を確認するために、以下の試験を行った。
長さ4cm程度のガラス製チューブを用意し、この中にポリマー片を10mg入れ、これに各種溶媒を1mL加えて3時間ほど静置した。
その後、目視観察により、完全に透明な溶液が得られた場合にはsoluble、分散はするが完全には溶解せずに白濁したままのものはpartially soluble、全く溶解性を示さないものはinsolubleに分類した。この溶解性試験の結果を含めて、T3EGの特性を、図5にまとめて示す。
溶解性試験の結果から、水中にはほとんど溶け出さないことが示された。またT3EG10mgを重水中に加えて、80℃で24時間加熱した後に1H NMR 測定を行ったがサンプル由来のピークは観察されなかったことから、水中には溶け出さないことが確認された。
[接着力評価試験]
接着力の評価には引張せん断試験を用いた。水中での接着強度を評価するため、サンプル(接着部位)が完全に水(脱イオン水、室温)に浸ったままで引張りを行うことができる治具を用いた。
この試験片を2mm/minの速度で引張ることで応力ひずみ曲線を得た。破壊が起きた時点での応力を接触面積で割り、接着力を算出した。
特別な記述がない限り、ある条件での接着力を決めるには7サンプルの引張試験を行い、最高値、最低値を除外した5サンプルから95%信頼限界を算出して接着強度を得るという方法を用いた。この接着力評価試験の手順を示す説明図と、試験結果を、図6にまとめて示す。この結果から、本発明の水中接着剤は、水中で十分に高い接着強度を発揮することがわかった。
[水中接着耐久性試験]
接着の水中での耐久性を評価するために、以下の試験を行った。
水中接着性試験と同様の手順によって操作A、Bを行い、T3EGを挟み込んだ状態で接着したアルミニウム片を調製して、サンプルとして使用した。
調製したサンプルを室温の脱イオン水にそれぞれ6、24、48時間静置したのちに、接着力評価試験と同様に、引張試験を行った。この結果を図7に示す。この結果から、本発明の水中接着剤は、水中で長時間経過した後も、十分な接着強度を維持していることがわかった。図7に示される接着強度は、市販のエポキシ系接着剤が示す接着強度よりも、いずれの時間経過後も、大きなものであった。
[接着強度のプロセス依存性試験]
接着強度のプロセス依存性を評価するために、以下の4通りのプロセスを経たサンプルに対して、接着強度を試験した。
DD(ドライ−ドライプロセス): 水中接着性試験と同様の手順によって操作Aを行って、T3EGを挟み込んだ状態で治具で固定したアルミニウム片を用意した。これを140℃のホットプレート上で30秒静置した後に、ホットプレート上から再び移動させ大気中で空冷し室温に戻した。これを室温大気下で24時間静置した後に、大気下で引張り試験を行った。
DW(ドライ−ウェットプロセス): 水中接着性試験と同様の手順によって操作Aを行って、T3EGを挟み込んだ状態で治具で固定したアルミニウム片を用意した。これを140℃のホットプレート上で30秒静置した後に、ホットプレート上から再び移動させ大気中で空冷し室温に戻した。これを室温の脱イオン水に24時間静置したのちに水中で引張り試験を行った。
WD(ウェット−ドライプロセス): 水中接着性試験と同様の手順によって操作A、Bを行い、T3EGを挟み込んだ状態で接着したアルミニウム片を調製して、室温大気下で24時間静置した後に、大気下で引張り試験を行った。
WW(ウェット−ウェットプロセス): 水中接着性試験と同様の手順によって操作A、Bを行い、T3EGを挟み込んだ状態で接着したアルミニウム片を調製して、室温の脱イオン水に24時間静置したのちに水中で引張り試験を行った。(水中接着耐久性試験と同様の試験となる。)
さらに、比較のための市販のエポキシ系水中接着剤(コニシ社製、製品名水中ボンドE380)を用いて同様の実験を行った。
接着強度のプロセス依存性試験の結果をまとめて、図8に示す。この結果から、T3EGが、DD、DW、WD、WWのいずれのプロセスにおいても、市販のエポキシ系接着剤と比較して大きな接着強度を示すこと、その接着強度は24時間経過後にも十分に大きなものであること、水中接着剤として市販されているエポキシ系接着剤であってもWWでの接着強度はDDと比較して1/3程度にまで減少するところを、T3EGではWWでの接着強度はDDと比較して3割程度の減少に過ぎないこと、がわかった。
[塩に対する耐久性試験]
塩の存在下での接着の耐久性を評価するために、以下の試験を行った。
