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JP6471365B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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JP6471365B2
JP6471365B2 JP2015190643A JP2015190643A JP6471365B2 JP 6471365 B2 JP6471365 B2 JP 6471365B2 JP 2015190643 A JP2015190643 A JP 2015190643A JP 2015190643 A JP2015190643 A JP 2015190643A JP 6471365 B2 JP6471365 B2 JP 6471365B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
自動変速機の制御装置として特許文献1に記載の技術が知られている。この公報には、5速から4速へのアクセルペダル踏み込みに伴うダウンシフト中に、3速及び2速時に係合する摩擦締結要素にピストンのロスストローク分を補償する係合準備油圧(以下、プリチャージ圧と記載する。)を同時に作用させ、これにより他の変速段への要求が行われた際の応答性を確保している。
特開2008−223939号公報
近年、有段式自動変速機は更なる多段化が行われており、同時にプリチャージする変速段の数が増大すると、油量不足となって変速ショックや変速応答性の低下を招くおそれがあった。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、変速ショックや変速応答性の低下を抑制可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の自動変速機の制御装置にあっては、所定変速段での走行中に、変速の可能性があると判断すると、目標変速段が確定する前に、変速の可能性がある全ての変速段で締結される全ての摩擦締結要素のピストンを解放位置から締結位置にストロークさせるプリチャージに必要な油量を推定し、推定された必要な油量がオイルポンプから吐出可能か否かを判断し、吐出可能なときは変速の可能性がある全ての変速段で締結される全ての摩擦締結要素のプリチャージを行い、それ以外のときは変速の可能性がある一部の変速段で締結される摩擦締結要素のプリチャージを行い、その後、変速の可能性がある他の変速段で締結される摩擦締結要素のプリチャージを行うこととした。
すなわち、オイルポンプ吐出流量に応じてプリチャージを行う摩擦締結要素の数を変更するため、プリチャージ不足によるエンジン吹き上がりや変速ショックを抑制し、また、プリチャージ遅れによる変速応答性の低下を抑制できる。
実施例1のFR型の前進7速後退1速を達成する自動変速機の構成を表すスケルトン図である。 実施例1のコントロールバルブユニットの油圧回路を表す回路図である。 実施例1の自動変速機での前進7速後退1速の締結作動表を示す図である。 実施例1の各変速段におけるソレノイドバルブSOL1〜SOL7の作動表を表す図である。 実施例1の変速マップのうちダウンシフト線を示す図である。 実施例1のプリチャージ制御を表す制御ブロック図である。 実施例1のプリチャージ制御処理を表すフローチャートである。 比較例として、オイルポンプの吐出流量が不足した状態で全ての摩擦締結要素にプリチャージを行った場合のタイムチャートである。 比較例として、一つの摩擦締結要素に順次プリチャージを行った場合のタイムチャートである。 実施例1のプリチャージ制御処理において、7速からダウンシフトする際、オイルポンプ吐出流量が十分に確保された場合のタイムチャートである。 実施例1のプリチャージ制御処理において、7速からダウンシフトする際、オイルポンプ吐出流量がQc≦Qb<Qaの場合のタイムチャートである。 実施例1のプリチャージ制御処理において、7速からダウンシフトする際、プリチャージ中に目標変速段が確定した場合のタイムチャートである。
図1は実施例1のFR型の前進7速後退1速を達成する自動変速機の構成を表すスケルトン図及び自動変速機の制御構成を表す全体システム図である。実施例1の自動変速機は、エンジンEgに対し、ロックアップクラッチLUCが装着されたトルクコンバータTCを介して接続されている。エンジンEgから出力された回転は、トルクコンバータTCのポンプインペラ及びオイルポンプOPを回転駆動する。このポンプインペラの回転により攪拌されたオイルはステータを介してタービンランナに伝達され、入力軸Inputを駆動する。
また、エンジンEgの駆動状態を制御するエンジンコントローラ(以下、ECU)10と、自動変速機の変速状態等を制御する自動変速機コントローラ(以下、ATCU)20と、ATCU20の出力信号に基づいて各締結要素の油圧制御を実行するコントロールバルブユニットCVUと、が設けられている。尚、ECU10とATCU20とは、CAN通信線等を介して接続され、相互にセンサ情報や制御情報を通信により共有している。
