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JP6360806B2 - 摩擦式無段変速機 - Google Patents

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JP6360806B2
JP6360806B2 JP2015063222A JP2015063222A JP6360806B2 JP 6360806 B2 JP6360806 B2 JP 6360806B2 JP 2015063222 A JP2015063222 A JP 2015063222A JP 2015063222 A JP2015063222 A JP 2015063222A JP 6360806 B2 JP6360806 B2 JP 6360806B2
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Description

本発明は、摩擦接触により動力伝達するとともに無段階に変速比を変更する変速機に関するものである。
変速機として、摩擦接触により動力伝達する摩擦式無段変速機が知られている。
例えば、特許文献1には、摩擦式無段変速機として、直交する二本の軸線のうちの一方の軸線上に、その軸方向に移動可能に支持された一対の大径摩擦円盤と、他方の軸線上に少なくとも一方がその軸方向に移動可能に支持され、一対の大径摩擦円盤に挟圧される一対の小径摩擦円盤と、可動な小径摩擦円盤を軸方向に移動させる移動機構とを備え、一方の大径摩擦円盤と可動な小径摩擦円盤とのそれぞれに回転動力が伝達される動力伝達軸が結合されたものが提案されている。
この摩擦式無段変速機では、一対の大径摩擦円盤で一対の小径摩擦円盤が挟圧されることにより、可動な小径摩擦円盤と動力伝達軸に結合された大径摩擦円盤とが摩擦接触して回転動力が伝達される。このとき、移動機構により可動な小径摩擦円盤の軸方向位置が変更されると、可動な小径摩擦円盤と動力伝達軸が結合された大径摩擦円盤とで摩擦接触する位置が大径摩擦円盤の径方向に変更され、可動な小径摩擦円盤の回転速度と動力伝達軸に結合された大径摩擦円盤の回転速度との比、即ち、変速比が変更される。
このような摩擦式無段変速機が、例えば特許文献1に示されている。
特開昭59−200857号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような無段変速機では、変速比の幅(「レシオカバレッジ」とも称される,以下、「レシカバ」と略称する)を確保するには、可動な小径摩擦円盤と動力伝達軸が結合された大径摩擦円盤とで摩擦接触する位置の可動範囲を拡大すること、即ち、一対の大径摩擦円盤を拡径することが必要となる。
このように、摩擦式無段変速機は、レシカバを確保するにはサイズの大型化を招いてしまうおそれがあり、逆に、サイズの大型化を抑えるとレシカバの確保が困難となるおそれがある。
本発明は、上記のような課題に鑑み創案されたもので、サイズの大型化を抑えつつレシカバを確保することができるようにした、摩擦式無段変速機を提供することを目的の一つとする。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的として位置づけることができる。
(1)上記の目的を達成するために、本発明の摩擦式無段変速機は、主軸線上に同軸に配置された第1動力伝達軸と第2動力伝達軸との間に介装される摩擦式無段変速機であって、前記第1動力伝達軸に駆動連結され、第1回転軸に相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持された第1ローラと、前記主軸線と同軸に配設され、前記第1ローラの外周に摩擦接触する第1盤面を有して前記第1ローラと回転動力を伝達する第1円盤と、前記第1円盤に駆動連結され、第2回転軸に相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持された第2ローラと、前記主軸線と同軸に配設され、前記第2動力伝達軸に駆動連結され、前記第2ローラの外周に摩擦接触する第2盤面を有して前記第2ローラと回転動力を伝達する第2円盤と、を備えていることを特徴としている。
(2)前記第1回転軸は、前記主軸線に直交する第1の直交軸線に同軸に配置され、前記第1ローラは、前記第1動力伝達軸に第1駆動連結機構を介して連結され、前記第2回転軸は、前記主軸線に直交する第2の直交軸線に同軸に配置され、前記第2ローラは、前記第1円盤に第2駆動連結機構を介して連結されていることが好ましい。
(3)前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、前記主軸線のまわりに等間隔で放射状に複数設けられ、複数の前記第1回転軸のそれぞれに前記第1ローラが装備され、複数の前記第2回転軸のそれぞれに前記第2ローラが装備されていることが好ましい。
(4)前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに平行に配置されて対をなすように備えられ、前記第1ローラ及び前記第2ローラは、前記第1円盤と前記第2円盤との間に設けられ、互いに平行な前記第1回転軸及び前記第2回転軸にそれぞれ支持された前記第1ローラ及び前記第2ローラを何れも回転可能に支持するとともに前記主軸線に沿う方向の力を伝達可能に連結するハウジング部材を備えていることが好ましい。
(5)前記ハウジング部材は、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に沿って移動可能に設けられ、前記ハウジング部材を前記第1回転軸及び前記第2回転軸に沿って移動させるアクチュエータ機構を備えていることが好ましい。
(6)前記第1円盤と前記第2円盤とを近づける方向の推力を発生させるトルクカムを有することが好ましい。
