以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るカード処理装置100を図1〜図23に示す。
(カード処理装置の全体構成)
本第1実施形態に係るカード処理装置100は、図1〜図6に示すように、第1カード挿入口102aを有する第1挿入部102と、第1挿入部102の後方に連続して配置された搬送部104と、搬送部104の後方に連続して配置された振分部106と、振分部106の後方に連続して配置された、第2カード挿入口110aを有する第2挿入部110とを備えて構成されている。振分部106の上方には、ICデータ読取書込部108が配置されている。搬送部104と振分部106の右側面には、搬送部104を駆動する搬送機構112が設けられている。
第1挿入部102は、カード120を、第1カード挿入口102aを介して、第1挿入部10の内部に取り込み、搬送部104に送る。カード120は、こうしてカード処理装置100の内部に取り込まれる。
搬送部104は、第1カード挿入口102aを介して第1挿入部102の内部に取り込んだカード120を、搬送機構112の駆動力により、搬送部104の内部に形成された第1搬送路150(図7参照)に沿ってカード120を後方(または前方)に向けて搬送する。
振分部106は、第1搬送路150と第2挿入部110との間を閉塞し、回収対象のカード120を回収口114(図8参照)に誘導する。
第2挿入部110は、カード120を、第2カード挿入口110aを介して、第2挿入部110の内部に取り込み、振分部106に送る。カード120は、こうしてカード処理装置100の内部に取り込まれる。
ここで、図1に示すように、X軸、Y軸及びZ軸を定義する。X軸は水平面内にあり、X軸方向はカード120の第1カード挿入口102aへの挿入方向であり、カード120の搬送方向でもある。X軸に沿って第1挿入部102から第2挿入部110に向かう方向を後方ともいい、その逆方向を前方ともいう。X軸は、図1では、左前から右奥に向かう方向に斜めに延在する。Y軸は、水平面内でX軸に直交しており、図1では、右前から左奥に向かう方向に斜めに延在する。Z軸は、水平面つまりX−Y平面に直交しており、上下方向に垂直に延在する。カード処理装置100は水平面上に配置されている。
また、カード120をX軸に沿って後方に搬送する際の回転方向、つまり、図3における時計回りの回転方向を、第1回転方向R1と定義し、カード120をX軸に沿って前方に搬送する際の回転方向、つまり、図3における反時計回りの回転方向を、第2回転方向R2とする。
上記の構成要素から構成されるカード処理装置100は、図1〜図9に示されるように、X軸に沿って延在する一対の長辺とY軸に沿って延在する一対の短辺を有し、X−Y平面(水平面)に平行な断面形状が略矩形のフレーム130を備えている。つまり、カード処理装置100の第1挿入部102と、搬送部104、振分部106、第2挿入部110、ICデータ読取書込部108、搬送機構112は、フレーム130に沿って順に設けられている。
フレーム130は、一対の長辺のそれぞれを形成すると共に、所定の間隔で相対する第1および第2サイドプレート132、134を有している。また、フレーム130は、一対の短辺のそれぞれを形成すると共に、第1および第2サイドプレート132、134の一端側に固定された第1ステー136と、第1および第2サイドプレート132、134の他端側に固定された第2ステー138とを有している。
第1ステー136は、相対する一対のフランジ部136a、136bと、それらフランジ部136a、136bの間を連結するウェブ部136cとを有している。一対のフランジ部136a、136bは、断面形状が略コの字形状を有しており、第1および第2サイドプレート132、134のそれぞれにネジなどによって固定されている。第2ステー138は、相対する一対のフランジ部138a、138bと、それらフランジ部138a、138bの間を連結するウェブ部138cとを有している。一対のフランジ部138a、138bは、断面形状が略コの字形状を有しており、第1および第2サイドプレート132、134のそれぞれにネジなどによって固定されている。第2ステー138の一対のフランジ部138a、138bのZ軸方向の長さは、ウェブ部138cのZ軸方向の幅より大きく形成されている。換言すれば、第2ステー138は、Y−Z平面視で略コの字形状に構成されている。
フレーム130は、さらに、搬送部104の裏側(下側)に装着された矩形板状の第3ステー140と、第2ステー138の一対のフランジ部138a、138bの上部に配置された第4ステー148を有している。第4ステー148は、一対のフランジ部138a、138bを互いに連結している。
第1ステー136の上方には、第1挿入部102が設けられており、第2ステー138の上方、すなわち、第2ステー138のウェブ部138cの上方には、第2挿入部110が設けられている。
第1挿入部102、搬送部104、振分部106および第2挿入部110は、フレーム130の長手方向(X軸方向)に沿ってこの順に配置されており、第1カード挿入口102a、後述される搬送部104の第1搬送路150、後述される振分部106の第2搬送路402および第2カード挿入口110aが略面一に連通して、カード処理装置100の内部に直線状の搬送経路118が形成されている。
第1サイドプレート132の第2サイドプレート134と反対側、換言すると、フレーム130の外側面(図1では右側の外側面)には、搬送経路118上のカード120を搬送する搬送機構112の駆動連結部326と、第1搬送路150と第2搬送路402との連結状態から第1搬送路150と振分部106の回収路404との連結状態に切り替える切替機構410とが配置されている。また、第2サイドプレート134の第1サイドプレート132と反対側、換言すると、フレーム130の外側面(図1では左側の外側面)には、搬送経路118上のカードを検出する第1、第2、第3及び第4カード検知部180、182、184、506と、振分部106の状態を検出する状態検知部424とが配置されている。第3ステー140の上面には、カード処理装置100を制御する制御部146が配置されている。
(第1挿入部)
次に、第1挿入部102について図1および図3〜図9を参照して詳細に説明する。
第1挿入部102は、第1カード挿入口102aを介してカード120を受け入れると共に、搬送部104に向けてカード120を案内する機能を有している。本第1実施形態の第1挿入部102は、平面視凸字形状の角柱142から形成されており、フレーム130に螺着されている。角柱142の内部には、平面視凸字形状の突出方向(X軸)に沿って貫通孔144が形成されており、貫通孔144は、角柱142の先端部に形成された第1カード挿入口102aと連通している。貫通孔144は、X軸と垂直な平面(Y−Z平面)に平行な断面の形状が略矩形状である。貫通孔144の幅は、カード120の一対の短辺の長さよりわずかに大きくされ、その厚みはカード120の厚みよりわずかに大きく且つカード120の2枚分の厚みより小さく形成されている。第1カード挿入口102aは、貫通孔144より一回り大きい。第1カード挿入口102aに挿入されたカードは、貫通孔144を通って、貫通孔144の内壁に案内されながら、搬送部104に送られる。
なお、第1挿入部102の形状は、ここで述べたものに限定されない。円柱形状などの角柱以外の外形を有していても構わないし、角柱142を設けずにフレーム130の前端部に直接、貫通孔144を形成するだけでも構わない。その場合、貫通孔144の先端が第1挿入口102となる。第1挿入部102の形状及び構成は、用途に応じて適宜変更できることは言うまでもない。
(シャッタ機構)
シャッタ機構220は、図8〜図10に示すように、第1挿入部102と搬送部104との間に、より詳細には、第1挿入部102の貫通孔144と、後述される搬送部104の第1搬送路150との間に設けられており、カード120が第1挿入部102から第1搬送路150に移送されるのを規制する機能を有している。
シャッタ機構220は、第1搬送路150と第1挿入部102との連通を遮断する第1位置P1と、第1搬送路150と第1挿入口102を連通させる第2位置P2との間で、回動可能に構成されたシャッタ222と、シャッタ222を駆動(回動)する第1ソレノイド232と、第1ソレノイド232の駆動力をシャッタ222に伝達させる可動軸230とを有している。
第1ソレノイド232は、図10(b)に示すように、第1ステー136の第1サイドプレート132側で、フレーム130の内側に、ブラケットを介して固定されている、第1ソレノイド232のプランジャ232aには、可動軸230の一端が固定されている。
シャッタ222は、略凸字形状に形成された規制部224と、規制部224の凸部の両端から略直角に突出する一対の連結部226a、226bとから構成されている。一対の連結部226a、226bには、相対する位置に一対の貫通孔が形成されており、第1および第2サイドプレート132、134に固定された回動軸228がそれら貫通孔に挿入されていて、シャッタ222が回動軸228を中心に回動するように構成されている。第1サイドプレート132側の連結部226aには、前記貫通孔と規制部224との間に楕円形の貫通孔が形成されており、その楕円形の貫通孔には、プランジャ232aに係止された可動軸230の一端が挿入されていて、第1ソレノイド232の駆動力がシャッタ222に伝達されるようになっている。