ECU10には、運転者のアクセルペダル操作量を検出するAPOセンサ1と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ2が接続されている。ECU10は、エンジン回転数やアクセルペダル操作量に基づいて燃料噴射量やスロットル開度を制御し、エンジン出力回転数及びエンジントルクを制御する。
ATCU20には、後述する第1キャリヤPC1の回転数を検出する第1タービン回転数センサ3と、第1リングギヤR1の回転数を検出する第2タービン回転数センサ4と、出力軸Outputの回転数を検出する出力軸回転数センサ5と、運転者のシフトレバー操作状態を検出するインヒビタスイッチ6が接続されており、シフトレバーはP,R,N,Dの他にエンジンブレーキが作用するエンジンブレーキレンジ位置とエンジンブレーキが作用しない通常前進走行レンジ位置とを備える。
ATCU20内では、入力軸Inputの回転数を演算する回転数算出部と共に、正常時には車速Vspとアクセルペダル開度APOに基づいて、図5に示す前進7速段の変速マップから最適な指令変速段を選択し、コントロールバルブユニットCVUに指令変速段を達成する制御指令を出力する変速制御部が設けられている。
(自動変速機の構成について)
次に、自動変速機の構成について説明する。入力軸Input側から軸方向出力軸Output側に向けて、第1遊星ギヤセットGS1,第2遊星ギヤセットGS2の順に配置されている。また、摩擦締結要素として複数のクラッチC1,C2,C3及びブレーキB1,B2,B3,B4が配置されている。また、複数のワンウェイクラッチF1,F2が配置されている。
第1遊星ギアG1は、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、両ギアS1,R1に噛み合う第1ピニオンP1を支持する第1キャリヤPC1と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
第2遊星ギアG2は、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、両ギアS2,R2に噛み合う第2ピニオンP2を支持する第2キャリヤPC2と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
第3遊星ギアG3は、第3サンギヤS3と、第3リングギヤR3と、両ギアS3,R3に噛み合う第3ピニオンP3を支持する第3キャリヤPC3と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
第4遊星ギアG4は、第4サンギヤS4と、第4リングギヤR4と、両ギアS4,R4に噛み合う第4ピニオンP4を支持する第4キャリヤPC4と、を有するシングルピニオン型遊星ギアである。
入力軸Inputは、第2リングギヤR2に連結され、エンジンEgからの回転駆動力を、トルクコンバータTC等を介して入力する。
出力軸Outputは、第3キャリヤPC3に連結され、出力回転駆動力を図外のファイナルギヤ等を介して駆動輪に伝達する。
第1連結メンバM1は、第1リングギヤR1と第2キャリヤPC2と第4リングギヤR4とを一体的に連結するメンバである。
第2連結メンバM2は、第3リングギヤR3と第4キャリヤPC4とを一体的に連結するメンバである。
第3連結メンバM3は、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とを一体的に連結するメンバである。
第1遊星ギヤセットGS1は、第1遊星ギアG1と第2遊星ギアG2とを、第1連結メンバM1と第3連結メンバM3により連結して構成し4つの回転要素から構成している。また、第2遊星ギヤセットGS2は、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4とを、第2連結メンバM2により連結し5つの回転要素から構成している。
第1遊星ギヤセットGS1は、入力軸Inputから第2リングギヤR2に入力されるトルク入力経路を有する。第1遊星ギヤセットGS1に入力されたトルクは、第1連結メンバM1から第2遊星ギヤセットGS2に出力される。
第2遊星ギヤセットGS2は、入力軸Inputから第2連結メンバM2に入力されるトルク入力経路と、第1連結メンバM1から第4リングギヤR4に入力されるトルク入力経路を有する。第2遊星ギヤセットGS2に入力されたトルクは、第3キャリヤPC3から出力軸Outputに出力される。
尚、H&LRクラッチC3が解放され、第3サンギヤS3よりも第4サンギヤS4の回転数が大きい時は、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4は独立した回転数を発生する。よって、第3遊星ギアG3と第4遊星ギアG4が第2連結メンバM2を介して接続された構成となり、それぞれの遊星ギアが独立したギア比を達成する。
インプットクラッチC1は、入力軸Inputと第2連結メンバM2とを選択的に断接するクラッチである。
ダイレクトクラッチC2は、第4サンギヤS4と第4キャリヤPC4とを選択的に断接するクラッチである。
H&LRクラッチC3は、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4とを選択的に断接するクラッチである。尚、第3サンギヤS3と第4サンギヤの間には、第2ワンウェイクラッチF2が配置されている。
