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JP6486793B2 - ロックボルト及びその施工方法 - Google Patents

ロックボルト及びその施工方法 Download PDF

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JP6486793B2
JP6486793B2 JP2015154323A JP2015154323A JP6486793B2 JP 6486793 B2 JP6486793 B2 JP 6486793B2 JP 2015154323 A JP2015154323 A JP 2015154323A JP 2015154323 A JP2015154323 A JP 2015154323A JP 6486793 B2 JP6486793 B2 JP 6486793B2
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Description

本発明は、ロックボルト及びその施工方法に関する。
山岳トンネルには、一般的に、図20(a)に示すようなNATM工法や、図20(b)に示すような矢板工法が採用されている。近年ではトンネルの標準工法としてNATM工法が採用されている。NATM工法トンネルでは、図20(a)に示すように、掘削壁面に一次覆工として吹付コンクリート90を施すと共に、地山にロックボルト91を打設する。また、吹付コンクリート90の内側には、防水シートや緩衝材を挟んで覆工コンクリート100が打設構築されている。一方、矢板工法は、NATM工法よりも古い工法であるが、図20(b)に示すように、掘削直後の坑壁面を崩れてこないように矢板92と支保工93で支え、その内側に覆工コンクリート100を構築したものである。特に、鉄道トンネルは長い歴史があり、矢板工法で構築されたトンネルが現在でも数多く供用されている。
矢板工法によって施工されたトンネルの構造は安定しているが、特に鉄道の安全安定輸送のためには、運行に必要な設備などをトンネル内に敷設する必要があり、さらには構造物の部分的な劣化に対して部分補修や補強をする必要がある。そのため、覆工コンクリートの内面に補強部材などの固定物を取り付ける必要が生じる。この必要性はNATM工法トンネルでも年数を経れば同様である。
そこで、通常は、図21に示すように、アンカー94を打設して固定物を取り付ける。より詳細に説明すると、次の通りである。まず、図21(a)に示すように、一端部が拡径可能な筒状の拡径部材94aと、一端部に雄ネジが形成され他端部が先端コーン状に形成されたテーパーボルト94bからなるアンカー94を準備し、これを覆工コンクリート100に形成された削孔110に挿入する。そして、図21(b)に示すように、アンカー94を削孔110に挿入し、不図示の打込棒、ハンマー等を用いて拡径部材94aを孔奥側に叩き込むと、テーパーボルト94bの先端コーン状部分が拡径部材94aに進入し、一端部を押し広げる。これにより、拡径部材94aが削孔内壁面に密着し、アンカー94が覆工100に固定される。続いて、削孔110から突出したテーパーボルト94bの雄ネジに補強部材などの固定物96を係合するとともに、固定物96から突出した雄ネジにワッシャ97とナット98とを取り付ける。そして、ナット98を締め付けると、図21(c)に示すように、アンカー94の施工が完了する。また、さらに古い劣化した覆工等に取り付ける方法として特許文献1の手法も提案されている。
特開2002−21498号公報
しかしながら、アンカー94による固定物96の取付は、特に鉄道トンネルの場合には下記の課題がある。すなわち、鉄道トンネルでは、高速で通過する列車の先頭部で正圧が生じる一方で後尾部で負圧が生じるため、覆工コンクリート100内面に取り付けられた固定物及びこれを支持するアンカー94、ひいては覆工コンクリート100には、図21(c)に示すように、固定物96の自重F2に加え、列車通過による動的荷重が作用し、覆工コンクリート100に剪断方向の力F3が作用することもある。
