(3.概要)
一態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌を治療する方法であって、該対象にEphA2タンパク質に由来するペプチドの治療的有効量を投与すること、及び該対象における癌幹細胞の量をモニタリングすることを含む、方法である。具体的な実施態様において、EphA2を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、CD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、EphA2及びCD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌患者に対するEphA2ペプチドに基づく癌治療(すなわち、EphA2に由来するペプチドの投与を含む治療又は療法)の効力をモニタリングする方法であって、患者の癌治療の前、その間、及び/又はその後の該対象における癌幹細胞の量をモニタリングすることを含む、方法である。具体的な実施態様において、EphA2を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、CD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、EphA2及びCD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、癌幹細胞を標的とするEphA2のT細胞エピトープを投与することを含み、ここで、該エピトープは、癌患者における免疫応答を誘導するのに十分である、方法である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌を治療する方法であって、該対象にEphA2タンパク質を標的とする化合物の治療的有効量を投与することを含み、ここで、該化合物は、EphA2タンパク質を発現する癌幹細胞を死滅させ、及び/又は該癌幹細胞の分化を妨げることができる、方法である。具体的な実施態様において、該化合物は、EphA2に特異的に結合する抗体である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌ワクチンによる癌幹細胞の標的化を改善する方法であって、EphA2由来のクラスI又はクラスIIエピトープの結合モチーフを決定すること、及び修飾ペプチドが野生型ペプチドと少なくとも同じ程度に癌幹細胞を死滅させるのに有効である免疫応答を誘導することができるようにアミノ酸配列を置換することを含む、方法である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌を治療する方法であって、該対象にIL-13Rα2タンパク質に由来するペプチドの治療的有効量を投与すること、及び該対象における癌幹細胞の量をモニタリングすることを含む、方法である。具体的な実施態様において、IL-13Rα2を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、CD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、IL-13Rα2及びCD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌患者に対するIL-13Rα2ペプチドに基づく癌治療(すなわち、IL-13Rα2に由来するペプチドの投与を含む治療又は療法)の効力をモニタリングする方法であって、患者の癌治療の前、その間、及び/又はその後の該対象における癌幹細胞の量をモニタリングすることを含む、方法である。具体的な実施態様において、IL-13Rα2を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、CD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、IL-13Rα2及びCD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、癌幹細胞を標的とするIL-13Rα2のT細胞エピトープを投与することを含み、ここで、該エピトープは、癌患者における免疫応答を誘導するのに十分である、方法である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌を治療する方法であって、該対象にIL-13Rα2タンパク質を標的とする化合物の治療的有効量を投与することを含み、ここで、該化合物は、IL-13Rα2タンパク質を発現する癌幹細胞を死滅させ、及び/又は該癌幹細胞の分化を妨げることができる、方法である。具体的な実施態様において、該化合物は、IL-13Rα2に特異的に結合する抗体である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌ワクチンによる癌幹細胞の標的化を改善する方法であって、IL-13Rα2由来のクラスI又はクラスIIエピトープの結合モチーフを決定すること、及び修飾ペプチドが野生型ペプチドと少なくとも同じ程度に癌幹細胞を死滅させるのに有効である免疫応答を誘導することができるようにアミノ酸配列を置換することを含む、方法である。
(3.1 定義)
本明細書で使用されるように、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、数とともに使用される場合、言及された数の1、5、又は10%以内の任意の数を指す。
本明細書で使用されるように、「薬剤」という用語は、本明細書に記載の治療方法において又は本明細書に記載の治療方法と組み合わせて使用することができる任意の分子、化合物、及び/又は物質を指す。薬剤という用語は、限定するものではないが、タンパク質、免疫グロブリン(例えば、多重特異性Ig、単鎖Ig、Ig断片、ポリクローナル抗体及びその断片、モノクローナル抗体及びその断片)、ペプチド(例えば、ペプチド受容体、セレクチン)、結合タンパク質、生物製剤、化学特異性剤(chemospecific agent)、化学毒性剤(chemotoxic agent)、抗血管新生剤、並びに小分子薬物を含む。
本明細書で使用されるように、「ペプチド」という用語は、当業者に公知であるようなアミド結合によって連結されたアミノ酸のポリマーを指す。ペプチドは、共有アミド結合によって連結された4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100個、又はそれより多くのアミノ酸のポリマーであることができる。いくつかの実施態様において、ペプチドは、共有アミド結合によって連結された6〜8、8〜10、10〜15、10〜20、10〜25、10〜30、10〜40、10〜50、又は25〜25個のアミノ酸のポリマーであることができる。ある実施態様において、ペプチドは、共有アミド結合によって連結された50〜65、50〜75、50〜85、50〜95、50〜100、75〜100個のアミノ酸のポリマーである。本明細書で使用されるように、該用語は、共有アミド結合によって連結された単一のペプチド鎖を指すことができる。該用語は、非共有結合的相互作用、例えば、イオン性接触、水素結合、ファンデルワールス接触、及び疎水性接触によって関連した多重ペプチド鎖を指すこともできる。当業者であれば、該用語が、例えば、シグナルペプチド切断、ジスルフィド結合形成、グリコシル化(例えば、N結合型グリコシル化)、プロテアーゼ切断、及び脂質修飾(例えば、S-パルミトイル化)などの翻訳後プロセシングによって修飾されているペプチドを含むことを認識しているであろう。
本明細書で使用されるように、「精製された」及び「単離された」という用語は、天然源、例えば、細胞から得られるペプチドとの関連において使用される場合、天然源由来の夾雑物質、例えば、土壌粒子、鉱物、環境由来の化学物質、並びに/又は天然源由来の細胞性物質、例えば、限定されないが、細胞残屑、細胞壁物質、膜、オルガネラ、細胞内に存在する多量の核酸、糖質、タンパク質、及び/もしくは脂質を実質的に含まないペプチドを指す。したがって、単離されているペプチドは、(乾燥重量で)約30%、20%、10%、5%、2%、又は1%未満の細胞性物質及び/又は夾雑物質を有するポリペプチドの調製物を含む。本明細書で使用されるように、「精製された」及び「単離された」という用語は、化学合成されるペプチドとの関連において使用される場合、化学前駆物質又はポリペプチドの合成に関与する他の化学物質を実質的に含まないペプチドを指す。
本明細書で使用されるように、「核酸」という用語は、DNA分子(例えば、cDNA又はゲノムDNA)及びRNA分子(例えば、mRNA)並びにヌクレオチド類似体を用いて作製されるDNA又はRNAの類似体を含むことが意図される。核酸は、一本鎖又は二本鎖であることができる。
本明細書で使用されるように、「治療的に有効なレジメン」という用語は、癌又はその症状の治療及び/又は管理のための1種以上の療法の投与の投与量、タイミング、頻度、及び持続期間についてのレジメンを指す。
本明細書で使用されるように、「対象」又は「患者」という用語は、動物(例えば、鳥類、爬虫類、及び哺乳動物)を指すために互換的に使用される。具体的な実施態様において、対象は、鳥である。別の実施態様において、対象は、非霊長類(例えば、ラクダ、ロバ、シマウマ、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ラット、及びマウス)並びに霊長類(例えば、サル、チンパンジー、及びヒト)を含む哺乳動物である。ある実施態様において、対象は、非ヒト動物である。いくつかの実施態様において、対象は、家畜又はペットである。別の実施態様において、対象は、ヒトである。別の実施態様において、対象は、乳児である。別の実施態様において、対象は、幼児である。別の実施態様において、対象は、小児である。別の実施態様において、対象は、成人である。別の実施態様において、対象は、高齢者である。
本明細書で使用されるように、「脳癌」という用語は、頭蓋内又は中央脊柱管内にある腫瘍を指す。脳癌とは、原発性腫瘍(すなわち、頭蓋内球又は中央脊柱管で発生する腫瘍)と二次性腫瘍(すなわち、主に他の器官内にある腫瘍から発生した後に頭蓋内球又は中央脊柱管に浸潤した腫瘍)の両方を指す。
本明細書で使用されるように、「療法(複数)」及び「療法(単数)」という用語は、脳癌又はそれと関連する疾患もしくは症状の予防又は治療において使用することができる任意のプロトコル(複数可)、方法(複数可)、組成物(複数可)、製剤(複数可)、及び/又は薬剤(複数可)を指すことができる。ある実施態様において、「療法(複数)」及び「療法(単数)」という用語は、生物療法、支持療法、及び/或いは当業者に公知の癌又はそれと関連する疾患もしくは症状の治療又は予防において有用な他の療法を指す。
本明細書で使用されるように、「治療的有効量」という用語は、癌及びその1以上の症状の発症、再発、又は発生を予防して、別の療法の予防効果を増強もしくは改善し、癌の重症度、持続期間を減少させ、癌の1以上の症状を改善し、癌の進行を予防し、癌の退行を引き起こし、及び/又は別の療法の治療効果を増強もしくは改善するのに十分である療法の量を指す。一実施態様において、治療的有効量の量は、1つ、2つ、3つ、又はそれより多くの療法の投与後に、1つ、2つ、3つ、又はそれより多くの結果:(1)癌幹細胞集団の安定化、減少、又は消失;(2)癌細胞集団での安定化、減少、又は消失;(3)腫瘍又は新生物の成長の安定化又は減少;(4)腫瘍の形成の障害;(5)原発性、局所性、及び/又は転移性癌の根絶、除去、又は制御;(6)死亡率の低下;(7)無病、無再発、無増悪、及び/又は全体の生存率、持続期間、又は割合の増加;(8)応答率、応答の持続性、又は応答するか、もしくは寛解期にある患者の数の増加;(9)入院率の低下、(10)入院期間の減少、(11)腫瘍のサイズが維持され、かつ増大しないか、又は10%未満、好ましくは5%未満、好ましくは4%未満、好ましくは2%未満だけ増大すること、(12)寛解期にある患者の数の増加、(13)寛解の期間又は持続期間の増加、(14)癌の再発率の低下、(15)癌の再発までの時間の増加、並びに(16)癌関連症状及び/又は生活の質の改善を達成するのに有効である。
本明細書で使用されるように、対象への療法の投与との関連における「組み合わせて」という用語は、2種以上の療法(例えば、予防的及び/又は治療的)の使用を指す。「組み合わせて」という用語の使用は、療法(例えば、第一の療法及び第二の療法)が対象に投与される順序を制限するものではない。療法は、脳癌を有していたか、脳癌を有しているか、又は脳癌になりやすい対象への第二の療法の投与の前に(例えば、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間前に)、該療法の投与と並行して、又は該療法の投与の後に(例えば、1分、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、もしくは12週間後に)投与することができる。療法は、該療法が一緒に作用することができるような順番及び時間間隔で対象に投与される。特定の実施態様において、療法は、それらが別の方法で投与される場合よりも増加した利益を提供するような順番及び時間間隔で対象に投与される。任意の追加の療法を他の追加の療法とともに任意の順序で投与することができる。
本明細書で使用されるように、対象への療法の投与との関連における「管理する(manage)」、「管理する(managing)」、及び「管理」という用語は、癌の治癒はもたらさないが、対象が療法(例えば、予防もしくは治療ワクチン)又は療法の組合せから得る有益な効果を指す。ある実施態様において、疾病の進行又は悪化を予防するために、対象に1種以上の療法(例えば、1種以上の予防又は治療ワクチン)を投与して、癌を「管理する」。
本明細書で使用されるように、対象への療法の投与との関連における「予防する(prevent)」、「予防する(preventing)」、及び「予防」という用語は、療法(例えば、予防剤もしくは治療剤)、又は療法の組合せ(例えば、予防剤もしくは治療剤の組合せ)の投与の結果として生じる、対象における脳癌又はその症状の再発、発生、及び/又は発症の予防又は阻害を指す。
本明細書で使用されるように、「並行して」という用語は、複合効果を生じさせるのに十分に時間が近いことを意味する(すなわち、並行してとは、同時であってもよく、又はそれは、互いの前後の期間内に起こる2以上の事象であってもよい)。他の薬剤とともに投与される場合、本明細書に提供されるEphaA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドは、他の活性剤と並行して投与されてもよい。いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるEphaA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド並びに1種以上の他の薬剤(例えば、ヘルパーT細胞エピトープ、アジュバント、及び/又は免疫応答修飾物質)が並行して対象に投与され、ここで、該EphaA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド並びに1種以上の他の薬剤の投与は、同じ組成物中で行われる。他の実施態様において、EphaA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド並びに1種以上の他の薬剤(例えば、ヘルパーT細胞エピトープ、アジュバント、及び/又は免疫応答修飾物質)は並行して対象に投与され、ここで、該EphaA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド並びに1種以上の他の薬剤の投与は、同じ組成物中では行われない。ある実施態様において、本明細書に提供されるEphaA2ペプチド及び/又はIL-13Rα2並びに1種以上の他の薬剤(例えば、ヘルパーT細胞エピトープ、アジュバント、及び/又は免疫応答修飾物質)は並行して対象に投与され、ここで、該並行投与は、少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、10時間、12時間、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、又は2週間の間隔を空けられる。
本明細書で使用されるように、「EphA2ペプチド」という用語は、EphA2タンパク質に由来するペプチドを指す。具体的な実施態様において、EphA2ペプチドが由来するEphA2タンパク質は、ヒトEphA2タンパク質である。別の具体的な実施態様において、EphA2ペプチドは、以下のアミノ酸配列を含むか、又は以下のアミノ酸配列からなる:TLADFDPRV(配列番号1)。いくつかの実施態様において、EphA2ペプチドは、それがEphA2タンパク質の天然(例えば、野生型)形態で存在する場合のEphA2ペプチドと比べて、1個、2個、3個、又はそれより多くのアミノ酸突然変異(例えば、付加、置換、又は欠失)を含む。
