[go: up one dir, main page]

JP6387843B2 - 定着ベルト、定着部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着ベルト、定着部材、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6387843B2
JP6387843B2 JP2015015656A JP2015015656A JP6387843B2 JP 6387843 B2 JP6387843 B2 JP 6387843B2 JP 2015015656 A JP2015015656 A JP 2015015656A JP 2015015656 A JP2015015656 A JP 2015015656A JP 6387843 B2 JP6387843 B2 JP 6387843B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing belt
layer
metal
fixing
protective layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015015656A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016142742A (ja
Inventor
賢吾 冨永
賢吾 冨永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2015015656A priority Critical patent/JP6387843B2/ja
Publication of JP2016142742A publication Critical patent/JP2016142742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6387843B2 publication Critical patent/JP6387843B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)

Description

本発明は、定着ベルト、定着部材、定着装置及び画像形成装置に関する。
近年、電磁誘導加熱方式により定着ベルトを加熱して定着を行う画像形成装置用の定着装置が提案されている。
例えば特許文献1には、両端部が回転可能に支持された金属製の筒状体を備え、前記筒状体は、軸方向の中央部に比べて端部が厚肉の厚肉部とされ、加圧回転体によって加圧される外周面の加圧領域において、断面形状が端部から中央部に渡って変化されると共に記録媒体上の現像剤を加熱する加熱回転体が開示されている。
特許文献2には、軸方向の中央部に比べて端部が厚肉の厚肉部とされた金属製の樹脂基材を備え、前記軸方向の断面形状が端部から中央部に渡って変化して記録媒体上の現像剤を加熱する加熱用ベルトと、前記加熱用ベルトの両端部を回転可能に支持する支持手段と、前記加熱用ベルトを加熱する加熱手段と、両端部が回転可能に支持され前記加熱用ベルトの外周面を加圧する加圧回転体と、前記加熱用ベルトの内側に設けられ前記加圧回転体の加圧力を受ける受部材と、を有する定着装置が開示されている。
特許文献3には、表面側に周方向における圧縮方向の残留応力を生じさせる表面処理部を有する金属層を備える無端状の定着ベルトが開示されている。
特開2010−224186号公報 特開2010−224185号公報 特開2012−2931号公報
本発明は、管状の樹脂基材と、前記樹脂基材上に配置され、電磁誘導発熱する金属発熱層と、前記金属発熱層上に該金属発熱層と接触して配置され、ベルト幅方向の両端部と中央部において、金属保護層の厚みが同じであること及び結晶子サイズが同じであることのいずれか一方又は両方を満たす定着ベルトに比べ、前記一端部における金属層の亀裂の発生が抑制される電磁誘導加熱方式の定着ベルトを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、以下の発明が提供される。
請求項1に係る発明は、管状の樹脂基材と、
前記樹脂基材上に配置され、電磁誘導発熱する金属発熱層と、
前記金属発熱層上に該金属発熱層と接触して配置され、ベルト幅方向の少なくとも一端部において、厚みが中央部における厚みよりも大きく、且つ、結晶子サイズが中央部における結晶子サイズよりも小さい厚肉部を有する金属保護層と、
を有する定着ベルトである。
請求項2に係る発明は、
前記金属保護層の前記一端部のうち少なくとも末端領域に前記厚肉部を有する請求項1に記載の定着ベルトである。
請求項3に係る発明は、
前記金属保護層がニッケルを含む層である請求項1又は請求項2に記載の定着ベルトである。
請求項4に係る発明は、
前記樹脂基材の引張り強度が200MPa以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着ベルトである。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着ベルトと、
前記定着ベルトの前記金属保護層の前記厚肉部を有する一端部に固定され、前記定着ベルトに回転を伝達する回転伝達手段と、
を有する定着部材である。
請求項6に係る発明は、
請求項5に記載の定着部材と、
前記定着部材の前記定着ベルトの外周面を加圧し、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記定着部材と共に挟み込む加圧部材と、
前記定着ベルトの前記金属発熱層を電磁誘導によって発熱させる電磁誘導発熱装置と、
を有する定着装置である。
請求項7に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記トナー像を前記記録媒体に定着させる請求項6に記載の定着装置と、
