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JP6449090B2 - 磁気エンコーダの着磁装置 - Google Patents

磁気エンコーダの着磁装置 Download PDF

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JP6449090B2 JP2015083257A JP2015083257A JP6449090B2 JP 6449090 B2 JP6449090 B2 JP 6449090B2 JP 2015083257 A JP2015083257 A JP 2015083257A JP 2015083257 A JP2015083257 A JP 2015083257A JP 6449090 B2 JP6449090 B2 JP 6449090B2
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Description

この発明は、各種機器の回転検出、回転角度検出に使用する磁気エンコーダの着磁装置に関し、特に、各種モータの回転制御に用いられる回転検出装置に適用される技術に関する。
特許文献1に、多磁極着磁した磁気エンコーダを製造する技術が開示されている。また、特許文献2に、前記特許文献1の技術を発展させ、近接した複数の磁気エンコーダトラックを精度良く着磁する技術が開示されている。特許文献2の技術は、具体的には、着磁対象以外の列の磁気エンコーダトラックへの磁束の流れを遮蔽する磁気シールドを設けることで、着磁時における隣の磁気エンコーダトラックへの影響を排除し、着磁精度の向上を図っている。
特許第4024472号 特開2014−038939号公報
特許文献2に記載の着磁装置の例では、図17のように磁気シールド11が着磁ヨーク6に繋がっており、左側の着磁ヘッド6aから磁気シールド11へ流れる磁束を、磁路形成部材10を経由して右側の着磁ヘッド6aの側に逃がす構成となっている。この構成は、以下の問題を有していた。
すなわち、左側の着磁ヘッド6aと磁気シールド11間の磁気抵抗が小さいと磁束が流れ易くなり、その分、磁気エンコーダトラック3,4に流れる磁束が減り、着磁強度が低下する。逆に、着磁ヘッド6aと磁気シールド11間の磁気抵抗が大きいと、磁気シールド11付近で磁気飽和を起こし易く、シールド効果が低下し、精度の良い着磁が行えなくなる。着磁強度と着磁精度の兼ね合いを図りながら、適正な磁気シールド11を定めるのが難しい。
この発明の目的は、隣り合って並ぶ複列の磁気エンコーダトラックへの着磁を、着磁強度を低下させることなく、隣の磁気エンコーダトラックに影響させずに精度良く行うことができる磁気エンコーダの着磁装置を提供することである。
この発明における第1の発明の磁気エンコーダの着磁装置は、複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラックを一体に有する環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、それぞれの磁気エンコーダトラックに互いに異なる磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有しこれら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、この励磁コイルに着磁電流を供給して前記一対の着磁ヘッド間に磁束を通す着磁電源とを備える。この着磁装置において、前記着磁ヘッドに対して前記複列の磁気エンコーダトラックの並び方向の隙間を開けて配置され、前記着磁ヘッド間の磁束の流れのうちの定められた範囲外の磁束の流れを遮蔽する磁気シールド前記着磁ヨークに設けられ、前記磁気シールドは、前記着磁ヘッドに近づくに従い厚みが連続的に薄くなる形状であることを特徴とする。前記「着磁ヘッド間の磁束の流れのうちの定められた範囲」とは、着磁対象となる磁気エンコーダトラックに着磁を行う磁束の流れの範囲を言う。
この構成によると、磁気シールドが設けられているため、前記着磁ヘッド間の磁束の流れのうちの定められた範囲外の磁束の流れが遮蔽される。これにより、着磁する磁気エンコーダトラックに隣り合う磁気エンコーダトラックに対して、着磁ヘッドからの漏れ磁束の影響を与えないようにできる。また、着磁ヘッドと磁気エンコーダトラックの相対位置をずらして、複数の磁気エンコーダトラックを着磁するのが容易になる。
着磁ヘッドと磁気シールド間の磁気抵抗は、着磁ヘッドと磁気シールドとの間の隙間、および磁気シールドの形状に関係しており、一般に、隙間が狭いほど磁気抵抗が小さく、且つ着磁ヘッドに対する磁気シールドの対向面積が広いほど磁気抵抗が小さい。また、着磁ヘッドと磁気シールドとの間の隙間が狭いほど、磁束を安定して流すことができる。
