以下に添付図面を参照して、本発明に係る飲料供給装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である飲料供給装置が適用された飲料ディスペンサの斜視図であり、図2は、本発明の実施の形態である飲料供給装置の構成を模式的に示す模式図である。ここで例示する飲料ディスペンサ1は、飲料容器であるカップC(図2参照)に対してコーヒー飲料を提供するものである。
本実施の形態である飲料供給装置は、上記飲料ディスペンサ1に適用され、かつ乳飲料である牛乳を泡立たせた状態でカップCに供給するものである。この飲料供給装置は、蒸気供給部(蒸気供給手段)10、原液供給部(原液供給手段)20、空気供給部(空気供給手段)40、ミキシング部50、フォーミング部60及びノズル部70を備えて構成してある。
蒸気供給部10は、蒸気タンク11、第1蒸気供給管12及び第2蒸気供給管13を備えて構成してある。蒸気タンク11は、従来公知のものであり、加圧蒸気を生成するものである。
第1蒸気供給管12は、一端が蒸気タンク11に接続され、他端がミキシング部50に接続されており、蒸気タンク11とミキシング部50とを接続するものである。この第1蒸気供給管12の途中には、第1蒸気供給弁14が配設してある。この第1蒸気供給弁14は、図示せぬ制御手段から与えられる指令により開閉するものである。第1蒸気供給弁14は、開成する場合には、第1蒸気供給管12を加圧蒸気が通過することを許容するものである。また第1蒸気供給弁14は、閉成する場合には、第1蒸気供給弁14を加圧蒸気が通過することを規制するものである。
第2蒸気供給管13は、一端が蒸気タンク11に接続され、他端が原液供給部20を構成する逆止弁構成部30に接続されており、蒸気タンク11と逆止弁構成部30とを接続するものである。尚、逆止弁構成部30についての説明は後述する。
この第2蒸気供給管13の途中には、第2蒸気供給弁15が配設してある。この第2蒸気供給弁15は、制御手段から与えられる指令により開閉するものである。第2蒸気供給弁15は、開成する場合には、第2蒸気供給管13を加圧蒸気が通過することを許容するものである。また第2蒸気供給弁15は、閉成する場合には、第2蒸気供給弁15を加圧蒸気が通過することを規制するものである。
原液供給部20は、バッグ・イン・ボックス(以下、BIBともいう)21、チューブポンプ23、プラグ24及び逆止弁構成部30を備えて構成してある。
BIB21は、カップCに供給する乳飲料(泡立たせた状態の牛乳)の原液(以下、牛乳原液ともいう)を封入した袋状容器を箱状容器に収容して構成されるものである。このBIB21は、飲料ディスペンサ1の保冷庫2に配置してある。ここで保冷庫2は、飲料ディスペンサ1のディスペンサ本体1aの内部に設けられた断熱構造の室であり、ディスペンサ本体1aの内部の後方側に画成してある。この保冷庫2は、図3に示すように、ディスペンサ本体1aの後面に揺動可能に設けられた断熱構造の後面扉3により開閉されるもので、BIB21は、後面扉3を開移動させて保冷庫2が開放された状態で補充されるものである。
チューブポンプ23は、保冷庫2の内部において、BIB21の下方側に設けてある。このチューブポンプ23は、制御手段から与えられる指令により駆動するもので、駆動する場合には、BIB21に接続されたチューブ22を複数のローラ等で押し潰すようにして、BIB21の牛乳原液を汲み出すものである。
プラグ24は、BIB21に接続されたチューブ22の先端部に取り付けられるものである。図4は、原液供給部20を構成するプラグ24を示す斜視図である。この図4に示すように、プラグ24は、プラグ本体24aとプラグ蓋体24bとを備えて構成してある。
プラグ本体24aは、上部及び前方部が開放し、かつ後方部にU字状の後面溝241が形成された略直方状の形態を成すものである。このプラグ本体24aの左右両側部には、左右一対となる態様で上方に向けて突出する係止片242が形成してある。これら左右一対の係止片242にはそれぞれ係止溝243が形成してある。またプラグ本体24aの左右両側部の前方側上部には、左右一対の軸支孔244が形成してある。更にプラグ本体24aの底部には、図5に示すように、左右方向が長手方向となる態様で上方に向けて突出する長尺状の本体側ピンチ部245が設けてある。
