JP6357947B2 - 多層基材及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
モバイル型情報端末機器の小型化、軽量化の観点から、これに搭載されるタッチパネルや画像表示素子にも薄型化が求められている。タッチパネルや画像表示素子を薄型化する方法としては、これらの構成部材である各種機能性フィルムの枚数を削減する方法や、当該機能性フィルムの厚みを薄くする方法などが検討されている。
各種機能性フィルムとしては、反射防止性、帯電防止性、導電性などの光学的あるいは電気的な性能を有するフィルムの他、タッチパネルに用いられる電極(センサー)部分を保護する目的で設けられる保護フィルムなども挙げることができる。
また、画像表示装置に用いる機能性フィルムには、外観性の点から、着色が少なく、及び長期間の保存、特に高温高湿条件下で保存しても黄変しないことが要求される。しかしながら特許文献1にはハードコートフィルムの着色抑制についても開示及び示唆がない。
特に、タブレット型PCやスマートフォンなどの、タッチパネルを備えたモバイル型機器においては、例えば上着やズボンのポケットに入れたまま持ち運ぶ際などに屈曲したり、ディスプレイ面に体重がかかったりすることがある。そのため、モバイル型のタッチパネル画像表示装置に用いるフィルムには上記のような力がかかっても割れないだけの柔軟性が要求される。したがって従来のハードコートフィルムのように、単に硬度があり、カールしないというだけでは性能として不十分である。
すなわち、本発明は、以下の[1]及び[2]の多層基材及び画像表示装置を提供する。
[1]基材フィルムの少なくとも一方の面に保護層を有する多層基材であって、該基材フィルムの厚みが40μm以下であり、該保護層がカチオン重合性樹脂とラジカル重合性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であり、CIE1976−L*a*b*表色系においてb*が2.0以下である、多層基材。
[2]上記[1]に記載の多層基材を備えた画像表示装置。
[多層基材]
本発明の多層基材は、基材フィルムの少なくとも一方の面に保護層を有し、該基材フィルムの厚みが40μm以下であり、該保護層がカチオン重合性樹脂とラジカル重合性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である。また本発明の多層基材は、CIE1976−L*a*b*表色系においてb*が2.0以下であることを特徴とする。保護層は基材フィルムの片面及び両面のいずれに設ける構成でもよいが、本発明の多層基材は、基材フィルムの片面のみに保護層を有する構成であってもカール発生抑制効果を有するものである。
本発明の多層基材に用いる基材フィルムとしては、光透過性、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものであることが好ましい。このような基材フィルムとしては、ポリエステル、トリアセチルセルロース(TAC)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリウレタン及び非晶質オレフィン(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)等のプラスチックフィルムが挙げられる。基材フィルムは、2枚以上のプラスチックフィルムを貼り合わせたものであってもよい。
上記の中でも、トリアセチルセルロースフィルム、ポリエステルフィルム、及びアクリルフィルムから選ばれる基材フィルムが好ましい。機械的強度や寸法安定性の観点からは、延伸加工、特に一軸又は二軸延伸加工されたポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)が好ましく、TAC、アクリルは光透過性及び光学的等方性の観点で好適である。
COP、ポリエステルはリタデーション制御が容易な点で好適である。また、リタデーション値3000〜30000nmのプラスチックフィルム又は1/4波長位相差のプラスチックフィルムは、偏光サングラスを通して画像を観察した場合に、表示画面に色の異なるムラが観察されることを防止できる点で好適である。
基材フィルムの表面には、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理の他、アンカー剤又はプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
本発明の多層基材は、厚みの薄い基材フィルムの強度を補強する観点、及び、画像表示装置の製造工程中における十分な表面保護性能を付与する観点から、基材フィルムの少なくとも一方の面に保護層を有する。該保護層は、厚みの薄い基材フィルムを用いた場合でもカール発生を抑制する観点、着色及び高温高湿条件保存下での黄変を抑制する観点から、カチオン重合性樹脂とラジカル重合性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。
一方、カチオン重合性樹脂は硬化膨張して基材フィルム側にカールするか、あるいは硬化収縮するものでも比較的硬化収縮率が低いという特徴がある。しかしながら硬化物の硬さの点ではラジカル重合性樹脂に劣る。また、カチオン重合開始剤を含む樹脂組成物の硬化物は着色しやすいことに加え、特に高温高湿条件下で保存した場合に黄変が発生しやすい傾向がある。
