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JP6339306B1 - 排気ガス浄化用組成物 - Google Patents

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JP6339306B1
JP6339306B1 JP2018506241A JP2018506241A JP6339306B1 JP 6339306 B1 JP6339306 B1 JP 6339306B1 JP 2018506241 A JP2018506241 A JP 2018506241A JP 2018506241 A JP2018506241 A JP 2018506241A JP 6339306 B1 JP6339306 B1 JP 6339306B1
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Abstract

本発明は、リンを含有するBEA型ゼオライトを含み、リン含有量がゼオライト中のAlとのモル比で0.5倍当量以上であり、980℃で25時間熱処理する際の比表面積の維持率Rsが35%以上である排気ガス浄化用組成物を提供する。また本発明は、リンを含有するゼオライトを含む組成物であって、リン含有量がゼオライト中のAlとのモル比で0.5倍当量以上8倍当量以下であり、980℃で25時間熱処理する際の結晶子径の維持率Rdが50%以上である排気ガス浄化用組成物も提供する。本発明の排気ガス浄化用組成物は、ガソリンエンジン等の内燃機関の排気ガス浄化用として優れたHC浄化性能を有する。

Description

本発明はゼオライトを含む排気ガス浄化用組成物に関する。
自動車やバイク(鞍乗型車両ともいう)等のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガス中には炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分が含まれている。特にHCの触媒による浄化は、排気ガス温度の影響が強く一般に300℃以上の高温が必要とされている。従って、内燃機関の始動直後、排気ガス温度の低いときにはHCは触媒によって浄化されにくい。しかも、内燃機関始動直後には大量のHCが排出されやすく、この排気ガス温度の低いときのエミッション全体に占めるHCの割合が大きい。このため、内燃機関の始動直後の内燃機関からのHCの除去が従来課題となっている。
特許文献1では、モルデナイト等のプロトン型ゼオライトをHC吸着材として用いることが記載されている。また特許文献2には、排気ガス浄化用の選択的接触還元触媒としてCu2+置換CHA型ゼオライトを用いることが記載されている。更に、特許文献3には、リンを担持するゼオライトを炭化水素類の接触分解反応用触媒として用いることが記載されている。
US4985210A 特開2015−196115号公報 特開2012−239924号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるようなプロトン型ゼオライトは、水熱耐久性に欠けるためにガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化用として用いた場合に十分なHC吸着性能を得ることは難しかった。また特許文献2のようにCHA型ゼオライトを使用する場合、HC分子種の中でも特にエミッションの大きなトルエンを吸着できないため、優れたHC浄化性能が得られない。
一方、特許文献3に記載の技術はリン含有ゼオライトを550℃程度のヘキサン等の分解に使用するものに過ぎない。同文献には、例えば900℃〜1000℃という高温下での耐久性が必要な排気ガス浄化用途にリン含有ゼオライトを用いることは何ら記載も示唆もされておらず、まして、その用途においてゼオライトを含む浄化用触媒に求められる具体的な構成は何ら記載も示唆もされていない。
本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る排気ガス浄化用組成物を提供することにある。
本発明は、リンを含有するBEA型ゼオライトを含む組成物であって、リン含有量がゼオライト中のAlとのモル比で0.5倍当量以上であり、
(a1)980℃で25時間熱処理した状態の比表面積をAとし、(a2)前記の熱処理を行う前の状態の比表面積をBとしたときに、
A/B×100(%)で表される比表面積の維持率RSが35%以上である、排気ガス浄化用組成物を提供するものである。
また本発明は、リンを含有するBEA型ゼオライトを含む組成物であって、リン含有量がゼオライト中のAlとのモル比で0.5倍当量以上8倍当量以下であり、
(b1)980℃で25時間熱処理した状態の結晶子径をXとし、(b2)前記の熱処理を行う前の状態の結晶子径をYとしたときに、
Xが25nm以下であり、且つX/Y×100(%)で表される結晶子径の維持率Rが50%以上である、排気ガス浄化用組成物を提供するものである。
図1(a)及び(b)はそれぞれ、実施例2の排気ガス浄化用組成物の熱耐久試験前後での31P−NMRチャートである。
以下本発明を、それらの好ましい実施形態に基づき説明する。
