JP6507523B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
しかし、これら樹脂基材を用いた有機EL素子においては、ガラス基材レベルの非常に高いガスバリアー性が要求される。特に、85℃・85%RHというような高温高湿環境で長期間保存しても、ダークスポットの発生が抑制された有機EL素子が求められている。また、ボトムエミッション型の有機EL素子においては、電界発光層で発光した光を均一にかつ効率的に取り出すことが求められている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の可撓性有機EL素子は、85℃・85%RHというような高温高湿環境に長期間保存した際に、ダークスポットの発生が抑制できるガスバリアー性には至っていなかった。また、ポリシラザン改質膜と電極界面における光の反射現象により有機EL素子の発光効率及び発光の均一性が低下してしまうという問題があった。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記第1ガスバリアー層が、ポリシラザン改質層であり、
前記絶縁層が、金属酸化物を含有する層であり、かつ、
前記金属酸化物の金属元素の酸化還元電位が、ケイ素の酸化還元電位よりも低く、前記金属酸化物が、酸化ニオブであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
前記第2ガスバリアー層が、ケイ素化合物を含有し、かつ炭素、窒素及び酸素から選ばれる元素を含有し、当該元素の組成が厚さ方向に連続的な変化を有し、当該炭素の組成分布において、極値を有することを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記第1ガスバリアー層が、ポリシラザンを含有する塗膜にエネルギーを印加することによって形成されたポリシラザン改質層であり、かつ、
前記絶縁層が、金属酸化物を気相成膜することによって形成された層であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記エネルギーの印加が、真空紫外線を照射することであることを特徴とする第3項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の有機EL素子によれば、高い保存性を有する有機EL素子を提供することができる。これは、ポリシラザン膜にエネルギーを印加することによって形成された第1ガスバリアー層にケイ素よりも低い酸化還元電位を有する金属酸化物が接していることで、ポリシラザンの酸化反応を抑制することができ、その結果、高い保存性を有する有機EL素子とすることができる。
すなわち、通常、ポリシラザンは、高温高湿条件においては、水蒸気及び酸素と反応し、酸化反応が進行する。この酸化反応に伴い、上記ガスバリアー性が劣化すると推定されるが、ケイ素よりも低い酸化還元電位を有する金属酸化物をポリシラザン膜に隣接させることによって、金属酸化物間がポリシラザンに対する還元剤として機能し、ポリシラザンの酸化反応を抑制することができると推定される。
また、本発明の有機EL素子によれば、優れた発光効率及び発光均一性を有する有機EL素子を提供することができる。これは、第1電極に隣接する箇所に金属酸化物を配置することで、第1電極界面において発生する角度依存性の光反射及び光吸収に由来する光学的な減衰が抑制されたためだと推定される。
以上の推定メカニズムにより、高い保存性、優れた発光効率及び発光均一性を有する有機EL素子を提供することができると考えられる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記第1ガスバリアー層が、ポリシラザンを含有する塗膜にエネルギーを印加することによって形成されたポリシラザン改質層であることが、高い平滑性、ガスバリアー性を得られる点で好ましい。また、前記絶縁層が、金属酸化物を気相成膜することによって形成された層であることが、組成安定性、成膜速度の点で好ましい。
また、前記可撓性基材と前記第1ガスバリアー層との間に、第2ガスバリアー層を有し、前記第2ガスバリアー層が、ケイ素化合物を含有し、かつ炭素、窒素及び酸素から選ばれる元素を含有し、当該元素の組成が厚さ方向に連続的な変化を有し、当該元素の組成分布において、極値を有することが、第2ガスバリアー層の界面での特定波長領域での光の干渉を抑制することができる点で好ましい。よって、有機EL素子において、発光光の配光性を改善することができ、視野角依存性の問題を解消することができる。したがって、屈曲した状態で発光させた場合にも、有機EL素子の発光光の色度の均一性を向上させることができる。
また、前記エネルギーの印加が、真空紫外線を照射することであることが、ポリシラザン改質層への高い転化速度を有する点で好ましい。
さらに、前記金属酸化物が、酸化ニオブであることが、高い保存性、優れた発光効率及び発光均一性を得られる点で好ましい。
1.有機エレクトロルミネッセンス素子(第1実施形態)
2.有機エレクトロルミネッセンス素子(第2実施形態)
[有機EL素子の構成]
図1は、第1の実施形態の有機EL素子の概略構成図(断面図)である。
図1に示すように、有機EL素子10は、可撓性基材11、第1ガスバリアー層121、絶縁層19、第1電極13、有機機能層14を有する発光ユニット16及び第2電極15が、この順に積層されている。また、第2電極15上に、封止層17及び封止部材18が積層されている。
また、有機EL素子10は、発光ユニット16からの光を、可撓性基材11側から取り出す、いわゆるボトムエミッション型の構成である。
有機EL素子10に適用される可撓性基材11としては、有機EL素子10に可撓性を与えることが可能な可撓性の基材であれば、特に限定されない。可撓性の基材としては、透明樹脂フィルムを挙げることができる。
また、光学的透明性、耐熱性、及び第1ガスバリアー層121の密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムが好ましく用いられる。
第1ガスバリアー層121は、可撓性基材11と絶縁層19との間に設けられ、可撓性基材11を介して、第1電極13、有機機能層14及び第2電極15に浸入する大気中の水、酸素等のガスを遮蔽するため、可撓性基材11の表面を全面的に被覆するように形成されている。
このような第1ガスバリアー層121としては、例えば、ポリシラザンを含む層を活性エネルギー線照射により改質処理を施して形成されるポリシラザン改質層を用いることが好ましい。
ポリシラザン改質層は、好ましくは、ポリシラザンを含有する塗布液を塗布・乾燥して塗膜を形成した後、この塗膜を活性エネルギー線照射により改質処理して形成される。
ポリシラザン改質層は、その表面において、ポリシラザンの改質がより進行した領域が形成され、この領域の下部に改質量の小さい領域又は未改質の領域が形成される。本願では、この改質量の小さい領域や未改質の領域も含めて、ポリシラザン改質層とする。
具体的には、ポリシラザンは、好ましくは下記の構造を有する。
この際、R1、R2及びR3は、それぞれ、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。
ここで、アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等がある。
また、アリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基等の縮合多環炭化水素基が挙げられる。
(トリアルコキシシリル)アルキル基としては、炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されたシリル基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。より具体的には、3−(トリエトキシシリル)プロピル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基などが挙げられる。
上記R1〜R3に場合によって存在する置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基(−OH)、メルカプト基(−SH)、シアノ基(−CN)、スルホ基(−SO3H)、カルボキシ基(−COOH)、ニトロ基(−NO2)などがある。
なお、場合によって存在する置換基は、置換するR1〜R3と同じとなることはない。例えば、R1〜R3がアルキル基の場合には、さらにアルキル基で置換されることはない。
これらのうち、好ましくは、R1、R2及びR3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ビニル基、3−(トリエトキシシリル)プロピル基又は3−(トリメトキシシリルプロピル)基である。
上記一般式(I)で表される構造を有する化合物において、好ましい態様の一つは、R1、R2及びR3の全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンである。
また、ポリシラザンとしては、下記一般式(II)で表される構造を有する。
上記置換又は非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基は、上記一般式(I)の定義と同様であるため、説明を省略する。
なお、n′及びpは、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。
また、ポリシラザンとしては、下記一般式(III)で表される構造を有する。
上記置換又は非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基又は(トリアルコキシシリル)アルキル基は、上記一般式(I)の定義と同様であるため、説明を省略する。
なお、n″、p″及びqは、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。
ポリシラザン溶液の市販品としては、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のアクアミカ(登録商標)NN120−10、NN120−20、NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL120−20、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
