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JP6454497B2 - 立体物造形装置および立体物造形方法 - Google Patents

立体物造形装置および立体物造形方法 Download PDF

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Description

本発明は、立体物造形装置および立体物造形方法に関し、より詳細には、インクを堆積させて立体造形をおこなう立体物造形装置および立体物造形方法に関する。
立体物をインクジェット法を用いた積層方式によって造形する技術が知られている。この技術は、インクを堆積させて層を形成し、その層を複数積層することによって所望の立体形状を有する立体物を形成することができる。そのため、多様な分野での活用が期待されている。
このような立体造形技術において、積層される上下二つの層のうち、上の層の外周端が下の層の外周端よりも大きい、すなわち、上の層の一部が張り出している(オーバーハングしている)構造を造形する場合がある。この場合には、下の層の外周端に隣接してサポート材を形成し、サポート材に上の層のオーバーハング部分を積層する。なお、サポート材は、立体物に構成されるものではない部分であるため、適当なタイミングで除去される。サポート材を用いる技術については、例えば特許文献1に開示されている技術がある。
特開平6−179243号公報(1994年6月28日公開)
しかしながら、上述のようなサポート材を用いた立体造形技術は、サポート材を除去する工程が必要となる。そのため、立体造形して直ぐに立体物を提供することができない。また、サポート材の廃棄物が生じるため、環境に優しい立体造形技術とは言えない。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、サポート材を用いずにオーバーハング部分を造形することができる立体物造形装置および立体物造形方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る立体物造形装置は、インクから形成される複数の層を堆積させて立体物を造形する立体物造形装置であって、前回形成した層の上に、次の層を形成するときに、当該次の層の端を形成するインクを、当該前回形成した層の端に近い側の一部分を当該前回形成した層の端を形成するインクの上に重畳させることで、残りの部分の直下に空隙を設けることを特徴としている。
上記の構成によれば、サポート材を使用せずに、先述したオーバーハング部分を形成することができる。
具体的には、本発明の上記の構成によれば、インクを、前回形成されたインクの層の端から内側の領域に対して、当該端に近い側の一部分を重畳させることで、該インクの残りの部分の直下に空隙を設けることができる。この直下に空隙が設けられた該残りの部分が、前回形成したインク堆積層の端から張り出したオーバーハング部分に相当する。
このような形成方法を採用した上記立体物造形装置とすることにより、サポート材を形成することなくオーバーハング部分を形成することが可能であるから、サポート材を形成する手間がかからず、また、サポート材に係るコストを抑えることができる。更に、本発明によれば、形成したサポート材を除去する工程が不要であるために、サポート材を用いる従前の技術よりも、立体物をスピーディーに造形することが可能である。また、本発明は、サポート材の廃棄物が生じず、環境に優しい立体造形を実現することができる。
また、本発明に係る立体物造形装置の一形態では、上記の構成に加えて、上記インクは透明インクである。
上記の構成によれば、透明インクでオーバーハング部分を形成することから、立体物の色調に影響を与えずに、オーバーハング部分を形成することができる。
また、本発明に係る立体物造形装置の一形態では、上記の構成に加えて、上記インクは紫外線硬化型インクである。
上記の構成によれば、紫外線硬化型インクを用いることにより、短時間で硬化できる。そのため、積層させることが容易であり、立体物をより短時間で製造することができるというメリットがある。
本発明に係る立体物造形装置の一形態では、最も上にあるインクの層に接して、当該層を上方から加圧する加圧機構を有する。
上記の構成によれば、加圧機構でインク層を押圧して、当該インク層の厚さを平坦にすることができる。また、インク層の平面方向に延ばすことができるので、オーバーハング部分を形成しやすい。
本発明に係る立体物造形装置の一形態では、上記加圧機構は、加圧する対象の層の上方に接して移動しつつ回転するローラーであって、接する位置において、移動方向とは逆方向に回転するローラーを有する。
上記の構成によれば、インクの層の最上層に対して、摺動(擦れ)することなく、下方向に加圧しながらローラーを移動させることができる。これにより、あたかも最上層に対して、常に上方から加圧しながら、連続して移動方向に加圧していく状態にすることができる。
本発明に係る立体物造形装置の一形態では、上記ローラーの表面がインクに対する親和性の無い材質からなる。
上記の構成によれば、インクがローラーの表面に付着することを防ぐことができる。
上記の課題を解決するために、本発明に係る立体物造形方法は、インクから形成される複数の層を堆積させて立体物を造形する立体物造形方法であって、前回形成した層の上に、次の層を形成するときに、当該次の層の端を形成するインクを、当該前回形成した層の端に近い側の一部分を当該前回形成した層の端を形成するインクの上に重畳させることで、残りの部分の直下に空隙を設ける吐出工程を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、サポート材を使用せずに、先述したオーバーハング部分を形成することができる。
具体的には、本発明の上記の構成によれば、インクを、前回形成されたインクの層の端から内側の領域に対して、当該端に近い側の一部分を重畳させることで、該インクの残りの部分の直下に空隙を設けることができる。この直下に空隙が設けられた該残りの部分が、インク堆積層の端の上において該端から張り出したオーバーハング部分に相当する。
このような形成方法を採用することにより、サポート材を形成することなくオーバーハング部分を形成することが可能であるから、サポート材を形成する手間がかからず、また、サポート材に係るコストを抑えることができる。更に、本発明によれば、形成したサポート材を除去する工程が不要であるために、サポート材を用いる従前の技術よりも、立体物をスピーディーに造形することが可能である。また、本発明は、サポート材の廃棄物が生じず、環境に優しい立体造形を実現することができる。