しかしながら本発明者らは、画像表示装置の内部で用いられる保護用部材(例えばタッチパネル画像表示装置の内部に備えられるエアギャップ部又はボンディング部に用いる保護用部材)としては、カチオン重合性樹脂とラジカル重合性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物を用いることで、画像表示装置の製造工程において生じうる傷つきを防止できるとともに、厚み40μm以下の基材フィルムを用いた場合でもカール発生が抑制され、さらには高温高湿条件下で保存した場合や太陽光等の外光下での黄変も少なく、柔軟性にも優れ、CIE1976−L*a*b*表色系におけるb*を2.0以下にできることを見出したものである。
本発明に用いられる電離放射線硬化性樹脂組成物は、カチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂のほか、好ましくは光重合開始剤、各種添加剤、溶剤を含む樹脂組成物である。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。本発明においては、ラジカル重合性樹脂及びカチオン重合性樹脂は紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
電離放射線硬化性のカチオン重合性樹脂としては、分子中にカチオン重合性官能基を有し、かつラジカル重合性官能基を有さない化合物が挙げられる。カチオン重合性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等が挙げられ、エポキシ基及びオキセタニル基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。なかでも、得られる保護層の強度、及び硬化性の観点から、カチオン重合性樹脂は分子中にカチオン重合性官能基を2つ以上有する化合物が好ましく、分子中にエポキシ基を2つ以上有する化合物を含むことがより好ましい。
カチオン重合性樹脂はカチオン重合性官能基を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
カチオン重合性樹脂として用いられるカチオン重合性のモノマーとしては、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ブタンジオールビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテルなどのビニルエーテル類;フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−ドデシレンオキサイド、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイドなどのグリシジルエーテル類;3−エチル−3−ヒドロキシエチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、2−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、レゾルシノールビス(3−メチル−3−オキセタニルエチル)エーテル、キシリレンビスオキセタン、m−キシリレンビス(3−エチル−3−オキセタニルエチルエーテル)などのオキセタン類;シクロヘキセンオキサイド、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3’,4’−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)セバケートなどの脂環式エポキシ類;を挙げることができる。
上記のうち、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、(3,3′,4,4′−ジエポキシ)ビシクロヘキシル及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3’,4’−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレートから選ばれる1種以上が好ましい。
当該オリゴマーとしては、例えば、下記式(1)〜(2)で示される化合物等が挙げられる。
カチオン重合性オリゴマーが上記式(1)で示される化合物である場合、その重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)は、好ましくは2,000〜3,800である。またカチオン重合性オリゴマーが上記式(2)で示される化合物である場合、その重量平均分子量は、好ましくは1,200〜2,000である。なかでも、上記式(1)で示される化合物が好ましい。
上記式(1)で示される化合物を含む市販品としては、「EHPE3150」(商品名、(株)ダイセル製)等を挙げることができる。
ポリマー型カチオン重合性樹脂のガラス転移温度については特に制限はないが、高い方が好ましく、通常40℃以上である。
