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JP6481565B2 - 加飾フィルム用ハードコーティング剤、硬化膜、プラスチックフィルム、及び、成型物 - Google Patents

加飾フィルム用ハードコーティング剤、硬化膜、プラスチックフィルム、及び、成型物 Download PDF

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Description

本発明は、加熱時に優れた硬化膜伸度を有し、加熱成型加工後には優れた傷付き難さ、耐薬品性を付与することができる加飾フィルム用ハードコーティング剤、加飾フィルム用ハードコーティング剤を硬化して得られる硬化膜、硬化膜を積層してなるプラスチックフィルムに関する。
従来、電化製品、自動車外装、自動車内装部品、生活用品等の物品の表面加飾には、量産性や生産コストの点から加飾フィルムを使用した加飾技術が広く用いられており、金型内に加飾フィルムを挿入して射出成型と同時にプラスチック成型物表面を加飾するインモールド同時加飾成型が主であるが、プラスチックや金属あるいはガラスなどの成型品に加飾フィルムを貼り合わせ、または、加飾フィルムに積層した絵柄やハードコート層を転写させる真空圧着法が提案され、加飾対象物や形状適応性がさらに広がったことから、加飾フィルムには複雑な形状や深い絞り加工(深絞りという)に追従することができるよう高伸度が求められ、100%以上に加飾フィルムが延伸してもクラック等が生じないような加工性が求められる。
これらいずれの工法においても、柄インキによる意匠性に加え、それらを保護し美しい外観を長期間維持させる目的で、成型品最表面にはハードコート層が設けられている。ハードコート層には、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂が賞用されているが、熱可塑性樹脂は加工性が優れるものの耐薬品性に弱く、熱硬化性樹脂は加工性と傷付き難さがやや弱い傾向であり、活性エネルギー線硬化型樹脂は傷付き難さや耐薬品性は優れるものの、成型前に硬化させた場合には加工性が悪く、成型後に硬化させる場合にはハンドリングの悪さや成型物に活性エネルギー線を照射する工程が増えることによる生産効率低下が挙げられる。
これらに対しては、特許文献1には、水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する活性エネルギー線ポリマーと多官能イソシアネートとの二液硬化により、加工性と硬化膜物性の両立を提案している(特許文献1)。しかしながら、真空圧着法で求められる加工性には達していない。また、加工成型後の成型物表面に活性エネルギー線を照射して硬化膜とする必要があるが、複雑な形状の場合、全面を均一に照射することが困難であり、生産性も乏しい。
また特許文献2では、1分子中に活性メチレン基及び/または活性メチン基を合計で2個以上有する化合物と、(メタ)アクリロイル基を有する化合物及び光重合開始剤の樹脂組成物が提案されている(特許文献2参照)。しかし、特許文献1と同様に加工成型後に活性エネルギー線照射により硬化させる必要があり、加工性及び生産性に乏しい。
特許文献3では、ラジカル重合性二重結合を有しない非反応性樹脂を(メタ)アクリルモノマーに配合することで加工性を付与する手法も提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、このような非反応性樹脂や可塑性樹脂を配合する場合には、柔軟になり加工性は向上するものの、傷付き難さや耐薬品性が不足する傾向がある。
特許文献4では、三官能以上の(メタ)アクリルオリゴマーと一〜二官能(メタ)アクリルモノマーとの配合組成により架橋密度をコントロールする方法が挙げられる(特許文献4参照)。この方法によれば、高い表面硬度と成型時の変形に追従できる柔軟性を兼ね備えたハードコートフィルムが得られるが、表面硬度と伸度とを高い水準で両立することは困難であった。
特開平10−58895号公報 特開2005−206778号公報 特開2008−208154号公報 特開2011−148964号公報
本発明は、真空圧着法による加工成型において、複雑な形状や深絞りに対してもクラックなく成型可能で且つ、成型後に活性エネルギー線照射などによる後硬化を必要としないにもかかわらず傷付き難さや耐薬品性の優れた加飾用ハードコーティング剤を提供することである。
すなわち、本発明1は、配位結合可能な部位を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)と、他のエチレン性不飽和単量体(a−2)をラジカル重合して得られる重量平均分子量5,000〜100,000の共重合ポリマー(A)及び配位結合可能な金属化合物(B)を含有する熱硬化性樹脂組成物を含み、熱硬化性樹脂組成物の硬化膜のガラス転移温度が80〜150℃である加飾フィルム用ハードコーティング剤である。
本発明2は、本発明1において、配位結合可能な部位を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)が、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアセトアセチル基のうち少なくとも1種の官能基を分子中に有する化合物である加飾フィルム用ハードコーティング剤である。