を有する画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、管状の樹脂基材と、前記樹脂基材上に配置され、電磁誘導発熱する金属発熱層と、前記金属発熱層上に該金属発熱層と接触して配置され、ベルト幅方向の両端部と中央部において、金属保護層の厚みが同じであること及び結晶子サイズが同じであることのいずれか一方又は両方を満たす定着ベルトに比べ、前記一端部における金属層の亀裂の発生が抑制される電磁誘導加熱方式の定着ベルトが提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記金属保護層の前記一端部のうち末端領域以外の領域に前記厚肉部を有する場合に比べ、前記一端部における金属層の亀裂の発生が抑制される電磁誘導加熱方式の定着ベルトが提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記金属保護層がニッケルを含まず、鉄を含んで構成された層である場合に比べ、耐食性・耐薬品性に優れた金属保護層を有する電磁誘導加熱方式の定着ベルトが提供される。
請求項4に係る発明に係る発明によれば、前記樹脂基材の引張り強度が200MPa未満である場合に比べ、前記一端部における金属層の亀裂の発生が抑制される電磁誘導加熱方式の定着ベルトが提供される。
請求項5に係る発明によれば、管状の樹脂基材と、前記樹脂基材上に配置され、電磁誘導発熱する金属発熱層と、前記金属発熱層上に該金属発熱層と接触して配置され、ベルト幅方向の両端部と中央部において、金属保護層の厚みが同じであること及び結晶子サイズが同じであることのいずれか一方又は両方を満たす定着ベルトと前記定着ベルトの前記金属保護層の一端部に固定され、前記定着ベルトに回転を伝達する回転伝達手段と、を有する定着部材に比べ、回転伝達手段が固定された一端部における定着ベルトの金属層の亀裂の発生が抑制される電磁誘導加熱方式の定着ベルト部材が提供される。
請求項6又は7に係る発明によれば、管状の樹脂基材と、前記樹脂基材上に配置され、電磁誘導発熱する金属発熱層と、前記金属発熱層上に該金属発熱層と接触して配置され、ベルト幅方向の両端部と中央部において、金属保護層の厚みが同じであること及び結晶子サイズが同じであることのいずれか一方又は両方を満たす定着ベルトを適用した場合に比べ、定着ベルトの前記一端部における金属層の亀裂の発生が抑制される定着装置又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る定着ベルトの層構成の一例を示す概略断面図である。 本実施形態に係る定着ベルトの一例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る定着ベルトの金属保護層における非通紙領域(端部)の厚肉部の結晶子と通紙領域(中央部)の結晶子の関係を示す概略図である。 本実施形態に係る定着ベルトの一端部において金属保護層の厚肉部を形成する方法の一例を示す概略図である。 金属保護層の厚肉部が形成された一端部に駆動ギアを有する本実施形態に係る定着ベルトの一例を示す図である。 本実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 定着ベルトの一端部に駆動ギアが接着された定着部材の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<定着ベルト>
本実施形態に係る定着ベルトは、管状の樹脂基材と、前記樹脂基材上に配置され、電磁誘導発熱する金属発熱層と、前記金属発熱層上に該金属発熱層と接触して配置され、ベルト幅方向の少なくとも一端部において、厚みが中央部における厚みよりも大きく、且つ、結晶子サイズが中央部における結晶子サイズよりも小さい厚肉部(以下、「結晶子が微細化された厚肉部」又は単に「厚肉部」と称する場合がある。)を有する金属保護層と、を有する。
電磁誘導加熱方式による定着装置では、例えば、管状の基材層の外周面に、電磁誘導発熱する金属発熱層、金属発熱層を保護する金属保護層等が積層された構成を有する定着ベルトが用いられ、両端部を除く中央部に未定着のトナー像が形成された記録媒体が通過することで記録媒体の表面にトナー像が定着させる。
図8は、定着ベルトの一端部に駆動ギア(回転伝達手段の一例)が固定された定着部材の一例を示す概略図である。図8に示すように、定着ベルト110の幅方向(軸方向)の一端部には回転機構として駆動ギア102が接着されており、記録媒体の表面に形成された未定着のトナー像を定着させる際、駆動ギア102が図示しないモータから回転力を受けて回転駆動し、駆動ギア102を介して定着ベルト110に回転力が伝達されることで定着ベルト110が周方向に回転する。
このように一端部に接着された駆動ギア102を介して定着ベルト110が回転されると、定着ベルト110の駆動ギア102が接着されている部分の周囲で応力が集中し、使用時間が長くなるにつれて金属層(金属保護層及び金属発熱層)に亀裂104が発生し易い。特に金属発熱層の亀裂104がベルト中央部の通紙領域まで伸展するとトナー像の定着に必要な発熱量が得られず、定着不良の原因となる可能性がある。
本実施形態に係る定着ベルトを用いることで金属層の亀裂の発生が抑制される。その理由は以下のように考えられる。すなわち、ベルトの一端部において金属保護層を厚くした厚肉部を有することで金属保護層のヤング率が向上し、また、厚肉部において結晶子を微細化することで残留圧縮応力が付与され、金属保護層の亀裂に対する耐久性が向上する。金属保護層に亀裂が発生し難くなることで、金属保護層によって保護される金属発熱層の亀裂の発生も抑制されると考えられる。
図1は、本実施形態に係る定着ベルトの一例を示す概略構成図であり、図2は、図1に示す定着ベルトの概略斜視図である。図1に示す定着ベルト10は、管状の樹脂基材10Aの外周面上に、下地金属層10B、電磁誘導作用により自己発熱する金属発熱層10Cと、金属保護層10Dと、弾性体層10Eと、離型層10Fと、が順に積層された層構成を有する無端ベルトである。
本実施形態に係る定着ベルト10は、定着装置に組み込まれたときに、図2に示すように、ベルト幅方向中央部においてトナー像14が形成された記録媒体が通過する通紙領域10Kと、ベルト幅方向両端部において記録媒体が通過しない非通紙領域10Jと、を有する。
