JP6361218B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体カートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
に「感光体」ともいう。) については、無公害で成膜が容易、製造が容易である等の利
点を有する有機系の光導電物質を使用した感光体が使用されている。
有機系電子写真感光体においては、電荷の発生と移動の機能を別々の化合物に分担させる、いわゆる機能分離型の感光体が、材料選択の余地が大きく、感光体の特性の制御がし易いことから、開発の主流となっている。層構成の観点からは、電荷発生材料と電荷輸送材料を同一の層中に有する単層型の電子写真感光体( 以下、単層型感光体という。) と、電荷発生材料と電荷輸送材料を別々の層( 電荷発生層と電荷輸送層) 中に分離、積層する積層型の電子写真感光体( 以下、積層型感光体という。) とが知られている。
は、特に単層型感光体においては、結晶転移により塗布液劣化や感度低下が見られ、使用することが困難であった。
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものである。即ち、本発明の目的は、塗布液安定性の良好な感光層用塗布液、感度に優れ、電気特性の良好な単層型電子写真感光体、及び該感光体を備えた画像特性の良好な画像形成装置を提供することにある。
ニルアセタール樹脂を除く)、電荷発生材料、電子輸送材料、及び正孔輸送材料を含有す
る感光層を備えた単層型電子写真感光体において、前記感光層が、CuKα線によるX線
回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.2゜に強い回折ピークを示すオキシチ
タニウムフタロシアニンと、ポリビニルアセタール樹脂を、全電荷発生材料100質量部
に対して、1〜500質量部とを含有することで、安定性の高い塗布液及び電気特性や画
像特性が良好な電子写真感光体が得られることを見出し、本発明の完成に至った。即ち、
本発明の要旨は、下記<1>〜<9>に存する。
<1>導電性支持体上に同一層中に結着樹脂(但し、ポリビニルアセタール樹脂を除く)
、電荷発生材料、電子輸送材料、及び正孔輸送材料を含有する感光層を備えた単層型電子
写真感光体において、前記感光層が、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2
θ±0.2)が27.2゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンと、
ポリビニルアセタールを、全電荷発生材料100質量部に対して、1〜500質量部とを
含有し、前記感光層中の前記結着樹脂と前記電子輸送材料との割合が、前記結着樹脂10
0質量部に対して、前記電子輸送材料が5質量部以上であることを特徴とする電子写真感
光体。
<2>前記オキシチタニウムフタロシアニンの含有量が、前記結着樹脂100質量部に対
して、1〜200質量部であることを特徴とする、<1>に記載の電子写真感光体。
<3>前記感光層中の前記結着樹脂と前記電子輸送材料との割合が、前記結着樹脂100
質量部に対して、前記電子輸送材料が10質量部以上であることを特徴とする、<1>又
は<2>に記載の電子写真感光体。
<4>前記感光層中の前記結着樹脂と前記電子輸送材料との割合が、前記結着樹脂100
質量部に対して、前記電子輸送材料が20質量部以上であることを特徴とする、<1>〜
<3>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<5>前記単層型電子写真感光体の感光層が、金属酸化物粒子を含有することを特徴とす
る、<1>〜<4>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<6>前記結着樹脂が、ポリアリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂であることを特徴
とする、<1>〜<5>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<7><1>〜<6>のいずれかに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電
させる帯電部材と、帯電した前記電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装
置と、電子写真感光体上に形成された前記静電潜像を現像する現像装置と、を備えたこと
を特徴とする画像形成装置。
<8>前記帯電部材が前記電子写真感光体を正に帯電させるものであることを特徴とする
、<7>に記載の画像形成装置。
<9>除電装置を備えていないことを特徴とする、<7>又は<8>に記載の画像形成装
置。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に同一層中に結着樹脂、電荷発生材料、電子輸送材料、及び正孔輸送材料を含有する単層型感光層( 以下、単に「感光層」ともい
う。) を有し、前記感光層は、電荷発生材料としてCuKα線を用いた粉末X 線回折において、回折角2θ±0.2°が27.2°に明瞭なピークを示すオキシチタニウムフタロシアニン、及びポリビニルアセタール樹脂を含有する層である。
