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JP6364867B2 - 反射防止物品、及び画像表示装置 - Google Patents

反射防止物品、及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、反射防止物品、及び画像表示装置に関するものである。
フィルム形状の反射防止物品である反射防止フィルムに関して、透明基材(透明フィルム)の表面に多数の微小突起を密接して配置することにより、反射防止を図る方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。この方法は、入射光に対する屈折率を厚み方向に連続的に変化させ、これにより屈折率の不連続界面を消失させて反射防止を図るものである。
多数の微小突起を有する上記フィルムは、高い反射防止性能を有する。しかしながら、その表面構造のため、皮脂等の汚れが付着し易く、また当該汚れは微小突起間の溝奥まで
入り込むため、除去が困難であり、表面外観が悪化し易いという問題があった。
特許文献4では、汚染物の除去性に優れるとともに、耐擦傷性を兼備する微細凹凸構造体として、特定の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物からなる微細凹凸構造体が記載されている。特許文献4には、上記特定の樹脂組成物の硬化物は、当該樹脂組成物が特定の組成を有することにより、架橋密度を高くして、硬化物の弾性率と硬度を高くし、耐擦傷性に優れたものとすることができること、及び、適度な親水性を有し、微細凹凸構造体の表面と、当該表面に付着する汚染物との間に水を侵入させやすくすることにより汚染物の除去性に優れること、が記載されている。
特許文献4の手法によれば、架橋密度を高くして微細凹凸構造体の硬度を上げているため当該微細凹凸構造体は変形しにくく、拭取り時に、微細凹凸構造体の隙間まで届きにくかった。そのため、汚染物を拭き取る際は、水やアルコールを含んだクリーナー等で汚れを浮かび上がらせて拭取る必要があり、乾拭きでは汚染物を除去できなかった。
また、特許文献5には、基体の表面に微細な凹凸を有する構造体を備えた反射防止機能を有する光学素子において、構造体に付着した汚れを乾拭きにより除去することができるように、当該構造体を形成する材料の弾性率と当該構造体のアスペクト比を特定の範囲内とした旨が記載されている。特許文献5には、表面を拭き取る際に構造体が変形し、構造体間にしみこんだ汚れが押し出されて、汚れの除去が可能となる旨が記載されている。
一方、特許文献6には、低屈折率無機微粒子を含有させて低屈折率化を行った平坦な低屈折率層に、更にポリロタキサン化合物を含有させることにより、塗布面状が良化され、塗膜の鉛筆硬度が高くなった旨が記載されている。しかしながら、当該文献の低屈折率層は、低屈折率無機微粒子を用いた平坦膜により1.5%程度の低反射を実現する技術であり、表面に微細な凹凸を有する構造体に適用する示唆はない。
特開昭50−70040号公報 特開2004−155083号公報 特開2011−33892号公報 国際公開第2012/096322号パンフレット 特開2011−76072号公報 特開2009−204832号公報
従来、反射防止物品の耐擦傷性を向上させるためには、特許文献4のように、微小突起を形成する樹脂組成物の硬化物を架橋密度の高いものすることが行われていた。しかしながら、本発明者らは、樹脂組成物の硬化物を架橋密度の高いものとすると、微小突起が硬脆くなってしまうことにより、耐擦傷性が低下してしまう問題があることを知見した。
一方、特許文献5のように弾性率の低い樹脂材料を用いて微小突起を形成する場合、当該微小突起形状の賦型直後に、微小突起が倒れやすく、各微小突起の先端部同士がくっつきあうスティッキングが生じやすい。そのため、フィルムに白濁感が生じ、透明性が低下することがあった。また、弾性率の低い樹脂材料を用いて形成された微細凹凸層は、実用レベルの拭取り圧力で、容易に突起が潰れたり、スティッキングが生じる等の塑性変形が生じ、拭いた箇所に拭き痕が残る場合がある。このように、除汚性と耐スティッキング性、及び耐擦傷性と耐スティッキング性との間にトレードオフの関係があり、除汚性、耐スティッキング性及び耐擦傷性の全てを兼ね備えた反射防止物品を得ることは困難であった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、表面に付着した汚れを拭き取り可能でありながら、反射防止性能の低下を抑制でき、且つ耐擦傷性に優れた反射防止物品、及び表面に付着した汚れを拭き取り可能でありながら、反射防止性能の低下を抑制でき、且つ耐擦傷性に優れた画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る反射防止物品は、複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を表面に有し、樹脂組成物の硬化物からなる微細凹凸層を備えた反射防止物品であって、
前記微小突起は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起の隣接突起間隔dの平均値をdAVGとしたときに、
AVG≦Λmin
なる関係を有し、
前記樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が300MPa以下であり、
前記樹脂組成物が、ポリロタキサンを含むことを特徴とする。
本発明に係る反射防止物品においては、前記ポリロタキサンが、環状分子にエチレン性不飽和結合を含有する官能基を有することが、除汚性、耐スティッキング性及び耐擦傷性を向上する点から好ましい。
本発明に係る反射防止物品においては、前記ポリロタキサンの含有量が、前記樹脂組成物に含まれる全固形分に対して、0.5〜30.0質量%であることが、除汚性、耐スティッキング性及び耐擦傷性を向上する点から好ましい。
本発明に係る画像表示装置は、表示パネルの少なくとも一面側に、前記本発明に係る反射防止物品を備えることを特徴とする。
本発明によれば、表面に付着した汚れを拭き取り可能でありながら、反射防止性能の低下を抑制でき、且つ耐擦傷性に優れた反射防止物品、及び表面に付着した汚れを拭き取り可能でありながら、反射防止性能の低下を抑制でき、且つ耐擦傷性に優れた画像表示装置を提供することができる。
本発明に係る反射防止物品の一例に示す模式断面図である。 ドロネー図の一例を示す模式平面図である。 微細凹凸層の別の一例を示す模式断面図である。 本発明に係る反射防止物品の製造方法の一例を示す概略図である。 本発明に係る画像表示装置の一例を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明に係る反射防止物品、及び画像表示装置について、順に詳細に説明する。
なお、本明細書において「物品」は、「板」、「シート」、「フィルム」等の態様を含む概念である。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本発明において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタアクリルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルの各々を表す。
また、本発明において樹脂組成物の硬化物とは、化学反応を経て固化したものをいう。
[反射防止物品]
本発明に係る反射防止物品は、複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を表面に有し、樹脂組成物の硬化物からなる微細凹凸層を備えた反射防止物品であって、
前記微小突起は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起の隣接突起間隔dの平均値をdAVGとしたときに、
AVG≦Λmin
なる関係を有し、
前記樹脂組成物が、ポリロタキサンを含むことを特徴とする。
上記本発明に係る反射防止物品について図を参照して説明する。図1は、本発明に係る反射防止物品の一例を模式的に示す断面図である。図1に例示される反射防止物品10は、透明基材1の一面側に、微細凹凸形状を有する微細凹凸層2を有する。
前記微細凹凸層2の表面は、微小突起3が集合してなる微小突起群を備えた微細凹凸面2aであり、前記微小突起3は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起3の隣接突起間隔d(図1)の平均値をdAVGとしたときに、dAVG≦Λminなる関係を有することにより、Λmin以上の波長を有する光の反射防止を図ることができる。
