JP6488260B2 - 醸造工程における液体の不純物濾過用フィルター - Google Patents
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Description
まず、図3に示すように、濾過システムの吐出配管18を中継タンク13に繋がるように切り換え、中継タンク13−吸入配管14−濾過装置16(フィルター原板17a)−吐出配管18−中継タンク13の循環流路を形成する。次に、中継タンク13に水を投入し、ポンプ15を稼働させて循環流路での水の循環を開始する。併せて中継タンク13内の水にプレコート層を形成するための濾過助剤を添加する。濾過助剤としては珪藻土や微小繊維状セルロース(セリッシュ登録商標)がある。水に添加された濾過助剤は、流路に沿って濾過装置16内に入り、各フィルター原板17aを通過する。このとき濾過助剤はフィルター原板17aに引っ掛かり、濾過助剤がフィルター原板17a上に蓄積されていくこととなる。濾過助剤を繰り返し循環させ、また濾過助剤を随時追加投入することにより、各フィルター原板17a上には濾過助剤が蓄積したプレコート層が形成される。このプレコート層が程よい程度に蓄積されたことを濾過助剤の投入量や濾過抵抗等によって確認すると、フィルター原板17a上にプレコート層が形成されたフィルター17が完成し、このフィルター17による酒の濾過が可能となる。
まず、上記フィルターの製造は、フィルター原板に濾過助剤を蓄積させてプレコート層を形成するため、酒の濾過にはどの程度のプレコート層が必要か、例えば濾過助剤をどの程度の厚みに蓄積させたプレコート層を形成すればよいかなどは醸造メーカーの経験や勘に頼っていた。また、フィルターの製造は濾過装置を用いて行うため、濾過装置のある場所でしか製造することができず、フィルターの製造自体に時間と手間が掛かり、場所等の制限があった。
また、オリ下げした上澄みを平均孔径0.01〜1μmの微細多孔質中空繊維により濾過する方法も提案されている(特許文献2)。
請求項3の発明は、前記醸造工程における液体の不純物濾過用フィルターは、清酒の醸造工程における不純物濾過用フィルターであることを特徴とする。
本件実施形態のフィルターは、清酒のオリ引き後及び/またはオリ下げ後の濾過に使用するフィルターであり、濾過装置において上流側に位置する第1層の繊維シートと下流側に位置する第2層の繊維シートとを重ねてなる。また、必要に応じて更に第2層の下流側に配置される補強用繊維シートを備えることができる。
第1層のシートに使用することができる繊維原料は、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、これらのクラフトパルプ、晒パルプ、未晒パルプ、また、コットンリンター、麻、コウゾ、三椏等の植物パルプの各繊維を使用することができる。
第2層のシートに使用する繊維材料には、リヨセルを60質量%以上含有することが必要である。リヨセルの含有量が60質量%未満では不純物の有効な捕集を行うことができない。また、リヨセルの含有率は高い方が不純物の捕集には有効であり、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
原料を加工して第2層をシートにする方法については、湿式製造方法を用いることが好ましい。特に第2層のシートではリヨセルを60質量%以上含有することを必須としており、乾式製造方法ではシートの厚みが均一と成らずにムラが生じやすく、また密度が低くなり孔径が大きく成りやすい。なお、湿式製造方法としては、円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機を用いることができる。湿式製造を行う際には第1層と同様に珪藻土、酸化チタン等の無機填料を添加することができる。
補強用繊維シートについて
第1層のシート及び第2層のシートのさらに下流側に第3のシートである補強用繊維シートを配置することができる。この補強用繊維シートは第1層及び第2層のシートのフィルターの補強、例えば、フィルターの目が詰まってきた場合に水圧差によりフィルターが下流側に膨らむ変形を防止することを目的とするものであり、補強用繊維シート自体が濾過機能を有する必要はない。
補強用繊維シートには、針葉樹パルプ、麻パルプ、ポリエステル繊維など、安価で強度に優れた繊維材料を使用することができる。
補強用繊維シートとしては、事実上濾過性能を有さず、フィルターの濾過性能に影響を与えないものであればよい。具体的には、補強用繊維シートの透気抵抗度がフィルターの透気抵抗度より小さいものが挙げられる。また、補強用繊維シートが、濾過時の水圧に抗してフィルターの変形を防止するためには、坪量が50g/m2以上、比引張強さ(JISP8113)が20N・m/g以上あることが好ましい。
以下に具体的実施例を示す。
リヨセル繊維は、Lenzing社のテンセル(登録商標)(繊維長4mm、繊度1.7dtx)を使用した。
ポリプロピレン繊維は、ダイワボウポリテック株式会社のPZ0.8(繊維長5mm、繊度0.8dtx)を使用した。
実施例1
