JP6441652B2

JP6441652B2 - 車両用灯具

Info

Publication number: JP6441652B2
Application number: JP2014237624A
Authority: JP
Inventors: 佐塚　清; 清佐塚
Original assignee: Koito Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Koito Manufacturing Co Ltd
Priority date: 2014-02-12
Filing date: 2014-11-25
Publication date: 2018-12-19
Anticipated expiration: 2034-11-25
Also published as: CN104832854A; FR3017444A1; DE102015202519A1; KR20150095206A; CN104832854B; US20150224915A1; US9718393B2; FR3017444B1; JP2015167123A

Description

本発明は、車両用灯具に関する。

近年、車両用灯具として、特許文献１に示すように、透明な表面カバーの内方に、光を照射する発光ダイオードを配置し、その発光ダイオードと表面カバーとの間に、発光ダイオードから出射した光を表面カバーに向けて反射する導電性のリフレクタを設け、そのリフレクタを発光ダイオードに近接した状態で配置したものが提案されている。このものによれば、リフレクタを発光ダイオードに近接した状態で配置することができることから、当該車両用灯具をコンパクトにすることができる。

特開２０１３−１６１５７７号公報

しかし、近時、上記車両用灯具に関し、従前のもの（発光ダイオードに対してリフレクタや表面カバーの位置を遠くしたもの）に比べて、発光ダイオードの故障率が高い傾向にあることが判明した。
本件発明者が、このことに関し、調査したところ、故障した発光ダイオードには、静電気に起因する静電破壊現象が生じていることが認められた。
一方、車両においては、車体が汚れると、一般に洗車が行われ、その洗車後には、車両用灯具の表面カバーは布により拭かれる。また、車両においては、走行中に小石等が車両用灯具の表面カバーにぶつかることがあり、そのときには、小石等と車両用灯具の表面カバーとがこすれる。さらには、流通段階において、車両用灯具の表面カバーに静電気が摩擦帯電するおそれがある。このため、車両用灯具の表面カバーは、日常的或いは周期的に静電気が発生する状況にある。
このような事情、さらには、前記車両用灯具の構造等から、本件発明者は、車両用灯具における発光ダイオードの故障原因が、車両用灯具の表面カバーに発生した静電気が誘導帯電ないしは放電を生じさせて、発光ダイオードに近接したリフレクタに静電気を帯電させ、そのリフレクタに帯電した静電気が放電によって発光ダイオードに作用しているためではないかと考えるに至り、本発明を完成させた。

本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、その目的は、透明な表面カバーの内方に、光を照射する発光ダイオードを配置し、その発光ダイオードと表面カバーとの間に、その発光ダイオードから出射した光をその表面カバーに向けて反射する導電性のリフレクタを設け、そのリフレクタを発光ダイオードに近接した状態で配置する車両用灯具において、静電気により発光ダイオードが故障することを防止することにある。

前記目的を達成するために本発明（請求項１に係る発明）にあっては、
透明な表面カバーの内方に、光を照射する発光ダイオードが配置され、該発光ダイオードと前記表面カバーとの間に、該発光ダイオードから出射した光を該表面カバーに向けて反射する導電性のリフレクタが設けられ、該リフレクタが前記発光ダイオードに近接した状態で配置されている車両用灯具において、
前記リフレクタに、グラウンド接続用端子が設けられ、
前記グラウンド接続用端子が、車体に接続されている構成としてある。この請求項１の好ましい態様としては、請求項２以下の記載の通りとなる。

本発明（請求項１に係る発明）によれば、仮に、表面カバーに静電気が発生し、その静電気による誘導帯電、放電等によりリフレクタに静電気が帯電しようとしても、そのリフレクタに帯電しようとする静電気をグラウンド接続用端子から車体に直ちに流すことができ、リフレクタに帯電しようとする静電気が、そのリフレクタとそのリフレクタに近接した発光ダイオードとの間で放電することを防止（リフレクタに帯電しようとする静電気が発光ダイオードに作用することを防止）できる。このため、発光ダイオードが静電気により故障することを防止できる。