プラグ蓋体24bは、略平板状の部材であり、貫通孔246(図5参照)、係合突部247、係止突部248及び蓋側ピンチ部249が形成してある。貫通孔246は、プラグ蓋体24bの前方側において左右方向に貫通する態様で形成してある。この貫通孔246には、長尺ロッド状のプラグピン25が貫通しており、このプラグピン25の左右両端部がプラグ本体24aの軸支孔244を挿通している。つまり、プラグ蓋体24bは、プラグピン25の中心軸回りに揺動可能となるようプラグ本体24aに支持されている。
係合突部247は、プラグ蓋体24bの上面より上方に向けて突出する態様で形成してある。係止突部248は、プラグ蓋体24bの左右両端部より外方(左方、右方)に向けて突出する態様で形成してある。
蓋側ピンチ部249は、プラグ蓋体24bの下面において、左右方向が長手方向となる態様で下方に向けて突出して形成された長尺状のものである。この蓋側ピンチ部249は、プラグ蓋体24bがプラグ本体24aに近接するよう揺動する場合に、本体側ピンチ部245に対して対向する個所に形成してある。
このようなプラグ24は、次のようにしてチューブ22の先端部に取り付けてある。まず、プラグ蓋体24bをプラグ本体24aから離隔するよう揺動させ、プラグ本体24aとプラグ蓋体24bとの間において、チューブ22の先端面がプラグ本体24aの前方部よりも前方に突出するようにするとともに、一部が後面溝241を通過するようにチューブ22を配置する。
次に、プラグ蓋体24bをプラグ本体24aに近接するよう揺動させて、プラグ蓋体24bの係止突部248がプラグ本体24aの係止片242の係止溝243に進入して該係止片242と係止することでプラグ24をチューブ22の先端部に取り付けることができる。
この場合において、プラグ蓋体24bの蓋側ピンチ部249は、プラグ本体24aの本体側ピンチ部245と対向しており、かつ該本体側ピンチ部245とともにチューブ22の所定部位を挟み込んで該チューブ22を閉塞させている。つまり、プラグ24は閉塞姿勢となる。
図6は、原液供給部20を構成する逆止弁構成部30を示す斜視図であり、図7は、図6に示した逆止弁構成部30の横断面図である。ここで例示する逆止弁構成部30は、原液供給管26を介してミキシング部50に接続されるものであり、図6及び図7に示すように、逆止弁本体30aを備えている。
図8〜図10は、それぞれ図6及び図7に示した逆止弁構成部30を構成する逆止弁本体30aを示すもので、図8は、斜視図であり、図9は、図8に示した逆止弁本体30aを左方から見た場合を示す縦断面図であり、図10は、図8に示した逆止弁本体30aを前方から見た場合を示す縦断面図である。
これら図8〜図10にも示すように、逆止弁本体30aは、ソケット収容部31、蒸気流入部32、原液流出部33及び弁体収容部34を備えて構成してある。ソケット収容部31は、逆止弁本体30aの後方部分に構成されており、後面開口31aを通じてソケット27(図6及び図7参照)の進入を許容し、該ソケット27を収容する部位である。
ソケット27は、図11にも示すように、後面が開放した箱状のソケット本体27aを有している。このソケット27は、係止爪片271、規制孔272、原液案内部273及び案内溝部274,275がソケット本体27aに形成されて構成してある。
係止爪片271は、それぞれソケット本体27aの左右両側部に設けてあり、前後方向が長手方向となるものである。これら係止爪片271の前方側には、係止爪271aが形成してある。規制孔272は、ソケット本体27aの上方部に形成された矩形状の孔である。
原液案内部273は、ソケット本体27aの前方部において前方及び後方に突出する態様で形成してあり、前後方向が長手方向となる長尺状の筒状体である。この原液案内部273の外径は、上記チューブ22の内径よりも僅かに大きいものである。この原液案内部273には、前後方向に沿って延在する原液通路273aが形成してある。
