JP6436669B2 - 子宮肉腫転移モデル動物 - Google Patents
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Description
本来、子宮肉腫由来細胞株MES-SA細胞は、免疫不全非ヒト哺乳動物の皮下注射および子宮筋層へ直接注入する方法では、転移は認められない(皮下についてはHarker et al., Cancer Res. 43: 4943-4950, 1983.、子宮筋層についてはRen et al., Clin Cancer Res. 14: 5466-5475, 2008.を参照)。その最大の理由の一つに、非常に小さな免疫不全非ヒト哺乳動物の子宮に、転移能を有する腫瘍を形成するのに必要な量の細胞を注入するのは技術的に困難であったからである。この問題を克服するために、本発明者らは、腫瘍片を移植することを発案した。この手法により、子宮の原発巣と転移巣を同時に有している子宮肉腫転移モデル動物作成に成功した。
本発明者らは以上の知見に基づいて更に検討を行い、本発明を完成するに至った。
[1]非ヒト哺乳動物を用いる子宮肉腫転移モデル動物の作製方法であって、
(a)子宮肉腫に由来する転移性かつ造腫瘍性の細胞をレシピエントの免疫不全非ヒト哺乳動物に移植し、該レシピエント動物において腫瘍を形成させる工程、
(b)該形成された腫瘍を切除して腫瘍片を得る工程、および、
(c)該モデル動物となるべき免疫不全非ヒト哺乳動物の子宮筋層に該腫瘍片を移植する工程
を含み、該移植された腫瘍片が、該動物において子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣を形成する、前記方法。
[2]工程(a)で移植される細胞が、蛍光タンパク質または発光タンパク質をコードする遺伝子を該細胞内で機能し得るようにゲノム中に組み込まれている、上記[1]に記載の方法。
[3]該蛍光タンパク質が緑色蛍光タンパク質である、上記[2]に記載の方法。
[4]工程(a)で移植される細胞がヒトに由来する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]工程(a)で移植される細胞がMES−SA細胞、SKN細胞またはSK−UT−1細胞に由来する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]工程(c)の後、
(d)該動物において子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣が形成されたか否かを確認する工程
を更に含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]該標的臓器が肺である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]該モデル動物がマウスまたはラットである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
[9]該レシピエント動物がマウスまたはラットである、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の方法。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の方法により得られる子宮肉腫転移モデル非ヒト哺乳動物。
[11]形成された子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣が、子宮筋層および該標的臓器に腫瘍を有しない同一系統の動物中の対応部位と比較して、GLUT−1およびGLUT−3の少なくとも一方の亢進した発現を示す、上記[10]に記載の動物。
[12]子宮肉腫に対する抗がん活性および/または転移抑制活性を有する物質をスクリーニングする方法であって、
(i)上記[10]または[11]に記載の子宮肉腫転移モデル非ヒト哺乳動物を提供する工程、
(ii)該動物に被験物質を投与する工程、
(iii)該被験物質の投与開始後に、子宮筋層中の原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは標的臓器中の転移巣の数および/または大きさを評価する工程、および、
(iv)該被験物質を適用しなかった場合と比較して、該原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは該転移巣の数および/または大きさが減少したときに、該被験物質を子宮肉腫に対する抗がん活性および/または転移抑制活性を有する物質の候補として選択する工程
