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JP6391087B2 - 吸着装置及び分析装置 - Google Patents

吸着装置及び分析装置 Download PDF

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JP6391087B2
JP6391087B2 JP2014134783A JP2014134783A JP6391087B2 JP 6391087 B2 JP6391087 B2 JP 6391087B2 JP 2014134783 A JP2014134783 A JP 2014134783A JP 2014134783 A JP2014134783 A JP 2014134783A JP 6391087 B2 JP6391087 B2 JP 6391087B2
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Description

本発明の実施形態は、吸着装置及び分析装置に関する。
現在、代謝反応及び生化学的病態メカニズム等を、呼気中に含まれる揮発性物質の濃度とその変動とから明らかにする研究が進んでいる。
例えば、呼気中のエタン、ペンタン及び過酸化水素(H22)は、酸化ストレスとの相関が高い。呼気中のこれらの濃度が高くなると、脂質酸化、喘息又は気管支炎という症状が現れてくる。
また、呼気中の一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)及びH22は、肺疾患との相関が高い。呼気中のこれらの濃度が高くなると、喘息又は慢性閉塞性肺炎の症状が見られる。
呼気中の水素(H2)及びカーボンアイソトープは、胃腸疾患との相関が高い。呼気中のこれらの濃度が高くなると、消化不良、胃炎又は十二指腸潰瘍の症状が見られる。
また、呼気中のアセトンは、代謝異常との相関が高い。呼気中のアセトン濃度が高くなると、糖尿病の症状が見られる。他方、健康なヒトと比較して呼気中のアセトン濃度が低いヒトは、メタボリック症候群の傾向が見られる。
上述した関係は、痛みを伴わない簡便的な早期病床診断への応用が期待されている。しかしながら、呼気中に含まれる揮発性物質の濃度は、ppm(parts by million)からppb(parts by billion)レベルである。それ故、呼気成分を定量分析するためには、高い分解能を持つ分析装置が必要となる。
この分析装置としては、カラムを利用して呼気中の成分を分離し、分離した成分を光イオン化検出器などで検出するガス分析装置が一般的に知られている。この分析装置は、十分な分解能を有している。しかしながら、この分析装置は、寸法が大きく、価格も高いため、小さな個人病院では導入することが困難である。このことが、呼気分析が普及しない原因となっている。
また、他の分析手法として、金属錯体が特定の分子を選択的に吸着する性質を利用した技術が知られている。例えば、或るマンガンフタロシアニンは、アセトンに対する吸着能が高い。カーボンナノチューブからなる導電性基体は、このマンガンフタロシアニンで表面修飾すると、マンガンフタロシアニンのアセトン吸着量に応じて電気伝導度が変化する。従って、このマンガンフタロシアニンで表面修飾した導電性基体を備えたセンサは、呼気中のアセトン濃度の測定に利用可能である。
しかしながら、金属錯体は、化学構造が類似した分子に対してほぼ等しい吸着能を示す。また、導電性基体の表面が平坦でない場合には、この表面を金属錯体により均一に修飾することは困難である。不均一な表面修飾は、正確な測定を困難にする。
特開2010−107310号公報
本発明が解決しようとする課題は、寸法が小さく且つ高い精度での分析が可能な分析装置を実現可能とすることにある。
実施形態によれば、シリコンからなる基材と、前記基材から伸び、互いから離れて位置した複数のカーボンナノチューブ束と、アルカリイオンを含まないガラスからなり、前記基材に直接接合され、前記複数のカーボンナノチューブ束を収容した中空構造を前記基材とともに形成している封止部材であって、前記中空構造の内部空間と外部空間とを各々が連絡する第1及び第2貫通孔が設けられている封止基材とを具備した吸着装置が提供される。
