JP6376020B2 - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Description
(1)ゴム質重合体(r)の存在下に少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)60〜80重量%、シアン化ビニル系単量体(a2)20〜40重量%を含有するビニル系単量体混合物(a)をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(A)20〜40重量部に、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)およびシアン化ビニル系単量体(b2)を含有するビニル系単量体混合物(b)を共重合してなるビニル系共重合体(B)60〜80重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂組成物中のアセトン可溶分(C)の重量平均分子量が150,000〜250,000、分散度が2.8以上、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量が29〜36重量%であり、
前記アセトン可溶分(C)100重量%中、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量が35重量%以上の成分(C−1)を10〜30重量%、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量が35重量%未満の成分(C−2)を70〜90重量%含有し、
前記成分(C−1)100重量%中、分子量が30,000〜200,000にある成分の割合が70重量%以上、分子量200,000を超える成分の割合が10〜20重量%、分子量30,000未満の成分の割合が20重量%以下であり、
前記成分(C−2)100重量%中、分子量が30,000〜200,000にある成分の割合が40〜60重量%、分子量200,000を超える成分の割合が20重量%以上、分子量30,000未満の成分の割合が20重量%以下である熱可塑性樹脂組成物。
(2)ゴム質重合体(r)の存在下に少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)60〜80重量%、シアン化ビニル系単量体(a2)20〜40重量%を含有するビニル系単量体混合物(a)をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(A)20〜40重量部に、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)およびシアン化ビニル系単量体(b2)を含有するビニル系単量体混合物(b)を共重合してなるビニル系共重合体(B)60〜80重量部を配合する熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
前記ビニル系共重合体(B)として、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)55〜65重量%およびシアン化ビニル系単量体(b2)35〜45重量%を含有するビニル系単量体混合物(b−1)を共重合してなり、重量平均分子量が100,000〜150,000である高ニトリル含有ビニル系共重合体(B−1)と、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)65重量%を超え75重量%以下およびシアン化ビニル系単量体(b2)25重量%以上35重量%未満を含有するビニル系単量体混合物(b−2)を共重合してなり、重量平均分子量が250,000〜350,000である高分子量ビニル系共重合体(B−2)とを組み合わせる熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(3)前記ビニル系共重合体(B)を構成する、前記高ニトリル含有ビニル系共重合体(B−1)と高分子量ビニル系共重合体(B−2)との配合比(重量比)を、(B−1)/(B−2)=33/67〜67/33とする(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(4)(1)記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品。
(5)(2)または(3)記載の製造方法により得られる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品の製造方法。
測定装置:Waters2695
カラム温度:40℃
検出器:RI2414(示差屈折率計)
キャリア溶離液流量:0.3ml/分(溶媒:テトラヒドロフラン)
カラム:TSKgel SuperHZM−M(6.0mmI.D.×15cm)、TSKgel SuperHZM−N(6.0mmI.D.×15cm)直列(いずれも東ソー)。
グラフト率(%)={[(n)−((m)×X/100)]/[(m)×X/100]}×100。