(7)前記第1動力伝達軸は、回転動力が入力される入力軸であり、前記第2動力伝達軸は、回転動力が出力される出力軸であり、前記トルクカムは、前記入力軸に入力された回転動力により前記第1円盤を前記第2円盤に近づける方向の前記推力を発生させることが好ましい。
(8)前記第2円盤を前記トルクカムによる推力に対抗可能であって相対回転可能に支持するケーシングを備えたことが好ましい。
(9)前記第1駆動連結機構は、前記主軸線と同軸に配設されるとともに前記第1動力伝達軸に駆動連結される第1傘歯車と、前記第1回転軸と、前記第1回転軸に同軸に固設されるとともに前記第1傘歯車と噛合しつつ前記主軸線を基準として前記第1ローラよりも外周側に配置される第2傘歯車と、を有することが好ましい。
(10)前記第2駆動連結機構は、前記主軸線と同軸に配設されるとともに前記第1円盤の回転中心部に連結される第3回転軸に固設される第3傘歯車と、前記第2回転軸と、前記第2回転軸と同軸に固定されるとともに前記第3傘歯車と噛合しつつ前記主軸線を基準として前記第2ローラよりも内周側に配置される第4傘歯車と、を有することが好ましい。
本発明にかかる摩擦式無段変速機によれば、第1ローラの軸方向位置に応じて、第1ローラの回転速度と第1円盤の回転速度との比(以下、「第1変速比」という)が可変に設定され、また、第2ローラの軸方向位置に応じて、第2ローラの回転速度と第2円盤の回転速度との比(以下、「第2変速比」という)が可変に設定される。
このため、本発明の摩擦式無段変速機にかかる第1動力伝達軸の回転速度と第2動力伝達軸の回転速度との比、即ち、摩擦式無段変速機による変速比は、第1変速比と第2変速比とを乗算したものに対応する。
このように、本発明の摩擦式無段変速機では、各円盤を拡径することなく、変速比を累乗的に変更することができるため、サイズの大型化を抑えつつレシカバを確保することができる。
本発明の一実施形態にかかる摩擦式無段変速機の全体を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態にかかる摩擦式無段変速機の要部を模式的に示す拡大断面図である。 本発明の一実施形態にかかる摩擦式無段変速機のトルクカムにおける入力部を取り出して示す単体図であり、(a)は図1のA−A矢視に対応し、(b)は(a)のB−B矢視に対応している。 本発明の一実施形態にかかる摩擦式無段変速機の第1ローラ,第1円盤,第1傘歯車,第2傘歯車,第1回転軸,第3回転軸,第1中心部構造体を取り出して示す図であり、図1のC−C矢視に対応する図である。 本発明の一実施形態にかかる摩擦式無段変速機の第1ローラ及び第2ローラの周辺を示す模式的な斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
本発明にかかる摩擦式無段変速機は、摩擦接触により動力伝達するとともに連続的(無段階)に変速比を変更する変速機である。なお、摩擦式無段変速機は、自動車や自動二輪車といった種々の車両に搭載されうる。
この摩擦式無段変速機は、複数の段階で変速比を連続的かつ可変に変更する。以下の説明では、二つの段階で変速比を連続的かつ可変に変更する摩擦式無段変速機を例示して説明する。
本実施形態では、主軸線とこの主軸線に直交する二つの直交軸線を基準として用いる。二つの直交軸線のうち、入力側(一方)の軸線を入力側軸線(第1の直交軸線)とし、出力側(他方)の軸線を出力側軸線(第2の直交軸線)としている。また、主軸線又は直交軸線を基準に内外を定め、回転動力の伝達方向を基準に上流及び下流を定めている。
〔一実施形態〕
[1.構成]
はじめに、図1を参照して、本実施形態にかかる摩擦式無段変速機を説明する。
摩擦式無段変速機は、入力軸(第1動力伝達軸)1に入力された回転動力を変速して出力軸(第2動力伝達軸)2に出力するものである。これらの入力軸1及び出力軸2は、主軸線C1上に同軸に配設されている。
この摩擦式無段変速機は、入力軸1と出力軸2との間に介装されている。
摩擦式無段変速機には、回転動力の伝達方向順に、第1駆動連結機構10,第1ローラ30,第1円盤40,第2連結駆動機構20,第2ローラ50,第2円盤60が設けられている。
第1ローラ30は、入力軸1に第1連結駆動機構10を介して連結されている。この第1ローラ30は、第1回転軸17に相対回転不能かつ軸方向(例えば入力側軸線C11に沿う方向)に移動可能に設けられている。
第1円盤40は、図2に示すように、第1ローラ30の外周30aに摩擦接触する第1盤面40aを有している。第1円盤40の第1盤面40aと第1ローラ30の外周とが摩擦接触することにより互いに回転動力を伝達することができる。
第1ローラ30が第1回転軸17の軸方向に移動することで、第1ローラ30と第1円盤40とで摩擦接触する位置が変更され、第1ローラ30の回転速度と第1円盤40の回転速度との比である第1変速比が可変に設定される。このようにして、一段目の連続的な可変変速がなされる。
また、第2ローラ50は、第1円盤40に第2連結駆動機構20を介して連結されている。この第2ローラ50は、第2回転軸24に相対回転不能かつ軸方向(例えば出力側軸線C21に沿う方向)に移動可能に設けられている。
第2円盤60は、第2ローラ50の外周に摩擦接触する第2盤面60aを有している。第2円盤60の第2盤面60aと第2ローラ50の外周50aとが摩擦接触することにより互いの回転動力を伝達することができる。
第2ローラ50が第2回転軸24の軸方向に移動することで、第2ローラ50と第2円盤60とで摩擦接触する位置が変更され、第2ローラ50の回転速度と第2円盤60の回転速度との比である第2変速比が可変に設定される。このようにして、二段目の連続的な可変変速がなされる。
本実施形態では、一段目の連続的な可変変速と二段目の連続的な可変変速とを同期させる摩擦式無段変速機を例に挙げて説明する。このために、摩擦式無段変速機では、第1ローラ30及び第2ローラ50が第1円盤40と第2円盤60との間に設けられており、第1ローラ30及び第2ローラ50を支持するハウジング部材70と、ハウジング部材70を移動させるアクチュエータ機構80(図1参照)とが設けられている。