フロントブレーキB1は、第1キャリヤPC1の回転を選択的に停止させるブレーキである。また、第1ワンウェイクラッチF1は、フロントブレーキB1と並列に配置されている。
ローブレーキB2は、第3サンギヤS3の回転を選択的に停止させるブレーキである。
2346ブレーキB3は、第3連結メンバM3(第1サンギヤS1及び第2サンギヤS2)の回転を選択的に停止させるブレーキである。
リバースブレーキB4は、第4キャリヤPC4の回転を選択的に停止させるブレーキである。
(コントロールバルブユニットの構成について)
図2はコントロールバルブユニットCVUの油圧回路を表す回路図である。以下、回路構成について説明する。実施例1の油圧回路には、エンジンにより駆動された油圧源としてのオイルポンプOPと、運転者のシフトレバー操作と連動して、ライン圧PLを供給する油路を切り換えるマニュアルバルブMVと、ライン圧を所定の一定圧に減圧するパイロットバルブPVが設けられている。
また、ローブレーキB2の締結圧を調圧する第1調圧弁CV1と、インプットクラッチC1の締結圧を調圧する第2調圧弁CV2と、フロントブレーキB1の締結圧を調圧する第3調圧弁CV3と、H&RLクラッチC3の締結圧を調圧する第4調圧弁CV4と、2346ブレーキB3の締結圧を調圧する第5調圧弁CV5と、ダイレクトクラッチC2の締結圧を調圧する第6調圧弁CV6が設けられている。
また、ダイレクトクラッチC2に対しDレンジ圧とRレンジ圧の供給油路をどちらか一方のみ連通する状態に切り換える第2切換弁SV2と、リバースブレーキB4に対して供給する油圧を第6調圧弁CV6からの供給油圧とRレンジ圧からの供給油圧との間で切り換える第3切換弁SV3と、第6調圧弁CV6から出力された油圧を油路123と油路122との間で切り換える第4切換弁SV4が設けられている。
また、ATCU20からの制御信号に基づいて、第1調圧弁CV1に対し調圧信号を出力する第1ソレノイドバルブSOL1と、第2調圧弁CV2に対し調圧信号を出力する第2ソレノイドバルブSOL2と、第3調圧弁CV3に対し調圧信号を出力する第3ソレノイドバルブSOL3と、第4調圧弁CV4に対し調圧信号を出力する第4ソレノイドバルブSOL4と、第5調圧弁CV5に対し調圧信号を出力する第5ソレノイドバルブSOL5と、第6調圧弁CV6に対し調圧信号を出力する第6ソレノイドバルブSOL6と、第3切換弁SV3に対し切り換え信号を出力する第7ソレノイドバルブSOL7が設けられている。
上記各ソレノイドバルブSOL2,SOL5,SOL6は三つのポートを有する三方比例電磁弁であり、第1のポートは後述するパイロット圧が導入され、第2のポートはドレーン油路に接続され、第3のポートはそれぞれ調圧弁もしくは切換弁の受圧部に接続されている。また、上記各ソレノイドバルブSOL1,SOL3,SOL4は2つのポートを有する二方比例電磁弁、ソレノイドバルブSOL7は三つのポートを備える三方オンオフ電磁弁である。
また、第1ソレノイドバルブSOL1と第3ソレノイドバルブSOL3と第7ソレノイドバルブSOL7はノーマルクローズタイプ(非通電時に閉じた状態)とされている。一方、第2ソレノイドバルブSOL2と第4ソレノイドバルブSOL4と第5ソレノイドバルブSOL5と第6ソレノイドバルブSOL6はノーマルオープンタイプ(非通電時に開いた状態)とされている。
(油路構成について)
エンジンにより駆動されるオイルポンプOPの吐出圧は、ライン圧に調圧された後、油路101及び油路102に供給される。油路101には、運転者のシフトレバー操作に連動して作動するマニュアルバルブMVと接続された油路101aと、フロントブレーキB1の締結圧の元圧を供給する油路101bと、H&LRクラッチC3の締結圧の元圧を供給する油路101cが接続されている。
マニュアルバルブMVには、油路105と、後退走行時に選択されるRレンジ圧を供給する油路106が接続され、シフトレバー操作に応じて油路105と油路106を切り換える。
油路105には、ローブレーキB2の締結圧の元圧を供給する油路105aと、インプットクラッチC1の締結圧の元圧を供給する油路105bと、2346ブレーキB3の締結圧の元圧を供給する油路105cと、ダイレクトクラッチC2の締結圧の元圧を供給する油路105dと、後述する第2切換弁SV2の切り換え圧を供給する油路105eが接続されている。
油路106には、第2切換弁SV2の切り換え圧を供給する油路106aと、ダイレクトクラッチC2の締結圧の元圧を供給する油路106bと、リバースブレーキB4の締結圧を供給する油路106cが接続されている。
油路102にはパイロットバルブPVを介してパイロット圧を供給する油路103が接続されている。油路103には、第1ソレノイドバルブSOL1にパイロット圧を供給する油路103aと、第2ソレノイドバルブSOL2にパイロット圧を供給する油路103bと、第3ソレノイドバルブSOL3にパイロット圧を供給する油路103cと、第4ソレノイドバルブSOL4にパイロット圧を供給する油路103dと、第5ソレノイドバルブSOL5にパイロット圧を供給する油路103eと、第6ソレノイドバルブSOL6にパイロット圧を供給する油路103fと、第7ソレノイドバルブSOL7にパイロット圧を供給する油路103gとが設けられている。
