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JP6537154B2 - ガスセンサ - Google Patents

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JP6537154B2
JP6537154B2 JP2018523579A JP2018523579A JP6537154B2 JP 6537154 B2 JP6537154 B2 JP 6537154B2 JP 2018523579 A JP2018523579 A JP 2018523579A JP 2018523579 A JP2018523579 A JP 2018523579A JP 6537154 B2 JP6537154 B2 JP 6537154B2
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Description

この発明はガスセンサのフィルタに関する。
ガスセンサには、シロキサン等のガスにより被毒されるとの問題がある。このため、活性炭(特許文献1:JP4104100B)、メソポーラスシリカ(特許文献2:JP2013-242269A)、コロイド状のシリカ(特許文献3:JP5841810B)等のフィルタが提案されている。またシロキサンの除去には、フィルタ中にスルホ基を含有させることが有効であることが知られている(特許文献3)。さらに、フィルタを効率的に使用するため、フィルタへ導入する周囲の空気量を制限することが知られている(特許文献1)。
JP4104100B JP2013-242269A JP5841810B
フィルタによりガスセンサの長期安定性を増すには、フィルタ中の吸着材の量を増す必要がある。しかしながら吸着材の量を増すと、検知対象ガスへの応答遅れが生じ、さらにガスセンサのサイズが大きくなる。
この発明の課題は、検知対象ガスへの応答遅れを許容範囲に保ち、かつガスセンサのサイズを過大にせずに、ガスセンサの長期安定性を増すことにある。
この発明のガスセンサは、フィルタを介して周囲雰囲気をセンサ本体へ導入するようにしたガスセンサにおいて、
前記フィルタはスルホ基を含有するシリカ系吸着剤であり、
前記フィルタと前記センサ本体とを収容するハウジングを備え、
前記ハウジングは周囲雰囲気を前記フィルタへ導入する開口を有し、
前記開口の直径をmm単位でD、前記開口から前記センサ本体への方向に沿っての前記フィルタの長さをmm単位でLとする際に、
0.1≦D≦1.5、 2≦L≦12、 L/D2/3≦10、 5≦L/D であることを特徴とする。
スルホ基を含有するシリカ系吸着剤と、ガスセンサに通常に用いられる活性炭との違いは、以下の点にある。
・ スルホ基を含有するシリカ系吸着剤のシロキサン吸着能は高くないが、検出遅れは活性炭よりも短い。
・ スルホ基を含有するシリカ系吸着剤に吸着したシロキサンは脱離しにくいが、活性炭からはシロキサンは脱離する。
スルホ基を含有するシリカ系吸着剤をフィルタに用い、検出遅れが短いのでフィルタの長さ(周囲への開口からセンサ本体側までの厚さ)を長くすると、シロキサンの破荷までの日数を長くできる。しかしフィルタの長さを増すと、ガスセンサのサイズが過大になる。これに対して、フィルタへ周囲雰囲気を導入する開口の直径を小さくすると、同じ長さのフィルタでも破荷までの日数を延長できる。
フィルタの長さL及び開口の直径Dの、検出遅れとシロキサンの破荷までの日数への影響を調査した。すると、検出遅れはL/D2/3で定まり、破荷までの日数はL/Dで定まることが分かった。検出遅れと破荷までの日数とでDへの依存性が異なり、Dを小さくすると、検出遅れを短くしながら、破荷までの日数を長くできる。そして開口の直径Dを均一に制御でき、かつガスセンサとして実用的なサイズにするため、mm単位で、 0.1≦D≦1.5、 2≦L≦12、 L/D2/3≦10、 5≦L/D とする。5≦L/D とすることにより破荷までの日数を長くし、 L/D2/3≦10 とすることにより検出遅れを許容範囲に留める。そしてフィルタの長さを現実的な範囲とするため 2≦L≦12 とし、 5≦L/D 等の条件を満たすため Dを1.5mm以下とし、均一な開口を設けるためDを0.1mm以上とする。