この構成のように、磁気シールドを、着磁ヘッドに近づくに従い厚みが薄くなる形状とすることで、着磁ヘッドと磁気シールドとの間の隙間を狭くしても、磁気抵抗が小さくなり過ぎることがなく、適度の磁気抵抗に保つことができるうえ、磁束流れの安定化を図ることができる。つまり、磁気シールド付近での磁気飽和を抑えながら、着磁する磁気エンコーダトラックに磁束を効果的に流すことができる。このため、隣り合って並ぶ複列の磁気エンコーダトラックへの着磁を、着磁強度を低下させることなく、隣の磁気エンコーダトラックに影響させずに精度良く行うことができる。
記磁気シールドは、前記着磁ヘッドに近づくに従い厚みが連続的に薄くなる形状である。または、参考提案例として、前記着磁ヘッドに近づくに従い厚みが段階的に薄くなる形状であっても良い。いずれであっても、前記作用・効果を得ることができる。
第1の発明において、前記磁気シールドを、前記着磁ヘッドを挟んで前記磁気エンコーダトラックの並び方向の両側に設けても良い。
この場合、着磁する磁気エンコーダトラックの両側に対して、磁束ヘッドからの漏れ磁束の影響を与えないようにできる
この発明における第2の発明の磁気エンコーダの着磁装置は、複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラックを一体に有する環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、それぞれの磁気エンコーダトラックに互いに異なる磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、
磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有しこれら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、この励磁コイルに着磁電流を供給して前記一対の着磁ヘッド間に磁束を通す着磁電源とを備え、
前記着磁ヘッドに対して前記複列の磁気エンコーダトラックの並び方向の隙間を開けて配置され、前記着磁ヘッド間の磁束の流れのうちの定められた範囲外の磁束の流れを遮蔽する磁気シールドが前記着磁ヨークに設けられ、
前記磁気シールドは、前記着磁ヘッドに近づくに従い厚みが薄くなる形状であり、
前記磁気シールドが、前記着磁ヘッドを挟んで前記磁気エンコーダトラックの並び方向の両側に設けられたことを特徴とする。
この発明において、前記磁気シールドと前記着磁ヘッドとの前記磁気エンコーダトラックの並び方向の隙間は0.5mm以上2mm以下であるのが良い。
隙間が0.5mm以下であると、隙間の磁気抵抗が下がり、着磁ヘッドから磁気シールドへ磁束が流れ易くなるため、磁気エンコーダトラックを流れる磁束が減り、着磁強度の低下を招き易い。また、隙間が2mm以上であると、磁気シールドの効果が低下するため、精度良く着磁することが難しい。隙間を上記範囲内とすることで、隙間の磁気抵抗が適度に保たれる。
この発明における第1の発明の磁気エンコーダの着磁装置は、複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラックを一体に有する環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、それぞれの磁気エンコーダトラックに互いに異なる磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有しこれら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、この励磁コイルに着磁電流を供給して前記一対の着磁ヘッド間に磁束を通す着磁電源とを備え、前記着磁ヘッドに対して前記複列の磁気エンコーダトラックの並び方向の隙間を開けて配置され、前記着磁ヘッド間の磁束の流れのうちの定められた範囲外の磁束の流れを遮蔽する磁気シールド前記着磁ヨークに設けられ、前記磁気シールドは、前記着磁ヘッドに近づくに従い厚みが連続的に薄くなる形状であるため、隣り合って並ぶ複列の磁気エンコーダトラックへの着磁を、着磁強度を低下させることなく、隣の磁気エンコーダトラックに影響させずに精度良く行うことができる