請求項２に係る発明によれば、車体に対して、発光ダイオードに対する点灯制御を行う点灯制御回路を収納する導電性ケースが接続され、導電性ケースにグラウンド接続用端子が接続されていることから、導電性ケースを利用して、リフレクタに帯電しようとする静電気を車体に直ちに逃がすことができ、リフレクタに帯電しようとする静電気が、そのリフレクタとそのリフレクタに近接した発光ダイオードとの間で放電することを防止できる。このため、発光ダイオードが静電気により故障することを防止できる。

請求項３に係る発明によれば、発光ダイオードとリフレクタとが搭載された樹脂製回路基板が備えられ、回路基板に、車体に接続されるグラウンド用配線パターンが形成され、グラウンド用配線パターンにリフレクタのグラウンド用接続端子が接触されていることから、回路基板のグラウンド用配線パターンを利用して、リフレクタに帯電しようとする静電気を車体に直ちに逃がすことができ、リフレクタに帯電しようとする静電気が、そのリフレクタとそのリフレクタに近接した発光ダイオードとの間で放電することを防止できる。このため、発光ダイオードが静電気により故障することを防止できる。
また、グラウンド用接続端子に対して接続すべきグラウンド用配線を用意する必要がなくなり、構成の簡素化、部品点数の低減化を図ることができる。

請求項４に係る発明によれば、車体に対して接続される導電性ベースが備えられ、導電性ベース上に樹脂製回路基板が設置され、回路基板上に、発光ダイオードとリフレクタとが搭載され、リフレクタのグラウンド用接続端子が、金属製ねじ具をグラウンド用接続端子、回路基板及び導電性ベースに対してねじ込むことにより、導電性ベースに取付けられていることから、金属製ねじ具を利用して、リフレクタ及び回路基板を導電性ベースに取付けることができると共に、リフレクタに帯電しようとする静電気を導電性ベースを介して車体に直ちに逃がすことができ、リフレクタに帯電しようとする静電気が、そのリフレクタとそのリフレクタに近接した発光ダイオードとの間で放電することを防止できる。このため、発光ダイオードが静電気により故障することを防止できる。

請求項５に係る発明によれば、リフレクタと発光ダイオードとが近接した状態が、１ｍｍ以下の距離をもって離間されている状態であることから、そのような状態であっても、リフレクタに帯電しようとする静電気を車体に直ちに逃がすことができ、リフレクタに帯電しようとする静電気が、そのリフレクタとそのリフレクタに近接した発光ダイオードとの間で放電することを防止できる。このため、発光ダイオードが静電気により故障することを防止できる。

第１実施形態に係る車両用灯具を示す縦断面図。第１実施形態に係る車両用灯具において用いられるＬＥＤユニットを示す斜視図。第１実施形態に係るリフレクタの延び方向中央部付近の縦断面を示す図。第１実施形態に係るリフレクタの延び方向端部（取付け部）付近の縦断面を示す図。第２実施形態に係る車両用灯具において用いられるＬＥＤユニットを示す斜視図。第３実施形態に係る車両用灯具において用いられるＬＥＤユニットを示す斜視図。第４実施形態に係る車両用灯具において用いられるＬＥＤユニットを示す斜視図。第５実施形態に係る車両用灯具を示す縦断面図。第５実施形態に係る車両用灯具において用いられるＬＥＤユニットを示す斜視図。第５実施形態に係る車両用灯具において用いられるＬＥＤユニットを示す分解斜視図。第５実施形態に係るリフレクタの延び方向端部（取付け部）付近の縦断面を示す図。第６実施形態に係る車両用灯具において用いられるＬＥＤユニットを示す分解斜視図。

以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図１において、符号１は、第１実施形態に係る車両用灯具としての左右前照灯の一方（以下、前照灯という）を示す。これら前照灯１は、車両前部における車幅方向両側に取付けられており、これら前照灯１により車両前方が照射される。