図3は、本実施形態に係る定着ベルトの金属保護層における厚肉部の結晶子と通紙領域10Kの結晶子の関係を概略的に示している。なお、図3では、下地金属層10Bと離型層10Fは省略されている。図3に示すように、本実施形態に係る定着ベルト10の金属保護層10Dは、幅方向一端部の非通紙領域10Jにおいて厚みが通紙領域10Kの厚みよりも大きい厚肉部10DFを有し、厚肉部10DFにおける結晶子サイズが通紙領域10Kの結晶子サイズよりも小さくなっている。
以下、本実施形態に係る定着ベルト10を構成する各層についてより詳細に説明する。なお、各層の符号は、省略して説明する場合がある。
[樹脂基材10A]
樹脂基材10Aは、隣接して設けられた金属発熱層10Cが発熱した状態でも物性の変化が少なく、高強度を維持する層であることがよい。このため、樹脂基材10Aは、主として耐熱性樹脂から構成されることが好ましい(本明細書において、「主として」、「主成分」とは、質量比で50%以上であることを意味し、以下も同義である)。
耐熱性樹脂から主に構成される樹脂基材10Aの場合、定着ベルトの内周面と接触する押圧部材との摺動性が確保され、押圧部材の寿命が延長される。更に、耐熱性樹脂には断熱効果があるため、金属発熱層10Cで発生した熱を押圧部材へ逃がすことなく効率よく使われる。
樹脂基材10Aを構成しうる耐熱性樹脂としては、ポリイミド、芳香族ポリアミド、サーモトロピック液晶ポリマー等の液晶材料など、高耐熱・高強度樹脂等が挙げられるが、これら以外にも、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリイミドアミド等が用いられる。これらの中でも、ポリイミドが望ましい。
また、耐熱性樹脂中に断熱効果のある充填材を加えたり、耐熱性樹脂を発泡させることにより、断熱効果を更に向上させてもよい。
樹脂基材10Aの厚さは、定着ベルトの長期に渡る繰り返しの周動搬送を実現する剛性と柔軟性とを両立させる観点から、10μm以上200μm以下の範囲が望ましく、30μm以上100μm以下の範囲がより望ましい。
また、金属層の亀裂の発生を抑制する観点から、樹脂基材10Aの引張り強度は、後述のように測定した引張り強度が200MPa以上(望ましくは250MPa以上)を満たすことが好ましい。樹脂基材の引張り強度は、樹脂の種類、充填材の種類及び添加量によって調整することができる。
[下地金属層10B]
下地金属層10Bは、例えば、耐熱性樹脂で構成される樹脂基材10Aの外周面に金属発熱層10Cを電解めっき法により形成するために予め形成される層であり、必要に応じて設けられる。
金属発熱層10Cの形成方法としては、コスト等の観点から電解めっき法が望ましいが、主に樹脂で構成される樹脂基材10Aを用いる場合は、直接電解めっきを行うことが困難である。そこで、金属発熱層10C形成のため、下地金属層10Bが必要となる。
樹脂基材10Aの外周面に下地金属層10Bを形成する方法としては、無電解めっき法、スパッタリング法、蒸着法等が挙げられ、成膜容易性の観点から化学めっき法(無電解めっき法)が望ましく、中でも一般的な無電解ニッケル層が望ましい。
なお、無電解めっき法によって樹脂基材10Aの外周面に下地金属層10Bを形成する前に、金属粒子が付着し易いように、樹脂基材10Aの外周面の表面粗さを予め粗くする処理(粗面化処理)を施してもよい。粗面化処理としては、例えば、アルミナ砥粒等を用いたサンドブラスト、切削、サンドペーパーがけ等により、樹脂基材10Aの表面を粗面化する方法が挙げられる。
下地金属層10Bの厚さは0.1μm以上5μm以下の範囲が望ましく、0.3μm以上3μm以下の範囲がより望ましい。
なお、本実施形態に係る定着ベルトを構成する各層の厚みは、定着ベルトの円筒体の周方向、軸方向について断面を作製し、走査型電子顕微鏡(日本電子社製「JSM6700F」)の加速電圧2.0kV、5000倍における観察像から膜厚を測定した値である。
[金属発熱層10C]
金属発熱層10Cは、磁界が印加された際にこの層内に発生する渦電流により発熱する機能を有する発熱層であり、電磁誘導作用を生ずる金属で構成される。
電磁誘導作用を生ずる金属としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、クロム、錫、亜鉛などの単一金属、又は、2種類以上の金属を含む合金を選択してもよい。コスト、発熱性能、及び加工性を考慮すると、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄、クロムが適しており、その中でも特に、銅又は銅を主成分とする合金が望ましい。
金属発熱層10Cは、周知の方法、例えば電解めっき処理を施すことで形成される。
金属発熱層10Cの厚さは、その金属材質により最適な厚さが異なるが、例えば銅を金属発熱層10Cに用いる場合、効率的に発熱させる観点から、金属発熱層10Cの厚さは3μm以上50μmの範囲であることが好ましく、3μm以上30μmの範囲であることがより好ましく、5μm以上20μmの範囲であることがさらに好ましい。
[金属保護層10D]
金属保護層10Dは、金属発熱層10Cの膜強度を向上させ、繰り返しの変形による亀裂や、長時間の繰り返し加熱による酸化劣化等を抑制し、発熱特性を維持するために、金属発熱層10Cの上に金属発熱層10Cと接触して設けられる層である。
金属保護層10Dには、薄膜で破断強度があり、耐久性・耐酸化性が高いものが良く、耐酸化金属であることが望ましい。具体的には、例えば、銅、又はニッケルを含んで構成されることがよく、特に、繰り返しの変形による亀裂の発生、及び繰り返し加熱での酸化劣化等の抑制の点から、耐酸化金属であるニッケル(又はニッケル合金)であることが望ましい。
本実施形態に係る定着ベルト10の金属保護層10Dは、幅方向一端部の非通紙領域10Jにおいて厚みが通紙領域10Kの厚みよりも大きい厚肉部10DFを有し、厚肉部10DFにおける結晶子サイズが通紙領域10Kの結晶子サイズよりも小さくなっている。
金属保護層10Dの厚さは、その材質により最適な厚さが異なるが、例えばニッケルによって金属保護層10Dを形成する場合は、破断強度の不足による亀裂発生を抑制する一方、柔軟性得られ、膜自体の熱容量が大きくなりすぎず、ウォームアップ時間を短く抑える観点から、通紙領域10Kにおける金属保護層10Dの厚さは2μm以上20μm以下の範囲であることが好ましく、2μm以上15μm以下の範囲であることがより好ましく、5μm以上10μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