この発明における第2の発明の磁気エンコーダの着磁装置は、複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラックを一体に有する環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、それぞれの磁気エンコーダトラックに互いに異なる磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有しこれら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、この励磁コイルに着磁電流を供給して前記一対の着磁ヘッド間に磁束を通す着磁電源とを備え、前記着磁ヘッドに対して前記複列の磁気エンコーダトラックの並び方向の隙間を開けて配置され、前記着磁ヘッド間の磁束の流れのうちの定められた範囲外の磁束の流れを遮蔽する磁気シールドが前記着磁ヨークに設けられ、前記磁気シールドは、前記着磁ヘッドに近づくに従い厚みが薄くなる形状であり、前記磁気シールドが、前記着磁ヘッドを挟んで前記磁気エンコーダトラックの並び方向の両側に設けられたため、隣り合って並ぶ複列の磁気エンコーダトラックへの着磁を、着磁強度を低下させることなく、隣の磁気エンコーダトラックに影響させずに精度良く行うことができる。
(A)は、この発明の一実施形態に係るラジアルタイプの磁気エンコーダの断面図および要部の展開図、(B)はアキシアルタイプの磁気エンコーダの斜視図である。 (A)は、同磁気エンコーダの各トラック幅と磁極長さとの関係を説明する図、(B)は各トラック幅と磁極長さとの関係を説明する参考図である。 (A)は、この発明の一実施形態に係る着磁装置をラジアルタイプの磁気エンコーダに適用した概略構成を示す図、(B)は同着磁装置をアキシアルタイプの磁気エンコーダに適用した例を示す図である。 同着磁装置の部材および磁路形成部材の分解斜視図である。 同着磁装置の要部の平面図である。 同着磁装置の要部の斜視図である。 (A)は同着磁装置の磁気シールド形成部材の正面図、(B)はその底面図である。 同着磁装置の要部の破断側面図である。 参考提案例に係る磁気エンコーダの着磁装置の要部の破断側面図である。 各磁気エンコーダトラックに着磁する磁極の各パターン例を示す図である。 (A)は、同ラジアルタイプの磁気エンコーダの形状を部分的に変更した形態を表す断面図、(B)は、同アキシアルタイプの磁気エンコーダの形状を部分的に変更した形態を表す断面図である。 (A)は、同ラジアルタイプの磁気エンコーダの形状を部分的に変更した形態を表す断面図、(B)は、同アキシアルタイプの磁気エンコーダの形状を部分的に変更した形態を表す断面図である。 この発明の他の実施形態に係る磁気エンコーダの着磁装置の概略構成を示す図である。 同着磁装置の磁気シールド形成部材および磁路形成部材の分解斜視図である。 この発明の他の実施形態に係る磁気エンコーダの着磁装置の概略構成を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る磁気エンコーダの着磁装置の概略構成を示す図である。 従来の着磁装置の概略構成を示す図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図8と共に説明する。
この発明の実施形態に係る着磁装置は、例えば、各種機器の回転検出、回転角度検出に使用する磁気エンコーダの着磁装置に適用される。以下の説明は、磁気エンコーダおよびこの磁気エンコーダの着磁方法についての説明をも含む。
図3に示すように、この着磁装置1は、環状磁性体2をこの回転軸心L1回りに回転させつつ、1磁極ずつ着磁して例えば図1に示す磁気エンコーダMEを得るものである。前記環状磁性体2は、複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラック3,4を一体に有する。環状磁性体2は、複列の磁気エンコーダトラック3,4を円盤状(図1(B))または円筒状の芯金5の表面上に隣り合わせて同心状(図1(A))に並べて設けられたものである。例えば、図1(B)に示すように、アキシアルタイプの環状磁性体2を着磁して得られる磁気エンコーダMEは、軸受回転輪等の外周面Daに前記芯金5の円筒部を圧入嵌合して取付けられる。磁気エンコーダトラック3,4は、例えば、磁性粉を含むゴム、プラスチック、焼結体等であり、着磁によってそれぞれゴム磁石、プラスチック磁石、焼結磁石等となる。なお、環状磁性体2はアキシアルタイプに限定されるものではなく、例えば図1(A)に示すようなラジアルタイプであっても良い。
磁気エンコーダの特徴について説明する。
図1(A)に示すように、ラジアルタイプの磁気エンコーダMEは、各磁気エンコーダトラック3,4の各トラック幅Wを1mm以上5mm以下とし、各磁極の長さLを0.3mm以上5mm以下としている。前記各トラック幅Wは、この磁気エンコーダMEの回転方向に直交するトラック並び方向の各トラック幅である。図1(A)における、前記「回転方向に直交するトラック並び方向」は、磁気エンコーダMEの回転軸心の軸方向に平行な方向を意味する。前記各磁極の長さLは、この磁気エンコーダMEの回転方向に沿った磁気パターンにおける各磁極の長さである。なお、磁気エンコーダのトラックを3列以上とした構成や互いのトラックの間に無着磁領域を設けるような構成であってもよく、各トラックの幅Wも等しくなっている必要はない。
