JP6344143B2 - 電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、電気化学素子電極の製造方法及び電気化学素子の製造方法 - Google Patents
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Description
また、上記の噴霧乾燥では噴霧した液滴が乾燥する前に噴霧乾燥器の壁面に付着する場合があり、高い収率で複合粒子を回収することが困難な場合があった。
(1) 電極活物質、結着樹脂を含んでなるスラリーを撹拌している中に、前記スラリーと非混和性の溶媒、界面活性剤および凝固液を添加することにより凝固粒子を得る工程及び前記凝固粒子を濾過し、その後乾燥する工程により得られる電気化学素子電極用複合粒子、
(2) 前記結着樹脂は粒子状であり、前記スラリーはさらに水溶性高分子を含む(1)に記載の電気化学素子電極用複合粒子、
(3) 前記水溶性高分子が、水溶性アルギン酸誘導体、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系高分子、カラギーナン、寒天、ゼラチン、グルコマンナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、ポリアクリルアミド、ポリスルホン酸及びポリアクリル酸誘導体の少なくとも1種を含む(2)記載の電気化学素子電極用複合粒子、
(4) 多価金属塩を200〜2000ppm含み、前記多価金属塩は、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、バリウム塩、銅塩、アンモニウムミョウバン、鉄塩から選ばれる少なくとも1種の多価金属塩を含む(1)〜(3)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子、
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子を含んでなる電極活物質層を集電体上に積層してなることを特徴とする電気化学素子電極、
(6) (5)に記載の電気化学素子電極を備える電気化学素子、
(7) (1)〜(4)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子を得るための電気化学素子電極用複合粒子の製造方法であって、前記電極活物質、前記結着樹脂を含んでなる前記スラリーを撹拌している中に、前記スラリーと前記非混和性の溶媒、前記界面活性剤および前記凝固液を添加させる工程を含む電気化学素子電極用複合粒子の製造方法、
(8) (1)〜(4)のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子を含む電極材料を集電体上に加圧成形することにより電極活物質層を得る工程を含む電気化学素子電極の製造方法、
が提供される。
凝固粒子を得る工程においては、電極活物質、結着樹脂を含んでなるスラリーを撹拌している中に、前記スラリーと非混和性の溶媒、界面活性剤および凝固液を添加することにより凝固粒子を得る。
電気化学素子がリチウムイオン二次電池である場合の正極活物質としては、リチウムイオンをドープ及び脱ドープ可能な活物質が用いられ、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。
また、電気化学素子がリチウムイオンキャパシタである場合に好ましく用いられる負極活物質としては、上記炭素で形成された負極活物質が挙げられる。
本発明に用いる結着樹脂としては、上述の電極活物質を相互に結着させることができる物質であれば特に限定はない。結着樹脂としては、溶媒に分散する性質のある分散型結着樹脂を好ましく用いることができる。
本発明に用いるスラリーは、水溶性高分子を含むことが好ましい。本発明に用いる水溶性高分子とは、25℃において、高分子0.5gを100gの純水に溶解させた場合の未溶解分が10.0重量%未満の高分子をいう。
本発明に用いるスラリーは、必要に応じて導電材を含んでいてもよい。必要に応じて用いられる導電材としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、グラフェンなどの導電性カーボンが好ましく用いられる。これらの中でも、アセチレンブラックがより好ましい。導電材の平均粒子径は、特に限定されないが、より少ない使用量で十分な導電性を発現させる観点から、電極活物質の平均粒子径よりも小さいものが好ましく、好ましくは0.001〜10μm、より好ましくは0.005〜5μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。
