JP6501650B2 - ヒト抗il−33中和モノクローナル抗体 - Google Patents
ヒト抗il−33中和モノクローナル抗体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6501650B2 JP6501650B2 JP2015127885A JP2015127885A JP6501650B2 JP 6501650 B2 JP6501650 B2 JP 6501650B2 JP 2015127885 A JP2015127885 A JP 2015127885A JP 2015127885 A JP2015127885 A JP 2015127885A JP 6501650 B2 JP6501650 B2 JP 6501650B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- antibody
- amino acid
- human
- complementarity determining
- acid sequence
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
[2]配列表の配列番号226の101位〜154位又は199位〜270位に含まれる連続するアミノ酸配列からなるエピトープが、配列表の配列番号226の111位〜130位、131位〜150位、231位〜250位又は251位〜270位に含まれる連続するアミノ酸配列からなるエピトープである、項目1に記載の医薬組成物。
[3]配列表の配列番号226の101位〜154位又は199位〜270位に含まれる連続するアミノ酸配列からなるエピトープが、P118、I119、T120、Y122、L123、A124、S125、L126、S127、Y129、N130、D131、Q132、S133、T135、A137、L138、E139、S142、Y143、E144、I145、Y146、E148、D149、L150、D244、N245、H246、K266、L267、S268及びE269から選ばれるアミノ酸を含むアミノ酸配列からなるエピトープである、項目1又は2に記載の医薬組成物。
[4]配列表の配列番号226の101位〜154位又は199位〜270位に含まれる連続するアミノ酸配列からなるエピトープが、配列表の配列番号226の111位〜130位、131位〜150位、231位〜250位又は251位〜270位の連続するアミノ酸配列からなるエピトープである、項目1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[5]配列表の配列番号226の101位〜154位又は199位〜270位に含まれる連続するアミノ酸配列からなるエピトープが、配列表の配列番号226の138位〜147位または139位〜147位の連続するアミノ酸配列からなるエピトープである、項目1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[6]配列表の配列番号226の101位〜154位又は199位〜270位に含まれる連続するアミノ酸配列からなるエピトープに結合するモノクローナル抗体が、IL−33のアンタゴニストである、項目1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[7]配列表の配列番号226の101位〜154位又は199位〜270位に含まれる連続するアミノ酸配列からなるエピトープに結合するモノクローナル抗体が、IL−33受容体と、IL−33との結合を阻害する、項目1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[8]サイトカインの発現を抑制することを特徴とする、項目1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[9]TNF−α、IFN−γ、IL−1β、IL−4、IL−5、IL−6又はIL−13の発現を抑制することを特徴とする、項目8に記載の医薬組成物。
[10]IFN−γ、IL−5、IL−6又はIL−13の発現を抑制することを特徴とする、項目8又は9に記載の医薬組成物。
[11]配列表の配列番号226の101位〜154位又は199位〜270位に含まれる連続するアミノ酸配列からなるエピトープに結合するモノクローナル抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体である、項目1〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[12]フレームワーク領域のアミノ酸配列が、ヒト生殖系列のフレームワーク領域のアミノ酸配列またはその組み合わせのアミノ酸配列であるモノクローナル抗体を有効成分とする、項目11に記載の医薬組成物。
[13]軽鎖のフレームワーク領域1のアミノ酸配列が、配列表の配列番号317の残基1から残基22、軽鎖のフレームワーク領域2のアミノ酸配列が配列表の配列番号317の残基36から残基50、軽鎖のフレームワーク領域3のアミノ酸配列が配列表の配列番号317の残基58から残基89、及び、軽鎖のフレームワーク領域4のアミノ酸配列が配列表の配列番号401の残基3から残基12であり、かつ、重鎖のフレームワーク領域1のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基1から残基30または配列表の配列番号368の残基1から残基30、重鎖のフレームワーク領域2のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基36から残基49または配列表の配列番号368の残基36から残基49、重鎖のフレームワーク領域3のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基67から残基98または配列表の配列番号368の残基67から残基98、及び、重鎖のフレームワーク領域4のアミノ酸配列が配列表の配列番号407の残基5から残基15であるモノクローナル抗体を有効成分とする、項目12に記載の医薬組成物。
[14]軽鎖のフレームワーク領域1のアミノ酸配列が、配列表の配列番号317の残基1から残基22、軽鎖のフレームワーク領域2のアミノ酸配列が配列表の配列番号317の残基36から残基50、軽鎖のフレームワーク領域3のアミノ酸配列が配列表の配列番号317の残基58から残基89、及び、軽鎖のフレームワーク領域4のアミノ酸配列が配列表の配列番号401の残基3から残基12であり、かつ、重鎖のフレームワーク領域1のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基1から残基30、重鎖のフレームワーク領域2のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基36から残基49、重鎖のフレームワーク領域3のアミノ酸配列が配列表の配列番号368の残基67から残基98、及び、重鎖のフレームワーク領域4のアミノ酸配列が配列表の配列番号407の残基5から残基15であるモノクローナル抗体を有効成分とする、項目12または13に記載の抗体を有効成分とする医薬組成物。
[15]IL−33関連疾患の予防、治療または軽減用の項目1〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[16]IL−33関連疾患が、喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎を含む)、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節炎、全身性エリトマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、強直性脊椎炎、肝線維症(原発性胆汁性肝硬変を含む)、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性腎障害、血管炎及び癌からなる群から選択される、項目15に記載の医薬組成物。
[17]軽鎖の相補性決定領域1(LCDR1)、軽鎖の相補性決定領域2(LCDR2)、軽鎖の相補性決定領域3(LCDR3)、重鎖の相補性決定領域1(HCDR1)、重鎖の相補性決定領域2(HCDR2)及び重鎖の相補性決定領域3(HCDR3)のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表1のC1からC30で示される組み合わせより選択される、ヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする医薬組成物。
[19]軽鎖の相補性決定領域1(LCDR1)、軽鎖の相補性決定領域2(LCDR2)、軽鎖の相補性決定領域3(LCDR3)、重鎖の相補性決定領域1(HCDR1)、重鎖の相補性決定領域2(HCDR2)及び重鎖の相補性決定領域3(HCDR3)のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが、表1のC1、C8、C15、C17及びC18で示される組み合わせから選択されるアミノ酸配列を含むヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、項目17または18に記載の医薬組成物。
[20]抗体のフレームワーク領域のアミノ酸配列が、生殖系列のフレームワーク領域のアミノ酸配列またはその組み合わせのアミノ酸配列であるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、項目17〜19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[21]軽鎖のフレームワーク領域1のアミノ酸配列が、配列表の配列番号317の残基1から残基22、軽鎖のフレームワーク領域2のアミノ酸配列が配列表の配列番号317の残基36から残基50、軽鎖のフレームワーク領域3のアミノ酸配列が配列表の配列番号317の残基58から残基89、及び、軽鎖のフレームワーク領域4のアミノ酸配列が配列表の配列番号401の残基3から残基12であり、かつ、重鎖のフレームワーク領域1のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基1から残基30または配列表の配列番号368の残基1から残基30、重鎖のフレームワーク領域2のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基36から残基49または配列表の配列番号368の残基36から残基49、重鎖のフレームワーク領域3のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基67から残基98または配列表の配列番号368の残基67から残基98、及び、重鎖のフレームワーク領域4のアミノ酸配列が配列表の配列番号407の残基5から残基15であるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、項目17〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[22]軽鎖可変領域及び重鎖可変領域のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表2のV1からV30で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、項目17〜21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[24]軽鎖可変領域及び重鎖可変領域のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表2のV1、V8、V15、V17及びV18で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、項目22または23に記載の医薬組成物。