第1調圧弁CV1には、油路105aが接続される第1ポートと、ドレーン回路に接続された第2ポートと、ローブレーキB2と接続される油路115aが接続される第3ポートと、第1ソレノイドバルブSOL1の信号圧が供給される第4ポートと、この信号圧の対向圧として油路115aからフィードバックされた油路が接続された第5ポートと、第4ポートに供給される油圧に対向して作用するスプリングが設けられている。図2中、第1調圧弁CV1が上方に移動すると油路105aと油路115aが連通され、一方、下方に移動すると油路115aとドレーンとが連通される。同様に、第2調圧弁CV2〜第6調圧弁CV6には、第1ポート〜第5ポート及びスプリングと同じ構成が設けられているため説明を省略する。
第2切換弁SV2には、Dレンジ圧を供給する油路105dと接続された第1ポートと、Rレンジ圧を供給する油路106dと接続された第2ポートと、第6調圧弁CV6へ油圧を供給する油路120と接続された第3ポートと、Dレンジ圧を供給する油路105eと接続された第4ポートと、第4ポートの対向圧としてRレンジ圧を供給する油路106aと接続された第5ポートと、第4ポートに供給される油圧に対向して作用するスプリングが設けられている。図2中、第2切換弁SV2が右方に移動すると油路106bと油路120が連通され、一方、左方に移動すると油路105dと油路120が連通される。
第3切換弁SV3には、第4切換弁SV4からの油圧を供給する油路122と接続された第1ポートと、Rレンジ圧を供給する油路106cと接続された第2ポートと、リバースブレーキB4に油圧を供給する油路130と接続された第3ポートと、第7ソレノイドバルブSOL7の信号圧を供給する油路140aと接続された第4ポートと、第4ポートd4に供給される油圧に対向して作用するスプリングが設けられている。図2中、第3切換弁SV3が右方に移動すると油路106cと油路130が連通され、一方、左方に移動すると油路122と油路130とが連通される。
第4切換弁SV4には、第6調圧弁CV6からの油圧を供給する油路121と接続された第1ポートと、ドレーン回路に接続された第2ポート及び第3ポートと、Rレンジ圧が供給される第4ポートと、Dレンジ圧が供給される第5ポートと、第4ポートに対向して作用するスプリングと、油路122と接続された第7ポートと、油路123と接続された第8ポートが設けられている。図2中、第4切換弁SV4が右方に移動すると油路121と油路123が連通されると共に油路122とドレーン回路が連通され、一方、左方に移動すると油路121と油路122が連通されると共に油路123とドレーン回路が連通される。
次に、作用を説明する。
[変速作用]
図3は実施例1の自動変速機用歯車変速装置での前進7速後退1速の締結作動表を示す図、図4は各変速段におけるソレノイドバルブSOL1〜SOL7の作動表を表す図である。各クラッチC1,C2,C3及び各ブレーキB1,B2,B3,B4には、正常時には図3の締結作動表に示すように、前進7速後退1速の各変速段にて締結圧(○印)や解放圧(無印)が供給される。
〈1速〉
1速は、エンジンブレーキ作用時(エンジンブレーキレンジ位置選択中)とエンジンブレーキ非作用時(通常前進走行レンジ位置選択中)とで異なる締結要素が作用する。エンジンブレーキ作用時は、図3の(○)に示すように、フロントブレーキB1とローブレーキB2とH&LRクラッチC3との締結により得られる。尚、フロントブレーキB1に並列に設けられた第1ワンウェイクラッチF1と、H&LRクラッチC3と並列に設けられた第2ワンウェイクラッチF2もトルク伝達に関与する。エンジンブレーキ非作用時は、フロントブレーキB1とH&LRクラッチC3は解放され、ローブレーキB2のみが締結され、第1ワンウェイクラッチF1と第2ワンウェイクラッチF2によりトルク伝達される。
このとき、図4のソレノイドバルブ作動表に示すように、第1〜第3ソレノイドバルブSOL1〜SOL3及び第6及び第7ソレノイドバルブSOL6,SOL7をオンとし、それ以外をオフとすることで、所望の締結要素に締結圧が供給される。
〈2速〉
2速は、エンジンブレーキ作用時(エンジンブレーキレンジ位置選択中)とエンジンブレーキ非作用時(通常前進走行レンジ位置選択中)とで異なる締結要素が締結する。エンジンブレーキ作用時は、図3の(○)に示すように、ローブレーキB2と2346ブレーキB3とH&LRクラッチC3との締結により得られる。尚、H&LRクラッチC3と並列に設けられた第2ワンウェイクラッチF2もトルク伝達に関与する。エンジンブレーキ非作動時は、H&LRクラッチC3は解放され、ローブレーキB2と2346ブレーキB3が締結され、第2ワンウェイクラッチF2によりトルク伝達される。
このとき、図4のソレノイドバルブ作動表に示すように、第1,第2,第5〜第7ソレノイドバルブSOL1,SOL2,SOL5,SOL6,SOL7をオンとし、それ以外をオフとすることで、所望の締結要素に締結圧が供給される。
〈3速〉
3速は、図3に示すように、2346ブレーキB3とローブレーキB2とダイレクトクラッチC2との締結により得られる。