また、ポリシラザン改質層がポリシラザン以外のものを含む場合には、層中におけるポリシラザンの含有率が、10〜99質量%の範囲内であることが好ましく、40〜95質量%の範囲内であることがより好ましく、特に好ましくは70〜95質量%の範囲内である。
ポリシラザン改質層形成用塗布液を調製するための溶媒としては、ポリシラザンを溶解できるものであれば特に制限されない。
ポリシラザンと容易に反応してしまう水及び反応性基(例えば、ヒドロキシ基、又はアミン基等)を含まず、ポリシラザンに対して不活性の有機溶媒が好ましい。特に、非プロトン性の有機溶媒がより好ましい。
具体的には、溶媒としては、非プロトン性溶媒;例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類:例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテル及びポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)等を挙げることができる。
上記溶媒は、ケイ素化合物の溶解度や溶媒の蒸発速度等の目的に合わせて選択され、単独で使用されてもよく、また、2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
適用可能な触媒としては、例えば、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン等のアミン化合物、Ptアセチルアセトナート等のPt化合物、プロピオン酸Pd等のPd化合物、Rhアセチルアセトナート等のRh化合物等の金属触媒、N−複素環式化合物、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン、ルチジン、ピリミジン、ピリダジン等のピリジン化合物、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン)、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、マレイン酸、ステアリン酸、等の有機酸、塩酸、硝酸、硫酸、過酸化水素等の無機酸等が挙げられる。これらのうち、アミン化合物を用いることが好ましい。
この際、添加する触媒の濃度としては、ポリシラザンを基準としたとき、好ましくは0.1〜10質量%の範囲内、より好ましくは0.5〜7質量%の範囲内である。
触媒添加量をこの範囲とすることで、反応の急激な進行よる過剰なシラノール形成、及び膜密度の低下、膜欠陥の増大などを避けることができる。
例えば、セルロースエーテル類、セルロースエステル類;例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート等、天然樹脂;例えば、ゴム、ロジン樹脂等、合成樹脂;例えば、重合樹脂等、縮合樹脂;例えば、アミノプラスト、特に尿素樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル又は変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネート又はブロック化ポリイソシアネート、ポリシロキサン等である。
ポリシラザン改質層形成用塗布液を塗布する方法としては、従来公知の適切な湿式塗布方法を採用することができる。
具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
厚さが10nm以上であれば十分なガスバリアー性を得ることができ、10μm以下であれば、層形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
一部の有機溶媒を残存させる場合であっても、好適なポリシラザン改質層を形成することができる。なお、残存する溶媒は、後に除去することが可能である。
例えば、ガラス転位温度(Tg)が70℃のポリエチレンテレフタレート基材を用いる場合には、乾燥温度は、熱による基材の変形等を考慮して150℃以下に設定することが好ましい。
上記温度は、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することによって設定される。乾燥時間は、短時間に設定することが好ましく、例えば、乾燥温度が150℃である場合には30分以下に設定することが好ましい。
また、乾燥雰囲気は、大気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、真空雰囲気下、酸素濃度をコントロールした減圧雰囲気下等のいずれの条件であってもよい。
水分を除去する方法としては、低湿度環境を維持して除湿する形態が好ましい。低湿度環境における湿度は、温度により変化するため、温度と湿度の関係は露点温度の規定により好ましい形態が示される。
好ましい露点温度は、4℃以下(温度25℃/湿度25%)で、より好ましい露点温度は、−5℃(温度25℃/湿度10%)以下であり、維持される時間は、ポリシラザン改質層の厚さによって適宜設定することが好ましい。
ポリシラザン改質層の厚さが、1.0μm以下の条件においては、露点温度は、−5℃以下で、維持される時間は、1分以上であることが好ましい。
なお、露点温度の下限は、特に制限されないが、通常、−50℃以上であり、−40℃以上であることが好ましい。
改質処理前、又は改質処理中に水分を除去することによって、シラノールに転化したポリシラザン改質層の脱水反応を促進する観点から好ましい形態である。
塗布法により形成されたポリシラザン塗布膜の改質処理とは、ポリシラザンの酸化ケイ素、又は酸窒化ケイ素等への転化反応を指す。具体的には、ポリシラザン塗布膜を、ガスバリアー性を発現できる無機層に改質する処理である。
改質処理としては、樹脂フィルム基材への適応という観点から、より低温で、転化反応が可能なプラズマ処理、又は紫外線照射処理による転化反応が好ましい。
改質処理として用いることのできるプラズマ処理は、公知の方法を用いることができるが、好ましくは大気圧プラズマ処理等を挙げることができる。
大気圧近傍でのプラズマCVD処理を行う大気圧プラズマCVD法は、真空下のプラズマCVD法に比べ、減圧にする必要がなく生産性が高い。また、プラズマ密度が高密度であるために成膜速度が速い。さらに、通常のCVD法の条件に比較して、大気圧下という高圧力条件では、ガスの平均自由工程が非常に短いため、極めて均質の膜が得られる。
改質処理の方法として、紫外線照射による処理が好ましい。紫外線(紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しているため、低温で高い緻密性と絶縁性を有する酸化ケイ素膜及び酸窒化ケイ素膜を形成することが可能である。
紫外線照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施してもよい。
なお、紫外線とは、一般には、10〜400nmの波長を有する電磁波であるが、本例では後述する真空紫外線(10〜200nm)処理以外の紫外線照射処理の場合は、210〜375nmの紫外線を用いることが好ましい。
紫外線の照射は、照射されるポリシラザン改質層を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。
ただし、ポリイミド等の耐熱性の高いフィルムの場合には、より高温での改質処理が可能である。したがって、この紫外線照射時の基材温度としては、一般的な上限はなく、基材の種類によって当業者が適宜設定することができる。
また、紫外線照射雰囲気に特に制限はなく、大気中で実施すればよい。
また、発生させた紫外線をポリシラザン改質層に照射する際には、効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの紫外線を反射板で反射させてからポリシラザン改質層に当てることが好ましい。
また、ポリシラザン改質層を表面に有する積層体が、長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら上記紫外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外線を照射することによりセラミックス化することができる。
紫外線照射に要する時間は、使用する基材やポリシラザン改質層の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分であり、好ましくは0.5秒〜3分である。
ポリシラザン改質層において、最も好ましい改質処理方法は、真空紫外線照射による処理(エキシマ照射処理)である。
真空紫外線照射による処理は、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい波長100〜200nmの光エネルギー、好ましくは波長100〜180nmの光エネルギーを用いる。この波長の光エネルギーを用いることにより、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用で直接切断しながら、活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることができる。このため、比較的低温(約200℃以下)で、酸化ケイ素膜の形成を行うことができる。
なお、エキシマ照射処理を行う際は、上述したように熱処理を併用することが好ましく、その際の熱処理条件の詳細は上述のとおりである。
また、転化プロセスの間の水蒸気濃度は、好ましくは1000〜4000体積ppmの範囲内である。
酸素濃度の調整は、照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
さらに、CO、CO2及びCH4の少なくとも1種を含むガス(以下、炭素含有ガスとも称する)は、炭素含有ガスを単独で使用してもよいが、希ガス又はH2を主ガスとして、炭素含有ガスを少量添加することが好ましい。
プラズマの生成方式としては、容量結合プラズマなどが挙げられる。
ポリシラザン改質層は、単層でもよいし2層以上の積層構造であってもよい。
本発明に係る絶縁層19は、金属酸化物を気相成膜することによって形成され、前記金属酸化物の金属元素の酸化還元電位が、ケイ素の酸化還元電位よりも低い。すなわち、ケイ素の酸化還元電位よりも低い酸化還元電位を有する金属酸化物を主成分として含む。
ここで、「ケイ素よりも低い酸化還元電位を有する金属の酸化物を主成分として含む」とは、ケイ素よりも酸化還元電位が低い金属の酸化物の含有量が、絶縁層19の全質量に対して50質量%以上であることを意味する。
該含有量は、80質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、98質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