前記前照灯１は、図１に示すように、その外観が、前方が開口されたランプボディ２と、そのランプボディ２の開口を覆う表面カバーとしての前面カバー３とにより形成されている。

前記ランプボディ２は、図１に示すように、上下方向に起立する背壁部２ａと、その背壁部２ａの周縁部から前方（図１中、左方）に張り出す周壁部２ｂと、により構成されている。背壁部２ａは、一定高さを維持しつつ横方向（図１中、紙面直交方向）に延びており、周壁部２ｂは、背壁部２ａと協働して収納空間４を区画し、その周壁部２ｂの先端部は、収納空間４における横長形状の開口５を形成している。

前記前面カバー３は、図１に示すように、前記ランプボディ２の周壁部２ｂ先端部に対して着脱可能に取付けられている。これにより、前面カバー３とランプボディ２とは、灯具筐体を形成すると共に、その内部に密閉状態の灯室６を形成している。この前面カバー３は、透光性を有しており、灯室６において発光する光は、前面カバー３を介して外部に照射される。本実施形態においては、前面カバー（表面カバー）３として樹脂製レンズが用いられている。

前記灯室６内には、図１に示すように、ＬＥＤユニット７が配設されている。
ＬＥＤユニット７は、図１、図２に示すように、導電性ベースとしての金属製ヒートシンク（例えばアルミダイキャスト製品）８を備えている。このヒートシンク８は、本実施形態においては、板状の金属製支持板部９と放熱フィン部１０とを一体的に有している。
支持板部９は、ランプボディ２の背壁部２ａにエイミングスクリュ１１ａ等を介して支持されており、その支持板部９の板面は、前後方向を向きつつ、背壁部２ａから前方側に離間された状態で配置されている。放熱フィン部１０は、支持板部９の後面に取付けられており、その放熱フィン部１０は、ヒートシンク８に取付けられた放熱ファン１２により冷却されることになっている。
尚、図２においては、放熱フィン部１０を見えるようにするため、支持板部９の上側部分が破断された状態とされている（以下、図５〜図７においても同じ）。

前記ＬＥＤユニット７は、図１、図２に示すように、筒形状のレンズホルダ１３と、そのレンズホルダ１３に取付けられる投影レンズ１４と、を備えている。
レンズホルダ１３は、その後端部（一端部）が支持板部９の前面に取付けられ、その前端部（他端部）は前方に延出されている。尚、このレンズホルダ１３は、図２においては、後述の回路基板１７等を示すため、そのレンズホルダ１３の上部の一部が破断されている（以下、図５〜図７においても同じ）。
投影レンズ１４は、レンズホルダ１３の前端部に取付けられており、これにより、投影レンズ１４は、車両前後方向に延びる光軸Ｌ上に配置されている。この投影レンズ１４の前方には前記前面カバー３が位置されており、この投影レンズ１４と前面カバー３との間の間隔は、３〜１５ｃｍ程度に設定されている。
尚、図１中、符号１５は、投影レンズ１４及びレンズホルダ１３の周囲に配置されるエクステンションリフレクタである。