この3速では、2346ブレーキB3が締結されているため、入力軸Inputから第2リングギヤR2に入力された回転は、第2遊星ギアG2により減速される。この減速された回転が第1連結メンバM1から第4リングギヤR4に出力される。また、ダイレクトクラッチC2が締結されているため、第4遊星ギアG4は一体となって回転する。また、ローブレーキB2が締結されているため、第4リングギヤR4と一体に回転する第4キャリヤPC4から第2連結メンバM2を介して第3リングギヤR3に入力された回転は、第3遊星ギアG3により減速され、第3キャリヤPC3から出力される。このように第4遊星ギアG4はトルク伝達に関与するが減速作用には関与しない。
このとき、図4のソレノイドバルブ作動表に示すように、第1,第2,第4,5及び第7ソレノイドバルブSOL1,SOL2,SOL4,SOL5,SOL7をオンとし、それ以外をオフとすることで、所望の締結要素に締結圧が供給される。
〈4速〉
4速は、図3に示すように、2346ブレーキB3とダイレクトクラッチC2とH&LRクラッチC3との締結により得られる。
この4速では、2346ブレーキB3が締結されているため、入力軸Inputから第2リングギヤR2に入力された回転は、第2遊星ギアG2のみにより減速される。この減速された回転が第1連結メンバM1から第4リングギヤR4に出力される。また、ダイレクトクラッチC2及びH&LRクラッチC3が締結されているため、第2遊星ギヤセットGS2は一体で回転する。よって、第4リングギヤR4に入力された回転は、そのまま第3キャリヤPC3から出力される。
このとき、図4のソレノイドバルブ作動表に示すように、第2及び第5ソレノイドバルブSOL2,SOL5をオンとし、それ以外をオフとすることで、所望の締結要素に締結圧が供給される。
〈5速〉
5速は、図3に示すように、インプットクラッチC1とダイレクトクラッチC2とH&LRクラッチC3との締結により得られる。
この5速では、インプットクラッチC1が締結されているため、入力軸Inputの回転は第2連結メンバM2に入力される。また、ダイレクトクラッチC2及びH&LRクラッチC3が締結されているため、第3遊星ギアG3は一体で回転する。よって、入力軸Inputの回転は、そのまま第3キャリヤPC3から出力される。
このとき、図4のソレノイドバルブ作動表に示すように、全てのソレノイドバルブSOL1〜SOL7をオフとすることで、所望の締結要素に締結圧が供給される。
〈6速〉
6速は、図3に示すように、インプットクラッチC1とH&LRクラッチC3と2346ブレーキB3の締結により得られる。
この6速では、インプットクラッチC1が締結されているため、入力軸Inputの回転は第2リングギヤに入力されると共に、第2連結メンバM2に入力される。また、2346ブレーキB3が締結されているため、第2遊星ギアG2により減速された回転が第1連結メンバM1から第4リングギヤR4に出力される。また、H&LRクラッチC3が締結されているため、第2遊星ギヤセットGS2は、第4リングギヤR4の回転と、第2連結メンバM4の回転によって規定される回転を第3キャリヤPC3から出力する。
このとき、図4のソレノイドバルブ作動表に示すように、第5及び第6ソレノイドバルブSOL5,SOL6をオンとし、他のソレノイドバルブSOL1,SOL2,SOL3,SOL4,SOL7をオフとすることで、所望の締結要素に締結圧が供給される。
〈7速〉
7速は、図3に示すように、インプットクラッチC1とH&LRクラッチC3とフロントブレーキB1(第1ワンウェイクラッチF1)の締結により得られる。
この7速では、インプットクラッチC1が締結されているため、入力軸Inputの回転は第2リングギヤに入力されると共に、第2連結メンバM2に入力される。また、フロントブレーキB1が締結されているため、第1遊星ギヤセットGS1により減速された回転が第1連結メンバM1から第4リングギヤR4に出力される。また、H&LRクラッチC3が締結されているため、第2遊星ギヤセットGS2は、第4リングギヤR4の回転と、第2連結メンバM4の回転によって規定される回転を第3キャリヤPC3から出力する。
このとき、図4のソレノイドバルブ作動表に示すように、第3及び第6ソレノイドバルブSOL3,SOL6をオンとし、他のソレノイドバルブSOL1,SOL2,SOL4,SOL5,SOL7をオフとすることで、所望の締結要素に締結圧が供給される。
〈後退速〉
後退速は、図3に示すように、H&LRクラッチC3とフロントブレーキB1とリバースブレーキB4の締結により得られる。
このとき、図4のソレノイドバルブ作動表に示すように、第2,第3及び第6ソレノイドバルブSOL2,SOL3,SOL6をオンとし、他のソレノイドバルブSOL1,SOL4,SOL5,SOL7をオフとすることで、所望の締結要素に締結圧が供給される。尚、第7ソレノイドSOL7についてはRレンジ切り換え初期はオンとし、締結完了後にオフとする。
(シフト時プリチャージ制御処理)
図5は実施例1の変速マップのうちダウンシフト線を示す図である。車速VSPとアクセルペダル開度APOによって規定される運転点の属する領域の変速段が目標変速段として設定される。図5に示す変速線は、ダウンシフト線であり、運転点が高変速段領域から低変速段領域へ移動する際にダウンシフト線を横切ると、ダウンシフト要求が出力される。尚、変速マップには図示しないアップシフト線も同様に設定されており、運転点が低変速段領域から高変速段領域へ移動する際にアップシフト線を横切ると、アップシフト要求が出力される。