ポリマー型カチオン重合性樹脂の官能基数にも特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子あたりの官能基数が多い(すなわち、官能基当量が低い)ことが好ましい。ポリマー型カチオン重合性樹脂の官能基当量は、好ましくは400g/当量以下、より好ましくは300g/当量以下、さらに好ましくは250g/当量以下である。
一般式(3)で示される構成単位としては、例えば下記(3−1)〜(3−26)で示される構成単位が挙げられる。
ポリマー型カチオン重合性樹脂は当該他の構成単位を1種のみを含んでいてもよく、2種以上を含んでもよい。
グリシジルメタクリレートを構成単位として含有する重合体の市販品としては、「マープルーフG−01100(重量平均分子量12,000、Tg47℃、エポキシ当量170g/当量)」、「マープルーフG−0150M(重量平均分子量10,000、Tg71℃、エポキシ当量310g/当量)」、「マープルーフG−0250SP(重量平均分子量20,000、Tg74℃、エポキシ当量310g/当量)」(商品名、いずれも(株)日油製)等を挙げることができる。
上記の中でも、本発明に用いられるカチオン重合性樹脂は、重量平均分子量(GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量)が3,000以上のカチオン重合性樹脂を含むことが好ましい。重量平均分子量3,000以上のカチオン重合性樹脂を含むことにより、カール発生が少なく、着色及び高温高湿条件下で保存した場合の黄変が少なく、柔軟性に優れ、かつ、画像表示装置内部に用いられる保護用部材として十分な表面保護性能を有する多層基材が得られる。この理由については定かではないが、以下のように推察される。
カチオン重合性樹脂とラジカル重合性樹脂とでは、ラジカル重合性樹脂の方が硬化速度が速い。そのため、カチオン重合性樹脂とラジカル重合性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化時には、まずラジカル重合反応が先に進行し架橋が進む。ここで、カチオン重合反応はカチオン重合性樹脂同士で反応が行われるが、ラジカル重合反応の進行による増粘のため、カチオン重合反応の進行が抑制される。このため、カチオン重合性樹脂としてモノマーのみを使用した場合には、未反応のモノマーが硬化膜中に残存すると予想される。この未反応モノマーが高温高湿条件下での保存中に硬化膜から脱落したり、酸化、加水分解、紫外線劣化等による分解を受けたりすることが黄変の原因になると考えられる。
しかしながら、重量平均分子量3,000以上のカチオン重合性樹脂は硬化膜から脱落しにくく、かつ上記のような分解も受けにくいため、重量平均分子量3,000以上のカチオン重合性樹脂を用いると着色や黄変が少なくなると推察される。また重量平均分子量3,000以上のカチオン重合性樹脂は硬化時の発熱が少ないことから、基材フィルムへの熱ダメージも少なく、硬化表面に皺が発生しにくいという点でも好ましい。
本発明において電離放射線硬化性のラジカル重合性樹脂とは、分子中にラジカル重合性官能基を有し、かつ前述のカチオン重合性官能基を有さない化合物をいう。ラジカル重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合含有基が挙げられる。なかでも、得られる保護層の強度及び硬化性の観点から、ラジカル重合性樹脂としては、分子中にエチレン性不飽和結合含有基を2つ以上有する化合物が好ましく、分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物がより好ましい。多官能(メタ)アクリレート化合物としては、モノマー、オリゴマー、及びポリマーのいずれも用いることができるが、保護層の強度及び硬化性の観点から、少なくとも多官能(メタ)アクリレートモノマーを含むことが好ましい。
3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリレートモノマーは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、例えば、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
また、好ましいエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。
また、多官能(メタ)アクリレートオリゴマーは、より好ましくは3〜12官能、さらに好ましくは3〜10官能である。官能基数が上記範囲内であると、優れた強度の保護層が得られる。
また、多官能(メタ)アクリレートポリマーの官能基数には特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子あたりの官能基数が多い(すなわち、官能基当量が低い)ことが好ましい。多官能(メタ)アクリレートポリマーの官能基当量は、好ましくは400g/当量以下、より好ましくは300g/当量以下、さらに好ましくは250g/当量以下である。
なかでも、本発明に用いるラジカル重合性樹脂は、硬化性及び保護層の機械的強度の観点から、前述の多官能(メタ)アクリレートモノマーを主成分とすることが好ましい。その含有量は、ラジカル重合性樹脂の全量に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは85〜100質量%である。
