JP6518070B2 - エタノール合成方法及び装置 - Google Patents
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Description
PSA方式は、ゼオライトなどの固体吸収剤にシンガス中のBETXを吸収させるものである。その後、真空引きによって固体吸収剤からBETXを脱離させることによって、固体吸収剤を再生させる。
水吸収方式は、水にBETXを吸収させるものである。吸収後の水は大気中に放散することで、BETXを蒸発させる。
(1)固体吸収剤がシンガス中の硫黄によってダメージを受けやすいために、固体吸収剤を定期的に交換する必要がある。
(2)固体吸収剤はBETXだけでなく水をも吸収するために、シンガス中の水分除去が不可欠である。
(3)固体吸収剤を再生するために真空ポンプ等を駆動したり、水分除去のため加熱したりするための電力消費が大きい。
(4)固体吸収剤がCOやH2などの原料成分をも吸収するために、エタノールの生産効率が低下する。
(1)水のBETXに対する溶解度が低いために大量の水が必要である。
(2)水の再生のために大気放散する際、BETXが環境へ放出されて大量の空気と混合される。このBETXを回収して処理するのはほぼ不可能である。
前記エタノールの合成工程前の原料ガスと、エタノールを含有する吸収液とを接触させて、前記原料ガスに含まれる炭化水素化合物を前記吸収液に吸収させる吸収工程と、
前記吸収工程後の吸収液から前記炭化水素化合物を分離して前記吸収液を再使用可能にする分離再生工程と、
を備えたことを特徴とする。
更に、前記エタノール合成工程後の培養液からエタノールを精製する精製工程を備え、
前記吸収工程後の吸収液を前記精製工程に送ることで、前記精製工程の少なくとも一部が、前記分離再生工程を兼ねることが好ましい。
これによって、吸収工程後の吸収液専用の分離再生工程を省略することができ、処理プロセスを簡易化できる。炭化水素化合物を吸収する吸収物質と、合成の目的物質とを、互いに同一物質(エタノール)とすることで、別物質とするよりも工数及び設備コスト等の点で有利になる。
これに対して、エタノールを用いた吸収部を、エタノール以外の物質(例えばブタノール等)を合成するプラントに用いた場合には、吸収工程後、エタノールを加熱や冷却等によって系から除外したり回収したりする必要があり、付加設備が多くなり、コストが嵩む。また、エタノールを合成するプラントにおいて、エタノール以外の物質(例えばブタノール等)で炭化水素化合物を吸収した場合には、吸収工程後、当該エタノール以外の物質を加熱や冷却等によって系から除外したり回収したりする必要があり、付加設備が多くなり、コストが嵩む。
前記吸収後液タンク内の吸収液を前記分離再生工程に供することが好ましい。
原料ガス中の炭化水素化合物の分圧が変動することによって、吸収工程後の吸収液の炭化水素化合物濃度が変動したとしても、この吸収工程後の吸収液を吸収後液タンクに貯留することによって、炭化水素化合物濃度を平均化して、ピーク時の濃度よりも十分に低い濃度で安定させることができる。この安定的に低い炭化水素化合物濃度の吸収液を分離再生工程に供することによって、分離再生の処理能力を超過するのを避けることができ、炭化水素化合物濃度のピーク時に対応するために設備を大型化する必要はない。
前記エタノール合成部への導入前の原料ガスと、エタノールを含有する吸収液とを接触させて、前記原料ガスに含まれる炭化水素化合物を前記吸収液に吸収させる吸収部と、
前記吸収後の吸収液から前記炭化水素化合物を分離して前記吸収液を再使用可能にする分離再生部と、
を備えたことを特徴とする。
これによって、原料ガスから炭化水素化合物を効率的に除去することができ、原料ガスの品質を向上させて、合成目的のエタノールを効率的に生産することができる。また、吸収液の所要流量を減らすことができ、設備の大型化を避けることができる。さらに、分離再生部において、吸収液の炭化水素化合物に対する吸収能力を回復(再生)させることができ、この吸収液を吸収部に戻すことによって循環再使用することができる。
更に、前記吸収後の原料ガスを前記培養槽に送る吸収後ガス路と、
前記エタノール合成後の培養液からエタノールを精製する精製部と、
前記吸収後の吸収液を前記精製部に送る再生往路と、を備え、