本発明者らは、微細凹凸層表面に付着した汚染物を拭取る際に、微小突起に圧力がかかることに着目した。本発明者らは、拭取る際の圧力により、微小突起及び微細凹凸層全体が変形して、突起間の溝が広がる、或いは、突起間の溝が埋まるように設計することにより、微小突起間に付着した汚染物を機械的に掻き出し易くなり、汚れを拭取ることが可能になると考えた。しかしながら、特許文献5に記載されるような弾性率の低い樹脂材料を用いて微小突起を形成する場合、微小突起が倒れやすく、各微小突起の先端部同士がくっつきあうスティッキングが生じやすい。そのため、拭取り圧力で、容易に突起が潰れたり、スティッキングが生じる等の塑性変形が生じ、拭いた箇所に拭き痕が残ってしまう場合があった。また、本発明者らは、親水性の樹脂材料を用いた場合は、水拭きで汚れを拭き取ろうとすると、水分子の極性を介して、より突起同士が引かれ合い易くなり、より一層スティッキングが生じ易いことを知見した。
本発明において、微細凹凸層は、ポリロタキサンを含む樹脂組成物の硬化物からなる。ポリロタキサンは、2つ以上の環状分子の開口部を直鎖状分子が串刺し状に貫通し、環状分子が直鎖状分子を包接してなる擬ポリロタキサンの両末端に、環状分子が遊離しないようにブロック基を配置してなる。ポリロタキサンが有する環状分子は、直鎖状分子を包接した状態で、直鎖状分子上をスライドして移動することができる。そのため、本発明における微細凹凸層は、拭き取りの際にかかる圧力等の外力によって、ポリロタキサンが有する環状分子が、直鎖状分子上をスライドして移動し、環状分子の周囲に存在する分子も、分子間力が働くことにより、環状分子に伴って移動すると考えられる。よって、本発明における微細凹凸層は、外力が一点に集中せず、これにより、外力に対して微小突起及び微細凹凸層全体が変形しやすいと考えられ、その結果、微小突起間の汚れを容易に拭き取ることができると考えられる。
また、ポリロタキサンの中で同軸上に存在する環状分子同士が近付くと、エントロピーを維持するために、当該環状分子は互いの距離を一定に保つように動くと考えられる。これにより、外力によって変形した微細凹凸層は、容易に元の形状に復元されるため、本発明に係る反射防止物品は、微小突起の変形や微小突起同士が付着するスティッキングが抑制され、微小突起の変形やスティッキングによる反射防止性能の低下も抑制することができると考えられる。更に、本発明における微細凹凸層は、内部応力を分散させ、構造の破壊を防ぐことができるため、耐擦傷性が向上したと考えられる。
このように、本発明に係る反射防止物品は、微細凹凸層がポリロタキサンを含有することにより、外力に対して容易に変形することができ且つ元の形状に復元される靭性が高いものとなることから、微小突起間の汚れを容易に拭き取ることが可能でありながら、微小突起の変形やスティッキングによる反射防止性能の低下が抑制され、耐擦傷性にも優れる。
<微細凹凸層>
本発明に係る反射防止物品が備える微細凹凸層は、複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を表面に有し、樹脂組成物の硬化物からなる。
[樹脂組成物]
微細凹凸層用の樹脂組成物は、少なくともポリロタキサンを含む光硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
本発明において、ポリロタキサンに含まれる直鎖状分子は、環状分子に包接され、非共有結合的に一体化することができる分子又は物質であって、直鎖状のものであれば、特に限定されない。なお、本発明において、「直鎖状分子」とは、高分子を含めた分子、及びその他上記の要件を満たす全ての物質をいう。また、1つのポリロタキサンにおいて、複数の環状分子は、1つの直鎖状分子を包接するものであってもよいし、2つ以上の直鎖状分子が束になったものを包接するものであってもよい。
また、本発明において、「直鎖状分子」の「直鎖」は、実質的に「直鎖」であることを意味する。即ち、回転子である環状分子が回転可能、もしくは直鎖状分子上で環状分子が摺動又は移動可能であれば、直鎖状分子は分岐鎖を有していてもよい。また、「直鎖」の長さは、直鎖状分子上で環状分子が摺動又は移動可能であれば、その長さに特に制限はない。
本発明に用いられるポリロタキサンは、特に限定はされないが、反応性基を有するものであることが好ましい。ポリロタキサンが反応性基を有することにより、ポリロタキサン同士、或いはポリロタキサンと他の反応性基を有する化合物とが架橋点を形成することができる。前記架橋点は外力が加わっても架橋結合が維持されるため、微小突起及び微細凹凸層全体は復元性が向上する。一方で、前記架橋点を有していても、環状分子及びその周辺分子は外力が加わることにより移動し得るため、微小突起及び微細凹凸層全体の変形し易さは維持される。
本発明においては、中でも、ポリロタキサンが環状分子に反応性基を有するものであることがより好ましい。これにより、環状分子同士、或いは環状分子と他の反応性基を有する化合物とが、架橋点を形成することができる。ポリロタキサンの環状分子は、直鎖状分子上をスライドして移動することができるため、環状分子によって形成された架橋点は、架橋点自体が移動し得る。そのため、微細凹凸層は、復元性を向上しながら、より変形し易くもなる。これにより、本発明に係る反射防止物品は、より一層微細凹凸層間の拭き取り性及び耐擦傷性が向上し、スティッキングも抑制される。
また、本発明に用いられるポリロタキサンとしては、予め環状分子同士が架橋された架橋ポリロタキサンを用いてもよい。
前記反応性基としては、架橋結合を形成することができるものであれば特に限定はされないが、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ビニルエーテル基、スチリル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合を含有する官能基(以下、エチレン性不飽和結合含有基という場合がある)、シンナモイル基、シンナミリデン基、カルコン残基、イソクマリン残基、2,5−ジメトキシスチルベン残基、チミン残基、スチルピリジニウム残基、α−フェニルマレイミド残基、アントラセン残基及び2−ピロン残基等の不飽和結合基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基等が挙げられ、中でもエチレン性不飽和結合含有基が紫外線照射による反応性が良好であり、量産性に優れている点から好ましい。
前記直鎖状分子としては、例えばポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、セルロース系樹脂(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルメチルエーテル、ポリアミン、ポリエチレンイミン、カゼイン、ゼラチン、でんぷん等及び/またはこれらの共重合体等の親水性ポリマー;例えばポリエチレン、ポリプロピレン、およびその他オレフィン系単量体との共重合樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレートや(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合樹脂などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の疎水性ポリマー;及びこれらの誘導体又は変性体を挙げることができる。本発明においては、前記直鎖状分子は、好ましくは、ポリアルキレングリコール類、脂肪族ポリエステル類、ポリオレフィン類、ポリジエン類又はポリジアルキルシロキサン類;より好ましくは、ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体、ポリテトラメチレングリコール誘導体、ポリブチロラクトン誘導体、ポリカプロラクトン誘導体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体、ポリブテン誘導体、ポリイソプレン誘導体、ポリブタジエン誘導体、ポリジメチルシロキサン誘導体;特に好ましくは、ポリエチレングリコール誘導体、ポリプロピレングリコール誘導体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体、ポリジメチルシロキサン誘導体である。
前記直鎖状分子の重量平均分子量は、環状分子の稼動範囲を広げ、環状分子の導入数を増加させ、環状分子が動くことによる、耐スティッキング性、耐擦傷性及び除汚性を向上させる効果を効果的に発現させる点から、1,000以上であることが好ましく、5,000以上であることがより好ましく、10,000以上であることが更により好ましい。また、前記直鎖状分子の重量平均分子量は、樹脂材料安定性、微細凹凸形状の賦型性の点から、1,000,000以下であることが好ましく、500,000以下であることがより好ましく、300,000以下であることが更により好ましい。なお、ここでいう重量平均分子量とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求めたものである。