水中接着性試験と同様の手順によって操作A、Bを行い、T3EGを挟み込んだ状態で接着したアルミニウム片を調製して、これをサンプルとして、室温の0.4M塩化ナトリウム水溶液、または0.2Mの塩化カルシウム水溶液に浸して、24時間後にアルミニウム片が接着した状態を維持できるか確認した。どちらの場合にも接着が維持されたままだった。この結果を、図9に示す。この結果から、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等の塩の存在下でも、水中接着が維持されることがわかった。
[基材依存性]
T3EGはアルミニウム以外の基材に対しても接着性を示す。接着の基材依存性を確認するために、アルミニウムの代わりにステンレス、真鍮、ガラス、木材、合成樹脂(ポリカーボネート)を用いて水中接着性試験と同様の手順によって操作A、Bを行い、接着試験を行った。ただし、ガラスについてはクリップによって固定を行い、真鍮についてはピンセットによって固定を行った。接着したサンプルを室温の脱イオン水で24時間静置した後に、接着状態が維持されるか確認した。全てのサンプルで接着状態は維持されていた。これらのサンプルのうち、ガラス、真鍮、アルミニウムの接着状態の写真を、図10に示す。
[自己修復性試験(定性的評価)]
T3EGの自己修復性を定性的に評価するために試験を行った。このために、以下の操作Cを行った。
(操作C):
T3EGをテフロン(登録商標)シートとホットプレートを用いて厚さ1mmのシートに加工した。試験片打抜刃を用いて所定の大きさのダンベル型試験片を得た。この試験片のサイズを、図11に示す。これを室温下でカッターナイフを用いて切断した(図12の左側の写真)。切断してすぐに、この断片を手で持ち切断面を常温で20秒間接触させた。
上記の操作Cの結果、2片は完全に接着した。この試験片は図12の右側の写真のように、端部が180度回転するまでに折り曲げても、2つに再び分断されることはなく温和な条件で優れた自己修復性を示すことが確認された。
T3EGに代えて、T2EG、T4EGを用いて、同様に操作Cを行って、自己修復性を評価した。この結果、T4EGは室温での自己修復性を示し、T2EGはドライヤーで温風(約45℃)をあてる程度の加熱操作を加えることで自己修復性を示した。
[自己修復性試験(定量的評価)]
自己修復性を定量的に評価するために、以下の試験を行った。
はじめに切断の操作をしていないダンベル試験片(図11に示すサイズ、厚さ1mm)の引張試験を行った(自己修復試験は試験速度10mm/minで行った)。得られた応力ひずみ曲線の積分値は破壊までに要したエネルギーに対応する。本試験では、「切断していないサンプルの破壊に要する仕事W0に対して、自己修復させたサンプルの破壊までに要した仕事Whealの割合を自己修復率として評価した。ダンベル試験片を、操作Cと同様に切断・修復させた後に、ドライオーブン(50℃)で一定時間静置してから取り出し、大気下で室温に戻して十分に温度平衡に達してから引張試験を行った。この結果をまとめて、表2に示す。
Figure 0006574259
この結果から、T3EGは、その機械特性として、比較的に強度のある材料でありながら、切断した後に接着してから12時間の経過後には、切断前の95%にまで引っ張り強度が回復するという、高い自己修復性を備えていることがわかった。さらに6時間後(切断後の接着から18時間後)まで回復させることで100%まで回復した。一方で、分子構造的には類似しているU3EGは、自己修復性を全く示さなかった。
[圧縮による自己修復試験(定量的評価)]
T3EGの自己修復性を以下の圧縮による自己修復試験で評価して、加熱を伴わない圧縮操作のみで損傷前と同等の機械的強度を示すことを確認した。なお、以下の実施例において、T3EGをTUEG3又はTUEG3と記載することがあり、T2EGをTUEG2又はTUEG2と記載することがあり、TC8をTUC8又はTUC8と記載することがある。
[サンプルの調製]
ガラス状のT3EGサンプルをテフロンシート、ホットプレートを用いて180 ℃で加熱溶融させ、プレス機で押しつぶして厚さ0.6 mmのシートに加工した。得られたT3EGシートをホットプレートから取り外し直ちに室温まで冷却した後、試験片打抜刃を用いて幅6 mm × 長さ35 mmのダンベル試験片を調整した。ダンベル試験片の中央部分を室温においてカッターナイフで2片に切断し、2つの切断したT3EGダンベル試験片を接触面積が10 mm2になるように5 mm2重ねあわせた。手動の回転式クランプを用いてダンベル試験片の接触部分を圧縮応力が0.1−1MPa程度となるように固定して、21℃で静置した。
