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JP6467358B2 - 非接触給電装置及びエレベーター - Google Patents

非接触給電装置及びエレベーター Download PDF

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JP6467358B2
JP6467358B2 JP2016017503A JP2016017503A JP6467358B2 JP 6467358 B2 JP6467358 B2 JP 6467358B2 JP 2016017503 A JP2016017503 A JP 2016017503A JP 2016017503 A JP2016017503 A JP 2016017503A JP 6467358 B2 JP6467358 B2 JP 6467358B2
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Description

本発明は、送電側コイルと受電側コイル間の距離を検出する機能を有する非接触給電装置及びエレベーターに関するものである。
ビルディングの超高層化に伴い、ビルディング内に設置されるエレベーターの長行程化が必要となる。一般的なエレベーターは、乗りかごから吊り下げられるテールコードと呼ばれる給電線により、乗りかご内機器への給電を行っている。エレベーターの長行程化に伴いテールコードも長くなるため、テールコードの質量が増大し、ある長さを超えると自重に耐えられなくなることが懸念される。そのため、超長行程のエレベーターにおいては、テールコードのない構成が望まれるが、乗りかご内機器への給電が課題となる。
乗りかご内機器へ給電する方法として、特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、エレベーターの乗りかごが階に静止したときに、充電器側給電子とかご側の移動体側受電子が相対し、磁気結合によって給電を行い電池に電力が蓄えられ、電池に蓄えられた電力は、移動体内に供給されることが開示されている。
国際公開第2002/098779号
しかしながら、乗りかごが給電階に停止中に給電を行う場合、エレベーターの稼働率が上がると停止時間が短くなり、給電時間も短くなる。そのため、必要な給電時間が確保できなくなる恐れがある。
以上のことから、本発明の目的は、乗りかご等の移動体に設置されたコイルユニットへ給電を行う際に、給電時間を少しでも長く確保することである。
本発明の一態様の非接触給電装置は、第1コイル又は第2コイルのいずれかが、第1コイル及び第2コイルの巻き線の巻回の径方向に平行に移動する移動体に設置され、第1コイルと第2コイルの相対的な位置関係が変化する非接触給電装置である。非接触給電装置は、導体板と、高周波信号出力部と、検出部と、制御部を備える。
導体板は、第1コイルにおける第2コイルと対向する面と反対側の面に配置された、移動体が移動したときに第1コイルと第2コイルが対向するよりも前に第2コイルと対向するように形成されている。
高周波信号出力部は、第2コイルに高周波信号を供給する。
検出部は、高周波信号が供給されたときに第2コイルに流れる電流を検出する。
制御部は、移動体が移動したときに第1コイルと第2コイルが対向するよりも前に、検出部で検出された第2コイルの電流値と、導体板に対する第2コイルの距離ごとに設定された基準電流値とを元に、導体板に対する第2コイルの距離である第1距離を推定し、第1距離に基づき第1コイルと第2コイル間の距離である第2距離を算出する。
本発明の一態様のエレベーターは、上記非接触給電装置を備えるものである。
本発明の一態様によれば、移動体が移動したときに第1コイルと第2コイルが対向するよりも前に、第1コイルと第2コイル間の距離を検出することができる。そのため、第1コイルと第2コイルが正対する前に、第1コイルと第2コイル間の距離の情報を送電側の制御に利用することが可能となる。それにより、第1コイルと第2コイルが正対してから制御を行う非接触給電方法と比べて、給電時間を長く確保することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施形態に係る非接触給電装置の概略の構成図である。 本発明の第1の実施形態に係る非接触給電装置におけるコイルユニットの相対位置の説明図である。 受電側のコイルの相対位置とコイル電流との関係例を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るエレベーターの概略の構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る給電前の送電側及び受電側のコイルユニットの説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るエレベーターにおける給電開始までの処理を示すシーケンス図である。 本発明の第2の実施形態に係る給電時の送電側及び受電側のコイルユニットの説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るエレベーターにおける給電開始から給電終了までの処理を示すシーケンス図である。 本発明の第3の実施形態に係るエレベーターの概略の構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る各階に設置された金属板の形状の例を示す図である。 別の金属板を用いた際の受電側のコイルの相対位置とコイル電流との関係例を示すグラフである。 金属板の他の例を示す斜視図である。 金属板の他の例を示す側面図である。 本発明の第4の実施形態に係るエレベーターの概略の構成図である。 貫通孔部を有する金属板の例を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、各図において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る非接触給電装置の概略の構成図である。図1を参照して、非接触給電装置を説明する。