本発明の電子写真感光体は、感光層中に、CuKα線を用いた粉末X線回折において、回折角2θ±0.2°が27.2°に明瞭なピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンを電荷発生材料として単一成分として含有するものでもよいし、結晶型の異なるオキシチタニウムフタロシアニンや、その他の電荷発生物質との混合物として含有することも可能である。
前述のCuKα特性X線による粉末X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に主たる明瞭な回折ピークを有するD型(Y型)オキシチタニウムフタロシアニンの製造法としては、フタロシアニン結晶前駆体を、化学的処理後に有機溶媒に接触して得られることが好ましい。
化学的処理の具体的な例としては、フタロシアニン結晶前駆体を強酸中に溶解して行なうアシッドペースティング法、又は強酸中で分散状態を経るアシッドスラリー法、ジクロロチタニルフタロシアニンにフェノール、アルコールを付加させた後に脱離させてオキシチタニウムフタロシアニンを得る方法等の化学的処理方法があげられ、より安定的なアモルファス、低結晶性オキシチタニウムフタロシアニンを得るにはアシッドペースト法がより好ましい。
用いる強酸の量は、任意の量で用いることが可能であるが、少なすぎるとフタロシアニン結晶前駆体の溶解性が悪くなることから、フタロシアニン結晶前駆体1質量部に対して5質量部以上、溶液中の固形分濃度が高すぎると撹拌効率が低下することから15質量部以上が好ましく、より好ましくは20質量部以上である。また、強酸使用量が多すぎると、廃棄酸量が増えることから、100質量部以下が好ましく、また生産効率を考慮すると50質量部以下がより好ましい。
ン交換水等のイオン性の物質を取り除いた水が好ましい。
本発明の電子写真感光体は、感光層中にポリビニルアセタール樹脂を、全電荷発生材料100質量部に対して、1〜500質量部含有するものである。前記ポリビニルアセタール樹脂と上記全電荷発生材料との配合割合は、結晶安定性や分散性の観点から、全電荷発生材料100質量部に対して、ポリビニルアセタール樹脂を10質量部以上の比率で配合することが好ましく、30質量部以上の割合で配合することがより好ましい。一方、電気特性の観点から、全電荷発生材料100質量部に対して、前記ポリビニルアセタール樹脂を400質量部以下の割合で配合することが好ましく、200質量部以下の割合で配合することがより好ましい。
構造単位を含むことが好ましい。
ポリビニルアセタール樹脂の数平均分子量については、結着樹脂との相溶性の観点から、150,000以下が好ましく、100,000以下が更に好ましく、50,000以下が特に好ましい。結晶安定性や分散性の観点から、5,000以上が好ましく、10,000以上が更に好ましい。
また、感光層塗布液の溶媒として使用するエーテル系溶剤に溶解するものが好ましい。前記ポリビニルアセタール樹脂は単一成分として含有するものでもよいし、構造や分子量が異なるものを混合物として含有することも可能である。
導電性支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫等の導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO( インジウム− スズ酸化物) 等
の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状等のものが用いられる。金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性等の制御のためや欠陥被覆のため、適当な抵抗値を持つ導電性材料を塗布したものでも良い。
電性支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでも良い。
導電性支持体と感光層との間には、接着性・ブロッキング性等の改善のため、下引き層を設けても良い。
下引き層としては、樹脂単独、あるいは、樹脂に金属酸化物等の粒子や有機顔料等を分散したもの等が用いられる。下引き層に用いる金属酸化物粒子の例としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等の1 種の金属
元素を含む金属酸化物粒子、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等の複数の金属元素を含む金属酸化物粒子が挙げられる。このように、一種類の粒子のみを用いても良いし複数の種類の粒子を混合して用いても良い。これらの金属酸化物粒子の中で、酸化チタン及び酸化アルミニウムが好ましく、特に酸化チタンが好ましい。酸化チタン粒子は、その表面に、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化珪素等の無機物、又はステアリン酸、ポリオール、シリコーン等の有機物による処理が施されていても良い。酸化チタン粒子の結晶型としては、ルチル、アナターゼ、ブルッカイト、アモルファスのいずれも用いることができる。複数の結晶状態のものが含まれていても良い。
下引き層は、金属酸化物粒子を結着樹脂に分散した形で形成するのが望ましい。下引き層に用いられる結着樹脂としては、フェノキシ、エポキシ、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド等が単独あるいは硬化剤とともに硬化