を含む、前記方法。
[13]該動物が上記[11]に記載の動物であり、かつ、工程(iii)における評価が陽電子放射断層撮影法を用いて行われる、上記[12]に記載の方法。
[14]療法の子宮肉腫に対する抗がん効果および/または転移抑制効果を判定する方法であって、
(i)上記[10]または[11]に記載の子宮肉腫転移モデル非ヒト哺乳動物を提供する工程、
(ii)該動物に該療法を施行する工程、
(iii)該療法の施行開始後に、子宮筋層中の原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは標的臓器中の転移巣の数および/または大きさを評価する工程、および、
(iv)工程(iii)での評価に基づいて、該療法の子宮肉腫に対する抗がん効果および/または転移抑制効果を判定する工程
を含む、前記方法。
[15]該動物が上記[11]に記載の動物であり、かつ、工程(iii)における評価が陽電子放射断層撮影法を用いて行われる、上記[14]に記載の方法。
[16]向上した転移能を持つ子宮肉腫に由来する細胞株を樹立する方法であって、
(i)転移能の向上が所望される親細胞株の細胞を前記工程(a)で移植される細胞として用いて、上記[1]〜[9]のいずれかに記載の方法を用いて前記モデル動物を作製する工程、
(ii)該動物において形成された転移巣から腫瘍片を得る工程、
(iii)別の免疫不全非ヒト哺乳動物の子宮筋層に該腫瘍片を移植し、該動物において子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣を形成させ、形成された転移巣から腫瘍片を得ることを、少なくとも1回行う工程、および、
(iv)得られた腫瘍片中の細胞をin vitroで分離して増やし、細胞株を樹立する工程
を含み、樹立された細胞株が該親細胞株と比較して向上した転移能を有する、前記方法。
[17]上記[16]に記載の方法により樹立された細胞株の細胞、および標的臓器へのより低い転移能を有する細胞株の細胞について遺伝子発現解析を行い、両細胞の遺伝子発現を比較することを含む、子宮肉腫の転移に関連する遺伝子の同定方法。
[18]遺伝子発現解析がマイクロアレイ法を用いて行われる、上記[17]に記載の方法。
[19]哺乳動物の子宮肉腫に由来する転移性かつ造腫瘍性の単離された細胞であって、蛍光タンパク質または発光タンパク質をコードする遺伝子を該細胞内で機能し得るようにゲノム中に組み込まれている、前記細胞。
[20]該蛍光タンパク質が緑色蛍光タンパク質である、上記[19]に記載の細胞。
[21]該哺乳動物がヒトである、上記[19]または[20]に記載の細胞。
[22]MES−SA細胞、SKN細胞またはSK−UT−1細胞に由来する、上記[19]〜[21]のいずれかに記載の細胞。
本発明は、子宮肉腫転移モデル動物の作製方法(以下、本発明の作製方法ともいう。)を提供する。該方法は、(a)子宮肉腫に由来する転移性かつ造腫瘍性の細胞をレシピエントの免疫不全非ヒト哺乳動物に移植し、該レシピエント動物において腫瘍を形成させる工程、(b)該形成された腫瘍を切除して腫瘍片を得る工程、および、(c)該モデル動物となるべき免疫不全非ヒト哺乳動物の子宮筋層に該腫瘍片を移植する工程を含む。該移植された腫瘍片が、該動物において子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣を形成する。
該細胞は、上記関心のある哺乳動物(例:ヒト)の子宮肉腫に由来する細胞である。該細胞は、子宮肉腫に罹患した患者または動物から自体公知の手順に従って新たに単離されたものであってもよいし、あるいは市販の株化された細胞を用いることもできる。市販の細胞としては、ヒト未分化肉腫由来のMES-SA細胞(Harker WG, et al., Cancer Res. 43: 4943-4950 (1983); ATCC (American Type Culture Collection))、ヒト子宮平滑筋肉腫由来のSKN細胞 (Ishiwata et al., Cancer Res. 37: 658-664 (1977); 理化学研究所)、ヒト子宮平滑筋肉腫由来のSK-UT-1細胞 (Fogh et al., J Natl Cancer Inst. 58: 209-214 (1977));ATCC)などが挙げられる。細胞の転移能および造腫瘍能は、自体公知の方法を用いて確認することができる。例えば、転移能について、コラーゲンゲルを用いて測定した細胞浸潤能を指標とする方法など、造腫瘍能について、核型分析、軟寒天コロニー試験、免疫不全動物における腫瘍形成能試験などを用いることができる。