図1に示す非接触給電装置100は、非接触給電の受電を担うコイルユニット1と金属板171を備える。コイルユニット1は、移動可能に構成されている。図1では、コイルユニット1の移動方向を第1の方向(y方向)、第1の方向に直交する方向を第2の方向(x方向)、第1の方向及び第2の方向に直交する方向を第3の方向(z方向)としている。
コイルユニット1は、高周波信号出力部10、検出部20、制御部30、記憶部35、コイル50、磁性体60、及びシールド板70を備える。
コイル50は、巻き線を渦巻き状又は螺旋状に複数回巻いて形成された、非接触給電の受電コイルである。巻き線は、銅等の良導体の電線が望ましい。図1では、コイル50はyx平面に平行な平面状である。コイル50のx方向とy方向の巻回径は、同じでもよいし異なっていてもよい。
磁性体60は、フェライト等で構成される板状の磁性体である。磁性体60は、コイル50の背面側(コイル50の金属板171と対向する面とは反対側の面)に当該コイル50に平行となるように配置されている。
シールド板70は、コイル50で発生した磁界の漏洩成分(漏洩磁界)を遮蔽し、コイル50からの磁束を低減するシールド板であり、金属板等の導体で構成される。シールド板70は、磁性体60の背面側(磁性体60のコイル50が配置される面とは反対側の面)に当該磁性体60に平行となるように配置されている。
金属板171は、後述する給電想定位置(位置P1)に到着したコイルユニット1のコイル50と対向するように任意の支持体に支持される。給電想定位置は、コイル50に対向して送電用コイルがあると想定した場合に、効率よく給電できる位置である。金属板171は導体板の一例であり、導体としては、金属の他に、グラファイト、導電性高分子材料等を用いることができる。金属板171は、コイル50(z方向)から見て長方形である。
コイル50は、金属板171及びコイル50の巻き線の巻回の径方向に平行(y方向)に移動する移動体に設置されている。移動体が移動することにより、金属板171とコイル50の相対的な位置関係が変化する。
位置P0は、コイルユニット1内にあるコイル50の中心軸のy方向における位置を表す。また位置P1は、金属板171の中心軸のy方向における位置を表す。後述する図2に示すように、金属板171の中心軸の位置P1からコイル50の中心軸の位置P0までの距離で表される相対位置をdn(nは0以上の整数)と表す。図1の相対位置d0は、コイル50の中心軸の位置P0と金属板171の中心軸の位置P1とが一致すること、即ち位置P0から位置P1までの距離が0であることを意味する。このとき、コイル50が金属板171に完全に対向(正対)している。位置P0と位置P1が一致(P0=P1)もしくはほぼ一致(P0≒P1)する位置(相対位置dn=d0)が、コイル50の給電想定位置である。本明細書において位置P0と位置P1が一致するという場合には、位置P0と位置P1がほぼ一致(P0≒P1)する場合も含む。
ギャップGは、コイル50と金属板171とのz方向の距離である。言い換えると、コイル50の金属板171に対向する面と、金属板171のコイル50に対向する面との距離である。
本実施形態では、コイルユニット1はy方向に移動可能であり、コイルユニット1の相対位置dnは時間により変化する。コイルユニット1のx方向およびz方向への移動量は、y方向の移動量と比較すると極めて小さい。
高周波信号出力部10は、コイルユニット1の移動中に制御部30の制御の下で、測定用の高周波信号を生成してコイル50へ出力する。高周波信号の周波数は、コイル50の電流値を適切に測定できる周波数であればよく特定の周波数に限定されない。
検出部20は、高周波信号出力部10からコイル50へ高周波信号が供給された際に、コイル50に流れる電流(以下「コイル電流」と称することがある)をクランプを介して検出する。検出部20は、コイル50に流れる電流、若しくは当該電流に対応して変動するアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部30へ供給する。
制御部30は、高周波信号出力部10の高周波信号の送信及び停止を制御し、検出部20により検出されるコイル50の電流の電流値(以下「測定値」とも称す)を利用した演算を行う。また、制御部30は、検出部20により検出されたコイル電流の電流値を記憶部35に記憶する。なお、制御部30として、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)が用いられる。
記憶部35は、半導体メモリ等から構成される不揮発性の記憶部である。記憶部35は、制御部30により実行されるプログラムや制御部30が当該プログラムを実行する過程で生成されたデータ等を記憶する。記憶部35は、検出部20により検出されたコイル50の電流値を記憶する。また、記憶部35には、制御部30がコイル50と金属板171とのギャップGを算出する際に参照するコイル電流の基準電流値が記憶されている。
基準電流値は、金属板171に対するコイル50のギャップG(距離)ごとに、移動体に設置されたコイル50の移動方向におけるコイル50の金属板171に対する相対位置に応じて設定される。