前記ＬＥＤユニット７は、図１、図２に示すように、発光モジュール１６を備えている。発光モジュール１６は、樹脂製回路基板１７と、複数の発光ダイオード（Light Emitting Diode：以下、ＬＥＤという）１８と、給電コネクタ１９と、を備えている。
回路基板１７は、レンズホルダ１３内において、前記支持板部９の前面上に合わせた状態で配置されており、その回路基板面１７ａは、前方に向けられている。この回路基板１７は、レンズホルダ１３内において、上側寄りに配置されており、その回路基板面１７ａには、給電回路（図示略）が形成されている。
複数のＬＥＤ１８は、前記回路基板１７における回路基板面１７ａの下側部分に取付けられている。この複数のＬＥＤ１８は、光を出射する面状光源として、発光面を車両前方に向けつつ車幅方向に並設された状態で配置されており、本実施形態においては、各ＬＥＤ１８は、白色光を出射するようにすべく、図３に示すように、ＬＥＤチップ１８a上に蛍光層１８ｂが設けられた構成とされている。
給電コネクタ１９は、前記回路基板面１７ａの上側部分に取付けられている。この給電コネクタ１９には、ワイヤハーネス２０を用いることにより、電源（図示略）がＬＥＤドライバーモジュール（ＬＤＭ）２１を介して接続されていると共に、回路基板面１７ａ上の給電回路（図示略）を介して前記各ＬＥＤ１８が接続されている。この場合、ＬＥＤドライバーモジュール２１は、ランプボディ２内の下部に配置され、そのＬＥＤドライバーモジュール２１には、導電性ケースとしての金属製ケース２２と、その金属製ケース２２内に収納される点灯制御回路２３とが備えられている。そして、給電コネクタ１９と電源（図示略）とは、金属製ケース２２内の点灯制御回路２３を介して接続されており、複数のＬＥＤ１８は、点灯制御回路２３により点消灯制御されることになっている。

前記ＬＥＤユニット７は、図１〜図４に示すように、導電性のリフレクタ２４を備えている。リフレクタ２４は、帯板状に延びるリフレクタ部２５と、そのリフレクタ部２５の延び方向両側に一体的に設けられる帯板状の一対の取付け部２６と、を備えており、本実施形態においては、これらは、アルミダイキャスト製品として一体物として鋳造されている。
リフレクタ部２５は、その幅方向を前方に向けつつ、前記回路基板面１７ａ上に前記複数のＬＥＤ１８よりも下側において配置されており、リフレクタ部２５は、その上下面を上下方向に向けつつ回路基板面１７ａの前方に張り出されている。このリフレクタ部２５の上面には、複数のＬＥＤ１８の下方域においてそのＬＥＤ１８の厚みよりも若干、幅広の溝２７が形成されている。この溝２７は、リフレクタ部２５の上面に形成された段差面と回路基板面１７ａとにより形成されており、この溝２７の内面と複数のＬＥＤ１８との距離は近接したものとなっている。本実施形態においては、複数のＬＥＤ１８と溝２７の底面２７ａとの距離Ｄ１、複数のＬＥＤ１８と溝２７の外側縦面２７ｂとの距離Ｄ２は、いずれも１ｍｍ以下に設定されている（図３参照）。
また、リフレクタ部２５における溝２７の開口高さ（外側縦面２７ｂ上端）位置は、複数のＬＥＤ１８の下面高さ位置に略等しくされ、リフレクタ部２５の上面のうち、溝２７の外側縦面２７ｂ上端よりも前側部分が実質上の反射面２８を構成している。この反射面２８は、前方に向かうに従って下方に向かうように傾斜されており、リフレクタ部２５の反射面２８は、複数のＬＥＤ１８から出射した光を投影レンズ１４及び前面カバー３に向けて反射することになっている。
このようなリフレクタ２４の前方には、前記投影レンズ１４が位置されており、このリフレクタ２４と投影レンズ１４との間の間隔は、３〜１５ｃｍ程度に設定されている。

前記一対の各取付け部２６は、図２、図４に示すように、その板面を回路基板面１７ａに当接させつつ上下方向に延びている。この各取付け部２６には、取付け孔２６ａが上下にそれぞれ形成されており、回路基板１７、ヒートシンク８の支持板部９には、各取付け孔２６ａに対応して、取付け孔１７ｂ、ねじ孔９ａが形成されている。このため、リフレクタ２４が回路基板面１７ａの正規の取付け位置に位置されたときには、取付け部２６の取付け孔２６ａ、回路基板１７の取付け孔１７ｂ及び支持板部９のねじ孔９ａが重なることになり、これを利用して、金属製のねじ具としてのタッピングスクリュ２９が、取付け部２６及び回路基板１７の各取付け孔２６ａ、１７ｂを貫通させた状態で支持板部９のねじ孔９ａにねじ込まれている。これにより、リフレクタ２４は、支持板部９に取付けられことになり、このとき、回路基板１７も併せて支持板部９に取付けられることになる。