シャッタ222は、常時、第1位置P1に保持されている。したがって、第1搬送路150と第1挿入部102との連通は、常時、遮断されていて、カード120が第1搬送路150に送出されないようになっている。外部装置1からカード処理装置100にシャッタ222の開放指示が出力されると、カード処理装置100の制御部146から第1ソレノイド232の駆動制御信号が出力される。第1ソレノイド232は、その駆動制御信号に応答して駆動され、シャッタ222が第2位置P2に移動される。こうして、第1搬送路150と第1挿入口102が連通し、カード120が第1搬送路150に送出可能となる。
本実施形態では、第1ソレノイド232として、一般的なプルソレノイドが採用されているため、第1ソレノイド232が励起されると、プランジャ232aが第1ソレノイド232の内部に吸引され、シャッタ222が第1位置P1から第2位置P2に向かって回動する。これによって、第1挿入口102と第1搬送路150が連通する。これに対し、第1ソレノイド232が消磁されると、プランジャ232aが第1ソレノイド232の内部から突出し、シャッタ222が第2位置P2から第1位置P1に向かって回動する。これによって、第1挿入口102と第1搬送路150の連通が遮断される。
なお、本実施形態では、第1ソレノイド232としてプルソレノイドを用いているが、シャッタ機構220の駆動源はこれに限定されるものではなく、プッシュソレノイド、ロータリーソレノイド、モータなどを用いても構わない。
(搬送部)
次に、搬送部104について、図1〜図13を参照しながら詳細に説明する。
搬送部104は、カード120を前後方向(X軸に沿って)搬送する機能と、カード120に形成された磁気ストライプに記憶された磁気データを読み取り、その磁気ストライプにデータを書き込む機能とを有している。
搬送部104は、磁気ヘッド244等が配置された第1ユニット240と、第1ユニット240の上部に配置された第2ユニット242とによって構成されている。第1および第2ユニット240、242との間には、カード120が通過可能な平板状の空隙が形成されており、その隙間が第1搬送路150として機能する。
第1搬送路150は、カード120が載置される底面152と、底面152に相対して配置された上面と、底面152のX軸に平行な一対の辺に設けられた第1および第2側壁156、158とによって形成され、Y−Z平面に平行な断面が第1挿入部102の貫通孔144と同様に、カード120の一対の短辺および厚みよりわずかに大きい略矩形状を有している。前記したとおり、第1搬送路150は、第1および第2ユニット240、242との間に形成されているので、第1搬送路150の底面152は第1ユニット240の上面に相当し、第1搬送路150の上面は第2ユニット242の下面に相当する。第1および第2側壁156、158のそれぞれが、第1ユニット240の上面と第2ユニット242の下面との間のスペーサとして機能することによって、第1および第2ユニット240、242の間に第1搬送路150が形成されている。
第1搬送路150の底面152には、図7及び図10(a)に明瞭に示すように、磁気ヘッド244が配置される第1貫通孔160と、カード120を磁気ヘッド244と共に支持する支持部246が配置される第2貫通孔162と、搬送機構112の第1搬送ローラ装置302の一対のローラ302a、302bが配置される一対の第3貫通孔164a、164bと、第2搬送ローラ装置304の一対のローラ304a、304bが配置される一対の切欠172a、172bと、搬送経路118上のカード120を検出する第1〜第3カード検知部180、182、184が配置される第4〜第6貫通孔166、168、170とが形成されている。
第1貫通孔160は、底面152のX軸方向の二つの辺の略中央で、第1側壁156から所定距離だけ離れた位置に、略矩形状に形成されている。より詳細には、第1貫通孔160は、第1搬送路150を搬送中のカード120の情報記憶部(例えば、一般的な磁気ストライプカードの磁気ストライプ)と相対する位置に形成されている。
第2貫通孔162は、底面152のX軸方向の二つの辺の略中央で、第2側壁158から所定距離だけ離れた位置に、X軸に平行な一対の長辺を有する略矩形状として形成されている。第2貫通孔162は、X軸方向の位置に関しては、第1貫通孔160とほぼ同じ位置に形成されている。このように第2貫通孔162が形成されることによって、カード120が磁気ヘッド244と支持部246との両方で支持されるため、搬送中のカード120の情報記憶部(磁気ストライプ)に対する磁気データの読み取りおよび書き込みを行う際のカード120の姿勢が安定する。
一対の第3貫通孔164a、164bは、底面152の第1挿入部102の側(上流側)の端部の近傍に形成されている。第3貫通孔164aは第1側壁156の側に、第3貫通孔164bは第2側壁158の側にあって、搬送中のカード120の情報記憶部(磁気ストライプ)に対面しないように形成されている。
一対の切欠172a、172bは、底面152の第1挿入部102とは反対側(すなわち第2挿入口110の側)の端部に形成されている。切欠172aは第1側壁156の側に、切欠172bは第2側壁158の側にあって、搬送中のカード120の情報記憶部(磁気ストライプ)に対面しないように形成されている。
一対の第3貫通孔164a、164bには、第1搬送ローラ装置302を構成する一対のローラ302a、302bが配置され、一対の切欠172a、172bには、第2搬送ローラ装置304を構成する一対のローラ304a、304bが配置されている。このため、第3貫通孔164a、164bや切欠172a、172bが、カード120の情報記憶部(磁気ストライプ)に対面せず、したがって、それらローラ302a、302b、304a、304bがカード120の情報記憶部に接触することがない。よって、カード120の情報記憶部の破損などを確実に防止することができる。
第4貫通孔166は、第2側壁158の、第3貫通孔164bより第1挿入部102の側にある端部の近傍に形成されている。第5および第6貫通孔168、170は、第3貫通孔164bと切欠172bとの間にこの順に形成されている。
第2側壁158には、第4〜第6貫通孔166、168、170に対応する位置に、それぞれ、第7〜第9貫通孔174、176、178が形成されている。第7〜第9貫通孔174、176、178には、詳細は後述される第1〜第3カード検知部180、182、184の第1〜第3ローラ182、192、202が、それぞれ配置されている。このため、第7〜第9貫通孔174、176、178のX軸に平行な一対の端縁の間の間隔が、第1〜第3ローラ182、192、202の厚み(X軸に平行な長さ)より大きく形成されている。また、第7〜第9貫通孔174、176、178の底面152に垂直な方向(Z軸方向)に延在する一対の端縁には、第7〜第9貫通孔174、176、178の一対の側縁の間の距離が、Y軸方向に第1搬送路150から遠ざかるにつれて、徐々に大きくなるようにテーパーが形成されている。こうすることで、第7〜第9貫通孔174、176、178の第1搬送路150に近い端部の間隔が、対応する第1〜第3ローラ182、192、202の直径より小さくされ、それによって、第1搬送路150より遠い位置にある端部の間隔が、対応する第1〜第3ローラ182、192、202の直径より大きくなるようにしている。
なお、本実施形態のカード処理装置100では、第3貫通孔164bと第4貫通孔166と第5貫通孔168とが連結した1つの貫通孔として形成されているが、第3貫通孔164bと第4貫通孔166と第5貫通孔168は一体的に形成されてもよいし、個別に形成されてもよい。一対の切欠172a、172bは、第3貫通孔164a、164bのような貫通孔としても構わない。第3〜第6貫通孔164b、166、168、170および切欠172bを連結して、1つの貫通孔または切欠としても構わない。
磁気ヘッド244は、第1搬送路150を搬送されるカード120の情報記憶部つまり磁気ストライプに記憶された磁気データを読み取り、また、同磁気ストライプにデータを書き込む機能を有する。磁気ヘッド244は、図12に示すように、板バネ248の略中央に配置されていると共に、第1搬送路150の底面152の裏側(下側)から第1貫通孔160に挿入されている。板バネ248は、その両端が第1搬送路150の底面152の裏側に固定されている。磁気ヘッド244は、板バネ248によって底面152の表側、すなわち第1搬送路150の内部に向かって付勢されている。したがって、磁気ヘッド244は、カード120の動きに追従して、底面152に垂直な方向(Z軸方向)に揺動可能である。なお、ここでは、板バネ248は、固定具250を介して底面152の裏側に配置されているが、底面152に直接固定してもよい。
支持部246は、図7に示すように、磁気ヘッド244と協働して、第1搬送路150を搬送されるカード120の姿勢を保持する機能を有している。支持部246は、平面視矩形状の平板部252と、平板部252の中央から突出した平面視矩形状の突出部254とを有している。突出部254は、第2貫通孔162に底面152の裏側から挿入され、磁気ヘッド244の底面152の表面からの突出量と、突出部254の底面152の表面からの突出量とが、ほぼ同じになるようにしている。突出部254の上面には、X軸方向に沿った両端部に傾斜面が形成されており、それら傾斜面の各端部が底面152の裏側にまで延在している。このように構成することによって、搬送中のカード120を、突出部254のX軸方向の二つの端部に引っかかることなく、底面152から突出部254に滑らかに移動させることが可能となる。