以下、摩擦式無段変速機について、回転動力の伝達方向順に各構成を説明し、その後、ハウジング部材70,アクチュエータ機構80について説明する。
[1−1.入力軸]
図1に示すように、入力軸1は、エンジンや電動モータ(単に「モータ」ともいう)といった駆動源からの回転動力が入力される動力伝達軸である。この入力軸1には、主軸線C1まわりの回転が入力される。図1には、図示省略するステータに対して回転するロータ99が入力軸1に固定されたものを例示している。
この入力軸1は、同軸の支持部材8が内挿された中空軸に形成されている。この支持部材8は、ケーシング9に固設されている。
入力軸1の動力伝達方向下流側には、次に説明する第1連結駆動機構10が連結されている。
[1−2.第1駆動連結機構]
第1連結駆動機構10は、入力軸1と第1ローラ30との間で動力伝達を担う機構である。この第1連結駆動機構10は、回転動力の伝達方向順に、入力部12,トルクカム11,出力部14,第1傘歯車15,第2傘歯車16,第1回転軸17を有する。
動力伝達方向において上流側の入力部12,出力部14及び第1傘歯車15は、それぞれ主軸線C1と同軸に配設されている。
一方、図4に示すように、動力伝達方向において下流側の第2傘歯車16及び第1回転軸17は、それぞれ複数(ここでは3個づつ)設けられている。これらの第2傘歯車16及び第1回転軸17は、それぞれが主軸線C1と直交する入力側軸線C11,C12,C13と同軸に配設されている。また、第1回転軸17は、第2傘歯車16のそれぞれに対応して主軸線C1まわりに等間隔で放射状に複数設けられている。
第2傘歯車16及び第1回転軸17は、配設箇所(各入力側軸線C11〜C13の位置)を除いてそれぞれ同様に構成されている。ここでは、入力側軸線C11と同軸に設けられたものに着目して説明する。
なお、図4には、3個の第2傘歯車16に対応して、3個の第1回転軸17が設けられるものを例示している。ただし、第2傘歯車16及び第1回転軸17の各個数は、2個であっても4個以上であってもよく、伝達トルクの大きさや上記のトルクカム11による推力の大きさによって設定されるのが好ましい。
[1−2−1.入力部及び出力部]
図1に示すように、入力部12は、入力軸1からトルクカム11へ回転動力を伝達して入力する部分である。この入力部12は、入力軸1の動力伝達方向下流側に固設されている。ここでは、同軸の支持部材8が軸受けを介して挿通された入力部12が中空のフランジ状に形成されている。
図2に示すように、入力部12は、動力伝達方向下流側に主軸線C1に直交する平面に沿って延在する入力面12aを有する。
出力部14は、トルクカム11から回転動力及び推力が出力される部分である。この出力部14は、入力部12と相対回転可能に配設され、動力伝達方向上流側に主軸線C1に直交する平面に沿って延在する出力面14aを有する。出力面14aは、入力部12の入力面12aと空間をおいて対面している。これらの面12a,14aには、それぞれ対応する箇所に転動体13を収容するカム溝12b,14bが設けられている。
ここでは、出力部14に、同軸の支持部材8が軸受けを介して挿通されている。この出力部14は、円盤状に形成されている。なお、出力部14の動力伝達方向下流側には、詳細を後述する第1傘歯車15が固設されている。
[1−2−2.トルクカム]
トルクカム11は、入力軸1の回転動力により推力を発生させる機構である。ここでいう推力は、第1円盤40と第2円盤60とを近づける方向の力である。ここでは、第1円盤40を主軸線C1に沿う方向であって入力軸1から出力軸2に向かう方向(第1円盤40を第2円盤60に近づける方向)に押圧する推力を発生させるトルクカム11を例に挙げて説明する。
このトルクカム11は、上記したカム溝12b,14bとこれらのカム溝12b,14bの間に介装される転動体13とを有する。
図3(a)に示すように、入力面12aには、周方向に沿って複数の入力カム溝12b(一箇所のみに符号を付す)が等間隔に形成されている。
なお、図3(a)には、入力部12に4箇所の入力カム溝12bが配設されたものを例示するが、入力カム溝12bの形成個数は、3箇所以下であってもよいし5箇所以上であってもよく、伝達トルクの大きさによって設定されるのが好ましい。
この入力カム溝12bは、図3(b)に示すように、周方向において最も深い箇所12cから回転方向及び逆回転方向(即ち周方向)の双方向へ向けて次第に浅くなるように形成されている。なお、図3(a)及び(b)には、入力部12の回転方向を二重矢印で例示するが、この回転方向は逆方向であってもよい。
同様に、出力部14の出力面14aには、周方向に沿って複数の出力カム溝14bが形成されている。また、各出力カム溝14bは、入力面12aの各入力カム溝12bに対応して設けられ、周方向において最も深い箇所14cから回転方向及び逆回転方向に沿う方向へ向けて次第に浅くなるように形成されている。
転動体13は、動力伝達方向上流側の部分(符号「13a」を付す)を入力カム溝12bに収容されるとともに、動力伝達方向下流側の部分(符号「13b」を付す)を出力カム溝14bに収容されている。なお、転動体13は、球状に形成されている。
[1−2−3.第1傘歯車及び第2傘歯車]
次に、図2及び図4を参照して、第1傘歯車15及び第2傘歯車16を説明する。
第1傘歯車15及び第2傘歯車16(一箇所のみに符号を付す)は、主軸線C1まわりの回転を入力側軸線C11まわりの回転に変換するものである。主軸線C1まわりの回転はトルクカム11の出力部14から第1傘歯車15に伝達され、入力側軸線C11まわりの回転は第2傘歯車16から第1回転軸17(一箇所のみに符号を付す)に出力される。
第1傘歯車15は、主軸線C1を中心に回転するものである。この第1傘歯車15は、トルクカム11における出力部14の外周に円環状に固設されている。
第1傘歯車15の歯15aは、出力部14の外周から主軸線C1に沿う方向であって入力軸1から出力軸2(何れも図1参照)に向かう方向に突出して設けられている。