本実施形態の排気ガス浄化用組成物は、ゼオライトを含有する。ゼオライトとは、四面体構造をもつTO4単位(Tは中心原子)がO原子を共有して三次元的に連結し、開かれた規則的なミクロ細孔を形成している結晶性物質を指す。具体的には国際ゼオライト学会(International Zeolite Association;以下これを「IZA」ということがある。)の構造委員会データ集に記載のあるケイ酸塩、ゲルマニウム塩、ヒ酸塩等が含まれる。
ここで、ケイ酸塩には、例えばアルミノケイ酸塩、ガロケイ酸塩、フェリケイ酸塩、チタノケイ酸塩、ボロケイ酸塩等が、ゲルマニウム塩には、例えばアルミノゲルマニウム塩等が、ヒ酸塩には、例えばアルミノヒ酸塩等が含まれる。これらには例えば骨格中のSi又はAlを、Ti、Ga、Mg、Mn、Fe、Co、Znなど2価や3価のカチオンで置換したものが含まれる。本実施形態では、ゼオライトとして、結晶性アルミノケイ酸塩を用いることが好ましい。
排気ガス浄化用組成物はBEA型ゼオライトを含むものである。BEA型ゼオライトは合成品であってもよく天然品であってもよく、合成品である場合のゼオライトの製法についても特に限定されない。
本実施形態の排気ガス浄化用組成物はBEA型ゼオライトを含むことによって、排気ガス中のHC分子種として多く含まれるトルエンの吸着能に優れたものとなる。BEA型ゼオライトは、一般に細孔径が0.65nm程度である。細孔径とは、IZAが定める結晶学的なチャネル直径(Crystallographic free diameter of the channels)を示す。細孔径とは、細孔(チャネル)の形状が真円形の場合はその平均直径をさすが、細孔の形状が楕円形等の一方向に長い形状である場合は、短径を意味する。
排気ガス浄化用組成物に含まれるリン含有BEA型ゼオライトはSiO/Alモル比が好ましくは25以上600以下、より好ましくは28以上400以下、特に30以上200以下、とりわけ30以上100以下であることが更に一層ゼオライトのBEA構造維持につながり、HC吸着性能を得やすい点で好ましい。リン含有BEA型ゼオライトのSiO/Alモル比は後述する実施例に記載の方法で測定できる。
本発明の排気ガス浄化用組成物におけるBEA型ゼオライトはリンを含有するものであるが、これにより、厳しい熱環境下においてもゼオライトのBEA型構造が有効に維持され、高いHC吸着性能が得られることとなる。排気ガス浄化用組成物においてリンは、BEA型ゼオライトに担持されていることが好ましい。リンがゼオライトに担持されているとは、ゼオライトの外表面又は細孔内表面に物理的又は化学的に吸着又は保持されていることをいう。ここでいう化学的吸着にはイオン結合も含まれる。
排気ガス浄化用組成物におけるリン含有量はゼオライト中のAlに対するモル比(P/Al)で0.5倍当量以上であることが好ましい。これにより、排気ガス浄化用組成物は、リンを含有することによる、厳しい熱環境下においても高いHC吸着性能が得られるという効果が得やすいものとなる。
排気ガス浄化用組成物は、リン含有量がゼオライト中のAlとのモル比(P/Al)で8倍当量以下であることが好ましい。これにより、排気ガス浄化用組成物は、HC吸着性能をより確実に高いものとすることができる。これらの観点から、より好ましくは排気ガス浄化用組成物におけるリン量はゼオライト中のAlに対するモル比(P/Al)で0.5倍当量以上5倍当量以下であることが更に好ましく、1倍当量以上3倍当量以下であることが特に好ましい。モル比(P/Al)は後述する実施例に記載の方法で測定できる。
排気ガス浄化用組成物中のBEA型ゼオライトはリンに加えて、ジルコニウムを含有することで、高温に晒された際により一層ゼオライトのBEA型構造維持につながり、ガソリンエンジン等の排気ガス浄化に用いた場合のHC吸着性能を更に一層高めることができる。排気ガス浄化用組成物におけるジルコニウムの含有量は、ゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.25倍当量以上であることが、ジルコニウムを含有することによる、HC吸着性能向上効果を得やすい点から好ましい。また、ジルコニウムの量は、ゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で8倍当量以下であることが好ましい。これらの観点から、より好ましくは、ジルコニウム量はゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.25倍当量以上4倍当量以下であり、特に好ましくは0.25倍当量以上2倍当量以下、更に好ましくは0.25倍当量以上1倍当量以下であり、0.5倍当量以上1倍当量以下であることが顕著に好ましい。モル比(Zr/Al)は後述する実施例に記載の方法で測定できる。ジルコニウムはゼオライトに担持されていることが好ましい。ジルコニウムがゼオライトに担持されているとは、ゼオライトの外表面又は細孔内表面に物理的又は化学的に吸着又は保持されていることをいう。ここでいう化学的吸着にはイオン結合も含まれる。