一方、通紙領域10Kにおける金属保護層10Dの厚肉部10DFの厚みは、9μm以上20μm以下の範囲であることが好ましく、9μm以上15μm以下の範囲であることがより好ましく、10μm以上15μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
また、通紙領域10Kにおける金属保護層10Dの厚肉部10DFの厚みと通紙領域10Kにおける金属保護層10Dの厚みとの差は、100nm以上3μm以下の範囲であることが好ましく、500nm以上2.5μm以下の範囲であることがより好ましく、1μm以上2.0μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
また、本実施形態に係る定着ベルト10は、金属保護層10Dの厚肉部10DFにおける結晶子サイズが通紙領域10Kの結晶子サイズよりも小さくなっている。
通紙領域10Kにおける金属保護層10Dの結晶子サイズは140nm以上200nm以下の範囲であることが好ましく、150nm以上190nm以下の範囲であることがより好ましく、160nm以上180nm以下の範囲であることがさらに好ましい。
一方、金属保護層10Dの厚肉部10DFにおける結晶子サイズは、40nm以上100nm以下の範囲であることが好ましく、50nm以上90nm以下の範囲であることがより好ましく、60nm以上80nm以下の範囲であることがさらに好ましい。
なお、本実施形態において、金属保護層10Dにおける結晶子サイズは、X線回折(XRD)により金属結晶子の粒径を測定したて求める。具体的には、X線回折装置として、リガク社製、全自動水平型多目的X線回折装置 SmartLabを用いて測定される。
‐金属保護層10Dの形成方法‐
金属保護層10Dを形成する方法としては、薄膜での加工性も考慮した場合、電解めっき法が好ましく、中でも強度が高い電解ニッケルめっきがより好ましい。
本実施形態に係る金属保護層10Dを電解めっき法により形成する場合、ベルト幅方向の少なくとも一端部において厚みが中央部における厚みよりも大きくなるように電解めっき法を行う。例えば、金属発熱層10C上に電解めっき法によって一端部(非通紙領域)も含め、通紙領域の厚さに相当する金属保護層10Dを形成する。次いで、通紙領域をマスキングした状態で電解めっきを再度行うことで一端部における金属保護層の厚みを通紙領域の金属保護層の厚みよりも厚くする。このとき、金属保護層の通紙領域となる中央部と非通紙領域となる端部との境界における段差を抑制するため、非通紙領域と通紙領域との境界となる位置から末端に向けて厚みが大きくなるように厚みに傾斜を持たせることが好ましい。
図4は、一端部の金属保護層10Dの厚みに傾斜をつけて厚膜化する方法の一例を示している。まず、金属発熱層10C上に電解めっき法によって通紙領域の厚さに相当する金属保護層10Dを形成する。次いで、図4に示すように、金属保護層10Dの一端部において厚肉部10DFを形成する領域以外にマスキング32を施し、管状体(被めっき物)30の金属発熱層10Dが露出した末端がめっき液36中で平面電極34に近くなるように傾けた状態で管状体30を周方向に回転させながら電解めっきを行う。このような方法によれば、平面電極34に近い位置、すなわち末端に近いほど金属保護層10Dの厚みが大きくなり、厚みが傾斜した厚肉部10DFを有する金属保護層10Dを形成することができる。
なお、金属層における亀裂の発生を抑制するため、非通紙領域となる一端部のできるだけ広い領域で結晶子が微細化された厚肉部10DFが形成されていることが好ましいが、非通紙領域全体が厚肉部10DFである必要なく、非通紙領域の少なくとも一部において厚肉部10DFが形成されていればよい。金属層の亀裂の発生を抑制する観点から、一端部のうち少なくとも駆動ギアが接着される末端領域(ベルト幅方向の一端部の非通紙領域のうち、ベルト末端を含む領域)に厚肉部10DFが形成されていることが好ましい。
また、両端部の非通紙領域において金属保護層10Dの厚肉部10DFを形成する場合は、他方の端部についても同様にして厚肉部10DFを形成すればよい。
非通紙領域における金属保護層10Dに厚肉部10DFを形成した後、厚肉部10DFの結晶子サイズが通紙領域における金属保護層10Dの結晶子サイズよりも小さくなるように微細化加工を施す。金属保護層10Dの厚肉部10DFの結晶子を微細化する方法は特に限定されないが、厚肉部10DFにショットピーニングを施す方法が挙げられる。
具体的には、非通紙領域に厚肉部10DFを有する金属保護層10Dを形成した後、厚肉部10DFに対して、粒径10μm以上200μm以下のガラスビーズ等の粒子を予め定められた吐出圧力により、例えば、噴射速度100m/sec以上で粒子を噴射する。
金属保護層10Dの厚肉部10DFに粒子を噴射することにより、結晶子の微細化が行われ、緻密な高硬度で靭性に富む組織が得られる。そして、表面の内部残留圧縮応力が高められる。
[弾性体層10E]
弾性体層10Eは、記録媒体上のトナー像の凹凸に追従して、定着ベルトの表面がトナー像に密着する役割を担う層である。特に、カラー画像を形成する場合、弾性体層10Eにより、記録媒体及びトナー像の加熱ムラによる発色性低下及び光沢ムラが抑制された画像が得られる。また、弾性体層10Eが加圧部材との接触領域内で変形し、低荷重でも接触幅が得られことから、プロセス速度(記録媒体の搬送速度)が速くなってもトナー像への熱の受け渡しがなされて定着が行われ、白黒画像を形成する場合でも、高速化が実現される。
弾性体層10Eは、例えば、100Paの外力印加により変形させても、もとの形状に復元する材料から構成されることがよい。
弾性体層10Eを構成する材料としては、公知の弾性材料が挙げられる。弾性材料としては、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性のゴムを用いることが望ましい。この耐熱性のゴムとしては、例えば、東レダウコーニングシリコーン社製の液状シリコーンゴムSE6744や、DuPont Dow elastmers社製のバイトンB−202等が挙げられる。
