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JP6451361B2 - 3相回転電機の制御装置 - Google Patents

3相回転電機の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、インバータを操作することで前記3相回転電機の制御量を制御する3相回転電機の制御装置に関する。
たとえば特許文献1には、3相回転電機の回転速度が低い領域においては、端子電圧から誘起電圧を検出可能なオーバーラップ量で矩形波通電を行って且つ、回転速度が高い領域においては、オーバーラップ量を増加させるセンサレス処理装置が提案されている。ここで、オーバーラップ量を増加させたときには、端子電圧から誘起電圧を検出することができない。そこで、この装置では、回転速度が高い領域において、U相上側アームのスイッチング素子をオン操作するタイミングを遅延させることで、オーバーラップ量を減らして誘起電圧を検出する。
特開2010−252406号公報
ただし、上記の場合、回転速度が高い領域では誘起電圧に基づく位置検出の頻度が、「360°」に1回となり、回転速度が低い領域における位置検出の頻度である「60°」に1回と比較して低くなる。そして、位置検出の頻度が低くなると、回転変動に対する耐性が低下し、ひいては制御の安定性の低下を招くことが懸念される。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転変動に対する耐性の低下を抑制することとオーバーラップ量を確保することとの好適な両立を図ることのできる3相回転電機の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.インバータを操作することで3相回転電機の制御量を制御する3相回転電機の制御装置において、前記インバータは、直流電圧源の高電圧側および低電圧側の各電圧源端子と3相回転電機の各巻線端子との間を開閉する一対のスイッチング素子を複数備えるものであり、前記3相回転電機の3つの巻線端子のそれぞれに接続された前記高電圧側および前記低電圧側の一対のスイッチング素子のそれぞれのオン操作に先立ち、該オン操作の対象とする前記スイッチング素子に接続された巻線端子に現れる前記3相回転電機の誘起電圧の位相が所定の位相となるタイミングを検出することにより前記3相回転電機の回転角度情報を取得する処理を実行する前記3相回転電機の回転角センサレス処理部と、前記3つの巻線端子の全てで前記一対のスイッチング素子のいずれか一方がオン状態となる通電角度領域の長さであるオーバーラップ量をゼロ以上とする第1モードと、前記オーバーラップ量が前記第1モードにおける量よりも長い第2モードとを切り替える切替処理部と、を備え、前記切替処理部は、前記第2モードにおいて、前記3相回転電機の電気角加速度の絶対値が閾値以上となる場合、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする。
上記構成では、3相回転電機の3つの巻線端子のそれぞれに接続された高電圧側および低電圧側の一対のスイッチング素子のそれぞれのオン操作に先立ち、上記所定の位相となるタイミングを回転角度情報として利用するために検出する処理を実行する。このため、電気角の1周期において、所定の位相となるタイミングの検出機会が6回となるため、所定の位相の検出頻度を十分に確保することができる。
ただし、第2モードにおけるオーバーラップ量は、第1モードにおけるオーバーラップ量よりも長いため、回転角加速度の絶対値が大きくなる場合には、所定の位相を検出できないおそれが生じやすい。すなわちたとえば、直近の過去2つの所定の位相となるタイミング間における回転速度よりもその後の回転速度が上昇するなら、オン操作の対象とするスイッチング素子に接続された巻線端子の電圧から誘起電圧を検出可能となるよりも前に所定の位相が出現し、結果として所定の位相を検出できないおそれがある。そして、所定の位相を検出できない場合には、制御性が低下する。このため、第2モードにおいては第1モードにおけるよりも回転変動に対する耐性が低下するものと考えられる。この点、上記構成では、回転角加速度の絶対値が閾値以上となる場合、第2モードから第1モードに切り替えることで、回転変動に対する耐性の低下を抑制することとオーバーラップ量を確保することとの好適な両立を図ることができる。
2.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記第2モードにおいて、前記所定の位相となるタイミングの過去複数回の検出結果に基づき予測される前記対象となるスイッチング素子のオン操作タイミングを前記誘起電圧の検出期間であるモニタ期間の終点に設定する設定処理部と、前記モニタ期間において誘起電圧をモニタするモニタ処理部とを備え、前記切替処理部は、前記モニタ期間に前記所定の位相を検出できなかった場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替える。
上記のようにモニタ期間の終点を設定する場合、予測されるオン操作タイミングまでモニタ期間となることから、回転角加速度の絶対値が小さい場合には、所定の位相となるタイミングがモニタ期間に含まれると考えられる。したがって、モニタ期間に所定の位相を検出できない場合、回転角加速度の絶対値が閾値以上であると判断する。
3.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記検出される所定の位相間の時間差に基づき、前記3相回転電機の回転速度およびその相関値のいずれかである速度相当値を算出する速度算出処理部を備え、前記切替処理部は、前記速度算出処理部によって算出される速度相当値の変化速度が所定以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする。