これら各トラック幅Wと各磁極の長さLとは、図2(A)に示すように、W>Lの関係を満たすものとしてもよい。また後述するが、それぞれの磁気エンコーダトラック3,4には、互いに異なる磁気パターンが形成されている。なお、アキシアルタイプの磁気エンコーダMEについても、ラジアルタイプと同様に、各トラック幅Wを1mm以上5mm以下とし、各磁極の長さLを0.3mm以上5mm以下とし、さらにW>Lの関係を満たすものとしてもよい。なお、図1(B)における、前記「回転方向に直交するトラック並び方向」は、磁気エンコーダMEの回転軸心の軸方向に直交する方向を意味する。
図1に示すように、前記磁気エンコーダトラック3,4は、フェライト焼結で成形した磁石(いわゆるフェライト焼結磁石)、ゴムまたは樹脂にフェライト磁性粉末を混ぜ込んで成形した磁石のいずれかにより構成される。希土類磁石でも可能だが、コスト面でフェライトの方が望ましい。この磁気エンコーダトラック3,4の厚さt1を0.5mmより大きく4mm未満としている。さらに、この磁気エンコーダMEは、その検出面が、各磁気エンコーダトラック3,4の磁気信号を読み取るセンサSa,Sb(図1(A))に対し、0.3mmより大きく4mm未満のエアギャップGpを隔てて配置されて使用される。
図3に示すように、着磁装置1は、着磁ヨーク6と、励磁コイル7と、着磁電源8と、磁気シールド形成部材9とを有する。さらに着磁装置1は、環状磁性体2を磁気エンコーダMEの回転軸心回りにインデックス回転させるスピンドル装置SMと、一対の対向端部6a,6aに対し相対的に磁気エンコーダトラックの着磁位置を切り換える切換手段KSとを有する。スピンドル装置SMの装置本体は、切換手段KSに連結されている。切換手段KSは例えば流体圧シリンダ等が適用される。この例では、スピンドル装置SMを移動させて磁気エンコーダトラックの着磁位置を切り換えるが、着磁ヨーク6を移動させて磁気エンコーダトラックの着磁位置を切り換えても良い。
図5に示すように、着磁ヨーク6は一対の着磁ヘッド6a,6aを有し、これら着磁ヘッド6a,6aは磁気ギャップを介して対向する。各着磁ヘッド6aは、平面視において先端に向かう程狭まる先狭まり形状に形成されている。図3に示すように、励磁コイル7は、着磁ヨーク6に巻回される。着磁電源8は、励磁コイル7に着磁電流を供給して前記着磁ヘッド6a,6a間に磁束を通す。環状磁性体2における所望の1列の磁気エンコーダトラック3(4)を前記磁気ギャップに配置する。つまり、所望の1列の磁気エンコーダトラック(図3の例では磁気エンコーダトラック3)が着磁ヘッド6a,6aで隙間を介して挟まれるように配置することで、未着磁の磁気エンコーダトラック(図3の例では磁気エンコーダトラック3)に磁束を通して着磁する。この場合、例えばスピンドル装置SMに環状磁性体2を支持し、同スピンドル装置SMをインデックス回転させることで、前記磁気エンコーダトラック3の周方向にN磁極とS磁極とを交互に着磁する。次に、切換手段KSにより他列の磁気エンコーダトラック4を一対の着磁ヘッド6a,6a間に位置させる。その後、前記と同様に他列の磁気エンコーダトラック4をスピンドル装置SMによりインデックス回転させて周方向に着磁し得る。
図3、図4に示すように、前記磁気シールド形成部材9は、着磁ヨーク6に設けられた磁路形成部材10に着脱可能に取り付けられている。磁路形成部材10への磁気シールド形成部材9の取付けは、例えば図6、図7に示すようにボルト15によって行われる。磁気シールド形成部材9および磁路形成部材10は、いずれも全体が強磁性体からなる。この実施形態では、着磁ヨーク6の先端部分である着磁ヘッドの一方、つまり図3、図5の例では右側の着磁ヘッド6a側の基端部分6bに、磁路形成部材10が設けられている。
磁気シールド形成部材9は、図3、図5の左側の着磁ヘッド6aに対して、複列の磁気エンコーダトラック3,4の並び方向の上下両側に隣り合って配置された二つの磁気シールド11,11を有する。磁気シールド11は、着磁対象以外の列の磁気エンコーダトラック3(4)への磁束の流れを遮蔽するためのものである。アキシアルタイプの環状磁性体2では、磁気エンコーダトラック3,4の前記並び方向は、前記環状磁性体2の回転軸心L1と平行に配置されている。図6、図7に示すように、上記二つの磁気シールド11,11は、磁気シールド形成部材9の下部に設けられた長方形の貫通孔12の上側部分と下側部分とを成す。貫通孔12には、前記左側の着磁ヘッド6aが挿通される。
図8に示すように、前記二つの磁気シールド11,11は、着磁ヘッド6aに近づくに従い厚みが薄くなる形状である。この実施形態の場合、着磁ヘッド6aに近づくに従い厚みが連続的に薄くなる形状、つまりナイフエッジ形状である。より詳しくは、磁気シールド11の磁気エンコーダトラック3,4と対向する面は磁気エンコーダトラック3,4の表面と平行で、反対側の面が着磁ヘッド6aに近づくに従い磁気エンコーダトラック3,4側へ傾斜した形状である。反対側の面の傾斜角度αは例えば30°とされるが、これに限定されない。