またラジカル重合性樹脂が水酸基を有する場合には、硬化物表面の水接触角が低下しやすくなるので、多層基材を後述するボンディング部に用いる場合には好ましい。
水酸基を有する好ましい多官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記混合物中、水酸基を有するラジカル重合性樹脂の割合は、保護層の強度及びカール抑制のバランスの観点から、好ましくは25質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上であり、好ましくは100質量%未満である。
また、電離放射線硬化性樹脂組成物中のカチオン重合性樹脂とラジカル重合性樹脂の合計含有量は、当該組成物中の樹脂成分全量に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは85〜100質量%である。上記合計含有量が50質量%以上であれば、強度及び硬化性の点で好ましい。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、p−メトキシベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのアリールジアゾニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのジアリールヨードニウム塩;トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムペンタフルオロヒドロキシアンチモネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、及び4,4−ビス(チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェート(下記構造で示される化合物)などのトリアリールスルホニウム塩;トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルセレノニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルセレノニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのトリアリールセレノニウム塩;ジメチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジエチルフェナシルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのジアルキルフェナシルスルホニウム塩;4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのジアルキル−4−ヒドロキシ塩;α−ヒドロキシメチルベンゾインスルホン酸エステル、N−ヒドロキシイミドスルホネート、α−スルホニロキシケトン、β−スルホニロキシケトンなどのスルホン酸エステルなどが挙げられる。
中でも、硬化性及び透明性の観点から、光カチオン重合開始剤はトリアリールスルホニウム塩であることが好ましく、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスファート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、及び4,4−ビス(チアントレニウム−9−イル)−ジフェニルエーテルジヘキサフルオロホスフェートから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスファートがさらに好ましい。
上記光ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
このうち、光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤の含有量比は、質量比で1:0.5〜1:10であることが好ましく、1:1〜1:8であることがより好ましく、1:1〜1:4であることがさらに好ましい。含有量比が上記範囲であれば、十分な強度及び硬化性を付与できるとともに、着色が少なく、高温高湿条件下で保存した場合や太陽光等の外光下での黄変を抑制することができる。
シリカ微粒子としては中実微粒子及び中空微粒子が挙げられるが、保護層の強度向上の観点からは中実微粒子が好ましい。本発明において中実微粒子とは、空隙を有しない微粒子をいう。中実微粒子は、内部が多孔質でも空洞でもないため、外部から粒子にかかる圧力(外圧)で潰れにくく、耐圧性に優れる。
また、保護層の強度を向上させる点からは、中実シリカ微粒子が、平均粒径が1〜100nmの略球状のシリカ微粒子3〜20個が無機の化学結合により結合した異形シリカ微粒子であることがより好ましい。
(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、例えば市販される「KBM−502」、「KBM−503」、「KBE−503」、「KBM−5103」(商品名、いずれも信越化学工業(株)製)などが好ましく挙げられる。エポキシ基を有するシランカップリング剤としては、例えば市販される「KBM−303」、「KBM−402」、「KBM−403」、「KBE−402」、「KBE−403」(商品名、いずれも信越化学工業(株)製)などが好ましく挙げられる。
