定義
以下に説明する意味を持つある種の用語および語句が本明細書では使用される。
本出願において使用されているように、単数形の「a」、「an」および「the」は、本文中に他に特記されなければ、複数の指示対象を含む。例えば、用語「MNAザイム」は複数のMNAザイムも含む。文脈中に他に特記されることも具体的に反対のことを述べてもいなければ、単数形の整数、ステップまたは要素として本明細書で列挙されている本発明の整数、ステップ、または要素は、列挙されている整数、ステップまたは要素の単数形と複数形の両方を明確に包含する。
違った形で示されていなければ、用語「含む(comprising)」および「有する(having)」は、「主として含むが、必ずしもそれだけではない」を意味する。さらに、「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの単語「含む(comprising)」の変形は、対応して様々な意味を有する。従って、例えば、標的分子Aを「含む(comprising)」試料とはもっぱら標的分子Aからなるまたは1つもしくは複数の異なる種類(複数可)の標的分子(例えば、標的分子Bおよび/または標的分子C)を含むことがある。同様に、ホスファターゼ活性を「有する(having)」酵素はホスファターゼ活性のみを有することもあれば、他の追加の活性(例えば、キナーゼ活性)も有することがある。
用語「ブロッキングオリゴヌクレオチド」、「ブロッカー」、「ブロッカー分子」および「BL」は本明細書では互換的に使用され、同じ意味を有する。BLは相補的塩基対合により第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、それによって第2のオリゴヌクレオチドがBLの不存在下であれば果たすことができる機能を果たすのを防止することができるオリゴヌクレオチドである。例えば、BLは、第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしている場合、他のオリゴヌクレオチド(複数可)とハイブリダイズするその能力を阻害することによりおよび/または活性な立体構造を形成するその能力を阻害することにより、第2のオリゴヌクレオチドが機能するのを防止することができる。BLとのハイブリダイゼーションにより阻害される第2のオリゴヌクレオチドの特定の機能には、例えば、基質を触媒的に改変する、活性MNAザイムに成分パートザイムをもたらす、核酸二重鎖の1つの鎖を置換することができる「リリーサーオリゴヌクレオチド」として機能する、ポリメラーゼ媒介伸長が可能なプライマーの役割を果たす、相補鎖のポリメラーゼ媒介合成のための鋳型の役割を果たす、かつ/またはエンドヌクレアーゼもしくはエキソヌクレアーゼによる認識および消化が可能な二重鎖を形成する能力が含まれる。BLの存在下で阻害される第2のオリゴヌクレオチドの特定の機能には、リガンドがアプタザイムに結合するのをブロックする能力が含まれないことがある。BLは相補的塩基対合により第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしない1つまたは複数のセグメントを含むことがある。あるいは、BLの全てのヌクレオチドが第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができることがある。BLは、第2のオリゴヌクレオチドに相補的である領域にBLに対する結合親和性を有する別の実体[例えば、下に定義される「リリーサーオリゴヌクレオチド」(RL)]の付加によりBLがハイブリダイズしている第2のオリゴヌクレオチドから解離されることがある。例えば、RLはBLのハイブリダイズしている鎖間に形成される二重鎖におけるBLによりもたらされるオーバーハングセグメント(「トーホールド」)に相補的塩基対合によりハイブリダイズして、第2のオリゴヌクレオチドを機能的に不活性化することがある。RLは、同じBLまたはそのセグメントに対する第2のオリゴヌクレオチドの結合親和性と比べてBLまたはそのセグメントに対してより強い、等しい、または減少した結合親和性を有することがある。BLは、個別の実体、より大きなオリゴヌクレオチドのセグメント、または、例えば、連結核酸配列(例えば、ヘアピンループリンカー配列)によりもしくは他の任意の手段[例えば、C3ホスホラミドスペーサーなどのスペーサー改変およびスペーサー9とスペーサー18などのエチレングリコールスペーサー(それぞれがヘアピン構造のループを形成するのに使用することができる)を含む非核酸化学]により別のオリゴヌクレオチド(例えば、第2のオリゴヌクレオチド)に連結していることもある。BLは触媒核酸酵素の1つまたは複数の基質を含むこともある。BLは、1つまたは複数の標的分析物による認識のための1つまたは複数のアプタマー基質を含むこともあるが、そのような場合、BLは相補的結合によるアプタザイムの機能を阻害することができないことがあるまたは阻害することができない。BLは、アプタマー配列(複数可)と標的分析物(複数可)の間の相互作用により、BLがハイブリダイズしている第2にオリゴヌクレオチドから解離されることがある。
用語「リリーサーオリゴヌクレオチド」、「リリーサー」、「リリーサー分子」および「RL」は本明細書では互換的に使用され、同じ意味を有する。RLは所与の核酸二重鎖の第1の鎖と相補的塩基対合によりハイブリダイズし、それによって二重鎖の第2の鎖を置換して第2の鎖が第1の鎖と再ハイブリダイズするのを実質的にまたは完全に防止することができるオリゴヌクレオチドである。RLは、第2の鎖に相補的である領域における二重鎖の第1の鎖に対する結合親和性を有するために二重鎖のハイブリダイズしている鎖の解離に影響を与え、結合に続いてRLは第2のオリゴヌクレオチドを置換する。RLは相補的塩基対合により第1の鎖とハイブリダイズしない1つまたは複数のセグメントを含むことがある。RLは、相補的塩基対合により最初は所与の核酸二重鎖の第1の鎖によりもたらされるオーバーハングセグメント(「トーホールド」)にハイブリダイズすることがある。RLは、第2の鎖が同じ第1の鎖またはそのセグメントに対して有する結合親和性と比べて、第1の鎖またはそのセグメントに対してより強い、同じ、または減少した結合親和性を有することがある。非限定的な例として、RLは相補的塩基対合により、下で定義されている「分子スイッチ」の成分であるBLにハイブリダイズすることがある。RLとBLのハイブリダイズにより、BLは、それが以前ハイブリダイズしていた分子スイッチの別の成分(例えば、触媒核酸酵素)から隔離され、それによって酵素を触媒的に活性な状態で放出することがある。この筋書きでは、BLは、RLを含むオリゴヌクレオチドの成分である、独立したオリゴヌクレオチドとしてもたらされることがある、またはRLに連結していることもある(例えば、連結核酸または非核酸スペーサー配列により)。
本明細書で使用される用語「分子スイッチ」とは、RL、NRF、プライマー、触媒核酸酵素、および/または触媒核酸酵素成分のいずれか1つまたは複数を含有する複合体のことであり、この複合体は、BLへのハイブリダイゼーションによる不活性化、または相補的塩基対合によりスイッチにハイブリダイズしているBLの除去(例えば、BLの切断またはRLによる置換により)による活性化を含むが、これらに限定されない種々の方法により機能的に不活性または活性にすることができる。
用語「鋳型」、「ポリメラーゼ鋳型」、「ポリメラーゼに対する鋳型」、「ポリメラーゼに対する核酸鋳型」、および「核酸ポリメラーゼ鋳型」は本明細書では互換的に使用され同じ意味を有し、鋳型配列と塩基対相補性を有する核酸の新しい配列を生成するポリメラーゼに対する鋳型としての働きをする核酸(例えば、DNAおよび/またはRNA)の一本鎖配列のことである(すなわち、核酸の新しい配列は鋳型のアンチセンスである)。本発明においては様々な種類の鋳型が有用である。鋳型の非限定的な例には、DNAザイムのアンチセンス核酸配列を含む「DNAザイム鋳型」、「Dz鋳型」または「Dz−鋳型」が含まれ、これらの鋳型は活性DNAザイムを合成するためにポリメラーゼにより使用されることが可能である。鋳型の他の例には、プライマーのアンチセンス核酸配列を含む「プライマー鋳型」または「プライマー合成のための鋳型」が含まれ、これらの鋳型は活性プライマーを合成して別の分子の合成を開始するためにポリメラーゼにより使用されることが可能である。鋳型の追加の例には、二重鎖RE認識部位の1つの鎖を含む「RE鋳型」が含まれ、この鋳型をポリメラーゼによりコピーして、二重鎖RE認識部位の第2の鎖を合成し、こうしてREにより切断可能な機能的配列を作り出すことができる。
本明細書で使用される用語「標的」および「標的分子」とは、本明細書に記載される分子複合体による検出が可能である核酸、タンパク質、プリオン、小有機化合物、触媒核酸酵素補因子(例えば、二価または一価イオン)および全生物を含むが、これらに限定されない任意の分子のことである。例えば、標的は、MNAザイムの集合を指示するアセンブリーファシリテーターとして働く核酸、アプタマーに結合し、アプタマーへの結合によりApta−MNAザイムもしくは他のアプタザイムを活性化することができる任意の分子、またはBL分子からの触媒核酸、RL、プライマーもしくはNRFの放出を促進することができる任意の分子である。
本明細書で使用される用語「ヌクレアーゼ認識断片」および「NRF」とは、相補的塩基対合により第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、それによってヌクレアーゼ酵素の認識部位を作り出すことができるオリゴヌクレオチドのことである。認識部位の作製によりNRFと第2のオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにより形成される二重鎖の成分に対する酵素の活性が開始される(例えば、エキソヌクレアーゼによる第2のオリゴヌクレオチドの消化)。NRFは第2のオリゴヌクレオチドにその全長にわたって相補的であってもよい。あるいは、NRFの1つまたは複数のセグメントは第2のオリゴヌクレオチドに相補的であり、1つまたは複数の他のセグメントは相補的でなくてもよい。
用語「プライマー」、「プライマー配列」および「プライマーオリゴヌクレオチド」は本明細書では互換的に使用され同じ意味を有する。プライマーとは、相補的塩基対合により別の核酸の一本鎖セグメントにハイブリダイズし、それによって一本鎖セグメントに塩基対相補性を有する核酸の新しい鎖のポリメラーゼ酵素による合成を促進することができる短いオリゴヌクレオチド(例えば、50、40、35、30、25、20、15、または10ヌクレオチド長未満)のことである。
用語「触媒核酸分子」、「触媒核酸」、「触媒核酸酵素」、「核酸酵素」および「触媒核酸配列」は本明細書では互換的に使用され同じ意味を有する。これらの用語は、1つまたは複数の基質の特定の認識および触媒的改変が可能である任意の核酸を包含する。例えば、基質(単数または複数)は核酸であることがあり、触媒的改変はライゲーションまたは切断であることがある。本明細書で使用される触媒核酸酵素には、DNA分子またはDNA含有分子、RNAまたはRNA含有分子、およびDNA−RNAまたはDNA−RNA含有分子が含まれる。触媒核酸酵素の非限定的な例には、DNAザイム(DNA酵素およびデオキシリボザイムとしても知られている)、リボザイム(RNA酵素およびRNAザイムとしても知られている)および多成分核酸酵素(MNAザイム)が含まれる。触媒核酸酵素は本明細書では「イニシエーター触媒核酸酵素」または「イニシエーター酵素」と呼ばれることもあり、これらの酵素は本発明に従ってカスケードの第1ステップを開始する原因となる触媒核酸酵素のことである。「イニシエーター触媒核酸酵素」または「イニシエーター酵素」には、アプタマーまたはMNAザイム成分がアプタマーに連結されているアプタ−MNAザイムにDNAザイムまたはリボザイムが連結されているアプタザイムも含まれることがある。
本明細書で使用されるように、用語「ポリヌクレオチド」および「核酸」は互換的に使用され同じ意味を有し、DNA、メチル化DNA、アルキル化DNA、RNA、メチル化RNA、マイクロRNA、siRNA、shRNA、mRNA、tRNA、snoRNA、stRNA、smRNA、プレマイクロRNAおよびプリマイクロRNA、他の非コードRNA、リボソームRNA、その誘導体、そのアンプリコンまたはその任意の組合せを含むが、これらに限定されないデオキシリボヌクレオチドおよび/もしくはリボヌクレオチド塩基の一本鎖もしくは二本鎖ポリマー、またはその類似体、誘導体、変異体、断片もしくは組合せのことである。非限定的な例として、核酸の供給源は、合成、哺乳動物、ヒト、動物、植物、真菌、細菌、ウイルス、古細菌またはその任意の組合せを含む群から選択されることがある。
本明細書で使用されるように、用語「オリゴヌクレオチド」および「オリゴ」は互換的に使用され同じ意味を有し、DNAもしくはDNA含有核酸分子、RNAもしくはRNA含有分子、またはDNA−RNAもしくはDNA−RNA含有分子のことである。オリゴヌクレオチドの非限定的な例には、核酸標的、BL、RL、NRF、触媒核酸酵素(例えば、DNAザイム、リボザイム、MNAザイム)、基質、例えば、MNAザイム、DNAザイムおよび/またはリボザイムにより改変されることが可能な基質;本明細書に記載されるカスケードにおいて使用されるプライマーなどのプライマー;ならびにMNAザイムの成分が含まれる。オリゴヌクレオチドは、下の表1に記載される付加または置換の任意の1つまたは複数を含むが、これらに限定されない少なくとも1つの付加または置換を含むことがある。オリゴヌクレオチドは、例えば、PCRプライマー、DNAザイム、パートザイムまたはアプタマーとして機能することがある。本明細書で言及されるオリゴヌクレオチドは、例えば、化学合成(例えば、成分ヌクレオチドからまたはオリゴヌクレオチドの既存の断片へのヌクレオチド(複数可)の付加)によりを含むいかなる方法によっても合成することができる。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの複数の断片をライゲートするまたは他の方法で結合させることにより構築することもできる。本明細書で言及される「ライゲーション産物」は、リガーゼ酵素により互いに結合(ライゲート)されている2つ以上のオリゴヌクレオチドで構成されているオリゴヌクレオチドを含む核酸である。
本明細書で使用される用語「ヌクレオチド」および「ヌクレオチド残基」および「塩基」は同じ意味を有し、塩基A、C、G、T、またはU、ならびにその誘導体または類似体を含むヌクレオチドを包含する(その非限定的な例は表1に収載されている)。
核酸またはヌクレオチドとの関連で本明細書に使用される用語「誘導体」には、一体的に生成される(例えば、組換え手段により)または合成後に付加される(例えば、化学的手段により)任意の融合分子を含む、任意の機能的に等価な核酸またはヌクレオチドが含まれる。そのような融合物は、RNAもしくはDNAがそこに付加されているまたはポリペプチド(例えば、ピューロマイシンまたは他のポリペプチド)、小分子(例えば、ソラレン)、もしくは抗体にコンジュゲートされている本発明のオリゴヌクレオチドを含むことがある。
核酸またはヌクレオチドとの関連で本明細書に使用される用語「類似体」には、DNAまたはRNA分子または残基に関係している物理的構造を有する化合物が含まれ、DNAもしくはRNA残基またはその類似体と水素結合を形成することができることがある(すなわち、類似体はDNAもしくはRNA残基またはその類似体とアニールして塩基対を形成することができる)が、そのような結合は該化合物が用語「類似体」内に包含されるのにそれほど必要ではない。そのような類似体は、それが構造的に関係しているリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチド残基とは異なる化学的および生物学的特性を有することがある。メチル化、ヨウ素化、臭素化またはビオチン化残基は類似体の例である。デオキシイノシン、C−5−イミダゾールデオキシウリジン、3−(アミノプロピニル)−7−デアザーdATP、2’−O−メチルRNA、2’O−メチルキャップを含むヌクレオチド類似体を含有する活性なDNAザイムが記載されている。他の類似体も、DNAザイム、リボザイムおよびMNAザイムなどの触媒核酸酵素の触媒活性に適合性であり得る。例えば、1つの塩基の別の塩基での置換による、類似体の塩基での置換による、触媒活性のある核酸の変更、または糖成分もしくはリン酸ジエステル骨格の変更は当業者には複雑ではない。例えば、合成中にまたは合成後の特定の塩基の改変により変更することができる。塩基変更または塩基類似体などの変更を組み込んでいる触媒核酸を実験により試験すれば、触媒活性に対する変更された配列、または特定の類似体の効果を評価することができる。塩基A、C、G、TおよびUの類似体は当技術分野では公知であり、サブセットは表1に収載されている。ヌクレアーゼ消化を阻害することができる類似体の非限定的な例も当技術分野では周知である。そのような類似体は戦略的にオリゴヌクレオチド内に置いて、エキソヌクレアーゼおよび/またはエンドヌクレアーゼによる切断を防止することができる。例として、ホスホロチオエート連結のSp立体異性体は、制限エンドヌクレアーゼ、Lambdaエキソヌクレアーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼIII(大腸菌)、エキソヌクレアーゼI(大腸菌)、エキソヌクレアーゼTおよびRecJを含むがこれらに限定されない多くのヌクレアーゼの切断を大いに阻害することで知られている。複数のホスホロチオエート連結を含めば、ヌクレアーゼ活性をブロックするのに極めて効果的であることが可能である。
本明細書で使用される用語「MNAザイム」および「多成分核酸酵素」とは、MNAザイムアセンブリーファシリテーター分子(例えば、標的分析物)の存在下でのみ、集合して、1つまたは複数の基質を触媒的に改変することができる触媒的に活性な核酸酵素を形成する2つ以上のオリゴヌクレオチド配列(例えば、パートザイム)のことである。例えば、パートザイムAおよびBはそれぞれが標的分析物に結合することがある(例えば、核酸標的との相補的塩基対合により)。MNAザイムは、パートザイムAおよびBのセンサーアームが標的上で互いに隣接してハイブリダイズする場合にのみ形成される。MNAザイムの基質アームは基質に結合して、その基質の改変(例えば、切断またはライゲーション)はパートザイムAおよびB上の部分的触媒ドメインの相互作用により形成されるMNAザイムの触媒コアにより触媒される。本明細書で使用される用語「MNAザイム」および「多成分核酸酵素」が、PCT特許出願公開WO/2007/041774、WO/2008/040095、WO2008/122084ならびに関連する米国特許出願公開第2007−0231810号、第2010−0136536号、および第2011−0143338号のいずれか1つまたは複数に開示されているMNAザイムを含む全ての既知のMNAザイムおよび改変MNAザイムを包含することは理解されるであろう(これらの文書それぞれの内容は参照によりその全体を本明細書に組み込まれる)。用語「MNAザイム」および「多成分核酸酵素」に包含されるMNAザイムおよび改変MNAザイムの非限定的な例には、切断触媒活性のあるMNAザイム(本明細書に例示されている)、1つまたは複数のアセンブリー阻害剤を含む分解しているまたは部分的に集合しているMNAザイム、1つまたは複数のアプタマーを含むMNAザイム(「アプタ−MNAザイム」)、1つまたは複数の切断型センサーアームおよび適宜1つまたは複数の安定化オリゴヌクレオチドを含むMNAザイム、1つまたは複数の活性阻害剤を含むMNAザイム、多成分核酸不活性プロ酵素(MNAi)、ならびにリガーゼ触媒活性のあるMNAザイム(「MNAザイムリガーゼ」)が含まれ、これらMNAザイムのそれぞれがWO/2007/041774、WO/2008/040095、WO2008/122084、US2007−0231810、US2010−0136536、および/またはUS2011−0143338の1つまたは複数に詳細に記載されている。
本明細書で使用される用語「アプタザイム」とは、アプタマードメインに連結していて、標的分析物の存在に依存するようにアロステリックにその活性を調節する触媒核酸(DNAザイムまたはリボザイムまたはMNAザイム)のことである。アプタマーを触媒核酸または触媒核酸成分に組み込むための方法には、触媒核酸もしくは触媒核酸成分の1つもしくは複数のドメインへのアプタマーの直接コンジュゲーション、触媒核酸の非機能的領域へのアプタマーの組込み、または触媒核酸の機能的領域に隣接したアプタマーのコンジュゲーション(両方が調節因子オリゴヌクレオチドに部分的にハイブリダイズしていて分析物の不存在下ではアプタザイムの触媒活性を阻害する)が含まれるが、これらに限定されない。
用語「アセンブリーファシリテーター分子」、「アセンブリーファシリテーター」、「MNAザイムアセンブリーファシリテーター分子」、および「MNAザイムアセンブリーファシリテーター」は本明細書では互換的に使用されており、1つまたは複数のパートザイム成分のセンサーアームとハイブリダイズして、それによって触媒的に活性なMNAザイムの集合を促進することができる実体(例えば、核酸)のことである。アセンブリーファシリテーターは、切断、リガーゼまたは他の酵素活性を有するMNAザイムの集合を促進することができる。アセンブリーファシリテーターは単一分子であるまたは1つまたは複数のオリゴヌクレオチド「パートザイム」のセンサーアームにハイブリダイズする複数の別々の分子を含んでいることがある。アセンブリーファシリテーターは検出されるまたは定量される標的(例えば、DNA、メチル化DNA、アルキル化DNA、RNA、メチル化RNA、マイクロRNA、siRNA,shRNA、tRNA、mRNA、snoRNA、stRNA、smRNA、プレマイクロRNAおよびプリマイクロRNA、他の非コードRNA、リボソームRNA、その誘導体、アンプリコン、またはその任意の組合せからなる群より選択される核酸)であることもある。
本明細書で使用されるように、用語「パートザイム」、「パートザイム成分」および「パートザイムオリゴヌクレオチド」は互換的に使用され同じ意味を有し、それぞれがDNA含有および/またはRNA含有オリゴヌクレオチドのことであり、その2つ以上がMNAザイムアセンブリーファシリテーター分子の存在下でのみ、共になって「MNAザイム」を形成することができる。パートザイムは3つのドメイン、すなわち、化学的改変を触媒するMNAザイムの触媒コアの一部を形成する「触媒」ドメイン、アセンブリーファシリテーター(例えば、標的分析物)と会合するおよび/またはこれに結合する「センサーアーム」ドメイン、ならびに基質と会合するおよび/またはこれに結合する「基質アーム」ドメインを含む。
用語「基質」および「基質分子」は本明細書では互換的に使用され、触媒分子(例えば、触媒核酸酵素またはタンパク質酵素)による認識および触媒的改変が可能である任意の分子のことである。基質は、例えば、触媒核酸酵素による特定の認識および触媒的改変が可能である一本鎖または二本鎖核酸を含むことがある。触媒的に改変される基質は、間接的および/または直接的手段により検出され得る。例えば、基質の触媒的改変は、基質が触媒的に改変されることに頼っているカスケードの1つまたは複数のそれに続くステップにより間接的に検出され得る。さらにまたはあるいは、基質の触媒的改変は、例えば、1つもしくは複数の改変された基質産物および/または基質の改変により直接生じる他の任意のシグナル(例えば、基質を切断しそれによって改変されていない基質上に存在する以前は対になっていたフルオロフォアとクエンチャー分子を空間的に分離することにより生じる蛍光シグナル)を直接検出することにより検出され得る。触媒分子により触媒的に改変されると直接検出することができる基質は、本明細書では「レポーター基質」または「レポータープローブ基質」とも呼ばれる。
本明細書で使用されるように、用語「アプタマー」は、より高いレベルの構造、例えば、三次元結合ドメインまたはポケットのため高親和性および特異性を有する1つまたは複数のリガンドを認識する能力を有する核酸またはペプチド配列を包含する。アプタマーは、核酸、タンパク質、プリオン、小有機化合物、または全生物に結合することができる。本明細書で好ましいアプタマーは、吸着、回収、および繰り返し増幅の反復プロセスにより合成核酸の複雑なライブラリーから単離することができる短い一本鎖DNAまたはRNAオリゴマーである。アプタマーは、アミノ酸、または抗生物質などの小分子からタンパク質、核酸構造物またはホールセルまでに及ぶ、ほとんどどんな標的に対しても作製することができる。
本明細書で使用される用語「リガンド」とは、タンパク質、プリオン、ポリペプチド、ペプチドまたは核酸、糖タンパク質、脂質、リポタンパク質、ウイルス、細菌、古細菌、真菌、抗体、代謝物、病原体、毒素、汚染物質、毒物、小分子、ポリマー、金属イオン、金属塩、小有機化合物、ホールセルおよび全生物を含むが、これらに限定されない、高親和性および特異性でアプタマーに結合することができる任意の分子のことである。リガンドは「標的分析物」または「分析物」とも呼ばれることがある。
2つ以上の核酸間での「ハイブリダイゼーション」への、または「ハイブリダイズ」している2つ以上の核酸への本明細書での言及は、核酸の全てまたは一部の間で相補的塩基対合を必要とすることは理解されるであろう。
略語
以下の略語は本明細書でおよび本明細書を通じて使用される。
AS:アンチセンス
ATP:アデノシン三リン酸
BL:ブロッキングオリゴヌクレオチド
RL:リリーサーオリゴヌクレオチド
NRF:ヌクレアーゼ認識断片
ExoIII:エキソヌクレアーゼIII
NESA:ニッキングエンドヌクレアーゼシグナル増幅
SDA:鎖置換増幅
LAMP:ループ媒介等温増幅
RCA:ローリングサークル増幅
TMA:転写物媒介増幅
3SR:自家持続配列複製
NASBA:核酸配列ベース増幅
MNAザイムまたはMz:多成分核酸酵素
DNAザイムまたはDz:デオキシリボ核酸酵素
PCR:ポリメラーゼ連鎖反応
F:フルオロフォア色素分子
Q:クエンチャー分子
dNTPα:αチオデオキシヌクレオチド
JOEまたは6−JOE:6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン
FAMまたは6−FAM:6−カルボキシフルオレセイン
TxR:テキサスレッド
オリゴ:オリゴヌクレオチド
IB:アイオワブラック
IDT:集積DNA技術
Pol:ポリメラーゼ
RE:制限エンドヌクレアーゼ
T4 PNK:T4ポリヌクレオチドキナーゼ
詳細な説明
以下の詳細な説明は、当業者が本発明を実行することができるのに十分に詳細に本発明の例示的態様を伝える。記載されている種々の態様の特長または限界は本発明の他の態様または本発明全体を必ずしも限定するものではない。従って、以下の詳細な説明は本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は特許請求の範囲によってのみ定義される。
上記の通り、現在利用可能なアッセイにより生じるシグナルを増幅するように設計された標的分子検出および方法のためのアッセイには数多くの限界がはっきり表れている。これらの限界の1つまたは複数に、本発明の組成物、キットおよび方法は取り組んでいる。
標的の検出、同定および/または定量のための組成物、方法およびキットが提供される。
本発明のいくつかの態様は分子スイッチとして機能する能力を有する分子複合体に関する。これらの複合体は、例えば、BLへのハイブリダイゼーションにより機能的に不活性になることがあるRL、NRF、プライマー、触媒核酸酵素、触媒核酸酵素成分、またはポリメラーゼ鋳型のうちのいずれか1つまたは複数を含むことがある。複合体からBLを取り除けば残りの成分(複数可)は機能的に活性になることがある。あるいは、組成物は、例えば、BLにハイブリダイズしておらず、BLへのハイブリダイゼーションにより機能的に不活性になることがある機能的に活性なRL、NRF、プライマー、触媒核酸酵素、触媒核酸酵素成分、またはポリメラーゼ鋳型のうちのいずれか1つまたは複数を含むことがある。
本発明の他の態様は、本発明の分子複合体を利用して標的分子および/またはシグナル増幅を検出するための方法に関する。方法は一般に、触媒核酸、ポリメラーゼ鋳型、プライマー、NRFもしくはRL分子とBL分子の間でのハイブリダイゼーションにより形成されることがある分子スイッチのための成分を含む組成物の使用を含む。このハイブリダイゼーションにより、BLがそこから解離されるなどの時間まで、触媒核酸、NRF、RLまたはポリメラーゼ鋳型は機能的に不活性になることがある。これらの分子スイッチをもたらすことにより、検出およびシグナル増幅カスケードの展開は促進されてきた。
例えば、BLは、基質の1つまたは複数が切断されると、BLが1つまたは複数の他の分子、例えば、相補的塩基対合により以前はBLにハイブリダイズしていた異なる触媒核酸、プライマー、NRF、RLおよび/またはポリメラーゼ鋳型から分離されるように、1つまたは複数の異なる触媒核酸分子の1つまたは複数の基質配列を含有することがある。BLは、1つまたは複数の標的分析物が結合することができる1つまたは複数のアプタマーを含むことがある。アプタマー(複数可)への標的分析物(複数可)の結合により、BLまたはさらに多くの他の分子、例えば、相補的塩基対合により以前はBLにハイブリダイズしていた異なる触媒核酸、プライマー、NRF、RLおよび/もしくはポリメラーゼ鋳型が分離することができる。BLからの分離により、そのそれぞれの機能を果たす、すなわち、基質改変を触媒する、新しい核酸の合成をプライムする、ヌクレアーゼ活性を開始する、二重鎖中のオリゴヌクレオチドを放出する、またはポリメラーゼが鋳型の相補体であるヌクレオチドの配列を合成するための鋳型として働くこれらの分子の能力を回復することができる。
別の例では、BLへのハイブリダイゼーションにより機能的に不活性になった触媒核酸分子は、RL分子によりBLから分離され、それによってその触媒活性を回復させることができる。RLは酵素の放出に続いてBLにハイブリダイズするが、そのプロセスは、DNAザイム、MNAザイムもしくは他の触媒核酸酵素、ニッキング酵素、他のエンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼを含むがこれらに限定されない制限酵素、および/または鎖置換型ポリメラーゼ酵素などの酵素の活性により自律的に繰り返されることがあり、これらの酵素は単独でまたは組み合わされて機能し、RLを形成されたRL/BL複合体から遊離させることができる。このため、順々にRLはBL隔離の追加のラウンドに関与して、それによってBL/酵素複合体から追加の触媒酵素を放出することができる。
追加の例では、BLへのハイブリダイゼーションにより機能的に不活性になった触媒核酸は、その活性がNRFまたはプライマーをもたらすことにより開始することができるヌクレアーゼ(例えば、REまたはエキソヌクレアーゼ)または鎖置換型ポリメラーゼの活性により直接活性化することができる。REを鎖置換型ポリメラーゼと共に使用して、RE切断(一本鎖ニッキングを含む)、プライマー伸長および鎖置換活性のサイクルを通じて新しい触媒核酸を連続して合成することができる。
本明細書に記載される分子スイッチを使用して、最初の活性な触媒核酸(例えば、その標的アセンブリーファシリテーターの存在下でのMNAザイム)によるBLの切断、および/または標的分析物がBL内のアプタマーに結合することによるBLの除去が引き金となって機能的分子(例えば、別の触媒核酸、プライマー、NRF、RLまたはポリメラーゼ鋳型)が活性化され得る循環カスケードを構築することができる。機能的分子は別の触媒核酸を直接的にまたは間接的に(ヌクレアーゼまたはポリメラーゼなどのタンパク質酵素を動員することにより)活性化することができ、次に核酸がBLを切断するように機能し、追加の機能的分子を活性化することができる。循環フィードバックカスケードを標的の検出に続くシグナルの増幅のために使用することができる。
本発明の他の態様は、本明細書に記載される分子複合体および適宜本発明の方法を実施するのに必要な他の成分(複数可)(例えば、MNAザイムおよびその成分、DNAザイム、ならびに/またはリボザイムなどの触媒核酸、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、RL、BL、NRF、プライマー、ポリメラーゼ鋳型、基質および同類のもののうちのいずれか1つまたは複数)を含むキットに関する。
組成物およびキット
本発明の方法を実行するための組成物およびキットが本明細書で提供される。ただの非限定的な例として、組成物およびキットは、触媒核酸酵素(例えば、MNAザイムおよび/もしくはそのパートザイム成分、DNAザイム、ならびに/またはリボザイム)、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、RL、BL、NRF、プライマー、ポリメラーゼ鋳型、および基質(例えば、触媒核酸酵素、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼの基質)のいずれか1つまたは複数を含むことがある。
組成物およびキットの様々な成分は機能的に不活性化された形態で提供し得る。例えば、成分は、BLが成分にハイブリダイズしており、それによって成分がBLの不存在下で機能すると考えられるように機能するのを防止するBLを含む分子複合体で提供することができる。組成物およびキットに他の成分(例えば、RL、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、ポリメラーゼ、NRF、プライマー、および/または他の触媒核酸酵素)を含んでいれば、成分をBLから解離し、それによって成分の機能的能力を回復させる手段を提供することができる。
さらにまたはあるいは、組成物およびキットの様々な成分は機能的に活性な形態で提供し得る。成分にハイブリダイズすることができるBLを含んでいれば、成分を不活性化する手段を提供し得る。
従って、組成物およびキットの様々な成分は、成分がそれに続いて、BLへのハイブリダイゼーションによる不活性化、または成分にハイブリダイズしていたBLの除去による活性化(例えば、BLの切断、RLによる置換または標的分析物がBL内のアプタマーに結合することにより)を含むがこれらに限定されない様々な方法により機能的に不活性または活性になることができる分子スイッチの形態で提供することができる。
組成物およびキット中に含まれるのが適している成分の非限定的な例は下に提供されている。
触媒核酸酵素
本発明の組成物およびキットは、1つもしくは複数の異なる種類の触媒核酸酵素および/または1つもしくは複数のその成分(例えば、1つもしくは複数のパートザイムおよび/またはアセンブリーファシリテーター)および/または触媒核酸酵素もしくはその成分の相補体を含むことがある。
触媒核酸酵素および/またはその成分は、酵素またはその成分が別のエレメント(例えば、BL)とのハイブリダイゼーションのため触媒的に不活性になる分子複合体で提供することができる。そのような場合、複合体の他のエレメント(複数可)からの触媒核酸酵素またはその成分の解離により、酵素は触媒活性が可能になり、それによって分子スイッチをもたらすことができる。
さらにまたはあるいは、触媒核酸酵素および/またはその成分は、分子複合体の成分ではなく基質および/または標的の存在下で触媒活性が可能である個別の実体として提供し得る。そのような場合、酵素またはその成分は基質を改変することができ得る。いかなる特定の制限も課すことなく、基質はBLの成分、プライマーオリゴヌクレオチドまたはレポーター基質でもよい。この形態で与えられると、触媒核酸酵素またはその成分は、組成物もしくはキットの別の構成要素および/またはレポーター基質構成要素の成分である基質に対する特異性を有することがある。基質は触媒的に改変されると検出可能なシグナルをもたらすことができる。例えば、基質は1つまたは複数の検出可能な標識(例えば、フルオロフォアおよびクエンチャー)を含むことがある。
組成物およびキットは適切ないかなる触媒核酸酵素(複数可)(その非限定的な例にはDNAザイム、MNAザイム、リボザイムおよび/またはアプタザイム)および/またはその成分(例えば、パートザイム(複数可)および/またはアセンブリーファシリテーター(複数可))も含むことができる。
例えば、本発明の組成物およびキットはDNAザイムを含むことがある。適切ないかなるDNAザイムも利用することができる。DNAザイムは既知の/既存のDNAザイムでもまたはインビトロ選択により新たに作製してもよい。DNAザイムはRNAまたはDNA分子を切断するまたはライゲートすることができることがある。例えば、Ba2+、Sr2+、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、Mn2+、Zn2+、および/またはPb2+などの二価の金属イオンは、DNAザイムの補因子として与えてもよい。DNAザイムは、標的基質に特異的に結合する配列の領域である2つの非保存基質結合ドメイン(「ハイブリダイジングアーム」)に隣接している触媒ドメイン(触媒コア)を含むことがある。適切なDNAザイムの非限定的な例には、2つの基質認識アームに隣接する15デオキシリボヌクレオチドの触媒ドメインを含む10:23DNAザイムおよび8:17DNAザイムが含まれる。
さらにまたはあるいは、組成物およびキットはリボザイムを含むことがある。適切などんなリボザイムも利用し得る。リボザイムは天然のリボザイムでも人工的に作製されたリボザイムでもよい。リボザイムはRNAまたはDNA分子を切断するまたはライゲートすることができることがある。例えば、Ba2+、Sr2+、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、Mn2+、Zn2+、および/もしくはPb2+などの二価の金属イオンならびに/または一価の陽イオンをリボザイムの補因子として与えてもよい。リボザイムは、標的基質に特異的に結合する配列の領域である2つの非保存基質結合ドメイン(「ハイブリダイジングアーム」)に隣接している触媒ドメイン(触媒コア)を含むことがある。あるいは、構造体が別々の標的および基質結合アームおよび触媒コアを含むことがある他のリボザイム構造体を想定している。適切なリボザイムの非限定的な例には、ハンマーヘッドリボザイム、ヘアピンリボザイム、分岐リボザイム、マキシザイム、グループIリボザイム、グループIIイントロンリボザイム、HDVリボザイム、RNアーゼP、CPEB3リボザイム、glmSリボザイム、ペプチジルトランスフェラーゼ23S rRNA、VSリボザイム、CoTCリボザイムおよびGIR1リードザイムが含まれる。
さらにまたはあるいは、本発明の組成物およびキットはMNAザイム、触媒的に活性なMNAザイムを形成することができるパートザイム成分、MNAザイムアセンブリーファシリテーター、および/またはMNAザイム基質のいずれか1つまたは複数を含むことがある。当業者には周知であるように、MNAザイムは、適切なアセンブリーファシリテーター(例えば、標的)にハイブリダイズすると2つ以上のパートザイムから自己集合する触媒的に活性な核酸酵素である。それぞれのパートザイム成分は部分的触媒コアを含み、このコアはMNAザイムに集合すると結合して、基質を改変することができる単一の触媒コアを形成する。
適切なMNAザイムおよびその作製のための方法の非限定的な例は、例えば、PCT特許出願公開WO/2007/041774、WO/2008/040095、WO2008/122084ならびに関連する米国特許出願公開第2007−0231810号、第2010−0136536号、および第2011−0143338号のいずれか1つまたは複数に開示されている(これらの文書それぞれの内容は参照によりその全体を本明細書に組み込まれる)。適切なMNAザイムには、切断触媒活性のあるMNAザイム、ライゲーション活性のあるMNAザイム、1つまたは複数のアセンブリー阻害剤を含む分解しているまたは部分的に集合しているMNAザイム、1つまたは複数のアプタマーを含むMNAザイム(「アプタ−MNAザイム」)、1つまたは複数の切断型センサーアームおよび適宜1つまたは複数の安定化オリゴヌクレオチドを含むMNAザイム、1つまたは複数の活性阻害剤を含むMNAザイム、多成分核酸不活性プロ酵素(MNAi)、ならびにリガーゼ触媒活性のあるMNAザイム(「MNAザイムリガーゼ」)が含まれ、これらMNAザイムのそれぞれがWO/2007/041774、WO/2008/040095、WO2008/122084、US2007−0231810、US2010−0136536、および/またはUS2011−0143338の1つまたは複数に詳細に記載されている。パートザイムオリゴヌクレオチドはMNAザイムアセンブリーファシリテーターの存在下で自己集合してMNAザイムを形成する。一部の態様では、MNAザイムの存在を検出することができ、標的の存在を示している。なぜならば、MNAザイムはアセンブリーファシリテーターを含む標的の存在下でのみ形成されるからである。MNAザイムは、PCT/AU2006/001473(WO2007/041774として公表されている)におよびPCT/AU2007/001517(WO2008/040095として公表されている)にさらに詳細に記載されており、これらの特許文献は参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。
当業者には公知のように、MNAザイム構造物は1つまたは複数のDNAザイム(例えば、10:23および8:17DNAザイム)および/またはリボザイムを土台としている。MNAザイムはリボヌクレオチド塩基および/またはデオキシリボヌクレオチド塩基および/またはその類似体を含むことがある。例えば、センサーアーム、基質アーム、またはMNAザイムの触媒コアの1つもしくは複数は、1つもしくは複数のリボヌクレオチド塩基および/または1つもしくは複数のデオキシリボヌクレオチド塩基および/または1つもしくは複数のその類似体を含むことがある。一部の態様では、MNAザイムは、MNAザイムの触媒コア内に少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチド塩基またはその類似体を含む。デオキシリボヌクレオチド塩基またはその類似体は触媒活性に必要とされることがある。
組成物およびキットのMNAザイムは、当業者には周知の、類似体、誘導体、改変されたもしくは変更された塩基、リボヌクレオチド、糖もしくはリン酸骨格の変更、種々の欠失、挿入、置換、重複もしくは他の改変、またはこれらの任意の組合せなどの1つまたは複数の置換を含有することがある。分子が触媒活性を保持するように、そのような改変、置換、欠失、挿入、等を、センサーおよび/もしくは基質アームにおいてならびに/または触媒コア部分において加えてもよい。基質またはアセンブリーファシリテーターに結合させるアームへの置換および改変は十分に許容され、異なる基質/アセンブリーファシリテーターに分子を適合させることが可能になることがある。例えば、センサーアームを改変すれば、異なるアセンブリーファシリテーターに適合させることが可能になり、基質アームを改変すれば異なる基質に適合させることが可能になる。
さらにまたはあるいは、本発明の組成物およびキットは、触媒核酸酵素の1つまたは複数の成分を含むことができる。例えば、組成物およびキットはMNAザイムの個々の成分(複数可)(例えば、1つもしくは複数のパートザイムおよび/または1つもしくは複数のアセンブリーファシリテーター)を含むことがある。
非限定的な例として、組成物およびキットは標的分子を認識すると、自己集合して、1つまたは複数の基質を改変することができる触媒的に活性なMNAザイムを形成することができる個々のパートザイム(複数可)を含むことができる。このようにして形成されるMNAザイムは、パートザイムセンサーアームがある種のアセンブリーファシリテーター[特定の標的分子(複数可)になることがある]にハイブリダイズする場合にのみ集合するかつ/またはMNAザイムの基質アーム(複数可)にハイブリダイズすることができるある種の特定の基質(複数可)を触媒的に改変するだけであるように設計することができる。従って、組成物およびキットに含まれるMNAザイムは、本発明に従って検出および/またはシグナル増幅カスケードを開始することができる「イニシエーター酵素」として使用するために設計することができる。
例えば、パートザイムのセンサーアームのみを変更することにより、しかし基質アームはそのままにしておくことにより、その全てが検出のためにユニバーサルMNAザイム基質を利用することができる様々な標的に特異的な多種多様のMNAザイムを設計することができる。当業者であれば、標的ごとにそれに対応させたまたは他にない基質が必要になる面倒を省くことに関してこれにより提供される利点を認識されるであろう。それぞれの新しい標的はセンサーアーム部分の1つまたは複数において1つまたは複数の変更が必要なだけであり、基質アーム部分および触媒コア部分は一定のままであることが可能である。従って、MNAザイムを使用する単一の標的、および変更されたMNAザイムを使用する一連のアッセイにおける複数の標的に単一のMNAザイム基質を使用することができる。複数のMNAザイム基質があれば、複数のMNAザイムを標的ごとに1つ使用して単一のアッセイにおいて複数の標的を検出するマルチプレックス化が可能になる。MNAザイムを使用するそのようなマルチプレックス化された方法は溶液においてまたは支持システムに付着させて容易に実現される。このように、マルチプレックス化アッセイは、基質の1つもしくは複数、またはMNAザイムパートザイムもしくはアセンブリーファシリテーター、または追加の酵素活性を本明細書に記載される支持体に付着させることを含むシステムにおいて実現することが可能であることが本明細書では想定されている。
同様に、MNAザイムを操作してある種の標的基質に特異的にハイブリダイズさせ、これを触媒的に改変することができる。例えば、パートザイムの基質アームのみを変更することにより、しかしセンサーアームはそのままにしておくことにより、所与の標的に特異的であり一連の異なるMNAザイム基質を認識し触媒的に改変する多種多様のMNAザイムを設計することができる。いかなる特定の制限も課すことなく、基質は、RL、NRF、プライマーオリゴヌクレオチド、BL、触媒核酸酵素またはその成分の成分を含むまたは成分であるオリゴヌクレオチド(例えば、DNAザイム、リボザイム、パートザイム、アセンブリーファシリテーター)であり得る。基質は、MNAザイムにより触媒的に改変されると検出可能なシグナルをもたらすことができるレポーター基質であり得る。
ある特定の態様では、組成物およびキットのMNAザイムを操作して、ユニバーサルまたはジェネリック基質に特異的にハイブリダイズし触媒的に改変することができる。ユニバーサルMNAザイム基質を使用して、容易な設計変更を可能にして異なる標的を認識する新しいMNAザイムを作り出すことにより迅速なアッセイ開発を可能にすることができる。基質アーム部分およびパートザイムの触媒コア部分はそのままにしておき、新しい標的に対して必要な1つまたは複数のパートザイムのセンサーアーム部分のみを変更することが可能である。ユニバーサル基質配列が与えられ、したがって同じ基質を多くの異なる標的のためにアッセイに組み込むことができる。さらに、同じ基質は、基質が溶液中に遊離しているまたは支持体に連結されているもしくは付着しているアッセイを含む、本明細書の様々な態様において方法に組み込むことができる。一連のユニバーサル基質はマルチプレックス反応において使用することができ、複数の標的の同時検出が可能になる。ユニバーサル基質を使用するMNAザイム戦略は、それぞれの新しい標的に特異的なプローブの設計および使用が必要なTaqMan(登録商標)またはBeaconsまたはハイブリダイゼーションプローブなどの検出技術よりも大きな利点を提供する。MNAザイム基質は普遍的でありいかなる標的にも有能なので、このユニバーサルMNAザイム基質が切断されるといかなる標的の存在下でもシグナルの発生および増幅が可能になる。
本発明の組成物およびキットに含まれるDNAザイム、リボザイム、パートザイム、アセンブリーファシリテーターおよび/またはMNAザイム基質は、標的に結合することができるアプタマーを含むことがある。好ましいアプタマーは、吸着、回収、および繰り返し増幅の反復プロセスにより合成核酸またはペプチドの複雑なライブラリーから単離することができる短い一本鎖DNAもしくはRNAオリゴヌクレオチドまたはペプチドを含むことがある。従って、アプタマーは、アミノ酸または抗生物質などの小分子からタンパク質および核酸構造物に及ぶほとんどどんな標的に対しても作製することができる。好ましい態様では、アプタマーには、例えば、好ましくは進化および選択技法により作製される核酸結合分子が含まれる。アプタマーは、例えば、上の表1のようにヌクレオチド類似体を含むが、これに限定されないDNA分子、RNA分子または両方の組合せを含むことがある。
アプタマーの使用をリボザイムまたはDNAザイムと組み合わせる戦略は当技術分野では公知である。そのような分子は一般にキメラであり、アプタマードメインとDNAザイムまたはリボザイムドメインの両方を含有し、標的リガンドの存在により活性化される。アプタザイム機能的活性はアプタマードメインのその分析物への結合に応答してスイッチを入れることができる。アプタザイムを作製するための戦略には、リボザイムまたはDNAザイムを、コミュニケーションドメイン(communication domain)を介してアプタマードメインと共に融合させることが含まれるが、これに限定されない。コミュニケーションドメインは、インビトロ選択法により進化させて、標的分析物の存在下でのみリボザイムまたはDNAザイム活性を可能にするその能力を改良することができる。別の例となる戦略は、リボザイムまたはDNAザイムにおいて構造的役割を果たしているだけの非機能的ステムループまたはヘアピンにアプタマーを組み込むことを含む。アプタマーはDNAザイムまたはリボザイムに連結させてもよく、アプタマードメインと酵素ドメインの両方を、分析物の不存在下では酵素ドメインの触媒活性を阻害するのに使用される調節因子オリゴヌクレオチドに部分的にハイブリダイズしていてもよい。分析物の存在下では、アプタマーは分析物に結合して、酵素ドメインから調節因子オリゴヌクレオチドを放出しその触媒活性を回復させることができる。この場合、分析物の存在はアプタマーをDNAザイムまたはリボザイムから除去し、その触媒活性を回復させることがある。アプタマーを使用して、DNAザイムまたはリボザイムの2つ以上の成分を互いに架橋し、次に酵素がその基質を改変することができるようにすることもできる。ヘミンに対するアプタマーを含有しヘミンの存在下ではペルオキシダーゼの活性を模倣して、様々な化学基質を触媒し蛍光、化学発光および比色シグナルを生じさせることができる独特の種類のDNAザイムも存在する。好ましい態様では、アプタザイムは核酸分析物および/または非核酸分析物を検出するために使用されることがあり、アプタザイムもライゲーション産物も含まない核酸に相補的であるBL分子内に存在する1つまたは複数の基質を改変することができる触媒核酸として作用することにより本明細書に記載されるカスケード反応を開始するのに使用することができる。
アプタマーの使用とMNAザイムを組み合わせる戦略も当技術分野では公知である。アプタマーに連結されたMNAザイム成分を含有するアプタザイムはアプタ−MNAザイムと呼ばれることもある。例えば、MNAザイムの少なくとも1つのパートザイムはアプタマー(アプタ−パートザイム)ならびにヘアピンを形成ししたがってMNAザイム集合を阻害することができる相補的配列を組み込むことができる。検出される分析物または標的はアプタ−パートザイムに結合し、こうして活性なMNAザイムの集合を可能にすることがある。標的分析物の不存在下では、アプタ−パートザイムは、活性なMNAザイムの集合を阻害するヘアピン構造を採用する。標的分析物の存在下では、標的分析物はアプタ−パートザイムのアプタマードメインに結合し、こうしてヘアピン構造を破壊して、アプタ−パートザイムが活性なMNAザイムの集合に関与することが可能になる。次に、活性なMNAザイムはBL分子の一部として存在することのあるMNAザイム基質を改変できることがあり、その後、分子スイッチ複合体内では以前は不活性であったDNAザイムもしくは他の触媒核酸、ポリメラーゼ鋳型、またはプライマー、NRFもしくはRL分子の機能を回復することができる。
他の態様では、アプタマーは、アプタマーならびにヘアピン構造を形成することができる相補的阻害因子配列を組み込むアセンブリーファシリテーターの一部分として存在することがある。標的分析物の不存在下では、アセンブリーファシリテーターは、この成分の能力を阻害して活性なMNAザイムの集合を指示するヘアピン構造を採用する。標的分析物の存在下では、標的分析物はアセンブリーファシリテーターのアプタマードメインに結合し、こうしてヘアピン構造を破壊して成分が活性なMNAザイムの集合を指示することができるようになる。次に、活性なMNAザイムはBL分子の一部分として存在することがあるMNAザイム基質を改変し、次に、分子スイッチ複合体内では以前は不活性であった触媒核酸、ポリメラーゼ鋳型、またはプライマー、NRFもしくはRL分子の機能を回復することができる。
当業者であれば、アプタマーをアセンブリーファシリテーター分子(複数可)のどちらかの末端に組み込むことができることは認識されるであろう。さらに、複数のアプタマーをパートザイムオリゴヌクレオチド成分の1つまたは複数に組み込むことができることは認識されるであろう。
好ましい態様では、本発明の組成物およびキットに含まれるDNAザイム、リボザイム、MNAザイム、もしくはその成分、および/またはその核酸基質を含む触媒核酸酵素は、標的分子に結合することができるアプタマーを含む第1のBLに完全にまたは部分的に相補的であってもよい。標的分析物などの標的分子の存在下では、標的分析物は、触媒核酸、触媒核酸成分、および/またはその核酸基質から第1のBLを分離させ得るアプタマーに結合し、触媒核酸または成分がその基質、および/または追加の触媒核酸成分とハイブリダイズする能力を回復させて、機能的触媒核酸酵素/基質複合体を形成することができる。次に、これを使用して、BL分子にハイブリダイズしている相補的オリゴヌクレオチドの機能性を阻害する第2のBL分子内に存在する基質を改変し得る触媒核酸として作用することにより本明細書に記載されるカスケード反応を開始することができ、該相補的オリゴヌクレオチドはアプタザイムではない。
他の好ましい態様では、1つまたは複数のアプタマー配列またはその部分はBL分子内に存在していることがある。標的分析物の存在下では、標的分析物はアプタマーに結合し、これがアプタマーの立体構造を変化させることができ、BLから触媒核酸、RL、プライマーまたはNRFが分離されて、それに続いてそれぞれそれらの触媒、放出、プライミングおよびヌクレアーゼ開始活性が回復するが、該触媒核酸はアプタザイムではない。
さらなる態様では、アプタマー配列は、活性な開始アプタ−MNAザイムが標的分析物の存在下でのみ形成される立体配置でパートザイム(アプタ−パートザイム)の末端に組み込みことができる。この場合、検出戦略に必要なパートザイムには、標準パートザイム、アプタマーがその末端の1つに組み込まれているパートザイムであるアプタ−パートザイム、アプタ−パートザイムとパートザイムの両方に結合して活性な開始アプタ−MNAザイムの集合(標的の存在下で)を可能にするアセンブリーファシリテーター、基質、およびアプタマー配列の少なくとも一部分とパートザイム配列の基質結合アームの一部分に及ぶ領域でアプタ−パートザイムにハイブリダイズするアセンブリー阻害剤が含まれる。標的の不存在下では、アセンブリー阻害剤はアプタ−パートザイムに結合して、レポータープローブ基質の切断を防止する。標的の存在下では、標的はアプタ−パートザイムのアプタマー配列に結合し、アセンブリー阻害剤の結合を防止して、開始アプタ−MNAザイムによるMNAザイム基質の結合および切断を可能にする。従って、活性開始アプタ−MNAザイムは標的の存在下でのみ形成され、MNAザイム基質を改変することができる。
さらに、アセンブリー阻害剤は別々の分子であることが可能であるまたはMNAザイム複合体に関与する成分の1つに組み込むことができることは当業者であれば認識されるであろう。
1つまたは複数のアプタマーは、パートザイム、アセンブリーファシリテーターまたはMNAザイム基質を含むオリゴヌクレオチド成分のいずれにでも組み込むことができることも当業者であれば認識されるであろう。さらに、アプタマーはこれらのオリゴヌクレオチドのいずれか1つのどちらかの末端に組み込まれ得る。1つまたは複数のアプタマーはBLに組み込まれ得る。アプタマーは、例えば、どちらかの末端にまたは内部に組み込まれ得る。
本発明の組成物およびキット中の触媒核酸酵素(例えば、DNAザイム、リボザイム、MNAザイム、パートザイム、アセンブリーファシリテーター、基質、および/またはアプタザイム)は相補的塩基対合により他の分子(複数可)とハイブリダイズしている分子複合体の成分としてもたらすことができる。
一部の態様では、組成物およびキットは、相補的塩基対合により1つまたは複数のブロッカーオリゴヌクレオチド(複数可)にハイブリダイズしている触媒核酸酵素(例えば、DNAザイム、リボザイムまたはMNAザイム)を含む分子複合体を含むことがある。触媒核酸酵素からBL(複数可)が解離すると、酵素は基質(例えば、レポーター基質または第2の分子複合体中に存在する基質)とハイブリダイズしてこれを触媒的に改変することができる。このようにして、BLの除去は分子スイッチを活性化するように機能することができる。
一部の態様では、組成物およびキットは、相補的塩基対合により少なくとも1つの他のBLにハイブリダイズしているDNAザイムおよび/またはリボザイムを含む分子複合体を含むことがある。BLはDNAザイムまたはリボザイムに全体的にまたは部分的にハイブリダイズしていてもよい。DNAザイムまたはリボザイムは、BL(複数可)とのハイブリダイゼーションのため機能的に不活性になることがある。BL(複数可)からDNAザイムまたはリボザイムが解離すると、DNAザイムまたはリボザイムが触媒活性を回復できる。このように、1つまたは複数のBL(複数可)にハイブリダイズしているDNAザイムまたはリボザイムを含む分子複合体は分子スイッチをもたらし得る。
一部の態様では、分子複合体中の触媒核酸にハイブリダイズしているBLは、相補的塩基対合によりDNAザイムまたはリボザイムにハイブリダイズしている2つ以上のセグメント、および2つのハイブリダイズしているセグメント間に位置する少なくとも1つの中間セグメントであって、中間セグメント(複数可)が相補的塩基対合によりDNAザイムまたはリボザイムにハイブリダイズしていない中間セグメントを含むことがある。BLは触媒核酸酵素の基質を含むこともあれば含まないこともある。
例えば、BLは、BLがハイブリダイズしているDNAザイムもしくはリボザイムの1つもしくは複数の基質、および/または異なる触媒核酸酵素の1つもしくは複数の基質を含むことがある。いかなる特定の制限もなしに、BLの1つもしくは複数の中間セグメント(複数可)は、BLがハイブリダイズしているDNAザイムもしくはリボザイムの基質、または異なる触媒核酸酵素の基質を含むことがある。基質のヌクレオチド配列は、DNAザイムまたはリボザイムの触媒コアのヌクレオチド配列に部分的に相補的である、全体的に相補的である、または全体的に非相補的であることもある。従って、複合体のBL中の基質は、DNAザイムまたはリボザイムの触媒コアに部分的であるが不完全にハイブリダイズしている、全体的にハイブリダイズしている、または全体的にハイブリダイズしていないこともある。
非限定的な例として、BLは、それぞれが相補的塩基対合によりDNAザイムまたはリボザイムの触媒コアの別個のハイブリダイジングアームおよび領域にハイブリダイズしている第1と第2のセグメント、ならびに第1と第2のセグメントの間に位置する中間セグメントを含むことがある。中間セグメントは触媒核酸酵素の基質を含むことがある。中間セグメントは、DNAザイムまたはリボザイムの触媒コアヌクレオチドのいくつかまたは全てにまたがるがハイブリダイズしていないことがある。あるいは、BLの中間セグメントはDNAザイムまたはリボザイムのいかなる触媒コアヌクレオチドにもまたがっていないことがある。従って、中間セグメントはDNAザイムまたはリボザイムの触媒コアに部分的にしかし不完全にハイブリダイズしている、または全体的にハイブリダイズしていないことがある。一部の態様では、中間セグメントの基質はDNAザイムまたはリボザイムの触媒コアに部分的にしかし不完全にハイブリダイズしている、または全体的にハイブリダイズしていないことがある。従って、中間セグメント内の基質を含むがこれに限定されないBLの中間セグメントは、一部の態様では、DNAザイムまたはリボザイムの1つまたは複数の触媒コアヌクレオチドにハイブリダイズしているが、全ての触媒コアヌクレオチドにハイブリダイズしているわけではないことがある。中間セグメント内の基質を含むがこれに限定されないBLの中間セグメントは、DNAザイムまたはリボザイム触媒コアの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15ヌクレオチドを除く全てにハイブリダイズしていることがある。
一部の態様では、BLの中間セグメント内の1つまたは複数の基質(複数可)は分子複合体中でBLにハイブリダイズしていない同じDNAザイムまたはリボザイムの基質であることがある(すなわち、それは異なる触媒核酸の基質である)。そのような場合、BLにハイブリダイズしているDNAザイムまたはリボザイムは基質を切断することができない。
他の態様では、BLの中間セグメント内の1つまたは複数の基質(複数可)は分子複合体中でBLにハイブリダイズしている同じDNAザイムまたはリボザイムの基質であることがある。そのような場合、DNAザイムまたはリボザイムは、BLの中間領域よりもBLの第1と第2のセグメントとハイブリダイズしている量のほうが多いため、基質を切断することを妨げられることがある。
一部の態様では、中間セグメントの基質内のヌクレオチドの数を含むがこれに限定されないBLの中間セグメント中のヌクレオチドの数は、分子複合体中でBLにハイブリダイズしているDNAザイムまたはリボザイムの触媒コアヌクレオチドの数を上回る(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15の追加のヌクレオチドだけ)ことがある。特定の制限なしで、基質はDNAザイムまたはリボザイムにハイブリダイズしていないままであるループ構造内にもたらされることがある。
他の態様では、中間セグメントの基質内のヌクレオチドの数を含むがこれに限定されないBLの中間セグメント中のヌクレオチドの数は、分子複合体中でBLがハイブリダイズしているDNAザイムまたはリボザイムの触媒コアヌクレオチドの数を上回らないことがある。
一部の態様では、DNAザイムまたはリボザイムの触媒コアとBLの中間セグメントの間に少なくとも1つの塩基対ミスマッチ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ミスマッチ)が存在することがある。
一部の態様では、DNAザイムまたはリボザイムの触媒コアとBLの中間セグメント内の基質配列の間に少なくとも1つの塩基対ミスマッチ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15ミスマッチ)が存在することがある。
一部の態様では、DNAザイムまたはリボザイムのアンチセンス触媒コアとBLの中間セグメントの間に少なくとも1つの塩基対ミスマッチ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ミスマッチ)が存在することがある。
一部の態様では、DNAザイムまたはリボザイムのアンチセンス触媒コアとBLの中間セグメント内の基質配列の間に少なくとも1つの塩基対ミスマッチ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15ミスマッチ)が存在することがある。
組成物およびキットは、BL全体が触媒核酸と、および/または触媒コア残基を含む触媒核酸のセグメントとハイブリダイズしていることがあるBLおよび触媒核酸(例えば、DNAザイム、MNAザイムまたはリボザイム)を含む分子複合体を含むことがある。例えば、DNAザイムまたはリボザイムの触媒コアおよびBLの配列が全体的に相補的であることがあり、したがってBLと酵素が相補的塩基対合により全体的にハイブリダイズすることがある。そのような場合、BLが酵素による触媒的改変を促進する特定の残基(複数可)[例えば、特定のリボヌクレオチド(複数可)]を含まないために、酵素はハイブリダイズしたBLを触媒的に改変することはない。
本発明の組成物およびキットは、リンカーがブロッカーオリゴヌクレオチドの1つの末端を触媒核酸の1つの末端に結合させる分子複合体を含むことがある。例えば、DNAザイムもしくはリボザイムの5’末端はBLの3’末端に連結していることがある、またはDNAザイムもしくはリボザイムの3’末端はBLの5’末端に連結していることがある。適切ないかなる手段でも使用してBLをDNAザイムまたはリボザイムに連結することができる(例えば、連結核酸配列または非核酸化学を使用することにより)。
例えば、分子複合体は、ブロッカーオリゴヌクレオチドの1つの末端をDNAザイムまたはリボザイムの1つの末端に連結するヘアピンループを含むことがある。ヘアピンループは対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有するステム部分を含むことがある。あるいは、ヘアピンループは1つまたは複数の対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有しないステム部分を含むことがある。ヘアピンループまたはそのセグメント(例えば、ステム部分またはループ部分の鎖)はプライマーオリゴヌクレオチドの結合部位を含むことがある。
さらにまたはあるいは、分子複合体は複合体から伸長している少なくとも1つの一本鎖オーバーハングセグメント(例えば、3’オーバーハングおよび/または5’オーバーハング)を含むことがある。一本鎖オーバーハングセグメント(複数可)は、BLのハイブリダイズしていないセグメントまたはDNAザイムもしくはリボザイムのハイブリダイズしていない一本鎖セグメントにより形成されることがある。一本鎖オーバーハングセグメント(複数可)は、別のオリゴヌクレオチドまたはそのセグメント(例えば、プライマー、NRF、RL、またはそのセグメント)の結合部位を含むことがある。
一部の態様では、組成物およびキットは、イニシエーター触媒核酸酵素および/またはスイッチの触媒核酸酵素の触媒機能に必要な補因子(例えば、例えば、Ba2+、Sr2+、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、Mn2+、Zn2+、および/もしくはPb2+などの二価の金属イオンならびに/または一価の陽イオン)を除いて、本明細書に記載される分子スイッチを活性化するのに必要な成分を全て含むことがある。ただの非限定的な例として、組成物およびキットは、イニシエーター触媒核酸酵素およびBLにハイブリダイズしている第1の触媒核酸酵素を含む分子スイッチを含むことがある。特定の補因子の存在下で、イニシエーター触媒核酸酵素はBLを直接触媒的に改変してBLと第1の触媒核酸酵素を解離させ、それによって検出可能なシグナルの発生を促進(直接的にまたは間接的に)できることがある。あるいは、イニシエーター触媒核酸酵素は、特定の補因子の存在下で、組成物またはキット中に与えられる別の成分を触媒的に改変することができ得る。この触媒的改変は、順に、分子スイッチと相互作用することができる成分(例えば、RL、NRF、プライマー)をもたらし、(直接的にまたは間接的に)酵素とBLを解離させて、それによって検出可能なシグナルの発生を促進することがある。
BL分子
本発明の組成物およびキットはブロッカーオリゴヌクレオチド(BL)分子を含むことがある。
BLは、相補的塩基対合により第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、それによって他の分子と相互作用することから第2のオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせるその能力を阻害すること、および/または活性な立体構造を形成するその能力を阻害することにより第2のオリゴヌクレオチドが機能を果たすのを防止することができるオリゴヌクレオチドである。このようにして、BLの存在は第2のオリゴヌクレオチドがBLの不存在下の場合と同じように機能するのを防止する。BLの存在下で阻害される第2のオリゴヌクレオチドの特定の機能には、基質を触媒的に改変する能力、活性なMNAザイムのための成分パートザイムをもたらす能力、核酸二重鎖の1つの鎖を置換することができる「リリーサーオリゴヌクレオチド」として機能する能力、ポリメラーゼ媒介伸長が可能なプライマーとして働く能力、相補鎖のポリメラーゼ媒介合成の鋳型として働く能力、および/またはエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼによる認識および消化が可能である二重鎖を形成する能力が含まれ得る。BLの存在下で阻害される第2のオリゴヌクレオチドの特定の機能には、リガンドがアプタザイムに結合するのをブロックする能力は含まれないことがある。例えば、BLは、第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしている場合、第2のオリゴヌクレオチドが他のオリゴヌクレオチド(複数可)とハイブリダイズするのを防止することができる。BLは、第2のオリゴヌクレオチドに相補的であるBLの少なくとも1つのセグメントに結合親和性を有する別の実体[例えば、リリーサーオリゴヌクレオチド(RL)]の添加により、BLがハイブリダイズしている第2のオリゴヌクレオチドから解離することができる。RLはいくつかの場合、鎖置換を促進することができる。この場合、RLは、BLまたはそのセグメントに対する第2のオリゴヌクレオチドの結合親和性と比べて、同じBLまたはそのセグメントに対してより強い、等しい、または減少した結合親和性を有することがある。従って、本発明の組成物およびキットにBLを組み込めば、BLのハイブリダイゼーションを使用して所与の成分を機能的に不活性化することができ、BLの除去を使用して所与の成分を機能的に活性化することができる分子スイッチの提供が促進される。
BLまたはBLのセグメントは全標的オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのセグメントと塩基対相補性を共有していることがある。BLに相補的であるオリゴヌクレオチドは、例えば、プライマー、NRF、RL、オリゴヌクレオチド基質、触媒核酸分子またはその成分(例えば、DNAザイム、リボザイムまたはMNAザイム、アプタ−MNAザイムまたはアセンブリーファシリテーター)であり得る。一部の態様では、BLまたはBLのセグメントは、アプタザイムまたはアセンブリーファシリテーターと塩基対相補性を有しないまたはハイブリダイズすることができないことがある。
BLは、BLの全長に沿って第2のオリゴヌクレオチドに相補的であるように設計することができる。あるいは、BLは相補的塩基対合により第2のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしない1つまたは複数のセグメントを含むことがある。
BLは別個のオリゴヌクレオチドとして組成物およびキット中に与えられることがあり、そのような場合、BLは別のオリゴヌクレオチドまたはそのセグメントとハイブリダイズする可能性がある。そのような場合、1つの分子の3’末端はもう一方の5’末端とハイブリダイズし、逆の場合も同じであることがある(図1、パネルi)参照)。あるいは、同じ末端(すなわち、5’と5’、3’と3’)がハイブリダイズして2つの成分間で疑似環構造を作り出すことがある(図1、パネルii)参照)。
BLは、例えば、プライマー、NRF、RL、オリゴヌクレオチド基質、触媒核酸分子またはその成分を含む、BLを設計してハイブリダイズさせるオリゴヌクレオチドなどの別のオリゴヌクレオチドの成分として与えられることがある。一部の態様では、BLは、連結核酸または非核酸スペーサー配列によりもう一方のオリゴヌクレオチドに結合させることができる。例えば、BLの5’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの3’末端に連結させることができる、またはBLの3’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの5’末端に連結させることができる。適切などんな手段を使用してBLをもう一方のオリゴヌクレオチドに連結することができる(例えば、連結核酸配列または非核酸化学を使用することにより)。BLは、ブロッカーオリゴヌクレオチドの1つの末端をもう一方のオリゴヌクレオチドの1つの末端に連結させるヘアピンループによりもう一方のオリゴヌクレオチドに連結させることができる。ヘアピンループは対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有しているステム部分を含むことがある。ヘアピンループまたはそのセグメント(例えば、ステム部分またはループ部分の鎖)は、プライマーオリゴヌクレオチドの結合部位を含むことがある。
BLとプライマー、NRF、RLまたは触媒核酸分子もしくはその成分との間でハイブリダイズするとプライマー、NRF、RLまたは触媒核酸の可逆性の機能的不活性化が生じ、それによって分子スイッチをもたらすことができる。
第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしている複合体中にBLがもたらされると、複合体は少なくとも1つの一本鎖オーバーハングセグメント(例えば、3’オーバーハングおよび/または5’オーバーハング)を含むことがある。一本鎖オーバーハングセグメント(複数可)は、BLのハイブリダイズしていないセグメントまたはBLがハイブリダイズしている第2のオリゴヌクレオチド(例えば、DNAザイムまたはリボザイム)のハイブリダイズしていない一本鎖セグメントにより形成されることがある。一本鎖オーバーハングセグメント(複数可)は、別のオリゴヌクレオチドの、または別のオリゴヌクレオチドのセグメント(例えば、プライマー、およびNRFまたはRL)の結合部位を含むことがある。
BLは触媒核酸酵素(例えば、DNAザイム、リボザイム、および/またはMNAザイム)の1つの基質、または複数の基質(例えば、1つ、2つ、3つ以上の基質)を含むことがある。BLが複数の基質を含む態様では、基質(複数可)の1つまたは複数が第1の触媒核酸酵素の基質(複数可)であることがあり、基質(複数可)の1つまたは複数が第1の触媒核酸酵素とは異なる基質特異性を有する第2の異なる触媒核酸酵素の基質(複数可)であることがある。あるいは、複数の基質はそれぞれが、同じ基質特異性を有する触媒核酸酵素により認識されることがある。
BLは1つまたは複数のアプタマー配列を含むことがある。標的分析物の存在下で、標的分析物がアプタマーに結合し、アプタマーの立体構造が変化することがあり、触媒核酸、パートザイム、RL、プライマーまたはNRFがBLから分離し、それに続いてそれぞれそれらの触媒、放出、プライミングおよびヌクレアーゼ開始活性が回復することがある。
RL分子
本発明の組成物およびキットはリリーサーオリゴヌクレオチド分子(RL)を含むことがある。
RLは、所与の核酸二重鎖の第1の鎖とハイブリダイズし、それによって所与の核酸二重鎖の第2の鎖を置換し、第2の鎖の第1の鎖への再アニーリングを実質的にまたは完全に防止することができるオリゴヌクレオチドである。RLは、第1の鎖またはそのセグメントに対する第2のオリゴヌクレオチドの結合親和性と比べて、同じ第1の鎖またはそのセグメントに対してより強い、等しい、またはいくつかの場合は減少した結合親和性を有することがある。第1の鎖に対するこの結合親和性にもかかわらず、RLは、相補的塩基対合により第1の鎖とハイブリダイズしない1つまたは複数のセグメントを含むことがある。
RL分子は、BLオリゴヌクレオチドを含むがこれに限定されない第2の分子に全体的にまたは部分的に相補的であることがある。
RLは、以前は他のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしていたBLを置換し(例えば、置き換え)または除去し、それによってそれらの他のオリゴヌクレオチドが機能する能力を回復することができる成分として本発明の組成物およびキット中に与えられることがある。従って、RLは、ハイブリダイズしたBLを含む複合体からBLを隔離し、それによって分子スイッチを機能的に活性にするように設計されている別個の実体として与えられることがある。
例えば、別個の実体として与えられる場合、RLは、触媒核酸もしくはその成分(例えば、DNAザイム、リボザイム、MNAザイムパートザイム、アセンブリーファシリテーター)、NRF、プライマー、オリゴヌクレオチド基質、または第2のRLのいずれかと二重鎖になっているBLにより形成される3’または5’オーバーハングセグメントに結合するように設計することができる。これらの態様では、RLは、放出を目的とするオリゴヌクレオチドに相補的な領域でBLとの結合親和性を有し、したがって以前はBLにハイブリダイズしていたオリゴヌクレオチド(複数可)の置換(すなわち、RLは、最初は二重鎖であったオリゴヌクレオチドに代わってBLにハイブリダイズする)を促進するように設計されている。BLに対するRLの結合親和性を、当業者には公知の標準技法を使用して最適化し測定することが可能である。一部の態様では、RLの長さはBLが結合しているオリゴヌクレオチドの長さを(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ヌクレオチドだけ)上回っていることがある。
さらにまたはあるいは、RLは分子複合体の成分として与えられることがあり、したがって機能的に不活性な形態で与えられることがある(図4、パネルi))。いかなる特定の制限も課すことなく、RLは、BL、触媒核酸酵素またはその成分(例えば、DNAザイム、リボザイム、パートザイム、アッセンブリーファシリテーター)などの別のオリゴヌクレオチドの成分に連結している、または成分であるオリゴヌクレオチドであることがある。RLは、連結核酸または非核酸スペーサー配列によりもう一方のオリゴヌクレオチドに結合していることがある。例えば、RLの5’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの3’末端に連結していることがある、またはRLの3’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの5’末端に連結していることがある。適切ないかなる手段も使用してRLをもう一方のオリゴヌクレオチドに連結することができる(例えば、連結核酸配列または非核酸化学を使用することにより)。RLは、RLの1つの末端をもう一方のオリゴヌクレオチドの1つの末端に連結する核酸配列のヘアピンループによりもう一方のオリゴヌクレオチドに連結していることがある。ヘアピンループは対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有するステム部分を含むことがある。あるいは、ヘアピンループは、1つまたは複数の対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有していないステム部分を含むことがある。ヘアピンループまたはそのセグメント(例えば、ステム部分またはループ部分の鎖)はプライマーオリゴヌクレオチドの結合部位を含むことがある。
NRF分子
本発明の組成物およびキットはヌクレアーゼ認識断片(NRF)分子を含むことがある。
NRFは、相補的塩基対合により第2のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、それによってヌクレアーゼ酵素の認識部位を作り出すことができるオリゴヌクレオチドである。認識部位の創造により、NRFと第2のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションにより形成される二重鎖の成分に対するヌクレアーゼ酵素の活性(例えば、エキソヌクレアーゼによる第2のオリゴヌクレオチドの消化、またはエンドヌクレアーゼによる第2のオリゴヌクレオチドのニッキング)が開始される。NRFはその全長に沿って第2のオリゴヌクレオチドに相補的であることがある。あるいは、NRFの1つまたは複数のセグメントは第2のオリゴヌクレオチドに相補的であることがあり、1つまたは複数の他のセグメントは第2のオリゴヌクレオチドに相補的ではないことがある。本発明の組成物およびキット中に含まれるためのNRFは、標的核酸の配列と同一であるまたは標的核酸の配列に相補的であるヌクレオチドの配列を部分的にまたは全体的に含むことがある。
本発明の組成物およびキット中に含まれるためのNRFは、2つのオリゴヌクレオチドの二重鎖(例えば、BLと別のオリゴヌクレオチドの間で形成される二重鎖)中に存在するオーバーハングセグメントに相補的塩基対合によりハイブリダイズするように設計することができる。NRFがオーバーハングセグメントにハイブリダイズすると、ヌクレアーゼにより認識され、したがってそのようにして形成された二重鎖の少なくとも1つの鎖のヌクレアーゼ消化を促進することができる配列をもたらすまたは完成させることができる。さらに、NRFは二重鎖のどちらかのオリゴヌクレオチドに相補的ではないセグメント(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ヌクレオチド長)を含むように設計することができる。これは、残りがオーバーハングセグメントにハイブリダイズしていて、それによってNRFをヌクレアーゼによる消化に対して抵抗性にするのに役立つ場合、NRFのハイブリダイズしていない一本鎖部分をもたらすのに役立つことがある。NRFのハイブリダイズしているおよびハイブリダイズしていないセグメントはNRFの対向する末端に位置付けることができる。
本発明の組成物およびキット中のNRFは、本明細書に記載される分子スイッチにハイブリダイズして活性化することができる別個の成分として与えることができる。例えば、NRFは本明細書に記載される分子スイッチ中のBLにより形成される3’オーバーハングセグメントにハイブリダイズするように設計することができる。NRFの第1の5’セグメントは、相補的塩基対合によりBLの3’オーバーハングにハイブリダイズして、それによってヌクレアーゼ認識鋳型を形成するように設計することができ、NRFの第2の3’セグメント(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ヌクレオチド長)はBL(または、スイッチ内でBLがハイブリダイズしているオリゴヌクレオチド)と配列相補性を共有していないように設計することができる。
さらにまたはあるいは、NRFは分子複合体の成分として与えられることがあり、したがって機能的に不活性な形態で与えられることがある。いかなる特定の制限も課すことなく、NRFはBL、RL、触媒核酸酵素またはその成分(例えば、DNAザイム、リボザイム、パートザイム、アッセンブリーファシリテーター)などの別のオリゴヌクレオチドに連結している、または別のオリゴヌクレオチドの成分として与えられることがある。例えば、NRFはBLにハイブリダイズしているヘアピン型構造で与えることができる。NRFは、相補的塩基対合によりBLにハイブリダイズしている第1と第2のセグメント、およびBLにハイブリダイズしていない第1と第2のセグメントの間の中間セグメントを含むことがある。NRFにハイブリダイズしていないBLの部分は触媒核酸酵素(例えば、イニシエーター触媒核酸酵素)の基質を含むことがある。NRFは、連結核酸または非核酸スペーサー配列によりもう一方のオリゴヌクレオチドに結合していることがある。例えば、NRFの5’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの3’末端に連結していることがある、またはNRFの3’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの5’末端に連結していることがある。適切ないかなる手段も使用してNRFをもう一方のヌクレオチドに連結することができる(例えば、連結核酸配列または非核酸化学を使用することにより)。NRFは、NRFの1つの末端をもう一方のオリゴヌクレオチドの1つの末端に連結する核酸配列のヘアピンループによりもう一方のオリゴヌクレオチドに連結していることがある。ヘアピンループは対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有するステム部分を含むことがある。あるいは、ヘアピンループは、1つまたは複数の対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有していないステム部分を含むことがある。ヘアピンループまたはそのセグメント(例えば、ステム部分またはループ部分の鎖)はプライマーオリゴヌクレオチドの結合部位を含むことがある。
プライマー
本発明の組成物およびキットはプライマーオリゴヌクレオチドを含むことがある。
プライマーは、相補的塩基対合により別の核酸の一本鎖セグメントにハイブリダイズし、それによってポリメラーゼ酵素による一本鎖セグメントに対して塩基対相補性を有する核酸の新しい鎖の合成を促進することができる短いオリゴヌクレオチド(例えば、50、40、35、30、25、20、15、または10ヌクレオチド長未満)である。プライマーがハイブリダイズする別の核酸の単一セグメントは、ポリメラーゼに鋳型をもたらすことができ、この鋳型は本明細書ではポリメラーゼ鋳型とも呼ばれる。プライマーの伸長を介してポリメラーゼにより合成される核酸の新しい鎖は鋳型の相補体であるヌクレオチドの配列を含む。そのようなものとしての鋳型の機能はポリメラーゼによって読み取られる配列を与え、そのようにして相補的ヌクレオチドの正確な配列での挿入を指示することである。
本発明の組成物およびキットに含まれるプライマーは、別個のオリゴヌクレオチド(例えば、一本鎖オリゴヌクレオチド、オーバーハングまたは非相補的ヌクレオチドのループを含む二本鎖オリゴヌクレオチド)にハイブリダイズするように設計することができる。非限定的な例には、RL、BL、NRF、基質オリゴヌクレオチド、触媒核酸またはその成分(例えば、DNAザイム、リボザイム、MNAザイム、パートザイム、アッセンブリーファシリテーター)が含まれる。
さらにまたはあるいは、本発明の組成物およびキットに含まれるプライマーは、複合体(例えば、分子スイッチ)中に存在するオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするように設計することができる。例えば、プライマーは複合体中の二本鎖オリゴヌクレオチドのオーバーハングセグメントと、または非相補的ヌクレオチドを含む複合体中のヘアピンループセグメントにハイブリダイズするように設計することができる。
一部の態様では、プライマーはBLにハイブリダイズしているヘアピン型構造で与えられることがある。BLは相補的塩基対合によりプライマーにハイブリダイズしている第1と第2のセグメント、およびプライマーにハイブリダイズしていない第1と第2のセグメントの間の中間セグメントを含むことがある。プライマーにハイブリダイズしていないBLの部分は触媒核酸酵素(例えば、イニシエーター触媒核酸酵素)の基質を含むことがある。
他の態様では、プライマーは触媒核酸酵素(例えば、DNAザイム、リボザイム、MNAザイム、アプタザイム)の基質の成分として与えられることがある。プライマーは機能的に不活性な形態で(例えば、分子複合体内で隔離されているためおよび/またはより長い基質配列の成分であるため)基質内に存在することがある。触媒核酸により基質が切断されると、プライマーが放出(すなわち、活性化)されることがある。一部の態様では、触媒核酸酵素により基質が切断されるだけで活性化されたプライマーを放出するのに十分であり得る。他の態様では、基質の切断後のプライマーの改変が必要なこともある(例えば、その3’末端の近位でまたは内でのプライマーの改変)。ただの非限定的な例として、プライマーは、適切な酵素(例えば、T4 PNK)によりその3’末端で2’3’環状リン酸を除去する改変が必要になることがある。
プライマーは、ポリメラーゼもしくはその成分による伸長に適しておりおよび/またはヌクレアーゼ酵素の完全なもしくは部分的な認識部位を含むことがある。
本発明の組成物およびキットに含まれるプライマーは、別個の成分として与えられることがある。さらにまたはあるいは、プライマーは分子複合体の成分として与えられることがあり、したがって機能的に不活性な形態で与えられることがある。いかなる特定の制限も課すことなく、プライマーは、BL、RL、触媒核酸酵素もしくはその成分(例えば、DNAザイム、リボザイム、パートザイム、アッセンブリーファシリテーター)、または触媒核酸酵素の基質(例えば、MNAザイム基質)などの別のオリゴヌクレオチドに連結している、または別のオリゴヌクレオチドの成分として与えられることがある。プライマーは、連結核酸または非核酸スペーサー配列によりもう一方のオリゴヌクレオチドに結合していることがある。例えば、プライマーの5’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの3’末端に連結していることがある、またはプライマーの3’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの5’末端に連結していることがある。適切ないかなる手段も使用してプライマーをもう一方のオリゴヌクレオチドに連結することができる(例えば、連結核酸配列または非核酸化学を使用することにより)。プライマーは、プライマーの1つの末端をもう一方のオリゴヌクレオチドの1つの末端に連結するヘアピンループによりもう一方のオリゴヌクレオチドに連結していることがある。ヘアピンループは対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有するステム部分を含むことがある。
オリゴヌクレオチド
DNAザイム、リボザイム、アプタザイム、MNAザイム、およびそのそれぞれの基質、MNAザイム成分(例えば、パートザイム、アッセンブリーファシリテーター)、プライマー、ポリメラーゼ鋳型、NRF、BLならびにRL分子などの本発明の組成物およびキットに含まれるオリゴヌクレオチドは、当業者には周知である、類似体(例えば、表1に収載されている類似体)、誘導体、改変されたもしくは変更された塩基、リボヌクレオチド、糖もしくはリン酸骨格の変更、様々な欠失、挿入、置換、重複もしくは他の改変、またはこれらの任意の組合せなどの1つまたは複数の置換を含有することがある。そのような改変、置換、欠失、挿入、等は、オリゴヌクレオチドがその機能を保持する限りいかなる位置で行ってもよい。オリゴヌクレオチドへの置換および改変は十分に許容され、ある種の条件下でまたは反応の効率の改善のために機能するように分子を適合させることを可能にし得る。例えば、1つまたは複数のヌクレオチド類似体を含むことによるBL分子の改変は、その標的の存在下での第2のDNAザイムまたはMNAザイムによる基質領域の切断に続いて、DNAザイムまたは他の触媒核酸分子の改良された放出を促進することができる。
当業者であれば、DNAザイム、リボザイム、MNAザイム、およびそのそれぞれの基質、MNAザイム成分(例えば、パートザイム、アッセンブリーファシリテーター)、プライマー、基質、ポリメラーゼ鋳型、NRF、BLまたはRL分子がデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチドのいずれか、または両方を含むことがあることは認識されるであろう。オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのデオキシリボヌクレオチドを含むことがあり、いくつかの場合にはデオキシリボヌクレオチドおよび/またはその類似体からなることがある。
制限酵素
組成物およびキットは1つまたは複数の制限酵素を含むことがある。制限酵素はタイプI、タイプII、タイプIIIまたはタイプIV制限酵素であってもよい。制限酵素は一般に、サブユニット組成、切断位置、配列特異性および補因子要件に基づいてこれらのタイプに分類されている(表2参照)。
本発明の組成物およびキットに含めるのに適した制限酵素の非限定的な例は表2に収載されている。当業者であれば、広範囲の制限酵素が、鎖置換型ポリメラーゼ酵素の活性、NRFにより一度始動される触媒核酸の直接的活性化またはRL分子の再利用による触媒核酸の間接的活性化と共同した触媒核酸の合成を含む反応に適合することは認識されるであろう。例えば、制限酵素データベース、REBASE(http://rebase.neb.com/rebase/rebase.html)に収載されている多くの制限酵素はそのような反応の展開に適合することになる。下の表3は、本発明における変動する特異性および特徴の制限酵素の例を与えている。
当業者であれば、α−チオ−デオキシヌクレオチド(dNTPα)を含むがこれに限定されないヌクレオチド類似体を組み込むことによってDNA二重鎖の1つの鎖を保護することにより、標準REを操作してニッキング酵素として機能させることもできることは認識されるであろう。
一部の態様では、ニッキング酵素クラスのREが組成物およびキット中に与えられる。ニッキング酵素を含む制限酵素は、鎖置換型ポリメラーゼ酵素と共に含まれることがある。
エキソヌクレアーゼ活性のある酵素
REおよび触媒核酸酵素に加えて、核酸配列を切断する能力のある他のタンパク質酵素が本明細書に記載される組成物およびキット中に含まれることがある。これらの酵素のいくつかは、核酸の末端からヌクレオチドの除去をもたらすエキソヌクレアーゼ活性を有する。エキソヌクレアーゼの適切で非限定的な例には、ヌクレアーゼBAL−31、エキソヌクレアーゼI(大腸菌)、エキソヌクレアーゼIII(大腸菌)、T7エキソヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼTが含まれる。エンドヌクレアーゼの例には、T7エンドヌクレアーゼIおよびリョクトウヌクレアーゼが含まれる。有用なヌクレアーゼのサブセットの特性は表4Aに収載されている。
ホスファターゼ活性のある酵素
組成物およびキットはホスファターゼ活性を含む1つまたは複数の酵素を含むことがある。ホスファターゼ活性を含む酵素は核酸からのリン酸基(複数可)の除去を触媒することができる。核酸に対するホスファターゼ活性を示す酵素の非限定的な例には、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 PNK)および仔牛腸アルカリホスファターゼ(CIAP)が含まれる。酵素(例えば、T4 PNK)はポリヌクレオチドの3’末端からのリン酸基(複数可)の除去を触媒することができる。
鎖置換型ポリメラーゼ酵素
本発明の組成物およびキットはポリメラーゼ(例えば、鎖置換活性のあるポリメラーゼ)を含むことがある。
当業者に公知であるように、鎖置換とは合成中に遭遇するハイブリダイズしたオリゴヌクレオチド(例えば、DNA)を置換するポリメラーゼの能力を言い表す。この置換された下流オリゴヌクレオチド鎖は分解されず無傷のままでいる。適切な鎖置換型ポリメラーゼの非限定的な例には、DNAポリメラーゼIのKlenowフラグメント、Phi29 DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼラージフラグメント、Pyrophage3173、およびSequenase2.0ポリメラーゼまたはその変異体が含まれる。
基質
本発明の組成物およびキットは酵素(例えば、DNAザイム、リボザイム、アプタザイムおよび/またはMNAザイムもしくはアプタ−MNAザイム)による改変が可能である基質を含むことがある。
基質は、触媒核酸酵素を含む酵素により認識される、作用を受けるまたは改変されることが可能な、DNA、メチル化DNA、アルキル化DNA、RNA、メチル化RNA、マイクロRNA、siRNA,shRNA、mRNA、tRNA、snoRNA、stRNA、smRNA、プレマイクロRNAおよびプリマイクロRNA、他の非コードRNA、リボソームRNA、その誘導体、そのアンプリコンまたはその任意の組合せ(デオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチド塩基の混合ポリマーを含む)を含むが、これらに限定されないデオキシリボヌクレオチドもしくはリボヌクレオチド塩基の任意の一本鎖または二本鎖ポリマー、またはその類似体、誘導体、変異体、断片もしくは組合せであることがある。
基質は切断またはライゲーションを含むが、これらに限定されない様々な酵素活性により改変されることがあり、酵素による基質の改変は、酵素の触媒活性を示す検出可能な効果をもたらすことができる。
核酸酵素の基質は、アミノ酸、ペプチドもしくはタンパク質または(“New strategies in Chemical synthesis and Catalysis”, B.Pignataro in Wiley-VCH, 2012)の表6.1に概略を述べている任意の化学的構成要素などの非核酸構成要素も含むこともある。
基質は、酵素の触媒活性のため生じる改変型の基質の定量および/または検出を促進する1つまたは複数の特長を含むレポーター基質であることがある。レポーター基質は、溶液中で遊離しているまたは、例えば、表面に、もしくは別の分子に結合している(または「連結されている」)ことがある。レポーター基質は、例えば、フルオロフォア(クエンチャーなどの1つまたは複数の追加の成分と共にまたはなしで)、放射性標識、ビオチン(例えば、ビオチン化)または化学発光標識を含む多種多様な手段のいずれによっても標識することができる。これら種々の標識は、触媒核酸酵素により改変(例えば、切断)されると検出可能なシグナルを生じさせる手段をもたらすことができる。
基質は複数の触媒核酸酵素により認識され、触媒的に作用を受けるユニバーサル基質であることがある。ユニバーサル基質は固体支持体に繋ぎ止められることがある。本発明の組成物およびキットに含まれる基質は、触媒核酸による認識および改変が可能な別個の成分として与えることができる。本発明の他の態様は1つよりも多い触媒核酸により認識され切断することができる基質に関する。例として、単一核酸基質は、DNAザイムの基質結合アームとMNAザイムのパートザイム成分の基質結合アームが両方とも同じ該単一核酸基質に相補的である限り、DNAザイムとMNAザイムの両方により切断可能であり得る。そのような場合、DNAザイムの特定の触媒コア配列およびMNAザイムのパートザイム対の触媒コア部分は基質内の「切断」部位での切断と適合することがある。
さらにまたはあるいは、基質は分子複合体の成分として与えられることがあり、従って、機能的に不活性な形態で与えられることがある。いかなる特定の制限も課すことなく、1つまたは複数の基質は、BL、RL、NRF、触媒核酸酵素もしくはその成分(例えば、DNAザイム、リボザイム、パートザイム、アッセンブリーファシリテーター)などの別のオリゴヌクレオチドに連結している、または別のオリゴヌクレオチドの成分として与えられることがある。基質は、連結核酸または非核酸スペーサー配列によりもう一方のオリゴヌクレオチドに結合していることがある。例えば、基質の5’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの3’末端に連結していることがある、または基質の3’末端はもう一方のオリゴヌクレオチドの5’末端に連結していることがある。適切ないかなる手段も使用して基質をもう一方のオリゴヌクレオチドに連結することができる(例えば、連結核酸配列または非核酸化学を使用することにより)。基質は、基質の1つの末端をもう一方のオリゴヌクレオチドの1つの末端に連結するヘアピンループによりもう一方のオリゴヌクレオチドに連結していることがある。ヘアピンループは対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有するステム部分を含むことがある。あるいは、ヘアピンループは1つまたは複数の対向するヌクレオチドが塩基対相補性を共有していないステム部分を含むことがある。ヘアピンループまたはそのセグメント(例えば、ステム部分またはループ部分の鎖)はプライマーオリゴヌクレオチドの結合部位を含むことがある。
さらにまたはあるいは、基質はプライマーとして機能することができる1つまたは複数の成分を含むことがある。一般に、プライマーは基質の成分として存在する場合は不活性形態であることがある(例えば、分子複合体中に隔離されているためおよび/またはより長い基質配列の成分であるため)。触媒核酸により基質が切断されるとプライマーが放出(すなわち、活性化)されることが可能である。一部の態様では、触媒核酸酵素により基質が切断されるだけで活性化されたプライマーを放出するのに十分であることがある。他の態様では、基質の切断後のプライマーの改変が必要なこともある(例えば、その3’末端の近位でまたは内でのプライマーの改変)。ただの非限定的な例として、プライマーは、適切な酵素(例えば、T4 PNK)によりその3’末端で2’3’環状リン酸を除去する改変が必要になることがある。
検出、定量およびシグナル増幅のための方法
本発明は、少なくとも1種の標的の検出、同定および/または定量のための種々の方法を提供する。
さらに、本発明は、これらの方法によって生じたシグナルの増幅のための種々のカスケードを提供する。
本方法は、本発明の組成物およびその成分を利用する。特に、本方法は、検出およびシグナル増幅カスケードを作製するための本明細書に記載される分子スイッチを利用する。
標的検出:内部酵素基質を有するBL
本発明によれば、標的を検出し、標的検出から生じたシグナルを増幅するための種々の方法は、触媒核酸酵素基質を含むBLを利用する。
従って、本方法において使用されるBLは、1種または複数の触媒核酸分子の1種または複数の基質として作用する配列を含有し得る。これは、BLを別のオリゴヌクレオチド(例えば、プライマー、NRF、RL、ポリメラーゼ鋳型または触媒核酸)を連結するヘアピンループ配列の一部として、またはそれに加えて存在し得る。このような態様では、1種または複数の基質配列の切断は、BLからポリメラーゼ鋳型、プライマー、NRF、RLまたは触媒核酸を放出し得、これは、それぞれ、鋳型オリゴヌクレオチドまたは触媒活性からのプライミング、ヌクレアーゼ開始、放出、合成などの、その他のオリゴヌクレオチドの機能的能力の復元をもたらし得る。
ある特定の態様では、2種以上のBLは、2種以上の触媒核酸分子を不活性化するために使用され得る。この例では、各々の基質配列は、同一であり得、第2の触媒核酸分子によって切断され、全てこれまでは不活性の触媒核酸分子の復元をもたらし得る(図1、パネルiii))。あるいは、基質配列は、異なっており、第2および第3の触媒核酸分子によって切断され得る。
ある特定の態様では、1種または複数のMNAザイムまたはアプタザイム基質は、BL分子内に組み込まれ得る。これは、標的分子を特異的に検出し、それを行うとBLの基質を改変するためのイニシエーター酵素としての1種または複数のMNAザイムおよび/または1種または複数のアプタザイムの使用を促進し得る。一態様では、BLは、MNAザイムまたはアプタザイムによるこの基質の切断が、第2の完全または部分的に相補的なオリゴヌクレオチドからBLを分離し得るMNAザイムまたはアプタザイムの基質の配列を含有する。基質の切断は、各々、切断されていないBLよりも低い融解温度を有する2種以上のより短いオリゴヌクレオチド断片へのBLの切断をもたらし得る。反応温度で、これらの短い切断された断片は、もはや、第2の相補的オリゴヌクレオチドと実質的にハイブリダイズしない。第2の相補的オリゴヌクレオチドは、例えば、別の触媒核酸またはそのパートザイム成分、プライマー、ポリメラーゼ鋳型、NRFまたはRL分子であり得、従って、BLからのこれらの放出は、これらの分子のそのそれぞれの機能を発揮する、すなわち、基質改変を触媒する、合成をプライムする、核酸鎖の合成の鋳型を提供する、またはヌクレアーゼ活性の開始のための配列を提供する、またはオリゴヌクレオチドを放出する(例えば、鎖置換によって)能力を回復させ得る。一部の態様では、第2の相補的オリゴヌクレオチドは、MNAザイムのアセンブリーファシリテーターではない。
図1を参照すると、標的分子を検出し、BL中に組み込まれた基質の触媒的改変による検出可能なシグナルの発生を促進するために、イニシエーター触媒酵素(例えば、MNAザイム)が使用され得る種々の検出戦略が例示される。戦略は、BL分子とハイブリダイズされるDNAザイムを含む種々の分子複合体を表す。当業者であれば、1種または複数のパートザイムがまた、同様の方法でBL分子とハイブリダイズされ得ることは理解されよう。戦略(i)は、通常のDNA二重鎖について存在するように、各々の5’および3’末端が対を形成する、DNAザイム(Dz2)およびBL分子の末端同士のハイブリダイゼーションを含む。戦略(ii)は、DNAザイム(Dz2)およびBLの各々の同一末端、すなわち、各分子対の5’末端のハイブリダイゼーションを、各分子の3’末端が行うのと同様に含む。しかし、正しい極性を有するハイブリダイゼーションを維持するためには、各分子は、対向する方向にねじれなければならず、結果として、次いで、Dz2およびBLの間で「疑似環」または環様構造が形成される。戦略(iii)は、大きな環が、各々、1種または複数のBL(例えば、BLAおよびBLB)の単一のMNAザイム(Mz1)の切断活性によって放出され得る、存在する2種以上のDNAザイム(例えば、DzAおよびDzB)を用いて構築され得る疑似環設計に特有の特徴を実証する。
図1パネルi)では、DNAザイム(Dz2;太い黒色線)は、基質配列(基質1;太い黒色破線)によって連結される2つの細い黒色線として描かれるBL分子(BL)とハイブリダイズされる。BLの3’末端は、Dz2の5’末端とハイブリダイズし、逆も同様である。第2の基質(基質2;細い黒色破線)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され得、Dz2によって切断されるよう設計される。最初は、Dz2は、この基質がBLとハイブリダイズされているので、これを切断できない。MNAザイム(Mz1;太い灰色線)が、標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で集合すると、これは、基質1の切断およびその後の切断されたBL分子からのDz2の放出をもたらす。次いで、Dz2は、基質2と結合し、これを切断でき、これは、検出可能な蛍光シグナルをもたらすフルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらし得る。
図1パネルii)は、5’末端および3’末端が、基質配列(基質1a;太い黒色破線)によって連結されている2本の細い黒色線として描かれるDNAザイム(Dz2;太い黒色線)およびBL分子(BL)の間でハイブリダイズする疑似環戦略を実証する。これらの分子が共にハイブリダイズされると、次いで、疑似環を形成し、これによって、Dz2がその基質(基質2;細い黒色破線)と結合し、それを切断することが防止される。基質2は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され得る。MNAザイム(Mz1;太い灰色線)がその標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で集合すると、これは、基質1aの切断およびその後の切断されたBLからのDz2の放出をもたらし、疑似環構造を破壊し得る。Dz2は、基質2と結合し、これを切断でき、これは、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらし、検出可能な蛍光シグナルを引き起こし得る。
図1パネルiii)は、2種のBL分子によって両方とも一時的に阻害される2種の独立したDNAザイムを含有する疑似環を実証する。2種のDNAザイム、DzA(太い黒色線)およびDzB(太い黒色破線)は、太い黒色破線として描かれる基質1配列(基質1aおよび基質1b)と連結される、両方とも細い黒色線として描かれる、2種のBL分子、BLAおよびBLBの各々とハイブリダイズする。最初はDzAおよびDzBは両方とも、両方とも細い黒色破線として描かれる、その基質、それぞれ、基質Aおよび基質Bを切断できない。基質Aおよび基質Bは、異なるフルオロフォア(基質Aの白丸および基質Bの灰色丸)を用いて、および黒丸として描かれるクエンチャーを用いて標識され得る。その標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で集合したMNAザイム(Mz1;太い灰色線)の存在下で、Mz1が、BLAおよびBLB分子内に存在する基質1を切断し得る場合に、BLAおよび/またはBLBの切断は、それぞれDzAおよびDzBからのその分離、従って、疑似環構造の破壊をもたらし得る。結果として、DzAおよびDzBの両方が、それぞれ、基質Aおよび基質Bを結合し、これらを切断し、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離を引き起こし、得られた検出可能な蛍光シグナルをもたらし得る。基質Aおよび基質Bの切断によって生じた蛍光シグナルは、同一である場合も異なる場合もあり得る。
当業者であれば、別の異なる触媒核酸酵素(例えば、アプタザイム)が、図1(パネル(i)、(ii)および(iii))において表されるMNAザイムの代わりに使用され得ることは認識するであろう。
ここで、図3パネルi)を参照すると、図1パネルi)に概要が示される例示的なブロックされたDNAザイム戦略は、単一分子としてDzをBLと共に連結するヘアピンループ配列を含むよう拡大される。当業者であれば、パートザイムが同様の方法でBLとハイブリダイズされ得ることは理解するであろう。ヘアピン型DNAザイム(ヘアピン型Dz2)は、太い黒色破線として描かれる基質配列(基質1)によって連結される2種の細い黒色線として描かれるBL部分とハイブリダイズされる、太い黒色線として示されるDNAザイム部分を含む。DNAザイム配列およびBL配列は、非相補的ループ配列(同様に、太い黒色線)によって共に連結されて、ヘアピン構造を形成し、Dz2を不活性にする。細い黒色破線として描かれる第2の基質(基質2)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(塗りつぶし黒色丸)を用いて標識され得、ひとたびDz2が活性であると、Dz2によって切断されるよう設計される。最初は、Dz2はBLとハイブリダイズされているので、この基質を切断できない。MNAザイム(Mz1;太い灰色線)が、その標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で集合すると、基質1を切断し、その後のヘアピン分子からのDz2の放出を引き起こし得る。次いで、活性Dz2分子は、基質2と結合し、これを切断し得、検出可能な蛍光シグナルをもたらすフルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらし得る。当業者であれば、別の異なる触媒核酸酵素(例えば、アプタザイム)が、図3パネル(i)において表されるMNAザイムの代わりに使用され得ることを認識するであろう。
図20を参照すると、複数のイニシエーター触媒酵素(例えば、例示されるMNAザイムまたはあるいは、アプタザイム)が、単一の標的分子または複数の標的分子を各々検出する、またBL中に組み込まれた複数の基質のうち1種の触媒改変による検出可能なシグナルの発生を促進するために使用され得る種々の検出戦略が例示される。パネル(i)は、BLの中間領域内に複数の独立した隣接する基質配列を包含することを含み、それによって、独立したイニシエーター触媒酵素(例えば、MNAザイムまたはアプタザイム)によって各基質配列が触媒的に改変され得る戦略を表す。パネル(iii)は、独立した基質配列またはその成分を包含することを含み、それによって、独立したイニシエーター触媒酵素(例えば、MNAザイムまたはアプタザイム)によって各基質が触媒的に改変され得る戦略を表す。
図20パネルi)では、3つの独立した隣接する基質配列を含有する疑似環が例示される。5’末端および3’末端の各々は、DNAザイム(Dz4;太い黒色線)および3種の基質配列;基質1(細い灰色線)、基質2(細い黒色線)および基質3(細い黒色破線)によって連結されている2つの細い黒色線として描かれるBL分子の間でハイブリダイズする。次いで、両分子は、疑似環を形成し、Dz4が、太い黒色線として描かれるその基質(基質4)と結合し、それを切断するのを防止する。基質4は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され得る。MNAザイムのパートザイム成分は存在し、基質1(Mz1、太い灰色線)、基質2(Mz2、細い黒色線)または基質3(Mz3、細い黒色破線)のいずれかを切断するよう設計され得る。MNAザイムは、それぞれ、Mz1、Mz2およびMz3について、その標的アセンブリーファシリテーターAF1(太い灰色破線)、AF2(細い黒色破線)およびAF3(細い黒色線)の存在下で集合する。これは、Mz1による基質1、Mz2による基質2および/またはMz3による基質3の切断をもたらし、その後の切断されたBLからのDz4の放出、従って、疑似環構造の破壊を引き起こし得る。次いで、Dz4は、基質4と結合し、これを切断でき、これは、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらし、検出可能な蛍光シグナルを引き起こし得る。
図20パネルiii)では、DNAザイム(Dz3;太い黒色線)は、共通配列を共有する基質1および2の隣接する配列によって連結される2つの細い黒色線として描かれるBL分子とハイブリダイズし、ここでは、基質1(基質1;細い灰色線として描かれる5’の半分、基質2の5’の半分としても働く細い灰色破線として描かれる3’の半分)および3’の半分の基質2(太い黒色線として描かれる)。触媒イニシエーター酵素(例えば、MNAザイム、Mz1およびMz2)の、その基質、それぞれ、基質1および基質2内の切断部位として働くリボヌクレオチド接合部(細い黒色Xとして描かれる)、基質1の切断部位は、BL内の基質2のものの5’に位置する。BLは、Dz3とハイブリダイズして、疑似環を形成し、従って、Dz3がその基質(基質3;太い黒色線)を切断するのを防止する。基質3は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され得る。MNAザイムのパートザイム成分は、存在し、基質1の5’の半分と、共有される共通配列(基質1の3’の半分および基質2の5’半分)(Mz1、太い灰色線として描かれる、細い灰色破線として描かれる共有される共通配列と結合する部分を除く)の間のリボヌクレオチド接合部と結合し、これを切断するよう設計され得るか、または共有される共通配列と、基質2の3’の半分(Mz2、太い黒色線、細い灰色破線として描かれる共有される共通配列と結合する部分を除く)の間のリボヌクレオチド接合部と結合し、これを切断するよう設計され得る。Mz1およびMz2は、それぞれ、その標的アセンブリーファシリテーターAF1(太い灰色破線)およびAF2(細い黒色破線)の存在下で集合する。いずれかのリボヌクレオチド接合部での切断は、切断されたBLからのDz3の放出、疑似環構造の破壊をもたらし得る。次いで、Dz3は、基質3と結合し、これを切断することができ、これは、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらし、検出可能な蛍光シグナルを引き起こし得る。
当業者であれば、異なる触媒核酸酵素(複数可)(例えば、アプタザイム(複数可))が、1種または複数の図20パネル(i)またはパネル(iii)において表されるMNAザイムの代わりに使用され得ることを認識されよう。
シグナル検出および増幅:内部酵素基質を有するBL
一部の態様では、BL分子内に存在する基質配列が、BLによって一時的に不活性化された触媒核酸と同一基質を切断するよう設計される触媒核酸によって切断され得る自己触媒性カスケードが、作製され得る。他の態様では、各々、対向する分子スイッチの基質配列を切断する可能性があり得る、逆もまた同様の触媒核酸分子を含有する2種以上の分子スイッチ複合体が存在する相互触媒性カスケードが作製され得る。両態様では、分子スイッチは、活性触媒核酸による切断によるカスケード開始まで、BL分子による阻害のために不活性状態で存在し得る。例えば、アセンブリーファシリテーター(例えば、標的核酸)の添加は、1種または複数のBL分子を切断して、カスケード反応を開始することができる活性MNAザイムの集合をもたらし得、これでは、BLは、開始MNAザイムの基質配列を含有する。あるいは、リガンド(例えば、アプタザイムのアプタマー部分と結合することができる標的リガンド)の存在は、1種または複数のBL分子を切断して、カスケード反応を開始することができるアプタザイムを活性化でき、これでは、BLは、アプタザイムを開始するための基質配列を含有し得る。開始BL切断事象は、触媒核酸分子の連続活性化およびその後のシグナルの増幅をもたらし得る。あるいは、リガンド(例えば、BL内に存在するアプタマーと結合することができる標的リガンド)の存在は、アプタマーと結合し、触媒核酸分子からBLを放出し得る。この分離は、遊離された触媒核酸分子が、次いで、第2の触媒核酸とハイブリダイズされた第2のBL分子を切断し得るカスケード反応を開始するための代替法として使用され得る。
ここで、図3パネルiii)およびiv)を参照して、シグナルの増幅のために使用され得る、連続的放出およびDNAザイム分子の活性化を含むカスケードを作製するために、図3パネルi)に概要が示される例示的なブロックされたDNAザイム戦略が使用される。
図3パネルiii)では、太い黒色線として示される第1のDNAザイムが、太い黒色破線として描かれる基質配列(基質1)によって連結される2つの細い黒色線として描かれるBL分子(BL)とハイブリダイズされる例示的自己触媒性カスケード戦略が例示される。Dz1およびBLは、非相補的ループ配列(同様に、太い黒色線)によって共に連結されて、ヘアピン構造を形成し、Dz1を不活性にする(不活性のDz1)。標的分子の検出の際に、その標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で開始MNAザイム(Mz1;太い灰色線)が形成し、基質1を切断し、その後のヘアピン分子からのDz1の放出を引き起こし得る。次いで、活性Dz1分子は、さらなる不活性Dz1/BLヘアピン型分子上の基質1と結合し、これを切断し得、これは、BL切断およびDz1活性化事象のカスケードをもたらし得、これは、シグナルの増幅のために使用され得る。あるいは、リガンド(例えば、アプタザイムのアプタマー部分と結合することができる標的リガンド)の存在は、1種または複数のBL分子を切断して、カスケード反応を開始することができるアプタザイムを活性化でき、ここで、BLは、開始アプタザイムおよび活性Dz1の両方によって切断可能な基質配列を含有し得る。あるいは、リガンド(例えば、BL内に存在するアプタマーと結合することができる標的リガンド)の存在は、アプタマーと結合し、Dz1からBLを放出し得る。この分離は、遊離されたDz1が、次いで、別の複合体のBL内に存在する基質1を切断し得るカスケード反応を開始するための代替法として使用され得る。
図3パネルiv)では、2種のDNAザイム、不活性Dz1および不活性Dz2(それぞれ、太い黒色および細い灰色線)が両方とも、各々2つの細い黒色線として描かれ、各々異なる基質配列によって連結している異なるBL分子(それぞれ、BLBおよびBLA)とハイブリダイズする相互触媒性カスケード戦略が例示される。不活性Dz1は、BLBおよび基質2(細い黒色破線)と連結され、不活性Dz2は、BLAおよび基質1(太い黒色破線)と連結される。2種のDNAザイムは、非相補的ループ配列(同様に、太い黒色線)によってそのそれぞれのBLと連結され、ヘアピン構造を形成し、DNAザイムを不活性にする。活性MNAザイム(Mz1;太い灰色線)が、その標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で形成する場合、MNAザイムは、基質1を切断し、その後のヘアピン分子からのDz2の放出を引き起こし得る。次いで、ここで、活性Dz2分子は、基質2と結合し、これを切断し、Dz1の放出および活性化をもたらし得、次いで、BLA中の基質1を切断し、従って、BL切断ならびにDz1およびDz2活性化事象のカスケードを引き起こし得、これは、シグナルの増幅のために使用され得る。あるいは、リガンド(例えば、アプタザイムのアプタマー部分と結合することができる標的リガンド)の存在は、BLA分子を切断して、カスケード反応を開始することができるアプタザイムを活性化でき、ここで、BLAは、開始アプタザイムおよび活性Dz1の両方によって切断可能な基質1配列を含有し得る。あるいは、リガンド(例えば、BL内に存在するアプタマーと結合することができる標的リガンド)の存在は、アプタマーと結合し、例えば、Dz2からBLAを放出し得る。この分離は、遊離されたDz2が、次いで、BLB内に存在する基質2を切断し、それによって、Dz1を遊離し得るカスケード反応を開始するための代替法として使用され得る。
ここで、図16を参照して、図1パネルii)に概要が示される例示的DNAザイム疑似環戦略は、シグナルの増幅のために使用され得る、DNAザイム分子の連続的放出および活性化を含むカスケードを作製するために使用される。2つの相互触媒性環が示され、各環のBLは、2つの基質を含有する。第1の基質は、標的アセンブリーファシリテーターの存在下でMNAザイムによって切断され得、さらなる基質が対向する環のDNAザイムによって切断され得る。
図16パネルi)では、環Aおよび環B間の例示的相互触媒性戦略が例示される。第1の基質配列(基質1;細い灰色線)は、疑似環AおよびB両方に存在し、標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色の破線)の存在下でのみMNAザイム(Mz1;太い灰色線)によって切断される。2つの疑似環は各々、それぞれ、環BからDz2によって(細い黒色破線)、環AからDz3によって(太い黒色線)切断され得る第2の基質配列、基質2(環A内の基質2a;細い黒色破線)および基質3(環B内の基質3a;太い黒色線)を含有する。2つのDNAザイムDz3およびDz2は、それぞれ、BLAおよびBLBと結合している場合に不活性である。Mz1による環AまたはBのいずれか上の基質1の切断は、Dz2またはDz3いずれかの放出およびその後の再活性化をもたらし、2つの環の間のBL切断事象の指数関数的カスケードを引き起こし、それによって、Dz2は、環A中の基質2を切断し、Dz3は、環B中の基質3を切断する。さらなる基質配列はまた、リポーター基質、この例示では、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識される基質3として含まれ得る。あるいは、またはさらに、標識された基質2が付加され得る。さらなるリポーター基質(複数可)の切断は、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離と、それに続く、検出可能な蛍光シグナルをもたらす。あるいは、相互触媒性カスケードは、BLAおよびBLB内の基質1を切断して、カスケード反応を開始することができるアプタザイムを活性できるリガンド(例えば、アプタザイムのアプタマーブ部分と結合することができる標的リガンド)の存在によって開始され得る。あるいは、リガンド(例えば、BL内に存在するアプタマーと結合することができる標的リガンド)の存在は、アプタマーと結合し、例えば、Dz3からBLAを放出し得る。この分離は、遊離されたDz3が、次いで、BLB内に存在する基質3を切断し、それによって、Dz2を遊離し得るカスケード反応を開始するための代替法として使用され得る。
ここで、図21を参照して、図1パネルii)に概要が示される例示的DNAザイム疑似環戦略は、シグナルの増幅のために使用され得る、DNAザイム分子の連続的放出および活性化を含むカスケードを作製するために使用される。
図21パネルi)では、疑似環(環A)が、2つの基質配列;基質1(細い灰色線)および基質2(基質2a;太い黒色線)によって連結されている、DNAザイム(Dz2;太い黒色線)および2つの細い黒色線として描かれるBL(BLA)からなる自己触媒性カスケードが表される。さらに、基質2は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され得る、別個の独立した分子(同様に、太い黒色線として描かれる)として提供され得る。Dz2とBLAの間のハイブリダイゼーションによって起こる疑似環形成は、Dz2が、BLA内か、または別個の実体として存在する基質2と結合し、これを切断することを防止する。基質1を切断するよう設計されるMNAザイム(Mz1;太い灰色線)が、その標的アセンブリーファシリテーターAF1(太い灰色破線)の存在下で集合する場合には、Mz1による基質1の切断とその後の切断されたBLAからのDz2の放出、疑似環構造の破壊をもたらし得る。次いで、Dz2は、独立した基質2分子と結合し、これを切断することができ、これは、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらし、検出可能な蛍光シグナルを引き起こし得る。Dz2はまた、BLA内に存在する基質2と結合し、これを切断し、さらなるDz2分子の放出をもたらし、従って、BL切断事象の指数関数的カスケードを引き起こし、シグナルの増幅につながり得る。あるいは、リガンド(例えば、アプタザイムのアプタマー部分と結合することができる標的リガンド)の存在は、BLA内の基質1を切断することができるアプタザイムを活性化して、カスケード反応を開始し得、これでは、BLAは、開始アプタザイムおよび活性Dz2の両方によって切断可能な基質配列を含有し得る。あるいは、リガンド(例えば、BL内に存在するアプタマーと結合することができる標的リガンド)の存在は、アプタマーと結合し、例えば、Dz2からのBLAを放出し得る。この分離は、遊離されたDz2が、次いで、さらなるBLA分子内に存在する基質2を切断し、それによって、Dz2を連続的に遊離し得るカスケード反応を開始するための代替法として使用され得る。
図21パネルii)およびiii)では、表される疑似環(それぞれ、環Bおよび環C)は、自己触媒的にフィードバックする可能性を有さない。両疑似環について、基質2は、もはやBL内に存在しない。環Bについては、BL(BLB)は、基質1および基質3(太い黒色破線)からなる。環Cについては、BL(BLC)は、基質1のみからなる。
当業者であれば、上記のカスケードが単に例示目的でDNAザイムを使用すること、またその他の触媒核酸酵素(例えば、リボザイム)または触媒核酸酵素成分(例えば、パートザイム)が、BLのハイブリダイゼーションが触媒活性を阻害し得る分子スイッチ構造中に組み込まれ得る/分子スイッチ構造中のDNAザイムと置き換えられ得ることを認識するであろう。
標的検出:リリーサーオリゴヌクレオチド
BLオリゴヌクレオチドは、分子スイッチ複合体中の相補的な第3のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズされ得る別個の分子として存在し得るか、あるいは、分子スイッチのBL部分として存在し得、これでは、BL部分は、リンカー配列によって第3の相補的オリゴヌクレオチドと連結され、ヘアピン構造を形成し得る。
このようにして、第1のRLオリゴヌクレオチドは、分子スイッチのBLオリゴヌクレオチドとハイブリダイズし、第3の相補的オリゴヌクレオチドの置き換えをもたらし得る。第3の相補的オリゴヌクレオチドは、BLとハイブリダイズされる場合には、不活性であり得るが、ひとたび、BLから置き換えられると、この第3のオリゴヌクレオチドは、触媒核酸酵素、プライマー、ポリメラーゼ鋳型、NRFまたは別のRLとして機能することができ得る。第3のオリゴヌクレオチドが触媒核酸を含む態様では、BLは、分子スイッチ中の全触媒核酸配列とハイブリダイズするよう設計されず、その結果、RLは触媒活性に必要な全配列を含有せず、従って、RL分子は、それ自体核酸酵素として機能できない。他の態様では、単一RL分子は、2種以上のBLから2種以上の触媒核酸を置き換えるよう機能でき、これまでは不活性状態で存在していた複数の触媒核酸分子の触媒活性の同時復元をもたらす。
RLは、イニシエーター酵素(例えば、MNAザイム、DNAザイム、リボザイムまたはアプタザイム)の触媒活性によって標的依存的に提供され得、それによって、イニシエーター酵素の基質は、イニシエーター酵素の触媒活性を誘導する標的分子が存在する場合にのみRLをもたらすよう改変される。非限定的な例として、標的依存的なRLの作製は、図4パネルi)に例示されるように達成され得る。この機序は、図4パネルii)、iii)およびiv)に、図6パネルi)、図7パネルi)および図8パネルi)に例示される下流反応を開始するよう使用され得る。
図4パネルi)に記載される態様を具体的に参照して、RL(太い黒色破線)は、最初に、BL(黒色実線)とハイブリダイズされ、RLを不活性にし得る。RLは、黒色実線として描かれる非相補的ヘアピンループによってBLと連結され得る(「ヘアピン型RL」)か、または別個の実体としてのままであり(「ブロックされたRL」)、これは、それぞれ、パネルの上の左、および下の左の部分に示される。BL部分は、それぞれ、灰色の実線および太い灰色破線として描かれる、標的アセンブリーファシリテーター(AF1)の存在下で集合し得るMNAザイム(Mz1)としてここで示される触媒核酸酵素によって切断され得る基質配列、基質1(細い黒色破線)を含有し得る。MNAザイムによるBLの切断は、活性RL(活性RL)の作製をもたらし得る。あるいは、リガンド(例えば、アプタザイムのアプタマー部分と結合することができる標的リガンド)の存在は、RLを活性化し得るBL内の基質1を切断することができるアプタザイムを活性化し得る。MNAザイムまたはアプタザイムによる基質1の切断のために、もはやBLとハイブリダイズしない活性RL分子は、図4パネルi)、ii)およびiii)に例示される下流反応を開始するための機序を提供し得る。
図4パネルii)〜iv)に記載される態様は、BL分子とハイブリダイズされるDNAザイムを表し、これは、次いで、RLのBLとのハイブリダイゼーションによってBL分子から分離される。当業者であれば、パートザイムもまた、BL分子とハイブリダイズされ、同様の方法で放出され得るということを理解するであろう。
図4パネルii)に記載される態様では、DNAザイム(Dz;太い黒色線)は、BL分子(BL;細い灰色線)とハイブリダイズされて、二重鎖を形成する。Dz配列の小さい部分は、BLとハイブリダイズせず、二重鎖の中心にループ構造として示される。基質配列(基質;細い黒色破線)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され、Dzによって切断されるよう設計されるが、Dzは、BLの最初の結合のために、その基質を切断できない。活性RL(太い黒色破線)が存在する場合には、BLと結合し、DzをBL分子から置き換え得る。RLは、DzおよびBLの間に不完全ハイブリダイゼーションがある領域において一部の必須配列を欠くので、触媒分子として機能できない。RLおよびBLは、次いで、不活性二重鎖を形成し得るが、Dzは、次いで、基質と結合し、これを切断することができ、これは、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離および検出可能な蛍光シグナルの発生をもたらす。
図4パネルiii)に示される態様では、ヘアピンループ(太い黒色線)として作用する短い非相補的配列によって連結されている単一オリゴヌクレオチド中にDNAザイム部分(太い黒色線)およびBL部分(太い灰色線)を含有するヘアピン型DNAザイム(ヘアピン型Dz)が存在する。さらに、Dz配列の小さい部分は、ヘアピンの残部(BL配列)とハイブリダイズせず、二重鎖の中心にループ構造として示される。基質配列(基質;細い黒色破線)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され、Dzによって切断されるよう設計されるが、Dz配列は、ヘアピン構造内に拘束されているので、最初は、Dzはその基質を切断できない。活性RL分子(RL;太い黒色破線)が存在する場合には、それがヘアピンDzトーホールド(BL配列を含有する鎖)と結合でき、ヘアピンDz分子のBL部分とハイブリダイズできる。RLは、触媒活性に必須の一部の配列を欠く(Dz中に存在する塩基を欠くが、ヘアピンのDzおよびBL領域の間の不完全ハイブリダイゼーションのためにループして出ている)ので、触媒分子として機能できない。ヘアピンのBL部分およびRLは、次いで、不活性な二重鎖を形成し得、これによって、Dz部分が解放される。次いで、Dz部分は、基質と結合し、これを切断することができ、これは、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離および検出可能な蛍光シグナルの発生をもたらす。
図4パネルiv)は、DNAザイム部分およびBLA部分(両方とも灰色の実線として描かれる)からなるヘアピン型Dz1 & DNAザイム部分およびBLB部分(両方とも黒色の実線として描かれる)からなるヘアピン型Dz2と呼ばれる2つのヘアピン型DNAザイム(図4パネルiii)に記載される)を連結することを含む例示的戦略の概要を示し、これでは、両ヘアピン分子は各々伸長されて、他方と相補的であるさらなるステム配列を含有し、従って、共に連結する。最初に、ヘアピン型Dz1およびヘアピン型Dz2は、そのそれぞれの基質、両方とも細い黒色破線として描かれる基質1および基質2を切断できない。基質1および基質2は両方とも、異なるフルオロフォア(基質1については灰色丸および基質2については白丸)を用いて標識され、両方とも黒丸として描かれるクエンチャーを用いて標識される。活性RLが存在する場合には、各ヘアピン型Dzのトーホールド配列(相補的ステム領域のために共に閉じられている)と結合し、両ヘアピン型Dzを同時に開環できる。結果として、ヘアピン型Dz分子の両Dz部分は、それぞれの基質と結合し、これらを切断でき、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらし、従って、2種の異なるフルオロフォアの各々の検出可能な蛍光シグナルを生じさせる。
シグナル検出および増幅:リリーサーオリゴヌクレオチド
標的の検出の際にイニシエーター酵素によって生成されるRLは、ハイブリダイズした触媒核酸酵素からBLを解離し(すなわち、分子スイッチを活性化する)、それによって、酵素がリポーター基質を触媒的に改変し、検出可能なシグナルを生じさせることを可能にし得る。そうすることにおいて、RLは、BLとハイブリダイズし、それによって、不活性にされる。
RLを利用するシグナル増幅カスケードが、本明細書において提供される。一般に、これらのカスケードは、BLをRLから解離することができ、それによって、RLが、触媒核酸酵素とハイブリダイズされたより多くのBLを解離するのを可能にする成分の使用を含む。このようにして、単一標的検出事象から生じるシグナルは、BL/核酸酵素複合体のRL媒介性解離の連続ラウンドによって何度にもわたって増幅され得る。
一部の態様では、エキソヌクレアーゼ、例えば、ExoIIIは、RL分子が、ExoIIIの活性によって再利用されるシグナル増幅のために使用され、連続的放出およびその後の複数の触媒核酸分子の活性化につながり得る。この場合には、触媒核酸分子のRL媒介性活性化に、ExoIIIによる分子スイッチ中のBLの選択的分解が続く。従って、RL分子は未変化(intact)のままであり、次いで、別のBLとハイブリダイズすることができる。次いで、活性化サイクルが反復され、このプロセスの間、毎回新規触媒核酸分子が放出され、シグナルの増幅につながる。
図6は、シグナル検出およびRL分子の再利用を惹起する増幅カスケードの1つの例示的戦略を提供する。図6パネルi)は、DNAザイム(Dz;太い黒色線)が、BL分子(BL;細い灰色線)とハイブリダイズする戦略を表す。各分子の3’末端は、Dz/BL二重鎖をExoIII媒介性分解に対して抵抗性にするために二重鎖から少なくとも4ヌクレオチドだけ突出している。基質配列(基質;細い黒色破線)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され、Dzによって切断されるよう設計されるが、BLとハイブリダイズされる間、Dzは不活性であり、その基質を切断できない。イニシエーター酵素(例えば、MNAザイム、DNAザイム、リボザイムまたはアプタザイム)の触媒活性によって、イニシエーター酵素の触媒活性を誘導する標的分子が存在する場合にのみイニシエーター酵素の基質がRLをもたらすよう改変されている標的依存的に、RLが提供され得る。非限定的な例として、標的特異的な方法でのRLの生成は、図4パネルi)に例示されるように達成され得る。
活性RLが存在する(RL;太い黒色破線)が場合には、BLと結合し、BL分子からDzを置き換えることができる(図6パネルi)。RLおよびBLは、次いで、表されるように、RLの3’末端が、二重鎖から突出しているが、BLの3’末端が、ここで、平滑である(またはあるいは、RLの5’末端に対して陥凹している)二重鎖を形成できる。ExoIII(灰色のセグメント化された環として描かれる)は、次いで、その3’末端からBL分子を消化でき、RL分子は未変化のままである。RLは、次いで、再利用され、このプロセスを反復できる。各Dzは、ひとたび置き換えられると、次いで、その基質と結合することができ(各々の3’末端は、突出しており、それらをExoIIIに対して抵抗性にしている)、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離ならびに検出可能な蛍光シグナルの発生をもたらす基質を切断できる。これは複数回起こり得るので、次いで、環カスケード反応によってもたらされるシグナルの増幅がある。
他の態様では、制限酵素(例えば、ニッキング酵素)は、RL分子が、制限酵素の活性によって再利用され、DNAザイムの連続的放出およびその後の活性化につながるシグナル増幅のために利用され得る。BL分子からの触媒核酸分子のRL媒介性置換の間に、次いで、RLおよびBL分子の間の二重鎖内に新規認識部位が作製される。次いで、制限酵素は、この部位を認識し、BLを選択的に切断することができるが、RL分子は、未変化のままである。RLの切断は、認識部位のBL鎖のみを切断し、RL鎖は切断しないニッキング制限酵素の認識部位を作製する(使用する)ことによって回避され得る。あるいは、両鎖を切断することができる制限酵素が使用され得、この場合には、認識部位のRL鎖は、制限酵素によるRL鎖の切断を阻止するホスホロチオエート連結を含み得る。BLの短い「ニックが入った」断片は各々、ここで、未変化BLが有するのと同一のRLに対する親和性をもはや有さず、結果として、RLと安定な二重鎖DNA構造をもはや形成しない。次いで、RLは、別のBLと結合することができ、環が反復され、このプロセスの間、毎回触媒核酸が活性化される。
図7、パネルi)を見てみると、DNAザイム(Dz;太い黒色線)が、BL(BL;細い灰色線)とハイブリダイズする例示的戦略が表されている。BLは、Dz/BL二重鎖からループして出ている、DNAザイムと非相補的であり、ニッキング酵素の二本鎖認識配列の一方の鎖を形成する幾分かのさらなる配列(細い灰色破線として描かれる)を含有する。ニッキング酵素、例えば、Nt.BspQI(黒色塗りつぶし三角として描かれる)も存在するが、その完全二本鎖認識配列がDzおよびBL二重鎖内に存在しないので、BLを切断できない。基質配列(基質;細い黒色破線)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され、Dzによって切断されるよう設計されるが、BLとのハイブリダイゼーションのために、Dzはその基質を切断できない。イニシエーター酵素(例えば、MNAザイム、DNAザイム、リボザイムまたはアプタザイム)の触媒活性によって、イニシエーター酵素の触媒活性を誘導する標的分子が存在する場合にのみ、イニシエーター酵素の基質がRLをもたらすよう改変される標的依存的にRLが提供され得る。非限定的な例として、標的特異的な方法でのRLの生成は、図4パネルi)に例示されるように達成され得る。図7パネルi)に表されるように、二本鎖ニッキング酵素認識配列(それ自体、RL分子の中央に灰色破線として描かれる)のもう一方の鎖を含有する活性RL分子(RL;太い黒色破線)が存在する場合には、BLと結合して、DzをBL分子から置き換える。次いで、RLおよびBLは、ここで、完全ニッキング酵素認識配列を含有する二重鎖を形成する。結果的に、ニッキング酵素は、ここで、BLを切断でき、一方で、RL分子は未変化のままである。次いで、RLは再利用され、このプロセスを反復することができる。各Dzは、ひとたび置き換えられると、次いで、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離ならびに検出可能な蛍光シグナルの発生をもたらす、その基質と結合し、これを切断することができる。これは、複数回起こり得るので、従って、シグナルの増幅がある。当業者であれば、上記の例示的戦略はニッキング酵素を使用するが、このプロセスは、RLおよびBLのハイブリダイゼーションによって形成される認識部位の両鎖を切断することができる制限酵素の使用に対応するよう改変され得ることは認識するであろう。このような場合には、RLの切断は、認識部位のRL鎖を、ホスホロチオエート連結を組み込み、従って、制限酵素によるRL鎖の切断を防止するよう改変することによって回避され得る。
他の態様では、シグナル増幅のために、鎖置換型ポリメラーゼが使用され得る。適したプライマーオリゴヌクレオチドと組み合わせて提供される場合には、核酸の下流の鎖を置換し、従って、置換された鎖を一本鎖にする目的で、プライマー配列の伸長によって核酸の新規鎖を合成する能力を有する鎖置換型ポリメラーゼが使用され得る。これは、二本鎖である場合に非機能的であるが、一本鎖である場合に機能性を回復する分子の機能の活性化のための機序として使用され得る。プライマー/ポリメラーゼ媒介性鎖置換のプロセスは、BL分子と結合している場合にこれまで不活性にされていた触媒核酸分子の活性化を促進するために使用され得る。一態様では、プライマーは、RL分子による触媒核酸の置換後にBL分子とハイブリダイズでき、鎖置換型ポリメラーゼ酵素によってその3’末端で伸長され得る。これは、BLからのRLの置換をもたらし、次いで、BLおよび伸長されたプライマーの間で不要な複合体が形成される。次いで、RLは再利用され、BL分子からのさらなる触媒核酸を置換するよう機能し得、シグナルの増幅をもたらす。
図8、パネルi)を参照すると、DNAザイム(Dz;太い黒色線)がBL分子(BL;細い灰色線)とハイブリダイズする例示的戦略が表されている。BLは、その末端の一方に小さいヘアピンを形成する幾分かのさらなる配列を含有するが、DNAザイムおよびBLは、別個のオリゴヌクレオチドである。この小さいヘアピンのステムは、プライマー結合領域を含有するが、プライマー(先のとがった末端を有する短い黒色線として描かれる)は、この領域がヘアピンステム内にブロックされているので、この領域と結合できない。Klenowフラグメント(3’−5’エキソ−)などの鎖置換型ポリメラーゼが使用される(塗りつぶし黒色丸として描かれる)場合には、それもまた、プライマーがその結合部位と結合できないのでプライマーを伸長できない。領域(reagion)混合物中の全てのオリゴヌクレオチドのうち、残りのオリゴヌクレオチドは、ポリメラーゼによるその伸長をブロックするよう3’リン酸化されているので、プライマーのみがポリメラーゼによって伸長される可能性を有する。基質配列(基質;細い黒色破線)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され、Dzによって切断されるよう設計されるが、BLとのハイブリダイゼーションのために、Dzは、その基質を切断できない。RLは、イニシエーター酵素(例えば、MNAザイム、DNAザイム、リボザイムまたはアプタザイム)の触媒活性によって、イニシエーター酵素の触媒活性を誘導する標的分子が存在する場合にのみ、イニシエーター酵素の基質がRLをもたらすよう改変されている標的依存的に提供され得る。非限定的な例として、標的特異的な方法でのRLの生成は、図4パネルi)に例示されるように達成され得る。図8パネルi)を参照すると、活性な一本鎖RL分子(RL;太い黒色破線)が存在する場合には、BLと結合して、DzをBL分子から置き換え、またBLの末端でのヘアピンの開環を促進し、従って、プライマー結合部位を曝露する。結果的に、プライマーは、BLの末端で結合し、鎖置換型ポリメラーゼによって伸長され、このプロセスにおいてRLを置き換える。伸長されたプライマーおよびBLは、次いで、不活性の二重鎖を形成し、一方で、RLは、次いで、再利用され、このプロセスを反復することができる。各Dzは、ひとたび置き換えられると、次いで、基質と結合し、これを切断することができ、これは、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらし、検出可能な蛍光シグナルが続く。これは複数回起こり得るので、次いで、シグナルの増幅がある。
シグナル検出および増幅:ブロックされたRL
一部の態様では、RL分子は、それ自体、別のBL分子とのハイブリダイゼーションによって最初に不活性化され得る。BLは、別個のオリゴヌクレオチドとして存在し得るか、またはRLと同一オリゴヌクレオチド内に存在し得、ここで、それらは、ヘアピン構造のループを形成し得る核酸または非核酸スペーサー配列を連結することによって接続され得る。BLおよびRL間のハイブリダイゼーションは、RLの可逆的不活性化をもたらし得、この状態で、ここで「分子スイッチ」と呼ばれる。BL分子は、触媒核酸の基質配列を含有し得る。これは、ヘアピンループ配列の一部として、またはRLおよびBLの両方が共に連結される場合にはそれに加えて存在し得る。このような態様では、RLのその他のオリゴヌクレオチドを「放出」する能力(例えば、鎖置換活性によって)の復元をもたらし得る基質配列の切断は、RLをBLから放出し得る。このような態様では、1種または複数の不活性RL分子が、1種または複数の不活性触媒核酸分子と共存するフィードバックカスケードが作製され得、これでは、RLおよび触媒核酸の両方とも、そのそれぞれのBL分子とのハイブリダイゼーションによって不活性化されている(図9、パネルiii)。MNAザイムのアセンブリーファシリテーターなどの活性触媒核酸分子を完成するための活性触媒核酸分子または最終成分の添加は、RL機能性および/または触媒核酸触媒作用のいずれかの活性化をもたらす1種または複数のBL分子の切断をもたらし得る。これは、2つの異なる分子スイッチ間のBL切断およびRL媒介性置換事象のカスケードを開始でき、RLおよび触媒核酸分子の連続活性化ならびにその後のシグナルの増幅をもたらす。
例えば、図9パネルi)は、リリーサー(RL;太い黒色破線)がBL分子(BLA、太い黒色線として描かれる)とプレハイブリダイズされ、ヘアピン構造のループを形成する非相補的配列によって2者が共に連結される(全複合体は、ヘアピン型RLと呼ばれる)戦略を表す。BLAは、標的依存的にイニシエーター触媒核酸酵素によって切断され得る基質配列、細い黒色破線として描かれる基質1を含有する。さらに、ヘアピン型DNAザイム(ヘアピン型Dz2、太い黒色実線)が存在し、単一オリゴヌクレオチド中に、ヘアピンループとして作用する短い非相補的配列によって連結されているDNAザイムおよび対応するBL配列(BLB)の両方を含有する。図4パネルiii)に最初に記載されたように、Dz配列の小さい部分は、ヘアピンの残部(BLB配列)とハイブリダイズせず、二重鎖の中心にループ構造として示される。図9パネルi)を参照すると、基質配列(基質2;細い黒色破線)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され、Dz2によって切断されるよう設計されるが、一方で、Dz2配列は、ヘアピン構造内に拘束されており、最初は、その基質を切断できない。ヘアピン型RL複合体のBLA部分が、触媒核酸(Dz1(太い灰色実線)として例示されるが、MNAザイムまたはアプタザイムなどの異なる触媒核酸酵素も使用され得る)によって切断されると、BLAは、RLから解離する。次いで、RLは活性であり、ヘアピン型Dz2のBLB部分と自由にハイブリダイズし、ここで、それはヘアピンDz2分子を開環するよう機能する。RLは、いくつかの触媒活性に必須の配列を欠く(Dz2中に存在するが、Dz2およびヘアピンのBLB領域間の不完全ハイブリダイゼーションのためにループして出される塩基を欠く)ので、触媒分子自体として機能できない。ヘアピン型Dz2複合体のBLB部分およびRLは、次いで、不活性二重鎖を形成し、これが、Dz2部分を解放する。次いで、Dz2部分は、基質2と結合し、これを切断することができ、これは、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離および検出可能な蛍光シグナルの発生をもたらす。
図9パネルiii)は、ヘアピン型RLのBLA領域内に存在する基質配列が、RLによってその後活性化される触媒核酸によって切断されるよう設計される場合に起こり得る例示的環カスケード反応の概要を示す。ヘアピン型RLは、RL部分(太い黒色破線)およびBL部分(BLA、太い黒色線)を含み、これらは、ヘアピン構造(太い黒色線)のループを形成する非相補的配列によって共に連結され得る。BLA部分は、標的アセンブリーファシリテーター(AF1太い灰色破線)の存在下で集合したMNAザイム(Mz1(太い灰色実線)として例示されるが、アプタザイムまたはDNAザイムなどの異なる触媒核酸酵素も使用され得る)によって切断され得る基質配列(基質1;細い黒色破線)を含有する。さらに、DNAザイム1(Dz1)はまた、ヘアピン構造(全複合体は、ヘアピン型Dz1と呼ばれる、細い灰色線として描かれる)内のBL配列(BLB)とのハイブリダイゼーションによって不活性状態で存在し得る。活性Mz1の不在下では、2種のヘアピン型分子が、不活性状態で共に存在し、互いに相互作用しない。しかし、活性Mz1が存在する場合には、これは、ヘアピン型RLのBLA部分の切断およびその後のこの分子のRL部分の活性化をもたらし得る。RLは、次いで、ヘアピン型Dz1のBLB部分とハイブリダイズし、ヘアピン構造を開環し、この分子のDz1部分を活性化するよう機能し得る。活性Dz1は、次いで、別のヘアピン型RL分子内の基質1を切断し、従って、さらなるRL分子の活性化をもたらすよう機能し得る。RL分子が、DNAザイムを連続的に活性化し、逆もまた同様である環カスケードが、次いで、作製され得、このカスケードは、シグナルの増幅のために使用され得る。
標的検出およびシグナル増幅:NRF
上記で記載されるように、NRFは、ヌクレアーゼによる認識のための配列を提供することができ、従って、ヌクレアーゼ酵素の活性の開始を可能にするオリゴヌクレオチドである。一部の態様では、NRFは、BLと全体的または部分的にハイブリダイズし、従って、ヌクレアーゼ、例えば、ExoIIIなどのエキソヌクレアーゼの基質を生成し、BLの選択的切断または分解につながり得る。BLが、触媒核酸などの第3の機能的分子とハイブリダイズされる場合には、BLのヌクレアーゼ切断または消化は、次いで、触媒核酸の活性化およびその機能の回復をもたらし得る。次いで、NRFは、再利用されて、別のBL分子とハイブリダイズし得、このプロセスが反復される。さらに好ましい態様では、NRFは、別のBL分子とハイブリダイズされ、その一時的な不活性化、すなわち、ヌクレアーゼ活性を開始するのに必要な配列鋳型を提供するよう機能する能力の喪失をもたらす。BLは、別個のオリゴヌクレオチドとして存在し得るか、またはそれらがヘアピン構造のループを形成する核酸または非核酸スペーサー配列を連結することによって接続され得るNRFと同一オリゴヌクレオチド内に存在し得る。一態様では、BLはまた、触媒核酸分子の基質として作用する配列を含有し得る。これは、ヘアピンループ配列の一部として、またはNRFおよびBLの両方が共に連結される場合にはそれに加えて存在し得る。このような態様では、基質配列の切断は、BLからNRFを放出し得、これは、NRFとして機能するその能力の復元をもたらし得る。
他の態様では、NRFおよび触媒核酸の両方が、そのそれぞれのBL分子とのハイブリダイゼーションのために両方不活性状態で存在するカスケードが作製され得る。NRFは、BL/触媒核酸分子スイッチの対向するBLとハイブリダイズし、エキソヌクレアーゼによるその消化を開始する可能性を有する。触媒核酸はまた、BL/NRF分子スイッチの対向するBL内に存在する基質を切断し、NRFの活性化をもたらす可能性も有する。MNAザイムのアセンブリーファシリテーターなどの活性触媒核酸分子を完成するための活性触媒核酸分子または最終成分の添加は、NRF機能性または触媒核酸触媒作用のいずれかの活性化をもたらす1種または複数のBL分子の切断をもたらし得る。これは、BL切断および2つの異なる分子スイッチ間のNRF媒介性BLヌクレアーゼ消化事象のカスケードを開始でき、NRFおよび触媒核酸分子の連続活性化をもたらす。
図10、パネルi)を見てみると、ヘアピン型DNAザイム分子(ヘアピン型Dz1)が存在し、DNAザイム部分を示す細い灰色線および残りのBLを示す太い黒色線、トーホールドおよびヘアピンループ部分として描かれる戦略を図表で表している。細い黒色破線として描かれた基質配列(基質1)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され、ヘアピン型Dz1分子のDz1部分によって切断されるよう設計されるが、BL部分とハイブリダイズされるので、Dz1は不活性であり、その基質を切断できない。NRFは、イニシエーター酵素(例えば、MNAザイム、DNAザイム、リボザイムまたはアプタザイム)の触媒活性によって、イニシエーター酵素の触媒活性を誘導する標的分子が存在する場合にのみ、イニシエーター酵素の基質がNRFをもたらすよう改変される標的依存的に提供され得る。非限定的な例として、標的特異的な方法でのNRFの生成は、図10パネルii)に例示されるように達成され得る。図10パネルi)を参照すると、活性NRFは、太い黒色破線として描かれ、ヘアピン型Dz1のBL部分の3’末端とハイブリダイズされ、これは、最初は、二重鎖をExoIII分解に対して抵抗性にするために、二重鎖から少なくとも4ヌクレオチドだけ突出しているその3’末端を有する。しかし、NRFのBLとのハイブリダイゼーションは、ExoIIIに適した平滑末端または3’陥凹末端を有する二本鎖基質を提供する(灰色のセグメント化された環)。ExoIIIは、その3’末端からBL分子を選択的に消化でき、一方で、NRF分子は未変化のまま残り、ヘアピン型Dz分子を一本鎖にし、従って、BL部分を分解するが、ここでは、活性であろうDz1部分を残す。NRFは、次いで、再利用され得、このプロセスを反復することができる。ひとたび活性であると、各Dz1は、その基質(各々、突出しており、それらをExoIIIに対して抵抗性にする3’末端を有する)と結合し、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離ならびに検出可能な蛍光シグナルの発生をもたらす基質を切断し得る。
図10パネルii)に示される態様は、ヘアピン型NRFのBL領域内に存在する基質配列は、その後に、NRFによって開始されるヌクレアーゼ活性によって活性化される触媒核酸によって切断されるよう設計される場合に起こり得る環カスケード反応を表す。ヘアピン型NRFは、太い黒色破線として描かれるNRF部分およびBL部分、太い黒色線として描かれるBLAからなり、ヘアピン構造(同様に、太い黒色線)のループを形成する非相補的配列によって共に連結され得る。BLA部分は、その標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で集合する活性MNAザイム(Mz1;太い灰色線)によって切断され得る基質配列(基質1;細い黒色破線)を含有し得る。さらに、DNAザイムは、ヘアピン構造内で不活性状態で存在し得る(ヘアピン型Dz1;DNAザイム部分を示す細い灰色線ならびにヘアピンループおよびBLB部分を示す太い黒色線)。任意の活性MNAザイムの不在下では、2種のヘアピン型分子が、不活性状態で共に存在し得、互いに相互作用しない。しかし、活性MNAザイムが存在する場合には、これは、ヘアピン型NRFのBLA部分内の基質1の切断およびその後の分子のNRF部分の活性化をもたらし得る。このステップは、イニシエーター酵素(例えば、MNAザイムまたはアプタザイム)の触媒活性によるNRFを、図10パネルi)に論じられるように標的依存的に提供するための方法の非限定的な例を提供する。図10パネルii)を参照すると、次いで、NRFは、ヘアピン型Dz1のBLB部分とハイブリダイズし、ヘアピン構造を開環して、分子のDz1部分を活性化するよう機能し得る(パネルi)に概要が示されるように)。NRFの再利用に加えて、次いで、活性Dz1はまた、別のヘアピン型NRF分子の基質を切断し、従って、さらなるNRF分子の活性化をもたらすよう機能し得る。次いで、NRF分子(再利用される)が、DNAザイムを連続的に活性化する、逆もまた同様である、シグナルの増幅のために使用され得る環カスケードが作製され得る。
他の態様では、NRFは、標的を全体的または部分的に含み得る。図27パネルi)を具体的に参照すると、自己触媒性疑似環カスケード(図21パネルi)中のものなど)は、標的配列(標的1;太い灰色破線)の、疑似環のBL内の基質(基質1;細い灰色線)とのハイブリダイゼーションによって開始される。基質1および標的1は各々、RE認識配列(太い黒色破線)の一方の鎖を含み、その結果、2者を共に結合すると完全認識部位の形成をもたらす。従って、標的1は、RE(塗りつぶし黒色三角)の活性を漸加して、BLに選択的にニックを入れるのでNRFとして機能する。BL分子は、DNAザイム(Dz2;太い黒色線)とハイブリダイズして、Dz2の一時的不活性化をもたらす、その5’および3’末端の配列(太い黒色線)からなる。BLはまた、ひとたびDz2が、基質1のニッキングによってBLから放出されると、Dz2によって切断することができる、基質1に隣接する第2の基質配列基質2(基質2a、太い黒色線)を含有する。さらに、基質2はまた、DNAザイム切断反応をモニタリングするために、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(塗りつぶし黒色丸)を用いて改変された独立した実体として提供される。標的1およびREが両方とも存在する場合にのみ、基質1にニックが入れられ、自己触媒性カスケードの開始および蛍光シグナルの発生をもたらす。
標的検出およびシグナル増幅:ヘアピン型DNAザイム
別の戦略では、制限酵素(例えば、ニッキング酵素)は、触媒核酸分子を連続的に合成し、触媒核酸分子を相補的BL鋳型から置き換えるために共に含まれ、鎖置換型ポリメラーゼ酵素と協調して使用され得る。このような態様では、鎖置換型ポリメラーゼによるプライマーの伸長は、REの上流認識部位の形成をもたらす。REのエンドヌクレアーゼ活性は、触媒核酸分子の上流のニックの生成(例えば、ニッキング酵素を使用し、認識部位の一方の鎖にホスホロチオエート連結を組み込むことによる)をもたらし、従って、鎖置換型ポリメラーゼ酵素によって伸長し得る新規プライマーを形成し、触媒核酸分子の新規コピーを合成し、同時に、既存の触媒核酸分子を置き換え得る。次いで、2種のタンパク質酵素は、協力して働き続け、新規触媒核酸分子を連続的に合成し、置換し得、これは、シグナルの増幅に使用され得る。
例えば、図11、パネルi)は、ヘアピン型DNAザイム分子(ヘアピン型Dz)が存在し、太い黒色破線として描かれるDz部分およびBL部分および太い黒色線として描かれるヘアピンループを有するこの性質の戦略を表す。ヘアピンループは、RE、例えば、ニッキング酵素Nt.AlwI(黒色実線三角)のRE認識部位の一方の鎖に必要な塩基のうち全てではないが幾分かを含有する、従って、ヘアピン型Dz中のRE認識部位が不完全である。基質配列(基質;細い黒色破線)は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(黒丸)を用いて標識され、ヘアピン型Dz分子のDz部分によって切断されるよう設計されるが、DzのBL部分とのハイブリダイゼーションのために、Dzは不活性であり、その基質を切断できない。プライマーは、イニシエーター酵素(例えば、MNAザイム、DNAザイム、リボザイムまたはアプタザイム)の触媒活性によって、イニシエーター酵素の触媒活性を誘導する標的分子が存在する場合にのみ、イニシエーター酵素の基質がプライマーをもたらすよう改変される標的依存的に提供され得る。非限定的な例として、プライマーの供給は、図12i)およびii)に例示される戦略を使用して達成され得る。図11パネルi)を参照すると、太い灰色線として描かれるプライマーが存在する場合には、ヘアピン型Dzの一本鎖ループとハイブリダイズし得、塗りつぶし黒色丸として描かれるKlenowフラグメント(3’−5’エキソ−)などの鎖置換型ポリメラーゼによって伸長され得る。ポリメラーゼは、鋳型としてヘアピン型DzのBL部分を使用し、Dzの新規コピーを合成し、従って、ヘアピンを開環でき、既存のDzが一本鎖で、活性であることを可能にする。さらに、プライマー伸長は、Nt.AlwI認識部位を完成し、Nt.AlwIが、上流プライマーおよび下流Dz配列の間で新規に合成された鎖に選択的にニックを入れるのを促進する。従って、ニックは、新規プライマーを作製し、これはKlenowによって伸長されて、新規Dzコピーを合成し、既存のDzを置き換えることができる。次いで、両酵素は、Dz分子を連続的に合成し、置き換えるよう共に機能し得る。各Dzは、ひとたび置き換えられ、活性であると、次いで、基質と結合することができ、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離ならびに検出可能な蛍光シグナルの発生をもたらす基質を切断できる。当業者であれば、上記の例示的戦略は、ニッキング酵素を使用するが、このプロセスは、ハイブリダイゼーションおよび/またはプライマーの伸長および酵素をBLと連結するヘアピンループセグメントによって形成される認識部位の両鎖を切断することができる制限酵素の使用に対応するよう改変され得ることは認識するであろう。このような場合には、認識部位のヘアピンループ鎖の切断は、ヘアピンループ鎖を、ホスホロチオエート連結を組み込み、従って、制限酵素によるヘアピンループ鎖の切断を防止するよう改変することによって回避され得る。
他の態様では、プライマーおよび触媒核酸両方が、そのそれぞれのBL分子とのハイブリダイゼーションによって、最初は両方とも不活性状態で存在するカスケードが、作製され得る。例えば、プライマーは、最初は、BL分子とハイブリダイズされ、その一時的な不活性化をもたらす。BLは、プライマーに対して別個のオリゴヌクレオチドとして存在し得るか、またはヘアピン構造のループを形成する、連結核酸または非核酸スペーサー配列によって接続される、プライマーと同一オリゴヌクレオチド内に存在し得る。プライマーと結合されるBLはまた、触媒核酸分子の基質として作用する配列を含有し得る。これは、ヘアピンループ配列の一部として、またはプライマーおよびBLの両方が共に連結される場合にそれに加えて存在し得る。基質配列の切断は、BLからプライマーを放出し得、これはそのプライミング活性の復元をもたらし得る。プライマーは、ヘアピンループ配列などのBL/触媒核酸分子スイッチの対向するBLの一部とハイブリダイズし、ポリメラーゼ酵素によるプライマーの伸長を開始し、これが触媒核酸のBLからの分離およびその触媒活性の復元をもたらし得る可能性を有し得る。触媒核酸はまた、BL/プライマー分子スイッチの対向するBL内に存在する基質を切断し、プライマーの活性化をもたらす可能性を有し得る。しかし、両分子スイッチは、MNAザイムのアセンブリーファシリテーターなどの活性触媒核酸分子を完成するための、活性触媒核酸分子または最終成分の添加まで不活性であり、これは、プライマー機能性または触媒核酸触媒作用のいずれかの活性をもたらす1種または複数のBL分子の切断をもたらし得る。これは、2種の異なる分子スイッチ間のBL切断およびプライマー伸長事象のカスケードを開始し、プライマーおよび触媒核酸分子の連続活性化ならびにその後のシグナルの増幅をもたらし得る。
非限定的な例として、図11パネルiii)は、ヘアピン型プライマーのBL領域内に存在する基質配列(基質1)が、プライマー−ポリメラーゼ活性によってその後活性化されるDNAザイムによって切断されるよう設計される場合に起こり得る環カスケード反応の概要を示す。ヘアピン型プライマーは、ヘアピン構造(同様に、太い黒色線)のループを形成する非相補的配列によって共に連結される、プライマー部分(太い灰色線)およびBL部分(BLA、太い黒色線)を含む。BLA部分は、標的アセンブリーファシリテーター(AF1太い灰色破線)の存在下で集合した活性MNAザイム(Mz1;太い黒色破線)によって切断され得る基質1配列(細い黒色破線)を含有する。さらに、Dz1は、ヘアピン構造内で不活性状態で存在し得(ヘアピン型Dz1)、そのDz1部分は、太い黒色破線として描かれ、BL部分(BLB)およびヘアピンループは、太い黒色線として描かれる。Klenowポリメラーゼ(Klenow;塗りつぶし黒色丸)およびRE、例えば、Nt.AlwIニッキング酵素(塗りつぶし三角)も、反応において存在し得る。任意の活性Mz1の不在下で、2種のヘアピン型分子が、不活性状態で共に存在し得、互いに相互作用しない。しかし、活性Mz1が存在する場合、これは、ヘアピン型プライマーのBLA部分の基質1の切断およびその後の分子のプライマー部分の活性化をもたらし得る。次いで、活性プライマーは、ヘアピン型Dz1のループとハイブリダイズし、ヘアピン構造を開環して、分子のDz1部分を活性化するよう機能し得る。さらに、プライマー結合および/または伸長は、RE(例えば、Nt.AlwI)認識部位を完成し、REが、上流プライマーと下流Dz配列の間で新規に合成された鎖に選択的にニックを入れるのを促進し得る。従って、ニックは、新規プライマーを作製し、これは、Klenowによって伸長されて、新規Dzコピーを合成し、既存のDzを置き換え得る。次いで、両酵素は、Dz1分子を合成し、置換するよう共に機能し得(パネルi)に概要が示されるように)、その各々は、ヘアピン型プライマーのBLA部分中に存在する基質1を切断し、従って、新規活性プライマーを作製するよう機能し得る。次いで、活性プライマー分子が、活性Dz1分子の連続活性化および合成に関与している、逆もまた同様である環カスケードが作製され得、シグナルの増幅のために使用され得る。当業者であれば、上記の例示的戦略は、ニッキング酵素を使用するが、このプロセスは、プライマーおよびヘアピン型Dz1のループのハイブリダイゼーションおよび/または伸長によって形成される認識部位の両鎖を切断することができる制限酵素の使用に対応するよう改変され得ることは認識されよう。このような場合には、認識部位のループ鎖の切断は、ループ鎖を、ホスホロチオエート連結を組み込み、従って、制限酵素によるループ鎖の切断を防止するよう改変することによって回避され得る。
他の態様では、触媒核酸分子(例えば、DNAザイム)の連続合成の鋳型を形成するヘアピン構造は、代わりに、部分触媒核酸配列のみからなるDz領域を含み得る。これが起こる場合には、ポリメラーゼおよびREの両方の活性が、反応中に存在する任意の活性触媒核酸があるために必須である。このような鋳型の使用は、バックグラウンド「プライマー独立性」シグナルを排除し、従って、より大きな特異性をもたらすのに有用であり得る。
例えば、図19パネルi)は、DNAザイムの連続合成のための鋳型を形成し得る4つの特有の構造(構造A、B、CおよびD)を表す。Dz合成の鋳型部分はまた、構造AのBLであり(太い黒色線で表される)、これは、最初はBLのハイブリダイゼーションのために不活性であるDNAザイム(Dz;太い破線)とハイブリダイズされる。構造B〜Dにおける新規DNAザイムの合成のための鋳型(Dz鋳型(ASDz;アンチセンスDNAザイム配列;太い黒色線)は、機能的DNAザイムのアンチセンスを含む。構造BおよびCのBL部分は、太い黒色破線として描かれている。構造A〜Cのプライマー結合領域(ヘアピンループ部分)と、また構造Dのプライマー結合領域と結合する活性プライマー(短い太い灰色線)が示されている。構造Aは、分子のDz部分が、完全触媒Dz配列(図11パネルi)において元々表される)を含む「完全」ヘアピン型Dzと呼ばれる。図19パネルi)を参照すると、構造Bは、「完全にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型と呼ばれ、完全Dz配列の4ヌクレオチドを除く全てからなり、これらの塩基が触媒コア領域から除去されるDz部分を含有するBLを含む。構造BのDz鋳型(ASDz)は、BLのDz部分から除去されるそれらのヌクレオチドを含むDNAザイムの完全相補体(アンチセンス)を含有する。従って、これは、4つの対を形成しないヌクレオチドがあるDz鋳型内のバルジの形成をもたらす。構造Cは、「部分的に」ブロックされたヘアピン型Dz鋳型」と呼ばれ、BL内の小さいバルジとして示されるBLのDzコア部分と突然変異したミスマッチした塩基対形成を含有し得る。ポリメラーゼ(塗りつぶし黒色丸)の存在下で、部分的にブロックされたヘアピン型Dz鋳型の3’末端は、コピーするための鋳型としてASDz鋳型を使用して伸長され得るが、BLのコア領域内の突然変異した塩基対のために、プライマーの後の伸長によって開環される場合に、機能的Dzを露出しない。構造Dは、「Dz鋳型」(ASDz)と呼ばれ、隣接するプライマー結合部位を有するDzと相補的である配列だけを含む。Dz鋳型分子は、BLと結合されない。
さらなる態様では、ヘアピン型プライマー(図12パネルi)に概要が示される)およびヘアピン型DNAザイム分子(図11パネルiii)に概要が示される)の両方が、代わりに、それぞれ、部分ヘアピン型プライマーおよび部分ヘアピン型DNAザイム分子であり得る。部分ヘアピン型プライマーは、最初、プライマー領域の部分のみを含み得、従って、部分的ヘアピン型Dz鋳型(元々、図19パネルi)に記載される)と、低下した相補性を有し得、2種の分子間の任意の望まれない結合を最小にし、その後、反応が、標的依存的に開始され得る。ポリメラーゼの存在下では、部分プライマー領域は、鋳型としてBL領域を使用して伸長され、従って、ヘアピン型プライマーの配列を完成する。図23に例示される、2つの部分分子(部分ヘアピン型プライマーおよび部分的にブロックされたヘアピンDz鋳型)の使用は、バックグラウンド「標的独立性」シグナルを排除するのに、従って、より大きな特性をもたらすのに有用であり得る。
図23パネルi)では、細い灰色線として示される部分プライマー領域、細い黒色破線として描かれる基質1によって連結される2つの細い黒色線としてのBL領域(BLA)を有する部分ヘアピン型プライマーが存在する。ポリメラーゼ酵素(塗りつぶしの大きな黒色丸)の存在下で、部分ヘアピン型プライマーの3’末端は、鋳型としてBLA領域を使用して伸長され、従って、プライマー領域を完成し、完全ヘアピン型プライマーの形成をもたらし得る。さらに、太い黒色破線として描かれたBL領域(BLB)および太い黒色破線としてのDz2鋳型(ASDz)領域を有する、部分的にブロックされたヘアピン型Dz2鋳型もまた存在する。BLBは、完全DNAザイムに対して、触媒的に不活性化する突然変異を構成する、BLBのDzコア内に突然変異した塩基(複数可)を含有するDNAザイムの部分配列を含む。BLB中の突然変異体コア塩基は、小さいバルジとして示される。ポリメラーゼの存在下で、部分的にヘアピン型Dz鋳型鎖の3’末端は、コピーするための鋳型としてDz2鋳型部分を使用して伸長され得るが、BLB内の突然変異した塩基のために、プライマーによる伸長によって部分的ヘアピン型Dz鋳型構造が開環される場合に機能的Dzは露出されない。その標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で集合する、基質1(Mz1;太い黒色破線)を切断するよう設計されたMNAザイムが存在し得る。これは、Mz1による基質1の切断およびその後の部分的ヘアピン型プライマーからのプライマー領域の放出をもたらし、その誘導能力の回復をもたらし得る。次いで、活性プライマーは、部分的にブロックされたヘアピン型Dz2鋳型構造のループとハイブリダイズし、図11に概要が示される、ポリメラーゼ伸長およびREニッキング活性(塗りつぶし黒色三角として描かれるRE)によって活性Dz2分子(太い黒色破線)の合成をプライムし得る。図23パネルi)を参照すると、次いで、活性Dz2分子は、フルオロフォア(灰色星)およびクエンチャー(塗りつぶしの小さい黒色丸)を用いて標識され得る基質2(細い灰色破線)を切断し得、検出可能な蛍光シグナルをもたらす。
図12は、触媒核酸酵素の標的依存的活性に頼るプライマーオリゴヌクレオチドの作製のための例示的戦略を提供する。パネルi)では、プライマー(太い灰色線)は、最初、BL分子(BLA、太い黒色線)とハイブリダイズされ、両者は、ヘアピン型分子(同様に、太い黒色線)のループを形成する非相補的配列によって連結され得る。BLAは、その標的(AF1:太い灰色破線)の存在下でMNAザイム(Mz1)によって切断され得る基質配列(細い黒色破線)を含有し得る。基質の切断は、BLAからプライマーを放出し、プライマーを活性にし得る。次いで活性プライマーは、完全ヘアピン型DNAザイム構造(ヘアピン型Dz2;太い黒色破線として描かれるDz2、太い黒色実線として描かれるBLB)のループとハイブリダイズし得、新規DNAザイムを活性化および/または合成するよう進行し得る(例えば、図11に概要が示されるように)。パネルii)では、プライマー(太い灰色線)は、最初に、別個のBL分子(BLA、太い黒色線)とハイブリダイズされ得るが、両者は、パネルi)におけるように共に連結され得ず、2種の別個のオリゴヌクレオチドとして存在する。次いで、プライマーが、パネルi)に概要が示されるものと同様の方法で活性化され得る。パネルiii)では、プライマーは、MNAザイムの基質の成分として存在し得る(プライマーは、基質分子の左部分に太い灰色線として表され、基質の残部は、右に細い黒色破線として示される)。その標的(AF1;太い灰色破線)の存在下でMNAザイム、(Mz1;太い黒色破線)は、基質を切断し、その他の切断された断片からのプライマーの分離をもたらし得る。プライマーは、MNAザイム切断反応の生成物である、3’末端での2’3’環状ホスフェート(塗りつぶし黒色五角形の形)の存在のために切断後に不活性のままである。プライマーの活性化をもたらす2’3’環状ホスフェートの除去を触媒するために、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 PNK、塗りつぶし灰色星型として示される)または別の適当な酵素が使用され得る。次いで、活性プライマーは、完全ヘアピン型DNAザイム(ヘアピン型Dz2;太い黒色破線として描かれたDz2、太い黒色実線として描かれたBL)のループとハイブリダイズし、例えば、図11において概要が示されるように、新規DNAザイムを活性化および/または合成するよう進行し得る。
さらなる態様では、線形カスケードが、基質のMNAザイム切断によるプライマーの活性化および切断された基質断片のその後の脱リン酸化によって引き起こされ得る(例えば、図12、パネルiii)ならびに図17、パネルi)およびii)に概要が示されるように)。これらの線形カスケードでは、最初のMNAザイムによって切断されたプライマーを含む基質は、ヘアピンDz/BL複合体から放出された、または部分的ヘアピン型Dz鋳型/BL複合体においてDz鋳型をコピーすることによって合成されたDzによって最終的に切断された基質とは異なる。
図17は、開始のためのプライマー活性化のための戦略を利用する2つの例示的線形カスケードを表す。カスケードは、図11に概要が示される、新規DNAザイムを活性化および/または合成するための、完全ヘアピン型(パネルi))または部分的ヘアピン型Dz鋳型構造のループとハイブリダイズする活性プライマーの使用に基づく。図17パネルi)では、MNAザイム(Mz1;太い黒色破線)は、その標的(AF1;太い灰色破線)の存在下で集合し得、その基質(基質1、左および右部分を含有する線として描かれる;左は、不活性プライマーを表す太い灰色線を含有し、右は、細い黒色破線として示される)を切断し得る。基質1は、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(塗りつぶしの小さい黒色丸)を用いて標識され得る。MNAザイムによる基質1の切断は、その他の切断された断片からのプライマーの分離をもたらし得、そうすることで、検出可能なシグナルが生成し得る。プライマーは、MNAザイム切断反応の生成物であり得る、3’末端での2’3’環状ホスフェート(塗りつぶし黒色五角形の形)の存在のために、切断後に不活性のままであり得る。プライマーの活性化をもたらす2’3’環状ホスフェートの除去を触媒するためにT4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 PNK;塗りつぶし灰色星型)または同様の適当な酵素が使用され得る(すなわち、相補的核酸とハイブリダイズすることができ、適したポリメラーゼ酵素による核酸の新規鎖の合成を開始するために利用され得るという意味で)。活性プライマーは、従って、完全ヘアピン型DNAザイム(ヘアピン型Dz2;太い黒色破線として描かれるDz2部分、太い黒色線として描かれるBL部分およびヘアピンループ)のループとハイブリダイズし得、鎖置換型ポリメラーゼ(Pol;大きな塗りつぶし黒色丸)によって伸長され得る。ポリメラーゼは、鋳型としてBL部分を使用し、Dz2の新規コピーを合成し、従って、ヘアピンを開環でき、既存のDz2が一本鎖になり、活性であることを可能にする。各Dz2は、ひとたび置き換えられ、活性であると、次いで、その基質(基質2;細い灰色破線)と結合し、これを切断できる。基質2は、基質1と同一または異なるフルオロフォア(塗りつぶしの灰色星型として示される)およびクエンチャー(塗りつぶし黒色丸)を用いて標識され得る。Mz1による基質1および活性Dz2による基質2の切断は、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離および2種のフルオロフォアのうち1種が、基質1および2を標識するために使用されるかどうかに応じて、1種または2種の検出可能な蛍光シグナルの発生をもたらし得る。
REを組み込むと、新規DNAザイム分子の連続合成をもたらす別の線形カスケードが拡大され得る(図11に概要が示されるように)。図17パネルii)では、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型(元々、図19パネルi)Cに概要が示される)が使用され得る(部分的にブロックされたヘアピン型Dz2鋳型(ASDz);太い黒色線)。太い黒色破線として描かれる部分Dz部分は、BL部分中に存在し、ヘアピンループは、太い黒色線として描かれる)。Dz2鋳型(ASDz)部分は、機能的DNAザイム、Dz2のアンチセンスである。BLBは、完全DNAザイムに対する触媒的に不活性化する突然変異を構成する、BLのDzコア内に突然変異した塩基(小さいバルジとして示される)を含有するDNAザイムの部分配列を含む。ポリメラーゼの存在下で、BL鎖は伸長され得るが、突然変異のために、プライマーによって開環される場合に機能的Dzを合成し得ない。パネルii)に示される態様では、Dz鋳型鎖はまた、REの認識部位の一方の鎖を含有し、その結果、ループおよびDz鋳型部分に沿ったプライマーの伸長は、完全RE認識部位の形成をもたらし得る。結果的に、RE(塗りつぶし黒色三角の形として示される)は、新規に合成された鎖に上流プライマーおよび下流Dz2配列の間で選択的にニックを入れることができる。ニックは、新規プライマーを作製し、これは、鎖置換型ポリメラーゼによって伸長され、新規Dz2コピーを合成し、既存のDz2を置き換え得る。次いで、両酵素は、Dz2分子を合成し、置き換えるよう共に機能し得、その各々は、基質2を切断し、フルオロフォアおよびクエンチャーを分離し、検出可能な蛍光シグナルをもたらすよう機能し得る。
さらなる態様では、図17パネルi)およびii)に概要が示される線形カスケードは、環フィードバックカスケードを作製し、それによって、MNAザイム標的認識事象後にシグナルの増幅をもたらすよう改変され得る。図18パネルi)およびii)は、それぞれ図17パネルi)およびiii)に概要が示される線形カスケードをループする閉じたフィードバックを表す。各場合において、生成される活性Dzは、MNAザイムと同一基質(基質1)を認識し、切断し、従って、新規活性プライマー分子の生成につながるよう設計され得る。
さらなる例示的態様では、反応内に、プライマーの合成および増幅の鋳型として働き得るさらなる分子(複数可)が存在し得る。図13に示される例示的戦略を参照すると鋳型は、プライマーと相補的であり、REの認識部位の一方の鎖によって分離されている2つの領域を含有する。図13パネルi)を参照すると、「プライマー1と呼ばれるプライマーの、プライマー鋳型の第1の相補的領域とのハイブリダイゼーションは、ハイブリダイズされ得る多数のヌクレオチドがあるよう設計されているので、最初は支持される。次いで、プライマーがポリメラーゼによって伸長され得、これは、完全な二本鎖RE認識部位と、それに続くさらなるプライマー1配列の合成をもたらし得る。次いで、RE活性は、RE切断、次いで、鎖置換型ポリメラーゼによる伸長のサイクルによるプライマー1の連続合成を可能にし得る。さらなるプライマー製造性鋳型分子は、図13パネルi)に表されるように線形一本鎖鋳型として、または最初のプライマーが第2の相補的領域とハイブリダイズすることを、この事象がさらなるプライマー1合成をもたらさないので防止するのに役立つ、一方の鎖はプライマー合成の鋳型を含有し、もう一方は、プライマー鋳型と部分的に相補的である、図13パネルii)に表されるようにヘアピン型DNA分子として存在し得る。さらなるプライマー製造性鋳型分子はまた、異なるプライマーの伸長によって開始され得、例えば、図13パネルiii)に表されるように、これでは、プライマー2がプライマー1を製造する。
より詳細に図13に示される例示的態様を参照すると、パネルi)は、最初のプライマー(プライマー1;灰色実線)が、プライマー鋳型(プライマー鋳型;黒色実線)とハイブリダイズし得る方法を示し、これでは、プライマー1は、次いで、鎖置換型ポリメラーゼ(例えば、Klenow;塗りつぶし黒色丸)によって伸長され、完全RE認識部位(黒色実線)とそれに続く新規プライマー1(灰色実線)の両方を合成し得る。RE(塗りつぶし黒色三角)は、次いで、新規に合成された鎖を、RE部位と新規プライマー1の間で切断して、ニックを作製し得、次いで、これが、ポリメラーゼによって伸長されて、別の新規プライマー1を合成し得、一方で、これまで結合していたプライマー1を置き換える。これは、新規プライマーを連続的に合成するための、RE切断および重合および鎖置換の連続サイクルもたらし得る。
図13のパネルii)では、最初のプライマー1は、より多くの新規プライマー1の連続合成を開始するために使用され得、パネルi)に概要が示されたスキームと同様であるが、パネルii)は、ヘアピン型プライマー鋳型(黒色実線)を使用し得る戦略を例示する。ヘアピン分子の下の鎖は、プライマー鋳型を含有し得、上の鎖は、プライマー鋳型と部分的に相補的である配列を含有し得、両者はヘアピンのループを形成する非相補的配列によって連結される。最初のプライマー1は、ループとハイブリダイズし得、次いで、コピーするための鋳型としてプライマー鋳型(ヘアピンの下の鎖)を使用してポリメラーゼによって伸長され得る。
図13パネルiii)では、パネルi)に概要が示される同一プロセスによって新規プライマー1の連続合成を開始するために、異なるプライマー(プライマー2;黒色破線)が使用され得る。
図25パネルi)では、元々、図11パネルi)に概要が示される方法を使用してDNAザイム合成の開始を促進するためのプライマー鋳型分子の使用を実証するために図13パネルiii)に表される戦略が拡大される。ここで、プライマー鋳型(ヘアピン型プライマー鋳型)は、一方の鎖が、RE認識部位の一方の鎖と隣接するプライマー1の合成のための鋳型を含有し(細い黒色線によって全て表される)、他方、プライマーヘアピンのもう一方の鎖(細い黒色破線)が、鋳型と部分的に相補的であるヘアピン構造から構成される。部分的に相補的な鎖は、それと、鋳型鎖の間でミスマッチした塩基対形成(小さいバルジとして描かれる)ならびに3’末端にさらなる塩基(小さい黒色丸)を含有し、ここで、後者は、プライマー配列の一部ではない。内部のミスマッチした塩基対は、ヘアピン型プライマー鋳型の部分的に相補的な鎖と、部分的ヘアピン型Dz1鋳型分子のプライマー1結合部位の間の親和性を低減する。3’末端のさらなる塩基は、この塩基が、プライマー1結合部位と相補性を共有しないので、部分的に相補的な鎖がプライマーとして作用することを防止する。従って、部分的に相補的な鎖の目的は、プライマー2が新規に合成されたプライマー1分子を捕捉することを防止するために、プライマー鋳型鎖を、プライマー2の伸長がなく二本鎖形態で維持することである。
ヘアピン型プライマー鋳型構造のループ鎖(太い黒色線)は、プライマー2(太い灰色破線)と相補的であり、その結果、プライマー2がこのループと結合すると、プライマー2は、鎖置換型ポリメラーゼによって伸長され得、ヘアピン型プライマー鋳型の同時開環ならびに完全RE認識部位および隣接するプライマー1(太い灰色線)両方の合成をもたらす。ニッキング制限酵素(塗りつぶし黒色三角)が存在する場合には、完成されたRE認識部位を認識し、上流プライマー2と下流プライマー1配列の間の領域で新規に合成された鎖に選択的にニックを入れることができる。従って、ニッキングは、新規プライマーを作製し、これは、別のプライマー1コピーを合成し、鋳型鎖から予め存在しているコピーを置き換える両方のために、鎖置換型ポリメラーゼ(塗りつぶし黒色丸)によって伸長される。ニッキング、重合および置換のこのサイクルは、次いで自律的に起こり、複数の活性プライマー1分子を生成する。次いで、各プライマー1は、図17パネルii)および図23パネルi)に先に概要が示されている部分的にブロックされたヘアピン型Dz鋳型法を使用して、活性DNAザイム分子の合成を開始し得る。その他の例示的態様では、BL分子はまた、さらなるプライマーの相補的配列を含有し得、その結果、BL鋳型上での元のプライマーの伸長は、さらなるプライマーと連結された完全DNAザイムの新規コピーの両方を合成し得る(図14パネルi))。図14パネルi)に例示されるように、最初の活性プライマー(太い灰色線)は、ヘアピン型DNAザイム(ヘアピン型Dz)/BL複合体のループとハイブリダイズする。ヘアピン型Dz/BL複合体の上の鎖は、DNAザイム(太い黒色破線)であり、BL(太い黒色線)を含有する下の鎖とハイブリダイズされて示され、これでは、両者は、非相補的ループ(同様に、太い黒色線)によって共に連結されている。鎖置換型ポリメラーゼ(Klenow;塗りつぶし黒色丸)による活性プライマーの伸長は、ヘアピン型DNAザイム/BL複合体を開環し、鋳型としてBLを使用して新規鎖を合成する。新規に合成された鎖は、DNAザイムのさらなるコピーおよび新規プライマーを含有する。新規DNAザイムコピーは、制限酵素の完全認識部位に先行し、その結果、RE(塗りつぶし黒色三角)による切断は、ニックの入ったオリゴヌクレオチドをもたらし、これは、Klenowによって伸長されて、DNAザイムの新規コピーおよび新規プライマーをもたらし、一方で、既存のコピーを置き換え得る。ニックは、プライマーハイブリダイゼーションおよび/または伸長によって形成された認識部位中の鎖を切断することだけできるニッキング酵素の認識部位を作製すること(および使用すること)によって生成され得る。あるいは、ニックは、両鎖を切断することができる制限酵素の認識部位を作製することおよびループ鎖をホスホロチオエート連結を組み込み、従って、制限酵素によるループ鎖の切断を防止するよう改変することによって生成され得る。ニッキングおよび伸長のこのサイクルは、一方の末端にプライマーを含有する新規DNAザイムを連続的に合成するよう働く。各DNAザイム/プライマー鎖の新規プライマー部分は、次いで、新規ヘアピン型DNAザイムループとハイブリダイズして、サイクルを再開し得る。
新規に合成されたプライマーはまた、さらなるRE認識部位に先行し得、その結果、RE活性によって、さらなるプライマーの連続合成が可能となる(図14ii))。図14パネルii)に例示されるように、パネルi)からのさらなるDNAザイムおよびプライマー合成の同一プロセスの概要が示されるが、さらなるプライマー自体が、REの完全認識配列に先行する。結果として、新規DNAザイムコピーを作製するためのニッキングおよび伸長のサイクルに加えて、これはまた、新規DNAザイムからは離れたオリゴヌクレオチドである新規プライマーを作製するために起こり得、2つのサイクルは同時に起こる。ニッキングは、ニッキング酵素を使用することまたは非ニッキング制限酵素によるループ鎖の切断を防止するためにホスホロチオエート連結を組み込むことによって促進され得る。
イオン性化合物の検出
別の戦略では、サンプル(例えば、環境サンプルまたは生体サンプル)において、イオン性化合物がないことを決定する、イオン性化合物の存在を検出する、および/またはイオン性化合物を定量するための方法が提供される。イオン性化合物は、一価または二価イオンであり得る。イオン性化合物は、触媒核酸酵素の活性に必要な金属イオン補因子であり得る。
方法は、本明細書に記載される分子複合体(分子スイッチ)およびスイッチを活性化することができる少なくとも1種のさらなる成分を提供し、それによって、検出可能なシグナルを提供することを含む。さらなる成分の機能活性は、試験されるべきサンプル中のイオン性化合物の存在に依存し得る。例えば、方法は、イオン性化合物を含有する疑いのあるサンプルを、ブロッカーオリゴヌクレオチドによってハイブリダイズされ、機能的に不活性化された第1の触媒核酸酵素およびイニシエーター触媒核酸酵素(例えば、DNAザイム、リボザイム、集合したMNAザイムまたはMNAザイムに集合することができる成分)を含む分子スイッチと接触させることを含み得る。
イオン性化合物の存在下で、イニシエーター触媒核酸酵素は、BLおよび複合体の第1の触媒核酸酵素を直接的に解離することができ、それによって、第1の触媒核酸酵素を機能的に活性な、検出可能なシグナルを(直接的または間接的に)提供することができるようにし得る(例えば、図1、3、4、6、7、8、9、10、11、13、14、16、17または18のいずれか1つに例示されるように)。
あるいは、イオン性化合物の存在下で、イニシエーター触媒核酸酵素は、サンプルと接触される別のさらなる成分を触媒的に改変し、それによって、分子複合体と相互作用し、第1の触媒核酸酵素およびBLを(直接的または間接的に)解離することができる成分(例えば、RL、NRF、プライマー、ポリメラーゼ鋳型)を提供することができ得る。解離は、第1の触媒核酸酵素を機能的に活性に、検出可能なシグナルを(直接的または間接的に)提供することができるようにし得る(例えば、図1、3、4、6、7、8、9、10、11、13、14、16、17または18のいずれか1つに例示されるように)。
いずれかの場合には、イニシエーター触媒核酸の触媒機能は、イニシエーター酵素の触媒機能の補因子として必要であるイオン性化合物の存在に依存する。イオン性化合物の不在下で、イニシエーター触媒核酸酵素は、機能できず、従って、第1の触媒核酸酵素の、またはBLからのRLもしくはNRFの解離に影響を及ぼすことはできない。
イオン性化合物は、さらに、複合体の第1の触媒核酸酵素の触媒活性に必要な補因子であり得る。
結果的に、方法は、サンプル(例えば、環境または生体サンプル)中の金属イオンの存在を検出する、または不在を決定するために、触媒活性のために特異的金属イオン補因子を必要とする触媒核酸(例えば、DNAザイム、リボザイム、アプタザイムおよび/またはMNAザイム)を利用し得る。例えば、本方法は、水などの環境サンプル中のPb2+のDNAザイム媒介性検出を促進し得る。
複数の標的を分析するために複数の酵素を使用する方法
当業者であれば、本明細書において提供される方法は、反応あたり単一標的を検出するために、または単一反応あたり複数の標的を検出するために使用され得ることは認識するであろう。複数の標的を検出する場合には、アッセイおよび検出されるべきものに応じて1種または複数のMNAザイムが使用され得る。例えば、単一MNAザイムは、例えば、重大な配列(MNAザイムによって認識される)を共有するおよび例えば、長さのみまたは重大な配列の外側の配列のみが変動する配列の群といった、複数の関連構造を検出する場合には十分であり得る。重大な配列を有する任意の配列が検出され得る。わずかに単一ヌクレオチドが異なっている関連配列を検出する場合には、または大いに異なっている標的が検出されるべきであり、各々の有無を知ることが望ましい場合には、複数のMNAザイムが有用であると考慮される。同様に、一部の態様では、単一MNAザイム基質は、十分であるが、その他のものでは、いくつかの標的の各々の検出を可能にするために、特有のBLにとって特有のMNAザイム基質が必要である。一部の態様では、方法は、一反応において種々の異なる種類の標的(例えば、核酸標的およびタンパク質)の検出を可能にし得る。
図26を具体的に参照すると、2つの独立した自己触媒性疑似環(図21パネルi))が、同一反応チャンバー中に共に入れられる複数の標的検出スキームが実証されている。2つの疑似環(環Aおよび環B)は、独立に機能し得、2つの独立した標的配列の検出後にシグナルを増幅するために利用される。環Aは、DNAザイム(Dz2、太い黒色線)およびDz2とハイブリダイズし、Dz2の一時的不活性化をもたらす、その5’および3’末端の配列からなるBLA(細い黒色線)から構成される。BLAはまた、基質1(太い灰色線)および基質2(基質2a;太い黒色線)の隣接する配列からなる中間領域も含有する。基質1は、その標的アセンブリーファシリテーター(AF1、太い灰色破線)の存在下でMz1(太い灰色線)によって切断され得る。基質2は、ひとたび、Dz2が、基質1のMz1切断によってBLAから放出されると、Dz2によって切断することができる。
環Bは、DNAザイム(Dz4、太い黒色破線)およびDz4とハイブリダイズし、Dz4の一時的不活性化をもたらす、その5’および3’末端の配列からなるBLB(細い黒色線)から構成される。BLBはまた、基質3(細い灰色線)および基質4(基質4a;太い黒色破線)の隣接する配列からなる中間領域も含有する。基質3は、その標的アセンブリーファシリテーター(AF3、細い灰色破線)の存在下でMz3(細い灰色線)によって切断され得る。基質4は、ひとたび、Dz4が、基質3のMz3切断によってBLBから放出されると、Dz4によって切断され得る。各カスケード反応を独立にモニタリングするために、基質2および基質4も、それぞれ、Dz2およびDz4による切断を個別にモニタリングするために、異なるフルオロフォア(基質2については白丸および基質4については塗りつぶしの灰色丸)およびクエンチャー(塗りつぶし黒色丸)を用いて改変されている線形配列として提供される。
不溶性および固相支持体を使用する方法
マルチプレックス化されていようと、なかろうと、一般に、方法は、溶液中で適用可能であり、または不溶性支持体または固相支持体と組み合わせる場合には、その上に、BL分子、RL分子、プライマー、NRF、DNAザイム、MNAザイム成分(基質、パートザイムまたはアセンブリーファシリテーター/標的)、RE、ポリメラーゼ鋳型、エキソヌクレアーゼおよび/または鎖置換型ポリメラーゼを含めた群のうち1種または複数が結合され、接着されるか、または繋ぎ止められ得るということも理解されなければならない。このような系の特徴は、方法および本明細書において論じられる変法に知識のある当業者には一般的に理解される。従って、本発明は、本明細書において文献の教示に限定して考慮されてはならず、本明細書において提供される教示また当技術分野の知識の原理および範囲と一致して改変および変更することができる。
例えば、BLがハイブリダイズされるよう設計されている、MNAザイム基質、DNAザイムまたは任意のその他の触媒核酸を含有するBLのいずれかが、支持体に繋ぎ止められる、MNAザイムを使用して標的を検出する方法が、本明細書において考慮される。一部の態様では、BLは、支持体と結合される。支持体は、基質を保持し、それが反応混合物のバルク中で自由に動くことを排除する、不溶性材料またはマトリックスであり得る。核酸標的を含めた基質を固定または配置するためのこのような支持体は、当技術分野で公知である。当業者であれば、支持体は、多種多様なマトリックス、ポリマーなどから、マイクロアレイにおいて使用するのに好都合なビーズを含めた種々の形態で、ならびに反応条件に適合するその他の材料から選択され得るということは理解するであろう。ある特定の態様では、支持体は、プラスチックビーズまたはウェーハーなどのプラスチック物質または特定のアッセイが実施されるウェルもしくは試験管のものであり得る。ある特定の態様では、支持体は、マイクロキャリアまたはナノキャリアであり得る。ある特定の態様では、支持体は、コード化され得る。
BLの支持体との接着は、BLのDNAザイムまたはその他の触媒核酸とのハイブリダイゼーションの際に、分子スイッチ複合体を形成し、過剰のDNAザイムまたはその他の触媒核酸が固相支持体から洗浄除去され、例えば、分子スイッチを構成する2種の分子間の1:1比が残るよう設計され得る。フルオロフォア(F)およびクエンチャー(Q)を用いて標識されたBLの、第2のDNAザイムまたはMNAザイムによる切断の結果、フルオロフォアは反応混合物のバルク中に放出され、支持体と接着しているクエンチャーは残り得る。従って、クエンチャー部分および検出可能な部分が切断の際に分かれるので、検出可能なシグナルは大いに増大し得る。代替態様では、フルオロフォアを含有する検出可能な部分は、切断後に接着されたままであり得る。これによって、支持体上でのシグナルの局在化が可能となり得る。特定の場合には、フルオロフォアが溶液中で遊離型であり得ることが考慮される。さらに、DNAザイムまたはその他の触媒核酸も、固相支持体と接着したままであるBLから離れて溶液中に放出され得、BL切断後の何らかの望まれない再ハイブリダイゼーションを防ぐ。
図24パネルi)は、自己触媒性DNAザイム疑似環(図21に概説される)のBLが、シリカマイクロスフェアに繋ぎ止められる固相支持体戦略の一例の概要を示す。ここで、疑似環のBLは、基質1(細い灰色線)および基質2(基質2a;太い黒色線)の隣接する配列によって連結される2つのDNAザイム結合領域(細い黒色線)から構成される。さらなるスペーサー領域が、DNAザイム結合領域の3’に存在し、ビオチン部分(塗りつぶし黒色六角形)を用いて極めて3’末端で改変されている。BLは、DNAザイム(Dz2;太い黒色線)とハイブリダイズし得、両方とも、ストレプトアビジンコートされている(大きな灰色丸として描かれた)シリカマイクロスフェア(ビーズ)とともにインキュベートされる。従って、BLおよびマイクロスフェアは、ビオチン−ストレプトアビジン結合によって互いに接着し、Dz2は、ワトソン−クリック塩基対形成によってBLとハイブリダイズする。繋ぎ止められた疑似環を含有するマイクロスフェアが、その標的アセンブリーファシリテーター(AF1;太い灰色破線)の存在下で集合するMNAザイム(Mz1;太い塗りつぶした灰色線)と接触する位置にある場合には、Mz1は、BL中の基質1を切断し得、これが、Dz2がBLから放出され、その他の接着されたBL分子内の基質2を切断し得る自己触媒性カスケードを開始する。Dz2はまた、この実施例では、マイクロスフェアと接着していないが、フルオロフォア(白丸)およびクエンチャー(塗りつぶした黒色丸)を用いて標識され得る、別個の独立した基質2(太い黒色線)を切断し得、その結果、基質2の切断結果が、検出可能な蛍光シグナルである。
あるいは、MNAザイムによる基質1および/またはDz2による基質2のいずれかの切断が、溶液中で遊離型であるシグナルをもたらし得る(接着部位に対して、クエンチャーがフルオロフォアよりも近い場合);または、ビーズと関連しているシグナルをもたらし得る(接着部位に対して、フルオロフォアがクエンチャーよりも近い場合)ように、ビーズと接着しているBLが直接標識され得る。
方法の最適化
当業者であれば、本明細書に記載された方法は、標的の検出、同定および/または定量を増強するために、種々の実験パラメータを使用して最適化され得るということは容易に理解するであろう。最適化される特定の実験パラメータおよびこのような最適化のレベルは、使用されている特定の方法および検出、同定および/または定量されようとする特定の標的に応じて変わる。このようなパラメータとして、それだけには限らないが、時間、温度、pH、塩およびバッファーの濃度および同一性、オリゴヌクレオチドの濃度、タンパク質酵素(RE、エキソヌクレアーゼ、鎖置換型ポリメラーゼ)、補因子、界面活性剤、陽イオンならびにそれだけには限らないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、EDTA、ATP、グリセロールを含めたその他の試薬の濃度、相補性の長さ、MNAザイム、分子スイッチ複合体、BL/RL複合体、BL/NRF複合体、Dz鋳型/BL複合体およびBL/プライマー複合体の核酸成分のGC含量および融点(Tm)が挙げられる。
いくつかの態様、例えば、特定の核酸配列の検出を含む方法では、方法が実施される温度を含めた実験パラメータは、MNAザイム成分の配列変動を含むか、含まない標的核酸と結合間を区別するために最適化され得る。このような方法が実施され得る温度は、約20℃〜約96℃、約20℃〜約75℃、20℃〜約60℃または約20〜約55℃の範囲であり得る。
ある特定の態様では、本明細書に記載された方法を実施するための最適化された反応が提供される。このような最適化された反応では、検出されるシグナルは、最適化されていない反応を上回って最大10%、20%または30%増大される。より好ましい反応条件は、検出されるシグナルを、少なくとも35%または40%、好ましくは、最大50%またはそれ以上改善し得る。他の態様では、最適化された反応は、50%超、最大66%、75%またはさらには100%の触媒活性の増大を提供し得る。さらに他の態様では、完全に最適化された反応法は、シグナル検出の100%、200%またはさらには300%またはそれ以上の増大を提供し得る。その他の好ましい反応条件は、最適化されていない反応条件を用いて実施した方法を上回って、触媒活性を最大1000%またはそれ以上改善し得る。本明細書において提供される方法を最適化するための高度に好ましい反応条件は、特定の二価カチオンを含めることである。ほとんどの核酸酵素およびタンパク質核酸改変酵素の触媒活性は、二価カチオンの濃度によって濃度依存的に影響を受け得る。好ましい最適化された反応は、Ba2+、Sr2+、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Co2+、Mn2+、Zn2+およびPb2+のうち1種または複数について最適化される。
アプタマー
当業者であれば、本明細書に記載された方法が、アプタマーを用いて実施され得、ここで、該アプタマーは、核酸以外の標的を含めた標的の検出、同定および/または定量を促進し得ることは容易に理解するであろう。
非核酸実体を含めた標的を検出するためにMNAザイムを使用するという方法が考慮される。このような方法は、1種または複数のリガンドを認識する能力を有する、核酸またはタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドまたはそれらの組合せを含み得るアプタマーを使用し得る。アプタマーは、標的リガンド、例えば、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチドまたは核酸、糖タンパク質、脂質、リポタンパク質、細胞、ウイルス、細菌、古細菌、真菌、抗体、代謝物、病原体、毒素、汚染物質、毒物、全生物、小分子、ポリマー、金属イオン、金属塩、プリオンまたは任意の誘導体、一部またはその組み合わせまたは任意のその他の実体と結合し得る。
本明細書において、好ましいアプタマーは、吸着、回収および再増幅の反復プロセスによって、合成核酸またはペプチドの複合体ライブラリーから単離され得る短い一本鎖DNAまたはRNAオリゴマーまたはペプチドを含み得る。従って、アプタマーは、アミノ酸または抗生物質などの小分子からタンパク質および核酸構造の範囲のありとあらゆる標的/リガンドに対して作製され得る。一部の態様では、アプタマーは、例えば、好ましくは、進化および選択技術によって作製される核酸結合分子を含む。アプタマーは、DNAまたはRNA分子またはそれだけには限らないが、例えば、上記の表1のようにヌクレオチド類似体を含めた両方の組合せを含み得る。
当業者であれば、アプタマーは、DNAザイム、リボザイムまたはMNAザイム成分のいずれか中に組み込まれ得ることを理解するであろう。アプタマーと結合されるDNAザイムおよびリボザイムは、アプタザイムとして当技術分野で公知である。このようなアプタザイムは、そのアプタマー成分に対して親和性を有するリガンドの存在によって、スイッチオンまたはスイッチオフされるその触媒活性を有し得る。さらに、当然のことではあるが、パートザイムオリゴヌクレオチド成分の1種または複数の中に複数のアプタマーが組み込まれてもよい。図28パネルi)を具体的に参照すると、DNAザイムドメイン(Dz1ドメイン、太い灰色破線)およびアプタマードメイン(太い黒色破線)から構成されるアプタザイムが表されている。この実施例では、アプタマードメインの存在は、アプタザイムのDNAザイムドメインの一時的な不活性化をもたらす。分析物(リガンド、大きな灰色丸)の存在下では、アプタマードメインは、リガンドと結合し、アプタザイム構造の立体構造変化をもたらし、これが、順に、DNAザイムドメインが活性立体構造を採ること、従って、DNAザイムドメインの触媒活性を活性化することを可能にする。次いで、活性アプタザイムは、例えば、BLが、第2のDNAザイム(Dz2、太い黒色線)とハイブリダイズされる疑似環構造からなる第2の分子スイッチのBL(細い黒色線)内に存在する基質(基質1、細い灰色破線)を切断するよう機能し得る。アプタザイムによる基質1の切断は、Dz2のBLからの分離、Dz2の触媒活性の回復をもたらす。次いで、活性Dz2は、その基質(基質2、同様に、太い黒色線)を切断し得、これは、フルオロフォア(fluorphore)(小さい白丸)およびクエンチャー(小さい塗りつぶされた黒色丸)を用いて標識されると、フルオロフォアがここで、星型として描かれるように蛍光シグナルの増大をもたらす。
さらなる例示的態様では、アプタマー配列は、活性MNAザイムが標的分析物の存在下でのみ形成される立体構造のパートザイムの末端に組み込まれ得る(アプタ−パートザイム)。この場合には、MNAザイム検出戦略のためのパートザイムとして、標準パートザイム;その末端の一方にアプタマーが組み込まれたパートザイムであるアプタ−パートザイム;活性MNAザイムの集合を可能にする(標的の存在下で)、アプタ−パートザイムおよびパートザイムの両方と結合するアセンブリーファシリテーター;基質;および少なくともアプタマー配列の一部およびパートザイム配列の一部に及ぶ領域中のアプタ−パートザイムとハイブリダイズするアセンブリー阻害剤が挙げられる。標的の不在下では、アセンブリー阻害剤は、アプタ−パートザイムと結合し、従って、リポータープローブ基質の結合(および切断)をブロックする。標的の存在下では、標的は、アプタ−パートザイムのアプタマー配列と結合し、アセンブリー阻害剤の結合を防止し、MNAザイム基質の結合および切断を可能にする。従って、活性MNAザイムは、標的の存在下でのみ、MNAザイム基質を形成し、改変し得る。
標的がMNAザイムの集合に必要ではないその他の例示的態様では、アプタマーは、アセンブリーファシリテーター中に組み込まれ得る。アプタマー配列が、活性MNAザイムが、標的の存在下でのみ形成される立体配置で、パートザイム(アプタ−パートザイム)の末端に組み込まれる関連戦略もまた予測される。このような検出戦略のためのオリゴヌクレオチド成分として、標準パートザイム;その末端の一方にアプタマーが組み込まれたパートザイムであるアプタ−パートザイム;活性MNAザイムの集合を可能にする(標的の存在下で)、アプタ−パートザイムおよびパートザイムの両方と結合するアセンブリーファシリテーター;MNAザイム基質;および少なくともアプタマー配列の一部およびパートザイム配列の一部に及ぶ領域中のアプタ−パートザイムとハイブリダイズするアセンブリー阻害剤が挙げられる。標的リガンドの不在下で、アセンブリー阻害剤は、アプタ−パートザイムと結合し、従って、MNAザイム基質の結合(および切断)をブロックする。リガンドの存在下では、リガンドは、アプタ−パートザイムのアプタマー配列と結合し、アセンブリー阻害剤の結合を防止し、MNAザイム基質の結合および切断を可能にする。従って、活性MNAザイムは、標的リガンドの存在下でのみ、形成し、蛍光シグナル発生を引き起こし得る。
さらに、アセンブリー阻害剤は、別個の分子であり得るか、またはMNAザイム複合体に参加する成分のうち1種に組み込まれ得ることは当業者によって理解されよう。
上記の戦略では、阻害剤配列は、別個の分子であり得るか、またはMNAザイム複合体に参加する成分のうち1種に組み込まれ得ることは当業者によって理解されよう。さらに、1種または複数のアプタマーは、パートザイム、アセンブリーファシリテーターまたは基質を含めたいずれかのオリゴヌクレオチド成分中に組み込まれ得る。さらに、アプタマーは、これらのオリゴヌクレオチドのうちいずれか1種のいずれかの末端に組み込まれ得る。
当業者であれば、アプタマーは、DNAザイム、リボザイムまたはいずれかのMNAザイム成分に対して塩基対相補性を共有し得、これが、それらの触媒活性の一時的な不活性化をもたらし得ることは理解されよう。標的分析物が存在する場合には、それはアプタマーと結合して、それを、DNAザイム、リボザイムまたはMNAザイム成分から分離し得、これは、DNAザイム、リボザイムまたはMNAザイム成分の触媒活性の回復をもたらし得、次いで、BL分子内に存在する基質を改変し得る触媒核酸として働くことによって、本明細書に記載されるカスケード反応を開始するために使用され得る。
さらなる例示的態様では、1種または複数のアプタマー配列またはその一部は、BL分子内に存在し得る。標的リガンドの存在下では、標的リガンドは、アプタマーと結合し得、これは、アプタマーの立体構造を変更し得、BLからの触媒核酸、RL、プライマー、ポリメラーゼ鋳型またはNRFの分離およびそれぞれ、それらの触媒、放出、プライミング、鋳型およびヌクレアーゼ開始活性のその後の回復をもたらし得る。図28を具体的に参照すると、パネルii)は、分子スイッチのBL内のアプタマーを含めることを表す。パネルii)では、DNAザイム(Dz、太い黒色線)は、BLとハイブリダイズされ、その一時的不活性化をもたらす。BLは、Dzと相補的でないが、アプタマー配列(太い黒色破線)から構成される中心部分によって接続される、Dz(太い黒色線)とハイブリダイズする5’および3’末端からなる。標的分析物(またはリガンド、大きな塗りつぶした灰色丸)の存在下では、アプタマーは、リガンドと結合し得、これは、BLの立体構造変化をもたらし得、DzからのBLの分離をもたらし、Dzの触媒活性を回復する。次いで、活性Dzは、その基質(基質、太い黒色線)を切断するよう機能し得、これは、フルオロフォア(小さい白丸)およびクエンチャー(小さい塗りつぶされた黒色丸)を用いて標識され得、フルオロフォアがここで、星型として描かれるように蛍光シグナルの増大をもたらし得る。
キット
本発明は本明細書に開示されている方法を実行するためのキットも提供する。典型的には、本発明の方法を実行するためのキットは、方法を実行するのに必要な全ての試薬を含有する。
キットは本発明に従ったいかなる組成物またはその成分(複数可)も含むことができる。ただの非限定的な例として、キットは触媒核酸酵素(例えば、MNAザイムおよび/もしくはそのパートザイム成分、DNAザイム、アプタザイムならびに/またはリボザイム)、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、RL、BL、NRF、プライマー、ポリメラーゼ鋳型および基質(例えば、触媒核酸酵素、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼの基質)を含むことがある。基質は1つまたは複数のプライマーを含むことがある。
キットは本明細書に定義される断片化キットでも組合せキッドでもよい。断片化キッドは別個の容器に収納される試薬を含み、小ガラス容器、プラスチック容器またはプラスチックもしくは紙のストリップを含むことがある。そのような容器は、試料と試薬の相互汚染を回避しつつ1つの区画から別の区画に試薬を効率よく移動させ、それぞれの容器の作用薬または溶液を定量的様式で1つの区画から別の区画に添加させることができる。そのようなキットは試験試料を受け入れる容器、アッセイにおいて使用される試薬を含有する容器、洗浄試薬を含有する容器、および検出試薬を含有する容器も含むことがある。典型的には、本発明のキットは、キット成分を使用して適切な方法を行うための使用説明書も含むことになる。本発明のキットおよび方法は、例えば、リアルタイムPCR装置を含むがこれに限定されない自動分析機器およびシステムと併せて使用することができる。
例えば、キットは第1の容器と第2の容器を含むことがある。第1の容器は、BLとのハイブリダイゼーションのため機能的に不活性な形態で存在する触媒核酸(例えば、DNAザイム)を含む分子スイッチを含むことがある。第2の容器は、標的依存的または標的非依存的な様式で酵素からBLを解離することができる1つまたは複数のオリゴヌクレオチドまたはタンパク質成分を含むことがある。キットは本明細書に定義される断片化キットでも組合せキッドでもよい。
キットは、例えば、本発明の方法を実施するのに必要な洗浄試薬、および/または他の試薬を含有する1つまたは複数の他の容器も含むことがある。
異なる標的の検出、同定または定量の適用では、本発明の単一のキットが適用可能である、またはあるいは、例えば、それぞれの標的に特異的な試薬を含有する異なるキットが必要とされることもある。本発明の方法およびキットは、いかなる実体も検出する、同定するまたは定量するのが望ましいいかなる状況においても適用される。
本発明は以下の特定の実施例を参照することにより、この時点ではるかに詳細にさらに説明されることになり、この実施例は決して本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
以下の実施例は、相補的ブロッキングオリゴヌクレオチド(BL)とのハイブリダイゼーションによるDNAザイムの不活性化を実証する。BLは、第2の独立した触媒核酸(この場合には、別のDNAザイム)の基質として作用する非相補的領域によって接続されている、DNAザイムに対して配列相補性の2種の領域を含有する。BLの5’および3’末端は、(i)DNAザイム(Dz2)の、それぞれ3’および5’末端とハイブリダイズして、切断可能な基質配列がループして出ている線形二重鎖構造を形成するよう設計するか(図1パネルi)に図表で表される)、または(ii)それらは、それぞれ、5’および3’末端とハイブリダイズして、疑似環構造(図1パネルii)およびiii)に図表で表される)を形成するよう設計した。この実施例では、疑似環構造は、実証され、図1パネルii)に表される、基質領域(基質1a)の切断は、MNAザイムではなくDNAザイム(Dz1)によって実施される。基質領域の切断は、これまでは不活性のDNAザイム(Dz2)の放出およびその後の再活性化をもたらすはずである。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、BL(配列番号1;C(4)Sub45(24:24)(2)−FB)は、(i)Dz2(配列番号2;DzK(10:9))の一部と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1の配列(配列番号3;Sub45)と同等であるが、5’末端「A」ヌクレオチドおよび3’末端「GAA」ヌクレオチドを欠く基質1aからなる5’および3’末端を接続する中心部分とから構成される。BLは、5’末端から15番目のヌクレオチド(「T」)で、6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、5’末端から34番目のヌクレオチド(「T」)でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)部分を用いて内部標識した。従って、フルオロフォアおよびクエンチャー部分を、基質1a領域およびDNAザイム相補性領域の接合部に配置した。BLを使用して、BLをDz2とプレハイブリダイズすることによって、Dz2の活性をブロックする。
DNAザイム(Dz1−配列番号4;Dz45(9:10))は、BLの基質1a部分を切断するために利用される。この切断事象は、Dz2の放出を促進し、基質2(配列番号5;Sub2)に対して作用することを可能にする。この実施例では、基質2を、5’末端でテキサスレッド部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー2(「BHQ2」)部分を用いて末端標識した。
Dz1によるBLの切断の有効性を測定するために、BLの切断からのシグナルを、Dz1による独立した基質基質1の切断の陽性対照1シグナルと比較した。基質1は、Dz1と相補的である任意のさらなる5’および3’配列を含有せず、5’末端で6−FAM部分を用い、3’末端でIowa Black(IB)クエンチャー部分を用いて末端標識した。
これらの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dz2の一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz2中の塩基を表す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図1パネルii)に例示される構造に関連して、表4Bに列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。反応EおよびFについて、BLおよびDz2を共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで45℃で2連で実施し、チャネル1(FAM)およびチャネル3(TxR)の両方で蛍光シグナルを同時に測定して、それぞれ、FAMおよびテキサスレッドをモニタリングし、合計40分間、5秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:全てのチャネル)。
−結果
図2パネルi)は、1種のDNAザイム分子を含有する疑似環から得た結果を示す。ここで、BL分子の一部として存在する基質1aは、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーでそれ自体標識される。Dz2によって切断され得る基質2は、TxRフルオロフォアおよびクエンチャーで標識され、従って、Dz2の放出および活性化は、TxRの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。結果として、両切断事象は、両フルオロフォア発光波長からの蛍光シグナルを測定することによって別個にモニタリングされ得る。パネルi)の上のグラフは、FAMフルオロフォアからの、下のグラフは、TxRフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。疑似環が、それ自体で存在する反応E(三角記号を有する線として示される「ブロッカーのみ」)については、反応の間、基質1aの切断はなく、結果として、FAMシグナルの増大はなく、さらに、TxRシグナルの大幅な増大はなく、これは、BLと複合体を形成した場合にDz2が不活性であることを示す。これは、それぞれ、基質1および基質2のみを含有する、反応AおよびCに対応するFAMおよびTxRの陰性対照(「陰性対照」、四角記号を含有する線)に対する比較において示される。しかし、Dz1が存在し、基質1aを切断し得る反応F(「DNAザイム1存在」;丸記号を含有する線)については、FAMシグナルの即時増大があり、これは、基質1aが切断されたことを示す。これはまた、TxRシグナルの段階的増大をもたらし、これは、Dz2がBLから放出され、基質2を切断していることを示す。これは、反応Fにおいて存在するものとそれぞれ同一濃度の、FAMについては基質1およびDz1、ならびにTxRについては基質2およびDz2を各々含有する、それぞれ反応BおよびD(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)に対応するFAMおよびTxRの陽性対照との比較において示される。
以下の実施例は、以下を実証する:
(i)2種の相補的ブロッキングオリゴヌクレオチド(BL)、BL(A)およびBL(B)とのハイブリダイゼーションによる、2種の独立したDNAザイム、Dz(A)およびDz(B)の不活性化。
(ii)Dz(A)およびDz(B)の放出をもたらす、BL(A)およびBL(B)の基質部分を切断することができる第3のDNAザイム、Dz(C)の存在下でのDz(A)およびDz(B)のその後の活性化。実施例は、この実施例のDz(C)が、第1の触媒核酸(図のようにMz1)と同等である、図1パネルiii)に例示される系を実証する。
−オリゴヌクレオチド
BL(A)(配列番号6;C4Sub45(22:23))は、(i)Dz(A)(配列番号7;DzK(8:7))の5’末端と相補的である5’末端と、(ii)基質1(配列番号3、Sub45)の配列と同等であるが、5’末端「A」ヌクレオチドおよび3’末端「GAA」ヌクレオチドを欠く基質1aからなる中心部分と、(iii)Dz(B)(配列番号8;Dz6(8:7))の3’末端と相補的である3’末端とからなる。
BL(B)(配列番号9;C4Sub45T(21:24))は、(i)Dz(B)の5’末端と相補的である5’末端と、(ii)基質1の配列と同等であるが、5’末端「AC」ヌクレオチドおよび3’末端「GAA」ヌクレオチドを欠く基質1bからなる中心部分と、(iii)Dz(A)の3’末端と相補的である3’末端とからなる。
この実施例では、2種の不活性DNAザイムを含有する疑似環構造が、2種のBL分子形態によって結びつくよう(図1パネルiii)に概説されるように)、BL(A)およびBL(B)の5’および3’末端が、Dz(A)およびDz(B)の5’および3’末端とハイブリダイズするよう設計される。
第3のDNAザイム、Dz(C)(配列番号10;Dz45(8:9))は、BL(A)の基質1a部分およびBL(B)の基質1b部分を切断することができ、疑似環構造からのDz(A)およびDz(B)の放出をもたらす。
Dz(A)は、この実施例では、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分および3’末端でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)を用いて標識される基質A(配列番号5、Sub2)を切断する。
Dz(B)は、この実施例では、その5’末端でTxR部分およびその3’末端でBlack Holeクエンチャー2(「BHQ2」)部分を用いて標識される基質B(配列番号11、Sub6)を切断する。
上記のオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’に列挙される。
大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、DNAザイムの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に相当する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDNAザイム中の塩基を表す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図1パネルiii)に例示される構造に関連して、表5に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。反応EおよびFについて、BL分子;BL(A)、BL(B)およびDNAザイムDz(A)およびDz(B)を共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch Technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで45℃で2連で実施した。蛍光シグナルは、チャネル1(FAM)およびチャネル3(TxR)の両方で同時に測定して、それぞれ、FAMおよびテキサスレッドをモニタリングし、合計40分間、5秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:全てのチャネル)。
−結果
図2パネルii)は、存在する2種のDNAザイムを含有する疑似環から得た結果を示す。この場合には、両BL分子の一部として存在する基質配列(BLAの基質1aおよびBLBの基質1b)は標識されなかった。その放出および活性化後にDz(A)によって切断され得る基質配列(基質A)は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャー色素を用いて標識され、その放出および活性化後にDz(B)によって切断され得る基質(基質B)は、TxRフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。結果として、両切断事象は、両フルオロフォア発光波長からの蛍光シグナルを可視化することによって別個にモニタリングされ得る。上のグラフは、FAMフルオロフォアからの、下のグラフは、TxRフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。疑似環がそれ自体で存在する反応E(三角記号を有する線として示される「ブロッカーのみ」)については、基質1aまたは基質1bの切断はなく、結果として、FAMまたはTxRシグナルの増大はほとんどないし全くなく、これは、無傷のBL分子と複合体を形成した場合に、Dz(A)およびDz(B)が不活性であることを示す。これは、同じ蛍光標識基質Aおよび基質B配列のみを含有する、それぞれ、反応AおよびC(「陰性対照」、四角記号を含有する線)に対応するFAMおよびTxR両方の陰性対照との比較において示される。DNAザイムCが存在する反応F(丸記号を含有する線)については、FAMおよびTxRフルオロフォア両方からのシグナルの段階的な増大があり、これは、疑似環からDz(A)およびDz(B)両方が放出され、ここで、そのそれぞれの基質を切断していることを示す。これは、反応Fにおいてとそれぞれ同一濃度の、FAMについては基質AおよびDz(A)、ならびにTxRについては基質BおよびDz(B)を各々含有する、それぞれ、反応BおよびD(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)に対応するFAMおよびTxRの陽性対照との比較において示される。
以下の実施例は、(図4パネルiii)に概説される、DNAザイムのヘアピン構造(ヘアピン型Dz)への組込みによるDNAザイムの不活性化を実証する。DNAザイムは、ヘアピンのBL部分と十分に相補的である(ここで、BLは、完全DNAザイム配列に対して部分的にのみ相補的である)リリーサーオリゴヌクレオチド(RL)の存在下で活性にされ得る。RLは、完全DNAザイム配列を欠き、従って、自身が触媒DNAザイムとして機能しない。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、基質(配列番号3;Sub45)を切断することができるヘアピン型DNAザイム(配列番号12;hp(R6)Dz45BUB0(4))を使用した。この実施例では、Sub45は、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分および3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて標識された。RL(配列番号13;RL−Dz45BUB0(4))を使用して、ヘアピン型DNAザイムを活性化した。ヘアピン型DNAザイムの触媒活性を、対応する非ヘアピン型DNAザイム、(配列番号4;Dz45(9:10))のものと比較した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’に列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、RLと相補的であるヘアピン中のBL領域を表す。イタリック体の塩基は、ヘアピン構造内のDNAザイム配列を意味する。四角で囲まれた塩基は、ヘアピンのBL部分と非相補的であり、従って、ヘアピンのステムから出てループしているDNAザイムの触媒コアの一部を表す。
−反応成分
反応A、B、CおよびDは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図4パネルiii)に例示される構造に関連して、表6に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで45℃で2連で実施した。蛍光シグナルは、チャネル1(FAM)で測定し、合計40分間、10秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図5、パネルi)は、単一DNAザイム分子を含有するヘアピン型DNAザイムから得た結果を示す。RLによるその活性化後にDNAザイムによって切断され得る基質配列は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。反応Cについては、ヘアピン型Dzがそれ自体で存在する場合には(三角記号を有する線として示される「ヘアピンのみ」)、基質の切断はなく、結果として、FAMシグナルの増大はなく、これは、DNAザイム部分がヘアピン構造内で不活性で維持されることを示す。これは、同一蛍光標識された基質配列のみを含有する反応A(「陰性対照」、四角記号を含有する線)に対応する陰性対照に対する比較において示される。反応Dについては、ヘアピンを開環するためのRLが存在する場合には(「リリーサー存在;丸記号を含有する線)、FAMシグナルの即時増大があり、これは、DNAザイム部分が遊離し、基質が切断されたことを示す。これは、反応Dにおいて存在するものと同一濃度の基質および非ヘアピン型対照DNAザイムを含有する反応B(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)に対応する陽性対照との比較において示される。
以下の実施例は、2種のヘアピンDNA構造:ヘアピン型Dz1およびヘアピン型Dz2(図4パネルivに概説される)内にそれらを置くことによる2種の独立したDNAザイムの不活性化を実証する。各ヘアピンは、さらなる配列を含有し、ヘアピン型Dz1については、さらなる配列は、そのBLAステムの5’末端にあり、ヘアピン型Dz2については、さらなる配列は、そのBLBステムの3’末端にある。これらのさらなる配列は、2種のヘアピンDNAザイムが共に連結されるよう互いに相補的である。これは、DNAザイムを近接近させ、その結果、単一RL分子が、BLAおよびBLBの両方に存在するその相補配列と結合し、ヘアピンの両方を同時に開環し、各DNAザイムを放出でき、その結果、それらは、次いで、その基質を切断できる。RLは、触媒的に活性であるために十分なDNAザイム配列を含有しないので、それ自体はDNAザイムとして作用できない。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、ヘアピン型Dz1(配列番号14;dhp6Dz2(5)M4)は、基質1(Sub2、配列番号5)を切断することができるDNAザイム配列を含有し、ヘアピン型Dz2(配列番号15;dhp5Dz6(3))は、基質2(Sub6、配列番号11)を切断することができるDNAザイム配列を含有する。基質1は、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分および3’末端でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)を用いて標識され(Sub2−FB)、基質2は、その5’末端でテキサスレッド部分およびその3’末端でBlack Holeクエンチャー2(「BHQ2」)部分を用いて標識された(Sub6−TRB2)。RL(配列番号16;RL−dhp6)を使用して、ヘアピン構造からDNAザイムを放出した。各ヘアピン型DNAザイムの活性を、対応する非ヘアピン型対照DNAザイム、対照DNAザイム1(Dz2、配列番号17)および対照DNAザイム2(Dz6、配列番号18)と比較した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’に列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、RLと相補的であるヘアピン中の領域を表す。イタリック体の塩基は、ヘアピン構造内の完全DNAザイム配列を意味するが、四角で囲まれた塩基は、ヘアピンステム中のロックされているDNAザイムの部分(BL部分と相補的である)を表す。ヘアピン型Dz1およびヘアピン型Dz2中の灰色の強調された配列は相補的である。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図4パネルiv)に例示される構造に関連して、表7に列挙される以下のオリゴヌクレオチド断片を含有するよう設定した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで40℃で2連で実施した。蛍光シグナルを、チャネル1(FAM)およびチャネル3(TxR)で測定し、合計40分間、5秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:全てのチャネル)。
−結果
図5パネルii)には、二重ヘアピン型DNAザイム分子の結果が示されている。その開環および活性化後にヘアピン型Dz1によって切断され得る基質配列(基質1)は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識され、その開環および活性化後にヘアピン型Dz2によって切断され得る基質(基質2)は、TxRフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。結果として、両切断事象は、両フルオロフォア発光波長からの蛍光シグナルを可視化することによって別個にモニタリングされ得る。上のグラフは、FAMフルオロフォアからの、下のグラフは、TxRフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。反応Eについて、両ヘアピン型Dz構造がそれ自体で存在する場合には(三角記号を有する線として示される「ヘアピンのみ」)、各基質の切断はほとんどないし全くなく、結果として、FAMおよびTxRシグナルの増大はほとんどないし全くなく、これは、両DNAザイム部分が、そのそれぞれのヘアピン型構造内で不活性で維持されることを示す。これは、同一蛍光標識された基質配列のみを含有する、それぞれ、反応AおよびC(「陰性対照」、四角記号を含有する線)に対応するFAMおよびTxRの陰性対照との比較において示される。しかし、反応Fについては、単一RLが存在し、両ヘアピンを同時に開環する場合には(「リリーサー存在;円記号を含有する線)、FAMおよびTxRシグナル両方の増大があり、これは、両DNAザイム部分が、ここで遊離しており、そのそれぞれの基質を切断することを示す。これは、反応Fにおいて存在するものと同一濃度の各基質および非ヘアピン型対照DNAザイムを各々含有する、それぞれ、反応BおよびD(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)に対応する、FAMおよびTxRの陽性対照との比較において示される。
本実施例は、RLがExoIIIの活性によって再利用され、DNAザイムの連続的放出およびその後の活性化につながる、シグナル増幅の方法を実証する(図6パネルi)に概説される)。実施例3と同様に、DNAザイムは、BLとハイブリダイズされることによって不活化されるが、本実施例5では、DNAザイムの2つ以上のヌクレオチドがBLにおいて相補性(compliment)を有さず、従って、DNAザイム配列がBLと結合する場合に、それがループして出される実施例3とは対照的に、DNAザイムおよびBL配列の間に単一のミスマッチが存在する。本実施例5では、DNAザイムおよびBL間の単一のミスマッチは、RLが、DNAザイムの触媒活性に必要な全配列を含有しないことを意味する。実施例5では、DNAザイムは、RLによって活性化され得、ひとたびBLがRLと結合すると、BLはExoIIIによって分解され得るが、RL分子は、未変化のままである。次いで、RLは、別のBLと結合することができ、サイクルは反復され、このプロセスの間、毎回DNAザイムが放出される。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、Dz(配列番号20;Dz2(21:10)のその基質(配列番号22;Sub2h−FB)に対する触媒活性をブロックするために、ハイブリダイズするBL(配列番号19;BL(MM1)−Dz2)が使用される。Sub2h−FBは、その5’末端で6FAM部分を用い、その3’末端から位置6のA塩基で内部にBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)部分を用いて標識された。DzおよびBLのハイブリダイゼーション後、DNAザイムおよびBL両方の3’末端が、少なくとも5つのヌクレオチドだけオーバーハングし、このため、各々がExoIII活性に対して抵抗性であることが可能になる。RL(配列番号22;RL(MM1)(+5)−Dz2)は、BLからDNAザイムを放出するために使用される。RLの5’末端は、BLとハイブリダイズされると、BLの3’末端とハイブリダイズして平滑末端を形成し、従って、BLをExoIII分解に対して感受性にするよう設計される。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’に列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、DNAザイムおよびBLの間の相補性の領域を表す。四角で囲まれた塩基は、BLに対して相補的な(complimentary)RL中の領域を表す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図6パネルi)に例示される構造に関連して、表8に列挙される以下のオリゴヌクレオチドおよびExoIII酵素を含有するよう設定した。反応C〜Fについて、DNAザイムおよびBLは、室温で30分間共にプレハイブリダイズし、その後、さらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。Exonuclease III(ExoIII)は、New England Biolabsから購入した。全ての反応物は、1×NEBバッファー2(New England Biolabs)およびヌクレアーゼ不含水(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで45℃で2連で実施した。蛍光シグナルをチャネル1(FAM)で測定し、合計40分間、10秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図6パネルii)は、図6パネルi)に表わされるExoIII戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。その活性化後にDNAザイムによって切断され得る基質配列は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャー色素を用いて標識される。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。反応CおよびDについては、DzおよびBL二重鎖がそれ自体で存在する場合には(三角記号を有する線として示される「BLのみ−ExoIII」および丸記号を有する線として示される「BLのみ+ExoIII」)、Dzの置換はなく、従って、基質の切断およびFAMシグナルの対応する増大はない。これは、同一蛍光標識された基質配列のみを含有する陰性対照、反応A(「陰性対照」、四角記号を含有する線)との比較において示される。BL(200nM)およびDz(100nM)の濃度それぞれに対して低濃度のRL(50nM)が存在する反応EおよびFについては(「RL存在−ExoIII」、2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線および「RL存在+ExoIII」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)、RLを含有し、ExoIIIを含まない反応Eについてはシグナルの小さい増大があるが、RLおよびExoIIIの両方を含有する反応Fについては、シグナルのかなり大きな即時の増大がある。両方の場合において、RLは、DNAザイムを置換するよう機能しているが、ExoIIIが存在しない場合には、少ないRL分子の各々が極めて遅いBLからの解離速度しか有さず、従って、大部分はBLと不活性二重鎖を作製するので、極めて少ない置換しか起こらない。ExoIIIが存在する場合には、BL/RL二重鎖からBLを分解するよう機能し、結果として、各RLは、再利用され、より多くのDz分子を連続的に置換できる。これは、反応Fにおけるものと同一濃度で基質および遊離対照DNAザイムのみを含有する陽性対照(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)を含有する反応Bとの比較において示される。
以下の実施例は、RLがニッキング酵素の活性によって再利用され、DNAザイムの連続的放出およびその後の活性化につながる、シグナル増幅の方法を実証する(図7パネルi)に概説される)。実施例3と同様に、DNAザイムは、BLによって不活化され、RLによって再活性化され得るが、本実施例5では、ひとたび、BLがRLと結合されると、RL/BL二重鎖内にニッキング酵素の完全な二本鎖認識部位が作製される。ニッキング酵素は、この部位を認識し、BLに選択的にニックを入れるのに対し、RL分子は未変化のままである。BLの「ニックの入った」断片は各々、ここで、もはや未変化BLと同様のRLに対する親和性を有さず、結果として、複合体は解離する。これによって、RLが、別のBLと結合することが可能になり、サイクルが反復され、このプロセスの間、毎回DNAザイムが放出される。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、Dz(配列番号17;Dz2)のその基質(配列番号5;Sub2−TRB2)に対する触媒活性をブロックするために、ハイブリダイズするBL(配列番号23;BL−Dz2Nic7−FB)が使用される。Sub2−TRB2は、その5’末端でテキサスレッド部分を用い、その3’末端でBlack Holeクエンチャー2(「BHQ2」)部分を用いて末端標識された。BLは、DNAザイムと相補的ではない、二本鎖ニッキング酵素認識配列の一本鎖を形成する配列を含有する。BLが、DNAザイムとハイブリダイズされる場合には、このさらなるBL配列は、二重鎖から突出する一本鎖ループとして存在する。さらに、BLは、5’末端から7番目のヌクレオチド(「T」ヌクレオチド)で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用いて、また5’末端から30番目のヌクレオチド(「T」ヌクレオチド)でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)部分を用いて内部標識された。BLからDNAザイムを放出し、同時に、RL/BL複合体から、制限酵素Nt.BspQIの完全な二本鎖認識部位を作製するために、RL(配列番号24;RL−Dz2Nic7a)が使用される。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’に列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、DNAザイムおよびBLの間の相補性の領域を表す。四角で囲まれた塩基は、RLと相補的であるBL中の領域を表す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図7パネルi)に例示される構造に関連して、表9に列挙される以下のオリゴヌクレオチドおよびニッキング酵素(Nt.BspQI)を含有するよう設定した。反応C〜Fについては、DNAザイムおよびBLを、室温で30分間共にプレハイブリダイズし、その後、さらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。ニッキング酵素、Nt.BspQIは、New England Biolabsから購入した。全ての反応物は、1×NEBバッファー3(New England Biolabs)およびヌクレアーゼ不含水(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで52℃で2連で実施した。蛍光シグナルをチャネル3(TxR)で測定し、合計40分間、10秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:全てのチャネル)。
−結果
図7パネルii)は、図7パネルi)において表され、上記で記載される、ニッキング酵素戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。ひとたび、DNAザイムがBLから放出され、従って、活性化されると、DNAザイムによって切断され得る基質配列は、TxRフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。グラフ(TxR)は、このTxRフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。DzおよびBL二重鎖がそれ自体で存在する反応CおよびDについては(三角記号を有する線として示される「BLのみ−Nt.BspQI」および丸記号を有する線として示される「BLのみ+BspQI」)、Dzの置換はなく、従って、基質の切断およびTxRシグナルの対応する増大はない。これは、同一蛍光標識された基質配列のみを含有する陰性対照(「陰性対照」、四角記号を含有する線)を含有する反応Aとの比較において示される。BL(200nM)およびDz(100nM)の濃度それぞれに対して低濃度のRL(10nM)が存在する反応EおよびFについては(「RL存在−Nt.BspQI」、2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線および「RL存在+Nt.BspQI」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)、RLを含有し、ニッキング酵素を含まない反応Eについてはシグナルの増大はほとんどないし全くないが、RLおよびNt.BspQIの両方を含有する反応Fについては、経時的にシグナルの段階的増大がある。両方の場合において、RLは、DNAザイムを置換するよう機能しているが、ニッキング酵素が存在しない場合には、少ないRL分子の各々が極めて遅いBLからの解離速度しか有さず、従って、大部分はBLと不活性二重鎖を作製するので、極めて少ない置換しか起こらない。ニッキング酵素が存在する場合には、BL/RL二重鎖からBLを選択的に切断するよう機能し、結果として、各RLは、再利用され、Dz分子を連続的に置換できる。これは、反応Fにおいて存在するものと同一濃度の基質および遊離対照DNAザイムを含有する陽性対照(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)との比較において示される。
以下の実施例は、RLが鎖置換型ポリメラーゼ酵素の活性によって再利用され、DNAザイムの連続的放出およびその後の活性化につながる、シグナル増幅の方法を実証する(図8パネルi)に概説される)。実施例3においてと同様に、DNAザイムは、BLとのハイブリダイゼーションによって最初不活化され、RLによって再活性化され得る。この本実施例7では、BLは、BLの末端でヘアピンを形成する配列を含有し、これは、RLによって開環され得る。ヘアピンステムは、RLの存在下でのみ曝露されるプライマー結合部位を含有する。ひとたび、プライマーがこの部位と結合できると、BL鋳型から任意の上流のプレハイブリダイズされた鎖を置換することができるポリメラーゼ酵素によって伸長される。結果的に、鎖置換型ポリメラーゼ酵素によるプライマー伸長は、BLからのRLの置換をもたらし、BL鋳型と新規に合成された鎖の間に不要な二重鎖が作製される。次いで、RLは、別のBLと結合することができ、サイクルが反復され、このプロセスの間、毎回DNAザイムが放出される。
−オリゴヌクレオチド
BL(配列番号25;hpBLr−Dz2BUB0(4)−P)は、Dz(配列番号26;Dz2(9:8))の、その基質(Sub2、配列番号5)を切断することができる活性をブロックするよう設計した。この実施例では、Sub2−FBは、位置6のTヌクレオチドで6−FAM部分を用い、また3’末端でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)部分を用いて内部標識された。RL(配列番号27;RLr−Dz2BUB0(4)(−2)−P)を使用して、DNAザイムを放出し、プライマーの結合部位(配列番号28;PR(3)−BLDz2(10))を露出した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、DNAザイムおよびBLの間の相補性の領域を表す。四角で囲まれた塩基は、RLと相補的であるBL中の領域を表す。灰色で強調された領域は、プライマー結合部位として作用するBL中の配列を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化、ポリメラーゼ酵素によるオリゴヌクレオチドの伸長を妨げる改変を示す。
反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節におけるオリゴヌクレオチドおよび図8パネルi)に例示される構造に関連して、表10に列挙される以下のオリゴヌクレオチドおよびポリメラーゼ酵素を含有するよう設定した。反応C〜Fについては、DNAザイム、BLおよびプライマーを、室温で30分間プレインキュベートし、その後、反応DおよびFにポリメラーゼを添加し、反応EおよびFにRLを添加した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。鎖置換型ポリメラーゼ酵素、Klenowフラグメント(3’→5’エキソ−)は、New England Biolabsから購入した。全ての反応物は、1×NEBバッファー2(New England Biolabs)、200μM dNTP(Bioline)およびヌクレアーゼ不含水(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで40℃で2連で実施した。蛍光シグナルをチャネル1(FAM)で測定し、合計40分間、10秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図8パネルii)は、図8パネルi)において表される鎖置換型ポリメラーゼ戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。その活性化後にDNAザイムによって切断され得る基質配列は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。DzおよびBL二重鎖がそれ自体で存在する反応CおよびDについては(三角記号を有する線として示される「BLのみ−Klenow」および丸記号を有する線として示される「BLのみ+Klenow」)、Dzの置換はなく、従って、基質の切断およびFAMシグナルの対応する増大はない。これは、同一蛍光標識された基質配列のみを含有する陰性対照(「陰性対照」、四角記号を含有する線)を含有する反応Aとの比較において示される。BL(200nM)およびDz(150nM)の濃度それぞれに対して低濃度のRL(10nM)が存在する反応EおよびF(「RL存在−Klenow」、2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線および「RL存在+Klenow」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)については、RLを含有し、Klenowを含まない反応Eについては、シグナルの増大はないが、RLおよびKlenowの両方を含有する反応Fについては、シグナルの即時増大がある。ポリメラーゼが存在しない場合には(反応E)、少ないRL分子の各々が極めて遅いBLからの解離速度しか有さず、従って、大部分はBLと不活性二重鎖を作製するので、極めて少ない置換しか起こらない。プライマーは、その結合部位と結合できるが、伸長され得ない。しかし、ポリメラーゼが存在する場合には(反応F)、プライマーを伸長し、RLを置換できる。結果的に、各RLは、再利用され、Dz分子を連続的に置換できる。プライマーの伸長はまた、BL鋳型と新規に合成された鎖の間に不要なヘアピン二重鎖も作製する。これは、反応Fにおいて存在するものと同一濃度の基質および遊離対照DNAザイムからなる陽性対照(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)を含有する反応Bとの比較において示される。
以下の実施例は、図9、パネルi)に表わされる、ヘアピンRL/BL構造へのその組込みによるRLの最初の不活性化を実証する。ヘアピン型RL(BLA)のBL部分は、DNAザイム1(Dz1)によって切断され得、RLの活性化をもたらす基質配列(基質1)を含有する。次いで、活性RLは、BL部分(BLB)とハイブリダイズすることによってDNAザイム2(ヘアピン型Dz2)を含有する別のヘアピンを開環するよう機能し得る。次いで、ヘアピン型Dz2/BLB構造のDz2部分は活性であり、次いで、蛍光標識された基質2を切断するよう機能し得、蛍光シグナルの生成をもたらす。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、基質2(配列番号3;Sub45)を切断することができるヘアピン型Dz2(配列番号29;hp(R3a)Dz45BUB0(4))を使用した。この実施例では、基質2(Sub45−FIB)は、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、また3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて標識された。ひとたび、ヘアピン型RLのBLA成分内の基質1がDz1、(DzK(8:7)配列番号7)によって切断されると、ヘアピン型RL(配列番号30;hpRLb(R4)−Sub2)を使用してヘアピン型Dz2を活性化した。ヘアピン型DNAザイムの触媒活性を、対応する非ヘアピン型Dz2、(陽性対照Dz2:配列番号4;Dz45(9:10))のものと比較した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、ヘアピン型RLおよびヘアピン型Dz2間で相補的である領域を表す。イタリック体の塩基は、ヘアピン型DNAザイム内のDNAザイム配列を意味する。四角で囲まれた塩基は、ヘアピン型Dz2のBL部分と非相補的であり、従って、ヘアピンのステムから出てループしているDNAザイムの触媒コアの部分を表す。
−反応成分
反応A、B、C、DおよびEは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図9パネルi)に例示される構造に関連して、表11に列挙される以下のオリゴヌクレオチド断片を含有するよう設定した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで45℃で2連で実施した。蛍光シグナルをチャネル1(FAM)で測定し、合計40分間、10秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図9パネルii)は、図9パネルi)に概説される戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。ヘアピン型Dz2によって、そのヘアピン構造から放出され活性化された後に、切断され得る基質2は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。ヘアピン型Dz2がそれ自体で存在する反応Cについては(三角記号を有する線として示される「hpDzのみ」)、基質2の切断はなく、結果として、FAMシグナルの増大はなく、これは、DNAザイム部分が、ヘアピン構造内で不活性で維持されることを示す。同様に、ヘアピン型RLおよびヘアピン型Dzが両方存在する反応Dについては(丸記号を含有する線として示される「hpDz+hpRLのみ」)、FAMシグナルの極めて少ない増大しかなく、これは、それぞれのヘアピンのRLおよびDz2部分の両方が、そのヘアピン型構造内で不活性で維持されることを示す。これは、基質2のみを含有する陰性対照(「陰性対照」、四角記号を含有する線)を含有する反応Aとの比較において示される。基質1を切断するためにDz1が存在する反応Eについては(「hpDz+hpRL+DNAザイム1」;2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線)、FAMシグナルの段階的に増大があり、これは、基質1の切断が、ヘアピン型RLのRL部分を活性化し、次いで、RLが、基質2を切断できるヘアピン型Dz2を活性化するよう機能し得ることを示す。これは、反応Eにおいて存在するものと同一濃度の基質2および非ヘアピン型陽性対照DNAザイム2からなる陽性対照(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)を含有する反応Bとの比較において示される。
実施例9は、RL分子の使用を含まない、図11、パネルi)に表わされるDNAザイム分子を直接的に活性化するプライマーの使用を実証する。実施例3に概要が示されるように、不活性DNAザイムを含有するヘアピン型分子が存在する。しかし、この本実施例9では、ヘアピン型Dz/BL複合体のBL部分は、非相補的ループによって連結された2つを有する全DNAザイム配列と完全にハイブリダイズされる。この構造ではヘアピンループは、ニッキング酵素の部分認識配列を形成するヌクレオチドからなる。プライマーが存在する場合には、ループ配列とハイブリダイズし、鎖置換型ポリメラーゼによってその3’末端で伸長される。プライマー伸長は、ヘアピン構造からのDNAザイムの同時置換および鋳型としてのBL配列の使用によるDNAザイムの新規コピーの合成をもたらす。置換されたDNAザイムは、ここで、活性であり、その基質を切断し得る。プライマーの伸長はまた、二本鎖ニッキング酵素認識部位の完成をもたらす。ニッキング酵素は、この部位を認識し、上流プライマーと下流の新規に合成されたDNAザイム配列の間の領域で、新規に合成された鎖に選択的にニックを入れることができる。従って、ニッキングは、新規プライマーを生成し、これは、ポリメラーゼによって伸長されて、別のDNAザイムコピーを合成し、またBL鋳型から既存のコピーを置換する。次いで、ニッキング、重合および置換のこのサイクルは、自律的に起こり、いくつかの複数のDNAザイム分子を生成し得る。
−オリゴヌクレオチド
ヘアピン型Dz/BL複合体(配列番号31;hp(R6b)Dz45)は、BLから放出され、従って、活性である場合に、基質(Sub45、配列番号3)を切断することができるDzを含有する。この実施例では、Sub45は、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて標識された。プライマー(配列番号32;PR(R6)Dz45(10))を使用して、DNAザイムを活性化し、そのさらなるコピーを合成した。ヘアピン型DNAザイムの触媒活性を、対応する非ヘアピン型陽性対照DNAザイム、(配列番号4;Dz45(9:10))のものと比較した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。イタリック体の塩基は、ヘアピン型Dz/BL構造内のDNAザイム配列を意味する。下線が引かれた塩基は、プライマーおよびヘアピン型DNAザイムの間の相補性の領域を表す。四角で囲まれた塩基は、ヘアピン型Dz/BL内に存在する部分ニッキング酵素認識部位およびプライマーを表す。
−反応成分
反応A、B、C、D、E、F、GおよびHは、これまでの節におけるオリゴヌクレオチドおよび図11パネルi)に例示される構造に関連して、表12に列挙される以下のオリゴヌクレオチド、ポリメラーゼおよびニッキング酵素を含有するよう設定した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。鎖置換型ポリメラーゼ酵素、Klenowフラグメント(3’→5’エキソ−)およびニッキング酵素、Nt.AlwIは、New England Biolabsから購入した。全ての反応物は、1×NEBバッファー2(New England Biolabs)、100μM dNTP(Bioline)およびヌクレアーゼ不含水(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、50μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで37℃で2連で実施した。蛍光シグナルを、チャネル1(FAM)で測定し、合計100分間、10秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図11パネルii)は、図11パネルi)において表される戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。その活性化後にDNAザイムによって切断され得る基質配列は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。タンパク質酵素が存在しないが、ヘアピン型Dzがそれ自体で存在する(三角記号を有する線として示される「hpDzのみ」)、およびプライマーとともにヘアピン型Dzが存在する(丸記号を有する線として示される「hpDz+プライマー」)反応CおよびDについては、シグナルの増大はほとんどなく、これは、プライマーの伸長がないこと、Dzのその後の活性化がないこと、従って、基質の切断およびFAMシグナルの対応する増大がないことを示す。これは、同一蛍光標識された基質配列のみを含有する陰性対照(「陰性対照」、四角記号を含有する線)を含有する反応Aとの比較において示される。Klenowが存在し、ヘアピン型Dzが存在し、プライマーを含まない(「hpDzのみ+Klenowのみ」、2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線)およびプライマーを含む(「hpDz+プライマー+Klenowのみ、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)反応EおよびFについては、プライマーを含有する反応Fについては、シグナルの段階的な増大があり、これは、プライマーがKlenowによって伸長され、ヘアピン型DzのDz部分の活性化をもたらすことを示す。しかし、KlenowおよびNt.AlwIの両方が存在し、ヘアピン型Dzが溶液中にあり、プライマーを含まない(反応G−「hpDzのみ+Klenow+Nt.AlwI」、1本の垂直の交差線を有する記号を含有する線)およびプライマーを含む(反応H−「hpDz+プライマー+Klenow+Nt.AlwI」、中黒四角からなる記号を含有する線)場合には、プライマーを含有する反応Hについてはシグナルの増大があり、Klenowのみを有する反応Fより迅速に進行し、これは、Nt.AlwI酵素の存在が、ヘアピン内の既存のコピーを活性化することに加えて、さらなるDzコピーの合成を促進することを示す。これは、反応Hにおいて存在するものと同一濃度の基質および遊離陽性対照DNAザイムからなる陽性対照(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)を含有する反応Bとの比較において示される。プライマーの存在下またはプライマーの不在下であるがNt.AlwIのみを含有し、ヘアピン型Dzを含有する各反応も、この酵素が単独で、さらなるシグナル生成に関与しないことを確認するために実施した。これらの反応は、FAM蛍光の増大をもたらさなかった(データは示さず)。
以下の実施例は、相補的ブロッキングオリゴヌクレオチド(BL)とのハイブリダイゼーションによるDNAザイムの不活性化を実証する。BLは、第2の独立した触媒核酸(この場合には、MNAザイム)の基質として作用する非相補的領域によって接続している、DNAザイムと相補的である配列の2つの領域を含有する。BLの5’および3’末端は、(i)DNAザイムのそれぞれ、3’および5’末端とハイブリダイズして、ループが外に出た切断可能な基質配列を有する線形二重鎖構造を形成するよう設計され得るか、または(ii)それらは、それぞれ、5’および3’末端とハイブリダイズして、疑似環構造(この実施例において、それぞれ、図1パネルii)およびiii)において図表で概説されるように)を形成するよう設計され得る。その標的(AF1)の存在下でのMNAザイム(Mz1)による基質(基質1a)領域の切断は、これまでは不活性のDNAザイムの放出およびその後の再活性化をもたらす。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、BL(配列番号1;C(4)Sub45(24:24)(2)−FB)は、(i)Dz2(配列番号2;DzK(10:9))の一部と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1の配列(配列番号3;Sub45)と同等であるが、5’末端「A」ヌクレオチドおよび3’末端「GAA」ヌクレオチドを欠く基質1aからなる、5’および3’末端を接続する中心部分とからなる。BLは、5’末端から15番目のヌクレオチド(「T」ヌクレオチド)で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、5’末端から34番目のヌクレオチド(「T」ヌクレオチド)でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)部分を用いて内部標識された。従って、フルオロフォアおよびクエンチャーを、基質領域およびDNAザイム相補性領域の接合部に配置した。BLを使用して、BLをDz2とプレハイブリダイズすることによって、Dz2の活性をブロックする。
パートザイム(パートザイムA、配列番号33;TFRCA4/45−PおよびパートザイムB、配列番号34TFRCB5/45−P)およびアセンブリーファシリテーター標的(AF1、配列番号35AF−TFRC)からなるMNAザイム(Mz1)は、BLの基質1a部分を切断するために利用される。この標的依存性切断事象は、Dz2の放出を促進し、基質2(配列番号5;Sub2)に対して作用することを可能にする。この実施例では、Sub2は、5’末端でテキサスレッド部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー2(「BHQ2」)部分を用いて末端標識された。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、DNAザイムの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、それぞれ、DNAザイムまたはパートザイムの触媒コアまたは部分触媒コアを意味する。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDNAザイム中の塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、D、E、FおよびGは、これまでの節において列挙されるオリゴヌクレオチドおよび図1パネルii)に例示される構造に関連して、表13に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。反応E、FおよびGについては、BLおよびDNAザイムを最初に、室温で30分間共にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで45℃で2連で実施し、蛍光シグナルをチャネル1(FAM)およびチャネル3(TR)の両方で測定して、それぞれ、FAMおよびテキサスレッドをモニタリングし、合計40分間、5秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:全てのチャネル)。
−結果
図15パネルi)は、その標的アセンブリーファシリテーターの存在下でMNAザイムによる環のBL部分の切断によって活性化された、単一の不活性化DNAザイムを含有する環からのDNAザイム疑似環戦略から達成された蛍光シグナルを示す。
ここで、BL分子の一部として存在する基質配列(基質1a)は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いてそれ自体標識される。その放出および活性化後にDz2によって切断され得る基質配列(基質2)は、TxRフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。結果として、両切断事象は、両フルオロフォア発光波長からの蛍光シグナルを可視化することによって別個にモニタリングされ得る。上のグラフは、FAMフルオロフォアからの、また下のグラフは、TxRフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。疑似環がそれ自体で存在する反応E(三角記号を有する線として示される「ブロッカーのみ」)およびアセンブリーファシリテーターを欠くパートザイムの存在下での反応F(丸記号を有する線として示される「パートザイム存在(AF1なし)」)については、基質1aの切断はなく、結果として、FAMシグナルの増大はない。さらに、これらの反応の間のTxRシグナルの大幅な増大はなく、これは、Dz2は、BLと複合体を形成する場合には不活性であることを示す。これは、それぞれ、2種の蛍光標識された基質配列のみを含有する反応AおよびC(「陰性対照」、四角記号を含有する線)に対応するFAMおよびTxRの陰性対照との比較において示される。しかし、MNAザイムのアセンブリーファシリテーターが存在する反応Gについては(「パートザイム+AF1存在」;2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線)、FAMシグナルの即時増大があり、これは、BL中の基質1aが切断されたことを示す。これはまた、TxRシグナルの段階的増大をもたらし、これは、Dz2がここで、BLから放出されており、基質2を切断していることを示す。これは、反応Gにおいて存在するものと同一濃度の、それぞれ、FAMについては基質1aおよび基質1aを切断するMNAザイムならびにTxRについては基質2および基質2を切断するMNAザイムを含有する、それぞれ、反応BおよびDに対応する、FAMおよびTxRの陽性対照(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)との比較において示される。
以下の実施例は、以下を実証する:
(i)2種の相補的ブロッキングオリゴヌクレオチド(BL)、BL(A)およびBL(B)とのハイブリダイゼーションによる、2種の独立したDNAザイム、Dz(A)およびDz(B)の不活性化、
(ii)Dz(A)およびDz(B)の放出をもたらす、BL(A)およびBL(B)の基質部分を切断することができる活性MNAザイムの存在下での、2種の独立したDNAザイム、Dz(A)およびDz(B)のその後の活性化。
−オリゴヌクレオチド
BL(A)(配列番号6;C4Sub45(22:23))は、(i)Dz(A)(配列番号7;DzK(8:7))の5’領域と相補的である5’末端と、(ii)基質1(配列番号3;Sub45)の配列と同等であるが、5’末端「A」ヌクレオチドおよび3’末端「GAA」ヌクレオチドを欠く基質1aからなる中心部分と、(iii)Dz(B)(配列番号8;Dz6(8:7))の3’領域と相補的である3’末端とからなる。BL(B)(配列番号9;C4Sub45T(21:24))は、(i)Dz(B)の5’領域と相補的である5’末端と、(ii)基質1の配列と同等であるが、5’末端「AC」ヌクレオチドおよび3’末端「GAA」ヌクレオチドを欠く基質1bからなる中心部分と、(iii)Dz(A)の3’領域と相補的である3’末端とからなる。
この実施例では、2種の不活性DNAザイムを含有する疑似環構造が、2種のBL分子形態によって共に結びつくよう(図1パネルiii)に概説されるように)、BL(A)およびBL(B)の5’および3’末端が、Dz(A)およびDz(B)の5’および3’末端とハイブリダイズするよう設計される。パートザイム(パートザイムA、配列番号33;TFRCA4/45−PおよびパートザイムB、配列番号34 TFRCB5/45−P)およびアセンブリーファシリテーター(AF1、配列番号35 AF−TFRC)からなるMNAザイム(Mz1)は、BL(A)の基質1a部分およびBL(B)の基質1b部分を切断することができ、疑似環構造からのDz(A)およびDz(B)の放出をもたらす。Dz(A)は、この実施例では、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)を用いて標識される、基質A(配列番号5、Sub2)を切断する。Dz(B)は、この実施例では、5’末端でテキサスレッド部分を用い、その3’末端でBlack Holeクエンチャー2(「BHQ2」)部分を用いて標識される、基質B(配列番号11、Sub6)を切断する。
上記のオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、DNAザイムの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムまたはパートザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDNAザイム中の塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、D、E、FおよびGは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図1パネルiii)に例示される構造に関連して、表14に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。反応E、FおよびGについては、BL分子;BL(A)、BL(B)およびDNAザイムDz(A)およびDz(B)を共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで48℃で2連で実施した。蛍光シグナルは、チャネル1(FAM)およびチャネル3(TxR)の両方で同時に測定して、それぞれ、FAMおよびテキサスレッドをモニタリングし、合計40分間、5秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:全てのチャネル)。
−結果
図15パネルii)は、2種のDNAザイムが存在する疑似環から得た結果を示す。この場合には、基質配列(BLAの基質1aおよびBLBの基質1b)は、標識されないままである。その放出および活性化後にDz(A)によって切断され得る基質配列(基質A)は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャー色素を用いて標識され、その放出および活性化後にDz(B)によって切断され得る基質(基質B)は、TxRフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される。結果として、両切断事象は、両フルオロフォア発光波長からの蛍光シグナルを可視化することによって別個にモニタリングされ得る。上のグラフは、FAMフルオロフォアからの、下のグラフは、TxRフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。反応E、疑似環がそれ自体で存在する場合には(三角記号を有する線として示される「ブロッカーのみ」)および疑似環およびパートザイムが存在するが、AF1が存在しない反応F(丸記号を有する線として示される「パートザイム存在(AF1なし)」)については、基質1aまたは基質1bの切断はなく、結果として、FAMまたはTxRシグナルの増大はほとんどないし全くなく、これは、Dz(A)およびDz(B)の両方が、未変化BL分子と複合体を形成している場合には不活性であることを示す。これは、同一蛍光標識された基質Aおよび基質B配列のみを含有する、それぞれ、反応A & C(「陰性対照」、四角記号を含有する線)に対応するFAMおよびTxRの両方の陰性対照との比較において示される。疑似環、パートザイムおよびAF1を含有する反応G(「パートザイム+AF1存在、2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線)については、FAMおよびTxRフルオロフォア両方からのシグナルの段階的増大があり、これは、Dz(A)およびDz(B)の両方が、疑似環から放出され、ここで、そのそれぞれの基質を切断していることを示す。これは、反応Gにおいて存在するものと同一濃度の、それぞれ、FAMについては基質AおよびDz(A)ならびにTxRについては基質BおよびDz(B)を含有する、それぞれ、反応BおよびD(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)に対応する、FAMおよびTxRの陽性対照との比較において示される。
以下の実施例は、実施例1においてこれまでに実証された、疑似環構造内の相補的BL分子とのハイブリダイゼーションによる、DNAザイムの不活性化を実証する。しかし、この実施例では、各々、i)対向する環のBL内に存在する基質を切断することができるDNAザイムおよびii)2種の隣接する独立した基質を含有するBLを含有する、2つの環が存在する。両疑似環中に存在する第1の基質配列(基質1)配列は、標的アセンブリーファシリテーター(AF1)の存在下でMNAザイム(Mz1)によって切断される。2つの疑似環は、対向する環中に組み込まれたDNAザイム(それぞれ、Dz2またはDz3)によって切断することができる第2の基質配列(基質2aまたは基質3aのいずれか)を各々含有する。2種のDNAザイムは、両BL分子の存在によって不活性で維持される。活性Mz1によるいずれかの環での基質1の切断は、これまでは不活性のDNAザイムの放出およびその後の再活性化をもたらす。各DNAザイムが、対向する環BLを切断することができるので、この最初の活性化はまた、2つの環(図16パネルi)において図表で表される)の間のBL切断事象の指数関数的カスケードおよび単一疑似環の切断と比較したDNAザイム活性化の速度の増大を引き起こす。これは、シグナル増幅につながる。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、環Aは、(i)Dz3(配列番号37;Dz6(9:9))の一部と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1および基質2a両方の隣接する配列からなる5’および3’末端を接続する中心部分とから構成されるBLA(配列番号36;C(R15a)Sub45_2)からなり、BLAは、BLAをDz3とプレハイブリダイズすることによってDz3の活性をブロックするために利用される。環Bは、(i)Dz2の一部(配列番号26;Dz2(9:8))と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1および基質3の配列(配列番号11;Sub6)と同等であるが、5’末端「A」ヌクレオチドおよび3’末端「G」ヌクレオチドを欠く基質3a両方の隣接する配列からなる5’および3’末端を接続する中心部分とから構成されるBLB(配列番号38;C(R16d)Sub45_6)からなる。BLBは、BLBをDz2とプレハイブリダイズすることによってDz2の活性をブロックするために利用される。
パートザイム(パートザイムA、配列番号33;TFRCA4/45−PおよびパートザイムB、配列番号34 TFRCB5/45−P)およびアセンブリーファシリテーター標的(AF1、配列番号35 AF−TFRC)からなるMNAザイム(Mz1)は、BLAまたはBLBのいずれかの基質1部分を切断するために利用される。この標的依存性切断事象は、Dz3またはDz2のいずれかまたは両方の放出を促進し、これによって、それぞれ、BLBまたはBLAに対して作用することが可能となる。Dz3はまた、疑似環の成分ではない基質3に対して作用し得る。この実施例では、この独立した基質3は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)部分を用いて末端標識された。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dz3の一部と相補的であるBLA中の領域およびDz2の一部と相補的であるBLB中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、それぞれ、BLAおよびBLB分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz3およびDz2中の塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、CおよびDは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図16パネルi)に例示される構造に関連して、表15に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで50℃で2連で実施し、蛍光シグナルを、チャネル1(FAM)で測定し、合計100分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図16パネルii)は、1つ対2つのDNAザイム疑似環が存在する場合に蛍光シグナルを比較する結果を示す。これらの反応では、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質3は、Dz3によって切断され得、従って、Dz3の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。基質3およびパートザイムならびに反応Aについては疑似環のみ(四角記号を有する線として示される「環Aのみ、AF1なし」)または反応Cについては疑似環AおよびBの両方(三角記号を含有する線として示される「環AおよびB、AF1なし」)のいずれかが存在する反応AおよびCについては、基質3の切断は極めて少なく、結果として、経時的なFAMシグナルの最小の増大しかない。これは、DNAザイムが、MNAザイムによる基質1の切断を引き起こすためのMNAザイムアセンブリーファシリテーター(AF1)が存在しない場合に、BLと複合体を形成する場合に不活性であることを示す。反応Bは、反応Aと同一成分を含有するが、MNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されており(「環Aのみ、AF1存在、菱形記号を有する線)、最初の遅滞期と、それに続く、経時的なFAMシグナルの段階的増大をもたらし、これは、最終的には、およそ90分で反応時間の最後に向けてプラトーに到達する。反応Dは、反応Cと同一成分を含有するが、MNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されており(「環AおよびB、AF1存在」、丸記号を含有する線)、最初の遅滞期と、それに続く、FAMシグナルの迅速な増大をもたらし、およそ40分でプラトーに達し、これは、両サイクルが存在する場合には相互触媒性フィードバックカスケードが起こっており、これが、Dz3活性化、ひいては、基質3の切断の速度を増大することを示す。
以下の実施例は、実施例12において元々概要が示される相互触媒性DNAザイム疑似環カスケードを実証する。しかし、この実施例では、MNAザイムアセンブリーファシリテーターの濃度を滴定して下げて、カスケードの、バックグラウンドを上回る検出限界を決定し、全てのアセンブリーファシリテーター濃度でのシグナルの指数関数的増幅を実証した。環Aおよび環Bは、両方とも存在するが(図16パネルi)において図表で表される)、蛍光標識された基質3が、環Bからのその放出および活性化後にDz2によって切断される蛍光標識された基質2によって代わりに置換される。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、環Aは、(i)Dz3の一部(配列番号40;Dz6(9:8))と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1(配列番号3;Sub45)および基質2(配列番号5;Sub2)と同等であるが、5’末端「AGG」ヌクレオチドを欠く基質2aの両方の隣接する配列からなる5’および3’末端を接続する中心部分とから構成されるBLA(配列番号36;C(R15a)Sub45_2)からなる。BLAは、BLAをDz3とプレハイブリダイズすることによって、Dz3の活性をブロックするために利用される。環Bは、(i)Dz2の一部(配列番号26;Dz2(9:8))と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1および基質3aの両方の隣接する配列からなる5’および3’末端を接続する中心部分から構成されるBLB(配列番号38;C(R16d)Sub45_6)からなる。BLBは、BLBをDz2とプレハイブリダイズすることによって、Dz2の活性をブロックするために利用される。
パートザイム(パートザイムA、配列番号33;TFRCA4/45−PおよびパートザイムB、配列番号34 TFRCB5/45−P)およびアセンブリーファシリテーター標的(AF1、配列番号35 AF−TFRC)からなるMNAザイム(Mz1)は、BLAまたはBLBいずれかの基質1部分を切断するために使用される。この標的依存性切断事象は、Dz3またはDz2のいずれかまたは両方の放出を促進し、これによって、それぞれ、BLBまたはBLAに対して作用することが、またはDz2が、この実施例では、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)部分を用いて末端標識された別個の基質2に作用することが可能となる。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dz3の一部と相補的であるBLA中の領域およびDz2の一部と相補的であるBLB中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、それぞれ、BLAおよびBLB分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz3およびDz2中の塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図16パネルi)に例示される構造に関連して、表16に列挙される以下のオリゴヌクレオチド断片を含有するよう設定した。全ての反応について、BLおよびDNAザイムを共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および45mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで48.5℃で2連で実施し、蛍光シグナルを、チャネル1(FAM)で測定し、合計140分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図16パネルiii)は、MNAザイムアセンブリーファシリテーター滴定を用いる、2つのDNAザイム疑似環からの蛍光シグナルを示す。ここで、Dz2によって切断され得る基質2は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識され、従って、Dz2の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。反応の各々:反応A(菱形記号を有する線として示される「環AおよびB、1nM AF1」)、反応B(三角記号を含有する線として示される「環AおよびB、500pM AF1」)、反応C(「環AおよびB、250pM AF1」丸記号を含有する線)、反応D(「環AおよびB、100pM AF1」2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線)、反応E(「環AおよびB、25pM AF1」2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)および反応F(「環AおよびB、AF1なし」四角記号を含有する線)については、蛍光の小さい直線的増大からなる最初の遅滞期と、それに続く、FAMシグナルの急な増大があり(シグナル増幅の指数関数期を示す)、その後、プラトーに到達する。各反応が、指数関数期を経験する時間は、MNAザイムアセンブリーファシリテーターの濃度と相関しており、反応Aは、最も早く指数関数期を経験し、順に、反応B、C、DおよびEが続く。標的アセンブリーファシリテーターを欠く対照反応Fは、アセンブリーファシリテーターを含有する全ての反応が、シグナルをもたらした後までシグナルをもたらさず、それによって、最低濃度の標的AF1を有する反応物を標的AF1を欠くものから区別することが可能となる。
実施例14は、実施例9において先に概要が示されるように、DNAザイム分子を合成するためのプライマーの使用を実証する。しかし、この実施例では、プライマーは、MNAザイム基質の成分として不活性形態で最初に存在する(図12パネルiiiにおいて表されるように)。標的アセンブリーファシリテーター(AF1)が存在する場合には、MNAザイム(Mz1)は、活性であり、その基質を切断でき、基質の5’および3’末端に対応する2つの切断された断片(切断された基質)をもたらす。5’末端は、ここで、新規3’末端を含有し、それは、2’3’環状リン酸基によるポリメラーゼによる伸長からブロックされたままである。T4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 PNK)は、核酸の3’末端からのリン酸基の除去を触媒し得る酵素である。T4 PNKの存在下では、2’3’環状リン酸は、切断されたMNAザイム基質から除去され、結果的に、プライマーは、ここで、活性プライマーである。図17パネルii)に概説されるこの反応では、1つの基質−結合アームおよび触媒コア配列のおよそ半分を含有する部分DNAザイムを含むBL部分からなるヘアピン型分子が存在する。この部分触媒コアはまた、不活性化する突然変異した塩基も含有する。ポリメラーゼ酵素の存在下では、ヘアピン分子の3’末端で不活性DNAザイムの配列をコピーし、ひいては、完成するための鋳型としてDz鋳型を使用してこの配列を伸長できる。しかし、DNAザイムは、コア領域中の突然変異のために、ヘアピンが開環される場合でも不活性のままである。この実施例では、ヘアピンループは、ニッキング酵素の部分認識配列を形成するヌクレオチドからなる。
プライマーは、MNAザイム基質切断およびT4 PNK活性の両方によって活性化されると、ヘアピンのループ配列とハイブリダイズし、コピーするために鋳型としてDz鋳型鎖を使用する鎖置換型ポリメラーゼによってその3’末端で伸長される。プライマー伸長は、DNAザイムの新規の完全なコピーの合成をもたらす。プライマーの伸長はまた、二本鎖ニッキング酵素認識部位の完成をもたらす。ニッキング酵素は、この部位を認識し、上流プライマーと下流DNAザイム配列の間の領域で、新規に合成された鎖に選択的にニックを入れることができる。従って、ニッキングは、新規プライマーを生成し、これは、ポリメラーゼによって伸長されて、別のDNAザイムコピーを合成し、またDz鋳型から既存のコピーを置換する。次いで、ニッキング、重合および置換のこのサイクルは、自律的に起こり、その自身の基質を切断することができるいくつかの活性DNAザイム分子を生成し得る。
−オリゴヌクレオチド
パートザイム(パートザイムA、配列番号41;TFRCA4/2−PおよびパートザイムB、配列番番号42 TFRCB5/2−P)およびアセンブリーファシリテーター(AF1)標的(配列番号35 AF−TFRC)からなるMNAザイム(Mz1)は、基質1(SubK1(14:12)、配列番号43)を切断するために利用される。この実施例では、SubK1(14:12)は、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)を用いて標識された。基質2(Sub45、配列番号3)を切断することができる合成されるべきDNAザイムの鋳型を提供する「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型(配列番号44;hp(R22a)ADz45)を利用した。この実施例では、Sub45は、5’末端でQuasar670(「Q670」)部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー2(「BHQ2」)を用いて標識された。「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型から合成されたDNAザイムの触媒活性を、対応する陽性対照Dz、(配列番号45;Dz45(9:9))のものと比較した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。イタリック体の塩基は、ヘアピン型DNAザイム構造内のDNAザイム配列を意味する。下線が引かれた塩基は、プライマーおよびヘアピン型DNAザイムの間の相補性の領域を表す。強調された塩基は、部分ニッキング酵素認識部位を表す。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節におけるオリゴヌクレオチドおよび図17パネルii)に例示される構造に関連して、表17に列挙される以下のオリゴヌクレオチド、ポリメラーゼ、T4 PNKおよびニッキング酵素を含有するよう設定した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch Technologiesから購入した。ポリメラーゼ酵素、Bst 2.0ウォームスタート、ニッキング酵素、Nt.AlwIおよびT4 PNKは全て、New England Biolabsから購入した。全ての反応物は、1×NEBバッファー2(New England Biolabs)、200μM dNTP(Bioline)およびヌクレアーゼ不含水(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで51℃で2連で実施した。蛍光シグナルをチャネル1(FAM)およびチャネル4(Q670)で測定し、合計154分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:全てのチャネル)。
−結果
図17パネルiii)は、図17パネルii)に表わされる戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。活性MNAザイムによって切断され得る基質1は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャー部分を用いて標識される。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。合成されたDNAザイムによって切断され得る基質2は、Q670フルオロフォアおよびクエンチャー部分を用いて標識される。グラフ(Q670)は、このQ670フルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。反応A(四角記号を有する線として示される「PNKなし、AF1なし」)およびC(三角記号を有する線として示される「PNK存在、AF1なし」)については、活性MNAザイムを集合させるためのAF1は存在しない。結果的に、FAMシグナルの増大はなく、これは、基質1の切断はなく、ならびに、Q670シグナルの増大もないことを示し、基質2を切断するために合成される活性DNAザイムがないことを示す。このQ670シグナルは、基質2のみを含有する陰性対照(「陰性対照」、2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線)を含有する反応Eとの比較において示される。
反応B(菱形記号を有する線として示される、「PNKなし、10nM AF1」)およびD(丸記号を有する線として示される「PNK存在、10nM AF1」)については、AF1が存在し、活性MNAザイムの形成をもたらす。結果として、FAMシグナルの段階的増大があり、これは、基質1が、MNAザイムによって切断されていることを示す。反応Dについて、短い遅延後、次いで、Q670シグナルの段階的増大があり、T4 PNKが、切断された基質1からリン酸基を除去することを示し、これは、それがプライマーとして作用することを可能にし、その後、基質2を切断するDNAザイムの合成をもたらす。このQ670シグナルは、基質2およびMNAザイムAF1のものと同一濃度の遊離陽性対照DNAザイムからなる陽性対照(「陽性対照」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)を含有する反応Fとの比較において示される。陽性対照において提供されるものよりも多くのDNAザイムを示す陽性対照のものより速い反応Dプラトーからのシグナルは、反応時間の間に合成されている。T4 PNK酵素を含有しないので、反応BについてはQ670シグナルの増大はなく、これは、次いで、その3’末端が改変されるまで、切断された基質1がプライマーとして作用できないことを示す。
実施例15は、実施例9に元々記載される、DNAザイム分子を直接的に活性化するプライマーの使用を実証する。しかし、この実施例は、不完全な、不活性DNAザイム配列を代わりに含有するヘアピン型分子を用いて起こる改善された特異性を具体的に実証する。また、アンチセンスDz鋳型を使用することと比較して、ヘアピン型分子を使用して起こる改善された速度も実証する。図19パネルi)に表わされる4種の異なる分子複合体が比較される。第1のもの(パートA)は、実施例9において元々記載される、「完全」ヘアピン型Dzである。BL部分が、触媒コア配列の4つのヌクレオチドを欠くDNAザイム配列を含有し、このBLが、活性DNAザイムを生成するようポリメラーゼによってコピーされ得るアンチセンスDNAザイム鋳型をブロックするので、第2のもの(パートB)は「完全にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型と呼ばれる。第3のもの、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型(パートC)では、BL部分は、1つの基質−結合アームおよび触媒コア配列のおよそ半分を含有する部分DNAザイムを含有する。触媒コアはまた、BLの伸長によって形成されたDNAザイムを触媒的に不活性にする、領域中の不活性化する突然変異した塩基も含有する。パートCのBLは、活性DNAザイムを生成するようポリメラーゼによってコピーされ得るアンチセンスDNAザイム鋳型をブロックする。ポリメラーゼ酵素の存在下では、BLは、コピーするための鋳型としてDz鋳型を使用して、この配列を伸長できるが、コア領域中の突然変異のために、ヘアピンが開環される場合に活性DNAザイムは曝露されない。
「完全にブロックされた」および「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型分子の両方について、Dz鋳型(ASDz)配列は、それぞれ、「完全」および「部分的に」ブロックされたヘアピンDz鋳型中のBL中で欠失しているか、または突然変異しているコア領域中のヌクレオチドの相補体を含めた活性DNAザイム配列の完全相補体を含有する。3種のヘアピン型分子全てについて、BLとDNAザイム配列を連結するヘアピンループまたはその相補体は、ニッキング酵素の部分認識配列を形成するヌクレオチドからなる。最終複合体(パートD)は、プライマー−結合部位およびニッキング酵素の部分認識配列と隣接する、ブロックされていないアンチセンスDNAザイム配列である。この複合体では、BL配列は最初に存在せず、ヘアピン形成もない。
プライマーが存在する場合には、プライマー−結合領域(3種のヘアピン型構造のループ配列である)とハイブリダイズし、鎖置換型ポリメラーゼによってその3’末端で伸長される。プライマー伸長は、BL(部分A)または鋳型(部分B、CおよびD)としてのアンチセンスDz鋳型配列の使用によって、触媒活性に必要な完全配列を含有する新規DNAザイムの合成をもたらす。プライマーの伸長はまた、二本鎖ニッキング酵素認識部位の完成をもたらす。ニッキング酵素は、この部位を認識し、上流プライマーと下流DNAザイム配列の間の領域で、新規に合成された鎖に選択的にニックを入れることができる。従って、ニッキングは、新規プライマーを生成し、これは、ポリメラーゼによって伸長されて、別の完全DNAザイム配列を合成し、またBL(部分A)またはアンチセンスDz鋳型(部分B、CおよびD)から既存のDNAザイムを置換する。次いで、ニッキング、重合および置換のこのサイクルは、自律的に起こり、いくつかの活性DNAザイム分子を生成し得る。「完全にブロックされたヘアピン型Dz」および「部分的にブロックされたヘアピン型Dz」分子の、および「ブロックされていないDz鋳型」の特異性の改善は主に、活性DNAザイムが、反応物中に存在することの前に、プライマー伸長およびニッキング酵素活性の両方が絶対要件であることから起こる。完全に、および部分的にブロックされたDz鋳型は、ヘアピンがその最初の閉じた立体構造にある場合には対向するBL鎖と、ヘアピンが開環立体構造にある場合には、対向する新規に合成されたDz鎖(プライマーの伸長)とハイブリダイズされるので、「ブロックされていないDz鋳型」のものを上回る「完全にブロックされたヘアピン型Dz」および「部分的にブロックされたヘアピン型Dz」からの速度の改善が主に起こると想定される。これは、Dz鋳型が二本鎖形成において常であるように、Dz鋳型鎖の新規に合成された一本鎖Dz分子を捕捉する能力を最小にする。
−オリゴヌクレオチド
基質(Sub45、配列番号3)を切断するDNAザイムを直接的に切断または合成することができる、「完全」ヘアピン型Dz(配列番号31;hp(R6b)Dz45)、「完全にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型(配列番号46;hp(R8b)ADz45)、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型(配列番号47;hp(R11b)ADz45)およびブロックされていないDz鋳型(配列番号48;(R15a)−Dz45)を利用した。この実施例では、Sub45は、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「BHQ1」)を用いて標識された。プライマー1(配列番号32;PR(R6)Dz45(10))を使用して「完全」ヘアピン型Dzを活性化し、DNAザイムのさらなるコピーを合成した。プライマー2(配列番号49;PR(R8b)Dz45(14))を使用して、「完全にブロックされたヘアピン型Dz鋳型」および「部分的にブロックされたヘアピン型Dz鋳型」から、また「ブロックされていないDz−鋳型」からDNAザイムのコピーを合成した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。イタリック体の塩基は、ヘアピン型DNAザイム構造内のDNAザイム配列を意味する。下線が引かれた塩基は、プライマーおよびヘアピン型DNAザイムまたはアンチセンスDNAザイム鋳型の間の相補性の領域を表す。影のついた塩基は、部分ニッキング酵素認識部位を表す。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムの触媒コアに対応する塩基を表す。
−反応成分
反応A、B、C、D、E、F、GおよびHは、これまでの節におけるオリゴヌクレオチドおよび図19パネルi)に例示される構造に関連して、表18に列挙される以下のオリゴヌクレオチド断片、ポリメラーゼおよびニッキング酵素を含有するよう設定した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。ポリメラーゼ酵素、Bst 2.0ウォームスタートおよびニッキング酵素、Nt.AlwIは、New England Biolabsから購入した。全ての反応物は、1×NEBバッファー2(New England Biolabs)、200μM dNTP(Bioline)およびヌクレアーゼ不含水(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで54℃で2連で実施した。蛍光シグナルをチャネル1(FAM)で測定し、合計148分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図19パネルii)は、図19パネルi)に表わされる戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。その活性化および/または合成後にDNAザイムによって切断され得る基質配列は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャー色素を用いて標識される。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。それぞれ、「完全」ヘアピン型Dz分子(四角記号を有する線として示される、「構造A−PRなし」)および(菱形記号を有する線として示される、「構造A−PR存在」)を含有する反応AおよびBについては、両方についてほとんど同一である、FAMシグナルの即時増大がある。これは、プライマーの不在下でシグナルがもたらされるので、この構造は、これらの条件下で特異性を欠くことを示す。それぞれ、「完全にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型分子(三角記号を有する線として示される、「構造B−PRなし」)および(丸記号を有する線として示される、「構造B−PR存在」)を含有する反応CおよびDについては、プライマーを含有する反応Dについては、シグナルの即時の迅速な増大があり、プライマーを欠く反応Cについては、シグナルのかなり遅い段階的増大がある。もたらされるシグナルを大幅に増大するために、プライマーが必要とされるが、依然として幾分かのプライマー独立性活性があるので、これは、「完全」ヘアピン型Dz構造に対して特異性が改善されたことを示す。
それぞれ、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型分子(「構造C−PRなし、2本の斜めの交差線および1本の垂直の交差線からなる記号を含有する線)および(「構造C−PR存在、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)を含有する反応EおよびFについては、プライマーが存在しない反応Eについては、シグナルの増大はないが、プライマーを含有する反応Fについては、シグナルの即時の迅速な増大がある。従って、プライマー独立性シグナルがないので、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型は、「完全」および「完全にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型分子の特異性を改善する。最後に、それぞれ、「ブロックされていない」Dz鋳型(「構造D−PRなし」、1本の垂直な交差線を有する記号を含有する線)および(「構造D−PR存在」、中黒四角からなる記号を含有する線)を含有する反応GおよびHについては、プライマーが存在しない反応Gについては、シグナルの増大はないが、プライマーを含有する反応Hについては、シグナルの段階的増大がある。「ブロックされていない」Dz鋳型は、部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型構造と同一特異性を含有するが、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型構造が行うのと同様に迅速には、プライマーの存在下でシグナルをもたらさない。これは、新規に合成されたDNAザイムが、空のアンチセンスDz鋳型と再ハイブリダイズでき、必然的に反応を減速するからである。「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型を用いた場合には、Dz鋳型自体が、ヘアピン構造内でブロックされ、常に、二本鎖のままであるので、これは起こるとは思われない。
実施例16は、BL分子とのそのハイブリダイゼーションによる、プライマーの不活性化を実証し、図23パネルi)に表わされるように、その両方は、非相補的ループによって連結されて、ヘアピン構造を形成する。分子を、プライマー配列の一部のみが存在する「部分」ヘアピン型プライマーとして最初に提供する。プライマー配列の合成を完成するために、ポリメラーゼ酵素の存在下で、分子の3’末端が鋳型としてBLAを使用して伸長され得る。ヘアピン型プライマーのBLAは、MNAザイムの基質を含有し、その結果、その標的アセンブリーファシリテーターの存在下で、MNAザイムは、BL内に存在する基質を切断し、BLからのプライマーの放出をもたらし、プライマーを活性にできる。実施例15に最初に記載されるように、1つの基質−結合アームおよび触媒コア配列のおよそ半分を含有する部分DNAザイムからなるBLB部分からなる「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型もまた存在する。この部分触媒コアはまた、不活性化する突然変異体塩基も含有する。ポリメラーゼ酵素の存在下で、BLBは、ヘアピン分子の3’末端で不活性DNAザイムの配列をコピーし、ひいては、完成するための鋳型としてDz鋳型(ASDz)を使用して伸長され得る。しかし、コア領域中の突然変異のために、DNAザイムは、ヘアピンが開環される場合でさえ不活性である。
プライマーは、ひとたび活性であると、実施例9に最初に記載されるように、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型のループとハイブリダイズし、鎖置換型ポリメラーゼによってその3’末端で伸長されるよう機能し得る。プライマー伸長は、コピーするための鋳型としての「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型配列の使用によって、DNAザイムの新規の完全コピーの合成をもたらす。プライマーの伸長はまた、二本鎖ニッキング酵素認識部位の完成をもたらす。ニッキング酵素は、この部位を認識し、上流プライマーと下流のDNAザイム配列の間の領域で、新規に合成された鎖に選択的にニックを入れることができる。従って、ニッキングは、新規プライマーを生成し、これは、ポリメラーゼによって伸長されて、別のDNAザイムコピーを合成し、またDz鋳型から既存のコピーを置換する。次いで、ニッキング、重合および置換のこのサイクルは、自律的に起こり、その自身の基質を切断することができる、いくつかの活性DNAザイム分子を生成し得る。
−オリゴヌクレオチド
基質2(Sub45、配列番号3)を切断することができる、合成されるべきDz2の鋳型を提供する「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型(配列番号47;hp(R11b)ADz45)を利用した。この実施例では、Sub45は、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて標識された。部分ヘアピン型プライマー(配列番号50;hpPR(R15h)Sub2)を使用して、活性化し、Dz2のさらなるコピーを合成し、ひとたびポリメラーゼによって伸長されると、その後、MNAザイム(Mz1)によって切断された。Mz1は、パートザイムA(KrasA4/2−P、配列番号51)、パートザイムB(KrasB5/2−P、配列番号52)およびアセンブリーファシリテーター1(「AF1」、AF−Kras、配列番号53)からなる。切断されたヘアピンプライマーの、新規Dz2分子の合成をプライムする能力を、非ヘアピン型線形プライマー(PR(R8b)Dz45(14)、配列番号49)のものと比較した。ヘアピン型鋳型から合成されたDz2の触媒活性も、対応する非ヘアピン型陽性対照Dz2、(配列番号4;Dz45(9:10))のものと比較した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。イタリック体の塩基は、「部分的にブロックされた」ヘアピン型DNAザイム鋳型構造内の部分DNAザイム配列を、またヘアピン型プライマー構造内のプライマー配列を意味する。下線が引かれた塩基は、プライマーおよび「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型の間の相補性の領域を表す。強調された塩基は、部分ニッキング酵素認識部位を表す。四角で囲まれた塩基は、パートザイムおよびDNAザイムの触媒コアに対応する塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節におけるオリゴヌクレオチドおよび図23パネルi)に例示される構造に関連して、表19に列挙される以下のオリゴヌクレオチド断片、ポリメラーゼおよびニッキング酵素を含有するよう設定した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。ポリメラーゼ酵素、Bst 2.0ウォームスタート(3’→5’エキソ−)およびニッキング酵素、Nt.AlwIは、New England Biolabsから購入した。全ての反応物は、1×NEBバッファー2(New England Biolabs)およびヌクレアーゼ不含水(Ambion)を含有していた。反応C〜Fはまた、200μM dNTP(Bioline)も含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで54℃で2連で実施した。蛍光シグナルをチャネル1(FAM)で測定し、合計105分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図23パネルii)は、図23パネルi)に表わされる戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型から、その合成後にDz2によって切断され得る基質2は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャー色素を用いて標識される。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型がそれ自体で存在する(反応C、三角記号を有する線として示される、「部分的にブロックされた」ヘアピン型鋳型のみ」)または「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型が存在し、ヘアピン型プライマーを含むが、AF1を含まない(反応E、1本の垂直な交差線および2本の斜めの交差線からなる記号を有する線として示される、「部分的にブロックされたヘアピン型鋳型+ヘアピン型プライマー、AF1なし」)のいずれかである、反応CおよびEについては、シグナルの増大はほとんどなく、これは、プライマーの伸長がほとんどないし全くなく、Dz2のその後の合成がほとんどないし全くなく、従って、基質2の切断およびFAMシグナルの対応する増大がほとんどないし全くないことを示す。これは、同一蛍光標識された基質2のみを含有する、陰性対照(「陰性対照」、四角記号を含有する線)を含有する反応Aとの比較において示される。
活性線形プライマーが存在する反応D(「「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型+線形プライマー」、丸記号を含有する線)については、およそ10分内にプラトーに迅速に到達するシグナルの迅速な増大がある。ヘアピン型プライマーおよびAF1を含有する反応F(「「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型+ヘアピン型プライマー、AF1存在」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)については、シグナルの段階的増大があり、およそ60分でプラトーに到達する。反応DおよびFの両方については、シグナルの増大は、プライマーが、コピーするための鋳型として「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型を使用して伸長されており、ポリメラーゼおよびニッキング酵素の相乗作用による活性DNAザイムの合成をもたらすことを示す。ヘアピン型プライマー活性化からのシグナルは、BLがMNAザイムによって切断された後に、プライマーがそのBLから分離されるために必要な時間のためにより遅い。反応DおよびFからのシグナルは、同一濃度の基質2および遊離陽性対照Dz2からなる陽性対照(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)を含有する反応Bとの比較において示される。反応Dからのシグナルは、反応Bのものよりもわずかに速く完了し、これは、20nMの線形プライマーからのDz2の合成が、陽性対照における同一濃度のDz2の触媒活性のものよりも速い速度で進行していることを実証する。
以下の実施例は、実施例1において先に実証された、疑似環構造内の相補的BL分子とのハイブリダイゼーションによるDNAザイムの不活性化を実証する。しかし、この本実施例17では、BL内に3種の異なる基質配列が存在する。活性MNAザイムによる基質1、基質2または基質3のいずれかの切断は、これまでに不活性のDNAザイムの放出およびその後の再活性化をもたらす(図20パネルi)に図表に表わされる)。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、(i)Dz4の一部(Dz45(9:10)、配列番号4)と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1、基質2および基質3の隣接する配列と同等である5’および3’末端を接続する中心部分とから構成されるBL(配列番号54、C(R19b))。BLは、BLをDz4とプレハイブリダイズすることによって、Dz4の活性をブロックするために利用される。パートザイム(パートザイム1A、配列番号56;TFRCA4/77−Pおよびパートザイム1B、配列番号57;TFRCB5/55−P)およびアセンブリーファシリテーター標的、AF1(配列番号35 AF−TFRC)からなるMz1は、BLの基質1部分を切断するために利用される。パートザイム(パートザイム2A、配列番号58;KrasA4/6−Pおよびパートザイム2B、配列番号59;KrasB5/6−P)およびアセンブリーファシリテーター標的、AF2(配列番号53 AF−Kras)からなるMz2は、BLの基質2部分を切断するために利用される。パートザイム(パートザイム3A、配列番号60;RO5A4/2−Pおよびパートザイム3B、配列番号61;RO5B5/2−P)およびアセンブリーファシリテーター標的、AF3(配列番号62;AF−RO5)からなるMz3は、BLの基質3部分を切断するために利用される。Mz1、2または3のいずれかについては、標的依存性切断事象は、Dz4の放出を促進する。次いで、Dz4は、基質4(配列番号3;Sub45)に対して作用し得、これは、この実施例では、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でIowa Black(「IB」)部分を用いて末端標識される。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dz4の一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアまたは部分触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz4中の塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図20パネルi)に例示される構造に関連して、表20に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。全ての反応について、BLおよびDz4を共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および45mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで48℃で2連で実施し、蛍光シグナルをチャネル1(FAM)で測定し、合計105分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図20パネルii)は、BL内の3種の異なる基質を含有するDNAザイム疑似環の蛍光シグナルを比較する結果を示す。これらの反応では、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質4は、ひとたびDz4がBLから放出されると、Dz4によって切断され得、従って、Dz4の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。疑似環(BLとハイブリダイズされるDz4)、基質4およびMz1、Mz2またはMz3の唯一のパートザイムがそれぞれ存在する、反応A(四角記号を有する線として示される、「Mz1、AFなし」)、反応C(三角記号を有する線として示される、「Mz2、AF2なし」)および反応E(1本の垂直な交差線および2本の斜めの交差線からなる記号を有する線として示される、「Mz3、AF3なし」)については、基質4の極めて少ない切断しかなく、結果として、経時的にFAMシグナルの最小の増大しかない。これは、Dz4が、3種の別個の隣接する基質配列を含有するBLと複合体を形成する場合に不活性であることを示す。反応Bは、反応Aと同一成分を含有するが、MNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されている(「Mz1、AF1存在」、菱形記号を有する線)。反応Dは、反応Cと同一成分を含有するが、MNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されている(「Mz2、AF2存在」、丸記号を含有する線)。反応Fは、反応Eと同一成分を含有するが、MNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されている(「Mz3、AF3存在」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)。反応B、DおよびFの各々では、FAMシグナルの即時増大があり、これは、BLが切断されており、Dz4が放出され、基質4を切断し得ることを示す。反応B、DおよびFの各々からのシグナルの増大が、およそ同一の速度で起こっており、これは、BLの増大した長さにもかかわらず、BLの中間領域中の任意の点での単一切断事象が、Dz4がBLから放出されるのに必要である全てであることを示す。
以下の実施例は、実施例1において先に実証される、疑似環構造内の相補的BL分子とのハイブリダイゼーションによるDNAザイムの不活性化を実証する。しかし、この実施例では、1種の基質配列(基質1)が、8:17MNAザイム(Mz1)によって切断され得るBL内に存在し、別の基質(基質2)が、10:23MNAザイム(Mz2)によって切断され得るBL内に存在する。基質1は、2つのパートからなり、第1の5’パートは、基質1に特有である配列であり、基質のその他の3’パートは、基質2の5’パートとしても機能する配列である。8:17MNAザイム(Mz1)は、基質1を認識し、切断し得る。従って、このMz1は、8:17MNAザイム基質の半分および10:23MNAザイム基質の半分から構成される配列を認識、切断するよう設計され得る。それぞれ、Mz1による基質1またはMz2による基質2のいずれかの切断は、これまで不活性のDz3の放出およびその後の再活性化をもたらす(図20パネルiii)において図表で表される)。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、(i)Dz3の一部(Dz6(8:7)、配列番号8)と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1および基質2の隣接する配列と同等である5’および3’末端を接続する中心部分とから構成されるBL(配列番号63、C(R14b)Sub1_2)。BLは、BLをDz3とプレハイブリダイズすることによって、Dz3の活性をブロックするために利用される。パートザイム(パートザイム1A、配列番号65;PPIAA2/1−Pおよびパートザイム1B、配列番号66;PPIAB3/2(9))およびアセンブリーファシリテーター標的、AF1(配列番号67;AF−PPIA)からなるMz1は、BLの基質1部分を切断するために利用される。パートザイム(パートザイム2A、配列番号51、KrasA4/2−Pおよびパートザイム2B、配列番号52、KrasB5/2−P)およびアセンブリーファシリテーター標的、AF2(配列番号53、AF−Kras)からなるMz2は、BLの基質2部分を切断するために利用される。Mz1またはMz2のいずれかについては、標的依存性切断事象は、Dz3の放出を促進する。次いで、Dz3は、この実施例では、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー(「BHQ1」)部分を用いて末端標識される基質3(配列番号11;Sub6)に作用し得る。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dzの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz中の塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、BおよびCは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図20パネルiii)に例示される構造に関連して、表21に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。全ての反応について、BLおよびDz3を共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、50mM Tris(pH9.0)バッファー(In house)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および50mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで44℃で2連で実施し、蛍光シグナルをチャネル1(FAM)で測定し、合計48分間、10秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図20パネルiv)は、8:17MNAザイム(Mz1)または10:23MNAザイム(Mz2)のいずれかによって切断され得る共有配列を含有する、基質1および基質2を含有するDNAザイム疑似環の蛍光シグナルを比較する結果を示す。これらの反応では、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質3は、Dz3によって切断され得、従って、Dz3の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。反応A(四角記号を有する線として示される、「AFなし」)については、基質3の極めて少ない切断しかなく、結果として、経時的にFAMシグナルの最小の増大しかない。これは、Dz3が、BLと複合体を形成する場合に不活性であることを示す。反応Bは、反応Aと同一成分を含有するが、8:17MNAザイムアセンブリーファシリテーター、AF1が添加されている(「AF1存在」、菱形記号を有する線)。反応Cはまた、反応Aと同一成分を含有するが、10:23MNAザイムアセンブリーファシリテーター、AF2が添加されている(「AF2存在」、三角記号を含有する線)。反応BおよびCの両方については、FAMシグナルの即時増大があり、これは、BLが切断されており、Dz3が放出され、基質3を切断し得ることを示す。反応BおよびCの各々からのシグナルの増大が、およそ同一の速度で起こっており、これは、BLの増大した長さにもかかわらず、BLの中間領域中の任意の点での単一切断事象が、Dzが、BLから放出されるのに必要な全てであることを示す。
以下の実施例は、実施例1において先に実証される、疑似環構造内の相補的BL分子とのハイブリダイゼーションによるDNAザイムの不活性化を実証する。しかし、この本実施例19では、自己触媒性シグナル増幅は、3種の異なる環(環A、BおよびC、それぞれ、図21パネルi)、ii)およびiii)において図表で表される)を比較することによって実証される。3種の環の各々は、別個の基質2を切断することができるDNAザイム(Dz2)およびその標的アセンブリーファシリテーター(AF1)の存在下でMNAザイム(Mz1)によって切断され得る基質1を含有するBLを含む。さらに、環AのBLはまた、基質1に隣接しており、ひとたび、Mz1による基質1の切断によって放出されるとDz2によって切断することができるさらなる基質2aを含有する。従って、環AからのDz2は、自己触媒的にフィードバックする可能性を有する(すなわち、それでこれまで結合していた同一BLを切断する)。環BのBLは、基質1に隣接するが、Mz1またはDz2のいずれかによって切断することができないさらなる基質3を含有する。環CからのBLは、単一基質、基質1のみを含有する。従って、環BおよびCからのDNAザイムは、自己触媒的にフィードバックする可能性を有さない。AF1が存在する場合には、環Aを含有する反応は、環BおよびCを含有する反応が行うよりも比較できるほどに速い蛍光シグナルをもたらし、これは、環AからのDz2は、自己触媒的にフィードバックして、BL中の基質2を切断し、ひいては、より多くのDz2を活性化することを示す。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、環A(BLA;配列番号68;C(R22h))、環B(BLB;配列番号69;C(R31c))および環C(BLC;配列番号70;C(R31d))からのBL分子は、Dz2の一部(配列番号71;Dz77_55(8:9))と相補的である5’および3’末端から構成される。BLAはまた、基質1および基質2の配列(Sub77_55、配列番号55)に対して同等であるが、3’末端「C」ヌクレオチドを欠く基質2a両方の隣接する配列である、5’および3’末端を接続する中心部分からなる。BLBはまた、基質1および基質3の両方の隣接する配列と同等である5’および3’末端を接続する中心部分からなる。BLCはまた、基質1の配列と同等である5’および3’末端を接続する中心部分からなる。各環について、BLは、BLをDz2とプレハイブリダイズすることによって、Dz2の活性をブロックするために利用される。
パートザイム(パートザイムA、配列番号74;LTFRCA4/72およびパートザイムB、配列番号75;LTFRCB5/72)およびアセンブリーファシリテーター(AF1、配列番号76;AF−LTFRC)からなるMNAザイム(Mz1)は、BLA、BLBまたはBLCのいずれかの基質1部分を切断するために利用される。この標的依存性切断事象は、Dz2の放出を促進し、これによって、別個の独立した分子として提供される基質2に対して作用することが可能となる。この実施例では、独立した基質2は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて末端標識された。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dzの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz中の塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図21パネルi)、ii)およびiii)に例示される構造に関連して、表22に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。全ての反応について、BLおよびDz2を共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および45mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで54℃で2連で実施し、蛍光シグナルを、チャネル1(FAM)で測定し、合計154分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図21パネルiv)は、環A、BおよびCの各々からの蛍光シグナルを比較する結果を示す。FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質2は、Dz2によって切断され得、従って、Dz2の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。反応A、(四角記号を有する線として示される、「環A、AF1なし」)、反応C(三角記号を有する線として示される、「環B、AF1なし」)および反応E(「環C、AF1なし」、2本の斜めの交差線および1本の垂直な交差線からなる記号を有する線)については、基質2の極めて少ない切断しかなく、結果として、経時的にFAMシグナルの極めて少ない増大しかない。これは、Dz2が、それぞれ、反応A、CおよびEの、BLA、BLBおよびBLCとのそのハイブリダイゼーションによって、かなり不活性で維持されることを示す。
反応B(菱形記号を含有する線として示される、「環A、AF1存在」)について、FAMシグナルの最初の遅滞期と、それに続く、迅速にプラトーに到達する即時増大がある。このシグモイド曲線は、FAMシグナルが指数関数的に累積していることを示し、これは、環AからのDz2が、基質1のMz1切断によってその自身のBLAから最初に放出された後、フィードバックし、さらなるBLA分子中に存在する基質2aを切断していることを示す。対照的に、反応D(「環B、AF1存在」、丸記号を含有する線)および反応F(「環C、AF1存在」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)は、FAMシグナルの比較できるほどに遅い増大をもたらし、これは、それぞれ、反応DおよびFについては、基質2aがBLBおよびBLC内に存在しないので、フィードバックが起こっていないことを示す。
以下の実施例は、実施例19において先に実証された、自己触媒的疑似環構造内の相補的BL分子とのハイブリダイゼーションによるDNAザイムの最初の不活性化を実証する。この本実施例20では、2種のMNAザイム標的検出反応;自己触媒的環が存在する第1のもの(図22パネルii))および環不在である第2のもの(すなわち、MNAザイムのみ、図22パネルi))を比較することによってシグナル増幅が実証される。両反応において、同一MNAザイム(Mz1)は、同一標的アセンブリーファシリテーター(AF1)を認識し、結合するよう、またフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて改変されている線形配列として提供される基質1または環のBL分子の中間領域内に存在する基質1aのいずれかを切断するよう設計されている。BL分子は、その5’および3’末端で、DNAザイム(Dz2)とハイブリダイズして、Dz2の一時的な不活性化をもたらす配列からなる。BLはまた、ひとたび、Dz2が基質1のMNAザイム切断によってBLから放出されると、それによって切断することができる、基質1aに隣接する第2の基質配列(基質2a)を含有する。さらに、基質2は、DNAザイム切断反応をモニタリングするためにフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて改変されている線形配列として提供される。AF1が存在する場合には、自己触媒的環を含有する反応は、MNAザイム単独を含有する反応が行うよりも、比較できるほどに速い蛍光シグナルをもたらし、さらに、MNAザイム単独からのシグナルによって可視化され得ない標的濃度の検出をもたらし得る。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、(i)Dz2の一部(配列番号71;Dz77_55(8:9))と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1(Sub72、配列番号72)と同等である基質1aおよび基質2(Sub77_55、配列番号55)の配列と同等であるが、3’末端「C」ヌクレオチドを欠く基質2aの隣接する配列である5’および3’末端を接続する中心部分とから構成されるBL(配列番号68;C(R22h))。BLは、BLをDz2とプレハイブリダイズすることによって、Dz2の活性をブロックするために利用される。
パートザイム(パートザイムA、配列番号74;LTFRCA4/72およびパートザイムB、配列番号75;LTFRCB5/72)およびアセンブリーファシリテーター標的(AF1、配列番号76;AF−LTFRC)からなるMNAザイム(Mz1)は、BLの基質1a部分を切断するために利用される。この標的依存性切断事象は、Dz2の放出を促進し、これによって、それがBL内に存在する基質2aに対して作用することが可能となる。MNAザイムはまた、疑似環の成分ではない別個の独立した基質1に作用し得る。この実施例では、この独立した基質1は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて末端標識された。Dz2はまた、疑似環の成分ではない、別個の独立した基質2に作用し得る。この実施例では、この独立した基質2は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて末端標識された。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dzの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz中の塩基を表す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図22パネルi)およびii)に例示される構造に関連して、表23に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。BLおよびDz2を含有する全ての反応について、これらの2種のオリゴを共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および45mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで52℃で2連で実施し、蛍光シグナルは、チャネル1(FAM)で測定し、合計154分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図22パネルiii)は、MNAザイムのみ対MNAザイムおよび自己触媒性環が存在する蛍光シグナルを比較する結果を示す。MNAザイムのみの反応では、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質1は、Mz1によって切断され得、これは、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。自己触媒的環とともにMz1を含有する反応については、FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質2は、Dz2によって切断され得、従って、Dzの放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。
反応A(四角記号を有する線として示される、「Mz1のみ、AF1」)では、基質1の切断は全くなく、結果として、経時的にFAMシグナルの増大は全くない。これは、MNAザイムが、標的アセンブリーファシリテーターの不在下では活性でないからである。反応Bは、反応Aと同一成分を含有するが、100pMのMNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されており(「Mz1のみ、100pM AF1存在」菱形記号を有する線)、経時的にFAMシグナルの遅い直線的増大をもたらし、これは、反応時間の間にプラトーに到達しない。反応Cは、反応Aと同一成分を含有するが、10pMのMNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されており(「Mz1のみ、10pM AF1存在」、三角記号を含有する線)、反応時間の経過にわたって、FAMシグナルの増大はあったとしても極めて少なく、これは、極めて少ない基質1しか切断されないことを示す。
反応D(丸記号を有する線として示される、「Mz1および環、AF1なし」)では、経時的にFAMシグナルの段階的であるが、わずかしかない増大があり、これは、反応の最後の30分以内に増大し始める。バックグラウンド蛍光レベルは、MNAザイムのみの反応のものよりも高く、これは、基質2の、環成分との幾分かのハイブリダイゼーションがあり得ることおよび/または基質2は、基質1よりもあまり効率的にクエンチされないことを示す。反応の最後に向けたシグナルの増大は、カスケードが、MNAザイムトリガーの不在下で機能し始めていることを示し得る。反応Eは、反応Dと同一成分を含有するが、100pMのMNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されており(「Mz1および環、100pM AF1存在」、2本の斜めの交差線および1本の垂直な交差線からなる記号を有する線)、FAMシグナルの迅速な指数関数的増大をもたらし、これは、およそ30分後にプラトーに到達する。同一MNAザイムファシリテーター濃度を含有するが環を含まない反応Bとの比較では、FAMシグナルのこの増大は、相当に速く、これは、環の存在が、100pMの標的アセンブリーファシリテーターのシグナルの増幅および結果的に、より速い検出をもたらすことを示す。反応Fは、反応Dと同一成分を含有するが、10pMのMNAザイムアセンブリーファシリテーターが添加されており(「MNAザイムおよび環、10pM AF1存在」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)、最初の遅滞期と、それに続く、FAMシグナルの迅速な、指数関数的増大があり、これは、およそ120分後にプラトーに到達する。同一MNAザイムファシリテーター濃度を含有するが、環を含まない反応Cとの比較では、FAMシグナルの増大は、相当に速いだけではなく、標的ではない反応(反応D)の前に検出可能である。この場合には、環の存在は、シグナルの増幅をもたらし、その結果、バックグラウンドシグナルに先立つ10pMの標的アセンブリーファシリテーターの検出が可能であり、これは、環が、MNAザイム標的検出の速度および感度の両方を増大することを示す。
以下の実施例は、相補的BL分子とのハイブリダイゼーション、それによって、DNAザイムおよびBLが、非相補的ヘアピンループ(ヘアピン型Dz2)によって連結されることによるDNAザイムの不活性化を実証する。この実施例では、BLはまた、その標的アセンブリーファシリテーター分子(AF1)の存在下でMNAザイム(Mz1)によって認識および切断され得るさらなる基質配列(基質1)を含有する。Mz1による基質1の切断は、これまでに不活性のヘアピン型Dz2の放出およびその後の再活性化をもたらす(図3パネルi)において図表に表わされる)。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、基質2(配列番号5;Sub2)を切断することができるヘアピン型Dz2(配列番号77;hpBL(R3a)−Dz2_Sub6)を利用した。この実施例では、基質2は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー1(「BHQ1」)部分を用いて標識される。パートザイムA(配列番号58;KrasA4/6−P)、パートザイムB(配列番号59;KrasB5/6−P)およびAF1(配列番号53;AF−Kras)からなるMz1を使用して、ヘアピン型Dz2分子内の基質1を切断し、ひいては、活性Dz2をもたらした。活性Dz2の触媒活性を、対応する非ヘアピン型対照Dz2(配列番号26;Dz2(9:8))のものと比較した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dz2の一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL分子中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz2中の塩基を表す。/3Phos/は、3’末端リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、DおよびEは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図3パネルi)に例示される構造に関連して、表24に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および45mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで52℃で2連で実施し、蛍光シグナルは、チャネル1(FAM)で測定し、合計126分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図3パネルii)は、Mz1によるヘアピン型Dz2の活性化の蛍光シグナルの結果を示す。これらの反応では、基質2は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャー色素を用いて標識され、活性Dz2によって切断され得る。ヘアピン型Dz2の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。反応C(三角記号を有する線として示される、「ヘアピン型Dz2のみ」)および反応D(丸記号を有する線として示される、「ヘアピン型Dz2+Mz1、AF1なし」)については、FAMシグナルの増大はほとんどないし全くなく、これは、ヘアピン型Dz2が、基質2を切断できないことを示す。このシグナルは、同一蛍光標識された基質配列のみを含有する反応A(四角記号を含有する線として示される「陰性対照」)との比較において示される。
反応E(2本の斜めの交差線および1本の垂直な交差線からなる記号を有する線として示される、「ヘアピン型Dz2+Mz1、AF1存在」)については、経時的にFAMシグナルの段階的増大があり、反応時間の最後に向けてプラトーに到達する。これは、AF1の添加が、活性Mz1をもたらし、これが、次いで、ヘアピン型Dz2の部分として存在する基質1を切断できること示す。次いで、Dz2成分は、活性になり、基質2を切断でき、蛍光シグナルの増大をもたらす。反応Eのシグナルは、反応Eと同一濃度の対応する非ヘアピン型Dz2からなる反応B(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)のものとの比較において示され、シグナルの迅速な増大をもたらし、反応の30分以内にプラトーに到達する。反応Eのシグナルは、Mz1が基質1を切断するのに必要な時間、Dz2のその後の活性化および基質2のその切断のために反応Bよりも遅い。
以下の実施例は、固体表面への自己触媒的DNAザイム疑似環(実施例19において先に実証される)の接着を実証する。ここで、疑似環のBLを、DNAザイム(Dz2)とともにビオチン部分を用いて3’末端で改変し、ストレプトアビジンコートされているシリカマイクロスフェアとともにインキュベートする。従って、BLおよびマイクロスフェアは、ビオチン−ストレプトアビジン結合によって互いに接着し、Dz2は、ワトソン−クリック塩基対形成によってBLとハイブリダイズする(図24パネルi))。インキュベーションプロセス後、マイクロスフェアをバッファーを用いて数回洗浄して、結合していないオリゴヌクレオチドをいずれも除去する。マイクロスフェアの集団は、繋ぎ止められた自己触媒的疑似環を含有したままであり、マイクロスフェアが、BL中に存在する基質1を切断できるMNAザイム(Mz1)を有する溶液中に入れられると、その標的分子(AF1)による集合後にカスケードが開始され得る。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、BL分子(配列番号78;C(R22h)−Bio)は、Dz2の一部(配列番号71;Dz77_55(8:9))と相補的である5’および3’領域から構成される。極めて3’末端でDz2−結合領域と隣接して、BLは、Dz2と相補的ではない5ヌクレオチドのポリAテールを含有し、これは、3’末端に結合されたビオチン部分を含有する。5’および3’末端を接続するBLの中心部分は、基質1および基質2(Sub77_55、配列番号55)の配列と同等であるが、3’末端「C」ヌクレオチドを欠く基質2aの両方の隣接する配列から構成される。BLは、BLをDz2とプレハイブリダイズすることによって、Dz2の活性をブロックするために利用される。パートザイム(パートザイムA、配列番号74;LTFRCA4/72およびパートザイムB、配列番号75;LTFRCB5/72)およびアセンブリーファシリテーター(AF1、配列番号76;AF−LTFRC)からなるMNAザイム(Mz1)は、BLの基質1部分を切断するために利用される。この標的依存性切断事象は、Dz2の放出を促進し、これによって、BL内に存在する基質2aまたは別個の独立した分子として提供される基質2に作用することが可能となる。この実施例では、独立した基質2は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー(「IB」)部分を用いて末端標識された。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dzの部分と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、BL中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz中の塩基を表す。/3Bio/は、3’末端ビオチン化を示す。
−反応成分
3μmシリカ、ストレプトアビジンコートマイクロスフェア(Bangs Laboratories)は、貯蔵バッファー(100mMホウ酸塩、pH8.5+0.01%BSA+0.05%Tween(登録商標)20+10mM EDTA+≦0.1% NaN3)中の1%(w/v)固体として提供された。2μL/反応のマイクロスフェア懸濁液を回収し、使用に先立って、1×PBSTバッファー(10mMリン酸バッファーpH7.3〜7.5、137mM塩化ナトリウムおよび2.7mM塩化カリウム(Amresco)および0.05%Tween−20(Promega))で3回洗浄した。手短には、これは、100μLの1×PBSTバッファー中のマイクロスフェアの懸濁液を含み、続いて、13000×gで30秒間遠心分離して、マイクロスフェアペレットを形成する。次いで、上清を除去し、マイクロスフェアペレットを新鮮な1×PBSTバッファーに再懸濁する。このプロセスを、さらに2回反復し、続いて、元の2μL/反応容量の新鮮な1×PBSTバッファーに再懸濁した。次いで、洗浄されたマイクロスフェアを、100nMのBL(C(R22h)−Bio)および75nMのDz2(Dz77_55(8:9))とともにインキュベートした。インキュベーション混合物を共に、室温で30分間プレハイブリダイズし、続いて、1×PBSTバッファーでさらに3回洗浄した。
マイクロスフェアインキュベーション混合物を、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図24パネルi)に例示される構造に関連して、表25に列挙される以下のオリゴヌクレオチドに添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および45mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで54℃で2連で実施し、蛍光シグナルは、チャネル1(FAM)で測定し、合計148分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
結果
図24パネルii)は、反応AおよびBからの蛍光シグナルを実証する。FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質2は、Dz2によって切断され得、従って、Dz2の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。反応A、(四角記号を有する線として示される、「AF1なし」)については、極めて少ない基質2の切断しかなく、結果として、経時的にFAMシグナルのわずかな増大しかない。これは、Dz2が、BLとのそのハイブリダイゼーションによって、かなり不活性で維持されることを示す。反応B(菱形記号を含有する線として示される、「AF1存在」)については、最初の遅滞期と、それに続く、経時的にFAMシグナルの段階的増大があり、これは、Mz1が基質1を切断していることを示し、これは、環のBL内の基質2aまたは代わりに別個の蛍光標識された基質2を切断するよう機能する場合には、環からのDz2の放出をもたらす。反応Bからの蛍光シグナルの増大はまた、両反応物へのその添加に先立って厳密に洗浄されたマイクロスフェア集団が、マイクロスフェアに繋ぎ止められた疑似環を含有することおよびこれらの疑似環が、溶液中で遊離のものと同様に機能し得ることを示す。
実施例23は、図13パネルiii)において元々表されたように、異なるプライマー(プライマー2)によって開始されるプライマー(プライマー1)の合成を指示する鋳型分子の使用を実証する。しかし、この実施例では、プライマー鋳型は、一方の鎖が、RE認識部位に隣接する新規プライマー1の合成のための鋳型を含有するのに対し、もう一方が、鋳型と部分的に相補的であるヘアピン構造(図25パネルi))から構成される。この部分的に相補的な鎖は、それが活性プライマー1のように実施することを防ぐために3’末端にミスマッチした塩基対を含有し、また、それと部分的にブロックされたヘアピン型Dz1鋳型のループ内に存在するプライマー1結合部位の間の可能性あるハイブリダイゼーションを破壊するために、配列の中心内に別のミスマッチを有する。このミスマッチした塩基対は、より熱力学的に安定なヘアピン構造内に存在する場合には、ヘアピン型プライマー鋳型中のプライマー1結合部位とのそのハイブリダイゼーションには影響を及ぼさない。従って、この部分的に相補的な鎖の唯一の目的は、使用していないそれらのプライマー鋳型が、閉じたヘアピン立体構造(confirmation)で維持されるので、新規に合成されたプライマー1が、その他のプライマー鋳型と再ハイブリダイズすることを防ぐのに役立つことである。ヘアピン型プライマー鋳型構造のループ鎖は、プライマー2と相補的であり、その結果、プライマー2がこのループと結合する場合には、それは鎖置換型ポリメラーゼによって伸長され得、ヘアピンの同時開環ならびに完全RE認識部位および隣接するプライマー1両方の合成をもたらす。ニッキング酵素が存在する場合には、完成されたRE認識部位を認識し、上流プライマー2と下流プライマー1配列の間の領域で、新規に合成された鎖に選択的にニックを入れることができる。従って、ニッキングは、新規プライマー2を生成し、これは、ポリメラーゼによって伸長されて、別のプライマー1コピーを合成し、また鋳型鎖から既存のコピーを置換する。次いで、ニッキング、重合および置換のこのサイクルは、自律的に起こり、いくつかの活性プライマー1分子を生成し得る。
実施例15において最初に記載されるように、1つの基質−結合アームおよび触媒コア配列のおよそ半分を含有する部分DNAザイムであるBL部分からなる「部分的にブロックされた」ヘアピン型DNAザイム鋳型もまた存在する。この部分触媒コアはまた、不活性化する突然変異塩基も含有する。ポリメラーゼ酵素の存在下で、BLの3’末端は、ヘアピン分子の3’末端で不活性DNAザイムの配列をコピーし、ひいては、完成するための鋳型としてDz鋳型を使用して、この配列を伸長できる。しかし、コア領域中の突然変異のために、突然変異体DNAザイムは、ヘアピンが開環される場合でさえ不活性である。プライマー1は、ひとたび合成され、鋳型から置換されると、実施例9に最初に記載されるように、「部分的にブロックされた」ヘアピン型DNAザイム鋳型構造のループとハイブリダイズし、鎖置換型ポリメラーゼによってその3’末端で伸長され得る。プライマー1伸長は、コピーするための鋳型としての部分的にブロックされたヘアピン型DNAザイム鋳型の使用によって、DNAザイムの新規の完全コピーの合成をもたらす。プライマー1の伸長はまた、二本鎖ニッキング酵素認識部位の完成をもたらす。ニッキング酵素は、この部位を認識し、上流プライマー1と下流のDNAザイム配列の間の領域で、新規に合成された鎖に選択的にニックを入れることができる。従って、ニッキングは、新規プライマー1を生成し、これは、ポリメラーゼによって伸長されて、別のDNAザイムコピーを合成し、またDz鋳型から既存のコピーを置換する。次いで、ニッキング、重合および置換のこのサイクルは、自律的に起こり、その自身の基質を切断することができる、いくつかの活性DNAザイム分子を生成し得る(図25パネルi)に表わされる)。
−オリゴヌクレオチド
ヘアピン型プライマー鋳型(配列番号79;hpPRF(R12b))を使用して、プライマー2(配列番号80;PR(R12b)PRF)の伸長によるプライマー1(配列番号49;PR(R8b)Dz45(14))の合成のための鋳型を提供した。「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz1鋳型(配列番号47;hp(R11b)ADz45)を使用して、基質1(Sub45、配列番号3)を切断することができるDz1が合成されるための鋳型を提供した。この実施例では、Sub45は、5’末端で6−フルオレセイン(「6−FAM」)部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー(「IB」)部分を用いて標識された。ヘアピン型Dz1鋳型から合成されたDz1の触媒活性をまた、対応する非ヘアピン型陽性対照Dz1、(配列番号45;Dz45(9:9))のものと比較した。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。イタリック体の塩基は、「部分的ヘアピン型」DNAザイム鋳型構造内のDNAザイム配列およびヘアピン型プライマー鋳型内のプライマー1配列を意味する。下線が引かれた塩基は、プライマー1配列とヘアピン型DNAザイム鋳型の間の相補性の領域を表す。強調された塩基は、部分ニッキング酵素認識部位を表す。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムの触媒コアに対応する塩基を表す。
−反応成分
反応A、B、C、D、E、F、GおよびHは、これまでの節におけるオリゴヌクレオチドおよび図25パネルi)に例示される構造に関連して、表26に列挙される以下のオリゴヌクレオチド断片、ポリメラーゼおよびニッキング酵素を含有するよう設定した。
オリゴは、IDTまたはBiosearch technologiesから購入した。ポリメラーゼ酵素、Bst 2.0ウォームスタート(3’→5’エキソ−)およびニッキング酵素、Nt.AlwIは、New England Biolabsから購入した。全ての反応物は、1×NEBバッファー2(New England Biolabs)およびヌクレアーゼ不含水(Ambion)を含有していた。反応C〜Fはまた、200μM dNTP(Bioline)も含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで52℃で2連で実施した。蛍光シグナルをチャネル1(FAM)で測定し、合計148分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図25パネルii)は、図25パネルi)に表わされる戦略から達成された蛍光シグナルを実証する。「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型から、その合成後にDz1によって切断され得る基質1は、FAMフルオロフォアおよびクエンチャー色素を用いて標識されている。グラフ(FAM)は、このFAMフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型がそれ自体で存在する反応C(反応C、三角記号を有する線として示される、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型のみ−PRなし」)およびプライマー2とともに配置される反応E(反応E、1本の垂直な交差線および2本の斜めの交差線からなる記号を有する線として示される、「「部分的にブロックされたヘアピン型Dz鋳型のみ−PR2存在」)については、Dz1の合成を開始するためのプライマー1が全く存在せず、従って、基質1の切断が全くないので、蛍光シグナルの増大はほとんどないし全くない。「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型が、ヘアピン型プライマー鋳型とともに提供される場合(反応F、2本の斜めの交差線からなる記号を有する線として示される、「「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型+ヘアピン型プライマー鋳型−PRなし」)には、プライマー1が存在せず、合成され得ないので、同様に蛍光シグナルの増大はほとんどないし全くない。反応C、EおよびFは、同一蛍光標識された基質1のみを含有する、陰性対照(「陰性対照」、四角記号を含有する線)を含有する反応Aとの比較において示される。
反応D(「「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型のみ−PR1存在」、丸記号を含有する線)およびG(「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型+hpプライマー鋳型−PR1存在」、1本の垂直交差線および水平交差線からなる記号を含有する線)は両方とも、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型およびプライマー1を含有し、反応Gはまた、ヘアピン型プライマー鋳型も含む。これらの反応では、プライマー1の存在のために、シグナルの迅速な増大があり、およそ20分以内にプラトーに迅速に到達し、これは、プライマー1がDz1の合成を開始しており、これが、順に、基質1を切断することを示す。蛍光シグナルは、2つの反応間で極めて類似しており、これは、反応G中のヘアピン型プライマー鋳型の存在は、これを阻止しないということを示す。「部分的にブロックされた」ヘアピン型DNAザイム鋳型、ヘアピン型プライマー鋳型およびプライマー2を含む反応H(「「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型+hpプライマー鋳型−PR2存在」、中黒四角記号を含有する線)については、最初の遅滞期と、それに続く、シグナルの段階的増大があり、これはおよそ70分でプラトーに到達する。プライマー2は、Dz1の合成を直接的にプライムできないので、これは、プライマー2がヘアピン型プライマー鋳型と結合しており、プライマー1の合成を開始していることを示す。従って、プライマー1は、「部分的にブロックされた」ヘアピン型Dz鋳型によってDz1の合成をプライムでき、基質1を切断するDz1分子の製造をもたらす。反応Hからのシグナルは、プライマー1が、順に、Dz1を合成できる前に合成されるために必要な時間のために、反応DおよびGのものより遅い。反応D、GおよびHからのシグナルは、同一濃度の基質1および遊離陽性対照Dz1からなる陽性対照(「陽性対照」、菱形記号を含有する線)を含有する反応Bとの比較において示される。
以下の実施例は、実施例19に先に実証された、自己触媒的疑似環構造内の相補的BL分子とのハイブリダイゼーションによる、DNAザイムの不活性化を実証する。この本実施例24(図26パネルi)において表される)では、2つの独立した自己触媒的疑似環が、同一反応試験管中に共に入れられるマルチプレックス検出反応が実証される。各カスケード反応は、各々、その特有の標的配列によって媒介される集合後に機能し得る、異なるMNAザイムによるBL内に存在する基質の切断によって開始される。環Aは、DNAザイム(Dz2)およびBLAから構成される。BLAは、Dz2の一部とハイブリダイズするその5’および3’末端の配列からなり、Dz2の一時的な不活性化をもたらす。BLAはまた、基質1および基質2aに隣接する配列からなる中間領域も含有する。基質1は、その標的アセンブリーファシリテーター(AF1)の存在下でMz1によって切断され得る。基質2aは、ひとたび、Dz2が、基質1のMz1切断によってBLAから放出されると、それによって切断することができる。
環Bは、DNAザイム(Dz4)およびBLBからなる。BLBは、Dz4の一部とハイブリダイズするその5’および3’末端の配列からなり、Dz4の一時的な不活性化をもたらす。BLBはまた、基質3および基質4aの隣接する配列からなる中間領域も含有する。基質3は、その標的アセンブリーファシリテーター(AF3)の存在下でMz3によって切断され得る。基質4aは、ひとたび、Dz4が、基質3のMz3切断によってBLBから放出されると、それによって切断することができる。各カスケード反応を独立にモニタリングするために、線形配列として、それぞれ、Dz2およびDz4による切断を個々にモニタリングするために、異なるフルオロフォアおよびクエンチャー対を用いて標識された基質2および基質4も提供される。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、BLA(配列番号68;C(R22h))は、(i)Dz2の一部(配列番号71;Dz77_55(8:9))と相補的である5’および3’末端と、(ii)2種の隣接する基質配列、基質1および基質2(Sub77_55、配列番号55)と同等であるが、3’末端「C」ヌクレオチドを欠く基質2aである、5’および3’末端を接続する中心部分から構成される。BLAは、BLAをDz2とプレハイブリダイズすることによって、Dz2の活性をブロックするために利用される。パートザイム(パートザイム1A、配列番号74;LTFRCA4/72およびパートザイム1B、配列番号75;LTFRCB5/72)およびアセンブリーファシリテーター標的(AF1、配列番号76;AF−LTFRC)からなるMNAザイム(Mz1)が、BLAの基質1部分を切断するために利用される。この標的依存性切断事象は、Dz2の放出を促進し、これによって、それがBLA内に存在する基質2aに対して作用することが可能となる。
BLB(配列番号81;C(R27a))は、(i)Dz4の一部(配列番号82;Dz3(8:9))と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質3および基質4(Sub3、配列番号83)の配列と同等である基質4aの隣接する配列である、5’および3’末端を接続する中心部分から構成される。BLBは、BLBをDz4とプレハイブリダイズすることによって、Dz4の活性をブロックするために利用される。パートザイム(パートザイム3A、配列番号84;RO5A4/56−P)およびパートザイム3B、配列番号85;RO5B5/56−P)およびアセンブリーファシリテーター標的(AF3、配列番号62;AF−RO5)からなるMNAザイム(Mz3)が、BLBの基質3部分を切断するために利用される。この標的依存性切断事象は、Dz4の放出を促進し、これによって、それがBLB内に存在する基質4aに対して作用することが可能となる。
Dz2およびDz4は両方とも、疑似環の成分ではない、それぞれ、基質2および基質4の別個の独立した型に作用できる。この実施例では、独立した基質2は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて末端標識された。独立した基質4は、5’末端でテキサスレッド(TR)部分を用い、3’末端でBlack Holeクエンチャー2(「BHQ2」)部分を用いて末端標識された。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dzの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムおよびパートザイムの触媒コアを表す。強調された塩基は、BL中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz中の塩基を表す。/3Phos/は、3’リン酸化を示す。
−反応成分
反応A、B、C、D、EおよびFは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図26パネルi)に例示される構造に関連して、表27に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。BLAおよびDz2ならびに/またはBLBおよびDz4を含有する全ての反応について、各DNAザイムおよびBLの組合せを、室温で30分間、別個に最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および45mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで52℃で2連で実施し、蛍光シグナルは、チャネル1(FAM)およびチャネル3(TxR)で測定し、合計154分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:全てのチャネル)。
−結果
図26パネルii)は、反応試験管中に別個にまたは共に入れられる場合の、2つの独立した自己触媒的DNAザイム疑似環からの蛍光シグナルを比較する結果を示す。FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質2は、Dz2によって切断され得、従って、Dz2の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。あるいは、基質4は、TxRフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識され、Dz4によって切断され得、従って、Dz4の放出および活性化は、TxRの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。グラフ「FAM」および「TxR」は、それぞれFAMおよびTxRフルオロフォアからの蛍光シグナルの概要を示す。
グラフFAMでは、環Aがそれ自体で存在し、全くAF1が存在しない反応A、(四角記号を有する線として示される、「環Aのみ、AFなし」)については、基質2の最初の極めて少ない切断しかなく、結果として、反応時間の間にFAMシグナルのわずかな増大しかない。これは、Dz2が、疑似環複合体内で不活性で維持されることを示す。これは、両方とも、1つの反応に環AおよびBを共に含有し、どのAFも存在しない(反応E)またはAF3のみ存在する(反応G)、反応E(2本の斜めの交差線および1本の垂直交差線からなる記号を有する線として示される、「環A+環B、AFなし」)および反応G(「環A+環B、AF3存在」、1本の垂直交差線および1本の水平交差線からなる記号を含有する線)との比較において示される。環Aがそれ自体で存在し、AF1も存在する反応B、(「環Aのみ、AF1存在」、菱形記号を含有する線)では、わずかな遅れとそれに続く、FAMシグナルの即時増大があり、プラトーに迅速に到達する。これは、AF1が、基質1を切断するMz1を集合させ、それによって、Dz2活性化および基質2(および基質2a)切断事象のカスケードを引き起こすことを示す。このシグナルは、1つの反応において環AおよびBの両方が一緒であり、AF1が存在する反応F(「環A+環B、AF1存在」、2本の斜めの交差線からなる記号を含有する線)のものとの比較において示される。FAMシグナルは、反応A、EおよびGのものと反応BおよびFのものの間で極めて類似しており、これは、環Bの存在が、環Aの活性に最小にしか影響を及ぼさないことおよび環BからのDz4の放出が、FAMチャネルのシグナルをもたらさないことを示し、これは、この系において応答または非特異性がないことを示す。
TxRのグラフでは、環Bがそれ自体で存在し、AF3が全く存在しない反応C、(三角記号を有する線として示される、「環Bのみ、AFなし」)については、基質4の極めて少ない切断しかなく、結果として、TxRシグナルの極めて少ない増大しかなく、これは、反応時間の最後に向けてわずかに増大し始めるだけである。これは、Dz4が、疑似環B複合体内で不活性で維持されることを示す。これは、両方とも、1つの反応において共に環BおよびAからなり、AFが全く存在しない(反応E)か、またはAF1のみが存在する(反応F)のいずれかである反応EおよびFとの比較において示される。環Bがそれ自体で存在し、AF3も存在する反応D、(「環Bのみ、AF3存在」、丸記号を含有する線)では、わずかな遅れと、それに続く、TxRシグナルの増大がある。これは、AF3が、基質3を切断するMz3を集合させ、それによって、Dz4活性化および基質4(および基質4a)切断事象のカスケードを引き起こすことを示す。このシグナルは、1つの反応において環BおよびAの両方が一緒であり、AF3が存在する反応Gのものとの比較において示される。TxRシグナルはまた、反応C、EおよびFのものと反応DおよびGのものの間で極めて類似しており、これは、環Aの存在が、環Bの活性に最小にしか影響を及ぼさないことおよび環AからのDz2の放出が、TxRチャネルのシグナルをもたらさないことを示し、これは、この系において応答または非特異性がないことを示す。反応FについてFAMチャネル中に、また反応GについてTxRチャネル中に存在するシグナルはまた、2種の標的が同時に検出され得ることを示す。
もたらされる蛍光シグナルは、環AまたはBのいずれか自体からなる反応の間で、または環AおよびBが反応試験管内で共に複合体形成される場合に同等である。これは、2種の環の間に最小の望まれない相互作用しかないことおよびそれらは2種の特有の標的配列の検出後にシグナルを増幅するよう使用され得ることを示す。
以下の実施例は、実施例19において先に実証された、自己触媒的疑似環構造内の相補的BL分子とのハイブリダイゼーションによるDNAザイムの不活性化を実証する。この本実施例25では、カスケードは、標的配列(標的1)のBL内の基質(基質1)とのハイブリダイゼーションによって開始され、これは、REの、BLに選択的にニックを入れる活性を漸加する(図27、パネルi))。基質1および標的1は各々、RE認識配列に必要な二重鎖の一方の鎖を含み、その結果、2種を共に結合すると、完全な二本鎖認識部位が結果として形成される。BL分子は、その5’および3’末端で、DNAザイム(Dz2)の一部とハイブリダイズする配列からなり、Dz2の一次的な不活性化をもたらす。BLはまた、基質1に隣接する第2の基質配列、すなわち、ひとたび、Dz2が、基質1の標的依存性RE媒介性ニッキングによってBLから放出されると、Dz2によって切断することができる基質2aを含有する。さらに、基質2は、Dz2切断反応をモニタリングするために、フルオロフォアおよびクエンチャーを用いて改変されている線形配列として提供される。標的1およびREが両方とも存在する場合にのみ、基質1にニックが入れられ、その結果、自己触媒的カスケードが開始される。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、Dz2の一部(配列番号71;Dz77_55(8:9))と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1および基質2(Sub77_55、配列番号55)と同等であるが、この配列の3’末端「C」ヌクレオチドを欠く基質2aの隣接する配列からなる5’および3’末端を接続する中心部分から構成されるBL(配列番号86;C(R39c))。BLは、BLをDz2とプレハイブリダイズすることによって、Dz2の活性をブロックするために利用される。
標的1(配列番号88;AF−(R38e))は、REの、BLの基質1部分を選択的に切断する活性を漸加するために利用される。この標的依存性切断事象は、Dz2の放出を促進し、これによって、それがBL内に存在する基質2aに対して作用することが可能となる。Dz2はまた、疑似環の成分ではない、別個の独立した基質2に作用し得る。この実施例では、この独立した基質2は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でIowa Blackクエンチャー部分(「IB」)を用いて末端標識された。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dzの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、(a)BL中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz中の塩基および(b)BLおよび標的1内の部分RE認識部位の両方を表す。
−反応成分
反応A、B、CおよびDは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図27パネルi)に例示される構造に関連して、表28に列挙される以下のオリゴヌクレオチドを含有するよう設定した。BLおよびDz2を含有する全ての反応について、これらの2種のオリゴを共に、室温で30分間最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。全ての反応物は、1×PCRバッファーII(Applied Biosystems)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および25mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで52℃で2連で実施し、蛍光シグナルは、チャネル1(FAM)で測定し、合計126分間、30秒毎に読まれるようプログラムした(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図27パネルii)は、標的1およびRE両方の存在下または不在下の蛍光シグナルを比較する結果を示す。FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質2は、Dz2によって切断され得、従って、Dzの放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。
反応A、(四角記号を有する線として示される、「REなし、標的1なし」)、反応B(菱形記号を有する線として示される「REなし、標的1存在」)および反応C(三角記号を有する線として示される、「RE存在、標的1なし」)では、基質2の極めて少ない切断しかなく、結果として、経時的にFAMシグナルの最小の増大しかない。反応AおよびBについては、これは、REが存在せず、そのため、BLとハイブリダイズするための標的1が存在するかどうかにかかわらず、依然として、基質1を切断するために利用可能であるREはなく、このDz2が、疑似環から放出されないためである。反応Cについては、REは利用可能であるが、標的1が存在せず、そのため、RE認識部位は、完成されておらず、Dz2は疑似環から放出されない。対照的に、反応D(「RE存在、標的1存在」、丸記号を含有する線)については、反応の過程を通じてFAMシグナルの段階的増大があり、これは、標的1が、基質1とハイブリダイズでき、これが二重鎖RE認識部位の形成、従って、REの、基質1に選択的にニックを入れる能力をもたらし得ることを示す。次いで、基質1のニッキングは、Dz2の放出および活性化をもたらし、Dz2活性化および基質2a切断事象の自己触媒的カスケードを引き起こす。基質2はまた、独立した蛍光標識された型として提供されるので、蛍光シグナルの蓄積が起こる。従って、この結果は、DNAザイム疑似環戦略を利用する自己触媒的カスケードが、標的依存的にRE切断によって開始され得ることを実証する。
以下の実施例は、実施例1に先に実証された、疑似環構造内の相補的BL分子とのハイブリダイゼーションによる、DNAザイムの不活性化を実証する。この本実施例26では、BL内の基質(基質1)の切断は、アプタザイム(図28、パネルi))によって起こる。アプタザイムは、アプタマードメインと共有結合によって連結されたDNAザイムドメイン(Dz1)からなる。この実施例では、アプタマーは、リガンドデオキシ−アデノシン三リン酸(dATP)と結合する。Dz1は、dATPの不在下で、Dz1と幾分かの塩基対相同性を共有するアプタマードメインの存在のために不活性にされる。しかし、dATPの存在下で、アプタマードメインは、dATPと結合でき、これは、アプタザイム構造の立体構造の変化につながる。これは、DNAザイムドメインの立体構造の変化をもたらし、Dz1の触媒活性を回復させ、その結果、ここで、Dz1は疑似環内の基質1を切断できる。基質1の切断は、疑似環からのDz2の放出をもたらし、これは、その触媒活性を回復させ、Dz2がその基質(基質2)を切断することを可能にする。基質2は、切断が、検出可能な蛍光シグナルの生成をもたらすよう、フルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識されている。ヌクレオチド三リン酸dCTP、dGTPおよびdTTPなどの密接に関連する分析物の存在下では、蛍光シグナルの増大はなく、これは、アプタザイムが、本発明のBL分子からの触媒核酸の放出を開始するよう標的特異的に活性化され得ることを示す。
−オリゴヌクレオチド
本実施例では、(i)Dz2の一部(配列番号73;Dz3(8:10))と相補的である5’および3’末端と、(ii)基質1からなる5’および3’末端を接続する中心部分とから構成されるBL(配列番号64;C(R43e))。BLは、BLをDz2とプレハイブリダイズすることによってDz2の活性をブロックするために利用される。アプタザイム分子(配列番号87;Dz1−(R40a))は、dATPの存在によって活性化される場合に、BLの基質1部分を切断するために利用される。この標的依存性切断事象は、BLからのDz2の放出を促進し、これによって、それが基質2(配列番号83;Sub3)に対して作用することが可能となる。この実施例では、基質2は、5’末端でFAM部分を用い、3’末端でIowaBlack(「IB」)部分を用いて末端標識された。
これらのオリゴヌクレオチドの配列は、以下に5’から3’で列挙される。大文字の塩基は、デオキシリボヌクレオチドであり、小文字の塩基は、リボヌクレオチドである。下線が引かれた塩基は、Dzの一部と相補的であるBL中の領域を表す。イタリック体の塩基は、BL分子内の基質配列に対応する領域を意味する。四角で囲まれた塩基は、DNAザイムの触媒コアを表す。灰色で強調されたヌクレオチドは、(a)BL中の下線が引かれた塩基と相補的であり、それによってブロックされるDz2中の塩基および(b)アプタザイム内のアプタマードメインの両方を表す。
−反応成分
反応A、B、C、DおよびEは、これまでの節において列挙されたオリゴヌクレオチドおよび図28パネルi)に例示される構造に関連して、表29に列挙される以下のオリゴヌクレオチドおよびリガンドを含有するよう設定した。全ての反応について、BLおよびDz2を共に、室温で30分間、最初にプレハイブリダイズし、その後、任意のさらなるオリゴヌクレオチドまたはリガンド成分を添加した。
オリゴは、Integrated DNA Technologies(IDT)またはBiosearch technologiesから購入した。dATP、dCTP、dGTPおよびdTTP溶液は、Biolineから購入した。全ての反応物は、1×Immobuffer(Bioline)、ヌクレアーゼ不含水(Ambion)および45mMのMgCl2(Ambion)を含有していた。全ての反応物の総容量は、25μLとした。全ての反応は、Bio−Rad(登録商標)CFX96サーモサイクラーで2連で実施した。反応は、2段階の熱サイクルプロフィール下で実施し、第1の工程は、42℃で30分間からなり、第2の工程は、52℃で60分間からなる。蛍光シグナルは、第2の工程の間、10秒毎にチャネル1(FAM)で測定した(スキャンモード:FAMのみ)。
−結果
図28パネルiii)は、疑似環DNAザイム構造のアプタザイム開始によってdATP標的分析物の存在下で特異的に活性化される蛍光シグナルを実証する。FAMフルオロフォアおよびクエンチャーを用いて標識される基質2は、Dz2によって切断され得、従って、Dz2の放出および活性化は、FAMの蛍光の変化によってモニタリングされ得る。
反応A、(四角記号を有する線として示される、「リガンドなし」)、反応C(三角記号を有する線として示される、「dCTP存在」)、反応D(丸記号を有する線として示される、「dGTP存在」)および反応E(2本の垂直交差線および1本の水平交差線からなる記号を有する線として示される、「dTTP存在」)では、基質2の極めて少ない切断しかなく、結果として、経時的にFAMシグナルの最小の増大しかない。これは、アプタザイムのDz1ドメインが、アプタマードメインの存在によって不活性にされたためである。しかし、反応B(「dATP存在」、菱形記号を含有する線)では、FAM蛍光シグナルの即時増大があり、これは、dATPが、アプタザイムのアプタマードメインと結合しており、アプタザイムの立体構造の変化をもたらしていること、その結果、Dz1ドメインがここで活性であることを示す。次いで、活性Dz1は、疑似環のBL内に存在する基質1を切断できる。次いで、Dz2は、疑似環のBLから放出され、基質2を切断し、蛍光シグナルの増大をもたらすことができる。その他の密接に関連するヌクレオチド三リン酸分子ではなく、dATPの存在からのシグナルは、アプタザイムが、標的依存的なBL分子からの触媒核酸の放出を特異的に開始する酵素として使用され得、従って、カスケード反応を開始するために有用であり得ることを示す。