他の実施形態によれば、前記吸着装置と、前記吸着装置を支持する支持体と、前記支持体に支持された前記吸着装置に流体を導いて、前記流体に含まれる1以上の物質を前記複数のカーボンナノチューブ束に吸着させる第1流路と、前記複数のカーボンナノチューブ束に前記1以上の物質を脱着させる脱着装置と、前記複数のカーボンナノチューブ束から脱着させた前記1以上の物質を定量する測定装置と、前記複数のカーボンナノチューブ束から脱着させた前記1以上の物質を前記吸着装置から前記測定装置へと導く第2流路とを具備した分析装置が提供される。
実施形態に係る分析装置を概略的に示す図。 図1の分析装置が含んでいる吸着装置の平面図。 図2の吸着装置のIII−III線に沿った断面図。 図2及び図3の吸着装置の分解斜視図。 図2乃至図4の球チャック装置が含んでいるカーボンナノチューブ束を概略的に示す斜視図。 カーボンナノチューブ束の配置と呼気の流れとの関係の一例を概略的に示す平面図。
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示す分析装置1は、呼気に含まれる特定成分、例えば揮発性有機化合物の濃度を分析するための装置である。ここで、検体は、典型的にはヒトの呼気であるが、ヒトを除く動物の呼気であってもよい。また、揮発性有機化合物は、例えば、エタン、ペンタン又はアセトンである。
分析装置1は、吸着装置2と、支持体3と、脱着装置4と、導管5a及び5bと、測定装置6とを含んでいる。
吸着装置2は、複数のカーボンナノチューブ束を収容した中空構造を有している。これらカーボンナノチューブ束は、呼気中の1以上の物質、即ち、上記成分を物理吸着する。吸着装置2には、その内部空間と外部空間とを連絡する一対の貫通孔が設けられている。吸着装置2の詳細な構造については、後で説明する。
支持体3は、吸着装置2を支持している。支持体3は、吸着装置2を着脱可能に支持していてもよく、着脱不可能に支持していてもよい。
脱着装置4は、上記物質のカーボンナノチューブ束からの脱着を生じさせる。脱着装置4は、例えば、カーボンナノチューブ束又は吸着装置2への加熱、加振若しくは光照射、カーボンナノチューブ束が収容された空間に対する減圧若しくは気体及び液体などの流体の流通、又はそれらの2以上の組み合わせにより、上記物質のカーボンナノチューブ束からの脱着を生じさせる。ここでは、一例として、脱着装置4は抵抗加熱器であるとする。
導管5aの一端は、吸着装置2の一方の貫通孔に接続されている。導管5aは、被検体の口から吸着装置2へと呼気を導いて、呼気に含まれる上記1以上の物質をカーボンナノチューブ束に吸着させる第1流路を構成している。
導管5bの一端は、吸着装置2の他方の貫通孔に接続されている。導管5bの他端は、測定装置6に接続されている。導管5bは、カーボンナノチューブ束から脱着させた上記1以上の物質を吸着装置2から測定装置6へと導く第2流路を構成している。
測定装置は、カーボンナノチューブ束から脱着させた上記1以上の物質を定量する。測定装置は、例えば、ガスクロマトグラフである。
この分析装置1による分析では、先ず、導管5aを介して吸着装置2の内部空間へ呼気を供給するとともに、吸着装置2の内部空間から導管5bを介して呼気を排出する。呼気が吸着装置2の内部空間を流通すると、カーボンナノチューブ束は、呼気中に含まれる物質の一部を吸着する。カーボンナノチューブ束が十分な量の物質を吸着した後、吸着装置2の内部空間への呼気の供給及び吸着装置2の内部空間からの呼気の排出を停止する。
次いで、脱着装置4を作動させる。カーボンナノチューブ束は、上記物質を化学吸着している訳ではなく、物理吸着しているだけである。それ故、脱着装置4を作動させると、カーボンナノチューブ束は、吸着している上記物質のほぼ全量を脱着する。この脱着を生じさせると、吸着装置2の内部空間内のガス中での上記物質の濃度は、呼気中の上記物質の濃度と比較して高くなる。
その後、吸着装置2の内部空間内のガスを、導管5bを介して測定装置6へと供給する。例えば、導管5aを介して吸着装置2の内部空間へ不活性ガスを供給して、高い濃度で上記物質を含有したガスを、吸着装置2の内部空間から導管5bへ介して測定装置6へと送り出す。測定装置6は、上記ガスが含んでいる上記物質を定量する。
呼気が含んでいる成分の多くは、窒素、酸素、二酸化炭素及び水蒸気である。呼気中の揮発性有機化合物の濃度は1%以下に過ぎない。そのため、呼気をそのままの状態でガスクロマトグラフを用いた分析に供しても、高い精度で定量分析することはできない。
