JP6510473B2 - ポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents
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Description
PPE製造工程では、重合時間や析出条件等を変更して、分子量の異なる銘柄を生産することがある。銘柄変更時には過渡品(銘柄変更前後のどちらの製品でもない中間品)が発生する。更に銘柄変更中の析出状態は、析出槽内の組成が入れ替わるまでの間に、不安定な状態が発生する。
従来のPPE析出法は、析出するPPEの粒径を制御する技術であり、高生産効率で安定的に高品質のPPEを生産するといった産業界の要求に十分応えられるものではなかった。
その結果、銘柄変更等の条件変更中に析出が不安定になり微粉が増加する、析出槽内にスケールが発生・成長しこれが脱落して製品に混入し品質が著しく低下する、等種々の問題が生じることが分かった。
そこで、本発明者らは、析出槽に貧溶媒と水を添加する際に、予め混合せずに別系統の異なる配管を用いて、貧溶媒と水を分けて添加することを試み、銘柄変更で発生する過渡品を低減させ、条件変更後に安定して高品質品を生産する条件を検討し、PPE溶液を析出槽に添加する際、析出槽内の組成を制御することにより、銘柄変更中も安定運転を継続できる条件を見出した。
[1]
ポリフェニレンエーテルの良溶媒と触媒とを含む重合溶液中で、フェノール系化合物を酸化重合させて、ポリフェニレンエーテル混合液を得る重合工程と、
前記ポリフェニレンエーテル混合液と、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒と、水とを、撹拌機を有する析出槽に添加し混合することにより、ポリフェニレンエーテルを析出させてポリフェニレンエーテル粒状物を含むスラリー液を得る析出工程とを含み、
前記析出工程において、前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒と前記水とを異なる配管を通して前記析出槽に添加し、
前記析出工程において、前記水の添加量を、前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒100質量%に対して、0.05〜30質量%とすることを特徴とするポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記析出工程において、添加する前記ポリフェニレンエーテル混合液に含まれる前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒の質量に対する、添加する前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒の質量の割合(添加する前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒の質量/添加する前記ポリフェニレンエーテル混合液に含まれる前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒の質量)が、0.3〜2.0である、〔1〕に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記フェノール系化合物が2,6−ジメチルフェノールである、〔1〕又は〔2〕に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
前記ポリフェニレンエーテル粒状物中の、粒径105μm以下のポリフェニレンエーテル粒子の含有率が11質量%以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
本実施形態のPPEの製造方法は、ポリフェニレンエーテルの良溶媒と触媒とを含む重合溶液中で、フェノール系化合物を酸化重合させて、ポリフェニレンエーテル混合液を得る重合工程と、
前記ポリフェニレンエーテル混合液と、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒と、水とを、撹拌機を有する析出槽に添加し混合することにより、ポリフェニレンエーテルを析出させてポリフェニレンエーテル粒状物を含むスラリー液を得る析出工程とを含み、
前記析出工程において、前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒と前記水とを異なる配管を通して前記析出槽に添加し、
前記析出工程において、前記水の添加量を、前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒100質量%に対して、0.05〜30質量%とする。
本実施形態のPPEの製造方法は、連続式であることが好ましい。
(重合工程)
上記重合工程では、例えば、フェノール系化合物を、芳香族系溶媒等のPPEの良溶媒、金属触媒、ハロゲン化合物、アミン化合物等を含む重合溶液に、酸素含有ガスを通気して、フェノール系化合物を酸化重合してもよい。
−−フェノール系化合物−−