第2傘歯車16は、図4に示すように、主軸線C1を中心とする円周方向に沿って等間隔に複数設けられている。これらの第2傘歯車16は配設箇所を除いてそれぞれ同様に構成されている。ここでは、入力側軸線C11と同軸に設けられたものに着目して説明する。
第2傘歯車16は、入力側軸線C11を中心に回転するものである。この第2傘歯車16は、第1傘歯車15よりも出力軸2側に設けられている。第2傘歯車16の歯16aは、第1傘歯車15の歯15aと噛合している。
なお、本実施形態では、第1連結駆動機構10として傘歯車を用いた例を示すが、この傘歯車に代えて平歯車等の他の形式の歯車を適用可能なことは言うまでもない。
各第2傘歯車16は、次に説明する第1回転軸17に固設されている。
[1−2−4.第1回転軸]
第1回転軸17は、入力側軸線C11を中心に回転するものである。この第1回転軸17は、図2及び図4に示すように、主軸線C1に近い側の端部(以下、「内周側端部」という)17aがハウジング9(図2参照)に固設された第1中心部構造体7aに軸受けを介して支持されている。一方、第1回転軸17の内周側端部17aとは反対側の端部(以下、「外周側端部」という)17bは、図2に示すように、ハウジング9の側壁部9bに軸受けを介して支持されている。
図2及び図4に示すように、第1回転軸17には、固設される第1傘歯車16よりも内周側端部17a側にスプライン溝17cが形成されている。このスプライン溝17cには、次に説明する第1ローラ30が支持されている。
[1−3.第1ローラ]
図4に示すように、第1ローラ30(一箇所のみに符号を付す)は、第1回転軸17のそれぞれに対応して複数設けられている。これらの第1ローラ30は、配設箇所を除いてそれぞれ同様に構成されている。ここでは、入力側軸線C11と同軸に設けられたものに着目して説明する。
第1ローラ30は、入力側軸線C11を中心に回転するものである。この第1ローラ30は、図4及び図5に示すように、第1回転軸17のスプライン軸17cと嵌合されて一体に回転するとともに入力側軸線C11に沿って移動可能に設けられている。
このように、第2傘歯車16,第1ローラ30及び第1回転軸17は、入力側軸線C11を回転中心として配設され、また、第1回転軸17には、主軸線C1を基準として第2傘歯車16よりも内周側に第1ローラ30が固設されている。
図2に示すように、第1ローラ30の外周30aは、次に説明する第1円盤40の第1盤面40aと摩擦接触している。
[1−4.第1円盤]
第1円盤40は、主軸線C1を中心に回転するものである。この第1円盤40は、出力軸2側の第1盤面40aと入力軸1側の第1背面40bとを有する。これらの第1盤面40a及び第1背面40bは、それぞれ主軸線C1に直交する平面に沿って延在している。
また、第1円盤40は、主軸線C1に直交する方向において第1傘歯車15及び第2傘歯車16よりも主軸線C1に近い側(内周側)に配設され、主軸線C1に沿う方向においてトルクカム11の出力部14と第1ローラ30との間に配設されている。
第1円盤40と出力部14とは、相対回転可能に設けられるとともに主軸線C1に沿った方向の力を伝達可能に配設されている。詳細に言えば、第1円盤40の第1背面40bと出力部14における出力カム面14aと反対側の面(以下、「出力部背面」という)14cとが対面して配設され、これらの第1背面40bと出力部背面14cとの間に軸受けが介装されている。
この第1円盤40の回転中心部40cには、次に説明する第2駆動連結機構20が連結されている。
[1−5.第2駆動連結機構]
第2連結駆動機構20は、第1円盤40と第2ローラ50との間で動力伝達を担う機構である。
図1に示すように、第2連結駆動機構20は、回転動力の伝達方向順に、第3回転軸21,第3傘歯車22,第4傘歯車23,第2回転軸24を有する。
動力伝達方向において上流側の第3回転軸21及び第3傘歯車22は、それぞれ主軸線C1と同軸に配設されている。
一方、動力伝達方向において下流側の第4傘歯車23及び第2回転軸24は、第2傘歯車16及び第1回転軸17と同様に、それぞれ複数(ここでは3個づつ)設けられている。これらの第4傘歯車23及び第2回転軸24は、それぞれが主軸線C1と直交する出力側軸線C21(C22,C23)と同軸に配設されている。また、第2回転軸24は、第4傘歯車23のそれぞれに対応して主軸線C1まわりに等間隔で放射状に複数設けられている。
第2回転軸24とこれに対応する第1回転軸17とは、主軸線C1に沿って視たとき(例えば第1円盤40の第1盤面40aに投影して視たとき)に重畳するように配設されている。言い換えれば、第1回転軸17及び第2回転軸24は、互いに平行に配置されて対をなすように備えられている。
なお、第4傘歯車23及び第2回転軸24は、配設箇所(各出力側軸線C21〜C23の位置)を除いてそれぞれ同様に構成されている。ここでは、出力側軸線C21と同軸に設けられたものに着目して説明する。
[1−5−1.第3回転軸]
第3回転軸21は、主軸線C1を中心に回転するものである。この第3回転軸21は、図2に示すように、入力軸1(図1参照)側の端部(以下、「入力側端部」という)21aが支持部材8に軸受けを介して回転可能に支持され、出力軸2(図1参照)側の端部(以下、「出力側端部」という)21bがハウジング9に固設された第2中心部構造体7bに軸受けを介して支持されている。
第3回転軸21の動力伝達方向上流側、即ち、入力軸1側には第1円盤40の回転中心部40cが固設されている。一方、第3回転軸21の動力伝達方向下流側、即ち、出力軸2側には次に説明する第3傘歯車22が固設されている。
[1−5−2.第3傘歯車及び第4傘歯車]
第3傘歯車22及び第4傘歯車23は、主軸線C1まわりの回転を出力側軸線C21まわりの回転に変換するものである。主軸線C1まわりの回転は第3回転軸21から第3傘歯車22に伝達され、出力側軸線C21まわりの回転は第4傘歯車23から第2回転軸24に出力される。