弾性体層10Eの厚さは、例えば、0.1mm以上3mm以下の範囲がよく、望ましくは0.15mm以上1mm以下である。
[離型層10F]
離型層10Fは、記録媒体と接触する側の面(外周面)に、定着時に溶融状態のトナー像が固着するのを抑制する役割を担う層である。離型層10Fは、必要に応じて設けられる。
離型層10Fは、フッ素系化合物等の低表面エネルギー材料を主成分として含んで構成されることがよい。フッ素系化合物としては、例えば、フッ素ゴムや、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、「PFA」という)、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体(以下、「FEP」という)等のフッ素樹脂などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
離型層10Fの厚さは、10μm以上100μm以下の範囲であることが望ましく、20μm以上50μm以下の範囲であることがより望ましい。離型層10Fの厚さが10μm以上であることにより、用紙の縁部での繰り返し摩擦による離型層10Fの摩滅が抑制される。また、離型層10Fの厚さが100μm以下であることにより、表面の柔軟性が保たれ、定着画像の粒状性が維持され、ウォームアップ時間も短縮される。
弾性体層10Eと離型層10Fの形成は公知の方法を適用すればよく、例えば塗布法によって金属保護層10D上に順次形成すればよい。
金属保護層10D上に、弾性体層10Eと離型層10Fを塗布法により形成する場合には、これらの層を塗布形成する前に、金属保護層10D表面や弾性体層10E表面に必要に応じて適切なプライマー材料による前処理を行うことが望ましい。この前処理を行うことにより各層間の接着性がより向上される。
また、金属保護層10D上に、弾性体層10E及び離型層10Fを塗布法により積層形成する場合には、塗布形成された塗膜を加熱処理する工程を経て弾性体層10E及び離型層10Fが形成される。この塗膜の加熱処理に際しては、不活性ガス(窒素ガス・アルゴンガス等)雰囲気下で行ってもよい。
<定着部材>
本実施形態に係る定着部材は、前記本実施形態に係る定着ベルトと、前記定着ベルトの前記金属保護層の前記厚肉部を有する一端部に固定され、前記定着ベルトに回転を伝達する回転伝達手段と、を有する。
図5は、本実施形態に係る定着ベルトの一端部に定着ベルトに回転を伝達する回転伝達手段として駆動ギアを設けた一例を概略的に示している。本実施形態に係る定着ベルト10は、定着ベルト10を周方向に回転させるため一端部に駆動ギア42が固定された状態で定着装置に組み込まれる。
図5に示す定着ベルト部材は、定着ベルト10の金属保護層の結晶子が微細化された厚肉部を有する一端部において駆動ギア42が接着されている。具体的には、管状の定着ベルト10の金属保護層の結晶子が微細化された厚肉部を有する一端部に、定着ベルト10を周方向に回転させる駆動部材としての駆動ギア42が設けられている。駆動ギア42の定着ベルト10側には、定着ベルト10の内周面と面接触するように凸状のフランジ部材44が一体的に形成されている。このフランジ部材44の外周面と定着ベルト10の内周面(樹脂基材10A)が接着剤で接着されており、図示せぬモータから回転力を受けて回転駆動する駆動ギア42は、このフランジ部材44を介して定着ベルト10に回転力を伝達するようになっている。
なお、本実施形態に係る定着部材では、金属層の亀裂を抑制する観点から、ベルト一端部において、少なくとも駆動ギア42のフランジ部材44と接着されている末端領域の金属保護層が厚肉部10DFとなっていることが好ましい。
<定着装置>
本実施形態に係る定着ベルトは、前記本実施形態に係る定着部材と、前記定着部材の前記定着ベルトの外周面を加圧し、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記定着部材と共に挟み込む加圧部材と、前記定着ベルトの前記金属発熱層を電磁誘導によって発熱させる電磁誘導発熱装置と、を有する。
図6は、本実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る定着装置100は上記本実施形態に係る定着ベルト10を備える電磁誘導方式の定着装置である。図6に示すごとく、定着ベルト10の一部を加圧するよう加圧ロール(加圧部材)11が配置され、効率的に定着を行う観点で定着ベルト10と加圧ロール11との間に接触領域(ニップ)が形成され、定着ベルト10は加圧ロール11の周面に沿った形に湾曲している。また、記録媒体の剥離性を確保する観点で前記接触領域(ニップ)の末端において定着ベルトが屈曲する屈曲部が形成される。
加圧ロール11は、樹脂基材11A上にシリコーンゴム等による弾性体層11Bが形成され、さらに弾性体層11B上にフッ素系化合物による離型層11Cが形成されて構成されている。
定着ベルト10の内側には、加圧ロール11と対向する位置に対向部材13が配置されている。対向部材13は、金属、耐熱樹脂、耐熱ゴム等からなり、定着ベルト10の内周面に接して局所的に圧力を高めるパッド13Bと、パッド13Bを支持する支持体13Aを有している。
定着ベルト10を中心として加圧ロール11(加圧部材の一例)と対向する位置には、電磁誘導コイル(励磁コイル)12aを内蔵した電磁誘導発熱装置12が設けられている。電磁誘導発熱装置12は、電磁誘導コイルに交流電流を印加することにより、発生する磁場を励磁回路で変化させ、定着ベルト10の金属発熱層10Cに渦電流を発生させる。この渦電流が金属発熱層10Cの電気抵抗によって熱(ジュール熱)に変換され、結果的に定着ベルト10の表面が発熱する。
なお、電磁誘導発熱装置12の位置は図6に示す位置に限定されず、例えば、定着ベルト10の接触領域に対して回転方向Bの上流側に設置されていてもよいし、定着ベルト10の内側に設置されていてもよい。
本実施形態に係る定着装置100では、定着ベルト10の金属保護層の厚肉部が形成された端部に固定されたギア(図6では不図示)に不図示の駆動装置により駆動力が伝達されることで、定着ベルト10が矢印B方向に自己回転し、定着ベルト10の回転に伴って加圧ロール11は逆方向、すなわち矢印C方向に回転する。