支持部246の下方には、底面152に固定された固定具258が配置されている(図8、図9参照)。平板部252と相対して配置された固定具258の平面部には、平板部252の反対側から一対のネジが挿入されており、それらネジにはバネ256がそれぞれ嵌装されている。バネ256は、一端が固定具258の平面部に当接し、他端が平板部252の裏側に当接していて、支持部246を底面152の表側(第1搬送路150)に向かって付勢している。したがって、磁気ヘッド244と同様に、支持部246も、搬送中のカード120に追従して、Z軸方向(上下方向)に揺動する。
本実施形態のカード処理装置100では、固定具258の平面部に挿入された一対のネジにバネ256がそれぞれ挿入されているが、固定具258に一対のバネを挿入する軸を形成しても構わない。また、支持部246を付勢するバネは1個でも構わないし、3個以上用いても構わない。さらに、支持部246を付勢するバネ256にコイルバネが用いられているが、磁気ヘッド244と同様に板バネでも構わない。
次に、第1、第2及び第3カード検知部180、182、184について、図2、図4、図7、図10、図11および図23を参照しながら詳細に説明する。
第2サイドプレート134には、第2側壁158の第7〜第9貫通孔174、176、178のそれぞれと対応する位置に、それぞれ、貫通孔(図示せず)が形成されている。したがって、第2側壁158の第7〜第9貫通孔174、176、178は、いずれも、第2サイドプレート134の貫通孔を介して、第2サイドプレート134(カード処理装置100)の外部に開口していることになる。第7〜第9貫通孔174、176、178に、それぞれ、第1〜第3カード検知部180、182、184が配置されている。
第1カード検知部180は、図2、図7及び図13に明瞭に示すように、Z軸に平行な回転軸線周りを回転可能であると共に、カード120に押動されてY軸に沿って(カード120の搬送方向に対して直交する方向に)揺動可能に構成されたローラ186aと、ローラ186aを回転可能に保持すると共に、ローラ186aを第1搬送路150の内部に向かって付勢する回転軸と、ローラ186aのY軸方向(カード120の搬送方向に対して直交する方向)への揺動を検出して、第1搬送路150内のカード120の有無を検出するセンサ190aとを有している。
ローラ186aは、円板状または円筒状の回転体から構成され、上面および下面の円形面の中心に軸孔188aを有している。軸孔188aには、ローラ186aの前記回転軸としての線バネ196aの第1軸198aが挿入されており、第1軸198aを中心として回転可能である。線バネ196aは、第1軸198aと第2軸200aによって略L字形状に形成されている。第1軸198aはZ軸方向に延在すると共に、第1貫通孔174のX軸の中央に配置されており、第2軸200aは第2サイドプレート134にネジなどによって固定されている。ローラ186aは、第7貫通孔174に配置されると共に、線バネ196aによって第1搬送路150に向かって付勢され、第1搬送路150の内部に対して進退可能に構成されている。待機位置P5aにあるローラ186aは、ローラ186aの側面と第1搬送路150の第1側壁156との間の最小間隔が、カード120の一対の短辺より小さくなるように構成されている。
センサ190aは、溝部192aを有する略コの字状の箱体の先端に互いに相対するように投光器と受光器とが配置された、溝型の透過型フォトセンサである。センサ190aは、第2サイドプレート134の第1搬送路150とは反対側(つまり外側)で第7貫通孔174に対応して設けられたブラケットを介して、第2サイドプレート134に固定されている。センサ190aは、その投光器から受光器に照射される光の光軸194aがZ軸に平行であり、溝部192aにローラ186aが進退可能に配置されている。
ローラ186aが線バネ196aの付勢力によって待機位置P5aに保持されている場合、ローラ186aは、第1搬送路150に進入すると共にセンサ190aの溝部192aから退出し、センサ190aの光軸194aを遮蔽しない。一方、ローラ186aが線バネ196aの付勢力に逆らって移動位置P6aに移動した場合、ローラ186aは、第1搬送路150から退出すると共にセンサ190aの溝部192aに進入し、センサ190aの光軸194aを遮蔽する。
ローラ186aの側面と第1搬送路150の第1側壁156との間の最小間隔は、カード120の一対の短辺より小さくなるように構成されているため、ローラ186aは、カード120の第2サイドプレート134側の側面と接触してY軸方向に変位し、待機位置P5aから移動位置P6aに向かって押動されて第1搬送路150から退出することができる。したがって、カード120が第1カード検知部180に達すると、ローラ186aは、カード120の側面によって待機位置P5aから移動位置P6aに向かって押動され、センサ190aの溝部192aに進入して光軸194aを遮光する。センサ190aは、ローラ186aによって光軸194aが遮光されると、第1検出信号SS1を出力する。制御部146に第1制御信号SS1が入力されると、第1カード検知部180でカード120が検出されたと判断される。すなわち、カード120は、ローラ186aを介してセンサ190aによって検出される。
第2カード検知部182と第3カード検知部184は、第1カード検知部180と同様に構成されているため、第1カード検知部180と同じ構成要素には、第1カード検知部180のそれと同じ番号を付与し、アルファベットの添え字「b」および「c」で区別することにする。つまり、第1カード検知部180には「a」を付与しているから、第2カード検知部182には「b」を付与し、第3カード検知部184には「c」を付与して、三者を区別するのである。第2カード検知部182のローラ186bは第8貫通孔176に配置され、第3カード検知部184のローラ186cは第9貫通孔178に配置されている点で、第1カード検知部180とは異なっているが、その他の構成は第1カード検知部180と同様であるため、第2および第3カード検知部182、184についての詳細な説明は省略する。
第1〜第3カード検知部180、182、184のそれぞれは、カード120の側面で接触・押動されるローラ186a、186b、186cの移動(変位)をセンサ190a、190b、190cでそれぞれ検出することで、カード120の存在を検出する。したがって、カード120が全面にわたって透光性を有するようなスケルトンカードであっても、第1〜第3カード検知部180、182、184でカード120が検出できないという不具合は生じない。
第1搬送路150の上面(第2ユニット242の下面)には、一対の第10貫通孔262a、262b、一対の第11貫通孔264a、264b、一対の第12貫通孔266a、266bと、第13貫通孔268が形成されている。一対の第10貫通孔262a、262bは、それぞれ略矩形状を有し、底面152に形成された一対の第3貫通孔164a、164bに相対して形成されていて、それらの内部には第3搬送ローラ装置306の一対のローラ306a、306bが配置されている。一対の第11貫通孔264a、264bは、それぞれ略矩形状を有し、底面152に形成された一対の切欠172a、172bに相対して形成されていて、その内部には一対の第4搬送ローラ装置308の一対のローラ308a、308bが配置されている。
一対の第12貫通孔266a、266bは、それぞれ略矩形状を有し、第1貫通孔160に相対して形成されている。一対の第12貫通孔266a、266bには、一対の支持部270a、270bが配置され、磁気ヘッド244と一対の支持部270a、270bとによってカード120を挟持するようになっている。第13貫通孔268は、略矩形状を有し、底面152に形成された第2貫通孔162に相対して形成されている。第13貫通孔268には支持部272が挿入され、支持部246と共働してカード120を挟持するようになっている。
(振分部)
次に、振分部106について図1〜図10を参照して詳細に説明する。
振分部106は、第1搬送路150と第2挿入部110との間の通路を閉鎖して、回収対象のカード120を回収口114に誘導する機能を有している。振分部106は、第1搬送路150と第2挿入口110との間の通路を連通させる第3位置P3と、同通路を閉鎖する第4位置P4の間を往復動する振分部材400と、振分部材400が第3位置P3と第4位置P4のいずれに位置するかを検出する状態検知部424と、振分部材400を第3位置P3と第4位置P4の間で回動させる切替機構410とを有している。
以下の説明では、各々の方向(つまりX軸、Y軸、Z軸)は、振分部材400が第3位置P3に位置する場合を基準とする。
振分部材400は、Y−Z平面に平行な断面形状が略H字形状を有しており、X軸方向に延在する一対の長辺を持つ一対の側壁400b、400cと、一対の側壁400b、400cの間を連結するウェブ400aとを備えている。一対の側壁400b、400cの後方の端部(第1搬送路150とは反対側の端部)は、後述される搬送機構112の第5搬送ローラ装置310の第5回転軸322に回転可能に固定されており、振分部材400が第5回転軸322を中心として第3位置P3と第4位置P4との間を回動可能になっている。