前記精製部の少なくとも一部が、前記分離再生部として提供されていることが好ましい。
これによって、吸収後の吸収液専用の分離再生部を省略することができる。この種嫌気性微生物によるエタノール合成システムでは、通常、エタノール合成後の培養液からエタノールを精製する精製部が設備されているから(特許文献1等参照)、この既存の精製部を利用して、吸収液の再生を行うことができる。したがって、設備が大掛かりになるのを防止でき、設備コストの増大を回避できる。
前記培養槽が、1段目の第1蒸留塔に接続され、
前記再生往路が、前記第1蒸留塔の後段に連なる第2蒸留塔に接続されており、
さらに、前記第2蒸留塔の缶出液の一部を前記吸収液として前記吸収部へ戻す再生復路を設けることが好ましい。
前記エタノール合成後の培養液を第1蒸留塔で蒸留することによって、比較的高濃度のエタノール蒸留液を得ることができる。このエタノール蒸留液を第2蒸留塔に導入するとともに、前記吸収後の吸収液を第2蒸留塔に導入する。これら2つの液は、互いに混合したうえで第2蒸留塔に導入するのが好ましいが、互いに別々に第2蒸留塔に導入し、第2蒸留塔内で混合してもよい。この混合液を第2蒸留塔において蒸留することで、前記吸収後の吸収液由来の炭化水素化合物を分離して除去する。
再生往路を第1蒸留塔にではなく第2蒸留塔に接続することで、前記吸収後の吸収液のエタノール濃度が、第1蒸留塔での蒸留前の培養液との混合によって低下するのを防止できる。したがって、第2蒸留塔での蒸留ないしは分離再生の負担を軽減でき、精製効率ないしは分離効率を確保できる。そして、第2蒸留塔の缶出液の一部を再生復路から吸収部へ戻すことによって、前記一部の缶出液を吸収液として再使用することができる。
前記再生往路が、前記吸収後液タンクから前記精製部へ延びていることが好ましい。
原料ガス中の炭化水素化合物の分圧が変動することによって、吸収後の吸収液の炭化水素化合物濃度が変動したとしても、この吸収後の吸収液を吸収後液タンクに貯留することによって、炭化水素化合物濃度を平均化して、ピーク時の濃度よりも十分に低い濃度で安定させることができる。したがって、精製部すなわち分離再生部の処理能力をピーク時に合わせる必要がなく、設備の大型化を避けることができる。
エタノールと水の混合物にベンゼン等の炭化水素化合物を吸収させた液のほうが、エタノール100%にベンゼン等の炭化水素化合物を吸収させた液よりも、共沸点でのエタノールと炭化水素化合物の分離率を高くできる。したがって、分離再生工程(分離再生部)における炭化水素化合物の分離効率を高くできる。前記混合物におけるエタノールと水の比率は、所望の吸収効率を確保でき、かつ所望の分離効率を確保できるように設定することが望ましい。前記混合物のエタノール含有率が低過ぎると(水分量が多過ぎると)、収部における炭化水素化合物の吸収効率が低下する。前記混合物のエタノール含有率が高過ぎると(水分量が少な過ぎると)、分離再生部における炭化水素化合物の分離効率が低下する。
図1に示すように、エタノール合成装置1は、シンガス生成部2(原料ガス生成部)と、エタノール合成部10と、前処理部20と、エタノール精製部40を備えている。詳細な図示は省略するが、シンガス生成部2は、産業廃棄物等を処理する廃棄物処理施設にて構成されている。言い換えると、エタノール合成装置1は、廃棄物処理システムに組み込まれている。シンガス生成部2にはガス化炉が設備されており、このガス化炉において、廃棄物が高濃度の酸素ガスによって燃焼されて低分子レベルまで分解され、最終的にシンガス2a(原料ガス)となる。シンガス2aは、一酸化炭素(CO)及び水素(H2)に加えて、二酸化炭素(CO2)や窒素(N2)を主要成分として含有している。更に、生成時(吸収工程前)のシンガス2aは、微量ないしは少量(mol-ppmオーダー〜数mol%オーダー)の硫化水素(H2S)、酸素(O2)の他、BETX(ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン)等の芳香族化合物をはじめとする炭化水素化合物を含有していることがある。
吸収器30の内圧は、好ましくは大気圧より高圧であり、より好ましくは5気圧(ゲージ圧)以上、一層好ましくは10気圧以上であるが、これに限られず、大気圧ないしは大気圧以下でもよい。