未定着トナー像14が形成された記録媒体15は、矢印A方向に、定着装置100における定着ベルト10と加圧ロール11との接触領域(ニップ)に通され、未定着トナー像14が溶融状態として圧力が加えられて記録媒体15に定着される。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる本実施形態に係る定着装置と、を有する。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る画像形成装置200は、図7に示すように、感光体(像保持体の一例)202、帯電装置204、レーザー露光装置(潜像形成装置の一例)206、ミラー208、現像装置210、中間転写体212、転写ロール(転写装置の一例)214、クリーニング装置216、除電装置218、定着装置100、及び給紙装置(給紙ユニット220、給紙ローラ222、レジストローラ224、及び、記録媒体ガイド226)を備えている。
この画像形成装置200で画像形成を行う場合、まず、感光体202に近接して設けられた非接触型の帯電装置204が、感光体202の表面を帯電させる。
帯電装置204により帯電した感光体202の表面に各色の画像情報(信号)に応じたレーザー光が、ミラー208を介してレーザー露光装置206より照射されて静電潜像が形成される。
現像装置210は、感光体202の表面に形成された潜像にトナーを付与することによりトナー像を形成する。現像装置210は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーをそれぞれ収容した各色の現像器(不図示)を備えており、現像装置210が矢印方向に回転することにより、感光体202の表面に形成されている潜像に各色のトナーを付与し、トナー像が形成される。
感光体202の表面に形成された各色のトナー像は、感光体202と中間転写体212との間に印加されたバイアス電圧により、感光体202と中間転写体212との接触部において、各色のトナー像毎に画像情報と一致するように中間転写体212の外周面に重ねて転写される。
中間転写体212は、外周面が感光体202の表面に接触し矢印E方向に回転する。
中間転写体212の周囲には、感光体202の他に、転写ロール214が設けられている。
カラーのトナー像が転写された中間転写体212は矢印E方向に回転する。中間転写体212上のトナー像は、転写ロール214と中間転写体212との接触部において、給紙装置によって接触部に矢印A方向に搬送されてきた記録媒体15の表面に転写される。
なお、中間転写体212と転写ロール214との接触部への給紙は、給紙ユニット220に収納された記録媒体が、給紙ユニット220に内蔵された不図示の記録媒体押し上げ手段により給紙ローラ222に接触する位置まで押し上げられ、その記録媒体15が給紙ローラ222に接触した時点で、給紙ローラ222及びレジストローラ224が回転することにより記録媒体ガイド226に沿って矢印A方向に搬送されることにより行われる。
記録媒体15の表面に転写されたトナー像は、矢印A方向に移動し、定着ベルト10と加圧ロール11との接触領域(ニップ)では、トナー像14は溶融状態で記録媒体15の表面に押圧され、記録媒体15の表面に定着される。これにより、記録媒体の表面に定着した画像が形成される。
中間転写体212の表面にトナー像を転写した後の感光体202の表面はクリーニング装置216によって清掃される。
感光体202の表面はクリーニング装置216によって清掃された後、除電装置218によって除電される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
・樹脂基材Xの作製
ポリイミド前駆体(ポリイミドワニス「U−イミドAH」(ユニチカ社製))のNMP溶液を、φ30mmの金型上にフローコートにて塗布し、380℃までステップ昇温(25℃→120℃1hr→250℃1hr→380℃1hr→25℃)して焼成した。
これにより、内径30mm、膜厚60μmのポリイミド(樹脂単一層)のみによるシームレス樹脂管状体を得た。
こうして得られた管状の樹脂基材Xは、内径30mm、厚み60μm、幅400mmであった。
上記のようにして得られた内径30mm、厚み60μm、幅400mmの管状のポリイミド基材(以降、「PI基材」と略記)の表面を、液体ホーニング装置(不二精機製LH−8TTHiS)を用い、粗面化処理(表面粗さRa=0.5μm以上1.0μm以下)した。
ホーニング条件は砥粒#320、噴射圧0.3MPa、噴射距離100mm、処理時間1.5分で実施した。
そして、粗面化されたPI基材の表面の砥粒をイオン交換水にて洗い流した後、圧縮空気でPI基材表面の水分を除去した。
・金属下地層の形成
次に、PI基材をめっき治具に組み込み、無電解めっき処理により厚み0.5μmの無電解銅めっき層(金属下地層)を形成した。
・金属発熱層の形成
無電解銅めっき層(金属下地層)を形成した後、めっき治具両端に電極をセットし、硫酸銅めっき液により電解めっき処理を施し、厚み10μmの電解銅めっき層(金属発熱層)を形成した。
・金属保護層の形成
次いで、ニッケルイオンを含むめっき液に浸漬してニッケルの電解めっきを行い、厚み約9μmの電解ニッケル層を形成した。
さらに、片端の40mm以外の領域をマスキングした管状体をニッケル層が露出した一端部が平面電極に近づくように傾けて周方向に回転させながらニッケルの電解めっきを行った。これにより、末端から40mmの間でさらにニッケル層を厚膜化し、通紙領域のニッケル層の厚みとの差が0.5μm以上3μm以下の範囲で厚みに傾斜のあるニッケル層を形成した。
反対側の端部の40mmの領域についても同様にして通紙領域のニッケル層の厚みとの差が0.5μm以上3μm以下の範囲で厚みに傾斜のあるニッケル層を形成した。
続いて、両端40mm以外の領域をマスキングし、ガラスビーズを用いて両端部(厚肉部)にショットピーニングを行なった。
・弾性体層及び離型層の形成