本実施形態の排気ガス浄化用組成物は、980℃で25時間熱処理した後で85質量% H3PO4水溶液を31P−NMR測定に供したときに、−35ppm〜−20ppm、より好ましくは−34ppm〜−21ppmの範囲にピークが観察されていてもよい。このピークは、リン含有BEA型ゼオライトのAl−O−P結合に由来している。また本実施形態の排気ガス浄化用組成物は、ジルコニウムを含有している場合に、980℃で25時間熱処理した後で前記の31P−NMR測定に供したときに、更に、−50ppm〜−35ppm、より好ましくは−49ppm〜−36ppmの範囲にもピークが観察されていてもよい。このピークはリン含有BEA型ゼオライトのZr−O−P結合に由来している。しかしながら、これらのピークは、前記熱処理前の排気ガス浄化用組成物におけるPやZrの状態を規定するものではない。
熱処理は後述する実施例に記載の<熱耐久試験条件>にて行われる水熱耐久試験である。同試験の条件が示す通り、本明細書中でいう耐熱性とは耐湿熱性を含む。また31P−NMR測定は後述する実施例に記載の方法にて行われる。
BEA型ゼオライトは、PやZrに加えてその他の元素を含有していてもよい。そのような元素としては希土類元素、希土類元素以外の遷移金属元素、アルカリ土類金属元素、アルカリ金属元素その他金属元素、半導体元素等を特に限定なく用いることができる。
排気ガス浄化用組成物は、リンを含有するBEA型ゼオライトを含有することに加えて、以下(1)及び/又は(2)の構成を有することが、排気ガス浄化用組成物としてのHC吸着性能を従来よりも大幅に向上させることができるために好ましい。
(1)リン含有量がゼオライト中のAlとのモル比で0.5倍当量以上であり、
(a1)980℃で25時間熱処理した後の比表面積をAとし、(a2)前記の熱処理を行う前の状態の比表面積をBとしたときに、
A/B×100(%)で表される比表面積の維持率RSが35%以上である。
(2)リン含有量がゼオライト中のAlとのモル比で0.5倍当量以上8倍当量以下であり、
(b1)980℃で25時間熱処理した後の結晶子径をXとし、(b2)前記の熱処理を行う前の状態の結晶子径をYとしたときに、
Xが25nm以下であり、且つX/Y×100(%)で表される結晶子径の維持率Rが50%以上である。
(1)の場合について更に説明する。
上述したように、一般にガソリンエンジンに用いられる排気ガス浄化用組成物は900℃〜1000℃という高温耐久性が求められる。上記の熱処理による比表面積の維持率RSは、ゼオライト構造の高温耐久性を示す。排気ガス浄化用組成物は、比表面積の維持率RSが35%以上であることにより、ゼオライト構造が高温耐久性を有し、これによりゼオライトが有する高いHC吸着活性が得やすいものとなる。
比表面積の維持率RSが35%以上である排気ガス浄化用組成物は、熱耐久性が高いことでHC吸着性能を維持することができるため好ましい。これらの観点から、比表面積の維持率RSは40%以上が好ましい。熱処理は後述する実施例に記載の条件にて行うことができる。また比表面積の測定は後述する実施例に記載の方法にて行うことができる。比表面積の維持率RSは、排気ガス浄化用組成物を後述する好適な製造方法にて製造する際に、用いるリン量や必要に応じて担持させる金属量を調整することで得ることができる。
排気ガス浄化用組成物は、前記熱処理を行う前の比表面積Bが150m/g以上、特に200m/g以上であることが、良好なHC吸着性能をより一層得やすい点で好ましい。排気ガス浄化用組成物の比表面積は後述する実施例に記載の方法にて測定することができる。なお、熱処理後の比表面積Aは100m/g以上、特に150m/g以上であることが、良好なHC吸着性能をより一層得やすい点で好ましい。
上記(2)における結晶子径の維持率Rが50%以上である排気ガス浄化用組成物は、熱耐久性が高いことでHC吸着性能を維持することができるため好ましい。これらの観点から、結晶子径の維持率Rは60%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。熱処理は後述する実施例に記載の条件にて行うことができる。また結晶子径の測定は後述する実施例に記載の方法にて行うことができる。結晶子径の維持率Rは、後述する好適な製造方法にて製造する際に、用いるリン又は担持元素の量及びゼオライト種を調整することで好適な値に設定することができる。
更に排気ガス浄化用組成物は、980℃で25時間熱処理した後のゼオライトの結晶子径Xが25nm以下であることで、HC、特にトルエンの吸着性能を高いものとできる。
また結晶子径Xは、2nm以上であることが、厳しい熱環境下においてもゼオライト構造が維持されやすく、一定のHC吸着性能を得やすい点から好ましい。これらの観点から、結晶子径Xは、3nm以上20nm以下であることがより好ましく、5nm以上15nm以下であることが特に好ましい。
更に、熱処理前の結晶子径Yは好適なトルエン吸着性能を得やすい点で、5nm以上50nm以下であることがより好ましく、10nm以上30nm以下であることが特に好ましい。
次に本実施形態の排気ガス浄化用組成物の好適な製造方法を以下説明する。
本実施形態の排気ガス浄化用組成物の好適な製造方法は、リンを液媒に分散又は溶解させた分散液又は溶解液を調製する第1工程と、上記分散液又は溶解液とBEA型ゼオライトとを接触処理させる第2工程と、得られた処理物を焼成する第3工程と、を有する。
排気ガス浄化用組成物がリンに加えてジルコニウムやその他の元素を含有する場合は、第1工程において液媒中にリンに加えてジルコニウムやその他の元素を分散又は溶解させることが好ましい。
(第1工程)