前記取付け部２６には、図１、図２に示すように、タッピングスクリュ２９（の頭部）を利用して、グラウンド用ワイヤハーネス３０の一端部が接続されている。このグラウンド用ワイヤハーネス３０の他端部は、前記金属製ケース２２に接続されており、その金属製ケース２２は、さらに、別のグラウンド用ワイヤハーネス３１を用いて車体に接続されている。

このような前照灯１においては、洗車後の布拭き等により前面カバー３に静電気が摩擦帯電する状況にあり、そのような静電気による誘導帯電ないしは放電に基づき、投影レンズ１４、さらにはその投影レンズ１４を経てリフレクタ２４に静電気が帯電するおそれがある。特に本実施形態においては、前面カバー３が樹脂製レンズであることから、前面カバー３に多くの静電気が帯電し易く、その多くの静電気に基づきリフレクタ２４に静電気が帯電する可能性がある。しかし、仮に、リフレクタ２４に静電気が帯電しようとしても、本実施形態においては、そのリフレクタ２４に帯電しようとする静電気が、取付け部２６、グラウンド用ワイヤハーネス３０を介して灯室６内の金属製ケース２２に直ちに逃がされ、それは、さらに別のグラウンド用ワイヤハーネス３１を用いることにより、車体に逃がされる。このため、回路基板１７のコネクタ結線（アース接続）により回路基板１７の電位が低下しているものの、上述のように、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気が車体に直ちに逃がされることから、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気が、そのリフレクタ２４とそのリフレクタ２４に近接した複数のＬＥＤ１８との間で放電することを防止でき、複数のＬＥＤ１８が電気的ダメージ（静電破壊）を生じることを防止できる。

しかも、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気が車体に直ちに逃がされて静電気の放電が防止されることから、同時に、その静電気の放電に基づくノイズ（静電気サージ）の発生についても防止できることになる。

図５は第２実施形態、図６は第３実施形態、図７は第４実施形態、図８〜図１１は第５実施形態、図１２は第６実施形態を示す。この各実施形態において、その各実施形態の前に既に説明した実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。

図５に示す第２実施形態においては、ＬＥＤドライバーモジュール（ＬＤＭ）２１に入力されるグラウンド用配線（車体に接続したもの）３３に対して前記グラウンド用ワイヤハーネス３０が接続されている。このため、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気は、取付け部２６、グラウンド用ワイヤハーネス３０、グラウンド用配線３３を介して車体に直ちに逃がされ、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気が、そのリフレクタ２４とそのリフレクタ２４に近接した複数のＬＥＤ１８との間で放電することを防止できる。
尚、図５中、「＋Ｂ」は電源を示す。

図６に示す第３実施形態においては、回路基板１７の回路基板面１７ａに、車体に接続されるグラウンド用配線パターン３２が形成され、そのグラウンド用配線パターン３２にリフレクタ２４の取付け部２６（内面）が接触されている。このため、回路基板１７のグラウンド用配線パターン３２を利用して、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気を車体に直ちに逃がすことができ、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気が、そのリフレクタ２４とそのリフレクタ２４に近接した複数のＬＥＤ１８との間で放電することを防止できる。
この場合、静電気を逃がすためにグラウンド用ワイヤハーネス３０等の配線を用いないことから、極めて簡素な構成とすることができる。

図７に示す第４実施形態においては、前述の構成により、金属製のタッピングスクリュ２９を利用して、リフレクタ２４（取付け部２６）とヒートシンク８とが導通されている一方（図４参照）、ヒートシンク８とＬＥＤドライバーモジュール２１の金属製ケース２２とがグラウンド用ワイヤハーネス３４を介して接続され、その金属製ケース２２が前述のグラウンド用ワイヤハーネス３１（図７では図示略）により車体に接続されている。このため、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気を金属製のタッピングスクリュ２９を利用してヒートシンク８に直ちに逃がし、その静電気をさらに、グラウンド用ワイヤハーネス３４、金属製ケース２２を介して車体に逃がすことができる。これにより、この場合にも、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気が、そのリフレクタ２４とそのリフレクタ２４に近接した複数のＬＥＤ１８との間で放電することを防止できる。