次に、管状体の表面(外周面)に、スパイラルコート装置を用いてシリコーンゴムを塗布(厚み200μm)し、一次加硫(120℃×20min)後、PFAチューブ(厚み30μm、内面接着層有り)を被覆し、接着焼成(200℃×4h)を実施した。こうして、無端ベルトの表面(外周面)に弾性体層及び離型層を順次形成した後、両端部15mmを切除し、PI基材の片端の内周面にギアを接着して定着ベルトとした。
〔比較例1〕
実施例1の定着ベルトの作製において、両端部の金属保護層(ニッケル層)の厚膜化は行なわず、且つ、ショットピーニングも実施しないこと以外は実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
〔比較例2〕
実施例1の定着ベルトの作製において、ショットピーニングを実施しないこと以外は実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
〔比較例3〕
実施例1の定着ベルトの作製において、両端部の金属保護層(ニッケル層)の厚膜化を行なわないこと以外は実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
〔実施例2〕
実施例1の定着ベルトの作製において以下のようにして作製した樹脂基材Yを用いたこと以外は実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
・樹脂基材Yの作製
実施例1の樹脂基材Xの作製において、ポリイミドワニスとして「U−イミドCH」(ユニチカ社製)を使用した以外は実施例1と同様にして樹脂基材Yを作製した。
[評価方法]
‐ニッケル層の厚みの測定‐
各例で作製した定着ベルトの断面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製「JSM6700F」)の加速電圧2.0kV、5000倍における観察像より金属保護層(ニッケル層)の厚みを測定した。
‐結晶子サイズ測定‐
金属保護層(ニッケル層)についてベルト末端から中央部に向けて50mmの位置までX線回折(XRD)により金属結晶子の粒径を測定した。X線回折装置としては、リガク社製、全自動水平型多目的X線回折装置 SmartLabを用いた。
‐樹脂基材の引張り強度測定‐
樹脂基材の引張り強度(MPa)は、以下のようにして測定した。
樹脂基材を幅5mmの短冊形状に切り出し、これを引張試験機Model 1605N(アイコーエンジニアリング社製)に設置し、10mm/sec等速で引張った際の引張破断強度(MPa)にして測定した。
‐実機試験‐
各例で得られた定着ベルトの一端部にギアを接着して固定した後、画像形成装置(富士ゼロックス株式会社製、商品名:DocuCentre−IV C5570)の定着装置に装着してA4用紙の連続出力を行い、定着ベルトのギア側端部のベルト部分に亀裂が発生するまでの出力数を調査した。
10 定着ベルト
10A 樹脂基材
10B 金属下地層
10C 金属発熱層
10D 金属保護層
10DF 厚肉部
10E 弾性体層
10F 離型層
10K 通紙領域(ベルト端部)
10J 非通紙領域(ベルト中央部)
11 加圧ロール
11A 基材
11B 弾性体層
11C 離型層
12 電磁誘導発熱装置
13 対向部材
13A 支持体
13B パッド
14 トナー像
15 記録媒体
42 駆動ギア(回転伝達手段の一例)
100 定着装置
200 画像形成装置
202 感光体
204 帯電装置
206 露光装置
210 現像装置
212 中間転写体
214 転写ロール

Claims (7)

  1. 管状の樹脂基材と、
    前記樹脂基材上に配置され、電磁誘導発熱する金属発熱層と、
    前記金属発熱層上に該金属発熱層と接触して配置され、ベルト幅方向の少なくとも一端部において、厚みが中央部における厚みよりも大きく、且つ、結晶子サイズが中央部における結晶子サイズよりも小さい厚肉部を有する金属保護層と、
    を有する定着ベルト。
  2. 前記金属保護層の前記一端部のうち少なくとも末端領域に前記厚肉部を有する請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 前記金属保護層がニッケルを含む層である請求項1又は請求項2に記載の定着ベルト。
  4. 前記樹脂基材の引張り強度が200MPa以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着ベルト。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の定着ベルトと、
    前記定着ベルトの前記金属保護層の前記厚肉部を有する一端部に固定され、前記定着ベルトに回転を伝達する回転伝達手段と、
    を有する定着部材。
  6. 請求項5に記載の定着部材と、
    前記定着部材の前記定着ベルトの外周面を加圧し、未定着のトナー画像が表面に形成された記録媒体を前記定着部材と共に挟み込む加圧部材と、
    前記定着ベルトの前記金属発熱層を電磁誘導によって発熱させる電磁誘導発熱装置と、
    を有する定着装置。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電させる帯電装置と、
    帯電した前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成装置と、
    前記像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
    前記トナー像を前記記録媒体に定着させる請求項6に記載の定着装置と、
    を有する画像形成装置。
JP2015015656A 2015-01-29 2015-01-29 定着ベルト、定着部材、定着装置及び画像形成装置 Active JP6387843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015015656A JP6387843B2 (ja) 2015-01-29 2015-01-29 定着ベルト、定着部材、定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015015656A JP6387843B2 (ja) 2015-01-29 2015-01-29 定着ベルト、定着部材、定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016142742A JP2016142742A (ja) 2016-08-08