液媒中に分散又は溶解させるリンとしては、リン酸又はその塩が挙げられる。リン酸としては、オルトリン酸(HPO)、ピロリン酸(H)、トリリン酸(H10)、ポリリン酸、メタリン酸(HPO)、ウルトラリン酸等が挙げられる。また、リン酸塩として、オルトリン酸塩、ピロリン酸塩、トリリン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩、ウルトラリン酸塩等が挙げられる。これらの塩としては、アルカリ金属塩、他の金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
液媒としては、水が好ましく挙げられる。
第1工程においてジルコニウムを用いる場合は、水溶性のジルコニウム塩を液媒に分散又は溶解させることが好ましい。水溶性ジルコニウム塩としては、例えば塩化ジルコニウム(ZrCl)、オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl・nHO)、硫酸ジルコニウム(Zr(SO・nHO)、オキシ硫酸ジルコニウム(ZrOSO・nHO)、硝酸ジルコニウム(Zr(NO・nHO)、オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・nHO)、二酢酸ジルコニウム(Zr(CHCOO))、四酢酸ジルコニウム(Zr(CHCOO))、オキシ酢酸ジルコニウム(ZrO(CHCOO))、炭酸ジルコニウムアンモニウム((NHZrO(CO)、ジルコニウムアルコキシドが好ましく挙げられる。
分散液又は溶解液中のリンの量としては、例えばオルトリン酸イオンであれば、オルトリン酸イオンのモル数として、0.005mol/L以上3mol/L以下が好ましく、0.01mol/L以上2mol/L以下がより好ましい。更に、分散液又は溶解液中にジルコニウムを含有させる場合、ジルコニウムの分散液又は溶解液中の量としては、ジルコニウムイオンのモル数として、0.005mol/L以上1.5mol/L以下が好ましく、0.01mol/L以上1mol/L以下がより好ましい。
(第2工程)
第2工程において、分散液又は溶解液と接触させるBEA型ゼオライトとしては、上記で挙げたものが挙げられる。分散液又は溶解液と接触させるBEA型ゼオライトとしては、SiO/Alモル比が上記リン含有BEA型ゼオライトと同様であるものを用いてもよく、また、比表面積が、上記リン含有BEA型ゼオライトの好ましい比表面積と同様であるものを用いてもよい。分散液又は溶解液と接触させるゼオライトとしては、プロトン型やナトリウム型、アンモニウム型が挙げられ、プロトン型が好ましい。
接触処理は、BEA型ゼオライトに分散液又は溶解液をスプレーさせることにより行ってもよいし、またBEA型ゼオライトを分散液又は溶解液に浸漬することにより行ってもよい。浸漬時には、BEA型ゼオライトを分散液又は溶解液中で攪拌してもしなくてもよい。分散液又は溶解液とBEA型ゼオライトとを接触させる際には、分散液又は溶解液100質量部に対し、BEA型ゼオライトの割合が1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、2質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
BEA型ゼオライトと分散液又は溶解液との接触処理は、室温で行ってもよく加温条件下で行ってもよい。また接触処理の好ましい温度としては5℃以上200℃以下であり、より好ましくは10℃以上100℃以下である。
(第3工程)
第3工程では、第2工程の接触処理で得られた処理物を焼成する。焼成は、通常、第2工程で得られたスラリーをろ過して得られた固体を乾燥させてなる乾燥物に対して行うことが好ましい。乾燥は水分がなくなる程度行なえば十分であり、例えば100℃以上で数〜十数時間程度行なえばよい。
焼成は、例えば、大気圧雰囲気下で行うことが、工程、コストの観点から好ましい。また焼成温度は、400℃以上とすることが、リンをBEA型ゼオライトに安定的に含有させる点や不要な原料を除去させる点から好ましい。更に焼成温度は1100℃以下、特に1000℃以下とすることがBEA構造を維持できる点から好ましい。これらの点から、焼成温度は、より好ましくは500℃以上700℃以下である。また焼成温度が上記範囲であることを条件として、焼成時間は1時間以上5時間以下とすることが好ましく、2時間以上4時間以下とすることがより好ましい。
以上のようにして得られた排気ガス浄化用組成物は、900℃以上1100℃以下(特に1000℃以下)程度の高温に曝されてもゼオライトのBEA構造が維持され、安定したHC吸着能を示す。このような排気ガス浄化用組成物は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど化石燃料を動力源とする内燃機関の排気ガス浄化用組成物として、安定した高い排気ガス浄化性能を発揮することができる。特に本実施形態の排気ガス浄化用組成物は、その高い耐熱性から、自動車やバイク等のガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化するために用いられることが好ましい。本実施形態の排気ガス浄化用組成物は、排気ガス中の特に炭化水素(HC)の除去に有効に用いられる。
