JP6561190B2 - 磁気テープおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
非磁性支持体上に非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、非磁性層上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、
脂肪酸エステルを少なくとも磁性層に含み、
上記強磁性粉末は、強磁性六方晶フェライト粉末であり、
上記強磁性六方晶フェライト粉末は、X線回折分析により求められる結晶子体積が1000〜2400nm3の範囲であり、かつ(107)面の回折ピークから求められる結晶子サイズDx(107)と透過型電子顕微鏡観察により求められる磁化容易軸方向粒子サイズDTEMとの比、Dx(107)/DTEM、が1.1以上であり、
磁気テープ長手方向における下記式1:
ΔSFD=SFD25℃−SFD−190℃ …式1
により算出されるΔSFDが、0.50〜1.60の範囲である磁気テープ、
に関する。
強磁性六方晶フェライト粉末を構成する粒子の形状に関して、「板状」とは、対向する2つの板面を有する形状をいう。一方、そのような板面を持たない粒子形状の中で、長軸と短軸の区別のある形状が「楕円状」である。長軸とは、粒子の長さを最も長く取ることができる軸(直線)として決定する。一方、短軸とは、長軸と直交する直線で粒子長さを取ったときに最も長さが長くなる軸として決定する。長軸と短軸の区別がない形状、即ち長軸長=短軸長となる形状が「球状」である。形状から長軸および短軸が特定できない形状を、以下では不定形と呼ぶ。
上述の粒子形状特定のための透過型電子顕微鏡による撮影は、撮影対象粉末に配向処理を施さずに行う。これに対し、DTEM測定のための透過型電子顕微鏡による撮影時には、撮影対象粉末に対して、水平方向(水平面に対して平行な方向)に配向処理を施した後に、上述と同様の条件および方法で透過型電子顕微鏡により粒子写真を撮影する。配向処理に用いる磁石の磁力やサイズ等は限定されるものではない。配向処理の一例は、実施例において後述する。水平方向に配向処理を施すことにより、透過型電子顕微鏡内で試料台に対して水平な方向に強磁性六方晶フェライト粉末を構成する粒子の磁化容易軸方向が向くことになるため、粒子写真から磁化容易軸方向(c軸方向)粒子サイズを求めることができる。なお、水平、平行等の角度に関する記載には、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。磁化容易軸方向粒子サイズDTEMは、撮影した粒子写真において、無作為に抽出した500個の粒子について、上記のように輪郭をトレースし、画像解析ソフト(例えばカールツァイス製画像解析ソフトKS−400)で得られる粒子サイズの算術平均とする。なお板厚とは、2つの板面間の最短距離をいう。また、粒子サイズDTEMは、板状、楕円状および球状以外の形状(不定形)の粒子については円相当径とする。円相当径とは、上記粒子写真においてトレースした輪郭内の面積と同面積の円の直径をいう。
X線回折分析は、粉末X線回折測定装置(例えばリガク社製RINT2500)を用いて、以下の条件で行うものとする。
Cu線源使用(出力55kV、280mA)
Scan条件:10〜70degreeの範囲を0.05degree/step、3degree/min
上記条件で得られたX線回折スペクトル中、六方晶フェライトの(110)面、(107)面の回折線幅(半値幅)からScherrerの式を用いて、それぞれの回折面の結晶子サイズを算出する。なおScherrerの式は、下記式である。
<Scherrerの式>
結晶子サイズ(Å)=K×λ/(β×cosθ)
K:Scherrer定数
λ:使用X線管球の波長 [Å]
β:回折線幅(半値幅) [radian]
θ:回折角 2θ/θ [radian]
Scherrerの式を用いて、(110)面の回折ピークから求められる結晶子サイズDx(110)、(107)面の回折ピークから求められる結晶子サイズDx(107)を算出する。なおScherrerの式では結晶子サイズは単位Åで算出されるため、算出された値を単位nmに換算した値を採用することとする。1Å=0.1nmである。
また、(110)面は、磁化容易軸方向と直交する方向に位置する。したがって、(110)面の回折ピークから求められる結晶子サイズDx(110)は、形状が板状の場合には、X線回折分析により求められる結晶子の板径、楕円状の場合には長軸長、球状の場合には直径と見なすことができる。
板状については、結晶子の形状を正六角柱と見なすこととし、X線回折分析により求められる結晶子体積を、正六角柱の体積の算出式に基づき、
結晶子体積(nm3)=(3√3×Dx(110) 2×Dx(107))/8
と求めることとする。
一方、楕円状、球状については、X線回折分析により求められる結晶子体積は、楕円体、球の体積の算出式に基づき、
