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JP6438687B2 - 電波吸収体及びその製造方法 - Google Patents

電波吸収体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電波吸収体及びその製造方法に関する。
通信障害対策やノイズ対策のために電波吸収体を用いることが知られている。かかる電波吸収体として、例えば、特許文献1及び2には、カーボンを含む導電被膜で被覆されたポリ塩化ビニリデン繊維が絡まってマット状に形成され、表面側に太い繊維が配される一方、裏面側に細い繊維が配され、それによって厚さ方向に繊維密度が変化した電波吸収体が開示されている。
特公平6−32417号公報 特公平7−105610号公報
近年、前方障害物の検出や前車追従のための車載レーダーがフロントバンパーに設けられた自動車が実用化されている。このような車載レーダーが設けられた自動車は、安全面や利便面から、今後益々増えていくことが予想される。
ところで、車載レーダーの評価では高精度の試験が必要であり、実際に車載レーダーを搭載した自動車の走行試験を行う場合、車載レーダーからの電波の乱反射を防止するため、周辺の構造物に優れた電波吸収性能を示す電波吸収体を設置する必要がある。
通常、車載レーダーではミリ波、特にWバンド(75〜110GHz)の電波を使用することが多いが、かかるWバンドの電波に対して優れた電波吸収性能を示す電波吸収体としては、電波暗室等に用いられるピラミッド型の電波吸収体が挙げられる。しかしながら、ピラミッド型の電波吸収体は、そもそも室内用であるために屋外での使用が難しいことに加え、試験の度に屋外に設置する必要があることから、欠けや割れ等が生じることがないように取り扱いに注意を払う必要がある。また、特許文献1及び2に開示された電波吸収体は、屋外用途には適しているものの、Wバンドの電波に対して電波吸収性能が十分であるとは言えない。
本発明は、屋外用途に適していると共に、Wバンドの電波に対して優れた電波吸収性能を示す電波吸収体を提供することである。
本発明は、モノフィラメントの繊度が3300〜11000dtexである繊維で構成された表面層と、モノフィラメントの繊度が17〜170dtexである繊維で構成された裏面層とを含み、前記表面層及び前記裏面層を構成する繊維が接着被膜を介して結合して不織布状のマットに形成され、且つ前記不織布状のマットを構成する繊維の表面が導電被膜で被覆された電波吸収体であって、前記表面層の表面が非圧縮加工面である。
本発明は、裏面層を構成するためのモノフィラメントの繊度が17〜170dtexである繊維を散布して繊維層を形成する裏面層形成ステップと、前記裏面層形成ステップで形成した繊維層の上に、表面層を構成するためのモノフィラメントの繊度が3300〜11000dtexである繊維を散布して積層する表面層形成ステップと、前記裏面層形成ステップ及び前記表面層形成ステップで積層して形成した繊維層の上から接着剤を散布し、繊維層を構成する繊維を接着被膜を介して結合させて不織布状のマットを形成する接着ステップと、前記接着ステップで形成した不織布状のマットの上から導電塗料を噴霧散布して乾燥させることにより、前記不織布状のマットを構成する繊維の表面を導電被膜で被覆する導電性付与ステップとを有する電波吸収体の製造方法であって、表面層の表面を平坦面で圧する圧縮加工を行わないものである。
本発明によれば、表面層及び裏面層を構成する繊維が接着被膜を介して結合して不織布状のマットに形成された簡単な構造であるので、取り扱いが容易であって屋外用途に好適に用いることができる。また、モノフィラメントの繊度が3300〜11000dtexである繊維で構成された表面層の表面が非圧縮加工面であるので、表面層の繊維密度が疎であると共に、繊維が起毛した凹凸を有する表面に構成され、そのため、波長の短いWバンドの入射波は電波吸収体内部に入り易く、その電波吸収体内部に入った入射波は反射を繰り返して減衰することから、Wバンドの電波に対して優れた電波吸収性能を得ることができる。
実施形態に係る電波吸収体の斜視図である。 実施形態に係る電波吸収体の断面図である。 (a)〜(e)は、実施形態に係る電波吸収体の製造方法を示す説明図である。 電波吸収性能測定装置の構成を示す図である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
図1及び2は、実施形態に係る電波吸収体10を示す。実施形態に係る電波吸収体10は、例えば、屋外において、車載レーダーを搭載した自動車の走行試験を行う際に、車載レーダーからの電波の乱反射の防止を目的として周辺の構造物に設置されるものである。
実施形態に係る電波吸収体10は、モノフィラメントの繊度が相互に異なる繊維で構成された表面層11及び裏面層12並びにそれらの表面層11と裏面層12との間に設けられた中間層13を含む積層構造を有し、それらの表面層11、裏面層12、及び中間層13を構成する繊維が接着被膜を介して結合して不織布状のマットに形成されている。具体的には、表面層11、裏面層12、及び中間層13の各層内及び層間において、モノフィラメント同士が点接触乃至線接着して接着被膜により結合して一体化している。また、表面層11、裏面層12、及び中間層13を構成する繊維の表面が導電被膜で被覆されている。