上記フェノール系化合物として、例えば、o−クレゾール、2,6−ジメチルフェノール、2−エチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−n−プロピルフェノール、2−メチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−イソプロピルフェノール、2−メチル−6−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−ブロモフェノール、2−メチル−6−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−6−クロルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−6−トリルフェノール、2,6−ジトリルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2−メチル−5−エチルフェノール、2−エチル−5−メチルフェノール、2−アリル−5−メチルフェノール、2,5−ジアリルフェノール、2,3−ジエチル−6−n―プロピルフェノール、2−メチル−5−クロルフェノール、2−メチル−5−ブロモフェノール、2−メチル−5−イソプロピルフェノール、2−メチル−5−n−プロピルフェノール、2−エチル−5−ブロモフェノール、2−メチル−5−n−ブチルフェノール、2,5−ジ−n−プロピルフェノール、2−エチル−5−クロルフェノール、2−メチル−5−フェニルフェノール、2,5−ジフェニルフェノール、2,5−ビス−(4−フルオロフェニル)フェノール、2−メチル−5−トリルフェノール、2,5−ジトリルフェノール、2,6−ジメチル−3−アリルフェノール、2,3,6−トリアリルフェノール、2,3,6−トリブチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチル−3−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−3−メチルフェノール、2,6−ジメチル−3−n−ブチルフェノール、2,6−ジメチル−3−t−ブチルフェノール等が挙げられる。
特に、安価であり入手が容易であるため、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノールが好ましく、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールがより好ましく、2,6−ジメチルフェノールがさらに好ましい。
上記フェノール系化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2種以上の組み合わせとしては、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジエチルフェノールとの組み合わせ、2,6−ジメチルフェノールと2,6−ジフェニルフェノールとの組み合わせ、2,3,6−トリメチルフェノールと2,5−ジメチルフェノールとの組み合わせ、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの組み合わせ等が挙げられる。組み合わせるフェノール系化合物の混合比率は任意に選択できる。
また、上記フェノール系化合物には、製造の際の副生成物である、少量のm−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール等が含まれていてもよい。
上記ポリフェニレンエーテルの良溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等の芳香族系溶媒が挙げられる。中でも、残存溶媒除去のしやすさの観点から、トルエンが好ましい。
上記ポリフェニレンエーテルの良溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記触媒としては、一般的にPPEの重合に用いられる触媒を使用することができる。
上記触媒としては、金属触媒、ハロゲン化合物、アミン化合物、及びこれらの混合物を含む触媒が挙げられ、例えば、酸化還元能を有する金属触媒としての遷移金属イオンと、該遷移金属イオンと錯形成可能なアミン化合物とからなる混合物等が挙げられ、具体的には、銅化合物とアミン化合物とからなる混合物、マンガン化合物とアミン化合物とからなる混合物、コバルト化合物とアミン化合物とからなる混合物等が挙げられる。中でも、銅化合物とアミン化合物からなる混合物が好ましい。
上記触媒における上記金属触媒としては、銅化合物が好ましい。
上記銅化合物としては、第一銅化合物、第二銅化合物又はこれらの混合物を使用できる。第一銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、臭化第一銅、硫酸第一銅、硝酸第一銅等が挙げられる。第二銅化合物としては、例えば、酸化第二銅、塩化第二銅、臭化第二銅、硫酸第二銅、硝酸第二銅等が挙げられる。中でも、酸化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅が好ましい。