本発明において粒子の平均粒子径は、粒子が凝集粒子の形態をとっていない一次粒子である場合、該粒子の平均一次粒子径は、以下の(1)〜(3)の作業により算出できる。
(1)粒子そのもの、または粒子の分散液を透明基材上に塗布乾燥させたものを走査透過型電子顕微鏡(TEM、STEM)の表面像を撮像する(観察条件:加速電圧10〜30kV、観察倍率5万倍〜30万倍)。
(2)表面像から任意の10個の粒子を抽出し、個々の粒子の長径及び短径を測定し、長径及び短径の平均から個々の粒子の粒子径を算出する。
(3)同じサンプルの別画面の撮像において同様の作業を5回行って、合計50個分の1次粒子の粒子径の数平均から得られる値を平均一次粒子径とする。
また、粒子が凝集粒子の形態をとる場合、該凝集粒子の長径及び短径の平均から個々の凝集粒子の粒子径を算出し、これを平均することにより算出できる。具体的には、走査透過型電子顕微鏡(TEM、STEM)による多層基材の表面像又は断面像から任意の2個の凝集粒子を抽出し(表面像の場合、無作為に2個選択できるが、断面の場合、粒子のどこで切られているか不明であるため、可能な限り大きい粒子を2個選択する)、個々の凝集粒子の長径及び短径を測定して、個々の凝集粒子の粒子径を算出し、同じサンプルの別画面の撮像において同様の作業を9回行って、合計20個分の凝集粒子の粒子径の数平均から得られる値を凝集粒子の平均粒子径とする(観察条件:加速電圧10〜30kV、観察倍率5万倍〜30万倍)。なお、長径は、凝集粒子の画面上において最も長い径とする。また、短径は、長径を構成する線分の中点に直交する線分を引き、該直交する線分が凝集粒子と交わる2点間の距離をいうものとする。
光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化性を速めることができるものであり、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の帯電防止剤の含有量は、目的に応じて適宜選択することができ、特に制限されないが、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜10質量部、さらに好ましくは3〜8質量部である。上記含有量が1質量部以上であれば、十分な帯電防止性が付与される。また15質量部以下であれば、帯電防止剤の析出やブリードアウトを避けることができる。
電離放射線硬化性樹脂組成物中の溶剤の含有量は、通常20〜90質量%であり、好ましくは30〜85質量%、より好ましくは40〜80質量%である。溶剤の含有量が上記範囲内であると、塗布適性に優れる。
上記塗布層は、カチオン重合性樹脂、ラジカル重合性樹脂、及び、光重合開始剤等のその他の成分を混合して調製した電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布することにより形成することができる。
また、カチオン重合性樹脂を含む樹脂組成物とラジカル重合性樹脂を含む樹脂組成物とを別々に調製し、基材フィルム上に順次塗布する方法で形成してもよい。この場合、塗布の順序には特に制限はないが、保護層表面に強度を付与し、かつカール発生を少なくする観点から、カチオン重合性樹脂を含む樹脂組成物を塗布した後にラジカル重合性樹脂を含む樹脂組成物を塗布することがより好ましい。なお、カチオン重合性樹脂を含む樹脂組成物の塗布層を形成し、次いでラジカル重合性樹脂を含む樹脂組成物の塗布層を形成した後に電離放射線を照射して各塗布層を同時に硬化させた方が、各層間の密着性の点で好ましい。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、通常、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈等が用いられる。紫外線照射は、酸素濃度1000ppm以下の窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
紫外線照射は一括で行ってもよく、紫外線照射時の発熱により硬化物表面に皺が発生することを防止するために、紫外線照射を段階的に複数回に分けて行ってもよい。
保護層の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出できる。
本発明の多層基材は、基材フィルムのいずれかの面に、さらに反射防止層、帯電防止層、屈折率調整層、防汚層などの他の機能層を有していてもよい。中でも、ディスプレイ表面における反射を低減する観点からは、多層基材はさらに反射防止層を有することが好ましい。この場合、当該多層基材は、基材フィルム、保護層、及び反射防止層を順に有する構成であり、多層基材の最表面に反射防止層を有する構成が好ましい。
より容易に層を形成する観点からは、これらの微粒子を、例えば前記保護層に用いる電離放射線硬化性樹脂中に分散した樹脂組成物などを用いて、公知の方法により形成することが好ましい。また、例えば低屈折率層は、上記の低屈折率微粒子、フッ化ビニリデン共重合体やシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体などの含フッ素化合物、1分子中に反応性官能基を2つ以上有する、例えばペンタエリスリトール骨格を有するような含フッ素モノマー、及び電離放射線硬化性樹脂などを好ましく含む硬化性樹脂組成物を用いて形成してもよい。