これらの中でも、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属が好ましい。
すなわち、絶縁層19は、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、及びチタンからなる群より選択される少なくとも1種の金属の酸化物を主成分として含むことが好ましい。中でも、前記金属酸化物が、酸化ニオブであることが好ましい。
下記の金属の標準酸化還元電位は、例えば、対象の金属イオンを含む溶液を市販のORP測定計などを用いて測定することができる。
中でも、下部に備える後述の第1ガスバリアー層121へのダメージを与えることなく成膜が可能となり、高い生産性を有することから、スパッタ法により形成することが好ましい。
スパッタ法による成膜は、DC(直流)スパッタ法、RF(高周波)スパッタ法、これらマグネトロンスパッタリングを組み合わせた方法、さらに中間的な周波数領域を用いたデュアルマグネトロン(DMS)スパッタ法などの従来技術を、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
絶縁層19の厚さ(2層以上の積層構造である場合はその総厚)は、特に制限されないが、1〜200nmの範囲内であることが好ましく、5〜50nmの範囲内であることがより好ましい。この範囲であれば、生産性の高い成膜タクトタイムの範囲内で、十分なガスバリアー性向上効果が得られるという利点が得られる。
本願において、「発光ユニット」とは、少なくとも発光層を含む有機機能層を主体として構成されるユニット(単位)をいい、当該発光ユニットは、陽極と陰極の間に挟持され、全体として、有機EL素子を構成する。電極は、第1電極13と第2電極15とからなり、それぞれ有機EL素子の陰極又は陽極を構成する。有機機能層14は、少なくとも有機材料を含む発光層を有し、さらに、発光層と電極との間に他の層を備えていてもよい。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/(電子阻止層/)発光層/(正孔阻止層/)電子輸送層/電子注入層/陰極
上記の中で(7)の構成が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
上記の代表的な素子構成において、陽極と陰極を除く層が、有機機能層である。
上記構成において、発光層は、単層又は複数層で構成される。発光層が複数の場合は、各発光層の間に非発光性の中間層を設けてもよい。
また、必要に応じて、発光層と陰極との間に正孔阻止層(正孔障壁層)や電子注入層(陰極バッファー層)等を設けてもよく、また、発光層と陽極との間に電子阻止層(電子障壁層)や正孔注入層(陽極バッファー層)等を設けてもよい。
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する層である。電子輸送層には、広い意味で電子注入層、及び、正孔阻止層も含まれる。また、電子輸送層は、複数層で構成されていてもよい。
正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する層である。正孔輸送層には、広い意味で正孔注入層、及び、電子阻止層も含まれる。また、正孔輸送層は、複数層で構成されていてもよい。
また、発光ユニット16は、少なくとも1層の発光層を含む有機機能層を複数積層した、いわゆるタンデム構造の素子であってもよい。
有機機能層としては、例えば、上記の代表的な素子構成で挙げた(1)〜(7)の構成から、陽極と陰極を除いたもの等が挙げられる。
(1)陽極/第1有機機能層/中間層/第2有機機能層/陰極
(2)陽極/第1有機機能層/中間層/第2有機機能層/中間層/第3有機機能層/陰極
以下、発光ユニット16を構成する各層について説明する。
有機EL素子10に用いる発光層は、電極又は隣接層から注入される電子と正孔とが再結合し、励起子を経由して発光する場を提供する層である。発光層において、発光する部分は発光層の層内であっても、発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層の厚さの総和は、例えば、2nm〜5μmの範囲内に調整することが好ましく、より好ましくは2〜500nmの範囲内に調整され、さらに好ましくは5〜200nmの範囲内に調整される。
また、発光層の個々の膜厚としては、2nm〜1μmの範囲内に調整することが好ましく、より好ましくは2〜200nmの範囲内に調整され、さらに好ましくは3〜150nmの範囲内に調整される。
発光層に用いられる発光ドーパントとしては、蛍光発光性ドーパント(蛍光ドーパント、蛍光性化合物ともいう)、及び、リン光発光性ドーパント(リン光ドーパント、リン光性化合物ともいう)が好ましく用いられる。これらのうち、少なくとも1層の発光層がリン光発光ドーパントを含有することが好ましい。
有機EL素子10における白色としては、2度視野角正面輝度を前述の方法により測定した際に、1000cd/m2でのCIE1931表色系における色度がx=0.39±0.09、y=0.38±0.08の領域内にあることが好ましい。
リン光発光性ドーパントは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、25℃においてリン光量子収率が0.01以上の化合物である。発光層に用いるリン光発光性ドーパントにおいて、好ましいリン光量子収率は、0.1以上である。
一つは、キャリアが輸送されるホスト化合物上で、キャリアの再結合によるホスト化合物の励起状態が生成される。このエネルギーをリン光発光性ドーパントに移動させることで、リン光発光性ドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型である。もう一つは、リン光発光性ドーパントがキャリアトラップとなり、リン光発光性ドーパント上でキャリアの再結合が起こり、リン光発光性ドーパントからの発光が得られるというキャリアトラップ型である。いずれの場合においても、リン光発光性ドーパントの励起状態のエネルギーは、ホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件となる。
公知のリン光発光性ドーパントの具体例としては、以下の文献に記載されている化合物等が挙げられる。
蛍光発光性ドーパントは、励起一重項からの発光が可能な化合物であり、励起一重項からの発光が観測される限り特に限定されない。
遅延蛍光を利用した発光ドーパントの具体例としては、例えば、国際公開第2011/156793号、特開2011−213643号公報、特開2010−93181号公報等に記載の化合物が挙げられる。
ホスト化合物は、発光層において主に電荷の注入、及び輸送を担う化合物であり、有機EL素子10において、それ自体の発光は実質的に観測されない。
好ましくは室温(25℃)において、リン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物であり、さらに好ましくは、リン光量子収率が0.01未満の化合物である。また、発光層に含有される化合物の内で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
ホスト化合物は、単独で用いてもよく、又は複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子10の高効率化が可能となる。
ここで、ガラス転移点(Tg)とは、DSC(Differential Scanning Colorimetry:示差走査熱量法)を用いて、JIS−K−7121に準拠した方法により求められる値である。
有機EL素子10に用いる電子輸送とは、電子を輸送する機能を有する材料からなり、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。
電子輸送材料は、単独で用いてもよく、また複数種を併用して用いてもよい。
電子輸送層の総厚については、特に制限はないが、通常は2nm〜5μmの範囲内であり、より好ましくは2〜500nmの範囲内であり、さらに好ましくは5〜200nmの範囲内である。
一方で、電子輸送層の膜厚を厚くすると電圧が上昇しやすくなるため、特に膜厚が厚い場合においては、電子輸送層の電子移動度は10−5cm2/Vs以上であることが好ましい。
芳香族炭化水素環誘導体としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、トリフェニレン等が挙げられる。
また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
また、これらの材料を高分子鎖に導入した、又は、これらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
ドープ材としては、金属錯体及びハロゲン化金属等の金属化合物や、その他のn型ドーパントが挙げられる。
このような構成の電子輸送層の具体例としては、例えば、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されたものが挙げられる。
米国特許第6528187号、米国特許第7230107号、米国特許出願公開第2005/0025993号明細書、米国特許出願公開第2004/0036077号明細書、米国特許出願公開第2009/0115316号明細書、米国特許出願公開第2009/0101870号明細書、米国特許出願公開第2009/0179554号明細書、国際公開第2003/060956号、国際公開第2008/132085号、Appl. Phys. Lett. 75, 4 (1999)、Appl. Phys. Lett. 79, 449 (2001)、Appl. Phys. Lett. 81, 162 (2002)、Appl. Phys. Lett. 81, 162 (2002)、Appl. Phys. Lett. 79, 156 (2001)、米国特許第7964293号、国際公開第2004/080975号、国際公開第2004/063159号、国際公開第2005/085387号、国際公開第2006/067931号、国際公開第2007/086552号、国際公開第2008/114690号、国際公開第2009/069442号、国際公開第2009/066779号、国際公開第2009/054253号、国際公開第2011/086935号、国際公開第2010/150593号、国際公開第2010/047707号、EP2311826号、特開2010−251675号公報、特開2009−209133号公報、特開2009−124114号公報、特開2008−277810号公報、特開2006−156445号公報、特開2005−340122号公報、特開2003−45662号公報、特開2003−31367号公報、特開2003−282270号公報、国際公開第2012/115034号等