こうした力F3が繰り返し作用しても固定物96が決して脱落することがないよう、十分な安全率をもつ取付構造、即ちより大径で深いアンカーが採用することも考えられるが、このようなアンカーでは、アンカーの拡開自体により覆工コンクリート100に作用する圧縮応力F1も大きくなり、年月を経た覆工にとってそれなりの負担となることは否めず、これによってトンネル寿命やメンテナンスの煩雑さ等にどのような影響がでてくるかを予測することは難しい。また、特許文献1によるアンカーでもアンカー打設そのものによる覆工への負荷は軽減されるものの、覆工には剪断方向の力F3が作用してしまうことは避けられない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、覆工に余分な負荷をかけることなく固定物を取り付けることができ、しかも覆工が打設された地山の補強も可能なロックボルト、及びその施工方法を提供することを目的とする。
本発明に係るロックボルトは、筒状に形成され、軸方向に延びる内部空間を有するとともに、前記内部空間に加圧流体を注入することで、塑性変形して膨張する膨張式管と、前記膨張式管に挿通され、前記削孔において少なくとも前記覆工と対応する位置に配置される、筒状に形成され且つ先端部に軸方向に延びている拡径用スリットを有する拘束部材と、前記膨張式管の端部に取り付けられ、前記削孔への定着時に、前記固定物に係合可能なネジ部と、を備えている。
この構成によれば、膨張式管において、覆工に配置さている部分には、筒状の拘束部材が配置されているため、膨張式管が膨張しても、覆工内に配置された部分は、拘束部材によって膨張が規制される。その一方で、拘束部材の先端部には軸方向に延びている拡径用スリットが設けられているため、拘束部材より先端側の膨張式管は円滑に膨張することが出来る。そのため、膨張式管の膨張によって、覆工に負荷が作用するのを防止した状態でロックボルトが地山に定着され、同時に、ロックボルトによって地山の補強もすることができる。また、膨張式管1の後端部にネジ部2が取り付けられているため、削孔から突出するネジ部2にネジ締結により作業性良く確実に固定物8を係合することができる。
上記ロックボルトにおいて、前記ネジ部は、前記膨張式管が前記削孔への定着時に、前記削孔から突出する雄ネジとすることができる。これにより、例えば、ワッシャやナットを雄ネジに取り付け、これを締め付けることで、固定物を覆工へ堅牢に取り付けることが可能となる。
上記各ロックボルトでは、前記拘束部材において、前記拡径用スリットが複数設けられ、前記膨張式管の膨張とともに該複数の拡径用スリットが前記覆工の背面と地山との間で拡径可能に構成することができる。
この構成によれば、膨張式管が、覆工の背面と地山との間で、拘束部材の先端部に設けられた複数のスリットによって拡径するため、覆工への負荷を生じさせることなく膨張式管の膨張部が地山に確実に摩擦定着され、固定物の取付に加えロックボルトとしての地山補強効果をより有効に利用することが出来る。
上記ロックボルトにおいて、前記拘束部材は、少なくとも、前記覆工から前記地山まで達する長さを有することができる。
上記ロックボルトにおいては、前記ロックボルトの先端からの所定長が、前記地山に対してセメント定着材により定着することができる。
本発明に係るロックボルトの施工方法は、地山及びその表面に施された覆工に対し、削孔を形成するステップと、上述したいずれかに記載のロックボルトを前記削孔に挿入するステップと、前記膨張式管の内部空間に加圧流体を注入することで、膨張させることで、当該膨張式管を前記削孔内壁面に密着させるステップであって、当該膨張式管において前記覆工内に配置された部分の膨張を前記拘束部材によって拘束するとともに、当該拘束部材の先端部を前記膨張式管の膨張に伴って拡径させるステップと、前記ネジ部に固定物を係合させるステップと、前記ネジ部に対し、ナット及びワッシャを取り付けるとともに、前記ワッシャと覆工の表面との間に前記固定物を挟み、前記ナットを前記ネジ部に対して締め付けることで、前記固定物を、前記ワッシャとナットを介して前記覆工に表面に押圧させるステップと、を備えている。
上記ロックボルトの施工方法において、前記ネジ部は、前記膨張式管が前記削孔への定着時に、前記削孔から突出する雄ネジであって、前記固定物は、前記削孔から突出する雄ネジに係合されるものとすることができる。
上記各ロックボルトの施工方法においては、前記ロックボルトの前記削孔への挿入に先立って、または前記ロックボルトの挿入とともに、前記削孔の奥端部に、セメント定着材を配置するステップと、前記セメント定着材により、前記ロックボルトの所定長を前記削孔に定着させるステップと、をさらに備えることができる。