[25]軽鎖がλ鎖であるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、項目17〜24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[26]抗体がIgGであるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、項目17〜25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[27]抗原がヒトIL−33及びサルIL−33であるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、項目17〜26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[28]サイトカインの発現を抑制することを特徴とする、項目17〜27のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[29]TNF−α、IFN−γ、IL−1β、IL−4、IL−5、IL−6又はIL−13の発現を抑制することを特徴とする、項目28に記載の医薬組成物。
[30]IFN−γ、IL−5、IL−6又はIL−13の発現を抑制することを特徴とする、項目28または29に記載の医薬組成物。
[31]IL−33関連疾患の予防、治療または軽減用の項目17〜30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
[32]IL−33関連疾患が、喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎を含む)、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節炎、全身性エリトマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、強直性脊椎炎、肝線維症(原発性胆汁性肝硬変を含む)、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性腎障害、血管炎及び癌からなる群から選択される、項目31に記載の医薬組成物。
[33]抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする医薬組成物であって、当該抗IL−33中和モノクローナル抗体が、IL−33との結合に関して、軽鎖の相補性決定領域1(LCDR1)、軽鎖の相補性決定領域2(LCDR2)、軽鎖の相補性決定領域3(LCDR3)、重鎖の相補性決定領域1(HCDR1)、重鎖の相補性決定領域2(HCDR2)及び重鎖の相補性決定領域3(HCDR3)のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが、表1のC1、C8、C15、C17及びC18で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体、又は軽鎖可変領域及び重鎖可変領域のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表2のV1、V8、V15、V17及びV18で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体と競合する、前記医薬組成物。
[34]項目17〜33のいずれかに記載のヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体の蛋白質部分をコードする核酸分子。
[35]軽鎖の相補性決定領域1(LCDR1)、軽鎖の相補性決定領域2(LCDR2)、軽鎖の相補性決定領域3(LCDR3)、重鎖の相補性決定領域1(HCDR1)、重鎖の相補性決定領域2(HCDR2)及び重鎖の相補性決定領域3(HCDR3)のそれぞれのアミノ酸配列をコードする核酸配列の組み合わせが表3のCN1からCN30で示される組み合わせより選択される、項目29に記載の核酸分子。
本発明のモノクローナル抗体は、ヒトに投与した場合に抗体のフレームワーク領域及び/または相補性決定領域に対するヒト抗ヒト免疫グロブリン抗体(HAHA)を誘導しにくい。HAHAにより阻害されなければ、生体内でIL−33を中和する効果が持続する。またHAHAと結合することに起因する炎症を惹起しなければ安全な抗体である。本発明のモノクローナル抗体は、ヒトIL−33に結合し、その機能を中和することができることから、IL−33関連疾患に対する新たな診断、予防、治療または軽減薬として利用できる。
本発明において、エピトープとは、抗体が認識する抗原の一部分のことをいう。本発明においてエピトープは、抗体の認識に必要となる連続するアミノ酸からなる配列に関している。
本発明において、モノク口一ナル抗体がエピトープに「結合する」とは、モノクローナル抗体が、エピトープであるペプチドに結びついて1つの複合体を形成することを意味する。モノクローナル抗体とエピトープの結合はイオン結合、水素結合、疎水結合、ファンデルワールス力などによるが、これらに限定されない。モノクローナル抗体がエピトープに結合するかは、例えば本明細書に記載されたペプチドアレイスキャンやKinExAを用いて調べることができる。
本発明において「抗体」という語は、最も広い意味で使用するものとし、所望の特異的結合性が示される限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体が含まれるものとする。本発明における抗体は、マウス抗体、ヒト抗体、ラット抗体、ウサギ抗体、ヤギ抗体、ラクダ抗体など、任意の動物由来の抗体であってもよい。
本発明の抗体のうちモノクローナル抗体は、設計上のアミノ酸配列において単一クローン(単一分子種)のみからなる抗体集団の抗体のことをいう。モノクローナル抗体には、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、マルチスペシフィック抗体、及び人工抗体、並びにそれらの機能改変抗体、並びにそれらのコンジュゲート抗体、並びにそれらのフラグメントが含まれるものとする。本発明のモノクローナル抗体はハイブリドーマ法、ファージディスプレイ法、及び遺伝子工学的手法など、任意の公知の手法を用いて生成することができる。
キメラ抗体とは、軽鎖、重鎖、またはその両方が、非ヒト由来の可変領域と、ヒト由来の定常領域から構成される抗体をいう。
ヒト化抗体は、非ヒト由来抗体の相補性決定領域と、ヒト抗体由来のフレームワーク領域とからなる可変領域並びにヒト抗体由来の定常領域からなる抗体をいう。
ヒト抗体とは、軽鎖、重鎖ともにヒト由来の抗体をいう。ヒト抗体は、重鎖の定常領域の違いにより、γ鎖の重鎖を有するIgG(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含む)、μ鎖の重鎖を有するIgM、α鎖の重鎖を有するIgA(IgA1、IgA2を含む)、δ鎖の重鎖を有するIgD、またはε鎖の重鎖を有するIgEを含む。また原則として軽鎖は、κ鎖とλ鎖のどちらか一方を含む。
マルチスペシフィック抗体とは、2つ以上の異なる抗原特異性を有する2つ以上の独立した抗原認識部位を持ち合わせた非対称の抗体であり、2つの抗原特異性を有するバイスペシフィック抗体、3つの抗原特異性を有するトリスペシフィック抗体などが挙げられる。本発明のマルチスペシフィック抗体が認識する1つ以上の抗原はIL−33分子である。
人工抗体とは、例えばタンパク質スキャフォールドであり、抗体の構造を有しないものの、抗体と同様の機能を有する人工抗体である。タンパク質スキャフォールドとしてはヒトのセリンプロテアーゼ阻害剤のKunitzドメインやヒトのファイブロネクチンの細胞外ドメイン、アンキリン、リポカリンなどが利用され、スキャフォールド上の標的結合部位の配列を改変すれば本発明のエピトープに結合するタンパク質スキャフォールドを生成することができる(Clifford Mintz et.al BioProcess International, 2013, Vol.11(2), pp40-48)。
本願において機能改変抗体とは、主に抗体のFc領域のアミノ酸や糖鎖を改変することにより、抗体の有する抗原結合機能以外の細胞殺傷機能、補体活性化機能や血中半減期等を調節した抗体をいう。
本願においてコンジュゲート抗体とは、抗体にポリエチレングリコール(PEG)等の非ペプチド性ポリマー、放射性物質、毒素、低分子化合物、サイトカイン、アルブミン、酵素などの抗体以外の機能分子を化学的または遺伝子工学的に結合した抗体をいう。
本願において抗体のフラグメントとは、抗体の一部分を含む蛋白質であり、抗原に結合できるものをいう。抗体のフラグメントの例としては、Fabフラグメント、Fvフラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fab’フラグメント、またはscFvが挙げられる。
さらにこれらの抗体のフラグメントは、ポリエチレングリコール(PEG)等の非ペプチド性ポリマー、放射性物質、毒素、低分子化合物、サイトカイン、アルブミン、酵素などの抗体以外の機能分子を化学的または遺伝子工学的に結合していてもよい。