貫通孔12の、複列の磁気エンコーダトラック3,4の並び方向の寸法Bは、着磁ヘッド6aの前記並び方向(上下方向)の厚みHに、二つの磁気シールド11と着磁ヘッド6aとの各隙間δ1,δ2を加算した値である(B=H+δ1+δ2)。後述するように、着磁強度と着磁精度の兼ね合いから、各隙間δ1,δ2の大きさは、共に0.5mm以上2mm以下に設定されている。
磁気シールド形成部材9における貫通孔12の左右両側部分は第1の磁路形成部9a,9aとされ、これら第1の磁路形成部9a,9aの上端に続く磁気シールド形成部材9の上部は第2の磁路形成部9bとされている。磁気シールド形成部材9を磁路形成部材10に取り付けることで、第1の磁路形成部9a,9a、第2の磁路形成部9b、および磁路形成部材10により、左側の着磁ヘッド6aから磁気シールド11,11へ流れる磁束を、右側の着磁ヘッド6aと同じ磁極極性の部分に逃がす磁路が形成される。これにより、図3および図4の矢符A1,A2に示すように、前記磁束を、順次、第1の磁路9a,9a、第2の磁路9b、および磁路形成部材10を経由して着磁ヘッド6a側の基端部分6bに逃がすようになっている。
この実施形態では、磁路形成部材10は、着磁ヨーク6における右側の着磁ヘッド6a側の基端部分6bに一体に設けられているが、図4に示す磁路形成部材10の凹形状部10aを、凸形状部からなる基端部分6bに着脱自在に設けても良い。
また、右側の着磁ヘッド6aは、左側の着磁ヘッド6aに対し近接離隔可能に構成されている。例えば、磁路形成部材10の下面両側には、被案内部10b,10bが形成され、各被案内10bは着磁ヨーク6の着磁ヘッド6a,6aが対向する左右方向に延びる。右側の着磁ヘッド6aの上面に、断面凹形状の案内部材13が一体に設けられる。この案内部材13は、被案内部10b,10bに摺動案内される案内部13a,13aを有する。案内部材13のうち各案内部13aに近接する両側縁部に、ボルト14を挿通させる長孔13b,13bが形成されている。
したがって、右側の着磁ヘッド6aを被案内部10b,10bに沿って移動調整することで、着磁しようとする前記環状磁性体2を着磁ヘッド6a,6a間に配置することができるうえ、前記磁気ギャップを調整し得る。磁気ギャップ調整後、磁路形成部材10に対し、右側の着磁ヘッド6aを一対のボルト14等を用いて固定し得る。
図10(A)〜(D)は、前述のインデックス着磁等を用いて、環状磁性体の各磁気エンコーダトラックに着磁する磁極の各パターン例を示す。
図10(A)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック3を、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック4には、回転基準位置検出用の磁極をトラックの一周の一箇所(または複数箇所)に着磁して、回転の基準位置を示すZ相信号を生成するZ相信号生成用トラックとしたものである。
図10(B)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック3に、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック4には、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に、且つ前記回転検出用トラックとは磁極数を異ならせて着磁して、別の回転検出用トラックとしたものである。
図10(C)のパターン例は、1列の磁気エンコーダトラック3に、互いに異なる磁極を等ピッチで交互に着磁して回転検出用トラックとしている。他の1列の磁気エンコーダトラック4には、互いに異なる磁極を交互に、且つ前記回転検出用トラックと磁極数が同じで磁極の位相をずらして着磁して、別の回転検出用トラックとしたものである。
図10(D)のパターン例では、アキシアルタイプの環状磁性体での磁気エンコーダトラック3(4)の各磁極対Aにおいて、図10(C)の例と同様なパターンを形成するために、そのN磁極の幅とS磁極の幅とがトラック外周半部つまり径方向内外で互いに異なるように着磁したものである。
前述のように、各磁気エンコーダトラック3,4の磁気信号を読み取る磁気センサと、検出面である磁気エンコーダトラック表面とのエアギャップGpは0.3mm〜4mmとする。前記エアギャップGpが0.3mm以下ではゴムもしくは樹脂で形成した磁気エンコーダトラック3,4と接触する可能性があり、前記エアギャップGpが4mm以上では着磁強度の低下または各磁気エンコーダトラック3,4間に作用する磁気干渉誤差の影響が避けられないためである。