これに対し、この分析装置1では、上記物質の濃度を高めたガスを測定装置6へ供給する。そのため、例えば、測定装置6の分析精度が低くても、十分に高い精度で定量分析することができる。また、測定装置6は、精度が低くてもよいので、寸法が小さく、安価なものを使用することができる。
また、カーボンナノチューブ束は、上記物質を化学吸着している訳ではなく、物理吸着しているだけである。それ故、吸着装置2は、繰り返し使用することができる。なお、吸着装置2は、1回の分析毎に新品に交換してもよい。
更に、吸着装置2では、金属錯体などによる化学吸着ではなく、カーボンナノチューブ束による物理吸着を利用するので、金属錯体による表面修飾などに起因した不均一を生じない。それ故、分析精度がこの不均一性の影響を受けることはない。
次に、吸着装置2について詳細に説明する。
図2乃至図4に示すように、吸着装置2は、吸着装置本体21と、封止部材22とを含んでいる。
吸着装置本体21は、図5に示すように、基材211と、複数のカーボンナノチューブ束212a乃至212dを含んでいる。
基材211は、例えば薄板状である。基材211は、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。基材211の材料としては、例えば、シリコン、ガラス、酸化マグネシウム、サファイア、又は酸化アルミニウムを使用することができる。ここでは、一例として、基材211はシリコン基板であるとする。基材211としてシリコン基板を使用した場合、吸着装置本体21の製造に、例えば、半導体プロセスで利用されている技術及び装置を利用することができる。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、基材211の一方の主面から伸びている。ここでは、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、基材211の一方の主面に対して略垂直な方向に延びている。カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、真っ直ぐに伸びていてもよく、撓んでいてもよい。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、その長さ方向に各々が伸びた多数のカーボンナノチューブからなる。カーボンナノチューブは、例えば、シングルウォールチューブである。カーボンナノチューブは、アームチェアチューブ、ジグザグチューブ、及びカイラルチューブの何れであってもよい。
カーボンナノチューブの長さは、例えば、50μm乃至100μmの範囲内にある。カーボンナノチューブの直径は、例えば、10nm乃至100nmの範囲内にある。また、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々において、カーボンナノチューブ間の距離は、例えば、10nm乃至100nmの範囲内にある。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々の径は、例えば、1μm乃至100μmの範囲内にある。カーボンナノチューブ束212a乃至212dの高さは、例えば、50μm乃至100μmの範囲内にある。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、互いから離れて位置している。カーボンナノチューブ束212a乃至212d間の距離は、例えば、1μm乃至100μmの範囲内にある。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、基材211上の複数の単位領域から伸びている。これら単位領域の各々は、放射状に配置された複数のサブ領域からなる。具体的には、単位領域の各々は、複数のサブ領域からなり、典型的には回転対称性を有している。各サブ領域は、回転軸から外側へ向けて伸びた形状を有している。