IL−33はIL−1ファミリーに属するサイトカインであり、ヒトIL−33は配列表の配列番号226に示すように270アミノ酸からなる。IL−33は、N末端側にクロマチン結合ドメインを有し、C末端側に12個のβストランドを持つ分子量18kDaのIL−1様サイトカインドメインを有しており、さらに95位及び109位にカテプシンG切断部位、99位にエスタラーゼ切断部位及び178位にカスパーゼ切断部位を有している(図1)。IL−33は、細胞がネクローシスを起こす過程で、リソゾーム等に由来するエスタラーゼ、カテプシンG、またはプロテイナーゼ3などの酵素により切断されて、成熟型IL−33、例えばIL−33(残基95から残基270)(配列表の配列番号226のN末から95位から270位のアミノ酸配列で表されるIL−33を「IL−33(残基95から残基270)」と表記する。以下同様に表記する)、IL−33(残基99から270)、IL−33(残基109から残基270)、IL−33(残基112から残基270位)などを含むさまざまな断片となり、サイトカインとして機能すると考えられている。一方で、細胞死がアポトーシスである場合、アポトーシスの過程で活性化されるカスパーゼにより、IL−33は、178位で切断されて、不活性型IL−33、例えばIL−33(残基179から残基270)になると考えられている。
本願においてIL−33関連疾患とは、IL−33が過剰に細胞外に放出されるために惹起される疾患を意味し、IL−33関連疾患はIL−33の機能を阻害することができる薬剤により予防、治療または軽減することができる。IL−33関連疾患としては、例えば喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎を含む)、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節炎、全身性エリトマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、強直性脊椎炎、肝線維症(原発性胆汁性肝硬変を含む)、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性腎障害、血管炎及び癌が挙げられる。
フレームワーク領域とは免疫グロブリン分子の可変領域のうち、相補性決定領域以外の部分をいう。フレームワーク領域には軽鎖、重鎖それぞれに4つのフレームワーク領域(フレームワーク領域1、フレームワーク領域2、フレームワーク領域3及びフレームワーク領域4)がある。本願では、免疫グロブリン分子のフレームワーク領域はカバット(Kabat)の番号付けシステム(Kabatら, 1987, Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Department of Health and Human Services, NIH, USA)に従って決定される。
生殖系列とは精子や卵子などの一群の生殖細胞を意味し、特別に言及がない限り、ヒトの生殖系列のことをいう。抗体を産生するBリンパ球と異なり、生殖細胞の免疫グロブリンの遺伝子は変異が生じていない。したがって、「生殖系列のフレームワーク領域のアミノ酸配列」と記載した場合は、免疫グロブリンのフレームワーク領域のアミノ酸配列に変異が生じていないアミノ酸配列を意味し、「生殖系列のフレームワーク領域のアミノ酸配列の組合せのアミノ酸配列」と記載した場合には、4つのフレームワーク領域の1つ以上のフレームワーク領域のアミノ酸配列が、別の生殖系列のフレームワーク領域のアミノ酸配列であることを意味する。ヒト免疫グロブリンの軽鎖可変領域の遺伝子はκ鎖でVκセグメントとJκセグメント、及びλ鎖でVλセグメントとJλセグメントに分かれており、VκセグメントとVλセグメントにフレームワーク領域1からフレーム領域3が、JκセグメントとJλセグメントにフレームワーク領域4が存在する。ヒト免疫グロブリンの重鎖可変領域の遺伝子はVHセグメント、DHセグメント、JHセグメントに分かれており、VHセグメントにフレームワーク領域1からフレーム領域3が、JHセグメントにフレームワーク領域4が存在する。ヒト免疫グロブリンのVκ、Vλ、VH、Jκ、Jλ、JHの各セグメントの生殖系列のアミノ酸配列を表4に表す。
ヒトモノクローナル抗体は、ヒトの生殖系列の免疫グロブリンの配列に由来する可変領域及び定常領域を有するモノクローナル抗体をいう。本願においてヒトモノクローナル抗体の可変領域は、他のヒトモノクローナル抗体の可変領域の一部又は全部との組換え体でもよく、該組換え体においては抗体の結合性に影響を与えない観点から、フレームワーク領域と相補性決定領域との境界で組換えが生じてよく、免疫原性を高めない観点から、フレームワーク領域1からフレームワーク領域4のフレームワーク領域の各領域が、他のヒトモノクローナル抗体のフレームワーク領域1からフレームワーク領域4のフレームワーク領域の各領域と組換えが生じてもよい。さらに、本発明においてヒトモノクローナル抗体は、ヒトモノクローナル抗体の変異体であってもよく、抗原への結合性を維持又は改善しつつ、免疫原性を低下させるために、ヒトモノクローナル抗体の相補性決定領域に変異がある相補性決定領域のアミノ酸配列と、フレームワーク領域に変異がない生殖系列のフレームワーク領域のアミノ酸配列とを含む、ヒトモノクローナル抗体が好ましい。
単離した抗体の「単離した」とは、同定され、かつ、分離された、及び/または、自然状態での成分から回収された、という意味である。自然状態での不純物は、その抗体の診断的または治療的使用を妨害し得る物質であり、酵素、ホルモン及びその他の蛋白質性のまたは非蛋白質性の溶質が挙げられる。一般的に、抗体を単離するには、少なくとも1つの精製工程によって精製すればよく、少なくとも1つの精製工程により精製された抗体を「単離した抗体」ということができる。
本願において「中和」とは目的の標的に結合し、かつ、その標的のいずれかの機能を阻害することができる作用のことをいう。すなわち、「抗IL−33中和モノクローナル抗体」は、そのIL−33に対する結合が、IL−33ポリペプチドによって誘導される生物活性の阻害をもたらすモノクローナル抗体を意味するものとする。IL−33の生物学的活性の阻害は、IL−6などのIL−33誘導性サイトカインの産生の阻害を含むが、これに限定されない。IL−33の生物学的活性の指標は、当分野において知られたいくつかのin vitroまたはin vivo分析の1つまたはそれ以上によって評価することができる。なお、「ヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体」と記載した場合は、IL−33に結合しIL−33のいずれかの機能を阻害する、ヒトモノクローナル抗体を意味する。
本願において「アンタゴニスト」とは目的の標的に対し中和作用を有する物質の総称を意味する。すなわち、「IL−33のアンタゴニスト」は、IL−33に結合して、IL−33のいずれかの機能を阻害することができる物質であり、例えば抗IL−33中和モノクローナル抗体が含まれる。
相補性決定領域とは免疫グロブリン分子の可変領域のうち、抗原結合部位を形成する領域をいい、超可変領域とも呼ばれ、免疫グロブリン分子ごとに特にアミノ酸配列の変化が大きい部分をいう。相補性決定領域には軽鎖、重鎖それぞれに3つの相補性決定領域(相補性決定領域1、相補性決定領域2及び相補性決定領域3)がある。本願では、免疫グロブリン分子の相補性決定領域はカバット(Kabat)の番号付けシステム(Kabatら, 1987, Sequences of Proteins of Immunological Interest, US Department of Health and Human Services, NIH, USA)に従って決定される。
本発明において、モノク口一ナル抗体と「競合する」とは、本明細書に記載された表面プラズモン共鳴(SPR)法によって測定した場合に、該モノクローナル抗体の存在により、有意差をもってIL−33との結合が低下することをいう。
本発明において「競合する抗IL−33中和モノクローナル抗体」は、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、マルチスペシフィック抗体、及び人工抗体、並びにそれらの機能改変抗体、並びにそれらのコンジュゲート抗体、並びにそれらのフラグメントを含むものとする。
アミノ酸配列比較にBLASTが用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの%アミノ酸配列同一性は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムBLASTのA及びBのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。特に断らない限りは、ここでの全ての%アミノ酸配列同一性値は、直ぐ上のパラグラフに示したようにBLASTコンピュータプログラムを用いて得られる。
さらにこれらの抗体のフラグメントは、ポリエチレングリコール(PEG)等の非ペプチド性ポリマー、放射性物質、毒素、低分子化合物、サイトカイン、アルブミン、酵素などの抗体以外の機能分子を化学的または遺伝子工学的に結合していてもよい。
このヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体は、可変領域のフレームワーク領域が、ヒト生殖系列フレームワーク領域のアミノ酸配列またはその組み合わせのアミノ酸配列を含むことにより、これらの領域に起因する免疫原性が全くないか、または顕著に少ないという特徴を有する一方で、IL−33に結合し、その機能を妨げることができる。したがって、該抗体は医薬として用いられた場合に、ヒト抗ヒト免疫グロブリン抗体(HAHA)を誘導しにくく、それにより生体内で排除されず、その結果、IL−33を中和する効果が長く、またHAHAと結合することに起因する炎症を惹起しなければ安全な抗体である。
本発明のヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体は熱力学安定性にすぐれた抗体であることが好ましく、例えば免疫グロブリンドメインのフォールディングが崩壊する温度(Tm)が65℃以上、好ましくは68℃以上、より好ましくは70℃以上、さらにより好ましくは73℃以上である熱力学的安定性を示す抗体が好ましい。
また本願実施例22で記載するように1%の過酸化水素水で37℃、24時間の条件で強制酸化した場合に、ヒトIL−33蛋白質への結合活性が80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上保持することが好ましい。
同様の実験を本発明の特定の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせまたは特定の可変領域アミノ酸配列の組み合わせのアミノ酸配列を含むヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体でも実施し、飽和状態での結合量(飽和結合量2)を求める。