なお、吸収前の吸収液3aは、極めて微量のBETXを含み得る。吸収液3aのBETX許容濃度は、吸収後貯留液3cのBETX濃度よりも十分に小さく、例えば数十mol-ppm以下が望ましい。
エタノール精製部40は、複数段(図1では2段のみ図示)の蒸留塔41,42…を備えている。これら蒸留塔41,42…が順次直列に連なっている。各蒸留塔41,42…は、鉛直に延びている。
<原料ガス生成工程>
シンガス生成部2において廃棄物を燃焼させてシンガス2aを生成する。生成時(吸収工程前)のシンガス2a中のBETX濃度は、原料の廃棄物成分に応じて大きく変動する。
シンガス2aを培養槽11に導入するのに先立ち、前処理部20による前処理工程に供する。前処理工程として、脱硫工程、脱酸素工程、BETX吸収工程が含まれる。
<脱硫工程>
詳しくは、先ず、脱硫部21において、シンガス2a中のH2SをFe2O3等の脱硫剤に吸収させて除去する。
<脱酸素工程>
次に、脱酸素部22において、Cu等の遷移金属触媒を用いて、シンガス2a中のO2を、シンガス2a中の他のガス(CO、H2等)と反応させて除去する。予め脱硫部21でH2Sを除去しておくことで、脱酸素部22のCu触媒がダメージを受けるのを防止できる。
次に、BETX吸収部23において、シンガス2a中のBETXをエタノールに吸収させて除去する。
詳しくは、脱酸素部22からのシンガス2aが、吸収前ガス路24を経て、吸収器30に導入されて、吸収器30内を上昇する。
また、吸収前液タンク31の吸収液3aが、吸収前液路34を経て、散液器33に導入され、散液器33から吸収器30内に散液されて落下する。
これによって、吸収器30内において、シンガス2aと吸収液3aとが互いに対向流を構成しながら接触し、シンガス2a中のBETXが吸収液3aに吸収される。
エタノールのBETXに対する吸収能力は、水の千倍以上であるため、BETXの吸収液として水100%を用いた場合と比べて吸収液3aの所要流量を大幅に低減できる。吸収器30内を高圧にすることによって、シンガス2aのBETX分圧を高くでき、吸収液3aのBETX吸収率を高くできる。
この吸収工程に先立ち、脱酸素部22においてO2を予め除去しておくことで、吸収液3aのエタノールがO2と反応して蟻酸等の不要成分が生成されるのを防止できる。
シンガス2aの初期温度(吸収器30に導入時の温度)は、常温よりも高温で、例えば30℃〜50℃程度であり、好ましくは40℃程度である。このシンガス2aからエタノールの気化熱が奪われることで、吸収器30内の温度がほぼ常温(例えば25℃程度)に保たれる。
シンガス2aのBETX分圧は、シンガス生成部2で燃焼する廃棄物成分に応じて変動しやすいため、一時貯留吸収液3bのBETX濃度も変動しやすい。
一時貯留吸収液3bは、吸収後液路35を経て、吸収後液タンク32に送られ、吸収後貯留液3cとして吸収後液タンク32に貯留される。
シンガス2aのBETX分圧の変動に伴って一時貯留吸収液3bのBETX濃度が変動しても、吸収後液タンク32への貯留によってBETX濃度を平均化することができる。これによって、吸収後貯留液3cのBETX濃度を、一時貯留吸収液3bのBETX濃度のピーク値よりも十分に低い濃度で安定させることができる。したがって、後述する分離再生工程において、吸収後貯留液3cからBETXを分離して吸収液3aを再生させる際、分離再生部42の分離再生処理能力を上記ピーク値に合わせる必要がなく、分離再生部42の負担を軽減でき、設備の大型化を避けることができる。
吸収後液タンク32に攪拌機を設けて吸収後貯留液3cを撹拌することで、吸収後貯留液3cのBETX濃度の均一化を促進してもよい。
吸収工程後のシンガス2bは、吸収後ガス路25を経て、培養槽11に導入され、培養液8に溶け込む。そして、培養液8内の嫌気性微生物19が、発酵を行なうことによって、シンガス2b中のCO及びH2等からエタノールを合成する。BETXの吸収除去を経たシンガス2bを培養槽11に導入することによって、嫌気性微生物19に悪影響が及ぶのを防止でき、エタノールの発酵生成を確実に行わせることができる。
培養槽11内のガスは、ガス放出路13から放出される。放出ガス成分は、主に未反応のCO及びH2やCO2、N2であり、更に微量のエタノールやBETX等を含み得る。この放出ガスは、回収して再利用してもよく、適宜除害したうえで放出してもよい。