本工程では、工程(a)で形成された腫瘍を通常無菌下で切除する。得られた腫瘍片はPBSなどで洗浄することができる。腫瘍が逢着時腹腔内に剥離せず、且つ十分な細胞を有しているという観点から、新鮮組織を2mm角程度の大きさに手術用鋏で細切したものを次の工程(c)において用いることが好ましい。また、壊死を起こしていない腫瘍片を次の工程(c)において用いることが好ましい。
本工程では、工程(b)で得られた腫瘍片が、上述したような免疫不全非ヒト哺乳動物の子宮筋層に移植される。例えばマウスの場合、6週齢程度の動物を移植に供することができる。移植のために、例えば吸入麻酔により該動物に全身麻酔を施すことができる。麻酔薬としては、動物実験で汎用されているという観点から、好ましくは揮発性麻酔薬、より好ましくはイソフルラン、セボフルランなどを用いることができる。麻酔状態を確認した後、例えば腹部正中切開を手術用鋏を用いて行い、子宮を露出させる。次いで、例えばutero-cervical junctionに小切開を入れ、その部分に工程(b)で採取した腫瘍片をナイロンなどの手術用縫合糸を用いて逢着させることができる。例えば、2mm角に細切された1つの腫瘍片を当該箇所に逢着させることができる。その後、手術用縫合糸を用いて閉腹する。
本発明はまた、子宮肉腫に対する抗がん活性(例:腫瘍増殖抑制、腫瘍退縮、腫瘍消滅など)および/または転移抑制活性を有する物質をスクリーニングする方法(以下、本発明のスクリーニング方法ともいう。)を提供する。該方法は、(i)本発明のモデル動物を提供する工程、(ii)該動物に被験物質を投与する工程、(iii)該被験物質の投与開始後に、子宮筋層中の原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは標的臓器中の転移巣の数および/または大きさを評価する工程、および、(iv)該被験物質を適用しなかった場合と比較して、該原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは該転移巣の数および/または大きさが減少したときに、該被験物質を子宮肉腫に対する抗がん活性および/または転移抑制活性を有する物質の候補として選択する工程を含む。
被験物質を投与していない場合の腫瘍の大きさと比較して、被験物質を投与した場合の腫瘍のほうが小さければ、当該被験物質は抗がん活性(例えば、腫瘍増殖抑制、腫瘍退縮、腫瘍消滅など)を有していると判定できる。好ましくは腫瘍の大きさを50%以下に低下させる被験物質、より好ましくは10%以下に低下させる被験物質を抗がん物質と判定する。
被験物質を投与していない場合の標的臓器における転移巣の数と比較して、被験物質を投与した場合の転移巣の数が減少していれば、当該被験物質はがん転移抑制活性を有していると判定できる。また、被験物質を投与していない場合の標的臓器における転移巣の大きさと比較して、被験物質を投与した場合の転移巣の大きさが小さければ、当該被験物質はがん転移抑制活性を有していると判定できる。好ましくは転移巣の数または大きさを20%以下に減少させる被験物質、より好ましくは5%以下に減少させる被験物質をがん転移抑制物質と判定する。
本発明はまた、療法の子宮肉腫に対する抗がん効果(例:腫瘍増殖抑制、腫瘍退縮、腫瘍消滅など)および/または転移抑制効果を判定する方法を提供する。該方法は、(i)本発明のモデル動物を提供する工程、(ii)該動物に該療法を施行する工程、(iii)該療法の施行開始後に、子宮筋層中の原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは標的臓器中の転移巣の数および/または大きさを評価する工程、および、(iv)工程(iii)での評価に基づいて、該療法の子宮肉腫に対する抗がん効果および/または転移抑制効果を判定する工程を含む。工程(i)、(iii)および(iv)については本発明のスクリーニング方法の工程(i)、(iii)および(iv)と同様にして行うことができ、好ましい態様などについても同様である。
