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JP6375623B2 - 研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法 - Google Patents

研磨剤、研磨剤セット及び基体の研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、研磨剤、研磨剤セット、及び、前記研磨剤又は前記研磨剤セットを用いた基体の研磨方法に関する。特に、本発明は、半導体素子の製造技術である、基体表面の平坦化工程に用いられる研磨剤、研磨剤セット、及び、前記研磨剤又は前記研磨剤セットを用いた基体の研磨方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、シャロートレンチ分離(シャロー・トレンチ・アイソレーション。以下「STI」という。)絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等の平坦化工程において用いられる研磨剤、研磨剤セット、及び、前記研磨剤又は前記研磨剤セットを用いた基体の研磨方法に関する。
近年の半導体素子の製造工程では、高密度化・微細化のための加工技術の重要性がますます高まっている。加工技術の一つであるCMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング:化学機械研磨)技術は、半導体素子の製造工程において、STIの形成、プリメタル絶縁材料又は層間絶縁材料の平坦化、プラグ又は埋め込み金属配線の形成等に必須の技術となっている。
CMP研磨剤として最も多用されているのは、砥粒として、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリカ(酸化珪素)粒子を含むシリカ系CMP研磨剤である。シリカ系CMP研磨剤は汎用性が高いことが特徴であり、砥粒含有量、pH、添加剤等を適切に選択することで、絶縁材料又は導電材料を問わず幅広い種類の材料を研磨できる。
一方で、主に酸化珪素等の絶縁材料を対象とした、砥粒としてセリウム化合物粒子を含むCMP研磨剤の需要も拡大している。例えば、酸化セリウム(セリア)粒子を砥粒として含む酸化セリウム系CMP研磨剤は、シリカ系CMP研磨剤よりも低い砥粒含有量でも高速に酸化珪素を研磨できる(例えば、下記特許文献1及び2参照)。
しかし、近年、半導体素子の製造工程では、更なる配線の微細化を達成することが求められており、研磨時に発生する研磨傷が問題となっている。すなわち、従来の酸化セリウム系研磨剤を用いて研磨を行った際に、微小な研磨傷が発生しても、この研磨傷の大きさが従来の配線幅より小さいものであれば問題にならなかったが、更なる配線の微細化を達成しようとする場合には、研磨傷が微小であっても問題となってしまう。
ところで、従来の酸化セリウム系研磨剤としては、セリウム原料を焼成し、これを粉砕して酸化セリウム粒子を得る方法(以下「焼成法」という。)が知られている。焼成法で得られた粒子は、精製工程で、研磨傷の原因になる大きな粒子を取り除く。しかし、取り除くことができずに研磨剤に混入した大きな粒子が研磨傷の主な原因となっていた。
この問題に対し、粉砕しきれない粗大な酸化セリウム粒子が混入することを根本から防ぐ方法として、粉砕を用いずに微小な酸化セリウム粒子を製造する方法が検討されている(例えば、下記特許文献3参照)。これらの技術は、結晶成長法を用いた製造方法によって酸化セリウム粒子の懸濁液を得ようとするものであり、研磨剤として使用できる。このようにして得られた酸化セリウム粒子は、個々の粒子が単結晶となる。
特開平10−106994号公報 特開平08−022970号公報 特表2010−505735号公報
ところで、STIを形成するためのCMP工程においては、ストッパ(研磨停止層)の構成材料(以下「ストッパ材料」という。)としてポリシリコン、窒化珪素等を用いられている。通常、酸化珪素等の絶縁材料が研磨され、前記ストッパ材料の部分が露出した段階で研磨を停止するのが一般的である。この場合、平坦性を向上させること、エロージョン(ストッパ材料の過研磨)を抑制すること等の目的のために、平坦性を向上できる添加剤やストッパ材料の研磨を抑制できる添加剤を入れることで、研磨後の基板表面の平滑性を高めている。
焼成法により得られた酸化セリウム粒子を用いた研磨剤は、ポリカルボン酸系の陰イオン性の高分子ポリマや非イオン性の水溶性ポリマを添加剤として平坦性や研磨選択性を高めることができた。しかしながら、結晶成長法によって作製された酸化セリウム粒子は前記添加剤を用いた場合、STIのCMP工程に有用な絶縁材料の研磨速度を得ることが難しい。
本発明は、このような技術的課題を解決しようとするものであり、焼成法で得られた酸化セリウム粒子だけでなく、結晶成長法によって作製された単結晶の酸化セリウム粒子を砥粒に用いた研磨剤であっても、有用な絶縁材料の研磨速度を得ることができると共に、基板表面の平滑性を向上させることが可能な研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法を提供することを目的とする。
本発明は、水と、酸化セリウム粒子と、炭素数が140以下の糖類と、非イオン性界面活性剤と、有機酸と、を含有する研磨剤であって、前記酸化セリウム粒子が、単結晶粒子であり、かつ、研磨剤中で表面電位が負である研磨剤に関する。
酸化セリウム粒子は、陰イオン性分散剤を用いて水中に分散することによって、研磨剤中での表面電位を負にしてもよい。また、前記酸化セリウム粒子は、結晶成長法によって作製されたものであることが好ましい。
また、本発明は、砥粒の一次粒子径が、1nm以上300nm以下である、前記の研磨剤に関する。
また、本発明は、砥粒の一次粒子径が、1nm以上300nm以下であり、160nm以下の一次粒子径が全体の90%以上である、前記の研磨剤に関する。
また、本発明は、砥粒の一次粒子径が、1nm以上300nm以下であり、160nm以下の一次粒子径が全体の99%以上である、前記の研磨剤に関する。
なお、前記砥粒の一次粒子径とは、砥粒の結晶子径をいう。
また、本発明は、糖類が、構造にカルボキシル基を含まないものである、前記の研磨剤に関する。
また、本発明は、有機酸が、炭素数が4以下のモノカルボン酸である、前記の研磨剤に関する。
本発明に係る研磨剤によれば、砥粒として、単結晶の、又は、結晶成長法により製造された酸化セリウム粒子を用いた場合でも、絶縁材料の研磨速度を過度に落とすことなく、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上できる。これにより、高度な平坦面を得ることができる。また、本発明に係る研磨剤によれば、特に、STI絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、これらの絶縁材料を高度に平坦化できる。さらに、本発明に係る研磨剤によれば、絶縁材料を高度に平坦化しつつ、絶縁材料を低研磨傷で研磨することもできる。
炭素数が140以下の糖類の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.1質量%以上であることが好ましい。これにより、絶縁材料の研磨速度を落とすことなく、被研磨面における平坦性を向上できる。
非イオン性界面活性剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上であることが好ましい。これにより、絶縁材料の研磨速度を落とすことなく、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させつつ、被研磨面における平坦性を向上できる。