第3傘歯車22は、主軸線C1を中心に回転するものである。一方、第4傘歯車23は、出力側軸線C21を中心に回転するものである。
第3傘歯車22の歯22aと第4傘歯車23の歯23aとは噛合している。この第4傘歯車23は、次に説明する第2回転軸24に固設されている。
[1−5−3.第2回転軸]
第2回転軸24は、出力側軸線C21を中心に回転するものである。この第2回転軸24は、主軸線C1に近い側の端部(以下、「内周側端部」という)24aが第2中心部構造体7bに軸受けを介して支持され、内周側端部24aと反対側の端部(以下、「外周側端部」という)24bがハウジング9の側壁部9bに軸受けを介して支持されている。
第2回転軸24には、固設される第4傘歯車23よりも外周側端部24b側にスプライン溝24cが形成されている。このスプライン溝24cには、次に説明する第2ローラ50が支持されている。
[1−6.第2ローラ]
図示省略するが、第2ローラ50は、第2回転軸24のそれぞれに対応して設けられている。これらの第2ローラ50は、配設箇所を除いてそれぞれ同様に構成されている。ここでは、出力側軸線C21と同軸に設けられたものに着目して説明する。
第2ローラ50は、出力側軸線C21を中心に回転するものである。この第2ローラ50は、図2及び図5に示すように、第2回転軸24のスプライン溝24cと嵌合されて一体に回転するとともに出力側軸線C21に沿って移動可能に設けられている。
図2に示すように、出力側軸線C21と同軸の第2ローラ50は、主軸線C1に沿って視たとき(例えば第1円盤40の第1盤面40aに投影して視たとき)に、詳細を後述するハウジング部材70によって連結される入力側軸線C11と同軸の第1ローラ30と重畳するように配設されている。言い換えれば、対応する第1ローラ30及び第2ローラ50は、主軸線C1を基準とした径方向位置及び周方向位置とが一致されて配設されている。
このように、第4傘歯車23,第2ローラ50及び第2回転軸24は、出力側軸線C21を回転中心として配設され、また、第2回転軸24には、主軸線C1を基準として第4傘歯車23よりも外周側に第2ローラ50が固設されている。
第2ローラ50の外周50aは、次に説明する第2円盤60の第2盤面60aと摩擦接触している。
[1−7.第2円盤及び出力軸]
第2円盤60は、主軸線C1を中心に回転するものである。この第2円盤60は、入力軸1(図1参照)側の第1盤面60aと出力軸2(図1参照)側の第2背面60bとを有する。これらの第2盤面60a及び第2背面60bは、それぞれ主軸線C1に直交する平面に沿って延在している。
また、第2円盤60は、トルクカム11による推力に対抗可能であって相対回転可能にケーシング9に支持されている。詳細に言えば、第2円盤60の第2背面60bとハウジング9における出力側壁部9aの内壁面91aとが対面して配設され、これらの第2背面60bと内壁面91aとの間に軸受けが介装されている。
第2円盤60の回転中心部60cには、図1に示すように、出力軸2が連結されている。
出力軸2は、第2円盤60の回転動力を出力する動力伝達軸である。この出力軸2には、主軸線C1まわりの回転が出力される。
ここでは、出力軸2が軸受けを介してケーシング9に支持されている。
[1−8.ハウジング部材]
次に、図2及び図5を参照して、ハウジング部材70を説明する。
ハウジング部材70は、互いに平行な第1回転軸17及び第2回転軸24にそれぞれ支持された第1ローラ30及び第2ローラ50をそれぞれ回転可能に支持するとともに、主軸線C1に沿う方向の力を伝達可能に連結するものである。また、ハウジング部材70は、第1回転軸17及び第2回転軸24に沿って移動可能に設けられている。なお、1個の第1ローラ30とこれに対応する1個の第2ローラ50とに対して1個のハウジング部材70が設けられている。例えば、入力側軸線C11(C12,C13)に沿って移動可能な第1ローラ30と出力側軸線C21(C22,C23)に沿って移動可能な第2ローラ50とに対して1個のハウジング部材70が設けられている。
図示省略するが、ここでは3組のローラ30,50に対応して3個のハウジング部材70が設けられている。これらのハウジング部材70は、配設箇所を除いて同様に構成されている。ここでは、入力側軸線C11及び出力側軸線C21に沿って移動可能なハウジング部材70に着目して説明する。
ハウジング部材70は、第1ローラ30と第2ローラ50とを主軸線C1に沿う方向に連結している。このハウジング部材70は、軸受け71を介して第1ローラ30を支持し、同様に、軸受け72を介して第2ローラ50を支持している。
ハウジング部材70において、第1ローラ30と第2ローラ50との間(中央)には、雌ネジ穴70aが設けられている。この雌ネジ穴70aには、図1に示すように、アクチュエータ機構80が連結されている。
[1−9.アクチュエータ機構]
最後に、図1及び図2を参照してアクチュエータ機構80を説明する。
アクチュエータ機構80は、ハウジング部材70を第1回転軸17及び第2回転軸24に沿う方向に移動させるものである。
図1に示すように、アクチュエータ機構80はモータ81を有しており、このモータ81は、ケーシング9の側壁部9b(図2参照)に固設されている。
モータ81の出力軸82は、第1回転軸17及び第2回転軸24に沿って設けられ、図2に示すように、雄ネジ82aが螺刻されている。この出力軸82は、ケーシング9の側壁部9bを貫通してケーシング9内部に突設されている。なお、図2に示すように、出力軸82の先端82bは、第1中心部構造体7a(図1参照)に軸受けを介して支持されている。
出力軸82は、その雄ネジ82aをハウジング部材70の雌ネジ穴70aに螺合するとともに貫通して設けられている。