本発明はまた、向上した転移能を持つ子宮肉腫に由来する細胞株を樹立する方法(以下、本発明の樹立方法ともいう。)を提供する。該方法は、(i)転移能の向上を所望される親細胞株の細胞を前記工程(a)で移植される細胞として用いて、本発明の作製方法を用いて前記モデル動物を作製する工程、(ii)該動物において形成された転移巣から腫瘍片を得る工程、(iii)別の免疫不全非ヒト哺乳動物の子宮筋層に該腫瘍片を移植し、該動物において子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣を形成させ、形成された転移巣から腫瘍片を得ることを、少なくとも1回行う工程、および、(iv)得られた腫瘍片中の細胞をin vitroで分離して増やし、細胞株を樹立する工程を含む。樹立された細胞株は、該親細胞株と比較して向上した転移能を有し得る。
本発明はまた、子宮肉腫の転移に関連する遺伝子の同定方法(本発明の同定方法ともいう。)を提供する。該方法は、本発明の樹立方法により樹立された細胞株の細胞、および標的臓器へのより低い転移能を有する細胞株の細胞について遺伝子発現解析を行い、両細胞の遺伝子発現を比較することを含む。用語「標的臓器」については、本発明の作製方法において上述した通りである。
以下の手順に従って、ヒト子宮肉腫転移モデルマウスを作製した。
ヒト子宮平滑筋肉腫由来MES-SA細胞(ATCC)にGFP遺伝子を導入しクローン化した、GFPを恒常的に発現するMES-SA GFP-Jの亜株であるC9細胞を作製した。その概略が図1に示されている。簡潔には、PiggyBacTMTransposon Vector Systemのうち、PB513B-1をMES-SA細胞へ導入することにより行った。GFP遺伝子と同時にピューロマイシン耐性遺伝子を導入し、GFP導入細胞をピューロマイシン添加培地で培養することにより、選択した。その後、1細胞を単離し、培養することにより各株をクローン化した。
該細胞を5週齢KSN雌マウス(日本エスエルシー)の皮下に5 x 106細胞/PBS 100μlを注入した。4週間後皮下に形成された腫瘍を無菌下で切除した。腫瘍片をPBSで洗浄し、新鮮組織を2 mm角に手術用鋏で細切した。次に5週齢KSN雌マウス(日本エスエルシー)に笑気による吸入麻酔を施行した。麻酔状態を確認後、腹部正中切開を手術用鋏で行った。子宮を露出した後、utero-cervical junctionに小切開を入れ、その部分に先ほど採取した2 mm角の新鮮組織を5-0 dexonで逢着させた。その後、5-0 dexon糸で閉腹した。同所移植実験後、6週目にanimal PETを実施し、腫瘍のFDGの集積程度を確認し、腫瘍の形成の有無を確認した。
また、肺転移の一例を図3に示す。転移により形成された腫瘍巣がGFPによる蛍光で示されている(a)。また、各種マーカー(H&E、Glut-1、Ki-67)の染色像(b)とその拡大図(c)から、肺胞腔内の巨大な腫瘍塞栓(Glut-1強陽性)、肺胞毛細血管内に生じた腫瘍細胞塞栓(Ki-67強陽性)、肺胞最少動脈および毛細血管の内腔がGlut-1強陽性腫瘍細胞で塞栓されていることが分かる。
更に、上記のanimal PETのデータを図4に示す。A(側面図)、B(上面図)は正常マウス、C(側面図)、D(上面図)は上記モデルマウスのPETイメージである。12.1-14.4 MBqの18F-FDGの投与の60分後にイメージを取得した。モデル動物においては、子宮、肺、心臓においてより強いシグナルが観察された。
図5は、原発腫瘍重量と原発腫瘍体積、同所移植後日数と原発腫瘍体積、肺転移数と同所移植後日数、肺転移数と原発腫瘍体積との相関を調べたグラフである。肺への転移と、同所移植後の日数、原発腫瘍体積に相関はなかった。
図6は、肺転移数と肺FDG、肺転移数と肺FLTとの相関を調べたグラフである。18F-FDG集積能は肺転移巣数と相関したが、18F-FLT集積能は肺転移巣数と相関しなかった。
Claims (18)
- 非ヒト哺乳動物を用いる子宮肉腫転移モデル動物の作製方法であって、
(a)子宮肉腫に由来する転移性かつ造腫瘍性の細胞をレシピエントの免疫不全非ヒト哺乳動物に移植し、該レシピエント動物において腫瘍を形成させる工程、
(b)該形成された腫瘍を切除して腫瘍片を得る工程、および、
(c)該モデル動物となるべき免疫不全非ヒト哺乳動物の子宮筋層に該腫瘍片を移植する工程
を含み、該移植された腫瘍片が、該動物において子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣を形成する、前記方法。 - 工程(a)で移植される細胞が、蛍光タンパク質または発光タンパク質をコードする遺伝子を該細胞内で機能し得るようにゲノム中に組み込まれている、請求項1に記載の方法。
- 該蛍光タンパク質が緑色蛍光タンパク質である、請求項2に記載の方法。