実施形態に係る電波吸収体10では、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊度が3300〜11000dtex、及び裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊度が17〜170dtexである。中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊度と裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊度との中間であり、従って、裏面層12、中間層13、及び表面層11の順に繊維密度が低くなっている。また、実施形態に係る電波吸収体10では、表面層11の表面11aが非圧縮加工面とされている。なお、表面層11と中間層13との層間は、必ずしも明確でなくてもよく、表面層11を構成する繊維と中間層13を構成する繊維とが混在した層が形成されていてもよい。同様に、裏面層12と中間層13との層間も、必ずしも明確でなくてもよく、裏面層12を構成する繊維と中間層13を構成する繊維とが混在した層が形成されていてもよい。更には、表面層11、中間層13、及び裏面層12の層間が必ずしも明確でなく電波吸収体10全体として、その厚さ方向の表面側から裏面側に向かって繊度が漸次小さくなるように繊維が分布している構成であってもよい。
このような実施形態に係る電波吸収体10によれば、表面層11、裏面層12、及び中間層13を構成する繊維が接着被膜を介して結合して不織布状のマットに形成された簡単な構造であるので、取り扱いが容易であって屋外用途に好適に用いることができる。
また、モノフィラメントの繊度が3300〜11000dtexである繊維で構成された表面層11の表面11aが非圧縮加工面であるので、表面層11の繊維密度が疎であると共に、繊維が起毛した凹凸を有する表面に構成され、そのため、波長の短いWバンド(75〜110GHz)の入射波は電波吸収体10内部に入り易く、その電波吸収体10内部に入った入射波は反射を繰り返して減衰することから、特にWバンドの電波に対して優れた電波吸収性能を得ることができる。
さらに、表面層11及び裏面層12を構成する繊維の太さの差が大きいものの、表面層11と裏面層12との間に、それらを構成する繊維の中間の太さの繊維で構成された中間層13が設けられていることにより、面内における厚さ方向の繊維密度勾配の均一化を図ることができる。
ここで、表面層11、裏面層12、及び中間層13を構成する繊維としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維等が挙げられる。これらのうち耐候性が優れるという観点から、ポリ塩化ビニリデン繊維が好ましい。表面層11、裏面層12、及び中間層13を構成する繊維は同一種であることが好ましい。表面層11、裏面層12、及び中間層13を構成する繊維は、各層を嵩高くして電波を入射しやすくすることにより電波吸収性能を高める観点から、スプリング状にカール加工が施されたステープルファイバであることが好ましい。
表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は、Wバンドの電波に対する電波吸収性能を高める観点から、好ましくは4000dtex以上であり、また、好ましくは4500dtex以下である。表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの直径は例えば0.50〜0.70mmである。表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)は、好ましくは100mm以上、より好ましくは125mm以上であり、また、好ましくは200mm以下、より好ましくは175mm以下である。
裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は、好ましくは33dtex以上であり、また、好ましくは130dtex以下である。裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に対して、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は、Wバンドの電波に対する電波吸収性能を高める観点から、好ましくは20倍以上、より好ましくは50倍以上であり、また、好ましくは650倍以下、より好ましくは70倍以下、更に好ましくは60倍以下である。裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの直径は例えば0.04〜0.11mmである。
裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)は、好ましくは30mm以上、より好ましくは50mm以上であり、また、好ましくは150mm以下、より好ましくは100mm以下である。裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)は、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)よりも短いことが好ましい。