これらの銅塩は、酸化銅(例えば、酸化第一銅)、炭酸銅炭酸塩、水酸化銅等と、これらに対応するハロゲン又は酸とから(例えば、酸化第一銅とハロゲン化水素(又はハロゲン化水素の溶液)とから)、使用時に合成してもよい。
これらの金属触媒は、単独で用いても、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
上記ハロゲン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。また、これらのハロゲン化合物は、水溶液や適当な溶媒を用いた溶液の状態として使用してもよい。中でも、塩化水素の水溶液、臭化水素の水溶液が好ましい。
これらのハロゲン化合物は、単独で用いても、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
上記アミン化合物としては、例えば、ジアミン化合物、2級モノアミン化合物、3級モノアミン化合物等が挙げられる。中でも、ジアミン化合物を含むことが好ましく、ジアミン化合物、2級モノアミン化合物、3級モノアミン化合物を含むことがより好ましい。
上記アミン化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記触媒としては、例えば、銅化合物、ハロゲン化合物及び下記一般式(1)で表されるジアミン化合物を含む触媒を用いてもよい。このような触媒を用いることにより、重合速度をより速め、重合時間をより短縮できる傾向にある。また、触媒量、酸素吹込み量、重合時間等を調整することにより、重合後の分子量がより調整しやすくなる傾向にある。
上記ジアミン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ジアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、上記フェノール系化合物100モルに対し、0.01〜10モルであることが好ましい。
上記3級モノアミン化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記3級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、上記フェノール系化合物100モルに対して、15モル以下であることが好ましい。
また、上記2級モノアミン化合物としては、芳香族を含む2級モノアミン化合物を用いてもよい。芳香族を含む2級モノアミン化合物としては、特に限定されないが、具体的には、N−フェニルメタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルプロパノールアミン、N−(m−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−メチルフェニル)エタノールアミン、N−(2’,6’−ジメチルフェニル)エタノールアミン、N−(p−クロロフェニル)エタノールアミン等のN−(置換又は非置換フェニル)アルカノールアミン;、N−エチルアニリン、N−ブチルアニリン、N−メチル−2−メチルアニリン、N−メチル−2,6−ジメチルアニリン、ジフェニルアミン等のN−炭化水素置換アニリン;等が挙げられる。
上記2級モノアミン化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記2級モノアミン化合物の使用量は、特に限定されないが、上記フェノール系化合物100モルに対して、15モル以下であることが好ましい。
上記界面活性剤としては、例えば、Aliquat336(ヘンケル社製)やCapRiquat(株式会社同仁化学研究所製)の商品名で知られるトリオクチルメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
上記界面活性剤の使用量は、上記重合溶液の全量に対して、0.1質量%を超えない範囲であることが好ましい。
上記重合工程では、酸素含有ガスを通気させながら、上記フェノール系化合物を重合させてもよい。酸素含有ガスの通気の開始時期は、特に限定されないが、重合溶液の調整において、フェノール系化合物、芳香族系溶媒、触媒のいずれかを反応器へ導入した後に、酸素含有ガスの通気を開始することが好ましい。
上記キレート剤溶液に用いるキレート剤としては、例えば、塩酸や酢酸等の酸;エチレンジアミン4酢酸(EDTA)及びその塩;ニトリロトリ酢酸及びその塩;等が挙げられる。上記キレート剤は、キレート剤を単体で添加してもよいが、PPEの溶解能が低く、PPEの良溶媒である芳香族系溶媒と相分離する、水等の溶媒に溶解させて、キレート剤水溶液等として添加することが好ましい。キレート水溶液を用いた場合、キレート剤と結合して失活した金属触媒は、水相に抽出されるため、有機相に含まれるPPEと金属触媒とを分離することができる。
濃縮後のPPE混合液中のPPE濃度は30質量%超であることが好ましく、50質量%以下であることが好ましい。PPE混合液中のPPE濃度としては、48質量%以下がより好ましく、45質量%以下が更に好ましい。
