JP6358829B2 - 多層フィルム及びそれを用いた包装材 - Google Patents
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Description
(2)前記層(a1)におけるポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンである、(1)に記載の多層フィルム。
(3)前記層(a1)における環状オレフィン樹脂のガラス転移温度Tgが、120℃以上170℃以下である、(1)又は(2)に記載の多層フィルム。
(4)フィルムの総厚みが30〜100μmである、(1)〜(3)のいずれか一に記載の多層フィルム。
(5)(1)〜(4)のいずれか一に記載の多層フィルムを成形してなる包装材。
<層(a1)>
基材層は単層又は二以上の層からなり、環状オレフィン樹脂及び融点が120℃以上のポリオレフィン系樹脂を含有する層(a1)を必須の成分として含有する。
環状オレフィン樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物等を挙げることができる。
R9とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R5〜R8はそれぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
層(a1)のポリオレフィン系樹脂としては、密度が0.900以上0.940未満の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、及び、密度が0.930以上の高密度ポリエチレン樹脂、もしくはポリプロピレン樹脂を用いることができる。
基材層(A)は、上記層(a1)上に他の層が積層された多層構成であってもよい。
本発明の多層フィルムが、医薬品や飲食品等の人が摂取する物の包装材として用いられる場合であって、シーラント層が被包装物と接触する構成をとる場合、シーラント層に用いるポリエチレン樹脂は低温でヒートシール可能であること、及び製造時に触媒を使用しない点で高圧法低密度ポリエチレン樹脂が特に好ましく用いられる。低温でヒートシール可能な他の樹脂として、遷移金属触媒を用いて製造される直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が挙げられる。シーラント層は、高圧法低密度ポリエチレンの他に直鎖状低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。
シーラント層に用いる樹脂としては、密度が0.900以上0.940未満の高圧法低密度ポリエチレン樹脂を用いることができる。
基材層及びシーラント層の製造方法は、押出機を使用して、樹脂組成物をフィルムに成形する成形工程を含む。該成形工程においては、一般的に用いられる押出成形法に従い、押出機のシリンダー内で上記の樹脂組成物を溶融体にした後、押出機のダイから溶融した樹脂組成物を引き落として空気中又は水中等で冷却し、フィルムが成形される。成形工程において使用する押出機としては、特に限定されないが、単軸押出機、2軸押出機又はスクリュー押出機(フルフライト、ダブルフライト等のタイプ)等を使用できる。
本発明の包装材は、上記本発明の多層フィルムを成形してなる。成形方法は特に限定されず、包装材の形状等に応じて、押出成形、ブロー成形及び真空成形等適宜好ましい成形方法を用いることができる。本発明の多層フィルムは防湿性に優れるため、本発明の包装材は水蒸気等によって劣化する製品を保存する包装材として好適である。さらに、開封時に直線的に切れるため、内容物の漏出を防止することができる。本発明の包装材の被包装物としては、とくに限定されないが、例えば、医薬品、医療用品、衛生用品及び飲食品等が挙げられる。また、断熱性や耐熱性にも優れるので、高温の液体(例えば60℃以上の熱湯)と接触する容器等にも使用できる。
実施例で使用した環状オレフィン樹脂は以下のとおりである。
COC−1:商品名「TOPAS6013M−07」、TOPAS Advanced Polymers社製、Tg:142℃
COC−2:商品名「TOPAS5013F−04」、TOPAS Advanced Polymers社製、Tg:134℃
COC−3:商品名「TOPAS7010F−600」、TOPAS Advanced Polymers社製、Tg:110℃
実施例で基材層に使用したポリオレフィン系樹脂は以下のとおりである。
高密度ポリエチレン(HDPE):商品名「ノバテックHY540」、日本ポリエチレン株式会社製、融点:135℃
ポリプロピレン(PP):商品名「ウィンテックWFW5T」、日本ポリプロ株式会社製、融点:144℃
高圧法低密度ポリエチレン(LDPE−1):商品名「ノバテックLF342M」、日本ポリエチレン株式会社製、融点:113℃
実施例でシーラント層に使用した高圧法低密度ポリエチレンは以下のとおりである。
高圧法低密度ポリエチレン(LDPE−2):商品名「スミカセンF−218M」、住友化学株式会社製
三層インフレーション成形機(トミー機械工業株式会社製)を用いて、基材層(A)及びシーラント層(B)を有する2層の多層共押出フィルム(全層厚さ:50μm)を作製し、多層フィルムとした。該多層共押出フィルムの成形条件は下記の通りである。
JIS K7128−2に準じてエルメンドルフ引き裂き試験を行い、フィルムの縦方向(MD)及び横方向(TD)の引き裂き強度を測定した。引き裂き強度が低いほど、フィルムの引き裂きに対する耐性が低く、容易に引き裂くことができる(易引き裂き性)。例えば、多層フィルムを包装材として用いる場合には、容易に開封できることが好ましい場合があるが、引き裂き強度が0.25N/枚以下であれば手で容易に引き裂いて開封することができる。
JIS K7128−1に準じてトラウザー引き裂き試験を行い、引き裂きの終点とフィルムの中心からの距離(図1の矢印の距離)を4段階で判定した。
◎:中心から1mm未満
○:中心から1mm以上2mm未満
△:中心から2mm以上3mm未満
×:中心から4mm以上
JIS K7128−2に準じてエルメンドルフ引き裂き試験を行い、切断面を下記の4段階で判定した。
◎:切断面に波形がない
○:切断面が若干波形
△:切断面がやや波形
×:切断面が波形
フィルム製膜時の安定性を下記の4段階で判定した。
◎:安定して製膜でき、厚みムラも少ない。
○:安定して製膜できるが、若干厚みムラを生じる。
△:製膜できるが、安定性に欠ける。
×:製膜が困難である。
TP−701ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製)を用いてフィルムを120℃、0.65kg/cm2、10秒の条件でヒートシールした時の収縮、シワを4段階で判定した。
◎:収縮、シワが見られない。
○:収縮、シワがわずかに見られる。
△:収縮、シワが大きい。
×:フィルムが溶融し、大きな収縮や破断を伴う。
JIS Z0208に準じて40℃、湿度90%下で透湿性試験(カップ法)を行い、フィルムの透湿度を測定した。透湿度が低いほど、フィルムの水蒸気バリア性(防湿性)が高く、包装材として用いた時の内容物の長期保管に適している。
Claims (5)
- 環状オレフィン樹脂と、融点130℃以上のポリオレフィン系樹脂とを含有する層(a1)を含む基材層(A)と、高圧法低密度ポリエチレンを含むシーラント層(B)とを積層した多層フィルムであって、前記層(a1)における環状オレフィン樹脂の含有量が、前記層(a1)全質量に対して40質量%以上60質量%以下である多層フィルム。
- 前記層(a1)におけるポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンである、請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記層(a1)における環状オレフィン樹脂のガラス転移温度Tgが、120℃以上170℃以下である、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
- フィルムの総厚みが30〜100μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の多層フィルムを成形してなる包装材。
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