本発明3は、本発明1又は2において、金属化合物(B)が、金属キレート化合物及び/又は金属アルコレートの金属キレート化合物である加飾フィルム用ハードコーティング剤である。
本発明4は、本発明1〜3のいずれかの加飾フィルム用ハードコーティング剤を熱処理により硬化させてなる硬化膜である。
本発明5は、本発明4の硬化膜を有する積層してなるプラスチックフィルムである。
本発明6は、本発明4の硬化膜を表面に被覆してなる成型物である。
本発明の加飾フィルム用ハードコーティング剤を使用すれば、熱硬化反応後の硬化膜においても加熱加工成型時に100%以上の硬化膜伸度を示すことから加工性が良く、且つ、成型後の硬化膜は傷付き難く耐薬品性が良好な硬化膜が得られる。これにより、従来困難であった、成型後の硬化工程を必要としない簡便で、且つ、加工性と塗膜物性を両立した加飾用ハードコーティング剤を提供することが出来る。
本発明は、配位結合可能な部位を有するエチレン性不飽和単量体(a−1)(以下、「(a−1)成分」という)と、他のエチレン性不飽和単量体(a−2)(以下、「(a−2)成分」という)をラジカル重合して得られる重量平均分子量5,000〜100,000の共重合ポリマー(A)(以下、「(A)成分」という)及び配位結合可能な金属化合物(B)(以下、「(B)成分」という)を含有する熱硬化性樹脂組成物を含み、熱硬化性樹脂組成物の硬化膜のガラス転移温度が80〜150℃である加飾フィルム用ハードコーティング剤である。
上記配位結合可能な部位とは、非共有電子対を有することができる化学構造のことであり、このような部位を有する(A)成分と後述する(B)成分を含有する加飾フィルム用ハードコーティング剤を用いることで、100〜150℃の加熱時には優れた塗膜伸度を有する硬化膜を得ることができる。これにより、成型加工時には塗膜がよく伸びて加工性が高く、成型後の冷えた状態では耐傷性や耐薬品性に優れた硬化膜を得ることができ、従来困難であった塗膜伸度と塗膜強度の両立が可能となる。
上記(a−1)成分は、ヒドロキシル基、カルボキシル基及びアセトアセチル基のうち少なくともいずれか1種の官能基を分子中に有する化合物であることが好ましい。具体的には、ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体及びアセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体からなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。これにより、(B)成分を架橋剤とした硬化物とすることができる。これらの中でも、硬化物性に関して耐溶剤性に優れる点から特にアセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体及び/又はカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体が好ましい。
上記ヒドロキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,4−シルロヘキサンジメタノールモノアクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルブタレート、などが挙げられる。これらの中でも入手が容易な観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸トリマー、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも入手が容易な観点から、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレートが好ましい。
上記アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体としては、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシプロピル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも入手が容易な観点から、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記(a−2)成分の代表例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシククロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニエフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、スチレンが挙げられる。これらのエチレン性不飽和単量体は1種、又は、2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも硬化膜が加工時にクラックが生じにくく、且つ、硬化膜表面が傷付き難い点で、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、スチレンが好ましい。