本発明によれば、覆工に負荷が作用するのを防止した状態でロックボルトが地山に定着され、そのロックボルトのネジ部に確実に固定物を取り付けることができ、同時に、ロックボルトによって地山の補強もすることができる。
本発明に係るロックボルトが施工されるトンネルの断面図である。 本発明の一実施形態に係るロックボルトの断面図である。 図1のロックボルトを構成する膨張式管の側面図である。 図3の膨張式管の管本体の作製手順を説明する斜視図である。 拘束部材の側面図(a)及びA−A線断面図(b)である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 図1のロックボルトの施工方法を示す断面図である。 本発明に係るロックボルトの他の例を示す断面図である。 本発明に係るロックボルトの他の施工方法を示す断面図である。 本発明に係るロックボルトの他の施工方法を示す断面図である。 従来技術を説明する図である。 従来技術を説明する図である。
以下、本発明に係るロックボルト及びその施工方法の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係るロックボルトが施工されるトンネルの断面図である。なお、以下では、説明の便宜のため、ロックボルトが挿入される削孔の奥端部側を「先端側」または「先頭側」、その反対側を「基端部側」または「後端側」と称することがある。また、削孔の延びる方向及びそれに対応するロックボルトの延びる方向を軸方向と称することがある。また、この軸方向を中心に、径方向または周方向という文言により、方向を示すこともある。
図1に示すように、このトンネルの内壁面Xは、地山300の表面に、矢板(図示省略)が取り付けられ、さらにその表面に覆工コンクリート(以下、単に覆工という)100が打設されているものであり、覆工100、矢板が配置する覆工背面空間200を貫通し、地山へと延びる削孔に本実施形態に係るロックボルト10を施工する。また、ロックボルト10の施工に次いで、覆工の表面には、補強板等の固定物8を取り付ける。以下では、まず、ロックボルトの構造について説明し、その後、施工方法について説明する。
<1.ロックボルトの構造>
図2は、本実施形態に係るロックボルトの側面図である。同図に示すように、本実施形態に係るロックボルト10は、鋼管(管部材)によって長尺状に形成された膨張式管1と、この膨張式管1の後端部に一体に形成されたネジ部2と、この膨張式管1が挿入される筒状の拘束部材3と、を備えている。以下、これらの部材について詳細に説明する。
<1−1 膨張式管>
図3は膨張式管の側面図である。同図に示すように、膨張式管1は、管本体11、この管本体11の先端に取り付けられる先端スリーブ12、及び管本体11の後端に取り付けられる口元スリーブ13、を備えている。また、口元スリーブ13の後端部には、上述したネジ部2が一体に取り付けられている。はじめに、管本体11の作製方法について説明する。
図4は管本体の作製手順を説明する斜視図である。まず、図4(a)に示すように、内部空間101を有する中空の円筒状の鋼管100を準備し、これを押圧して板状にした後、図4(b)に示すように、長手方向を軸方向として筒状に曲げ、軸方向に延びる凹部102を有するように断面C字状の膨張式管10を形成する。なお、鋼管100は、後述するように内部空間101に供給される水の圧力によって変形するように、肉厚が2〜3mm程度のものを用いる。また、鋼管100の内部空間101に流体が流入できるように、鋼管100を完全に押しつぶさない程度に板状にすることが好ましい。
図3に戻って膨張式管1の説明を続ける。同図に示すように、膨張式管1の先端に取り付けられた先端スリーブ12は、先端が閉じた中空の円筒状に形成されており、管本体11の先端が挿入され、溶接などによって固定され同時に管本体11の先端が封止される。また、管本体11の後端部に取り付けられる口元スリーブ13は、筒状に形成されており、先端側が開口している。そして、この口元スリーブ13の先端開口には、管本体11の後端部が挿入され、溶接などによって固定されている。一方、口元スリーブ13の後端部には、上述したネジ部2が一体に連結されている。このネジ部2には雄ネジが形成されるとともに、軸方向に沿って、管本体11の内部空間101に連通する貫通孔21が形成されている。このとき、管本体11の後端部は、外周面及び凹部102が溶接によって閉じられ、内部空間101への開口のみがネジ部2の貫通孔21と連通するようにしておく。