案内溝部274,275は、ソケット本体27aの下方部の後方側にて左右一対となる態様で形成してある。左方側の案内溝部274においては、右端部がソケット本体27aの左方側部と対向しており、前方に向かって延在する第1右側前延部274aと、この第1右側前延部274aの前端部に連続し、かつ前方に向かうに連れて漸次左方に傾斜する右側傾斜部274bと、この右側傾斜部274bの前端部に連続し、かつ前方に向かって延在する第2右側前延部274cとが連続して構成してある。
右方側の案内溝部275においては、左端部がソケット本体27aの右方側部と対向しており、前方に向かって延在する第1左側前延部275aと、この第1左側前延部275aの前端部に連続し、かつ前方に向かうに連れて漸次右方に傾斜する左側傾斜部275bと、この左側傾斜部275bの前端部に連続し、かつ前方に向かって延在する第2左側前延部275cとが連続して構成してある。
このようなソケット27は、図6及び図7に示したように、ソケット本体27aの前方部が逆止弁本体30aの後面開口31aを通じてソケット収容部31に進入し、かつソケット本体27aの係止爪片271の係止爪271aが逆止弁本体30aの左右両側部に設けられた係止突起311と係止することで、ソケット収容部31に収容されている。ここでソケット27の原液案内部273の前端部分は、逆止弁本体30aにおける円筒部312の中空部312aに進入している。そして、かかる円筒部312の前端部には原液流入口313が形成されており、原液案内部273の原液通路273aは原液流入口313を臨んでいる。
このようにしてソケット27がソケット収容部31に収容されることで逆止弁構成部30を構成しており、しかも逆止弁構成部30は上述したように原液供給管26に接続してあることから、該ソケット27は、牛乳原液を供給するための配管に取り付けられている。
蒸気流入部32は、上記第2蒸気供給管13と接続する部位であり、蒸気流入通路321を有している。この蒸気流入通路321は、逆止弁本体30aに設けられた蒸気流入口322を通じて第2蒸気供給管13に連通している。
原液流出部33は、上記原液供給管26と接続する部位であり、原液流出通路331を有している。この原液流出通路331は、逆止弁本体30aに設けられた原液流出口332を通じて原液供給管26に連通している。
弁体収容部34は、逆止弁本体30aの中央領域に画成された室であり、上記蒸気流入通路321及び上記原液流出通路331に連通するとともに、ソケット収容部31に収容されたソケット27の原液案内部273の原液通路273aに原液流入口313を介して連通している。この弁体収容部34にボールガイド35が設けてある。
ボールガイド35は、円筒状の形態を成すものであり、第1開口351及び第2開口352を有している。第1開口351は、後方側に形成してあり、上記原液流入口313に連通している。第2開口352は、前方側に形成してあり、上記原液流出通路331を臨むことで上記原液流出口332に連通している。
上記ボールガイド35の内部にはボール弁36が設けてある。ボール弁36は、例えばバネ等の付勢手段37により常時後方に向けて付勢されるものであり、常態においては、ボールガイド35の第1開口351を閉塞することで原液流入口313を閉塞するものである。
また、ボールガイド35には複数の噴出孔353が形成してある。これら噴出孔353は、ボールガイド35の周面においてその周方向に沿って所定間隔毎に形成されるもので、それぞれが上記蒸気流入通路321を通じて蒸気流入口322に連通している。またこれら噴出孔353は、常態のボール弁36、すなわち第1開口351を閉塞して原液流入口313を閉塞する状態のボール弁36に対して、該ボール弁36の正中面(ボール弁36を前後対象に均等に分割する平面)38よりも第2開口352側(前方側)の表面を臨む個所に形成してある。