上記共重合ポリマー(A)は上記(a−1)成分と(a−2)成分をラジカル重合して得られるものであり、(a−1)成分と(a−2)成分の共重合比率は、(A)成分の重量平均分子量が5,000〜100,000となる範囲であれば特に限定されないが、好ましくは(a−1)成分:(a−2)成分の重量比が10:90〜80:20程度である。(a−1)成分の比率が10を下回る場合には、硬化膜の耐薬品性が低下してしまう。対して、80を超える場合には(A)成分の粘度が高くなりハンドリングが困難になる。(A)成分のラジカル共重合体の合成法は、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法などの従来既知の合成法で行うことが出来る。特に、分子量の制御の容易さから、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で(A)成分を製造する場合には、(a−1)成分と、(a−2)成分を原料に用い、有機溶剤を加えて、さらにラジカル重合開始剤を添加して、50℃〜150℃で2〜12時間保持することにより得られる。ラジカル重合開始剤種と反応温度は、生成する(A)成分の重量平均分子量に影響を与え得ることから、任意の重量平均分子量範囲になるように調整が必要である。
上記ラジカル重合開始剤としては、特に限定することなく公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、ラジカル重合開始剤の使用量は特に限定されないが、生成する共重合ポリマー(A)の重量平均分子量に影響を与え得ることから、重量平均分子量5,000〜100,000の共重合ポリマー(A)とする為には、全重合成分100重量部に対し0.01〜8重量部程度とすることが好ましい。なお、必要に応じ、連鎖移動剤などを用いてもよい。
上記連鎖移動剤としては、例えば、n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、ブロムトリクロルメタン等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。連鎖移動剤の使用量は、使用する全重合成分100重量部に対し、0.01〜5重量部程度とすることが好ましい。
上述した溶液重合する際の溶剤については、(a−1)成分、(a−2)成分、及び、(A)成分と相溶する有機溶剤であれば特に制限なく使用することが出来る。好ましくは、ラジカル重合反応の際に好適な反応温度50℃〜150℃を維持することが可能で、塗液乾燥の際に揮発性が良いものが好ましく、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、アセチルアセトン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、1種または2種以上の混合用液でも使用することが出来る。これらの中でも塗工時に特に適する乾燥性、乾燥時の臭気の観点から、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジアセトンアルコール、アセチルアセトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。有機溶剤の使用量は、原料固形分100重量部に対して、通常は60〜150重量部である。
合成された(A)成分の重量平均分子量を5,000〜100,000とすることで、硬化膜物性とハンドリングの良いものとすることができる。重量平均分子量5,000未満の場合には、硬化膜の耐薬品性が低下してしまう。対して、100,000を超える場合には、粘度が高くなり、また、有機溶剤との相溶性が悪くなる傾向でハンドリングが悪くなってしまう。
上記(B)成分としては、配位結合能を有する金属化合物であれば各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、金属キレート化合物、金属アルコレート及び金属アシレートからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。なお、該金属キレート化合物にはその部分アルコレートまたは部分アシレートなどが、該金属アルコレートにはその加水分解物及び縮合物などが、該金属アシレートにはその加水分解物及び縮合物などが含まれる。これらの中でも、保存安定性の観点より、金属キレート化合物及び/又は金属アルコレートの金属キレート化合物が好ましい。
上記(B)成分を構成する金属としては、例えば、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、マグネシウム、クロム、コバルト、銅、鉄、ニッケル、バナジウム、亜鉛、インジウム、カルシウム、マンガン、スズが挙げられる。これらの中でも(B)成分としての入手が容易な観点から、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムが好ましい。