エアギャップGpの設定によりセンサの検知する磁界強度は変化するが、概略として各磁気エンコーダトラック3,4の各トラック幅Wを1〜5mm、磁極長さLを0.3〜5mmの範囲とすれば十分検出可能となる。また、WとLの関係をW>Lにしてもよい。図2(B)の参考図に示すように、W<Lの場合では、この複列の磁気エンコーダトラック3,4間に作用する磁気干渉誤差が相対的に大きくなるので、特にWが小さい場合には精度が悪化する傾向になる。
一方、磁気エンコーダトラックの厚さt1(磁石部分の厚さ)を0.5mm〜4mmとする。磁気エンコーダトラック3,4が0.5mm以下の厚みでは、形成された磁気エンコーダトラック内部の反磁界が大きくなるため、高温使用時、不可逆減磁が起こりやすく、磁石としての信頼性が低下する。磁気エンコーダトラック3,4が4mm以上の厚みでは、着磁ヘッド6a,6a間の距離が離れるため、着磁したい磁気エンコーダトラック3,4に十分な磁束を流しにくくなる。
これらの複雑な磁気パターンであっても、環状磁性体2を回転させつつ着磁ヘッド6a,6a間に磁束を通し、1磁極ずつ着磁することで、所望の着磁対象の列の磁気エンコーダトラックが着磁される。このとき、磁気シールド11は、着磁対象以外の列の磁気エンコーダトラックへの磁束の流れを遮蔽する。
図11(A)は、ラジアルタイプの磁気エンコーダの形状を部分的に変更した形態を表す断面図、(B)は、同アキシアルタイプの磁気エンコーダの形状を部分的に変更した形態を表す断面図である。前記複数の磁気エンコーダトラック3,4の間に溝Vを設けた構造としてもよい。前記溝Vは、溝底に向かうに従って幅狭となる断面V字状に形成される。この溝Vにより、着磁工程での互いの影響、およびセンサでの検出における磁気干渉が低減されるため、より精度の高い複列の磁気エンコーダが実現できる。また、溝Vが溝底に向かうに従って幅狭となる断面V字状に形成されるため、隣り合う磁気エンコーダトラック3,4の表面を互いに確実に離隔させることができる。それ故、図1のものよりも高精度の複列の磁気エンコーダを実現し得る。
また、図12(A)、(B)に示すように、複数の磁気エンコーダトラック3,4間に磁性体のスペーサ18を配置した構造としてもよい。磁性体から成るスペーサ18が互いの磁気エンコーダトラック3,4からの漏れ磁界をショートするため、相互の磁気干渉が低減されて、より精度の高い複列の磁気エンコーダが実現できる。
磁気エンコーダの形状に変更を加えた状態であっても、前記の磁気シールド11を用いた着磁装置により、所望の磁気エンコーダトラックを着磁することができる。
以上説明した着磁装置1によると、一方の着磁ヘッド6aを磁路形成部材10に非固定状態のまま、複列の未着磁の磁気エンコーダトラック3(4)に対し、着磁ヨーク6の着磁ヘッド6a,6aを配置する。磁気シールド形成部材9が着磁ヨーク6に設けた磁路形成部材10に着脱可能に取り付けてあるため、磁気エンコーダトラック3(4)に対し磁気シールド形成部材9が所定位置に同時に配置される。よって、着磁ヘッド6aと磁気シールド11,11間の隙間δ1,δ2の調整が不要である。次に、右側の着磁ヘッド6aを、左側の着磁ヘッド6aに対し移動調整した後、第2の磁路10bに固定する。
その後、着磁電源8から励磁コイル7に着磁電流を供給することで、着磁ヘッド6a,6a間に磁束を通す。環状磁性体2を回転させつつ着磁ヘッド6a,6a間に磁束を通すことで、所望の1列の磁気エンコーダトラック3(4)が着磁される。このとき、磁気シールド11は、隣の列の磁気エンコーダトラック4(3)への磁束の漏れを遮蔽する。
すなわち、着磁対象の磁気エンコーダトラック3に対する隣の磁気エンコーダトラック4側に漏れようとする磁束は、磁気シールド11から第1の磁路形成部9a,9a、第2の磁路形成部9b、および磁路形成部材10を介して、着磁ヨーク6の右側の着磁ヘッド6a側へ流れる。したがって、隣の磁気エンコーダトラック4が不所望に着磁されることが回避される。磁気シールド形成部材9の磁気シールド11,11は、着磁ヨーク6の一方の着磁ヘッド6aに対して、複列の磁気エンコーダトラック3,4の並び方向に隣り合って配置される。このため、磁気エンコーダトラック3,4を覆う磁気シールド形成部材(図示せず)とは異なり、着磁ヨーク6の一対の着磁ヘッド6a,6a間に環状磁性体2を配置する作業の邪魔にならない。
磁気シールド11により、隣の磁気エンコーダトラック4(3)に影響させることなく、着磁対象の磁気エンコーダトラック3(4)に精度良く着磁を行うことができる。この場合において、磁気シールド形成部材9の着脱作業等を着磁工程の都度要することなく、磁気エンコーダトラック3(4)の着磁を行えるため、着磁工程の低減を行える。