このような原液供給部20においては、プラグ24とソケット27とが次のようにして連結している。図5に示したようにプラグ24をソケット27の後方側より近接させることにより、プラグ24をソケット本体27aの後面より進入させる。プラグ24がソケット本体27aの内部に進入すると、図12に示すように、左右一対の係止片242がそれぞれ対応する案内溝部274,275に進入する。このように係止片242が対応する案内溝部274,275に進入する結果、左方側の係止片242は左方側の案内溝部274の右側傾斜部274bに摺接した後に第2右側前延部274cに摺接することで左方に変位する一方、右方側の係止片242は右方側の案内溝部275の左側傾斜部275bに摺接した後に第2左側前延部275cに摺接することで右方に変位することになる。このように左方側の係止片242が左方に変位し、右方側の係止片242が右方に変位すると、各係止片242の係止溝243に進入していた係止突部248が該係止溝243から相対的に離脱することでプラグ蓋体24bはフリーな状態となる。
プラグ蓋体24bがフリーな状態となると、チューブ22の弾性復元力により、プラグ蓋体24bがプラグ本体24aからから離隔するよう揺動する。そして、図13に示すように、該プラグ蓋体24bの係合突部247が規制孔272に進入することでプラグ24はソケット27と係合状態となって該ソケット27に連結される。このときソケット27の原液案内部273は、一部がチューブ22の内部に進入し、原液案内部273の原液通路273aとチューブ22の内部とが連通状態となる。また、プラグ蓋体24bが揺動することで蓋側ピンチ部249が本体側ピンチ部245から離隔してこれらに閉塞されていたチューブ22の所定部位は開放される。つまり、プラグ24は、ソケット27と係合状態となることで開放姿勢となる。
ところで、プラグ24をソケット27から離脱させるには次のようにすればよい。プラグ蓋体24bをプラグ本体24aに近接するよう揺動させて係合突部247を規制孔272から離脱させる。そして、プラグ蓋体24bをプラグ本体24aに近接するよう揺動させた状態のままプラグ24を後方に向けて移動させる。
このようにプラグ24を後方に移動させると、左右一対の係止片242がそれぞれ対応する案内溝部274,275を相対的に後方に向かって移動する。つまり、左方側の係止片242は左方側の案内溝部274の右側傾斜部274bに摺接した後に第1右側前延部274aに摺接することで右方に変位する一方、右方側の係止片242は右方側の案内溝部275の左側傾斜部275bに摺接した後に第1左側前延部275aに摺接することで左方に変位することになる。このように左方側の係止片242が右方に変位し、右方側の係止片242が左方に変位すると、各係止片242の係止溝243に係止突部248が進入して該係止片242と係止し、プラグ24は上述した閉塞姿勢となる。
このようにプラグ24とソケット27とは互いに着脱可能な関係にあり、プラグ24は、ソケット27から離脱している場合には閉塞姿勢となる一方、ソケット27と連結される場合に開放姿勢となるものである。ソケット27は、プラグ24と連結される場合には、プラグ24を強制的に開放姿勢にさせるものである。また、ソケット27は、自身に連結されるプラグ24が閉塞姿勢となる場合に、該プラグ24が離脱することを許容するものである。
空気供給部40は、空気供給管41を備えて構成してある。空気供給管41は、一端がエアポンプ42に接続され、他端がミキシング部50に接続されており、エアポンプ42とミキシング部50とを接続するものである。エアポンプ42は、制御手段から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合に、空気を圧縮して空気供給管41を通じて圧縮空気を送出するものである。