した形で使用できるが、中でも、アルコール可溶性の共重合ポリアミド、変性ポリアミド等は、良好な分散性、塗布性を示すので好ましい。
下引き層の膜厚は、任意に選ぶことができるが、感光体特性及び塗布性から0.1μmから25μmが好ましい。また下引き層には、公知の酸化防止剤等を添加しても良い。下引き層として、構成の異なる層をいくつか設けることも可能である。
本発明における単層型感光層では、結着樹脂中に正孔輸送材料、電子輸送材料やその他の材料を溶解した液に、電荷発生材料が分散される。電荷発生材料、電荷輸送材料、その他材料と結着樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、これを導電性支持体上に( 下引き層を設ける場合は下引き層上に、アルマイト層を設ける場合はアルマイト層上
に、) 塗布、乾燥して得ることができる。
感光層に使用される結着樹脂は、膜強度確保のために使用される。例えば、ブタジエン
樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタ
クリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物
の重合体及び共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂
、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリ
コン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられ
る。中でも、電気特性及び分散性の観点から、ポリカーボネート樹脂又はポリアリレート
樹脂が好ましい。これらの結着樹脂は、適当な硬化剤を用いて熱、光等により架橋させて
用いることもできる。これらの結着樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上
を任意の組み合わせで用いても良い。以下に結着樹脂の構造を例示する。以下の構造は本
発明をより具体的にするために例示するものであり、本発明の概念を逸脱しない限りは下
記構造に限定されるものではない。
本発明における感光層は、正孔輸送材料としては、例えば、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体
、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、あるいはこれらの化合物からなる基を主鎖、もしくは側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中で、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の電子供与性物質等が挙げられる。これらの中でも、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましい。なお、併用するこれらの正孔輸送材料の数にも特に制限はない。
電子輸送材料としては、従前公知の材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子吸引性物質や、従前公知の環状ケトン化合物が挙げられる。例えば下記式(I)〜(XI)の構造からなる化合
物を例示できる。
料)との配合割合は任意であるが、通常は結着樹脂100質量部に対して電荷輸送材料を20質量部以上の比率で配合する。中でも、残留電位低減の観点からは、結着樹脂100質量部に対して電荷輸送材料を30質量部以上の割合で配合することが好ましく、更に繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点からは、電荷輸送材料を40質量部以上の割合で配合することがより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点からは、結着樹脂100質量部に対して電荷輸送材料を200質量部以下の割合で配合することが好ましく、更に電荷輸送材料と結着樹脂との相溶性の観点からは、電荷輸送材料を150質量部以下の割合で配合することが好ましい。なお、複数の電荷輸送材料を用いる場合は、それらの電荷輸送材料の合計が上記範囲内になるようにする。
分散安定性向上のための分散補助剤として、金属酸化物粒子を使用することが好ましい。金属酸化物の一次粒子径は、分散性や塗布性の観点から、1〜100nmが好ましく、3〜50nmがより好ましく、5〜30nmが更に好ましい。金属酸化物粒子は、どんな表面処理をされても良いが、分散性や感光体の環境依存性を考慮すると、疎水化処理されているものが好ましい。金属酸化物粒子としては、前述した下引き層に用いる金属酸化物と同様のものを用いることができるが、特に分散性の面からシリカ粒子が特に好ましい。
0nm以下が更に好ましい。
シリカ粒子の含有量は、分散性の観点から、下限は、電荷発生材料全体の10wt%以上であり、20wt%以上であることが好ましい。塗布性の観点から、上限は、電荷発生材料全体の300wt%以下、200wt%以下であることが好ましく、150wt%以下が特に好ましい。シリカ粒子の含有量が3wt%より少ない場合は、分散安定化の効果が小さい。300wt%より多い場合は、シリカ粒子の凝集し、分散安定性や塗布性が悪くなる。