正孔阻止層は、広い意味では電子輸送層の機能を有する層である。好ましくは、電子を輸送する機能を有しつつ、正孔を輸送する能力が小さい材料からなる。電子を輸送しつつ正孔を阻止することで、電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
また、上述の電子輸送層の構成を、必要に応じて正孔阻止層として用いることができる。
有機EL素子10に設ける正孔阻止層は、発光層の陰極側に隣接して設けられることが好ましい。
正孔阻止層に用いられる材料としては、上述の電子輸送層に用いられる材料が好ましく用いられ、また、上述のホスト化合物として用いられる材料も正孔阻止層に好ましく用いられる。
電子注入層(「陰極バッファー層」ともいう)は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陰極と発光層との間に設けられる層である。電子注入層の一例は、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に記載されている。
電子注入層は、ごく薄い膜であることが好ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1〜5nmの範囲内が好ましい。また、構成材料が、断続的に存在する不均一な膜であってもよい。
また、上記の電子注入層に用いられる材料は単独で用いてもよく、複数種を併用して用いてもよい。
正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する材料からなる。正孔輸送層は、陽極より注入された正孔を発光層に伝達する機能を有する層である。
正孔輸送材料は、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。正孔輸送材料は単独で用いてもよく、また複数種を併用して用いてもよい。
さらに、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。例えば、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載された構成を正孔輸送層に適用することもできる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、いわゆるp型正孔輸送材料やp型−Si、p型−SiC等の無機化合物を用いることもできる。さらに、Ir(ppy)3に代表されるような中心金属にIrやPtを有するオルトメタル化有機金属錯体も好ましく用いられる。
Appl. Phys. Lett. 69, 2160 (1996)、J. Lumin. 72-74, 985 (1997)、Appl. Phys. Lett. 78, 673 (2001)、Appl. Phys. Lett. 90, 183503 (2007)、Appl. Phys. Lett. 90, 183503 (2007)、Appl. Phys. Lett. 51, 913 (1987)、Synth. Met. 87, 171 (1997)、Synth. Met. 91, 209 (1997)、Synth. Met. 111,421 (2000)、SID Symposium Digest, 37, 923 (2006)、J. Mater. Chem. 3, 319 (1993)、Adv. Mater. 6, 677 (1994)、Chem. Mater. 15,3148 (2003)、米国特許出願公開第2003/0162053号明細書、米国特許出願公開第2002/0158242号明細書、米国特許出願公開第2006/0240279号明細書、米国特許出願公開第2008/0220265号明細書、米国特許第5061569号、国際公開第2007/002683号、国際公開第2009/018009号、EP650955、米国特許出願公開第2008/0124572号明細書、米国特許出願公開第2007/0278938号明細書、米国特許出願公開第2008/0106190号明細書、米国特許出願公開第2008/0018221号明細書、国際公開第2012/115034号、特表2003−519432号公報、特開2006−135145号公報、米国特許出願番号13/585981号
電子阻止層は、広い意味では正孔輸送層の機能を有する層である。好ましくは、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が小さい材料からなる。電子阻止層は、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで、電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
電子阻止層に用いられる材料としては、上述の正孔輸送層に用いられる材料が好ましく用いることができる。また、上述のホスト化合物として用いられる材料も、電子阻止層として好ましく用いることができる。
正孔注入層(「陽極バッファー層」ともいう)は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために陽極と発光層との間に設けられる層である。正孔注入層の一例は、「有機EL素子10とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に記載されている。
正孔注入層は、必要に応じて設けられ、上述のように陽極と発光層との間、又は、陽極と正孔輸送層との間に設けられる。
正孔注入層に用いられる材料は、例えば上述の正孔輸送層に用いられる材料等が挙げられる。中でも、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニン誘導体、特表2003−519432や特開2006−135145等に記載されているようなヘキサアザトリフェニレン誘導体、酸化バナジウムに代表される金属酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体等に代表されるオルトメタル化錯体、トリアリールアミン誘導体等が好ましい。
上述の正孔注入層に用いられる材料は、単独で用いてもよく、また複数種を併用して用いてもよい。
有機EL素子10を構成する有機機能層は、さらに他の添加剤を含んでもよい。
その他添加剤としては、例えば臭素、ヨウ素及び塩素等のハロゲン元素やハロゲン化化合物、Pd、Ca、Na等のアルカリ金属やアルカリ土類金属、遷移金属の化合物や錯体、塩等が挙げられる。
ただし、電子や正孔の輸送性を向上させる目的や、励起子のエネルギー移動を有利にするための目的などによってはこの範囲内ではない。
有機EL素子10の有機機能層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)の形成方法について説明する。
有機機能層の形成方法は、特に制限はなく、従来公知の例えば、真空蒸着法、湿式法(ウェットプロセス)等により形成することができる。
また、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
また、層毎に異なる形成方法を適用してもよい。
第1電極13は、仕事関数の大きい(4eV以上、好ましくは4.3V以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及び、これらの混合物からなる電極物質が用いられる。
このような電極物質の具体例としては、AuやAg等の金属及びこれらの合金、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。
また、IDIXO(In2O3−ZnO)等の非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等の湿式成膜法を用いることもできる。
また、第1電極13としてのシート抵抗は、数百Ω/sq.以下が好ましい。
また、第1電極13の厚さは、材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
このような第1電極13の形成方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。中でも、蒸着法が好ましく適用される。
第2電極15としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物、及び、これらの混合物からなる電極物質が用いられる。
このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム、希土類金属等が挙げられる。
有機EL素子10は、絶縁層19が形成された可撓性基材11の一方面上に、第1電極13、有機機能層14及び第2電極15を覆う封止層17を介して、封止部材18が貼り合わされることにより、固体封止されている。
有機EL素子10の固体封止は、封止部材18又は可撓性基材11の貼合面上に、未硬化の樹脂材料を複数箇所に分散させて塗布し、これらの樹脂材料を介して封止部材18と可撓性基材11とを互いに押圧した後、樹脂材料を硬化することで一体化して形成される。
また、樹脂材料(樹脂封止層)に加えて、無機材料(無機封止層)を用いてもよい。例えば、第1電極13、有機機能層14及び第2電極15を無機封止層で覆った後、樹脂封止層により封止部材18と可撓性基材11とを接合する構成としてもよい。
樹脂封止層は、封止部材18を可撓性基材11側に固定するために用いられる。また、封止部材18と可撓性基材11との間に挟持された第1電極13、有機機能層14及び第2電極15を封止するためのシール剤として用いられる。
樹脂封止層には、隣接する封止部材18や可撓性基材11等との密着性の向上の観点から、好適な接着材を適宜選択することができる。
熱硬化性接着剤としては、例えば、分子の末端又は側鎖にエチレン性二重結合を有する化合物と熱重合開始剤とを主成分とする樹脂等を用いることができる。
より具体的には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等からなる熱硬化性接着剤を使用することができる。また、有機EL素子10の製造工程で用いる貼合装置及び硬化処理装置に応じて、溶融タイプの熱硬化性接着剤を使用してもよい。