上記構成の場合、所定の位相は、「60°」毎に生じるものであるため、所定の位相間の時間差に基づき速度相当値を算出することができる。そして、速度相当値の変化速度は、回転角加速度に対応するため、これに基づき回転角加速度の絶対値が閾値以上であるか否かを判断する。特に、速度相当値の変化速度を用いることで、第2モードとしたのでは巻線端子の電圧のモニタを通じて誘起電圧の所定の位相を検出できなくなるか否かを早期に判断することが可能となる。そしてこの場合には、所定の位相を検出できない蓋然性を低減することができる。
4.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記3相回転電機を流れる電流を検出する電流検出処理部を備え、前記切替処理部は、前記電流検出処理部によって検出される電流の検出値の変動量が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする。
3相回転電機を流れる電流は、3相回転電機のトルクと相関を有する。このため、電流の検出値の変動量が大きい場合には、トルクの変動量が大きくなると考えられ、ひいては回転角加速度が大きくなるおそれがある状況であると考えられる。上記構成では、この点に鑑み、電流の検出値の変動量が閾値以上となる場合、回転角加速度の絶対値が閾値以上であると判断する。
5.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記切替処理部は、前記インバータの入力電圧の検出値の変動量が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする。
上記入力電圧が高い場合には低い場合よりもインバータが3相回転電機の巻線端子に印加する電圧が高くなる。このため、入力電圧が高い場合には低い場合よりも3相回転電機の回転速度が上昇する。このため、入力電圧の検出値の変動量が大きい場合、3相回転電機の回転速度の変動量が大きくなる。この点に鑑み、上記構成では、入力電圧の検出値に基づき、電気角加速度の絶対値が閾値以上であるか否かを判断する。特に、入力電圧の変動は、回転角加速度を変化させる原因となるものであるため、入力電圧の検出値を用いることで、第2モードによっては所定の位相を検出できないおそれがある状況下、迅速に第1モードに切り替えることも可能となる。
6.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記3相回転電機を流れる電流を検出する電流検出処理部と、前記検出された電流を電流指令値に制御する電流フィードバック処理部とを備え、前記切替処理部は、前記電流検出処理部によって検出される電流の検出値と前記電流指令値との差の絶対値が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする。
電流の検出値と電流指令値との差の絶対値が閾値以上となる場合、電流フィードバック処理部によって、この差を縮めるように制御がなされることから、電流の変動量が大きくなると考えられる。そして、電流の変動量が大きくなると3相回転電機のトルクの変動量が大きくなることから、回転角加速度の絶対値が大きくなる可能性が高い。上記構成では、この点に鑑み、電流の検出値と電流指令値との差の絶対値が閾値以上となる場合、回転角加速度の絶対値が閾値以上となる場合であると判断する。
7.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記3相回転電機を流れる電流を検出する電流検出処理部を備え、前記切替処理部は、前記電流検出処理部によって検出される電流の絶対値が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする。
3相回転電機の回転軸に加わるトルクの想定される範囲から、3相回転電機を流れる電流の絶対値についても想定される範囲が存在すると考えられる。このため、3相回転電機を流れる電流の絶対値が過度に大きい場合には、3相回転電機の回転状態が定常的な回転状態から大きく離れて、回転角加速度が大きくなると考えられる。上記構成では、この点に鑑み、電流の絶対値が閾値以上となる場合、電気角加速度の絶対値が閾値以上となると判断する。
8.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記検出される所定の位相間の時間差に基づき、前記3相回転電機の回転速度およびその相関値のいずれかである速度相当値を算出する速度算出処理部と、前記算出された速度相当値を速度指令値にフィードバック制御する速度フィードバック処理部と、を備え、前記切替処理部は、前記速度相当値と前記速度指令値との差の絶対値が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする。
速度相当値と速度指令値との差の絶対値が閾値以上となる場合、速度フィードバック処理部によって、この差を縮めるように制御がなされることから、回転角加速度の絶対値が大きくなると考えられる。上記構成では、この点に鑑み、速度相当値と速度指令値との差の絶対値が閾値以上となる場合、回転角加速度の絶対値が閾値以上となる場合と判断する。
9.上記1記載の3相回転電機の制御装置において、前記検出される所定の位相間の時間差に基づき、前記3相回転電機の回転速度およびその相関値のいずれかである速度相当値を算出する速度算出処理部を備え、前記切替処理部は、前記速度相当値が規定速度以下である場合、前記第2モードから第1モードに切り替えることを特徴とする。
3相回転電機の回転速度が過度に低い場合、3相回転電機の回転状態が安定しない傾向にある。上記構成では、この点に鑑み、速度相当値が規定速度以下である場合、第1モードに切り替えることで、所定の位相を検出できる可能性を高め、ひいては回転状態が不安定となることを抑制する。