ここで 0.3mm≦D≦1.2mm とすると開口の直径を均一に加工することが容易になり、
3mm≦L≦10mm とすると、ガスセンサとしてより実装しやすいサイズとなり、
7≦L/D とすると、破荷までの日数をより長くできる。ここで 0.3mm≦D≦1.2mm、 3mm≦L≦10mm、7≦L/D、 L/D2/3 ≦6.5 とすると、検出遅れもより短くできる。
フィルタの開口からセンサ本体への方向(フィルタの長さ方向)に直角な面での、フィルタの直径をmm単位でRとする。Rを大きくしても、検出遅れへの影響は小さく、かつ破荷までの日数を延長することができる。そこで好ましくは、 6mm≦R≦16mm とする。
なお開口が円形でない場合にこの発明を拡張すると、開口の仮想的な直径D'と開口'の面積Sとを S=π/4・D' D’=(4S/π)1/2 により関係付け、仮想的な直径D'を直径Dの代わりに用いる。同様にフィルタの断面が円形で無い場合、フィルタの仮想的な直径R'とフィルタの面積S’とを、 S'=π/4・R’ R'=(4S'/π)1/2 により関係付け、仮想的な直径R'を直径Rの代わりに用いる。
シリカ系吸着剤は、例えばシリカゲル、メソポーラスシリカ、ハイシリカゼオライト等で、平均細孔径が大きいため、検出遅れが短く、かつ導入したスルホ基によりシロキサンを重合させることができる。平均細孔径は例えば1nm以上20nm以下、具体的には2nm以上20nm以下で、3nm以上20nm以下が好ましく、特に4nm以上20nm以下が好ましい。
またこの発明は、フィルタを介して周囲雰囲気をセンサ本体へ導入するようにしたガスセンサにおいて、
前記フィルタはスルホ基を含有するシリカ系吸着剤であり、
前記フィルタと前記センサ本体とを収容するハウジングを備え、
前記ハウジングは周囲雰囲気を前記フィルタへ導入する開口を有し、
前記開口から前記センサ本体への方向に沿っての前記フィルタの長さをmm単位でL、開口の合計面積をmm単位でS、前記開口のサイズをmm単位でD=(4S/π) 1/2 とする際に、
0.1≦D≦1.5、 2≦L≦12、 5≦L/(4S/π)1/2、L/(4S/π)1/3≦10 であることを特徴とする。
好ましくは、0.3≦D≦1.2、 3≦L≦10、 7≦L/(4S/π)1/2、L/(4S/π)1/3≦6.5 である。発明者は、開口が円形で無い場合、あるいは開口が複数有る場合、開口の面積の和Sが重要で、L/Dの代わりに L/(4S/π)1/2 を用いればよいことを確認した。またL/D2/3 の代わりに L/(4S/π)1/3 を用いればよいことを確認した。例えば開口が1個で、開口の直径をDとすると、Sはπ/4・Dで与えられ、逆に D=(4S/π)1/2 が成立する。フィルタの面積S'については、開口からセンサ本体への方向と直角な断面での、フィルタの面積をmm単位でS'とする際に、6≦(4S'/π)1/2≦16 が好ましい。
この明細書において、フィルタがスルホ基を含有するシリカ系吸着剤であるとは、フィルタの吸着剤中の質量比で60%以上、好ましくは70%以上がシリカ系吸着剤であることを意味し、例えばPt等の貴金属を担持した活性炭をフィルタの吸着剤全体に対する質量比で40%以下、好ましくは30%以下含んでいても良い。活性炭等の吸着剤も検知遅れの原因となるので、活性炭等の層をフィルタ中に設ける場合、この層の厚さもフィルタの長さに加える。
実施例のガスセンサの断面図 実施例のガスセンサでのチップの平面図 L/D2/3と検出遅れとを示す特性図 L/Dと破荷日数とを示す特性図 変形例でのフィルタのサイズの定義を示す図 第2の変形例のガスセンサの断面図 第2の変形例のガスセンサの正面図 第3の変形例のガスセンサの断面図 第3の変形例のガスセンサの平面図
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。
ガスセンサの構造
図1に、実施例のガスセンサ2を示す。金属酸化物半導体から成るガス感応膜を有するチップ(センサ本体)4がベース6に固定され、リード8によりチップ4は基板に接続されている。10はシロキサンガスの吸着剤から成るフィルタで、キャップ12に収容され、開口14から周囲のガスを導入し、リング16側の開口17から、チップ4側へ周囲のガスを導入する。フィルタ10は適宜のバインダで円筒状等に成形されていても、あるいは不織布等のガス透過性シートにより開口14,17が覆われていても良い。