酸化セリウム粒子の結晶子径(一次粒子径)は、1nm以上300nm以下であることが好ましい。これにより、絶縁材料の研磨速度を落とすことなく、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を更に向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる。
酸化セリウム粒子の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。これにより、絶縁材料の研磨速度を落とすことなく、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を更に向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる。
本発明に係る研磨剤のpHは、4.0以上7.0以下であることが好ましい。これにより、絶縁材料の研磨速度を落とすことなく、被研磨面における平坦性と、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を更に向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる。
また、本発明の一側面は、酸化珪素を含む被研磨面を研磨する研磨方法への前記研磨剤の使用に関する。すなわち、本発明に係る研磨剤は、酸化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用されることが好ましい。
本発明に係る研磨剤セットは、前記研磨剤の構成成分が複数の液に分けて保存され、第一の液が前記酸化セリウム粒子を含み、第二の液が、炭素数が140以下の糖類、非イオン界面活性剤及び有機酸を含む。本発明に係る研磨剤セットによれば、絶縁材料の研磨速度を過度に落とすことなく、被研磨面における平坦性と、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させることができる。
本発明の基体の研磨方法は、前記研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備えていてもよく、前記研磨剤セットにおける第一の液と第二の液とを混合して得られる研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備えていてもよい。これらの研磨方法によれば、前記研磨剤又は研磨剤セットを用いることにより、従来の研磨剤を用いた場合よりも、絶縁材料の研磨速度を過度に落とすことなく、被研磨面における平坦性と、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる。
また、本発明の基体の研磨方法は、除去対象物質が絶縁材料であり、ストッパ材料がポリシリコンである研磨方法であってもよい。すなわち、本発明の基体の研磨方法は、絶縁材料及びポリシリコンを有する基体の研磨方法であって、前記研磨剤を用いて絶縁材料をポリシリコンに対して選択的に研磨する工程を備えていてもよく、前記研磨剤セットにおける第一の液と第二の液とを混合して得られる研磨剤を用いて絶縁材料をポリシリコンに対して選択的に研磨する工程を備えていてもよい。これらの研磨方法によれば、前記研磨剤又は研磨剤セットを用いることにより、従来の研磨剤を用いた場合よりも、絶縁材料の研磨速度を過度に落とすことなく、被研磨面における平坦性と、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる。
本発明によれば、例えば結晶成長法によって作製された、単結晶である酸化セリウム粒子を砥粒として用いた場合でも、絶縁材料の研磨速度を過度に落とすことなく、被研磨面における平坦性と、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法を提供できる。また、本発明によれば、特に、STI絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、絶縁材料の研磨速度を過度に落とすことなく、被研磨面における平坦性と、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法を提供できる。さらに、本発明によれば、絶縁材料を高度に平坦化しつつ、絶縁材料を低研磨傷で研磨することもできる。
実施例で用いたパターンウエハを示す模式断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット、及び、前記研磨剤又は前記研磨剤セットを用いた基体の研磨方法について詳細に説明する。
本実施形態に係る研磨剤は、研磨時に被研磨面に触れる組成物であり、例えばCMP研磨剤である。具体的には、本実施形態に係る研磨剤は、水と、酸化セリウム粒子と、炭素数が140以下の糖類と、非イオン界面活性剤と、有機酸と、を少なくとも含有し、前記酸化セリウムの粒子が、単結晶粒子であり、かつ、研磨剤中で表面電位が負である。以下、各構成成分、及び任意に添加できる成分について説明する。
(砥粒)
本実施形態に係る研磨剤は、酸化セリウムの粒子を含み、該粒子は単結晶粒子であり、かつ、研磨剤中で表面電位が負である。表面電位が負に帯電した単結晶粒子であることにより、研磨傷等の欠陥の発生を抑制できる。表面電位は、例えば、ベックマンコールター社製、商品名:Delsa NanoCを用いて、測定できる。なお、表面電位としては、特に、限定しないが、通常、−250〜−5mVである。砥粒は、陰イオン分散処理された単結晶酸化セリウム粒子であることが好ましい。「単結晶酸化セリウム粒子」とは、結晶粒界を持たない単結晶体の酸化セリウム粒子であり、例えば、特許文献3に記載された方法により、作製できる。
本実施形態に係る研磨剤は、砥粒として、前記酸化セリウム粒子以外の粒子を含むことができる。このような粒子としては例えば、焼成法で得られた酸化セリウム粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、樹脂粒子等が挙げられる。
単結晶酸化セリウム粒子の結晶子径は、1nm以上300nm以下であることが好ましい。結晶子径は、TEM写真画像又はSEM画像により測定できる。さらに、160nm以下の一次粒子径が、全体の90%以上であることがより好ましく、全体の99%以上であることが特に好ましい。90%以上であることにより、絶縁材料の研磨速度を落とすことなく、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を更に向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる。なお、「全体の90%以上」であるとは、単結晶酸化セリウム粒子の個数換算においてである。
研磨剤、又は、後述する研磨剤セットにおける単結晶酸化セリウム粒子の結晶子径の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、1nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましい。単結晶酸化セリウム粒子の結晶子径の上限は、被研磨面に傷がつくことを更に抑制する観点から、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましく、100nm以下が特に好ましく、60nm以下が極めて好ましい。前記観点から、単結晶酸化セリウム粒子の結晶子径は、1nm以上300nm以下であることがより好ましい。さらに、酸化セリウム粒子の二次粒子の平均粒径は、1nm以上150nm以下であることが好ましい。これにより、絶縁材料の研磨速度を落とすことなく、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を更に向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できる。