10.上記1〜9のいずれか1項に記載の3相回転電機の制御装置において、前記所定の位相の検出に基づくことなく、前記インバータを操作することで前記3相回転電機を起動する起動処理部を備え、前記切替処理部は、前記起動処理部の処理の完了後、所定期間にわたって、前記第1モードを選択することを特徴とする。
起動処理部による処理の完了後間もない期間は、回転速度が安定しない傾向がある。上記構成では、この点に鑑み、完了後、所定期間にわたって第1モードを選択することで、回転速度が安定しない状況において、所定の位相を検出できる可能性を高め、ひいては回転状態が不安定となることを抑制する。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる第1モードおよび第2モードを示すタイムチャート。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる電流フィードバック制御による操作量の推移を示すタイムチャート。 オーバーラップ量とトルクリップルとの関係を示すタイムチャート。 オーバーラップ量とトルクリップルとの関係を示す図。 上記実施形態にかかるモータの駆動処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかる回転速度の算出処理の手順を示す流れ図。 同実施形態にかかるモード切替処理の手順を示す流れ図。 第2の実施形態にかかるシステム構成図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる速度フィードバック制御による操作量の推移を示すタイムチャート。 同実施形態にかかるモード切替処理の手順を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、3相回転電機の制御装置の第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。図1に示すモータ10は、表面磁石同期電動機(SPMSM)である。また、モータ10は、3個のステータコイル同士がY結線されたものである。モータ10は、車両の駆動系に備えられるCVT(無段変速装置)14にオイルを吐出するオイルポンプ12に内蔵されている。モータ10には、インバータINVを介してバッテリ(直流電圧源)16が接続されている。インバータINVは、バッテリ16の高電圧側の電圧源端子および低電圧側の電圧源端子のそれぞれとモータ10の3個の巻線端子のそれぞれとの間を開閉する回路である。なお、巻線端子とは、ステータコイルの端子であって、モータ10の外部の部材とステータコイルとを接続する部分である。
なお、図1においては、インバータINVを構成するスイッチング素子(MOS電界効果トランジスタ)の符号のうちモータ10の3個の巻線端子のそれぞれに接続されるものに、「u,v,w」のそれぞれを付与し、また、上側アームに「p」を、下側アームに「n」を付与している。なお、以下では、「u,v,w」を総括して「¥」と表記し、「p,n」を総括して「#」と表記する。すなわち、インバータINVは、バッテリ16の高電圧側の電圧源端子とモータ10の巻線端子との間を開閉するスイッチング素子S¥pと、バッテリ16の低電圧側の電圧源端子とモータ10の巻線端子との間を開閉するスイッチング素子S¥nとの直列接続体を備えて構成されている。なお、これらスイッチング素子S¥#のそれぞれにはダイオードD¥#が逆並列接続されている。
バッテリ16の高電圧側の電圧源端子および低電圧側の電圧源端子に接続されるインバータINVの一対の入力端子の間には、電圧センサ18が設けられており、電圧センサ18によってインバータINVの入力電圧Vdcが検出される。また、インバータINVの低電圧側の入力端子とバッテリ16の低電圧側の電圧源端子との間(低電圧側の直流母線)には、シャント抵抗20が設けられている。そしてシャント抵抗20の両端の電圧降下は、電圧センサ22によって検出される。電圧センサ22は、電圧降下の検出によって、直流母線を流れる電流Iを検出する。
制御装置30は、位相検出回路32と、制御部34とを備えている。ここで、位相検出回路32は、モータ10の端子電圧V¥に誘起電圧が現れるときに、同誘起電圧の所定の位相を検出するものである。本実施形態では、所定の位相を、各巻線端子に現れる誘起電圧の符号が反転する位相とする。換言すれば、誘起電圧のゼロクロスが生じる位相とする。位相検出回路32の構成としては、周知技術を適用すればよい。具体的には、たとえば、中性点の電圧と各端子電圧V¥との大小の反転タイミングをゼロクロスタイミングとして検出するものや、インバータINVの入力電圧の「1/2」と各端子電圧V¥との大小の反転タイミングをゼロクロスタイミングとして検出するもの等を採用することができる。
制御部34は、中央処理装置(CPU)と記憶装置とを備え、記憶装置に格納されたプログラムをCPUによって実行することで、モータ10の制御量を制御すべく、インバータINVを操作する。すなわち、インバータINVのスイッチング素子S¥#に操作信号g¥#を出力することで、インバータINVを操作する。なお、操作信号g¥#を出力するに際しては、制御部34にドライブ回路を備え、CPUからの信号をドライブ回路を介してインバータINVに出力するようにしてもよい。
図2に、本実施形態にかかるインバータINVのスイッチング操作パターンを示す。図2において、スイッチング素子S¥#が記載されている角度領域は、スイッチング素子S¥#のオン操作が許可される領域(オン操作許可領域)を示す。ここで、上側アームのスイッチング素子S¥pについては、オン操作許可領域の間、スイッチング素子S¥#が常時オン状態とされる。これに対し、下側アームのスイッチング素子S¥nについては、オン操作許可期間の間、スイッチング素子S¥nがオン・オフ操作される。ここで、スイッチング素子S¥#のオン・オフ操作の一周期に対するオン操作時間の時比率(Duty)は、モータ10の制御量としての電流Iを、制御装置30に外部から入力される電流指令値I*にフィードバック制御するうえでの操作量である。
