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JP6396824B2 - シールドトンネルの前方探査装置及び方法 - Google Patents

シールドトンネルの前方探査装置及び方法 Download PDF

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JP6396824B2 JP2015034271A JP2015034271A JP6396824B2 JP 6396824 B2 JP6396824 B2 JP 6396824B2 JP 2015034271 A JP2015034271 A JP 2015034271A JP 2015034271 A JP2015034271 A JP 2015034271A JP 6396824 B2 JP6396824 B2 JP 6396824B2
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Description

本発明は、トンネル掘削用のシールド機にて、発振点からの弾性波を受振することにより、シールド機前方の地質探査を行う、シールドトンネルの前方探査装置及び方法に関する。
特許文献1には、主に岩盤にトンネルを掘削するTBM(トンネルボーリングマシン)での前方探査のため、TBMの前胴及び後胴をトンネル内壁面に固定保持する前部グリッパ及び後部グリッパの少なくとも一方に、発振部を配置し、TBM後方のトンネル内壁に受振部を配置することが開示されている。
特許文献2には、主に軟弱地盤にトンネルを掘削するシールド機での前方探査のため、シールド機のカッターフェイスに発振部を配置し、カッターフェイス又はスキンプレートに受振部を配置することが開示されている。
特開平09−053390号公報 特開2009−185511号公報
トンネルの掘削にシールド機が用いられる軟弱地盤では、発振部からの弾性波の減衰が大きくなるため、受振部の位置設定が重要となる。
特許文献1では、TBM後方のトンネル内壁に受振部を配置しているが、これをシールドトンネルに適用すると、セグメント側で受振することになる。しかし、セグメントは永久構造物で、孔開けには適さないため、受振しやすい位置に受振部を配置することが難しい。
また、特許文献2では、シールド機のカッターフェイス又はスキンプレートに受振部を配置して、カッターフェイス又はスキンプレートから地山に向けて突き出している。しかし、カッターフェイスへの配置は、カッターフェイスの大幅な設計変更を余儀なくされる。この点、スキンプレートへの配置は、比較的容易である。しかし、スキンプレートの径は、カッターフェイスの径より小さく、スキンプレートと地山との間には、間隙がある。このため、受振部の配置によっては、前記間隙により、受振が困難となることがある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、トンネル掘削用のシールド機に、発振点からの弾性波を受振する受振設備を備えて、シールド機前方の地質探査を行うシールドトンネルの前方探査装置において、受振性能の向上を図ることを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るシールドトンネルの前方探査装置での受振設備は、シールド機のスキンプレートに設けられた開口部と、前記開口部に接続されて前記スキンプレートの内側に延在する筒状のガイド部と、前記ガイド部に挿入され、前記開口部を介して前記スキンプレートの外側へ出没可能に配置される受振器と、を含んで構成される。ここにおいて、前記受振器は、受振時に、その少なくとも一部が、前記スキンプレートの外側にて地山に貫入又は押付けられる接地部となる。
また、本発明に係るシールドトンネルの前方探査方法は、トンネル掘削用のシールド機にて、発振点からの弾性波を受振することにより、シールド機前方の地質探査を行うに際し、受振器を、シールド機のスキンプレートに設けられた開口部を介して、スキンプレートの外側へ突出させ、前記受振器の少なくとも一部を、スキンプレート背方の間隙を通過させて、地山に貫入又は押付ける。