本発明は、サポート材を使用せずに、立体物のオーバーハング部分を形成することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る立体物造形装置によって立体造形される立体物の外観図であり、(b)は、(a)の切断線A−A´における矢視断面図である。 本発明の一実施形態に係る立体物造形装置に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の模式図である。 本発明の一実施形態に係る立体物造形装置および立体物造形方法においておこなう立体造形の概念を示す模式図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係る立体物造形装置において立体造形される立体物の造形途中の様子を示した模式図である。 本発明の一実施形態に係る立体物造形装置によって立体造形される立体物の別例の外観図である。 本発明の一実施形態に係る立体物造形装置に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の別例を示した模式図である。 本発明の一実施形態に係る立体物造形装置に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の別例を示した模式図である。 本発明の一実施形態に係る立体物造形装置に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の別例を示した模式図である。 本発明の一実施形態に係る立体物造形装置に具備されるインクジェットヘッド装置のノズル孔側の別例を示した模式図である。 本発明の別の実施形態に係る立体物造形装置に具備されるインクジェットヘッド装置の構成を示した模式図である。 本発明の別の実施形態に係る立体物造形装置を用いて立体物を製造する方法を示す模式図である。 本発明の別の実施形態に係る立体物造形装置を用いて立体物を製造する方法を示す模式図である。 本発明の別の実施形態に係る立体物造形装置を用いて立体物を製造する方法を示す模式図である。
本発明の一実施形態に係る立体物造形装置および立体物造形方法について説明する。先ずは、本実施形態における立体物造形装置および立体物造形方法によって立体造形される立体物について概要を説明する。
(1)立体物の概要
図1は、本実施形態が提供する立体物を示す図である。図1の(a)は、立体物の外観図であり、図1の(b)は、図1の(a)の切断線A−A´における立体物の矢視断面図である。
立体物5は、図1の(a)に示すように概ね半球形状の外形を有した立体構造体である。立体物5は、表層側(外周側)から内側(中心部側)に向かって、第2の透明層4と、着色剤を含むインク(加飾インク)によって形成された着色層3(加飾層)と、透明インクによって形成された第1の透明層2(図1の(b))と、造形本体部分を構成する、光反射性を有するインクから形成された光反射層1(図1の(b))とがこの順番で形成されている。すなわち、立体物5は、中心部に在る光反射層1から表層側(外周側)に向けて、第1の透明層2と、着色層3と、第2の透明層4とがこの順でコーティングしている。また、別の解釈をすれば、立体物5は、カラー加飾された立体構造物(着色層3を表層として、着色層3、第1の透明層2および光反射層1からなる構造物)が透明層(第2の透明層4)によって覆われたものと換言することもできる。
図1の(b)に示す立体物5の断面は、図1の(a)に示すXYZ座標系に関して、立体物5の中央位置においてXZ平面に沿った断面を出現させたものである。
立体物5は、図1の(b)に示すように、複数の層5aを積層した積層方式によって立体造形された構造体である。図1の(b)では、10枚の層5aがZ方向に積層されることによって立体物5が立体造形されている。なお、層の総数は10に限定されるものではない。
立体物5は、図1の(b)に示すように、積層方向(Z方向)に対する垂直方向の径が、積層方向に沿って徐々に大きくなった構造体である。すなわち、最下位置にある層5aのXY平面方向の大きさが複数の層5aの中でも最も小さく、最上位置にある層5aのXY平面方向の大きさが複数の層5aの中でも最も大きく、最下位置にある層5aから最上位置にある層5aに向かって、層5aのXY平面方向の大きさが徐々に大きくなっている。また、各層5aに関しても、そのXY平面方向の大きさに下端から上端に向かって徐々に大きくなっている。
このように積層方向(Z方向)に沿って、層5aのXY平面方向の径が大きくなっていることにより、立体物5における、積層方向に概ね沿った表面(側面)は、上に向かうほど側方に張り出しており、且つ図1の(a)に示すように湾曲面として構成される。
ところで、従前のインクジェット法を用いて図1に示す略半球形状の立体物を立体造形する場合は、下の層よりも径が大きな部分を上に積層するためにサポート材を用いる。具体的には、下の層の外周に隣接してサポート材を形成し、そのサポート材の上に、上の層における、下の層よりも張り出した部分を形成する。従前のインクジェット法では、サポート材を用いないと、張り出した部分を形成するために吐出したインクが下方に落下してしまうからである。しかしながら、サポート材は立体物に構成されない部分であるため、先述したように適当なタイミングでサポート材を除去する工程が必要となって工程数が多くなるという問題がある。また、サポート材の廃棄物が生じて、環境に優しい造形法とは言えない。
そこで、本実施形態では、インクジェット法を用いながらも、サポート材を用いることなく、図1に示す立体物5を形成する。以下、本実施形態の立体物造形装置および立体物造形方法について説明する。
なお、本実施形態ではインクジェット法を用いた態様を説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、インクを用いた積層方式によって立体物を造形することができるあらゆるタイプの立体物造形方法に適用することができる。
(2)立体物造形装置
図2は、本実施形態の立体物造形装置の主要な構成を示す図である。
図2に示す本実施形態の立体物造形装置40は、インクジェットヘッド装置10と、紫外線照射装置20と、制御装置30とを備えている。
●インクジェットヘッド装置10
図2は、インクジェットヘッド装置10の下面を示している。
インクジェットヘッド装置10の下面には、大きく分けて3つのインクジェットヘッド11H〜13Hが搭載されている。図2に示すように、第1インクジェットヘッド11Hと、第2インクジェットヘッド12Hおよび第3インクジェットヘッド13Hとは、X方向に沿って配設位置がずれている。また、図2に示すように、第1インクジェットヘッド11Hと、第2インクジェットヘッド12Hと、第3インクジェットヘッド13Hとは、Y方向に沿って配設位置がずれている。つまりインクジェットヘッド11H〜13Hは、いわゆるスタガ配列で並んでいる。
第1インクジェットヘッド11Hには、シアンインクを吐出するシアンインク用ノズル10(C)と、マゼンタインクを吐出するマゼンタインク用ノズル10(M)と、イエローインクを吐出するイエローインク用ノズル10(Y)と、ブラックインクを吐出するブラックインク用ノズル10(K)とが設けられている。なお、各ノズル10(C)、10(M)、10(Y)および10(K)の配列順や数は図2に示すものに限定されない。これらノズルから吐出されるインクは何れも図1に示す着色層3を形成するために用いる着色インクである。
第2インクジェットヘッド12Hには、白色インク(W)を吐出する白色インク用ノズル10(W)が設けられている。この白色インク(W)は、図1の(b)に示す光反射層1を形成するために用いるインクである。
第3インクジェットヘッド13Hには、透明インク(CL)を吐出する透明インク用ノズル10(CL)が設けられている。この透明インク(CL)は、図1の(b)に示す第1の透明層2、および図1の(a)および(b)に示す第2の透明層4を形成するために用いるインクである。
ここで、各インクは、紫外線硬化性を有するインクである。紫外線硬化型インクを用いることにより、短時間で硬化できる。そのため、積層させることが容易であり、立体物をより短時間で製造することができるというメリットがある。特に、サポート材を用いずに拡径している部分を形成する本実施形態の立体造形方法を実現するためには、短時間で硬化する紫外線硬化型インクが最適である。そのため、拡径している部分を構成する第2の透明層4は少なくとも、紫外線硬化型インクを用いて形成する。