例えば、現在の運転点が7速領域であるp1とする。このとき、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、運転点はp1から図5中の上方に移動し、p2,p3,p4,p5といった移動を行う可能性が生じる(以下、移動の可能性が生じる変速段を暫定変速段と記載する。)。ここで、運転者がアクセルペダルをどの程度踏み込むか、については7−6ダウンシフト線を横切った時点では確定できない。そこで、通常は、運転者のアクセルペダル操作が落ち着くと考えられる予め設定された所定時間が経過するまで、もしくは所定時間が経過する前であっても、例えば運転点の変化を表すAPO変化率が所定値以下となるまでは、目標変速段の確定を禁止する。そして、7−6ダウンシフト線を横切ってから所定時間経過後、もしくは所定時間経過前であってAPO変化率が所定値以下となった場合は、目標変速段を確定してダウンシフトを実行する。
このとき、ダウンシフト要求が出力されてから目標変速段が確定するまでの間にプリチャージを行わず、目標変速段が決定されてからプリチャージを開始すると、応答性の悪化を招く。特に、摩擦締結要素のピストンを解放位置から締結位置にストロークさせるプリチャージには時間がかかり、かつ、この期間にトルク伝達を行うことができない。よって、目標変速段が確定する前であっても、暫定変速段で締結される摩擦締結要素に対して事前にプリチャージを行うことで、変速応答性を確保することが考えられる。
図8は比較例として、オイルポンプの吐出流量が不足した状態で全ての摩擦締結要素にプリチャージを行った場合のタイムチャートである。時刻t1において、ダウンシフト要求が出力されると、暫定変速段で締結する摩擦締結要素にプリチャージを開始する。このとき、オイルポンプOPの吐出流量には制限があり、特に高変速段からのダウンシフトのように、エンジン回転数が比較的低回転状態で複数の摩擦締結要素にプリチャージを行うと、油量不足からプリチャージによる各摩擦締結要素のストローク率を表すチャージ率が低くなる。そうすると、時刻t2において、目標変速段が確定してダウンシフトを開始したとしても、チャージ率不足によって締結圧上昇に遅れが生じる。よって、時刻t3においてダイレクトクラッチC2のプリチャージが終了したとしても、ローブレーキB2のチャージ率が不十分となり、時刻t4において、ローブレーキB2の指示圧を上昇させても締結できずに、エンジン回転数が吹け上がることによる変速ショックの悪化を招くおそれがある。
図9は比較例として、一つの摩擦締結要素に順次プリチャージを行った場合のタイムチャートである。時刻t1において、ダウンシフト要求が出力され、プリチャージを開始し、時刻t2において目標変速段が確定すると、オイルポンプの吐出流量が確保されている場合であっても、順次プリチャージを行うため、特に最後にプリチャージを開始するローブレーキB2のチャージ率が上昇するまでに時間がかかり、ギア比が変化するイナーシャフェーズの進行速度不足による変速応答性の低下を招くというおそれがあった。
そこで、実施例1では、ダウンシフト要求が出力されてから目標変速段が確定するまでの間、オイルポンプOPの吐出流量を推定し、推定された吐出流量によって暫定変速段の摩擦締結要素にプリチャージが可能か否かを判断し、可能な場合は暫定変速段の全てにプリチャージを行い、不可能な場合は、優先順位をつけてプリチャージを行うことで、変速応答性を確保することとした。
図6は実施例1のプリチャージ制御を表す制御ブロック図である。吐出流量推定部201では、エンジン回転数Neと自動変速機内油温Taに基づいてオイルポンプOPの吐出流量を推定演算する。リーク量演算部202では、ライン圧PLと自動変速機内油温Taに基づいて、各摩擦締結要素やバルブ等からリークするリーク量を演算する。例えば、既に締結が完了している摩擦締結要素では、リークを補償する分の油量が消費されるため、その分を推定演算する。余剰流量算出部203では、推定演算された吐出流量からリーク量を差し引いて余剰流量Qbを算出する。
ストローク必要流量演算部204では、暫定変速段の情報に基づいてプリチャージが必要な摩擦締結要素のプリチャージ量を個別に演算する。そして、現在の変速段のギア比との差が小さいものから順に優先順位を設定し、各プリチャージ量及び優先順位の情報を出力する。例えば、図5の変速マップ内に記載した運転点に示すように、現在の変速段が7速、暫定変速段は6速,5速,4速,3速である。この場合、優先度が最も高い変速段は6速となり、優先度が最も低い変速段は3速となる。また、図3の締結表に示すように、7速から6速に変速するには、2346ブレーキB3にプリチャージを行う必要があり、7速から5速に変速するにはダイレクトクラッチC2にプリチャージを行う必要があり、7速から4速に変速するには2346ブレーキB3とダイレクトクラッチC2にプリチャージを行う必要があり、7速から3速に変速するには2346ブレーキB3とダイレクトクラッチC2とローブレーキB2にプリチャージを行う必要がある。よって、プリチャージの優先度を高い順に並べると、2346ブレーキB3,ダイレクトクラッチC2,ローブレーキB2となる。これら各摩擦締結要素に必要とされるプリチャージ量を個別に演算する。
