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JP6415134B2 - 記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体及びその製造方法に関する。
インクジェット記録方法は、これまでオフィスプリント、ホームプリント等の幅広い分野で利用されている記録方法である。この方法は特に、カラー化が容易であることや安価であることなどから普及が進んでいる。このようにインクジェット記録方法の普及と共に、この方法に期待される特性もますます高度になってきており、近年では特に高画質化、高速化及び小型化が求められている。この高画質化・高速化を満足するためには、記録媒体を上下のローラーで挟み込んで搬送させる際の、高速搬送時の搬送精度を高めることが有効である。そのため、近年のインクジェット記録方法では、搬送精度を向上するために紙を挟み込んだ時に変形しにくい硬いローラーが用いられている。このような硬いローラーにより高速で記録媒体を搬送した場合、ローラーとの接触によるキズや押し跡(ローラーマーク)等による品位低下が発生する場合があった。
また、高速で印刷するために記録媒体のインク受容層中に吸収される前に、次々とインク液滴が記録媒体上に着弾することで、記録媒体の面上でインク液滴同士の合体が起こる場合があった。この結果、画像にスジ様のムラ(ビーディング)が生じてしまう場合があった。この現象は、高画質化のためにインク受容層に好適に用いられる親水性ポリマーがインクに含まれる水分により膨潤を起こし、その膨潤が収まる前に次のインク液滴が着弾するため起きるものと考えられる。
上記のキズや押し跡等による品位低下、及びビーディングを防止して高画質化を達成するために、記録媒体のインク受容層には、無機顔料と親水性バインダーと各種架橋剤を含むものが提案されている。このインク受容層では、親水性バインダーを架橋することで膜強度の向上と膨潤の抑制を行い、これにより上記課題の解決を試みている。
特許文献1には、無機顔料を主体としてポリビニルアルコールとホウ酸を含む多孔質層を有する記録媒体が開示されている。この多孔質層は、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基を、ホウ素を介した水素結合により架橋した構造を有する。
また、特許文献2には、無機顔料を主体としてポリビニルアルコールと多価金属塩を含む色材受容層を有する記録媒体が開示されている。この色材受容層は、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基間を、金属原子を介した共有結合により架橋した構造を有する。この架橋反応は不可逆な反応であるため加湿下での架橋の効果の低下がなく、高い耐キズ性の効果が得られる。
特開2000−239578号公報 特許第3805246号明細書
近年のインクジェット記録方法では、ロール状の記録媒体など記録媒体に大きな曲率を与えながら搬送し、記録媒体の搬送距離を短くすることで装置の小型化を行っている。しかしながら、特許文献1の記録媒体は、水素結合という弱く可逆的な結合であるため、特に加湿下で架橋による効果の低下が著しく、高画質化・高速化に十分に対応したものではなかった。また、特許文献2に記載の記録媒体は、色材受容層が共有結合により強固に架橋されているためにその柔軟性が低下しており、小型化された装置によって大きな曲率を与えると色材受容層にひび割れが生じる場合があった。このように特許文献2の記録媒体は耐屈曲性が不十分であった。
以上のように、特許文献1、2に記載の記録媒体では、求められる高画質化・高速化及び耐キズ性と、耐屈曲性の両立を満足しなかった。本発明は上記課題に鑑みてなされたものである。従って、本発明の目的は、高速で画像記録を行った場合にも高画質化を達成し、耐キズ性と耐屈曲性の高い記録媒体を提供することである。
一実施形態は、
基材と、
下記一般式(I)で表される構造を含む化合物及び下記一般式(II)で表される構造を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有するインク受容層と、
を有する記録媒体に関する。
Figure 0006415134
(一般式(I)及び一般式(II)において、R1はカルボニル基、少なくとも一部にアルデヒド基を含む置換基、下記一般式(III)で表される構造、又は(IV)で表わされる構造であり、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、又は(CH2n−(nは1以上の整数)であり、Yは下記一般式(V)で表される構造である。)
Figure 0006415134
(一般式(III)及び一般式(IV)において、R5〜R7はそれぞれ独立して、水素原子、又は(CH2n−(nは1以上の整数)である。)
Figure 0006415134
(一般式(V)において、o及びpはそれぞれ独立して0以上の整数であり、oとpが同時に0とはならない。R'1〜R'8はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボニル基、−O−、グルコース基、又は−(CH2n−(nは1以上の整数)を表す。R'3〜R'8の何れか2つが−(CH2n−の場合、これらの基は環状構造を形成してもよく、前記環状構造は酸素原子を含んでも良い。)
他の実施形態は、
基材の少なくとも一方の面上に、下記一般式(I)で表される構造を含む化合物及び下記一般式(II)で表される構造を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有するインク受容層を形成する工程を有する記録媒体の製造方法に関する。
Figure 0006415134
(一般式(I)及び一般式(II)において、R1はカルボニル基、少なくとも一部にアルデヒド基を含む置換基、下記一般式(III)で表される構造、又は(IV)で表わされる構造であり、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、又は(CH2n−(nは1以上の整数)であり、Yは下記一般式(V)で表される構造である。)
Figure 0006415134
(一般式(III)及び一般式(IV)において、R5〜R7はそれぞれ独立して、水素原子、又は(CH2n−(nは1以上の整数)である。)
Figure 0006415134
(上記一般式(V)において、o及びpはそれぞれ独立して0以上の整数であり、oとpが同時に0とはならない。R'1〜R'8はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボニル基、−O−、グルコース基、又は−(CH2n−(nは1以上の整数)を表す。R'3〜R'8の何れか2つが−(CH2n−の場合、これらの基は環状構造を形成してもよく、前記環状構造は酸素原子を含んでも良い。)
高速で画像記録を行った場合にも高画質化を達成し、耐キズ性と耐屈曲性の高い記録媒体を提供することができる。
以下、好適な実施形態を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本実施形態の記録媒体は、基材と、下記一般式(I)で表される構造を含む化合物及び下記一般式(II)で表される構造を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有するインク受容層とを有する。