結晶子体積(nm3)=(πDx(110) 2×Dx(107))/6
と求めることとする。
不定形についても、楕円状および球状と同様に、
結晶子体積(nm3)=(πDx(110) 2×Dx(107))/6
として、X線回折分析により求められる結晶子体積を求めることとする。
そこで本発明者らは、高温高湿環境下での保存による非磁性層から磁性層へ脂肪酸エステルの供給量低下を、磁性層内部から磁性層表面への脂肪酸エステルの供給促進により補うことを考え検討を重ねた。各種潤滑剤の中で脂肪酸エステルに着目した理由は、脂肪酸エステルが磁性層表面に液膜を形成することにより摩擦係数の低減に寄与し得る成分と言われているからである。この点については更に後述する。そして本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、Dx(107)/DTEM、上記ΔSFDを、それぞれ先に記載した範囲とすることに至ったのである。以下、この点について更に説明する。
Dx(107)は、六方晶フェライトの結晶構造にひずみが入るほど小さな値になると本発明者らは考えている。一方、透過型電子顕微鏡により測定されるサイズ、即ち物理的なサイズであるDTEMには、結晶構造のひずみの影響は現れないと考えられる。したがって、DTEMに対するDx(107)の比が大きいほど、六方晶フェライトの結晶構造に入っているひずみは少ないと、本発明者らは推察している。そして本発明者らは、Dx(107)/DTEMが1.1以上の値を示すほど結晶構造にひずみの少ない強磁性六方晶フェライト粉末は、脂肪酸エステルを吸着し難いと考えている。これにより、脂肪酸エステルが磁性層内部から磁性層表面に移行することを妨げずに磁性層表面に摩擦係数上昇を抑制するに足る脂肪酸エステルの液膜を形成できることが、高温高湿環境下での保存後の摩擦係数上昇の抑制に寄与すると、本発明者らは推察している。
磁性層形成用組成物を調製する工程と、
調製した磁性層形成用組成物を、非磁性支持体上に形成された非磁性層上に塗布する工程と、
を経て磁性層を形成することを含み、
上記磁性層形成用組成物を調製する工程は、
強磁性六方晶フェライト粉末、結合剤および溶媒を、第一の分散ビーズの存在下で分散処理することにより分散液を得る第一の段階と、
第一の段階で得られた分散液を、第一の分散ビーズよりビーズ径および密度が小さい第二の分散ビーズの存在下で分散処理する第二の段階と、
を含む製造方法、
に関する。強磁性六方晶フェライト粉末を含む分散液を、上記のように二段階の分散処理を経て分散することにより、強磁性六方晶フェライト粉末の結晶構造にひずみが生じることを抑制することができると本発明者らは推察している。より詳しくは、第二の分散ビーズとして第一の分散ビーズよりビーズ径および密度が小さいビーズを用いることにより、分散処理において強磁性六方晶フェライト粉末の粒子に加わるエネルギーが小さくなることが、ひずみ発生の抑制に寄与すると本発明者らは考えている。ただし推察に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。また、本発明の一態様にかかる磁気テープは、上記製造方法により製造されるものに限定されるものではない。
ΔSFDpowder=SFDpowder100℃−SFDpowder25℃ …式2
により算出されるΔSFDpowderが0.05〜1.90の範囲である強磁性六方晶フェライト粉末、結合剤および溶媒を、第一の分散ビーズの存在下で分散処理することにより分散液を得る段階である。式2中、SFDpowder100℃は、温度100℃の環境下で測定される強磁性六方晶フェライト粉末の反転磁界分布SFDであり、SFDpowder25℃は、温度25℃の環境下で測定される強磁性六方晶フェライト粉末の反転磁界分布SFDである。
本発明の一態様にかかる磁気テープは、非磁性支持体上に非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、非磁性層上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気テープであって、脂肪酸エステルを少なくとも磁性層に含み、上記強磁性粉末は、強磁性六方晶フェライト粉末であり、上記強磁性六方晶フェライト粉末は、X線回折分析により求められる結晶子体積が1000〜2400nm3の範囲であり、かつ上記Dx(107)/DTEM、が1.1以上であり、磁気テープ長手方向における上記式1により算出されるΔSFDが、0.50〜1.60の範囲である磁気テープである。
以下、上記磁気テープについて、更に詳細に説明する。なお特記しない限り、測定温度の明記のない磁気特性は、温度25℃の環境下で測定される値をいうものとする。