図3に、電流フィードバック制御する際の時比率を例示する。図3(a)と図3(b)とは、入力電圧Vdcが同一である場合において、電流指令値I*が大きい場合と小さい場合との時比率を対比して例示したものである。図示されるように、時比率を大きくすることで、電流Iを大きくすることができるため、電流指令値I*が大きい場合、時比率が大きくなる傾向がある。
図2に示されるように、制御部34は、モータ10の3個の巻線端子のそれぞれに接続されたステータコイルのうちの2個に電流を流す期間を設けてモータ10を駆動する。ここで、通電対象となる2個のステータコイルは、それらへの通電によって生成される磁束の合成ベクトルが、磁極に直交する方向を中心として進角側および遅角側に等しい幅を有する角度領域となるものとする。この角度領域を、本実施形態では、図2(a)に示す第1モードでは、「120°」の角度領域とし、図2(b)に示す第2モードでは、「130〜140°」の所定の角度領域とする。
第1モードおよび第2モードにおけるスイッチング素子S¥#のオン操作は、次のようにして実行される。図2に示すように、上側アームのスイッチング素子S¥pと下側アームのスイッチング素子S¥nとの双方がオフ状態となっている巻線端子には、誘起電圧e¥が現れる。このため、制御部34は、モータ10の各巻線端子について、双方がオフ状態となっている期間に基づき誘起電圧の検出期間であるモニタ期間を設定し、モニタ期間に位相検出回路32が検出した誘起電圧e¥のゼロクロスタイミングを回転角度情報として用いてスイッチング素子S¥#をオン操作する。なお、図2には、ゼロクロスタイミングを破線にて示している。
具体的には、まず、過去の一対のゼロクロスタイミング間の時間差に基づき、モータ10の回転速度が一定である場合の次回のゼロクロスタイミングの前後の所定の角度幅を予測し、この予測された期間をモニタ期間とする。ここで、所定の角度幅は、第1モードでは、「30°」である。次に、モニタ期間においてゼロクロスタイミングが検出されることで、そのゼロクロスタイミングと直前のゼロクロスタイミングとの時間差に基づき、今回のゼロクロスタイミングからモータ10が上記所定の角度幅だけ回転するまでの時間を算出し、その時間の経過時にスイッチング素子S¥#をオン操作する。ちなみに、こうした設定によれば、モニタ期間の終点は、上記過去一対のゼロクロスタイミング間の時間差に基づき予測されるスイッチング素子S¥#のオン操作タイミングとなる。このため、本実施形態では、第1モードにおいて、モニタ期間にゼロクロスタイミングを検出できない場合、モニタ期間の終了時にスイッチング素子S¥#をオン操作する。
図2(b)に示すように、第2モードでは、モータ10の3つの巻線端子の全てで上側アームのスイッチング素子S¥pおよび下側アームのスイッチング素子S¥nのうちのいずれか一方がオン状態となる通電角度領域の長さであるオーバーラップ量がゼロよりも大きく設定されている。第2モードは、モータ10のトルクリップルを低減し、オイルポンプ12の歯打ち音や振動を抑制することを狙って設けられたものである。図4に、オーバーラップ量とトルクリップルとの関係を示す。
図4に示す曲線faは、オーバーラップ量がゼロとなる第1モードのトルク波形を示し、曲線fb,fcは、それぞれオーバーラップ量が「5°」と「10°」であるときのトルク波形を示す。図5は、トルクリップルをリップル量として定量化し、オーバーラップ量がゼロの時に対するトルクリップルの低減比率を求めたものである。図5において、トルクリップルは、トルクの平均値に対する、同平均値および瞬時値の差分の絶対値に関する最大値の割合として定量化されている。
図4および図5に示すように、オーバーラップ量を増加させることでトルクリップルを低減することができる。そこで、第2モードでは、モニタ期間を確保しつつもトルクリップルを効果的に低減できるオーバーラップ量を設定している。
ただし、図2(a)と図2(b)との対比からもわかるように、オーバーラップ量の増加は、モニタ期間の短縮をもたらす。そしてモニタ期間が短縮される場合、回転変動に対する耐性が低下する。すなわち、上述したように、本実施形態では、モニタ期間を、過去のゼロクロスタイミングに基づき、予測されるゼロクロスタイミングの前後の期間に設定しているため、回転変動が生じると、実際のゼロクロスタイミングがモニタ期間から外れやすくなる。
そこで本実施形態では、モータ10の回転角加速度の絶対値が大きくなる場合、モニタ期間にゼロクロスタイミングを検出できないおそれがあるとして、第2モードから第1モードに切り替える。以下、これについて詳述する。
図6に、本実施形態にかかるモータ10の駆動処理の手順を示す。この処理は、制御部34においてたとえば所定周期で繰り返し実行される。
図6に示す一連の処理において、制御部34は、まずモータ10の作動指令が出されたか否かを判断する(S10)。そして制御部34は、作動指令が出されたと判断する場合(S10:YES)、モータ10の起動処理を実行する(S12)。ここで、モータ10の回転速度が低い場合には、誘起電圧e¥の絶対値が小さいことから、誘起電圧e¥に基づくセンサレス処理を行う代わりに、図2(a)に示したスイッチングパターンにてスイッチング素子S¥#を所定の周波数で操作する。続いて制御部34では、誘起電圧e¥のゼロクロスタイミングを検出できるか否かを判断する(S14)。この処理は、誘起電圧e¥に基づくセンサレス処理を実行できるか否かを判断するためのものである。なお、ここでは、モニタ期間に誘起電圧e¥の絶対値が所定以上となって且つ、符号の反転が検知される場合に、実行できると判断すればよい。