図2は、コイルユニット1(コイル50)の、金属板171の中心軸の位置P1に対する相対位置dnの説明図である。この図2は、コイルユニット1と金属板171を示すyz平面の図である。図2では、コイル50の中心軸の位置P0と金属板171の中心軸の位置P1とが一致しておらず、コイルユニット1は給電想定位置ではない。コイルユニット1の相対位置dnは、位置P0から位置P1までの距離として表される。
図3は、コイル50の給電想定位置に対する相対位置とコイル電流との関係例を示すグラフである。図3は、相対位置dnにおけるコイル電流の変化を示しており、縦軸は相対位置dn、横軸はコイル電流を表す。図3に示すように、3つのギャップ値5mm、10mm、15mmについて、それぞれのコイル電流変化線25〜27を求めた。
コイル電流は、コイル50に対向する金属板171が存在しない又は遠方に存在する際の電流値を1とした場合の電流である。コイル50に高周波信号出力部10から高周波信号として電流を流すと、コイル50に電流が流れ、検出部20で電流値が検出される。
コイル50に金属板171が対向した際(dn:小)のコイル電流は、コイル50に金属板171が対向しない場合(dn:大)のコイル電流と比較すると減少する。これは、コイル50が金属板171に接近し、コイル50で発生した磁束が金属板171に当たると金属板171に当該磁束を打ち消すような電流(磁束)が発生するため、コイル50で発生した磁束が減少するからである。コイル50が金属板171に接近すると、コイル50から金属板171を見た場合に金属板171の抵抗として見え、コイル50に電流が流れにくくなる。コイル50から見たインピーダンスは、コイル50から金属板171までのギャップG(z方向の距離)と、コイル50と対向する部分の金属板171の面積とによって異なる。
コイルユニット1の検出部20は、相対位置dn毎にコイル50の電流を検出する。コイル50と金属板171が大きく離れている場合(d4)のコイル電流の電流値を1とする。相対位置d4の場合、金属板171の抵抗成分が現れてこないため、コイル50に電流が流れやすくなり、検出部20で検出されるコイル電流が大きくなる(1に近い)。コイル50と金属板171が大きく離れている場合については、コイル電流はギャップGに依存せず各ギャップG(コイル電流変化線25〜27)で同様の値をとる。
コイルユニット1が移動してコイル50が金属板171に近付くと(d3、d2)、コイル50に対向している金属板171の面積が増える。それにより抵抗成分が現れてくるため、検出部20で検出されるコイル電流は減少する。ギャップGの値に応じてコイル電流に差異が現れる。例えばギャップGが5mmと小さい場合、抵抗成分が大きくなるため、コイル電流は比較的小さくなる。一方、ギャップGが15mmと大きい場合、金属板171がコイル50から比較的遠いため抵抗成分が小さく、コイル電流は比較的大きい。以上の構成によれば、ギャップGごとに検出されるコイル電流の振る舞いが異なるため、コイル電流に基づいてギャップGを推定することができる。
ギャップGを推定する方法として、次のような3つの方法が考えられる。第1の方法は、ある相対位置dnのときに測定値が基準測定値と一致すれば、その基準測定値を含むコイル電流変化線と紐つけられたギャップ値をギャップGとする方法である。なお、測定値と一致する基準測定値がない場合には、測定値に最も近い基準測定値を用いてギャップGを推定する。
第2の方法は、測定値に近い基準電流値として測定値よりも大きい基準電流値と小さい基準電流値がある場合には、その2つの基準電流値に紐つけられたギャップ値から補間法(内挿法)によりギャップGを推定する方法である。
第3の方法は、コイル電流変化線の傾きからギャップGを推定する方法である。例えば、制御部30は、相対位置d3,d2の2点におけるコイル電流を測定し、相対位置d3,d2における2つの測定値の傾きを算出する。そして制御部30は、2つの測定値の傾きと一致する傾きを持つコイル電流変化線のギャップ値をギャップGとする。なお、2つの測定値の傾きと一致する傾きを持つコイル電流変化線がない場合には、上記第2の方法(補間法)を応用してギャップGを推定する。
ところで、図3に斜線で表したエラー領域E1,E2は、検出されたコイル電流の測定値が異常であると判定される領域である。エラー領域E1は、コイル電流変化線25〜27よりも上方の領域であり、エラー領域E2は、コイル電流変化線25〜27よりも下方の領域である。コイル電流変化線25〜27とエラー領域E1,E2との間には、実験等により求めた所定のマージンが設けられている。制御部30は、コイル電流の測定値がエラー領域E1又はエラー領域E2内である場合には、測定値が異常であると判断する。
例えば異常判定の方法として、制御部30は、ある相対位置dnにおける測定値と基準電流値との差異が所定値以上である場合には、その測定値は異常(エラー領域E1,E2内)であると判定する方法が考えられる。他の判定方法として、測定する相対位置dnごとにコイル電流の上限の閾値と下限の閾値を記憶部35に設定しておき、制御部30は、測定値が上限の閾値以上又は下限の閾値以下である場合には、その測定値は異常(エラー領域E1,E2内)であると判定する。例えば図3の相対位置d3のとき、コイル電流の上限の閾値は0.17、下限の閾値は0.64である。なお、ギャップ値毎に上限の閾値と下限の閾値を設定してもよい。また、コイル電流変化線25〜27とエラー領域E1,E2との間のマージンを、より小さく又は大きく設定してもよい。
なお、図3では、コイル50と金属板171が大きく離れている場合(d4)のコイル電流の電流値(測定値)を1として正規化したが、ギャップ推定や異常判断等の演算に正規化していない測定値を用いてもよい。