酸化セリウム粒子が凝集している場合は、後述する分散剤を用いて、例えば、通常の攪拌機による分散処理の他に、ホモジナイザ、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いる分散させることができる。
前記の方法により分散された酸化セリウム粒子の二次粒子の平均粒径を更に小さくする方法としては、例えば、沈降分級法を用いることができる。沈降分級法は、スラリを小型遠心分離機で遠心分離後に強制沈降させ、上澄み液のみ取り出す方法である。他に、分散媒中の酸化セリウム粒子同士を高圧で衝突させる高圧ホモジナイザを用いてもよい。
研磨剤、又は、後述する研磨剤セットにおけるスラリ中の砥粒の平均粒径の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、1nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましく、20nm以上が更に好ましい。砥粒の平均粒径の上限は、被研磨面に傷がつくことを更に抑制する観点から、150nm以下が好ましく、140nm以下がより好ましく、130nm以下が更に好ましく、120nm以下が特に好ましく、110nm以下が極めて好ましい。前記観点から、砥粒の平均粒径は、1nm以上150nm以下であることがより好ましい。
酸化セリウム粒子の平均粒径は、具体的には、測定対象のCMP研磨液又はスラリを、測定に適した濃度に希釈して測定サンプルとし、この測定サンプルをレーザ回折散乱式粒度分布計に投入することで測定できる。酸化セリウム粒子の平均粒径は、より具体的には、株式会社堀場製作所製のLA−920(光源:He−Neレーザー及びWレーザー)を用いて以下のようにして測定できる。まず、He−Neレーザに対する測定時透過率(H)が60〜70%になるように、測定対象のCMP研磨液又はスラリを、測定に適した濃度に希釈して測定サンプルを得る。そして、この測定サンプルをLA−920に投入し、その際に得られた算術平均径(meanサイズ)として平均粒径が得られる。
研磨剤、又は、後述する研磨剤セットにおけるスラリ中の砥粒の含有量は、CMP研磨液全質量を基準として0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜3.0質量%がより好ましく、0.2〜2.0質量%が更に好ましく、0.3〜1.5質量%が特に好ましい。
研磨剤、又は、後述する研磨剤セットにおけるスラリ中の酸化セリウム粒子の含有量は、CMP研磨液全質量を基準として0.1〜5質量%が好ましく、0.1〜3.0質量%がより好ましく、0.2〜2.0質量%が更に好ましく、0.3〜1.5質量%が特に好ましい。
本実施形態に係る研磨剤は、水溶性の分散剤を含んでもよい。これにより前記酸化セリウム粒子が、より安定的に水中に分散できる。ここで分散剤が水溶性であるとは、水に対する溶解度が、0.1質量%以上であることと定義される。
分散剤としては、水に溶解可能であれば特に制限は無く、具体的には例えば、陰イオン性分散剤、陽イオン性分散剤、非イオン性分散剤、両性分散剤等が挙げられる。研磨剤中で、酸化セリウム粒子を含む砥粒の表面電位を負にしやすい観点で、陰イオン性分散剤が好ましい。これらは一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
前記の陰イオン性分散剤としては、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリカルボン酸型高分子分散剤等が挙げられ、中でも、酸化セリウム粒子を含む砥粒の表面電位を負にしやすい観点で、ポリカルボン酸型高分子分散剤が好ましい。これらは一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。
ポリカルボン酸型高分子分散剤の重量平均分子量は、100000以下であることが好ましい。尚、重量平均分子量は、例えば、以下の条件でGPCを用いて測定できる。
(条件)
試料:10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製標準ポリスチレン(分子量;190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所製、RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
(添加剤)
本実施形態に係る研磨剤は、添加剤を含有できる。ここで、「添加剤」とは、研磨速度、平坦性や研磨選択性等の研磨特性;砥粒の分散性、保存安定性等の研磨剤特性などを調整するために、水及び砥粒以外に研磨剤に添加される物質を指す。
[第一の添加剤:炭素数が140以下の糖類]
本実施形態に係る研磨剤は、第一の添加剤として、炭素数が140以下の糖類を含有する。第一の添加剤は、ストッパ露出後に絶縁材料が過剰に研磨されることを抑制でき、これにより高い平坦性を得ることができる。第一の添加剤が絶縁材料を被覆することにより、砥粒による研磨の進行が緩和されて研磨速度が過度に高くなることが抑制されるものと推測される。
炭素数が140以下の糖類としては、リボース、グルコース、フルクトース等の単糖類;スクロース、マルトース、ラフィノース、デキストリン、デキストラン、シクロデキストリン等の糖重合物などが挙げられる。
また、本実施形態に係る研磨剤に含有する糖類は、ヒドロキシル基を1つ以上水素又はアミノ基に置換されていてもよく、カルボニル基が還元されていてもよいが、カルボキシル基を含む糖誘導体(ウロン酸、アルダル酸など)を使用しないことが好ましい。カルボキシル基を含む糖類を使用しないことにより、さらに、より高い平坦性を得ることができる。
第一の添加剤は、平坦性等の研磨特性を調整する目的で、一種を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
第一の添加剤の重量平均分子量の上限は、被研磨面における平坦性を向上させる観点から、5000以下が好ましく、4500以下がより好ましく、4000以下が更に好ましく、3500以下が特に好ましく、3000以下が極めて好ましい。また、第一の添加剤の重量平均分子量の下限は、被研磨面における平坦性を更に向上させる観点から、90以上が好ましく、100以上がより好ましく、110以上が更に好ましい。前記の観点から、第一の添加剤の重量平均分子量は、90以上5000以下が好ましい。なお、重量平均分子量は、例えば、標準ポリスチレンの検量線を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により下記の条件で測定できる。
使用機器:日立L−6000型〔株式会社日立製作所製〕
カラム:ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440〔日立化成株式会社 商品名、計3本〕
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:1.75mL/分
検出器:L−3300RI〔株式会社日立製作所製〕