帯電防止層の形成方法には特に制限はなく、通常のコーティング方法を用いることができる。帯電防止層の厚みは、所望の帯電防止性能を付与できる範囲であれば特に制限はない。
本発明の多層基材は、着色が少なく、かつ高温高湿条件下で長期保存しても黄変が少ないことを特徴とする。多層基材の着色については、具体的には、CIE1976−L*a*b*表色系において、b*が2.0以下であり、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.50以下である。多層基材のb*が2.0を超えると、画像表示装置に用いた場合に外観性が低下する。
また、高温高湿条件下での黄変については、本発明の多層基材を温度80℃、90%R.H.で500時間保存した場合の保存前後のΔb*が、好ましくは0.70未満、より好ましくは0.40以下、さらに好ましくは0.20以下である。
b*の値は、具体的には実施例に記載の方法で測定することができる。
また上記と同様の観点から、本発明の多層基材をタッチパネル画像表示装置のボンディング部に用いる場合には、多層基材の最表面の温度25℃、湿度50%におけるヘキサデカンの接触角は、好ましくは25°以下、より好ましくは20°以下であり、好ましくは2°以上である。
上記接触角は、JIS R3257(1999)「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠して測定することができる。
多層基材の表面反射率を低くする方法としては、最表面に前述の反射防止層を設けることなどが挙げられる。
本発明の画像表示装置は、本発明の多層基材を備えるものである。画像表示装置としては特に制限されず、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイ装置(PDP)、無機及び有機EL表示装置、電子ペーパーディスプレイ、タッチパネル画像表示装置などが挙げられる。薄型化の要求を満たす観点、及び本発明の多層基材を備えることによる各種効果を付与する観点からは、タッチパネル画像表示装置が好ましい。例えば本発明の多層基材をタッチパネル画像表示装置のエアギャップ部又はボンディング部に備えることで、該多層基材の平坦性が低いことによる当該エアギャップ部又はボンディング部の厚みムラによる外観性低下、センサー感度の低下などを避けることができる。タッチパネルとしては、静電容量式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネル、光学式タッチパネル、超音波式タッチパネル及び電磁誘導式タッチパネル等が挙げられる。タッチパネル画像表示装置は、オンセル式でもインセル式でもよい。
ここで、タッチパネル画像表示装置のエアギャップ部とは、タッチパネルと、表示素子との間にスペーサーを介して設けられる0.5〜1mm程度の隙間(エアギャップ)に接する部分をいう。当該エアギャップを有することにより、タッチパネルの最表面に設けられたガラス等の表面保護材が外部衝撃により割れた場合でも、表示素子に影響が出ないような構造になっている。
タッチパネル10は、表面保護材11、センサー12、及び多層基材13を順に有している。多層基材13は、前述のように基材フィルムと保護層とを少なくとも有する。またセンサーを保護する観点から、多層基材13は保護層側の面がエアギャップ側を向くように設けられることが好ましい。
図1の構成を有するタッチパネル画像表示装置では、タッチパネル10と空気層20との屈折率差に由来する界面反射を低減する観点から、多層基材13は、基材フィルム、保護層、及び反射防止層を順に有する構成であることが好ましい。この場合、多層基材13は反射防止層側の面がエアギャップ側を向くように設けられることが好ましい。
表面保護材11としては、ガラスやプラスチック基板などが用いられる。
表示素子30は、エアギャップ側の面に保護材31を有していてもよい。保護材31としては、本発明の多層基材を用いることもできる。当該多層基材も、多層基材は保護層側の面がエアギャップ側を向くように設けられることが好ましい。また当該多層基材も空気層20と表示素子30との屈折率差に由来する界面反射を低減する観点から、基材フィルム、保護層、及び反射防止層を順に有する構成であることが好ましく、反射防止層側の面がエアギャップ側を向くように設けられることが好ましい。
そこで、空気層20に、タッチパネル10に近い屈折率を有する透明樹脂(ボンディング層)などを封入した構成のタッチパネル画像表示装置も提案されている。本明細書においては、タッチパネル画像表示装置において当該ボンディング層に接する部分をボンディング部と称する。
図2のタッチパネル画像表示装置102において、10はタッチパネル、24はボンディング層、30は表示素子である。ボンディング層24はタッチパネル10に近い屈折率を有するため、当該構成とすることで、図1のタッチパネル画像表示装置101における上記各層間の各界面における光の反射が低減される。
タッチパネル画像表示装置102においても、タッチパネル10の構成は図1の場合と同様に、表面保護材11、センサー12、及び多層基材13を順に有する。ただしボンディング層24の屈折率はタッチパネル10に近いことから、多層基材13において反射防止層は不要である。また表示素子30はボンディング層側の面にさらに保護材(図示せず)を有していてもよい。