上記のように構成された第1の実施形態では、コイル50と金属板171とのギャップGによってコイル50に流れるコイル電流の変化が異なる。そこで、コイル50の相対位置dnごとの測定値と基準電流値を元に、コイル50と金属板171とのギャップG(第1距離)が推定できる。そして、コイル50と金属板171とのギャップG(第1距離)からコイル50と送電側コイル(例えば図5のコイル150)間のギャップ(第2距離)を算出することができる。このコイル50と送電コイル間の距離(第2距離)を算出することができれば、その距離の情報を送電側の制御(例えば共振周波数の調整等)に利用することができる。
<2.第2の実施形態>
次に、第2の実施形態として、第1の実施形態に係る非接触給電装置を備えるエレベーター(昇降機)の例を説明する。
図4は、第2の実施形態に係るエレベーターの概略の構成図である。図4のエレベーター200は、第1の実施形態に係る非接触給電装置を備える。エレベーター200は、建物構造物内に形成された昇降路80、利用者が乗車する乗りかご2(移動体の一例)、巻上機3、釣合い錘4、巻上機3に巻きかけられ乗りかご2と釣合い錘4を懸架する主ロープ5を備える。
昇降路80は、建築構造物内に形成され、その頂部には機械室82が設けられている。巻上機3は、機械室82に配置され、不図示のモーターにより正転又は逆転し、主ロープ5を巻き掛けることにより乗りかご2を昇降させる。乗りかご2は、y方向に延在するガイドレール83に案内されてy方向に昇降する。言い換えると、乗りかご2は、コイル150及びコイル50の巻き線の巻回の径方向に平行(y方向)に移動する。図4ではガイドレール83は1本だが、2本以上でもよい。巻上機3には、不図示のモーターに直結しモーターの速度に比例するパルスを発生するエンコーダー3aが設けられている。
昇降路80は、複数階床用であって、乗りかご2は、行き先階に応じて各階の停止位置を示す着床レベル(乗り場)で停止する。支持体81は、昇降路80の壁、柱、又はガイドレール等である。コイルユニット101は、支持体81に直接又は他の物体を介して間接的に固定される。コイルユニット1は、非接触給電の送電を担うものであり、昇降路80の利用客が多い1階又は最上階(展望階)などに設置される。
乗りかご2の床下部には、コイルユニット1と、コイルユニット1で受電した電力を充電する充電回路6と、充電回路6により充電される蓄電池7が設置されている。蓄電池7には、キャパシタ、鉛蓄電池、リチウムイオン電池等が用いられる。
エレベーター制御装置9は、機械室82に設置されている。エレベーター制御装置9は、エレベーター200のエンコーダー3aから送られてくる情報(パルス信号)を解析したり、乗りかご2の運行を制御したりする。コイルユニット1は、無線通信によりエレベーター制御装置9とデータ通信が可能である。またエレベーター制御装置9は、有線通信又は無線通信によりコイルユニット101とデータ通信が可能である。エレベーター制御装置9は、通信回線を介してエレベーター200の状態を監視する不図示のエレベーター監視装置と接続している。
位置P0は、コイルユニット1内にあるコイル50の中心軸のy方向における位置を表す。また位置P1は、コイルユニット101内にあるコイル150(図5)及び金属板171の中心軸のy方向における位置を表す。乗りかご2が給電位置である位置P1に到着して停止すると(P0≒P1)、コイルユニット101は送電を開始する。コイルユニット1は、コイルユニット101からの電力を受電し、コイルユニット1が受電した電力を充電回路6が蓄電池7に充電する。
図5は、第2の実施形態に係るコイルユニット1及びコイルユニット101を詳細に示した構成図である。図5のコイルユニット1は図1,図2のコイルユニットと同じ構成であるので説明を簡略し、主にコイルユニット101に着目して説明する。
コイルユニット101は、インバータ回路111、電源112、リレー115、制御部130、記憶部135、通信部140、コイル150、磁性体160、及び金属板171を備える。
コイル150は、巻き線を渦巻き状又は螺旋状に複数回巻いて形成された、非接触給電の送電コイルである。巻き線は、銅等の良導体の電線が望ましい。図5では、コイル50は図1,図2と同様にyx平面に平行な平面状である。コイル50のx方向とy方向の巻回径は、同じでもよいし異なっていてもよい。
磁性体160は、フェライト等で構成される板状の磁性体である。磁性体160は、コイル150の背面側(コイル150のコイル50と対向する面とは反対側の面)に当該コイル150に平行となるように配置されている。
金属板171は、コイル50と対向するように支持体81に設けられている。金属板171は、磁性体160の背面側(磁性体160のコイル150が配置される面とは反対側の面)に磁性体160と平行となるように支持体81に配置される。図5の例では、金属板171のy方向の中心軸(位置P1)は、コイル150のy方向の中心軸と一致する。金属板171は、非接触給電時にコイル150が発生した磁束を低減(遮蔽)する機能も有する。
この金属板171は、乗りかご2が昇降したときにコイル150とコイル50が対向するよりも前にコイル50と対向する大きさ、形状を有する。即ち金属板171は、乗りかご2の昇降方向におけるコイル150の巻き線の巻回径の半分の長さよりも、乗りかご2の昇降方向における当該金属板171の中心軸(位置P1)から端部171e1,171e2までの長さが長い。コイル150の巻き線の巻回径の半分の長さは、位置P1からコイル150の端部150e1,150e2までの長さである。
インバータ回路111(交流信号印加部の一例)は、コイル150に高周波の交流信号を供給する共振型のインバータ回路である。インバータ回路111から出力された交流信号は、リレー115を介してコイル150へ供給される。