図８〜図１１に示す第５実施形態は、前述の第１実施形態の変形例を示す。この第５実施形態においては、グラウンド用ワイヤハーネス３０の一端部の接続対象が、リフレクタ２４における一方の取付け部２６と回路基板１７との間に挟持されている接続端子（ターミナル）４０とされている。
接続端子４０は、金属等の導電性部材を用いて平板状に形成されており、その接続端子４０には、リフレクタ２４における取付け部２６と回路基板１７とにより挟持される帯板状の主部４０ａと、その主部４０ａの幅方向一方側外方に突出する接続部４０ｂと、が備えられている（図１０参照）。この接続端子４０の主部４０ａには、２つの取付け孔４０ｃがその主部４０ａの伸び方向において間隔をあけて形成されており、その２つの取付け孔４０ｃは、リフレクタ２４における取付け部２６の２つの取付け孔２６ａに対応している。この主部４０ａの取付け孔４０ｃは、その主部４０ａがリフレクタ２４における取付け部２６と回路基板１７とによって挟持されるとき、取付け部２６の取付け孔２６ａ、回路基板１７の取付け孔１７ｂ、さらには、支持板部９のねじ孔９ａに重ねられることになっており、タッピングスクリュ２９は、その状態を利用して、取付け孔２６ａ，４０ｃ，１７ｂを貫通した状態でねじ孔９ａにねじ込まれている。
接続部４０ｂは、リフレクタ２４における取付け部２６と回路基板１７とが主部４０ａを挟持している状態において、その取付け部２６等よりも外方に突出しており、その突出した接続部４０ｂにグラウンド用ワイヤハーネス３０の一端部が接続されている。
これにより、リフレクタ２４は、取付け部２６、接続端子４０、グラウンド用ワイヤハーネス３０、金属製ケース２２、グラウンド用ワイヤハーネス３１を介して車体に電気的に接続されることになり、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気を車体に直ちに逃がすことができ、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気が、そのリフレクタ２４とそのリフレクタ２４に近接した複数のＬＥＤ１８との間で放電することを防止できる。この結果、複数のＬＥＤ１８の電気的ダメージ（静電破壊）及び静電気の放電に基づくノイズ（静電気サージ）の発生を防止できる。
尚、図９において、符号２０ａ、２０ｂは、前記第１実施形態におけるワイヤハーネス２０（給電コネクタ１９に電源をＬＥＤドライバーモジュール（ＬＤＭ）を介して接続するもの）の具体的内容として、カソード用接続線、アノード用接続線を示している。

図１２に示す第６実施形態も、前述の第１実施形態の変形例を示す。この第６実施形態においては、グラウンド用ワイヤハーネス３０の一端部の接続対象が、リフレクタ２４における取付け部２６の前面に取付けられているシェード４２とされている。
シェード４２は、金属等の帯板状の導電性部材を用いて形成されている。そのシェードには、複数回に亘って折曲させつつ伸びるシェード本体４３と、そのシェード本体４３の伸び方向両端部に設けられる取付け部４４とが備えられており、その各取付け部４４には、前記リフレクタ２４における取付け部２６の取付け孔２６ａに対応して、取付け孔４４ａが形成されている。このシェード４２は、その板面を前後方向に向けつつ、その各取付け部４４がリフレクタ２４の各取付け部２６に合わされ、これに伴い、シェード４２の取付け孔４４ａは、取付け部２６の取付け孔２６ａ、回路基板１７の取付け孔１７ｂ、さらには、支持板部９のねじ孔９ａに重ねられることになっている。タッピングスクリュ２９は、この状態を利用して、取付け孔４４ａ，２６ａ，１７ｂを貫通した状態でねじ孔９ａにねじ込まれており、その際、タッピングスクリュ２９（の頭部）は、グラウンド用ワイヤハーネス３０の一端部をシェード４２の取付け部４４に押し付けている（接続）。
これにより、リフレクタ２４は、その取付け部２６、シェード４２の取付け部４４、グラウンド用ワイヤハーネス３０、金属製ケース２２、グラウンド用ワイヤハーネス３１を介して車体に電気的に接続されることになり、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気を車体に直ちに逃がすことができ、リフレクタ２４に帯電しようとする静電気が、そのリフレクタ２４とそのリフレクタ２４に近接した複数のＬＥＤ１８との間で放電することを防止できる。この結果、この場合においても、複数のＬＥＤ１８が電気的ダメージ（静電破壊）を受けることを防止できると共に、静電気の放電に基づくノイズ（静電気サージ）が発生することを防止できる。