制御部34は、ゼロクロスタイミングの検出が可能となる場合(S14:YES)、ゼロクロスタイミングに基づき、第1モードでのセンサレス処理を実行する(S16)。ここで第1モードを選択するのは、起動処理の完了直後においては、回転速度の変動が大きいと考えられるためである。すなわち、ステップS16の処理に移行する以前においては、モータ10の回転角度を把握することなく図2(a)に示したスイッチングパターンでスイッチング操作をするために、モータ10によって生成されるトルクが十分ではなく、ステップS16の処理が定常的になされる場合と比較して回転速度が低い。このため、ステップS16の処理に移行することで、モータ10の回転速度が上昇すると考えられる。
その後、制御部34は、回転速度が安定したか否かを判断する(S18)。そして、制御部34は、回転速度が安定したと判断する場合(S18:YES)、ゼロクロスタイミングに基づく第2モードでのセンサレス処理を実行する(S20)。
なお、制御部34は、ステップS10において否定判断する場合や、ステップS20の処理が完了する場合には、図6に示した処理を一旦終了する。
上述したように、制御部34は、ゼロクロスタイミングに基づくセンサレス処理時に、一対のゼロクロスタイミング間の時間差を算出する処理を実行する。特に、本実施形態では、モータ10の回転速度(電気角速度)ωを算出する処理を行う。
図7に、回転速度ωの算出処理の手順を示す。この処理は、ゼロクロスタイミングに基づくセンサレス処理の実行中に、制御部34によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理において、制御部34は、まず、ゼロクロスタイミングを検出したか否かを判断する(S30)。そして制御部34は、ゼロクロスタイミングを検出した場合(S30:YES)、今回のゼロクロスタイミングと前回のゼロクロスタイミングとの時間差ΔTを算出する(S32)。そして制御部34は、時間差ΔTに基づき、回転速度ωを算出する(S34)。
なお制御部34は、ステップS34の処理が完了する場合や、ステップS30において否定判断する場合には、図7に示す一連の処理を一旦終了する。
図8に、本実施形態にかかる第1モードと第2モードとの切替処理の手順を示す。この処理は、制御部34によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。
図8に示す一連の処理において、制御部34は、まずゼロクロスタイミングに基づくセンサレス処理が実行されているか否かを判断する(S40)。そして、制御部34は、ステップS40において肯定判断する場合、以下の条件の論理和が真であるか否かを判断する(S42)。この処理は、第1モードに移行するか否かを判断するためのものである。
(ア)モニタ期間にゼロクロスタイミングを検出できない旨の条件。上述したように、モニタ期間は、過去のゼロクロスタイミング間の時間差に基づき、予測されるゼロクロスタイミングを挟む所定の角度幅に設定される。ここで、回転角加速度の絶対値が小さい場合には、ゼロクロスタイミングがモニタ期間に含まれると考えられる。したがって、モニタ期間にゼロクロスタイミングを検出できない場合、回転角加速度の絶対値が閾値以上であると判断する。
(イ)回転速度ωが規定速度ωth以下である旨の条件。この条件は、モータ10の回転速度が過度に低い場合、モータ10の回転状態が安定しない傾向にあることに鑑みて設けられたものである。この場合、第1モードに移行させることで、ゼロクロスタイミングを検出できる可能性を高め、ひいては回転状態が不安定となることを抑制する。
(ウ)回転速度ωの変化速度Δω(回転角加速度の検出値)が閾値Δωth以上となる旨の条件。
(エ)電流Iの変動量ΔIが閾値ΔIth1以上である旨の条件。モータ10を流れる電流Iは、モータ10のトルクと相関を有する。このため、電流Iの変動量ΔIが大きい場合には、トルクの変動量が大きくなると考えられ、ひいては回転角加速度が大きくなるおそれがある状況であると考えられる。なお、ここで、変動量ΔIとは、所定期間における電流Iの最小値と最大値との差の絶対値とする。
(オ)入力電圧Vdcの変動量ΔVdcが閾値ΔVth以上である旨の条件。上記入力電圧Vdcが高い場合には低い場合よりもインバータINVがモータ10の巻線端子に印加する電圧が大きくなる。このため、入力電圧Vdcが高い場合には低い場合よりもモータ10の回転速度が上昇する。したがって、入力電圧Vdcの変動量ΔVdcが大きい場合、回転速度の変動量が大きくなる。この点に鑑み、入力電圧Vdcが閾値ΔVth以上である場合、回転角加速度の絶対値が閾値以上となる場合であると判断する。
(カ)電流Iと電流指令値I*との差の絶対値が閾値ΔIth2以上である旨の条件。電流Iと電流指令値I*との差の絶対値が閾値ΔIth2以上となる場合、電流フィードバック制御によって、この差を縮めるように制御がなされることから、電流の変動量が大きくなると考えられる。そして、電流の変動量が大きくなるとモータ10のトルクの変動量が大きくなることから、回転角加速度の絶対値が大きくなる可能性が高い。この点に鑑み、電流Iと電流指令値I*との差の絶対値が閾値ΔIth2以上となる場合、回転角加速度の絶対値が閾値以上となると判断する。
(キ)電流Iが閾値Ith以上である旨の条件。モータ10の回転軸に加わるトルクの想定される範囲から、モータ10を流れる電流Iについても想定される範囲が存在すると考えられる。このため、モータ10を流れる電流Iが過度に大きい場合には、モータ10の回転状態が定常的な回転状態から大きく離れて、回転角加速度が大きくなると考えられる。この点に鑑み、電流Iが閾値Ith以上となる場合、電気角加速度の絶対値が閾値以上となると判断する。
制御部34は、上記論理和が真であると判断する場合(S42:YES)、第1モードによるセンサレス処理を実行する(S44)。ここでは、現時点で第2モードによるセンサレス処理を実行していた場合には、第1モードに移行する。これに対し、現時点で第1モードによるセンサレス処理を実行していた場合には、そのまま第1モードによるセンサレス処理を継続する。一方、制御部34は、上記論理和が偽であると判断する場合(S42:NO)、第2モードによるセンサレス処理を実行する(S46)。ここでは、現時点で第1モードによるセンサレス処理を実行していた場合には、第2モードに移行する。これに対し、現時点で第2モードによるセンサレス処理を実行していた場合には、そのまま第2モードによるセンサレス処理を継続する。