PPE混合液中のPPE濃度が30質量%以下であると、析出槽内でPPE混合液の分散性が高くなりすぎ、微粉が増えるため好ましくない。PPE混合液中のPPE濃度が50質量%を超えると、析出槽内でのPPE混合液の分散性が低下し、分散不良のPPE混合液が壁面、撹拌軸バッフル等に付着し、スケールとなる。更に、液粘性が高くなりポンプ等の周辺機器の設備費が多大になり好ましくない。
本実施形態の製造方法では、重合工程後、触媒抽出工程後又は濃縮工程後のPPE混合液を、メタノール等のPPEに対する貧溶媒及び水と混合することにより固形化し、PPE粒状物を含むスラリー液を得る析出工程を有する。上記析出工程としては、例えば、必要に応じて濃縮等を行った後、PPE混合液に、炭素数1〜10のケトン類、炭素数1〜10のアルコール類等のPPEの貧溶媒、及び水を添加し、混合して、PPEを析出させ、PPE粒状物を含むスラリー液を得る工程が挙げられる。
本実施形態の製造方法によれば、PPEの貧溶媒と水とを異なる配管を通して添加するため、製造後のスケールの発生、成長を抑制することができる。さらに、銘柄変更をした後に、過渡品が発生する時間が短縮することで過渡品の発生が抑えられ、微粒子のPPEの発生が抑えられ、且つスケールの発生が抑えられる。
上記PPEの貧溶媒としては、炭素数1〜10のケトン類、炭素数1〜10のアルコール類等の極性溶媒が挙げられる。上記極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。中でも、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。また、上記極性溶媒としては、炭素数1〜10のアルコールも好ましい。
上記極性溶媒は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水の添加量が30質量%以下であることにより、得られるPPEの粒径が肥大化しにくい。
上記析出工程では撹拌機を有する析出槽を用いる。ここで撹拌機としては、析出槽内部に傾斜パドル翼、スクリュー翼、及びリボン翼から選ばれる少なくとも一段の撹拌翼を備えたものが好ましい。また、混合性を高める観点から、少なくとも一枚のバッフルを備え、撹拌翼は下方吐出であることが好ましい。
析出槽1は、例えば、ドラフトチューブ2内に、傾斜パドル翼、スクリュー翼及びリボン翼から選ばれる少なくとも一段の撹拌翼3、及びドラフトチューブ2の外側に1枚以上のバッフル4(図1、図2では4枚)を設置してなるドラフトチューブ2を有している。
ドラフトチューブ2とは、析出槽1内に設置される隔壁であり、その形状は、例えば、略円柱、略多角形柱等が挙げられる。ドラフトチューブ2は、析出槽1と同心に設置されることが好ましい。
撹拌翼3が傾斜パドル翼である場合、通常のパドル翼を回転方向に対して、5〜85度傾斜させた撹拌翼であることが好ましく、35〜55度傾斜させた撹拌翼であることがより好ましい。撹拌翼3がスクリュー翼である場合、船舶等で用いるスクリューと同様の形状の撹拌翼であることが好ましい。撹拌翼3がリボン翼である場合、シングル翼型又はダブル翼型の螺旋型撹拌翼であることが好ましい。
バッフル4は、流動を制御するためにドラフトチューブ2に固定された邪魔板である。析出槽では、撹拌翼3の回転に伴い、PPE混合液、PPEの貧溶媒、及び水の混合液が、ドラフトチューブ2内を旋回しながら槽底又は液面8に向かって流れ、次いでドラフトチューブ2と析出槽1の壁間をほぼ垂直に液面8又は槽底に向かって流れ、ドラフトチューブ2の内外を循環流動する。混合液の循環流動の方向は、撹拌翼3の回転方向、撹拌翼3の形状等により決まる。本実施形態の製造方法では、ドラフトチューブ2内を旋回しながら槽底に向かって流れ、ドラフトチューブ2と析出槽1の壁との間をほぼ垂直に液面8に向かって流れる循環流動が好ましい。本実施形態の製造方法では、例えば、ドラフトチューブ2内に槽底に向かう流れを作る下方吐出翼を備え、ドラフトチューブ外に液面8に向かう流れを作る上方吐出のリボン翼を備えていてもよい。
PPE混合液はPPE混合液供給口5より、析出槽1内に添加される。PPE混合液供給口5は、液面8の上方に設置され、析出槽1内に滴下されることが好ましい。PPE混合液は、スケールの発生が一層抑えられる観点から、循環流動の際に槽底に向かって流れる箇所に滴下されることが好ましい。
PPEの貧溶媒は、貧溶媒供給口6より、析出槽1内に添加される。貧溶媒供給口6は、液面8より上方の、析出槽壁に直接設置するか、又はドラフトチューブ2と析出槽壁との間の液面8の上方に設置することが好ましい。
水は、水供給口7より、析出槽1内に添加される。水とPPEの貧溶媒とは、析出槽に添加されるまで混合されないため、銘柄変更時の過渡品の発生が一層抑えられ、微粒子のPPEの発生が一層抑えられ、かつスケールの発生が一層抑えられる。水供給口7は、液面8より上方の析出槽壁に直接設置するか、又は、ドラフトチューブ2と析出槽壁との間の液面8の上方に設置することが好ましい。