開口14,17は例えば円形で、キャップ12は例えば円筒状である。開口14の直径をR、フィルタ10の開口14−17を結ぶ方向の長さをL、この方向に直角な面内でのフィルタ10の直径をRとする。なおこの明細書では、長さ、開口の直径、直径の単位はmmである。開口17は、開口14よりも直径を例えば2倍以上大きくする。
図2はチップ4を示し、シリコン基板に設けた空洞26上に絶縁膜20があり、ガス感応膜22が絶縁膜20上に形成されている。また脚24を介して、パッド28へガス感応膜22の電極、ヒータ等が接続されている。実施例では、ガス感応膜22はSnOの厚膜とするが、WO厚膜等でも良く、薄膜でも良い。またアルミナ担体にPt等を担持させた接触燃焼触媒をガス感応膜としても良い。チップ4をセンサ本体にするものには限らない。例えば、宙吊りにしたアルミナ等の基板上にガス感応膜22を設けたガスセンサ、プロトン導電体膜のフィルタ10側に検知極を、その反対面に対極を設けた、電気化学ガスセンサ、あるいは接触燃焼式のガスセンサ等でも良い。特に重要なのは、メタン、LPG等の燃料ガスの検出用のチップ4を用いたガスセンサと、CO検出用の電気化学ガスセンサである。
1.5mass%のPdを含有する膜厚30μmのSnO2をガス感応膜22とする、ガスセンサ2を調製した。フィルタ10の材料、開口14の径D、フィルタ10の長さL、直径Rを変え、検出遅れ時間τと、シロキサンガスに対する破荷日数とを測定した。ガスセンサ2は、30秒周期で動作し、1周期毎に0.1秒間ガス感応膜22を450℃に加熱し、メタンあるいはLPGを検出するセンサである。
測定
シロキサンガスによる破荷日数の測定では、シロキサンM3,D4,D5を各50ppm含有する雰囲気中でガスセンサ2を80日間動作させ、メタン3000ppm中でのガス感応膜の抵抗値を測定した。抵抗値が、初期のメタン500ppm中での抵抗値以下になると、フィルタ10が破荷したものとし、破荷までの日数を測定した。シロキサンM3,D4,D5を各50ppm含有する雰囲気での試験は極端な加速試験であり、破荷日数9日が実使用での1年の耐久性に相当する。
センサ2の加熱周期を1秒に短縮し、メタン12500ppmを含む雰囲気にセンサ2を接触させた。この時、ガス感応膜の抵抗値がメタン3000ppmに対応する抵抗値以下へ低下するまでの時間を測定し、応答遅れ時間τとした。実用上τは50秒以下であることが求められ、30秒以下であることが好ましい。
予備実験
フィルタ材料として、市販の5種類の顆粒状活性炭(活性炭A−E:いずれもスルホ基は導入せず)を検討した。これらの他に、スルホ基を導入したシリカゲルを検討した。BET比表面積が500m2/g、細孔容積が0.8cm3/g、平均細孔径が6.4nmの顆粒状シリカゲルを、パラトルエンスルホン酸水溶液(5mass%濃度)と混合し、最高温度140℃で乾燥させることにより、スルホ基を導入したシリカゲルを調製した。なお、シリカゲル中のパラトルエンスルホン酸含有量は5mass%としたが、パラトルエンスルホン酸含有量は任意で、例えば1mass%以上15mass%以下の範囲で変化させても良い。またパラトルエンスルホン酸の代わりに、ナフタレンスルホン酸、ビスフェノールスルホン酸等でも良く、スルホ基導入用の有機化合物の種類は任意である。パラトルエンスルホン酸の全量がシリカゲルに担持されたとすると、5mass%の含有量でスルホ基濃度は2.4mass%となり、シリカゲル中のスルホ基の濃度は例えば0.4mass%以上7mass%以下とする。
開口の直径Dが4mm、フィルタの直径Rが8mmのキャップに、フィルタ材料を100mgずつ充填し、検出遅れ時間τ(秒単位)と破荷日数とを測定した。結果を表1に示す。
表1
フィルタ材料と破荷日数及び検出遅れτ
材料 破荷日数(d) 検出遅れτ(s) 破荷日数の上限(d)*
活性炭A 6 25 6
活性炭B 6 40 4
活性炭C 12 20 15
活性炭D 12 30 10
活性炭E 21 25 21

シリカゲル 14 5 70
* 破荷日数はメタンの警報濃度が500ppm以下となるまでの日数、破荷日数の上限はτを25秒とする際に予想される破荷日数、
* シリカゲルへ、パラトルエンスルホン酸を5mass%添加.