<1−2 拘束部材>
次に、拘束部材3について説明する。図5は拘束部材の側面図(a)及びA−A線断面図(b)である。同図に示すように、拘束部材3は、先端及び後端が開口する中空の円筒状に形成されており、膨張式管1の管本体11が挿入できるような内径を有している。但し、この拘束部材3の内径は、口元スリーブ13の外径よりは小さい。そのため、後述するように、拘束部材3は、口元スリーブ13によって押されながら、削孔400内に挿入される。
また、この拘束部材3の先端側の外周面には、複数の拡径用スリット31が形成されている。これら拡径用スリット31は、周方向に等間隔に形成され(本実施形態では4箇所)、軸方向に延びている。また、各拡径用スリット31は、拘束部材3の先端まで延び、外部に開放されている。そして、この拘束部材3は、膨張式管1に対し、口元スリーブ13より先端側に配置され、膨張式管1が削孔に配置されたとき、覆工100内に配置されるとともに、拡径用スリット31が形成された先端部が覆工の背面と地山との間で矢板が配置する覆工背面空間200内に進入するような長さに形成されている。
<2.ロックボルトの施工方法>
次に、上記のように構成されたロックボルトの施工方法について、図6〜図16も参照しつつ説明する。本実施形態においては、図1に示すように、既設のトンネル500を対象とし、矢板及び覆工100が打設された内壁面Xに沿って複数のロックボルトを所定間隔おきに打設する。まず、図6に示すような公知の削孔機6により、覆工100及び覆工背面空間200を貫通し、地山300まで延びる削孔400を形成する。次に、図7に示すように、覆工100の厚みをスケール150で計測し、後に打設されるロックボルトの拡径用スリット31が覆工100の背面より地山側に位置することを確認しておく。
なお、覆工背面空間200は、覆工100と地山300との間に必ず存在するものではなく、また、覆工背面空間200には、矢板が存在する他、注入材が充填されていたり、或いは今後充填される予定でまだ空隙である、等、トンネルによってまちまちである。
また、これと並行して定着材の準備をしておく。すなわち、図8に示すように、セメントモルタル7aが収容された吸水性の袋体7を準備する。この袋体7は、表面に保形用の補強メッシュ7bが設けられている。そして、この袋体7を所定時間水に漬けた後、図9に示すように、削孔400の奥端部に袋体7を配置する。これに続いて、拘束部材3が取り付けられた膨張式管1を削孔400に挿入する。このとき、拘束部材3の表面には、接着剤を塗布しておく。
そして、膨張式管1は、口元スリーブ13によって拘束部材3を押しながら削孔400内に挿入され、図10に示すように、口元スリーブ13及び拘束部材3を覆工100内に配置する。このとき、拘束部材3の先端側、つまり拡径用スリット31が形成されている部分が、覆工100から覆工背面空間200内に突出するように配置する。このとき、拘束部材3は、接着剤により、覆工100内に固定されている。一方、図11に示すように、ネジ部2は、削孔400から外部に突出するが、口元スリーブ13の後端と、削孔400の開口との間には隙間Lが形成されるようにしておく。これにより、膨張式管1の膨張によって、口元スリーブ13が削孔口元側に押し出されても口元スリーブ13の後端が削孔400から突出しないようにする。
また、膨張式管1を削孔400に挿入すると、削孔400の奥端部に配置されている袋体7が膨張式管1に押し潰され、定着材が削孔400内に流れ出す(図14の拡大図参照)。そして、この定着材は、削孔内の割れ目などにも進入し、膨張式管1の先端部を地山に一次的に定着させる。続いて、図12に示すように、ネジ部2に注水用アダプタを接続して注水ホース61を接続し、加圧水をネジ部2の貫通孔21を介して管本体11の内部空間101に供給する。これにより、注入された加圧水は、膨張式管1内に行き渡り、内部空間101の内圧が上昇する。その結果、膨張式管1は、図13(a)の状態から図13(b)の状態へと膨張拡径する。すなわち、膨張式管1の内部空間101に加圧水が注入されることで、膨張式管1が径方向に膨張し、削孔400の内壁面Xに密着する。