二つの磁気シールド11,11を着磁ヨーク6の左側の着磁ヘッド6aに対して、複列の磁気エンコーダトラック3,4の並び方向の両側にそれぞれ設けている。このため、着磁対象の列の磁気エンコーダトラック3を着磁するとき、並び方向下側の磁気シールド11を用いて着磁対象以外の列の磁気エンコーダトラック4への磁束の流れを遮蔽する。その後、この遮蔽された磁気エンコーダトラック4を着磁するとき、先に着磁された列の磁気エンコーダトラック3への磁束の流れを、並び方向上側の磁気シールド11を用いて遮蔽する。このように着磁工程を簡単化することができる。
着磁ヘッド6aと磁気シールド11,11間の磁気抵抗は、着磁ヘッド6aと磁気シールド11,11との間の隙間δ1,δ2、および磁気シールド11の形状に関係しており、一般に、隙間δ1,δ2が狭いほど磁気抵抗が小さく、且つ着磁ヘッド6aに対する磁気シールド11の対向面積が広いほど磁気抵抗が小さい。また、前記隙間δ1,δ2が狭いほど、磁束を安定して流すことができる。
因みに、着磁ヘッド6aと磁気シールド11間の磁気抵抗Rmは、Rm=d/μSで表される。ここで、μは透磁率、dは磁路の長さ(隙間δ1、δ2の寸法)、Sは磁気シールド11の断面積(対向面積)である。
この実施形態の構成のように、磁気シールド11,11を、着磁ヘッド6aに近づくに従い厚みが薄くなる形状とすることで、前記隙間δ1,δ2を狭くしても、磁気抵抗が小さくなり過ぎることがなく、適度の磁気抵抗に保つことができるうえ、磁束流れの安定化を図ることができる。つまり、磁気シールド11,11付近での磁気飽和を抑えながら、着磁する磁気エンコーダトラック3,4に磁束を効果的に流すことができる。このため、隣り合って並ぶ複列の磁気エンコーダトラック3(4)への着磁を、着磁強度を低下させることなく、隣の磁気エンコーダトラック4(3)に影響させずに精度良く行うことができる。
この実施形態では、磁気シールド11,11が、着磁ヘッド6aに近づくに従い厚みが連続的に薄くなるナイフエッジ形状であるが、参考提案例として、図9のように、着磁ヘッド6aに近づくに従い厚みが段階的に薄くなる形状としても良い。この場合も、前記作用・効果を得ることができる。
また、磁気シールド11,11と着磁ヘッド6aとの隙間δ1,δ2を0.5mm以上2mm以下としたことにより、着磁強度と着磁精度とを考慮した場合に最適の結果が得られる。すなわち、隙間δ1,δ2が0.5mmであると、隙間δ1,δ2の磁気抵抗が下がり、着磁ヘッド6aから磁気シールド11,11へ磁束が流れ易くなるため、磁気エンコーダトラック3(4)を流れる磁束が減り、着磁強度の低下を招き易い。一方、隙間δ1,δ2が2mm以上であると、磁気シールドの効果が低下するため、精度良く着磁することが難しい。これらのことから、隙間δ1,δ2の大きさを上記のように定めている。
この発明の他の実施形態について説明する。以下の説明においては、各形態で先行する形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略する場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図13、図14の例では、磁気シールド11は、左側の着磁ヘッド6aに対して複列の磁気エンコーダトラック3,4の並び方向の一方側のみに配置されている。よって、この構成では、左側の着磁ヘッド6aは、貫通孔12(図6、図7)ではなく、一つの磁気シールド11と第1の磁路形成部9a,9aで形成される溝12Aに挿通される。前記磁気シールド11と、前記左側の着磁ヘッド6aとの隙間δ1は、0.5mm以上2mm以下の所定隙間に設定され、且つ、不変となっている。その他は図3〜図8の例と同様の構成となっている。
この例では、着磁ヘッド6a,6a間に着磁対象の1列の磁気エンコーダトラック4を配置して、この磁気エンコーダトラック4の前記並び方向上側に、着磁しない磁気エンコーダトラック3を配置することで、この磁気エンコーダトラック3への磁束の流れを遮蔽することができる。磁気シールド11を並び方向の一方側のみに設けたため、磁気シールド形成部材9の構造を簡単化し、着磁装置1の製造コストの低減を図ることができる。
図15に示す例では、磁気シールド形成部材9は、例えば、アルミニウム、銅等の非磁性材料から成る非磁性体10Aと、この非磁性体10Aの上下の傾斜面10Aa,10Aaにそれぞれ固着される磁気シールド11,11とを有する。これらの磁気シールド11,11も、前記実施形態と同様に、複列の磁気エンコーダトラック3,4の並び方向の内側に行くに従い厚みが連続的に薄くなるナイフエッジ形状、または段階的に薄くなる形状である。非磁性体10Aは、左側の着磁ヘッド6aにボルト19を介して着脱自在に設けられる。これら磁気シールド11,11は、左側の着磁ヘッド6aに対し、複列の磁気エンコーダトラック3,4の並び方向に隣り合って配置される。
この例によると、着磁ヨーク6の着磁ヘッド6aに、非磁性体10Aを介して、磁気シールド11,11を設けたため、磁気ギャップの管理が簡単になり、磁気シールド11の取付けも簡単に行える。