中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は、好ましくは170dtex以上であり、また、好ましくは1200dtex以下である。中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に対して、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は、好ましくは4倍以上、より好ましくは6倍以上であり、また、好ましくは70倍以下、より好ましくは10倍以下である。裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に対して、中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は、好ましくは5倍以上、より好ましくは8倍以上であり、また、好ましくは10倍以下、より好ましくは9倍以下である。中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は、裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊度よりも、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に近いことが好ましい。中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの直径は例えば0.10〜0.30mmである。
中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)は、好ましくは30mm以上、より好ましくは50mm以上であり、また、好ましくは150mm以下、より好ましくは100mm以下である。中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)は、裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)よりも、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)に近いことが好ましい。中間層13を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)は、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊維長(カット長)と同一であってもよい。
実施形態に係る電波吸収体10では、繊維全体における表面層11を構成する繊維の含有量は、Wバンドの電波に対する電波吸収性能を高める観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。繊維全体における裏面層12を構成する繊維の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。繊維全体における中間層13を構成する繊維の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。繊維全体における裏面層12を構成する繊維の含有量と繊維全体における中間層13を構成する繊維の含有量とは同一であってもよい。
実施形態に係る電波吸収体10では、表面層11の表面11aが凹凸を有する非圧縮加工面であるため厚さが均一ではないが、表面層11の最も突出した部分における最大厚さは例えば35〜55mmである。また、実施形態に係る電波吸収体10では、表面層11の表面11aが凹凸を有する非圧縮加工面であるため、表面が圧縮加工により平坦面とされた場合と比較して圧縮変形に対する反力が低いが、Wバンドの電波に対する電波吸収性能を高める観点から、具体的には、65mm角の試験片を100mm/minの速度で30mm圧縮したときの反力が400N以下であることが好ましく、300N以下であることがより好ましい。なお、表面が圧縮加工により平坦面とされた電波吸収体10の場合、その反力は500Nを超える。
接着被膜は、例えばゴムラテックス系接着剤が固化したもので構成されている。かかるゴムラテックス系接着剤としては、例えば、ポリ塩化ビニリデンゴムラテックスの接着剤が挙げられる。接着被膜の厚さは例えば5〜50μmである。
導電被膜は、例えば導電材料を含む導電塗料が固化したもので構成されている。かかる導電塗料としては、例えば、ポリ塩化ビニリデンゴムラテックスの接着剤にカーボンが分散したものが挙げられる。導電被膜の厚さは例えば5〜50μmである。
以上の構成の実施形態に係る電波吸収体10は、Wバンドにおける反射減衰量が好ましくは30dB以上である。
次に、実施形態に係る電波吸収体10の製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、平坦な基台B上に、裏面層12を構成するためのモノフィラメントの繊度が17〜170dtexである繊維fをランダムに散布する。このとき、基台B上には裏面層12を構成するための繊維fの繊維層Fが形成される(裏面層形成ステップ)。
次いで、図3(b)に示すように、裏面層形成ステップで形成した繊維層Fの上に、中間層13を構成するための、モノフィラメントの繊度が、表面層11を構成する繊維のモノフィラメントの繊度と裏面層12を構成する繊維のモノフィラメントの繊度との中間である繊維fをランダムに散布する。このとき、繊維層Fに中間層13を構成するための繊維fが積層される(中間層形成ステップ)。
続いて、図3(c)に示すように、裏面層形成ステップ及び中間層形成ステップで積層した繊維層Fの上に、表面層11を構成するためのモノフィラメントの繊度が3300〜11000dtexである繊維fをランダムに散布する。このとき、繊維層Fに表面層11を構成するための繊維fが積層される(表面層形成ステップ)。
そして、図3(d)に示すように、裏面層形成ステップ、中間層形成ステップ、及び表面層形成ステップで積層して形成した繊維層Fの上から接着剤Aを噴霧散布して乾燥させる。このとき、繊維層Fを構成する繊維が接着被膜を介して結合して不織布状のマットMが形成される(接着ステップ)。