本明細書で使用されるように、「IL-13Rα2ペプチド」という用語は、IL-13Rα2タンパク質に由来するペプチドを指す。具体的な実施態様において、IL-13Rα2ペプチドが由来するIL-13Rα2タンパク質は、ヒトIL-13Rα2タンパク質である。別の具体的な実施態様において、IL-13Rα2ペプチドは、以下のアミノ酸配列を含むか、又は以下のアミノ酸配列からなる:WLPFGFILI(配列番号2)。別の具体的な実施態様において、IL-13Rα2ペプチドは、以下のアミノ酸配列を含むか、又は以下のアミノ酸配列からなる:WLPFGFILV(配列番号3)。別の具体的な実施態様において、IL-13Rα2ペプチドは、以下のアミノ酸配列を含むか、又は以下のアミノ酸配列からなる:ALPFGFILV(配列番号4)。別の具体的な実施態様において、IL-13Rα2ペプチドは、以下のアミノ酸配列を含むか、又は以下のアミノ酸配列からなる:ELPFGFILV(配列番号5)。いくつかの実施態様において、IL-13Rα2ペプチドは、それがIL-13Rα2タンパク質の天然(例えば、野生型)形態で存在する場合のIL-13Rα2ペプチドと比べて、1個、2個、3個、又はそれより多くのアミノ酸突然変異(例えば、付加、置換、又は欠失)を含む。
本明細書で使用されるように、及び別途明記されない限り、「抗体」という用語は、抗原に免疫特異的に結合する抗原結合部位を有する分子を指す。抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え産生抗体、多重特異性抗体(二重特異性抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、合成抗体、2つの重鎖分子と2つの軽鎖分子を含む四量体抗体、抗体軽鎖単量体、抗体重鎖単量体、抗体軽鎖二量体、抗体重鎖二量体、抗体軽鎖-抗体重鎖対、イントラボディ、ヘテロコンジュゲート抗体、単一ドメイン抗体、一価抗体、単鎖Fv(scFv)(例えば、単一特異性、二重特異性などを含む)、ラクダ化抗体、Fab断片、F(ab')断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、抗-抗Id抗体を含む)、及び上記のいずれかのエピトープ結合断片が挙げられるが、これらに限定されない。抗体は、免疫グロブリン分子の任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY)、任意のクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、もしくはIgA2)、又は任意のサブクラス(例えば、IgG2aもしくはIgG2b)であることができる。ある実施態様において、本明細書に記載の抗体は、IgG抗体、或いはそのクラス(例えば、ヒトIgG1もしくはIgG4)又はサブクラスである。
(5.詳細な説明)
一態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌を治療する方法であって、該対象にEphA2タンパク質に由来するペプチドの治療的有効量を投与すること、及び該対象における癌幹細胞の量をモニタリングすることを含む、方法である。具体的な実施態様において、EphA2を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、CD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、EphA2及びCD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌患者に対するEphA2ペプチドに基づく癌治療(すなわち、EphA2に由来するペプチドの投与を含む治療又は療法)の効力をモニタリングする方法であって、患者の癌治療の前、その間、及び/又はその後の該対象における癌幹細胞の量をモニタリングすることを含む、方法である。具体的な実施態様において、EphA2を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、CD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、EphA2及びCD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、癌幹細胞を標的とするEphA2のT細胞エピトープを投与することを含み、ここで、該エピトープは、癌患者における免疫応答を誘導するのに十分である、方法である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌を治療する方法であって、該対象にEphA2タンパク質を標的とする化合物の治療的有効量を投与することを含み、ここで、該化合物は、EphA2タンパク質を発現する癌幹細胞を死滅させ、及び/又は該癌幹細胞の分化を妨げることができる、方法である。具体的な実施態様において、該化合物は、EphA2に特異的に結合する抗体である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌ワクチンによる癌幹細胞の標的化を改善する方法であって、EphA2由来のクラスI又はクラスIIエピトープの結合モチーフを決定すること、及び修飾ペプチドが野生型ペプチドと少なくとも同じ程度に癌幹細胞を死滅させるのに有効である免疫応答を誘導することができるようにアミノ酸配列を置換することを含む、方法である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌を治療する方法であって、該対象にIL-13Rα2タンパク質に由来するペプチドの治療的有効量を投与すること、及び該対象における癌幹細胞の量をモニタリングすることを含む、方法である。具体的な実施態様において、IL-13Rα2を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、CD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、IL-13Rα2及びCD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌患者に対するIL-13Rα2ペプチドに基づく癌治療(すなわち、IL-13Rα2に由来するペプチドの投与を含む治療又は療法)の効力をモニタリングする方法であって、患者の癌治療の前、その間、及び/又はその後の該対象における癌幹細胞の量をモニタリングすることを含む、方法である。具体的な実施態様において、IL-13Rα2を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、CD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。別の具体的な実施態様において、IL-13Rα2及びCD133を発現する該対象における癌幹細胞の量が測定される。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、癌幹細胞を標的とするIL-13Rα2のT細胞エピトープを投与することを含み、ここで、該エピトープは、癌患者における免疫応答を誘導するのに十分である、方法である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、対象における癌を治療する方法であって、該対象にIL-13Rα2タンパク質を標的とする化合物の治療的有効量を投与することを含み、ここで、該化合物は、IL-13Rα2タンパク質を発現する癌幹細胞を死滅させ、及び/又は該癌幹細胞の分化を妨げることができる、方法である。具体的な実施態様において、該化合物は、IL-13Rα2に特異的に結合する抗体である。
別の態様において、本明細書に提供されるのは、癌ワクチンによる癌幹細胞の標的化を改善する方法であって、IL-13Rα2由来のクラスI又はクラスIIエピトープの結合モチーフを決定すること、及び修飾ペプチドが野生型ペプチドと少なくとも同じ程度に癌幹細胞を死滅させるのに有効である免疫応答を誘導することができるようにアミノ酸配列を置換することを含む、方法である。
(5.1 癌幹細胞をモニタリングする方法)
本明細書に記載の予防的に有効な及び/又は治療的に有効なレジメンの一部として、EphA2ペプチドに基づく癌療法又はIL-13Rα2ペプチドに基づく癌療法の効力を評価するために、及び癌を有する対象の予後又は治療的もしくは予防的に有効なレジメンの効力を決定するために、癌幹細胞をモニタリングすることができる。本明細書に記載の予防的に有効な及び/又は治療的に有効な療法又はレジメンのある実施態様において、該療法又はレジメンは、患者における癌幹細胞の安定化又は減少をもたらす。一実施態様において、該レジメンを受けている対象は、該レジメンが対象における癌幹細胞の安定化又は減少をもたらしたかどうかを評価するためにモニタリングされる。具体的な実施態様において、該モニタリング方法は、EphA2ペプチドに基づく癌療法又はIL-13Rα2ペプチドに基づく癌療法が投与される対象におけるEphA2-、IL-13Rα2-、及び/又はCD133発現癌幹細胞を測定する。
任意の特定の理論又は作用機序によって限定されるものではないが、癌幹細胞、例えば、EphA2発現癌幹細胞及び/又はIL-13Rα2発現癌幹細胞は、残りの90%ほどの腫瘍(すなわち、腫瘍バルク)とは対照的に、比較的より腫瘍原性が大きくかつ比較的より成長が遅いか又は休止状態にある独特の亜集団(例えば、0.1〜10%ほど)の腫瘍を含む。従来の療法及びレジメンが、大部分、急速に増殖する細胞(すなわち、腫瘍バルクを含む癌細胞)を攻撃するように設計されていることを考慮すると、より成長が遅い癌幹細胞は、従来の療法及びレジメンに対して、より成長が速い腫瘍バルクよりも比較的抵抗性である可能性がある。これにより、進行期の癌を有する大部分の患者における長期間の効果を確保するための標準的な腫瘍治療レジメンが失敗する別の理由が説明される。具体的な実施態様において、EphA2発現癌幹細胞又はIL-13Rα2発現癌幹細胞は、腫瘍の創始細胞である(すなわち、それは、癌細胞の前駆細胞である)。いくつかの実施態様において、EphA2発現癌幹細胞又はIL-13Rα2発現癌幹細胞は、以下の特徴又は性質:(i)腫瘍をイニシエートする及び/又は腫瘍成長を永続させる能力を保有すること、(ii)(例えば、より遅い成長、及びそれ故のより少ないDNA複製依存的エラー、改善されたDNA修復、並びに/又はその悪性度に寄与するエピジェネティックな/非突然変異性の変化が原因で)大部分の腫瘍よりも突然変異することが一般に比較的少ない可能性があること、(iii)正常幹細胞の多くの特色(例えば、正常幹細胞の特徴を示す類似の細胞表面抗原及び/又は細胞内発現プロファイル、自己再生プログラム、多剤抵抗性、未成熟な表現型など)を有することができ、かつ正常幹細胞に由来し得ること、(iv)その微小環境に潜在的に応答することができること(例えば、癌幹細胞は、非対称に分化及び/又は分裂するように誘導することが可能であり得る)、(v)転移の源であることができること、(vi)成長が遅いか又は休止状態にあることができること、(vii)対称分裂することができること、(viii)(例えば、NOD/SCID移植実験で決定した場合に)腫瘍原性であることができること、(ix)伝統的療法に対して比較的抵抗性である(すなわち、化学療法抵抗性である)ことができること、並びに(x)(例えば、腫瘍バルクと比べて)腫瘍の亜集団を含むことができることのうちの1つ、2つ、3つ、もしくはそれよりも多く、又は全てを有する。
ある実施態様において、対象由来の試料中の癌幹細胞の量は、本明細書に記載の又は当業者に周知の技術を用いて決定/評価される。そのような試料としては、生体試料及び生体試料に由来する試料が挙げられるが、これらに限定されない。ある実施態様において、生体試料それ自体に加えて、又は細胞などの生体試料に由来する材料に加えて、本発明の方法において使用される試料は、添加される水、塩、グリセリン、グルコース、抗微生物剤、パラフィン、化学安定剤、ヘパリン、抗凝固剤、又は緩衝剤を含む。ある実施態様において、生体試料は、血液、血清、尿、骨髄、又は間質液である。別の実施態様において、試料は、組織試料である。特定の実施態様において、組織試料は、乳房、脳、皮膚、結腸、肺、肝臓、卵巣、膵臓、前立腺、腎臓、骨、又は皮膚の組織である。具体的な実施態様において、組織試料は、正常組織又は腫瘍組織の生検である。対象から採取される生体試料の量は、生体試料のタイプ及び利用されることになる検出方法によって異なる。特定の実施態様において、生体試料は、血液、血清、尿、又は骨髄であり、対象から採取される血液、血清、尿、又は骨髄の量は、0.1ml、0.5ml、1ml、5ml、8ml、10ml、又はそれより多い。別の実施態様において、生体試料は組織であり、対象から採取される組織の量は、10ミリグラム未満、25ミリグラム未満、50ミリグラム未満、1グラム未満、5グラム未満、10グラム未満、50グラム未満、又は100グラム未満である。
本明細書に記載の方法によれば、生体試料に由来する試料は、生体試料が試料中の癌幹細胞集団の検出及び/又は測定の前に1以上の前処理工程に供された試料である。ある実施態様において、生体液は、遠心分離、濾過、沈降、透析、もしくはクロマトグラフィーによるか、又はそのような前処理工程の組合せによって前処理される。他の実施態様において、組織試料は、凍結、化学的固定、パラフィン包埋、脱水、透過処理、もしくはホモジナイゼーションと、その後の遠心分離、濾過、沈降、透析、もしくはクロマトグラフィーによるか、又はそのような前処理工程の組合せによって前処理される。ある実施態様において、試料は、幹細胞もしくは癌幹細胞以外の細胞を該試料から除去すること、又は本発明の方法による該試料中の癌幹細胞の量の決定の前に残屑を該試料から除去することによって前処理される。
本明細書に記載の方法において使用するための試料は、任意の動物対象、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトから採取することができる。試料が本明細書の方法に従って得られ、かつ利用される対象としては、限定するものではないが、無症状の対象、1つ、2つ、3つ、4つ、もしくはそれより多くの癌の症状を発現もしくは提示している対象、癌を有すると臨床的に診断された対象、癌になりやすい対象、癌を有することが疑われる対象、癌に対する療法を受けている対象、(例えば、癌に対する療法の後に)癌がないことが医学的に決定された対象、癌を管理している対象、又は癌と診断されたことがない対象が挙げられる。ある実施態様において、本明細書で使用される「検出可能な癌を有さない」という用語は、従来の方法、例えば、MRIによって検出可能な癌が存在しない対象(単数又は複数)を指す。他の実施態様において、該用語は、いかなる障害もない対象(単数又は複数)を指す。
ある実施態様において、対象又は対象由来の試料中の癌幹細胞の量は、療法もしくはレジメンの前に(例えば、ベースラインで)、又は対象が療法もしくはレジメンを受け始めてから少なくとも1日、2日、4日、6日、7日、8日、10日、12日、14日、15日、16日、18日、20日、30日、60日、90日、6カ月、9カ月、12カ月、もしくは>12カ月後に評価される。ある実施態様において、癌幹細胞の量は、一定回数の投与の後に(例えば、2回、5回、10回、20回、30回、又はそれより多くの回数の療法の投与の後に)評価される。他の実施態様において、癌幹細胞の量は、1種以上の療法を受けてから1週間、2週間、1カ月、2カ月、1年、2年、3年、4年後、又はそれよりも後に評価される。
ある実施態様において、陽性又は陰性対照試料は、本発明の方法に従って解析されるべき試料として、対応する組織もしくは生体液又は腫瘍から得られるか、或いはそれらに由来する試料である。この試料は、同じ患者に由来していても、異なる人に由来していてもよく、また、同じ時点のものであっても、異なる時点のものであってもよい。
限定するためではなく、開示を明確にするために、以下は、患者由来の血液試料の解析に関するものである。しかしながら、当業者であれば理解するように、本明細書に記載のアッセイ及び技術は、生体液(例えば、血液、骨髄、血漿、尿、胆汁、腹水)、癌に由来する物質を含むことが疑われる組織試料(例えば、生検)又はそのホモジネートを含む、他のタイプの患者試料に適用することができる。回収されるべき試料の量は、試料の特定のタイプ及び使用される癌幹細胞の量を決定する方法によって異なり、かつ試料中の癌幹細胞を検出するのに十分な量である。
血液の試料は、様々な発生段階又は疾患段階を有する患者から得ることができる。血液は、対象から、当業者に公知の技術、特に、当技術分野で公知の瀉血の方法を用いて、体の任意の部分(例えば、指、手、手首、腕、脚、足、足首、胃、及び首)から採取することができる。具体的な実施態様において、静脈血は、本発明の方法に従って対象から得られ、かつ利用される。別の実施態様において、動脈血は、本発明の方法に従って得られ、かつ利用される。静脈血の組成は、それが満たすことになる体の部位の代謝要求によって異なる。対照的に、動脈血の組成は、体全体で一定である。ルーチンの血液検査には、静脈血が一般に使用される。