図14及び図15は、それぞれ図2に示したミキシング部50を示すものであり、図14は、斜視図であり、図15は、断面図である。ここで例示するミキシング部50は、第1蒸気供給管12、原液供給管26及び空気供給管41に接続しているとともに、飲料送出管80にも接続している。ここで飲料送出管80は、一端がミキシング部50に接続され、かつ他端がフォーミング部60に接続されており、ミキシング部50とフォーミング部60とを接続するものである。このようなミキシング部50は、蒸気導入部51、飲料ミキシング部52、原液導入部53及び空気導入部54を有している。
蒸気導入部51は、上記第1蒸気供給管12と接続する部位であり、蒸気導入通路511を有している。この蒸気導入通路511は、蒸気導入口512を通じて第1蒸気供給管12に連通している。
飲料ミキシング部52は、上記飲料送出管80と接続する部位であり、ミキシング通路521を有している。このミキシング通路521は、オリフィス部55を通じて蒸気導入通路511に連通しているとともに、飲料送出口522を通じて飲料送出管80に連通している。
原液導入部53は、上記原液供給管26と接続する部位であり、原液導入通路531を有している。この原液導入通路531は、一端が原液導入口532を通じて原液供給管26に連通している。また、原液導入通路531は、他端がミキシング通路521に連通している。
空気導入部54は、上記空気供給管41と接続する部位であり、空気導入通路541を有している。この空気導入通路541は、一端が空気導入口542を通じて空気供給管41に連通している。また、空気導入通路541は、他端がミキシング通路521に連通している。ここで空気導入通路541がミキシング通路521を連通する個所は、原液導入通路531がミキシング通路521と連通する個所よりも下流側に位置している。
図16及び図17は、それぞれ図2に示したフォーミング部60を示すものであり、図16は、斜視図であり、図17は、断面図である。ここで例示するフォーミング部60は、飲料送出管80に接続しているとともに、ノズル部70に連結している。このようなフォーミング部60は、飲料導入部61と飲料導出部62とを有している。
飲料導入部61は、上記飲料送出管80と接続する部位であり、飲料導入通路611を有している。この飲料導入通路611は、飲料導入口612を通じて飲料送出管80に連通している。この飲料導入通路611は、その途中で屈曲されて構成してある。ここで屈曲部位611aの上流側の飲料導入通路611と下流側の飲料導入通路611との成す角度αは鋭角であることが好ましい。
飲料導出部62は、ノズル部70と接続する部位であり、飲料導出通路621を有している。この飲料導出通路621は、飲料導出口622を通じてノズル部70に連通している。また、飲料導出通路621は、飲料導入通路611と連通している。
図18及び図19は、それぞれ図2に示したノズル部70を示すものであり、図18は、斜視図であり、図19は、断面図である。ここで例示するノズル部70は、図1に示すようにディスペンサ本体1aの前面に設けられたノズル収容部4に収容されるもので、ノズル本体70aとノズル蓋体70bとを有している。
ノズル本体70aは、図20にも示すように、天部が開放された容器であり、底部は基端から先端に向かうに連れて漸次下方に傾斜している。このノズル本体70aには、ノズル室711、吐出通路712及び放出通路713が形成されている。ノズル室711は、ノズル本体70aの大部分を占めるものである。
吐出通路712は、ノズル本体70aにおける先端部に形成されており、下方に向けて延在するものである。この吐出通路712は、吐出連絡口714を通じてノズル室711に連通しており、またノズル本体70aに形成された吐出口715を通じて外部に連通している。ここで吐出連絡口714は、ノズル室711の下部に設けてある。
放出通路713は、ノズル本体70aにおける先端部に形成されており、吐出通路712に隣接する態様で下方に向けて延在するものである。この放出通路713は、放出連絡口716を通じてノズル室711に連通しており、またノズル本体70aに形成された放出口717を通じて外部に連通している。ここで放出連絡口716は、ノズル室711の上部に設けてある。