上記磁気テープの磁性層に含まれる強磁性六方晶フェライト粉末のX線回折分析(XRD;X‐ray diffraction)により求められる結晶子体積(以下において、「VXRD」とも記載する。)の測定方法は、先に記載した通りである。磁性層に含まれる強磁性六方晶フェライト粉末のVXRDが2400nm3以下であることが、ノイズ低減によるSNR向上に寄与すると本発明者らは考えている。また、本発明者らの検討の結果、VXRDが1000nm3以上であることも良好なSNRを得ることに寄与することが確認された。したがって、上記磁気テープの磁性層に含まれる強磁性六方晶フェライト粉末のVXRDは、1000〜2400nm3の範囲とする。SNRの更なる向上の観点から、VXRDは、1000〜2000nm3の範囲であることが好ましく、1000〜1700nm3の範囲であることがより好ましく、1000〜1500nm3の範囲であることが更に好ましい。VXRDは、磁性層形成用組成物に用いる強磁性六方晶フェライト粉末のサイズ、磁性層形成用組成物調製時の分散条件等により、調整することができる。分散条件を強化するほど、VXRDは小さくなる傾向がある。
Dx(107)、DTEMの測定方法は、先に記載した通りである。上記磁気テープの磁性層に含まれる強磁性六方晶フェライト粉末のDx(107)/DTEMは、1.1以上である。Dx(107)/DTEMが1.1以上であることが、上記磁気テープを高温高湿環境下で保存した後にドライブ内で走行させた際の摩擦係数上昇を抑制することに寄与すると本発明者らは考えている。この点に関する本発明者らによる推察は、先に記載した通りである。Dx(107)/DTEMは、好ましくは1.1以上であり、より好ましくは1.2以上であり、更に好ましくは1.3以上である。また、Dx(107)/DTEMは、例えば1.1以上1.5以下であるが、前述の通り、Dx(107)/DTEMは六方晶フェライトの結晶構造にひずみが少ないほど大きな値になり好ましいと考えられるため、1.5を超えてもよい。例えば、Dx(107)/DTEMは、1.1以上1.7以下でもよく、1.1以上1.6以下でもよい。
上記磁気テープの長手方向における式1により算出されるΔSFDは、0.50〜1.60の範囲である。ΔSFDが1.60以下であることが、磁性層表面に摩擦係数上昇を抑制するに足る脂肪酸エステルの液膜を形成できることに寄与すると考えられる。また、上記ΔSFDが0.50以上であることも、摩擦係数上昇抑制に寄与すると推察される。これは、上記ΔSFDの値が小さいほど磁性層表面に上記液膜を形成する脂肪酸エステル量は多くなると考えられるが、過剰量の脂肪酸エステルの存在も摩擦係数上昇を引き起こし得ると考えられるからである。この点から、上記ΔSFDは、0.50以上とする。上記ΔSFDは、摩擦係数の上昇をより一層抑制する観点から、1.55以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましく、1.40以下であることが更に好ましく、1.20以下であることが一層好ましく、1.00以下であることがより一層好ましく、0.90以下であることが更により一層好ましい。また、同様の観点から、上記ΔSFDは、0.55以上であることが好ましく、0.60以上であることがより好ましく、0.70以上であることが更に好ましい。好ましい一態様では、ΔSFDは0.50〜1.40の範囲であり、より好ましい一態様では、ΔSFDは0.50〜1.00の範囲である。
(A)磁性層における強磁性粉末の分散性を高めるほど値が小さくなる;
(B)強磁性粉末としてSFDの温度依存性の小さいものを使用するほど値が小さくなる;
(C)強磁性粉末を磁性層の長手方向に整列させるほど(長手方向における配向性を高めるほど)値が小さくなり、長手方向における配向性が低下するほど値が大きくなる。
ΔSFDpowder=SFDpowder100℃−SFDpowder25℃ …式2
(式2中、SFDpowder100℃は、温度100℃の環境下で測定される強磁性粉末の反転磁界分布SFDであり、SFDpowder25℃は、温度25℃の環境下で測定される強磁性粉末の反転磁界分布SFDである。)
一般に、磁気テープにおける潤滑剤としては、脂肪酸ならびに脂肪酸の誘導体、例えば脂肪酸エステルおよび脂肪酸アミドが広く用いられている。潤滑剤に関しては、潤滑剤は、一般に流体潤滑剤と境界潤滑剤とに大別される。そして脂肪酸エステルは流体潤滑剤として機能し得る成分と言われているのに対し、脂肪酸および脂肪酸アミドは、境界潤滑剤として機能し得る成分と言われている。流体潤滑剤は、それ自身が磁性層表面に液膜を形成し、この液膜の流動により摩擦を下げることのできる潤滑剤と考えられている。これに対し、境界潤滑剤は、粉末(例えば強磁性粉末)の表面に吸着し強固な潤滑膜を形成することで接触摩擦を下げることのできる潤滑剤と考えられている。このように脂肪酸エステルは、脂肪酸および脂肪酸アミドとは潤滑剤としての作用が異なると考えられている。そして本発明者らは、先に詳述したように、脂肪酸エステルが磁性層表面に、高温高湿環境下での保存後の摩擦係数上昇を抑制するに足る液膜を形成することに、上記Dx(107)/DTEMおよびΔSFDを先に記載した範囲内とすることが寄与すると推察している。
次に、磁性層について、更に詳細に説明する。