なお、制御部34は、ステップS40において否定判断する場合や、ステップS44,S46の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
次に、本実施形態の作用を説明する。
制御部34は、モータ10の作動指令に応じて図6に示した手順にてモータ10を起動し、第2モードによるセンサレス処理を実行する。その後、制御部34は、図8のステップS42の処理によって、論理和が真となるか否かを判断する。そして、制御部34は、論理和が真となる場合、第1モードによるセンサレス処理に移行する。これにより、モータ10の回転角加速度の絶対値が閾値以上となるなど、モニタ期間にゼロクロスタイミングを検出することが困難となる状況下、第2モードから第1モードに移行する。第1モードでは、第2モードと比較して、モニタ期間が長いため、第2モードを継続する場合と比較して、ゼロクロスタイミングを検出できる可能性が向上する。
以上説明した本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)第2モードにおいて回転角加速度の絶対値が閾値以上となる場合、第1モードに移行した。これにより、第2モードを継続する場合と比較してゼロクロスタイミングを検出できる可能性が向上することから、回転変動に対する耐性の低下を抑制することとオーバーラップ量を確保することとの好適な両立を図ることができる。
(2)モータ10の起動処理において、第1モードと同一のスイッチングパターンによってスイッチング素子S¥#を操作した。これにより、第2モードと同一のスイッチングパターンによってスイッチング素子S¥#を操作する場合と比較して、モニタ期間を伸長させることができ、ひいてはゼロクロスタイミングに基づくセンサレス処理に迅速に移行することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、制御部34は、電流Iを電流指令値I*にフィードバック制御する代わりに、回転速度ωをその指令値(速度指令値ω*)にフィードバック制御する。
図9に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。なお、図9において、図1に示した部材に対応するものについては、便宜上同一の符号を付している。
図9に示すように、本実施形態では、外部から制御装置30に速度指令値ω*が入力される。そして、制御部34では、モータ10の制御量としての回転速度ωを速度指令値ω*にフィードバック制御するために、下側アームのスイッチング素子S¥nの時比率を操作する。これにより、入力電圧Vdcが同一の大きさである場合、図10(a)に示すように速度指令値ω*が大きい場合の方が図10(b)に示すように速度指令値ω*が小さい場合よりもトルクが必要であることから、時比率が大きい値に設定される傾向がある。
図11に、本実施形態にかかる第1モードと第2モードとの切替処理の手順を示す。この処理は、制御部34によって、たとえば所定周期で繰り返し実行される。なお、図11において、図8に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
図11に示すように、制御部34は、ステップS42に代えて、ステップS42aにおいて、上記(ア)〜(オ)、(キ)の条件と、下記の(ク)の条件との論理和が真であるか否かを判断する。
(ク)回転速度ωと速度指令値ω*との差の絶対値が閾値Δωth2以上である旨の条件。回転速度ωと速度指令値ω*との差の絶対値が閾値以上となる場合、この差を縮めるようにフィードバック制御がなされることから、回転角加速度の絶対値が大きくなると考えられる。この点に鑑み、回転速度ωと速度指令値ω*との差の絶対値が閾値以上となる場合、回転角加速度の絶対値が閾値以上となる場合と判断する。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。なお、下記において、「課題を解決するための手段」に記載した各事項と上記実施形態との代表的な対応関係を符号や図番によって記載するが、この記載に、対応関係を例示した符号や図番に対応するものに上記各事項を限定する意図はない。ちなみに、「課題を解決するための手段」に記載した電流フィードバック処理部は、図1の制御装置30によって実現される(図3を併せ参照)。また、速度フィードバック処理部は、図9の制御装置30によって実現される(図10を併せ参照)。
・「第1モードについて」
上側アームまたは下側アームのスイッチング素子S¥#のオン操作許可領域を「120°」とするものに限らない。たとえば、「118°」等、モータ10の3つの巻線端子のうちの1つの巻線端子に接続される1つのスイッチング素子のみがオン操作許可領域となる期間を含むものであってもよい。またオーバーラップ量がゼロとなるものに限らない。要は、第2モードよりもオーバーラップ量が小さいものであればよい。
・「第2モードについて」
上側アームまたは下側アームのスイッチング素子S¥#のオン操作許可領域を「130〜140°」とするものに限らない。たとえば、「140°」よりも大きくしてもよい。さらに、第1モードのオーバーラップ量よりも第2モードのオーバーラップ量の方が長くなるなら、「130°」未満であってもよい。
・「第1モードと第2モードとの切替」
たとえば図8のステップS42において肯定判断される場合に第2モードから第1モードに移行して且つ、否定判断される状態が所定時間継続することで第1モードに移行してもよい。また、たとえば、ステップS42において、第1モードから第2モードへの移行条件に関する上記(イ)〜(キ)の判定に用いる値を、第1モードへの移行時とは相違させることでヒステリシスを設けてもよい。具体的には、たとえば上記(イ)の規定速度ωthを、第1モードへの移行時の値よりも大きい値とするなどしてもよい。