回収される血液量は、回収部位、本発明の方法に必要とされる量、及び対象の快適さによって異なる。いくつかの実施態様において、癌幹細胞の量を検出するのに十分である任意の血液量が回収される。具体的な実施態様において、1cc以上の血液が対象から回収される。
試料中の癌幹細胞の量は、例えば、試料中の全細胞、全癌細胞、もしくは全幹細胞のパーセンテージとして表すか、又は面積(例えば、高倍率視野当たりの細胞)、もしくは容積(例えば、ml当たりの細胞)、もしくは構造(例えば、骨髄標本中の骨棘当たりの細胞)に関して定量することができる。
いくつかの実施態様において、試料は、血液試料、骨髄試料、又は組織/腫瘍生検試料であってもよく、その場合、容積単位(例えば、1mL)又は他の測定単位当たり(例えば、組織学的解析の場合、単位視野当たり)の癌幹細胞の量が定量される。ある実施態様において、癌幹細胞集団は、血液もしくは骨髄もしくは組織/腫瘍生検試料中に存在する癌性細胞の部分(例えば、パーセンテージ)として、又は血液もしくは骨髄もしくは組織/腫瘍生検試料中に存在する癌性細胞のサブセットとして決定される。癌幹細胞集団は、他の実施態様において、全細胞の部分(例えば、パーセンテージ)として決定されることができる。また他の実施態様において、癌幹細胞集団は、血液試料中に存在する全幹細胞の部分(例えば、パーセンテージ)として決定される。
他の実施態様において、患者由来の試料は、組織試料(例えば、癌性組織を有するか、又は癌性組織を有することが疑われる対象由来の生検)であり、その場合、癌幹細胞の量は、例えば、免疫組織化学もしくはフローサイトメトリーによるか、又は単位面積、容積、もしくは組織重量当たりの癌幹細胞の量に基づいて測定することができる。ある実施態様において、癌幹細胞集団(癌幹細胞の量)は、組織試料中に存在する癌性細胞の部分(例えば、パーセンテージ)として、又は組織試料中に存在する癌性細胞のサブセットとして決定される。また他の実施態様において、癌幹細胞集団は、組織試料中の全細胞又は幹細胞の部分(例えば、パーセンテージ)として決定される。
検査試料中の癌幹細胞の量を参照試料(複数可)中の癌幹細胞の量と比較して、レジメンの効力を評価することができる。一実施態様において、参照試料は、より早い時点で(例えば、ベースライン参照試料としてレジメンを受ける前に、又は療法を受けている間により早い時点で)療法を受けている対象から得られる試料である。この実施態様において、該療法の結果として、参照試料と比較して、検査試料中の癌幹細胞の量が減少することが望ましい。別の実施態様において、参照試料は、検出可能な癌を有さない健常対象、又は同じタイプの癌に関して寛解期にある患者から得られる。この実施態様において、該療法の結果として、同等量の癌幹細胞、又は参照試料中で検出されるよりも少ない量の癌幹細胞を有する検査試料が得られることが望ましい。
他の実施態様において、検査試料中の癌幹細胞集団を、所定の参照範囲及び/又は対象について決定された過去に検出された癌幹細胞の量と比較して、本明細書に記載のレジメンに対する対象の応答を判断することができる。具体的な実施態様において、所定の参照範囲及び/又は対象について決定された以前の(過去に検出された)癌幹細胞量と比べた癌幹細胞の量の安定化又は減少が、対象の予後の改善又はレジメンに対する正の応答を示すのに対し、所定の参照範囲及び/又は以前の癌幹細胞量と比べた増加は、同じもしくはより悪い予後、及び/又はレジメンに応答しなかったことを示す。癌幹細胞量を他の尺度とともに用いて、対象の予後及び/又はレジメンの効力を評価することができる。具体的な実施態様において、所定の参照範囲は、療法を受けている患者と同じタイプの癌に罹患している患者又は患者集団から得られる癌幹細胞の量に基づく。
一般に、幹細胞抗原、例えば、EphA2、CD133、及びIL-13Rα2は、癌幹細胞と正常幹細胞の両方に存在することができるので、癌に罹った患者由来の試料は、癌幹細胞が存在するために、検出可能な癌を有さない健常対象由来の試料よりも大きい幹細胞数を有する。該療法は、減少し、検出可能な癌を有さない健常対象由来の試料である参照試料中の幹細胞数に次第に接近するようになる、検査試料(例えば、療法を受けている患者由来の試料)の癌幹細胞数をもたらすことが望ましい。
レジメンを受けている対象由来の試料中の癌幹細胞の量を参照試料と比較して、癌幹細胞の量の低下が不十分であることが明らかになった場合、医師は、レジメンを調整するためのいくつかの可能な選択肢を有する。例えば、医師は、次に、投与される療法の投薬量もしくは強度のいずれか、投与の頻度、投与の持続期間を増大させるか、該療法を別の療法(複数可)と組み合わせるか、療法の中止を含め、管理を完全に変更するか、又はそれらの任意の組合せを行うことができる。
ある実施態様において、療法の投与の投薬量、頻度、及び/又は持続期間は、治療された患者において又は該患者から検出される癌幹細胞の量の変化の結果として変更される。例えば、白血病に対する療法を受けている対象が、療法前にその腫瘍の2.5%及び6週間の療法後に5%の癌幹細胞測定値を有する場合、癌幹細胞のパーセンテージの増加によって、療法又はレジメンが最適ではないことが示されているので、該療法又はレジメンを変更又は中止することができる。或いは、別の対象が、療法前にその腫瘍の2.5%及び6週間の療法後に1%の癌幹細胞測定値を有する場合、癌幹細胞のパーセンテージの減少によって、療法又はレジメンが有効であることが示されているので、該療法又はレジメンを継続することができる。
癌幹細胞の量は、当業者に公知の標準的な技術を用いてモニタリング/評価することができる。癌幹細胞は、例えば、組織/腫瘍試料、血液試料、又は骨髄試料などの試料を対象から取得し、該試料中の癌幹細胞を検出することによってモニタリングすることができる。試料中の癌幹細胞の量(これは、例えば、全細胞又は全癌細胞のパーセンテージとして表し得る)は、癌幹細胞上での癌幹細胞抗原(例えば、EphA2)の発現を検出することによって評価することができる。当業者に公知の技術をこれらの活性の測定に使用することができる。抗原発現は、例えば、限定されないが、ウェスタンブロット、免疫組織化学、放射免疫アッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」免疫アッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降素反応、ゲル拡散沈降素反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射測定アッセイ、蛍光免疫アッセイ、免疫蛍光、プロテインA免疫アッセイ、フローサイトメトリー、及びFACS解析を含む免疫アッセイによってアッセイすることができる。そのような場合、対象由来の検査試料中の癌幹細胞の量は、結果を、参照試料(例えば、検出可能な癌を有さない対象由来の試料)中の癌幹細胞の量、又は所定の参照範囲、又はより早い時点の(例えば、療法前もしくは療法中の)患者自身と比較することによって決定することができる。
具体的な実施態様において、患者由来の試料中の癌幹細胞集団は、フローサイトメトリーによって決定される。この方法は、細胞上での特定の表面マーカーの示差発現を利用する。癌幹細胞抗原(例えば、EphA2)に特異的な標識抗体(例えば、蛍光抗体)を用いて、試料中の細胞と反応させることができ、その後、該細胞をFACS法によって選別する。いくつかの実施態様において、試料中の癌幹細胞の量を決定するために、細胞表面マーカーの組合せを利用する。例えば、陽性細胞選別と陰性細胞選別の両方を用いて、試料中の癌幹細胞の量を評価することができる。具体的な実施態様において、試料、例えば、組織試料、例えば、固形腫瘍生検中の癌幹細胞集団は、免疫組織化学技術を用いて決定される。この方法は、細胞上での特定の表面マーカーの示差発現を利用する。癌幹細胞抗原(例えば、EphA2)に特異的な標識抗体(例えば、蛍光抗体)を用いて、試料中の細胞と反応させることができ、その後、組織を染色する。いくつかの実施態様において、試料中の癌幹細胞の量を決定するために、特定の細胞表面マーカーの組合せを利用する。
他の実施態様において、スフェア形成を用いて、試料中の癌幹細胞の量を決定することができる(Singhらの文献、「ヒト脳腫瘍からの癌幹細胞の同定(Identification of a Cancer Stem Cell from Human Brain Tumors)」、Cancer Res 63: 5821-5828(2003)を参照されたい)。
他の実施態様において、患者から得られた試料(例えば、腫瘍もしくは正常組織試料、血液試料、又は骨髄試料)をインビボ系で解析して、癌幹細胞集団又は癌幹細胞の量を決定する。ある実施態様において、例えば、インビボ生着を用いて、試料中の癌幹細胞の量を定量する。インビボ生着はヒト検体の移植を伴い、読出しは、免疫不全又は免疫欠損マウス(例えば、NOD/SCIDマウス)などの動物における腫瘍の形成である。通常、患者試料をインビトロで培養又は操作し、その後、マウスに注射する。これらのアッセイでは、マウスに、患者試料由来の漸減量の細胞を注射することができ、腫瘍形成の頻度を注射される細胞に対してプロットして、試料中の癌幹細胞の量を決定することができる。或いは、結果として生じる腫瘍の成長速度を測定することができ、より大きな又はより急速に進行する腫瘍は、患者試料中の癌幹細胞量がより多いことを示す。このように、インビボ生着モデル/アッセイを用いて、療法前及び療法後の癌幹細胞量を測定し、所与の療法又はレジメンから生じる癌幹細胞量の変化を評価することができる。
特定のインビボ技術において、癌細胞又は癌幹細胞上の生体分子に結合する、例えば、癌幹細胞上のEphA2に結合する、造影剤又は診断剤を使用する。例えば、蛍光タグ、放射性核種、重金属、又は光子放出体をEphA2に結合する抗体(抗体断片を含む)に付着させる。医師は、標識抗体を、治療前、治療中、又は治療後のいずれかの患者に注入することができ、その後、医師は、付着した標識(例えば、蛍光タグ、放射性核種、重金属、光子放出体)を検出することができる全身スキャナー/現像機の中に患者を入れることができる。該全身スキャナー/現像機(例えば、CT、MRI、又は標識を検出することができる他のスキャナー、例えば、蛍光標識の検出器)は、結合した抗体の存在、量/分量、及び体内位置を記録する。このように、組織(単数又は複数)内でパターンをなしている(すなわち、組織内の正常幹細胞のパターンとは異なる)タグ(例えば、蛍光、放射能など)のマッピング及び定量は、より早い時点の同じ患者又は検出可能な癌を有さない患者もしくは健常者などの参照対象と比較した場合、患者の体内での治療効力を示す。例えば、特定の位置における(参照範囲もしくは以前の治療日、又は治療前と比べて)大きいシグナルは、癌幹細胞の存在を示す。このシグナルが以前の日と比べて増大している場合、それは、疾患の悪化及び療法又はレジメンの失敗を示唆する。或いは、シグナルの減少は、療法又はレジメンが有効であったことを示す。
具体的な実施態様において、癌幹細胞の量は、以下の工程:(a)対象に、癌幹細胞の抗原(例えば、EphA2又はCD133)に特異的に結合する標識された結合剤の有効量を投与する工程、及び(b)標識された薬剤が、癌幹細胞表面マーカーが発現する対象内の部位に集中するのを可能にするのに十分な時間間隔の後に、該標識された薬剤を対象内で検出する工程を含む方法に従って対象内でインビボで検出される。この実施態様によれば、結合剤は、対象に、当技術分野における任意の好適な方法に従って、例えば、非経口的に(例えば、静脈内に)、又は腹腔内に投与される。この実施態様によれば、薬剤の有効量とは、対象における薬剤の検出を可能にする量である。この量は、特定の対象、使用される標識、及び利用される検出方法によって異なる。例えば、対象のサイズ及び使用されるイメージングシステムが、イメージング手段を用いて対象における薬剤を検出するのに必要とされる標識された薬剤の量を決めることが当技術分野において理解される。ヒト対象用の放射性標識された薬剤の場合、投与される標識された薬剤の量は放射能に関して測定され、例えば、約5〜20ミリキュリーの99Tcである。標識された薬剤が、癌幹細胞表面マーカーが発現する対象内の部位に集中するのを可能にするのに十分である該標識された薬剤の投与後の時間間隔は、いくつかの因子、例えば、使用される標識のタイプ、投与の様式、及びイメージングされる対象の体の部分によって異なる。特定の実施態様において、十分である時間間隔は、6〜48時間、6〜24時間、又は6〜12時間である。別の実施態様において、該時間間隔は、5〜20日又は5〜10日である。標識された癌幹細胞表面マーカー結合剤の存在は、当技術分野で公知のイメージング手段を用いて対象内で検出することができる。一般に、利用されるイメージング手段は、使用される標識のタイプによって決まる。当業者であれば、特定の標識を検出するための適切な手段を決定することができるであろう。使用し得る方法及び装置としては、コンピュータ断層撮影法(CT)、全身スキン、例えば、陽電子放出断層撮影法(PET)、磁気共鳴イメージング(MRI)、蛍光標識を検出し、その位置を特定することができる撮像装置、及び超音波検査が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な実施態様において、癌結合剤は、放射性同位体で標識され、放射線に応答する手術器具を用いて患者内で検出される(Thurstonらの文献、米国特許第5,441,050号)。別の実施態様において、該結合剤は、蛍光化合物で標識され、蛍光に応答するスキャニング装置を用いて患者内で検出される。別の実施態様において、該結合剤は、陽電子放出金属で標識され、陽電子放出断層撮影法を用いて患者内で検出される。また別の実施態様において、該結合剤は、常磁性標識で標識され、磁気共鳴イメージング(MRI)を用いて患者内で検出される。
癌幹細胞を検出及び/もしくは定量することができる当業者に公知の任意のインビトロもしくはインビボ(エクスビボ)アッセイを用いて、癌もしくはその1以上の症状に対する本明細書に開示される癌療法もしくはレジメンの予防的及び/もしくは治療的有用性を評価するために、対象におけるもしくは対象由来の癌幹細胞をモニタリングすることができ;又はこれらのアッセイを用いて、患者の予後を評価することができる。その後、これらのアッセイの結果を用いて、場合によっては、癌療法又はレジメンを維持又は変更してもよい。
標本中の癌幹細胞の量は、本明細書に記載の治療レジメンに対する対象の応答を判断するために、所定の参照範囲及び/又は(療法前もしくは療法中のいずれかの)対象について過去に決定された以前の癌幹細胞の量と比較することができる。具体的な実施態様において、所定の参照範囲及び/又は(療法前もしくは療法中のいずれかの)対象について過去に決定された以前の癌幹細胞量と比べた癌幹細胞の量の安定化もしくは減少は、療法又はレジメンが有効であったこと、したがって、対象の予後が改善している可能性があることを示すが、所定の参照範囲及び/又はより早い時点で検出された癌幹細胞量と比べた増加は、療法又はレジメンが無効であったこと、したがって、対象の予後が同じであるか、又は悪化している可能性があることを示す。癌幹細胞量を癌の他の標準的な尺度:例えば、応答率、応答の持続性、無再発生存率、無病生存率、無増悪生存率、及び全生存率とともに用いて、対象の予後及び/又は療法もしくはレジメンの効力を評価することができる。ある実施態様において、療法の投与の投薬量、頻度、及び/又は持続期間は、療法前、療法中、及び/又は療法後を含み得る様々な時点での癌幹細胞の量又は量の変化の決定の結果として変更される。
また本明細書に提供されるのは、癌幹細胞を経時的にモニタリングし、かつ癌療法又はレジメンの経過中及び/又は経過後の癌幹細胞の量の安定化又は減少を検出することによって、癌療法又はレジメンが癌幹細胞を標的とし、及び/又は癌幹細胞を障害するのに有効であることを決定する方法である。
ある実施態様において、療法中の癌幹細胞の量の安定化もしくは減少をモニタリング又は検出したことによる、療法又はレジメンが癌幹細胞を標的とし、及び/又は癌幹細胞を障害するのに有効であるという決定に基づいて、療法又はレジメンを抗癌幹細胞療法もしくはレジメンと記載し、又は抗癌幹細胞療法もしくはレジメンとして販売することができる。
また本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、i)癌幹細胞のモニタリングによって決定されるような癌幹細胞を減少させるその能力によって、EphA2に基づく癌療法が有効であることを決定すること、及びii)該療法を、癌を有するヒト(複数可)に投与することを含む、方法である。また本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、i)癌を有するヒトにEphA2に基づく癌療法を投与すること、ii)癌幹細胞のモニタリングによって、療法前、療法中、及び/又は療法後の癌幹細胞の量を決定すること、並びにiii)そのようなモニタリングに基づいて、療法を継続、変更、又は中止することを含む、方法である。また本明細書に提供されるのは、抗癌幹細胞活性についてEphA2に基づく療法(複数可)をアッセイ/スクリーニングする方法であって、i)癌を有するヒトへの該療法の投与、ii)療法前、療法中、及び/又は療法後の該ヒトにおける又は該ヒト由来の癌幹細胞をモニタリングすること、並びにiii)該療法が癌幹細胞の量の減少をもたらしたかどうかを決定することを含む、方法である。