本発明によれば、受振器を、シールド機のスキンプレートから突出させて、その少なくとも一部を地山に貫入又は押付けることにより、受振性能を向上させて、シールドトンネルの前方探査をより的確なものとすることができる。
本発明の一実施形態を示すシールドトンネルの概略断面図 受振設備の格納時の正面縦断面図 受振設備の受振時の正面縦断面図 受振設備の側面図 地質解析方法の説明図 ドリルを併用する場合の受振設備の正面縦断面図 地上に起振設備(発振点)を設ける場合の説明図 セグメント側で受振する場合のシールドトンネルの概略断面図
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すシールドトンネルの概略断面図である。
シールドトンネル掘削用のシールド機1は、円筒状の本体を構成するスキンプレート2と、スキンプレート2の前端側(切羽側)に配置されるカッターヘッド3と、カッターヘッド3の後方に配置される隔壁(バルクヘッド)4と、を含んで構成される。
カッターヘッド3は、スキンプレート2より僅かながら大径の円盤状で、前面に多数のカッタービット3aを有している。カッターヘッド3は、支持アーム5を介して旋回環6に連結されている。旋回環6は、隔壁4を貫通した状態で、隔壁4に旋回可能に支持されている。そして、隔壁4の後方にて、旋回環6に一体的に取付けられたリングギヤ7に、円周方向に複数配置されるモータ8の出力軸に取付けられたピニオンギヤ9を噛み合わせてある。従って、カッターヘッド3は、前記モータ8を駆動源として、旋回し、地山を掘削する。
隔壁4にはまた、カッターヘッド3側の機器と隔壁4後方の機器とを油圧や電線で連係させるためにロータリージョイント10が設けられる。
カッターヘッド3と隔壁4との間には、チャンバ11が区画形成される。カッターヘッド3による地山の掘削により、このチャンバ11には、掘削土砂が滞留し、土圧を生じる。排土機構12は、チャンバ11内の掘削土砂を隔壁4の後方へ排出するもので、同時にチャンバ11内の土圧を制御して、切羽の崩落を防止する。
シールド機1は、更に、カッターヘッド3により掘削されたトンネル壁面(地山の壁面)101に沿って、セグメントSGを組み付けるセグメント組付機構(エレクタ13)と、シールド機1の本体を掘削と共に前進させる推進機構(シールドジャッキ14)と、を含んで構成される。
セグメント組付機構は、スキンプレート2内の後部にて、トンネル径方向及び前後方向に移動しながら、セグメントSGを把持して組み付けるエレクタ13を主体として構成される。
推進機構は、スキンプレート2の内面に沿ってほぼ等間隔で配置される複数のシールドジャッキ14を主体として構成され、構築済みのセグメントSGの端面を押すことで推力を発生させる。
ここで、スキンプレート2の径は、カッターヘッド3の径より小さく、カッターヘッド3により掘削されたトンネル壁面(地山の壁面)101と、スキンプレート2の外周面との間には、間隙102がある。
また、カッターヘッド3より掘削されたトンネル壁面(地山の壁面)101と、セグメントSGの組み付けにより構築される円筒状の覆工体103との間には、裏込め注入材(図示せず)が充填される。
上記のようなシールド機1を用いたトンネル工事では、地山の性状がトンネルの掘進に与える影響が大きく、例えば礫層にぶつかった場合には、そのまま掘削することが困難となる。そのため、このような障害を事前に回避できるように、切羽前方の地質の情報を精度良く予測・評価することが、安全で合理的な施工を進める上で重要である。
シールド機1前方の地質探査を行う前方探査装置について説明する。
シールド機1には、その掘削停止中に、前方探査のため、スキンプレート2の外側(例えばX1点)、又は、カッターヘッド3の外側(例えばX2点あるいはX3点)を発振点として、地山に振動を与えるように、1〜複数の起振設備(発振設備)21又は22が設置される。
例えば、スキンプレート2側の起振設備21は、スキンプレート2の内部でのハンマーなどの打撃により、スキンプレート2に予め形成された窓部を径方向に貫通させて地山に突き刺した又は押付けた部材(ロッド)を介して、地山に振動を与え、図中X1点を発振点とする弾性波を生成する。