強磁性六方晶フェライト粉末のVXRDおよびDx(107)/DTEMについては、先に記載した通りである。強磁性六方晶フェライト粉末を構成する六方晶フェライトは、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、これらの二種以上の混晶等であることができる。例えば、具体例としては、マグネトプランバイト型(M型)のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、更に一部スピネル相を含有した複合マグネトプランバイト型のバリウムフェライトおよびストロンチウムフェライト等を挙げることができる。
なお本発明および本明細書に記載の各種粉末に関する平均粒子サイズは、特記しない限り、上記方法により測定される値とする。
上記磁気テープは、磁性層に、強磁性六方晶フェライト粉末とともに結合剤を含む。結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどを共重合したアクリル樹脂、ニトロセルロースなどのセルロース樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアルキラール樹脂などから単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、塩化ビニル樹脂である。これらの樹脂は、非磁性層および後述するバックコート層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報段落0028〜0031を参照できる。また、上記結合剤として使用可能な樹脂とともに硬化剤を使用することもできる。硬化剤としては、ポリイソシアネートが好適である。ポリイソシアネートの詳細については、特開2011−216149号公報段落0124〜0125を参照できる。硬化剤は、磁性層形成用組成物中に、結合剤100.0質量部に対して例えば0〜80.0質量部、塗膜強度向上の観点からは好ましくは50.0〜80.0質量部の量で添加し使用することができる。
磁性層は、添加剤として少なくとも脂肪酸エステルを含み、更に先に記載したように脂肪酸および/または脂肪酸アミドを含むことができる。更に必要に応じて、これら潤滑剤以外の添加剤を加えることができる。添加剤としては、非磁性フィラー、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラック等を挙げることができる。なお非磁性フィラーとは、非磁性粉末と同義である。非磁性フィラーとしては、研磨剤として機能することができる非磁性フィラー、磁性層表面に適度に突出する突起を形成する突起形成剤として機能することができる非磁性フィラー(例えば非磁性コロイド粒子等)が挙げられる。非磁性コロイド粒子の好ましい一例としては、シリカコロイド粒子(コロイダルシリカ)を例示できる。なお本発明および本明細書におけるコロイド粒子とは、少なくとも、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエンもしくは酢酸エチル、または上記溶媒の二種以上を任意の混合比で含む混合溶媒の少なくとも1つの有機溶媒100mLあたり1g添加した際に、沈降せず分散しコロイド分散体をもたらすことのできる粒子をいうものとする。また、コロイド粒子については、平均粒子サイズは、特開2011−048878号公報段落0015に平均粒径の測定方法として記載されている方法により求められる値とする。一方、分散剤としては、カルボキシ基含有化合物、含窒素化合物等の公知の分散剤を挙げることができる。例えば、含窒素化合物は、NH2Rで表される第一級アミン、NHR2で表される第二級アミン、NR3で表される第三級アミンのいずれであってもよい。上記において、Rは含窒素化合物を構成する任意の構造を示し、複数存在するRは同一であっても異なっていてもよい。含窒素化合物は、分子中に複数の繰り返し構造を有する化合物(ポリマー)であってもよい。本発明者らは、含窒素化合物の含窒素部が、強磁性六方晶フェライト粉末の粒子表面への吸着部として機能することが、含窒素化合物が分散剤とし働くことができる理由と考えている。カルボキシ基含有化合物は、例えばオレイン酸等の脂肪酸を挙げることができる。カルボキシ基含有化合物については、カルボキシ基が強磁性六方晶フェライト粉末の粒子表面への吸着部として機能することが、カルボキシ基含有化合物が分散剤とし働くことができる理由と本発明者らは考えている。カルボキシ基含有化合物と含窒素化合物を併用することも、好ましい。
添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して使用することができる。