例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート等の各種(メタ)アクリレートを主成分とした光ラジカル重合性樹脂や、エポキシやビニルエーテル等の樹脂を主成分とした光カチオン重合性樹脂や、チオール・エン付加型樹脂等が挙げられる。これら光硬化性樹脂の中でも、硬化物の収縮率が低く、アウトガスも少なく、また長期信頼性に優れるエポキシ樹脂系の光カチオン重合性樹脂が好ましい。
なお、有機EL素子10を構成する有機材料は、熱処理により劣化する場合がある。このため、室温から80℃までに接着硬化できる樹脂材料を使用することが好ましい。
封止部材18は、有機EL素子10を覆うものであって、板状(フィルム状)の封止部材18が封止層17によって可撓性基材11側に固定されている。
板状(フィルム状)の封止部材18としては、具体的には、ガラス基板、ポリマー基板が挙げられ、これらの基板材料をさらに薄型のフィルム状にして用いてもよい。
ガラス基板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
また、ポリマー基板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。
ポリプロピレン系樹脂、及び、ナイロン系樹脂等の樹脂は、延伸されていてもよく、さらに塩化ビニリデン系樹脂がコートされていてもよい。また、ポリエチレン系樹脂は、低密度と高密度とのいずれを用いてもよい。
無機封止層は、第1ガスバリアー層121を有する可撓性基材11上において、第1電極13、有機機能層14及び第2電極15が配置された以外の部分を覆うように形成されている。
また、無機封止層は、絶縁層19、第1電極13、有機機能層14及び第2電極15に直接接する構成であるため、絶縁層19、第1電極13、有機機能層14及び第2電極15との接合性に優れた材料を用いることが好ましい。
具体的には、SiOx、Al2O3、In2O3、TiOx、ITO(スズ・インジウム酸化物)、AlN、Si3N4、SiOxN、TiOxN、SiC等により形成することができる。
無機封止層は、ゾルゲル法、蒸着法、CVD、ALD(Atomic Layer Deposition)、PVD、スパッタリング法等の公知な手法により形成可能である。
また、溶媒によって希釈して使用してもよく、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサン等の有機溶媒及びこれらの混合溶媒を使用できる。なお、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解されるため、影響をほとんど無視することができる。
このような放電ガスとしては、窒素ガス及び/又は周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも特に、窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
フィルム状のポリマー基板は、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m2・24h・atm)以下、JIS−K−7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m2・24h)以下であることが好ましい。
有機EL素子10は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源等の電子機器に適用することができる。
発光光源としては、例えば、家庭用照明や車内照明等の照明装置、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではない。特に、液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
[有機エレクトロルミネッセンス素子の構成]
次に、第2実施形態について説明する。図6に、第2実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子の概略構成を示す。
可撓性基材11の表面に設けられている第2ガスバリアー層122は、炭素(C)、窒素(N)、及び、酸素(O)から選ばれる少なくとも1種以上の元素を含むケイ素化合物から構成されている。
そして、第2ガスバリアー層122を構成するケイ素化合物は、これらのC、N、及び、Oから選ばれる少なくとも1種以上の元素の元素比率が変化することにより、第2ガスバリアー層122は、表面から厚さ方向に向けて連続的な組成変化を有する。
さらに、第2ガスバリアー層122を構成するケイ素化合物は、この厚さ方向の連続的な組成変化において、一つ以上の極値を有する。つまり、第2ガスバリアー層122は、ケイ素、酸素及び炭素を含む材料から構成され、ケイ素、酸素及び炭素の含有率が異なる複数の層による積層構造を有する。
上述のケイ素化合物からなる第2ガスバリアー層122は、膜厚方向における第2ガスバリアー層122の表面からの距離と、上記各元素(ケイ素、酸素又は炭素)の原子量の比率(原子比率)との関係を示す、各元素の分布曲線に特徴を有している。
ケイ素分布曲線、酸素分布曲線、及び、炭素分布曲線は、第2ガスバリアー層122の表面からの距離における、ケイ素の原子比率、酸素の原子比率、及び、炭素の原子比率を示す。また、膜厚方向における第2ガスバリアー層122の表面(第1電極13側の界面)からの距離と、酸素と炭素との合計の原子量の比率(原子比率)との関係を示す分布曲線を、酸素炭素分布曲線とする。
例えば、SiO2の屈折率が1.5であるのに対し、SiNの屈折率は1.8〜2.0程度である。このため、第2ガスバリアー層122に窒素を含有させ、第2ガスバリアー層122内にSiONを形成することにより、好ましい屈折率の値である1.6〜1.8とすることが可能となる。このように、窒素の含有量を調整することにより、第2ガスバリアー層122の屈折率を制御することが可能である。
ケイ素、酸素及び炭素に加えて、窒素を含む場合、ケイ素、酸素、炭素又は窒素の原子比率は、ケイ素、酸素、炭素及び窒素の各元素の合計量に対する、ケイ素、酸素、炭素又は窒素の比率[(Si,O,C,N)/(Si+O+C+N)]で表す。
ケイ素分布曲線、酸素分布曲線、炭素分布曲線、及び、窒素分布曲線は、第2ガスバリアー層122の表面からの距離における、ケイ素の原子比率、酸素の原子比率、炭素の原子比率、及び、窒素の原子比率を示す。
第2ガスバリアー層122の屈折率分布は、第2ガスバリアー層122の厚さ方向の炭素量及び酸素量により制御することができる。
図3に、第2ガスバリアー層122のケイ素分布曲線、酸素分布曲線、炭素分布曲線、及び、窒素分布曲線の一例を示す。また、図4に、図3に示すケイ素分布曲線、酸素分布曲線、炭素分布曲線、及び、窒素分布曲線から、炭素分布曲線を拡大して示す。
図3及び図4において、横軸は、膜厚方向における第2ガスバリアー層122の表面からの距離[nm]を示す。また、縦軸は、ケイ素、酸素及び炭素の各元素の合計量に対する、ケイ素、酸素、炭素又は窒素のそれぞれの原子比率[at%]を示す。
なお、ケイ素分布曲線、酸素分布曲線、炭素分布曲線、及び、窒素分布曲線の測定方法の詳細については後述する。
図5において、横軸は、膜厚方向における第2ガスバリアー層122の表面からの距離[nm]を示す。縦軸は、第2ガスバリアー層122の屈折率を示す。
図5に示す第2ガスバリアー層122の屈折率は、膜厚方向における第2ガスバリアー層122の表面からの距離と、この距離における第2ガスバリアー層122の可視光に対する屈折率の測定値である。
第2ガスバリアー層122の屈折率分布の測定は、公知の方法を用いることができ、例えば分光エリプソメーター(日本分光社製 ELC−300)等を用い行うことができる。
具体的には、第2ガスバリアー層122において、炭素の原子比率が増加する位置において、第2ガスバリアー層122の屈折率も増加する。このように、炭素の原子比率に応じて、第2ガスバリアー層122の屈折率が変化する。つまり、第2ガスバリアー層122において、膜厚方向の炭素の原子比率の分布を調整することにより、第2ガスバリアー層122の屈折率分布曲線を制御することができる。
また、上述のように、炭素の原子比率と酸素の原子比率とにも相関関係があることから、酸素の原子比率及び分布曲線を制御することにより、第2ガスバリアー層122の屈折率分布曲線を制御することができる。
第2ガスバリアー層122の屈折率分布は、炭素の原子比率によって制御することができる。このため、炭素の分布曲線を制御することにより、第2ガスバリアー層122に任意の光学的な特性を付与することができる。
第2ガスバリアー層122は、ケイ素、酸素及び炭素の原子比率、又は、各元素の分布曲線が、以下(i)〜(iii)の条件を満たすことが好ましい。
(酸素の原子比率)>(ケイ素の原子比率)>(炭素の原子比率)・・・(1)
で表される条件を満たす。
又は、ケイ素の原子比率、酸素の原子比率及び炭素の原子比率が、第2ガスバリアー層122の膜厚の90%以上の領域において下記式(2):
(炭素の原子比率)>(ケイ素の原子比率)>(酸素の原子比率)・・・(2)
で表される条件を満たす。
また、上記条件(i)〜(iii)を全て満たす第2ガスバリアー層122を、2層以上備えていてもよい。第2ガスバリアー層122を2層以上備える場合には、複数の薄膜層の材質は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
第2ガスバリアー層122を2層以上備える場合には、第2ガスバリアー層122は可撓性基材11の一方の表面上に形成されていてもよく、可撓性基材11の両方の表面上に形成されていてもよい。
第2ガスバリアー層122は、炭素分布曲線が少なくとも一つの極値を有することが必要である。このような第2ガスバリアー層122においては、炭素分布曲線が少なくとも二つの極値を有することがより好ましく、少なくとも三つの極値を有することが特に好ましい。さらに、炭素分布曲線が少なくとも一つの極大値と、一つの極小値とを有することが好ましい。
また、第2ガスバリアー層122が三つ以上の極値を有する場合には、炭素分布曲線の有する一つの極値と、この極値に隣接する他の極値とは、第2ガスバリアー層122の表面からの膜厚方向の距離の差が、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
第2ガスバリアー層122において、分布曲線の極値とは、第2ガスバリアー層122の膜厚方向における、第2ガスバリアー層122の表面からの距離に対する元素の原子比率の極大値又は極小値、又はその値に対応した屈折率分布曲線の測定値である。