なお、アクチュエータ機構80は、ハウジング部材70のそれぞれに対応して複数(ここでは3個)設けられている。これらのアクチュエータ機構80では、それぞれモータ81の回転(出力軸82の回転)が同期制御され、各ハウジング部材70の径方向位置(主軸線C1からの距離)が同期される。ただし、アクチュエータ機構80が、1個のモータ81と1個の出力軸82とに加えて、複数のハウジング部材70の径方向移動を同期させるとともに機械的に連結するリンク機構を有し、1個のモータ81の回転を制御することで各ハウジング部材70の径方向位置を同期させてもよい。
また、第2円盤60を除いて、第1円盤40、第1及び第2回転軸17,24並びに第1及び第2ローラ30,50等の動力伝達に寄与する部材は、トルクカム11の推力を前記第2円盤60に伝達するために、例えば軸受けの隙間(所謂ガタやあそび)を調節することで、主軸線C1方向に沿ってごく僅かだけ可動に構成されていることが好ましい。
[2.作用及び効果]
本発明の一実施形態にかかる摩擦式無段変速機は、上述のように構成されるため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
[2−1.作用]
はじめに、本実施形態にかかる摩擦式無段変速機の作用を説明する。
まず、回転動力の伝達に着目して作用を説明する。
回転動力が入力されて入力軸1が回転すると、同一回転速度でトルクカム11が回転する。トルクカム11では、入力軸1に固設された入力部12の回転が転動体13を介して出力部14を回転させる。このようにして入力部12と出力部14とが同一回転速度で回転する。
トルクカム11の出力部14が回転すると、同一回転速度で第1傘歯車15が回転し、これに噛合する第2傘歯車16が回転する。このとき、回転動力が主軸線C1に沿って入力軸1側から出力軸2側へ向けて伝達される。また、第1傘歯車15の歯数(第1傘歯車15の径に対応)と第2傘歯車16の歯数(第2傘歯車16の径に対応)との比で回転動力が変速される。
そして、第2傘歯車16と第1回転軸17及び第1ローラ30とは同一回転速度で回転する。
次に、第1ローラ30と第1円盤40との間で、回転動力が主軸線C1に沿って出力軸2側から入力軸1側へ向けて伝達される。このとき、第1ローラ30の径と第1円盤40に第1ローラ30が摩擦接触する位置(第1円盤40において第1ローラ30が摩擦接触する箇所の径)との比である第1変速比で回転速度が変速される。
第1変速比で変速された回転速度で回転する第1円盤40は、第3回転軸21及び第3傘歯車22と一体に回転する。
第3傘歯車22に噛合する第4傘歯車23は、第3傘歯車22の歯数(第3傘歯車22の径に対応)と第4傘歯車23の歯数(第4傘歯車23の径に対応)との比で変速された回転速度で回転する。
第4傘歯車23と第3回転軸24及び第2ローラとは同一回転速度で回転する。
第2ローラ50と第2円盤60との間では、第2ローラ50の径と第2円盤60に第2ローラ50が摩擦接触する位置(第2円盤60において第2ローラ50が摩擦接触する箇所の径)との比である第2変速比で回転速度が変速される。
このように変速された回転速度で回転する第2円盤60は、回転動力を同一回転速度で出力軸2に伝達する。
アクチュエータ機構80のモータ81を作動させると、モータ81の出力軸82が回転し、出力軸82の雄ネジ82aに螺合する雌ネジ部70aを有するハウジング部材70が第1回転軸17及び第2回転軸24に沿う方向に移動する。これにより、第1ローラ30及び第2ローラ50の径方向位置(主軸線C1からの距離)が同期して変更される。
例えば、ハウジング部材70及びローラ30,50が主軸線C1から離隔する位置に移動されたときの第1変速比及び第2変速比は、これよりもハウジング部材70及びローラ30,50が主軸線C1に近接する位置(図1及び図2に二点鎖線で示す)に移動されたときの第1変速比及び第2変速比よりもLow側となる。本実施形態の摩擦式無段変速機では、前者の変速比がそれぞれHigh側の第1変速比及び第2変速比を乗算したものに対応し、後者の変速比がそれぞれLow側の第1変速比及び第2変速比を乗算したものに対応する。
次に、トルクカム11による推力に着目して作用を説明する。
トルクカム11では、入力部12と出力部14との間で主軸線C1を中心としたときの周方向に捩れる力が作用する。具体的には、入力カム溝12bを介して転動体13が主軸線C1に沿う方向に押圧され、出力カム溝14bを介して出力部14が主軸線C1に沿う方向に押圧される。このようにして発生した推力は、出力部14から第1円盤40,第1ローラ30,ハウジング部材70,第2ローラ50,第2円盤60の順に、主軸線C1に沿って伝達される。
第2円盤60の第2背面60bは、軸受けを介してケーシング9の内壁面91aに支持されているため、トルクカム11により発生された推力は、ケーシング9に支持される第2円盤60の反作用により、第1円盤40と第2円盤60との間に第1ローラ30及び第2ローラ50を挟みこむ圧縮力として作用する。このため、推力は、第1円盤40と第2円盤60との間に発生される圧縮力と捉えることもできる。
[2−2.効果]
以下、本実施形態にかかる摩擦式無段変速機の効果を説明する。
本実施形態の摩擦式無段変速機によれば、第1ローラ30の入力側軸線C11上における位置(主軸線C1との距離)に応じて、第1ローラ30の回転速度と第1円盤40の回転速度との比である第1変速比が可変に設定され、また、第2ローラ50の出力側軸線C21上における位置(主軸線C1との距離)に応じて、第2ローラ50の回転速度と第2円盤60の回転速度との比である第2変速比が可変に設定されるため、摩擦式無段変速機の変速比は、第1変速比と第2変速比とを乗算したものに対応する。このように、二段階の可変変速機構を有するため、変速比を累乗的に変更することができ、サイズの大型化を抑えつつレシカバを確保することができる。
ここで、一段階のみの可変変速機機構を備えた従来の摩擦式無段変速機と、本実施形態の摩擦式無段変速機とを対比する。