シリカ粒子の密度は、分散安定性の観点から、下限は通常、1.5g/cm3以上、好ま
しくは1.8g/cm3以上、より好ましくは2.0g/cm3以上である。また、分散安定性の観点から、上限は通常、3.0g/cm3以下、好ましくは2.8g/cm3以下、より好ましくは2.5g/cm3以下である。
前記オキシチタニウムフタロシアニン以外の電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を用いる場合、具体的には、無金属フタロシアニン及び金属含有フタロシアニンが使用される。金属含有フタロシアニンの具体的な例としては、銅、インジウム、ガリウム、錫、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム等の金属、又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシド等の配位したフタロシアニン類の各種結晶型が使用される。特に、感度の高い結晶型であるA型(別称β型)、B型(別称α型)、等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒド
ロキシガリウムフタロシアニン、G型,I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
電荷発生物質として、無金属フタロシアニン化合物、又は金属含有フタロシアニン化合物を用いた場合は比較的長波長のレーザー光、例えば、780nm近辺の波長を有するレーザー光に対して高感度の感光体が得られる。また、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ等のアゾ顔料を用いた場合には、白色光、又は660nm近辺の波長を有するレーザー光、もしくは比較的短波長のレーザー光(例えば、380nm〜500nmの範囲の波長を有するレーザー光)に対して十分な感度を有する感光体を得ることができる。
<その他の層、材料>
また、感光体表面の摩擦抵抗や、摩耗を軽減する目的で、最表面の層にはフッ素系樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいても良い。また、これらの樹脂からなる粒子や無機化合物の粒子を含んでいても良い。
[電子写真感光体の調製方法]
本実施の形態が適用される電子写真感光体の調製方法は特に限定されないが、通常、この感光体を構成する層は、電子写真感光体の感光層形成方法として公知な、浸漬塗布法、スプレー塗布法、ノズル塗布法、バーコート法、ロールコート法、ブレード塗布法等により支持体上に塗布して形成される。これらの中でも生産性の高さから浸漬塗布方法が好ましい。
該層の形成方法としては、層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を順次塗布する等の公知の方法が適用できる。
<カートリッジ、画像形成装置>
次に、本発明の電子写真感光体を用いたドラムカートリッジ、画像形成装置について、装置の一例を示す図1に基づいて説明する。
現像行程はカスケード現像、1成分絶縁トナー現像、1成分導電トナー現像、二成分磁気ブラシ現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが用いられる。トナーとしては、粉
砕トナーの他に、懸濁造粒、懸濁重合、乳化重合凝集法等のケミカルトナーを用いることができる。特に、ケミカルトナーの場合には、4〜8μ程度の小粒径のものが用いられ、形状も球形に近いものから、ポテト状の球形から外れたものも使用することができる。重合トナーは、帯電均一性、転写性に優れ、高画質化には好適に用いられる。
クリーニングにはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードクリーナー、などが用いられる。
れ、強度としては露光光の3倍以上の露光エネルギーが使用される場合が多い。
これらのプロセスのほかに、前露光工程、補助帯電工程のプロセスを有してもよい。
本発明においては、上記ドラム状感光体1、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素の内の複数のものをドラムカートリッジとして一体に結合して構成し、このドラムカートリッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真装置本体に対して着脱可能な構成にしてもよい。例えば、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の内、少なくとも1つをドラム状感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化とすることが出来る。
「部」の記載は、特に指定しない限り「質量部」を示す。
<感光体ドラムの製造>
(実施例1)
CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±0.2)が27.2゜に強い回折ピークを示し、図2に示す粉末X線回折スペクトルを有するオキシチタニウムフタロシアニン(以下CGM−1とする)を1,2−ジメトキシエタンに加え、サンドグラインドミルにて分散処理を行ない、顔料分散液を作製した。こうして得られた顔料分散液を、ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000C) の1,2−ジメトキ