以上、実施形態について説明したが本発明にあっては、次のような態様を包含する。
（１）車両用灯具として、ＬＥＤ１８とリフレクタ２４とが用いられている限り、種々のタイプのものに本発明を適用すること。例えば、前面カバー３（表面カバー）をレンズにより構成する一方、その内方に位置する投影レンズ１４を省いたものに本発明を適用することができる。
（２）ヒートシンク８、ＬＥＤドライバーモジュール２１のケースを金属製とするものに代えて、その各表面に導電性被膜（例えば金属被膜）を施したものを用いること。

１前照灯（車両用灯具）
２前面カバー（表面カバー）
８ヒートシンク（導電性ベース）
１７回路基板
１８ＬＥＤ
２２金属製ケース（導電性ケース）
２３点灯制御回路
２４リフレクタ
２５リフレクタ部
２６取付け部（グラウンド接続用端子）
２９タッピングスクリュ（金属製ねじ具）
３２グラウンド用配線パターン

Claims

透明な表面カバーの内方に、光を照射する発光ダイオードが配置され、該発光ダイオードと前記表面カバーとの間に、該発光ダイオードから出射した光を該表面カバーに向けて反射する導電性のリフレクタが設けられ、該リフレクタが前記発光ダイオードに近接した状態で配置されている車両用灯具において、
前記リフレクタに、グラウンド接続用端子が設けられ、
前記グラウンド接続用端子が、車体に接続され、
前記発光ダイオードと前記リフレクタとが搭載された樹脂製回路基板が備えられ、
前記回路基板に、前記車体に接続されるグラウンド用配線パターンが形成され、
前記グラウンド用配線パターンに前記リフレクタのグラウンド用接続端子が接触されていることを特徴とする車両用灯具。
透明な表面カバーの内方に、光を照射する発光ダイオードが配置され、該発光ダイオードと前記表面カバーとの間に、該発光ダイオードから出射した光を該表面カバーに向けて反射する導電性のリフレクタが設けられ、該リフレクタが前記発光ダイオードに近接した状態で配置されている車両用灯具において、
前記リフレクタに、グラウンド接続用端子が設けられ、
前記グラウンド接続用端子が、車体に接続され、
前記車体に対して接続される導電性ベースが備えられ、
前記導電性ベース上に樹脂製回路基板が設置され、
前記回路基板上に、前記発光ダイオードと前記リフレクタとが搭載され、
前記リフレクタのグラウンド用接続端子が、金属製ねじ具を該グラウンド用接続端子、前記回路基板及び前記導電性ベースに対してねじ込むことにより、該導電性ベースに取付けられていることを特徴とする車両用灯具。
請求項１または２において、
前記車体に対して、前記発光ダイオードに対する点灯制御を行う点灯制御回路を収納する導電性ケースが接続され、
前記導電性ケースに前記グラウンド接続用端子が接続されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
請求項１または２において、
前記リフレクタと前記発光ダイオードとが近接した状態が、１ｍｍ以下の距離をもって離間されている状態である、
ことを特徴とする車両用灯具。