本発明の直鎖状分子は、その両末端に反応性基を有するのが好ましい。この反応性基を有することにより、ブロック基と容易に反応することができる。反応性基は、用いるブロック基に依存するが、例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基などを挙げることができる。また、本発明においては、直鎖状分子に、前記反応性基を有していても良い。前記反応性基としてエチレン性不飽和結合含有基を有する直鎖状分子は、例えば、直鎖状分子が有する水酸基等の反応性基に、当該反応性基と反応可能な官能基及びエチレン性不飽和結合を有する化合物を反応させることにより、得ることができる。
環状分子は、前記直鎖状分子を包接可能であり、実質的に環状構造を有するものであれば特に限定されない。ここで、実質的に環状構造であるとは、環状の一部が途切れた構造、及び、分子の一方の末端と他方の末端が結合していない螺旋構造等をも含む意味である。
環状分子として、例えば、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、ジメチルシクロデキストリン及びグルコシルシクロデキストリン、これらの誘導体又は変性体等のシクロデキストリン類、クラウンエーテル類、ベンゾクラウン類、ジベンゾクラウン類、及びジシクロヘキサノクラウン類、並びにこれらの誘導体又は変性体等を挙げることができる。これらの中でも、シクロデキストリン類が好ましく、α−シクロデキストリンが特に好ましい。
直鎖状分子を包接する環状分子の個数(包接量)は、特に限定されないが、当該環状分子直鎖状分子に環状分子が最密で包接されたとき(充填率:100%)の包接量を最大包接率1.0として表したときの直鎖状分子を包接する環状分子の導入率(包接率)は、0.05〜0.80であることが好ましい。直線状分子がポリエチレングリコール誘導体であって、環状分子がシクロデキストリン類である場合は、前記包接率は、0.05〜0.65であることが好ましく、0.10〜0.60であることがより好ましく、0.15〜0.55であることが更により好ましく、0.20〜0.40であることが特に好ましい。前記包接率が前記範囲内であることにより、微細凹凸層が変形し易く、除汚性、耐擦傷性に優れる。なお、環状分子の最大包接量は、直鎖状分子の長さと環状分子の厚さとから決定することができる。例えば、直鎖状分子がポリエチレングリコール誘導体であり、環状分子がα−シクロデキストリンの場合の最大包接量は、例えば、Macromolecules,1993,Vol26,5698−5703ページに記載の方法等により算出することができる。また、包接率は、例えば、1H−NMRにより測定される環状分子の含有量と直鎖状分子の含有量から算出することができる。
前記環状分子は、前記エチレン性不飽和結合含有基を有することが好ましい。前記環状分子にエチレン性不飽和結合含有基を導入する方法としては、従来公知の方法を挙げることができ、例えば、シクロデキストリン等の水酸基(−OH)を有する環状分子の水酸基の少なくとも一部をエチレン性不飽和結合含有基で置換することにより行うことができる。
前記環状分子にエチレン性不飽和結合含有基を導入する方法としては、例えば、イソシアネート化合物等によるカルバメート結合形成による方法;カルボン酸化合物、酸クロリド化合物又は酸無水物等によるエステル結合形成による方法;シラン化合物等によるシリルエーテル結合形成による方法;クロロ炭酸化合物等によるカーボネート結合形成による方法等の従来公知の方法を挙げることができる。
環状分子が有する水酸基等の反応性基をエチレン性不飽和結合含有基に置換する工程は、擬ポリロタキサンを調製する工程の前でも、工程間でも、工程の後でもよい。また、擬ポリロタキサンをブロック化してポリロタキサンを調製する工程の前でも、工程間でも、工程の後でもよい。置換工程において用いられる条件は、置換するエチレン性不飽和結合含有基に依存するが、特に限定されず、種々の反応方法、反応条件を用いることができる。
前記環状分子は、エチレン性不飽和結合含有基と異なる他の反応性基を有していても良い。他の反応性基を有する場合には、これにより、環状分子が、別の環状分子又はその他の分子と結合又は必要に応じて架橋剤を用いて架橋することができる。
他の反応性基としては例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基などを挙げることができる。また、ブロック基と反応しない基を用いることが好ましい。
また、前記環状分子は、2つ以上の環状分子同士が互いに化学結合されているものであっても良い。また、前記環状分子は、化学修飾されたものであってもよい。具体的には例えば、シクロデキストリン類の水酸基の少なくとも一つが他の有機基(疎水基)によって置換された疎水化修飾ポリロタキサンは、溶剤への溶解性が向上する点から、好ましく用いられる。
また、前記環状分子がシクロデキストリン類である場合、シクロデキストリンが有する水酸基の少なくとも一つが疎水性の基(以下、単に疎水基と称する場合がある)によって置換された疎水化修飾ポリロタキサンは、溶剤への溶解性が向上する点から好ましい。
疎水基としては、例えばアルキル基、ベンジル基、ベンゼン誘導体含有基、アシル基、シリル基、トリチル基、硝酸エステル基、トシル基、光硬化部位としてアルキル置換エチレン性不飽和基、熱硬化部位としてアルキル置換エポキシ基などを挙げることができる。また、上記の疎水性修飾ポリロタキサンにおいては、上述の疎水基の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて有していてもよい。
前記疎水性修飾基によって修飾された水酸基数の全水酸基数に対する比は、シクロデキストリンが有していた全水酸基数を1とすると、0.02以上であることが好ましく、0.04以上であることがより好ましく、0.06以上であることが更に好ましい。前記下限値以上であることにより、有機溶剤への溶解性に優れる。
また、エチレン性不飽和結合含有基又は他の反応性基と、疎水基とを導入することは、溶解性が向上しつつ他の分子との反応性を向上できる点から好ましい。
前記直鎖状分子の両末端に配置されるブロック基としては、環状分子の開口部を直鎖状分子が串刺し状に貫通した状態を保持する基であれば、いかなる基を用いてもよく、特に限定はされない。ここで、「基」というのは、分子基及び高分子基を含めた種々の基を意味する。
ブロック基としては、例えば、「嵩高さ」を有する基、及び「イオン性」を有する基等を挙げることができる。なお、「イオン性」を有する基は、例えば、環状分子の有する「イオン性」と反発しあうことにより、環状分子の開口部を直鎖状分子が串刺し状に貫通した状態を保持することができる。前記ブロック基の具体例としては、例えば、2,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基などのジニトロベンゼン類由来の基、シクロデキストリン類由来の基、アダマンチル基等のアダマンタン類由来の基、トリチル基等のトリフェニルメタン類由来の基、フルオレセイン類由来の基、ピレン類由来の基、置換ベンゼン類由来の基、置換されていてもよい多核芳香族基、ステロイド類由来の基などが挙げられる。これらの中でも、ジニトロベンゼン類由来の基、シクロデキストリン類由来の基、アダマンタン類由来の基、トリフェニルメタン類由来の基、フルオレセイン類由来の基、又はピレン類由来の基が好ましく、2,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基、2,4−ジフェニルフェニル基、2,4−ジイソプロピルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、4−ジフェニルアミノフェニル基、4−ジフェニルホスフィニルフェニル基、アダマンチル基、又はトリチル基であり、特に好ましくは、2,4−ジニトロフェニル基、3,5−ジニトロフェニル基、アダマンチル基、又はトリチル基がより好ましい。なお、本発明のポリロタキサンの両分子末端に設けられるブロック基は、互いに同一であっても、又は異なっていてもよい。また、前記ブロック基は、エチレン性不飽和結合含有基を有していても良い。
前記ポリロタキサンの含有量は、前記樹脂組成物に含まれる全固形分に対して、0.5〜30質量%であることが好ましく、3〜30.0質量%であることがより好ましく、5〜20.0質量%であることが更により好ましい。前記含有量が前記下限値以上であることにより、汚れ拭き取り性及び耐擦傷性が向上し、反射防止性能の低下を抑制する効果が向上する。前記含有量が前記上限値以下であることにより、賦型性が向上し、反射防止性能が向上する。前記含有量が前記上限値を超えると、樹脂塗工性、転写性が悪くなるおそれがある。
なお、本発明において固形分とは、溶剤を除いたすべての成分を表す。