第一の添加剤の含有量の下限は、被研磨面における平坦性を更に向上させる観点から、研磨剤の全質量を基準として0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上が更に好ましい。第一の添加剤の含有量の上限は、適度な研磨速度を得る観点から、研磨剤の全質量を基準として5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下が更に好ましい。前記の観点から、第一の添加剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として0.1質量%以上5.0質量%以下が好ましい。なお、第一の添加剤として複数の化合物を用いる場合、各化合物の含有量の合計が前記範囲を満たしていることが好ましい。
[第二の添加剤:非イオン界面活性剤]
本実施形態に係る研磨剤は、第一の添加剤の他に、第二の添加剤として非イオン界面活性剤を含有する。
第二の添加剤は、ストッパ材料を被覆することにより、砥粒によるストッパ材料の研磨速度が過度に高くなることを抑制する効果がある。これにより、本実施形態に係る研磨剤によれば、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させることができる。
前記の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル誘導体、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、アセチレン系ジオールのオキシエチレン付加体等のエーテル型界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセロールボレイト脂肪酸エステル等のエステル型界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のアミノエーテル型界面活性剤;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のエーテルエステル型界面活性剤;脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド等のアルカノールアミド型界面活性剤;アセチレン系ジオールのオキシエチレン付加体;ポリビニルピロリドン;ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド系重合体などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤の含有量は、CMP研磨液全質量を基準として、0.01〜1.0質量%が好ましく、0.02〜0.7質量%がより好ましく、0.03〜0.5質量%が更に好ましい。非イオン性界面活性剤の含有量が1.0質量%以下であると、酸化ケイ素膜の研磨速度が更に向上する。非イオン性界面活性剤の含有量が0.01質量%以上であると、ポリシリコン膜の研磨速度の増加を更に抑制できる。尚、前記分散剤として非イオン性界面活性剤を使用する場合には、分散剤としての非イオン性界面活性剤と、添加液中の非イオン性界面活性剤の合計量が前記範囲を満たすことが好ましい。
[第三の添加剤:有機酸]
本実施形態に係る研磨剤は、第三の添加剤として有機酸を含有する。
第三の添加剤は、酸化セリウム粒子と絶縁材料の表面反応性に影響を与える効果により、有用な絶縁材料の研磨速度を得ることができる。これにより、本実施形態に係る研磨剤によれば、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させることができる。
前記の有機酸としては、カルボン酸、アミノ酸等が挙げられる。これらは、一種を単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。中でも、砥粒の分散性と研磨特性のバランスに優れる観点から、カルボン酸及びアミノ酸が好ましい。
カルボン酸は、pHを安定化させると共に絶縁材料の研磨速度を更に向上させる効果がある。カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸等が挙げられ、酢酸、プロピオン酸が好ましい。
アミノ酸は、4価金属元素の水酸化物を含む砥粒の分散性を向上させ、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる効果がある。アミノ酸としては、アルギニン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、プロリン、チロシン、トリプトファン、セリン、トレオニン、グリシン、アラニン、β−アラニン、メチオニン、システイン、フェニルアラニン、ロイシン、バリン、イソロイシン等が挙げられ、グリシン、アラニンが好ましい。なお、アミノ酸はカルボキシル基を有するが、カルボン酸とは異なるものとする。
(研磨剤の特性)
本実施形態に係る研磨剤のpH(25℃)の下限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、4.0以上が好ましく、4.2以上がより好ましく、4.4以上が更に好ましく、4.6以上が特に好ましい。また、pHの上限は、絶縁材料の研磨速度を更に向上させる観点から、7.0以下が好ましく、6.8以下がより好ましく、6.6以下が更に好ましい。前記の観点から、研磨剤のpHは、4.0以上7.0以下であることが好ましい。
研磨剤のpHは、アンモニア、水酸化ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、イミダゾール等のアルカリ成分などによって調整可能である。また、pHを安定化させるため、緩衝剤を添加してもよい。また、緩衝液(緩衝剤を含む液)として緩衝剤を添加してもよい。このような緩衝液としては、酢酸塩緩衝液、フタル酸塩緩衝液等が挙げられる。
本実施形態に係る研磨剤のpHは、一般的なガラス電極を用いたpHメータによって測定できる。pHの測定には、具体的には、例えば、株式会社堀場製作所の商品名:Model(F−51)を使用できる。添加液のpHは、フタル酸塩pH標準液(pH:4.01)と、中性リン酸塩pH標準液(pH:6.86)と、ホウ酸塩pH標準液(pH:9.18)とをpH標準液として用い、pHメータを3点校正した後、pHメータの電極を添加液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定することで得られる。このとき、標準緩衝液と添加液の液温は、例えば、共に25℃とできる。なお、スラリのpHも同様の手法により測定できる。
本実施形態に係る研磨剤は、砥粒と、第一の添加剤と、第二の添加剤と、第三の添加剤と水とを少なくとも含む一液式研磨剤として保存してもよく、スラリ(第一の液)と添加液(第二の液)とを混合して前記研磨剤となるように前記研磨剤の構成成分をスラリと添加液とに分けた複数液式(例えば二液式)の研磨剤セットとして保存してもよい。スラリは、例えば、砥粒を少なくとも含む。添加液は、例えば、第一の添加剤、第二の添加剤及び第三の添加剤からなる群より選択される少なくとも一種を含む。第一の添加剤、第二の添加剤、第三の添加剤、水溶性高分子及び緩衝剤は、スラリ及び添加液のうち添加液に含まれることが好ましい。なお、前記研磨剤の構成成分は、三液以上に分けた研磨剤セットとして保存してもよい。例えば、前記研磨剤の構成成分は、砥粒及び水を含むスラリと、第一の添加剤及び水を含む添加液と、第二の添加剤及び水を含む添加液とに分けて保存されてもよい。
前記研磨剤セットにおいては、研磨直前又は研磨時に、スラリ及び添加液が混合されて研磨剤が作製される。また、一液式研磨剤は、水の含有量を減じた研磨剤用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に水で希釈して用いられてもよい。複数液式の研磨剤セットは、水の含有量を減じたスラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液として保存されると共に、研磨時に水で希釈して用いられてもよい。