・「回転角センサレス処理部について」
オン操作の対象とするスイッチング素子S¥#に接続された巻線端子の電圧V¥をモニタすることでゼロクロスタイミングを検出し、これに基づき、オン操作の対象とするスイッチング素子S¥#をオン操作するものに限らない。たとえば、スイッチング素子Sunのオン操作に先立って検出される誘起電圧euのゼロクロスタイミングに基づき、スイッチング素子Sunの次にオン操作の対象となるスイッチング素子Swpをオン操作してもよい。
ステータコイルに流れる電流が生成する磁界の方向が磁極の方向に直交するタイミングの前後に互いに等しい所定の角度幅を有する角度領域を、オン操作許可領域とするものに限らない。たとえば高回転領域においては、この角度領域に対して所定量だけ進角させる処理をしてもよい。ただし、この場合、ゼロクロスを検出する可能性を高めるうえでは第1モードとすることが望ましい。
フィードバック制御量を電流Iおよび回転速度ωのいずれかとするものに限らない。たとえばそれら双方としてもよい。
制御量である電流Iや回転速度ωを制御するための操作量としては、下側アームのスイッチング素子S¥nの時比率に限らない。たとえば、上側アームのスイッチング素子S¥pの時比率であってもよい。もっとも、時比率を可変とするものに限らない。
・「切替処理部(S42,S42a)について」
図8のステップS42における処理において、たとえば、上記(ア)〜(キ)の全ての条件の論理和が真であるか否かを判断するものに限らず、少なくとも1つの条件が成立するか否かを判断するものであってもよい。すなわちたとえば、上記(ア)および(ウ)の条件の論理和が真であるか否かを判断する処理としてもよく、またたとえば上記(ウ)の条件が成立するか否かを判断する処理としてもよい。
図11のステップS42aにおける処理において、たとえば、上記(ア)〜(オ)、(キ)、(ク)の全ての条件の論理和が真であるか否かを判断するものに限らず、少なくとも1つの条件が成立するか否かを判断するものであってもよい。すなわちたとえば、上記(ア)および(ウ)の条件の論理和が真であるか否かを判断する処理としてもよく、またたとえば上記(ウ)の条件が成立するか否かを判断する処理としてもよい。
またたとえば、回転角センサレス処理部が電流Iおよび回転速度ωの双方をフィードバック制御量とするものであるなら、上記(カ)および(ク)の条件の論理和が真であるか否かを判断してもよい。
・「速度算出処理部(図7)について」
図7においては、速度相当値として回転速度ωを算出したが、これに限らない。たとえば、時間差ΔT自体を速度相当値として、これを算出するものであってもよい。
・「電流検出処理部について」
上記実施形態では、シャント抵抗20の電圧降下を検出する電圧センサ22の検出値をサンプリングする処理を、制御部34による電流検出処理(電流検出処理部による処理)としたが、これに限らない。たとえば、シャント抵抗20の両端の電位のそれぞれをサンプリングする処理と、それらサンプリングされた一対の電位の値に基づき、電流Iを算出する処理とを実行するものを電流検出処理としてもよい。
また、シャント抵抗としては、低電圧側の直流母線に設けられるものに限らず、たとえば高電圧側の直流母線に設けられるものであってもよい。またたとえば、各レッグにシャント抵抗を備えるものであってもよい。これは、たとえばバッテリ16の低電圧側の電圧源端子とスイッチング素子Sun,Svn,Swnのそれぞれとの間に設けられるものであってもよく、またたとえば、バッテリ16の高電圧側に設けられるものであってもよい。
・「起動処理部(S12)について」
上記実施形態では、ゼロクロスを検出することができるようになることで「起動処理部による処理の完了」としたが、これに限らない。たとえば予め定められた長さを有する時間の経過時としてもよい。
スイッチングパターンの1周期におけるオン操作許可領域の割合を第1モードと同一とするものに限らない。たとえば、それよりも割合を低下させてもよい。これにより、ゼロクロスをより早期に検出することができる。
また、スイッチングパターンの1周期の時間間隔を固定するものに限らず、たとえば徐々に短くするものであってもよい。
・「所定期間について」
上記実施形態では、起動処理部による処理の完了後、第2モードに移行する所定期間を、回転速度ωが安定するまでの期間としたが、これに限らない。たとえば、予め定められた長さを有する時間としてもよい。
・「3相回転電機について」
モータ10内蔵のオイルポンプ12のオイルの吐出先である変速機としては、CVT14に限らず、たとえば有段変速機であってもよい。また、オイルポンプ12のオイルの吐出先としては、変速機に限らず、たとえば内燃機関であってもよい。
3相回転電機としては、SPMSMに限らず、たとえば埋込磁石同期電動機(IPMSM)であってもよい。また、3相回転電機としては、3相電動機に限らず、たとえば3相発電機であってもよい。さらに、3個のステータコイル同士がY結線されたものに限らず、たとえばΔ結線されたものであってもよい。
・「処理を実行するコンピュータについて」
上記実施形態では、制御部34がCPUと、CPUによって実行されるプログラムの記憶装置とを備え、図6〜図8、図11の処理をCPUによるプログラムの実行によって実現したが、これに限らない。たとえば図6〜図8、図11の処理の少なくとも一部をASIC(特定用途向け集積回路)等のハードウェア処理としてもよい。換言すれば、図6〜図8、図11の処理の少なくとも一部を実行するコンピュータを、ソフトウェア処理を実行するハードウェアとするのではなく、専用のハードウェアとしてもよい。
・「そのほか」