かかるノズル本体70aにおいては、ノズル室711に飲料案内部72が設けてある。飲料案内部72は、ノズル室711の下部、すなわちノズル本体70aの底部に設けてあり、複数の通路構成要素である平板状部材721が並設されており、それぞれの平板状部材721の上端部が共通の支持板722に連結されて構成してある。図21に示すように、この飲料案内部72における各平板状部材721は、吐出連絡口714(吐出口715)に近接するにしたがって互いに隣接する他の平板状部材721の間隔が小さくなるように設けてある。そして、互いに隣接する平板状部材721間に飲料を通過させてから吐出通路712を通過させるものである。
ノズル蓋体70bは、ノズル本体70aの天部を閉塞する態様で該ノズル本体70aに取り付けてある。このノズル蓋体70bには、連結管部73及び蒸気放出部74を有している。連結管部73は、ノズル蓋体70bより上方に向けて突出する円筒状部位である。この連結管部73には、ノズル本体70aの内部に連通する中空部731が形成してあり、フォーミング部60の飲料導出部62の一部の進入を許容して該フォーミング部60と連結するものである。
蒸気放出部74は、連結管部73と同様に、ノズル蓋体70bより上方に向けて突出する円筒状部位である。この蒸気放出部74には、ノズル本体70aの内部に連通する中空部741が形成してあり、ノズル本体70aの内部に送られてきた蒸気の一部を放出するためのものである。
以上のような構成を有する飲料供給装置においては、次のようにして牛乳を泡立たせた状態にてカップCに供給することができる。制御手段により第1蒸気供給弁14が開成されるとともに、チューブポンプ23及びエアポンプ42が駆動されるものとする。尚、第2蒸気供給弁15は閉成されている。
このようにチューブポンプ23が駆動されることで、原液供給部20では、BIB21の牛乳原液が汲み出される。BIB21から汲み出された牛乳原液は、チューブ22を通過した後にソケット27の原液案内部273の原液通路273aを通過して原液流入口313に至る。原液流入口313はボール弁36により閉塞されているが、BIB21から汲み出される牛乳原液の圧力によりボール弁36が付勢手段37の付勢力に抗して前方に向けて退避移動する。これにより原液流入口313及び第1開口351は開放され、牛乳原液は、原液流入口313及び第1開口351を通じて原液流出通路331に至り、この原液流出通路331を通過して原液供給管26を通過する。この原液供給管26を通過する牛乳原液は、ミキシング部50の原液導入通路531に至る。
ところで、第1蒸気供給弁14が開成されていることで蒸気タンク11で生成された加圧蒸気は、第1蒸気供給管12を通過してミキシング部50の蒸気導入通路511に至る。また、エアポンプ42が駆動されることで、圧縮空気が空気供給管41を通過してミキシング部50の空気導入通路541に至る。
ミキシング部50においては、蒸気導入通路511を通過した加圧蒸気がオリフィス部55を通過することで減圧されて流速が増大した状態でミキシング通路521を通過することにより、原液導入通路531の牛乳原液がベンチュリー効果でミキシング通路521に至り、加圧蒸気により加熱される。
またこのミキシング部50においては、空気導入通路541の圧縮空気がミキシング通路521に進入することで加圧蒸気に加熱された牛乳原液と混合されて牛乳飲料が生成される。ここで生成された牛乳飲料は圧縮空気により僅かに泡立たせされた状態となる。このようにしてミキシング部50にて生成された牛乳飲料は、飲料送出管80を通過してフォーミング部60の飲料導入通路611に至る。
フォーミング部60においては、飲料導入通路611を通過する牛乳飲料が該飲料導入通路611の屈曲部位611aにて流路変更され、該屈曲部位611aにおける通路壁面に当接することで牛乳飲料の泡立ち量が増大されて泡立たされることになる。そして、このように泡立たされた牛乳飲料は、飲料導出通路621を通過してノズル部70に送出される。