インク受容層に含まれる一般式(I)及び(II)で表される構造には、R1と一般式(I)及び(II)の上部の構造との間にそれぞれ、Y部位が存在する。これにより、記録媒体の機械的強度を高くすると共に、インク付与時の膨潤を抑制できるものと考えられる。従って、耐キズ性が向上して、画像の転写時のローラーとの接触によって記録媒体にキズや押し跡(ローラーマーク)等が発生してキズやスジ様等の品位低下が起こることを防止できる。また、ビーディング等の発生を防止して高画質化を図ることができる。更に、Y部位によってR1と一般式(I)及び(II)の上部の構造間の距離を十分に設けることで記録媒体の柔軟性を維持して、高い耐屈曲性を達成できるものと考えられる。以下では、上記効果についてより詳細に説明する。
一般的に、多価金属塩では架橋する構造間の距離を調節することが難しいが、多価アルデヒドのような有機架橋剤を用いる場合は、その分子構造を選択することによって架橋する構造間の距離を調整することができる。この一方で、本発明者らが検討したところ、多価アルデヒドの中でこれまで一般に用いられてきたグリオキサールやグルタルアルデヒド等を架橋剤として用いても、インク受容層に十分な柔軟性を付与することができなかった。この理由は、架橋距離が不十分である点や、架橋する構造間の距離を調節しているアルキレン基の疎水性のために架橋する構造である親水性ポリマーとの反応効率が低くなるためと考えられる。
これに対して、本実施形態では、分子内にエーテル又はアセタールを少なくとも一つ有する多価アルデヒドを用いて、親水性ポリマーの架橋を行うことで、架橋部としてのY部位を形成する。これにより、架橋する構造間の架橋距離を調節すると共に親水性ポリマーとの高い反応性を両立させて、架橋による機械的強度の増加と柔軟性を両立したインク受容層が得られたものと考えられる。この結果、記録媒体の機械的強度の向上及びインク付与時の膨潤抑制により、高速で画像記録を行った際にも、高画質化を図ると共に、高い耐キズ性及び耐屈曲性を達成できたものと考えられる。
以下では、本実施形態の記録媒体の各部、及び各部を構成する材料について詳細に説明する。
1.基材
記録媒体の基材としては、従来から知られている公知の基材を使用することができる。基材の例としては、インク非吸収性の基材として樹脂フィルム製の基材、又は両面を樹脂で被覆した基材を挙げることができ、インク吸収性の基材として繊維状の基材を挙げることができる。樹脂フィルム製の基材としては、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はこれらを積層させた基材を挙げることができ、これらの基材は透明、半透明、又は不透明なものを使用できる。樹脂を被覆した基材として好ましいものは、紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆した基材である。被覆するポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。繊維状の基材としては、主にパルプからなる、即ち紙からなる基材を挙げることができる。紙からなる基材には、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスを原紙上に施したものや、原紙上にコート層を設けた、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙等も含まれる。
2.インク受容層
インク受容層は、下記一般式(I)で表される構造を含む化合物及び下記一般式(II)で表される構造を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有する。また、これ以外にも、インク受容層は必要に応じて、バインダー、カチオン化剤、無機粒子、ホウ酸及びホウ酸塩等を含有することができる。以下では、インク受容層中に使用できる各材料について、詳細に説明する。
(一般式(I)及び(II)で表される構造を含む化合物)
本実施形態の記録媒体のインク受容層は、下記一般式(I)及び(II)で表される構造を含む化合物を含有する。
Figure 0006415134
(一般式(I)及び一般式(II)において、R1はカルボニル基、少なくとも一部にアルデヒド基を含む置換基、下記一般式(III)で表される構造、又は(IV)で表わされる構造であり、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、又は(CH2n−(nは1以上の整数)を表わし、(CH2n−中の水素原子はアルキル基、ヒドロキシ基、アセトエステル基、アセトアセチル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、シラノール基、ポリアルキルエーテル基、アミノ基、スルホ基、リン酸エステル基、ヒドロキシプロピル基及びアセタール基から選ばれる置換基によって置換されていても良い。、Yは下記一般式(V)で表される構造である。)
Figure 0006415134
(一般式(III)及び一般式(IV)において、R5〜R7はそれぞれ独立して、水素原子、又は(CH2n−(nは1以上の整数)を表わし、(CH2n−中の水素原子はアルキル基、ヒドロキシ基、アセトエステル基、アセトアセチル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、シラノール基、ポリアルキルエーテル基、アミノ基、スルホ基、リン酸エステル基、ヒドロキシプロピル基及びアセタール基から選ばれる置換基によって置換されていても良い。)
Figure 0006415134
(上記一般式(V)において、o及びpはそれぞれ独立して0以上の整数であり、oとpが同時に0とはならない。R'1〜R'8はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボニル基、−O−、グルコース基、又は置換されていてもよい−(CH2n−(nは1以上の整数)を表す。R'3〜R'8の何れか2つが−(CH2n−の場合、これらの基は環状構造を形成してもよく、前記環状構造は酸素原子を含んでも良い)。また、置換された−(CH2n−の場合、−(CH2n−中の水素原子がヒドロキシル基に置換されたものを挙げることができる。
上記一般式(I)〜(II)において、R1が少なくとも一部にアルデヒド基を含む置換基の場合、R1としてはアルデヒド基、又は一部の構造としてアルデヒド基を含む置換基を挙げることができる。一部の構造としてアルデヒド基を含む置換基は、アルデヒド基を含むが、このアルデヒドは直接Y部位に結合していない置換基を表す。上記一般式(I)〜(IV)において、R2〜R7の何れかが(CH2n−の場合、nは1以上、6以下が好ましく、1以上、3以下がより好ましい。上記一般式(V)において、R'1〜R'8の何れかが−(CH2n−の場合、nは1以上、6以下が好ましく、1以上、3以下がより好ましい。上記一般式(V)においてR'1〜R'8の何れかがアルキル基、又はヒドロキシアルキル基の場合、炭素原子数は1以上、6以下が好ましく、0以上、3以下がより好ましい。また、上記一般式(V)において、o、pは、o≧0、p≧0、o=p≠0、|o−p|=1の関係を満たすのが好ましく、20≧o≧0、20≧p≧0であるのがより好ましい。