前記各実施形態では、いわゆる貫通型の着磁ヨークを含む着磁装置を示したが、図16に示すように、表層型の着磁ヨーク6Aを含む着磁装置に、前記いずれかの磁気シールド形成部材9を適用することも可能である。
前記いずれかの形態において、着磁ヨークの着磁ヘッドを複数対設け、各対の着磁ヘッドを、複列の磁気エンコーダトラックの配置位置に応じてずらして配置しても良い。例えば、アキシアルタイプの磁気エンコーダの場合、各対の着磁ヘッドを径方向にずらして配置する。ラジアルタイプの磁気エンコーダの場合、各対の着磁ヘッドを軸方向にずらして配置する。
この場合において、着磁された各磁極の着磁強度を検出する磁気センサを空きスペースに設けても良い。磁気センサにより着磁強度を検出し、磁気エンコーダの品質を確認することができる。
複列の未着磁の磁気エンコーダトラックを同時に着磁するものであっても良い。この場合、一回の着磁時間で複数の磁気エンコーダトラックを形成することができ、列毎に着磁を行うものより着磁時間を短縮することができる。
複列の磁気エンコーダトラックは、この磁気エンコーダの回転軸心の軸方向に対し傾斜する方向に並んで配置されたものであっても良い。このように傾斜させた複列の磁気エンコーダトラックを車輪用軸受装置に組込む場合、車輪用軸受装置全体の軸方向長さを短くすることが可能となり、装置のコンパクト化が可能となる。
以上、実施例に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…着磁装置
2…環状磁性体
3,4…磁気エンコーダトラック
6…着磁ヨーク
6a…着磁ヘッド
7…励磁コイル
8…着磁電源
9…磁気シールド形成部材
11…磁気シールド
ME…磁気エンコーダ

Claims (4)

  1. 複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラックを一体に有する環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、それぞれの磁気エンコーダトラックに互いに異なる磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、
    磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有しこれら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、この励磁コイルに着磁電流を供給して前記一対の着磁ヘッド間に磁束を通す着磁電源とを備え、
    前記着磁ヘッドに対して前記複列の磁気エンコーダトラックの並び方向の隙間を開けて配置され、前記着磁ヘッド間の磁束の流れのうちの定められた範囲外の磁束の流れを遮蔽する磁気シールド前記着磁ヨークに設けられ、
    前記磁気シールドは、前記着磁ヘッドに近づくに従い厚みが連続的に薄くなる形状であることを特徴とする磁気エンコーダの着磁装置。
  2. 複列の隣り合って並ぶ環状の未着磁の磁気エンコーダトラックを一体に有する環状磁性体を回転させつつ円周方向の一部ずつ着磁して、それぞれの磁気エンコーダトラックに互いに異なる磁気パターンが形成された磁気エンコーダを得る着磁装置であって、
    磁気ギャップを介して磁気的に対向する一対の着磁ヘッドを有しこれら着磁ヘッドに対して定められた位置および姿勢に配置される前記磁気エンコーダの磁気エンコーダトラックを着磁する着磁ヨークと、この着磁ヨークに巻回される励磁コイルと、この励磁コイルに着磁電流を供給して前記一対の着磁ヘッド間に磁束を通す着磁電源とを備え、
    前記着磁ヘッドに対して前記複列の磁気エンコーダトラックの並び方向の隙間を開けて配置され、前記着磁ヘッド間の磁束の流れのうちの定められた範囲外の磁束の流れを遮蔽する磁気シールドが前記着磁ヨークに設けられ、
    前記磁気シールドは、前記着磁ヘッドに近づくに従い厚みが薄くなる形状であり、
    前記磁気シールド、前記着磁ヘッドを挟んで前記磁気エンコーダトラックの並び方向の両側に設けられた磁気エンコーダの着磁装置。
  3. 請求項に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記磁気シールド、前記着磁ヘッドを挟んで前記磁気エンコーダトラックの並び方向の両側に設けられた磁気エンコーダの着磁装置。
  4. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の磁気エンコーダの着磁装置において、前記磁気シールドと前記着磁ヘッドとの前記磁気エンコーダトラックの並び方向の隙間を0.5mm以上2mm以下とした磁気エンコーダの着磁装置。
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