ノズル部70に送出された泡立たされた牛乳飲料は、ノズル室711に一時的に貯留され、飲料案内部72の平板状部材721間を通過する。ここで平板状部材721は、吐出口715に近接するにしたがって互いの間隔が小さくなるように並設されていることから、泡立ちの大きいものは平板状部材721間を通過できずに滞留し、泡立ちの細かいものだけが平板状部材721間を通過する。
そして、ノズル蓋体70bに設けられた蒸気放出部74や、放出通路713から蒸気等の一部が放出されるので、ノズル室711に一時的に貯留された牛乳飲料は、平板状部材721間を通過した後に吐出通路712を通過して吐出口715よりカップCに吐出され、このようにして牛乳飲料が供給されることとなる。
このようにして所定量の牛乳飲料を供給した後、飲料供給装置では、制御手段により第2蒸気供給弁15が開成され、チューブポンプ23が駆動停止にされる。尚、エアポンプ42の駆動は維持されるとともに、第1蒸気供給弁14も開成している。
第2蒸気供給弁15が開成されることで、蒸気タンク11で生成された加圧蒸気は、第2蒸気供給管13を通過して逆止弁構成部30の蒸気流入通路321に至る。ここで逆止弁構成部30においては、チューブポンプ23の駆動停止によりBIB21から牛乳原液が汲み出されることがないので、ボール弁36により原液流入口313が閉塞されている。
逆止弁構成部30において、蒸気流入通路321の加圧蒸気は、弁体収容部34に至り、ボールガイド35の周囲を通過しつつ噴出孔353よりボール弁36の表面に噴出される。ボール弁36の表面に噴出された加圧蒸気は、ボール弁36の表面に付着していた牛乳原液とともに原液流出通路331を介して原液供給管26を通過し、ミキシング部50の原液導入通路531に至る。
そして、原液導入通路531の加圧蒸気(牛乳原液とともに逆止弁構成部30から供給された加圧蒸気)は、第1蒸気供給管12を介してミキシング部50に供給される加圧蒸気や空気供給管41を介してミキシング部50に供給される圧縮空気と混合して通路上に付着する牛乳とともにフォーミング部60を通過する。
このようにしてフォーミング部60を通過した加圧蒸気等は、ノズル部70のノズル室711にて滞留する泡と一緒に牛乳を流し、吐出口715よりカップCに供給される。
これにより逆止弁構成部30からノズル部70の吐出口715に至る各部位に残った牛乳もカップCに供給することができ、これら経路上の清掃を行うことができる。
その後に制御手段により第1蒸気供給弁14及び第2蒸気供給弁15が閉成されるとともに、エアポンプ42が駆動停止にされることで、牛乳の供給が終了する。
以上説明したように本発明の実施の形態である飲料供給装置によれば、ミキシング部50において、牛乳原液と加圧蒸気と圧縮空気とを混合させて泡立たせた牛乳飲料としてカップCに供給することができるので、従来のように飲料容器に加圧蒸気及び圧縮空気を供給させて牛乳を撹拌して泡立たせるのに比して、カップCの周辺に牛乳等が飛散等してしまうことを防止でき、衛生的である。よって、衛生性を良好なものとしつつ牛乳を泡立たせた状態で供給することができる。
上記飲料供給装置によれば、ミキシング部50にて混合された牛乳飲料を、フォーミング部60にて飲料導入通路611の屈曲部位611aの通路壁面に当接させるようにして該牛乳飲料の泡立ち量を増大させているので、より泡立たせた牛乳飲料をカップCに供給することができる。
上記飲料供給装置によれば、ノズル部70の飲料案内部72では、平板状部材721が吐出口715に近接するにしたがって互いの間隔が小さくなるよう並設されており、これら平板状部材721間に牛乳飲料を通過させるので、大きい泡を破裂させたり滞留させたりして、吐出口715より吐出されてカップCに供給される牛乳飲料の泡立ちの大きさを小径で均一なものとすることができる。そして、従来のように牛乳飲料に多孔板の小孔を通過させないので、カップCに対する牛乳飲料の供給時間の長大化を抑制できる。従って、牛乳飲料の供給時間の長大化を抑制しつつ、泡立たせた状態の牛乳飲料を良好に供給することができる。