例えば、カッターヘッド3側の起振設備22は、隔壁4の後方でのハンマーなどの打撃により、隔壁4及びカッターヘッド3を水平方向に貫通させて地山に突き刺した又は押付けた部材を介して、地山に振動を与え、図中X2点を発振点とする弾性波を生成する。
更には、カッターヘッド3前方の地山に水平方向に1〜10m程度のボーリング孔を形成し、隔壁4及びカッターヘッド3を水平方向に貫通させた部材をボーリング孔の最奥部まで突き刺して、このボーリング孔の最奥部(図中X3点)を発振点とするようにしてもよい。
起振設備21又は22での起振方法としては、ハンマーなどの打撃による他、発破、ブレーカー、電磁制御式発振装置などを用いる方法としてもよい。
シールド機1には、また、起振設備21又は22による発振点からの弾性波を受振するため、スキンプレート2に、1〜複数の受振設備30が設置される。
受振設備30の詳細は、図2〜図4に示される。図2は受振設備の格納時の正面縦断面図、図3は受振設備の受振時の正面縦断面図、図4は受振設備の側面図である。
受振設備30は、シールド機1のスキンプレート2に設けられた開口部31と、開口部31に接続されてスキンプレート2の内側に延在する筒状のガイド部としてのガイド管32と、ガイド部32に挿入され、開口部31を介してスキンプレート2の外側へ出没可能に配置される受振器33と、を含んで構成される。
受振器33は、受振時に、その少なくとも一部が、スキンプレート2の外側にて地山に貫入される又は押付けられる接地部となる。
図示の実施形態では、受振器33は、先端の接地部33aと、これに続くセンサ部33bと、センサ部33bの後方に延びるパイプ部33cと、を含んで構成される。
図示の実施形態では、特に、受振器33は槍型に形成されて、地山に貫入されるように構成されており、先端の接地部33aは突き刺し部をなす。
センサ部33bは、円筒形で、内部に加速度センサが収納されている。
接地部(突き刺し部)33aは、センサ部33bの前方に2段に円錐状に縮径する形で設けられ、地山への突き刺しが容易となるようにしてある。また、この接地部(突き刺し部)33aは、弾性波を受振してセンサ部33bへ伝達する振動入力部としての機能を有している。
パイプ部33cは、支持部及び摺動部として機能する他、その内部にセンサ部33bからの信号線が引き通されていて、信号線を保護している。
受振設備30は、更に、開閉バルブ34と、シール部35と、ドレンバルブ36とを含んで構成される。
開閉バルブ34は、スキンプレート2の開口部31に取付けられて、開口部31を開閉し、開時に受振器33(接地部33a及びセンサ部33b)を通過可能とする。従って、ガイド管32は、スキンプレート2の開口部31に、開閉バルブ34を介して、取付けられる。
開閉バルブ34は、具体的には、ボールバルブにより構成される。
ボールバルブは、回動軸34aにより回動可能な球体34bに、回動軸34aと直交する方向に円形の透孔34cが形成されてなる。従って、図2のように、前記透孔34cを水平にして、ガイド管32に対し直交させることで、ガイド管32の通路を球体34bの球面で閉じることができる。また、図3のように、前記透孔34cを垂直にして、ガイド管32と同じ向きとすることで、ガイド管32の通路を前記透孔34cを通じて開くことができる。
回動軸34aの外端には、回動操作用のレバー34dが取付けられている。
シール部35は、ガイド管32に設けられて、受振器33(パイプ部33c)を摺動自在にシールする。
シール部35は、具体的には、ガイド管32の下端に嵌合させて取付けた第1シールキャップ35aと、第1シールキャップ35aの後端部にねじ込んで取付けた第2シールキャップ35bとで構成され、第1及び第2シールキャップ35a、35bの中心孔内に受振器33のパイプ部33cが摺動自在に挿入されている。そして、第1シールキャップ35aの内周面に2つのOリング35cが装着され、第1シールキャップ35aと第2シールキャップ35bとの間にOリング35dが装着され、これらのOリング35c、35dで受振器33のパイプ部33cをシールするようになっている。