インバータINVを介してモータ10の各巻線端子に接続される直流電圧源としては、バッテリ16に限らず、たとえばコンデンサ等であってもよい。
10…モータ、12…オイルポンプ、14…CVT、16…バッテリ、18…電圧センサ、20…シャント抵抗、22…電圧センサ、30…制御装置、32…位相検出回路、34…制御部。

Claims (10)

  1. インバータを操作することで3相回転電機の制御量を制御する3相回転電機の制御装置において、
    前記インバータは、直流電圧源の高電圧側および低電圧側の各電圧源端子と3相回転電機の各巻線端子との間を開閉する一対のスイッチング素子を複数備えるものであり、
    前記3相回転電機の3つの巻線端子のそれぞれに接続された前記高電圧側および前記低電圧側の一対のスイッチング素子のそれぞれのオン操作に先立ち、該オン操作の対象とする前記スイッチング素子に接続された巻線端子に現れる前記3相回転電機の誘起電圧の位相が所定の位相となるタイミングを検出することにより前記3相回転電機の回転角度情報を取得する処理を実行する前記3相回転電機の回転角センサレス処理部と、
    前記3つの巻線端子の全てで前記一対のスイッチング素子のいずれか一方がオン状態となる通電角度領域の長さであるオーバーラップ量をゼロ以上とする第1モードと、前記オーバーラップ量が前記第1モードにおける量よりも長い第2モードとを切り替える切替処理部と、を備え、
    前記切替処理部は、前記第2モードにおいて、前記3相回転電機の電気角加速度の絶対値が閾値以上となる場合、前記第2モードから前記第1モードに切り替えることを特徴とする3相回転電機の制御装置。
  2. 前記第2モードにおいて、前記所定の位相となるタイミングの過去複数回の検出結果に基づき予測される前記対象となるスイッチング素子のオン操作タイミングを前記誘起電圧の検出期間であるモニタ期間の終点に設定する設定処理部と、前記モニタ期間において誘起電圧をモニタするモニタ処理部とを備え、
    前記切替処理部は、前記モニタ期間に前記所定の位相を検出できなかった場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替える請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  3. 前記検出される所定の位相間の時間差に基づき、前記3相回転電機の回転速度およびその相関値のいずれかである速度相当値を算出する速度算出処理部を備え、
    前記切替処理部は、前記速度算出処理部によって算出される速度相当値の変化速度が所定以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替える請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  4. 前記3相回転電機を流れる電流を検出する電流検出処理部を備え、
    前記切替処理部は、前記電流検出処理部によって検出される電流の検出値の変動量が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替える請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  5. 前記切替処理部は、前記インバータの入力電圧の検出値の変動量が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替える請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  6. 前記3相回転電機を流れる電流を検出する電流検出処理部と、
    前記検出された電流を電流指令値に制御する電流フィードバック処理部とを備え、
    前記切替処理部は、前記電流検出処理部によって検出される電流の検出値と前記電流指令値との差の絶対値が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替える請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  7. 前記3相回転電機を流れる電流を検出する電流検出処理部を備え、
    前記切替処理部は、前記電流検出処理部によって検出される電流の絶対値が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替える請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  8. 前記検出される所定の位相間の時間差に基づき、前記3相回転電機の回転速度およびその相関値のいずれかである速度相当値を算出する速度算出処理部と、
    前記算出された速度相当値を速度指令値にフィードバック制御する速度フィードバック処理部と、を備え、
    前記切替処理部は、前記速度相当値と前記速度指令値との差の絶対値が閾値以上となる場合、前記電気角加速度の絶対値が閾値以上となるとして、前記第2モードから前記第1モードに切り替える請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  9. 前記検出される所定の位相間の時間差に基づき、前記3相回転電機の回転速度およびその相関値のいずれかである速度相当値を算出する速度算出処理部を備え、
    前記切替処理部は、前記速度相当値が規定速度以下である場合、前記第2モードから第1モードに切り替える請求項1記載の3相回転電機の制御装置。
  10. 前記所定の位相の検出に基づくことなく、前記インバータを操作することで前記3相回転電機を起動する起動処理部を備え、
    前記切替処理部は、前記起動処理部の処理の完了後、所定期間にわたって、前記第1モードを選択する請求項1〜9のいずれか1項に記載の3相回転電機の制御装置。
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