本発明で用いるスラリーは、電極活物質、結着樹脂、必要に応じて添加される水溶性高分子及び導電材を含有する。スラリーは、電極活物質、結着樹脂、必要に応じて添加される水溶性高分子及び導電材を、溶媒に分散又は溶解させることにより調製することができる。なお、この場合において、結着樹脂が溶媒に分散されたものである場合には、溶媒に分散させた状態で添加することができる。
スラリーと非混和性の液体としては、スラリーと混和しない液体であれば特に限定されないが、スラリーの溶媒として水を用いた場合の液体としては、ブタン、ブテン、ペンタン、ペンテン、ヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、ヘキセン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭素数4から10の炭化水素、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。製造工程を考慮すると、これらの中でも常圧常温で液体でありかつ沸点の低いもの(具体的にはシクロヘキサン、ノルマルヘキサン等)がより好ましい。ここで、スラリーと非混和性の溶媒はスラリーを攪拌している中に添加されると、電極活物質等を取り込んだ液滴を形成し、この液滴はスラリー中で分散する。
界面活性剤としては、攪拌中のスラリー内で、スラリーと非混和性の液体により形成される液滴を安定化させることができるものであれば特に限定されない。界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、ノニオニックアニオン等の両性の界面活性剤が挙げられるが、中でもアニオン性またはノニオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤の配合量は、特に限定されないが、複合粒子中において、電極活物質100重量部に対して好ましくは0〜50重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部となる量である。
凝固液としては、スラリー中に含まれる水溶性高分子が凝固する低pHの酸性液、もしくは、多価金属塩水溶液、またはカチオン性ポリマー水溶液を用いることが可能であり、特に多価金属塩水溶液、またはカチオン性ポリマー水溶液を用いることが好ましい。
スラリーを撹拌している中に、スラリーと非混和性の溶媒、界面活性剤及び凝固液を添加する方法、及び順序は本発明の目的を損なわない限り特に限定されないが、スラリーを攪拌している中に、スラリーと非混和性の溶媒及び界面活性剤を添加し、その後凝固液を添加することが好ましい。また、スラリーと非混和性の溶媒及び界面活性剤は、スラリーを撹拌している中に一括して添加しても、分割添加もしくは連続添加してもよい。分割添加または連続添加する場合、添加量は均等にすることも、または一定にすることもでき、液滴の形成度合い応じて変更することもできる。
上記のようにして凝固粒子は、濾過等を行うことにより凝固液から分離される。また、凝固液から分離された凝固粒子を乾燥することにより、本発明の複合粒子を得ることができる。
本発明の複合粒子の形状は、流動性が良好で、電極活物質層形成の際に複合粒子の供給装置におけるホッパートラブルを防止できる観点、ホッパーからの複合粒子の供給が良好であり、厚み精度の良い電極を得ることができる観点から実質的に球形であることが好ましい。すなわち、複合粒子の短軸径をls、長軸径をll、la=(ls+ll)/2としたとき、(ll−ls)×100/laで表される球形度(%)が好ましくは15%以下、より好ましくは13%以下、さらに好ましくは12%以下、最も好ましくは10%以下である。ここで、短軸径lsおよび長軸径llは、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡の写真像から測定することができる。球形度が大きすぎると、複合粒子の流動性が悪化し、ホッパートラブルが起きやすくなる。また、電極の目付精度が悪化し、厚み精度のよい電極が得難くなる。
本発明の電気化学素子電極は、上述の複合粒子を含む電極活物質層を集電体上に積層してなる電極である。集電体の材料としては、たとえば、金属、炭素、導電性高分子などを用いることができ、好適には金属が用いられる。金属としては、通常、銅、アルミニウム、白金、ニッケル、タンタル、チタン、ステンレス鋼、その他の合金等が使用される。これらの中で導電性、耐電圧性の面から、銅、アルミニウム又はアルミニウム合金を使用するのが好ましい。また、高い耐電圧性が要求される場合には特開2001−176757号公報等で開示される高純度のアルミニウムを好適に用いることができる。集電体は、フィルム又はシート状であり、その厚みは、使用目的に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜200μm、より好ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜50μmである。