JP6387843B2 true JP6387843B2 (ja) 2018-09-12

Family

ID=56570291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015015656A Active JP6387843B2 (ja) 2015-01-29 2015-01-29 定着ベルト、定着部材、定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6387843B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7528429B2 (ja) * 2019-11-01 2024-08-06 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP7476515B2 (ja) * 2019-11-01 2024-05-01 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005031474A (ja) * 2003-07-07 2005-02-03 Canon Electronics Inc 定着ベルトおよび定着ベルトの製造方法
JP2006215498A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd 定着装置
JP2008020784A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Fuji Xerox Co Ltd 定着用部材、この定着用部材の製造方法、この定着用部材を備えた定着装置、及びこの定着用部材を備えた画像形成装置
US8382970B2 (en) * 2008-08-05 2013-02-26 Xerox Corporation Metallization process for making fuser members
JP2010230875A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016142742A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8195076B2 (en) Fixing device and image forming apparatus including same
JP2010181492A (ja) 無端ベルト、定着装置及び画像形成装置
US10890868B2 (en) Fixing member, fixing unit, and image forming apparatus
JP5470936B2 (ja) 無端ベルト、定着装置及び画像形成装置
JP5532958B2 (ja) 無端ベルト、定着装置及び画像形成装置
US8550877B2 (en) Method of manufacturing annular body
JP6387843B2 (ja) 定着ベルト、定着部材、定着装置及び画像形成装置
US20130078470A1 (en) Fixing belt, method of manufacturing fixing belt, fixing device, and image forming apparatus
JP2006301562A (ja) 定着用部材、定着装置、画像形成装置
JP2018004898A (ja) 回転部材、定着装置、及び画像形成装置
US10802433B1 (en) Fixing member, fixing unit, and image forming apparatus
JP2008256839A (ja) 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP5880197B2 (ja) 定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP5194780B2 (ja) 定着ベルトの製造方法
US11067928B2 (en) Fixing member, fixing unit, and image forming apparatus
US10802432B1 (en) Fixing member, fixing unit, and image forming apparatus
JP2014182292A (ja) 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP2013200410A (ja) 定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP2012189889A (ja) 無端ベルト、定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP2011017988A (ja) 無端ベルト及びその製造方法並びに定着装置及び画像形成装置
JP2010230875A (ja) 定着ベルト、定着装置、及び画像形成装置
JP2008020784A (ja) 定着用部材、この定着用部材の製造方法、この定着用部材を備えた定着装置、及びこの定着用部材を備えた画像形成装置
JP7000756B2 (ja) 無端ベルト、無端ベルトの製造方法、無端ベルト用部材、定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2018049225A (ja) 管状体及びその製造方法、定着装置、並びに、画像形成装置
JP2017090537A (ja) 定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6387843

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350