従って、本発明は、本発明の排気ガス浄化用組成物を用いた排気ガス浄化方法をも提供するものであり、より好ましくは、内燃機関の排気通路に排出される排気ガスに含有される炭化水素を除去する、排気ガス浄化方法を提供するものである。
本実施形態の排気ガス浄化用組成物は、粉末状、ペースト状、顆粒状等の何れの形態であってもよい。例えば、本実施形態の排気ガス浄化用組成物は、触媒支持体上に担持されている触媒層として用いることができる。この触媒支持体は、例えば、セラミックス又は金属材料からなる。また、触媒支持体の形状は、特に限定されるものではないが、一般的にはハニカム形状、板、ペレット、DPF、GPF等の形状であり、好ましくはハニカム、DPF又はGPFである。また、このような触媒支持体の材質としては、例えば、アルミナ(Al)、ムライト(3Al−2SiO)、コージェライト(2MgO−2Al−5SiO)、チタン酸アルミニウム(AlTiO)、炭化ケイ素(SiC)等のセラミックスや、ステンレス等の金属材料を挙げることができる。
また、本実施形態の排気ガス浄化用組成物を上述したように触媒支持体上に形成させた触媒層として用い、当該触媒層上に従来公知の触媒材料からなる触媒層を積層させてもよいし、逆に、触媒支持体上に従来公知の触媒材料からなる触媒層を積層させた後、その上に本実施形態の排気ガス浄化用組成物を含む触媒層を形成させてもよい。さらには、本実施形態の排気ガス浄化用組成物と従来公知の触媒材料とを混合した触媒層を触媒支持体上に形成させてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。以下の各実施例及び比較例では原料ゼオライトとして結晶性アルミノケイ酸塩を用いた。
〔実施例1〕
リン酸(HPO)0.525g及びオキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)2.45gを純水50g中に懸濁させた。得られた懸濁液に、プロトン型BEA型ゼオライト(SiO/Alモル比35、比表面積660m/g)10gを投入し、室温(20℃)で4時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、120℃で12時間乾燥した後、大気圧雰囲気下、600℃で3時間焼成して、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例2〕
リン酸の量を1.05gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例3〕
リン酸の量を2.10gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例4〕
リン酸の量を4.20gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例5〕
リン酸の量を2.10gに変更し、オキシ硝酸ジルコニウムの量を4.90gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例6〕
リン酸の量を4.20gに変更し、オキシ硝酸ジルコニウムの量を9.80gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例7〕
オキシ硝酸ジルコニウムを用いない以外は実施例2と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例1〕
リン酸及びオキシ硝酸ジルコニウムを用いなかった以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例2〕
リン酸を用いなかった以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例3〕
リン酸の量を0.2625gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例4〕
リン酸の量を10.50gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例5〕
リン酸の量を10.50gに変更し、オキシ硝酸ジルコニウムの量を24.50gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例6〕
BEA型ゼオライトの代わりに、CHA型ゼオライト(細孔径0.4nm、SSZ13、SiO/Alモル比29、比表面積650m/g)を用い、リン酸及びオキシ硝酸ジルコニウムを用いなかった。これらの点以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例7〕
リン酸(HPO)1.25g及びオキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)2.93gを純水50g中に懸濁させた。得られた懸濁液に、CHA型ゼオライト(SSZ13、細孔径0.4nm、SiO/Alモル比29、比表面積650m/g)10gを投入し、室温(20℃)で4時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、120℃で12時間乾燥した後、大気圧雰囲気下、600℃で3時間焼成して、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例8〕