上記磁気テープは、非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有する。非磁性層に使用される非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2011−216149号公報段落0146〜0150を参照できる。非磁性層に使用可能なカーボンブラックについては、特開2010−24113号公報段落0040〜0041も参照できる。非磁性層における非磁性粉末の含有量(充填率)は、好ましくは50〜90質量%の範囲であり、より好ましくは60〜90質量%の範囲である。
上記磁気テープは、非磁性支持体の磁性層および非磁性層を有する側とは反対側に、非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有することもできる。バックコート層には、カーボンブラックおよび無機粉末の一方または両方が含有されていることが好ましい。バックコート層に含まれる結合剤、任意に含まれ得る各種添加剤については、磁性層および/または非磁性層の処方に関する公知技術を適用することができる。
次に、非磁性支持体について説明する。非磁性支持体としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドが好ましい。これらの支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ってもよい。
上記磁気テープにおける非磁性支持体および各層の厚みについては、非磁性支持体の厚みが、例えば3.0〜80.0μmであり、好ましくは3.0〜50.0μmの範囲であり、より好ましくは3.0〜10.0μmの範囲である。
(各層形成用組成物の調製)
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための組成物を調製する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程を含む。個々の工程はそれぞれ二段階以上に分かれていてもかまわない。各層形成用組成物の調製に用いられる強磁性粉末、結合剤、非磁性粉末、各種添加剤、溶媒などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。溶媒としては、塗布型磁気テープの製造に通常用いられる各種溶媒の一種または二種以上を用いることができる。溶媒については、特開2011−216149号公報段落0153を参照できる。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、結合剤を混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。上記磁気テープの製造工程では、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。分散機は公知のものを使用することができる。
磁性層形成用組成物を調製する工程と、
調製した磁性層形成用組成物を非磁性支持体上に形成された非磁性層上に塗布する工程と、
を経て磁性層を形成することを含み、
磁性層形成用組成物を調製する工程は、
強磁性六方晶フェライト粉末、結合剤および溶媒を、第一の分散ビーズの存在下で分散処理することにより分散液を得る第一の段階と、
第一の段階で得られた分散液を、第一の分散ビーズよりビーズ径および密度が小さい第二の分散ビーズの存在下で分散処理する第二の段階と、
を含む製造方法、
である。
なお本発明および本明細書におけるビーズ径は、先に記載した粉末の平均粒子サイズの測定方法と同様の方法で測定される値とする。
一方、第一の段階における第一の分散ビーズ量も、上記範囲とすることが好ましい。
一方、第一の分散ビーズとしては、密度が3.7g/cm3超の分散ビーズが好ましく、密度が3.8g/cm3以上の分散ビーズがより好ましく、4.0g/cm3以上の分散ビーズが更に好ましい。第一の分散ビーズの密度は、例えば7.0g/cm3以下であるが、7.0g/cm3超でもよい。第一の分散ビーズとしては、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ等を用いることが好ましく、ジルコニアビーズを用いることがより好ましい。
磁性層は、磁性層形成用組成物を、非磁性層形成用組成物と逐次または同時に重層塗布することにより形成することができる。バックコート層は、バックコート層を、非磁性支持体の磁性層および非磁性層を有する(またはこれらの層が追って設けられる)側とは反対側に塗布することにより形成することができる。各層形成のための塗布の詳細については、特開2010−231843号公報段落0066を参照できる。
磁気テープ製造のためのその他の各種工程については、特開2010−231843号公報段落0067〜0070を参照できる。
Hc=2Ku/Ms{1−[(KuT/kV)ln(At/0.693)]1/2}
[上記式中、Ku:異方性定数、Ms:飽和磁化、k:ボルツマン定数、T:絶対温度、V:活性化体積、A:スピン歳差周波数、t:磁界反転時間]
GPC装置:HLC−8120(東ソー製):