また、本発明に用いられる微細凹凸層用の樹脂組成物は、硬化性樹脂成分を含有することが好ましい。硬化性樹脂成分としては、光硬化性成分が好ましく、ポリロタキサンが反応性基を有する場合は、ポリロタキサンと反応可能な反応性基を有する化合物であることがより好ましい。中でも、エチレン性不飽和結合を含有する官能基を有するポリロタキサンと組み合わせて、当該ポリロタキサンと反応可能なエチレン性不飽和結合含有基を有する化合物を用いることが好ましく、中でも特に(メタ)アクリレート系化合物が好ましい。
(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を1分子中に1個有する単官能(メタ)アクリレートであっても、(メタ)アクリロイル基を1分子中に2個以上有する多官能アクリレートであってもよく、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用するものであってもよい。
中でも、柔軟性と弾性復元性を両立する点から、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとを併用することが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、イソデキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ビフェニロキシエチルアクリレート、ビスフェノールAジグリシジル(メタ)アクリレート、ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビフェニリロキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、柔軟性に優れる点から、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましく、中でも、炭素数12以上であることがより好ましく、トリデシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレートのうち、少なくとも1種を含むことが更により好ましい。これらの単官能(メタ)アクリル酸エステルは、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する単官能(メタ)アクリレートを用いる場合、後述する炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物の特性を兼ね備える。
単官能(メタ)アクリレートの含有量は、前記樹脂組成物の全固形分に対して、0〜40質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることが更により好ましい。
また、多官能アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。微小突起が弾性復元性を有し、柔軟性をも兼ね備える点から、アルキレンオキサイドを含む多官能(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、エチレンオキサイド変性多官能(メタ)アクリレートを用いることがより好ましく、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、及び、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートより選択される1種以上を含むことが更により好ましい。
上記多官能(メタ)アクリレートの含有量は、前記樹脂組成物の全固形分に対して、10〜99質量%であることが好ましく、15〜90質量%であることがより好ましい。除汚性と耐スティッキング性の点から、アルキレンオキサイドを含む多官能(メタ)アクリレートが、用いられる(メタ)アクリレート系化合物の合計量100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましく、更に50質量部以上であることが好ましい。
本発明に用いられる微細凹凸層用の樹脂組成物は、微小突起の弾性復元性の点から、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、多価イソシアネート化合物とを併用してもよい。多価イソシアネート化合物は、前記ポリロタキサンに水酸基を有する場合には、前記ポリロタキサン同士の架橋剤としても機能し得る。多価イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホキシドジイソシアネート、4,4’−ジフェニルスルホンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソシアネートおよびこれらの誘導体等が挙げられる。
上記多価イソシアネート化合物の含有量は、前記樹脂組成物の全固形分に対して、0〜30質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。
また、本発明に用いられる微細凹凸層用の樹脂組成物は、硬化物の柔軟性に優れる点から、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物を含有することが好ましい。また、前記炭素数は、12以上であることがより好ましい。
炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物の具体例としては、例えば、デカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカンを有する化合物等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない限り、更に置換基を有していてもよい。置換基の具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、スルホ基の他、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和二重結合を有する基等が挙げられる。中でも、光硬化性を備える点から、エチレン性不飽和二重結合を有することが好ましく、(メタ)アクリロイル基を有することがより好ましい。
なお、炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物が(メタ)アクリロイル基を有する場合、当該化合物は、前記(メタ)アクリレートにも該当し得る。
炭素数10以上の長鎖アルキル基を有する化合物を用いる場合、当該化合物の含有量は、前記樹脂組成物の全固形分に対して、5〜30質量%であることが好ましく、7〜20質量%であることがより好ましい。
本発明に用いられる微細凹凸層用の樹脂組成物は、必要に応じて、更に光重合開始剤を含有してもよい。光重合開始剤の具体例としては、例えば、ビスアシルフォスフィノキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド、フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸エチル等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記光重合開始剤の含有量は、通常、前記樹脂組成物に含まれる全固形分に対して0.8〜20質量%であり、0.9〜10質量%であることが好ましい。
前記樹脂組成物は、塗工性付与等の観点から、更に溶剤を含有してもよく、組成物中の各成分とは反応せず、当該各成分を溶解乃至分散可能な溶剤の中から適宜選択して用いることができる。このような溶剤の具体例としては、例えば、ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等のエーテル系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化アルキル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、およびジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤、シクロヘキサン等のアノン系溶剤、メタノール、エタノール、およびプロパノール等のアルコール系溶剤を例示することができるが、これらに限られるものではない。また、樹脂組成物に用いられる溶剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上の溶剤の混合溶剤でもよい。
前記樹脂組成物全量に対する固形分の割合は、20〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。
前記樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更にその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、例えば、濡れ性調整のための界面活性剤、密着性向上のためのシランカップリング剤、安定化剤、消泡剤、ハジキ防止剤、酸化防止剤、凝集防止剤、粘度調製剤、帯電防止剤等が挙げられる。
