JP6409612B2 - 配向角の測定方法、及び、複層フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の通りである。
前記2層以上の位相差層が有する配向角の値の数が、2つ以下であり、
前記測定方法が、
前記複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスを測定する工程と、
前記ミュラーマトリクスの「m12−m21」、「m21−m12」、「m11+m22」及び「m33」からなる群より選ばれる一つのパラメータ;前記ミュラーマトリクスのm11、m12、m13、m21、m22、m23、m31及びm32からなる群より選ばれる一つの成分;並びに、前記位相差層それぞれのレターデーションから、前記位相差層それぞれの配向角を計算する工程と、を含む、配向角の測定方法。
〔2〕 2層以上の延伸前層を備える延伸前フィルムを延伸して、複屈折を有する2層以上の位相差層を備える複層フィルムを得る工程と、
前記複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスを測定する工程と、
前記ミュラーマトリクスの「m12−m21」、「m21−m12」、「m11+m22」及び「m33」からなる群より選ばれる一つのパラメータ;前記ミュラーマトリクスのm11、m12、m13、m21、m22、m23、m31及びm32からなる群より選ばれる一つの成分;並びに、前記位相差層それぞれのレターデーションから、前記位相差層それぞれの配向角を計算する工程と、を含み、
前記2層以上の位相差層が有する配向角の値の数が、2つ以下である、複層フィルムの製造方法。
第一実施形態では、位相差層を2層備える複層フィルムを対象とした、配向角の測定方法の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る測定方法によって位相差層の配向角を測定する対象としての複層フィルム100を模式的に示す斜視図である。
図1に示すように、第一実施形態に係る複層フィルム100は、第一の位相差層110及び第二の位相差層120を備える。「位相差層」とは、複屈折を有する層をいい、具体的には、通常2nm以上のレターデーションを有する層をいう。
本発明の第一実施形態に係る測定方法では、複層フィルム100のトータルのミュラーマトリックスMtotalを測定する工程を行う。ミュラーマトリックスとは、光学部材のレターデーション等の偏光特性を数値化した4行4列の行列を表す。通常、複層フィルム100のトータルのミュラーマトリックスMtotalは、複層フィルム100への入射光10のストークスベクトルS、及び、複層フィルム100を透過した出射光20のストークスベクトルS’との間に、S’=MtotalSの関係を満たす。したがって、複層フィルム100への入射光10のストークスベクトルSを式(I)のように表し、複層フィルム100を透過した出射光20のストークスベクトルS’を式(II)のように表し、複層フィルム100のトータルのミュラーマトリックスMtotalを式(III)のように表した場合、通常は、下記式(IV)が成立する。
本発明の第一実施形態に係る測定方法では、必要に応じて、第一の位相差層110及び第二の位相差層120それぞれのレターデーションの特定を行う。レターデーションの特定は、例えば、第一の位相差層110及び第二の位相差層120のそれぞれのレターデーションを実測して特定してもよい。
複層フィルム100のトータルのミュラーマトリックスMtotalを測定した後で、第一の位相差層110及び第二の位相差層120それぞれの配向角θ1及びθ2を計算する工程を行う。この工程では、
(i)前記ミュラーマトリクスMtotalの「m12−m21」、「m21−m12」、「m11+m22」及び「m33」からなる群より選ばれる一つのパラメータ;
(ii)前記ミュラーマトリクスMtotalのm11、m12、m13、m21、m22、m23、m31及びm32からなる群より選ばれる一つの成分;並びに、
(iii)第一の位相差層110及び第二の位相差層120それぞれのレターデーション
から、第一の位相差層110及び第二の位相差層120それぞれの配向角θ1及びθ2を計算する。
一般に、ある位相差層のミュラーマトリクスMは、下記式(V)で表される。
Mtotal=M2M1
第二実施形態では、位相差層を3層備える複層フィルムを対象とした、配向角の測定方法の実施形態を説明する。
図2は、本発明の第二実施形態に係る測定方法によって位相差層の配向角を測定する対象としての複層フィルム200を模式的に示す斜視図である。図2において、図1で示したのと同様の部位には、図1で用いたのと同様の符号を用いて示す。
図2に示すように、第二実施形態に係る複層フィルム200は、第一実施形態に係る複層フィルム100の第二の位相差層120側の面に第三の位相差層230を設けた構造を有する。したがって、本実施形態に係る複層フィルム200は、第一の位相差層110、第二の位相差層120及び第三の位相差層230をこの順に備える。
本発明の第二実施形態に係る測定方法では、複層フィルム200のトータルのミュラーマトリックスMtotalを測定する工程を行う。複層フィルム200のトータルのミュラーマトリックスMtotalは、第一実施形態に係る測定方法と同様に、ミュラーマトリクス・ポラリメーター(Axometrcs社製)を用いて測定しうる。また、この測定は、測定に用いる光が第一の位相差層110、第二の位相差層120及び第三の位相差層230をこの順に透過するようにして、行う。さらに、ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて実測したミュラーマトリクスは、そのまま用いてもよく、実測したミュラーマトリクスから抽出した位相差の成分のマトリクスを複層フィルム200のトータルのミュラーマトリックスMtotalとして用いてもよい。
本発明の第二実施形態に係る測定方法では、必要に応じて、第一の位相差層110、第二の位相差層120及び第三の位相差層230それぞれのレターデーションの特定を行う。レターデーションの特定は、第一実施形態に係る測定方法と同様に行いうる。したがって、レターデーションは、例えば、第一の位相差層110、第二の位相差層120及び第三の位相差層230それぞれのレターデーションを実測して特定してもよい。また、レターデーションは、例えば、第一の位相差層110、第二の位相差層120及び第三の位相差層230それぞれのレターデーションが予め判明している場合、その判明しているレターデーションを用いてもよい。
複層フィルム200のトータルのミュラーマトリックスMtotalを測定した後で、第一の位相差層110、第二の位相差層120及び第三の位相差層230それぞれの配向角θ1、θ2及びθ3を計算する工程を行う。この工程では、
(i)前記ミュラーマトリクスMtotalの「m12−m21」、「m21−m12」、「m11+m22」及び「m33」からなる群より選ばれる一つのパラメータ;
(ii)前記ミュラーマトリクスMtotalのm11、m12、m13、m21、m22、m23、m31及びm32からなる群より選ばれる一つの成分;並びに、
(iii)第一の位相差層110、第二の位相差層120及び第三の位相差層230それぞれのレターデーション
から、第一の位相差層110、第二の位相差層120及び第三の位相差層230それぞれの配向角θ1、θ2及びθ3を計算する。
通常、複層フィルム200のトータルのミュラーマトリクスMtotalは、第一の位相差層110のミュラーマトリクスM1、第二の位相差層120のミュラーマトリクスM2及び第三の位相差層230のミュラーマトリクスM3により、下記式(XV)のように表される。
Mtotal=M3M2M1
本発明の測定方法は、上述した実施形態に限定されず、更に変更して実施しうる。
例えば、複層フィルムが備える位相差層の数は、4層以上であってもよい。複層フィルムが4層以上の位相差層を備える場合でも、それらの位相差層が有する配向角の値の数が2つ以下であれば、「m12−m21」、「m21−m12」、「m11+m22」及び「m33」を単純な1変数方程式で表せるので、上述した実施形態で示したのと同様の要領で計算することにより、(i)ミュラーマトリクスの「m12−m21」、「m21−m12」、「m11+m22」及び「m33」からなる群より選ばれる一つのパラメータ;(ii)ミュラーマトリクスのm11、m12、m13、m21、m22、m23、m31及びm32からなる群より選ばれる一つの成分;並びに、(iii)位相差層それぞれのレターデーションから、位相差層それぞれの配向角を求められる。
第三実施形態では、上述した配向角の測定方法を含む複層フィルムの製造方法の実施形態を説明する。
図3に示すように、延伸前フィルム310は、当該延伸前フィルム310のロール320から引き出され、延伸装置330に供給される。そして、この延伸装置330において、延伸前フィルム310を延伸して、2層以上の位相差層(図3では図示省略。)を備える複層フィルム340を得る工程が行われる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温常圧大気中において行った。
レターデーションが判明している単層の延伸フィルムとして、熱可塑性樹脂からなる位相差フィルムAを用意した。そして、この位相差フィルムAの片面を当該位相差フィルムAの「おもて面」、もう片面を当該位相差フィルムAの「裏面」と設定した。
さらに、レターデーションが判明している単層の延伸フィルムとして、熱可塑性樹脂からなる位相差フィルムBを用意した。そして、この位相差フィルムBの片面を当該位相差フィルムBの「おもて面」、もう片面を当該位相差フィルムBの「裏面」と設定した。
その後、位相差フィルムAの裏面と位相差フィルムBのおもて面とを貼り合わせて、位相差フィルムA及び位相差フィルムBを備える複層フィルムを得た。