電源112は、インバータ回路111の電源である。電源112からインバータ回路111へ供給される電圧は、例えば商用200Vである。
リレー115は、インバータ回路111とコイル150を接続及び遮断する継電器の接点である。リレー115は、例えば電磁継電器であり、制御部130は電磁継電器の電磁石への制御用入力電流の供給の有無を制御する。
制御部130は、インバータ回路111の高周波信号の送信及び停止を制御する。また制御部130は、インバータ回路111の高周波信号の送信及び停止に合わせて、リレー115の接点のクローズ及びオープンを制御する。制御部30として、CPU又はMPUが用いられる。以降の説明において、リレー115の接点をクローズすることを「リレー115をクローズする」、リレー115の接点をオープンすることを「リレー115をオープンする」と表記する。
記憶部135は、半導体メモリ等から構成される不揮発性の記憶部である。記憶部135は、制御部130により実行されるプログラムや制御部30が当該プログラムを実行する過程で生成されたデータ等を記憶する。
通信部140は、コイルユニット1の通信部40と無線通信を行う通信インターフェースである。通信部140は、エレベーター制御装置9と通信を行ってもよい。その場合、通信部140は有線通信を行う通信インターフェースであってもよい。
コイルユニット1の通信部40は、コイルユニット101の通信部140と無線通信を行う通信インターフェースである。
[非接触給電装置の給電開始までの動作例]
次に、エレベーター200の給電開始までの動作例を説明する。
図6は、エレベーター200の給電開始までの、コイルユニット1とコイルユニット101の処理を示すシーケンス図である。
始めにコイルユニット101の制御部130は、給電を行わない期間、リレー115をオープンにしてコイル150とインバータ回路111を遮断する(S1)。
コイルユニット1の制御部30は、乗りかご2が移動を開始したことを検知すると(S2)、高周波信号出力部10に高周波信号出力を指令する。高周波信号出力部10は、制御部30からの指令に従い、コイル50に対して高周波信号の出力を開始する(S3)。エレベーター制御装置9は、エンコーダー3aから得られる情報を元に乗りかご2の移動を検出しており、制御部30は、エレベーター制御装置9で乗りかご2の移動が検出されたら乗りかご2が移動を開始したと判断する。
なお、ステップS1においてリレー115をオープンとしたが、検出部20によるコイル電流の検出に影響が生じないよう、少なくともステップS3以降においてリレー115がオープンであればよい。
次に、制御部30は、検出部20により所定位置(相対位置dn)毎又は所定時間毎に、コイル50に流れる電流(コイル電流)の電流値の測定を開始する(S4)。ここで、金属板171は、乗りかご2が移動したときにコイル150とコイル50が対向するよりも前にコイル50と対向する。
制御部30は、検出部20によりコイル電流の測定値を取得し、コイル電流の測定値を記憶部35に保存する(S5)。制御部30は、乗りかご2の位置の把握には巻上機3に設置されたエンコーダー3aから得られる情報等を用いる。時間の把握には、制御部30(CPU又はMPU等)の内部クロック、タイマー等を用いることができる。
制御部30は、検出部20により取得したコイル電流の測定値と上限の閾値及び下限の閾値(もしくは基準電流値)を比較し、測定値に異常があるか否かを判断する(S6)。ここで、上限の閾値及び下限の閾値(もしくは基準電流値)は、実際の使用形態に即して測定された値である。すなわち、各値は、金属板171の前面にコイル150と磁性体160が配置された状態で測定及び設定された値である。
ステップS6において測定値に異常がある場合には(S6のYES)、制御部30は、コイル50を利用した給電を緊急停止する。例えば、制御部30は、充電回路6を即座に停止して蓄電池7への充電を中止する。または、制御部30は、即座にコイルユニット101へ送電停止を要求し、インバータ回路111を停止させる。
ステップS6において測定値に異常がない場合には(S6のNO)、制御部30は、測定値と基準電流値との差からコイル50と金属板171のギャップG(第1距離)を推定する(S7)。そして、制御部30は、コイルユニット1が給電位置(P1)へ到着する前に、通信部40によりギャップGの推定値をコイルユニット101へ送信する(S8)。
コイルユニット101の制御部130は、通信部140によりコイルユニット1からギャップGの推定値を受信する(S9)。そして、制御部130は、ギャップGの推定値に基づいてコイル150とコイル50の距離(第2距離)を算出し、コイル150とコイル50の距離からインバータ回路111に対する制御情報を生成する。ここで、コイル150と金属板171との距離は既知であり、エレベーター200の設計データ又は実測により得られる。したがって、コイル50と金属板171のギャップG(第1距離)がわかれば、コイル150とコイル50の距離(第2距離)は容易に求められる。
次に、制御部130は、コイルユニット1が給電位置へ到着する前に、制御情報に基づいてインバータ回路111の制御を変更し(S10)、リレー115をクローズする(S11)。例えば制御情報は、インバータ回路111によるスイッチング動作の周波数(スイッチング周波数)の設定値である。スイッチング周波数は、例えばコイル150を含む共振回路の共振周波数に合わせて調整される。
そして、乗りかご2のコイルユニット1が給電位置に到着した際、コイルユニット101は送電を開始する(S12)。上記ステップS10において、事前にインバータ回路111の制御(設定)が変更されている。そのため、コイルユニット1が給電位置(P1)に到着すると速やかに、インバータ回路111は変更後のスイッチング周波数でスイッチング動作を行い、高周波の交流信号をコイル150へ出力できる。なお、制御情報はインバータ回路111の設定値だけに留まらない。例えば乗りかご2の昇降速度などエレベーター200の運用に関わる情報、又は蓄電池7の残容量でもよい。