シール部35では、基本的に第1シールキャップ35aに装着した2条のOリング35cで止水するが、第1シールキャップ35aと第2シールキャップ35bとの間にOリング35dを入れ、第2シールキャップ35bを締め付けることで、止水性を向上させる構造になっている。
ドレンバルブ36は、ガイド管32の中間からの分岐路に取付けられ、開閉バルブ34とシール部35との間で、ガイド管32内の空間を外部に開放可能である。
ドレンバルブ36も前記開閉バルブ34と同様のボールバルブにより構成され、常閉であるが、レバー36dにより開操作可能となっている。
尚、1つの起振設備21又は22(1つの発振点)に対し、複数の受振設備30(複数の受振点)が設けられ、及び/又は、1つの受振設備30(1つの受振点)に対し、複数の起振設備21又は22(複数の発振点)が設けられる。
複数の受振設備30(複数の受振点)を設ける場合は、スキンプレート2の周方向及び/又は前後方向に、複数の受振点を設定するように、これらの複数の受振点に対応させて、少なくとも、開閉バルブ34付きの開口部31を設けておき、ガイド管32等を取付け可能としておく。
次に上記の受振設備30を用いた前方探査について説明する。
シールド機1前方の地質探査を行う際は、シールド機1の掘削停止中に、受振設備30を設置する。
具体的には、スキンプレート2の開口部31に取付けられている閉状態の開閉バルブ34に、ガイド管32をセットした後、このガイド管32に、槍型の受振器33を通したシールキャップ35a、35bをセットする。これにより、図2の状態となる。
この状態から、レバー34dの操作により、開閉バルブ34を開き、槍型の受振器33をスキンプレート2の外側に突き出す。これにより、受振器33の接地部(突き刺し部)33a及びセンサ部33bを開閉バルブ34の球体34bの透孔34cを通過させ、更に、スキンプレート2背方の間隙102を通過させ、トンネル壁面(地山の壁面)101を超えて、地山に貫入させる。これにより、図3の状態となる。
このとき、受振器33の少なくとも一部、すなわち、接地部33a及びセンサ部33b、あるいは、接地部33aからセンサ部33bの一部まで、あるいは、接地部33aの一部は、地山に貫入されて、実質的な接地部(貫入部)300となる。
この状態で、起振設備21又は22を用いて、スキンプレート2又はカッターヘッド3から、シールド機1前方へ向けて弾性波を発生させる。そして、受振設備30にて、発振点からの直接波と、シールド機1前方の礫層等の地質境界からの反射波とを受振する。
カッターヘッド3の径は、スキンプレート2の径より大きく、それゆえ掘削されたトンネルでは、スキンプレート2の背方に間隙102を有する。従って、受振器33をスキンプレート2の外側に突出させたとしても、間隙102内に突出させただけで、地山に貫入させていない場合(あるいは押付けていない場合)には、地山を伝わってくる弾性波を解析可能に受振することが難しい。
この点、本発明では、受振器33の少なくとも一部が、スキンプレート2の外側にて地山に貫入される(あるいは押付けられる)接地部300となっていることから、受振性能を向上させることができる。
受振後は、受振情報などに基づいて、解析用のコンピュータにより解析し、礫層等の地質境界の有無や位置を知る。
この場合の解析方法について、以下に簡単に説明する。
図5を参照し、受振設備30(受振点R1)は、発振点X1からダイレクトに入力される振動(直接波)と、発振点X1から発振され、礫層等の地質境界により反射されて伝わる振動(反射波)とを受振する。これにより、具体的には、直接波の受振時刻と、反射波の受振時刻とを知り、別途測定される発振時刻との差として、発振から直接波が入力されるまでの時間Td、発振から反射波が入力されるまでの時間Trを測定する。
発振点X1から受振点R1までの直線距離は、既知であるので、これをSdとすると、発振点X1から受振点R1までの振動の伝播速度Vは、次式のごとくとなる。
V=Sd/Td・・・(1)
シールド機回りから地質境界の手前までの地質は、同質とみなすと、反射波についても、振動の伝播速度は、上記Vと等しいと仮定できる。
従って、反射波については、反射経路の距離Srは、次式により表すことができる。
Sr=V・Tr=Sd・(Tr/Td)・・・(2)