振分部材400のウェブ400aの表面側には、カード120をX軸に沿って搬送する第2搬送路402が構成されている。第2搬送路402は、第1搬送路150と同様に、Y−Z平面に平行な断面(垂直断面)の形状が、カード120の一対の短辺と厚みよりもわずかに大きい略矩形状を有している。第2搬送路402の底面402aは、ウェブ400aによって形成されている。第2搬送路402の一対の側面402c、402dは、ウェブ400aの表面側の一対の側壁400bによって形成されている。さらに、底面402aの上方には、底面402aに平行な上面402bが配置されている。振分部材400が第3位置P3に位置する時、第2搬送路402の底面402aは、第1搬送路150の底面152を略面一になるように構成されている。こうして、X軸に沿って搬送されるカード120が、第1搬送路150と第2搬送路402との間を滑らかに移動できるようにしている。
第2搬送路402の上面402bには、カード120に搭載された非接触式のICチップ124のICデータの読み込みと書き込みを行うアンテナ440が配置されている。アンテナ440は、X軸に沿ったICチップの軌跡上に配置され、カード120が第1および第2搬送路150、402をX軸に沿って搬送され、ICチップがアンテナ440に到達した時に、制御部146から出力されるICデータ読取制御信号IDRに基づいてICチップからICデータを読み取り、ICデータ書込制御信号IDWに基づいてICチップにデータを書き込む。
振分部材400のウェブ400aの裏面側には、カード120を回収口114に案内する回収路404が形成されている。振分部材400のウェブ400aの裏面には、その第2挿入部110の側の端部に、回収口114に向かって突出して形成された一対の案内部材406が形成されている。一対の案内部材406は、第1搬送路150の側の端面406aが、凹状の曲面もしくは傾斜面に形成されている。これにより、第1搬送路150から回収路404に誘導されたカード120の搬送方向の先端部が、案内部材406の端面406aに当接すると共に、端面406aの表面に沿って回収口114に向かって案内される。
フレーム130の第1サイドプレート132の側には、図3に示すように、振分部材400を第3位置P3と第4位置P4との間で回動させる切替機構410が配置されている。切替機構410は、駆動源である第2ソレノイド412と、第2ソレノイド412に連結されたプッシュバー418と、プッシュバー418を介して伝達された第2ソレノイド412の駆動力を振分部材400に伝達するリンク部材420と、振分部材400に設けられ且つリンク部材420に連結された被動部材422とを有している。
第2ソレノイド412は、コイル(図示されない)と固定鉄心(図示されない)が収納されたフレーム412aと、フレーム412aに挿入されるプランジャ414と、プランジャ414をフレーム412aから突出する方向に付勢するバネ416とを有している。第2ソレノイド412が励起されると、バネ416の付勢力に逆らってプランジャ414がフレーム412aの内部に吸引される。第2ソレノイド412が消磁されると、バネ416の付勢力によってプランジャ414がフレーム412aから押し出される。このように、第2ソレノイド412としては、プランジャ414が往復駆動される、所謂プルソレノイドが用いられている。第2ソレノイド412は、プランジャ414がほぼX軸に沿って往復移動するように配置されると共に、ブラケットを介して第1サイドプレート132に固定されている。
プッシュバー418は、略直線状の形状を有しており、プランジャ414が往復動する方向(ほぼX軸方向)に沿って配置されると共に、一方の端部がプランジャ414のフレームから突出している部分に連結されている。したがって、プッシュバー418は、プランジャ414の往復動に連動して、ほぼX軸に沿って往復動する。一方、プッシュバー418のプランジャ414が連結された側とは反対側の端部には、リンク部材420が連結されているので、第2ソレノイド412の駆動力がプッシュバー418を介してリンク部材420に伝達される。
リンク部材420は、ほぼ鈍角三角形の形状を有する板状部材で構成されており、内心部を中心に回動可能に第1サイドプレート132に係止されている。リンク部材420の鋭角を有する一対の頂点の一方の端部には、プッシュバー418が互いに回動可能に連結されている。リンク部材420の当該端部とは反対側の端部には、ローラが配置されており、振分部材400に設けられた被動部材422に連結されている。これによって、第2ソレノイド412の駆動力が、プッシュバー418とリンク部材420を介して被動部材422に伝達される。
被動部材422は、振分部材400の側壁の回収路404側の端部に設けられている。被動部材422は、断面形状が略L字形状を有していて、側壁からY軸に沿って突出する第1突出部と、第1突出部の側壁とは反対側の端部から第1突出部に対して直角にZ軸に沿って延在する第2突出部と、第2突出部に形成された貫通孔とを有している。貫通孔は、略「ヘ」の字状に形成され、その頂点が第2突出部の第1挿入部102の側に配置され、その後端部が頂点からX軸とZ軸に沿って配置されている。貫通孔には、リンク部材420のローラが挿入されていて、貫通孔の内部を往復動可能となっている。
次に、振分部106の動作について詳細に説明する。
第2ソレノイド412が待機状態、つまり消磁されている場合、プランジャ414はバネ416の付勢力によってフレームから引き出されている。プッシュバー418は、プランジャ414によってX軸に沿って押動されると共に、リンク部材420の端部をX軸に沿って押動する。リンク部材420は、端部のX軸へ移動に伴い、内心を中心として第2回転方向R2に回転する。リンク部材420の第2回転方向R2への回転に伴い、端部が前方に向かって移動する。これに伴い、振分部材400は第3位置P3に移動する。
第2ソレノイド412が励磁された場合、プランジャ414はバネ416の付勢力に逆らってフレーム内に吸引される。換言すれば、プランジャ414が前方に移動する。プランジャ414の移動に伴い、プッシュバー418が前方に移動すると共に、リンク部材420の端部が前方に向かって移動する。これに伴い、リンク部材420が第1回転方向R1に回転し、当該端部が後方に向かって移動する。当該端部の移動に伴い、振分部材400は第3位置P3から第4位置P4に移動する。
フレーム130の第2サイドプレート134側には、図4に示すように、振分部材400が第3位置および第4位置P3、P4のいずれに位置しているかを検出する状態検知部424が配置されている。状態検知部424は、一対の被検知部428、432と、一対の被検知部428、432のそれぞれを検出する一対のセンサ426、430とを有している。一対の被検知部428、432のそれぞれは、振分部材400の側壁からY軸に沿って突出する板状部材から構成されている。一対のセンサ426、430としては、略コの字状の箱体の先端に互いに相対するように投光器と受光器とが配置された、溝型の透過型フォトセンサが用いられている。一対のセンサ426、430は、第2サイドプレート134からY軸に沿って突出すると共に、X軸に延在するブラケットに固定されており、被検知部428に対応する位置にセンサ426が配置され、被検知部432に対応する位置にセンサ430が配置されている。
振分部材400が第3位置P3に位置する場合、一対の被検知部428、432は、それぞれ、一対のセンサ426、430の溝部に挿入されるように構成されている。そのため、振分部材400が第3位置P3に位置する場合、一対のセンサ426、430のそれぞれの投光器から受光器への光軸が一対の被検知部428、432によって遮られ、その結果、一対のセンサ426、430の受光器が受光する受光量が減少する。一方、振分部材400が第4位置P4に位置する場合、一対の被検知部428、432のそれぞれは、一対のセンサ426、430の溝部から退出するように構成されている。そのため、振分部材400が第4位置P4に位置する場合、一対のセンサ426、430のそれぞれの投光器から受光器への光軸は一対の被検知部428、432によって遮られず、その結果、一対のセンサ426、430の受光器が受光する受光量は、振分部材400が第3位置P3に位置する場合よりも増加する。一対のセンサ426、430の受光器が受光する受光量の変化を検出することによって、振分部材400第3および第4位置P3、P4のいずれかに位置するかが検出される。
(第2挿入部)
次に、第2挿入部110について、図1〜図10を参照して説明する。
第2挿入部110は、図2に明瞭に示すように、搬送経路118に対して第1挿入部102とは反対側の端部に設けられている。第2挿入部110は、複数枚のカード120を収納し、当該カード120を1枚ずつ払い出すカード払い出し機(図示されない)などに連通され、前記カード払い出し機から払い出されたカード120を搬送経路118に案内する機能を有している。
第2挿入部110は、第2ステー138の上部に配置されている。第2挿入部110は、カード120の厚みよりわずかに大きい間隔で相対して配置された第1部材500および第2部材502と、第2カード挿入口110aから挿入されたカード120を検出する第4カード検知部506とを有している。