流量組み合わせ演算部205では、各プリチャージ量と優先順位に基づいて第1必要流量Qa及び第2必要流量Qcを演算する。例えば、7速からのダウンシフトの場合、第1必要流量Qaは、2346ブレーキB3のプリチャージ量と、ダイレクトクラッチC2のプリチャージ量と、ローブレーキB2のプリチャージ量の合計である。第2必要流量Qcは、優先度の高い順に2つを組み合わせた流量であり、2346ブレーキB3のプリチャージ量とダイレクトクラッチC2のプリチャージ量との合計である。
同時チャージ可否判断部206では、余剰流量Qbと第1必要流量Qaとの大小比較及び余剰流量Qbと第2必要流量Qcとの大小比較を行い、Qb≧Qaならば全て同時にプリチャージが可能と判定し、Qc≦Qb<Qaならば、優先度が高い2つを同時にプリチャージが可能と判定し、Qb<Qcならば、個別に順次プリチャージを行うと判定する。
プリチャージ指令演算部207では、同時チャージ可否判断部206の判断結果及びストローク必要流量演算部204の優先順位情報に基づいてプリチャージ指令を出力する。例えば、7速からのダウンシフトの場合、Qb≧Qaのときは、2346ブレーキB3,ダイレクトクラッチC2及びローブレーキB2を全て同時にプリチャージする指令を出力し、Qc≦Qb<Qaのときは、2346ブレーキB3及びダイレクトクラッチC2を同時にプリチャージする指令を出力し、その後ローブレーキB2をプリチャージする指令を出力し、Qb<Qcのときは、2346ブレーキB3→ダイレクトクラッチC2→ローブレーキB2の順に個別にプリチャージ指令を出力する。
図7は実施例1のダウンシフト時におけるプリチャージ制御処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、ダウンシフト要求の可能性を判断し、ダウンシフト要求が生じると判断したときはステップS2に進み、それ以外の場合は本制御フローを終了する。
ステップS2では、摩擦締結要素判定を行う。具体的にはストローク必要流量演算部204において説明したように、暫定変速段に基づくプリチャージが必要な摩擦締結要素の特定及び優先順位の決定を行う。
ステップS3では、第1必要流量Qaを演算する。
ステップS4では、余剰流量Qbを演算する。
ステップS5では、Qa-Qb≦0か否かを判断し、負の場合はステップS6に進み、正の場合はステップS7に進む。
ステップS6では、全てのプリチャージを同時に実行する。
ステップS7では、第2必要流量Qcを演算する。
ステップS8では、Qb-Qc≦0か否かを判断し、正の場合はステップS9に進み、負の場合はステップS10に進む。
ステップS9では、優先度が高い2つを同時にプリチャージし、その後、残りのプリチャージを実行する。
ステップS10では、優先度の高い順から個別にプリチャージを実行する。
ステップS11では、プリチャージ中に目標変速段が決定されたか否かを判断し、決定された場合はステップS13に進み、それ以外はステップS12に進む。
ステップS12では、プリチャージが全て完了したか否かを判断し、完了している場合は本制御フローを終了し、完了していない場合はステップS11に戻ってプリチャージを継続する。
ステップS13では、目標変速段決定後のプリチャージ処理を実施する。例えば、7速からのダウンシフト要求時に2346ブレーキB3とダイレクトクラッチC2に同時にプリチャージを実施しているときに、目標変速段が5速に決定されると、2346ブレーキB3へのプリチャージを即座に中止することで、ダイレクトクラッチC2のチャージ率を素早く上昇させる。
次に、上記制御フローに基づく作用について説明する。図10は、実施例1のプリチャージ制御処理において、7速からダウンシフトする際、オイルポンプ吐出流量が十分に確保された場合のタイムチャートである。暫定変速段に基づくプリチャージが必要な摩擦締結要素の全てにプリチャージを同時に行うことで、目標変速段が確定後は、エンジン吹き上がりや変速速度の低下を招くことなく応答性の高い変速を実現できる。
図11は、実施例1のプリチャージ制御処理において、7速からダウンシフトする際、オイルポンプ吐出流量がQc≦Qb<Qaの場合のタイムチャートである。暫定変速段に基づくプリチャージが必要な摩擦締結要素のうち、2346ブレーキB3とダイレクトクラッチC2とに同時にプリチャージを行い、その後ローブレーキB2にプリチャージを行う。これにより、全てに同時にプリチャージを行う場合に比べて2346ブレーキB3とダイレクトクラッチC2のチャージ率を高めることができる。また、最初に2つのプリチャージを同時に行うため、一つ一つ順次プリチャージを行う場合に比べて短時間で2346ブレーキB3とダイレクトクラッチC2のプリチャージを完了できる。
図12は、実施例1のプリチャージ制御処理において、7速からダウンシフトする際、プリチャージ中に目標変速段が確定した場合のタイムチャートである。時刻t1においてダウンシフト要求が出力され、暫定変速段に基づく全ての摩擦締結要素にプリチャージを行っている。時刻t12において、運転者のアクセルペダル開度APOの変化率が所定値未満となり、目標変速段が5速に確定すると、2346ブレーキB3及びローブレーキB2へのプリチャージを即座に終了し、ダイレクトクラッチC2のプリチャージのみ継続する。これにより、素早いプリチャージが可能となり、エンジン吹き上がりや変速速度の低下を招くことなく応答性の高い変速を実現できる。