芳香族ビニル系単量体(b1)としては、芳香族ビニル系単量体(a1)として例示したものが挙げられ、スチレンが好ましい。
芳香族ビニル系単量体由来単位:ベンゼン核の振動に帰属される1605cm−1のピーク
シアン化ビニル系単量体由来単位:−C≡N伸縮に帰属される2240cm−1のピーク
分離した上澄み液に、さらに5mlシクロヘキサンを加え、白濁液から同様の方法により不溶分を得る。上記操作を繰り返し、白濁がなくなるまで、5mずつシクロヘキサンを加え、各々のシクロヘキサン添加量における不溶分のシアン化ビニル系単量体由来単位の含有量と重量を、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量ごとに分離して測定することができる。上記方法により、シアン化ビニル系単量体由来単位が35重量%以上の成分(C−1)と35重量%未満の成分(C−2)の重量が求められる。
ゴム質重合体ラテックスを水媒体で希釈、分散させ、レーザ散乱回折法粒度分布測定装置“LS 13 320”(ベックマン・コールター株式会社)により粒子径分布を測定した。その粒子径分布より、ゴム質重合体(r)の重量平均粒子径を算出した。
グラフト共重合体(A)サンプル約1g(m:サンプル重量)にアセトン80mlを加え、70℃の湯浴中で3時間還流し、この溶液を8000r.p.m(10000G)で40分間遠心分離した後、不溶分を濾過した。得られたアセトン不溶分を80℃で5時間減圧乾燥させ、その重量(n)を測定し、下記式よりグラフト率を算出した。ここで、Xはグラフト共重合体(A)のゴム質重合体含有率(%)である。
グラフト率(%)={[(n)−(m)×X]/[(m)×X]}×100。
前記(2)の操作によりグラフト共重合体(A)のアセトン可溶分を得た。また、各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレット約1g(m:サンプル質量)にアセトン80mlを加え、70℃の湯浴中で3時間還流し、この溶液を8000r.p.m(10000G)で40分間遠心分離した後、不溶分を濾過することにより、熱可塑性樹脂組成物のアセトン可溶分(C)を得た。グラフト共重合体(A)のアセトン可溶分、ビニル系共重合体(B)、熱可塑性樹脂組成物のアセトン可溶分(C)各々のサンプル約0.03gをテトラヒドロフラン約15gに溶解し、約0.2重量%の溶液を調製した。下記条件により測定したGPCクロマトグラムより、ポリスチレンを標準物質として換算した重量平均分子量および分散度を算出した。
機器:Waters2695
カラム温度:40℃
検出器:RI2414(示差屈折率計)
キャリア溶離液流量:0.3ml/min(溶媒:テトラヒドロフラン)
カラム:TSKgel SuperHZM−M(6.0mmI.D.×15cm)、TSKgel SuperHZM−N(6.0mmI.D.×15cm)直列(いずれも東ソー)。
前記(3)の操作により得られた熱可塑性樹脂組成物のアセトン可溶分(C)を230℃に設定した加熱プレスにより加熱加圧し、厚み30±5μmのフィルムを作製した。得られたフィルムについて、FT−IR分析を行い、FT−IRチャートに現れた下記ピークの強度比からシアン化ビニル系単量体由来単位(アクリロニトリル単量体由来単位)の含有量を求めた。
芳香族ビニル系単量体由来単位:ベンゼン核の振動に帰属される1605cm−1のピーク
シアン化ビニル系単量体由来単位:−C≡N伸縮に帰属される2240cm−1のピーク。
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットからアセトン不溶分を濾過した濾液をロータリーエバポレーターで濃縮することにより採取したアセトン可溶分(C)5gをアセトン80mlに溶解した溶液に、シクロヘキサンを徐々に添加し、白濁したところで添加をやめる。この白濁溶液を8000r.p.m(10000G)で40分間遠心分離した後、上澄みを分離し、不溶分を得た。不溶分を80℃で5時間減圧乾燥し、その重量を測定した。その後、230℃に設定した加熱プレスにより厚み30±5μmのフィルムを作製し、得られたフィルムについて、FT−IR分析を行い、FT−IRチャートに現れる下記ピークの強度比からシアン化ビニル系単量体由来単位(アクリロニトリル単量体由来単位)の含有量とその重量を定量した。
芳香族ビニル系単量体由来単位:ベンゼン核の振動に帰属される1605cm−1のピーク
シアン化ビニル系単量体由来単位:−C≡N伸縮に帰属される2240cm−1のピーク
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に厚さ4mmのダンベル試験片を成形した。得られたダンベル試験片各5個について、ISO179に準拠した方法でシャルピー衝撃強度を測定し、その数平均値を算出した。
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、即時に厚さ4mmのダンベル試験片を成形した。得られたダンベル試験片各3個について、ISO178に準拠した方法で曲げ弾性率を測定し、その数平均値を算出した。