カラム:TSK gel Multipore HXL−M(東ソー製、7.8mmID(内径)×30.0cm)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
各層形成用組成物の処方を、下記に示す。
(磁性液)
強磁性六方晶フェライト粉末A(M型バリウムフェライト、ΔSFDpowder:表1参照、活性化体積:表1参照):100.0部
オレイン酸:2.0部
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン製MR−104):10.0部
SO3Na基含有ポリウレタン樹脂:4.0部
(重量平均分子量70000、SO3Na基:0.07meq/g)
アミン系ポリマー(ビックケミー社製DISPERBYK−102):6.0部
メチルエチルケトン:150.0部
シクロヘキサノン:150.0部
(研磨剤液)
α−アルミナ(BET比表面積19m2/g):6.0部
SO3Na基含有ポリウレタン樹脂
(重量平均分子量70000、SO3Na基:0.1meq/g):0.6部
2,3−ジヒドロキシナフタレン:0.6部
シクロヘキサノン:23.0部
(突起形成剤液)
コロイダルシリカ(平均粒子サイズ120nm):2.0部
メチルエチルケトン:8.0部
(潤滑剤・硬化剤液)
ステアリン酸:3.0部
ステアリン酸アミド:0.3部
ブチルステアレート:6.0部
メチルエチルケトン:110.0部
シクロヘキサノン:110.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネート(登録商標)L):3.0部
非磁性無機粉末 α酸化鉄(平均粒子サイズ10nm、BET比表面積75m2/g):100.0部
カーボンブラック(平均粒子サイズ:20nm):25.0部
SO3Na基含有ポリウレタン樹脂(重量平均分子量70000、SO3Na基含有量0.2meq/g):18.0部
ステアリン酸:1.0部
シクロヘキサノン:300.0部
メチルエチルケトン:300.0部
非磁性無機粉末:α酸化鉄(平均粒子サイズ:0.15μm、BET比表面積52m2/g):80.0部
カーボンブラック(平均粒子サイズ:20nm):20.0部
塩化ビニル共重合体:13.0部
スルホン酸塩基含有ポリウレタン樹脂:6.0部
フェニルホスホン酸:3.0部
シクロヘキサノン:155.0部
メチルエチルケトン:155.0部
ステアリン酸:3.0部
ブチルステアレート:3.0部
ポリイソシアネート:5.0部
シクロヘキサノン:200.0部
磁性層形成用組成物を、以下の方法によって調製した。
上記磁性液の各種成分を、バッチ式縦型サンドミルによりビーズ径0.5mmΦのジルコニアビーズ(第一の分散ビーズ、密度6.0g/cm3)を使用して24時間分散し、その後、0.5μmの平均孔径を有するフィルタを用いてろ過することにより分散液Aを調製した(第一の段階)。ジルコニアビーズは、強磁性六方晶バリウムフェライト粉末に対して、質量基準で10倍量用いた。
その後、分散液Aをバッチ式縦型サンドミルによりビーズ径500nmΦのダイヤモンドビーズ(第二の分散ビーズ、密度3.5g/cm3)を使用して1時間分散し、遠心分離機を用いてダイヤモンドビーズを分離した分散液(分散液B)を調製した(第二の段階)。下記磁性液は、こうして得られた分散液Bである。ダイヤモンドビーズは、強磁性六方晶バリウムフェライト粉末に対して、質量基準で10倍量用いた。
研磨剤液は、上記の研磨剤液の各種成分を混合してビーズ径0.3mmΦのジルコニアビーズとともに横型ビーズミル分散機に入れ、ビーズ体積/(研磨剤液体積+ビーズ体積)が80%になるように調整し、120分間ビーズミル分散処理を行い、処理後の液を取り出し、フロー式の超音波分散濾過装置を用いて、超音波分散濾過処理を施した。こうして研磨剤液を調製した。
調製した磁性液および研磨剤液、ならびに上記の突起形成剤液および潤滑剤・硬化剤液をディゾルバー攪拌機に導入し、周速10m/秒で30分間攪拌した後、フロー式超音波分散機により流量7.5kg/分で3パス処理した後に、孔径1μmのフィルタで濾過して磁性層形成用組成物を調製した。
上記の非磁性層形成用組成物の各種成分を、バッチ式縦型サンドミルによりビーズ径0.1mmΦのジルコニアビーズを使用して24時間分散し、その後、0.5μmの平均孔径を有するフィルタを用いてろ過することにより、非磁性層形成用組成物を調製した。
上記のバックコート層形成用組成物の各種成分のうち潤滑剤(ステアリン酸およびブチルステアレート)とポリイソシアネート、シクロヘキサノン200.0部を除いた成分をオープンニーダにより混練および希釈した後、横型ビーズミル分散機によりビーズ径1mmΦのジルコニアビーズを用い、ビーズ充填率80体積%、ローター先端周速10m/秒で1パス滞留時間を2分間とし、12パスの分散処理に供した。その後、上記の残りの成分を添加してディゾルバーで撹拌し、得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィルタを用いてろ過することにより、バックコート層形成用組成物を調製した。