よって、反射波は、発振点X1からの距離と受振点R1からの距離の和がSr=Sd・(Tr/Td)となるような点から反射されてきたものと推定できる。従って、反射点は、発振点X1と受振点R1とを焦点とし、これらの焦点からの距離の和がSr=Sd・(Tr/Td)となる楕円EL1上にあることがわかる。
従って、1つの発振点X1に対し、複数の受振点で測定を行うことにより、あるいは、1つの受振点R1に対し、複数の発振点を設定して測定を行うことにより、反射点のある複数の楕円を作成することができる。例えば図5の例では、発振点X1と受振点R2とで測定を行うことにより、別の楕円EL2を作成することができる。そして、複数の楕円EL1、EL2の交点付近に反射点があることを知ることができ、その接線方向に礫層等の地質境界があることを知ることができる。
前方探査の終了後は、槍型の受振器33を地山から抜き、接地部33a及びセンサ部33bを開閉バルブ34を通過させて、ガイド管32内に引き戻す。
次に開閉バルブ34を閉じる。この状態では、開閉バルブ34とシール部35との間は、地下水で満たされていることが想定される。そこで、開閉バルブ34を閉じた後、適宜のタイミングで、ドレンバルブ36を一時的に開いて、ガイド管32内の水を排出させるとよい。
本実施形態によれば、前方探査用の受振設備30は、シールド機1のスキンプレート2に設けられた開口部31と、開口部31に接続されてスキンプレート2の内側に延在するガイド管32と、ガイド管32に挿入され、開口部31を介してスキンプレート2の外側へ出没可能に配置される受振器33と、を含んで構成され、前記受振器33は、受振時に、その少なくとも一部が、スキンプレート2の外側にて地山に貫入又は押付けられる接地部300となるため、受振性能を向上させて、シールドトンネルの前方探査をより的確なものとすることができる。
言い換えれば、受振器33を、シールド機1のスキンプレート2に設けられた開口部31を介して、スキンプレート2の外側へ突出させ、受振器33の少なくとも一部を、スキンプレート2背方の間隙102を通過させて、地山に貫入又は押付けることで、受振性能を向上させて、シールドトンネルの前方探査をより的確なものとすることができる。
また、本実施形態によれば、前記受振器33は、先端の接地部33aと、これに続くセンサ部33bと、センサ部33bの後方へ延びるパイプ部33cとを含んで構成されるため、地山への貫入又は押付け操作が容易となる。また特に、槍型に形成されることで、地山への貫入、すなわち突き刺しが容易となる。
また、本実施形態によれば、前記受振設備30は、開口部31を開閉し、開時に受振器33を通過可能とする開閉バルブ34と、ガイド管32に設けられて、受振器33を摺動自在にシールするシール部35と、を更に含んで構成されるため、突発的な湧水などに影響されることなく使用することができる。
また、本実施形態によれば、前記受振設備30は、開閉バルブ34とシール部35との間のガイド管32内の空間を外部に開放可能なドレンバルブ36を更に含んで構成されるため、受振後の排水処理も容易となる。
次に、受振器33を地山に貫入又は押付けたときに、地下水による背面水圧によって受振器33が押し返されてしまうのを防止するための、対策について説明する。
本対策は図4に示されている。
受振器33のパイプ部33c後端にブラケット37を固定し、ガイド管32の外周に翼型ブラケット38を固定してある。そして、パイプ部33c後端のブラケット37に引き掛けたワイヤ39を翼型ブラケット38の孔に引き通し、このワイヤ39を図示しないマシンで引っ張ることができるようにしてある。これにより、ワイヤ39を引っ張って保持することで、受振器33が押し返されるのを防止することができる。
次に、槍型の受振器33を突き刺す地山が硬い場合、あるいは、スキンプレート2と地山との間の間隙に覆工体103側の裏込め注入材が流れ込んでいて、受振器33を地山に突き刺したり押付けるために裏込め注入材を貫通させる必要がある場合の、対策について説明する。
図6に示すように、スキンプレート2の開口部31に開閉バルブ34を介して取付けられるガイド管32に、受振器33の代わりに、ドリル40をセット可能とする。この場合はドリル40用のシールキャップ41を用いる。