最後に、図3(e)に示すように、接着ステップで形成した不織布状のマットMの上から導電塗料Pを噴霧散布して乾燥させる。このとき、不織布状のマットMを構成する繊維の表面が導電被膜で被覆される(導電性付与ステップ)。
実施形態に係る電波吸収体10の製造方法では、以上により電波吸収体10が完成し、表面層11の表面11aを熱盤で圧縮してヒートセットする、或いは、所定の隙間を有する熱盤間に通してヒートセットするといった表面層11の表面11aを平坦面で圧する圧縮加工を行わず、表面層11の表面11aを、繊維fを散布したときの状態そのままとする。
なお、上記実施形態では、表面層11、裏面層12、及び中間層13の三層構造としたが、特にこれに限定されるものではなく、表面層11及び裏面層12の二層構造であってもよく、また、表面層11と中間層13との間、及び/又は中間層13と裏面層12との間に、隣接する層とフィラメントの繊度が異なる繊維で構成された単一層又は複数層が設けられた構造であってもよい。
(電波吸収体)
<実施例1>
平坦な基台上に、裏面層を構成するためのモノフィラメントの繊度が78dtexであるポリ塩化ビニリデン繊維(繊維長150mm)をランダムに散布して形成した繊維層の上に、中間層を構成するためのモノフィラメントの繊度である670dtexであるポリ塩化ビニリデン繊維(繊維長150mm)及び表面層を構成するためのモノフィラメントの繊度が4440dtexであるポリ塩化ビニリデン繊維(繊維長150mm)を順にランダムに散布して積層し、得られた繊維層の上からポリ塩化ビニリデンゴムラテックスの接着剤を噴霧散布して乾燥させることにより不織布状のマットを形成した後、さらにその不織布状のマットの上からポリ塩化ビニリデンゴムラテックスの接着剤にカーボンを分散させた導電塗料を噴霧散布して乾燥させ、表面層の表面を平坦面で圧する圧縮加工を行わずに作製した電波吸収体を実施例1とした。
実施例1の電波吸収体は、裏面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に対して、表面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度が57倍、中間層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に対して、表面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は6.6倍、及び裏面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に対して、中間層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度は8.6倍である。
実施例1の電波吸収体は、繊維全体における表面層を構成する繊維の含有量が70質量%、繊維全体における中間層を構成する繊維の含有量が15質量%、及び繊維全体における裏面層を構成する繊維の含有量が15質量%である。
<実施例2>
平坦な基台上に、裏面層を構成するためのモノフィラメントの繊度が78dtexであるポリ塩化ビニリデン繊維(繊維長150mm)をランダムに散布して形成した繊維層の上に、表面層を構成するためのモノフィラメントの繊度が4440dtexであるポリ塩化ビニリデン繊維(繊維長150mm)を順にランダムに散布して積層し、得られた繊維層の上からポリ塩化ビニリデンゴムラテックスの接着剤を噴霧散布して乾燥させることにより不織布状のマットを形成した後、さらにその不織布状のマットの上からポリ塩化ビニリデンゴムラテックスの接着剤にカーボンを分散させた導電塗料を噴霧散布して乾燥させ、表面層の表面を平坦面で圧する圧縮加工を行わずに作製した電波吸収体を実施例2とした。
実施例2の電波吸収体は、裏面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に対して、表面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度が57倍である。
実施例2の電波吸収体は、繊維全体における表面層を構成する繊維の含有量が70質量%、及び繊維全体における裏面層を構成する繊維の含有量が30質量%である。
<比較例>
表面層の表面を平坦面で圧する圧縮加工(ヒートセット)を行ったことを除いて実施例1と同様にして作製した電波吸収体を比較例とした。
(試験評価方法)
<電波吸収性能>
図4は電波吸収性能測定装置20を示す。
この電波吸収特性測定装置20は、誘電体レンズ付のホーンアンテナ21とネットワークアナライザー22とで構成されている。
実施例1及び2並びに比較例のそれぞれについて、上記電波吸収特性測定装置20を用い、JIS R1679「電波吸収体のミリ波帯における電波吸収特性測定方法」における項目9の「誘電体レンズアンテナ法−集束ビーム法−」に準拠して電波吸収性能を測定した。具体的には、150mm角の平面視正方形の試験片Sをホーンアンテナ21の正面に配置し、そして、ホーンアンテナ21から試験片Sに対して入射角0°(垂直入射)で電波を発し、その入射波に対する反射波をホーンアンテナ21で受信してネットワークアナライザー22により反射減衰量を測定した。このとき、測定周波数域をWバンド(75〜110GHz)とした。
そして、Wバンドにおける反射減衰量が30dB以上である場合をOKと評価し、30dB未満である場合をNGと評価した。
<外観>
実施例1及び2並びに比較例のそれぞれについて、目視にて外観評価を行った。