また本明細書に提供されるのは、癌幹細胞のモニタリングによって決定されるような癌幹細胞を減少させるその能力によって、IL-13Rα2に基づく癌療法が有効であることを決定すること、及びii)該療法を、癌を有するヒト(複数可)に投与することを含む、方法である。また本明細書に提供されるのは、癌を治療する方法であって、i)癌を有するヒトにIL-13Rα2に基づく癌療法を投与すること、ii)癌幹細胞のモニタリングによって、療法前、療法中、及び/又は療法後の癌幹細胞の量を決定すること、並びにiii)そのようなモニタリングに基づいて、療法を継続、変更、又は中止することを含む、方法である。また本明細書に提供されるのは、抗癌幹細胞活性についてIL-13Rα2に基づく療法(複数可)をアッセイ/スクリーニングする方法であって、i)癌を有するヒトへの該療法の投与、ii)療法前、療法中、及び/又は療法後の該ヒトにおける又は該ヒト由来の癌幹細胞をモニタリングすること、並びにiii)該療法が癌幹細胞の量の減少をもたらしたかどうかを決定することを含む、方法である。
(5.2 癌のタイプ)
それについて患者を治療することができる任意のタイプの癌に関して、その癌幹細胞を本明細書に記載の方法に従ってモニタリングすることができる。医師は、限定されないが、身体検査(例えば、前立腺検査、直腸検査、胸部検査、リンパ節検査、腹部検査、皮膚サーベイランス、精巣検査、全身触診)、視覚的方法(例えば、結腸鏡検査、気管支鏡検査、内視鏡検査)、PAPスメア分析(子宮頸癌)、便グアヤク分析、血液検査(例えば、全血球算定(CBC)検査、前立腺特異抗原(PSA)検査、癌胎児性抗原(CEA)検査、癌抗原(CA)-125検査、α-フェトプロテイン(AFP)、肝機能検査)、核型分析、骨髄分析(例えば、血液悪性腫瘍の場合)、組織検査、細胞検査、フローサイトメトリー、唾液分析、並びにイメージング法(例えば、コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、超音波、X線イメージング、マンモグラフィー、PETスキャン、骨スキャン)を含む、従来の癌スクリーニング法のいずれかを用いて患者を診断することができる。
癌の非限定的な例としては:白血病、例えば、限定されないが、急性白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄球性白血病、例えば、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、及び赤白血病性白血病、並びに骨髄異形成症候群(MDS);慢性白血病、例えば、限定されないが、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、有毛細胞白血病;真性赤血球増加症;リンパ腫、例えば、限定されないが、ホジキン病、非ホジキン病;多発性骨髄腫、例えば、限定されないが、くすぶり型多発性骨髄腫、非分泌性骨髄腫、骨硬化性骨髄腫、形質細胞白血病、孤立性形質細胞腫、及び髄外性形質細胞腫;ワルデンストレームマクログロブリン血症;意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症;良性単クローン性ガンマグロブリン血症;重鎖病;骨肉腫及び結合組織肉腫、例えば、限定されないが、骨肉腫(bone sarcoma)、骨肉腫(osteosarcoma)、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性巨細胞腫、骨の線維肉腫、脊索腫、骨膜肉腫、軟部組織肉腫、血管肉腫(angiosarcoma)(血管肉腫(hemangiosarcoma))、線維肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、神経鞘腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫;脳腫瘍、例えば、限定されないが、神経膠腫、星細胞腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、希突起膠腫、非神経膠腫、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫、松果体細胞腫、松果体芽腫、原発性脳リンパ腫;限定されないが、腺管癌、腺癌、小葉(小細胞)癌、腺管内癌、髄様乳癌、粘液性乳癌、管状腺乳癌、乳頭状乳癌、パジェット病、及び炎症性乳癌を含む、乳癌;副腎癌、例えば、限定されないが、褐色細胞腫及び副腎皮質癌;甲状腺癌、例えば、限定されないが、乳頭状又は濾胞状甲状腺癌、髄様甲状腺癌、及び未分化甲状腺癌;膵癌、例えば、限定されないが、インスリノーマ、ガストリノーマ、グルカゴノーマ、ビポーマ、ソマトスタチン分泌腫瘍、及びカルチノイド又は島細胞腫瘍;下垂体癌、例えば、限定されないが、クッシング病、プロラクチン分泌腫瘍、末端肥大症、及び尿崩症(diabetes insipius);眼癌、例えば、限定されないが、眼メラノーマ、例えば、虹彩メラノーマ、脈絡膜メラノーマ、及び毛様体メラノーマ、並びに網膜芽腫;膣癌、例えば、扁平上皮細胞癌、腺癌、及びメラノーマ;外陰癌、例えば、扁平上皮細胞癌、メラノーマ、腺癌、基底細胞癌、肉腫、及びパジェット病;子宮頸癌、例えば、限定されないが、扁平上皮細胞癌及び腺癌;子宮癌、例えば、限定されないが、子宮内膜癌及び子宮肉腫;卵巣癌、例えば、限定されないが、卵巣上皮癌、境界型腫瘍、胚細胞腫瘍、及び間質性腫瘍;食道癌、例えば、限定されないが、扁平上皮癌、腺癌、腺様嚢胞癌、粘液性類表皮癌、腺扁平上皮癌、肉腫、メラノーマ、形質細胞腫、疣状癌、及び燕麦細胞(小細胞)癌;胃癌、例えば、限定されないが、腺癌、歯状(ポリープ状)、潰瘍性、表在拡大型、びまん性拡大型、悪性のリンパ腫、脂肪肉腫、線維肉腫、及び癌肉腫;結腸癌;直腸癌;肝臓癌、例えば、限定されないが、肝細胞癌及び肝芽腫;胆嚢癌、例えば、腺癌;胆管癌、例えば、限定されないが、乳頭状、結節性、及びびまん性;肺癌、例えば、非小細胞肺癌、扁平上皮細胞癌(類表皮癌)、腺癌、大細胞癌、及び小細胞肺癌;精巣癌、例えば、限定されないが、胚腫瘍、精上皮腫、未分化、古典的(典型的)、精母細胞性、非精上皮腫、胎生期癌、奇形腫癌、絨毛腫(卵黄嚢腫瘍)、前立腺癌、例えば、限定されないが、前立腺上皮内腫瘍、腺癌、平滑筋肉腫、及び横紋筋肉腫;陰茎癌(penal cancer);口腔癌、例えば、限定されないが、扁平上皮細胞癌;基底癌;唾液腺癌、例えば、限定されないが、腺癌、粘液性類表皮癌、及び腺様嚢胞癌;咽頭癌、例えば、限定されないが、扁平上皮細胞癌、及び疣状;皮膚癌、例えば、限定されないが、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、及びメラノーマ、表在拡大型メラノーマ、結節性メラノーマ、悪性黒子型メラノーマ、末端性黒子性メラノーマ;腎臓癌、例えば、限定されないが、腎細胞癌、腺癌、副腎腫、線維肉腫、移行細胞癌(腎盂及び/又は尿管);ウィルムス腫瘍;膀胱癌、例えば、限定されないが、移行細胞癌、扁平上皮細胞癌、腺癌、癌肉腫が挙げられる。さらに、癌としては、粘液肉腫、骨肉腫(osteogenic sarcoma)、内皮肉腫、リンパ管内皮肉腫、中皮腫、滑膜腫、血管芽腫、上皮癌、嚢胞腺癌、気管支癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、及び乳頭腺癌が挙げられる(そのような障害の総説については、Fishmanらの文献、1985、医学(Medicine)、第2版、J.B. Lippincott社、Philadelphia及びMurphyらの文献、1997、インフォームド・ディシジョン:癌の診断、治療、及び回復の完全本(Informed Decisions: The Complete Book of Cancer Diagnosis, Treatment, and Recovery)、Viking Penguin, Penguin Books U.S.A.社, United States of Americaを参照されたい)。
他の癌又は他の異常増殖性疾患としては、以下のもの:膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、胃、頸部、甲状腺、及び皮膚の癌を含む、癌;扁平上皮細胞癌を含む;白血病、急性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫を含む、リンパ球系の造血系腫瘍;急性及び慢性の骨髄性白血病及び前骨髄球性白血病を含む、骨髄球系の造血系腫瘍;線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む、間葉起源の腫瘍;メラノーマ、精上皮腫、奇形腫、神経芽腫、及び神経膠腫を含む、他の腫瘍;星細胞腫、神経芽腫、神経膠腫、及び神経鞘腫を含む、中枢及び末梢神経系の腫瘍;線維肉腫、横紋筋肉腫、及び骨肉腫を含む、間葉起源の腫瘍;並びにメラノーマ、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、濾胞性甲状腺癌、及び奇形腫を含む、他の腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。アポトーシスの異常と関連する癌も含まれ、これは、濾胞性リンパ腫、p53突然変異を有する癌、乳房、前立腺、及び卵巣のホルモン依存性腫瘍、並びに前癌病変、例えば、家族性腺腫性ポリポーシス、並びに骨髄異形成症候群に限定されない。具体的な実施態様において、悪性腫瘍もしくは異常増殖性変化(例えば、化生及び異形成)、又は皮膚、肺、肝臓、骨、脳、胃、結腸、乳房、前立腺、膀胱、腎臓、膵臓、卵巣、及び/もしくは子宮の過剰増殖性障害が本発明に包含される。
白血病及び他の血行性癌の非限定的な例としては、急性リンパ芽球性白血病「ALL」、急性リンパ芽球性B細胞白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、急性骨髄芽球性白血病「AML」、急性前骨髄球性白血病「APL」、急性単芽球性白血病、急性赤白血病白血病、急性巨核芽球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性非リンパ球性白血病、急性未分化白血病、慢性骨髄球性白血病「CML」、慢性リンパ球性白血病「CLL」、及び有毛細胞白血病が挙げられる。
リンパ腫の非限定的な例としては、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、及び真性赤血球増加症が挙げられる。
本発明に包含される固形腫瘍の非限定的な例としては、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、結腸直腸癌、腎臓癌、膵癌、骨癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、食道癌、胃癌、口腔癌、鼻腔癌、咽喉癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝癌、胆管癌、絨毛腫、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、小細胞肺癌、膀胱癌、肺癌、上皮癌、神経膠腫、多形性膠芽腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起膠腫、髄膜腫、皮膚癌、メラノーマ、神経芽腫、及び網膜芽腫が挙げられるが、これらに限定されない。
(5.2.1 脳癌)
具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法は、脳癌の予防、治療、及び/又は管理において使用することができる。ある実施態様において、そのような方法は、本明細書に記載の方法に従って治療されている脳癌を有する対象における癌幹細胞のレベルをモニタリングする工程を含み、例えば、該対象は、EphA2に基づく癌療法、すなわち、EphA2ペプチド、又はEphA2を特異的に標的とする(例えば、EphA2発現癌幹細胞上に存在するEphA2を標的とする)化合物(例えば、抗体)を投与されている。
別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法は、脳癌の予防、治療、及び/又は管理において使用することができる。ある実施態様において、そのような方法は、本明細書に記載の方法に従って治療されている脳癌を有する対象における癌幹細胞のレベルをモニタリングする工程を含み、例えば、該対象は、IL-13Rα2に基づく癌療法、すなわち、IL-13Rα2ペプチド、又はIL-13Rα2を特異的に標的とする(例えば、IL-13Rα2発現癌幹細胞上に存在するIL-13Rα2を標的とする)化合物(例えば、抗体)を投与されている。
任意のタイプの脳癌を本明細書に記載の方法に従って治療することができる。例示的な脳癌としては、神経膠腫(星細胞腫(例えば、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、及び未分化星細胞腫)、膠芽腫、希突起膠腫、脳幹神経膠腫、非脳幹神経膠腫、上衣腫、並びに2種以上のグリア細胞型を含む混合腫瘍を含む)、聴神経鞘腫、頭蓋咽頭腫、髄膜腫、髄芽腫、原発性中枢神経系リンパ腫、並びに松果体の腫瘍(例えば、松果体星細胞腫及び松果体実質腫瘍)並びに下垂体の腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。神経膠腫としてはさらに、再発性悪性神経膠腫、高リスクWHOグレードII星細胞腫、乏突起星細胞腫、再発性WHOグレードII神経膠腫、新たに診断された悪性又は内因性脳幹神経膠腫、不完全に切除された非脳幹神経膠腫、及び再発性の切除不能な低悪性度神経膠腫が挙げられる。本明細書に記載の方法に従って治療することができるさらなるタイプの脳癌としては、成人低悪性度浸潤性テント上星細胞腫/希突起膠腫、成人低悪性度浸潤性テント上星細胞腫、成人低悪性度浸潤性テント上希突起膠腫、成人低悪性度浸潤性テント上星細胞腫/希突起膠腫(毛様細胞性星細胞腫を除く)、成人低悪性度浸潤性テント上星細胞腫(毛様細胞性星細胞腫を除く)、成人低悪性度浸潤性テント上希突起膠腫(毛様細胞性星細胞腫を除く)、成人頭蓋内上衣腫、成人頭蓋内上衣腫(上衣下腫及び粘液乳頭状を除く)、成人頭蓋内未分化上衣腫、未分化神経膠腫、未分化膠芽腫、毛様細胞性星細胞腫、上衣下腫、粘液乳頭状、1〜3個の限定された転移性病変(実質内)、3個よりも多い転移性病変(実質内)、軟膜転移(新生物性髄膜炎)、原発性CNSリンパ腫、転移性脊椎腫瘍、又は髄膜腫が挙げられる。
一実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、神経膠腫である。具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、再発性悪性神経膠腫である。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、再発性WHOグレードII神経膠腫である。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、新たに診断された悪性又は内因性脳幹神経膠腫である。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、不完全に切除された非脳幹性神経膠腫である。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、再発性の切除不能な低悪性度神経膠腫である。
一実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される患者は、再発性悪性神経膠腫、再発性膠芽腫、未分化星細胞腫、未分化希突起膠腫、又は退形成性混合型乏突起星細胞腫を有する成人である。別の実施態様において、該患者は、新たに診断された高リスク低悪性度神経膠腫を有する成人である。別の実施態様において、該患者は、新たに診断された高リスク低悪性度星細胞腫を有する成人である。別の実施態様において、該患者は、新たに診断された高リスク低悪性度乏突起星細胞腫を有する成人である。別の実施態様において、該患者は、再発性高リスク低悪性度星細胞腫を有する成人である。別の実施態様において、該患者は、再発性高リスク低悪性度乏突起星細胞腫を有する成人である。別の実施態様において、該患者は、再発性高リスク低悪性度希突起膠腫を有する成人である。別の実施態様において、該患者は、新たに診断された悪性神経膠腫を有する小児である。別の実施態様において、該患者は、内因性脳幹神経膠腫を有する小児である。別の実施態様において、該患者は、不完全に切除された非脳幹性高悪性度神経膠腫を有する小児である。別の実施態様において、該患者は、再発性の切除不能な低悪性度神経膠腫を有する小児である。別の実施態様において、該患者は、新たに診断されたびまん性内因性橋膠腫を有する小児である。別の実施態様において、該患者は、脳幹を侵す任意の高悪性度神経膠腫を有し、かつRTで処置されたか、又はRT中に化学療法なしで処置された小児である。別の実施態様において、該患者は、化学療法とともにRTで処置された、新たに診断された非脳幹性高悪性度神経膠腫を有する小児である。別の実施態様において、該患者は、化学療法なしでRTで処置された、新たに診断された非脳幹性高悪性度神経膠腫を有する小児である。別の実施態様において、該患者は、治療後に再発した再発性非脳幹性高悪性度神経膠腫を有する小児である。