培養槽11内の培養液8の一部8aは、所定の流量で培養後液路14へ導出される。導出培養液8aは、エタノールと水の混合液である。更に、導出培養液8aには、嫌気性微生物19の生体又は屍骸等のバイオマス、その他の固体成分(浮遊物質:suspended solids)が含まれている。固体成分は、フィルタ(図示省略)によって捕捉回収して、培養槽11に戻したり、分解処理したりすることが好ましい。
導出培養液8aは、固体成分の除去後、エタノール精製部40へ送られ、精製工程に供される。
詳しくは、導出培養液8aは、先ず第1蒸留塔41に導入されて蒸留され、下側の一次缶出液8bと、上側の一次留出蒸気9aとに分離される。一次缶出液8bの大部分は、水(H2O)である。この一次缶出液8bの一部は、第1リボイラー44に送られて加熱され、蒸気となって第1蒸留塔41に戻される。また、一次缶出液8bの残部は、水処理部4へ送られ、好気処理等される。処理後の一次缶出液8bは、廃棄してもよく、培養槽11に戻してもよい。
併行して、一定流量の吸収後貯留液3cが、吸収後液タンク32から送出され、再生往路36を経て、合流部47cにおいて一次凝縮液9bと混合される。これによって、吸収後貯留液3cと一次凝縮液9bとの混合液からなる二次蒸留前液9cが出来る。二次蒸留前液9cは、比較的高濃度のエタノールと水を含み、更に、吸収後貯留液3c由来のBETX等を含む。高エタノール濃度の吸収後貯留液3cを、低エタノール濃度の培養液8aと混合するのではなく、高エタノール濃度の一次凝縮液9bと混合することで、混合液9cのエタノール濃度を高く維持できる。したがって、精製部40の負担を軽減でき、精製効率を確保できる。具体的には、リボイラー46の所要供給熱量を低減できる。
二次蒸留前液9cは、第2蒸留塔42に導入されて蒸留され、上側の二次留出蒸気9dと、下側の二次缶出液9eとに分離される。二次留出蒸気9dは、比較的低濃度のエタノールガス及び水蒸気の他、吸収後貯留液3c由来のBETXガスや、培養液8a由来のメタノールガス等の低沸点物質を含む。二次缶出液9eは、比較的高濃度のエタノールと水との混合液であり、吸収後貯留液3c由来のBETXを殆ど含まない。要するに、エタノール精製部40の第2蒸留塔42によって、吸収後貯留液3cのエタノールからBETXを分離でき、BETXに対する吸収能力を回復させて、吸収液3aとして再使用可能にすることができる。したがって、エタノール精製部40の少なくとも一部(第2蒸留塔42)が、吸収後貯留液3cからBETXを分離して吸収液3aを再生させる分離再生部として提供されている。また、精製工程の少なくとも一部が、分離再生工程を兼ねる。したがって、別途、吸収後貯留液3c専用の分離再生部を設備する必要はなく、分離再生工程を精製工程とは別に単独で行う必要はない。この結果、設備が大掛かりになるのを防止でき、設備コストの増大を回避できるとともに、処理プロセスを簡易化できる。
二次缶出液9eの他の一部は、二次缶出液路48を経て、第3段目の蒸留塔(図示省略)へ送られることで、更に蒸留精製される。この第3段目以降の蒸留精製によって、99wt%以上の高濃度エタノール液を得ることができる。
二次缶出液9eの残部(一部)は、再生復路37によって吸収部23へ戻され、吸収前液タンク31に貯められる。これによって、二次缶出液9eの残部(一部)を吸収液3aとして再使用することができる。
これに対して、エタノールによるBETX吸収部23を、エタノール以外の物質(例えばブタノール等)を合成するプラントに用いた場合には、吸収工程後、エタノールを加熱や冷却等によって系から除外したり回収したりする必要があり、付加設備が多くなり、コストが嵩む。また、エタノールを合成するプラントにおいて、BETXをエタノール以外の物質(例えばブタノール等)で吸収した場合には、吸収工程後、当該エタノール以外の物質を加熱や冷却等によって系から除外したり回収したりする必要があり、付加設備が多くなり、コストが嵩む。
例えば、BETXの吸収液として、ほぼ100%のエタノール液を用いてもよい。この場合、吸収後のエタノール液を蒸留することで、BETXをエタノールとの混合物として取り出すことができる。この混合物のBETXとエタノールとの含有比は、モル比でほぼ1:1程度になる。
シンガス生成部2は、製鉄所であってもよく、石炭燃焼部であってもよい。
原料ガスは、一酸化炭素及び水素を含むシンガス2aに限られず、一酸化炭素及び水素のうち何れか一方だけを含んでいてもよく、一酸化炭素に代えて二酸化炭素と水素を含んでいてもよい(特許文献2等参照)。