続いて、センサーチップ上のヒトIL−33蛋白質を本発明の特定の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせまたは特定の可変領域アミノ酸配列の組み合わせのアミノ酸配列を含むヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体で飽和させた後、任意の抗IL−33抗体(15μg/mL)をアナライトとしてロードし、本発明の特定の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせまたは特定の可変領域アミノ酸配列の組み合わせのアミノ酸配列を含むヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体で飽和されたヒトIL−33蛋白質に追加される形で結合するかどうかを調べる。
任意の抗IL−33抗体が、本発明の特定の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせ、または、特定の可変領域アミノ酸配列の組み合わせのアミノ酸配列を含む、ヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体で飽和されたヒトIL−33蛋白質に追加される形で、上記で算出した任意の抗IL−33抗体の飽和結合量1を示しながら結合できる場合は、その抗体は「競合しない」と判断される。一方、任意の抗IL−33抗体が、本発明の特定の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせ、または、特定の可変領域アミノ酸配列の組み合わせのアミノ酸配列を含む、ヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体で飽和されたヒトIL−33蛋白質に追加される形で結合できない場合は、その抗体は「競合する」と判断される。また任意の抗IL−33抗体が、本発明の特定の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせ、または、特定の可変領域アミノ酸配列の組み合わせのアミノ酸配列を含む、ヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体で飽和されたヒトIL−33蛋白質に追加される形で結合できる場合でも、追加される結合量が有意差をもって飽和結合量1に達しない場合は、その抗体は「競合する」と判断される。有意差は一般的な検定方法(例えば、スチューデントのt検定)で調べることができ、有意水準は5%または1%以下とする。
上記の特定の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせ、または、特定の可変領域アミノ酸配列の組み合わせのアミノ酸配列を含む、ヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体に対し、IL−33との結合が競合する、抗IL−33中和モノクローナル抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体であることが好ましく、ヒト抗体が最も好ましい。
本願に記載のヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせである表1のC1からC30、可変領域のアミノ酸配列の組み合わせである表2のV1からV30、相補性決定領域の核酸配列の組み合わせである表5のCN1からCN30、及び、抗体の核酸配列の組み合わせである表5のIGN1からIGN30はそれぞれ同一のクローンの配列に相当し、対応関係を下記表6に表す。例えば、クローンA10−1C04の相補性決定領域のアミノ酸配列はC1の6個の相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせであり、この相補性決定領域のアミノ酸配列の組み合わせはCN1の6個の核酸配列によりコードされうる。また、該クローンの重鎖と軽鎖の可変領域のアミノ酸配列はV1の2個のアミノ酸配列であり、V1の可変領域を含むλ鎖の軽鎖及びγ鎖の重鎖のアミノ酸配列はIGN1の2個の核酸配列によりコードされる。
[抗体の取得]
ヒトIL−33蛋白質を動物に免疫し、免疫動物の脾細胞からハイブリドーマを作製することでモノクローナル抗体を取得した。また免疫動物の脾細胞から回収したRNAを用いて作製した動物の抗体ライブラリや、ヒトナイーブ抗体ライブラリからヒトIL−33蛋白質に結合する抗体をファージディスプレイ技術によりクローニングした。このようにして8種類(抗体A〜H)の抗IL−33モノクローナル抗体を取得した。
取得したIL−33抗体のエピトープを同定するために、ヒトIL−33の部分ペプチド(20残基長)と、各抗体との結合性を調べるペプチドアレイスキャンを実施した。主な成熟型ヒトIL−33分子をカバーするように、N末から101位のバリン(V101)から270位のスレオニン(T270)までの範囲で10アミノ酸ごとに開始位置をずらしながら計16種類の20アミノ酸長ペプチド(PEP11からPEP26)を合成した。これらのペプチドの配列と位置関係を表7に示した。
固相化ヒトST2とヒトIL−33の結合に対する阻害作用を指標として抗体A、抗体B、抗体E、抗体FのIL−33中和活性の測定を実施した。96ウェルマイクロプレート(NuncTM、#442404)に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈した組換えヒトST2 Fcキメラ(Enzo Life Science, ALX-201-367-C050)(1μg/mL、50μL/ウェル)を分注して4℃で一晩静置した。翌日、上記プレートを1%BSA含有PBS(PBS−B)で1回洗浄後、同溶液(250μL/ウェル)を添加して室温で2時間ブロッキングした。その後、PBS−Bで希釈した被験抗体(終濃度10μg/mL)および組換えヒトIL−33蛋白質(ATGen、ILC0701)(終濃度1μg/mL)の混合溶液(50μL/ウェル)を添加して室温で2時間インキュベートした。マイクロプレートを0.1%Tween 20含有PBS(PBS−T)で5回洗浄した後、PBS−Bで希釈したヤギ抗ヒトIL−33抗体(R&D Systems:AF3625、終濃度1μg/mL、50μL/ウェル)を添加して室温で1時間インキュベートした。マイクロプレートをPBS−Tで5回洗浄後、PBS−Bで2000倍希釈したHRP標識ウサギ抗ヤギIgG抗体(Invitrogen:61-1620、50μL/ウェル)を添加して室温で1時間インキュベートした。マイクロプレートをPBS−Tで5回洗浄後、SureBlueTM TMB Microwell Peroxidase Substrate(KPL:52-00-01、50μL/ウェル)を添加して室温で20分間反応させた。TMB Stop Solution(KPL:50-85-05、50μL/ウェル)で反応を停止させ、プレートリーダー(SPECTRA MAX 190、Molecular Devices)を用いて、波長450nmおよび620nmの吸光度の差を測定した。ST2とIL−33の結合に対する抗体による阻害作用(IL−33/ST2結合系競合阻害率)はヒトIL−33の代わりにヒトIL−1β(PeproTech,200-01B)(終濃度1μg/mL)を添加したサンプルをバックグラウンドとし、ヒトIL−33(終濃度1μg/mL)を単独で添加したサンプルに対する阻害率(%)を求めた。その結果、抗体A(エピトープはPEP12)が66%阻害、抗体B(エピトープはPEP12)が55%阻害、抗体E(エピトープはPEP16−17)が0%阻害、抗体F(エピトープはPEP24)が39%阻害となり、検討した4種類の抗体のうち、抗体Eを除く全ての抗体(抗体A、抗体B、抗体F)が終濃度10μg/mLで30%以上の阻害率を示した。
正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)(LONZA, CLC2517A)を用いたヒトIL−33誘発IL−6産生に対する阻害作用を指標として被験抗体(抗体A〜H)のIL−33中和活性の測定を実施した。HUVECを96ウェルマイクロプレート(IWAKI、MT4940-010)に播種し(6×103/0.1mL/ウェル)、細胞がコンフルエントになっていることを確認した。培地(EGM−2培地(LONZA, CLCC-3156, CLCC-4176))に抗IL−33抗体(終濃度10μg/mL)および組換えヒトIL−33(ATGen、ILC0701、終濃度100ng/mL)を添加し(0.2mL/ウェル)、37℃で24時間インキュベートした。24時間後に培地中のIL−6濃度を市販のELISAキット(Thermo Scientific、EH2IL6))を用いて測定した。また細胞カウントキット(Dojindo、345-06463)を用いて培地採取時の細胞の生存率を測定し、IL−6産生抑制作用が生存細胞数の低下に起因しないことを確認した。被験抗体のIL−33中和活性(HUVEC系IL−6産生阻害率)として、組換えヒトIL−33単独処理によるIL−6産生に対する阻害率(%)を算出した。その結果、抗体A(エピトープはPEP12)が51%阻害、抗体B(エピトープはPEP12)が48%阻害、抗体C(エピトープはPEP14)が33%阻害、抗体D(エピトープはPEP14)が38%阻害、抗体E(エピトープはPEP16−17)が0%阻害、抗体F(エピトープはPEP24)が38%阻害、抗体G(エピトープはPEP26)が48%阻害、抗体H(エピトープはPEP26)が56%阻害となり、8種類の抗体のうち、抗体Eを除く全ての抗体が30%以上の阻害率を示した(表9)。これらの抗体のうち配列番号1の111位〜130位、131位〜150位、231位〜250位及び251〜270位からなる群から選ばれるエピトープに結合する抗体は、抗体濃度を3、10及び30μg/mLとした場合の中和活性の増加が大きく(例えば、抗体Dではそれぞれ23、42、61%阻害)、アンタゴニスト作用を有する抗体を生成する上で適したエピトープであることが分かった。