また、電極活物質層の接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよく、中でも、導電性接着剤層を形成するのが好ましい。
本発明の電気化学素子は、上述のようにして得られる正極、負極、セパレーターおよび電解液を備え、正極または負極のうちの少なくとも一方に本発明の電気化学素子電極を用いる。電気化学素子としては、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や、芳香族ポリアミド樹脂を含んでなる微孔膜または不織布;無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート;などを用いることができる。具体例を挙げると、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩化ビニル)、及びこれらの混合物あるいは共重合体等の樹脂からなる微多孔膜;ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂からなる微多孔膜;ポリオレフィン系の繊維を織ったもの又はその不織布;絶縁性物質粒子の集合体等が挙げられる。これらの中でも、セパレーター全体の膜厚を薄くすることができ、リチウムイオン二次電池内の活物質比率を上げて体積あたりの容量を上げることができるため、ポリオレフィン系の樹脂からなる微多孔膜が好ましい。
リチウムイオン二次電池用の電解液としては、例えば、非水溶媒に支持電解質を溶解した非水電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が好ましく用いられる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF6、LiClO4、CF3SO3Liが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほど、リチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタ等の電気化学素子の具体的な製造方法としては、例えば、正極と負極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。さらに、必要に応じてエキスパンドメタル;ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子;リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電を防止してもよい。リチウムイオン二次電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、何れであってもよい。電池容器の材質は、電池内部への水分の侵入を阻害するものであればよく、金属製、アルミニウムなどのラミネート製など特に限定されない。
複合粒子の粒子径分布の測定は、乾式レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラックMT−3200II)を用いて行った。
実施例及び比較例で得られた複合粒子 約0.01gを白金るつぼに秤量し、このるつぼと空のるつぼをヒーターで加熱し、煙が出なくなったら、るつぼに蓋をして800℃の電気炉に2時間入れて灰化した。続いて、硝酸0.2mLと超純水約7mLを添加後、ヒーターで加熱し、灰分を溶解させた。10mLに定容後、ICP−AES(SIIナノテクノロジー社製:SPS−5100)を用いて、複合粒子に含まれる多価金属塩(2価及び3価の金属塩)量の総和を測定した。なお、電極活物質に由来する金属量は除いた。
実施例及び比較例において作製した電極(リチウムイオン二次電池負極)を、幅方向(TD方向)の中央から両端にかけて均等に5cm間隔で3点、長さ方向(MD方向)に均等に10cm間隔で5点膜厚測定を行い、膜厚の平均値A及び平均値から最も離れた値Bを求めた。そして、平均値A及び最も離れた値Bから、下記式(1)にしたがって、厚みムラを算出し、下記基準にて成形性を評価した。結果を表1に示した。厚みムラが小さいほど、厚みの均一性に優れ、電極の厚み精度が良好であると判断できる。
厚みムラ(%)=(|A−B|)×100/A …(1)
A:厚みムラが2.5%未満
B:厚みムラが2.5%以上、5.0%未満
C:厚みムラが5.0%以上、7.5%未満
D:厚みムラが7.5%以上、10%未満
E:厚みムラが10%以上