このとき、図14に示すように、膨張式管1のうち、覆工100内にある部分は、拘束部材3により覆われているため、膨張が規制される。一方、覆工背面空間200内に配置されている部分は、拘束部材3において拡径用スリット31が形成されている部分に覆われているため、膨張式管1は膨張し、これに伴い拘束部材3は、拡径用スリット31により挟まれている端部が径方向外方に広がり、拡径する。続いて、図15に示すように、貫通孔81が形成された補強部材等の固定物8を削孔400から突出したネジ部2に係合する。すなわち、固定物8の貫通孔81にネジ部2を挿通させるとともに、固定物8を覆工100の表面に当接させる。これに続いて、固定物8の貫通孔81から突出したネジ部2にワッシャ5の貫通孔を挿通させ、さらにネジ部2にナット9を螺合させ、これを締め付ける。この際、ナット9は、緩み止め機能付のナットであることが望ましい。こうして、ナット・ワッシャを用いたネジ締めによって、膨張式管1のワッシャ5と覆工100の表面との間に固定物8が挟まれ、覆工100に表面に固定物8が押し付けられる。こうして、ロックボルト10の施工が完了し、地山300の補強とともに、固定物8が覆工の表面に固定される。即ち、ロックボルト10により補強された地山300に定着された膨張式管1にワッシャ5を介してナット9で締め付けることにより、固定物8は、簡単かつ確実、堅牢に覆工100に取り付けられる。
<3.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、膨張式管1において、覆工100に配置さている部分には、筒状の拘束部材3が配置されているため、膨張式管1が膨張しても、覆工100内に配置された部分は、拘束部材3によって膨張が規制される。その一方で、拘束部材3の先端部には軸方向に延びている拡径用スリット31が設けられてため、膨張式管1の膨張によって、拘束部材3より先端側の膨張式管1は円滑に膨張することが出来る。そのため、膨張式管の膨張によって、覆工に負荷が作用するのを防止した状態でロックボルト10が地山に定着され、同時に、ロックボルト10によって地山の補強もすることができる。また、膨張式管1の後端部にネジ部2が取り付けられているため、削孔400から突出するネジ部2にネジ締結により作業性良く確実に固定物8を覆工100に固定することができる。
また、拘束部材3において、覆工100から覆工背面空間200内に突出している部分には拡径用スリット31が複数形成されて、覆工100の背面と地山300との間で拡径可能となっている。そのため、膨張式管1が、覆工100の背面と地山300との間で拘束部材3の先端部に設けられた複数のスリット31によって的確に拡径するため、膨張式管1の膨張した管本体11が地山に確実に摩擦定着され、固定物8の取付に加えロックボルト10としての地山補強効果をより有効に利用することが出来る。
<4.変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組合せ可能である。
<4−1>
上記実施形態では、膨張式管1のネジ部2を雄ネジによって構成しているが、雌ネジが形成されたネジ部2であってもよい。この場合、図16に示すように、ネジ部2に対しては、固定物の表面にワッシャを取り付けた上で、ワッシャ5にボルト88を挿通し、このボルト88の雄ネジを、ネジ部2に螺合させる。これによっても、固定物8の取り付けが可能である。
<4−2>
上記実施形態では、拘束部材3の拡径部分を矢板が配置する覆工背面空間200内に配置しているが、図17に示すように、拘束部材3を延長し、拡径部分が地山300内に配置されるようにしてもよい。これにより、たとえ覆工100と地山300とが大きく離れて覆工背面空間200に矢板が存在していなかったとしてもセメントモル7aが収容された袋体7等の定着材をこの空間200に脱落させずに削孔400の奥端部に配置させることが出来る。また、拘束部材3の拡径部分が地山300で拡径することによって地山300に流れ出した定着材が、拡径した拘束部材3によって堰き止められ、覆工背面空間200内に流出してしまうのを防止する為、定着材の効果を最大限に発揮させことができる。
<4−3>
上記実施形態に係る施工方法は、一例であり、各部材の取付は適宜変更することができる。例えば、図18に示すような順番で施工することができる。まず、図18(a)に示すように、覆工100内に拘束部材3を配置するとともに、棒状又はパイプ状の挿入治具600を用いて、定着材7を削孔400の奥端部に配置する。続いて、図18(b)に示すように、雄ネジ付きの膨張式管1を拘束部材3に挿入しつつ、地山まで押し込む。これにより、削孔400内の定着材7が膨張式管1の先端によって押し潰され、また、口元スリーブ13によって拘束部材3が押され、覆工100内の適切な位置に配置される。このような方法であっても、上記実施形態と同様に、ロックボルトを施工することができる。