一段階のみの可変変速機構を備えた摩擦式無段変速機では、レシカバを確保するために、円盤に摩擦接触するローラの可動範囲を拡大することが必要となる。このためには、円盤の拡径化を要し、摩擦式無段変速機のサイズの大型化を招いてしまうおそれがある。サイズの大型化を抑えれば、ローラの可動範囲を拡大することができず、レシカバを確保することができないおそれがある。これに対して、本実施形態の摩擦式無段変速機は、二段階の可変変速機構を有するため、サイズの大型化を抑えつつレシカバを確保することができる。
第1ローラ30及び第2ローラ50が第1円盤40と第2円盤60との間に設けられ、第1ローラ30及び第2ローラ50をそれぞれ回転可能に支持するとともに主軸線C1に沿う方向の力を伝達可能に連結するハウジング部材70を有するため、第1ローラ30及び第2ローラ50の主軸線C1に対する距離を同期させることができ、第1変速比と第2変速比を同時に変更することができる。さらに、対応する第1ローラ30及び第2ローラ50を1個のハウジング部材70が支持しているため、簡素な構成とすることができる。
トルクカム11により第1円盤40と第2円盤60とを近づける方向の推力が発生されるため、第1ローラ30と第1円盤40の第1盤面40aとが摩擦接触する箇所を押圧するとともに、第2ローラ50と第2盤面60の第2盤面60aとが摩擦接触する箇所を押圧することができる。これにより、回転動力の伝達効率を向上させることができる。
また、トルクカム11は、入力軸1に入力された回転動力により第1円盤40を第2円盤60に近づける方向に推力を発生させるため、本摩擦式無段変速機において伝達される回転動力を用いて推力を所望の方向に発生させることができる。更に言えば、推力を発生させるために油圧やエア圧等を用いることがなく、簡素な構成とすることができる。延いては、推力を発生させるための他の駆動源を省略することができ、エネルギー効率を向上させることができる。
第2円盤60は、トルクカム11による推力に対抗可能であって相対回転可能にケーシング9に支持されているため、トルクカム11により発生された推力により第2円盤60が入力軸1側から出力軸1側に押圧されたときに、推力の反作用により第1円盤40と第2円盤60との間に圧縮力を作用させることができる。よって、推力によって確実に摩擦接触箇所を押圧することができ、動力伝達効率を向上させることができる。
第1回転軸17及び第2回転軸24は、主軸線C1まわりに等間隔で放射状に複数設けられ、複数の第1回転軸17のそれぞれに第1ローラ30が装備され、複数の第2回転軸24のそれぞれに第2ローラ50が装備されているため、トルクカム11により発生された推力を、複数設けられた第1ローラ30及び第2ローラ50のそれぞれに分担させることができ、推力を効率よく作用させて動力伝達効率を確保することができる。
アクチュエータ機構80は、ローラ30,50を回転可能に支持するハウジング部材70を第1回転軸17及び第2回転軸24に沿って移動させるため、ローラ30,50を同期して移動させることができ、第1変速比及び第2変速比を同時に変更することができる。これにより、簡素な構成で変速比を効率よく変更することができる。すなわち、変速機のサイズの大型化を抑えつつレシカバを拡大することができる。例えば、第1ローラ及び第2ローラのそれぞれにアクチュエータ機構が連結されるものに比較して、簡素な構成とすることができる。
第1駆動連結機構10は、主軸線C1と同軸の第1傘歯車15と、入力側軸線C11に沿って配設される第1回転軸17と同軸の第2傘歯車16とを有するため、入力軸1に入力された主軸線C1まわりの回転動力を入力側軸線C11まわりの回転動力に変換して第1ローラ30に伝達することができる。
第2駆動連結機構20は、主軸線C1と同軸の第3傘歯車23と、出力側軸線C21に沿って配設される第2回転軸24と同軸の第4傘歯車23とを有するため、第1円盤40の主軸線C1まわりの回転動力を出力側軸線C21まわりの回転動力に変換して第2ローラ50に伝達することができる。
さらに、第1円盤40は、主軸線Cに直交する方向において第1傘歯車15及び第2傘歯車16よりも主軸線C1に近い側(内周側)に配設され、主軸線C1に沿う方向においてトルクカム11の出力部14と第1ローラ30との間に配設されているため、第1円盤40と第2円盤60との間に第1ローラ30及び第2ローラ50を配設することができ、第1ローラ30と第1円盤40との摩擦接触箇所と第2ローラ50と第2円盤60との摩擦接触箇所との両箇所にトルクカム11により発生された推力を作用させることができる。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。上述した一実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。
上述の実施形態では、二段階の可変変速機構を有する摩擦式無段変速機を示したが、かかる可変変速機構が三段階以上設けられていてもよい。例えば、相対回転可能であって軸方向に移動可能に支持されたローラとこのローラの外周に摩擦接触する盤面を有する円盤が、第1ローラ30と入力軸1との間や第2ローラ40と出力軸2との間に設けられていてもよい。すなわち、各ローラ30,50と入出力軸1,2との間に任意の段数だけ可変変速機構が介装されていてもよい。このように、第1ローラ30には少なくとも入力軸1が駆動連結されていればよく、また、第2ローラ50には出力軸2が駆動連結されていればよい。この場合、可変変速機構が設けられた段数分だけ累乗的に変速比を変更することができ、更にレシカバの拡大を図ることができる。
また、連結駆動機構10,20は、上述した構成に特定されず、さまざまな駆動連結機構を用いることができる。例えば、摩擦式無段変速機の設計に応じて、更なる歯車機構の追加や各構成要素の配設を変更してもよい。
また、ハウジング部材70は省略してもよい。この場合、第1ローラ30及び第2ローラ50のそれぞれを第1回転軸17及び第2回転軸24に沿って移動させる移動機構(例えばアクチュエータ機構)を設けることで、第1変速比と第2変速比とを独立して変更することができる。この場合、トルクカム11に代えて、油圧やエア圧によって各摩擦接触箇所の接触圧を発生させる装置が備えられることが好ましい。この際、当然ながら第2円盤60はトルクカム11の推力に対抗可能に支持される必要はない。