実施例及び比較例において作製した電極(リチウムイオン二次電池負極)を、幅方向(TD方向)10cm、長さ方向(MD方向)1mにカットし、カットした電極について、TD方向に均等に3点、及びMD方向に均等に5点の合計15点(=3点×5点)を円状に2cm2打ち抜き重量測定を行い、打ち抜いた電極から集電箔の重さを差し引いたものを目付とし、その平均値A及び平均値から最も離れた値Bを求めた。そして、平均値A及び最も離れた値Bから、下記式(2)にしたがって、目付ムラを算出し、下記基準にて成形性を評価した。結果を表1に示した。目付ムラが小さいほど電極の均一性に優れていると判断できる。
目付ムラ(%)=(|A−B|)×100/A …(2)
A:目付ムラが5%未満
B:目付ムラが5%以上、10%未満
C:目付ムラが10%以上、15%未満
D:目付ムラが15%以上
E:電極層に穴が開いている
実施例および比較例において、スラリーの固形分(重量)をA、乾燥工程後回収された複合粒子から残留溶媒量を差し引いた重量をBとしたとき、収率RをR=B/A×100(%)とし、下記の基準にて収率の評価を行った。結果を表1に示した。
A:収率が95%以上
B:収率が85%以上、95%未満
C:収率が75%以上、85%未満
D:収率が75%未満
実施例及び比較例において作製した電極(リチウムイオン二次電池負極)を、幅1cm×長さ10cmの矩形状にカットした。カットした電極を、電極活物質層面を上にして固定し、電極活物質層の表面にセロハンテープを貼り付けた後、試験片の一端からセロハンテープを50mm/分の速度で180°方向に引き剥がしたときの応力を測定した。この応力の測定を10回行い、平均値をピール強度とした。ピール強度を下記基準にて評価し、結果を表1に示した。なお、ピール強度が大きいほど、電極活物質層内における密着性、及び電極活物質層と集電体との間の密着性が良好であることを示す。
A:ピール強度が15N/m以上
B:ピール強度が7N/m以上、15N/m未満
C:ピール強度が3N/m以上、7N/m未満
D:ピール強度が3N/m未満
E:評価不能
(結着樹脂の製造)
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、スチレン62部、1,3−ブタジエン34部、メタクリル酸3部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4部、イオン交換水150部、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.4部および重合開始剤として過硫酸カリウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、50℃に加温して重合を開始した。重合転化率が96%になった時点で冷却し反応を停止して、粒子状の結着樹脂S(スチレン・ブタジエン共重合体;以下、「SBR」と略記することがある。)を得た。
攪拌翼を有する内容積500mlの容器に、負極活物質としてグラファイト(平均粒子径:24.5μm、黒鉛層間距離(X線回折法による(002)面の面間隔(d値)):0.354nm)を97.7部、上記粒子状の結着樹脂Sを固形分換算量で1.6部、水溶性高分子としてアルギン酸ナトリウムの1.0%水溶液(アルギテックスLL;株式会社 キミカ社製)を固形分換算量で0.7部混合し、さらに全体の固形分濃度が3.5%となるようにイオン交換水を加え、均一に混合分散してスラリーを得た。
次に上記容器内において、攪拌機の回転速度を800rpmとして上記スラリーを撹拌させながら、界面活性剤としてのアルキルジフェニルオキシドジスルホネート(ダウファックス(登録商標)2A1、ダウ・ケミカル社製)を固形分換算量で1.6部、スラリーと非混和性の溶媒としてのシクロヘキサンを264部添加し、電極活物質としてのグラファイト等を取り込んだシクロヘキサン液滴を分散状態とした。その後、2%塩化カルシウム水溶液を304部滴下させ、シクロヘキサン液滴表面を固化させて凝固粒子を得た。続いて、凝固粒子を含有したスラリー液を400メッシュのSUS製金網で濾過し、複合粒子を分離した。
リチウムイオン二次電池負極の製造は、図1に示すロール加圧成形装置を用いて行った。ここで、図1に示すようにロール加圧成形装置2は、ホッパー4と、ホッパー4に定量フィーダー16を介して供給された複合粒子6を導電性接着剤層付集電箔8に圧縮する一対のロール(10A,10B)からなるプレ成形ロール10、プレ成形ロール10により形成されたプレ成形体をさらにプレスする一対のロール(12A,12B)からなる成形ロール12、および一対のロール(14A,14B)からなる成形ロール14を備えている。
凝固粒子を作製する際のスラリーの撹拌条件として、攪拌機の回転速度を1200rpmとした以外は、実施例1と同様に複合粒子の作製及びリチウムイオン二次電池負極の作製を行った。得られた複合粒子の個数換算の粒子径分布において40μm以下の粒子は全体の50%であった。また、多価金属塩の含有量は840ppmであった。