第1層は、CSF600に叩解したNBKP50質量%とCSF600に叩解したLBKP50質量%を混合して原料とし、円網抄紙機を用いて抄紙した後にヤンキードライヤーにて乾燥し、坪量105g/m2、厚さ196μm、密度0.54g/cm3、透気抵抗度3.5sec、最大孔径9.8μm、平均孔径3.1μmのシートを得た。
実施例2ないし実施例16は、第1層及び第2層として以下の表1に示す原料を使用し、実施例1と同様の方法によりシートを製造した。また、第1層及び第2層の坪量、厚さ、密度、透気抵抗度、最大孔径、平均孔径、並びに、第1層と第2層を重ねたフィルター(表中「積層」と表示)の坪量、厚さ、透気抵抗度、最大孔径、平均孔径についても以下の表1に示した。
実施例1の第2層と同様のシートのみを用いた1層のフィルターとした。なお、以下の表2には便宜上、第2層の欄に示している。
これら実施例、比較例のフィルターについて、以下の試験1〜試験4を行った。
各実施例及び比較例のフィルターについて、オリ引き後の濾過に対応する試験として活性炭の濾過試験を行った。濾過試験装置としてアドバンテック東洋株式会社のタンク付きステンレスホルダーKST−47(有効濾過面積12.5cm2)を使用した。第1層のシートと第2層のシートをそれぞれ直径47mmの円形に切り出し、この2枚のシート(ただし比較例1は単層、比較例2はプレコート層を形成した従来のフィルター)を重ねて試験用フィルターとし、第1層が上流側となるように濾過試験装置にセットした(図4)。また、エタノール20質量%水溶液200mlに醸造用活性炭(川北化学株式会社くじゃく(登録商標)活性炭SE、平均粒径27μm、粒度分布0.5〜150μm)を0.2g添加して混合した試験液1を作製した。
次に、各実施例及び比較例のフィルターについて、オリ下げ後の濾過に対応する試験として活性炭とフロック(オリにオリ下げ剤が結合してできた凝集体)の濾過試験を行った。試験1と同様の濾過試験装置20を使用し、同様に作製した試験用フィルターをセットした。また、エタノール20質量%水溶液200mlと試験1と同じ活性炭0.2gとフロック含有液20mlを添加して混合した試験液2を作製した。フロック含有液は、清酒200ml中に、オリ下げ剤として、ゼラチン乾燥重量0.5g、市販の柿渋汁2gを添加して混合して作製した擬似的なフロックを含有する液体であり、攪拌してフロック等が沈澱していない状態で20ml採取した。
さらに、各実施例及び比較例のフィルターについて、未使用の試験用フィルターと試験2に使用した後の試験用フィルターのそれぞれについて濾過速度を測定した。上記各試験で使用した濾過試験装置に未使用の試験用フィルター(未使用フィルター)をセットし、タンク内に投入した水が1分間に未使用フィルターを通過する量(ml/min)を測定した。なお、タンク内の圧力は50kPaとした。測定の結果、通過する量(ml/min)が600以上は「◎」、300〜599は「○」、200〜299は「△」、199以下は「×」とした。これは、従来技術である比較例2の濾過速度(217ml/min)を基準とし、これよりも濾過速度が十分に速いものを「◎」「○」としたものである。
以下の試験1〜3の結果をまとめて表5とした。
実施例、比較例の一部について、複数の酒造メーカーにて同メーカーの濾過装置を使用した酒の確認試験をし、活性炭の漏れ、オリ漏れ、作業性・濾過時間、濾過後のフィルターの状態を判断した。
これら各醸造メーカーによる試験4では、実施例1はオリ引き後及びオリ下げ後の濾過において活性炭及びオリの漏れはなく、作業性・作業時間も良好という評価であり(4の1、4の2、4の5、4の6)、従来技術(4の4)よりも優れていた。一方、比較例1はオリ下げ後の濾過にてオリ漏れが生じた(4の3)。
Claims (4)
- 醸造工程における液体の不純物濾過用フィルターであって、
濾過流路の上流側に配置される第1層の繊維シートと、下流側に配置される第2層の繊維シートとを備え、
前記第1層の繊維シートは、厚さが75μm以上、密度が0.3〜0.65g/cm3であり、
前記第2層の繊維シートは、厚さが90μm以上、密度が0.3〜0.6g/cm3であり、カナダ標準ろ水度が350ml以下のリヨセルを60質量%以上含有し、
前記第1層の繊維シートと第2層の繊維シートを積層した状態の透気抵抗度は30sec以下であることを特徴とする醸造工程における液体の不純物濾過用フィルター。 - 前記第2層の繊維シートは、
前記カナダ標準ろ水度が200ml以下のリヨセルを80質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の醸造工程における液体の不純物濾過用フィルター。 - 前記醸造工程における液体の不純物濾過用フィルターは、清酒の醸造工程における不純物濾過用フィルターであることを特徴とする請求項1及び2のいずれか1項に記載の醸造工程における液体の不純物濾過用フィルター。
- 前記第2層の繊維シートの下流側に配置される補強用繊維シートを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の醸造工程における液体の不純物濾過用フィルター。
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