従って、受振器33をセットする前に、ドリル40をセットして、地山あるいは裏込め注入材にドリル40を突き刺して孔開けすることで、その後の地山への受振器33の突き刺しあるいは押付けを容易にすることができる。
ドリル40による孔開け後は、ドリル40を撤去してから、ガイド管32に受振器33をセットして、ドリル40により地山あるいは裏込め注入材に予め開けた孔に挿入する。
次に、起振設備についての変形例を説明する。
上記の実施形態では、シールド機1に起振設備21又は22を設けたが、起振設備はシールド機1の外部、例えば地上に設けてもよい。
図7は地上に起振設備(発振点)を設ける場合の説明図である。
図7の例では、地上GLに1〜複数の起振設備(発振点)23を設け、これらの発振点からの弾性波をシールド機1の1〜複数の受振設備30で受振する。この場合は、発振点と受振点間の地盤の弾性波の伝播速度の分布を用いて、地質の解析を行うことになる。
次に、構築済みのセグメント側で受振する場合について説明する。
本発明では、シールド機1に受振設備30を備え、シールド機1のスキンプレート2に設けられた開口部31を介して受振している。セグメント側(覆工体103側)での受振しなかったのは、セグメントが永久構造物で、孔開けには適さないためである。
しかし、セグメント側に裏込め注入材を注入するための注入口などがあり、これを受振用の開口部として利用できる場合などは、セグメント側での受振が可能となる。
この場合、図8に示されるように、シールドトンネル内に、発振点からの弾性波を受振する受振設備30を備えて、シールドトンネルの切羽前方の地質探査を行うシールドトンネルの前方探査装置において、前記受振設備30は、前記シールドトンネルのセグメント(覆工体103)に設けられた開口部31と、前記開口部31に接続されて前記セグメントの内側に延在する筒状のガイド部(ガイド管)32と、前記ガイド部32に挿入され、前記開口部31を介して前記セグメントの外側へ出没可能に配置される受振器33と、を含んで構成される。そして、前記受振器33は、受振時に、その少なくとも一部が、前記セグメントの外側にて地山に貫入又は押付けられる接地部となる。
図8のような構成であっても、図1のようにスキンプレート2側で受振する場合とほぼ同様の効果を得ることができる。また、セグメント側で弾性波を受振する場合は、発振点から受振点までの距離を大きくとれるため、地盤の弾性波の伝搬速度による分布を正確に測定することができ、地質の解析の精度が向上する。
セグメント側で受振する構成の場合、セグメント(覆工体103)と地山(地山の壁面101)との間には裏込め注入材が注入されているので、図6で説明したようなドリル40を用いることは極めて有効である。
尚、スキンプレート2に設けられた開口部31を介して受振器33を外部に突出させて前方探査する方法(受振設備をシールド機に設置した場合)では、推進機構であるシールドジャッキ14の推進、つまりシールド機の掘進を停止して、発振点からの弾性波を受振する必要がある。セグメントに設けられた開口部31を介して受振器33を外部に突出させて前方探査する方法では、シールド機の掘進を停止する必要はない。
シールド機は、推進機構により、シールド機を地山に前進させる。後方のセグメント組付機構によって、スキンプレート2内の後部にて、セグメントを組立ててトンネル覆工体(セグメント覆工体)を構築する。セグメント覆工体から受振点を突出させて前方探査する方法(受振設備をセグメント覆工体に設置する場合)では、受振器33を設置して弾性波を測定する準備を、シールド機の作業に影響を受けないで、実施できる。したがって、シールド機の掘進を停止する必要はない。また、起振設備をシールド機に設置した場合でも、シールド掘進を停止する時間を短縮できる。
尚、図示の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1 シールド機
2 スキンプレート
3 カッターヘッド
3a カッタービット
4 隔壁(バルクヘッド)
5 支持アーム
6 旋回環
7 リングギヤ
8 モータ
9 ピニオンギヤ
10 ロータリージョイント
11 チャンバ
12 排土機構
13 エレクタ