- 工程(a)で移植される細胞がヒトに由来する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(a)で移植される細胞がMES−SA細胞、SKN細胞またはSK−UT−1細胞に由来する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 工程(c)の後、
(d)該動物において子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣が形成されたか否かを確認する工程
を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 - 該標的臓器が肺である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 該モデル動物がマウスまたはラットである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 該レシピエント動物がマウスまたはラットである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法により得られる子宮肉腫転移モデル非ヒト哺乳動物。
- 形成された子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣が、子宮筋層および該標的臓器に腫瘍を有しない同一系統の動物中の対応部位と比較して、GLUT−1およびGLUT−3の少なくとも一方の亢進した発現を示す、請求項10に記載の動物。
- 子宮肉腫に対する抗がん活性および/または転移抑制活性を有する物質をスクリーニングする方法であって、
(i)請求項10または11に記載の子宮肉腫転移モデル非ヒト哺乳動物を提供する工程、
(ii)該動物に被験物質を投与する工程、
(iii)該被験物質の投与開始後に、子宮筋層中の原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは標的臓器中の転移巣の数および/または大きさを評価する工程、および、
(iv)該被験物質を適用しなかった場合と比較して、該原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは該転移巣の数および/または大きさが減少したときに、該被験物質を子宮肉腫に対する抗がん活性および/または転移抑制活性を有する物質の候補として選択する工程
を含む、前記方法。 - 該動物が請求項11に記載の動物であり、かつ、工程(iii)における評価が陽電子放射断層撮影法を用いて行われる、請求項12に記載の方法。
- 療法の子宮肉腫に対する抗がん効果および/または転移抑制効果を判定する方法であって、
(i)請求項10または11に記載の子宮肉腫転移モデル非ヒト哺乳動物を提供する工程、
(ii)該動物に該療法を施行する工程、
(iii)該療法の施行開始後に、子宮筋層中の原発腫瘍巣の大きさ、ならびに/あるいは標的臓器中の転移巣の数および/または大きさを評価する工程、および、
(iv)工程(iii)での評価に基づいて、該療法の子宮肉腫に対する抗がん効果および/または転移抑制効果を判定する工程
を含む、前記方法。 - 該動物が請求項11に記載の動物であり、かつ、工程(iii)における評価が陽電子放射断層撮影法を用いて行われる、請求項14に記載の方法。
- 向上した転移能を持つ子宮肉腫に由来する細胞株を樹立する方法であって、
(i)転移能の向上が所望される親細胞株の細胞を前記工程(a)で移植される細胞として用いて、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法を用いて前記モデル動物を作製する工程、
(ii)該動物において形成された転移巣から腫瘍片を得る工程、
(iii)別の免疫不全非ヒト哺乳動物の子宮筋層に該腫瘍片を移植し、該動物において子宮筋層中の原発腫瘍巣および標的臓器中の転移巣を形成させ、形成された転移巣から腫瘍片を得ることを、少なくとも1回行う工程、および、
(iv)得られた腫瘍片中の細胞をin vitroで分離して増やし、細胞株を樹立する工程
を含み、樹立された細胞株が該親細胞株と比較して向上した転移能を有する、前記方法。 - 請求項16に記載の方法により樹立された細胞株の細胞、および標的臓器へのより低い転移能を有する細胞株の細胞について遺伝子発現解析を行い、両細胞の遺伝子発現を比較することを含む、子宮肉腫の転移に関連する遺伝子の同定方法。
- 遺伝子発現解析がマイクロアレイ法を用いて行われる、請求項17に記載の方法。
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