前記樹脂組成物は、帯電防止剤を含有することにより、微細凹凸層表面に汚れが付着することを抑制することができ、また、拭取り時に汚れが落ちやすい。
帯電防止剤は、従来公知のもの中から適宜選択して用いることができる。帯電防止剤の具体例としては、例えば、4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、1級〜3級アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性化合物、スズおよびチタンのアルコキシドのような有機金属化合物およびそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられる。中でも、カチオン性化合物が好ましく、3級アミノ基を有するカチオン性化合物がより好ましく、N,N−ジオクチル−1−オクタンアミン等のトリアルキルアミンであることが更により好ましい。
帯電防止剤を用いる場合、前記帯電防止剤の含有量は、通常、前記樹脂組成物の全固形分に対して1〜20質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。
本発明において、前記樹脂組成物の硬化物は、ポリロタキサンが有する複数の環状分子のうちの少なくとも一部が、別の環状分子、前記直鎖状分子及び前記硬化性樹脂成分から選ばれる少なくとも1種との間に架橋点を有することが好ましく、環状分子同士の架橋点及び環状分子と前記硬化性樹脂成分との架橋点を有することが更により好ましい。これにより、微細凹凸層が外力に対してより一層変形し易く且つ復元性が向上し、汚れ拭き取り性及び耐擦傷性が向上し、反射防止性能低下の抑制効果も向上する。
前記樹脂組成物の硬化物は、前記ポリロタキサンがエチレン性不飽和結合を有し、且つエチレン性不飽和結合が、80〜100%の反応率で反応したものであることが好ましく、90〜99%の反応率で反応したものであることがより好ましい。これにより、微細凹凸層が外力に対してより一層変形し易く且つ復元性が向上し、汚れ拭き取り性及び耐擦傷性が向上し、反射防止性能低下の抑制効果も向上する。
前記反応率は、従来公知の方法により算出することができ、例えば、微細凹凸層の赤外スペクトル(IR)の測定結果から決定することができる。
前記樹脂組成物は、柔軟性に優れる点から、当該樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が300MPa以下であることが好ましく、10〜250MPaであることがより好ましく、50〜200MPaであることが更により好ましい。
また、押圧後の復元性に優れていることから、前記樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E”)の比(tanδ(=E”/E’))は、0.2以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。
本発明において貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E”)は、JIS K7244に準拠して、以下の方法により測定される。
まず、樹脂組成物を、2000mJ/cmのエネルギーの紫外線を1分以上照射することにより十分に硬化させて、基材及び微細凹凸形状を有しない、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの単膜とする。
次いで、25℃下、上記樹脂組成物の硬化物の長さ方向に10Hzで25gの周期的外力を加え、動的粘弾性を測定することにより、25℃における、E’、E”が求められる。測定装置としては、例えば、UBM製 Rheogel E400を用いる。
[微細凹凸形状]
微細凹凸層は、複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を表面に有する。微小突起の形状は、反射防止性能に優れる点から、前記微小突起の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造を有していることが、好ましい。このような微小突起の形状の具体例としては、半円状、半楕円状、三角形状、放物線状、釣鐘状等の垂直断面形状を有するものが挙げられる。複数ある微小突起は同一の形状を有していても異なる形状を有していてもよい。微小突起が上記の形状を有することにより、微細凹凸等の深さ方向に屈折率が連続的に変化するため、反射防止性能が向上する。
本発明において隣接突起間隔d及び微小突起の高さHは以下の方法により測定される。
(1)先ず、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)又は走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて突起の面内配列(突起配列の平面視形状)を検出する。
(2)続いてこの求められた面内配列から各突起の高さの極大点(以下、単に極大点と称する。)を検出する。なお極大点を求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点を求める方法、平面視拡大写真の画像処理によって極大点を求める方法等、種々の手法を適用することができる。
(3)次に検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。図2にドロネー図の一例を示す模式平面図を示す。図2の例に示されるようにドロネー図とは、微小突起3の各極大点31を母点としてボロノイ分割を行っ
た場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分32で結んで得られる3角形の集合体からなる網状図形である。各3角形は、ドロネー3角形と呼ばれ、各3角形の辺(隣接母点同士を結ぶ線分)は、ドロネー線と呼ばれる。
(4)次に、各ドロネー線の線分長の度数分布、すなわち隣接する極大点間の距離(隣接突起間距離)の平面視の拡大写真から、5〜20個程度の互いに隣接する前記微細構造を有しない微小突起を選んで、その隣接突起間距離の値を標本抽出し、この標本抽出して求められる数値範囲から明らかに外れる値(通常、標本抽出して求められる隣接突起間距離平均値に対して、値が1/2以下のデータ)を除外して度数分布を検出する。
(5)このようにして求めた隣接突起間距離dの度数分布を正規分布とみなして平均値dAVG及び標準偏差σを求める。本発明において、隣接突起間距離dの最大値dmaxはdmax=dAVG+2σと定義して算出される。
同様の手法を適用して突起の高さを定義する。この場合、上述の(2)により求められる極大点から、特定の基準位置からの各極大点位置の相対的な高さの差を取得してヒストグラム化する。このヒストグラムによる度数分布から突起高さの平均値HAVG、標準偏差σを求める。なお突起の頂部に凹部が存在する微細構造、或いは、頂部が複数の峰に分裂している微細構造を有する微小突起が含まれる場合は、1つの微小突起が頂点を複数有していることにより、1つの突起に対してこれら複数のデータが突起高さHのヒストグラムにおいて混在することになる。そこでこの場合は麓部が同一の微小突起に属するそれぞれ複数の頂点の中から高さの最も高い頂点を、当該微小突起の突起高さとして採用して度数分布を求める。
なお、微小突起の高さを測る際の基準位置は、突起付け根位置、すなわち隣接する微小突起の間の谷底(高さの極小点)を高さ0の基準とする。但し、係る谷底の高さ自体が場所によって異なる場合、例えば、各微小突起間の谷底を連ねた包絡面2bが、微小突起の隣接突起間距離に比べて大きな周期でうねった凹凸形状を有する場合(図3参照)等は、(1)先ず、微細凹凸層2の微細凹凸面2aとは反対側の面から測った各谷底の高さの平均値を、該平均値が収束するに足る面積の中で算出する。(2)次いで、該平均値の高さを有し、且つ微細凹凸層2の微細凹凸面2aとは反対側の面と平行な面を基準面として考える。(3)その後、該基準面を改めて高さ0として、該基準面からの各微小突起の高さ
を算出する。
尚、係るうねりによる凹凸面の周期Dが全面に渡って一定では無く分布を有する場合は、該凹凸面について凸部間距離の度数分布を求め、その平均値をDAVG、標準偏差をΣとしたときの、
min=DAVG―2Σ
として定義する最小隣接突起間距離Dminを以って周期Dの代わりとして設計する。即ち、微細凹凸層2の凹凸面2aの残留反射光の散乱効果を十分奏し得る条件は、
min>λMAX
である。通常、D又はDminは1〜200μm、好ましくは10〜100μmとされる。