上記金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムモノアセチルアセテートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテートのアルミニウム化合物;ジルコニウムテトラアセチルアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセテート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセテートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムジブトキシビスエチルアセトアセテート等のジルコニウム化合物;チタンジイソプロポキシビスアセチルアセテート、チタンテトラアセチルアセテート、チタンジオクチロキシビスオクチレングリコレート、チタンジイソプロポキシビスエチルアセトアセテート等のチタン化合物;エトキシ・アセチルアセトナート亜鉛、ビスアセチルアセトナート亜鉛、プロポキシ・アセチルアセトナート亜鉛、ブトキシ・アセチルアセトナート亜鉛、エトキシ・エチルアセトアセテート亜鉛、ビスエチルアセトアセテート亜鉛、プロポキシ・エチルアセトアセテート亜鉛、ブトキシ・エチルアセトアセテート亜鉛などの亜鉛化合物が挙げられる。
上記金属アルコレートとしては、例えば、アルミニウムエチレート、アルミニウムプロピレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムジイソプロピレートモノsecブチレート、アルミニウムモノイソプロピレートジsecブチレート、アルミニウムsecブチレートのアルミニウム化合物;ジエトキシ亜鉛、ジプロポキシ亜鉛、ジブトキシ亜鉛等の亜鉛化合物、チタニウムエチレート、チタニウムプロピレート、チタニウムイソプロピレート、チタニウムブチレート、等のチタニウム化合物;ジルコニウムエチレート、ジルコニウムプロピレート、ジルコニウムイソプロピレート、ジルコニウムブチレート等のジルコニウム化合物が挙げられる。また、該金属アルコレートの縮合物としては、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート、環状アルミニウムオキサイドオクチレート、環状アルミニウムオキサイドステアレートが挙げられる。
上記金属アシレートとしては、例えば、ジルコニウムモノプロピルトリステアレート、ジルコニウムジプロピルジステアレート、ジルコニウムトリプロピルモノステアレート、ジルコニウムモノブトキシトリステアレート、ジルコニウムジブトキシジステアレート、ジルコニウムトリブトキシモノステアレート等のジルコニウム化合物が挙げられ、縮合物としては、ポリヒドロキシチタンステアレートが挙げられる。
上記(B)成分の使用量は特に限定されないが、(A)成分中の(a−1)成分3molに対して0.25〜3mol程度を配合することで、良好な硬化膜物性とすることができる。(B)成分の使用量を0.25mol以上とすることにより、硬化膜は硬化性を始め良好な硬化膜物性を示すようになり、また、3mol以下とすることにより、コーティング剤の保存安定性が良好になる。
本発明の加飾フィルム用ハードコーティング剤は、(A)成分と(B)成分に加えて、塗工の際に適した粘度に希釈調整するための有機溶剤、塗工外観を向上させるための添加剤、塗膜特性を向上させるための無機フィラーまたは有機フィラーを使用することが出来る。
上記希釈調整用の有機溶剤に関しては、(A)成分と(B)成分と相溶性の良い有機溶剤であり、且つ、塗液乾燥の際に揮発性が良いものであれば特に制限なく使用することが出来き、具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、アセチルアセトン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、イソプロピルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1,4−ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらは単独で使用してもいいし、複数種を配合して使用することも出来る。一般には塗液粘度を5~1000mPa・s程度になるように配合量が調整される。
上記添加剤は、特に制限なく市販されるシリコーン類、アクリル類、フッ素類のレベリング剤、表面調整剤を使用することができる。例えば、BYK社のBYK300番台、BYK−UV3500番台、BYKETOL−OKなどを使用できる。
上記無機フィラーとしては、シリカ、アルミナ、ジルコニア及びチタニア等の金属酸化物の粒子、並びに粒子状、板状、鱗片状、又は繊維状のガラスが挙げられる。また、有機フィラーとしては、メタクリル酸エステル類ポリマー、ポリウレタン、ポリスチレンなどで組成される有機ビーズや、カーボンナノチューブなどが挙げられ、硬化膜の透明性を損なわないものであれば、特に制限なく使用することが出来る。
さらに、市販の酸化防止剤、紫外線吸収剤、擦り傷防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤など、用途に応じて特に制限することなく使用することができる。
加飾フィルム用ハードコーティング剤を熱処理により硬化させてなる硬化膜も本発明の1つである。この熱処理により、加飾フィルム用ハードコーティング剤が含有し得る有機溶剤が揮発するとともに硬化反応が進むことで硬化膜が得られる。この熱処理は、80℃〜160℃の温度で30秒から10分間加熱することが好ましい。これにより、硬化膜のガラス転移温度を80℃から150℃とすることができる。
加飾用ハードコーティング剤を80℃より高温で加熱することで硬化反応が十分に進行し、さらには硬化膜中の溶剤が十分に揮発する。160℃より低温で加熱することで、後述するプラスチックフィルムに熱変性が生じるのを防ぐことができる。加熱処理時間は、通常30秒〜10分間であり、生産性の点から、温度設定が120℃〜160℃の高温が好ましい。これにより、30秒〜3分間ほどの短時間で硬化反応が終了する。対して、温度設定が80℃〜120度の場合には、5分〜10分間程の加熱時間を要する。