また、このような第2ガスバリアー層122においては、炭素の原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が、6at%以上であることがより好ましく、さらに7at%以上であることが好ましい。炭素の原子比率の最大値と最小値との差が上記範囲以上であると、得られる第2ガスバリアー層122の屈折率分布曲線における屈折率差が大きくなり、配光性が十分となる。
炭素分布量と屈折率は相関があり、上記の好ましい炭素原子の最大値と最小値の絶対値が7at%以上のときに、得られる屈折率の最大値と最小値との差の絶対値は0.2以上になる。
第2ガスバリアー層122は、酸素分布曲線が少なくとも一つの極値を有することが好ましい。特に、第2ガスバリアー層122は、酸素分布曲線が少なくとも二つの極値を有することがより好ましく、少なくとも三つの極値を有することがさらに好ましい。さらに、酸素分布曲線が少なくとも一つの極大値と、一つの極小値とを有することが好ましい。
また、第2ガスバリアー層122が三つ以上の極値を有する場合には、酸素分布曲線の有する一つの極値と、この極値に隣接する他の極値とは、第2ガスバリアー層122の表面からの膜厚方向の距離の差が、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。
第2ガスバリアー層122は、ケイ素分布曲線において、ケイ素の原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が、5at%未満であることが好ましい。また、このような第2ガスバリアー層122においては、ケイ素の原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が4at%未満であることがより好ましく、さらに3at%未満であることが好ましい。ケイ素の原子比率の最大値と最小値との差が上記範囲未満であると、得られる第2ガスバリアー層122の屈折率分布曲線から配光性が十分となる。
また、第2ガスバリアー層122において、ケイ素原子と酸素原子と炭素原子との合計量に対する、酸素原子と炭素原子との合計量の比率を、酸素炭素分布曲線とする。
第2ガスバリアー層122は、酸素炭素分布曲線において、酸素及び炭素の合計原子比率の最大値と最小値との差の絶対値が、5at%未満であることが好ましく、4at%未満であることがより好ましく、3at%未満であることが特に好ましい。酸素及び炭素の合計原子比率の最大値と最小値との差が上記範囲未満であると、得られる第2ガスバリアー層122の屈折率分布曲線から配光性が十分となる。
上述のケイ素分布曲線、酸素分布曲線、炭素分布曲線、酸素炭素分布曲線、及び、窒素分布曲線は、X線光電子分光法(XPS:Xray Photoelectron Spectroscopy)の測定と、アルゴン等の希ガスイオンスパッタとを併用することにより、試料内部を露出させつつ順次表面組成分析を行う、いわゆるXPSデプスプロファイル測定により作成することができる。
XPSデプスプロファイル測定により得られる分布曲線は、例えば、縦軸を各元素の原子比率(単位:at%)とし、横軸をエッチング時間(スパッタ時間)として作成することができる。
XPSデプスプロファイル測定には、エッチングイオン種としてアルゴン(Ar+)を用いた希ガスイオンスパッタ法を採用し、エッチング速度(エッチングレート)を0.05nm/sec(SiO2熱酸化膜換算値)とすることが好ましい。
第2ガスバリアー層122が膜面方向において実質的に一様とは、第2ガスバリアー層122の膜面の任意の2か所において、それぞれの測定箇所の元素の分布曲線の有する極値の数が同じであり、かつ、分布曲線における炭素の原子比率の最大値及び最小値の差の絶対値が互いに同じ、又は、最大値及び最小値の差が5at%以内であることをいう。
第2ガスバリアー層122において、炭素分布曲線は実質的に連続であることが好ましい。
炭素分布曲線が実質的に連続であるとは、炭素分布曲線において炭素の原子比率が不連続に変化する部分を含まないことを意味する。具体的には、エッチング速度とエッチング時間とから算出される第2ガスバリアー層122の表面からの距離(x、単位:nm)と、炭素の原子比率(C、単位:at%)とが、下記数式(F1):
(dC/dx)≦0.5 ・・・(F1)
で表される条件を満たす。
また、ケイ素分布曲線、酸素分布曲線及び炭素分布曲線において、ケイ素の原子比率、酸素の原子比率及び炭素の原子比率が、第2ガスバリアー層122の膜厚の90%以上の領域において上記式(1)((酸素の原子比率)>(ケイ素の原子比率)>(炭素の原子比率)・・・(1))で表される条件を満たすことが好ましい。この場合には、第2ガスバリアー層122中におけるケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する、ケイ素原子の含有量の原子比率は、25〜45at%の範囲内であることが好ましく、30〜40at%の範囲内であることがより好ましい。
さらに、第2ガスバリアー層122中におけるケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対する、炭素原子の含有量の原子比率は、3〜33at%の範囲内であることが好ましく、3〜25at%の範囲内であることがより好ましい。
第2ガスバリアー層122の厚さは、5〜3000nmの範囲内であることが好ましく、10〜2000nmの範囲内であることがより好ましく、100〜1000nmの範囲内であることが特に好ましい。第2ガスバリアー層122の厚さが上記範囲内であると、第2ガスバリアー層122の配光性が十分となる。
また、第2ガスバリアー層122を複数の層から形成する場合には、第2ガスバリアー層122の全体の厚さが10〜10000nmの範囲内であり、10〜5000nmの範囲内であることが好ましく、100〜3000nmの範囲内であることがより好ましく、200〜2000nmの範囲内であることが特に好ましい。
第2ガスバリアー層122は、可撓性基材11との間にプライマーコート層、ヒートシール性樹脂層、及び接着剤層等を備えていてもよい。
プライマーコート層は、可撓性基材11と第2ガスバリアー層122との接着性を向上させることが可能な公知のプライマーコート剤を用いて形成することができる。
また、ヒートシール性樹脂層は、適宜公知のヒートシール性樹脂を用いて形成することができる。
さらに、接着剤層は、適宜公知の接着剤を用いて形成することができ、このような接着剤層により複数の第2ガスバリアー層122を接着させてもよい。
有機EL素子10においては、第2ガスバリアー層122がプラズマ化学気相成長法により形成された層であることが好ましい。
プラズマ化学気相成長法により形成される第2ガスバリアー層122としては、可撓性基材11を一対の成膜ローラー上に配置し、この一対の成膜ローラー間に放電してプラズマを発生させるプラズマ化学気相成長法(プラズマCVD)で形成された層であることがより好ましい。プラズマ化学気相成長法は、ペニング放電プラズマ方式のプラズマ化学気相成長法であってもよい。
また、一対の成膜ローラー間に放電する際には、一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが好ましい。
第2ガスバリアー層122は、連続的な成膜プロセスにより形成された層であることが好ましい。
第2ガスバリアー層122は、上述のように生産性の観点からロールtoロール方式で可撓性基材11の表面上に形成されることが好ましい。
プラズマ化学気相成長法により第2ガスバリアー層122を製造できる装置としては、特に制限されないが、少なくとも一対の成膜ローラーと、プラズマ電源とを備え、かつ、成膜ローラー間において放電することが可能な構成となっている装置であることが好ましい。
以下、図6を参照しながら、第2ガスバリアー層122の製造方法について説明する。なお、図6は、第2ガスバリアー層122の製造に好適な製造装置の一例を示す模式図である。
また、製造装置30においては、少なくとも成膜ローラー36、37と、ガス供給管38と、プラズマ発生用電源39と、磁場発生装置41、42とが図示しない真空チャンバー内に配置されている。
さらに、製造装置30において真空チャンバーは、図示を省略した真空ポンプに接続されており、かかる真空ポンプにより真空チャンバー内の圧力を調整することが可能となっている。
なお、成膜ローラー36と成膜ローラー37を電極として利用する場合には、電極としても利用可能なように成膜ローラー36と成膜ローラー37との材質や設計を変更すればよい。
また、製造装置30においては、一対の成膜ローラー(成膜ローラー36及び37)は、中心軸が同一平面上において略平行となるようにして配置することが好ましい。このようにして、一対の成膜ローラー(成膜ローラー36及び37)を配置することにより、成膜レートを倍にでき、なおかつ、同じ構造の膜を成膜できる。
このため、炭素分布曲線における極値を少なくとも倍増させることが可能となる。そして、製造装置30によれば、CVD法によりフィルム40の表面上に第2ガスバリアー層122を形成することが可能であり、成膜ローラー36上においてフィルム40の表面上に膜成分を堆積させつつ、さらに成膜ローラー37上においてもフィルム40の表面上に膜成分を堆積させることもできるため、フィルム40の表面上に第2ガスバリアー層122を効率よく形成することができる。
さらに、成膜ローラー36及び成膜ローラー37としては、公知のローラーを用いることができる。
成膜ローラー36及び37としては、より効率よく薄膜を形成するという観点から、同一の直径のローラーを使うことが好ましい。また、成膜ローラー36及び37の直径としては、放電条件、チャンバーのスペース等の観点から、5〜100cmの範囲とすることが好ましい。
また、巻取りローラー43としても、第2ガスバリアー層122を形成したフィルム40を巻き取ることが可能であればよく、特に制限されず、公知のローラーを用いることができる。
さらに、プラズマ発生用電源39としては、公知のプラズマ発生装置の電源を用いることができる。
プラズマ発生用電源39は、これに接続された成膜ローラー36、37に電力を供給して、成膜ローラー36、37を放電のための対向電極としての利用を可能にする。プラズマ発生用電源39としては、より効率よくプラズマCVDを実施することが可能となることから、成膜ローラーの極性を交互に反転させることが可能な交流電源等を利用することが好ましい。
また、より効率よくプラズマCVDを実施することが可能となることから、印加電力を100W〜10kWの範囲内とすることができ、かつ、交流の周波数を50Hz〜500kHzの範囲内とすることが可能なプラズマ発生用電源39を用いることがより好ましい。