図7は、給電時のコイルユニット1及びコイルユニット101の説明図である。
図7において、コイルユニット1が給電階へ到着し(P0≒P1)、コイルユニット1のコイル50とコイルユニット101のコイル150が対向している状態である。
[非接触給電装置の給電時の動作例]
次に、エレベーター200の給電開始から給電終了までの動作例を説明する。
図8は、エレベーター200の給電開始から給電終了までの、コイルユニット1とコイルユニット101の処理を示すシーケンス図である。
始めに乗りかご2のコイルユニット1が給電位置(P1)に到着した際、コイルユニット101は送電を開始する(S21)。ステップS21、図6のステップS12に相当する。コイルユニット1はコイルユニット101から受電し、充電回路6が蓄電池7への充電を開始する(S22)。
次に、コイルユニット1の制御部30は、乗りかご2が移動を開始したか否かを判定する(S23)。乗りかご2が移動を開始した場合には(S23のYES)、制御部30は、充電回路6による蓄電池7への充電を停止する(S25)。
一方、乗りかご2が移動していない場合には(S23のNO)、制御部30は、蓄電池7が満充電状態か否かを判定する(S24)。そして、蓄電池7が満充電ではなく充電が必要な場合(S24のNo)、制御部30はステップS23へ移行し、充電回路6による蓄電池7への充電を継続する。
蓄電池7が満充電状態の場合(S24のYes)、制御部30は、充電回路6による蓄電池7への充電を停止する(S25)。
制御部30は、ステップS25において充電回路6による蓄電池7への充電を停止した後(又は並行して)、コイルユニット101へ送電停止を要求する。コイルユニット101の制御部130は、コイルユニット1からの送電停止の要求を受けて、インバータ回路111を制御して送電を停止する(S26)。
次に、コイルユニット101の制御部130は、リレー15をオープンにする(S27)。これは、図6のステップS1の処理と同じである。
上記のように構成された第2の実施形態は、受電側のコイル50が送電側のコイル150と正対する位置(給電位置)に到着する前に、コイル50と金属板171のギャップGを測定し、コイル50とコイル150の距離を算出する。そして、コイル50とコイル150が正対して乗りかご2が停止する前に(給電開始以前に)、コイル50とコイル150の距離に基づいて送電側の制御(設定変更等)を予め行う。それゆえ、受電側のコイルと送電側のコイルが給電位置で正対してから最適な周波数を演算して設定する従来の非接触給電方法と比べ、長い給電時間を確保することができる。
また、予めコイル電流の測定値の異常を判断することで、乗りかご2の緊急停止を素早く行うことができるので、非接触給電における安全性の向上が図られる。
<3.第3の実施形態>
次に、第3の実施形態として、本発明の非接触給電装置を利用してエレベーターの位置を検出する例を説明する。本実施形態では、乗りかご2の移動経路(各階床)に形状の異なる金属板を設置することにより、コイル50の移動経路上(昇降路80内)の位置を検出する。
図9は、第3の実施形態に係るエレベーターの概略の構成図である。
エレベーター200の1階(1F)は、コイルユニット101が設置されている給電階であり、金属板171が設置されている。2階(2F)には金属板172が、3階(3F)には金属板173が、地下1階(B1)には金属板177が設置されている。金属板171,172,173,177はそれぞれ異なる形状である。
図10は、金属板172,173,177の形状の例を示す図である。
コイル50(z方向)から見て、金属板172は平行四辺形、金属板173は2等辺三角形、金属板177は4角形の左上角と左下角が欠けたような6角形である。本実施形態は、このような異なる形状の172,173,177を、それぞれの階床におけるコイルユニット1(コイル50)と正対する位置に、不図示の支持部材などを用いて設置する。
図11は、図3の場合と同様にして測定した、金属板177を用いた際のコイル50の給電想定位置に対する相対位置とコイル電流との関係例を示すグラフである。図11において給電想定位置は、相対位置d0である。
図3と比較すると明らかなように、長方形の金属板171の場合のコイル電流(コイル電流変化)と、金属板177のときのコイル電流(コイル電流変化)とは異なる。即ち、制御部30は、コイル電流変化を解析して予め記憶部35に登録された各金属板のコイル電流変化を比較することで、コイル50が金属板171と対向しているか、又は金属板177と対向しているかが判断できる。コイル50と対向している金属板の種類を特定できれば、コイルユニット1を搭載する乗りかご2がどの階床にいるのかを把握できる。また、コイル50と対向する金属板を特定できれば、該当金属板のコイル電流変化から、コイル50の該当金属板に対する相対位置が判断できる。あるいは、コイル50が正対する金属板の種類(階床)と、エンコーダー3aから得られる情報等を元に算出される正対位置からの移動量とから、乗りかご2の現在位置を把握できる。
上記のように構成された第3の実施形態は、コイル50と対向する金属板の形状によってコイル電流変化に差異が現れることを利用し、該当金属板が設置された階床を判断する。即ち、乗りかご2を昇降して測定したコイル電流変化と階床毎に登録された各金属板のコイル電流変化とを比較することで、乗りかご2の位置を把握することができる。それにより、本実施形態は、従来、乗りかご2の位置を検出するために用いられていた位置センサ(光学センサや磁気センサ等)の代用が可能になる。