こうして得られた硬化膜のガラス転移温度(Tg)は、硬化膜のみを採取して基準物質との熱量の違いを示差走査熱量測定により解析することで測定することができる。一般に成型時に硬化膜には、140℃〜180℃ほどの熱が加飾フィルムにかかることから、硬化膜のTgを80℃〜150℃の範囲にすることで、成型時の熱で硬化膜が軟化し、成型時に十分な伸度を発現することができる。硬化膜のTgが80℃以下の場合には、傷付き難さや耐薬品性などの塗膜物性が低下してしまう。対して、150℃以上になると、成型時の熱で硬化膜が軟化することが出来ず、クラックが生じてしまう。
この硬化膜を積層したプラスチックフィルムも、本発明の一つである。プラスチックフィルムとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル等が上げられ、中でもポリエチレンテレフタレートが市場で入手し易い点で好ましい。
本発明の加飾用ハードコーティング剤は、グラビヤコート法、ロールコート法、スプレーコート法、コンマコート法、リップコート法、グラビヤ印刷法、スクリーン印刷法などでプラスチック基材に塗工し加熱することで硬化膜を積層することができる。生産性の観点からグラビヤ印刷法が好ましい。また、グラビヤ印刷法により硬化膜の厚さが3〜10μmになるように塗工するのが硬化膜の物性の点から好ましい。
プラスチックフィルム表面には、加飾フィルムの用途に合わせて、本発明の硬化膜との密着性向上を目的に易接着処理、または、プラスチックフィルムから硬化膜を剥離し易くする為の剥離処理をしても良い。
上記易接着処理は、コロナ処理、プラズマ処理、または、ポリエステル骨格、ポリエーテル骨格、ポリカーボネート骨格、ポリウレタン骨格、ポリアミド骨格、ポリビニルアルコール骨格などを有する樹脂を1種単独で、または2種以上を組み合わせて易接着層を積層することでできる。
上記剥離処理は、剥離性が良い場合には特に必要がないが、より剥離を容易にするために、メラミン樹脂系、シリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、セルロース誘導体系、尿素樹脂系、ポリオレフィン樹脂系、パラフィン樹脂系のこれら1種単独または2種以上を組み合わせて離型層として積層することでできる。
次に、本発明の硬化膜を積層してなる成型物について説明する。この成型物も本発明の1つである。インモールド同時加飾法、真空加圧法などの工法を用いることによって、本発明の硬化膜を成型物表面に積層することができ、それら両方の工法においても、硬化膜をプラスチックフィルムごと成型物表面に貼り付けるラミネート法と、プラスチックフィルム上に積層した硬化膜やその他柄インキ層や機能層のみを成型物表面に転写する転写法がある。
上記ラミネート法では、加飾フィルムの構成として、一般に、本発明の硬化膜層、アンカー層、柄インキ層、易接着層、プラスチックフィルム、機能層、接着層の順、または、本発明の硬化膜層、易接着層、プラスチックフィルム、易接着層、柄インキ層、機能層、接着層の順などの層構成があり、成型物表面にこの接着層を介して貼り合わせることができる。
上記転写法では、一般にプラスチックフィルムの上に、必要であれば剥離層を積層し、その上に、本発明の硬化膜層、アンカー層、柄インキ層、機能層、接着層の順で積層されたもの(転写層)であり、成型物表面に接着層を介して貼り付けられた後、プラスチックフィルム、または、剥離層と硬化膜層との層間を剥離させて、成型物表面に転写層のみを積層することができる。
以下に、合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の説明で、部および%は重量基準である。
<合成例1>
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口及び滴下ロートを取り付けた四つ口フラスコに、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK)47.6部を仕込み、窒素ガスを流入し撹拌しながら110℃まで昇温させた。次いで、メチルメタクリレート(以下、MMA)38.1部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以下、HEMA)9.5部、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBN)4.8部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で110℃12時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−1)とし、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)は6,000であった。なお、重量平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名「HLC−8220」、カラム:東ソー(株)製、商品名「TSKgel superHZ−M」を3本直列に連結して測定した値を示す(以下、同様。)。