CHA型ゼオライト(細孔径0.4nm、SAPO34、SiO/Alモル比0.4、比表面積630m/g)を用い、リン酸及びオキシ硝酸ジルコニウムを用いなかった。これらの点以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例9〕
リン酸(HPO)3.77g及びオキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)4.41gを純水50g中に懸濁させた。得られた懸濁液に、CHA型ゼオライト(SAPO34、細孔径0.4nm、SiO/Alモル比0.4、比表面積630m/g)10gを投入し、室温(20℃)で4時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、120℃で12時間乾燥した後、大気圧雰囲気下、600℃で3時間焼成して、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
実施例1〜7、比較例1〜9で得られた排気ガス浄化用組成物(リン含有又は非含有のゼオライト)について以下の測定又は評価に供した。これらの結果を以下表1に示す。
〔SiO/Alモル比〕
組成分析装置として、リガク社製の蛍光X線装置(型番:ZSX PrimusII)を用いて排気ガス浄化用組成物中のSi量及びAl量を測定した。測定試料の調製は以下のようにした。得られたSi量及びAl量からSiO/Alモル比を算出した。
(測定試料の調製方法)
排気ガス浄化用組成物を直径30mmの塩化ビニル管に詰め、圧縮成型して測定試料を調製した。
〔リン及びジルコニウムの含有量〕
組成分析装置として、リガク社製の蛍光X線装置(型番:ZSX PrimusII)を用いて排気ガス浄化用組成物中のP量、Zr量及びAl量を測定した。測定試料の調製は以下のようにした。得られた測定値からモル比(P/Al)を算出し、ゼオライト中のAlに対するP含量とした。また得られた測定値からモル比(Zr/Al)を算出し、ゼオライト中のAlに対するZr含量とした。
(測定試料の調製方法)
排気ガス浄化用組成物を直径30mmの塩化ビニル管に詰め、圧縮成型して測定試料を調製した。
〔比表面積の維持率R
排気ガス浄化用組成物について、下記条件で熱耐久試験を行った後の比表面積Am/gと、試験前の比表面積Bm/gを測定した。次いで、A/B×100(%)として比表面積の維持率を求めた。比表面積はカンタクローム社製比表面積・細孔分布測定装置(型番:QUADRASORB SI)を用い、BET3点法で求めた。測定用のガスとしてはヘリウムを用いた。
<熱耐久試験条件>
980℃×25時間、10体積%HO雰囲気にて、下記サイクルを実施した。
サイクル:下記組成のモデルガス3L/min 80sec、Air 3L/min 20secを交互に流した。
モデルガス組成:C 70mL/min、O 70mL/min、N Balanceとした。
10体積%HOは水入りタンクより気化させ、水蒸気としてモデルガス又は空気に混入させた。温度により飽和水蒸気圧を調整し、上記体積%の水蒸気量とした。
なお、上記実施例2において熱耐久試験を行う前と後での排気ガス浄化用組成物を31P−NMR測定に供した。その結果を図1に示す。
31P−NMR測定条件)
測定対象の排気ガス浄化用組成物を直径6mmの酸化ジルコニウム製試料管にセットし、日本電子社製(ECA400)で下記条件にて測定した。
基準物質としては、85% H3PO4水溶液を用い、これを0ppmとした。試料回転速度:7kHz、パルス:90度、繰り返し時間:30秒、積算回数:64回
〔トルエン吸着性能〕
実施例及び比較例で得られた排気ガス浄化用組成物200mgを、上記条件の熱耐久試験に供した後に、流通反応装置に充填し、下記に示す組成の評価用ガス50℃にて、流量30L/分、30分間流通しトルエンを吸着させた。昇温脱離法によりトルエンを脱離させ、質量分析計によりトルエン脱離量を測定した。実施例2のトルエン吸着量を100%とした任意単位の量を、表1に示す。なお、トルエン昇温脱離はMicromeritics社製の全自動化学吸着分析装置 AutoChem II 2920を用い、脱離量の測定はMicromeritics社製のAutoChem Cirrus 2を用いて行った。
トルエン吸着性能の評価用ガスの組成:トルエン0.1体積%とし、その他をHeとした。

表1に示すように、BEA型であり、特定量以上のリンを含有したゼオライトを用い、比表面積の維持率が特定値以上である各実施例の組成物は、高い炭化水素吸着性能が得られた。
これに対し、BEA型であっても、比表面積の維持率が特定値未満である比較例1〜5の組成物、及びリンを含有しない比較例6及び8の組成物は、各実施例に比べてHC吸着性能が得られないか、得られても各実施例に比べて大幅に劣るものであった。また、リン量や維持率が特定値以上であっても、BEA型ではないゼオライトを用いた比較例7及び9の組成物も炭化水素吸着性能がほとんど得られなかった。
以上の通り、本発明の組成物は、特定値以上のリンを含むBEA型ゼオライトを含有し、更に比表面積の維持率が特定値以上であることで、相乗的なHC吸着性能向上効果を奏し、排気ガス浄化用に有用であることが明らかである。
〔実施例8〕