凝固粒子を作製する際に添加するスラリーと非混和性の溶媒の種類をノルマルヘキサンに変更した以外は、実施例1と同様に複合粒子の作製及びリチウムイオン二次電池負極の作製を行った。得られた複合粒子の個数換算の粒子径分布において40μm以下の粒子は全体の48%であった。また、多価金属塩の含有量は630ppmであった。
凝固粒子を作製する際に添加する界面活性剤の種類をリニアアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同様に複合粒子の作製及びリチウムイオン二次電池負極の作製を行った。得られた複合粒子の個数換算の粒子径分布において40μm以下の粒子は全体の48%であった。また、多価金属塩の含有量は720ppmであった。
凝固粒子を作製する際に用いる凝固液の種類を2%硫酸アルミニウム水溶液に変更した以外は、実施例1と同様に複合粒子の作製及びリチウムイオン二次電池負極の作製を行った。得られた複合粒子の個数換算の粒子径分布において40μm以下の粒子は全体の49%であった。また、多価金属塩の含有量は590ppmであった。
スラリーにシクロヘキサン、界面活性剤及び凝固液を添加する際に攪拌を行わなかった以外は、実施例1と同様に複合粒子の作製及びリチウムイオン二次電池負極の作製を行った。得られた複合粒子の個数換算の粒子径分布において40μm以下の粒子は全体の98%であった。また、多価金属塩の含有量は820ppmであった。
凝固粒子を作製する際にスラリーと非混和性の溶媒を用いなかった以外は、実施例1と同様に複合粒子の作製及びリチウムイオン二次電池負極の作製を行った。得られた複合粒子の個数換算の粒子径分布において40μm以下の粒子は全体の98%であった。また、多価金属塩の含有量は910ppmであった。
凝固粒子を作製する際に界面活性剤を用いなかった以外は、実施例1と同様に複合粒子の作製及びリチウムイオン二次電池負極の作製を行った。得られた複合粒子の個数換算の粒子径分布において40μm以下の粒子は全体の98%であった。また、多価金属塩の含有量は730ppmであった。
実施例1で用いたスラリーの固形分濃度を35%に変更した。スプレー乾燥機(大川原化工機社製)において回転円盤方式のアトマイザ(直径84mm)を用い、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度を90℃として、このスラリーを255mL/分で供給し、回転数17,000rpmの条件で噴霧乾燥造粒を行い、複合粒子を得た。
Claims (7)
- 電極活物質、結着樹脂を含んでなるスラリーを撹拌している中に、前記スラリーと非混和性の溶媒、界面活性剤および、多価金属塩水溶液またはカチオン性ポリマー水溶液を添加させる工程を含む電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
- 前記結着樹脂は粒子状であり、前記スラリーはさらに水溶性高分子を含む請求項1に記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
- 前記水溶性高分子が、水溶性アルギン酸誘導体、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系高分子、カラギーナン、寒天、ゼラチン、グルコマンナン、ペクチン、カードラン、ジェランガム、ポリアクリルアミド、ポリスルホン酸及びポリアクリル酸誘導体の少なくとも1種を含む請求項2記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
- 前記多価金属塩水溶液は、多価金属塩を200〜2000ppm含み、前記多価金属塩は、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、バリウム塩、銅塩、アンモニウムミョウバン、鉄塩から選ばれる少なくとも1種の多価金属塩を含む請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法により得られる電気化学素子電極用複合粒子を含んでなる電極活物質層を集電体上に積層してなることを特徴とする電気化学素子電極の製造方法。
- 請求項5に記載の電気化学素子電極の製造方法により得られる電気化学素子電極を備える電気化学素子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学素子電極用複合粒子の製造方法により得られる電気化学素子電極用複合粒子を含む電極材料を集電体上に加圧成形することにより電極活物質層を得る工程を含む電気化学素子電極の製造方法。
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