紫外線硬化型インクは紫外線硬化型化合物を含む。紫外線硬化型化合物としては、紫外線を照射した際に硬化する化合物であれば限定されない。紫外線硬化型化合物としては、例えば、紫外線の照射により重合する硬化型モノマー及び硬化型オリゴマーが挙げられる。硬化型モノマーとしては、例えば、低粘度アクリルモノマー、ビニルエーテル類、オキセタン系モノマーまたは環状脂肪族エポキシモノマー等が挙げられる。硬化型オリゴマーとしては、例えば、アクリル系オリゴマーが挙げられる。
インクジェットヘッド装置10は、図2に示す下面を形成台の形成面(形成台の形成面Bを図3に図示)あるいは形成済みの層5aに対向させるように設けられている。また、インクジェットヘッド装置10はX方向に往復移動することができ、その移動中にインクを吐出する。移動は、後述する制御装置30の第1制御部31によって制御される。
なお、移動に関しては、インクジェットヘッド装置10と、形成台との相対位置が所定の方向に変化すればよく、インクジェットヘッド装置10がXYZ座標系において所定の方向に移動してもよいし、層5aの形成台をXYZ座標系において所定の方向に移動させてもよく、どちらがおこなってもよい。
●紫外線照射装置20
紫外線照射装置20は、紫外線硬化型インクを硬化させるために紫外線を照射する光源を有する。
紫外線照射装置20の紫外線照射は、後述する制御装置30の第2制御部32によって制御される。
また、紫外線照射装置20は、インクジェットヘッド装置10から吐出されたインクに対して紫外線を照射できるように、インクジェットヘッド装置10の近傍に配置される。
●制御装置30
制御装置30は、インクジェットヘッド装置10を制御する第1制御部31と、紫外線照射装置20を制御する第2制御部32とを有している。
第1制御部31は、インクジェットヘッド装置10によるインクの吐出のタイミング、吐出量および吐出力を制御する。吐出は、図示しない電源からのインクジェットヘッド装置10への電圧印加を制御することによっておこなう。吐出量および吐出力は、インクジェットヘッド装置10のインクを吐出するノズルへの電圧印加量を制御することによりおこなう。このような第1制御部31による制御により、インクジェットヘッド装置10から吐出されるインクの着弾位置が制御されるだけでなく、着弾するインクの着弾形状(堆積形状)を制御することができる。
また、先述のようにインクジェットヘッド装置10の移動も第1制御部31が制御する。
第2制御部32は、紫外線照射装置20の紫外線照射タイミングを制御する。なお、インクジェットヘッド装置10の移動に伴って紫外線照射装置20を移動させる必要がある場合には、紫外線照射装置20の移動も第2制御部32が制御する。
なお、制御装置30(第1制御部31および第2制御部32)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、制御装置30は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
以上の構成を具備する立体物造形装置40を用いて、図1の(b)に示す立体物5を、サポート材を用いることなく、インクジェット法を用いた積層方式によって立体造形する。なお、立体物造形装置40には、図2に図示しない他の構成を具備してもよい。
(3)立体造形方法
図3は、図2に示した本実施形態の立体物造形装置40による立体物造形方法を説明する模式図である。なお、図3は、立体物5のうち、下層の外周端よりも側方に張り出した部分を有した箇所を立体造形する過程を示している。本実施形態が提供する立体物5においては、この箇所は、図1の(a)および(b)に示す第2の透明層4によって構成されている。
また以下の説明では、下の層よりも層の径が大きくなって張り出した部分のことを、該部分の直下にインク堆積物が存在しない部分があり、且つ形成台の形成面とも接触しておらず、該形成面から離間している部分であるという意味で「オーバーハング部分」と記載する。すなわち、図3は、第2の透明層4のオーバーハング部分の形成方法を示した部分断面図であり、図1の(b)に示す最下層である層5aの紙面右側の外周端に形成されるオーバーハング部分4hの形成方法を示す。
図3の(a)は、インクジェットヘッド装置10が、図3の(a)示されるXYZ座標系においてY軸正方向に移動しながらインクを吐出する様子を模式的に示している。このインクの吐出の前に、インクジェットヘッド装置10は、予めY軸を負方向に形成面Bに沿って移動し、その移動中に、第2の透明層4を形成するためのインクを滴下し終わっている。具体的には、着弾順にインク[3]、インク[2]、インク[1]となっており、インク[1]、インク[2]、インク[3]によって層が形成されている。
図3の(a)に示すように、インク[1]、インク[2]、インク[3]の層上をY軸の正方向にインクジェットヘッド装置10が移動しながら、インクを滴下する。具体的には、着弾順にインク[1’]、インク[2’]、インク[3’]となる。インク[3’]の一部分(図中のsで示す部分)は、前回のインクジェットヘッド装置10の移動によって形成された層の端を形成するインク[3]の上に重畳させる(吐出工程)。これにより、インク[3’]の残りの部分(図中のuで示す部分)の直下に空隙を設けることができる。
図3の(a)に続く段階を、図3の(b)に示す。図3の(b)では、インクジェットヘッド装置10が更にX軸を負方向に形成面Bに沿って移動してインクを吐出したことによって、インク[1’’]、インク[2’’]、インク[3’’]が着弾した様子を示している。インク[3’’]も、Z方向に関して、インク[3’]に重畳しているのは、インク[3’’]の一部分(図中のsで示す部分)のみである。インク[3’’]の残りの部分(図中のuで示す部分)は、Z方向においてインク[3’]に重畳せず、インク[3’]の最外端位置(図中に破線で示す位置)よりも更に外側(立体物の側方に相当)に在る。インク[3’’]は、形成台の形成面Bから離間しており、オーバーハング部分4hを構成している。
このように、本実施形態では、先に形成されたインク層に、次の層の端に位置するインクの一部のみを重畳させる。これを繰り返すことによって、従前ではサポート材の上に形成する必要があったいわゆるオーバーハング部分を、サポート材を用いることなく形成することができる。
以上のような、インクジェットヘッド装置10の吐出タイミングを制御は、第1制御部31によって行われる。
なお、本願明細書における「重畳」とは、Z方向(積層方向)に重なり合っている部分のことをいう。
また、図3の(a)及び(b)に示したインク[3’]およびインク[3’’]のように、前回形成されたインクの層の斜め上方に留まって形成面Bから離間した態様を実現するために、インク滴の粘度は、5〜25mPa・secとすることが好ましいが、着弾させる位置(インクジェット装置10からの吐出タイミング)との組み合わせや、他の条件との組み合わせ等によっては、必ずしもこの粘度でなくても良い。
また、インク吐出速度は、5〜10m/secとすることが好ましいが、着弾させる位置(インクジェット装置10からの吐出タイミング)や他の条件との組み合わせ等によっては、必ずしもこの吐出力でなくても良い。
