JP6560022B2 - 粘着テープ - Google Patents
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Description
このような粘着テープは、例えば、額縁状等の形状に打ち抜かれ、表示画面の周辺に配置されるようにして用いられる(例えば、特許文献1、2)。
従って、電子機器部品の光学フィルムの固定に用いられる粘着テープには、従来以上に被着体に対する高い定荷重剥離性と高い耐ひずみ応力性の両立が要求されるようになってきている。
以下に本発明を詳述する。
上記粘着剤層が上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを含有することにより、本発明の粘着テープは、被着体に対する高い定荷重剥離性と耐ひずみ応力性とを両立することができる。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合によれば、例えばフリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有するポリマーが得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができるため、粘着テープが剥がれにくくなり、被着体に対する定荷重剥離性が向上する。
図3にフリーラジカル重合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合では、反応中に連続的にラジカル種が発生してモノマーに付加し、重合が進行する。そのためフリーラジカル重合では、反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー23や、反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー24が生成する。そのため、架橋性官能基を含有するアクリル系ポリマーをフリーラジカル重合で製造すると、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーが生成してしまう。このようなフリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー2を、架橋剤を用いて架橋しても、架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーは、ポリマー鎖間での架橋に関与することができない。図4に、フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーでは、ポリマーの組成が不均一であり、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーを含むことから、架橋に関与できないポリマー鎖が存在している。なお、図4では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。薄い粘着テープとして被着体に貼着して荷重を付加したときに、架橋に関与できない架橋性官能基含有モノマーを含まない部位から剥離が発生してしまうことから、被着体に対する定荷重剥離性を発揮することはできない。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量は60重量%以上である。主成分としてアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーを含有することにより、得られる本発明の粘着テープは、高い耐ひずみ応力性を発揮することができる。上記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量は80重量%以上であることが好ましい。
上記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量の上限は特に限定されないが、他のモノマー成分、即ち架橋性官能基含有モノマーの配合量等を考慮すると、99.99重量%程度が実質的な上限である。
上記架橋性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、グリジシル基、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調整が容易であることから、水酸基又はカルボキシル基が好ましく、水酸基がより好ましい。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
アミド基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0〜110℃が好ましい。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
ただし、上記ポリマー成分中における上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーの含有量の下限は60重量%であり、ポリマー成分の全量(100重量%)が上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーであることが好ましい。ポリマー成分中の上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーの含有量を60重量%以上とすることにより、被着体に対する高い定荷重剥離性を発揮することができる。
なお、後述する粘着付与樹脂は、ポリマー成分には含まない。
フリーラジカル重合アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層を有する粘着テープでは、定荷重剥離性の優れるゲル分率に設定すると耐ひずみ応力性が低下してしまい、耐ひずみ応力性が優れるゲル分率に設定すると定荷重剥離性が低下してしまうというトレードオフの関係のため、ゲル分率を15〜35%の間というやや狭い領域内で調整せざるを得なかった。
一方、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層を有する粘着テープでは、ゲル分率が80重量%以上であると接着力が低下して、剥離時に糊残りしないという性能が発揮されることが知られている。このことは、ゲル分率を80重量%未満とすることにより接着力が上昇することを意味する。しかしながら、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーをポリマー成分として含有する粘着剤層を有する粘着テープにおいて、薄くとも剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮でき、更に耐ひずみ応力性の良好なゲル分率の範囲については知られていなかった。
上記ゲル分率が50重量%を超えると、上記粘着剤層が硬くなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下する。上記ゲル分率は、45重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましい。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
例えば、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーが架橋性官能基として水酸基を有する場合、架橋剤として例えばイソシアネート系架橋剤を用いることにより、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋させることができる。また、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーが架橋性官能基としてカルボキシル基を有する場合、架橋剤として例えばエポキシ系架橋剤又はアジリジン系架橋剤を用いることにより、上記リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー架橋させることができる。リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーは、含有する全てのポリマーの組成が均一で、架橋性官能基を有することから、全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができる。このため、薄い粘着テープであっても剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性と粘着剤凝集力を発揮できる粘着テープを得ることができる。
なかでも、基材に対する密着安定性に優れるため、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記イソシアネート系架橋剤として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)、マイテックNY260A(三菱化学社製)等が挙げられる。
なお、水酸基価は、JIS K1557(無水フタル酸法)により測定できる。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記ロジンエステル系樹脂とは、アビエチン酸を主成分とするロジン樹脂、不均化ロジン樹脂及び水添ロジン樹脂、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)等を、アルコールによってエステル化させて得られた樹脂である。エステル化に用いたアルコールの水酸基の一部がエステル化に使用されずに樹脂内に含有されることで、水酸基価が上記範囲に調整される。アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
なお、ロジン樹脂をエステル化した樹脂がロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂をエステル化した樹脂が不均化ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂をエステル化した樹脂が水添ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂をエステル化した樹脂が重合ロジンエステル樹脂である。
上記テルペンフェノール樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られた樹脂である。