ここでは、図6に示すように、単位領域2110の各々は、放射状に配置された複数のサブ領域2110a乃至2110dからなる。サブ領域2110a乃至2110dの各々は、単位領域2110の中心から外側へ向けて伸びた形状、具体的には、単位領域2110の中心側の端が反対側の端と比較して曲率半径がより小さい液滴形状を有している。サブ領域2210aの長さ方向Daは、サブ領域2110cの長さ方向Dcに対して平行である。サブ領域2210bの長さ方向Dbは、サブ領域2110dの長さ方向Ddに対して平行である。方向Da及びDcは、方向Db及びDdに対して垂直である。
方向Da乃至Ddは、それぞれ、サブ領域2110a乃至2110dに対して垂直な方向から見た場合に、直線Lに対して傾いている。この場合、方向Daが直線Lに対して成す角度θaは、例えば、0°より大きく且つ90°未満の範囲内とする。また、この場合、方向Dbが直線Lに対して成す角度θbは、例えば、90°より大きく且つ180°未満の範囲内とする。更に、この場合、方向Dcが直線Lに対して成す角度θcは、例えば、180°より大きく且つ270°未満の範囲内とする。そして、この場合、方向Ddが直線Lに対して成す角度θdは、例えば、270°より大きく且つ360°未満の範囲内とする。ここでは、角度θa、θb、θc及びθdは、それぞれ、45°、135°、225°及び315°である。
なお、直線Lは、図2乃至図4に示す貫通孔TH1及びTH2の開口のうち、吸着装置2の内部空間側に位置した開口の中心を通る直線である。方向Da乃至Ddは、それぞれ、サブ領域2110a乃至2110dに対して垂直な方向から見た場合に、直線Lに対して傾いていなくてもよい。また、サブ領域2110a乃至2110dは、単位領域2110の中心から外側へ向けて伸びた形状を有していなくてもよい。
カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、それらの高さ全体に亘り、高さ方向に垂直な断面の形状が、サブ領域2110a乃至2110dの形状とそれぞれほぼ等しい。図6に示す単位領域2110は、基材211上で縦横に配列している。図2乃至図4に示すように、カーボンナノチューブ束212a乃至212dから各々がなる単位構造212も、単位領域2110の配列に対応して基材211上で縦横に配列している。
ここでは、単位領域2110の各々を4つのサブ領域2110a乃至2110dで構成しているが、単位領域2110の各々は、2つ、3つ、又は5つ以上のサブ領域で構成してもよい。或いは、単位領域2110の各々は、連続した1つの領域であってもよい。
単位領域2110と単位構造212との間には、図5に示す下地層213が介在している。下地層213は、バリア層213aと触媒層213bとを含んでいる。
バリア層213aは、触媒層213bを構成している材料が基材211へと拡散するのを抑制する。バリア層213aは、例えば、アルミナ、二酸化シリコン、五酸化タンタル、又は酸化ハフニウムからなる。バリア層213aは、単位領域2110と単位構造212との間にのみ存在しているが、基材211の主面全体を覆うように設けてもよい。バリア層213aは省略することができる。
触媒層213bは、カーボンナノチューブ生成のシード及びその成長を促進する触媒としての役割を果たす。触媒層213bは、単位領域2110と単位構造212との間にのみ存在している。触媒層213bは、例えば、鉄などの金属からなる。
封止部材22は、例えば薄板状である。封止部材22は、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。ここでは、一例として、封止部材22はガラス板であるとする。封止部材22としてガラス板を使用した場合、後述する凹部や貫通孔の形成が容易である。また、基材21としてシリコン基板を使用し、封止部材22としてガラス板を使用した場合、接着剤なしでそれらを接合することができる。
図4に示すように、封止部材22は、その一方の主面に、凹部RS1乃至RS3と、溝GR1及びGR2とを有している。凹部RS3は、凹部RS1と凹部RS2との間に位置している。溝GR1は、凹部RS1と凹部RS3とを連絡している。溝GR2は、凹部RS1と凹部RS2とを連絡している。
ここでは、2つの溝GR1で凹部RS1と凹部RS3とを連絡しているが、凹部RS1と凹部RS3とを連絡する溝GR1の数は、1であってもよく、3以上であってもよい。また、ここでは、2つの溝GR2で凹部RS2と凹部RS3とを連絡しているが、凹部RS2と凹部RS3とを連絡する溝GR2の数は、1であってもよく、3以上であってもよい。