循環流動の際、例えば、PPEの貧溶媒、水、PPE混合液の順に添加されるように、貧溶媒供給口6、水供給口7、PPE混合液供給口5を設置することが好ましい。例えば、循環流動の上流から下流に向かって、貧溶媒供給口6、水供給口7、PPE混合液供給口5の順に設置されていることが好ましく、ドラフトチューブ内を旋回しながら槽底に向かって流れ、ドラフトチューブと析出槽の壁間をほぼ垂直に液面に向かって流れる循環流動の場合は、析出槽の壁から析出槽の中心に向かって、液面8の上方に、貧溶媒供給口6、水供給口7、PPE混合液供給口5の順に設置することが好ましい。
スラリー溶液は、排出口9から排出され回収できる。
PPE混合液の温度の60℃未満であると、析出槽内でのPPE混合液の分散性が低下し、分散不良のPPE混合液が壁面、撹拌軸、バッフル等に付着し、スケールとなりやすい。また、液粘性が高くなりポンプ等の周辺機器の設備費が多大になり好ましくない。PPE混合液の温度が100℃を超えると、析出槽内でPPE混合液の分散性が高くなりすぎ、微粉が増えるため好ましくない。
また、単位時間当たりに析出槽に添加する溶液量は、単位時間当たりに析出槽から排出される溶液量と同じであることが好ましい。
また、析出槽は、滞留する液の容量が、500mL〜3kLであってもよく、本実施形態の製造方法は、幅広い規模のPPE製造に適用することができる。
微粉率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の製造方法では、銘柄変更時に過渡品の発生量が大幅に減り、かつ短時間で銘柄変更後のPPEを安定して製造できる。具体的には、例えば、銘柄変更後8〜11置換で、微粉率11質量%以下のPPEを製造することができる。
なお、本明細書において、銘柄変更後1置換とは、銘柄変更をした後に、析出槽内に滞留できる液の容量分の溶液を添加して析出槽内の内容物を入れ替えることをいう。具体的には、滞留時間が1.9分である場合、銘柄変更後1置換に要する時間は1.9分であり、銘柄変更後2置換に要する時間は3.8分である。
固液分離の際に使用する装置としては、特に限定されるものではないが、遠心分離機(振動型、スクリュー型、デカンタ型、バスケット型等)、真空濾過機(ドラム型フィルター、ベルトフィルター、ロータリーバキュームフィルター、ヤングフィルター、ヌッチェ等)、フィルタープレス、ロールプレス等を用いることが可能である。
上記洗浄工程後に、スラリー液は固液分離工程により、溶剤と湿潤PPE粒子に分離してもよい。その際、湿潤PPE粒子を貧溶媒で洗浄し固液分離するといった工程を繰り返すことも可能である。
上記乾燥工程は、粉砕後に設けてもよいし、粉砕せずに設けてもよい。
乾燥温度は、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、120℃以上がさらに好ましく、140℃以上がさらに好ましく、150℃以上が特に好ましい。乾燥温度が60℃未満であると、PPE中の芳香族炭化水素等のPPEの良溶媒の含有量を効率よく1.5質量%未満に抑制できない場合がある。
乾燥工程後のPPEの収率を上げるためには、乾燥温度を高くする方法、乾燥中に窒素等の不活性ガスを通気する方法、乾燥時の真空度を上昇させる方法、乾燥中に撹拌を行う方法等が好ましい。
乾燥工程は、混合機能を備えた乾燥機を使用することが好ましい。混合機能としては、撹拌式、転動式の乾燥機等が挙げられる。これにより処理量を多くでき、生産性を高く維持できる。
[ポリフェニレンエーテル]
本実施形態の製造方法で得られるPPEは、下記一般式(2)で表される繰返し単位構造を含むホモ重合体及び/又は共重合体である。
なお、本明細書において、本実施形態の製造方法で得られるPPEを、本実施形態のPPEと称する場合がある。
上記還元粘度が0.25dL/gより小さい場合、析出槽内でPPE良溶媒溶液の分散性が高くなりすぎるため、微細な粒子が増えるため好ましくない。更に充分な機械的物性が発現できなくなる。また、上記還元粘度が0.70dL/gより大きくなると、析出槽内でのPPE良溶媒溶液の分散性が低下し、分散不良のPPE良溶媒溶液が壁面、撹拌軸バッフル等に付着し、スケールとなる。また、重合時の溶液粘度が高くなり、重合槽の周辺機器の能力を過度に上げることが必要となる場合があり、重合の効率が低下する。更に、溶融粘度が高くなり、後処理や加工性が低下する。
なお、上記還元粘度は、PPEの0.5g/dLのクロロホルム溶液を調製し、そのクロロホルム溶液を試料として、ウベローデ粘度管を用いて30℃における還元粘度ηsp/c(dL/g)を求めることができる。
微粉率は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、PPEの平均粒径は、レーザー回析散乱法の粒度分布計である、島津製作所製レーザー回析散乱式粒度分布測定装置を使用して、湿式法(メタノール溶媒)により、体積平均粒子径として測定することができる。
体積平均粒子径の粒径分布の累積曲線から、中央累積値にあたる粒子の径(メジアン径)を平均粒径(μm)とすることができる。同様に、微粉率は、体積平均粒子径の粒径分布の累積曲線から得られる粒径105μm以下の粒子の粉体における含有率(質量%)として算出できる。