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、測定温度220℃、荷重98Nの条件で、ISO113に準拠した方法によりMFRを測定した。
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、ウェルド部を有する厚さ4mmのダンベル試験片を成形した。
2個ともにウェルド部が破断しない場合:○
1個でもウェルド部が破断した場合:×。
各実施例および比較例により得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを80℃の熱風乾燥機中で3時間乾燥した後、シリンダー温度を230℃に設定した住友重機械工業(株)製SE−50DU成形機内に充填し、長さ50mm、幅30mm、厚さ3mmのプレート試験片を成形した。得られたプレート試験片について、住化カラー社製CCM(分光光度計マクベス7000A)を用いて、L*、a*、b*をそれぞれ測定した。
撹拌翼を備えた内容量5リットルの四つ口フラスコに、ポリブタジエンラテックス(ゴムの重量平均粒子径0.30μm、ゲル含有率85%)31.5重量部(固形分換算)、スチレン−ブタジエンゴムラテックス(ゴムの重量平均粒子径1.0μm、ゲル非含有)13.5重量部(固形分換算)、純水130重量部、ラウリン酸ナトリウム0.4重量部、ブドウ糖0.2重量部、ピロリン酸ナトリウム0.2重量部、硫酸第一鉄0.01重量部を仕込み、窒素置換後、60℃に温調し、撹拌しながら、スチレン5.84重量部、アクリロニトリル2.16重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.083重量部の単量体混合物を30分間かけて初期添加した。
撹拌翼を備えた内容量5リットルの四つ口フラスコに、ポリブタジエンラテックス(ゴムの重量平均粒子径0.30μm、ゲル含有率85%)50重量部(固形分換算)、純水130重量部、ラウリン酸ナトリウム0.4重量部、ブドウ糖0.2重量部、ピロリン酸ナトリウム0.2重量部、硫酸第一鉄0.01重量部を仕込み、窒素置換後、60℃に温調し、撹拌しながら、スチレン6.7重量部、アクリロニトリル2.5重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.058重量部の単量体混合物を30分間かけて初期添加した。
初期添加する単量体混合物中のt−ドデシルメルカプタンを0.01重量部とし、重合開始後に同時並行して添加した単量体混合物中のt−ドデシルメルカプタンを0.04重量部とした以外は参考例1と同様の方法でグラフト共重合体(A−(3))を得た。得られたグラフト共重合体(A−(3))のグラフト率は50%であった。また、アセトン可溶分の重量平均分子量は300,000であり、アセトン可溶分の分散度は2.4であり、アセトン可溶分のシアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は27重量%であった。
初期添加する単量体混合物中のスチレンを3.6重量部、アクリロニトリルを0.6重量部、t−ドデシルメルカプタンを0.15重量部とし、さらにメタクリル酸メチル10.8重量部を加えて、これらの単量体混合物を45分間かけて添加したこと以外は参考例1と同様の方法で初期添加を行った。
まず、懸濁重合用の媒体として、メタクリル酸メチル−アクリルアミド共重合体を以下の方法により製造した。
20Lのオートクレーブに、前記参考例5により得られたメタクリル酸メチル−アクリルアミド二元共重合体水溶液6重量部、純水150重量部を仕込み、400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。70℃まで昇温後、アクリロニトリル28.9重量部、スチレン11.1重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.32重量部、t−ドデシルメルカプタン0.063重量部およびn−オクチルメルカプタン0.094重量部の単量体混合物を、撹拌しながら30分間かけて添加し、重合反応を開始した。単量体混合物を添加後、1時間経過したところで、スチレン15重量部を供給ポンプを使用して添加した。その後、30分間隔で、スチレンを1回あたり15重量部ずつ、計3回オートクレーブに添加した。全ての単量体の添加後、60分間かけて100℃に昇温した。80℃に達した時点で、窒素ガスでオートクレーブ内を0.3MPaに加圧した。100℃に到達後、30分間100℃に維持した後、冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行って、ビーズ状のビニル系共重合体(B−(2))を得た。得られたビニル系共重合体(B−(2))の重量平均分子量は320,000、分散度は2.8、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は27重量%であった。
単量体混合物中のt−ドデシルメルカプタンを0.75重量部とした以外は、参考例5と同様の方法でビニル系共重合体(B−(3))を得た。得られたビニル系共重合体(B−(3))の重量平均分子量は54,000、分散度は2.1、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は36重量%であった。