別の実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、星細胞腫である。具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、高リスクWHOグレードII星細胞腫である。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される脳癌は、乏突起星細胞腫である。
(5.3 ペプチド)
(5.3.1 EphA2に由来するペプチド)
EphA2は、エフリンA1との相互作用を介して脊索の形成に関与するチロシンキナーゼ受容体である。(例えば、Naruse-Nakajimaらの文献、Mech. Dev., 102: 95-105, 2001を参照されたい)。
HLA-A2拘束性細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エピトープとしての役割を果たすことができる任意のEphA2ペプチドを本明細書に記載のものに従って使用することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載のワクチン中で使用されるEphA2ペプチドは、配列番号1を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に記載のワクチン中で使用されるEphA2ペプチドは、配列番号1からなる。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って使用されるEphA2ペプチドは、突然変異型のEphA2ペプチド、例えば、突然変異型の配列番号1を含み、ここで、該突然変異型は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つのアミノ酸置換(例えば、保存的置換)、付加、又は欠失を含む。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って使用されるEphA2ペプチドは、配列番号1との少なくとも50%、60%、70%、80%、又は90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施態様において、本明細書に記載の方法に従って使用されるEphA2ペプチドは、配列番号1との少なくとも50%〜60%、50%〜70%、60%〜70%、70%〜80%、70%〜90%、又は80%〜90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って使用されるEphA2ペプチドは、配列番号1との少なくとも50%、60%、70%、80%、又は90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施態様において、本明細書に記載の方法に従って使用されるEphA2ペプチドは、配列番号1との少なくとも50%〜60%、50%〜70%、60%〜70%、70%〜80%、70%〜90%、又は80%〜90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って使用されるEphA2ペプチドは、配列番号1を含むものでも、配列番号1からなるものでもなく、すなわち、EphA2ペプチドは、配列番号1とは異なるEphA2の部分に由来する。
(5.3.2 IL-13Rα2に由来するペプチド)
IL-13Rα2は、単球及びマクロファージを誘導してTGFβを産生するTh2サイトカインであるIL-13に、ヘテロ二量体の構成要素として結合する膜糖タンパク質である(例えば、Fichtner-Feiglらの文献、Nat. Med., 12: 99-106, 2006を参照されたい)。
HLA-A2拘束性細胞傷害性Tリンパ球(CTL)エピトープとしての役割を果たすことができる任意のIL-13Rα2ペプチドを本明細書に記載のワクチン中で使用することができる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って使用されるIL-13Rα2ペプチドは、配列番号2〜5のいずれか1つを含む。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載のワクチン中で使用されるIL-13Rα2ペプチドは、突然変異型の配列番号2を含み、ここで、該突然変異型の配列番号2は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は少なくとも3つのアミノ酸置換(例えば、保存的置換)、付加、又は欠失を含む。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載のワクチン中で使用されるIL-13Rα2ペプチドは、配列番号2との少なくとも50%、60%、70%、80%、又は90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施態様において、本明細書に記載のワクチン中で使用されるIL-13Rα2ペプチドは、配列番号2との少なくとも50%〜60%、50%〜70%、60%〜70%、70%〜80%、70%〜90%、又は80%〜90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、本明細書に記載のワクチン中で使用されるIL-13Rα2ペプチドは、配列番号2との少なくとも50%、60%、70%、80%、又は90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。他の実施態様において、本明細書に記載のワクチン中で使用されるIL-13Rα2ペプチドは、配列番号2との少なくとも50%〜60%、50%〜70%、60%〜70%、70%〜80%、70%〜90%、又は80%〜90%の類似性を有するアミノ酸配列を含む。
(5.4 免疫応答修飾物質)
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド並びにそれらの組成物は、免疫応答修飾物質と並行して投与される。免疫応答修飾物質には、対象の免疫応答を修飾することができる薬剤が含まれる。いくつかの実施態様において、免疫応答修飾物質は、対象の免疫応答をTh1応答の方に偏らせる。他の実施態様において、免疫応答修飾物質は、対象の免疫応答をTh2応答の方に偏らせる。具体的な実施態様において、免疫応答修飾物質は、TLR3などのtoll様受容体(TLR)に結合する。本明細書に提供されるEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドと並行して投与することができる例示的な免疫応答修飾物質としては、限定するものではないが、ポリリジン及びカルボキシメチルセルロースで安定化されたポリイノシン酸-ポリシチジル酸(ポリ-ICLC;別名、Hiltonol)、イミキモド(Aldara(登録商標); Beselna(登録商標))、並びにMIS-416(Innate Therapeutics)が挙げられる。
(5.5 アジュバント)
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドは、アジュバントと並行して投与される。いくつかの実施態様において、「アジュバント」という用語は、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチドと並行して、又はこれらと同じ組成物中で投与されたときに、ILEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドに対する免疫応答を強化し、加速させ、延長し、増強し、及び/又は亢進する薬剤を指す。いくつかの実施態様において、アジュバントは、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドに対する免疫応答を生成させ、アレルギーも、他の有害反応も生じさせない。アジュバントは、例えば、リンパ球の動員、B及び/又はT細胞の刺激、樹状細胞の刺激、並びにマクロファージの刺激を含む、いくつかの機構によって、免疫応答を増強することができる。
アジュバントの具体的な例としては、Montanide ISA-51、Montanide ISA 50V、Montanide, ISA 206、Montanide IMS 1312、VaxImmune(登録商標)(CpG7909; Coley Pharmaceuticals)、アルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、及び硫酸アルミニウム)、3 De-O-アシル化モノホスホリル脂質A(MPL)(GB 2220211を参照)、MF59(Novartis)、AS03(GlaxoSmithKline)、AS04(GlaxoSmithKline)、ポリソルベート80(Tween 80; ICL Americas社)、イミダゾピリジン化合物(国際公開WO2007/109812号として公開された国際出願PCT/US2007/064857号を参照)、イミダゾキノキサリン化合物(国際公開WO2007/109813号として公開された国際出願PCT/US2007/064858を参照)、並びにサポニン、例えば、QS21(ワクチン設計:サブユニット及びアジュバントアプローチ(Vaccine Design: The Subunit and Adjuvant Approach)(Powell & Newman編、Plenum Press, NY, 1995)中のKensilらの文献;米国特許第5,057,540号を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、アジュバントは、フロイントアジュバント(完全又は不完全)である。他のアジュバントは、モノホスホリル脂質Aなどの免疫刺激物質と任意に組み合わせた水中油型エマルジョン(例えば、スクアレン又はピーナッツ油)である(Stouteらの文献、N. Engl. J. Med. 336, 86-91(1997)を参照されたい)。別のアジュバントは、CpGである(Bioworld Today, Nov. 15, 1998)。そのようなアジュバントは、他の特定の免疫刺激剤、例えば、MPLもしくは3-DMP、QS21、ポリマーもしくはモノマーアミノ酸、例えば、ポリグルタミン酸もしくはポリリジン、又は他の免疫増強剤とともに、或いはこれらなしで使用することができる。EphA2ペプチドの異なる製剤は、異なるアジュバントを含み得るか、又は同じアジュバントを含み得ることが理解されるべきである。
(5.6 ヘルパーT細胞エピトープ)
いくつかの実施態様において、本明細書に提供されるEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドは、ヘルパーT細胞エピトープと並行して投与される。ヘルパーT細胞エピトープには、免疫系によるヘルパーT細胞応答を誘導することができる薬剤が含まれる。ヘルパーT細胞は、CD4+ T細胞である。いくつかの実施態様において、ヘルパーT細胞エピトープは、クラスII MHC分子によって提示され、ヘルパーT細胞(CD4+ T細胞)のT細胞受容体(TCR)によって認識され、それにより、CD4+ T細胞を活性化し、それらを増殖させ、IL2などのサイトカインを分泌し、プロフェッショナル抗原提示細胞を活性化することができる。種々の機構を通じて、活性化ヘルパーT細胞は、キラーT細胞(別名、CD8+ T細胞)も刺激し、それにより、CD8+ T細胞応答を延長し、それを増大させる。本明細書に提供されるEphA2ペプチドと並行して投与される例示的なヘルパーT細胞エピトープとしては、限定するものではないが、PADRE(例えば、Alexanderらの文献、Immunity, 1:751-761, 1994を参照)、HBVコア128-140、及び破傷風トキソイドが挙げられる。
(5.7 epha2ペプチドの産生及び精製)
本明細書に記載のEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドは、標準的な組換えDNA技術によるか、又はタンパク質合成技術によって、例えば、ペプチド合成装置の使用によって作製することができる。例えば、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドをコードする核酸分子は、自動DNA合成装置を含む従来の技術によって合成することができる。別の例として、本明細書に記載のEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドは、従来の段階的な溶液又は固相合成(例えば、ペプチド及びタンパク質の合成の化学的手法(Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins)、Williamsら編、1997、CRC Press, Boca Raton Fla.、並びにその中で引用されている参考文献;固相ペプチド合成:実践的アプローチ(Solid Phase Peptide Synthesis: A Practical Approach)、Atherton & Sheppard編、1989、IRL Press, Oxford, England、並びにその中で引用されている参考文献を参照)を使用するか、又はセグメント縮合(例えば、Liuらの文献、1996、Tetrahedron Lett. 37(7):933-936; Bacaらの文献、1995、J. Am. Chem. Soc. 117:1881-1887; Tamらの文献、1995、Int. J. Peptide Protein Res. 45:209-216; Schnolzer及びKentの文献、1992、Science 256:221-225; Liu及びTamの文献、1994、J. Am. Chem. Soc. 116(10):4149-4153; Liu及びTamの文献、1994、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:6584-6588; Yamashiro及びLiの文献、1988、Int. J. Peptide Protein Res. 31:322-334を参照)の使用によって作製することができる。
本明細書に記載のEphA2又はIL-13Rα2ペプチドは、当業者に利用可能な任意の情報から(すなわち、Genbank、文献から、又はルーチンのクローニングによって)得ることができる。EphA2又はIL-13Rα2ペプチドをコードするヌクレオチド配列は、適切な発現ベクター、すなわち、挿入タンパク質をコードする配列の転写及び翻訳のための必要なエレメントを含有するベクターに挿入することができる。種々の宿主ベクター系を利用して、タンパク質コード配列を発現することができる。これらには、ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルスなど)に感染させた哺乳動物細胞系;ウイルス(例えば、バキュロウイルス)に感染させた昆虫細胞系;微生物、例えば、酵母ベクターを含有する酵母(例えば、ピキア(Pichia));又はバクテリオファージ、DNA、プラスミドDNA、もしくはコスミドDNAで形質転換された細菌(例えば、大腸菌(E. coli))が含まれるが、これらに限定されない。ベクターの発現エレメントは、その強度及び特異性が異なる。利用される宿主ベクター系に応じて、いくつかの好適な転写及び翻訳エレメントのいずれか1つを使用することができる。具体的な実施態様において、ペプチドは、大腸菌で発現される。別の具体的な実施態様において、ペプチドは、ピキアで発現される。
EphA2又はIL-13Rα2ペプチドを、組換え発現によるか、又は化学合成によって産生させたら、それを、タンパク質の精製について当技術分野で公知の任意の方法によって、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、特に、プロテインA後の特異的抗原に対する親和性によるもの、及びサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、示差溶解度によるか、又はタンパク質の精製についての任意の他の標準的な技術によって精製することができる。