上記テルペン系樹脂としては、例えば、ヤスハラケミカル社製YSポリスターG150(軟化点150℃)、同社製YSポリスターT100(軟化点100℃)、同社製YSポリスターG125(軟化点125℃)、同社製YSポリスターT115(軟化点115℃)、同社製YSポリスターT130(軟化点130℃)等が挙げられる。
これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着剤層の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、好ましい下限が1μm、好ましい上限が100μmである。上記厚みが1μm未満であると、粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。上記厚みが100μmを超えると、薄い粘着テープが得られないことがある。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は3μm、より好ましい上限は75μmであり、更に好ましい下限は5μm、更に好ましい上限は25μmである。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、PETフィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム等が挙げられる。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。
上記ヤーンクロス布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたもの等が挙げられる。
特にディスプレイモジュールの組み立てにおいて用いられる両面テープの場合には、光透過防止のために黒色印刷された基材、光反射性向上のために白色印刷された基材、金属蒸着されたフィルム基材等も用いることができる。
(合成1)
(合成1−1)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモーイソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、合成例1−1で製造した2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチル19μL、V−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)1.4mg、酢酸エチル1mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、表1に示す混合モノマー(2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート、BA:ブチルアクリレート、EA:エチルアクリレート、AAc:アクリル酸、HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート)の合計100g、重合溶媒として酢酸エチル66.5gを投入し、60℃で20時間重合反応を行い、リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー含有溶液を得た。
得られたリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルの仕込み量、V−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)の仕込み量、及び、混合モノマーの組成を表1のようにした以外は、合成1と同様にしてリビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー含有溶液を得て、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル50gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)150mgを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、表1に示す混合モノマーの合計100gを2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)150mgを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、フリーラジカル重合ポリマー含有溶液を得た。
合成1と同様にして、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
上記で得られたラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、架橋剤としてコロネートL(イソシアネート系架橋剤、日本ポリウレタン社製)、粘着付与樹脂としてペンセルD135(重合ロジンエステル、荒川化学社製)及びYSポリスターG125(テルペン系粘着付与樹脂、ヤスハラケミカル社製)を表2に示す所定量添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。厚み50μmの離型処理したPETフィルムに、得られた粘着剤溶液を、乾燥後に糊厚みが7.5μmとなるように塗工した後、70℃で10分間乾燥させ、粘着テープを得た。なお、粘着剤層の両側の表面には、粘着剤層を保護するための離型フィルムを積層した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
実施例、比較例で得られた粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表2に示した。
図5に光学フィルム歪みの程度を測る試験方法を示した模式図を示した。温度変化による光学フィルムの伸縮変形を粘着剤層で緩和できるかどうかを、図5に示したような試験サンプルを高温条件にさらす方法により評価した。
両面粘着テープを2.5mm幅の額縁状に打ち抜いた試験片30の一方の面の離型フィルムを剥離除去して、露出した粘着剤層上に、図5のように、窓枠4インチ、枠幅5mm、100mm×63mmのPCフレーム31と、88mm×51mmのBEFシート32(TBEF II GMV2(24))とを貼りあわせた。この時に、試験片30とPCフレーム31、試験片30とBEFシート32のそれぞれの接着幅は1mmになるよう調整した。
次に、試験片30の反対面の離型フィルムを剥離除去して、露出した粘着剤層上にガラス板33を貼りあわせ、10Kgの錘を10秒間のせることで、貼着させた。その後、23℃、相対湿度50%の条件下で少なくとも24時間静置することにより、試験サンプル34を作製した。
試験サンプル34を85℃のオーブンに入れて96時間にわたって静置した。しかる後、30分以上かけてゆっくりと常温まで戻し、光学フィルムの歪みがないかを以下の基準により評価した。
◎:歪みが全く認められなかった
○:歪みは認められたものの、画像に影響はなかった
×:歪みが認められ、画像に影響があった
図6に定荷重剥離試験の試験方法を示した模式図を示した。図6に示したように、得られた両面粘着テープを幅20mm×長さ50mmの短冊状に裁断して試験片41を作製し、この試験片41の表面から離型フィルムを剥離除去して粘着剤層を露出させ、ポリカーボネート板40上に粘着剤層が対向した状態となるように載せた。
次いで、上記試験片41の裏面から離型フィルムを剥離除去して、露出した粘着剤層上に厚み23μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(図示せず)を積層した後、上記試験片41の裏面上に300mm/分の速度で2kgのゴムローラを一往復させることにより、試験片41とポリカーボネート板40とを貼着させ、23℃、相対湿度50%の条件下で24時間静置することにより試験サンプル42を作製した。
次に、この試験サンプル42を85℃のオーブンに入れ、図6に示したように、試験サンプル42の試験片41の一端に、この試験片41に貼着面に対して垂直方向に負荷がかかるように50g錘43を取り付け、試験片41がポリカーボネート板40から落下するまでの時間を測定した。測定値をもとに、以下の基準により定荷重剥離性を評価した。
○:落下時間が1時間以上であった
×:落下時間が1時間未満であった
11 架橋性官能基を含まないモノマー
12 架橋性官能基含有モノマー
2 フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー
21 架橋性官能基を含まないモノマー
22 架橋性官能基含有モノマー
23 反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー
24 反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー
30 試験片
31 PCフレーム
32 BEFシート
33 ガラス板
34 試験サンプル
40 PC板
41 試験片
42 試験サンプル
43 50g錘
Claims (2)
- 少なくとも、アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーと架橋性官能基含有モノマーとを含有するモノマー混合物をリビングラジカル重合して得られた、重量平均分子量30万〜200万、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーを60重量%以上含有するポリマー成分と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープであって、
前記モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が60重量%以上であり、
前記粘着剤層のゲル分率が50重量%以下であり、
前記アルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーは、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート又はイソオクチルアクリレートである
ことを特徴とする粘着テープ。 - モノマー混合物中のアルキル基炭素数が8のアクリル酸アルキルエステルモノマーの含有量が80重量%以上であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
Priority Applications (1)
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