<合成例2>
合成例1と同様の反応容器に、MIBK 48.8部を仕込み、撹拌しながら90℃まで昇温させた。次いで、MMA 39.0部、HEMA 9.8部、AIBN 2.4部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で90℃12時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−2)とし、重量平均分子量は13,000であった。
<合成例3>
合成例1と同様の反応容器に、MIBK 48.8部を仕込み、撹拌しながら90℃まで昇温させた。次いで、MMA 24.4部、シクロヘキシルメタクリレート(以下、CHMA)12.2部、メタクリル酸 12.2部、AIBN 2.4部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で90℃12時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−3)とし、重量平均分子量は14,000であった。
<合成例4>
合成例1と同様の反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PM)49.9部を仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温させた。次いで、メタクリル酸エチル(以下、EMA)15.0部、2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(以下、AAEM)34.9部、AIBN 0.3部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で0℃12時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−4)とし、重量平均分子量は62,000であった。
<合成例5>
合成例1と同様の反応容器に、MIBK 48.8部を仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温させた。次いで、MMA 24.4部、AAEM 24.4部、AIBN 2.4部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で還流しながら12時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−5)とし、重量平均分子量は15,000であった。
<合成例6>
合成例1と同様の反応容器に、MIBK 49.4部を仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温させた。次いで、MMA 34.6部、AAEM 14.8部、AIBN 1.2部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で還流しながら12時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−6)とし、重量平均分子量は30,000であった。
<合成例7>
合成例1と同様の反応容器に、MIBK 47.6部を仕込み、撹拌しながら還流(MIBK沸点116℃)するまで昇温させた。次いで、MMA 38.1部、HEMA 9.5部、AIBN 4.8部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で還流しながら12時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−7)とし、重量平均分子量は3,500であった。
<合成例8>
合成例1と同様の反応容器に、MIBK 45.8部を仕込み、撹拌しながら90℃まで昇温させた。次いで、MMA 36.6部、グリシジルメタクリレート(以下、GMA)12.2部、AIBN 2.4部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で90℃18時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−8)とし、重量平均分子量は22,000であった。
<合成例9>
合成例1と同様の反応容器に、MIBK 43.2部を仕込み、窒素気流化で撹拌しながら90℃まで昇温したのち、予めMMA 32.4部、GMA 10.8部、AIBN 2.2部の混合液を仕込んでおいた滴下ロートから2時間掛けて滴下し窒素雰囲気下で90℃12時間反応させた。その後、120℃に昇温させ4時間保持の後に常温まで冷却し、アクリル酸(以下、AA)5.5部、トリフェニルフォスフィン 0.1部、メトキノン 0.2部、MIBK 5.63部を仕込み、窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気をバブリングしながら攪拌し、110℃6時間反応させることによって、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−9)とし、重量平均分子量は28,000であった。
<合成例10>