(5.8 医薬組成物及び投与経路)
本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の方法において使用するためのEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む医薬組成物である。ある実施態様において、本明細書に提供される組成物は、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド、並びに1以上の追加のペプチド又は薬剤を含む。ある実施態様において、本明細書に提供される組成物は、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド、並びにヘルパーT細胞エピトープ、アジュバント、及び/又は免疫応答修飾物質を含む。本明細書に提供される医薬組成物は、動物及び/又はヒトへの投与に好適である。
本明細書に提供される医薬組成物は、該組成物が対象に投与されるのを可能にする任意の形態にあることができ、該対象は、好ましくは、ヒト、哺乳動物、又は非ヒト動物、例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、家禽、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモットなどを含むが、これらに限定されない、動物であり、より好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトである。
具体的な実施態様において、本明細書に提供される組成物は、液体(例えば、エリキシル、シロップ、溶液、エマルジョン、又は懸濁液)の形態にある。本明細書に提供される液体組成物の典型的な投与経路としては、限定するものではないが、非経口、皮内、腫瘍内、大脳内、及び髄腔内を挙げることができる。非経口投与としては、限定するものではないが、皮下、節内、静脈内、筋肉内、腹腔内、及び胸腔内投与技術が挙げられる。具体的な実施態様において、該組成物は、非経口投与される。注射による投与のための組成物中に、界面活性剤、防腐剤、湿潤剤、分散剤、懸濁化剤、緩衝剤、安定剤、及び等張剤のうちの1つ又は複数を含めることができる。具体的な実施態様において、ポンプを用いて、ワクチンを送達することができる(例えば、Seftonの文献、CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 1987, 14, 201; Buchwaldらの文献、Surgery 1980, 88: 507; Saudekらの文献、N. Engl. J. Med. 1989, 321: 574を参照されたい)。具体的な実施態様において、ポンプは、インスリン様ポンプであってもよいが、これに限定されない。
本明細書に提供される医薬組成物を調製する際に使用される材料は、使用される量で無毒であることができる。医薬組成物中の活性成分(複数可)の最適な投薬量は種々の因子によって決まることが当業者には明らかであり得る。関連する因子としては、限定するものではないが、対象(例えば、ヒト)のタイプ、対象の健康全般、その治療を必要としている対象の癌のタイプ、多剤レジメンの一部としての組成物の使用、投与されているペプチドの特定の形態、投与の様式、及び利用される組成物が挙げられる。
本明細書に提供される液体組成物は、それらが溶液であるか、懸濁液であるか、又は他の同様の形態であるかを問わず、以下のもの:滅菌希釈剤、例えば、注射用水、食塩水溶液、好ましくは生理食塩水、リンガー溶液、等張塩化ナトリウム、固定油、例えば、溶媒もしくは懸濁化媒体としての役割を果たすことができる合成モノグリセリドもしくはジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、シクロデキストリン、プロピレングリコール、又は他の溶媒;抗菌剤、例えば、ベンジルアルコール又はメチルパラベン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウム;キレート化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸;緩衝剤、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、又はリン酸塩;及び張性の調整用の薬剤、例えば、塩化ナトリウム又はデキストロースのうちの1つ又は複数を含むこともできる。非経口組成物は、アンプル、使い捨て注射器、又はガラス、プラスチック、もしくは他の材料でできた複数用量バイアルに封入することができる。注射用組成物は、好ましくは、滅菌されている。
本明細書に提供される組成物は、医薬として許容し得る担体又はビヒクルを含むことができる。本明細書で使用されるように、「医薬として許容し得る」という用語は、動物、より具体的にはヒトでの使用について、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって承認されているか、又は米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に記載されていることを意味する。「担体」という用語は、医薬組成物がそれとともに投与される、希釈剤、アジュバント、賦形剤、又はビヒクルを指す。食塩水溶液及び水性デキストロース溶液及びグリセロール溶液を、特に注射用溶液のための液体担体として利用することもできる。好適な賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。好適な医薬担体の例は、E. W. Martin著、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」に記載されている。製剤は、投与様式に適するべきである。
一実施態様において、本明細書に提供される組成物は、動物、特に、人間への非経口投与に適した医薬組成物としてルーチンの手順に従って製剤化される。一般に、該組成物中の成分は、別々に、又は単位投薬量形態で一緒に混合されて、例えば、活性剤の分量を示すアンプルもしくは小袋などの密閉容器中の乾燥した凍結乾燥粉末もしくは水を含まない濃縮物として供給される。本明細書に記載の組成物が注射によって投与される場合、成分を、必要に応じて、投与前に混合することができるように、滅菌注射用水又は食塩水のアンプルを提供することができる。
本明細書に記載の組成物は、限定されないが、さらなる予防剤、さらなる治療剤、制吐剤、造血コロニー刺激因子、アジュバント療法、抗体/抗体断片に基づく薬剤、抗鬱剤、及び鎮痛剤を含むものの中から選択されるさらなる活性剤を含むことができる。具体的な実施態様において、さらなる活性剤は、第二のEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド(すなわち、組成物の主成分を形成するものとは異なるEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド)である。具体的な実施態様において、さらなる活性剤は、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドではない第二のペプチドである。
本明細書に提供される医薬組成物は、医薬技術分野で周知の方法を用いて調製することができる。例えば、注射によって投与されることが意図される組成物は、溶液を形成するように、本明細書に記載のEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを水及び/又は他の液体成分と組み合わせることによって調製することができる。界面活性剤を添加して、均一な溶液又は懸濁液の形成を容易にすることができる。
本明細書に記載の医薬組成物は、投与のための説明書と一緒に、容器、パック、又はディスペンサーに含めることができる。
(5.8.1 投薬量及び投与頻度)
癌の治療、予防、及び又は管理において有効である本明細書に記載の組成物(例えば、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む組成物;EphA2ペプチド及びIL-13Rα2ペプチドを含む組成物、並びにEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチド並びにアジュバントとしてのヘルパーT細胞エピトープを含む組成物)の量は、癌の状態、組成物(複数可)が投与されることになる患者、投与の経路、及び/又は癌のタイプによって決まり得る。そのような用量は、標準的な臨床技術によって決定されることができ、かつ医師の判断に従って決定されることができる。
例えば、有効用量は、投与の手段、標的部位、患者の生理的状態(年齢、体重、健康を含む)、患者がヒトであるか、それとも動物であるかということ、投与される他の医薬、及び治療が予防的なものであるか、それとも治療的なものであるかということによって異なり得る。通常、患者はヒトであるが、トランスジェニック哺乳動物を含む非ヒト哺乳動物を治療することもできる。治療投薬量は、安全性及び効力を最適化するように最適に漸増される。
ある実施態様において、インビトロアッセイを利用して、最適な投薬量範囲の同定を助けることができる。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験系から得られる用量応答曲線から推定することができる。
ある実施態様において、組成物は、用量当たり、約25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、550、600、650、700、750、又は800μgのEphA2ペプチドを含む。他の実施態様において、組成物は、用量当たり、約25〜50、25〜75、25〜100、50〜100、50〜150、50〜200、100〜150、100〜200、100〜250、100〜300、150〜200、150〜250、150〜300、200〜250、250〜300、250〜350、250〜400、300〜350、300〜400、300〜450、300〜500、350〜400、350〜450、400〜500、400〜600、500〜600、500〜700、600〜700、600〜800、又は700〜800μgのEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む。他の実施態様において、組成物は、患者のキログラム当たり、約5μg〜100mg、15μg〜50mg、15μg〜25mg、15μg〜10mg、15μg〜5mg、15μg〜1mg、15μg〜100μg、15μg〜75μg、5μg〜50μg、10μg〜50μg、15μg〜45μg、20μg〜40μg、又は25〜35μgのEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む。
ある実施態様において、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む組成物は、ヘルパーT細胞エピトープと並行して投与される。いくつかの実施態様において、そのような組成物は、約25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、550、又は600μgのヘルパーT細胞エピトープと並行して投与される。他の実施態様において、そのような組成物は、約25〜50、25〜75、25〜100、50〜100、50〜150、50〜200、100〜150、100〜200、100〜250、100〜300、150〜200、150〜250、150〜300、200〜250、250〜300、250〜350、250〜400、300〜350、300〜400、300〜450、300〜500、350〜400、350〜450、400〜500、400〜600、又は500〜600μgのヘルパーT細胞エピトープと並行して投与される。
ある実施態様において、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む組成物は、免疫応答修飾物質、例えば、約100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、もしくは1800μgの免疫応答修飾物質;又は約100〜300、200〜400、400〜800、600〜800、800〜1000、800〜1200、1000〜1200、1000〜1400、1200〜1400、1200〜1600、1400〜1600、1400〜1800、もしくは1600〜1800μgの免疫応答修飾物質と並行して投与される。
ある実施態様において、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む組成物は、アジュバントと並行して投与される。いくつかの実施態様において、EphA2ペプチドを含む組成物は、0.5:1、1:0.5、1:1、1:2、1:3、2:1、又は3:1でアジュバントと混合される。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物は、単一用量として1回、対象に投与される。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の組成物は、複数用量(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は10よりも多い用量)で投与され、その場合、投与は、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、15日、又は30日の間隔を空けることができる。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の組成物は、21週にわたって投与され、投与は、第0週、第3週、第6週、第9週、第12週、第15週、第18週、及び第21週に行われる。ある実施態様において、該組成物は、ヘルパーT細胞エピトープ、アジュバント、及び/又は免疫応答修飾物質と並行して投与される。具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物は、21週にわたって投与され、投与は、第0週、第3週、第6週、第9週、第12週、第15週、第18週、及び第21週に行われ、該組成物は、免疫応答修飾物質と並行して投与され、ここで、該免疫応答修飾物質は、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む組成物の各投与日に、並びにEphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む組成物の各投与後4日目に投与される。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物は、21週にわたって投与され、投与は、第0週、第3週、第6週、第9週、第12週、第15週、第18週、及び第21週に行われ、該組成物は、免疫応答修飾物質と並行して投与され、ここで、該免疫応答修飾物質は、EphA2及び/又はIL-13Rα2ペプチドを含む組成物の各投与日に投与される。
(5.8.2 患者集団)
ある実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、ナイーブ対象、すなわち、癌を有していない対象に投与することができる。一実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、癌に罹るリスクのあるナイーブ対象に投与される。
ある実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、癌と診断された患者に投与される。いくつかの実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、症状が発現するか、又は症状が重くなる前に、癌患者に投与される。具体的な実施態様において、癌は、脳癌である。
ある実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、癌の治療、予防、及び/又は管理を必要としている患者に投与される。そのような対象は、以前に癌治療を受けたことがあっても、受けたことがなくてもよく、又は寛解期にあっても、再発していてもよく、又は治療に失敗したことがあってもよい。そのような患者はまた、異常な細胞遺伝学的性質(cytogenetics)を有していてもよい。