一般式(I)及び(II)の構造を含む化合物はそれぞれ、少なくとも一般式(I)及
び(II)の構造を含んでいれば良く、これ以外に、その他の構造(その他のモノマーなど)を含んでいても良い。好ましくは、一般式(I)及び(II)の構造を含む化合物は
、下記一般式(VI)〜(XI)からなる群から選択された少なくとも一種の単位を含む化合物であるのが良い。
Figure 0006415134
(ただし、Yは、−O−又は置換されていてもよい−(CH2n−であるR'3〜R'8を介して多量体を形成してもよい)。
一般式(I)及び(II)の構造を含む化合物は、下記式(XII)〜(XV)からなる
群から選択された少なくとも一種の単位を含む化合物であるのがより好ましい。
Figure 0006415134
一般式(I)及び(II)の構造を含む化合物はポリマーとすることができ、このポリマーの重量平均分子量は20000以上が好ましく、100000以上がより好ましく、300000以上がさらに好ましい。また、一般式(I)及び(II)の構造を含むポリマーは、ビニルアルコール由来の単位に加えて、その他のモノマー由来の単位が共重合されたものであってもよい。その他のモノマーとして、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、変性ポリビニルアルコール(アセトアセチル変性、シラノール変性、カチオン変性、カルボニル変性、エチレンオキサイド変性)、アリルアミン及びその誘導体、ジアリルアミン及びその誘導体等を含むことができる。
一般式(I)及び(II)の構造を含む化合物がポリマーの場合の合成方法としては、
例えば、ヒドロキシ基を有するポリマーと、分子内にエーテル又はアセタールを少なくとも一つ有する多価アルデヒドとを反応させる方法を挙げることができる。多価アルデヒドは架橋剤として作用し、多価アルデヒドのエーテル基又はアセタール基がポリマーの有するヒドロキシ基と反応して架橋構造を形成する。この場合、式(I)及び(II)の構造におけるYより上の部分とR1で示された部分とが、架橋剤と反応し得るヒドロキシ基をポリマー主鎖に有するポリマー由来の部分であり、Yが架橋剤としての多価アルデヒド由来の部分となる。
ヒドロキシ基を有するポリマーの例としては、親水性ポリマーを挙げることができる。より具体的には、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、セルロース誘導体等を挙げることができる。セルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。好ましくは、ポリビニルアルコールを用いるのが良い。ポリビニルアルコールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコール及びその誘導体であるカチオン変性ポリビニルアルコールや、アニオン性基を有するアニオン性ポリビニルアルコール、シリル基を置換したシリル変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基を置換したアセトアセチル変性ポリビニルアルコール等を挙げることができる。ポリビニルアルコールとしては変性を行っていない通常のポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールの好ましいケン化度としては70%以上99%以下であり、より好ましくは86%以上96%以下である。また、好ましい平均重合度としては1000以上であり、より好ましくは2000以上4500以下である。
分子内にエーテル又はアセタールを少なくとも一つ有する多価アルデヒドとしては、澱粉やセルロースなどの糖類及びその誘導体のジオール部位(例えばグルコース単位の2,3位のジオール部位)を開環して多価アルデヒド化したもの等を挙げることができる。前記多価アルデヒド化方法の例としては過ヨウ素酸による酸化方法が知られている。過ヨウ素酸によって酸化される糖としてはジオール部位を有していれば特に限定はされないが、単糖や二糖を用いることは好ましくない。これは低分子の糖を前記方法によって酸化した場合、反応の制御が難しく副生成物としてギ酸やホルムアルデヒド等が発生するためである。前記反応に用いる糖類としては糖ユニット(グルコース単位一つにつき1)5以上のオリゴ糖又は多糖類が好ましい。前記の方法により合成された多価アルデヒドは多数のヒドロキシ基も有しており、ヒドロキシ基を有するポリマーとの親和性が高いため反応が進みやすく、本実施形態の効果をより有効にすることができる。多価アルデヒドの具体例としては、澱粉もしくはその分解物を前記方法によってアルデヒド化したジアルデヒド澱粉を挙げることができる。本実施形態に用いるジアルデヒド澱粉としては分子量が1000以上であることが好ましく、10000以上であることがより好ましい。本実施形態においてアルデヒド基の導入率としては、1.0/糖ユニット以上であることが好ましく、より好ましくは1.5/糖ユニット以上1.9/糖ユニット以下である。
一般式(I)及び(II)の構造を含む化合物は、好ましくは、ジアルデヒド澱粉とポリビニルアルコールを反応させたものであるのが良い。前記原料を用いて一般式(I)及び(II)の構造を含む化合物は、ポリビニルアルコール水溶液にジアルデヒド澱粉溶液を加え40℃以上で加熱することで製造することができる。ポリビニルアルコールとジアルデヒド澱粉の反応は水中下では反応が進みにくいため、前記原料を水溶液中で混合し、熱を加えながら乾燥させることで反応を行うことが好ましい。乾燥後にさらに熱を加える工程を設けることで反応を行うことがより好ましい。また、澱粉等の糖類は加熱により着色しやすいため、加熱は40℃以上80℃以下が好ましい。反応時間としては乾燥後、さらに3時間以上の加熱が好ましく、より好ましくは6時間以上である。
また、インク受容層中に、一般式(I)及び(II)の構造を含む化合物を含有するこ
とを確認する方法としては、以下の方法を挙げることができる。
まず、記録媒体のインク受容層の酸抽出物をFT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)により分析することで、一般式(I)及び(II)の構造の分解物である多価アルデヒド
の有無を確認することができる。さらに、記録媒体のインク受容層をFT−IR ATR(全反射減衰法)法により2800cm-1〜3000cm-1のアセタール由来のピークや1730cm-1付近のアルデヒド基に由来するピーク等を分析する。これにより、多価アルデヒドのインク受容層内での状態を確認することができる。また、酸抽出物のTOF−SIMS又はGS−MS分析により、一般式(I)及び(II)におけるY部の構造を分
析することができる。これらの分析方法により、インク受容層における一般式(I)及び
(II)の構造の有無を確認することができる。
<バインダー>
バインダーとしては例えば、下記のものを挙げることができる。
酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体。
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体。
カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白及びポリビニルアルコール、ならびにその誘導体。
ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役重合体ラテックス。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体等のアクリル系重合体ラテックス。
エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス。
前記の各種バインダーのカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス。
カチオン基を用いて前記の各種バインダーをカチオン化したもの、カチオン性界面活性剤を用いて前記の各種バインダーの表面をカチオン化したもの。
カチオン性ポリビニルアルコール下で前記の各種バインダーを重合し、重合体の表面にポリビニルアルコールを分布させたもの。
カチオン性コロイド粒子の懸濁分散液中で前記の各種バインダーの重合を行い、重合体の表面にカチオン性コロイド粒子を分布させたもの。
メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂等の水性バインダー。
ポリメチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルやアクリル酸エステルの重合体及び共重合体樹脂。
ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダー。
また、バインダーとして合成樹脂バインダーを使用することができ、これらの中でも熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、アクリルエポキシ系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、ウレタン系樹脂(例えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ウレタン樹脂)、スチレン−ブタジエン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂、及び酢酸ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂が好ましい。
上記バインダーは、単独で、又は複数種を混合して用いることができる。これらのバインダーの中でもより好ましいバインダーはポリビニルアルコール、及び合成樹脂バインダーであり、より好ましくはポリビニルアルコールである。なお、前述のように、ポリビニルアルコールは、上記一般式(I)及び(II)の構造を有する化合物の原料として使用
できる。また、基材上に、ポリビニルアルコール及び多価アルデヒドを含有するインク受容層用の塗工液を塗工後、この塗工液の乾燥時に、これらの原料を反応させることで上記化合物を形成することができる。この場合には、多価アルデヒドに対してポリビニルアルコールの量を多くすることで、上記反応後に、インク受容層中に未反応のポリビニルアルコールを残留させることができる。この未反応のポリビニルアルコールを、インク受容層用のバインダーとして使用できる。
この場合、好ましい未反応ポリビニルアルコールの量は、原料として添加した全ポリビニルアルコール100質量部に対して50質量部以上99質量部以下、より好ましくは70質量部以上95質量部以下である。また、インク受容層に含まれる全ポリビニルアルコールとしては、インク受容層の全質量に対して5質量%以上30質量%以下が好ましく、より好ましくは7質量%以上25質量%以下である。
<カチオン化剤>
インク受容層中には、一級又は二級アミンであるカチオン化剤を含むことが好ましい。カチオン化剤であるアミンは、一般式(I)及び(II)の構造を有する化合物の原料で
ある多価アルデヒドと反応してカチオン化された複合体を形成する。このように一般式(I)及び(II)の構造を有する化合物をカチオン化された複合体とすることにより、イ
ンク受容層にインクを効率的に定着させて、インクの発色性、マイグレーションを向上させることができる。インク受容層中のカチオン化剤の好ましい含量は、一般式(I)及び
(II)の構造を有する化合物の100質量部に対して1質量部以上25質量部以下の範囲である。カチオン化剤の含量がこれらの範囲内であることによって、画像記録時のブロンズの発生を防止して、印字品位の低下を抑制することができる。カチオン剤は、その分子内にアミノ基を含んでいれば良く、一級又は二級のアミン、その塩の単量体、単量体の重合体、又は前記の単量体と他の単量体との共重合体等を挙げることができる。カチオン化剤は下記に限定されるものではないが具体的には、メチルアミン、エチルアミン等のアルキルアミン、エタノールアミン等のアミノアルコール、アミノ酸、エチレンジアミン等の多価アミン、アリルアミン重合体、メチルジアリルアミン重合体及びこれらを含む共重合体を挙げることができる。
<無機粒子>
インク受容層は無機粒子を含んでも良い。無機粒子の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ及びアルミナ水和物、コロイダルアルミナ、気相法シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、クレー、カオリン、ゼオライト等を挙げることができる。また、これらの無機顔料の2種以上の混合物を挙げることができる。
アルミナとしては、γ−アルミナ、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナ等を挙げることができる。これらの中でも発色性、インク吸収性の観点から、気相法で合成されたγ−アルミナが好ましい。アルミナ水和物は下記の構造式で表わされるものを好適に利用できる。
Al23-n(OH)2n・mH2
(上記式中、nは0、1、2及び3の何れかを表し、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。) mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数又は整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0の値になることもあり得る。
インクの発色性の面から、無機粒子の一次粒子径は3nm以上50nm以下であることが好ましいが、これに限定されるものではない。上記無機粒子の中でも、インクの吸収性が高い多孔質構造を形成することが可能なアルミナ水和物やシリカを用いることが好ましい。
インク受容層における無機粒子の好ましい含量としては、インク受容層の全質量に対して70質量%以上95質量%以下が好ましく、より好ましくは75質量%以上93質量%以下である。
<ホウ酸及びホウ酸塩>