第1部材500は、略矩形状のステー部500aと、ステー部500aに対して垂直な関係を有すると共にステー部500aの一対の長辺と平行な一対の長辺を有する略矩形状の案内部500bと、ステー部500aの一対の長辺の一方と案内部500bの一対の長辺の一方とを接続するテーパー部500cと、案内部500bの他方の長辺から連続的に設けられたテーパー部500dとを有している。第2部材502は、第1部材500と同様の構成であり、ステー部502a、案内部502b及びテーパー部502c、502dを有している。第2部材502は、第1部材500の下方に配置され、第1部材500の案内部502bと第2部材502の案内部502bの間がカード120の厚みよりわずかに大きい間隔を有するように、案内部500bと案内部502bが互いに相対して配置されている。
第2ステー138のフランジ部138bには、案内部500bと案内部502bとの間に設けられた隙間518(図12参照)と略同じ高さに、矩形状の貫通孔504が形成されている。貫通孔504には、詳細は後述される第4カード検知部506のローラ508が配置されている。貫通孔504は、X軸方向の長さがローラ508の直径より大きく、Z軸方向の長さがローラ508の厚みより大きく形成されている。
第4カード検知部506は、第1〜第3カード検知部180、182、184と基本的に同じ構成を有しており、ローラ508、センサ510およびねじりバネ516を備えて構成されている。ローラ508は、円盤状または円筒状の回転体から構成され、上面および下面の円形面の中心に軸孔508aを有している。軸孔508aには、ねじりバネ516の第1軸518aが挿入されていて、ローラ508は第1軸518aを中心として回転可能である。ねじりバネ516は、第1軸518aと第2軸518bとによって略L字形状に形成されており、第1軸518aはZ軸方向に延在し、第2軸518bは第4ステー148にネジなどによって固定されている。ローラ508は、貫通孔504に配置されると共にねじりバネ516によって隙間518に向かって付勢されており、第2挿入部110に対して進退可能に構成されている。待機位置P5dにあるローラ508は、ローラ508の側面と第2ステー138のフランジ138aとの間の最小間隔がカード120の一対の短辺より小さくなるように構成されている。
センサ510としては、溝部512を有する略コの字状の箱体の先端に互いに相対するように投光器と受光器とが配置された、溝型の透過型フォトセンサが用いられている。センサ510は、第2挿入口110と反対側、つまり第2サイドプレート134の外側で、貫通孔512に対応して設けられたブラケットを介して、第2ステー138のフランジ138bに固定されている。センサ510は、その投光器から受光器に照射される光の光軸514がZ軸に平行であり、溝部512にはローラ508が進入可能に配置されている。センサ510は、常態ではローラ508によって光軸514が遮断されず、ローラ508が第1搬送路150から退出すると、光軸194aが遮断されるように配置されている。
前述したように、ローラ508の側面と第2ステー138のフランジ138aとの最小間隔は、カード120の一対の短辺より小さくなるように構成されているため、ローラ508はカード120の側面と接触し、Y軸に沿って押動されて第2挿入口110から退出できるように構成されている。したがって、カード120が第4カード検知部506に達すると、ローラ508は、カード120の側面によってY軸に向かって押動され、その結果、センサ510の溝部512に進入して光軸514を遮断する。センサ510は、ローラ508によって光軸514が遮断されると、第4検出信号SS4を出力する。制御部146に第4検出信号SS4が入力されると、第4カード検知部506でカード120が検出されたと判断される。すなわち、カード120は、ローラ186aを介してセンサ190aで間接的に検出される。したがって、カード120が全面にわたって透光性を有するようなスケルトンカードであっても、第4カード検知部506でカード120が検出できないという不具合は生じない。
なお、本実施形態の第2挿入部110は、第1および第2部材500、502によって構成されているが、これに限定されるものではない。第1挿入部102は、カード120よりわずかに大きい略矩形状の貫通孔を設けた柱状部材で構成されても構わない。また、第1および第2サイドプレートを接続する平板状ステーに、カード120よりわずかに大きい略矩形状の貫通孔を設けても構わない。
(搬送機構)
次に、搬送機構112について、図1、図3、図5〜図9および図12を参照しながら説明する。
搬送機構112は、搬送経路118上のカード120をX軸に沿って搬送する機能を有している。搬送機構112は、搬送機構112を駆動するモータ300と、互いに相対して配置された、カード120を挟持しながら搬送する第1および第3搬送ローラ装置302、306、第2および第4搬送ローラ装置304、308、および第5および第6搬送ローラ装置310、312と、モータ300の駆動力を第1〜第6搬送ローラ装置302、304、306、308、310、312に伝達する駆動連結部326とを有している。
モータ300は、第1および第2サイドプレート132、134の間、すなわちフレーム130の内部に配置されており、その回転軸300aがY軸に平行とされている。回転軸300aの先端は、第1サイドプレート132に形成された貫通孔からY軸に沿って突出している。
第1搬送ローラ装置302は、一対のローラ302a、302bと、一対のローラ302a、302bが同軸で固定される第1回転軸314とを有している。一対のローラ302a、302bは、搬送経路118のY軸方向の両端(両側端)において、第1回転軸314に固定されている。第1回転軸314は、Y軸に平行に配置されており、ローラ302aが固定された端部とは反対側の端部は第1サイドプレート132に形成された貫通孔からY軸に沿って搬送経路118の外部に向かって突出している。
第2および第5搬送ローラ装置304、310は、第1搬送ローラ装置302と同様の構成を有している。第2搬送ローラ装置304は、一対のローラ304a、304bと、一対のローラ304a、304bが同軸で固定される第2回転軸316とを有している。一対のローラ304a、304bは、搬送経路118のY軸方向の両端(両側端)において、第2回転軸316に固定されている。第2回転軸316は、Y軸に平行に配置されており、ローラ304aが固定された端部とは反対側の端部は第1サイドプレート132に形成された貫通孔からY軸に沿って搬送経路118の外部に向かって突出している。また、第5搬送ローラ装置310は、一対のローラ310a、310bと、一対のローラ310a、310bが同軸で固定される第5回転軸322とを有している。一対のローラ310a、310bは、搬送経路118のY軸方向の両端(両側端)において、第5回転軸322に固定されている。第5回転軸322は、Y軸に平行に配置されており、ローラ310aが固定された端部とは反対側の端部は第1サイドプレート132に形成された貫通孔からY軸に沿って搬送経路118の外部に向かって突出している。
第3、第4および第6搬送ローラ装置306、308、312は、それぞれ、第1、第2および第5搬送ローラ装置302、304、310の上方において相対して配置されると共に、第1、第2および第5搬送ローラ装置302、304、310に向かって付勢されている。第3搬送ローラ装置306は、第1搬送ローラ装置302の上方において、一対のローラ306a、306bが第1搬送ローラ装置302の一対のローラ302a、302bと相対して配置され、Y軸に平行に配置された第3回転軸318の両端に一対のローラ306a、306bが固定されている。第4搬送ローラ装置308は、第3搬送ローラ装置306と同様に、第2搬送ローラ装置304の上方において、一対のローラ308a、308bが第2搬送ローラ装置304の一対のローラ304a、304bと相対して配置され、Y軸に平行に配置された第4回転軸320の両端に一対のローラ308a、308bが固定されている。第6搬送ローラ装置312は、第3および第4搬送ローラ装置306、308と同様に、第5搬送ローラ装置310の上方において、一対のローラ312a、312bが第5搬送ローラ装置310の一対のローラ310a、310bと相対して配置され、Y軸に平行に配置された第6回転軸324の両端に一対のローラ312a、312bが固定されている。
第1搬送ローラ装置302と第3搬送ローラ装置306、第2搬送ローラ装置304と第4搬送ローラ装置308、および第5搬送ローラ装置310と第6搬送ローラ装置312は、それぞれが相対して配置されている。また、第3搬送ローラ装置306、第4搬送ローラ装置308および第6搬送ローラ装置312が、それぞれ、第1搬送ローラ装置302、第2搬送ローラ装置304および第5搬送ローラ装置310に向かって付勢されている。このため、カード120は、第1搬送ローラ装置302と第3搬送ローラ装置306、第2搬送ローラ装置304と第4搬送ローラ装置308、および第5搬送ローラ装置310と第6搬送ローラ装置312の間で挟持されることになる。