活性炭Eで最大の破荷日数が得られたが、検出遅れは上限に近く、活性炭Eをさらに増量することは困難であった。スルホ基を導入したシリカゲルでは、破荷日数は中程度であったが、検出遅れτが短かった。このため、フィルタ材料を増量することにより、検出遅れτを30秒以内にしながら、破荷日数を延長できる可能性が有った。活性炭Eと同じ検出遅れτとなるように、フィルタ材料の量を調整した際に想定される、破荷日数の上限を表1に示す。この上限は 破荷日数÷τ×25 で活性炭Eで21日となるように、定数25を定めた。スルホ基を導入したシリカゲルで、破荷日数の上限は最大の70日となった。
100mgのシリカゲルから成るフィルタの長さは4.4mmで、破荷日数の上限70日を達成するため長さを5倍にすると、長さは22mmとなり、ガスセンサ2の基板への実装が制限される。そこで開口の直径Dを制限することにより、ガスセンサのサイズを現実的な範囲にすることを検討した。この際の条件は、検出遅れτが許容範囲内(例えば30秒以内)で、破荷日数が長い(例えば30日以上で、可能であれば50日以上)ことである。
表1の活性炭Eとシリカゲルについて、シロキサン耐久試験後のフィルタ材料を取り出し、200℃まで昇温させ脱離物をGCMSにより分析した。活性炭ではシロキサンのピークが検出され、シリカゲルではシロキサンピークは検出されず、このことは、シリカゲル中でスルホ基の作用によりシロキサンが重合したことを示している。
スルホ基を導入(いずれも5mass%のパラトルエンスルホン酸を添加)したシリカゲルとして、平均細孔径が4.8nmのものと、11nmのものをテストし、表1と同様の試験(フィルタ量は100mg)を行ったところ、破荷日数は12日(平均細孔径4.8nm)〜10日(平均細孔径11nm)、検出遅れは10秒(平均細孔径4.8nm)〜6秒(平均細孔径11nm)であった。これに対して、活性炭A〜Eの平均細孔径は1.8〜2.5nmであった。これらのことから、活性炭の平均細孔径が小さいことが検出遅れを起こしており、またシリカゲルの平均細孔径が大きいことが細孔中でのスルホ基によるシロキサンの重合を可能にしていると推定した。
実験
フィルタの長さLを8mm、直径Rを8mmに固定し(シリカゲル重量は0.18gで、材質は表1の予備実験で用いたスルホ基導入のシリカゲル)、開口の直径Dを通常の4mmから0.1mmまでの範囲で変化させた(試料1−7)。またフィルタの開口の直径Dを1.0mm、直径Rを8mmに固定し、フィルタの長さLを12mmから4mmの範囲で変化させた(試料8−11)。さらに、DとLをランダムに変化させたもの(試料12−16)、及び直径Rを変化させたものを調製した(試料17−20)。なおフィルタ材料は充填後にタッピングして、充填密度を一様にした。そしてこれらの試料に対し、検出遅れ時間τと破荷日数とを測定した。
結果を表2と、図3,図4に示す。図3に示すように、検出遅れ時間τはL/D2/3で定まった。そしてLを8mmに固定した場合のデータも、Dを1.0mmに固定した場合のデータもほぼ一致し、さらにDとLをランダムに変えても、同様の結果が得られた。以上のように、フィルタの長さLは検出遅れ時間τに比例し、かつ検出遅れτは開口の直径Dの2/3乗に反比例した。フィルタ長と開口面積との比を表すL/D等ではなく、L/D2/3で遅れτが定まる原因は不明である。図3から、L/D2/3を10以下にすると、検出遅れτを30秒以下にでき、6.5以下にすると20秒以下にできることが分かる。