また、インクの硬化タイミング、すなわち、紫外線の照射タイミングは、着弾後としても良いし、あるいは着弾前に仮硬化させても良い。照射タイミングは、第2制御部32が紫外線照射装置20を制御することによって実現することができる。なお、紫外線照射装置20は、仮硬化用の光源を、硬化用の光源とは別に具備していても良い。
以上が、本実施形態の立体物造形装置40による立体物造形方法の特徴部分の説明である。
(4)立体物の詳細
(4−1)立体物の全体構成
上記の「(1)立体物の概要」では、本発明の特徴的構成に直接的に関係する部分のみを説明した。そこで、図1の(b)に示した立体物5のその他の構成について以下に説明する。
層5aのZ方向の厚さ(高さ)は、積層数等により適宜設定することができる。本実施形態ではインクジェット法を用いて積層するため、その積層方法において実現可能な層5aのZ方向の厚さを考慮すれば良い。一つの層5aのZ方向の厚さは主に着色層3の減法混色による多色形成に適切な値で5μm〜50μmの範囲である。また、本実施形態では紫外線硬化型インクをインクジェット法で層形成するため、層5aの厚さはインク滴の大きさに依り5μm〜20μmとすることができ、好ましい範囲は10μm〜25μmである。なお、大型の造形物で解像度が要求されない場合は連続する複数層を同じデータで積層してもよく、より大きなインク滴にすれば良い。その場合、データ量の減少と造形速度の高速化が見込める。
本実施形態の立体物5は、着色層3が露出しないように第2の透明層4が着色層3を完全に覆っている。本実施形態では、このような立体構造を積層方式で形成するため、図1の(b)に示すように、複数の層5aのうちの最下層及び最上層を第2の透明層4のみからなる層5aとして、これらの間の層5aの対向側(内側)にそれぞれ、第2の透明層4の一部が着色層3の一部の外周に形成された層5aを配置し、さらにその内側に、外周端から中央に向かって第2の透明層4の一部、着色層3の一部および第1の透明層2の一部がこの順で形成された層5aを配置し、さらにその内側に外周端から中央に向かって第2の透明層4の一部、着色層3の一部、第1の透明層2の一部および光反射層1の一部がこの順で形成された層5aを配置することによって形成する。なお、これら各種の層5aの配設数は図2に示したものに限定されるものではない。また、図1の(a)に示す立体物5を積層方式によって立体造形するものであれば、各層5aの構成は上述したものに限定されない。
なお、本実施形態では、光反射層1を造形本体部分と見なすが、光反射層は造形本体部分に属するものであってもそうでなくても良い。すなわち、光反射層とは別体の造形本体部分或いは空洞が立体物の中心部に在り、その造形本体部分(光反射性を有していなくても良い)から表層側(外周側)に向けて、光反射層と、第1の透明層と、着色層と、第2の透明層とがこの順で形成されていても良い。あるいは、芯部(光反射性を有していなくても良い)とその表面に形成された光反射層1とを造形本体部分と見なしても良い。
(4−2)積層される各層
図1の(b)に示すように複数の層5aがZ方向に積層されていることにより、各層5aの第2の透明層の一部分54が概ね立体物5の最外周表面方向に連なって、第2の透明層4を形成している。また、各層5aの着色層の一部分53が概ね立体物5の最外周表面方向に連なって、着色層3を形成している。また、各層5aの第1の透明層の一部分52が概ね立体物5の最外周表面方向に連なって、第1の透明層2を形成している。また、光反射層の一部分51が概ね立体物5の最外周表面方向に連なって、光反射層1を形成している。このように配置することにより、立体物5の表面をX、Y、Zのあらゆる方向から見ても、第2の透明層4、着色層3、第1の透明層2、光反射層1の順となるので、着色層3の減法混色により表現された色調を認識することができる。
なお、第1の透明層の一部分52のXY平面方向の寸法は、第1の透明層の一部分52が上下で接する着色層の一部分53の寸法よりも若干広めに設定することで、着色層3と光反射層1とを構成するインク同士の混じり合いの防止をより確実にすることができる。
また、第2の透明層の一部分54のXY平面方向の寸法は、第2の透明層の一部分54が上下で接する着色層の一部分53の寸法よりも若干広めに設定することで、着色層3の保護をより確実にすることができる。
(4−3)層の具体的構成
以下に、光反射層1(光反射層の一部分51)と、第1の透明層2(第1の透明層の一部分52)と、着色層3(着色層の一部分53)と、第2の透明層4(第2の透明層の一部分54)とについて、それぞれ説明する。
●光反射層1(光反射層の一部分51)
光反射層1(光反射層の一部分51)は、光反射性を有するインクによって形成された層であり、光反射層1の少なくとも着色層側の表面において可視光の全領域の光を反射することができる光反射性を有している。
光反射層1(光反射層の一部分51)は、具体的には、金属粉末を含んだインク、あるいは、白色顔料を含むインクから形成することができるが、白色インクから形成することが好ましい。白色インクから形成することにより、光反射層1において造形物の表層側から入った光を良好に反射し、減法混色による着色を実現することができる。
本実施形態では造形物本体が光反射層1によって構成されているが、光反射性を有していなくても良い別体の造形物本体の表面に光反射層1を形成する場合には、光反射層1の厚さは最小で5μm〜20μmとすることができる。ここでいう光反射層1の厚さとは、層5aに含まれる光反射層の一部分51の外周端側から中心側方向に沿った幅と同じである。なお、本発明はこの数値範囲に限定されるものではない。
●第1の透明層2(第1の透明層の一部分52)の構成
第1の透明層2(第1の透明層の一部分52)は、透明インクから形成される。
ここで、透明インクとは、単位厚さ当たりの光透過率が50%以上である透明層を形成することができるインクであれば良い。単位厚さとは、透明層を形成するXY方向の最小寸法で5μm〜20μmである。透明層の単位厚さ当たりの光透過率が50%を下回ると、光の透過が不都合に阻止されて、造形物が減法混色による所望の色調を呈することができないため望ましくない。また、好ましくは、透明層の単位厚さ当たりの光透過率が80%以上となるインクを用い、透明層の単位厚さ当たりの光透過率が90%以上となるインクを用いることがより好ましい。
光反射層1(光反射層の一部分51)と、着色層3(着色層の一部分53)との間に第1の透明層2(第1の透明層の一部分52)を配設することにより、着色層3を形成する着色インクと光反射層1を形成するインクとが混じり合うことを回避することができる。仮に、着色層を形成する着色インクが、第1の透明層を形成する透明インクと混じり合っても着色層3の色は失われないので色調に不都合な変化を生じさせることはない。したがって、着色層3において所望の色調(加飾)を呈した造形物を実現することができる。
第1の透明層2の厚さは、5μm〜20μmとすることができる。ここでいう第1の透明層2の厚さとは、層5aに含まれる第1の透明層の一部分52の外周端側から中心側方向に沿った幅と同じである。なお、本発明はこの数値範囲に限定されるものではない。
●着色層3(着色層の一部分53)
着色層3(着色層の一部分53)は、着色剤を含む着色インクによって形成される。
着色剤を含むインク(以下、着色インクと記載することもある)としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)、ブラック(K)、各々の淡色のインクが含まれるが、これに限定されるものではなく、赤(R)、緑(G)、青(B)や、オレンジ(Or)等を加えても良い。また、メタリックやパールや蛍光体色を使用することも可能である。所望の色調を表現するべく、これらの着色インクの一種類または複数種類を用いる。