封止部材22は、凹部RS3の底面が単位構造212と向き合うように基材21に接合されている。封止部材22は、図3に示すように、基材21とともに中空構造を形成している。具体的には、この中空構造において、図4に示す凹部RS1乃至RS3は、それぞれ、図2及び図3に示すチャンバCH1乃至CH3を形成している。図4に示す溝GR1及びGR2は、それぞれ、図2に示すように、チャンバCH1及びCH3を連絡する流路FP1、及び、チャンバCH2及びCH3を連絡する流路FP2を構成している。なお、単位構造212は、チャンバCH3内に位置している。
図4に示すように、封止部材22は、凹部RS1及びRS2の底部に対応した位置に、第1貫通孔TH1及び第2貫通孔TH2を有している。貫通孔TH1は、チャンバCH1を吸着装置2の外部空間と連絡している。貫通孔TH2は、チャンバCH2を吸着装置2の外部空間と連絡している。貫通孔TH1の数は2以上であってもよい。また、貫通孔TH2の数も2以上であってもよい。
封止部材22には、凹部RS1乃至RS3並びに溝GR1及びGR2を設けなくてもよい。即ち、封止部材22の基材211と向き合う面は、平坦であってもよい。この場合、例えば、基材211の封止部材22と向き合う面に、凹部RS1乃至RS3並びに溝GR1及びGR2を設ける。そして、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、凹部RS3の底面に配置する。
封止部材22は省略することができる。例えば、図1に示す分析装置1が、吸着装置本体21を収容し且つ吸着装置2について上述した中空構造と同様の機能を有している容器を含んでいる場合、封止部材22は省略してもよい。或いは、図1に示す分析装置1が、封止部材22と同様の機能を有している部材、即ち、基材211と組み合わせることによりカーボンナノチューブ束212a乃至212dを収容する中空構造を形成する部材を含んでいる場合、封止部材22は省略してもよい。
この吸着装置2は、例えば、以下の方法によって製造する。
先ず、図3乃至図5に示す吸着装置本体21を準備する。即ち、基材211上に、図5に示すバリア層213a及び触媒層213bをこの順に形成する。バリア層213a及び触媒層213bの各々は、例えば、マスクを用いたスパッタリング法により形成する。次いで、例えば、化学気相堆積(CVD)法により、カーボンナノチューブを生成及び成長させる。触媒層213bの存在により、カーボンナノチューブを生成及び成長は、触媒層213bの位置で選択的に生じる。その結果、カーボンチューブ束212a乃至212dが得られる。
次に、このようにして得られた吸着装置本体21と、別途用意した封止部材22とを、図3に示すように接合する。基材211がシリコンからなり、封止部材22がナトリウムイオンなどのアルカリイオンを含まないガラスからなる場合、吸着装置本体21と封止部材22とは、例えば、表面活性接合によって接合することができる。吸着装置本体21と封止部材22との接合には接着剤を使用することもできるが、それらを直接接合した場合、接着剤に含まれる成分が測定に影響を及ぼすことがない。
以上のようにして、図2乃至図4に示す吸着装置2を得る。
次に、この吸着装置2における呼気の流れ等について説明する。
吸着時には、図2などに示す貫通孔TH1を介して、吸着装置2の内部空間へ呼気を供給する。
貫通孔TH1を通過した呼気は、先ず、チャンバCH1に到達する。チャンバCH1とチャンバCH3とは複数の流路FP1によって接続しているので、呼気の流れは、流路FP1によって複数の流れへと分けられる。チャンバCH3には複数個所から呼気を供給するので、チャンバCH3のうちチャンバCH1近傍の領域において、流速に大きなばらつきを生じることはない。
これら流れは、チャンバCH3において合流する。呼気がチャンバCH3を通過する過程で、単位構造212を構成しているカーボンナノチューブ束は、呼気が含んでいる1以上の物質を吸着する。
その後、この呼気の流れは、流路FP2によって複数の流れへと分けられ、チャンバCH2において合流する。チャンバCH3からは複数個所から呼気を排出するので、チャンバCH3のうちチャンバCH2近傍の領域において、流速に大きなばらつきを生じることはない。
チャンバCH2に到達した呼気は、貫通孔TH2を介して、吸着装置2の外部へと排出する。