一液式研磨剤の場合、研磨定盤上への研磨剤の供給方法としては、研磨剤を直接送液して供給する方法;研磨剤用貯蔵液及び水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法;あらかじめ研磨剤用貯蔵液及び水を混合しておき供給する方法等を用いることができる。
スラリと添加液とに分けた複数液式の研磨剤セットとして保存する場合、これらの液の配合を任意に変えることにより研磨速度の調整ができる。研磨剤セットを用いて研磨する場合、研磨定盤上への研磨剤の供給方法としては、下記に示す方法がある。例えば、スラリと添加液とを別々の配管で送液し、これらの配管を合流、混合させて供給する方法;スラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液及び水を別々の配管で送液し、これらを合流、混合させて供給する方法;あらかじめスラリ、添加液を混合しておき供給する方法;あらかじめスラリ用貯蔵液、添加液用貯蔵液及び水を混合しておき供給する方法等を用いることができる。また、前記研磨剤セットにおけるスラリと添加液とをそれぞれ研磨定盤上へ供給する方法を用いることもできる。この場合、研磨定盤上においてスラリ及び添加液が混合されて得られる研磨剤を用いて被研磨面が研磨される。
(基体の研磨方法)
本実施形態に係る基体の研磨方法は、前記一液式研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する研磨工程を備えていてもよく、前記研磨剤セットにおけるスラリと添加液を混合して得られる研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する研磨工程を備えていてもよい。また、本実施形態に係る基体の研磨方法は、絶縁材料及びポリシリコンを有する基体の研磨方法であってもよく、例えば、前記一液式研磨剤、又は、前記研磨剤セットにおけるスラリと添加液とを混合して得られる研磨剤を用いて、絶縁材料をポリシリコンに対して選択的に研磨する研磨工程を備えていてもよい。この場合、基体は、例えば、絶縁材料を含む部材と、ポリシリコンを含む部材とを有していてもよい。
研磨工程では、例えば、被研磨材料を有する基体の該被研磨材料を研磨定盤の研磨パッド(研磨布)に押圧した状態で、前記研磨剤を被研磨材料と研磨パッドとの間に供給し、基体と研磨定盤とを相対的に動かして被研磨材料の被研磨面を研磨する。研磨工程では、例えば、被研磨材料の少なくとも一部を研磨により除去する。
研磨対象である基体としては、基板等が挙げられ、例えば、半導体素子製造に係る基板(例えば、STIパターン、ゲートパターン、配線パターン等が形成された半導体基板)上に被研磨材料が形成された基板が挙げられる。被研磨材料としては、酸化珪素等の絶縁材料;ポリシリコン、窒化珪素等のストッパ材料などが挙げられる。被研磨材料は、単一の材料であってもよく、複数の材料であってもよい。複数の材料が被研磨面に露出している場合、それらを被研磨材料と見なすことができる。被研磨材料は、膜状であってもよく、酸化珪素膜、ポリシリコン膜、窒化珪素膜等であってもよい。
このような基板上に形成された被研磨材料(例えば酸化珪素等の絶縁材料)を前記研磨剤で研磨し、余分な部分を除去することによって、被研磨材料の表面の凹凸を解消し、被研磨材料の表面全体にわたって平滑な面とできる。本実施形態に係る研磨剤は、酸化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用されることが好ましい。
本実施形態では、少なくとも表面に酸化珪素を含む絶縁材料と、絶縁材料の下層に配置されたストッパ(研磨停止層)と、ストッパの下に配置された半導体基板とを有する基体における絶縁材料を研磨できる。ストッパを構成するストッパ材料は、絶縁材料よりも研磨速度が低い材料であり、ポリシリコン、窒化珪素等が好ましい。このような基体では、ストッパが露出した時に研磨を停止させることにより、絶縁材料が過剰に研磨されることを防止できるため、絶縁材料の研磨後の平坦性を向上させることができる。なお、ストッパが露出した時に研磨を停止させるとは、前記ストッパ全て除去されるより前に(所定の厚みを残した状態で)研磨を終了することをいう。
本実施形態に係る研磨剤により研磨される被研磨材料の作製方法としては、低圧CVD法、準常圧CVD法、プラズマCVD法等のCVD法;回転する基板に液体原料を塗布する回転塗布法などが挙げられる。
酸化珪素は、低圧CVD法を用いて、例えば、モノシラン(SiH)と酸素(O)を熱反応させることにより得られる。また、酸化珪素は、準常圧CVD法を用いて、例えば、テトラエトキシシラン(Si(OC)とオゾン(O)を熱反応させることにより得られる。その他の例として、テトラエトキシシランと酸素をプラズマ反応させることにより、同様に酸化珪素が得られる。
酸化珪素は、回転塗布法を用いて、例えば、無機ポリシラザン、無機シロキサン等を含む液体原料を基板上に塗布し、炉体等で熱硬化反応させることにより得られる。
ポリシリコンの作製方法としては、モノシランを熱反応させる低圧CVD法、モノシランをプラズマ反応させるプラズマCVD法等が挙げられる。
窒化珪素の作製方法としては、例えば、ジクロルシランとアンモニアを熱反応させる低圧CVD法、モノシラン、アンモニア及び窒素をプラズマ反応させるプラズマCVD法等が挙げられる。以上のような方法で得られた窒化珪素には、材質を調整するために、炭素、水素等のように、シリコンと窒素以外の元素が含まれていてもよい。
以上のような方法で得られた酸化珪素、ポリシリコン、窒化珪素等の材質を安定化させるために、必要に応じて200〜1000℃の温度で熱処理をしてもよい。また、以上のような方法で得られた酸化珪素には、埋込み性を高めるために微量のホウ素(B)、リン(P)、炭素(C)等が含まれていてもよい。
以下、絶縁材料が形成された半導体基板の研磨方法を一例に挙げて、本実施形態に係る研磨方法を説明する。本実施形態に係る研磨方法において、研磨装置としては、被研磨面を有する半導体基板等の基体を保持可能なホルダーと、研磨パッドを貼り付け可能な研磨定盤とを有する一般的な研磨装置を使用できる。ホルダー及び研磨定盤のそれぞれには、回転数が変更可能なモータ等が取り付けてある。研磨装置としては、例えば、APPLIED MATERIALS社製の研磨装置:MIRRA3400を使用できる。
研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡体、非発泡体等が使用できる。研磨パッドの材質としては、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル、アクリル−エステル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ4−メチルペンテン、セルロース、セルロースエステル、ポリアミド(例えば、ナイロン(登録商標)及びアラミド)、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリシロキサン共重合体、オキシラン化合物、フェノール樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂等の樹脂が使用できる。研磨パッドの材質としては、特に、研磨速度及び平坦性の観点から、発泡ポリウレタン及び非発泡ポリウレタンが好ましい。研磨パッドには、研磨剤がたまるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件に制限はないが、研磨定盤の回転速度は、半導体基板が飛び出さないように200min−1以下が好ましく、半導体基板にかける研磨圧力(加工荷重)は、研磨傷が発生することを充分に抑制する観点から、300kPa以下が好ましい。研磨している間、ポンプ等で連続的に研磨剤を研磨パッドに供給することが好ましい。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨剤で覆われていることが好ましい。