また、磁場発生装置41、42としては、公知の磁場発生装置を用いることができる。
さらに、フィルム40としては、上述の有機EL素子10に適用可能な可撓性基材11の他に、第2ガスバリアー層122をあらかじめ形成させた可撓性基材11を用いることができる。
このように、フィルム40として第2ガスバリアー層122をあらかじめ形成させた可撓性基材11を用いることにより、第2ガスバリアー層122の厚さを厚くすることも可能である。
なお、成膜に際しては、フィルム40が送り出しローラー31や成膜ローラー36等により、それぞれ搬送されることにより、ロールtoロール方式の連続的な成膜プロセスによりフィルム40の表面上に第2ガスバリアー層122が形成される。
第2ガスバリアー層122の形成に用いる成膜ガス中の原料ガスとしては、形成する第2ガスバリアー層122の材質に応じて適宜選択して使用することができる。
原料ガスとしては、例えばケイ素を含有する有機ケイ素化合物を用いることができる。
有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物の中でも、成膜での取扱い及び得られる第2ガスバリアー層122の配光性等の特性の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサンを用いることが好ましい。
また、これらの有機ケイ素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
このような反応ガスとしては、原料ガスと反応して酸化物、窒化物等の無機化合物となるガスを適宜選択して使用することができる。
酸化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、酸素、オゾンを用いることができる。
また、窒化物を形成するための反応ガスとしては、例えば、窒素、アンモニアを用いることができる。これらの反応ガスは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、例えば酸窒化物を形成する場合には、酸化物を形成するための反応ガスと窒化物を形成するための反応ガスとを組み合わせて使用することができる。
さらに、成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて放電用ガスを用いてもよい。
キャリアガス及び放電用ガスとしては、公知のガスを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガス、水素を用いることができる。
反応ガスの比率を過剰にし過ぎてしまうと、第2ガスバリアー層122の配光性が十分に得られなくなってしまう。
また、成膜ガスが有機ケイ素化合物と酸素とを含有する場合には、成膜ガス中の有機ケイ素化合物の全量を完全酸化するのに必要な理論酸素量以下であることが好ましい。
原料ガスとしてヘキサメチルジシロキサン、反応ガスとして酸素を含有する成膜ガスをプラズマCVDにより反応させて、ケイ素−酸素系の薄膜を作製する場合、成膜ガスにより下記反応式(1):
(CH3)6Si2O+12O2→6CO2+9H2O+2SiO2 ・・・(1)
の反応が起こり、二酸化ケイ素が生成される。
この反応において、ヘキサメチルジシロキサン1モルを完全酸化するのに必要な酸素量は12モルである。このため、成膜ガス中に、ヘキサメチルジシロキサン1モルに対して、酸素を12モル以上含有させて完全に反応させた場合には、均一な二酸化ケイ素膜が形成されてしまう。このため、原料のガス流量比を、理論比である完全反応の原料比以下の流量に制御して、非完全反応を遂行させる。つまり、ヘキサメチルジシロキサン1モルに対して酸素量を化学量論比の12モルより少ない量にする必要がある。
例えば、CVDにより完全酸化させて酸化ケイ素を得るために、酸素のモル量(流量)を原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の20倍以上程度とする場合もある。
このような観点から、成膜ガス中のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)に対する酸素のモル量(流量)の下限は、ヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の0.1倍より多い量とすることが好ましく、0.5倍より多い量とすることがより好ましい。
真空チャンバー内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、0.5〜100Paの範囲内とすることが好ましい。
上述のプラズマCVD法において、成膜ローラー36、37間に放電するために、プラズマ発生用電源39に接続された電極ドラムに印加する電力は、原料ガスの種類や真空チャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができる。
例えば、0.1〜10kWの範囲内とすることが好ましい。印加電力が、上記範囲内であると、パーティクルが発生しにくくなる傾向にあり、また、成膜時に発生する熱量が少なく、成膜時の基材表面の温度が上昇せずに、可撓性基材11が熱負けして成膜時に皺が発生することもなくなる。
なお、本例において、電極ドラムは、成膜ローラー36、37に設置されている。
可撓性基材11と第2ガスバリアー層122との間には、下地層が形成されていてもよい。下地層は、突起等が存在する可撓性基材11の粗面を平坦化し、又は、可撓性基材11に存在する突起により、第2ガスバリアー層122への凹凸やピンホールの発生を防ぐために設けられる。
なお、下地層を設ける場合には、この下地層は、有機EL素子10の厚さ方向の略中央部に設けなくもよいが、略中央部に配置することにより、第2ガスバリアー層122の亀裂発生の抑制に効果的である。
下地層の形成に用いる感光性樹脂としては、例えば、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物を含有する樹脂組成物、アクリレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物を含有する樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを溶解させた樹脂組成物等が挙げられる。
また、上記のような樹脂組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している感光性樹脂であれば特に制限はない。
上記の反応性モノマーは、1種又は2種以上の混合物として、又は、その他の化合物との混合物として使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられ、これらの光重合開始剤を1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
下地層の形成では、上述の感光性樹脂に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を加えることができる。また、下地層の積層位置に関係なく、いずれの下地層においても、成膜性向上及び膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。
表面粗さは、AFM(原子間力顕微鏡)を用いて測定された、微細な凹凸の振幅に関する粗さである。この表面粗さは、AFMの極小の先端半径の触針を持つ検出器によって、数十μmの区間内を多数回測定し、この連続測定した凹凸の断面曲線から算出される。
下地層には、添加剤が含まれていてもよい。
下地層に含まれる添加剤としては、感光性樹脂の表面に光重合反応性を有する感光性基が導入された反応性シリカ粒子(以下、単に「反応性シリカ粒子」ともいう)が好ましい。
感光性樹脂は、この反応性シリカ粒子の表面に導入された感光性基と光重合反応可能な化合物、例えば、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物を含むことが好ましい。また、感光性樹脂は、反応性シリカ粒子や、重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物に汎用の希釈溶媒が混合されて、固形分が調整されていてもよい。
なお、上記効果をより得やすくするためには、平均粒子径を0.001〜0.01μmの範囲内とすることが好ましい。下地層中には、上述のような無機粒子を質量比として20〜60%の範囲内で含有することが好ましい。20%以上添加することで、可撓性基材11と第2ガスバリアー層122との密着性が向上する。また、フィルムを湾曲させたり、加熱処理を行った場合にクラックが生じたり、第2ガスバリアー層122の透明性や屈折率等の光学的物性に影響を及ぼすこともない。
加水分解性シリル基としては、例えば、アルコキシリル基、アセトキシリル基等のカルボキシリレートシリル基、クロロシリル基等のハロゲン化シリル基、アミノシリル基、オキシムシリル基、ヒドリドシリル基等が挙げられる。
重合性不飽和基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニイル基、シンナモイル基、マレート基、アクリルアミド基等が挙げられる。
このような無機粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等の1種又は2種以上を併せて使用することができる。
可撓性基材11には、ブリードアウト防止層を設けることができる。
ブリードアウト防止層は、下地層を有するフィルム状の可撓性基材11を加熱した際に、可撓性基材11中から未反応のオリゴマー等が表面へ移行して、可撓性基材11の表面を汚染する現象を抑制するために、下地層を有する基材の反対面に設けられる。ブリードアウト防止層は、この機能を有していれば、基本的に下地層と同じ構成をとっても構わない。
なお、ブリードアウト防止層を設ける場合には、このブリードアウト防止層は、有機EL素子10の厚さ方向の略中央部に設けなくもよいが、略中央部に配置することにより、第2ガスバリアー層122の亀裂発生の抑制に効果的である。
この不飽和有機化合物としては、分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する多価不飽和有機化合物、又は、分子中に1個の重合性不飽和基を有する単価不飽和有機化合物等を用いることが好ましい。
この熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