脱着時には、図1に示す脱着装置4を作動させる。図5に示すカーボンナノチューブ束212a乃至212dは、上記物質を化学吸着ではなく、物理吸着しているだけであるので、図1に示す脱着装置4を作動させると、図5に示すカーボンナノチューブ束212a乃至212dは、吸着している上記物質のほぼ全量を脱着する。この脱着を生じさせると、図2及び図3に示す吸着装置2の内部空間内のガス中での上記物質の濃度は、呼気中の上記物質の濃度と比較して高くなる。
その後、例えば、貫通孔TH1を介して吸着装置2の内部空間へ不活性ガスを供給することにより、上記物質を高い濃度で含んだガスを、貫通孔TH2を介して吸着装置2の外部へと排出する。なお、吸着時と同様に、チャンバCH3内では流速に大きなばらつきを生じることはない。従って、比較的少量の不活性ガスを流通させるだけで、上記物質を高い濃度で含んだガスを排出することができる。
上記の通り、図5に示すカーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、多数のカーボンナノチューブからなる。カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々において、カーボンナノチューブ間には隙間がある。それ故、呼気の一部は、チャンバCH3を通過する際に、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの何れかの内部を通過する。従って、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、その表面だけでなく、内部においても、呼気中の1以上の物質を吸着する。そして、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々の内部では、その表面と比較して、吸着した物質の脱着は生じ難い。従って、カーボンナノチューブ束212a乃至212dの各々は、高い吸着効率を示す。
また、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、互いから離れて位置させている。即ち、カーボンナノチューブ束212a乃至212d間に隙間を設けている。それ故、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、呼気の流れを過剰に妨げることがない。
また、上記の通り、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、それらの高さ方向に垂直な断面の形状が、それぞれ、図6に示すサブ領域2110a乃至2110dの形状とほぼ等しい。図6の方向Da乃至Ddは、それぞれ、サブ領域2110a乃至2110dに対して垂直な方向から見た場合に、直線Lに対して傾いている。そして、図2のチャンバCH3における呼気の平均的な流れの方向は、図6の直線Lに対して平行である。このような構造を採用すると、呼気の流れが最適化され、高い吸着効率を達成できる。
そして、上記の通り、カーボンナノチューブ束212a乃至212dは、上記物質を化学吸着ではなく、物理吸着しているだけである。それ故、それらが吸着している上記物質のほぼ全量を脱着させることは容易である。
従って、この吸着装置2を使用すると、上記物質の濃度を十分に高めたガスを得ることができる。そのため、例えば、測定装置の分析精度が低くても、十分に高い精度で定量分析することができる。また、測定装置は、精度が低くてもよいので、寸法が小さく、安価なものを使用することができる。
以上、分析装置1及び吸着装置2を呼気の分析に利用することを説明したが、分析装置1及び吸着装置2は、呼気以外の気体の分析に利用することも可能である。例えば、分析装置1及び吸着装置2は、燃焼装置の排気ガスの分析にも利用することができる。
また、分析装置1及び吸着装置2は、液体の分析に利用することも可能である。上水及び下水などの水の分析に利用することもできる。
吸着装置2は、分析以外の目的で使用することも可能である。例えば、吸着装置2は、空気清浄器に利用して、空気中に存在するPM2.5又は浮遊カビなどの大きさが100μm以下の汚れを吸着させることもできる。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
基材と、
前記基材から伸び、互いから離れて位置した複数のカーボンナノチューブ束と