研磨終了後の半導体基板は、流水中でよく洗浄して基板に付着した粒子を除去することが好ましい。洗浄には、純水以外に希フッ酸又はアンモニア水を併用してもよく、洗浄効率を高めるためにブラシを併用してもよい。また、洗浄後は、半導体基板に付着した水滴を、スピンドライヤ等を用いて払い落としてから半導体基板を乾燥させることが好ましい。
本実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法は、プリメタル絶縁材料の研磨にも使用できる。プリメタル絶縁材料としては、酸化珪素の他、例えば、リン−シリケートガラス、ボロン−リン−シリケートガラスが使用され、更に、シリコンオキシフロリド、フッ化アモルファスカーボン等も使用できる。
本実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法は、酸化珪素等の絶縁材料以外の材料にも適用できる。このような材料としては、Hf系、Ti系、Ta系酸化物等の高誘電率材料;シリコン、アモルファスシリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、有機半導体等の半導体材料;GeSbTe等の相変化材料;ITO等の無機導電材料;ポリイミド系、ポリベンゾオキサゾール系、アクリル系、エポキシ系、フェノール系等のポリマ樹脂材料などが挙げられる。
本実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法は、膜状の研磨対象だけでなく、ガラス、シリコン、SiC、SiGe、Ge、GaN、GaP、GaAs、サファイヤ又はプラスチック等から構成される各種基板にも適用できる。
本実施形態に係る研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法は、半導体素子の製造だけでなく、TFT、有機EL等の画像表示装置;フォトマスク、レンズ、プリズム、光ファイバー、単結晶シンチレータ等の光学部品;光スイッチング素子、光導波路等の光学素子;固体レーザ、青色レーザLED等の発光素子;磁気ディスク、磁気ヘッド等の磁気記憶装置の製造に用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<陰イオン分散処理された単結晶酸化セリウム>
以下、実施例の単結晶酸化セリウムは、RHODIA OPERATIONS社で作製された酸化セリウム〔製品名:HC60(2−)、酸化セリウム:30質量%〕を10質量%に希釈した希釈研磨液Aを用いて行った。
(結晶子の確認)
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、RHODIA OPERATIONS社製HC60(2−)の乾燥粉末を観察したところ、一次粒子径が約40nm〜約300nmであり、40nm〜160nmの酸化セリウム粒子が全体の99%以上であった。また、粉砕法で製造される酸化セリウムで認められる10nm以下や500nm以上の酸化セリウム粒子は認められず、幅の狭い結晶子径分布であった。更に結晶粒界は認められず、単結晶の酸化セリウムであった。
(平均粒径の測定)
株式会社堀場製作所製、商品名:LA−920を用いてRHODIA OPERATIONS社製HC60(2−)の平均粒径を測定したところ、103.5nmであった。
測定法は下記のとおりである。まず、4.0質量%に希釈したHC60(2−)希釈液を作製した。分散媒の超純水118gと前記HC60(2−)希釈液138μlを投入して測定を行い、メジアン径として表示される値を読み取った。
(砥粒の表面電位)
ベックマンコールター社製、商品名:Delsa NanoCを用いて、RHODIA OPERATIONS社製HC60(2−)の表面電位を測定したところ、約−50mVであった。
測定法は下記のとおりである。まず、0.002質量%に希釈したHC60(2−)希釈液を作製した。前記HC60(2−)希釈液をセルに投入して装置にセットして測定を行い、3回連続測定して表示される平均値を読み取った。
<CMP研磨剤の調製>
[実施例1]
D−グルコース10.0質量%(分子量:180)、界面活性剤A(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのポリエトキシレート)1.0質量%、酢酸0.08質量%、イミダゾール0.1質量%及び水88.82質量%を含有する添加液用貯蔵液100gと、希釈研磨液A67gと、純水833gを混合することで、酸化セリウム粒子を0.67質量%、グルコースを1.0質量%、界面活性剤Aを0.1質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH6.1のCMP研磨剤を調製した。
[実施例2]
糖類を変更する以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、フルクトース(分子量:182)を1.0質量%、界面活性剤Aを0.1質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH6.0のCMP研磨剤を調製した。
[実施例3]
糖類を変更する以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、スクロース(分子量:342)を1.0質量%、界面活性剤Aを0.1質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH6.0のCMP研磨剤を調製した。
[実施例4]
糖類を変更する以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、マルトース(分子量:342)を1.0質量%、界面活性剤Aを0.1質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH6.0のCMP研磨剤を調製した。
[実施例5]
糖類を変更する以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、デキストリン(三和澱粉工業株式会社製:サンデック#300、分子量:4000、「サンデック」は登録商標)を1.0質量%、界面活性剤Aを0.1質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH6.0のCMP研磨剤を調製した。
[実施例6]
界面活性剤を変更する以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、グルコース(分子量:182)を1.0質量%、界面活性剤B(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル)を0.1質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH6.1のCMP研磨剤を調製した。
[実施例7]
有機酸を変更する以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、グルコース(分子量:182)を1.0質量%、界面活性剤Aを0.1質量%、プロピオン酸を0.008質量%含有するpH6.6のCMP研磨剤を調製した。
[比較例1]