初期に添加する単量体混合物をアクリロニトリル44重量部、スチレン3.8重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.034重量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.293重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.75重量部としたこと、さらに、単量体混合物を添加後95分経過したところで添加するスチレンの量を36.2重量部としたこと以外は参考例5と同様の方法でビニル系共重合体(B−(4))を得た。得られたビニル系共重合体(B−(4))の重量平均分子量は55,000、分散度は2.1、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は40重量%であった。
初期に添加する単量体混合物のt−ドデシルメルカプタンを0.32重量部とし、n−オクチルメルカプタンを添加しないこと以外は参考例6と同様の方法でビニル系共重合体(B−(5))を得た。得られたビニル系共重合体(B−(5))の重量平均分子量は130,000、分散度は2.1、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は27重量%であった。
初期に添加する単量体混合物のt−ドデシルメルカプタンおよびn−オクチルメルカプタンを添加しないこと以外は参考例6と同様の方法でビニル系共重合体(B−(6))を得た。得られたビニル系共重合体(B−(6))の重量平均分子量は320,000、分散度は2.9、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は27重量%であった。
20Lのオートクレーブに、前記参考例5により得られたメタクリル酸メチル−アクリルアミド二元共重合体水溶液6重量部、純水150重量部を仕込み、400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。70℃まで昇温後、アクリロニトリル12重量部、スチレン9重量部、メタクリル酸メチル29重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.4重量部の単量体混合物を、撹拌しながら30分間かけて添加し、重合反応を開始した。単量体混合物添加後60分経過したところで、スチレン2重量部、メタクリル酸メチル13重量部を供給ポンプを使用して添加した。30分後に、スチレン4重量部、メタクリル酸メチル11重量部をオートクレーブに添加した。その30分後にスチレン7重量部、メタクリル酸メチル13重量部をオートクレーブに添加した。全ての単量体混合物を添加後、120分間かけて100℃に昇温した。80℃に達した時点で、窒素ガスでオートクレーブ内を0.3MPaに加圧した。100℃に到達後、30分間100℃に維持した後、冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行って、ビーズ状のビニル系共重合体(B−(7))を得た。得られたビニル系共重合体(B−(7))の重量平均分子量は140,000、分散度は2.4、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は12重量%であった。
20Lのオートクレーブに、前記参考例5により得られたメタクリル酸メチル−アクリルアミド二元共重合体水溶液6重量部、純水150重量部を仕込み、400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。70℃まで昇温後、アクリロニトリル30重量部、スチレン18重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.5重量部の単量体混合物を、撹拌しながら30分間かけて添加し、重合反応を開始した。単量体混合物添加後30分経過したところで、メタクリル酸メチル12重量部を供給ポンプを使用して添加した。その後、30分間隔で、メタクリル酸メチルを1回あたり20重量部ずつ、計2回オートクレーブに添加した。全ての単量体の添加後、60分間かけて100℃に昇温した。80℃に達した時点で、窒素ガスでオートクレーブ内を0.3MPaに加圧した。100℃に到達後、30分間100℃に維持した後、冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行って、ビーズ状のビニル系共重合体(B−(8))を得た。得られたビニル系共重合体(B−(8))の重量平均分子量は115,000、分散度は2.4、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は30重量%であった。