リン酸(HPO)0.97g及びオキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)2.26gを純水50g中に懸濁させた。得られた懸濁液に、プロトン型BEA型ゼオライト(細孔径0.65nm、SiO/Alモル比38、比表面積620m/g)10gを投入し、室温(20℃)で4時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、120℃で12時間乾燥した後、大気圧雰囲気下、600℃で3時間焼成して、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例9〕
リン酸(HPO)0.92g及びオキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)2.16gを純水50g中に懸濁させた。得られた懸濁液に、プロトン型BEA型ゼオライト(細孔径0.65nm、SiO/Alモル比40、比表面積595m/g)10gを投入し、室温(20℃)で4時間撹拌した。得られたスラリーをろ過し、120℃で12時間乾燥した後、大気圧雰囲気下、600℃で3時間焼成して、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例10〕
リン酸及びオキシ硝酸ジルコニウムを用いなかった点以外は実施例8と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔比較例11〕
リン酸及びオキシ硝酸ジルコニウムを用いなかった点以外は実施例9と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
実施例1〜9及び比較例1〜11の排気ガス浄化用組成物について、下記方法にて結晶子径の維持率Rを測定した。また実施例8及び9並びに比較例10及び11の排気ガス浄化用組成物について、上記方法にて、SiO/Alモル比を測定したほか、上記方法にて、リン及びジルコニウムの含有量を測定し、更に、上記方法にてトルエン吸着性能を測定した。これらの結果を以下表2に示す。表2には、既に測定した実施例1〜7、比較例1〜9に係るSiO/Alモル比、リン及びジルコニウムの含有量及びトルエン吸着量も併せて示す。
〔結晶子径の維持率R
上記熱耐久試験前の排気ガス浄化用組成物中のゼオライトの結晶子径をXnm、試験後の結晶子径をYnmとした場合に、X/Y×100(%)として維持率を求めた。結晶子径は、下記の条件のX線回折測定を行い、走査範囲21°〜24°の範囲におけるゼオライトのメーンピークの半値幅を用い、シェラーの式(D=Κλ/(βcosθ))を用いて評価した。式中、Dは結晶子径、λはX線の波長、βは回折線幅(半値幅)、θは回折角、Κは定数である。半値幅はKを0.94として求めた。X線回折はリガク社:MicroFlex600を用いた。線源としてCu管球を用いた。測定条件は、管電圧40kV、管電流15mA、走査速度10deg/minとした。
表2に示すように、各実施例の組成物は、特定量のリンを含有し、結晶子径の維持率が特定値以上であるBEA型ゼオライトを用いることで、高い炭化水素吸着性能が得られることが判る。
これに対し、リンを非含有であるか含有していてもその量が本発明の範囲外である比較例1〜6及び8及び10及び11の組成物は各実施例に比べてHC吸着性能が大幅に劣ることが判る。また、リン量が特定範囲内であっても、結晶子径の維持率が本発明の範囲外である比較例9の組成物、熱処理後の結晶子径が本発明の上限超である比較例7の組成物も、トルエン吸着性能が各実施例に劣ることが判る。
以上の通り、本発明の組成物は、用いるゼオライトが特定量のリンを含有し、更に結晶子径の維持率が特定値以上であり、熱処理後の結晶子径が特定値以下であることで、相乗的なHC吸着性能向上効果を奏し、排気ガス浄化用に有用であることが明らかである。
〔実施例10〕
オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)の量を0.61gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例11〕
オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)の量を1.22gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
〔実施例12〕
オキシ硝酸ジルコニウム(ZrO(NO・2HO)の量を4.90gに変更した以外は実施例1と同様にして、粉末状の排気ガス浄化用組成物を得た。
実施例10〜12で得られた排気ガス浄化用組成物について実施例1〜9と同様にしてSiO/Alモル比、リン及びジルコニウムの含有量、比表面積の維持率R、結晶子径の維持率R、トルエン吸着性能の評価に供した。これらの結果を以下表3及び表4に示す。
表3に示すように、特定量のリンを含有し、比表面積の維持率が特定値以上であるBEA型ゼオライトを用いることで、高い炭化水素吸着性能が得られることが判る。
また、表4に示すように、特定量のリンを含有し、結晶子径Xが特定値以下であり、結晶子径の維持率が特定値以上であるBEA型ゼオライトを用いることで、高い炭化水素吸着性能が得られることが判る。