駆動連結部326は、第1〜第8ギヤ328、330、332、334、336、338、340、342と、モータ300の駆動力を第1〜第8ギヤ328、330、332、334、336、338、340、342に伝達する第1〜第3無端ベルト344、346、348とを有している。第1〜第6ギヤ328、330、332、334、336、338は、モータ300の回転軸300aおよび第1、第2、第5回転軸314、316、322の第1サイドプレート132から外方に突出している先端部に、それぞれ固定されている。第1および第2ギヤ328、330は、モータ300の回転軸300aに固定されている。第3および第4ギヤ332、334は、第2搬送ローラ装置304の第2回転軸316に固定されている。第5ギヤ336は、第1搬送ローラ装置302の第1回転軸314に固定されている。第6ギヤ338は、第5搬送ローラ装置310の第5回転軸322に固定されている。したがって、駆動連結部326は、モータ300の回転軸300aの回転に伴って第1および第2ギヤ328、330が回転し、第3および第4ギヤ332、334の回転に伴って第2搬送ローラ304が回転し、第5ギヤ336の回転に伴って第1搬送ローラ装置302が回転し、第6ギヤ338の回転に伴って第5搬送ローラ装置310が回転するように構成されている。
第1ギヤ328と第3ギヤ332の間には、第1無端ベルト344が張架されている。第1無端ベルト344の内周面には、略全周にわたって第1および第3ギヤ328、332の歯部と噛み合う歯部が形成されている。モータ300が起動されて第1ギヤ328が回転すると、その駆動力が第1無端ベルト344に伝達され、第1無端ベルト344が走行する。第1無端ベルト344が走行すると、その駆動力が第3ギヤ332に伝達され、第3ギヤ332が回転する。これによって、モータ300の駆動力が第1ギヤ328、第1無端ベルト344、第3ギヤ332を介して第2回転軸316に伝達されて第2回転軸316が回転し、それに伴い第4ギヤ334および第2搬送ローラ装置304が回転する。
第4ギヤ334と第5ギヤ336との間には、第2無端ベルト346が張架されている。第2無端ベルト346の内周面には、第1無端ベルト344と同様に、略全周にわたって第4および第5ギヤ334、336の歯部と噛み合う歯部が形成されている。第4ギヤ334が回転すると、その駆動力が第2無端ベルト346に伝達され、第2無端ベルト346が走行する。第2無端ベルト346が走行すると、その駆動力が第5ギヤ336に伝達され、第5ギヤ336が回転する。これによって、モータ300の駆動力が第1ギヤ328、第1無端ベルト344、第3ギヤ332、第4ギヤ334、第2無端ベルト346、第5ギヤ336を介して第1回転軸314に伝達されて第1回転軸314が回転し、それに伴い第1搬送ローラ装置302が回転する。
第2ギヤ330と第6ギヤ338との間には、第3無端ベルト348が張架されている。第3無端ベルト348の内周面には、第1無端ベルト344と同様に、略全周にわたって第2および第6ギヤ330、338の歯部と噛み合う歯部が形成されている。モータ300が起動されて第2ギヤ330が回転すると、その駆動力が第3無端ベルト348に伝達され、第3無端ベルト348が走行する。第3無端ベルト348が走行すると、その駆動力が第6ギヤ338に伝達され、第6ギヤ338が回転する。これによって、モータ300の駆動力が第2ギヤ330、第3無端ベルト348、第6ギヤ338を介して第5回転軸322に伝達されて第5回転軸322が回転し、それに伴い第5搬送ローラ装置310が回転する。
第1および第2無端ベルト344、346の内側には、第7および第8ギヤ340、342がそれぞれ配置されている。第7および第8ギヤ340、342は、それぞれ、第1および第2無端ベルト344、346の張力を調整する機能を有している。第7および第8ギヤ340、342は、第1サイドプレート132にZ軸に沿って移動可能に固定されている。第1および第2無端ベルト344、346のそれぞれの張力の増減に伴って、第7および第8ギヤ340、342のそれぞれを上下動させ、第1および第2無端ベルト344、346の張力を調整することにより、駆動連結部326の空回りが防止される。
なお、本実施形態のカード処理装置100において、駆動連結部326は第1〜第8ギヤ328、330、332、334、336、338、340、342および第1〜第3無端ベルト344、346、348を含んで構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、モータ300の回転軸300a、第1回転軸314、第2回転軸316および第5回転軸324の間をベベルギヤおよびシャフトによって駆動連結しても構わない。また、第1〜第8ギヤ328、330、332、334、336、338、340、342の代わりにローラを使用し、歯部を有さない無端ベルトで駆動連結しても構わない。
(制御部)
カード処理装置100の制御部146は、図19のような構成を持つ。すなわち、制御部146は、MPU、RAM、ROMからなるマイクロコンピュータから構成され、外部装置1の指令を受けて動作する。制御部146は、磁気ヘッド244、アンテナ440、第1及び第2ソレノイド232、412、そしてモータ300を制御する。また、第1〜第4カード検知部180、182、184、506からの出力信号を受けて、搬送経路118内でのカード120の搬送を制御する。
(カード搬送制御)
次に、カード処理装置100の制御部146によるカード搬送制御について、図14〜図22を参照しながら説明する。
以下では、本発明に関連するカード120の搬送制御を中心に説明し、カード120が有する磁気ストライプおよびICチップに対する磁気データおよびICデータの読み取りおよび書き込み処理については、公知であるから、説明を省略する。
まず、カード120が第1挿入口102からカード処理装置100に取り込まれる場合について図14、図15および図20を参照しながら説明する。
カード処理装置100が待機状態の場合、図14(a)に示されるように、第1〜第4カード検知部180、182、184、506では、ローラ186a、186b、186c、508は、センサ190a、190b、190c、510の光軸194a、194b、194b、514を遮光しない待機位置P5a、P5b、P5c、P5dに保持されている。
カード処理装置100が待機状態の時に、第1カード挿入口102aからカード120が挿入されると、図14(b)に示されるように、第1カード検知部180のローラ186aは、カード120の側面によってY軸に沿って外方に押動されて移動位置P6aに移動し、第1カード検知部180のセンサ190aの光軸194aを遮光する。換言すれば、第1カード検知部180がON状態に遷移する(図20のステップS1)。これにより、第1カード検知部180はカード120を検出し、第1検出信号SS1を制御部146に出力する。制御部146は、第1検出信号SS1が入力されると、カード120が挿入されたと判断し、第1駆動制御信号DS1を出力する。第1駆動制御信号DS1に基づいてモータ300が正転駆動され、それに伴い第1、第2および第5搬送ローラ装置302、304、310がカード120を後方に搬送する方向(正転方向)に回転する(図20のステップS2)。これにより、カード120はX軸に沿って後方に搬送される。
カード120が第2カード検知部182まで搬送されると、図14(c)に示されるように、第2カード検知部182のローラ186bは、カード120の側面によってY軸に沿って外方に押動されて移動位置P6bに移動し、第2カード検知部182のセンサ190bの光軸194bを遮光する。換言すれば、第2カード検知部182がON状態に遷移する(図20のステップS3)。これにより、第2カード検知部182はカード120を検出し、第2検出信号SS2を出力する。この時、第1カード検知部180はカード120を検出し続けているので、第1検出信号SS1の出力は継続される。これにより、制御部146には第1および第2検出信号SS1、SS2が入力される。
カード120が第3カード検知部184まで搬送されると、図14(d)に示されるように、第3カード検知部184のローラ186cは、カード120の側面によってY軸に沿って外方に押動されて移動位置P6cに移動し、第3カード検知部184のセンサ190cの光軸194cを遮光する。換言すれば、第3カード検知部184がON状態に遷移する(図20のステップS4)。これにより、第3カード検知部184はカード120を検出し、第3検出信号SS3を出力する。この時、第1および第2カード検知部180、190のそれぞれはカード120を検出し続けているので、第1および第2検出信号SS1、SS2のそれぞれの出力は継続される。これにより、制御部146には第1〜第3検出信号SS1、SS2、SS3が入力される。
さらにカード120が後方に搬送され、カード120の前端部が第1カード検知部180より後方に移動すると、図15(a)に示されるように、第1カード検知部180のローラ186aは、カード120の側面による押動状態が解除され、第1カード検知部180のセンサ190aの光軸194aを遮光しない待機位置P5aに移動する。換言すれば、第1カード検知部180がOFF状態に遷移する(図20のステップS5)。これにより、第1カード検知部180はカード120を検出せず、第1検出信号SS1の出力を停止する。この時、第2および第3カード検知部182、184はカード120を検出し続けるので、第2および第3検出信号SS2,SS3の出力は継続される。これにより、制御部146には、第1検出信号SS1の入力が停止され、第2および第3検出信号SS2,SS3の入力が継続される。
カード120がさらに後方に搬送され、カード120の前端部が第2カード検知部182より後方に移動すると、図15(b)に示されるように、第2カード検知部182のローラ186bは、カード120の側面による押動状態が解除され、第2カード検知部182のセンサ190bの光軸194bを遮光しない待機位置P5bに移動する。換言すれば、第2カード検知部182がOFF状態に遷移する(図20のステップS6)。これにより、第2カード検知部182はカード120を検出せず、第2検出信号SS2の出力を停止する。この時、第3カード検知部184はカード120を検出し続けているので、第3検出信号SS3の出力は継続される。これにより、制御部146には、第2検出信号SS2の入力が停止され、第3検出信号SS3の入力が継続される。