ところで、着色層3(着色層の一部分53)を形成するために用いられる着色インクの量は、所望の(呈したい)色調によってばらつきがある。そのため、低濃度の明るい色調の場合は着色インクのみでは着色層3のインク充填密度が所定のインク充填密度を満たすに至らず、Z方向の高さに凹凸が形成される場合や、X、Y方向に沿った途中に着色インクが無い凹みが形成される場合がある。何れの場合も、本実施形態のように積層方式によって形成される造形物には不都合な凹凸を生じることになり、好ましくない。
そこで、本実施形態では、着色インクのみでは着色層3(着色層の一部分53)のインク充填密度が所定のインク充填密度を満たさない箇所について、補填インクによって着色層3(着色層の一部分53)のインク充填密度を補填することをおこなう。すなわち、着色層3(着色層の一部分53)を、着色インクと補填インクの合算量(インク滴の合算容積)を一定となるように形成する。これにより、上述した凹みの発生を回避して、立体物5の形状をち密に造形することができる。
着色インクの吐出量、着色インクに構成される各色インクの着弾位置は予めわかっているため、これらを考慮すれば補填インクの補填量と補填位置(着弾位置)を判断することができる。該判断は、インクジェットヘッド装置または制御装置30(図2)、あるいは他の制御手段においておこなうことができる。
また、補填インクによりインク充填密度を補填することにより、着色層3で形成される面が平坦になるために光沢感を持たせることができる。
補填インクは、着色層3(着色層の一部分53)に呈されるべき色調に悪影響を与えないインクであればよく、一例としては、第1の透明層2(第1の透明層の一部分52)および第2の透明層4(第1の透明層の一部分54)において用いる透明インクを採用することができる。
着色層3の厚さは、例えば5μm〜20μmとすることができる。ここでいう着色層3の厚さとは、層5aに含まれる着色層の一部分53の外周端側から中心側方向に沿った幅と同じである。
なお、本実施形態では着色層3に基づいて説明しているが、本発明は着色層に限定されるものではなく、加飾層であれば特に制限はない。
●第2の透明層4(第2の透明層の一部分54)の構成
第2の透明層4(第2の透明層の一部分54)は、第1の透明層2(第1の透明層の一部分52)において説明した透明インクを用いて形成される。なお、第2の透明層4と第1の透明層2とは同一種の透明インクを用いても形成されても良く、異種の透明インクを用いても形成されても良い。
第2の透明層4の厚さは、例えば10μm以上とすればよく、上限値については、立体物5の外形の大きさに応じて適宜変更することができる。ここでいう第2の透明層4の厚さとは、第2の透明層の一部分54を含む層5aの外周端側から中心側方向に沿った第2の透明層の一部分54の幅と同じである。
第2の透明層4は、着色層3の保護層としての機能を有するだけでなく、積層方式を採用している本発明(本実施形態)において、立体物をち密に製造することを可能にするという優位な効果を奏する。すなわち、仮に着色層3が立体物5の最表層を構成している場合、つまり着色層の一部分53を有する層5aにおいて仮に着色層の一部分53が最も端部に位置している場合には、着色層3(着色層の一部分53)が精度よく形成できない虞がある。しかしながら、本実施形態のように立体物5の最表層に第2の透明層4(第2の透明層の一部分54)が形成されていることにより、着色層3(着色層の一部分53)が精度よく形成されることから、第2の透明層4(第2の透明層の一部分54)によって、所望の色調を呈することに寄与できる。
また、仮に着色層3が立体物5の最表層を構成している場合は、着色層3がむき出しになるので、擦れによる脱色や、紫外線による退色が起き易くなる。しかしながら、本実施形態のように立体物5の最表層に第2の透明層4(第2の透明層の一部分54)が形成されていることにより、脱色や退色を防止することができる。
図4は、本実施形態の立体物5の全体構成を造形(製造)する過程を模式的に示した断面図であり、図1の(b)に示した断面図の一部に相当する。
まず、図4の(a)に示すように、最下位置にある層5a(第1の層5a(1)と記載する)を、造形用ステージである形成台の形成面Bに形成する。この第1の層5a(1)の形成(製造)工程では、インクジェット法を用いてインクジェットヘッド装置10から透明インクを所定のタイミングで吐出して、インクに紫外線を照射して硬化させることによって、第2の透明層の一部分54のみからなる第1の層5a(1)を形成する。このとき、第1の層5a(1)の外周端部において、先述した方法でオーバーハング部分4hを形成する。
次に、図4の(b)に示すように、第1の層5a(1)の上に第2の層5a(2)を形成する。この第2の層5a(2)の形成(製造)工程では、形成済みの第1の層5a(1)の上方をインクジェットヘッド装置10が移動し、所定のタイミングでインクを吐出して、インクを紫外線照射により硬化させることによって、第2の層5a(2)の中心部分に着色層の一部分53を含み、且つ該着色層の一部分53の周囲を囲むように第2の透明層の一部分54を含む第2の層5a(2)を形成する。また、この第2の層5a(2)の形成(製造)工程においても、第2の層5a(2)の外周端部において、先述した方法で第2の透明層の一部分54にオーバーハング部分4hを形成する。
なお、着色層の一部分53と第2の透明層の一部分54とを並行して形成してもよいし、着色層の一部分53および第2の透明層の一部分54の一方を先に形成し、その後で他方を形成してもよい。
次に、図4の(c)に示すように、第2の層5a(2)の上に第3の層5a(3)を形成する。この第3の層5a(3)の形成(製造)工程では、形成済みの第2の層5a(2)の上方をインクジェットヘッド装置10が移動し、所定のタイミングでインクを吐出して、インクを紫外線照射により硬化させることによって、第3の層5a(3)の中心部分から層の端部に向かって、第1の透明層の一部分52と、着色層の一部分53と、第2の透明層の一部分54とをこの順番で含むように形成する。また、この第2の層5a(3)の形成(製造)工程においても、先述した方法で第2の透明層の一部分54にオーバーハング部分4hを形成する。
この第3の層5a(3)の形成(製造)工程では、第1の透明層の一部分52と、着色層の一部分53と、第2の透明層の一部分54とを並行して形成してもよいが、第1の透明層の一部分52および第2の透明層の一部分54を先に形成した後に、着色層の一部分53を形成してもよい。
次に、図4の(d)に示すように、第3の層5a(3)の上に第4の層5a(4)を形成する。この第4の層5a(4)の形成(製造)工程では、まず、図4の(d)に示すように、形成済みの第3の層5a(3)の上方をインクジェットヘッド装置10が移動し、所定のタイミングで透明インクを吐出して、この透明インクを紫外線照射により硬化させることによって、第1の透明層の一部分52および第2の透明層の一部分54を形成する。このとき、先述した方法で第2の透明層の一部分54にオーバーハング部分4hを形成する。そして、その後に、図4の(e)に示すように、白色層の一部分51および着色層の一部分53を形成する。これにより、第4の層5a(4)の中心部分から層の端部に向かって、白色層の一部分51と、第1の透明層の一部分52と、着色層の一部分53と、第2の透明層の一部分54とをこの順番で含む第4の層5a(4)が形成される。