ポリアクリル酸1.0質量%(分子量:4000)、界面活性剤A(2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのポリエトキシレート)0.8質量%、酢酸0.08質量%、25%アンモニア水0.28質量%及び水97.84質量%を含有する添加液用貯蔵液100gと、希釈研磨液A67gと、純水833gを混合することで、糖類を含まない、酸化セリウム粒子を0.67質量%、ポリアクリル酸を0.1質量%、界面活性剤Aを0.08質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH5.2のCMP研磨剤を調製した。
[比較例2]
糖類を含まない以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、界面活性剤Aを0.1質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH6.0のCMP研磨剤を調製した。
[比較例3]
界面活性剤を含まない以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、グルコース(分子量:182)を1.0質量%、酢酸を0.008質量%含有するpH6.0のCMP研磨剤を調製した。
[比較例4]
有機酸を含まない以外は実施例1と同様にして、酸化セリウム粒子を0.67質量%、グルコース(分子量:182)を1.0質量%、界面活性剤Aを0.1質量%含有するpH6.0のCMP研磨剤を調製した。
<液状特性評価>
CMP研磨剤のpH、及び、CMP研磨剤中の酸化セリウムの平均粒径を下記の条件で評価した。
(研磨液中での砥粒の表面電位)
ベックマンコールター社製、商品名:Delsa NanoCを用いて、研磨液中に含まれる砥粒の表面電位を測定したところ、約−250〜−5mVの範囲であった。
(pH)
測定温度:25±5℃
測定装置:株式会社堀場製作所製、型番F−51
測定方法:標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液、pH:4.01(25℃);中性リン酸塩pH緩衝液、pH6.86(25℃);ホウ酸塩pH緩衝液、pH9.18(25℃))を用いて3点校正した後、電極をCMP研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後のpHを前記測定装置により測定した。
(平均粒径)
株式会社堀場製作所製、商品名:LA−920を用いてCMP研磨剤中の酸化セリウム粒子の平均粒径を測定した。測定法は下記のとおりである。分散媒の超純水118.0gとCMP研磨剤824μlを投入して測定を行い、メジアン径として表示される値を読み取った。
<CMP評価>
CMP研磨剤を用いて下記研磨条件で被研磨基板を研磨した。
(CMP研磨条件)
・研磨装置:MIRRA3400(APPLIED MATERIALS社製)
・CMP研磨剤流量:200mL/分
・被研磨基板:
(パターンなしウエハ)
パターンが形成されていないブランケットウエハとして、厚さ1μmの酸化珪素膜をシリコン基板上にプラズマCVD法で形成した基板を用いた。
(パターンウエハ)
模擬パターンが形成されたパターンウエハとして、SEMATECH社製、864ウエハ(商品名、直径:200mm)を用いた。当該パターンウエハは、ストッパ膜としてポリシリコン膜をシリコン基板上に積層後、露光工程においてトレンチを形成し、ポリシリコン膜及びトレンチを埋めるようにシリコン基板及びポリシリコン膜の上に絶縁膜として酸化珪素膜(SiO膜)を積層することにより得られたウエハであった。酸化珪素膜は、HDP(High Density Plasma)法により成膜されたものであった。
・研磨パッド:独立気泡を持つ発泡ポリウレタン樹脂(ローム・アンド・ハース・ジャパン株式会社製、型番IC1010)、ショアD硬度:60
・研磨圧力:21.0kPa(3.0psi)
・基板と研磨定盤との相対速度:85m/分
・研磨時間:ブランケットウエハは、1分間研磨を行った。パターンウエハは、ストッパ膜であるポリシリコン膜が露出するまで研磨を行った。また、ポリシリコン膜が露出するまでにかかった研磨時間と同じ時間更に削り込むことにより、ディッシングの進行度合いの確認を行なった。
・洗浄:CMP処理後、超音波水による洗浄を行った後、スピンドライヤで乾燥させた。
前記パターンウエハとしては、ライン&スペースが100μmピッチ、且つ、凸部パターン密度(面積)が20%、50%、80%である部分を有するものを使用した。パターンウエハは、模擬的なパターンとして、ポリシリコン膜でマスクされたActive部(凸部)と、溝が形成されたTrench部(凹部)とが交互に並んだパターンを有している。例えば、「ライン&スペースが100μmピッチ」とは、ライン部とスペ−ス部との幅の合計が、100μmであることを意味する。また、例えば、「ライン&スペースが100μmピッチ、且つ、凸部パターン密度が20%」とは、凸部幅20μmの凸部と幅80μmの凹部とが交互に並んだパターンを意味する。
パターンウエハにおいて、酸化珪素膜の膜厚は、シリコン基板及びポリシリコン膜のいずれの上においても600nmであった。具体的には、図1に示すように、シリコン基板1上のポリシリコン膜2の膜厚は150nmであり、酸化珪素膜3の凸部の膜厚は600nmであり、酸化珪素膜3の凹部の膜厚は600nmであり、酸化珪素膜3の凹部深さは500nm(トレンチ深さ350nm+ポリシリコン膜厚150nm)であった。
パターンウエハの研磨評価に際しては、公知のCMP研磨剤(ヒュームドシリカ)を用いて前記ウエハを研磨することにより、100μmピッチ50%密度パターンで、図1に示す酸化珪素膜3の膜厚が約250nmの状態となったウエハを用いた。具体的には、Cabot Corporation製SS−25と純水を1:1で配合した研磨剤を用いて、55秒研磨したウエハを用いた。
<研磨品評価>
[ブランケットウエハ研磨速度]
前記条件で研磨及び洗浄した被研磨膜(酸化珪素膜)の研磨速度(酸化珪素研磨速度:SiORR)を次式より求めた。なお、研磨前後での被研磨膜の膜厚差は、光干渉式膜厚装置(フィルメトリクス社製、商品名:F80)を用いて求めた。
(研磨速度:RR)=(研磨前後での被研磨膜の膜厚差(nm))/(研磨時間(分))
[パターンウエハ評価]
前記条件で研磨及び洗浄したパターンウエハの凸部のポリシリコン膜又は酸化珪素膜の残膜厚、及び、凹部の酸化珪素膜の残膜厚を測定して残段差量(ディッシング)を次式より求めた。なお、研磨前後での被研磨膜の膜厚は、光干渉式膜厚装置(ナノメトリクス社製、商品名:Nanospec AFT−5100)を用いて求めた。
残段差(ディッシング)=(350+ポリシリコン膜厚(nm))−(凹部の酸化珪素膜の残膜厚(nm))
[研磨傷評価]
前記条件で研磨及び洗浄した被研磨基板(酸化珪素膜を有するブランケットウエハ基板)を0.5質量%のフッ化水素の水溶液に15秒間浸漬した後に、60秒間水洗した。続いて、ポリビニルアルコールブラシを用いて、水を供給しながら被研磨膜表面を1分間洗浄した後に、乾燥させた。APPLIED MATERIALS社製Complusを用いて、被研磨膜表面の0.2μm以上の欠陥を検出した。さらに、Complusで得られた欠陥検出座標とAPPLIED MATERIALS社製SEM Visionとを用いて、被研磨膜表面を観測したところ、被研磨膜表面における0.2μm以上の研磨傷の個数は、実施例及び比較例のいずれにおいても0〜10(個/ウエハ)程度であり、研磨傷の発生が充分に抑制されていた。
なお、酸化珪素膜が除去しきれず、ポリシリコン膜が露出しなかった部分については、その部分において残った酸化珪素の膜厚を測定した(表中では、*付きの数字が酸化珪素の残膜厚を示す)。この場合、ポリシリコン膜厚の差は測定していない。