上記の4つのエピトープペプチドについてさらに、アンタゴニスト作用を有する抗体の生成に好ましいエピトープである界面原子(ST2を構成する原子から最短5Å圏内のIL−33の原子)を特定するために、ヒトIL−33・ヒトST2複合体の立体構造の上にエピトープペプチドをマッピングした。ヒトIL−33・ヒトST2複合体のX線結晶構造(Research Collaboratory for Structual Bioinformatics: PDB ID 4KC3)ではIL−33蛋白質の一部の構造が欠如していたため、今回同定した全てのエピトープペプチドの位置を示すことができなかった。そこで、上記X線結晶構造(4KC3)を鋳型としてホモロジーモデルを作製し(図3、Accelrys社Discovery Studio 3.5を使用)、今回中和活性が認められた抗体のエピトープペプチド(PEP12、PEP14、PEP24、PEP26)をマッピングした(図4〜7)。図4〜7ではヒトIL−33やエピトープペプチドは濃い灰色、それらと結合するST2は薄い灰色で示した。IL−33蛋白質表面上の受容体との接触面の位置を明示するために、界面原子を大き目の球で強調して表示した。その結果、これらのエピトープペプチド(PEP12、PEP14、PEP24、PEP26)はそれぞれ界面原子を含むアミノ酸を有することがわかった。界面原子を含むアミノ酸としては、PEP12のP118、I119、T120、Y122、L123、A124、S125、L126、S127、Y129、N130、PEP14のD131、Q132、S133、T135、A137、L138、E139、S142、Y143、E144、I145、Y146、E148、D149、L150、PEP24のD244、N245、H246、PEP26のK266、L267、S268、E269が挙げられる。アンタゴニスト作用を有する抗体が特異的に結合するエピトープとしては界面原子を含むアミノ酸を有するエピトープが好ましいと考えられる。
ヒトscFvのファージディスプレイライブラリ(BioInvent, n-CoDeR)(Soderlind et al., Nature biotechnology, 2000 Vol.18(8), p852)を用いて、成熟型IL−33(残基112から残基270)に結合し、IL−33とST2の結合を阻害し、かつ後述する正常ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)のIL−33依存的IL−6産生を指標としてIL−33の活性を阻害する、2種類の親クローン(scFv)(分子形がscFvであることを意味する、以下同様に表記する)を取得した(クローン名:A00−0070、A00−0036)。これらの抗体の塩基配列を決定し、軽鎖及び重鎖の可変領域のアミノ酸配列を決定した。A00−0070及びA00−0036の軽鎖及び重鎖可変領域のアミノ酸配列の組み合わせは、それぞれ表2のV29及びV30であった。
2種類の親クローンのIL−33への親和性向上と物性改善(表面疎水性の低減による凝集性の低減及び溶解度の向上)を目的として、Fabリボゾームディスプレイ及びFabファージディスプレイによる相補性決定領域の改良を行なった。相補性決定領域の改良は2段階にて実施し、第一段階でIL−33への親和性向上と物性改善を狙える1アミノ酸置換を決定し、第二段階でこれらの1アミノ酸置換の複数の組合せを決定した(Fujino et al., Biochem. Biophys. Res. Commun., 2012 Vol. 428(3), p395)。
親和性向上と物性改善を目的とした上記の有用アミノ酸置換を複数組合せることにより本格的な相補性決定領域改良用カスタムライブラリを設計した。Fabリボゾームディスプレイ及びFabファージディスプレイのベクターを構築し、Fabリボゾームディスプレイベクターを鋳型としたsite−directed mutagenesis PCR及びoverlap extension PCRによる多段階のPCR反応、及びFabファージディスプレイベクターを鋳型としたクンケル法による部位特異的変異導入法(Fellouse et al., J. Mol. Biol. 2007 Vol. 373, p924)を実施することで、相補性決定領域を上記の設計に基づきランダム化した相補性決定領域改良用カスタムライブラリを構築した。ヒトIL−33蛋白質及びカニクイザルIL−33蛋白質(GenBank: EHH57404、配列表の配列番号227の残基112のSerから残基269のGlu)をベイトとして、Fabリボゾームディスプレイ及びFabファージディスプレイによるライブラリ濃縮を数ラウンド繰り返した。後半のラウンドではIL−33蛋白質への結合の前にOctyl Sepharose(GE Healthcare)あるいはPhenyl Sepharose(GE Healthcare)といった疎水カラム担体を用いたネガティブ選択を実施することで、IL−33蛋白質へ親和性が高く、かつ表面疎水性が低いFabを濃縮した。
ベイトとして使用した組換え蛋白質は以下のように調製した。成熟型ヒトIL−33(残基112から残基270)および成熟型カニクイザルIL−33(配列表の配列番号227の残基112から残基269)はN末端側に6Hisタグ−Aviタグを付加したものをpET30a(−)に挿入することで発現ベクターを構築し、組換え蛋白質を調製した。発現ベクターを保有する大腸菌BL21(DE3)株をLB培地5mLで前培養後、前培養液1mLを50mL発現培地(Merck, Overnight Express;カナマイシン添加)に植菌し、30℃/200rpmで約18時間発現培養した。回収した菌体を洗浄後BagBuster(Novagen)で溶菌し上清を回収した。上清中に含まれる6Hisタグ−Aviタグ−カニクイザル IL33(残基112から残基269)はNi−NTA Agarose(QIAGEN)を用いて精製し、市販されているビオチンリガーゼ(Avidity、BirA)を用いてAviタグ部分特異的にビオチン修飾を導入した。
取得したヒト抗IL−33抗体の7クローン(A10−1C04、A23−1A05、A25−2C02、A25−3H04、A26−1F02、A00−0070、A00−0036)ついて、軽鎖及び重鎖のアミノ酸配列をコードするDNAをCMVプロモータの下流に挿入することにより、IgGを発現する哺乳細胞用発現ベクターを構築した。各クローンの軽鎖のDNA配列はそれぞれ、配列表の配列番号228、232、239、241、242、230及び253を用い、重鎖のDNA配列はそれぞれ、配列表の配列番号254、261、262、264、265、276及び277を用いた。遺伝子導入試薬 NeoFection−293−1 (Astec)を使用して、上記発現ベクターをFreeStyle 293-F 細胞(Life Technologies)に導入した。遺伝子導入後5日間培養した後に培養上清を取得した。CHO細胞による安定発現株はpConPlusベクターとCHO K1SV細胞を用いたGSシステム(Lonza)にて樹立した。 CHO細胞安定発現株はWAVE Bioreactor SYSTEM 20/50 EHT(GE Healthcare社)を用いて0.3×106 cells/mLから培養を開始し、分泌されたIgGを含む培養液を回収した。AKTA explorer 100(GE Healthcare)を使用し、Protein A樹脂(GE Healthcare 、HiTrap MabSelect SuRe)を用いたアフィニティークロマトグラフィにより培養上清からIgGを精製した。Protein A樹脂に結合したIgGをpH3.2の溶出bufferで溶出し、すみやかに中和することでpHを中性付近にした後、PBS(pH7.2)で透析した。精製純度を高める目的でProtein Aカラム精製後のIgGをCHT(ceramic hydroxyapatiteTypeI樹脂)(BIORAD)にて精製した。CHTに結合したIgGをNaCl濃度のグラジエントで溶出し、目的のフラクションを回収後、PBS(pH7.2)で透析した。本精製法にて得た抗体を「中性精製抗体」とした。
上記精製法のProtein A樹脂からの溶出工程の前に6 Column Volumeの100mM炭酸ナトリウムbuffer(pH11.0)による6分間の洗浄操作を加えた精製法も実施した。本精製法にて得た抗体を「アルカリ精製抗体」とした。アルカリ精製抗体の各工程における回収率を表11に示した。精製後のアルカリ精製抗体はVIVASPIN Turbo15 30000MWCO(Sartoeius)にて遠心濃縮した。
被験抗体(IgG)(分子形がIgGであることを意味する、以下同様に表記する)のヒトIL−33蛋白質に対する親和性はkinetic exclusion assay(KinExA)によりPBS中での解離定数(Kd)を測定することで決定した(Sapidyne, KinExA3200)。一定濃度(終濃度で数十pMから数百pM)の被験抗体に対しヒトIL−33蛋白質(ATGen, ILC0701)の濃度を広範囲(終濃度の上限を数nMから数十nMとし12段階の2倍希釈系列で2048倍の濃度範囲)にタイトレートした混合サンプルを調製し、抗原抗体反応が平衡に達するまで室温でインキュベートした。平衡到達後にKinExA3200を用いてフリーの抗IL−33抗体の存在率を測定した。KinExAデータ解析プログラム(Sapidyne, KinExA Pro Software v3.5.3)を用いて、ヒトIL−33蛋白質に結合していない抗IL−33抗体の存在率(縦軸)と抗原濃度(横軸)のプロットを理論式にフィッティングすることでKdを算出した。抗IL−33抗体キャプチャー用ビーズは50mgのAzlactone beads (Sapidyne)を1mLのコート溶液(10μg/mL ヒトIL−33蛋白質(ATGen, ILC0701)、50mM炭酸ナトリウムpH9.6)で懸濁し、室温で1時間インキュベートすることで調製した。検出用抗体はanti−human F(ab)’2−DyLight649(Jackson, 309-495-006)を使用した。表12に示すように、中性精製抗体を用いた場合、相補性決定領域を改良した抗体(A10−1C04、A23−1A05、A25−2C02、A25−3H04、A26−1F02)のヒトIL−33蛋白質に対しする親和性は最も弱いA23−1A05でKd=231pM、最も強いA25−2C02でKd=720fMであった。
被験抗体(IgG)のin vitroでのヒトIL−33の中和活性をHUVECのIL−33依存的IL−6産生を指標として評価した。陽性対照として市販ポリクローナル抗IL−33抗体(R&D Systems, AF3625)を使用した。HUVEC(LONZA, CLC2517A)をEGM−2培地(LONZA, CLCC-3156, CLCC-4176)に懸濁し、96ウェルマイクロプレート(IWAKI)に播種し(6x103/ウェル)、細胞がコンフルエントになっていることを確認した。培地に抗IL−33抗体(終濃度1μg/mL(約6.7nM))及び組換えヒトIL−33(ATGen, ILC0701)(終濃度100ng/mL(約5nM))の混合溶液を添加し、37℃で24時間インキュベートした。培地を採取して、培養上清中のIL−6濃度を市販のELISAキット(Thermo Scientific, EH2IL6)を用いて測定した。また、細胞カウントキット(Dojindo, 345-06463)を用いて培地採取時の細胞の生存率を測定し、IL−6産生の抑制作用が生存細胞数の低下に起因しないことを確認した。被験抗体のIL−33中和活性はIL−33単独処理によるIL−6産生に対する阻害率(%)として算出した。中性精製抗体を用いた場合、A10−1C04が67%阻害、A23−1A05が74%阻害、A25−2C02が96%阻害、A25−3H04が97%阻害、A26−1F02が96%阻害と強い中和活性を示したのに対し、親クローンであるA00−0070が4%阻害、A00−0036が−2%と非常に弱い中和活性にとどまった。10μg/mLに濃度を上げることで、A00−0070が42%阻害、A00−0036が38%阻害と中程度の中和活性を示した。一方、市販ポリクローナル抗体(R&D Systems, AF3625)は終濃度1μg/mLで添加した場合で30%阻害と中程度の中和活性を示した。