先ず、実施例及び比較例に適用した、物性及び特性等の測定方法を下記に示す。
溶液重合後、又は濃縮工程後のPPE混合液をアルミ皿に計量分取し、60分間室温にて乾燥させた。表面が乾いた状態のサンプルをアルミ皿ごと真空乾燥器に入れ、真空乾燥機の温度を180℃に設定し、10torrまで減圧した状態で120分間真空乾燥を行った。乾燥前後のサンプル量からPPE混合液中のPPE濃度(質量%)を計算した。
0.5g/dLのクロロホルム溶液をウベローデ粘度管にて30℃における還元粘度(ηsp/c)[dL/g]を求めた。
スラリー液の製造中に、銘柄変更約20分後のスケールを目視観察し、以下の基準で評価した。
○:運転に支障のない程度のスケール付着状態で、スケールが成長しない。
△:スケールが付着し成長するが、運転は継続できる状態。
×:撹拌軸にPPEが巻付き、撹拌軸に大きな塊ができる。運転中に塊が脱落し、撹拌で砕かれ、製品に混入する。
得られたスラリー液を用い、レーザー回析式粒度分布測定装置(島津製作所社製、SALD−3100型)を使用し、スラリー溶液中に含まれるPPE粒子中の、体積平均粒子径の粒径分布の累積曲線から得られる粒径105μm以下の粒子の含有率を微粉率(質量%)として算出した。
重合槽底部に酸素含有ガス導入のためのスパージャー、撹拌タービン翼及びバッフルを備え、重合槽上部のベントガスラインに還流冷却器を備えた40リットルのジャケット付き重合槽に、0.5L/分の流量で窒素ガスを吹き込みながら、4.57gの酸化第二銅、24.18gの47質量%臭化水素水溶液、11.00gのジ−t−ブチルエチレンジアミン、62.72gのジ−n−ブチルアミン、149.92gのブチルジメチルアミン、20.65kgのトルエン、及び3.12kgの2,6−ジメチルフェノールを入れ、均一溶液となり、かつ重合槽の内温が25℃になるまで撹拌した。
次に、重合槽へ32.8L/分の速度で乾燥空気をスパージャーより導入を始め、重合を開始した。乾燥空気を140分間通気し、重合混合物を得た。なお、重合中は内温が40℃になるようコントロールした。重合終結時の重合液は均一な溶液状態であった。
乾燥空気の通気を停止し、重合後のPPE混合液に、エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩(同仁化学研究所製)の2.5質量%水溶液を10kg添加した。70℃で150分間、PPE混合液を撹拌し、その後20分静置し、液−液分離により有機相と水相とを分離し、有機相を回収した。得られたPPE重合液中のPPE濃度は、13.1質量%であった。得られたPPE重合液をPPE重合液(1)とした。
得られたPPE重合液(1)の一部を用いて、室温にした後、過剰のメタノールと少量の水を加えてPPEが析出したスラリーを作製した。その後、前記スラリーを、バスケットセントル(タナベウィルテック製0−15型)を用い濾過した。濾過後、過剰のメタノールと少量の水をバスケットセントル内に加え、再度濾過し、湿潤PPE粒子を得た。
ついで、湿潤PPE粒子を真空乾燥機に入れ、150℃、1mmHgで1.5時間保持し、乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子を得た。得られたPPE粒子の還元粘度は0.502dL/gであった。
乾燥空気の通気時間を90分とした以外は製造例1と同様にしてPPE重合液を製造した。得られたPPE重合液中のPPE濃度は13.1質量%であった。得られたPPE重合液をPPE重合液(2)とした。
得られたPPE重合液(2)の一部から、製造例1と同様にして得られた乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度は、0.323dL/gであった。
乾燥空気の通気時間を110分とした以外は製造例1と同様にしてPPE重合液を製造した。得られたPPE重合液中のPPE濃度は13.1質量%であった。得られたPPE重合液をPPE重合液(3)とした。
得られたPPE重合液(3)の一部から、製造例1と同様にして得られた乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度は、0.404dL/gであった。
乾燥空気の通気時間を180分とした以外は製造例1と同様にしてPPE重合液を製造した。得られたPPE重合液中のPPE濃度は13.1質量%であった。得られたPPE重合液をPPE重合液(4)とした。
得られたPPE重合液(4)の一部から、製造例1と同様にして得られた乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度は、0.609dL/gであった。
製造例1で得られたPPE重合液(1)をジャケット付きの撹拌槽1に入れ、ジャケットに120℃の熱媒を流して加温した。発生するトルエンを主成分とする蒸気をコンデンサーにより冷却して凝縮したトルエンを系外に抜出し、撹拌槽内のポリマー濃度が35質量%になるまで濃縮した。この操作を繰返し、ポリマー濃度が35質量%のPPE混合液(1)を10Kg作製した。同様に、製造例2で得られたPPE重合液(2)をジャケット付きの撹拌槽2に入れ、ポリマー濃度が35質量%のPPE混合液(2)を10Kg作製した。