電離放射線硬化性樹脂組成物としては、前述の保護層の形成において記載した樹脂組成物と同様のものを用いることができ、カチオン重合性樹脂及びラジカル重合性樹脂のいずれも使用することができる。
インセルタッチパネル液晶素子は、2枚のガラス基板に液晶を挟んでなる液晶素子の内部に、抵抗膜式、静電容量式、光学式等のタッチパネル機能を組み込んだものである。なお、インセルタッチパネル液晶素子の液晶の表示方式としては、IPS方式、VA方式、マルチドメイン方式、OCB方式、STN方式、TSTN方式等が挙げられる。インセルタッチパネル液晶素子は、例えば、特開2011−76602号公報、特開2011−222009号公報に記載されている。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた4つ口フラスコに、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート48部、メチルイソブチルケトン(MIBK)50部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.48部、ドデシルメルカプタン0.49部を入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら85℃に加熱して3時間反応を行った。得られたポリマー溶液の固形分は50%であり、GPCで分析したところポリマーの重量平均分子量(ポリスチレン換算)は15,000であった。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび温度計を備えた4つ口フラスコに、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート43.2部、メチルメタクリレート2.4部、n−ブチルメタクリレート2.4部、MIBK50部、AIBN0.48部、ドデシルメルカプタン0.25部を入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら85℃に加熱して3時間反応を行った。得られたポリマー溶液の固形部は50%であり、GPCで分析したところポリマーの重量平均分子量(ポリスチレン換算)は26,000であった。
(1)保護層の厚みの測定
実施例及び比較例で得られた多層基材における保護層の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて撮影した断面の画像から20箇所の厚みを測定し、20箇所の値の平均値から算出した。
実施例及び比較例で得られた多層基材を100mm×100mmにカットして水平面に載置した。該多層基材の端同士の最短距離(多層基材の対向する辺同士の最短距離、多層基材の対角同士の最短距離、又は、多層基材の一辺とそれに対向する角部との最短距離のうち最も短い距離)を定規で測定し、下記基準で評価した。
◎;30〜100mm
○;0mm超、30mm未満
×;0mm(筒状)
(初期着色b*)
実施例及び比較例で得られた多層基材の初期着色は、分光器(島津製作所製「UVPC2450」)を用いて、5箇所のb*を透過法で測定し、その平均値から算出した。
(高温高湿条件下保存時のΔb*)
多層基材の初期着色(b*)を測定した後、該多層基材を温度80℃、90%R.H.の条件下で500時間保存し、上記と同様の方法でb*を測定して保存前後のΔb*を求めた。保存後のb*の値が小さく、かつΔb*が小さいほど結果が良好であることを示す。
実施例及び比較例で得られた多層基材について、保護層表面の鉛筆硬度をJIS K 5600−5−4(1999)に準拠した方法で、荷重500gで測定した。
実施例及び比較例で得られた多層基材について、JIS K5600−5−1で規定される円筒形マンドレル法に準拠してマンドレル試験を行った。表1に記載した値(mmφ)は、保護層面を外側にしてマンドレル棒に巻きつけた際に、該保護層の剥がれ又は割れが発生しない最小のマンドレル径を示し、この値が小さいほど柔軟性に優れることを示す。
基材フィルム(トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、厚み:25μm、コニカミノルタ(株)製)上に、表1に示す組成の電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、70℃で40秒間乾燥した。次に、紫外線を積算光量が250mJ/cm2になるように照射して電離放射線硬化性樹脂組成物を硬化させ、保護層を形成し、多層基材を得た。保護層の厚みは7μmであった。
得られた多層基材について、前記評価を行った。評価結果を表1に示す。
基材フィルム、保護層厚み、及び保護層形成用の電離放射線硬化性樹脂組成物の組成を表1に示すとおり変更したこと以外は実施例1と同様にして多層基材を得た。評価結果を表1に示す。
<カチオン重合性樹脂>
・ポリマー1;合成例1で合成した3,4−エポキシシクロへキシルメチルメタクリレートのホモポリマー溶液(50質量%MIBK溶液、Mw15,000)
・オリゴマー;前記式(1)で示されるカチオン重合性多官能オリゴマー((株)ダイセル製「EHPE3150」、Mw3,200、エポキシ当量179g/当量)