インク受容層中には、本実施形態の効果を損なわない範囲で、ホウ酸又はホウ酸塩を含有することができる。インク受容層用の塗工液がホウ酸又はその塩を含有することにより、この塗工液の乾燥時に、インク受容層中にクラックが発生することを抑制できる。インク受容層中に使用できるホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)だけでなく、メタホウ酸や次ホウ酸等を挙げることができる。また、ホウ酸塩としては例えば、オルトホウ酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO32、Co3(BO32、二ホウ酸塩(例えば、Mg225、Co225)、メタホウ酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO22、NaBO2、KBO2)、四ホウ酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五ホウ酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2O、CsB55)等を挙げることができる。これらのホウ酸等の中でも、インク受容層用の塗工液の経時安定性とクラック発生の抑制効果の点から、オルトホウ酸を用いることが好ましい。好ましくは、インク受容層中のホウ酸及びその塩の含量は、乾燥重量基準で0.1質量%以上、5質量%以下であるのが良い。
<その他の添加剤>
インク受容層中には、その他の添加剤として、pH調製剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料を添加できる。また、これ以外にも、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料等を必要に応じて適宜、インク受容層中に加えても良い。
<記録媒体の製造方法>
本実施形態の記録媒体の製造方法では、基材上に、インク受容層用の塗工液を塗工後、この塗工液を乾燥させることによってインク受容層を形成することができる。(一)インク受容層用の塗工液中に一般式(I)及び/又は(II)の構造を有する化合物用の原料
を添加し、この塗工液を基材上に塗工後、塗工液を乾燥する際に、この原料を反応させて上記化合物を形成しても良い。また、(二)塗工前の塗工液中に、予め一般式(I)及び/又は(II)の構造を有する化合物を添加しても良い。好ましくは、上記(一)のように、塗工液中に上記化合物の原料を添加し、塗工液の乾燥時に原料を反応させて上記化合物を形成するのが良い。この場合、インク受容層は例えば、原料として、ヒドロキシ基を有するポリマーと、分子内にエーテル又はアセタールを少なくとも一つ有する多価アルデヒドとを含有する塗工液を乾燥することによって形成される。インク受容層の塗工液の塗工量としては、乾燥後の質量換算時において20g/m2以上50g/m2以下が好ましく、より好ましくは30g/m2以上45g/m2以下である。
インク受容層用の塗工液の塗工には、公知の塗工方式を用いることができる。例えば、スロットダイ方式、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等を用いることができる。
塗工後の塗工液の乾燥には、例えば、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機を使用できる。また、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等も使用できる。これらは、適宜、選択して用いることができる。
<画像記録方法>
本実施形態の記録媒体には、インクを付与して画像を記録することができる。インクは、色材として顔料及び染料の少なくとも一方を含有することができる。染料及び顔料としては、特に限定されず、インクの色材として利用し得るものから選択し、その必要量を用いることができる。例えば、インクジェット用のインクとして公知の染料やカーボンブラック、有機顔料等を用いることができる。染料及び/又は顔料を液媒体に溶解及び/又は分散させたものを用いることができる。これらの中でも、各種顔料は印刷物の耐久性や品位に特徴があり好適である。
また、記録媒体にインクを付与する方式は特に限定されないが、インクジェット記録方式を使用することが好ましい。この方式は、インクジェット方式の記録ヘッドによりインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式やインクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本実施形態においては、熱エネルギーを利用するインクジェット記録方法を採用することが特に好ましい。本実施形態の記録媒体を用いること以外、インクジェット記録方式の工程は公知のものとすることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。尚、実施例中「部」とあるのは質量部である。
<実施例1>
(ジアルデヒド澱粉)
18.7gの過ヨウ素酸ナトリウムを150mlのイオン交換水に溶解させ、一方でデキストリン(キシダ化学製)18.7gを100mlのイオン交換水中に溶解させた。デキストリン水溶液に過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を攪拌しながら少量ずつ加え、全ての過ヨウ素酸水溶液を添加後、暗所にて8時間攪拌した。反応液を10℃以下24時間、静置し、沈澱物を濾過により反応液から取り除いた。ろ液に塩化カルシウムを8.0g加えて1時間攪拌し、沈殿物を濾過により取り除いた。ろ液100mlにアセトン300mlを加え30分攪拌し、沈殿物を濾過により取り除いた。沈殿物をアセトン、及びエタノールを用いて十分洗浄した。この沈澱物をFT−IR分析し、1730cm-1付近のアルデヒド基に由来するピークの存在によりジアルデヒド澱粉であることを確認した。
(基材の作製)
下記条件にて基材を作製した。まず、下記組成の紙料を調製した。
・パルプスラリー(CSF(Canadian Standarad Freeness)の広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP、濾水度450ml)と、CSFの針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP、濾水度480ml)とを質量基準で8/2の割合で水に分散した3質量%スラリー);100.00部
・カチオン化澱粉;0.60部
・重質炭酸カルシウム;10.00部
・軽質炭酸カルシウム;15.00部
・アルキルケテンダイマー;0.10部
・カチオン性ポリアクリルアミド;0.03部
次に、上記紙料を長網抄紙機で抄造し、3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤー乾燥した。この後、サイズプレス装置で、酸化澱粉の固形分塗布量が1.0g/m2となるように酸化澱粉水溶液を含浸させ、さらに乾燥させた。乾燥後、マシンカレンダー仕上げをして、坪量170g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの基紙Aを得た。
得られた基紙Aの片面上に、低密度ポリエチレン(70質量部)と、高密度ポリエチレン(20質量部)と、酸化チタン(10質量部)とからなる樹脂組成物を25g/m2塗布した。さらに、基紙Aのこれとは反対側の面に、高密度ポリエチレン(50質量部)と低密度ポリエチレン(50質量部)とからなる樹脂組成物を25g/m2塗布し、樹脂被覆した基材1を作製した。
(インク受容層の形成)
イオン交換水中に、気相法シリカ(商品名;AEROSIL300、EVONIK製)を、濃度が22質量%となるように添加した。次に、気相法シリカ100質量部に対してカチオンポリマー(商品名;シャロールDC902P、第一工業製薬製)を5.0質量部、加えて攪拌し、コロイダルゾルを得た。得られたコロイダルゾルを、気相法シリカ濃度が18質量%となるようにイオン交換水で希釈して、コロイダルゾルAを得た。また、ポリビニルアルコールPVA235(クラレ(株)製、重合度:3500、ケン化度:88%)をイオン交換水中に溶解させて、固形分8.0質量%のポリビニルアルコール水溶液を得た。