次に、析出工程には、図1、図2に示す、ドラフトチューブ外部にバッフル4枚を備えたドラフトチューブ、4枚傾斜パドル翼を備えたジャケット付き析出槽を用いた。この析出槽に滞留する液の容量は1232mLであった。該析出槽にトルエン500gとメタノール500gを仕込み、1700rpmで撹拌した。該撹拌槽にはオーバーフローラインを設け、内液量が1232mLを超えると内液はオーバーフローして槽外に排出される仕組みとした。循環流動は、ドラフトチューブ内を旋回しながら槽底に向かって流れ、ドラフトチューブと析出槽の壁間をほぼ垂直に液面に向かって流れる流動とした。フィードラインの位置は、PPE混合液供給口は、循環流動の際に槽底に向かって流れる箇所に添加されるように、液面上方の、ドラフトチューブの内部に設置し、貧溶媒供給口及び水供給口は、ドラフトチューブと析出槽壁の間の液面の上方に設置した。また、PPEの貧溶媒が滴下された後に水が滴下されるように、水供給口は貧溶媒供給口より内側に設けた(図1)。液面上部に3ヶ所の液添ノズルを設置し、第一のノズル(PPE混合液供給口)よりPPE混合液(1):445g/分、第二のノズル(貧溶媒供給口)よりメタノール:188g/分、第三のノズル(水供給口)より水:15g/分を槽内に添加した。PPE混合液(1)の添加直前の温度は65℃であった。撹拌機は、1700rpmで回し続けた。スラリー液は648g/分で排出されるが、析出槽よりオーバーフローして排出されるスラリー液を洗浄槽(1)に受けた。約20分間連続で運転した後に、撹拌槽1から撹拌槽2に切り替え、析出槽よりオーバーフローして排出されるスラリー液を洗浄槽(2)に切り替え、上記第一のノズルよりPPE混合液(2):386g/分、上記第二のノズルよりメタノール:239g/分、上記第三のノズルより水:15g/分を析出槽内に添加し銘柄変更を行った。PPE混合液(2)の添加直前の温度は65℃であった。撹拌機は、1700rpmで回し続けた。スラリー液は640g/分で排出される(滞留時間約1.9分)が、析出槽よりオーバーフローして排出されるスラリー液を銘柄変更1置換後、銘柄変更2置換後、銘柄変更3置換後、銘柄変更約20分後にサンプリングし、得られたスラリー液について上述した方法により各測定を行った。結果を表1に示す。
なお、銘柄変更1置換後、2置換後、3置換後、約20分後にスラリー液を採取し、各スラリー液の一部を、バスケットセントル(タナベウィルテック製0−15型)を用い濾過した。濾過後、過剰のメタノールと少量の水をバスケットセントル内に加え、再度濾過し、湿潤PPE粒子を得た。ついで、湿潤PPE粒子を真空乾燥機に入れ、150℃、1mmHgで1.5時間保持し、得られた乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度を測定したところ、各スラリー液において、ほぼ同等の測定値が得られ、銘柄変更後も安定してポリフェニレンエーテルが生産できていた。また、最初から、第一のノズルよりPPE混合液(2):386g/分、第二のノズルよりメタノール:239g/分、第三のノズルより水:15g/分を析出槽内に添加し、得られたスラリー液について上記と同様にして乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度を測定したところ、銘柄変更後の乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度とほぼ同等であることを確認した。
液面上方に2ヶ所の液添ノズルを設置し、第一のノズルよりPPE混合液(1):445g/分、第二のノズルよりメタノールと水の混合溶液:203g/分を槽内に添加し、約20分間連続で運転した後に、第一のノズルよりPPE混合液(2):386g/分、第二のノズルよりメタノールと水の混合液:254g/分を槽内に添加し銘柄変更を行った以外は実施例1と同様に実施した。得られたスラリー液について上述した方法により各測定を行った。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様に、銘柄変更1置換後、2置換後、3置換後、約20分後にスラリー液を回収し、乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度を測定したところ、ほぼ同等の測定値が得られた。また、最初から、第一のノズルよりPPE混合液(2):386g/分、第二のノズルよりメタノールと水の混合液:254g/分を添加して得られたスラリー液の乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度とほぼ同等であることを確認した。
製造例3で得られたPPE重合液(3)をジャケット付きの撹拌槽1に入れ、ジャケットに120℃の熱媒を流して加温した。発生するトルエンを主成分とする蒸気をコンデンサーにより冷却して凝縮したトルエンを系外に抜出し、撹拌槽内のポリマー濃度が40質量%になるまで濃縮した。この操作を繰返し、ポリマー濃度が40質量%のPPE混合液(3)を10Kg作製した。同様に、製造例4で得られたPPE重合液(4)をジャケット付きの撹拌槽2に入れ、ポリマー濃度が40質量%のPPE混合液(4)を10Kg作製した。