同様にHUVECにアルカリ精製被験抗体(終濃度0.1〜10μg/mL(約0.67〜67nM))及び組換えヒトIL−33(ATGen, ILC0701)(終濃度100ng/mL(約5nM))の混合溶液を添加し、抗体の中和活性をIL−33単独処理によるIL−6産生に対する阻害効果(IC50値)で算出した。A10−1C04がIC50=0.35μg/mL、A23−1A05がIC50=0.27μg/mL、A25−2C02がIC50=0.19μg/mL、A25−3H04がIC50=0.21μg/mL、A26−1F02がIC50=0.23μg/mLであった。
また、HUVECにアルカリ精製被験抗体(終濃度0.1〜3μg/mL)及び組換えカニクイザルIL−33(実施例7記載の方法で調製したものをビオチン化せずに使用)(終濃度100ng/mL)の混合溶液を添加し、抗体の中和活性をIL−33単独処理によるIL−6産生に対する阻害効果(IC50値)で算出した。A10−1C04のIC50は0.43μg/mLであり、A10−1C04はヒトIL−33とカニクイザルIL−33を同様の強さで中和すること確認した。
被験抗体(IgG)のin vitroでのヒトIL−33の中和活性をKU−812細胞のIL−33依存的なIL−5、IL−6、IL−13の産生を指標として評価した。陽性対照として市販ポリクローナル抗IL−33抗体(R&D Systems, AF3625)を使用した。ヒト好塩基球細胞株、KU−812細胞(ECACC, EC90071807)を96ウェルマイクロプレート(Falcon)に播種した(1x104/ウェル)。続いて、被験抗体(終濃度3μg/mL(約20nM))と組換えヒトIL−33(ATGen、ILC0701)(終濃度100ng/mL(約5nM))の混合溶液を添加し、37℃、24時間インキュベートした。10%FBSを含むRPMI−1640培地中のIL−5、IL−6、IL−13の濃度をBDTM Cytometric Bead Array (BD Biosciences)のHuman IL−5 Flex set、 Human IL−6 Flex set及びHuman IL−13 Flex setを用いて測定した。また、細胞カウントキット(Dojindo, 345-06463)を用いて培地採取時の細胞の生存率を測定し、IL−5、IL−6、IL−13の産生の抑制作用が生存細胞数の低下に起因しないことを確認した。中性精製抗体を用いた場合、この評価系においてA26−1F02はIL−5、IL−6、IL−13の産生をそれぞれ70%、82%、72%阻害し、いずれのサイトカイン産生に対しても市販ポリクローナル抗体(それぞれ、47%、51%、41%阻害)よりも強い中和活性を示した。
被験抗体(IgG)のin vitroでのヒトIL−33の中和活性をヒト末梢血単核球(PBMC)のIL−33依存的なIFN−γ産生を指標として評価した。陽性対照として市販ポリクローナル抗IL−33抗体(R&D Systems, AF3625)を使用した。PBMCを調製し、96ウェルマイクロプレートに播種し(2x105/ウェル)、組換えヒトIL−12(和光純薬工業)(終濃度 10ng/mL) を加えた。被験抗体と組換えヒトIL−33蛋白質(10ng/mL)の混合物を添加し、37℃、48時間インキュベートした。その後、培養上清を採取して、培地中のIFN−γ産生量をAlfaLISA TM human IFN−γimmunoassay kit(PerkinElmer)を用いて測定し、IL−33の中和活性を評価した。この評価系において、アルカリ精製抗体を終濃度10μg/mLで作用させた場合の阻害率は、A10−1C04で96.9%阻害、A23−1A05で97.5%阻害、A25−2C02で98.75%阻害、A25−3H04で97.9%阻害、A26−1F02で98.25%阻害であった。
ヒトIL−33をマウスに腹腔内投与することによって、様々な炎症性変化が誘導された。すなわち、血中のIgE、IgA、IL−5の増加、好中球、好酸球、好塩基球の増加、脾細胞の増加(脾臓重量の増加)、及び各種粘膜臓器の病理変化が生じた。これらの変化を指標にして、被験抗体(IgG)のin vivoでの抗炎症作用を評価した。
マウスに対して、ヒトIL−33蛋白質を気管内投与し、その後に気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取すると、BALF中総細胞数や好酸球数、好中球数が増加し、気管上皮粘液増生も見られる。また、BALF中のIL−4、5、6、13といったサイトカインも産生する。この系に、被験抗体(IgG)を腹腔内、皮下もしくは静脈内投与することによってその肺障害に対する被験抗体の作用を評価することができる。
IL−33蛋白質をマウスに鼻内投与すると、その後に吸入メタコリンに対する気道過敏が生じる。この評価系に、被験抗体(IgG)を腹腔内、皮下もしくは静脈内投与することによって気道過敏に対する被験抗体の作用を評価することができる。
ヒトIL−33ノックインマウスに、ダニ抗原またはpapainを点鼻または気管内投与すると、気道炎症が誘発され、このマウスからBALFを回収するとBALF中の総細胞数が増加する。ダニ抗原またはpapainによる気道炎症は、ダニ抗原またはpapainのプロテアーゼ活性により気道上皮細胞からIL−33が放出されることが引き起こされることが知られている(Oboki et al., Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 2010, vol. 107, p18581)。この評価系に、被験抗体(IgG)を腹腔内、皮下もしくは静脈内投与することによって、プロテアーゼによる気道炎症に対する被験抗体の作用、及びin vivoで誘導されたIL−33に対する被験抗体の作用を評価することができる。
ヒトIL−33ノックインマウスにLPSを腹腔内投与することにより敗血症が誘発されるが(Oboki et al., Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 2010, vol. 107, p18581)、LPS投与前に被験抗体(IgG)を腹腔内、皮下もしくは静脈内投与しておき、その後の死亡率に対する被験抗体の作用を評価することができる。また、LPS投与数時間以内にIL−6やTNF−αといった炎症性サイトカインが血中に高濃度で検出されるが、これらの濃度を測定することにより、被験抗体の抗炎症作用を評価することができる。
マウスに対して、マウス癌細胞株やヒト癌細胞株を各癌細胞株に応じて適切な細胞数で同所、皮下または静脈内に移入してヒトIL−33を投与する。このマウスに被験抗体(IgG)を腹腔内、皮下もしくは静脈内投与し、癌細胞株を移入後に、原発巣の癌部位や転移巣である臓器における癌細胞数を体積や細胞数にて評価すると、被験抗体の癌に対する作用を評価することができる。
被験抗体(IgG)のコロイド安定性を動的光散乱による凝集物の有無で評価した。各アルカリ精製抗体をVIVASPINまたはVIVASPIN TURBO(sartorius、10000から50000 MWCO)にて50mg/mL付近まで濃縮した。遠心は4℃にて行い、回転数、時間に関してはそれぞれ適宜変更した。被験抗体溶液を順次希釈しながら200から250μLのサンプルを用いて動的光散乱(日機装, Nanotrac UPA UT-151)を測定し、濃度範囲にして1mg/mL付近から50mg/mL付近におけるデータを取得した。抗体蛋白質の粒子径の分布を200秒間の積算データから算出し、凝集物の有無を評価した。被験抗体(A10−1C04、A23−1A05、A25−2C02、A25−3H04、A26−1F02)は粒子径分布における10nm付近のピークが抗体濃度の増加に伴って高粒子径側へのシフトする度合が非常に軽微であり、また抗体濃度に依存しない不可逆的な凝集物に由来すると考えられる粒子径数十nm以上のピークは存在しなかった。以上の結果により被験抗体の良好なコロイド安定性を確認した。
被験抗体(IgG)の熱力学的安定性を免疫グロブリンドメインのフォールディングが崩壊する温度(Tm)で評価した。数10μg/mLの被験抗体溶液にProtein Thermal Shift Dye(Life Technologies)を添付文書に従って添加し、リアルタイムPCR 7500 Fast(Life Technologies)で約1℃/minで温度を上昇させながら蛍光強度を測定した。得られたデータをProtein Thermal Shift (Life Technologies)で解析することでTmを決定した。なお、複数のTmが認められた場合、温度が低い方からTm1、Tm2とした。その結果、中性精製抗体を用いた場合、A10−1C04がTm=73.9℃、A23−1A05がTm1=69.3℃、Tm2=77.6℃、A25−2C02がTm1=69.3℃、Tm2=80.3℃、A25−3H04がTm1=70.0℃、Tm2=76.4℃、A26−1F02がTm=74.5℃であった。またアルカリ精製抗体を用いた場合、A10−1C04がTm=73.7℃、A23−1A05がTm1=69.5℃、Tm2=77.5℃、A25−2C02がTm1=69.5℃、Tm2=80.4℃、A25−3H04がTm1=70.1℃、Tm2=76.4℃、A26−1F02がTm=74.4℃であった。いずれの抗体のTmも65℃以上であり、良好な熱力学的安定性を示した。
実施例21:抗体の保存安定性の評価
被験抗体(IgG)の保存安定性を評価するため、各アルカリ精製抗体を約10 mg/mLの濃度でクエン酸バッファー(50 mM クエン酸、 150 mM NaCl(pH 6.3))に溶解して、40℃で4週間保存した。保存後の抗体モノマー純度評価のため、ゲル濾過分析(SEC)及びマイクロチップキャピラリーSDS電気泳動(mCE−SDS)によるモノマー純度の測定、並びに表面プラズモン共鳴を用いた抗原結合活性測定を実施した。