[第3の実施形態の変形例]
図12は、金属板の他の例を示す斜視図である。
図13は、金属板の他の例を示す側面図である。
なお、金属板171,172,173,177の形状を平面状(板状)としたがこれに限らない。例えば図12の金属板178は、長方形又は正方形の主面板178aの上端と下端にそれぞれ垂直部178b1,178b2の形成されている。そして、垂直部178b1の他方の端部に上部板178c1の端部が垂直に接続し、垂直部178b2の他方の端部に下部板178c2の端部が垂直に接続されている。
垂直部178b1,178b2のそれぞれからy方向に張り出した上部板178c1、下部板178c2がz方向に、コイル150の表面150sまで張り出している(図13)。それにより、金属板178の一部(上部板178c1、下部板178c2)が、対向するコイル50の表面付近に位置する。金属板178をこのような構造にすることで、コイル電流を測定するコイルユニット1(コイル50)から見て金属板178の抵抗成分が現れやすくなり、測定精度が向上する。
さらに、垂直部178b1,178b2があることにより、作業者がコイル150及び磁性体160を金属板178に支持する際の作業性が向上する。例えば、コイル150及び磁性体160を、支持部材に垂直に設置された金属板178の下側の垂直部178b2に一時的に置くことができる。その方が作業者にとって、コイル150及び磁性体160を鉛直な主面板178aに押し当てるよりも作業が容易になる。
<4.第4の実施形態>
本発明に係る非接触給電装置は、第1コイルと第2コイル(コイル電流の検出が行われるコイル)ののいずれかが、各コイルの巻き線の巻回の径方向に平行に移動する移動体に設置され、2つのコイルの相対的な位置関係が変化するものである。第1〜第3の実施形態では、第1コイルはコイル150に第2コイルはコイル50に相当する。ただし、コイル電流の検出が行われる第2コイルは、送電側又は受電側のいずれでもよい。以下、第4の実施形態として、受電側に長尺の金属板を設け、送電側でコイルに高周波信号を供給してコイルユニットの相対位置を検出する例を説明する。
図14は、第4の実施形態に係るエレベーターの概略の構成図である。
図14のエレベーター200Bにおいて、受電側のコイルユニット1Bは、移動方向(y方向)の長さがシールド板70(図1)のものよりも長い金属板74を有する。金属板74は、金属板171の場合と同様に、乗りかご2が昇降したときにコイル50とコイル150が対向するよりも前にコイル150と対向する大きさ、形状を有する。コイル50の両端部は充電回路6と接続されており、充電回路6とコイル50の一端部との間にはリレー16が接続されている。リレー16は、乗りかご2内の不図示の制御部又はエレベーター制御装置9によりオープン/クローズ動作が制御される。
送電側のコイルユニット101Bは、y方向の長さが金属板171のものよりも短い金属板70Aを有する。
コイルユニット101Bのインバータ回路111は、測定用の高周波の交流信号を出力する機能を有し、コイルユニット1が給電位置(位置P1)に到着する前にコイル150に測定用の交流信号を供給する。なお、インバータ回路111は、コイル150に対する給電用の交流信号の供給と測定用の交流信号の供給とを排他的に行うため、インバータ回路111とコイル150間のリレー115(図5)が不要である。
検出部120は、図1の検出部20と同等の機能を有する。検出部120は、インバータ回路111からコイル150へ高周波信号が供給された際に、コイル150に流れる電流(コイル電流)をクランプを介して検出する。
制御部130は、コイル150の測定値から図3のようなコイル電流変化線を計算し、コイル150とコイルユニット1Bの金属板74とのギャップG(第1距離)を推定する。そして、コイル150と金属板74とのギャップGに基づき、コイル150とコイル50との距離(第2距離)を求める。そして、制御部130は、コイルユニット1Bが給電位置(P1)へ到着する前に、コイル150とコイル50との距離に基づきインバータ回路111の制御(スイッチング周波数の設定等)を変更する。
上記のように構成された第4の実施形態は、受電側のコイル50が給電位置に到着する前に、送電側において送電側のコイル150と受電側の金属板74とのギャップGを測定し、コイル150とコイル50の距離を算出する。そして、給電開始以前に、コイル150とコイル50の距離に基づいて送電側の制御(設定変更等)を予め行う。それにより、第4の実施形態は、第2及び第3の実施形態と同様に、従来の非接触給電方法と比べ、長い給電時間を確保することができる。
また、第4の実施形態は、送電側でコイル電流測定を行うことで、第1〜第3の実施形態のように受電側から送電側にギャップ推定値を送信する必要がないため、制御系を送電側で閉じた系とすることができる。それゆえ、送電側と受信側間で通信を行うための通信部を削除できる。
<5.その他>
上述した第1〜第4の実施形態で用いられるコイル電流測定用の金属板は、乗りかご(移動体)が移動したときにコイル50とコイル150が対向するよりも前に、コイル電流の測定が行われるコイルユニット内のコイルと対向するように形成されていればよい。したがって金属板の形状は、環状でもよい。あるいは図12の金属板178のうち上部板178c1,178c2のみをコイルユニットに設置してもよい。
図15は、貫通孔部を有する金属板の例を示す斜視図である。
金属板170は、ほぼ中央に貫通孔部179hが形成されている。例えばコイルユニット1から磁性体60を除去した場合に、コイル50で発生した磁束は貫通孔部179hでは金属板179に吸収されないため、金属板179による磁束の損失を低減することができる。貫通孔部179hの直径は任意だが、金属板179のシールド機能も考慮して決定することが望ましい。