20Lのオートクレーブに、前記参考例5により得られたメタクリル酸メチル−アクリルアミド二元共重合体水溶液6重量部、純水165重量部を仕込み、400rpmで撹拌し、系内を窒素ガスで置換した。70℃まで昇温後、アクリロニトリル4重量部、スチレン24重量部、メタクリル酸メチル72重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.01重量部の単量体混合物を、撹拌しながら30分間かけて添加し、重合反応を開始した。70℃条件下、常圧で5時間重合を継続した後、冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行って、ビーズ状のビニル系共重合体(B−(9))を得た。得られたビニル系共重合体(B−(9))の重量平均分子量は300,000、分散度は2.7、シアン化ビニル系単量体由来単位の含有量は5重量%であった。
エチレン・一酸化炭素・(メタ)アクリル酸エステル共重合体:三井・デュポンポリケミカル(株)製“エルバロイ”(登録商標)HP−4051
ヒンダードアミン系光安定剤:ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペジニル)セバケート (株)ADEKA製“アデカスタブ”(登録商標)LA−57
リン系酸化防止剤:ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト (株)ADEKA製“アデカスタブ”PEP−8
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール 共同薬品(株)製“バイオソーブ”520
(実施例1〜6、比較例1〜10)
参考例1〜4で調製したグラフト共重合体(A)と参考例5〜13で調整したビニル系共重合体(B)とをそれぞれ、表3〜5に示した配合比で配合し、さらに添加剤としてt−ブチルヒドロキシトルエン0.3重量部およびトリ(ノニルフェニル)ホスファイト0.3重量部を加え、ヘンシェルミキサーで23℃で混合した後、得られた混合物を40mmφ押出機により、押出温度230℃でガット状に押出し、ペレット化した。得られたペレットを、成形温度230℃、金型温度40℃で射出成形し、評価用の試験片を作製した。得られた試験片を用いて、前記方法により各物性を測定した。
参考例1で調製したグラフト共重合体(A)と参考例9で調製したビニル系共重合体(B)とをそれぞれ表5に示した配合比で配合し、さらに、“エルバロイ”HP−4051 5重量部、“アデカスタブ”LA−57 0.5重量部、“アデカスタブ”PEP−8 0.45重量部、“バイオソーブ”520 0.6重量部を加え、ヘンシェルミキサーで23℃で混合した後、得られた混合物を40mmφ押出機により、押出温度230℃でガット状に押出し、ペレット化した。得られたペレットを、成形温度230℃、金型温度40℃で射出成形し、評価用の試験片を作製した。得られた試験片を用いて、前記方法により各物性を測定した。
2:イソプロパノール(薬液)
3:ダンベル試験片
4:ウェルド部
5:重り(1kg)
6:耐薬試験治具
Claims (3)
- ゴム質重合体(r)の存在下に少なくとも芳香族ビニル系単量体(a1)60〜80重量%、シアン化ビニル系単量体(a2)20〜40重量%を含有するビニル系単量体混合物(a)をグラフト共重合してなるグラフト共重合体(A)20〜40重量部に、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)およびシアン化ビニル系単量体(b2)を含有するビニル系単量体混合物(b)を共重合してなるビニル系共重合体(B)60〜80重量部を配合する熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
前記ビニル系共重合体(B)として、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)55〜65重量%およびシアン化ビニル系単量体(b2)35〜45重量%を含有するビニル系単量体混合物(b−1)を共重合してなり、重量平均分子量が100,000〜150,000である高ニトリル含有ビニル系共重合体(B−1)と、少なくとも芳香族ビニル系単量体(b1)65重量%を超え75重量%以下およびシアン化ビニル系単量体(b2)25重量%以上35重量%未満含有するビニル系単量体混合物(b−2)を共重合してなり、重量平均分子量が250,000〜350,000である高分子量ビニル系共重合体(B−2)とを組み合わせる熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 前記ビニル系共重合体(B)を構成する、前記高ニトリル含有ビニル系共重合体(B−1)と高分子量ビニル系共重合体(B−2)との配合比(重量比)を、(B−1)/(B−2)=33/67〜67/33とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1または2記載の製造方法により得られる熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形品の製造方法。
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