被検抗体(IgG)の酸化による抗原結合活性の影響を調べた。終濃度約1mg/mLの各種アルカリ精製抗体に過酸化水素水(終濃度1%)を添加し、37℃にて24時間酸化させた。その後、80mMメチオニン溶液を添加し酸化を終了させた。次に、被験抗体溶液を脱塩カラムZebaspin(Thermo Scientific)を用いてPBSに置換した。酸化処理を施した被検抗体の抗原結合活性を前記実施例21と同様に表面プラズモン共鳴装置Biacore T200(GE Healthcare)を用いて調べた。酸化未処理の各種被験抗体の抗原結合活性に対する酸化処理後の抗原結合活性の割合を算出したところ、A10−1C04が83%、A23−1A05が95%、A25−2C02が100.5%、A25−3H04が98.7%、A26−1F02が89.5%の結合活性を保持していた.これらの結果より、いずれの被検抗体(A10−1C04、A23−1A05、A25−2C02、A25−3H04、A26−1F02)も1%過酸化水素水処理による強制酸化において80%以上の抗原結合活性を保持する安定性を示した。
被験抗体(IgG)をPBSで0.2mg/mLに希釈し、Aggregates Sizer(島津製作所)に装着した回分セル(Batch cell)中で撹拌することで物理的ストレスを加えた。室温で撹拌子を30分間上下運動(190回/分)させた後、Aggregates Sizerで40nmから20μmの凝集体濃度を測定した。アルカリ精製抗体を用いた場合、撹拌により生じた凝集体濃度は、A10−1C04が17.2μg/mL、A23−1A05が16.4μg/mL、A25−2C02が13.3μg/mL、A25−3H04が23.4μg/mL、A26−1F02が17.0μg/mLであり、いずれの抗体も物理的ストレスで誘導される凝集体形成が15%以下であり、いずれの被検抗体も物理的ストレスに対して安定であった。
雄性C57BL6マウス(8〜10週齢)(日本チャールス・リバー)に蛍光標識した被験抗体(IgG)をマウスに静脈内投与(3mg/kg)した後、血漿中の蛍光を検出することにより、被験抗体の濃度を測定した。図10に示すように、アルカリ精製抗体を用いた場合、いずれの被検抗体(A10−1C04、A23−1A05、A25−2C02、A25−3H04、A26−1F02)も消失半減期が100時間以上であり、良好な血中安定性を示した。
雄性カニクイザル(2〜3歳)(ハムリー)に被験抗体(IgG)を静脈内投与(1mg/kg)した後、Human Therapeutic IgG1 EIA Kit(Cayman Chemical、500910)を用いて、血清中の被検抗体の濃度を測定した。アルカリ精製抗体A10−1C04を2匹のカニクイザル(No.201、202)に投与し、アルカリ精製抗A23−1A05を1匹のカニクイザル(No.301)に投与した。図11に示すように、A10−1C04の消失半減期は16.56日(No.201)及び11.40日(No.202)であり、クリアランス値は3.598mL/day/kg(No.201)及び5.451mL/day/kg(No.202)であった。またA23−1A05の消失半減期は10.87日であり、クリアランス値は10.07mL/day/kgであった。いずれの被検抗体もカニクイザルにおいて良好な血中安定性を示した。
被験抗体(IgG)の免疫原性を評価するためにin vitro T細胞アッセイを行った(Lonza)。標的となる人口集団の代表を示すため、提供者数は50名とし、提供者から採取したヒト末梢血由来の樹状細胞に50μg/mLの各種アルカリ精製抗体を添加し、樹状細胞に取り込ませた。一方、同一の提供者から採取したヒト末梢血由来のCD4陽性T細胞を単離した。その後に両者、すなわち被験抗体を取り込ませた樹状細胞をCD4陽性T細胞とともに共培養し、CD4陽性T細胞の反応(増殖)を測定した。陰性対照として、被験抗体を含まないバッファー(PBS)で同様に実施して得られるCD4陽性T細胞の反応と比較することにより、抗体をヒトに投与した際の免疫原性リスクを評価した。その結果、いずれの被験抗体(A10−1C04、A25−2C02、A25−3H04、A26−1F02)も陰性対照との間にT細胞の反応について差は認められなかった。
被験抗体(IgG)の、ヒト組織(1ドナー、FDAおよびEMAのガイドラインを満たす35組織の凍結切片)への交差反応性を免疫組織化学染色法により評価した(Covance Laboratories Ltd.)。35組織には副腎、膀胱、血液細胞、骨髄、乳腺、小脳、大脳皮質、結腸、内皮細胞(血管)、眼球、卵管、胃腸管(平滑筋含む)、心臓、腎臓(糸球体、尿細管)、肝臓、肺、リンパ節、卵巣、膵臓、上皮小体、耳下腺、末梢神経、下垂体、胎盤、前立腺、皮膚、脊髄、脾臓、横紋筋、精巣、胸腺、甲状腺、扁桃、尿管、子宮(頚部、内膜)が含まれる。その結果、アルカリ精製抗体を用いた場合、いずれの被検抗体(A10−1C04、A23−1A05、A26−1F02、A25−2C02)とも、IL−33の発現が広く知られている血管内皮細胞(陽性対照)において強い染色性が確認された。また、上皮・間質細胞・神経組織・筋組織・血球等の様々な組織において、細胞質あるいは核への交差性が確認されたが、いずれの組織においても細胞膜への交差反応性はみられなかった。ICH S6(R1)ガイドラインおよびその他の論文(Toxicologic Pathology 2010, 38(7):1138-1166)によれば、in vivoで抗体が到達する可能性の低い細胞質や核への交差反応性は毒性学的意義が低いと考えられている。従って、いずれの被験抗体(A10−1C04、A23−1A05、A26−1F02、A25−2C02)も毒性懸念は見出されなかった。
抗IL−33モノクローナル抗体A10−1C04およびA25−3H04は前記実施例1に記載したPEP14エピトープに結合した。20アミノ酸残基からなるPEP14に含まれる、より短い連続するアミノ酸配列について、このようなアミノ酸配列を提示するファージディスプレイライブラリを用いた実験により、2種類のエピトープ(LEDESYEIYV(配列表の配列番号426)及びEDESYEIYV(配列表の配列番号427))を見出した。ペプチドLEDESYEIYVは配列表の配列番号226に示すヒトIL−33の残基138から残基147に相当し、ペプチドEDESYEIYVは配列表の配列番号226に示すヒトIL−33の残基139から残基147に相当する。これらのペプチドを合成し、実施例9と同様のKinExA実験によりアルカリ精製抗体との親和性をKdとして算出した(表14)。
Claims (17)
- 軽鎖の相補性決定領域1(LCDR1)、軽鎖の相補性決定領域2(LCDR2)、軽鎖の相補性決定領域3(LCDR3)、重鎖の相補性決定領域1(HCDR1)、重鎖の相補性決定領域2(HCDR2)及び重鎖の相補性決定領域3(HCDR3)のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表1のC1からC30で示される組み合わせより選択される、ヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする医薬組成物。
- 軽鎖の相補性決定領域1(LCDR1)、軽鎖の相補性決定領域2(LCDR2)、軽鎖の相補性決定領域3(LCDR3)、重鎖の相補性決定領域1(HCDR1)、重鎖の相補性決定領域2(HCDR2)及び重鎖の相補性決定領域3(HCDR3)のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが、表1のC1からC28で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項1に記載の医薬組成物。
- 軽鎖の相補性決定領域1(LCDR1)、軽鎖の相補性決定領域2(LCDR2)、軽鎖の相補性決定領域3(LCDR3)、重鎖の相補性決定領域1(HCDR1)、重鎖の相補性決定領域2(HCDR2)及び重鎖の相補性決定領域3(HCDR3)のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが、表1のC1、C8、C15、C17及びC18で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
- フレームワーク領域のアミノ酸配列が、生殖系列のフレームワーク領域のアミノ酸配列またはその組み合わせのアミノ酸配列であるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 軽鎖のフレームワーク領域1のアミノ酸配列が、配列表の配列番号317の残基1から残基22、軽鎖のフレームワーク領域2のアミノ酸配列が配列表の配列番号317の残基36から残基50、軽鎖のフレームワーク領域3のアミノ酸配列が配列表の配列番号317の残基58から残基89、及び、軽鎖のフレームワーク領域4のアミノ酸配列が配列表の配列番号401の残基3から残基12であり、かつ、重鎖のフレームワーク領域1のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基1から残基30または配列表の配列番号368の残基1から残基30、重鎖のフレームワーク領域2のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基36から残基49または配列表の配列番号368の残基36から残基49、重鎖のフレームワーク領域3のアミノ酸配列が配列表の配列番号367の残基67から残基98または配列表の配列番号368の残基67から残基98、及び、重鎖のフレームワーク領域4のアミノ酸配列が配列表の配列番号407の残基5から残基15であるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 軽鎖可変領域及び重鎖可変領域のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表2のV1からV30で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 軽鎖可変領域及び重鎖可変領域のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表2のV1からV28で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項6に記載の医薬組成物。
- 軽鎖可変領域及び重鎖可変領域のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表2のV1、V8、V15、V17及びV18で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項6または7に記載の医薬組成物。