<4−4>
さらに、図19に示すように、膨張式管の後端部に止水プラグを取り付けることもできる。すなわち、図19(a)に示すように、この止水プラグ800は、中空の円筒状に形成された小径部801と、その後端に取り付けられた円板状の大径部802とを備えており、例えば、水、酸、アルカリ等に対する劣化の少ないゴム等の有機化合物により形成することができる。小径部801は、覆工100の削孔400に挿入可能であり、内径は、口元スリーブ13の外径とほぼ一致する。また、大径部802には、雄ネジが挿通可能な貫通孔803が形成されている。そして、図19(b)に示すように、膨張式管1を膨張させた後、口元スリーブ13の後端部の外周を覆うように、止水プラグ800の小径部801を配置する。このとき、雄ネジ2は、止水プラグ800の大径部802を貫通し、外部に突出する。また、大径部802は、覆工100の表面に当接するとともに、ナット9の締付によって、ワッシャ5により押圧される。このような止水プラグ800を用いることで、削孔400から覆工100の表面側への漏水が防止され、覆工100の損傷をさらに抑制することができる。
1 :膨張式管
2 :ネジ部
3 :拘束部材
10 :ロックボルト

Claims (8)

  1. 地山及びその表面に施された覆工に形成された削孔に定着されるとともに、前記覆工の表面に固定物を取り付け可能なロックボルトであって、
    筒状に形成され、軸方向に延びる内部空間を有するとともに、前記内部空間に加圧流体を注入することで、塑性変形して膨張する膨張式管と、
    前記膨張式管に挿通され、前記削孔において少なくとも前記覆工と対応する位置に配置される、筒状に形成され且つ先端部に軸方向に延びている拡径用スリットを有する拘束部材と、
    前記膨張式管の端部に取り付けられ、前記削孔への定着時に、前記固定物に係合可能なネジ部と、
    を備えている、ロックボルト。
  2. 前記ネジ部は、前記膨張式管が前記削孔への定着時に、前記削孔から突出する雄ネジである、請求項1に記載のロックボルト。
  3. 前記拘束部材において、前記拡径用スリットが複数設けられ、前記膨張式管の膨張とともに該複数の拡径用スリットが前記覆工の背面と地山との間で拡径可能に構成されている、請求項1または2に記載のロックボルト。
  4. 前記拘束部材は、少なくとも、前記覆工から前記地山まで達する長さを有している、請求項1または2に記載のロックボルト。
  5. 前記ロックボルトの先端から所定長が、前記地山に対してセメント定着材により定着される、請求項1から4のいずれかに記載のロックボルト。
  6. 地山及びその表面に施された覆工に対し、削孔を形成するステップと、
    請求項1から4のいずれかに記載のロックボルトを前記削孔に挿入するステップと、
    前記膨張式管の内部空間に加圧流体を注入することで、膨張させることで、当該膨張式管を前記削孔内壁面に密着させるステップであって、当該膨張式管において前記覆工内に配置された部分の膨張を前記拘束部材によって拘束するとともに、当該拘束部材の先端部を前記膨張式管の膨張に伴って拡径させるステップと、
    前記ネジ部に固定物を係合させるステップと、
    前記ネジ部に対し、ナット及びワッシャを取り付けるとともに、前記ワッシャと覆工の表面との間に前記固定物を挟み、前記ナットを前記ネジ部に対して締め付けることで、前記固定物を、前記ワッシャとナットを介して前記覆工に表面に押圧させるステップと、
    を備えている、ロックボルトの施工方法。
  7. 前記ネジ部は、前記膨張式管が前記削孔への定着時に、前記削孔から突出する雄ネジであって、
    前記固定物は、前記削孔から突出する雄ネジに係合される、請求項6に記載のロックボルトの施工方法。
  8. 前記ロックボルトの前記削孔への挿入に先立って、または前記ロックボルトの挿入とともに、前記削孔の奥端部に、セメント定着材を配置するステップと、
    前記セメント定着材により、前記ロックボルトの所定長を前記削孔に定着させるステップと、
    をさらに備えている、請求項6または7に記載のロックボルト施工方法。
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