ここで、光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましい。
アクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等が使用できる。また、光重合性モノマーとしては、上記多価不飽和有機化合物等を使用できる。
なお、電離放射線としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する。又は、走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射する。
≪可撓性基材≫
可撓性基材として、下記の3種類の基材を用いた。
可撓性基材A:基材として、両面ハードコート付きPETフィルム(全厚さ:136μm、PET厚さ:125μm)を用いた。
可撓性基材B:基材として、両面ハードコート付きPETフィルム(全厚さ:58μm、PET厚さ:50μm)を用いた。
可撓性基材C:基材として、両面ハードコート付きPETフィルム(全厚さ:36μm、PET厚さ:25μm)を用いた。
下記の成膜条件a1〜a3でそれぞれ第1ガスバリアー層を成膜した。
まず、パーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NN120−20)と、アミン触媒(N,N,N′,N′−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン(TMDAH))を含むパーヒドロポリシラザン20質量%のジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、NAX120−20)とを、4:1(質量比)の割合で混合し、さらに、乾燥膜厚調整のため、ジブチルエーテルで適宜希釈し、各塗布液を調製した。
スピンコートにより塗布液を表2に示す乾燥膜厚になるよう塗布し、80℃で2分間乾燥した。
次いで、乾燥した塗膜に対して、表2に示す処理方法、及び酸素濃度の条件で、表面処理を施して第1ガスバリアー層とし、さらに、繰り返しの成膜を実施することで各種膜厚の第1ガスバリアー層を成膜した。
下記表3に示した各種材料を用い、下記の気相成膜条件で、第1ガスバリアー層の上に、各種金属酸化物からなる絶縁層を形成した。膜厚は、断層TEMで求めた。
なお、成膜条件b1の絶縁層は、本発明の比較例となる。
下記に示す成膜条件d1及びd2にしたがって、発光層を成膜し、封止を行った。
(成膜条件d1)
絶縁層までを形成した基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、下記窒素含有化合物をタングステン製の抵抗加熱ボートに入れ、これら基材ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽内に取り付けた。
また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の第2真空槽内に取り付けた。
次に、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、窒素含有化合物の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で窒素含有層を厚さ10nmで設けた。
次に、窒素含有層を形成した基材を、真空蒸着装置の第2真空槽に搬送し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀(Ag)の入った加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で厚さ8nmの銀(Ag)からなる第1電極を形成した。
なお、上記窒素含有化合物は、以下に示す化合物である。
次に、化合物A−3(青色発光ドーパント)、化合物A−1(緑色発光ドーパント)、化合物A−2(赤色発光ドーパント)及び化合物H−1(ホスト化合物)を、化合物A−3が膜厚に対し、線形に35質量%から5質量%になるように場所により蒸着速度を変化させ、化合物A−1と化合物A−2は膜厚に依存することなく、各々0.2質量%の濃度になるように、蒸着速度0.0002nm/秒で、化合物H−1は64.6質量%から94.6質量%になるように場所により蒸着速度を変化させて、厚さ70nmになるよう共蒸着し発光層を形成した。
その後、化合物ET−1を膜厚30nmに蒸着して電子輸送層を形成し、さらに、フッ化カリウム(KF)を厚さ2nmで形成した。
さらに、アルミニウム100nmを蒸着して第2電極を形成した。
なお、上記化合物HT−1、化合物A−1〜3、化合物H−1、及び、化合物ET−1は、以下に示す化合物である。
このとき、第1電極及び第2電極の引き出し電極の端部が外に出るように、封止部材の接着剤形成面と、素子の有機機能層面とを連続的に重ね合わせた。
次に、試料を減圧装置内に配置し、90℃で0.1MPaの減圧条件下で、重ね合わせた基材と封止部材とに押圧をかけて5分間保持した。
続いて、試料を大気圧環境に戻し、さらに110℃で30分間加熱して接着剤を硬化させた。
上記封止工程は、大気圧下、含水率1ppm以下の窒素雰囲気下で、JIS B 9920に準拠し、測定した清浄度がクラス100で、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppm以下の大気圧で行った。
なお、第1電極及び第2電極からの引き出し配線等の形成に関する記載は省略している。
第1電極として絶縁層上に、下記の下引き層、第1導電層及び第2導電層を形成した以外は、上記成膜条件d1と同様に成膜した。
まず、下引き液、酢酸水溶液(pH=4.5、25℃)にγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを0.01質量%となるように添加して調整した。
次に、この下引き液を、絶縁層上にウェット膜厚が3μmとなるようにワイヤーバーで塗布した後、100℃で15分乾燥させ、下引き層を形成した。
次に、導電性ポリマーBaytron PH510(H.C.Starck社製、固形分1.7%)7.8g、ポリ(2−ヒドロキシエチルアクリレート)の20%水溶液1.7g、DMSO0.5gの混合液に、10%硫酸40μLを加えて撹拌した後、20μmメッシュのフィルターでろ過した塗布液を調整した。そして、この塗布液を、第1導電層上にスピンコーターで乾燥後膜厚が300nmになるように塗布した後、110℃で30分の熱処理を加え、第2導電層を形成した。
可撓性基材と第1ガスバリアー層との間に、第2ガスバリアー層を成膜して形成した。
第2ガスバリアー層は、特許第4268195号公報に記載の、対向する成膜ローラーからなる成膜部を有する装置を2台つなげたタイプ(第1成膜部、第2成膜部を有する)の図に示すロールトゥロールCVD成膜装置を用いて成膜した。
成膜条件は、下記表4に示すように、搬送速度、原料ガス(HMDSO)の供給量、酸素ガスの供給量、真空度、印加電力、電源の周波数、及び成膜回数(繰り返し成膜回数)で調整した。膜厚は、断層TEMで求めた。
作製した有機EL素子について、下記の評価を行った。
<保存性>
作製した有機EL素子を85℃、85%RHの環境下で、500時間保持した。その後、この各試料について、定電圧電源を用いて点灯し、100cm2あたりの半径が150以上となるダークスポット(非発光部)発生数を調べた。
なお、ダークスポット発生率は、各試料の有機EL素子の発光面を撮影し、その画像データに対して所定の画像処理を施すことにより求めた。
外部量子効率(EQE)を測定することによって、発光効率を評価した。各素子を発光させた際の輝度、及び発光スペクトルを、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ社製)を用いて測定し、これらの測定値に基づいて輝度換算法により算出した。ここでは、さらに“有機EL素子17”の値を1.00とした相対値として示した。
作製した各素子に対し、正面から0〜45°の視野角範囲で発光スペクトルの視野角依存性を測定した(正面輝度1000cd/m2)。その後、0°における350〜700nmのスペクトル面積S1、45°における350〜700nmのスペクトル面積S2、S1とS2の重なる領域の面積S3を算出し、0°と45°におけるスペクトル重なり率Rを下記式により求めた。
R=S3/(S1+S2+S3)×100%
Rは、0から100%の範囲の値をとり、100に近いほど良好な視野角依存性を示している。
11 可撓性基材
13 第1電極
14 有機機能層
15 第2電極
16 発光ユニット
17 封止層
18 封止部材
19 絶縁層
30 製造装置
31 送り出しローラー
32、33、34、35 搬送ローラー
36、37 成膜ローラー
38 ガス供給管
39 プラズマ発生用電源
40 フィルム
41、42 磁場発生装置
43 巻取りローラー
121 第1ガスバリアー層
122 第2ガスバリアー層
Claims (4)
- 可撓性基材上に、少なくとも第1ガスバリアー層、絶縁層、第1電極、有機機能層を有する発光ユニット及び第2電極が、この順に積層された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記第1ガスバリアー層が、ポリシラザン改質層であり、
前記絶縁層が、金属酸化物を含有する層であり、かつ、
前記金属酸化物の金属元素の酸化還元電位が、ケイ素の酸化還元電位よりも低く、前記金属酸化物が、酸化ニオブであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記可撓性基材と前記第1ガスバリアー層との間に、さらに第2ガスバリアー層を有し、
前記第2ガスバリアー層が、ケイ素化合物を含有し、かつ炭素、窒素及び酸素から選ばれる元素を含有し、当該元素の組成が厚さ方向に連続的な変化を有し、当該炭素の組成分布において、極値を有することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記第1ガスバリアー層が、ポリシラザンを含有する塗膜にエネルギーを印加することによって形成されたポリシラザン改質層であり、かつ、
前記絶縁層が、金属酸化物を気相成膜することによって形成された層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - 前記エネルギーの印加が、真空紫外線を照射することであることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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