- 軽鎖がλ鎖であるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 抗体がIgGであるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 抗原がヒトIL−33及びサルIL−33であるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- サイトカインの発現を抑制することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- TNF−α、IFN−γ、IL−1β、IL−4、IL−5、IL−6又はIL−13の発現を抑制することを特徴とする、請求項12に記載の医薬組成物。
- IFN−γ、IL−5、IL−6又はIL−13の発現を抑制することを特徴とする、請求項12または13に記載の医薬組成物。
- IL−33関連疾患の予防、治療または軽減用の請求項1〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- IL−33関連疾患が、喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、アレルギー性鼻炎、アナフィラキシーショック、副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎を含む)、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節炎、全身性エリトマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、強直性脊椎炎、肝線維症(原発性胆汁性肝硬変を含む)、肺線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性腎障害、血管炎及び癌からなる群から選択される、請求項15に記載の医薬組成物。
- 抗IL−33中和モノクローナル抗体を有効成分とする医薬組成物であって、当該抗IL−33中和モノクローナル抗体が、IL−33との結合に関して、軽鎖の相補性決定領域1(LCDR1)、軽鎖の相補性決定領域2(LCDR2)、軽鎖の相補性決定領域3(LCDR3)、重鎖の相補性決定領域1(HCDR1)、重鎖の相補性決定領域2(HCDR2)及び重鎖の相補性決定領域3(HCDR3)のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが、表1のC1、C8、C15、C17及びC18で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体、又は軽鎖可変領域及び重鎖可変領域のそれぞれのアミノ酸配列の組み合わせが表2のV1、V8、V15、V17及びV18で示される組み合わせから選択されるヒト抗IL−33中和モノクローナル抗体と競合する、医薬組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015127885A JP6501650B2 (ja) | 2015-06-25 | 2015-06-25 | ヒト抗il−33中和モノクローナル抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015127885A JP6501650B2 (ja) | 2015-06-25 | 2015-06-25 | ヒト抗il−33中和モノクローナル抗体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017008003A JP2017008003A (ja) | 2017-01-12 |
| JP6501650B2 true JP6501650B2 (ja) | 2019-04-17 |
Family
ID=57760744
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2015127885A Active JP6501650B2 (ja) | 2015-06-25 | 2015-06-25 | ヒト抗il−33中和モノクローナル抗体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6501650B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP4219551A4 (en) * | 2020-09-25 | 2025-01-08 | Sunshine Guojian Pharmaceutical (Shanghai) Co., Ltd. | Antibody binding to human il-33, preparation method therefor, and use thereof |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| TWI563003B (en) | 2013-12-26 | 2016-12-21 | Mitsubishi Tanabe Pharma Corp | Human anti-il-33 neutralization monoclonal antibody |
| CN115920031A (zh) | 2017-08-31 | 2023-04-07 | 田边三菱制药株式会社 | 含有il-33拮抗剂的子宫内膜异位症治疗剂 |
| CN107973849B (zh) * | 2017-11-30 | 2020-07-28 | 畜科生物工程有限公司 | 一种用于增强猪疫苗免疫效果的蛋白质及其应用 |
| JP7407723B2 (ja) * | 2018-09-14 | 2024-01-04 | 田辺三菱製薬株式会社 | ヒト抗il-33モノクローナル抗体含有医薬用組成物 |
| JP7578943B2 (ja) * | 2020-07-13 | 2024-11-07 | 学校法人自治医科大学 | 褥瘡治療剤 |
| WO2025135174A1 (ja) * | 2023-12-22 | 2025-06-26 | 田辺三菱製薬株式会社 | 医薬組成物 |
Family Cites Families (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| NZ549040A (en) * | 2004-02-17 | 2009-07-31 | Schering Corp | Use for interleukin-33 (IL33) and the IL-33 receptor complex |
| MX2007005866A (es) * | 2004-11-17 | 2007-11-12 | Amgen Inc | Anticuerpos monoclonales totalmente humanos para il-13. |
| ES2439709T3 (es) * | 2005-06-21 | 2014-01-24 | Xoma (Us) Llc | Anticuerpos y fragmentos de los mismos que se unen a la IL-1beta |
| CA2728685A1 (en) * | 2008-06-30 | 2010-01-07 | Novo Nordisk A/S | Anti-human interleukin-20 antibodies |
| FR2972006B1 (fr) * | 2011-02-24 | 2016-03-25 | Centre Nat Rech Scient | Nouveaux fragments d'il-33 superactifs et leurs utilisations |
-
2015
- 2015-06-25 JP JP2015127885A patent/JP6501650B2/ja active Active
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP4219551A4 (en) * | 2020-09-25 | 2025-01-08 | Sunshine Guojian Pharmaceutical (Shanghai) Co., Ltd. | Antibody binding to human il-33, preparation method therefor, and use thereof |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2017008003A (ja) | 2017-01-12 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6548696B2 (ja) | ヒト抗il−33中和モノクローナル抗体 | |
| US20220380458A1 (en) | Binding molecules specific for fcgamma riia and uses thereof | |
| KR101998535B1 (ko) | Tl1a에 특이적으로 결합하는 항체 | |
| JP6501650B2 (ja) | ヒト抗il−33中和モノクローナル抗体 | |
| IL305230A (en) | A pharmaceutical composition containing an anti-TSLP antibody | |
| JP2015502915A (ja) | CD1dに対する抗体 | |
| US11708417B2 (en) | Miniaturized antibody of anti-glucocorticoid-induced tumor necrosis factor receptor (GITR), and polymer and use thereof | |
| TW201813979A (zh) | 抗cd27抗體、其抗原結合片段及其醫藥用途 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180326 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20181218 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190131 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190219 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190319 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6501650 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |