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JP6399900B2 - 無段変速装置 - Google Patents

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JP6399900B2
JP6399900B2 JP2014226910A JP2014226910A JP6399900B2 JP 6399900 B2 JP6399900 B2 JP 6399900B2 JP 2014226910 A JP2014226910 A JP 2014226910A JP 2014226910 A JP2014226910 A JP 2014226910A JP 6399900 B2 JP6399900 B2 JP 6399900B2
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Description

本発明は、2つのプーリ間に巻き掛けたチェーン式Vベルトにより、一方のプーリの回転駆動力を他方のプーリに伝達する無段変速装置(Continuously Variable Transmission:CVT)に関する。
例えば車両用のCVTではそれぞれV溝を形成するプライマリプーリとセカンダリプーリの間にVベルトを巻き掛け、各プーリとVベルトとの摩擦力により回転駆動力を伝達するとともに、各V溝の溝幅を変化させることにより無段階で変速比を変化させる。この際、Vベルトとの接触半径が両プーリ間で大きく異なる変速領域の端では摩擦力が不足して顕著な滑りが生じる場合がある。
この対策として特開2010−14269号公報には、Vベルトとしてチェーンを用いたCVTにおいてプーリの軸部に径方向に進退自在の可動歯を設けるとともに、チェーンには凹部を形成して可動歯と噛み合う歯とした技術が提案されている。当該技術をセカンダリプーリに適用することにより、プーリ溝幅が最大となってチェーンとの接触半径が小さくなったとき可動歯とチェーンの歯とが噛み合い、セカンダリプーリとチェーン間の滑りを摩擦力以外の噛合い係合で阻止することができ、とくにOD(オーバードライブ)など変速領域の最Hi(高速)時の性能向上が期待される。
特開2010−14269号公報
しかしながら、上記の溝幅最大時噛合い構造では変速領域の最Hi時のセカンダリプーリ側での滑りは防止されるが、プライマリプーリ側ではV溝の溝幅が最小となってチェーンの接触位置がプライマリプーリの軸部から最大に離間しているため、たとえ軸部に可動歯を設けてもチェーンの歯と噛み合わせることができず、プライマリプーリ側では依然として摩擦力のみで駆動力を伝達せざるを得ず、滑りの発生可能性が残されている。
したがって本発明は、上記従来の問題点に鑑み、プーリにおけるV溝の溝幅が最小のときにチェーンと当該プーリとが固定状態で回転して相互の滑りが阻止されるようにした無段変速装置を提供することを目的とする。
このため本発明は、それぞれ固定プーリと可動プーリとでV溝を形成する第1のプーリと第2のプーリの間にチェーンを巻き掛けて回転を伝達し、第1のプーリと第2のプーリの各V溝の溝幅を変化させることにより変速比を変化させる無段変速装置において、第1のプーリと第2のプーリの少なくとも一方における固定プーリと可動プーリの選択された少なくとも一方に、当該選択されたプーリが形成するV溝内へ進退可能の可動シーブと、該可動シーブを進退させる作動手段とを備え、可動シーブがV溝内に進出したときチェーンと噛み合う噛合部を有しているものとした。

本発明によれば、選択されたプーリを備える第1または第2のプーリのV溝の溝幅最小時に、摩擦力以外で当該第1または第2のプーリとチェーンの固定状態を実現でき、相互の滑りが阻止される。
実施の形態にかかるCVTを示す図である。 第1の実施例にかかるプライマリプーリの縦断面を示す拡大図である。 可動シーブを示す図である。 可動シーブの保持溝と可動歯を示す図である。 可動シーブがV溝に進出した状態を示す図である。 図5におけるB−B部断面図である。 第2の実施例にかかるプライマリプーリの縦断面を示す拡大図である。 可動シーブがV溝に進出した状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1の(a)は実施の形態にかかる無段変速装置としてのCVTの基本構成図、(b)はセカンダリプーリ3の軸部周りの拡大図である。
CVT1は、プライマリプーリ2とセカンダリプーリ3の間にチェーン15からなるVベルト(以下、単にチェーンと言う)を巻き掛けて回転を伝達する。
プライマリプーリ2は、後掲の図2以下に示すように、固定プーリ20と可動プーリ30とからなり、可動プーリ30に付設したプライマリ圧室38に油圧制御回路60からプライマリ圧を受け、V溝の溝幅Wpを変化させる。この基本構成は従来と同じである。
とくに図示しないが、セカンダリプーリ3も同様に、固定プーリと可動プーリとからなり、可動プーリに付設したセカンダリ圧室に油圧制御回路60からセカンダリ圧を受け、V溝の溝幅を変化させる。
油圧制御回路60は、エンジンの出力や走行速度等の走行状態に応じてあらかじめ設定された所定の変速パターンに基づいて制御されたプライマリ圧およびセカンダリ圧を供給する。
図1の(b)に示すように、セカンダリプーリ3の軸部4の周面には、基本構成を特開2010−14269号公報のものと同じとした溝幅最大時噛合い構造を備える。
すなわち、可動歯10が軸部4の周面に設けられたホルダ6に保持され、チェーン15のチェーンリンク16に可動歯10に対応する歯17が形成されている。ホルダ6は外周面に開口する細溝8とその内側に続く広溝9とからなる保持溝7を有する。
可動歯10はホルダ6の細溝8に沿って径方向に進退可能な歯部11と、広溝9に収まる基部12とからなり、広溝9の底壁(軸部4)と基部12間に配置した圧縮スプリング13により径方向外方に付勢されて、歯部11を細溝8から進出させている。
このセカンダリプーリ3では、溝幅が最大となる変速領域の最Hi時に、細溝8から進出した歯部11がチェーン15の歯17と噛み合う。そして、軸部4の周方向におけるチェーン15が巻き付いていない側では、基部12が細溝8と広溝9間の段差に係止して保持溝7からの脱落が防止される。
なお、特開2010−14269号公報のものでは可動歯の頂部が平頭をなし、チェーンの歯が平頭に対応して各チェーンリンクに1つずつ形成された凹部を谷とする大ピッチのものであるのに対して、本実施の形態では各チェーンリンク16は山谷形状が尖ったピッチの小さい複数の歯17を有し、可動歯10も対応して歯部11の頂部が尖っている点で具体的形状が相違している。
本実施の形態では、プライマリプーリ2に溝幅が最小のときチェーンと当該プーリとを固定状態とする溝幅最小時噛合い構造を備える。
以下、プライマリプーリ2について実施例により詳細に説明する。
図2は第1の実施例にかかるプライマリプーリ2の縦断面を示す拡大図である。
プライマリプーリ2の固定プーリ20は、軸部21と一体にチェーン支持部22を有し、軸部21は軸方向両端がベアリング28、29を介して変速機ケース等の固定側に回転可能に支持されている。
両ベアリング28、29の間において、可動プーリ30はその支持孔31で軸部21に支持されチェーン支持部22に対向する。可動プーリ30は支持孔31と軸部21の間に形成したスプラインにより回転方向には軸部21と一体で、軸方向にはスライド可能となっている。固定プーリ20(チェーン支持部22)と可動プーリ30の対向面(シーブ面23、33)が協同してチェーン15を支持するV溝を形成している。
可動プーリ30からはV溝形成側と反対方向にドラム状のシリンダ35が延びるとともに、シリンダ35内には軸部21に固定された円盤状のピストン36が配置されて、ピストン36の外周縁がシリンダ35の内壁に対して相対的に軸方向にスライド可能となっている。ピストン36の外周縁にはシールリング37が保持されて、これにより可動プーリ30(シリンダ35)とピストン36の間に油密のプライマリ圧室38が形成されている。プライマリ圧室38には軸部21に形成された油路24a、24bを経て油圧制御回路60からプライマリ圧が供給され、プライマリ圧の制御により可動プーリ30が移動して、V溝のシーブ面23、33の外径端間距離で代表される溝幅Wpが変化する。
軸部21のベアリング28を貫通した一端には入力ギア27が取り付けられ、エンジン側からの回転駆動力が入力する。
プライマリ圧を供給する油路24aは軸部21における入力ギア27側の端に開口して、不図示のオイルポンプを備える油圧制御回路60に接続している。
プライマリプーリ2における以上の構成は公知の従来構造と同様である。
本実施例では固定プーリ20および可動プーリ30にそれぞれのシーブ面23、33に開口するリング状の収容室40(40a、40b)が互いに対向して形成され、これらの収容室40に可動シーブ42(42a、42b)が軸方向に進退可能に保持されている。
なお、以下では、参照番号にa、b等の添字を付して識別される複数の部位について共通の事項を述べるときには添字を省略する。
可動シーブ42と収容室40の軸方向底壁との間には両者に両端を適宜の手段で係止した引きばねタイプのリターンスプリング57が設けられ、可動シーブ42を退避方向に付勢している。
固定プーリ20の収容室40aに保持された可動シーブ42aの進出側の先端は退避位置においてチェーン支持部22のシーブ面23と面一になる円錐面43aをなし、可動プーリ30の収容室40bに保持された可動シーブ42bの先端も退避位置において可動プーリ30のシーブ面33と面一になるように設定された円錐面43bをなしている。各円錐面43(43a、43b)は後述の最Hi時を除いて通常は各シーブ面23、33の一部として機能し、V溝の一部を構成するようになっている。
図2は変速領域のLo時に可動シーブ42が退避位置にある状態を示している。各可動シーブ42はその退避側の後端に凹部を開口させてリターンスプリング57を収容するスプリング室44とし、また退避位置は後端が収容室40の軸方向底壁に底づきすることにより規定される。
なお、可動シーブ42aと固定プーリ20は不図示のスプラインあるいはキー溝構造などにより一体回転し、可動シーブ42bと可動プーリ30も同様に一体回転するようになっている。
シーブ面23、33における各収容室40の開口の外径は最Hi時(すなわちV溝の溝幅Wp最小)におけるチェーン15の巻き付き内径よりわずかに小さく設定され、これにより最Hi時には可動シーブ42がV溝におけるチェーン15より内側に進出可能となっている。
図3は可動シーブ42を後方(退避側)から見た拡大斜視図である。
固定プーリ20や可動プーリ30と一体回転するためのスプライン等は図示省略している。
リング状の可動シーブ42の外周面には、軸方向に延びるとともに進出側の前端が閉じた保持溝45がチェーン15の歯17に対応させて周方向等間隔に設けられ、保持溝45に可動歯50が収容保持される。なお、保持溝45にしたがって可動歯50はチェーン15の歯17のうち所定の複数の歯に対応させて等間隔に設定すればよい。保持溝45は可動シーブ42の退避側の後端に開口している。
なお、前述のスプリング室44は可動シーブ42の周方向で保持溝45と重ならない位置に設定されており、図2では可動プーリ30側の可動シーブ42bに保持溝45(および可動歯50)を示し、固定プーリ20側の可動シーブ42aにスプリング室44(およびリターンスプリング57)を描いている。
図4は保持溝45と可動歯50を示し、(a)は図2におけるA−A部相当の保持溝45の拡大断面図、(b)は可動歯50の軸方向背面図、(c)は可動歯50の側面図である。
保持溝45は、(a)に示すように、可動シーブ42の外周面に開口する細溝46とその内径側に連なる広溝47とからなり、両者間に段差を形成している。
図4の(b)、(c)に示すように、可動歯50は歯部51と基部52とからなり、歯部51は山形の歯先を有し保持溝45の細溝46に沿って径方向に進退可能であり、基部52は広溝47に収まって細溝46と広溝47間の段差に係止可能となっている。可動歯50は後端における外径端に傾斜面54を有している。
図3に示すように、可動歯50は後端開口から保持溝45に挿入され、可動シーブ42の後端側に外周面側から形成したリング溝48にスナップリング49を嵌め込むことにより抜け止めされる。
なお、図3は複数の可動歯50のうち一部のみを保持溝45に保持させた状態を描いており、スナップリング49は嵌め込み前でリング溝外に示している。
可動歯50は、退避位置において可動シーブ42とともに収容室40内に収容されているが、可動シーブ42が収容室40から進出したときには径方向外方へ進出可能となる。
リング溝48はスナップリング49が可動歯50の後端面に対向する位置と深さに設定され、スナップリング49が傾斜面54に乗りかかって径方向外方への可動歯50の進出を阻害することのないようになっている(図2参照)。とくに図示はしないが、スナップリング49の取り外しのためには、可動シーブ42の内周面からリング溝48に達する径方向に小孔を設けて、該小孔を貫通するピンによりスナップリング49を押し出せばよい。
図2に戻って、収容室40の底壁側は、軸部21に形成された油路25a、25bに連通する。油路25aはベアリング29側の端に開口して、プライマリ圧を供給する油路とは別に油圧制御回路60に接続し、シーブ制御圧を受ける。
シーブ制御圧を受けると、可動シーブ42がリターンスプリング57に抗して軸方向にスライドしてV溝内に進出する。
上記構成になるCVT1では、油圧制御回路60がプライマリ圧とセカンダリ圧を制御することにより、プライマリプーリ2の溝幅Wpとセカンダリプーリ3の溝幅Ws(図示なし)を変化させて変速をおこなう。ここで、油圧制御回路60は変速領域の最Loから最Hi手前までの間を変速中は、シーブ制御圧を供給しない。
これにより、プライマリプーリ2においては最Hi手前までの間、図2に示されるように、固定プーリ20および可動プーリ30の可動シーブ42はそれぞれリターンスプリング57に引かれて退避位置にある。
退避位置において可動シーブ42(の円錐面43)はシーブ面23、33と面一になっているので、溝幅Wpの変化に応じてチェーン15は滑らかに可動シーブ42上に移動してプライマリプーリ2との接触位置とするとともに通過することもできる。
つぎに、走行状態に基づく変速パターンにしたがってODすなわち最Hiにするときは、油圧制御回路60はセカンダリ圧を低減させるとともにプライマリプーリ2の溝幅Wpを最小にするようにプライマリ圧を増大させる。これによりプライマリプーリ2では、チェーン15がV溝における収容室40の開口を通過して径方向外方へ移動する。油圧制御回路60は溝幅Wpが最小に至ったタイミングと連動させてシーブ制御圧を収容室40へ供給する。このタイミングの決定には、例えばプライマリプーリ2に付設する不図示の溝幅検知センサなどを用いることができる。
チェーン15が収容室40の開口を通過済みであるから、可動シーブ42はシーブ制御圧を受けると支障なく収容室40の開口からV溝内に進出する。
図5は可動シーブ42が進出した状態を示す縱断面図、図6は図5におけるB−B部断面図である。
可動シーブ42(42a、42b)がV溝内に進出すると、保持溝45内に収容されていた可動歯50は収容室40の外径側の壁面による規制から逃れて遠心力により径方向外方に移動し、歯部51が可動シーブ42の外周面から進出する。進出した歯部51はチェーン15の歯17と噛み合って、溝幅最小時噛合い構造を形成する。これによりチェーン15と可動シーブ42したがってプライマリプーリ2とが固定状態で一体に回転することになる。
可動シーブ42の周方向において可動歯50がチェーン15と噛み合っていない側では、基部52が細溝46と広溝47間の段差に係止して保持溝45からの脱落が防止される。
最Hi時には、セカンダリプーリ3ではセカンダリ圧が低減されて、固定プーリと可動プーリ間の溝幅が最大となり、図1の(b)に示したように、軸部4の溝幅最大時噛合い構造において径方向外方に付勢された可動歯10がチェーン15の歯17と噛み合う。これによりチェーン15とセカンダリプーリ3とが固定状態で一体に回転することになる。
こうして、プライマリプーリ2およびセカンダリプーリ3の双方において、最Hi時には摩擦力以外でチェーン15との滑りが阻止されるので、大きな摩擦力を得るための油圧を必要としない。したがって油圧制御回路60は最Hi時にV溝の溝幅Wpを最小に維持する範囲でプライマリ圧室やセカンダリ圧室へ供給するプライマリ圧およびセカンダリ圧を低減することができる。
つぎに、変速状態を最Hiから脱出させる場合には、油圧制御回路60がシーブ制御圧を抜く。これにより可動シーブ42はリターンスプリング57により退避位置へ向かって移動する。この際、可動シーブ42の保持溝45から突出していた可動歯50は、その傾斜面54を収容室40の外径側の開口縁に押されて、カム作用により保持溝45内に戻される。
可動シーブ42が退避位置に達するタイミングとなるように、シーブ制御圧の抜きから所定の遅延で溝幅最小維持状態からプライマリ圧をさらに低減させると、溝幅Wpが広がり、可動シーブ42との干渉なくチェーン15がプライマリプーリ2との接触位置を変化させていく。
本実施例では、プライマリプーリ2が発明における第1のプーリに該当し、セカンダリプーリ3が第2のプーリに該当する。そして、固定プーリ20と可動プーリ30がそれぞれ選択されたプーリに該当し、可動シーブ42が可動部に、保持溝45が保持部に、可動歯50が噛合部にそれぞれ該当する。
また、固定プーリ20と可動プーリ30の各収容室40に油圧制御回路60からシーブ制御圧を供給することにより、可動シーブ42を収容室40から進出させる構造が発明における作動手段を構成している。
プライマリ圧室38が第1のプーリの可動プーリに付設された圧力室に該当し、セカンダリ圧室(図示せず)が第2のプーリの可動プーリに付設された圧力室に該当する。
第1の実施例は以上のように構成され、プライマリプーリ2とセカンダリプーリ3の間にチェーン15を巻き掛けて回転を伝達するCVT1において、プライマリプーリ2の固定プーリ20と可動プーリ30にそれぞれ両者で形成するV溝内へ進退可能で可動歯50を保持する可動シーブ42を備え、可動シーブ42をV溝内に進出させることにより可動歯50をチェーン15と噛み合い可能としたので、チェーン15とプライマリプーリ2の接触位置がプライマリプーリ2の軸部21から大きく離間する溝幅最小時にも摩擦力以外でチェーン15とプライマリプーリ2の固定状態を実現でき、相互の滑りが阻止される。
とくに可動シーブ42はリング状であり、固定プーリ20と可動プーリ30はそれぞれのシーブ面23、33におけるV溝の溝幅Wpが最小のときのチェーン15の巻き付き内径より内側に開口して可動シーブ42を保持する収容室40を備え、可動シーブ42は径方向外方に開口して可動歯50を収容する保持溝45を有して、収容室40にシーブ制御圧を供給して可動シーブ42を収容室40内の退避位置から軸方向に進出させると、遠心力により可動歯50の歯部51が保持溝45の開口から進出してチェーン15に形成された歯17と噛み合うので、可動シーブ42を進出させるだけで特段の付勢手段を要することなく自動的に可動歯50とチェーン15を噛み合わせることができる。
また、可動歯50は歯部51の後端に傾斜面54を有し、可動シーブ42が退避する際に収容室40の開口縁とのカム作用により保持溝45内に格納されるので、この点でも構成が簡単である。
そして、可動シーブ42と収容室40の軸方向底壁との間には可動シーブ42を退避位置へ付勢するスプリング57を有しているので、収容室40への油圧を廃したときには迅速に退避位置へ戻り、応答性が高い。
可動シーブ42は、収容室40に格納された退避位置において、先端の円錐面43が固定プーリ20および可動プーリ30のシーブ面23、33と面一になっているので、溝幅最小の最Hi時に進出させる以外の変速領域ではシーブ面23、33の一部として機能し、滑らかな変速が確保される。
油圧制御回路60は、プライマリプーリ2の溝幅Wpが最小時に可動シーブ42が進出して可動歯50の歯部51がチェーン15の歯17と噛み合ったあと、プライマリ圧やセカンダリ圧を低減させることができるので、オイルポンプの負荷を軽減し、燃費と耐久性の向上が図れる。
第1の実施例では、可動歯50を備える可動シーブ42をプライマリプーリ2の固定プーリ20および可動プーリ30の双方に設けたが、伝達トルクが比較的に小さい場合には、可動シーブは固定プーリと可動プーリのいずれか一方のみに設けることとしてもよい。
その一例として、図7はプライマリプーリにおいて可動シーブを可動プーリのみに設けた第2の実施例を示す縦断面図である。
プライマリプーリ2Xでは、可動プーリ30Xにおける可動シーブ42Xを保持するリング状の収容室40Xが、外径を第1の実施例と同じくV溝の溝幅Wp最小時におけるチェーン15の巻き付き内径よりわずかに小さく設定される一方、内径は可動プーリ30Xが固定プーリ20Xの軸部21に支持される支持孔31まで延びており、換言すれば、収容室40Xは軸部21を内径側の壁面としている。
収容室40Xに保持された可動シーブ42Xは、後端を収容室40Xの軸方向底壁に底づきさせた退避位置において、進出側の先端が可動プーリ30Xのシーブ面33と面一になる円錐面43Xをなしている。図7は退避位置状態を示している。
可動シーブ42Xの外周面には、第1の実施例と同じく、軸方向に延びるとともに進出側の端が閉じた保持溝45がチェーン15の歯17に対応させて周方向所定間隔に設けられ、保持溝45に可動歯50が保持されて、スナップリング49により抜け止めされている。
本実施例では、図7に示す最Lo時すなわちV溝の溝幅Wp最大時のチェーン15の位置よりも内径側で、固定プーリ20Xと可動シーブ42Xの間に押しばねタイプのリターンスプリング58を、チェーン15と干渉しないよう離間させて配置してある。リターンスプリング58は軸部21周りの複数箇所に等間隔で設けられる。
固定プーリ20Xのチェーン支持部22と可動シーブ42Xの軸部21側各根元には互いに軸方向に対向して開口する凹部状のスプリング受け部26、56が形成されている。リターンスプリング58はその両端をスプリング受け部26、56に支持されて軸部21の外周面に沿って軸方向に伸縮可能で、可動シーブ42Xを退避方向に付勢する。
収容室40Xには軸部21に形成された油路25a、25bにより油圧制御回路60(図2参照)からのシーブ制御圧が供給される。その他の構成は第1の実施例と同じであり、同一部位には同じ参照番号を付してある。
変速領域の最Loから最Hi手前までの間はシーブ制御圧が供給されず、リターンスプリング58により押されて退避位置にある可動シーブ42Xは先端の円錐面43Xが可動プーリ30Xのシーブ面として機能する。
そして溝幅Wpが最小の最Hi時には、図8に示すように、シーブ制御圧が供給されて可動シーブ42Xがリターンスプリング58に抗してV溝内に進出し、第1の実施例と同様に、可動歯50が遠心力により径方向外方に移動する。これにより、可動歯50の歯部51がチェーン15の歯17と噛み合い、チェーン15とプライマリプーリ2Xとが固定状態で一体に回転することになる。
最Hiから脱出させる場合の動作も第1の実施例と同様である。
本実施例では、プライマリプーリ2Xが発明における第1のプーリに該当し、セカンダリプーリ3が第2のプーリに該当する。そして、可動プーリ30Xが選択されたプーリに該当し、可動シーブ42Xが可動部に、保持溝45が保持部に、可動歯50が噛合部にそれぞれ該当する。
また、可動プーリ30Xの収容室40Xに油圧制御回路60から油圧を供給することにより、可動シーブ42Xを収容室40Xから進出させる構造が発明における作動手段を構成している。
プライマリ圧室38が第1のプーリの可動プーリに付設された圧力室に該当し、セカンダリ圧室が第2のプーリの可動プーリに付設された圧力室に該当する。
第2の実施例は以上のように構成され、第1の実施例と同じ効果を有する。
さらに、可動シーブ42Xを可動プーリ30Xにのみ設けるので、第1の実施例と比較して構成が簡素となり、コストが低減する。
また、可動シーブ42XがV溝の溝幅Wpが最大のときのチェーン15の巻き付き内径よりも小さい内径を有し、可動シーブ42Xと固定プーリ20Xとの間で、溝幅Wpが最大のときのチェーン15よりも内径側に押しばねタイプのスプリング58を配置して、可動シーブ42Xを退避位置へ付勢するので、収容室40X内でのスプリング係止手段を要せず、組み付けが簡単である。
なお、リターンスプリング58は、軸部21周りに複数設ける代わりに、軸部21と同心の1個のコイルばねとしてもよい。
実施の形態では、本発明をプライマリプーリに適用し、プライマリプーリの溝幅が最小、すなわち変速領域の最Hi時にチェーンと当該プーリとを固定状態とするものとしたが、これに限定されず、セカンダリプーリに適用して、セカンダリプーリの溝幅が最小、すなわち変速領域の最Lo時にチェーンと当該プーリとを固定状態とするものとしてもよいし、さらにはプライマリプーリとセカンダリプーリの双方に適用することもできる。
1 CVT
2、2X プライマリプーリ
3 セカンダリプーリ
4 軸部
6 ホルダ
7 保持溝
8 細溝
9 広溝
10 可動歯
11 歯部
12 基部
13 圧縮スプリング
15 チェーン
16 チェーンリンク
17 歯
20、20X 固定プーリ
21 軸部
22 チェーン支持部
23、33 シーブ面
24a、24b 油路
25a、25b 油路
26、56 スプリング受け部
27 入力ギア
28、29 ベアリング
30、30X 可動プーリ
31 支持孔
35 シリンダ
36 ピストン
37 シールリング
38 プライマリ圧室
40、40a、40b、40X 収容室
42、42a、42b、42X 可動シーブ
43、43a、43b、43X 円錐面
44 スプリング室
45 保持溝
46 細溝
47 広溝
48 リング溝
49 スナップリング
50 可動歯
51 歯部
52 基部
54 傾斜面
57、58 リターンスプリング
60 油圧制御回路
Mp 溝幅

Claims (7)

  1. それぞれ固定プーリと可動プーリとでV溝を形成する第1のプーリと第2のプーリの間にチェーンを巻き掛けて回転を伝達し、前記第1のプーリと前記第2のプーリの各前記V溝の溝幅を変化させることにより変速比を変化させる無段変速装置において、
    前記第1のプーリと前記第2のプーリの少なくとも一方における前記固定プーリと前記可動プーリの選択された少なくとも一方に、当該選択されたプーリが形成する前記V溝内へ進退可能の可動シーブと、該可動シーブを進退させる作動手段とを備え、
    前記可動シーブは、前記V溝内に進出したとき前記チェーンと噛み合う噛合部を有していることを特徴とする無段変速装置。
  2. 前記可動シーブがリング状であり、
    前記選択されたプーリは、そのシーブ面における当該選択されたプーリが形成する前記V溝の溝幅が最小のときの前記チェーンの巻き付き内径より内側に開口して前記可動シーブを保持する収容室を備え、
    前記可動シーブは、前記選択されたプーリの回転軸を中心とする径方向外方に開口して前記噛合部を収容する保持部を有して、
    前記作動手段は前記V溝の溝幅が最小のときオイルポンプを備える油圧制御回路から前記収容室に油圧を供給することにより前記可動シーブを前記収容室に格納された退避位置から軸方向に進出させ、
    前記噛合部は前記可動シーブが前記V溝内に進出したとき遠心力により前記保持部の開口から進出して前記チェーンに形成された歯と噛み合う歯部を有していることを特徴とする請求項1に記載の無段変速装置。
  3. 前記作動手段は、前記可動シーブと前記収容室の軸方向底壁との間に、前記可動シーブを前記退避位置へ付勢する引きばねタイプのスプリングを有していることを特徴とする請求項2に記載の無段変速装置。
  4. 前記可動シーブが前記V溝の溝幅が最大のときの前記チェーンの巻き付き内径よりも小さい内径を有し、
    前記作動手段は、前記可動シーブと該可動シーブに対向するプーリとの間で、前記V溝の溝幅が最大のときの前記チェーンよりも内径側に、前記可動シーブを前記退避位置へ付勢する押しばねタイプのスプリングを有していることを特徴とする請求項2に記載の無段変速装置。
  5. 前記噛合部は前記歯部の後端に傾斜面を有し、前記可動シーブが前記収容室に退避する際に該収容室の開口縁とのカム作用により前記保持部内に格納されることを特徴とする請求項2から4のいずれか1に記載の無段変速装置。
  6. 前記可動シーブは、前記退避位置において、該可動シーブの先端が前記選択されたプーリの前記シーブ面と面一に設定してあることを特徴とする請求項2から5のいずれか1に記載の無段変速装置。
  7. 前記第1のプーリおよび前記第2のプーリはそれぞれの前記可動プーリに付設された圧力室に、前記油圧制御回路から油圧を供給されて前記V溝の溝幅を変化させるものであり、
    前記油圧制御回路は、前記選択されたプーリが形成する前記V溝の溝幅が最小で、前記可動シーブが進出して前記噛合部が前記チェーンと噛み合ったあと、前記選択されたプーリを有する前記第1のプーリまたは前記第2のプーリにおける前記圧力室への油圧を低減させることを特徴とする請求項2から6のいずれか1に記載の無段変速装置。
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