カード120がさらに後方に搬送され、カード120の前端部が第3カード検知部184より後方に移動すると、図15(c)に示されるように、第3カード検知部184のローラ186cは、カード120の側面による押動状態が解除され、第3カード検知部184のセンサ190cの光軸194cを遮光しない待機位置P5cに移動する。換言すれば、第3カード検知部184がOFF状態に遷移する(図20のステップS7)。これにより、第3カード検知部184はカード120を検出せず、第3検出信号SS3の出力を停止し、制御部146対する第3検出信号SS3の入力が停止される。制御部146は、第1〜第3検出信号SS1、SS2、SS3のいずれも入力されなくなると、カード120の後方への搬送が完了したと判断し、第1駆動制御信号DS1の出力を停止し、モータ300の駆動を停止する(図20のステップS8)。こうして、第1カード挿入口102aから挿入されたカード120のカード処理装置100への取り込み処理が終了する。
次に、第2カード挿入口110aからカード120がカード処理装置100に取り込まれる場合について、図16を参照しながら詳細に説明する。
カード処理装置100が待機状態の時(図16(a)を参照)に、第2カード挿入口110aからカード120が挿入されると、図16(b)に示されるように、第4カード検知部506のローラ508は、カード120の側面によってY軸に沿って外方に押動されて移動位置P6dに移動し、第4カード検知部506のセンサ510の光軸514を遮光する。換言すれば、第4カード検知部506がON状態に遷移する(図21のステップS11)。これにより、第4カード検知部506は、カード120を検出し、第4検出信号SS4を出力する。制御部146は、第4検出信号SS4が入力されると、第2挿入口110にカード120が挿入されたと判断し、第2駆動制御信号DS2を出力する。第2駆動制御信号DS2に基づいてモータ300が逆転駆動され、それに伴い第1、第2および第5搬送ローラ装置302、304、310がカード120を前方に向かって搬送する方向(逆転方向)に回転する(図21のステップS12)。これにより、カード120は−前方に搬送される。
カード120が前方に搬送され、カード120の前端部が第4カード検知部506より前方に移動すると、図16(c)に示されるように、第4カード検知部506のローラ508は、カード120の側面による押動状態が解除され、第4カード検知部506のセンサ510の光軸514を遮光しない待機位置P5dに移動する。換言すれば、第4カード検知部506がOFF状態に遷移する(図21のステップS13)。これにより、第4カード検知部506は、カード120を検出せず、第4検出信号SS4の出力を停止するので、制御部146に対する第4検出信号SS4の入力が停止される。
さらにカード120が前方に搬送され、カード120が第3カード検知部184まで搬送されると、図16(c)に示されるように、第3カード検知部184がON状態に遷移する(図21のステップS13)。これにより、第3カード検知部184は、カード120を検出し、第3検出信号SS3を出力する。制御部146は、第3検出信号SS3が入力されると、カード120がICデータ読取書込部108まで搬送されたと判断し、第1駆動制御信号DS1を出力する。第1駆動制御信号DS1に基づいてモータ300の駆動を逆転駆動から正転駆動に切り替え、カード120を後方に向けて搬送する(図21のステップS14)。
カード120の前端部が第3カード検知部184より後方に移動すると、図16(d)に示されるように、第3カード検知部184がOFF状態に遷移する(図21のステップS15)。これにより、第3カード検知部184はカード120を検出せず、第3検出信号SS3の出力を停止する。制御部146は、第3検出信号SS3の入力が停止されると、カード120の搬送が完了したと判断し、第1駆動制御信号DS1の出力を停止し、モータ300の駆動を停止する(図21のステップS16)。こうして、第2挿入口110aから挿入されたカード120のカード処理装置100への取り込み処理が終了する。
次に、カード処理装置100に取り込まれたカード120の排出処理について、図17および図18を参照しながら説明する。
カード処理装置100に取り込まれたカード120は、図17(a)に示されるように、第1〜第4カード検知部180、182、184、506のいずれにも検出されずに、搬送経路118上に保持されている。カード処理装置100のカード排出処理が実行されると、制御部146は第2駆動制御信号DS2を出力する。第2駆動制御信号DS2に基づいて、モータ300が逆転駆動され、それに伴い第1、第2および第5搬送ローラ302、304、310が逆転方向に回転する(図22のステップS21)。これにより、カード120は前方に向かって搬送される。
カード120が第3カード検知部184まで搬送されると、図17(b)に示されるように、第3カード検知部184はON状態に遷移する(図22のステップS22)。これにより、第3カード検知部184は、カード120を検出し、第3検出信号SS3を出力し、制御部146には第3検出信号SS3が入力される。
カード120が第2カード検知部182まで搬送されると、図17(c)に示されるように、第2カード検知部182はON状態に遷移する(図22のステップS23)。これにより、第2カード検知部182は、カード120を検出し、第2検出信号SS2を出力する。この時、第3カード検知部184はカード120を検出し続けているので、第3検出信号SS3の出力が継続される。これにより、制御部146には第2および第3検出信号SS2、SS3が入力される。
カード120が第1カード検知部180まで搬送されると、図17(d)に示されるように、第1カード検知部180はON状態に遷移する(図22のステップS24)。これにより、第1カード検知部180は、カード120を検出し、第1検出信号SS1を出力する。この時、第2および第3カード検知部182、184はカード120を検出し続けているので、第2および第3検出信号SS2、SS3の出力が継続される。これにより、制御部146には第1〜第3検出信号SS1、SS2、SS3が入力される。
カード120がさらに前方に向かって搬送され、カード120の後端部が第3カード検知部184より前方に移動すると、図18(a)に示されるように、第3カード検知部184はOFF状態に遷移する(図22のステップS25)。これにより、第3カード検知部184はカード120を検出せず、第3検出信号SS3の出力を停止する。この時、第1および第2カード検知部180、190はカード120を検出し続けるので、第1および第2検出信号SS1、SS2の出力は継続される。これにより、制御部146に対する第3検出信号SS3の入力が停止され、第1および第2検出信号SS1、SS2の入力が継続される。
カード120がさらに前方に向かって搬送され、カード120の後端部が第2カード検知部182より前方に移動すると、図18(b)に示されるように、第2カード検知部182はOFF状態に遷移する(図22のステップS26)。これにより、第2カード検知部182はカード120を検出せず、第2検出信号SS2の出力を停止する。この時、第1カード検知部180はカード120を検出し続けているので、第1検出信号SS1の出力は継続される。これにより、制御部146に対する第2検出信号SS2の入力が停止され、第1検出信号SS1の入力が継続される。
制御部146は、第1〜第3検出信号SS1、SS2、SS3がすべて入力される状態から、第3検出信号SS3および第2検出信号SS2の入力が順次停止され、第1検出信号SS1のみ入力されるようになると、カード120の搬送が完了したと判断し、第2駆動制御信号DS2の出力を停止し、モータ300の駆動を停止する(図22のステップS27)。したがって、カード処理装置100に取り込まれたカード120の第1カード挿入口102aへの排出処理が終了する。
なお、カード120が第1カード挿入口102aから引き抜かれると、第1検出信号SS1の入力も停止されるので、制御部146は、カード120が第1カード挿入口102aから引き抜かれたと判断する。
以上詳細に説明したように、本発明の第1実施形態に係るカード処理装置100では、搬送経路118内の第1カード挿入口102aに隣接する第1位置に第1カード検知部180を設け、搬送経路118内において搬送経路118に沿って後方に第1カード検知部180から所定距離だけ離れた第2位置に第2カード検知部182を設け、搬送経路118内において搬送経路118に沿って後方に第2カード検知部182から所定距離だけ離れた第3位置に第3カード検知部184を設けており、第1〜第3カード検知部180、182、184からそれぞれ送出される第1〜第3信号に基づいて制御部146によって搬送機構112を制御するようにしている。また、第1〜第3カード検知部180、182、184の各々は、搬送経路118を搬送されているカード120が接触することによって待機位置P5a、P5b、P5cから移動位置P6a、P6b、P6cへ変位するローラ186a、186b、186c(可動部材)と、ローラ186a、186b、186c(可動部材)の待機位置P5a、P5b、P5cから移動位置P6a、P6b、P6cへの変位を感知するセンサ190a、190b、190cとを有していて、制御部146が、第1〜第3カード検知部180、182、184からの出力信号(第1〜第3信号)のいずれがカード検出またはカード非検出を伝える信号であるかに応じて、カード120の第1カード挿入口102aからの挿入の有無と搬送経路118上でのカード120の位置を判断する。