を具備した吸着装置。
[2]
前記基材に接合され、前記複数のカーボンナノチューブ束を収容した中空構造を前記基材とともに形成している封止部材を更に具備し、前記封止部材には、前記中空構造の内部空間と外部空間とを各々が連絡する第1及び第2貫通孔が設けられている[1]に記載の吸着装置。
[3]
前記複数のカーボンナノチューブ束は、前記基材上の複数の単位領域であって、放射状に配置された複数のサブ領域から各々がなる複数の単位領域から伸びている[1]又は[2]に記載の吸着装置。
[4]
前記複数のカーボンナノチューブ束は、前記基材上の複数の単位領域であって、放射状に配置された複数のサブ領域から各々がなる複数の単位領域から伸びており、
前記複数のサブ領域の各々の長さ方向は、そのサブ領域に対して垂直な方向から見た場合に、前記第1貫通孔の前記内部空間側の開口の中心と前記第2貫通孔の前記内部空間側の開口の中心とを通る直線に対して傾いている[2]に記載の吸着装置。
[5]
[1]乃至[4]の何れかに記載の吸着装置を支持する支持体と、
前記支持体に支持された前記吸着装置に流体を導いて、前記流体に含まれる1以上の物質を前記複数のカーボンナノチューブ束に吸着させる第1流路と、
前記複数のカーボンナノチューブ束に前記1以上の物質を脱着させる脱着装置と、
前記複数のカーボンナノチューブ束から脱着させた前記1以上の物質を定量する測定装置と、
前記複数のカーボンナノチューブ束から脱着させた前記1以上の物質を前記吸着装置から前記測定装置へと導く第2流路と
を具備した分析装置。
1…分析装置、2…吸着装置、3…支持体、4…脱着装置、5a…導管、5b…導管、6…測定装置、21…吸着装置本体、22…封止部材、211…基材、212…単位構造、212a…カーボンナノチューブ束、212b…カーボンナノチューブ束、212c…カーボンナノチューブ束、212d…カーボンナノチューブ束、213…下地層、213a…バリア層、213b…触媒層、2110…単位領域、2110a…サブ領域、2110b…サブ領域、2110c…サブ領域、2110d…サブ領域、CH1…チャンバ、CH2…チャンバ、CH3…チャンバ、Da…長さ方向、Db…長さ方向、Dc…長さ方向、Dd…長さ方向、FP1…流路、FP2…流路、GR1…溝、GR2…溝、L…直線、RS1…凹部、RS2…凹部、RS3…凹部、TH1…貫通孔、TH2…貫通孔、θa…角度、θb…角度、θc…角度、θd…角度。

Claims (4)

  1. シリコンからなる基材と、
    前記基材から伸び、互いから離れて位置した複数のカーボンナノチューブ束と
    アルカリイオンを含まないガラスからなり、前記基材に直接接合され、前記複数のカーボンナノチューブ束を収容した中空構造を前記基材とともに形成している封止部材であって、前記中空構造の内部空間と外部空間とを各々が連絡する第1及び第2貫通孔が設けられている封止基材と
    を具備した吸着装置。
  2. 前記複数のカーボンナノチューブ束は、前記基材上の複数の単位領域であって、放射状に配置された複数のサブ領域から各々がなる複数の単位領域から伸びている請求項に記載の吸着装置。
  3. 前記複数のカーボンナノチューブ束は、前記基材上の複数の単位領域であって、放射状に配置された複数のサブ領域から各々がなる複数の単位領域から伸びており、
    前記複数のサブ領域の各々の長さ方向は、そのサブ領域に対して垂直な方向から見た場合に、前記第1貫通孔の前記内部空間側の開口の中心と前記第2貫通孔の前記内部空間側の開口の中心とを通る直線に対して傾いている請求項に記載の吸着装置。
  4. 請求項1乃至の何れか1項に記載の吸着装置と、
    前記吸着装置を支持する支持体と、
    前記支持体に支持された前記吸着装置に流体を導いて、前記流体に含まれる1以上の物質を前記複数のカーボンナノチューブ束に吸着させる第1流路と、
    前記複数のカーボンナノチューブ束に前記1以上の物質を脱着させる脱着装置と、
    前記複数のカーボンナノチューブ束から脱着させた前記1以上の物質を定量する測定装置と、
    前記複数のカーボンナノチューブ束から脱着させた前記1以上の物質を前記吸着装置から前記測定装置へと導く第2流路と
    を具備した分析装置。
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