また、金属板178のy方向に張り出した上部板178c1、下部板178c2のみを金属板として用いてもよい。ただし、金属板のシールド機能を考慮すると、金属板はコイル全面に対向する大きさ及び形状であることが望ましい。
また、上述した第1〜第4の実施形態は、昇降路80に固定されたコイルユニットのコイル150と、乗りかご2に設置されたコイルユニットのコイル50との距離を算出することから、ガイドレール83の歪みを測定することができる。このガイドレール83の歪みについての検出結果を、保守に利用することができる。
さらに、上述した第2〜第4の実施形態において、乗りかご2の蓄電池7に充電された電力をコイル50を介して、送電側のコイルユニット101,101Bが設けられた階とは別の階に設置されたコイルユニットに供給するようにしてもよい。
さらに、本発明は上述した各実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることは可能である。また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。
1…コイルユニット(受電側)、 2…乗りかご、 6…充電回路、 7…蓄電池、 10…高周波信号出力部、 20…検出部、 30…制御部、 35…記憶部、 40…通信部、 50…コイル、 60…磁性体、 70…シールド板、 80…昇降路、 81…支持体、 82…機械室、 83…ガイドレール、 101,101B…コイルユニット(送電側)、 111…インバータ回路、 120…検出部、 130…制御部、 135…記憶部、 140…通信部、 150…コイル、 150e1,150e2…端部、 160…磁性体、 171,172,173,177…金属板(導体板)、 171e1,171e2…端部、 178…金属板、 178a…主面板、 178b1,178b2…垂直部、 178c1…上部板、 178c2…下部板、 179…金属板、 179h…貫通孔部、 200,200A,200B…エレベーター、 E1,E2…エラー領域、 G…ギャップ、 P0,P1…位置

Claims (9)

  1. 第1コイル又は第2コイルのいずれかが、前記第1コイル及び前記第2コイルの巻き線の巻回の径方向に平行に移動する移動体に設置され、前記第1コイルと前記第2コイルの相対的な位置関係が変化する非接触給電装置であって、
    前記第1コイルにおける前記第2コイルと対向する面と反対側の面に配置された、前記移動体が移動したときに前記第1コイルと前記第2コイルが対向するよりも前に前記第2コイルと対向するように形成されている導体板と、
    前記第2コイルに高周波信号を供給する高周波信号出力部と、
    前記高周波信号が供給されたときに前記第2コイルに流れる電流を検出する検出部と、
    前記移動体が移動したときに前記第1コイルと前記第2コイルが対向するよりも前に、前記検出部で検出された前記第2コイルの電流値と、前記導体板に対する前記第2コイルの距離ごとに設定された基準電流値とを元に、前記導体板に対する前記第2コイルの距離である第1距離を推定し、前記第1距離に基づき前記第1コイルと前記第2コイル間の距離である第2距離を算出する制御部と、を備える
    非接触給電装置。
  2. 前記基準電流値は、前記導体板に対する前記第2コイルの距離ごとに、前記移動体の移動方向における前記導体板に対する前記第2コイルの相対位置に応じて設定される
    請求項1に記載の非接触給電装置。
  3. 前記第1コイルは送電コイルであり、前記第2コイルは前記第1コイルから非接触で電力を受電する受電コイルであり、
    前記送電コイルに交流信号を印加する交流信号印加部、を更に備え、
    前記制御部が算出した前記送電コイルと前記受電コイル間の前記第2距離に基づいて、前記交流信号印加部から前記送電コイルに印加される前記交流信号の周波数が調整される
    請求項1又は2に記載の非接触給電装置。
  4. 前記移動体の移動経路上に前記送電コイルが設置されるとともに、前記移動体に前記受電コイルが設置され、
    前記移動体の前記受電コイルと前記移動経路内の前記送電コイルが正対する位置で前記移動体が停止する以前に、前記交流信号印加部は前記送電コイルに印加する前記交流信号の周波数の調整を開始する
    請求項3に記載の非接触給電装置。
  5. 前記移動体の移動経路に異なる形状の複数の前記導体板を設け、
    前記制御部は、前記検出部で検出された前記第2コイルの前記電流値と、複数の前記導体板ごとの前記基準電流値とを比較し、比較結果から前記移動経路上の前記第2コイルの位置を算出する
    請求項1に記載の非接触給電装置。
  6. 前記制御部は、前記検出部で検出された前記第2コイルの前記電流値と前記基準電流値との差異が所定値以上である場合には、前記第2コイルを利用した給電を停止する
    請求項1に記載の非接触給電装置。
  7. 前記第2コイルは送電コイルであり、前記第1コイルは前記第2コイルから非接触で電力を受電する受電コイルである
    請求項1に記載の非接触給電装置。
  8. 前記導体板は、前記移動体の移動方向における前記第1コイルの巻き線の巻回径の半分の長さよりも前記移動体の移動方向における前記導体板の中心から端部までの長さが長い
    請求項1に記載の非接触給電装置。
  9. 請求項1に記載の非接触給電装置を備えるエレベーター。
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