合成工程では、原料ガスを触媒と接触させることでエタノールを合成してもよい(特許文献2等参照)。
原料ガスから分離すべき炭化水素化合物は、BETX(ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン)に限られず、ナフタレン等の他の芳香族化合物であってもよく、アセチレン等であってもよい。
エタノール合成装置1の回路構成は適宜改変できる。例えば、再生往路36が、一次凝縮液路47と合流せずに、第2蒸留塔42に直接、接続されていてもよい。
2a 吸収前シンガス(吸収工程前(吸収前)の原料ガス)
2b 吸収後シンガス(吸収工程後(吸収後)の原料ガス)
3a 吸収前液(吸収工程前(吸収前)の吸収液)
3b 吸収後一時貯留液(吸収工程後(吸収後)の吸収液)
3c 吸収後貯留液(吸収工程後(吸収後)の吸収液)
8 培養液
8a 導出培養液(エタノール合成後の培養液)
9e 二次缶出液(第2蒸留塔の缶出液)
19 嫌気性微生物
10 エタノール合成部
11 培養槽
23 BETX吸収部(吸収部)
25 吸収後ガス路
32 吸収後液タンク
36 再生往路
37 再生復路
40 エタノール精製部(精製部)
41 第1蒸留塔(蒸留塔)
42 第2蒸留塔(分離再生部、蒸留塔)
Claims (7)
- 原料ガスからエタノールを合成するエタノール合成方法において、
前記エタノールの合成工程前の原料ガスと、エタノールを含有する吸収液とを接触させて、前記原料ガスに含まれる炭化水素化合物を前記吸収液に吸収させる吸収工程と、
前記吸収工程後の吸収液から前記炭化水素化合物を分離して前記吸収液を再使用可能にする分離再生工程と、
前記吸収工程後の吸収液を吸収後液タンクに貯留する貯留工程を備え、
前記吸収後液タンク内の吸収液を前記分離再生工程に供することを特徴とするエタノール合成方法。 - 前記エタノール合成工程では、前記吸収工程後の原料ガスを培養液に導入し、前記培養液中の嫌気性微生物の発酵によって前記原料ガスからエタノールを合成し、
更に、前記エタノール合成工程後の培養液からエタノールを精製する精製工程を備え、
前記吸収工程後の吸収液を前記精製工程に送ることで、前記精製工程の少なくとも一部が、前記分離再生工程を兼ねることを特徴とする請求項1に記載のエタノール合成方法。 - 前記吸収液が、エタノールと水の混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエタノール合成方法。
- 原料ガスからエタノールを合成するエタノール合成部を有するエタノール合成装置において、
前記エタノール合成部への導入前の原料ガスと、エタノールを含有する吸収液とを接触させて、前記原料ガスに含まれる炭化水素化合物を前記吸収液に吸収させる吸収部と、
前記吸収後の吸収液から前記炭化水素化合物を分離して前記吸収液を再使用可能にする分離再生部と、
を備え、前記エタノール合成部が、発酵によって前記原料ガスからエタノールを合成する嫌気性微生物を培養液中で培養する培養槽を有し、
更に、前記吸収後の原料ガスを前記培養槽に送る吸収後ガス路と、
前記エタノール合成後の培養液からエタノールを精製する精製部と、
前記吸収後の吸収液を前記精製部に送る再生往路と、を備え、
前記精製部の少なくとも一部が、前記分離再生部として提供されていることを特徴とするエタノール合成装置。 - 前記精製部が、順次接続された複数段の蒸留塔を備え、
前記培養槽が、1段目の第1蒸留塔に接続され、
前記再生往路が、前記第1蒸留塔の後段に連なる第2蒸留塔に接続されており、
さらに、前記第2蒸留塔の缶出液の一部を前記吸収液として前記吸収部へ戻す再生復路を備えたことを特徴とする請求項4に記載のエタノール合成装置。 - 更に、前記吸収後の吸収液を貯留する吸収後液タンクを備え、
前記再生往路が、前記吸収後液タンクから前記精製部へ延びていることを特徴とする請求項4又は5に記載のエタノール合成装置。 - 前記吸収液が、エタノールと水の混合物であることを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載のエタノール合成装置。
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