上述の一実施形態では、回転動力が入力軸1から入力されるものを説明したが、逆に、出力軸2から回転動力が入力されてもよい。この場合、上述の入出力関係を逆に読み替えればよい。かかる入出力関係においては、トルクカムが出力軸2と第2円盤60との間に設けられれば、入力された回転動力により推力を発生させることができる。
1 入力軸(第1動力伝達軸)
2 出力軸(第2動力伝達軸)
9 ケーシング
10 第1駆動連結機構
11 トルクカム
12 入力部
13 転動体
14 出力部
15 第1傘歯車
16 第2傘歯車
17 第1回転軸
17c スプライン溝
20 第2駆動連結機構
21 第3回転軸
22 第3傘歯車
23 第4傘歯車
24 第2回転軸
24c スプライン軸
30 第1ローラ
30a 外周
40 第1円盤
40a 第1盤面
40b 第1背面
40c 回転中心部
50 第2ローラ
50a 外周
60 第2円盤
60a 第2盤面
60b 第2背面
60c 回転中心部
70 ハウジング部材
70a 雌ネジ穴
80 アクチュエータ機構
81 モータ
82 出力軸
1 主軸線
11,C12,C13 入力側軸線(第1の直交軸線)
21,C22,C23 出力側軸線(第2の直交軸線)

Claims (10)

  1. 主軸線上に同軸に配置された第1動力伝達軸と第2動力伝達軸との間に介装される摩擦式無段変速機であって、
    前記第1動力伝達軸に駆動連結され、第1回転軸に相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持された第1ローラと、
    前記主軸線と同軸に配設され、前記第1ローラの外周に摩擦接触する第1盤面を有して前記第1ローラと回転動力を伝達する第1円盤と、
    前記第1円盤に駆動連結され、第2回転軸に相対回転不能かつ軸方向移動可能に支持された第2ローラと、
    前記主軸線と同軸に配設され、前記第2動力伝達軸に駆動連結され、前記第2ローラの外周に摩擦接触する第2盤面を有して前記第2ローラと回転動力を伝達する第2円盤と、を備えている
    ことを特徴とする、摩擦式無段変速機。
  2. 前記第1回転軸は、前記主軸線に直交する第1の直交軸線に同軸に配置され、
    前記第1ローラは、前記第1動力伝達軸に第1駆動連結機構を介して連結され、
    前記第2回転軸は、前記主軸線に直交する第2の直交軸線に同軸に配置され、
    前記第2ローラは、前記第1円盤に第2駆動連結機構を介して連結されている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の摩擦式無段変速機。
  3. 前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、前記主軸線のまわりに等間隔で放射状に複数設けられ、
    複数の前記第1回転軸のそれぞれに前記第1ローラが装備され、複数の前記第2回転軸のそれぞれに前記第2ローラが装備されている
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の摩擦式無段変速機。
  4. 前記第1回転軸及び前記第2回転軸は、互いに平行に配置されて対をなすように備えられ、
    前記第1ローラ及び前記第2ローラは、前記第1円盤と前記第2円盤との間に設けられ、
    互いに平行な前記第1回転軸及び前記第2回転軸にそれぞれ支持された前記第1ローラ及び前記第2ローラを何れも回転可能に支持するとともに前記主軸線に沿う方向の力を伝達可能に連結するハウジング部材を備えている
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の摩擦式無段変速機。
  5. 前記ハウジング部材は、前記第1回転軸及び前記第2回転軸に沿って移動可能に設けられ、
    前記ハウジング部材を前記第1回転軸及び前記第2回転軸に沿って移動させるアクチュエータ機構を備えている
    ことを特徴とする、請求項4に記載の摩擦式無段変速機。
  6. 前記第1円盤と前記第2円盤とを近づける方向の推力を発生させるトルクカムを有する
    ことを特徴とする、請求項4又は5に記載の摩擦式無段変速機。
  7. 前記第1動力伝達軸は、回転動力が入力される入力軸であり、
    前記第2動力伝達軸は、回転動力が出力される出力軸であり、
    前記トルクカムは、前記入力軸に入力された回転動力により前記第1円盤を前記第2円盤に近づける方向の前記推力を発生させる
    ことを特徴とする、請求項6に記載の摩擦式無段変速機。
  8. 前記第2円盤を前記トルクカムによる推力に対抗可能であって相対回転可能に支持するケーシングを備えた
    ことを特徴とする、請求項7に記載の摩擦式無段変速機。
  9. 前記第1駆動連結機構は、
    前記主軸線と同軸に配設され、前記第1動力伝達軸に駆動連結される第1傘歯車と、
    前記第1回転軸と、
    前記第1回転軸に同軸に固設されるとともに前記第1傘歯車と噛合し、前記主軸線を基準として前記第1ローラよりも外周側に配置される第2傘歯車と、を有する
    ことを特徴とする、請求項2又は請求項2を引用する請求項3〜8の何れか1項に記載の摩擦式無段変速機。
  10. 前記第2駆動連結機構は、
    前記主軸線と同軸に配設され、前記第1円盤の回転中心部に連結される第3回転軸に固設される第3傘歯車と、
    前記第2回転軸と、
    前記第2回転軸と同軸に固定されるとともに前記第3傘歯車と噛合し、前記主軸線を基準として前記第2ローラよりも内周側に配置される第4傘歯車と、を有する
    ことを特徴とする、請求項2又は請求項2を引用する請求項3〜9の何れか1項に記載の摩擦式無段変速機。
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