[試験方法]
6時間後、強固に接着した試験片が得られた。切断・圧縮操作を行う前後の試験片を用いて引張試験を行い、[切断・圧縮操作を行う前の試験片の強度(破壊時の試験力)]/[(切断・圧縮操作後の試験片の強度(破壊時の試験力)を自己修復率として評価した。引張試験は試験温度21 ℃、変形速度100 mm/minの引張試験により測定した。圧縮処理前後の条件についてそれぞれ5サンプルの測定を行い、最大値と最小値を覗いた値から自己修復率を算出した。
[結果]
切断・圧縮操作を行う前の試験片は試験力48 ± 1 Nで破壊を示した。切断・圧縮操作を行った後の試験片は試験力47± 3 Nで破壊を示した。すなわちT3EGは室温において6時間圧縮処理をすることで、98%の自己修復性を示すことが確認された。
[その他のポリマーとの比較]
汎用ポリマーであるポリビニル酢酸(PVAc)はT3EGと同様に20−30℃付近にガラス転移点を持つ。しかしPVAcについて同様の実験を行っても自己修復性は示さなかった。T2EG(Tg 59℃)サンプルについてT3EGと類似の方法を用いて自己修復性を評価したところ、51℃18時間の圧縮処理で98%の自己修復性を示した。TC8(Tg 39℃)についても類似の実験行ったが、ガラス転移点付近あるいはガラス転移点以上の温度で24時間圧縮した場合でも自己修復性は全く確認されなかった。
上記の圧縮による自己修復試験(定量的評価)の手順を、図13に示す。T2EG(TUEG2)についての圧縮による自己修復試験(定量的評価)の結果を、図14に示す。T3EG(TUEG3)についての圧縮による自己修復試験(定量的評価)の結果を、図15に示す。
[評価]
以上の圧縮による自己修復試験によって示されたように、T3EGは圧力による自己修復性を持っていた。これによって、例えば、圧縮刺激で密封できる非加熱シーリング剤、損傷部位を圧縮処理で修復できるフィルム、圧縮刺激により疲労により生じたマイクロクラックを埋める自己修復性樹脂として使用できる。
[圧縮による自己修復試験(定性的評価)]
T3EGの圧縮による自己修復を、定性的に示すために、次の試験を行った。
T3EGの約20mm×約10mm×約2mmの試験片を中央部で切断した(図16の1)。次に、ピンセットを用いて、この切断面同士を強く圧着して、30秒間維持した(図16の2)。切断面同士の圧縮(圧着)によって、切断面は接着して自己修復し、ピンセットでつまんでも一体の状態となっていた(図16の3)。自己修復した試験片の一端をピンセットでつまんで持ち上げて、接着した切断面を挟んで下側にあたる部分を金属クリップで挟んで、そのクリップに300gの分銅を吊り下げた(図16の4)。この状態でも、自己修復面の一体性は維持されていた(図16の5)。
[非線形クリープ応答試験]
T3EGは室温21℃ではガラス状の自立する固体であり、長時間静置しても流動しない。しかし1MPa以上の応力が加わると流動的に応答し、応力を取り除くと変形後の形状を維持したまま再び自立性を示すことを、以下の非線形クリープ応答試験によって確認した。
[サンプルの調製]
ガラス状のT3EGサンプルをテフロンシート、ホットプレートを用いて180 ℃で加熱溶融させ、プレス機で押しつぶして厚さ0.6 mmのシートに加工した。得られたT3EGシートをホットプレートから取り外し直ちに室温まで冷却した後、幅6 mm × 長さ30 mmの短冊型試験片を調整した。
[試験方法]
短冊形試験片に対して一定の応力(0.1、0.3、1、 3、 10 MPa)を加えながら、室温における試験片のひずみの時間変化を20分間記録し、ひずみの時間変化を示すカーブの初期の傾き、クリープ速度を評価した。
[結果]
0.1 MPa, 3 MPaそれぞれにおけるクリープ速度は1.9 × 10-3 mm/min 、0.21 mm/minであった。このクリープ速度の増加は1 MPa付近を閾値として非線形に増加する傾向が見られた。
[その他のポリマーとの比較]
T2EGについても同様に実験を51℃で行ったところ、T3EGと同様に非線形応答を示した。一方TC8は非線型応答を示さなかった。