図4の(d)に示す第4の層5a(4)の形成(製造)工程のように、第1の透明層の一部分52を形成する工程と、第2の透明層の一部分54を形成する工程とをおこなう。このとき、先述した方法で第2の透明層の一部分54にオーバーハング部分4hを形成する。そして、その後に、図4の(e)に示すように、第1の透明層の一部分52と第2の透明層の一部分54との間に着色層の一部分53を形成するとともに、白色層の一部分51を形成する。これにより、第2の透明層の一部分54が着色層の一部分53を形成する際に着色層を構成するインク溜まりの外堀として機能し、着色層を構成するインクが不都合に濡れ拡がる虞がなく、精度良く着色層の一部分53を形成することができる。
なお、各層において着色層の一部分53を形成する際、着色インクおよび補填インクからなる着色層形成用インクを両者のインクの合算量が一定となるように吐出して、紫外線硬化する。
このようにZ方向に積層を繰り返すことにより、図1の(b)に示す立体物5を製造することができる。なお、一層を形成するにあたっては、二次元の画像形成で公知のインターレイス走査やマルチパス走査をすることによってムラの少ない良好な造形や加飾が得られる。
(5)立体物の変形例
(5−1)変形例1
立体物5は、第2の透明層4の一部に穴を形成したストラップタイプの立体物としてもよい。穴は、第2の透明層4を形成する過程で、一部に第2の透明層4を形成しないことによって設ければ良い。
(5−2)変形例2
立体物5は、第2の透明層4の表面またはその内部に、マーク、フレーム、または淡色等によって構成された装飾三次元画像が施されていたり、日付、人名、または場所名などの文字を記す文字構造が設けられていたりしても良い。このような装飾三次元画像および文字構造といった付加情報は、制御装置30がインクジェットヘッド装置10を制御することにより実現することができる。このような付加情報は、第2の透明層4を形成すると同時に形成すれば良い。
(5−3)変形例3
上記の実施形態の立体物5は、図1の(b)に示したように、積層方向に沿って層5aの径が外側に向かって大きくなっているが、本発明に係る立体物造形装置および立体物造形方法は、図5に示すように、積層方向に沿って、径が徐々に内側に向かって小さくなった構造の立体物5´の立体造形にも適用することができる。図5に示す立体物5´にも、オーバーハング部分4hが形成されており、これも、先述した着弾形態を用いれば、サポート材を用いることなく造形することが可能である。
(6)インクジェットヘッド装置の変形例
上記の実施形態では図2に示すインクジェットヘッド装置10を用いて立体物5を製造しているが、用いるインクジェットヘッド装置はこれらに限定されるものではなく、図6から図9にそれぞれ示すインクジェットヘッド装置を用いることも可能である。
図6に示すインクジェットヘッド装置10aの下面には、大きく分けて2つのインクジェットヘッド11H´および12H´が搭載されている。図6に示すように、第1インクジェットヘッド11H´と、第2インクジェットヘッド12H´とは、X方向に沿って配設位置がずれており、且つY方向に沿って配設位置がずれている。
図7は、インクジェットヘッド装置の変形例を示す図である。図7に示すインクジェットヘッド装置10bの下面には、シアンインク用ノズル10(C)と、マゼンタインク用ノズル10(M)と、イエローインク用ノズル10(Y)と、ブラックインク用ノズル10(K)と、白色インク用ノズル10(W)と、透明インク用ノズル10(CL)とが、この順でY方向に配列して設けられている。
図8は、インクジェットヘッド装置の更に別の変形例を示す図である。図8に示すインクジェットヘッド装置10cの下面には、白色インク用ノズル10(W)と、透明インク用ノズル10(CL)と、イエローインク用ノズル10(Y)と、マゼンタインク用ノズル10(M)と、シアンインク用ノズル10(C)と、ブラックインク用ノズル10(K)と、透明インク用ノズル10(CL)と、白色インク用ノズル10(W)とが、この順でY方向に配列して設けられている。
図9は、インクジェットヘッド装置の更に別の変形例を示す図である。図9に示すインクジェットヘッド装置10dは、Y軸に沿って往復移動可能なキャリッジ15と、キャリッジ15に搭載された複数のノズル列と、キャリッジ15に搭載された紫外線照射器14a,14bとを備える。キャリッジ15をY方向に移動させて、ノズル列から紫外線硬化型インクを吐出するとともに、紫外線照射器14a,14bから紫外線を照射させる走査をおこなう。複数のノズル列は、図9に示すようにY方向に沿って併設されており、Y方向における紙面左側から紙面右側に向けて、シアンインク用ノズル列C、マゼンタインク用ノズル列M、イエローインク用ノズル列Y、ブラックインク用ノズル列K、白色インク用ノズル列W、および透明インク用ノズル列CLがこの順に配列されている。複数のノズル列各々は、キャリッジ15に搭載されているため、キャリッジ15の移動に伴うY方向への移動時に紫外線硬化型インクを吐出することが可能となっている。
図7、図8および図9では全てのノズルがY方向に配列して設けられているため、一回のY方向への移動で一層の全てのインクを吐出しての層形成も可能である。図11では一回のY方向への移動でインクの吐出と同時に紫外線照射もおこなわれるため、紫外線硬化型インクの場合での一層の硬化も吐出と同じタイミングでおこなうことができる。
(6)立体物の製造装置及び製造方法の変形例
次に、立体物の製造装置及び製造方法の別の実施形態について、図10〜図13を用いて説明する。図10は、本発明の別の実施形態に係る立体物造形装置200に具備されるインクジェットヘッド装置100の構成を示した模式図である。図11〜図13は立体物造形装置200を用いて立体物を製造する方法を示す模式図である。
まず、インクジェットヘッド装置100の構成について説明する。図10に示すように、インクジェットヘッド装置100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、透明インク、ホワイトインク、モデル材、サポート材の各インクを吐出するためのノズルY、M、C、K、CL、W、MO、Sを備えている。上述のように本発明によればサポート材を用いずに立体物を製造できるが、オーバーハング部分の形状によってはサポート材を用いてもよいため、インクジェットヘッド装置100では、ノズルSを備えている。
また、インクジェットヘッド装置100は、ローラー(加圧機構)R、紫外線照射器101および102を備えている。ローラーRはノズルY、M、C、K、CL、W、MO、Sに対して、矢印Y方向(副走査方向)隣接して設けられている。また、ローラーRの回転軸がノズル列と平行になるように設けられており、ローラーRの回転軸方向の長さはノズル列の長さ以上と略同じとなっている。これにより、一回の走査で吐出されるインクの全てに対して加圧することができる。
本実施形態では、インクの層を形成した後にローラーRによって、インク層の厚さを平坦にすることができる。より具体的には、ローラーRは回転しながら、ノズルY、M、C、K、CL、W、MO、Sから吐出されたインク層の上を矢印Y’方向に移動することで、当該インク層を加圧する。これによりインク層の厚さを平坦にすることができる。