したがって、挿入されるカード120が不透明な箇所(例えば情報記憶部)を有するか否かに関わらず、また、挿入されるカード120が不透明な箇所(例えば情報記憶部)を有している場合は、そのカード120中での形成位置に関わらず、カード処理装置100へのカード挿入の有無とカード処理装置100内でのカード位置とを確実に検出することができる。
また、使用するカード120について、不透明な箇所(例えば情報記憶部)の有無とその形成位置についての制約をなくすことができる。
さらに、カード120の挿入の有無および装置100内でのカード120の位置を検出する検出手段を、カード120の搬送やカード120に対する処理(例えば、情報の読み取り及び書き込み)に支障を生じることなく、簡単な構成で実現することができる。
さらに言えば、搬送経路118内の前記第1〜第3位置にそれぞれ第1〜第3カード検知部180、182、184を設けると共に、第1〜第3カード検知部180、182、184の各々が、搬送経路118を搬送されているカード120が接触することによって待機位置P5a、P5b、P5cから移動位置P6a、P6b、P6cへ変位するローラ186a、186b、186c(可動部材)と、ローラ186a、186b、186c(可動部材)の待機位置P5a、P5b、P5cから移動位置P6a、P6b、P6cへの変位を感知するセンサ190a、190b、190cとを有しているため、カード120の挿入の有無および装置100内でのカード120の位置の検出を、カード120の搬送やカード120に対する処理(例えば、情報の読み取り及び書き込み)に支障を生じることなく、簡単な構成で実現することができる。
しかも、本第1実施形態では、第2カード挿入口110aの側に、第4カード検知部506を設けており、4カード検知部506を、搬送経路118を搬送されているカード120が接触することによって待機位置P5dから移動位置P6dへ変位するローラ508(可動部材)と、ローラ508の待機位置P5dから移動位置P6dへの変位を感知するセンサ510によって構成しているので、第2カード挿入口110aから挿入されるカード120も、搬送経路118を搬送することが可能である。
また、第1〜第4カード検知部180、182、184、506は、カード120の側面で外方に向かって押動された第1〜第4カード検知部180、182、184、506のローラ186a、186b、186c、508が、対応するセンサ190a、190b、190c、510の光軸194a、194b、194c、514を遮光することによって生じる光量の変化を、センサ190a、190b、190c、510の受光部が検出することにより、カード120を検出するようになっている。換言すれば、カード120は、第1〜第4カード検知部180、182、184、506のローラ186a、186b、186c、508を介して、対応するセンサ190a、190b、190c、510によって間接的に検出される。このため、カード120の種類、つまり、カード120の不透光部の有無や不透光部の位置によって、第1〜第4カード検知部180、182、184、506の配置を変更する必要がない。さらに、カード120が全体的に透光性を有するスケルトンカードであっても、第1〜第4カード検知部180、182、184、506で検出できる。また、カード120の側面で押動される部材がローラ186a、186b、186c、508で構成されているため、カード120の搬送が第1〜第4カード検知部180、182、184、506で阻害されることなく、カード120を後方だけでなく前方へも滑らかに搬送することができる。
(第2実施形態)
図24は、本発明の第2実施形態に係るカード処理装置の第1カード検知部を示す。本第2実施形態では、ローラ186aは円板(円筒)状ではなく、六角形板状になっている点を除いて、上述した第1実施形態に係るカード処理装置100の構成と同じである。ローラ186aは、このように変更することが可能である。
(第3実施形態)
図25は、本発明の第3実施形態に係るカード処理装置の第1カード検知部を示す。本第3実施形態では、ローラ186aは内側の半円形部と、外側の矩形部とを結合・一体化した形状とされている。本第3実施形態は、この点を除いて、上述した第1実施形態に係るカード処理装置100の構成と同じである。ローラ186aは、このように変更することも可能である。
(第4実施形態)
図26は、本発明の第4実施形態に係るカード処理装置の第1カード検知部を示す。本第4実施形態では、ローラ186aは円板(円筒)状ではなく、楕円板状になっている点を除いて、上述した第1実施形態に係るカード処理装置100の構成と同じである。ローラ186aは、このように変更することも可能である。
(変形例)
上述した第1〜第4実施形態は、本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。例えば、上述した第1実施形態において、第1〜第4カード検知部180、182、184、506のいずれかを、第1サイドプレート132側に配置しても構わない。
また、第1〜第3カード検知部180、182、184を第1搬送路150の底面152および上面のいずれか一方に配置すると共に、その表面側に進退可能に構成し、また、第4カード検知部506を第2カード挿入口110aの第2部材502の案内部502bおよび第1部材500の案内部500bのいずれか一方に配置すると共に、その表面側に進退可能に構成しても構わない。これにより、カード120の一対の短辺より小さい部材が第1および第2カード挿入口102a、110aに挿入されても、当該部材の裏面および表面のいずれか一方と第1〜第4カード検知部180、182、184、506とが接触するので、当該部材の有無を検出することができる。
さらに、第1〜第3カード検知部180、182、184を第1搬送路150の底面152および上面のいずれか一方に配置し、その表面側に進退可能に構成しても構わない。これにより、カード120の一対の短辺より小さい部材が第1カード挿入口102aに挿入されても、当該部材の裏面および表面のいずれか一方と第1〜第3カード検知部180、182、184とが接触するので、前記部材の有無を検出することができる。
第1カード検知部180を第1搬送路150の底面152および上面のいずれか一方に配置し、その表面側に進退可能に構成しても構わない。これにより、カード120の一対の短辺より小さい部材が第1カード挿入口102aに挿入されても、当該部材の裏面および表面のいずれか一方と第1カード検知部180とが接触するので、前記部材の有無を検出することができる。
第4カード検知部506を、第2カード挿入口110aの第2部材502の案内部502bおよび第1部材500の案内部500bのいずれか一方に配置し、その表面側に進退可能に構成しても構わない。これにより、カード120の一対の短辺より小さい部材が第2カード挿入口110aに挿入されても、当該部材の裏面および表面のいずれか一方と第4カード検知部506とが接触するので、前記部材の有無を検出することができる。
上述した実施形態では、第1〜第4カード検知部180、182、184、506が、ローラ186a、186b、186c、508と、対応するセンサ190a、190b、190c、510とを含んで構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。ローラ186a、186b、186c、508の代わりにボールベアリングローラ等を用いても構わない。
上述した第1実施形態では、第1〜第4カード検知部180、182、184、506は、ローラ186a、186b、186c、508と、センサ190a、190b、190c、510とを含んで構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。ボールプランジャ式のタッチスイッチ等を用いても構わない。
上述した第1実施形態では、第1〜第4カード検知部180、182、184、506は、ローラ186a、186b、186c、508と、センサ190a、190b、190c、510とを含んで構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。マイクロスイッチやリミットスイッチ等を用いても構わない。
本発明は、上述した第1〜第4実施形態および上述した変形例に限定されるものではなく、それ以外にも様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した第1実施形態では、磁気ヘッド244と非接触型アンテナ440が配置されているが、接触式のICコンタクトプローブをさらに追加しても構わない。また、磁気ヘッド244、非接触式のアンテナ440およびICコンタクトプローブのそれぞれを選択的に配置しても構わない。さらに、磁気ヘッド244、非接触式のアンテナ440およびICコンタクトプローブのいずれも配置せず、カード処理装置100をカード120の搬送および回収機能に限定しても構わない。