T2EG(TUEG2)、T3EG(TUEG3)、及びTC8(TUC8)についての非線形クリープ応答試験の結果を、それぞれ図17、図18、及び図19に示す。これらはいずれもガラス状態にある(T=0.98Tg)。図17のグラフの曲線(又は直線)は、上側からそれぞれ、10.0MPa、3.0MPa、1.0MPa、0.3MPa、0.1MPaの曲線(又は直線)を示す。図18のグラフの曲線(又は直線)は、上側からそれぞれ、3.0MPa、1.0MPa、0.3MPa、0.1MPaの曲線(又は直線)を示す。図19のグラフの曲線(又は直線)は、上側からそれぞれ、5.0MPa、3.0MPa、1.0MPa、0.3MPa、0.1MPaの曲線(又は直線)を示す。
[クリープ速度]
上記実験によって得られた図17〜図19のクリープ試験の結果について、それぞれの曲線の初期の傾きをプロットして、図20に示す。図20は、応力によるクリープ速度の変化を示すグラフであり、横軸、縦軸はそれぞれ試験条件(応力)、変形速度(曲線の初期の傾き)である。
[評価]
以上の非線形クリープ応答試験で示されたように、T3EGは固いのに、与えられた応力がある閾値を超えると外力に応答して塑性変形する粘土のような性質を持つ。これによって、例えば、材料に対して加えられた応力の蓄積を変形によって記録するセンサーとして利用できる。
[応力緩和試験]
TUEG3(T3EG)は室温においてGPaオーダーの貯蔵弾性率を持つが、ひとたび変形が加わると即座に応力緩和が起きる。このことを以下の応力緩和試験によって確認した。この応力緩和試験によって確認された現象は、本来的にはクリープ試験で見ているものと等価であるが、評価方法が異なるものである。
[サンプル調整]
ガラス状のT3EGサンプルをテフロンシート、ホットプレートを用いて180 ℃で加熱溶融させ、プレス機で押しつぶして厚さ0.6 mmのシートに加工した。得られたT3EGシートをホットプレートから取り外し直ちに室温まで冷却した後、幅6 mm × 長さ30 mmの短冊型試験片を調整した。
[試験方法]
短冊形試験片に対して直ちに3%の引張ひずみを加えて、引き伸ばした状態で固定した。測定するポリマーのガラス転移点温度付近における試験片の初期応力σ0に対する応力σ(t)の時間変化(σ/σ0)を6分間記録した。
[結果]
T3EGは10秒以内に応力の50%が減少し、16%で見かけ上の平衡に達した。
[その他のポリマーとの比較]
T2EG(TUEG2)について、51℃でT3EGと同様の実験を行った。T2EGはT3EGと同様に30秒以内に応力の50%が減少した。TC8(TUC8)について、33℃でT3EGと同様の実験を行った。一方、TC8は50%の減衰に120秒以上かかり、6分後でも40%の応力が残存していた。
T2EG(TUEG2)、T3EG(TUEG3)、及びTC8(TUC8)についての応力緩和試験の結果を、図21にまとめて示す。図21のグラフ中の曲線は、上から順に、TC8(TUC8)、T2EG(TUEG2)、T3EG(TUEG3)である。図20及び図21中の0.98Tgとは絶対温度で表記したTgの0.98倍の温度を意味し、これがそれぞれ上記51℃、33℃、21℃に相当する。
[疲労耐性試験]
一般的なポリマーは一度降伏すると弾性率や強度などの機械的性質が損なわれることが知られている。以下の疲労耐性試験によって、T3EGはこのような変形が加わった後でも、その弾性率を維持することが確認した。
[サンプルの調製]
「圧縮による自己修復試験」と同様の手順で幅6 mm × 長さ35 mmのダンベル試験片を調製した。
[試験方法]
室温においてダンベル型試験片に対して1mm/minの変形速度で0.5%の引張ひずみを加えて変形を停止、30秒後に再び0.5%のひずみを加える操作を9回繰り返した。応力ひずみ曲線から、初期-9回目までのヤング率を見積もった。
[結果]
1回目の変形から9回目までの変形、いずれの場合も 0.9-1.2 GPaの範囲のヤング率を示した。
[評価]
一般に、高分子材料の疲労の蓄積は致命的な破壊につながる。しかし、以上の疲労耐性試験で示されたように、T3EGは疲労耐性機能を有する。これによって、単独あるいは他の材料との複合化により材料の長寿命化を可能となる。
[非晶性]
表1に示したT2EG及びT3EGは、全く結晶性を示さないものであった。図22及び図23にT2EG及びT3EGのx線回折測定結果を示す。これらの図に示す通り、x線回折測定において非晶構造に特徴的なブロードなピークのみが観察された。
本発明は、水中での接着が可能な、新規接着剤を提供する。本発明は産業上有用な発明である。

Claims (23)

  1. 次の式I:
    Figure 0006574259
    (ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