具体的な実施態様において、対象は、限定されないが、神経学的検査;イメージング法(例えば、コンピュータ断層撮影法(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、超音波検査、X線イメージング、流体減衰反転回復(FLAIR)シーケンス、T2加重イメージング、及び陽電子放出断層撮影(PET)スキャン);並びに生検(例えば、定位生検)を含む、当業者に公知の技術を用いて癌と診断されている。療法に対する腫瘍応答は、McDonald基準、又は神経腫瘍学(RANO)基準における応答評価によって評価することができる。腫瘍のサイズ又は治療に対する応答は、拡散加重イメージング、灌流加重イメージング、動的造影T1透過性イメージング、動的感受性造影、拡散テンソルイメージング、及び磁気共鳴分光法、解剖学的MRI T2加重画像、流体減衰反転回復(FLAIR)T2加重画像、並びにガドリニウム増強T1加重画像を含む、様々な磁気共鳴イメージング技術によって評価することができる。これらのイメージング技術を用いて、腫瘍細胞充実度、白質浸潤、低酸素症及び壊死を含む代謝異常、新生毛細血管血液量、又は透過性を評価することができる。陽電子放出断層撮影(PET)技術、例えば、18F-フルオロミソニダゾールPET及び3'-デオキシ-3'-18F-フルオロチミジンPETを用いて、腫瘍応答をイメージングすることもできる。
いくつかの実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、脳癌からの寛解期にある対象に投与される。具体的な実施態様において、該対象は、検出可能な脳癌を有さず、すなわち、脳癌は、本明細書に記載の従来法(例えば、MRI)又は当業者に公知の従来法を用いて検出されない。
一実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、神経膠腫と診断された対象に投与される。具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、星細胞腫(例えば、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、及び未分化星細胞腫)と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、膠芽腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、希突起膠腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、脳幹神経膠腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、上衣腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、2種以上のグリア細胞型を含む混合腫瘍と診断された対象に投与される。
具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、再発性悪性神経膠腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、高リスクWHOグレードII星細胞腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、希突起星細胞腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、再発性WHOグレードII神経膠腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、新たに診断された悪性又は内因性脳幹神経膠腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、不完全に切除された非脳幹神経膠腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、再発性の切除不能な低悪性度神経膠腫と診断された対象に投与される。
具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、聴神経鞘腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、頭蓋咽頭腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、髄膜腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、髄芽腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、原発性中枢神経系リンパ腫と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、松果腺の腫瘍(例えば、松果体星細胞腫又は松果体実質腫瘍)と診断された対象に投与される。別の具体的な実施態様において、EphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物は、下垂体の腫瘍と診断された対象に投与される。
(5.8.3 併用療法)
ある実施態様において、癌を予防、治療、及び/又は管理するための本明細書に提供される方法は、それを必要としている患者(例えば、ヒト患者)に、予防的及び/又は治療的に有効なレジメンを投与することを含み、該レジメンは、該患者に、本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物並びに1以上の追加の療法を投与することを含む。本明細書に記載のEphA2ペプチド又はその組成物及び追加の療法は、別々に、並行して、又は順次投与することができる。併用療法は、相加的又は相乗的に作用することができる。具体的な実施態様において、本明細書に提供される併用療法は、EphA2ペプチド及びIL-13Rα2を含む。
併用療法は、同じ医薬組成物中で対象に投与することができる。或いは、併用療法は、別々の医薬組成物中で並行して対象に投与することができる。併用療法は、同じ又は異なる投与経路によって対象に投与することができる。
癌(例えば、脳癌)の予防、治療、及び/又は管理に有用であるか、それに使用されてきたか、又は現在それに使用されている任意の療法(例えば、治療剤又は予防剤)は、本明細書に記載の方法において、本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又は組成物と組み合わせて使用することができる。療法は、ペプチド、ポリペプチド、抗体、コンジュゲート、核酸分子、小分子、模倣剤、合成薬物、無機分子、及び有機分子を含むが、これらに限定されない。癌療法の非限定的な例としては、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、外科手術、小分子療法、抗血管新生療法、分化療法、エピジェネティック療法、放射免疫療法、標的療法、及び/又は免疫療法を含む生物療法が挙げられる。ある実施態様において、本発明の予防的及び/又は治療的に有効なレジメンは、療法の組合せの投与を含む。
本明細書に記載の方法に従って本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物と組み合わせて使用することができる癌療法の例としては:アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール;アントラサイクリン;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン(Vidaza);アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ジメシル酸ビスナフィド;ビスホスホネート(例えば、パミドロネート(Aredria)、ナトリウムクロンドロネート(sodium clondronate)(Bonefos)、ゾレドロン酸(Zometa)、アレンドロネート(Fosamax)、エチドロネート、イバンドルネート、シマドロネート、リセドロメート、及びチルドロメート);ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナールナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン;セデフィンゴール;クロラムブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン(Ara-C);ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン(Dacogen);脱メチル化剤、デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジコン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;EphA2阻害剤;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エルブロゾール;塩化エソルビシン;エストラムスチン;リン酸エストラムスチンナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(HDAC)、塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イルモホシン;メシル酸イマチニブ(Gleevec、Glivec);インターロイキンII(組換えインターロイキンII、すなわち、rIL2を含む)、インターフェロンα-2a;インターフェロンα-2b;インターフェロンα-n1;インターフェロンα-n3;インターフェロンβ-Ia;インターフェロンγ-Ib;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;酢酸ランレオチド;レナリドマイド(Revlimid);レトロゾール;酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;抗CD2抗体(例えば、シプリズマブ(MedImmune社;その全体が引用により本明細書中に組み込まれている、国際公開WO 02/098370号));酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシン;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキサリプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;ピューロマイシン;塩酸ピューロマイシン;ピラゾフリン;リボプリン;ログレチミド;サフィンゴール;塩酸サフィンゴール;セムスチン;シムトラゼン;スパルホセートナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;塩酸ゾルビシンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載の方法に従って本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物と組み合わせて使用することができる癌療法の他の例としては:20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドクス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリクス;抗背方化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン薬、前立腺癌;抗エストロゲン薬;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子モジュレーター;アポトーシス調節因子;アプリン酸;ara-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリニン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフレート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシイミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カナリア痘IL-2;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリクス;クロルンス(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;cis-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クラムベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスフェート;細胞溶解因子;サイトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジコン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;ジヒドロタキソール、ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフール;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;塩酸フルオロダウノルニシン;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリクス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;HMG CoA還元酵素阻害剤(例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、レスコール、ルピトール、ロバスタチン、ロスバスタチン、及びシンバスタチン);ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イミダゾアクリドン;イミキモド;免疫刺激ペプチド;インスリン様成長因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;イオベングアン;ヨードドキソルビシン;イポメアノール、4-イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメラリン-N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトールスタチン;レトロゾール;白血病阻害因子;白血球アルファインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;LFA-3TIP(Biogen, Cambridge, MA;国際公開WO 93/0686号及び米国特許第6,162,432号);リアロゾール;直鎖状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リソクリンアミド7;ロバプラチン;ロムブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロバスタチン;ロキソリビン;ラルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;メイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミスマッチのある二本鎖RNA;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;ミトナフィド;マイトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+マイコバクテリア細胞壁sk;モピダモール;多剤耐性遺伝子阻害剤;多発性腫瘍抑制因子1に基づく療法;マスタード抗癌剤;マイカペルオキシドB;マイコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチプ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;中性エンドペプチダーゼ;ニルタミド;ニサマイシン;酸化窒素モジュレーター;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;ポリ硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;酢酸フェニル;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニル;塩酸ピロカルピン;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインAに基づく免疫モジュレーター;タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻類;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレン抱合体;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;レニウムRe 