また、反射防止物品の良好な平滑性を確保するために、前記周期Dでうねった凹凸面の高低差(図3中のh)は、10nm以下であることが好ましく、1nm〜5nmの範囲内であることがより好ましい。なお、前記凹凸面により形成される凹凸面の高低差は、例えば500nm以上離れた微小突起の谷底部の位置の高低差を測定することにより求めることができる。微小突起の谷底部の位置は、反射防止物品を、厚み方向に切断した垂直断面のTEM写真又はSEM写真を用いて観察することにより求めることができる。
前記微小突起群中の各微小突起が同一の高さHを有し、当該微小突起が一定周期で規則正しく配置されている場合、隣接突起間隔dは、微小突起配列の周期pと一致するため、dAVG=pとなる。よって、反射防止効果を奏し得る条件は、dAVG=p≦Λminであり、微小突起配列の周期p以上の波長を有する光に対して反射防止効果を奏することができる(例えば、特開昭50−70040号公報、特許第4632589号公報、特許第4270806号公報を参照することができる)。従って、例えば、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を得るためには、可視光線帯域の最短波長を380nmとした場合、微小突起配列の周期を380nm以下とすればよい。また、微小突起の高さHは、反射防止効果を得ようとする波長のうち最長波長Λmaxの0.2倍以上であることが好ましい(H≧0.2×Λmax)。従って、例えば可視光線帯域の全波長に対して優れた反射防止効果を得ようとするためには、可視光線帯域の最長波長を780nmとした場合、H≧0.2×780nm=156nmであることが好ましい。
突起が不規則に配置されている場合には、上述のようにして求めた隣接突起間距離dの平均値dAVGが、dAVG≦Λminを満たすことが必要であり、最大値dmax=dAVG+2σが、dmax≦Λminを満たすことが好ましい。微小突起の高さHの平均値HAVGが、HAVG≧0.2×Λmaxを満たすことが好ましい。例えば、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を奏し得るためには、dAVG≦380nmとすればよく、dmax=dAVG+2σ≦380nmとすることが好ましい。可視光線帯域の全波長に対する反射防止効果をより確実に奏し得る好ましい条件は、dAVG≦300nmであり、更に好ましい条件は、dmax≦300nmであり、より更に好ましい条件は、dAVG≦200nmであり、特に好ましい条件は、dmax≦200nmである。また反射防止効果の発現及び反射率の等方性(低角度依存性)の確保等の理由から、通常、dAVG≧50nmであり、好ましくは、dAVG≧100nmとされる。また突起高さHについては、十分な反射防止効果を発現する為には、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmaxとしたときに、HAVG≧0.2×Λmaxとなることが好ましく、可視光線帯域の全波長に対して反射防止効果を奏し得るためにはHAVG≧0.2×780nm=156nmであることが好ましく、HAVG≧170nmとすることがより好ましい。突起の高さHAVGは、反射防止効果の点から、通常350nm以下とされる。また、突起の高さの分布は、通常50〜350nmである。
微細突起のアスペクト比(平均突起高さHAVG/平均隣接突起間隔dAVG)は0.8〜5.0とすることができ、中でも、反射防止性能の観点から、0.8〜2.5であることが好ましく、更に、1.0〜2.1であることがより好ましい。
微細凹凸層の厚み(図1におけるT)は、適宜調整すればよいが、3μm〜30μmであることが好ましく、5μm〜10μmであることがより好ましい。なお、本発明において微細凹凸層の厚みTは、当該微細凹凸層の透明基材との界面から、最も高い微小突起の頂部までの厚みで定義される。
<透明基材>
本発明に係る反射防止物品は、支持体として透明基材を含むものであっても良い。本発明に用いられる透明基材は、反射防止物品に用いられる公知の透明基材の中から用途に応じて適宜選択して用いることができる。透明基材に用いられる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の透明樹脂や、ソーダ硝子、カリ硝子、鉛ガラス等の硝子、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)等のセラミックス、石英、蛍石等の透明無機材料等が挙げられる。
前記透明基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
前記透明基材の厚みは、本発明の反射防止物品の用途に応じて適宜設定することができ、特に限定されないが、通常20〜5000μmであり、前記透明基材は、ロールの形で供給されるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。
本発明に用いられる透明基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
また、透明基材と前記微細凹凸層との密着性を向上させ、ひいては耐摩耗性(耐傷性)を向上させるためのプライマー層を透明基材上に形成してもよい。このプライマー層は、透明基材と、当該透明基材とプライマー層を介して隣接する微細凹凸層に密着性を有し、可視光を透過するものが好ましい。
<その他の層>
本発明の反射防止物品は、本発明の効果を損なわない範囲において、更にその他の層を有していてもよい。透明基材の微細凹凸層を有しない面側には、光学フィルム用途に用いられる従来公知の各種層を有していてもよい。例えば、従来公知の単層或いは多層構成の反射防止層、光拡散による防眩性(或いは反射防止)を付与する層、傷付き防止等の為に従来公知のハードコート層等が挙げられる。
また、本発明に係る反射防止物品においては、微細凹凸層2の微細凹凸形状側の表面に、剥離可能な保護フィルムを仮接着させてもよい。これにより、微細凹凸層2の微細凹凸形状側の表面に保護フィルムを仮接着した状態で、本発明に係る反射防止物品の保管、搬送、売買、後加工又は施工を行い、適時、該保護フィルムを剥離除去する形態とすることができるため、保管、搬送等の間における微細凹凸層3の微細凹凸形状側の表面の損傷、汚染を防止することができる。
本発明の反射防止物品は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、反射防止性物品の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
<反射防止物品の用途>
本発明に係る反射防止物品は、後述する画像表示装置の他、各種物品に用いることができる。
例えば、店舗のショーウィンドウや、美術館の展示物の展示窓;時計等、各種計測機器の表示窓表面;道路標識や、ポスター等の各種印刷物;自動車、航空機等の乗り物や、各種建築物の窓等の前面又は両面に配置して、視認性を向上することができる。また、眼鏡、カメラ、望遠鏡、顕微鏡等の各種光学機器や、各種照明機器の窓材として用いることもできる。
また、上述の実施形態においては、反射防止を図る電磁波の波長帯域を、専ら、可視光線帯域として説明したが、本発明はこれに限らず、反射防止を図る電磁波の波長帯域を赤外線、紫外線等の可視光線以外の波長帯域に設定してもよい。その場合は前記の各条件式中において、電磁波の波長帯域の最短波長Λmin及び最長波長Λmaxを、それぞれ、赤外線、紫外線等の波長帯域に於ける反射防止効果を希望する最短波長及び最長波長にそれぞれ設定すればよい。例えば、最短波長Λminが850nmの赤外線帯域の反射防止を希望する場合は、隣接突起間距離d(若しくは其の平均値dAVG)を850nm以下、例えば、dAVG=800nmと設計すればよい。
<反射防止物品の製造方法>
本発明の反射防止物品の製造方法は、微細凹凸形状を表面に有する微細凹凸層を形成する従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。
例えば、まず透明基材上に、微細凹凸層形成用の樹脂組成物を塗布し、所望の微細凹凸形状を有する微細凹凸層形成用原版の凹凸形状を、前記樹脂組成物の塗膜に賦型した後、該樹脂組成物を硬化させることにより微細凹凸層を形成し、前記微細凹凸層形成用原版から剥離する方法等が挙げられる。前記樹脂組成物を硬化させる方法は、該樹脂組成物の種類等に応じて適宜選択することができる。
前記微細凹凸層形成用原版としては、繰り返し使用した際に変形および摩耗するものでなければ、特に限定されるものではなく、金属製であっても良く、樹脂製であっても良いが、通常、金属製が好適に用いられる。耐変形性および耐摩耗性に優れているからである。
前記微細凹凸層形成用原版の微細凹凸形状を有する面は、特に限定されないが、酸化されやすく、陽極酸化による加工が容易である点から、アルミニウムからなることが好ましい。