    mは1〜5の整数であり、nは繰り返し単位の重合度である)
    で表される高分子化合物。
  2. 次の式II:
    Figure 0006574259
    (ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
    mは1〜5の整数である)
    で表される化合物と、
    次の式III:
    Figure 0006574259
    で表される化合物とが重合されてなる、高分子化合物。
  3. 次の式II:
    Figure 0006574259
    (ただし、式中、R1及びR2は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
    mは1〜5の整数である)
    で表される化合物と、
    次の式IV:
    Figure 0006574259
    (ただし、式中、R3及びR4は、それぞれ独立に、−C k 2k (ただし、kは1〜3の整数である)で表される二価基であり、
    jは1〜5の整数である)
    で表される化合物とが重合されてなる、高分子化合物。
  4. 重合度が10〜1,000の範囲にある、請求項1〜3のいずれかに記載の高分子化合物。
  5. R1及びR2が、それぞれ独立に、メチレン基(−CH2−)又はエチレン基(−CH2−CH2−)である、請求項1〜4のいずれかに記載の高分子化合物。
  6. mが1〜3の整数である、請求項1〜5のいずれかに記載の高分子化合物。
  7. R3及びR4が、それぞれ独立に、メチレン基(−CH2−)又はエチレン基(−CH2−CH2−)である、請求項3〜6のいずれかに記載の高分子化合物。
  8. jが1〜3の整数である、請求項3〜7のいずれかに記載の高分子化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、接着剤。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、水中接着剤。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、自己修復性材料。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、非共有結合型自己修復性材料。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる接着剤を、被接着部材の被接着面に接触させて固定する工程、
    固定された接着剤を加熱する工程、
    加熱された接着剤を冷却する工程、
    を含む、接着方法。
  14. 固定する工程、加熱する工程、及び冷却する工程が、水中、水溶液中または高湿度環境下で行われる、請求項13に記載の接着方法。
  15. 被接着部材の被接着面が、水又は水溶液で濡れた非接着面である、請求項13〜14のいずれかに記載の接着方法。
  16. 加熱する工程が、高分子化合物のガラス転移点の温度以上に加熱する工程であり、
    冷却する工程が、高分子化合物のガラス転移点の温度以下に冷却する工程である、請求項13〜15のいずれかに記載の接着方法。
  17. 被接着部材の材質が、金属、ガラス、木材、及び合成樹脂から選択された材質である、請求項13〜16のいずれかに記載の接着方法。
  18. 加熱する工程に代えて、
    固定された接着剤を超音波処理する工程、が行われる、請求項13〜17のいずれかに記載の接着方法。
  19. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる自己修復性材料の切断面を再接触させて固定する工程、
    を含む、自己修復方法。
  20. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、耐疲労性材料。
  21. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、応力記録性材料。
  22. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、応力非線形応答性塑性変形材料。
  23. 請求項1〜8のいずれかに記載の高分子化合物を含んでなる、応力緩和性材料。
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