・カチオン重合性モノマー;下記構造式で示される2官能カチオン重合性モノマー((3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル)
・ラジカル重合性モノマー1;ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(日本化薬(株)製「KAYARAD PET−30」)
・ラジカル重合性モノマー2;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬(株)製「KAYARAD DPHA」)
・ラジカル重合性モノマー3;ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(東亞合成(株)製「アロニックスM−306」、ペンタエリスリトールトリアクリレートの含有量;65〜70質量%)
・ラジカル重合性モノマー4;ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(東亞合成(株)製「アロニックスM−403」、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートの含有量;50〜60質量%)
・ラジカル重合性オリゴマー;多官能ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業(株)製「UV−1700B」、Mw2,000、官能基数10)
・ラジカル重合性ポリマー;多官能ポリマーアクリレート(荒川化学工業(株)製「ビームセット371」、Mw40,000、アクリル当量400g/当量)
・CPI−100P;下記構造のトリアリールスルホニウム塩系光カチオン重合開始剤(ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスファートの50質量%プロピレンカーボネート溶液、サンアプロ(株)製)
・Irgacure184;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製)
・レベリング剤;フッ素系レベリング剤(DIC(株)製「F477」)
・帯電防止剤;4級アンモニウム塩型帯電防止ポリマー(大成ファインケミカル(株)製「1SX−1055F」)
・シリカ微粒子;日産化学工業(株)製「MIBK−SD」、シリカ分散液、溶媒MIBK、シリカ分30%、平均一次粒径12nm
・MIBK;メチルブチルケトン
・MEK;メチルエチルケトン
10 タッチパネル
11 表面保護材
12 センサー
13 多層基材
14 接着剤層
20 エアギャップを形成している空気層
22 スペーサー
30 表示素子
31 保護材
Claims (10)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面に保護層を有する多層基材であって、該基材フィルムの厚みが40μm以下であり、該保護層がカチオン重合性樹脂とラジカル重合性樹脂とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であり、該カチオン重合性樹脂が重量平均分子量3,000以上のカチオン重合性樹脂を含み、CIE1976−L*a*b*表色系においてb*が2.0以下である、多層基材。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物中の前記カチオン重合性樹脂と前記ラジカル重合性樹脂との含有量比が、質量比で5:95〜30:70である、請求項1に記載の多層基材。
- 前記電離放射線硬化性樹脂組成物が光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤とを含有し、その含有量比が、質量比で1:0.5〜1:10である、請求項1又は2に記載の多層基材。
- 前記カチオン重合性樹脂がエポキシ基及びオキセタニル基から選ばれる少なくとも1種のカチオン硬化性官能基を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層基材。
- 前記ラジカル重合性樹脂が水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層基材。
- 前記保護層の厚みが2μm以上、20μm未満である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層基材。
- 前記基材フィルムに対する前記保護層の厚み比が0.04〜5である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層基材。
- 総厚みが23〜70μmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層基材。
- 基材フィルムがトリアセチルセルロースフィルム、ポリエステルフィルム、及びアクリルフィルムから選ばれる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多層基材。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の多層基材を備えた画像表示装置。
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