破荷日数は長さLと開口の直径Dとの比L/Dで定まった。Lを8mmに固定しても、Dを1.0mmに固定しても、あるいはLとDをランダムに変えても、L/Dが同じであれば、破荷日数も類似した値が得られた。そして検出遅れτと破荷日数とでは、開口の直径Dへの依存性が異なった。このため、L/D2/3を10以下にL/Dを5以上にすると、検出遅れτを30秒以内にしかつ破荷日数を30日以上(実使用で3年以上の寿命)にでき、L/D2/3を10以下にL/Dを7以上にすると、検出遅れτが30秒以内でかつ破荷日数を50日以上(実使用で5年以上の寿命)にできる。またL/D2/3を6.5以下、L/Dを7以上にすると、検出遅れτを20秒以内にし、かつ破荷日数を50日以上にできる。
開口の直径Dに本来の下限はないが、加工を容易にして開口の直径のバラツキを防ぐため、開口の直径Dは0.1mm以上1.5mm以下とし、0.3mm以上1.2mm以下が好ましい。ガスセンサに適したサイズになるように、Lは2mm以上12mm以下とし、3mm以上10mm以下が好ましい。
フィルタの直径Rを変えた際の結果も表2に示す。LとDが同じであれば、Rを増すと破荷日数は大きく増加するが、検出遅れτは大きくは増加しない。即ち、Rが大きい方が有利である。ガスセンサとして実装上要求されるサイズがあるため、Rは6mm以上16mm以下が好ましい。
Figure 0006537154
開口14が円形でない例を図5に示す。キャップ12'の内部は角筒で、短辺の長さがc、長辺の長さがdとすると、フィルタ10'の開口14'から図示しないセンサ本体への方向と直角な断面において、フィルタ10'の面積はcdで与えられる。また開口14’の面積はabで与えられる。開口14'の仮想的な直径D'と開口14'の面積の和Sとを
S=π/4・D' D’=(4S/π)1/2 により関係付け、仮想的な直径D'を用いる。同様にフィルタ10'の仮想的な直径R'と前記の断面でのフィルタの面積S’とを、
S'=π/4・R’ R'=(4S'/π)1/2 により関係付け、仮想的な直径R'を用いる。フィルタ10'はキャップ12'内に層状に配置され、その厚さをフィルタの長さLとする。
発明者は、開口が円形で無い場合、あるいは開口が複数有る場合、開口の面積の和Sに着目し、開口の直径Dの代わりに (4・S/π)1/2 を用いればよいことを実験的に確認した。このことは、開口が円形であることが重要、あるいは開口の個数が重要なのではなく、開口面積が重要であることを示している。従ってL/Dは L/(4S/π)1/2 で置き換えればよい。またL/D2/3は L/(4S/π)1/3 で置き換えればよい。このため、 L/(4S/π)1/2 は5以上とし、L/(4S/π)1/3は10以下とする。好ましくは、L/(4S/π)1/2 は7以上とする。フィルタの長さLは開口が円形で無い場合もそのまま用いれば良く、開口の直径Dの下限はDの加工性により定めればよい。そこでDは0.1mm以上1.5mm、Lは3mm以上10mm以下とし、好ましくはDは0.3mm以上1.2mm以下、Lは3mm以上10mm以下とする。
実施例では、金属酸化物半導体ガスセンサについて説明したが、電気化学ガスセンサ、あるいは接触燃焼式ガスセンサでも、同様にこの発明を適用できる。またmemsのチップ4を用いない金属酸化物半導体ガスセンサでも、同様にこの発明を適用できる。
図6,図7に第2の変形例のガスセンサ60を示す。円筒状のキャップ61の側面上部に1個〜複数個の開口64が設けられ、キャップ61の内部の上部にシリカ系吸着剤から成るフィルタ62が保持され、その下部の大きな開口66から、ガスをチップ4側へ供給する。この場合、開口の面積を、個々の開口64の面積の和として定める。また開口64のフィルタ62への出口の中心部から開口66までの最も短い線分68の長さを、開口64からセンサ本体(チップ4)側までの、フィルタ62の長さとする。