上記で合成したジアルデヒド澱粉の固形分が、ポリビニルアルコール100質量部に対して15質量部となるように、上記で作成したポリビニルアルコール水溶液中に加え溶解させた。これに、3.0質量%のホウ酸水溶液を、ポリビニルアルコールとジアルデヒド澱粉の総固形分100質量部に対して10質量部になるように混合し、ポリマー水溶液Bを得た。上記で得られたコロイダルゾルA及びポリマー水溶液Bを(気相法シリカ)/(ポリビニルアルコール)が100/20の質量割合になる量で混合し、コロイダルゾルCを得た。上記で調製したコロイダルゾルCを、基材1上に乾燥時に層厚35μmとなるように塗布した。塗工液の塗布は、スライドダイを用いて液温40℃で行った。次に、これを40℃の温風で乾燥して、記録媒体1を作製した。この乾燥時に、ポリビニルアルコールとジアルデヒド澱粉が反応して、下記式(XVI)で表される化合物が形成された。
Figure 0006415134
(実施例2)
カチオン化剤(商品名PAA−03 日東紡製 アリルアミン重合体 1級アミン)を、ポリビニルアルコールとジアルデヒド澱粉の総固形分100質量部に対して10質量部になるように添加した。これ以外は実施例1と同様にして記録媒体2を作成した。本実施例では、実施例1と同様に、インク受容層の形成時に、上記式(XVI)で表される化合物が形成された。
(実施例3)
カチオン化剤(商品名PAA−03 日東紡製 アリルアミン重合体 1級アミン)の含量を、ポリビニルアルコールとジアルデヒド澱粉の総固形分100質量部に対して1質量部に変更した。これ以外は実施例2と同様にして記録媒体3を作成した。本実施例では、実施例1と同様に、インク受容層の形成時に、上記式(XVI)で表される化合物が形成された。
(実施例4)
カチオン化剤(商品名PAA−03 日東紡製 アリルアミン重合体 1級アミン)の含量を、ポリビニルアルコールとジアルデヒド澱粉の総固形分100質量部に対して25質量部に変更した。これ以外は実施例2と同様にして記録媒体4を作成した。本実施例では、実施例1と同様に、インク受容層の形成時に、上記式(XVI)で表される化合物が形成された。
(実施例5)
カチオン化剤(商品名PAA−03 日東紡製 アリルアミン重合体 1級アミン) の含量を、ポリビニルアルコールとジアルデヒド澱粉の総固形分100質量部に対して0.1質量部に変更した。これ以外は実施例2と同様にして記録媒体5を作成した。本実施例では、実施例1と同様に、インク受容層の形成時に、上記式(XVI)で表される化合物が形成された。
(実施例6)
カチオン化剤(商品名PAA−03 日東紡製 アリルアミン重合体 1級アミン)の含量を、ポリビニルアルコールとジアルデヒド澱粉の総固形分100質量部に対して30質量部に変更した。これ以外は実施例2と同様にして記録媒体6を作成した。本実施例では、実施例1と同様に、インク受容層の形成時に、上記式(XVI)で表される化合物が形成された。
(実施例7)
カチオン化剤を(商品名PAS−M−1L日東紡製 メチルジアリルアミン塩酸塩重合体 3級アミン)に変更した以外は、実施例6と同様にして記録媒体7を作成した。本実施例では、実施例1と同様に、インク受容層の形成時に、上記式(XVI)で表される化合物が形成された。
(比較例1)
ジアルデヒド澱粉をグリオキサールに変更した以外は実施例1と同様にして記録媒体8を作成した。本比較例では、インク受容層の形成時に、ポリビニルアルコールとグリオキサールが反応して、下記式(XVII)で表される化合物が形成された。
Figure 0006415134
(比較例2)
ジアルデヒド澱粉をグルタルアルデヒドに変更した以外は実施例1と同様にして記録媒体9を作成した。本比較例では、インク受容層の形成時に、ポリビニルアルコールとグルタルアルデヒドが反応して、下記式(XVIII)で表される化合物が形成された。
Figure 0006415134
(比較例3)
ジアルデヒド澱粉をホルムアルデヒドに変更した以外は実施例1と同様にして記録媒体10を作成した。本比較例では、インク受容層の形成時に、ポリビニルアルコールとホルムアルデヒドが反応して、下記式(XIX)で表される化合物が形成された。
Figure 0006415134
(比較例4)
ジアルデヒド澱粉を酢酸ジルコニウム(商品名ジルコゾールZA−20 第一稀元素化学工業製)に変更した以外は実施例1と同様にして記録媒体11を作成した。本比較例では、インク受容層の形成時に、ポリビニルアルコールと酢酸ジルコニウムが反応して、下記式(XX)で表される化合物が形成された。
Figure 0006415134
(比較例5)
ジアルデヒド澱粉を混合しなかった以外は実施例1と同様にして記録媒体12を作成した。
(比較例6)
ジアルデヒド澱粉を混合しなかった以外は実施例2と同様にして記録媒体13を作成した。
(比較例7)
ホウ酸を混合しなかった以外は比較例6と同様にして記録媒体14を作成した。
<評価方法>
下記の各評価項目の3及び2を好ましいレベルとし、1を許容できないレベルとした。尚、下記の各評価において、記録媒体に画像を記録する際、インクジェット記録装置はPIXUS MP990(キヤノン製)に、インクカートリッジBCI−321(キヤノン製)を装着して記録した。尚、上記インクジェット記録装置では、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に約11ngのインクを1滴付与する条件で記録した。そして、このように記録された画像を、記録デューティ(Duty)が100%であると定義した。
(耐キズ性)
上記で得られた各記録媒体に、上記インクジェット記録装置を用いて記録デューティが200%デューティのブラックのベタ画像を温度30℃、湿度80%の環境下で記録した。温度30℃、湿度80%下で写真用紙 プロプラチナ、色補正なしモードにて、記録面全面にブラックのベタ印字を行った。印字後の記録面のキズの程度を目視により確認し、下記の評価基準に従って評価を行った。
・評価基準
3.肉眼でキズは全く確認されない。
2.特定の角度から見たときに傷が確認できる。
1.角度に依存せず、傷がはっきりと確認できる。
(耐屈曲性)
得られた記録媒体をA4サイズにし、記録媒体のインク受容層が外側になるようにして円柱状の金属の円周に巻きつけた。この場合に、インク受容層に割れが生じるかどうか、を目視により評価した。評価は下記の評価基準に従って行った。
・評価基準
3.φ20mmの円周に巻きつけてもインク受容層の割れが生じない。
2.φ20mmの円周に巻きつけたときに、わずかながらインク受容層に割れを生じるときがある。
1.φ20mmの円周に巻きつけたときに、インク受容層に大きな割れが無数生じる。
(インク吸収性)
上記で得られた各記録媒体に、上記インクジェット記録装置を用いて記録デューティが300%デューティのグリーンのベタ画像を温度30℃、湿度80%の環境下で記録した。更に、印字部を目視にて観察し、下記の評価基準で判定した。
・評価基準
3.ベタ部にムラは見られない。
2.ベタ部にわずかにムラが見られるが実用上、問題はない
1.ベタ部にムラが見られ、実用上、問題がある。
(マイグレーション)