シエタン溶液に加え、固形分濃度4.0%の分散液を作製した。この分散液を、外径30mm、長さ244mm、肉厚0.75mmのアルミニウム合金よりなるシリンダー上に、乾燥後の膜厚が0.4μmとなるように浸漬塗布した後、乾燥して下引き層を形成した。
層型感光体Aを得た。各材料の組成比は表−1に示す。
実施例1と同様の各材料を用い、表−1に記載の組成比で塗布液を作製し、膜厚25μmの単層型感光体Bを得た。
(実施例3)
日本アエロジル(株)製の商品名AEROSIL R972を除いた以外は、実施例2と同様に実施し、単層型感光体Cを得た。
正孔輸送材料(CTM−2)、電子輸送材料(ETM−2)を用いた他は、表−1に記載の組成で実施例3と同様に実施し、単層型感光体Dを得た。
実施例2からKS10を除いた以外は、実施例2と同様に実施し、単層型感光体Eを得た。
(比較例2)
実施例4からKS10及びR972を除いた以外は、実施例4と同様に実施し、単層型感光体Fを得た。
<電気特性試験>
電子写真学会測定標準に従って製造された電子写真特性評価装置( 電子写真学会編、
「続電子写真技術の基礎と応用」、コロナ社1996年発行、404頁〜405頁) を
使用し、上記感光体ドラムを一定回転数100pmで回転させ、帯電、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行なった。その際、感光体の初期表面電位が+700になるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで780nmの単色光としたものを1.0μJ/cm2で露光したときの露光後表面電位(以下、VLと呼ぶことがある)と半減露光量(以下、E/2と呼ぶ)を測定した。VL測定に際しては、露光から電位測定に要する時間を60msとした。測定環境は、温度25℃、相対湿度50%で行なった。また、塗布液の保存安定性を確認するため、塗布液調液直後と4日間常温にて保管した塗布液を塗布した感光体について、E/2の比較を実施し、E/2の調液直後4日間保存後の差(以下、ΔE/2と呼ぶ)を表−2に示した。
上記単層型感光体Aを、正帯電で使用される市販のレーザープリンタHL−6180DW(ブラザー製)のドラムカートリッジ(DR−51J)に装着し、ハーフトーン画像濃度と白ベタ印字による黒点を確認した。
2 帯電装置( 帯電ローラ)
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニング装置
7 定着装置
4 1 現像槽
4 2 アジテータ
4 3 供給ローラ
4 4 現像ローラ
4 5 規制部材
7 1 上部定着部材( 加圧ローラ)
7 2 下部定着部材( 定着ローラ)
7 3 加熱装置
T トナー
P 記録紙
Claims (9)
- 導電性支持体上に同一層中に結着樹脂(但し、ポリビニルアセタール樹脂を除く)、電
荷発生材料、電子輸送材料、及び正孔輸送材料を含有する感光層を備えた単層型電子写真
感光体において、前記感光層が、CuKα線によるX線回折においてブラッグ角(2θ±
0.2)が27.2゜に強い回折ピークを示すオキシチタニウムフタロシアニンと、ポリ
ビニルアセタール樹脂を全電荷発生材料100質量部に対して、1〜500質量部とを含
有し、前記感光層中の前記結着樹脂と前記電子輸送材料との割合が、前記結着樹脂100
質量部に対して、前記電子輸送材料が5質量部以上であることを特徴とする電子写真感光
体。 - 前記オキシチタニウムフタロシアニンの含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して
、1〜200質量部であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記感光層中の前記結着樹脂と前記電子輸送材料との割合が、前記結着樹脂100質量
部に対して、前記電子輸送材料が10質量部以上であることを特徴とする、請求項1又は
2に記載の電子写真感光体。 - 前記感光層中の前記結着樹脂と前記電子輸送材料との割合が、前記結着樹脂100質量
部に対して、前記電子輸送材料が20質量部以上であることを特徴とする、請求項1〜3
のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 前記感光層が、金属酸化物粒子を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか
1項に記載の電子写真感光体。 - 前記結着樹脂が、ポリアリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂であることを特徴とす
る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電さ
せる帯電部材と、帯電した前記電子写真感光体を露光させて静電潜像を形成する露光装置
と、電子写真感光体上に形成された前記静電潜像を現像する現像装置と、を備えたことを
特徴とする画像形成装置。 - 前記帯電部材が前記電子写真感光体を正に帯電させるものであることを特徴とする、請
求項7に記載の画像形成装置。 - 除電装置を備えていないことを特徴とする、請求項7又は8に記載の画像形成装置。
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