図8,図9に第3の変形例のガスセンサ80を示す。ベース82にセンサ本体(チップ4)が固定され、ベース82は一部がメタライズされ、底面の金属部分83へ接続されている。キャップ81がベース82を覆い、センサ80は直方体状である。キャップ81は、仕切り85で、フィルタ87側とチップ4側に2分され、フィルタ87側に1個〜複数個の開口84が設けられている。また仕切り85に大きな開口86が設けられ、ガスをチップ4側へ供給する。開口84が複数ある場合、開口の面積を、個々の開口64の面積の和として定める。また開口84のフィルタ87への出口の中心部から開口86までの、最も短い線分88の長さを、開口84からセンサ本体側までの、フィルタ87の長さとする。
2 ガスセンサ
4 チップ(センサ本体)
6 ベース
8 リード
10 フィルタ
12 キャップ
14 開口
16 リング
17 開口
20 絶縁膜
22 ガス感応膜
24 脚
26 空洞
28 パッド
60,80 ガスセンサ
64,84 開口
68,88 フィルタの長さを表す線分

Claims (6)

  1. フィルタを介して周囲雰囲気をセンサ本体へ導入するようにしたガスセンサにおいて、
    前記フィルタはスルホ基を含有するシリカ系吸着剤であり、
    前記フィルタと前記センサ本体とを収容するハウジングを備え、
    前記ハウジングは周囲雰囲気を前記フィルタへ導入する開口を有し、
    前記開口の直径をmm単位でD、前記開口から前記センサ本体への方向に沿っての前記フィルタの長さをmm単位でLとする際に、
    0.1≦D≦1.5、 2≦L≦12、 L/D2/3≦10、 5≦L/D であることを特徴とするガスセンサ。
  2. 0.3≦D≦1.2、 3≦L≦10、 7≦L/D であることを特徴とする、請求項1のガスセンサ。
  3. 前記長さの方向に直角な面での、前記フィルタの直径をmm単位でRとする際に、
    6≦R≦16 であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガスセンサ。
  4. フィルタを介して周囲雰囲気をセンサ本体へ導入するようにしたガスセンサにおいて、
    前記フィルタはスルホ基を含有するシリカ系吸着剤であり、
    前記フィルタと前記センサ本体とを収容するハウジングを備え、
    前記ハウジングは周囲雰囲気を前記フィルタへ導入する開口を有し、
    前記開口から前記センサ本体への方向に沿っての前記フィルタの長さをmm単位でL、開口の合計面積をmm単位でS、前記開口のサイズをmm単位でD=(4S/π) 1/2 とする際に、
    0.1≦D≦1.5、 2≦L≦12、 5≦L/(4S/π)1/2、L/(4S/π)1/3≦10 であることを特徴とするガスセンサ。
  5. 0.3≦D≦1.2、 3≦L≦10、 7≦L/(4S/π)1/2 であることを特徴とする、請求項4のガスセンサ。
  6. 前記開口から前記センサ本体への方向と直角な断面での、フィルタの面積をmm単位で S'とする際に、6≦(4S'/π)1/2≦16であることを特徴とする、請求項4または5のガスセンサ。
JP2018523579A 2016-06-23 2017-05-11 ガスセンサ Active JP6537154B2 (ja)

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