本発明によれば、ガソリンエンジン等の内燃機関の排気ガス浄化用として優れたHC吸着性能を有する排気ガス浄化用組成物が提供される。

Claims (11)

  1. リン及びジルコニウムを含有するBEA型ゼオライトを含む組成物であって、該ゼオライトに含まれるリンの量がゼオライト中のAlとのモル比(P/Al)で0.5倍当量以上であり、該ゼオライトに含まれるジルコニウムの量が、ゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.25倍当量以上であり、
    (a1)980℃で25時間熱処理した後の比表面積をAとし、(a2)前記の熱処理を行う前の状態の比表面積をBとしたときに、
    A/B×100(%)で表される比表面積の維持率Rが35%以上である、排気ガス浄化用組成物。
  2. リン及びジルコニウムを含有するBEA型ゼオライトを含む組成物であって、該ゼオライトに含まれるリンの量がゼオライト中のAlとのモル比(P/Al)で0.5倍当量以上8倍当量以下であり、該ゼオライトに含まれるジルコニウムの量がゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.25倍当量以上であり、
    (b1)980℃で25時間熱処理した後の結晶子径をXとし、(b2)前記の熱処理を行う前の状態の結晶子径をYとしたときに、
    Xが25nm以下であり、且つX/Y×100(%)で表される結晶子径の維持率Rが50%以上である、排気ガス浄化用組成物。
  3. リン含有量がゼオライト中のAlとのモル比(P/Al)で1倍当量以上3倍当量以下である、請求項1又は2に記載の排気ガス浄化用組成物。
  4. Xが15nm以下である、請求項2に記載の排気ガス浄化用組成物。
  5. リン及びジルコニウムを含有するBEA型ゼオライトを含む組成物であって、該ゼオライトに含まれるリンの量がゼオライト中のAlとのモル比(P/Al)で0.5倍当量以上であり、該ゼオライトに含まれるジルコニウムの量が、ゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.25倍当量以上であり、
    (a1)980℃で25時間熱処理した後の比表面積をAとし、(a2)前記の熱処理を行う前の状態の比表面積をBとしたときに、
    A/B×100(%)で表される比表面積の維持率Rが35%以上である組成物の、排気ガス浄化処理への使用。
  6. リン及びジルコニウムを含有するBEA型ゼオライトを含む組成物であって、該ゼオライトに含まれるリンの量がゼオライト中のAlとのモル比(P/Al)で0.5倍当量以上8倍当量以下であり、該ゼオライトに含まれるジルコニウムの量が、ゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.25倍当量以上であり、
    (b1)980℃で25時間熱処理した後の結晶子径をXとし、(b2)前記の熱処理を行う前の状態の結晶子径をYとしたときに、
    Xが25nm以下であり、且つX/Y×100(%)で表される結晶子径の維持率Rが50%以上である組成物の、排気ガス浄化処理への使用。
  7. リン及びジルコニウムを含有するBEA型ゼオライトを含む組成物を用いた排気ガス浄化方法であって、 前記組成物は、該ゼオライトに含まれるリンの量がゼオライト中のAlとのモル比(P/Al)で0.5倍当量以上であり、該ゼオライトに含まれるジルコニウムの量が、ゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.25倍当量以上であり、
    (a1)980℃で25時間熱処理した後の比表面積をAとし、(a2)前記の熱処理を行う前の状態の比表面積をBとしたときに、
    A/B×100(%)で表される比表面積の維持率Rが35%以上である、排気ガス浄化方法。
  8. リン及びジルコニウムを含有するBEA型ゼオライトを含む組成物を用いた排気ガス浄化方法であって、
    前記組成物は、該ゼオライトに含まれるリンの量がゼオライト中のAlとのモル比(P/Al)で0.5倍当量以上8倍当量以下であり、該ゼオライトに含まれるジルコニウムの量が、ゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.25倍当量以上であり、
    (b1)980℃で25時間熱処理した後の結晶子径をXとし、(b2)前記の熱処理を行う前の状態の結晶子径をYとしたときに、
    Xが25nm以下であり、且つX/Y×100(%)で表される結晶子径の維持率Rが50%以上である、排気ガス浄化方法。
  9. 内燃機関の排気通路に排出される排気ガスに含有される炭化水素を除去する、請求項又はに記載の排気ガス浄化方法。
  10. 前記ゼオライトに含まれるジルコニウムの含有量が、ゼオライト中のAlに対するモル比(Zr/Al)で0.5倍当量以上4倍当量以下である、請求項1ないし4の何れか1項に記載の排気ガス浄化用組成物。
  11. 前記ゼオライトに含まれるジルコニウムが該ゼオライトに担持されている、請求項1ないし4及び10の何れか1項に記載の排気ガス浄化用組成物。
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