ポリカーボネート樹脂及びポリスチレン樹脂を共押出することにより、ポリカーボネート樹脂からなる第一の延伸前層、ポリスチレン樹脂からなる第二の延伸前層、及び、ポリカーボネート樹脂からなる第三の延伸前層をこの順に備える長尺の延伸前フィルムを製造した。
延伸前フィルムの延伸方向を当該延伸前フィルムの長手方向に変更した。以上の事項以外は製造例2と同様にして、ポリカーボネート樹脂からなる第一の位相差層、ポリスチレン樹脂からなる第二の位相差層、及び、ポリカーボネート樹脂からなる第三の位相差層をこの順に備える複層フィルムを製造した。この複層フィルムの第一の位相差層、第二の位相差層及び第三の位相差層それぞれのレターデーションを、延伸条件から推定して得た。この複層フィルムでは、第一の位相差層及び第三の位相差層がいずれも同じ樹脂からなるので、第一の位相差層の配向角と第三の位相差層の配向角とは同じ値になる。
(1−1.おもて側からの測定)
製造例1で製造した複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスMtotalを、ミュラーマトリクス・ポラリメーター(Axometrcs社製)によって測定した。この際、測定に用いる光が位相差フィルムA及び位相差フィルムBをこの順に透過するようにして、ミュラーマトリクスMtotalの測定を行った。また、測定に用いる光の波長は、550nmとした。そして、測定されたミュラーマトリクスMtotalの成分m12及び成分m21、位相差フィルムAのレターデーション、並びに、位相差フィルムBのレターデーションを、m12−m21に係る方程式(式(X)参照)に当てはめることで、位相差フィルムA及び位相差フィルムBの配向角差θ1−θ2を計算した。さらに、この配向角差θ1−θ2を、ミュラーマトリクスMtotalの成分m11に係る方程式(式(XIV)参照)に適用して解くことにより、複層フィルムに含まれる位相差フィルムA及び位相差フィルムBそれぞれの配向角を計算した。
また、前記の配向角の測定は、複層フィルムの8つの地点で行った。
複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスMtotalの測定の際、測定に用いる光が位相差フィルムB及び位相差フィルムAをこの順に透過するようにした。以上の事項以外は前記工程(1−1)と同様にして、複層フィルムに含まれる位相差フィルムA及び位相差フィルムBそれぞれの配向角を、前記工程(1−1)での測定地点と同様の地点で測定した。
(C1−1.おもて側からの測定)
実施例1で配向角の測定を行った複層フィルムの、位相差フィルムAと位相差フィルムBとを剥がして分離させた。
分離後の位相差フィルムAの配向角を、ミュラーマトリクス・ポラリメーター(Axometrcs社製)を用いて測定した。また、分離後の位相差フィルムBの配向角を、前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定した。位相差フィルムAの配向角の測定の際、測定に用いる光は、位相差フィルムAのおもて面から裏面へと透過するようにした。また、位相差フィルムBの配向角の測定の際、測定に用いる光は、位相差フィルムBのおもて面から裏面へと透過するようにした。さらに、前記の測定の際、測定に用いる光の波長は、550nmとした。また、配向角の測定は、前記工程(1−1)での測定地点と同様の地点で行った。
位相差フィルムAの配向角の測定の際、測定に用いる光が位相差フィルムAの裏面からおもて面へと透過するようにした。また、位相差フィルムBの配向角の測定の際、測定に用いる光が位相差フィルムBの裏面からおもて面へと透過するようにした。以上の事項以外は前記工程(C1−1)と同様にして、位相差フィルムA及び位相差フィルムBそれぞれの配向角を、前記工程(1−1)での測定地点と同様の地点で測定した。
前記の実施例1及び比較例1の結果を、図4に示す。図4に示すグラフにおいて、横軸は位相差フィルムAの配向角を表し、縦軸は位相差フィルムBの配向角を表す。また、図4に示すプロットのうち、白色四角形のプロットは実施例1の工程(1−1)で測定された値を示し、白色三角形のプロットは実施例1の工程(1−2)で測定された値を示し、黒色四角形のプロットは比較例1の工程(C1−1)で測定された値を示し、黒色三角形のプロットは比較例1の工程(C1−2)で測定された値を示す。
ミュラーマトリクスMtotalの測定に用いる光の波長を400nmに変更した。以上の事項以外は実施例1の工程(1−1)と同様にして、製造例1で製造した複層フィルムに含まれる位相差フィルムA及び位相差フィルムBそれぞれの配向角を、複層フィルムの8つの地点で測定した。
実施例2で配向角の測定を行った複層フィルムの、位相差フィルムAと位相差フィルムBとを剥がして分離させた。
分離後の位相差フィルムAの配向角を、前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定した。また、分離後の位相差フィルムBの配向角を、前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定した。位相差フィルムAの配向角の測定の際、測定に用いる光は、位相差フィルムAのおもて面から裏面へと透過するようにした。また、位相差フィルムBの配向角の測定の際、測定に用いる光は、位相差フィルムBのおもて面から裏面へと透過するようにした。さらに、前記の測定の際、測定に用いる光の波長は、400nmとした。また、配向角の測定は、実施例2での測定地点と同様の地点で行った。
前記の実施例2及び比較例2の結果を、図5に示す。図5に示すグラフにおいて、横軸は位相差フィルムAの配向角を表し、縦軸は位相差フィルムBの配向角を表す。また、図5に示すプロットのうち、白色四角形のプロットは実施例2で測定された値を示し、黒色四角形のプロットは比較例2で測定された値を示す。
ミュラーマトリクスMtotalの測定に用いる光の波長を800nmに変更した。以上の事項以外は実施例1の工程(1−1)と同様にして、製造例1で製造した複層フィルムに含まれる位相差フィルムA及び位相差フィルムBそれぞれの配向角を、複層フィルムの8つの地点で測定した。
実施例3で配向角の測定を行った複層フィルムの、位相差フィルムAと位相差フィルムBとを剥がして分離させた。
分離後の位相差フィルムAの配向角を、前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定した。また、分離後の位相差フィルムBの配向角を、前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定した。位相差フィルムAの配向角の測定の際、測定に用いる光は、位相差フィルムAのおもて面から裏面へと透過するようにした。また、位相差フィルムBの配向角の測定の際、測定に用いる光は、位相差フィルムBのおもて面から裏面へと透過するようにした。さらに、前記の測定の際、測定に用いる光の波長は、800nmとした。また、配向角の測定は、実施例3での測定地点と同様の地点で行った。
前記の実施例3及び比較例3の結果を、図6に示す。図6に示すグラフにおいて、横軸は位相差フィルムAの配向角を表し、縦軸は位相差フィルムBの配向角を表す。また、図6に示すプロットのうち、白色四角形のプロットは実施例3で測定された値を示し、黒色四角形のプロットは比較例3で測定された値を示す。
製造例2で製造した複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスMtotalを、前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターによって測定した。この際、測定に用いる光が第一の位相差層、第二の位相差層及び第三の位相差層をこの順に透過するようにして、ミュラーマトリクスMtotalの測定を行った。また、測定に用いる光の波長は、530nmとした。そして、測定されたミュラーマトリクスMtotalの成分m12及び成分m21、第一の位相差層のレターデーション、第二の位相差層のレターデーション、及び、第三の位相差層のレターデーションを、m12−m21に係る方程式(式(XVII)参照)に当てはめることで、第一の位相差層及び第二の位相差層の配向角差θ1−θ2を計算した。さらに、この配向角差θ1−θ2を、ミュラーマトリクスMtotalの成分m11に係る方程式に適用して解くことにより、複層フィルムに含まれる第一の位相差層、第二の位相差層及び第三の位相差層それぞれの配向角を計算した。
また、前記の配向角の測定は、複層フィルムの幅方向の一端近傍の地点1、幅方向の中央の地点2、及び、幅方向の他端近傍の地点3で行った。
実施例4で配向角の測定を行った複層フィルムの、第二の位相差層及び第三の位相差層を研磨によって除去し、第一の位相差層のみからなるサンプルフィルムを用意した。そして、このサンプルフィルムの配向角を前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定することにより、第一の位相差層の配向角を測定した。
また、実施例4で配向角の測定を行った複層フィルムの、第一の位相差層及び第三の位相差層を研磨によって除去し、第二の位相差層のみからなるサンプルフィルムを用意した。そして、このサンプルフィルムの配向角を前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定することにより、第二の位相差層の配向角を測定した。
サンプルフィルムの配向角の測定の際、測定に用いる光は、実施例4で複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスMtotalの測定に用いた光と同じ向きでサンプルフィルムを透過するようにした。また、前記の測定の際、測定に用いる光の波長は実施例4と同様にした。さらに、配向角の測定は、幅方向の位置が実施例4での測定地点と同じになる地点で行った。