合成例1と同様、PM 49.3部を仕込み、撹拌しながら85℃まで昇温させた。次いで、MMA 49.3部、AIBN 1.5部からなる混合液を滴下ロートから2時間掛けて滴下し、窒素雰囲気下で85℃12時間反応させ、樹脂分50%の共重合ポリマー溶液100gを得た。この共重合ポリマーを(A−10)とし、重量平均分子量は48,000であった。
Figure 0006481565
次に本発明の加飾用ハードコーティング剤としての実施例を示す。
参考例1
共重合ポリマー(A−1)40.3部、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート(以下、AL−T)4.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、PM)54.8部を均一に成るように撹拌して、固形分25%の加飾用ハードコーティング剤を得た。
参考例2、実施例3〜8
以下、同様にして表2の配合比率に従い、加飾用ハードコーティング剤の調製を行った。
Figure 0006481565
AL−T:アルミニウムトリスエチルアセトアセテート
AL−M:アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート 76%イソプロパノール溶液
Zr−T:ジルコニウムテトラアセチルアセトネート 20%トルエン溶液
Ti−T:チタンテトラアセチルアセトネート 65% 2−プロパノール溶液
Zr−B:ジルコニウムブチレート 87% ノルマルブタノール溶液
Ti−B:チタンブチレート 99% ノルマルブタノール溶液
フィラー:ガラスフィラー 旭硝子社製 中心粒子径0.8μm
AC:アセチルアセトン
本発明に対する比較例1〜6の組成を表3に示す。
Figure 0006481565
イソシアネート:日本ポリウレタン社製 製品名「コロネートHX」
PE3A:ペンタエリスリトールトリアクリレート
SI−80L:三新化学工業社製 製品名「SI−80L」
Irg184:BASF社製 製品名「イルガキュア184」
MEK:メチルエチルケトン
上記、参考例1及び2、実施例3〜8並びに比較例1〜6の加飾用ハードコーティング剤を、易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコータNo.20を用いて、乾燥膜厚5μmになるようにハンドコートを行い、150℃で3分間乾燥させた。
<硬化膜の作製>
参考例1及び2、実施例3から8、並びに比較例1、2、4、5の乾燥膜の状態からさらに、150℃10分間の熱処理をすることで硬化膜を得た。また、比較例3、6は、乾燥膜の状態から、高圧水銀灯80W、1灯を用いて積算照射量450mJ/cmを照射させ硬化膜を作製し、以下の評価を行った。
<ガラス転移温度>
各硬化膜表面より、硬化膜成分のみを削り取り、示差走査熱量計(セイコーインスツルメンツ社製 DSC6200)にてガラス転移温度を測定した。
<塗膜熱時伸度>
硬化膜フィルムを長さ100mm、幅7mmの短冊状に切り出した試験片を引張試験機(型番「AGS−10KNX」株式会社島津製作所)にチャック間距離50mmでセットし、室温150℃の環境の下、引張り速度10mm/minで実施し、チャック間距離を150mm(伸度150%)になった点で停止し、硬化膜のクラックの有無を目視で観察し、クラックがなければ○、クラックが発生していれば×と評価した。硬化膜の伸度の測定により、硬化膜の熱時の加工性を評価することができる。150%の延伸でクラックが生じない硬化膜であれば、実際の成型加工時においてもクラックを生じず良好な硬化膜表面の積層された成型物を得ることが出来る。対して、150%の延伸でクラックが生じる硬化膜であれば、表面にクラックが生じた成型物となってしまう。
<鉛筆硬度>
JIS−K−5600に準じて、鉛筆硬度を評価した。鉛筆硬度H以上のものを優れた硬度としてハードコート性を十分に満たすものとし、鉛筆硬度F以下のものはハードコート性が劣るものであると評価した。
<耐薬品性>
メタノール、トルエン、アセトンの三種類の有機溶剤を使用し、各有機溶剤を脱脂綿に染み込ませて、硬化膜表面を4.9Nの荷重をかけて10往復ラビングした後、試験前後の硬化膜表面に変化ないものを○、変化のあるものを×と評価した。さらに、100往復ラビングした後でも硬化膜表面に変化なければ◎とした。
参考例1及び2、実施例3から8、並びに、比較例1から6の評価結果を表4に示す。
Figure 0006481565

Claims (4)

  1. アセトアセチル基含有エチレン性不飽和単量体及び/又はカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a−1)と、他のエチレン性不飽和単量体(a−2)をラジカル重合して得られる重量平均分子量5,000〜100,000の共重合ポリマー(A)及び金属キレート化合物及び/又は金属アルコレート(B)を含有する熱硬化性樹脂組成物を含み、熱硬化性樹脂組成物の硬化膜のガラス転移温度が80〜150℃であり、当該(a−1)成分3molに対して当該(B)成分の使用量が0.25mol以上3.61mol以下である加飾フィルム用ハードコーティング剤。
  2. 請求項に記載の加飾フィルム用ハードコーティング剤を熱処理により硬化させてなる硬化膜。
  3. 請求項2に記載の硬化膜を有する積層してなるプラスチックフィルム。
  4. 請求項2に記載の硬化膜を表面に被覆してなる成型物。
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