厚み5.0μmのポリエチレンナフタレート製支持体の表面上に、乾燥後の厚みが100nmになるように上記で調製した非磁性層形成用組成物を塗布、乾燥した後、その上に乾燥後の厚みが70nmになるように上記で調製した磁性層形成用組成物を塗布した。この磁性層形成用組成物が未乾状態にあるうちに、磁場強度0.3Tの磁場を塗布面に対し垂直方向に印加する垂直配向処理を施し、乾燥させた。その後、この支持体の反対面に乾燥後の厚みが0.4μmになるように上記で調製したバックコート層形成用組成物を塗布し、乾燥させた。得られたテープを金属ロールのみから構成されるカレンダにより、速度100m/min、線圧300kg/cm、ロール表面温度100℃でカレンダ処理(表面平滑化処理)し、その後雰囲気温度70℃の環境で36時間熱処理を施した。熱処理後1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットし、磁気テープを得た。
磁性液調製に、表1に示す活性化体積およびΔSFDpowderを有する強磁性六方晶バリウムフェライト粉末(M型バリウムフェライト)を用い、かつ磁性液の分散処理において表1に示す条件で第二の段階を行った点以外、実施例1と同様に磁気テープを作製した。
1.強磁性六方晶フェライト粉末の形状観察、平均粒子サイズ
実施例、比較例の磁気テープの一部を切り出して得たテープ試料を、アセトンを用いてバックコート層を除去した後にエタノールに浸漬させ、超音波分散した。エタノールにより磁性層が膨潤することで磁性層から強磁性六方晶フェライト粉末が分離したため、分離した強磁性六方晶フェライト粉末をろ過により回収した。ここで強磁性六方晶フェライト粉末とともに非磁性フィラーも回収される場合には、磁石を用いて強磁性六方晶フェライト粉末を非磁性フィラーと分離してもよい。
なおバックコート層の除去は、アセトン以外の溶媒によっても行うことができる。また、磁性層はエタノール以外の溶媒によっても膨潤させ強磁性六方晶フェライト粉末を分離させることができる。
回収した強磁性六方晶フェライト粉末(撮影対象粉末)1mgを、純水5mlに投入し、超音波分散(28kHz、10分間)して分散液を調製した。調製した分散液5μLを、グリッドメッシュ(メッシュ状のサンプル皿)上に滴下して自然乾燥させた(配向処理なし)。この撮影対象粉末をグリッドメッシュごと透過型電子顕微鏡に導入して、透過型電子顕微鏡により撮影して粒子写真を得て形状観察を行った。その結果、実施例、比較例で用いた強磁性六方晶フェライト粉末は、いずれも粒子形状が板状であることが確認された。
更に、撮影した粒子写真を用いて、先に記載した方法により平均粒子サイズ(平均板径)を求めたところ、実施例、比較例とも、10〜30nmの範囲であった。
上記1.で回収した強磁性六方晶フェライト粉末1mgを、純水5mlに投入し、超音波分散(28kHz、10分間)して分散液を調製した。調製した分散液5μLを、両脇(左右)に磁石(各磁石の磁力は1.5T)を配置したグリッドメッシュ(メッシュ状のサンプル皿)上に滴下して自然乾燥させた。こうして、撮影対象粉末に水平方向に配向処理を施した。この配向処理が施された撮影対象粉末をグリッドメッシュごと透過型電子顕微鏡に導入して、先に記載した方法でDTEM(平均板厚)を求めた。
実施例、比較例の磁気テープの磁性層を刃で削り落として、X線回折分析用の試験片(粉末状態)を得た。
試験片約0.03gを用いて、先に記載した条件でX線回折分析を行った。粉末X線回折測定装置としては、リガク社製RINT2500を用いた。分析結果から、先に記載した方法により、Dx(107)およびDx(110)を算出した。Dx(107)およびDx(110)から、先に記載した算出式を用いて、VXRDを算出した。
強磁性六方晶フェライト粉末の前述の式2で規定されるΔSFDpowderを、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用い、印加磁界796kA/m(10kOe)で測定した。
磁気テープの長手方向における前述の式1で規定されるΔSFDを、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用い、印加磁界796kA/m(10kOe)で測定した。
23℃±1℃の環境下にて、実施例、比較例の磁気テープについて、記録ヘッド(MIG(Metal-in-Gap)、ギャップ長0.15μm、飽和磁束密度1.8T)と再生用GMR(Giant Magnetoresistive)ヘッド(再生トラック幅1μm)をループテスターに取り付けて、線記録密度200kfciの信号を記録し、その後、SNRを測定した。表1に、比較例4のSNRを0dBとする相対値として、実施例、比較例のSNRを示す。SNRが+1.0dB以上、好ましくは+1.5dB以上であれば、高密度記録化に伴う今後の厳しいニーズに対応し得る性能を有すると評価できる。