前記の実施例4及び比較例4の結果を、表1及び図7に示す。図7に示すグラフにおいて、横軸は測定地点の幅方向の位置を表し、縦軸は配向角を表す。また、図7に示すプロットのうち、白色四角形のプロットは実施例4で測定された第一の位相差層の配向角の値を示し、白色円形のプロットは実施例4で測定された第二の位相差層の配向角の値を示し、黒色四角形のプロットは比較例4で測定された第一の位相差層の配向角の値を示し、黒色円形のプロットは比較例4で測定された第二の位相差層の配向角の値を示す。
複層フィルムとして製造例3で製造したものを用いた。以上の事項以外は実施例4と同様にして、複層フィルムに含まれる第一の位相差層、第二の位相差層及び第三の位相差層それぞれの配向角を、複層フィルムの幅方向の一端近傍の地点1、幅方向の中央の地点2、及び、幅方向の他端近傍の地点3で測定した。
実施例5で配向角の測定を行った複層フィルムの、第二の位相差層及び第三の位相差層を研磨によって除去し、第一の位相差層のみからなるサンプルフィルムを用意した。そして、このサンプルフィルムの配向角を前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定することにより、第一の位相差層の配向角を測定した。
また、実施例5で配向角の測定を行った複層フィルムの、第一の位相差層及び第三の位相差層を研磨によって除去し、第二の位相差層のみからなるサンプルフィルムを用意した。そして、このサンプルフィルムの配向角を前記ミュラーマトリクス・ポラリメーターを用いて測定することにより、第二の位相差層の配向角を測定した。
サンプルフィルムの配向角の測定の際、測定に用いる光は、実施例5で複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスMtotalの測定に用いた光と同じ向きでサンプルフィルムを透過するようにした。また、前記の測定の際、測定に用いる光の波長は実施例5と同様にした。さらに、配向角の測定は、幅方向の位置が実施例5での測定地点と同じになる地点で行った。
前記の実施例5及び比較例5の結果を、表2及び図8に示す。図8に示すグラフにおいて、横軸は測定地点の幅方向の位置を表し、縦軸は配向角を表す。また、図8に示すプロットのうち、白色四角形のプロットは実施例5で測定された第一の位相差層の配向角の値を示し、白色円形のプロットは実施例5で測定された第二の位相差層の配向角の値を示し、黒色四角形のプロットは比較例5で測定された第一の位相差層の配向角の値を示し、黒色円形のプロットは比較例5で測定された第二の位相差層の配向角の値を示す。
20 出射光
100 複層フィルム
110 第一の位相差層
120 第二の位相差層
200 複層フィルム
230 第三の位相差層
300 複層フィルムの製造装置
310 延伸前フィルム
320 延伸前フィルムのロール
330 延伸装置
340 複層フィルム
350 複層フィルムのロール
360 ミュラーマトリクス・ポラリメーター
370 制御装置
371 計算部
372 制御部
Claims (2)
- 複屈折を有する2層以上の位相差層を備える複層フィルムの、前記位相差層それぞれの配向角の測定方法であって、
前記2層以上の位相差層が有する配向角の値の数が、2つ以下であり、
前記測定方法が、
前記複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスを測定する工程と、
前記ミュラーマトリクスの「m12−m21」、「m21−m12」、「m11+m22」及び「m33」からなる群より選ばれる一つのパラメータ;前記ミュラーマトリクスのm11、m12、m13、m21、m22、m23、m31及びm32からなる群より選ばれる一つの成分;並びに、前記位相差層それぞれのレターデーションから、前記位相差層それぞれの配向角を計算する工程と、を含む、配向角の測定方法。 - 2層以上の延伸前層を備える延伸前フィルムを延伸して、複屈折を有する2層以上の位相差層を備える複層フィルムを得る工程と、
前記複層フィルムのトータルのミュラーマトリクスを測定する工程と、
前記ミュラーマトリクスの「m12−m21」、「m21−m12」、「m11+m22」及び「m33」からなる群より選ばれる一つのパラメータ;前記ミュラーマトリクスのm11、m12、m13、m21、m22、m23、m31及びm32からなる群より選ばれる一つの成分;並びに、前記位相差層それぞれのレターデーションから、前記位相差層それぞれの配向角を計算する工程と、を含み、
前記2層以上の位相差層が有する配向角の値の数が、2つ以下である、複層フィルムの製造方法。
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JP2016156636A (ja) | 2016-09-01 |
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