図11に示すように、立体物造形装置200は、インクジェットヘッド装置100、Yバー110、高さ方向ガイドバー201、造形台202を備えている。なお、図11において、説明の簡単のため、インクジェットヘッド装置100のノズルが設けられた面を破線で示しているが、図11は立体物造形装置200を矢印X方向から見た図であるので、実際には、インクジェットヘッド装置100は、実線で示し100の番号を付した部分のように、その側面が見える。
Yバー110は、インクジェットヘッド装置100のY方向(副走査方向)への移動する軌跡を規定するものである。つまり、インクジェットヘッド装置100はYバー110に取り付けられており、Yバー110の長さ方向に沿って移動する。
高さ方向ガイドバー201は造形台202の高さを変更するためのものである。造形台202は、高さ方向ガイドバー201に取り付けられており、高さ方向ガイドバー201の長さ方向に従って移動する。これにより、造形台202の高さを調節することができる。
インクジェットヘッド装置100から吐出されたインクが造形台202上に積層していくことで、造形台202上に立体物Pが製造される。例えば、インクジェットヘッド装置100からインクを吐出して一層設けると、造形台202は鉛直方向下向きに移動する。これにより、インクを吐出する位置から着弾面までの距離を調節しながら、立体物Pを製造することができる。ただし、本発明はこのような形態に限定されるものではなく、インクジェットヘッド装置100を鉛直方向に移動可能としてもよい。
次に、図12を用いてローラーRでインクの層を加圧して、各層を平坦にして、且つ、高さを所望の厚さにより均一にする方法について説明する。
ローラーRで加圧される前のインク層の厚さをT、加圧された後のインク層の厚さをtとする。図12では、既に3層形成され、ローラーRで加圧されたため、当該3層は厚さtとなっている。また、インクジェットヘッド装置100のY方向の移動速度をVyとし、ローラーの矢印A方向の周速(外周面の回転速度)をVrとする。
図12に示す通り、前回形成された層の上に着弾したインクの厚さは、当初、Tとなっている。この上を、ローラーRは、インクジェットヘッド装置100に設けられているため、速度VyでY方向に移動する。ここで、ローラーRの周速Vrを速度Vyとは逆向きであり、且つ、等しい速さとする。このようにすることで、インクの層の最上層に対して、ローラーRは、摺動(擦れ)することなく、Z軸方向に加圧しながら移動することとなる。その結果、最上層はZ軸方向に加圧されていき、厚さtとなる。
例えば、Tを平均15μmとする。インクジェットヘッド装置100等の構成にもよるが、例えば、ノズル毎の成形精度のばらつき等により、吐出するインク滴の容積に10%程度のばらつきがある場合がある。この場合、最上層の厚さは13.5μm〜16.5μmの範囲で凹凸が存在することになる。しかし、このような凹凸があっても、ローラーRで加圧していくことにより、厚さtを14μmに平坦化することができる。尚、tの値はTの値より大きいと造形物に空隙ができ、Tの値より小さいと、差の量がX,Y方向への拡がりとなる。空隙は累積すると積層の凹凸になるので、Tの値に等しいか僅かに小さい方が好ましい。
立体物Pを造形するためには、1層を形成する毎に造形台をZ軸の正方向に14μm走査してもよく、インクジェットヘッド装置100をZ軸の負方向に14μm走査してもよい。また、ローラーRによる加圧は、1層形成する毎に行なってもよいし、複数層形成する毎に行なってもよい。
また、本実施形態においても、本発明によってサポート材を用いずにオーバーハング部分Hを形成することが可能である。オーバーハング部分の傾斜は、ローラーRの加圧の程度によって制御可能である。ローラーRによって加圧されることで、インク層の端が外側に押し出されるため、次の層で最も外側に滴下するインク滴を載せる部分が増える。当該部分に次の走査でのインク滴が着弾することで、造形台202までインクが落下することを防ぐことができる。よって、当該インク滴の一部分を前回形成した層の外側に重畳させることが容易となり、サポート材を用いずに、オーバーハング部分を有する立体物を製造することがより容易となる。なお、Z軸方向への加圧により、積層途中の造形物はX、Y方向へ拡がるが、その量は僅かであり、また例えば造形内部に空洞部分を形成すれば拡がり分が吸収されて実質的に問題を無くすことができる。
また、ローラーRの具体的な形態については、特に限定されるものではないが、外周面はインクに対して親和性の無い材料とすることがより好ましい。例えば、金属のローラー表面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素コーティングを施したもの、フッ素系又はシリコン系のゴムを貼り付けたもの等が好ましい。
また、図12に示すように、インクジェットヘッド装置100はパッド103を備えている。パッド103はローラーRを洗浄して、ローラーRに付着したインクを取り除くためのものである。パッド103は例えば、フェルト等で形成すればよい。
次に図13を用いて、2層形成する毎にローラーRで加圧しながら、立体物Pを製造する方法について説明する。
まず図13の(a)に示すように、インクジェットヘッド装置100をY軸の正方向に移動させながらインクを吐出する。インクの吐出は造形データ及び着色データに基づいて行われる。造形台202の高さは、インクの吐出対象の面がローラーRの下端に接触しない位置に配置される。例えば、ノズル面下端からインクの吐出対象の面の上面までの距離を1.5mmとして、ローラーRの下端からインクの吐出対象の面までの距離を100μmとする。
ノズルからインクが吐出されながら、紫外線照射器101から紫外線を照射することで最上層のインクを硬化する。ただし、紫外線照射器101から紫外線を照射せずに、後述するローラーRで加圧した後に紫外線照射器102から紫外線を照射して、2層毎に硬化を行なってもよい。また、3層以上形成する毎に紫外線を照射してもよい。
最上層が形成された後に、造形台202の高さを上げる。これは、次に形成する層の上面に対してローラーRが加圧できるようにするためである。つまり、上述のようにローラーRの下端からインクの吐出対象の面までの距離を100μmとしたのは、ローラーRが最上層に当たらない距離を十分に確保したためであり、高さを上げることで次回形成される層の上面に対して加圧できるようにする。
例えば、加圧後の1層の厚さを14μmとしたい場合、造形台202を72μm上げることで、2層の高さTの合計30μmに対して、ローラーRの下端面から、当該2層が形成される前の最上層までの距離が28μmになる。これにより、当該2層を加圧することで、2層の合計の厚さを28μmにして、且つ、平坦化することができる。
図13の(b)に示すように、ローラーRの下端面から、当該2層が形成される前の最上層までの距離が28μmにした後、インクジェットヘッド装置100をY軸の負方向に移動させながら、インクを吐出して新たな層を形成する。ローラーRは、インクジェットヘッド装置100の移動速度Vyと同じ速度の周速で矢印A方向に回転しながら、当該新たな層を加圧していく。また、紫外線照射器102で紫外線を照射してインク層を硬化していく。
以上により、それぞれの高さ2層で28μmのインク層が形成される。これまでの操作を繰り返すことで、Y軸方向の走査一往復毎に1回の平坦化が行われながら、立体物Pが製造される。
なお、ノズルTとローラーRとの間に仮硬化用の紫外線照射器を設けて、仮硬化した後の層を加圧してもよい。
[付記事項]