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(1)所定変速段での走行中に、変速の可能性があると判断すると、目標変速段が確定する前に、暫定変速段(全ての変速の可能性がある変速段)で締結される摩擦締結要素のピストンを解放位置から締結位置にストロークさせるプリチャージに必要な油量である第1必要流量Qaを推定し、第1必要流量QaがオイルポンプOPから吐出可能か否かを判断し、吐出可能なときは暫定変速段の全ての摩擦締結要素(2346ブレーキB3、ダイレクトクラッチC2、ローブレーキB2)でプリチャージを行い、それ以外のときは変速の可能性がある一部の変速段で締結される摩擦締結要素のプリチャージを行い、その後、変速の可能性がある他の変速段で締結される摩擦締結要素のプリチャージを行うこととした。
すなわち、オイルポンプ吐出流量に応じてプリチャージを行う摩擦締結要素の数を変更するため、プリチャージ不足によるエンジン吹き上がりや変速ショックを抑制し、また、プリチャージ遅れによる変速応答性の低下を抑制できる。
(2)変速の可能性がある一部の変速段は、暫定変速段のうち、所定変速段とのギア比の差が、変速の可能性がある他の変速段よりも小さい。言い換えると、変速開始時の変速段に近い変速段で締結する摩擦締結要素にプリチャージを行うため、例えばアクセルペダルを操作後にアクセルペダル開度APOの変化率が小さくなり、早期の段階で近い変速段が目標変速段として確定する場合であっても、応答性の高い変速を達成できる。
(3)オイルポンプOPから吐出可能な油量Qbが、複数の摩擦締結要素のプリチャージに必要な油量以上のときは、変速の可能性がある一部の変速段は複数である。言い換えると、Qc≦Qb<Qaならば、複数の摩擦締結要素(2346ブレーキB3、ダイレクトクラッチC2)に同時にプリチャージを行い、その後、他の摩擦締結要素(ローブレーキB2)にプリチャージを行うことで、順次プリチャージを行う場合よりも応答性の高い変速を実現できる。
(4)目標変速段が確定した後は、確定された変速段で締結される摩擦締結要素以外の摩擦締結要素に対するプリチャージを終了することとした。
よって、確定された変速段に対して素早いプリチャージが可能となり、エンジン吹き上がりや変速速度の低下を招くことなく応答性の高い変速を実現できる。
以上、本発明を実施例1に基づいて説明したが、上記実施例に限らず、他の構成であっても構わない。例えば、実施例1ではダウンシフト要求がある場合にプリチャージ制御を行うこととしたが、アップシフト要求のときに実施してもよい。また、実施例1では、ダウンシフト要求が出力されたときの変速段に近い変速段に応じた摩擦締結要素の優先順位を高くしたが、例えば、摩擦締結要素の容量やトルク分担率に応じて優先順位を決定してもよい。
また、実施例1では前進7速の自動変速機を例に説明したが、更に多段化した自動変速機に適用してもよい。この場合、暫定変速段の増加に伴い、3つ以上のプリチャージが必要な場合には、第2必要流量Qcに加えて他の摩擦締結要素の組み合わせに伴う必要流量を演算し、それらの組み合わせから最適な順序で供給すればよい。また、暫定変速段の摩擦締結要素が4つ以上存在する場合、最初のプリチャージで複数のプリチャージを行い、このプリチャージ完了後、再度、オイルポンプの吐出流量と必要流量との関係に基づいて複数のプリチャージを行ってもよい。
1 APOセンサ
2 エンジン回転数センサ
10 エンジンコントローラ
20 自動変速機コントローラ

Claims (4)

  1. 所定変速段での走行中に、変速の可能性があると判断すると、目標変速段が確定する前に、変速の可能性がある全ての変速段で締結される全ての摩擦締結要素のピストンを解放位置から締結位置にストロークさせるプリチャージに必要な油量を推定し、推定された必要な油量がオイルポンプから吐出可能か否かを判断し、吐出可能なときは変速の可能性がある全ての変速段で締結される全ての摩擦締結要素のプリチャージを行い、それ以外のときは一部の変速の可能性がある変速段でプリチャージを行い、その後、変速の可能性がある他の変速段で締結される摩擦締結要素のプリチャージを行うことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記変速の可能性がある一部の変速段は、前記変速の可能性がある全ての変速段のうち、前記所定変速段とのギア比の差が、変速の可能性がある他の変速段よりも小さいことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記オイルポンプから吐出可能な油量が、複数の摩擦締結要素のプリチャージに必要な油量以上のときは、前記変速の可能性がある一部の変速段は複数であることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項1ないし3いずれか一つに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記目標変速段が確定した後は、確定された変速段で締結される摩擦締結要素以外の摩擦締結要素に対するプリチャージを終了することを特徴とする自動変速機の制御装置。
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