14 シールドジャッキ
21、22、23 起振設備
30 受振設備
31 開口部
32 ガイド管(ガイド部)
33 受振器
33a 接地部(突き刺し部)
33b センサ部
33c パイプ部
34 開閉バルブ
34a 回動軸
34b 球体
34c 透孔
34d レバー
35 シール部
35a、35b シールキャップ
35c、35d Oリング
36 ドレンバルブ
36d レバー
37 ブラケット
38 翼型ブラケット
39 ワイヤ
40 ドリル
41 シールキャップ
101 トンネル壁面(地山の壁面)
102 間隙
103 セグメントSGによる覆工体
300 地山への接地部(貫入部)

Claims (7)

  1. トンネル掘削用のシールド機に、発振点からの弾性波を受振する受振設備を備えて、シールド機前方の地質探査を行うシールドトンネルの前方探査装置であって、
    前記受振設備は、
    前記シールド機のスキンプレートに設けられた開口部と、
    前記開口部に接続されて前記スキンプレートの内側に延在する筒状のガイド部と、
    前記ガイド部に挿入され、前記開口部を介して前記スキンプレートの外側へ出没可能に配置される受振器と、
    を含んで構成され、
    前記受振器は、槍型に形成されて、受振時に、その少なくとも一部が、前記スキンプレートの外側にて、地山の壁面を超えて、地山に貫入されるように構成されており、先端の接地部が突き刺し部をなすことを特徴とする、シールドトンネルの前方探査装置。
  2. 前記受振器は、先端の接地部と、これに続くセンサ部と、センサ部の後方へ延びるパイプ部とを含んで構成されることを特徴とする、請求項1記載のシールドトンネルの前方探査装置。
  3. 前記受振設備は、前記開口部を開閉し、開時に前記受振器を通過可能とする開閉バルブと、前記ガイド部に設けられて、前記受振器を摺動自在にシールするシール部と、を更に含んで構成されることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のシールドトンネルの前方探査装置。
  4. 前記受振設備は、前記開閉バルブと前記シール部との間の前記ガイド部内の空間を外部に開放可能なドレンバルブを更に含んで構成されることを特徴とする、請求項3記載のシールドトンネルの前方探査装置。
  5. トンネル掘削用のシールド機にて、発振点からの弾性波を受振することにより、シールド機前方の地質探査を行うに際し、
    受振器を、先端の接地部が突き刺し部をなすように槍型に形成し、この受振器をシールド機のスキンプレートに設けられた開口部を介して、スキンプレートの外側へ突出させ、
    前記受振器の少なくとも一部を、スキンプレート背方の間隙を通過させて、地山に貫入させることを特徴とする、シールドトンネルの前方探査方法。
  6. シールドトンネル内に、発振点からの弾性波を受振する受振設備を備えて、シールドトンネルの切羽前方の地質探査を行うシールドトンネルの前方探査装置であって、
    前記シールドトンネルのセグメントに設けられた開口部と、
    前記開口部に接続されて前記セグメントの内側に延在する筒状のガイド部と、
    前記ガイド部に挿入され、前記開口部を介して前記セグメントの外側へ出没可能に配置される受振器と、
    を含んで構成され、
    前記受振器は、槍型に形成されて、受振時に、その少なくとも一部が、前記セグメントの外側にて、地山の壁面を超えて、地山に貫入されるように構成されており、先端の接地部が突き刺し部をなすことを特徴とする、シールドトンネルの前方探査装置。
  7. シールドトンネル内にて、発振点からの弾性波を受振することにより、シールドトンネルの切羽前方の地質探査を行うに際し、
    受振器を、先端の接地部が突き刺し部をなすように槍型に形成し、この受振器を、前記シールドトンネルのセグメントに設けられた開口部を介して、セグメントの外側へ突出させ、
    前記受振器の少なくとも一部を、前記セグメントの外側の地山に貫入させることを特徴とする、シールドトンネルの前方探査方法。
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