第一のノズルよりPPE混合液(3):541g/分、第二のノズルよりメタノール:535g/分、第三のノズルより水:27g/分を槽内に添加し、PPE混合液(3)の添加直前の温度は75℃であった。約20分間連続で運転した後に、撹拌槽1から撹拌槽2に切り替え、第一のノズルよりPPE混合液(4):595g/分、第二のノズルよりメタノール:482g/分、第三のノズルより水:26g/分を槽内に添加し銘柄変更を行った。PPE混合液(4)の添加直前の温度は75℃であった。これ以外は実施例1と同様に実施した。得られたスラリー液について上述した方法により各測定を行った。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様に、銘柄変更1置換後、2置換後、3置換後、約20分後にスラリー液を回収し、乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度を測定したところ、ほぼ同等の測定値が得られた。また、最初から、第一のノズルよりPPE混合液(4):595g/分、第二のノズルよりメタノール:482g/分、第三のノズルより水:26g/分を添加して得られたスラリー液の乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度とほぼ同等であることを確認した。
液面上方に2ヶ所の液添ノズルを設置し、第一のノズルよりPPE混合液(3):541g/分、第二のノズルよりメタノールと水の混合溶液:562g/分を槽内に添加し、約20分間連続で運転した後に、第一のノズルよりPPE混合液(4):595g/分、第二のノズルよりメタノールと水の混合液:508g/分を槽内に添加し銘柄変更を行った以外は実施例2と同様に実施した。得られたスラリー液について上述した方法により各測定を行った。結果を表1に示す。
また、実施例1と同様に、銘柄変更1置換後、2置換後、3置換後、約20分後にスラリー液を回収し、乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度を測定したところ、ほぼ同等の測定値が得られた。また、最初から、第一のノズルよりPPE混合液(4):595g/分、第二のノズルよりメタノールと水の混合液:508g/分を添加して得られたスラリー液の乾燥状態のポリフェニレンエーテル粒子の還元粘度とほぼ同等であることを確認した。
2 ドラフトチューブ
3 撹拌翼
4 バッフル
5 PPE混合液供給口
6 貧溶媒供給口
7 水供給口
8 液面
9 排出口
Claims (4)
- ポリフェニレンエーテルの良溶媒と触媒とを含む重合溶液中で、フェノール系化合物を酸化重合させて、ポリフェニレンエーテル混合液を得る重合工程と、
前記ポリフェニレンエーテル混合液中のポリフェニレンエーテル濃度を、30質量%超50質量%以下に調整する濃縮工程と、
前記ポリフェニレンエーテル混合液と、ポリフェニレンエーテルの貧溶媒と、水とを、撹拌機を有する析出槽に添加し混合することにより、ポリフェニレンエーテルを析出させてポリフェニレンエーテル粒状物を含むスラリー液を得る析出工程とを含み、
前記析出工程において、前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒と前記水とを異なる供給口を通して前記析出槽に添加し、
前記析出工程において、前記水の添加量を、前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒100質量%に対して、0.05〜30質量%とする
ことを特徴とするポリフェニレンエーテルの製造方法。 - 前記析出工程において、添加する前記ポリフェニレンエーテル混合液に含まれる前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒の質量に対する、添加する前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒の質量の割合(添加する前記ポリフェニレンエーテルの貧溶媒の質量/添加する前記ポリフェニレンエーテル混合液に含まれる前記ポリフェニレンエーテルの良溶媒の質量)が、0.3〜2.0である、請求項1に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 前記フェノール系化合物が2,6−ジメチルフェノールである、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
- 前記ポリフェニレンエーテル粒状物中の、粒径105μm以下のポリフェニレンエーテル粒子の含有率が11質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリフェニレンエーテルの製造方法。
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