186エチドロネート;リゾキシン;リボザイム;RIIレチナミド;ログレチミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣薬;セムスチン;老化由来阻害因子1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シグナル伝達モジュレーター;単鎖抗原結合タンパク質;シゾフィラン;ソブゾキサン;ナトリウムボロカプテート;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルフォス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;幹細胞阻害剤;幹細胞分裂阻害剤;スチピアミド;ストロメリシン阻害剤;スルフィノシン;過剰活性型血管作用性腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;合成グリコサミノグリカン;タリムスチン;5-フルオロウラシル;ロイコボリン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テモゾロミド;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン模倣薬;チマルファシン;チモポイエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;全能性幹細胞因子;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキセート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベクター系、赤血球遺伝子療法;サリドマイド;ベラレソル;ベラミン;ベルジンス;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;VITAXIN(商標)(2002年11月14日付けの、「インテグリンαvβ3アンタゴニストを他の予防剤又は治療剤と組み合わせて投与することによって炎症性障害又は自己免疫障害を予防又は治療する方法(Methods of Preventing or Treating Inflammatory or Autoimmune Disorders by Administering Integrin αvβ3 Antagonists in Combination With Other Prophylactic or Therapeutic Agents)」というタイトルの米国特許公報US 2002/0168360 A1号を参照);ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;並びにジノスタチンスチマラマーが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物と組み合わせて使用される療法(複数可)は、免疫調整剤である。免疫調整剤の非限定的な例としては、タンパク質性薬剤、例えば、サイトカイン、ペプチド模倣薬、及び抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fv、ScFv、Fab、もしくはF(ab)2断片、又はエピトープ結合断片)、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子及び三重らせん)、小分子、有機化合物、並びに無機化合物が挙げられる。特に、免疫調整剤としては、メトトレキセート、レフルノミド、シクロホスファミド、サイトキサン、Immuran、シクロスポリンA、ミノサイクリン、アザチオプリン、抗生物質(例えば、FK506(タクロリムス))、メチルプレドニゾロン(MP)、コルチコステロイド、ステロイド、ミコフェノール酸モフェチル、ラパマイシン(シロリムス)、ミゾリビン、デオキシスペルグアリン、ブレキナール、マロノニトリロアミンデ(malononitriloaminde)(例えば、レフルナミド)、T細胞受容体モジュレーター、サイトカイン受容体モジュレーター、及びモジュレーター肥満細胞モジュレーターが挙げられるが、これらに限定されない。免疫調整剤の他の例は、例えば、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている、米国公開2005/0002934 A1号、段落259〜275に見出すことができる。一実施態様において、免疫調整剤は、化学療法剤である。代替の実施態様において、免疫調整剤は、化学療法剤以外の免疫調整剤である。いくつかの実施態様において、本発明に従って使用される療法(複数可)は、免疫調整剤ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物と組み合わせて使用される療法(複数可)は、抗血管新生剤である。抗血管新生剤の非限定的な例としては、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、コンジュゲート、抗体(例えば、ヒト、ヒト化、キメラ、モノクローナル、ポリクローナル、Fv、ScFv、Fab断片、F(ab)2断片、及びそれらの抗原結合断片)、例えば、TNF-αに特異的に結合する抗体、核酸分子(例えば、アンチセンス分子又は三重らせん)、有機分子、無機分子、並びに血管新生を軽減又は阻害する小分子が挙げられる。抗血管新生剤他の例は、例えば、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている、米国公開2005/0002934 A1号、段落277〜282に見出すことができる。好ましい実施態様において、抗血管新生療法は、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))である。他の実施態様において、本発明に従って使用される療法(複数可)は、抗血管新生剤ではない。
いくつかの実施態様において、本明細書に記載の方法に従って本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物と組み合わせて使用される療法(複数可)は、抗炎症剤である。抗炎症剤の非限定的な例としては、当業者に周知の、炎症性障害の療法において有用な薬剤を含む、任意の抗炎症剤が挙げられる。抗炎症剤の非限定的な例としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ステロイド抗炎症薬、抗コリン作動薬(例えば、硫酸アトロピン、硝酸メチルアトロピン、及び臭化イプラトロピウム(ATROVENT(商標)))、β2-アゴニスト(例えば、アブテロール(abuterol)(VENTOLIN(商標)及びPROVENTIL(商標))、ビトルテロール(TORNALATE(商標))、レバルブテロール(XOPONEX(商標))、メタプロテレノール(ALUPENT(商標))、ピルブテロール(MAXAIR(商標))、テルブトライン(terbutlaine)(BRETHAIRE(商標)及びBRETHINE(商標))、アルブテロール(PROVENTIL(商標)、REPETABS(商標)、及びVOLMAX(商標))、ホルモテロール(FORADIL AEROLIZER(商標))、並びにサルメテロール(SEREVENT(商標)及びSEREVENT DISKUS(商標)))、並びにメチルキサンチン(例えば、テオフィリン(UNIPHYL(商標)、THEO-DUR(商標)、SLO-BID(商標)、及びTEHO-42(商標)))が挙げられる。NSAIDの例としては、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ(CELEBREX(商標))、ジクロフェナク(VOLTAREN(商標))、エトドラク(LODINE(商標))、フェノプロフェン(NALFON(商標))、インドメタシン(INDOCIN(商標))、ケトララク(ketoralac)(TORADOL(商標))、オキサプロジン(DAYPRO(商標))、ナブメントン(nabumentone)(RELAFEN(商標))、スリンダク(CLINORIL(商標))、トルメンチン(tolmentin)(TOLECTIN(商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(商標))、ナプロキセン(ALEVE(商標)、NAPROSYN(商標))、ケトプロフェン(ACTRON(商標))、及びナブメトン(RELAFEN(商標))が挙げられるが、これらに限定されない。そのようなNSAIDは、シクロオキシゲナーゼ(cyclooxgenase)酵素(例えば、COX-1及び/又はCOX-2)を阻害することによって機能する。ステロイド性抗炎症薬の例としては、グルココルチコイド、デキサメタゾン(DECADRON(商標))、コルチコステロイド(例えば、メチルプレドニゾロン(MEDROL(商標)))、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン(PREDNISONE(商標)及びDELTASONE(商標))、プレドニゾロン(PRELONE(商標)及びPEDIAPRED(商標))、トリアムシノロン、アザルフィジン、並びにエイコサノイドの阻害剤(例えば、プロスタグランジン、トロンボキサン、及びロイコトリエンが挙げられるが、これらに限定されない。抗炎症剤の他の例は、例えば、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている、米国公開005/0002934 A1号、段落290〜294に見出すことができる。他の実施態様において、本発明に従って使用される療法(複数可)は、抗炎症剤ではない。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法に従って本明細書に記載のEphA2及び/もしくはIL-13Rα2ペプチド又はそれらの組成物と組み合わせて使用される療法(複数可)は、アルキル化剤、ニトロソ尿素、代謝拮抗物質、及びアントラサイクリン、トポイソメラーゼII阻害剤、又は有糸分裂阻害剤である。アルキル化剤としては、ブスルファン、シスプラチン、カルボプラチン、コロルンブシル(cholormbucil)、シクロホスファミド、イホスファミド、デカルバジン(decarbazine)、メクロレタミン、メルファラン、及びテモゾロミドが挙げられるが、これらに限定されない。ニトロソ尿素としては、カルムスチン(BCNU)及びロムスチン(CCNU)が挙げられるが、これらに限定されない。代謝拮抗物質としては、5-フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキセート、ゲムシタビン、シタラビン、及びフルダラビンが挙げられるが、これらに限定されない。アントラサイクリンとしては、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びミトキサントロンが挙げられるが、これらに限定されない。トポイソメラーゼII阻害剤としては、トポテカン、イリノテカン、エトピシド(etopiside)(VP-16)、及びテニポシドが挙げられるが、これらに限定されない。有糸分裂阻害剤としては、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、並びにビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビノレルビン)が挙げられるが、これらに限定されない。
現在利用可能な癌療法、並びにその投薬量、投与経路、及び推奨される使用法は、当技術分野で公知であり、医師の卓上参考書(Physician's Desk Reference)(第60版、2006)のような文献に記載されている。
(6.実施例)
以下の実施例は本発明をさらに説明するものであるが、当然ながら、決してその範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(6.1 実施例1)
この実施例は、EphA2及びIL-13Rα2が癌幹細胞抗原であることを示す。
(6.1.1 材料及び方法)
フローサイトメトリーを脳癌細胞株A-172に対して行い、これらの癌細胞上でのEphA2及びIL-13Rα2の発現を評価した。実験プロトコルには、以下の工程が含まれた。
A-172細胞を解凍し、滅菌条件下、無菌技術を用いて、10cm培養ディッシュにプレーティングした。該A-172細胞を、10%FBSを含むMEM中で成長させた。両細胞株を、加湿空気中、5%CO2にして37℃で成長させた。該A-172細胞を3日毎に1:5で継代した。
実験日に、細胞を1×PBSで1回洗浄し、2mlの0.25%トリプシン-EDTAとともに37℃で3分間インキュベートした。その後、該細胞を穏やかに撹拌しながら組織培養プレートから剥離させ、10mlのDMEMで希釈した。その後、該細胞を50ml円錐チューブに入れ、350×gで5分間遠心分離した。上清を吸引し、細胞を10mlのDMEMに再懸濁させた。50μlの該細胞を等量のトリパンブルーと混合し、混合物を計数用の血球計に慎重に入れた。その後、細胞容積を5×106/mlの濃度になるようにDMEMで調整した。
20本のフローサイトメトリーチューブ(Fisher Scientific)を用意し、100μlの細胞を各々のチューブに添加した(5×105細胞/チューブ)(10本のチューブがA-172細胞を含む)。
20μlのFcブロッキング試薬を各々のチューブに添加し、該チューブを室温で10分間インキュベートした。
下の表1に示した、10μlの各々の抗体を、下の表2に示した記載作業濃度にまで希釈し、各々の適切なチューブに添加した。該チューブを穏やかに撹拌しながら4℃で30分間インキュベートした
。
インキュベーション後、細胞を、300×gで1分間、卓上式の冷蔵微小遠心分離機で遠心分離した。上清を除去し、細胞を氷冷FACSバッファーで3回洗浄した。その後、該細胞を100μlのFACSバッファーに再懸濁させ、10μlの二次抗体を適切なチューブに添加した。該チューブを、暗所で穏やかに撹拌しながら、4℃で30分間インキュベートした。
インキュベーション後、細胞を、300×gで1分間、卓上式の冷蔵微小遠心分離機で遠心分離した。上清を除去し、細胞を氷冷FACSバッファーで3回洗浄した。その後、該細胞を200μlのFACSバッファーに再懸濁させ、FACSCalibur(BD Biosciences)フローサイトメーターで解析した。
(6.1.2 結果)
脳癌において、脳癌幹細胞は、マーカーCD133を用いて同定することができる、すなわち、脳癌幹細胞は、CD133抗原を発現することが知られている(例えば、Singhらの文献、2004、Nature 432:396-401を参照されたく、その開示は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる)。脳癌細胞株A-172の癌幹細胞は、CD133を発現する(例えば、Qiangらの文献、2009、Cancer Letters 271:13-21を参照されたく、その開示は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる)。
図1に示すように、A-172株の細胞は全て、EphA2及びIL-13Rα2について陽性であるが、そのような細胞のごく一部は、CD133についても陽性であった。したがって、このCD133+細胞亜集団は、A-172細胞株の癌幹細胞亜集団を表す。A-172細胞上でのCD133の同じ発現パターンは、その後の二重反復実験で観察された(図6及び7参照)。
図2に示すように、CD133+集団はEphA2の発現についても陽性であり、したがって、EphA2がA-172細胞株から得られる癌幹細胞集団上に存在し、したがって、EphA2が癌幹細胞抗原であることを示している。この事実は、その後の二重反復実験で確認された(図8参照)。さらに、図4に示すように、EphA2は、CD133-と比べてより高いレベルにまでCD133+細胞上で発現していた。
同様に、図2に示すように、A-172細胞株のCD133+集団は、IL-13Rα2の発現についても陽性であり、したがって、IL-13Rα2がA-172細胞株から得られる癌幹細胞集団上に存在し、したがって、IL-13Rα2が癌幹細胞抗原であることを示している。この事実は、その後の二重反復実験で確認された(図8参照)。さらに、図5に示すように、IL-13Rα2は、CD133-と比べてより高いレベルにまでCD133+細胞上で発現していた。
(6.1.3 結論)
これらのデータは、EphA2が癌幹抗原であり、したがって、脳癌などの癌の治療方法において使用することができることを示している。
(等価物:)
本発明は、本明細書に記載の具体的な実施態様によって範囲が限定されるべきではない。実際、記載されているものに加えた本発明の様々な変更が、上述の説明から当業者に明らかであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることが意図される。
様々な出版物、特許、及び特許出願が本明細書に引用されており、その開示は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる。