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JP6338259B1 - 半月板再生用材料及び半月板再生用材料の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半月板の再生をより促進することが可能な半月板再生用材料を提供する。【解決手段】膝関節の半月板の少なくとも一部を再生するため、膝関節内に移植されるように用いられる半月板再生用材料10である。半月板再生用材料10は、コラーゲンスポンジ11と、コラーゲンスポンジに含浸された脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)12と、を有する。コラーゲンスポンジ11は、アテロコラーゲンスポンジであることが望ましい。コラーゲンスポンジ11には、脂肪組織由来再生細胞とアテロコラーゲンゲルとが混合されたADRCs溶液13を含浸させることが望ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、半月板再生用材料及び半月板再生用材料の作製方法に関する。
半月板は、膝関節内にある軟骨様組織であり、スポーツ活動や加齢などにより損傷・断裂を生じて半月板損傷を起こすことがある。半月板損傷は、慢性化すると痛みを伴う変形性膝関節症に移行するため早期の治療が必要である。半月板損傷の治療には、一般的に切除術、縫合術、保存療法などあるが、半月板内側は血管がなく、自然治癒は困難なことから、再生治療に関する技術の開発が望まれている。
このような再生治療に関する技術として、例えば、特許文献1には、自己再生能と多分化能を有する間葉幹細胞(MSCs)を、半月板欠損部を覆うように該欠損部に注入することで、軟骨組織を再生させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体とからなる半月板再生基材が開示されている。この基材を膝関節の半月板の欠損部分に充填することで、膝蓋下脂肪体に含まれる間葉系幹細胞により半月板の再生を促進しようとするものである。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、間葉幹細胞を直に体内に注入するため、間葉幹細胞が欠損部に滞留しにくく、体内に吸収されて十分な再生が行われないおそれがある。また、治療に充分な間葉系幹細胞を取得するためには長期間の培養が必要であるとともに、間葉系幹細胞を採取と移植のために複数回の手術をする必要があり、患者への負担が大きい。
また、特許文献2に記載の基材でも、架橋コラーゲンスポンジと膝蓋下脂肪体とが積層されているか、または架橋コラーゲンスポンジが膝蓋下脂肪体に包埋されている構成であるため、膝蓋下脂肪体が半月板近傍に滞留しにくく、再生が起こる前に体内に吸収されてしまう可能性がある。また、患者から採取した膝蓋下脂肪体をそのまま用いるため、再生に関与する間葉系幹細胞の量も少なく、再生が十分に行えない可能性があり、改良の余地がある。
特許第5656183号公報 特開2014−183896号公報
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、半月板の再生をより促進することが可能な半月板再生用材料を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本願に係る半月板再生用材料は、膝関節の半月板の少なくとも一部を再生するため、前記膝関節内に移植されるように用いられる半月板再生用材料であって、コラーゲンスポンジと、記コラーゲンスポンジに含浸された脂肪組織由来再生細胞と、を有し、前記脂肪組織由来再生細胞は、生体内から採取された脂肪組織から分離され培養されることなく得られた、脂肪組織由来幹細胞を含む細胞集団であることを特徴とする。
本発明によれば、半月板の再生をより促進することが可能な半月板再生用材料を提供することができる。
本実施形態及び実施例の半月板再生材料を示す概略図である。 膝関節の横断面を示す概略図である。 CD31,CD34,CD45の発現をフローサイトメーターで解析した結果を示す図であり、(a)は脂肪組織由来再生細胞の解析結果であり、(b)は骨髄細胞の解析結果である。 評価試験1における21日培養後の軟骨細胞誘導培地の、アルシアンブルー染色とトルイジンブルー染色の写真である。 評価試験1における21日培養後の骨芽細胞誘導培地の、アルカリホスファターゼ活性染色、アリザリンレッド染色、フォン・コッサ染色の写真である。 評価試験2の手順を示す概略図である。 評価試験2における実施例1と比較例1の半月板再生用材料を移植して12週後に摘出した左右の半月板の写真である。 半月板(領域A)と脛骨内顆関節面(領域B)とを示す写真である。 脛骨内顆関節面に対する半月板の割合を示すグラフである。 評価試験2において、摘出した内側半月板のヘマトキシリン−エオジン染色、トルイジンブルー染色、II型コラーゲンの免疫組織染色の写真であり、(a)は実施例1の半月板再生用材料を移植した右側の内側半月板であり、(b)は比較例1の半月板再生用材料を移植した左側の内側半月板である。 評価試験3におけるGFP陽性細胞の分布を示す写真であり、(a)は左右の脛骨内顆関節の明視野及び蛍光の写真であり、(b)は摘出した左右の半月板の明視野及び蛍光の写真を横断面写真である。 評価試験3におけるII型コラーゲン、GFPの二重免疫組織染色、及びこれらの重ね合わせの写真である。
近年、脂肪組織由来幹細胞や、それらを含む細胞集団である脂肪組織由来再生細胞(ADRCs、以下、単に「ADRCs」ということがある。)を利用した組織再構築が臨床応用に向けて研究されている。本願の発明者は、半月板損傷治療の新規細胞ソースとして、自己再生能と多分化能に優れるADRCsに着目し、本願発明をするに至った。
以下、本願の一実施形態に係る半月板再生用材料について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の半月板再生用材料の概略図である。この図1に示す本実施形態の半月板再生用材料10は、膝関節の半月板の少なくとも一部を再生するため、膝関節内に移植されるように用いられる。この半月板再生用材料10は、コラーゲンスポンジ11と、コラーゲンスポンジ11に含浸された脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)(図1に符号「12」で示した)と、を有して構成される。
また、本実施形態では、ADRCs12とコラーゲンゲルとの混合溶液であるADRCs溶液13を用いることで、コラーゲンスポンジ11に含浸させ易くしている。図2の膝関節1の断面図に示されるように、半月板2は、膝関節1の内側と外側に対向するように形成された内側半月板2aと外側半月板2bとからなる。半月板2は、線維軟骨およびコラーゲンから構成される組織であるため、本実施形態のようなコラーゲンスポンジ11、コラーゲンゲルを用いることで、組成物としても違和感のない使用が可能であり、拒絶反応等を抑制することができる。
上述のような構成の半月板再生用材料10を膝関節の半月板の欠損部に移植すると、物質の保持性に優れるコラーゲンスポンジ11によって、ADRCsが流出して体内に吸収されるのを良好に抑制することができる。そして、自己再生能と多分化能に優れるADRCsが、コラーゲンスポンジ11を骨格として増殖することで、半月板の再生を、より効果的に促進することが可能となる。
また、特許文献2で使用する膝蓋下脂肪体は、体内での分量がもともと少ないため、十分な分量の幹細胞を得るのは困難であるとともに、採取の際に身体へ負担がかかる。これに対して、本実施形態で使用するADRCsは、体内に多く含まれる脂肪組織から採取できるため、再生に十分な分量のADRCsを容易かつ、低侵襲で採取することができる。
また、コラーゲンスポンジ11のみの移植では、組織の再生が十分に行われない。本実施形態の半月板再生用材料10のように、コラーゲンスポンジ11とADRCsとの組み合わせで、しかも、ADRCsをコラーゲンスポンジ11に含浸させることで、半月板の再生を顕著に促進することができるものである。
また、本実施形態では、ADRCsとコラーゲンゲルとを混合したADRCs溶液13を用いているため、ADRCsをコラーゲンスポンジ11に含浸させ易くなる。さらに、コラーゲンスポンジ11から体内へADRCsの流出防止効果が高まるとともに、コラーゲンゲルも足場として機能し、半月板の再生能力を、より向上させることができる。
また、コラーゲンスポンジとしては、ADRCsを含有できるものであれば、特に限定されないが、アテロコラーゲンを材料としたアテロコラーゲンスポンジを用いるのが最適である。また、ADRCsを混入させるコラーゲンゲルも、アテロコラーゲンを可溶化したものを用いることが好ましい。アテロコラーゲンは、アレルギーなどの原因となる抗原性を有するテロペプチドを酵素処理等で除去したコラーゲンであるため好ましい。
また、コラーゲンスポンジ11へ含浸させるADRCsの細胞数が、1.7×104 cells/mm3以上であることが望ましい。このような細胞数のADRCsを含浸させたコラーゲンスポンジ11からなる半月板再生用材料10を移植することで、半月板の再生を、より効果的に促進することができる。このような半月板再生用材料10を得るには、5×105 cells/10μL以上となるように調製したコラーゲンゲル溶液13をコラーゲンスポンジ11に含浸させることが望ましい。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
I型のアテロコラーゲンゲル(高研社製、AteloCell IPC−50)を培地で中和した溶液10μlに、5×105個のADRCsを均一に懸濁し、ADRCs溶液13を得た。このADRCs溶液13を、1/4円の扇形、厚さ1/2に切断したアテロコラーゲンスポンジ(高研社製、MIGHTY、直径約5×厚み3mm)へ滴下した。滴下後に1,000rpmで1分間遠心して、アテロコラーゲンスポンジ11全体に、ADRCsが混入したアテロコラーゲンを浸透させて、実施例1の半月板再生用材料10を作製した(図1、図4参照)。
(比較例1)
実施例1と同様のアテロコラーゲンスポンジに、アテロコラーゲンゲルのみを浸透させて、比較例1の半月板再生用材料20を作製した(図4参照)。
(評価試験1)
評価試験1では、脂肪組織に含まれるADRCsの軟骨細胞と骨芽細胞への分化能について評価した。まず、8〜10週齢の雄SDラットの鼠蹊部の脂肪組織からADRCsを単離して、CD31(血管内皮細胞),CD34(幹細胞),CD45(リンパ球)の発現をフローサイトメーターで解析した。
次に、軟骨細胞誘導培地(10% FBS αMEM, 2 mM L-glutamine, 2 mM Sodium pyrnvate,10-4 M Ascolbicacid, 10 nM Dexamethasone, 1% ITS premix,10 ng/ml TGF-β3)と骨芽細胞誘導培地(10% FBS αMEM, 10 mMβ-glycerophosphate,50 μg/ml Ascolbicacid, 10-8 M Dexamethasone)で3週間培養した。培養後に、軟骨細胞誘導と、骨芽細胞への誘導と、石灰化能を評価した。評価方法として、軟骨細胞誘導は、Alcian Blue(アルシアンブルー)染色、Toluidine blue(トルイジンブルー)染色で評価し、骨芽細胞への誘導はalkaline phosphatase(アルカリホスファターゼ)(ALP)活性染色で評価し、石灰化能はAlizarin red(アリザリンレッド)染色とvon Kossa(フォン・コッサ)染色で評価した。図3A〜図3Cに、評価試験結果を示す。
本評価試験1において、ラットの脂肪組織1gあたり細胞数約10個が回収できた。図3Aの(a)に示すように、脂肪組織由来幹細胞の指標であるCD31(−),CD34(+),CD45(−)細胞は全細胞数のおよそ4.0%であった。一方、図3Aの(b)に示すように、骨髄細胞の中には、脂肪組織由来幹細胞の集団は認められなかった。
本評価試験1によれば、ADRCsは培養条件によって、軟骨細胞様細胞または骨芽細胞様細胞へ分化した。軟骨細胞誘導培地にて21日培養後に各種染色法にて観察すると、図3Bのc、dにそれぞれ示すように、軟骨基質に含まれる酸性ムコ多糖を染めるアルシアンブルー染色とトルイジンブルー染色とは、ともに陽性細胞が認められた。図3Bのa、bはコントロール培地(10% FBS αMEM)の染色結果を示す。
また、骨芽細胞誘導培地にて21日培養後に各種染色法にて観察した。その結果を図3Cに示す。図3Cのa,b,cはコントロール培地、d,e,fは骨芽細胞誘導培地、g,h,iは骨芽細胞誘導培地+BMP-2 100 ng/mlの各染色結果を示す。この図3Cによれば、骨芽細胞分化の指標であるアルカリホスファターゼ活性染色陽性の細胞が増加して、石灰化の指標であるフォン・コッサ染色とアリザリンレッド染色陽性の領域が拡大した。
以上の評価試験1の結果から、脂肪組織由来再生細胞(ADRCs)は、培養条件によって、種々の細胞へと分化する前駆細胞様の性状を備えることが確認できた。
(評価試験2)
評価試験2では、実施例1の半月板再生材料10を用いて動物実験を行い、半月板の再生程度について評価した。また、対照実験として、比較例1の材料20を用いて、同様の動物実験を行った。以下、図4に沿って、評価試験2の手順を説明する。
[半月板損傷モデルの作成と半月板再生用材料の移植]
実験動物として複数のラットを用意した。ラットには全身麻酔を施し、十分に麻酔が効いた状態で剃毛後、膝前方皮膚を切開して関節まで達した後に、内側側副靭帯を頸骨付着部の顆間隆起の間で切離した。さらに周囲の軟組織は関節包から剥離して、内側半月板を十分に明示した状態で、図4に示すように、ラットの後脚の両膝において、その内側半月板2a,2a’の前側1/2を切除した。
切除した半月板の部位に、ADRCs溶液13をアテロコラーゲンスポンジ11に含浸させた実施例1の半月板再生用材料10を、右膝の内側半月板2aの切除部位に移植し、ナイロン糸で縫合して閉創した。対照として左膝の内側半月板2a’の切除部位に、アテロコラーゲンゲルのみ含ませた比較例1の材料20を移植し、ナイロン糸で縫合して閉創した。
[免荷]
移植後1週間は、尾部懸垂によって、後脚の免荷を施した。
[評価2−1]
移植して4週後と12週後に、両膝の半月板2を摘出して観察した。図5Aに、12週後の半月板2の写真を示す。図5Aの左図に示される実施例1の半月板再生用材料10を移植した右膝の内側半月板2aは、図5Aの右図に示される比較例1の半月板再生用材料20を移植した左膝の内側半月板2a’に比較して、内側半月板の前方半側の組織修復が亢進した。
また、修復した組織を定量化するため、脛骨内顆関節面(図5Bの領域B)に対する半月板(図5Bの領域A)の割合(領域A/領域B)を算出した。図5Cは、算出した脛骨内顆関節面に対する半月板の割合を示すグラフである。この図5Cのグラフから解るように、実施例1の脂肪組織由来半月板再生用材料10を移植したグループは、比較例1の半月板再生用材料20を移植した対照グループに比べ、組織修復の割合が高いことが認められた(*p < 0.01)。
[評価2−2]
移植して4週後と12週後に、両膝の内側半月板2a,2a’を摘出し、Hematoxylin-Eosin(HE)(ヘマトキシリン−エオジン)染色、Toluidine Blue(トルイジンブルー)染色とII型コラーゲンの免疫組織染色からADRCsの再生能を評価した。
ここでは、図6に移植後12週の組織を組織学的に観察した結果を示す。図6(a)に示すように、ADRCsを含浸させたアテロコラーゲンスポンジ11からなる実施例1の半月板再生用材料10を移植した右側内側半月板2aは、ヘマトキシリン−エオジン染色によれば、修復した前方欠損部に線維性軟骨とみられる組織修復が進んでいた。そして、既存の半月板(内側半月板2aの後方半側)と同様に、軟骨の指標であるII型コラーゲンの発現と、酸性ムコ多糖を染めるトルイジンブルー染色陽性の領域が観察された。一方、図6(b)に示すように、アテロコラーゲンスポンジ11のみの比較例1の半月板再生用材料20を移植した左側内側半月板2a’は、組織修復が認められなかった。
(評価試験3)
評価試験3では、全身の細胞が緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識されたSD−Tg(CAG−EGFP)グリーンラットのADRCsを用いて、実施例1と同様の半月板再生用材料10を作製し、ヌードラットの右側の半月板切除部に移植して欠損部位への定着を評価した。また、対照として、アテロコラーゲンスポンジのみの比較例1の半月板再生用材料20をヌードラットの左側の半月板切除部に移植した。また、修復された半月板の物性を評価するため、ナノインデンテーション法を用いて解析した。
[評価3−1]
図7(a)に、左右の脛骨内顆関節の明視野及び蛍光の写真を示し、図7(b)に摘出した左右の半月板の明視野及び蛍光の写真を示す。また、図8に、II型コラーゲン、GFPの二重免疫組織染色(核染色)、及びこれらの重ね合わせの写真を示す。
移植したADRCsの修復後の分布を解析する目的で、緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識されたグリーンラット由来のADRCsを含む半月板再生用材料10を移植すると、図7(a)、(b)に実線で囲ったように、GFP陽性細胞は移植相当部に局在した。
さらに、図8に示すII型コラーゲンとGFPの二重免疫組織染色の所見では、4週後ではII型コラーゲン陽性細胞は確認できなかったが、12週後になるとGFP陽性の移植したADRCsの一部はII型コラーゲン陽性細胞であった。
以上の結果から、移植したADRCsは修復部位に定着して、さらに軟骨様細胞へ分化することが示唆された。
[評価3−2]
また、膝関節に掛かる荷重を分散する能力を調べるために、修復された半月板の物性を評価した。ナノインデーテンション法による物性試験から、既存の半月板と比較して修復された半月板は僅かに弾性係数が高いが、近似した粘弾性を示した。
以上、評価試験1の結果から、実施例1に係るラット鼠径部の脂肪組織から採取したADRCsの一部は脂肪組織由来幹細胞を含み、培養条件によって、種々の細胞へと分化することが明らかになった。また、評価試験2、3の半月板損傷モデルの試験から、ADRCsによって健常組織に類似した半月板が誘導されること明らかとなった。このように、ADRCsは高い誘導能を有し、低侵襲で移植時に新鮮な細胞が十分量採取できることから、半月板再生医療の理想的な細胞ソースとして応用可能なことが示唆された。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記各実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記各実施例の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。
10 半月板再生用材料 11 コラーゲンスポンジ
12 脂肪組織由来再生細胞(ADRCs) 13ADRCs溶液(混合溶液)

Claims (5)

  1. 膝関節の半月板の少なくとも一部を再生するため、前記膝関節内に移植されるように用いられる半月板再生用材料であって、
    コラーゲンスポンジと、
    記コラーゲンスポンジに含浸された脂肪組織由来再生細胞と、を有し、
    前記脂肪組織由来再生細胞は、生体内から採取された脂肪組織から分離され培養されることなく得られた、脂肪組織由来幹細胞を含む細胞集団であることを特徴とする半月板再生用材料。
  2. 前記コラーゲンスポンジが、アテロコラーゲンスポンジであることを特徴とする請求項1に記載の半月板再生用材料。
  3. 前記脂肪組織由来再生細胞と、アテロコラーゲンゲルとの混合溶液が、前記コラーゲンスポンジに含浸されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半月板再生用材料。
  4. 前記コラーゲンスポンジへ含浸される前記脂肪組織由来再生細胞の細胞数が、1.7×104 cells/mm3以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半月板再生用材料。
  5. 膝関節の半月板の少なくとも一部を再生するため、前記膝関節内に移植されるように用いられる半月板再生用材料の作製方法であって、
    生体内から脂肪組織を採取する工程と、
    採取された前記脂肪組織から脂肪組織由来幹細胞を含む細胞集団である脂肪組織由来再生細胞を分離する工程と、
    分離した前記脂肪組織由来再生細胞を、培養することなくコラーゲンスポンジに含浸させる工程と、を有することを特徴とする半月板再生用材料の作製方法。
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