上記飲料供給装置によれば、ノズル部70に送出された牛乳飲料をノズル室711で一時的に貯留して吐出口715より吐出させるので、原液供給部20にて用いられるチューブポンプ23の特性により、吐出口715から吐出される牛乳飲料が脈動することを防止することができる。
上記飲料供給装置によれば、ノズル室711に飲料案内部72が設けられたことにより、ノズル室711の内部の表面積を大きくすることができ、ノズル部70に送られてきた加圧蒸気を早期に結露させて、ノズル室711に残留する牛乳飲料とともに吐出口715より吐出させることができ、該牛乳飲料を良好に洗い流すことができる。
上記飲料供給装置によれば、BIB21のチューブ22の先端部に取り付けられるプラグ24は、ソケット27から離脱している場合には、該チューブ22の所定部位を挟んで閉塞する閉塞姿勢となる一方、該ソケット27と連結される場合には、チューブ22の所定部位を開放する開放姿勢となって該チューブ22を介してBIB21と原液供給管26とを連通させるので、該チューブ22の先端部に手が触れて雑菌等が付着することを抑制でき、しかもチューブ22を配管等に容易に接続することができる。従って、BIB21に接続されたチューブ22を、乳飲料を供給するための配管に容易に接続させるとともに、衛生性を良好に保持することができる。
上記飲料供給装置によれば、逆止弁構成部30のボールガイド35には、第1開口351を閉塞して原液流入口313を閉塞する状態のボール弁36に対して、該ボール弁36の正中面38よりも第2開口352側の表面を臨む個所に噴出孔353が形成してあるので、ボール弁36が原液流入口313を閉塞した状態を維持させつつ、該ボール弁36やその周辺に付着した牛乳原液を洗い流すことができる。従って、逆止弁構成部30の衛生性を良好に保持することができる。
また、本発明の実施の形態である飲料供給装置及びこの飲料供給装置が適用された飲料ディスペンサ1では、上記作用効果の他、以下のような作用効果を奏することもできる。
上記飲料供給装置によれば、エアポンプ42で圧縮された空気をミキシング部50に供給して牛乳原液や加圧蒸気と混合させているので、エアポンプ42の回転数等を変更して空気供給部40からのミキシング部50に対する圧縮空気の供給量を適宜変更することにより、該ミキシング部50での牛乳飲料の泡立ち量を調整することができる。
上記飲料供給装置によれば、蒸気供給部10からミキシング部50に対する加圧蒸気の供給を停止させるとともに、空気供給部40からミキシング部50に対する圧縮空気の供給を停止させることで、カップCに対してBIB21に収納された牛乳原液を供給することもできる。
上記飲料供給装置が適用される飲料ディスペンサ1によれば、保冷庫2が後面扉3により開閉されるものであるので、かかる飲料ディスペンサ1を店舗に設置した場合、店舗の従業員は飲料ディスペンサ1の正面に行かなくても後面扉3を開移動させることで容易にBIB21の交換等を行うことができる。つまり、かかる飲料ディスペンサ1を店舗のカウンタ上に設置することができ、従業員によるBIB21の交換作業も行いやすくなる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、牛乳を乳飲料の一例として用いていたが、本発明においては、豆乳等の乳飲料であってもよいし、その他の飲料を用いても構わない。
上述した実施の形態では、フォーミング部60において飲料導入通路611の一部を屈曲させていたが、本発明においては、圧縮空気を含む加熱された乳飲料を通路壁面に当接させて泡立ち量を増大させるのであれば、その構成は特に限定されるものではない。
上述した形態では特に用いられていないが、本発明においては、逆止弁構成部30′は、図22に示すような洗浄用ソケット27′を逆止弁本体30aに収容させても良い。この図22に示す洗浄用ソケット27′は、上述したソケット27に対して、逆止弁本体30aの円筒部312を外部から覆って収納する円筒収納部273′を原液案内部273の代わりに設けたことが異なる。このような洗浄用ソケット27′を用いることで、上記ソケット27を装着した状態では洗浄しづらい部分も良好に洗浄することができる。