実施例、比較例の磁気テープをそれぞれリールに巻き付けた状態で温度60℃相対湿度90%の環境に1週間保存した。保存後の磁気テープを、温度23℃相対湿度50%の環境にて磁性層表面をSUS(Steel Use Stainless)420部材に接触させて荷重を50gかけた状態で走行速度14mm/sec.で繰り返し10パス走行させ10パス目の摩擦係数を測定した。測定結果を表1に示す。繰り返し走行中に摩擦係数が0.80を超えると(>0.80)、磁性層表面とSUS420部材とが貼り付いてしまい、それ以降走行させることはできなかった。そのような比較例については、表1に「>0.80(貼り付き)」と表記した。
Claims (11)
- 非磁性支持体上に非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、
前記非磁性層上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有し、
前記非磁性支持体の前記磁性層および前記非磁性層を有する側とは反対側に、非磁性粉末および結合剤を含むバックコート層を有する磁気テープであって、
脂肪酸エステルを少なくとも前記磁性層に含み、
前記強磁性粉末は、強磁性六方晶フェライト粉末であり、
前記強磁性六方晶フェライト粉末は、X線回折分析により求められる結晶子体積が1000〜2400nm3の範囲であり、かつ(107)面の回折ピークから求められる結晶子サイズDx(107)と透過型電子顕微鏡観察により求められる磁化容易軸方向粒子サイズDTEMとの比、Dx(107)/DTEM、が1.1以上であり、
磁気テープ長手方向における下記式1により算出されるΔSFDが、0.50〜1.60の範囲であり、かつ
前記バックコート層の厚みは0.9μm以下である磁気テープ;
ΔSFD=SFD25℃−SFD−190℃ …式1
式1中、SFD25℃は、温度25℃の環境下で磁気テープ長手方向において測定される反転磁界分布SFDであり、SFD−190℃は、温度−190℃の環境下で磁気テープ長手方向において測定される反転磁界分布SFDである。 - 前記強磁性六方晶フェライト粉末のDx(107)/DTEMは、1.1〜1.5の範囲である請求項1に記載の磁気テープ。
- 前記強磁性六方晶フェライト粉末のX線回折分析により求められる結晶子体積は、1000〜1500nm3の範囲である請求項1または2に記載の磁気テープ。
- 前記ΔSFDは、0.50〜1.00の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気テープ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気テープの製造方法であって、
磁性層形成用組成物を調製する工程と、
調製した磁性層形成用組成物を、非磁性支持体上に形成された非磁性層上に塗布する工程と、
を経て磁性層を形成することを含み、
前記磁性層形成用組成物を調製する工程は、
強磁性六方晶フェライト粉末、結合剤および溶媒を、第一の分散ビーズの存在下で分散処理することにより分散液を得る第一の段階と、
前記第一の段階で得られた分散液を、前記第一の分散ビーズよりビーズ径および密度が小さい第二の分散ビーズの存在下で分散処理する第二の段階と、
を含む、前記製造方法。 - 前記第二の段階を、質量基準で、前記第二の分散ビーズが強磁性六方晶フェライト粉末の10倍以上の量で存在する下で行う、請求項5に記載の製造方法。
- 前記第二の分散ビーズのビーズ径は、前記第一の分散ビーズのビーズ径の1/100以下である請求項5または6に記載の製造方法。
- 前記第二の分散ビーズのビーズ径は、80〜1000nmの範囲である請求項5〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記第二の分散ビーズの密度は、3.7g/cm3以下である請求項5〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記第二の分散ビーズは、ダイヤモンドビーズである請求項5〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記第一の段階は、下記式2により算出されるΔSFDpowderが0.05〜1.90の範囲である強磁性六方晶フェライト粉末、結合剤および溶媒を、第一の分散ビーズの存在下で分散処理することにより分散液を得る段階である請求項5〜10のいずれか1項に記載の製造方法;
ΔSFDpowder=SFDpowder100℃−SFDpowder25℃ …式2
式2中、SFDpowder100℃は、温度100℃の環境下で測定される強磁性六方晶フェライト粉末の反転磁界分布SFDであり、SFDpowder25℃は、温度25℃の環境下で測定される強磁性六方晶フェライト粉末の反転磁界分布SFDである。
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