以上のように、本発明の一形態に係る立体物造形装置40は、インクから形成される複数の層を堆積させて立体物を造形する立体物造形装置40であって、前回形成した層の上に、次の層を形成するときに、当該次の層の端を形成するインクを、当該前回形成した層の端に近い側の一部分を当該前回形成した層の端を形成するインクの上に重畳させることで、残りの部分の直下に空隙を設ける。
上記の構成によれば、サポート材を使用せずに、先述したオーバーハング部分を形成することができる。
具体的には、上記の構成によれば、インクを、前回形成されたインク層の端から内側の領域に対して、当該端に近い側の一部分を重畳させることで、該インクの残りの部分の直下に空隙を設けることができる。この直下に空隙が設けられた該残りの部分が、インク堆積層の端の上において該端から張り出したオーバーハング部分に相当する。
このような形成方法を採用したインクジェットヘッド装置100を具備することにより、サポート材を形成することなくオーバーハング部分を形成することが可能であるから、サポート材を形成する手間がかからず、また、サポート材に係るコストを抑えることができる。更に、本発明によれば、形成したサポート材を除去する工程が不要であるために、サポート材を用いる従前の技術よりも、立体物をスピーディーに造形することが可能である。また、本発明は、サポート材の廃棄物が生じず、環境に優しい立体造形を実現することができる。
また、本発明の一形態に係る立体物造形装置40では、上記の構成に加えて、上記インクは透明インクとすることができる。
上記の構成によれば、透明インクでオーバーハング部分を形成することから、立体物の色調に影響を与えずに、オーバーハング部分を形成することができる。
また、本発明に係る立体物造形装置の一形態では、上記の構成に加えて、上記インクは紫外線硬化型インクである。
上記の構成によれば、紫外線硬化型インクを用いることにより、短時間で硬化できる。そのため、積層させることが容易であり、立体物をより短時間で製造することができるというメリットがある。
本発明に係る立体物造形装置の一形態では、最も上にあるインクの層に接して、当該層を上方から加圧するローラーRを有する。
上記の構成によれば、加圧機構でインク層を押圧して、当該インク層の厚さを平坦にすることができる。また、インク層の平面方向に延ばすことができるので、オーバーハング部分を形成しやすい。
本発明に係る立体物造形装置の一形態では、ローラーRは、加圧する対象の層の上方に接して移動しつつ回転するローラーであって、接する位置において、移動方向とは逆方向に回転するものである。
上記の構成によれば、インクの層の最上層に対して、摺動(擦れ)することなく、下方向に加圧しながらローラーRを移動させることができる。これにより、あたかも最上層に対して、常に上方から加圧しながら、連続して移動方向に加圧していく状態にすることができる。
本発明に係る立体物造形装置の一形態では、ローラーRの表面がインクに対する親和性の無い材質からなる。
上記の構成によれば、インクがローラーの表面に付着することを防ぐことができる。
また本発明の一形態に係る立体物造形方法は、インクから形成される複数の層を堆積させて立体物を造形する立体物造形方法であって、前回形成した層の上に、次の層を形成するときに、当該次の層の端を形成するインクを、当該前回形成した層の端に近い側の一部分を当該前回形成した層の端を形成するインクの上に重畳させることで、残りの部分の直下に空隙を設ける吐出工程を含むことを特徴としている。
上記の構成によれば、サポート材を使用せずに、先述したオーバーハング部分を形成することができる。
具体的には、本発明の上記の構成によれば、インクを、前回形成されたインクの層の端から内側の領域に対して、当該端に近い側の一部分を重畳させることで、該インクの残りの部分の直下に空隙を設けることができる。この直下に空隙が設けられた該残りの部分が、インク堆積層の端の上において該端から張り出したオーバーハング部分に相当する。
このような形成方法を採用することにより、サポート材を形成することなくオーバーハング部分を形成することが可能であるから、サポート材を形成する手間がかからず、また、サポート材に係るコストを抑えることができる。更に、本発明によれば、形成したサポート材を除去する工程が不要であるために、サポート材を用いる従前の技術よりも、立体物をスピーディーに造形することが可能である。また、本発明は、サポート材の廃棄物が生じず、環境に優しい立体造形を実現することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、立体物を自動造形して販売する立体物自動販売機等の、立体物を造形するあらゆる立体物造形装置に広く適用することができる。
1 光反射層
2 第1の透明層
3 着色層
4 第2の透明層
4h オーバーハング部分
5、5´ 立体物
5a 層
10、10a〜d、100 インクジェットヘッド装置
11H 第1インクジェットヘッド
12H 第2インクジェットヘッド
13H 第3インクジェットヘッド
14a、14b 紫外線照射器
15 キャリッジ
20 紫外線照射装置
30 制御装置
31 第1制御部
32 第2制御部
40、200 立体物造形装置
51 白色層の一部分
52 第1の透明層の一部分
53 着色層の一部分
54 第2の透明層の一部分
B 形成面
R ローラー(加圧機構)

Claims (5)

  1. インクから形成される複数の層を堆積させて立体物を造形する立体物造形装置であって、
    インクジェットヘッド装置と、制御装置とを備え、
    上記制御装置は、前回形成した層の上に、次の層を形成するときに、当該次の層の端を形成するインクを、当該前回形成した層の端に近い側の一部分を当該前回形成した層の端を形成するインクの上に重畳させることで、残りの部分の直下に空隙を設けるように上記インクジェットヘッド装置を制御し、
    上記インクジェットヘッド装置は、最も上にあるインクの層に接して、当該層を上方から加圧する加圧機構を有し、
    上記インクは紫外線硬化型のインクであり、
    上記インクジェットヘッド装置は、吐出した上記インクに紫外線を照射する紫外線照射器をさらに備えていることを特徴とする立体物造形装置。
  2. 上記インクは透明インクであることを特徴とする請求項1に記載の立体物造形装置。
  3. 上記加圧機構は、加圧する対象の層の上方に接して移動しつつ回転するローラーであって、接する位置において、移動方向とは逆方向に回転するローラーを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の立体物造形装置。
  4. 上記ローラーの表面がインクに対する親和性の無い材質からなることを特徴とする請求項3に記載の立体物造形装置。
  5. 紫外線硬化型のインクから形成される複数の層を堆積させて立体物を造形する立体物造形方法であって、
    前回形成した層の上に、次の層を形成するときに、当該次の層の端を形成するインクを、当該前回形成した層の端に近い側の一部分を当該前回形成した層の端を形成するインクの上に重畳させることで、残りの部分の直下に空隙を設ける吐出工程と、
    最も上にあるインクの層に接して、当該層を上方から加圧する工程とを含み、
    上記吐出工程において吐出した上記インクに紫外線を照射する紫外線照射工程をさらに含むことを特徴とする立体物造形方法。
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