そして、電波吸収体の面内における繊維の粗密がなく、従って、厚さ方向の繊維密度勾配のばらつきが小さく均一である場合をAと評価し、繊維の偏りによる粗密があり、従って、厚さ方向の繊維密度勾配のばらつきが大きく不均一である場合をBと評価した。
<圧縮特性>
実施例1(厚さ40mm)及び市販の電波吸収体(三菱電線工業社製 FP−2、厚さ40mm)のそれぞれについて、65mm角の試験片を100mm/minの速度で30mm圧縮したときの反力を測定した。
なお、上記の市販の電波吸収体は、モノフィラメントの繊度が1100dtexであるポリ塩化ビニリデン繊維(繊維長150mm)で表面層、モノフィラメントの繊度が132dtexであるポリ塩化ビニリデン繊維(繊維長150mm)で中間層、及びモノフィラメントの繊度が78dtexであるポリ塩化ビニリデン繊維(繊維長150mm)で裏面層をそれぞれ構成し、繊維全体における表面層を構成する繊維の含有量が70質量%、繊維全体における中間層を構成する繊維の含有量が15質量%、及び繊維全体における裏面層を構成する繊維の含有量が15質量%で、表面層の表面を平坦面で圧する圧縮加工(ヒートセット)を行ったものである。
(試験評価結果)
表1は試験評価結果を示す。
Figure 0006438687
表1によれば、実施例1では、Wバンドの電波に対する電波吸収性能が優れると共に、外観も均一であるのに対し、実施例2では、Wバンドの電波に対する電波吸収性能は優れるものの、外観が不均一である。一方、比較例では、外観は均一であるものの、Wバンドの電波に対する電波吸収性能は十分ではない。これらのことより、表面層の表面を、平坦面で圧する圧縮加工を行わない非圧縮加工面とすることにより、Wバンドにおける反射減衰量が30dB以上となるような優れた電波吸収性能を得ることができることが分かる。また、中間層を設けることにより均一な外観を得ることができるが、そのことは電波吸収性能に特に影響ないということが分かる。
さらに、実施例1では、65mm角の試験片を100mm/minの速度で30mm圧縮したときの反力が300N以下であったのに対し、市販の電波吸収体では、それが500Nを超えた。これより、表面層の表面を非圧縮加工面とすると、表面が圧縮加工により平坦面とされた場合と比較して圧縮変形に対する反力が低くなることが分かる。
本発明は、電波吸収体及びその製造方法について有用である。
A 接着剤
B 基台
F 繊維層
〜f 繊維
M マット
P 導電塗料
S 試験片
10 電波吸収体
11 表面層
11a 表面
12 裏面層
13 中間層
20 電波吸収特性測定装置
21 ホーンアンテナ
22 ネットワークアナライザー

Claims (5)

  1. モノフィラメントの繊度が3300〜11000dtexである繊維で構成された表面層と、モノフィラメントの繊度が17〜170dtexである繊維で構成された裏面層とを含み、前記表面層及び前記裏面層を構成する繊維が接着被膜を介して結合して不織布状のマットに形成され、且つ前記不織布状のマットを構成する繊維の表面が導電被膜で被覆された電波吸収体であって、前記表面層の表面が非圧縮加工面である電波吸収体。
  2. 請求項1に記載された電波吸収体において、
    前記裏面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に対して、前記表面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度が20〜650倍である電波吸収体。
  3. 請求項1又は2に記載された電波吸収体において、
    前記表面層と前記裏面層との間に、モノフィラメントの繊度が、前記表面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度と前記裏面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度との中間である繊維で構成された中間層を更に含み、前記中間層を構成する繊維の表面も導電被膜で被覆された電波吸収体。
  4. 請求項3に記載された電波吸収体において、
    前記中間層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度が、前記裏面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度よりも、前記表面層を構成する繊維のモノフィラメントの繊度に近い電波吸収体。
  5. 裏面層を構成するためのモノフィラメントの繊度が17〜170dtexである繊維を散布して繊維層を形成する裏面層形成ステップと、
    前記裏面層形成ステップで形成した繊維層の上に、表面層を構成するためのモノフィラメントの繊度が3300〜11000dtexである繊維を散布して積層する表面層形成ステップと、
    前記裏面層形成ステップ及び前記表面層形成ステップで積層して形成した繊維層の上から接着剤を散布し、繊維層を構成する繊維を接着被膜を介して結合させて不織布状のマットを形成する接着ステップと、
    前記接着ステップで形成した不織布状のマットの上から導電塗料を噴霧散布して乾燥させることにより、前記不織布状のマットを構成する繊維の表面を導電被膜で被覆する導電性付与ステップと、
    を有する電波吸収体の製造方法であって、
    表面層の表面を平坦面で圧する圧縮加工を行わない電波吸収体の製造方法。
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