前記微細凹凸層形成用原版は、具体的には、例えば、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属製の母材の表面に、直接に又は各種の中間層を介して、スパッタリング等により純度の高いアルミニウム層が設けられ、当該アルミニウム層に凹凸形状を形成したものが挙げられる。前記母材は、前記アルミニウム層を設ける前に、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって母材の表面を超鏡面化しても良い。
前記微細凹凸層形成用原版に微細凹凸形状を形成する方法としては、例えば、陽極酸化法によって前記アルミニウム層の表面に複数の微細孔を形成する陽極酸化工程と、前記アルミニウム層をエッチングすることにより前記微細孔の開口部にテーパー形状を形成する第1エッチング工程と、前記アルミニウム層を前記第1エッチング工程のエッチングレートよりも高いエッチングレートでエッチングすることにより前記微細孔の孔径を拡大する第2エッチング工程とを順次繰り返し実施することによって形成することができる。
微細な凹凸形状を形成する際には、アルミニウム層の純度(不純物量)や結晶粒径、陽極酸化処理及び/又はエッチング処理の諸条件を適宜調整することによって、所望の形状とすることができる。前記陽極酸化処理において、より具体的には、液温、印加する電圧、陽極酸化に供する時間等の管理により、微細な孔をそれぞれ目的とする深さ及び微小突起形状に対応する形状に作製することができる。
このようにして、前記微細凹凸層形成用原版は、深さ方向に徐々に孔径が小さくなる多数の微細孔が密に作製される。当該微細凹凸層形成用原版を用いて製造される微細凹凸層には、前記微細孔に対応して、頂部に近付くに従って徐々に径が小さくなる微小突起群を備えた微細凹凸が形成され、すなわち、当該微細凹凸の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微細凹凸を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微細凹凸の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する微細凹凸形状が形成される。
また、前記微細凹凸層形成用原版の形状としては、所望の形状を賦型することができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、平板状であっても良く、ロール状であっても良いが、前記微細凹凸層形成用原版は、生産性向上の観点からは、ロール状の金型(以下、「ロール金型」と称する場合がある。)を用いることが好ましい。
本発明において用いられるロール金型としては、例えば、母材として、円筒形状の金属材料を用い、当該母材の周側面に、直接に又は各種の中間層を介して設けられたアルミニウム層に、上述したように、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにより、微細な凹凸形状が作製されたものが挙げられる。
図4に、微細凹凸層形成用の樹脂組成物として光硬化性樹脂組成物を用い、微細凹凸層形成用原版としてロール金型を用いた場合に、透明基材上に微細凹凸層を形成する方法の一例を示す。
図4に示す方法では、樹脂供給工程において、ダイ11により帯状フィルム形態の透明基材1に、未硬化で液状の光硬化性樹脂組成物を塗布し、微小突起形状の受容層2’を形成する。なお光硬化性樹脂組成物の塗布については、ダイ11による場合に限らず、各種の手法を適用することができる。続いて、押圧ローラ13により、微細凹凸層形成用原版であるロール金型12の周側面に透明基材1を加圧押圧し、これにより透明基材1に受容層2’を密着させると共に、ロール金型12の周側面に作製された微細な凹凸形状の凹部に、受容層2’を構成する光硬化性樹脂組成物を充分に充填する。この状態で、紫外線の照射により光硬化性樹脂組成物を硬化させ、これにより透明基材1の表面に微細凹凸層2を作製する。続いて剥離ローラ14を介してロール金型12から、硬化した微細凹凸構造体2と一体に透明基材1を剥離する。必要に応じてこの透明基材1に粘着層等を作製した後、所望の大きさに切断して反射防止物品1を作製する。これにより反射防止物品は、ロール材による長尺の透明基材1に、微細凹凸層形成用原版であるロール金型12の周側面に作製された微細凹凸形状を順次賦型して、効率良く大量生産される。
また上述の実施形態では、ロール金型を使用した賦型処理によりフィルム形状の反射防止物品を生産する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、反射防止物品の形状に係る透明基材の形状に応じて、例えば平板、特定の曲面形状による微細凹凸層形成用原版を使用した賦型処理等により、枚葉状の反射防止物品を作成する場合等、賦型処理に係る工程、微細凹凸層形成用原版は、反射防止物品の形状に係る透明基材の形状に応じて適宜変更することができる。
また、本発明に係る反射防止物品においては、製造に使用した透明基材は必要に応じて剥離して、微細凹凸層のみとしてもよいし、微細凹凸層用の樹脂組成物として、透明基材の材料と同じものを用いることにより、微細凹凸層と透明基材が一体化したものであってもよい。
[画像表示装置]
本発明に係る画像表示装置は、表示パネルの少なくとも一面側に、前記本発明に係る反射防止物品を備えることを特徴とする。
本発明の画像表示装置は、表示パネルの少なくとも一面側に備えられた前記本発明に係る反射防止物品において、表面に付着した汚れを拭き取り可能でありながら、反射防止性能の低下を抑制でき、且つ耐擦傷性に優れるため、除汚性、反射防止性及び耐擦傷性に優れる。本発明に係る画像表示装置は、特に、表示装置表面に指で直接触れることが多いもの、例えばタッチパネル部材を備えた画像表示装置等として好適に用いることができる。
本発明の画像表示装置20は、図5に示すように、表示パネル4の少なくとも一面側に、前記本発明に係る反射防止物品10を備えている。当該反射防止物品10は、表示パネル4と直接貼り合わされてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、反射防止物品10と、表示パネル4との間に、他の部材を有していてもよい。当該他の部材としては、例えば、公知のタッチパネル部材等が挙げられる。
なお、本発明の画像表示装置にあっては、単に表示機能のみを有する装置(例えば、LCDモニター、CRTモニター等)でも良いが、装置の機能の一部として表示機能を有する装置も該当する。例えば、携帯情報端末、カーナビゲーションシステム等である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
(製造例1:微細凹凸層形成用原版1の作製)
純度99.50%の圧延されたアルミニウム板を、その表面が、十点平均粗さRz30nm、且つ周期1μmの凹凸形状となるように研磨後、0.02Mシュウ酸水溶液の電解液中で、化成電圧60V、20℃の条件にて120秒間、陽極酸化を実施した。次に、第一エッチング処理として、陽極酸化後の電解液で60秒間エッチング処理を行った。続いて、第二エッチング処理として、1.0Mリン酸水溶液で150秒間孔径処理を行った。さらに、上記処理を繰り返し、これらを合計5回追加実施した。これにより、アルミニウム基板上に微細な凹凸形状が形成された陽極酸化アルミニウム層が形成された。最後に、フッ素系離型剤を塗布し、余分な離型剤を洗浄することで、微細凹凸層形成用原版を得た。なお、アルミニウム層に形成された微細な凹凸形状は、平均隣接微細孔間距離dAVGが150nmで、深さ方向に徐々に孔径が小さくなる多数の微細孔が密に形成された形状であった。
(製造例2:微細凹凸層用樹脂組成物Aの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の微細凹凸層用樹脂組成物Aを調製した。
<微細凹凸層用樹脂組成物Aの組成>
・エチレンオキサイド変性(EO変性)ビスフェノールAジアクリレート 55質量部
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 25質量部
・ポリロタキサン(アドバンストソフトマテリアルズ株式会社製 SA3405P;環状分子にエチレン性不飽和結合を含有する官能基を有する)20質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(製造例3:微細凹凸層用樹脂組成物Bの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の微細凹凸層用樹脂組成物Bを調製した。
<微細凹凸層用樹脂組成物Bの組成>
・エチレンオキサイド変性(EO変性)ビスフェノールAジアクリレート 55質量部
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 25質量部