上記で得られた各記録媒体に、上記インクジェット記録装置を用いて記録デューティが300%デューティのブルーベタに20ポイントの「田」の文字を白抜き印字した。この後、30℃,90%R.H.の環境下で1週間、保存した後、白抜き部のマゼンタのニジミ率を目視で評価した。評価は下記の評価基準に従って行った。
・評価基準
3.白地部へのマゼンタの滲み出しが全く見られないレベルである。
2.白地部へのマゼンタの滲み出しがわずかにみられ、未保存時と比べた時に目視で変化がみられるが実用上、問題ないレベルである。
1.白地部へのマゼンタが滲み出し、印字した文字が全く認識できず、実用上、問題があるレベルである。
(ブロンズ)
上記で得られた各記録媒体に、上記インクジェット記録装置を用いて記録デューティが300%デューティのブルーベタ画像を温度23℃、湿度50%の環境下で記録した。更に、ブルーベタの画像に蛍光灯の光を写し込んだ時のベタ画像の色を目視により観察し、下記の評価基準で判定した。
・評価基準
3.印字部と未印字部での写し込んだ光によって画像の色の変化は見られない。
2.印字部と未印字部での写し込んだ光により、わずかながら画像の色の変化が見られる。
1.印字部と未印字部での写し込んだ光により画像の色の変化がみられ、別の色に見えてしまう。
各実施例及び比較例で得られた結果を、下記表1に示す。
Figure 0006415134

Claims (28)

  1. 基材と、
    無機粒子と、下記一般式(I)で表される構造を含む化合物及び下記一般式(II)で表される構造を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有するインク受容層と、
    を有する記録媒体であって、
    前記化合物が、ヒドロキシ基を有する水溶性ポリマーと、分子内にエーテル又はアセタールを少なくとも一つ有する多価アルデヒドと、一級または二級アミンからなるカチオン化剤の反応生成物であり、該化合物は前記カチオン化剤によりカチオン化されている、
    ことを特徴とする記録媒体。
    Figure 0006415134

    (一般式(I)及び一般式(II)において、Rは下記一般式(III)で表される構造、又は下記一般式(IV)で表わされる構造であり、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、単結合又は−(CH−(nは1以上の整数)で表される構造(但し、R及びRの一方が水素原子の場合は、他方は単結合又は−(CH−(nは1以上の整数)である)であり、−(CH−中の水素原子はアルキル基、ヒドロキシ基、アセトエステル基、アセトアセチル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、シラノール基、ポリアルキルエーテル基、アミノ基、スルホ基、リン酸エステル基、ヒドロキシプロピル基及びアセタール基から選ばれる置換基によって置換されていても良く、Yは下記一般式(V)で表される構造である。)
    Figure 0006415134

    (一般式(III)及び一般式(IV)において、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、単結合又は−(CH−(nは1以上の整数)で表される構造(但し、R及びRの一方が水素原子の場合は、他方は単結合又は−(CH−(nは1以上の整数)である)であり、−(CH−中の水素原子はアルキル基、ヒドロキシ基、アセトエステル基、アセトアセチル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、シラノール基、ポリアルキルエーテル基、アミノ基、スルホ基、リン酸エステル基、ヒドロキシプロピル基及びアセタール基から選ばれる置換基によって置換されていても良い。)
    Figure 0006415134

    (一般式(V)において、o及びpはそれぞれ独立して0以上の整数であり、oとpが同時に0とはならない。R’〜R’はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボニル基、−O−、グルコース基、又はヒドロキシ基で置換されてもよい−(CH−(nは1以上の整数)で表される構造である。 ’とR ’は、あるいはR ’とR ’は酸素原子を含む環状構造を形成してもよい。
  2. 前記化合物は、下記一般式(VIII)〜(XI)からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位を含む化合物である請求項1に記載の記録媒体。
    Figure 0006415134

    (上記各一般式において、R〜R11はそれぞれ独立して、単結合又は−(CH−(nは1以上の整数)で表される構造であり、−(CH−中の水素原子はアルキル基、ヒドロキシ基、アセトエステル基、アセトアセチル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、シラノール基、ポリアルキルエーテル基、アミノ基、スルホ基、リン酸エステル基、ヒドロキシプロピル基及びアセタール基から選ばれる置換基によって置換されていても良く、Rは一般式(II)と同様に定義され、Rは一般式(IV)と同様に定義される。Yは一般式(V)と同様に定義される。
  3. 前記化合物が、ヒドロキシ基を有する水溶性ポリマーを、分子内にエーテル又はアセタールを少なくとも一つ有する多価アルデヒドにより架橋した構造を有する、請求項1または2に記載の記録媒体。
  4. 前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉誘導体及びセルロース誘導体の少なくとも1種である、請求項3に記載の記録媒体。
  5. 前記変性ポリビニルアルコールが、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールの少なくとも1種である、請求項4に記載の記録媒体。
  6. 前記澱粉誘導体が、酸化澱粉、エーテル化澱粉及びリン酸エステル化澱粉の少なくとも1種である、請求項4または5に記載の記録媒体。
  7. 前記多価アルデヒドが、糖類及びその誘導体のジオール部位が開環した多価アルデヒドの少なくとも1種である、請求項3乃至6の何れか1項に記載の記録媒体。
  8. 前記多価アルデヒドが、ジアルデヒド澱粉である、請求項7に記載の記録媒体。
  9. 前記カチオン化剤が、アルキルアミン、アミノアルコール、アミノ酸、多価アミン、アリルアミン重合体、メチルジアリルアミン重合体及びアリルアミンとメチルジアリルアミンの共重合体から選択される、請求項1乃至8の何れか1項に記載の記録媒体。
  10. 前記化合物は、下記式(XII)〜(XV)からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位を含む化合物である請求項1乃至の何れか1項に記載の記録媒体。
    Figure 0006415134
  11. 前記化合物は、ジアルデヒド澱粉、ポリビニルアルコール及び前記カチオン化剤を反応させて得られる化合物である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の記録媒体。
  12. 前記無機粒子の一次粒子径は、3nm以上50nm以下である請求項1乃至11の何れか1項に記載の記録媒体。
  13. 前記インク受容層における前記無機粒子の含有量が、前記インク受容層の全質量に対して70質量%以上95質量%以下である請求項1乃至12の何れか1項に記載の記録媒体。
  14. 基材とインク受容層とを有する記録媒体の製造方法であって、
    前記基材に、無機粒子と、以下の成分(a)〜(c)を含有するインク受容層用の塗工液を塗工することでインク受容層を形成する工程を有し、
    (a)ヒドロキシ基を有する水溶性ポリマー、
    (b)分子内にエーテル又はアセタールを少なくとも一つ有する多価アルデヒド、及び
    (c)一級または二級アミンからなるカチオン化剤、
    前記インク受容層が、前記無機粒子と、下記一般式(I)で表される構造を含む化合物及び下記一般式(II)で表される構造を含む化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と、を含み、該化合物が成分(a)〜(c)の反応生成物であり、該化合物は前記カチオン化剤によりカチオン化されている、
    ことを特徴とする記録媒体の製造方法。
    Figure 0006415134

    (一般式(I)及び一般式(II)において、R は下記一般式(III)で表される構造、又は下記一般式(IV)で表わされる構造であり、R 〜R はそれぞれ独立して、水素原子、単結合又は−(CH −(nは1以上の整数)で表される構造(但し、R 及びR の一方が水素原子の場合は、他方は単結合又は−(CH −(nは1以上の整数)である)であり、−(CH −中の水素原子はアルキル基、ヒドロキシ基、アセトエステル基、アセトアセチル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、シラノール基、ポリアルキルエーテル基、アミノ基、スルホ基、リン酸エステル基、ヒドロキシプロピル基及びアセタール基から選ばれる置換基によって置換されていても良く、Yは下記一般式(V)で表される構造である。)
    Figure 0006415134

    (一般式(III)及び一般式(IV)において、R 〜R はそれぞれ独立して、水素原子、単結合又は−(CH −(nは1以上の整数)で表される構造(但し、R 及びR の一方が水素原子の場合は、他方は単結合又は−(CH −(nは1以上の整数)である)であり、−(CH −中の水素原子はアルキル基、ヒドロキシ基、アセトエステル基、アセトアセチル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、シラノール基、ポリアルキルエーテル基、アミノ基、スルホ基、リン酸エステル基、ヒドロキシプロピル基及びアセタール基から選ばれる置換基によって置換されていても良い。)
    Figure 0006415134

    (一般式(V)において、o及びpはそれぞれ独立して0以上の整数であり、oとpが同時に0とはならない。R ’〜R ’はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、カルボニル基、−O−、グルコース基、又はヒドロキシ基で置換されてもよい−(CH −(nは1以上の整数)で表される構造である。R ’とR ’は、あるいはR ’とR ’は酸素原子を含む環状構造を形成してもよい。)
  15. 前記化合物が、ヒドロキシ基を有する水溶性ポリマーを、分子内にエーテル又はアセタールを少なくとも一つ有する多価アルデヒドにより架橋した構造を有する、請求項14に記載の記録媒体の製造方法。
  16. 前記水溶性ポリマーが、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉誘導体及びセルロース誘導体の少なくとも1種である、請求項14または15に記載の記録媒体の製造方法。
  17. 前記変性ポリビニルアルコールが、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シリル変性ポリビニルアルコール及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールの少なくとも1種である、請求項16に記載の記録媒体の製造方法。
  18. 前記澱粉誘導体が、酸化澱粉、エーテル化澱粉及びリン酸エステル化澱粉の少なくとも1種である、請求項16に記載の記録媒体の製造方法。
  19. 前記多価アルデヒドが、糖類及びその誘導体のジオール部位が開環した多価アルデヒドの少なくとも1種である、請求項14乃至18の何れか1項に記載の記録媒体の製造方法。
  20. 前記多価アルデヒドが、ジアルデヒド澱粉である、請求項19に記載の記録媒体の製造方法。
  21. 前記水溶性ポリマーがポリビニルアルコールであり、前記多価アルデヒドがジアルデヒド澱粉である、請求項14乃至20のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法
  22. 前記ジアルデヒド澱粉のアルデヒド基の導入率が、1.5/糖ユニット以上、1.9/糖ユニット以下である請求項20または21に記載の記録媒体の製造方法。
  23. 前記カチオン化剤が、アルキルアミン、アミノアルコール、アミノ酸、多価アミン、アリルアミン重合体、メチルジアリルアミン重合体及びアリルアミンとメチルジアリルアミンの共重合体から選択される、請求項14乃至22の何れか1項に記載の記録媒体の製造方法。
  24. 前記化合物は、下記一般式(VIII)〜(XI)からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位を含む化合物である請求項14乃至23の何れか1項に記載の記録媒体の製造方法。
    Figure 0006415134

    (上記各一般式において、R〜R11はそれぞれ独立して、単結合又は−(CH−(nは1以上の整数)で表される構造であり、−(CH−中の水素原子はアルキル基、ヒドロキシ基、アセトエステル基、アセトアセチル基、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、シラノール基、ポリアルキルエーテル基、アミノ基、スルホ基、リン酸エステル基、ヒドロキシプロピル基及びアセタール基から選ばれる置換基によって置換されていても良く、Rは一般式(II)と同様に定義され、Rは一般式(IV)と同様に定義される。Yは一般式(V)と同様に定義される。
  25. 前記化合物は、下記式(XII)〜(XV)からなる群から選択される少なくとも一種の化合物である請求項14乃至24の何れか1項に記載の記録媒体の製造方法。
    Figure 0006415134
  26. 前記インク受容層を形成する工程は、さらに前記インク受容層用の塗工液を乾燥する工程を有する請求項14乃至25のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法。
  27. 前記塗工液を乾燥する工程は、前記インク受容層用の塗工液を加熱しながら乾燥する工程である請求項26に記載の記録媒体の製造方法。
  28. 前記塗工液を乾燥する工程は、前記インク受容層用の塗工液を40℃以上80℃以下で加熱しながら、乾燥する工程である請求項27に記載の記録媒体の製造方法
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