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた各測定結果を表1及び表2に示す。
Figure 0006375623
Figure 0006375623
以下、表1及び表2に示す結果について詳しく説明する。
実施例1において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、148nm以上であり、比較例よりp−Si膜の研磨が抑制されている。また、残段差は、それぞれ19nm(20%密度部)、3nm(50%密度部)、0nm(80%密度部)であり、比較例よりディッシングが抑制されている結果が得られた。
実施例2において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、148nm以上であり、比較例よりp−Si膜の研磨が抑制されている。また、残段差は、それぞれ18nm(20%密度部)、4nm(50%密度部)、0nm(80%密度部)であり、比較例よりディッシングが抑制されている結果が得られた。
実施例3において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、148nm以上であり、比較例よりp−Si膜の研磨が抑制されている。また、残段差は、それぞれ18nm(20%密度部)、4nm(50%密度部)、0nm(80%密度部)であり、比較例よりディッシングが抑制されている結果が得られた。
実施例4において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、148nm以上であり、比較例よりp−Si膜の研磨が抑制されている。また、残段差は、それぞれ13nm(20%密度部)、3nm(50%密度部)、0nm(80%密度部)であり、比較例よりディッシングが抑制されている結果が得られた。
実施例5において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、146nm以上であり、比較例よりp−Si膜の研磨が抑制されている。また、残段差は、それぞれ36nm(20%密度部)、8nm(50%密度部)、0nm(80%密度部)であり、比較例よりディッシングが抑制されている結果が得られた。
実施例6において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、146nm以上であり、比較例よりp−Si膜の研磨が抑制されている。また、残段差は、それぞれ16nm(20%密度部)、2nm(50%密度部)、0nm(80%密度部)であり、比較例よりディッシングが抑制されている結果が得られた。
実施例7において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、148nm以上であり、比較例よりp−Si膜の研磨が抑制されている。また、残段差は、それぞれ28nm(20%密度部)、2nm(50%密度部)、0nm(80%密度部)であり、比較例よりディッシングが抑制されている結果が得られた。
比較例1において、SiORRは53nm/分であった。また、パターンウエハ評価では、凸部の酸化珪素膜を190秒で除去することはできなかった。
比較例2において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、140nm以上であり、実施例と同じくらいp−Si膜の研磨が抑制されている。また、残段差は、それぞれ160nm(20%密度部)、77nm(50%密度部)、23nm(80%密度部)であった。
比較例3において、20%〜80%密度部のp−Si膜厚は、それぞれ100nm(20%密度部)、148nm(50%密度部)、148nm(80%密度部)であった。また、残段差は、それぞれ10nm(20%密度部)、6nm(50%密度部)、0nm(80%密度部)であるが、20%密度p−Siが大きく研磨されている。
比較例4において、SiORRは180nm/分であった。また、パターンウエハ評価では、凸部の酸化珪素膜を190秒で除去することはできなかった。
本発明によれば、被研磨面における平坦性と、ストッパ材料に対する絶縁材料の研磨選択性を向上させつつ、研磨傷の発生を抑制できるが可能な研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法を提供できる。また、本発明によれば、特に、STI絶縁材料、プリメタル絶縁材料、層間絶縁材料等を平坦化するCMP技術において、研磨傷の発生を抑制しつつ、高度な平坦性を得ることが可能な研磨剤、研磨剤セット及び研磨方法を提供できる。
1…シリコン基板、2…ポリシリコン膜、3…酸化珪素膜。

Claims (14)

  1. 水と、酸化セリウム粒子と、炭素数が140以下の糖類と、非イオン性界面活性剤と、有機酸と、を含有する研磨剤であって、
    前記酸化セリウム粒子が、単結晶粒子であり、かつ、研磨剤中で表面電位が負であり、
    前記糖類が、カルボキシル基を含まないものであり、
    前記糖類の含有量が、前記研磨剤の全質量を基準として0.1質量%以上である、研磨剤。
  2. 砥粒の一次粒子径が、1nm以上300nm以下である、請求項1に記載の研磨剤。
  3. 砥粒の一次粒子径が、1nm以上300nm以下であり、160nm以下の一次粒子径が全体の90%以上である、請求項1に記載の研磨剤。
  4. 砥粒の一次粒子径が、1nm以上300nm以下であり、160nm以下の一次粒子径が全体の99%以上である、請求項1に記載の研磨剤。
  5. 非イオン性界面活性剤の含有量が、研磨剤の全質量を基準として0.01質量%以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤。
  6. 有機酸が、炭素数が4以下のモノカルボン酸である、請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤。
  7. 砥粒の含有量が、研磨剤の全質量を基準として0.1質量%以上5質量%以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤。
  8. pHが4.0以上7.0以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤。
  9. 酸化珪素を含む被研磨面を研磨するために使用される、請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤の構成成分が複数の液に分けて保存され、第一の液が砥粒を含み、第二の液が糖類、界面活性剤及び有機酸からなるそれぞれの群より選択される少なくとも一種を含む、研磨剤セット。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備える、基体の研磨方法。
  12. 請求項10に記載の研磨剤セットにおける第一の液と第二の液を混合して得られる研磨剤を用いて基体の被研磨面を研磨する工程を備える、基体の研磨方法。
  13. 絶縁材料及びポリシリコンを有する基体の研磨方法であって、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の研磨剤を用いて前記絶縁材料を前記ポリシリコンに対して選択的に研磨する工程を備える、基体の研磨方法。
  14. 絶縁材料及びポリシリコンを有する基体の研磨方法であって、
    請求項10に記載の研磨剤セットにおける第一の液と第二の液を混合して得られる研磨剤を用いて前記絶縁材料を前記ポリシリコンに対して選択的に研磨する工程を備える、基体の研磨方法。
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