・ポリロタキサン(アドバンストソフトマテリアルズ株式会社製 SA3405P;環状分子にエチレン性不飽和結合を含有する官能基を有する)10質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(製造例4:微細凹凸層用樹脂組成物Cの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の微細凹凸層用樹脂組成物Cを調製した。
<微細凹凸層用樹脂組成物Cの組成>
・エチレンオキサイド変性(EO変性)ビスフェノールAジアクリレート 55質量部
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 25質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(製造例5:微細凹凸層用樹脂組成物Dの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の微細凹凸層用樹脂組成物Dを調製した。
<微細凹凸層用樹脂組成物Dの組成>
・エチレンオキサイド変性(EO変性)ビスフェノールAジアクリレート 50質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
・ポリロタキサン(アドバンストソフトマテリアルズ株式会社製 SA3405P;環状分子にエチレン性不飽和結合を含有する官能基を有する)20質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
(製造例6:微細凹凸層用樹脂組成物Eの調製)
以下の各成分を混合し、希釈溶剤として、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンを用いて、固形分45質量%の微細凹凸層用樹脂組成物Eを調製した。
<微細凹凸層用樹脂組成物Eの組成>
・エチレンオキサイド変性(EO変性)ビスフェノールAジアクリレート 50質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
[実施例1]
微細凹凸層形成用樹脂組成物として、上記微細凹凸層形成用樹脂組成物Aを、上記で得られた微細凹凸層形成用原版1の微細凹凸面が覆われ、硬化後の微細凹凸層の厚さが20μmとなるように塗布、充填し、その上に透明基材として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム(TAC)(富士フィルム社製)を斜めから貼り合わせた後、貼り合わせられた貼合体をゴムローラーで10N/cmの加重で圧着した。原版全体に均一な組成物が塗布されたことを確認し、透明基材側から2000mJ/cmのエネルギーで紫外線を照射して微細凹凸層形成用樹脂組成物を硬化させた。その後、原版より剥離し、実施例1の反射防止物品を得た。得られた反射防止物品の微細凹凸層が備える微小突起群は、平均隣接突起間隔dAVGが150nm(標準偏差σ10nm)であり、平均高さ
AVGが240nmであり、アスペクト比(HAVG/dAVG)が1.6であった。
[実施例2]
微細凹凸層形成用樹脂組成物として、微細凹凸層形成用樹脂組成物Aの代わりに微細凹凸層形成用樹脂組成物Bを、用いた以外は実施例1と同様の作製手順にて、実施例2の反射防止物品を得た。
[実施例3]
微細凹凸層形成用樹脂組成物として、微細凹凸層形成用樹脂組成物Aの代わりに微細凹凸層形成用樹脂組成物Dを、用いた以外は実施例1と同様の作製手順にて、実施例3の反射防止物品を得た。
[比較例1]
微細凹凸層形成用樹脂組成物として、微細凹凸層形成用樹脂組成物Aの代わりに微細凹凸層形成用樹脂組成物Cを用いた以外は実施例1と同様の作製手順にて、比較例1の反射防止物品を得た。
[比較例2]
微細凹凸層形成用樹脂組成物として、微細凹凸層形成用樹脂組成物Aの代わりに微細凹凸層形成用樹脂組成物Eを用いた以外は実施例1と同様の作製手順にて、比較例2の反射防止物品を得た。
[評価]
<貯蔵弾性率(E’)等の測定>
製造例2〜6で得られた微細凹凸層用樹脂組成物A〜Eをそれぞれ2000mJ/cmのエネルギーの紫外線を1分間照射することにより十分に硬化させて、基材及び微細凹凸形状を有しない、厚さ1mm、幅5mm、長さ30mmの試験用単膜を得た。
次いで、JIS K7244に準拠し、25℃下、上記樹脂組成物の硬化物の長さ方向に10Hzで25gの周期的外力を加え、動的粘弾性を測定することにより、25℃における、貯蔵弾性率E’、及び損失弾性率E”を求めた。また、当該E’及びE”の結果からtanδ(E”/E’)を算出した。測定装置はUBM製 Rheogel E400を用いた。結果を表1に示す。
<耐擦傷性試験>
実施例1〜3、比較例1〜2で得られた反射防止物品に対して、耐スチールウール性評価を行うことにより、各物品の耐擦傷性について評価を行った。
すなわち、まず、先端径がφ11.3mmである耐スチールウール性評価用治具に、スチールウール#0000(ボンスターポンド製)を取り付け、次に、物品の評価面(微細凹凸面)が上側を向くようにガラス板にサンプルを置き、エアーが入らないよう注意しながら、その四辺のテープ留めを行った。重量が100gとなるように調整した上記耐スチールウール性治具を用いて、走査速度が20〜30mm/secで、同一箇所を10往復するよう横方向にスライドさせながら、サンプル表面を擦った。評価したサンプル面とは反対側に黒テープを貼り付け、三波長管を用いて、サンプル表面の擦られたキズ本数を観察し、カウントし、下記評価基準により物品の耐擦傷性を評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A:キズなし
B:キズ1〜5本
C:キズ5本超過
<拭き取り性試験>
実施例1〜3、比較例1〜2で得られた反射防止物品の微細凹凸層側表面を上面にして、それぞれ粘着層つきの黒アクリル板に貼り付けた後、指を押し付けて指紋を付着させた。その後、ザヴィーナミニマックス(富士ケミカル製)にて指紋を乾拭きした。乾拭きは3kg/cm程度の力で10往復行い、拭取り後の外観を評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A:指紋汚れが視認できない。
B:指紋がほぼ拭取られない。
<視認性(白濁化)試験>
実施例1〜3、比較例1〜2で得られた反射防止物品の微細凹凸層側表面を上面にして、それぞれ粘着層つきの黒アクリル板に貼り付けた後、ザヴィーナミニマックス(富士ケミカル製)にて3kg/cm程度の力で10往復擦った。擦過1分後の視認性の評価を下記基準で行った。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A:擦り痕が視認されない。
B:擦り痕が明らかに白濁あるいは色味変化する。
(結果のまとめ)
実施例1〜3で得られた反射防止物品は、微細凹凸層が、ポリロタキサンを含む樹脂組成物の硬化物からなるものであったため、耐擦傷性に優れ、表面に付着した汚れを拭き取り可能でありながら、擦っても擦り痕が生じず、反射防止性能の低下が抑制されたものであり、耐擦傷性、汚れ拭き取り性及び反射防止性能の全てに優れたものであった。
一方、比較例1で得られた反射防止物品は、微細凹凸層の形成に用いられた樹脂組成物がポリロタキサンを含まないものであったため、復元性に劣っていたことから、耐擦傷性に劣り、擦った後に白濁化した。
比較例2で得られた反射防止物品は、微細凹凸層の形成に用いられた樹脂組成物がポリロタキサンを含まないものであったため、硬脆く耐擦傷性に劣り、変形し難く汚れ拭き取り性に劣っていた。
1 透明基材
2 微細凹凸層
2a 微細凹凸面
2b 各微小突起間の谷底を連ねた包絡面
2’ 受容層
3 微小突起
4 表示パネル
10 反射防止物品
11 ダイ
12 ロール金型
13 押圧ローラ
14 剥離ローラ
20 画像表示装置

Claims (4)

  1. 複数の微小突起が密接して配置されてなる微小突起群を備えた微細凹凸形状を表面に有し、樹脂組成物の硬化物からなる微細凹凸層を備えた反射防止物品であって、
    前記微小突起は、反射防止を図る光の波長帯域の最短波長をΛmin、当該微小突起の隣接突起間隔dの平均値をdAVGとしたときに、
    AVG≦Λmin
    なる関係を有し、
    前記樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率(E’)が300MPa以下であり、
    前記樹脂組成物が、ポリロタキサンを含むことを特徴とする、反射防止物品。
  2. 前記ポリロタキサンが、環状分子にエチレン性不飽和結合を含有する官能基を有する、請求項1に記載の反射防止物品。
  3. 前記ポリロタキサンの含有量が、前記樹脂組成物に含まれる全固形分に対して0.5〜30.0質量%である、請求項1又は2に記載の反射防止物品。
  4. 表示パネルの少なくとも一面側に、請求項1〜3のいずれか一項に記載の反射防止物品を備える、画像表示装置。
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