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JP6328322B2 - すべり軸受を有する圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、すべり軸受を有する圧縮機に関し、特に、低速から高速まで運転するワイドレンジ駆動のスクロール圧縮機に関する。
回転機械には回転体に作用する荷重を支持する軸受が設けられている。軸受には転がり軸受とすべり軸受との2種類がある。すべり軸受は軸と軸受との間に油膜を形成し、くさびの効果により油膜圧力を発生させて軸受荷重を支持する構造である。一般的に油膜圧力は回転数が高い場合に発生しやすく、油膜圧力が発生すると、軸と軸受とが油膜で分離されて互いの接触を回避できるため、軸と軸受との摩耗及び焼付きは発生しない。一方、回転数が小さい場合には油膜圧力が発生しにくくなり、油膜厚さが薄くなるため、軸と軸受との接触による摩耗及び焼付きの発生が懸念される。
ところで、冷媒圧縮機を搭載する空気調和機は、空調対象となる空間(部屋)の最大空調負荷に合わせて選定されることが多い。そして、実際の運転時(実運転時)には、建物の高断熱化による効果、及び、空調対象の部屋に設置されている内部機器からの発熱などにより、低負荷領域での運転が多くなる。また、低外気温時にも低能力での冷房運転が必要になってくる。
このため、空気調和機に使用される圧縮機は、低速回転域での運転頻度が増すことになる。また、従来より、圧縮機の行程容積を小さくして、低速から従来機と同等の最大負荷に相当する超高速まで運転できるワイドレンジ駆動とし、実運転時において高効率で運転できる圧縮機開発への取り組みが行われている。
更に、低負荷領域での効率をより高めるため、従来の圧縮機における最低回転数(例えば30Hz)よりも低い超低速運転を実現すると共に、低速運転時における軸受等のしゅう動部での摩擦損失の低減を図る取り組みも行われている。
しかし、すべり軸受を用いた従来の圧縮機では、低速で運転すると、軸と軸受との間の隙間内での動圧発生効果が小さくなり、これに伴い油膜厚さが小さくなって混合潤滑領域に移行しやすい。このため、軸受における摩擦係数が上昇し、摩擦損失を低減できないという課題がある。また、軸受しゅう動部材における耐焼付き性、耐摩耗性の向上を図る必要もある。
そこで、圧縮機内部のしゅう動部材における低摩擦係数化及び耐摩耗性の向上を図るものが提案されている。油膜厚さを確保し、流体潤滑で運転するために、例えば、特許文献1には、軸が挿入される軸受部材の円筒状孔内面に樹脂製の動圧溝を形成することが記載されている。また、特許文献2には、軸受部材の円筒状孔内面に、軸受部材よりも線膨張係数が高い樹脂を埋設し、軸と軸受部材とのしゅう動による摩擦熱に起因して樹脂を円筒状孔内面から突出させ、樹脂の固体潤滑効果によりしゅう動を容易にすることができるとの記載がされている。
特開2013−253650号公報 実開昭58−193122号公報
上記特許文献1に記載の技術では、軸の回転数(運転周波数)について言及されておらず、低速運転の場合と高速運転の場合とで油膜厚さが変わる可能性について考慮されていない。すなわち、例えば30Hz未満の超低速の運転範囲で圧縮機を運転した場合に、動圧溝の作用により油膜厚さを保ち、流体潤滑で運転することが可能な設計とされていると仮定すると、高速運転時では以下の不都合が生じる。つまり、動圧溝が低速運転にあわせて設計されていると、高速運転では油膜厚さが厚くなり過ぎ、油膜の粘性抵抗(せん断抵抗)による軸受損失が増大する可能性がある。つまり、低速運転に合わせた軸受設計を行った結果、高速運転において不都合が生じる。
圧縮機では、低速から高速まで広い運転範囲で流体潤滑を確保することが求められており、逆に、高速運転に合わせて軸受設計した場合、今度は低速での油膜圧力不足による焼付きの発生が懸念される。
また、上記特許文献2に記載の技術では、樹脂の固体潤滑効果によりしゅう動を容易にするとある。しかし、油を使用しない無潤滑の軸受であるために、摩擦係数は概ね0.05程度と想定される。通常、圧縮機に配置される軸受には油が使用され、摩擦係数は0.005程度である。樹脂の固体潤滑効果による摩擦係数は、油を使用する場合と比べると格段に高く、油を使用しない場合の摩擦損失の増大は免れない。また、上記特許文献2に記載の技術では油を使用しないために軸受部の冷却を期待できず、軸受部で摩擦熱が上昇し焼付きや異常摩耗の発生が懸念される。
本発明は上記課題を解決するものであり、広い運転範囲において、低損失と高信頼性を確保することが可能なすべり軸受を有する圧縮機を得ることを目的とする。
本発明に係るすべり軸受を有する圧縮機は、軸と、軸を回転自在に軸支するすべり軸受と、軸の一方の端部に設置されて軸の回転によって作動するポンプを有し、ポンプから軸の内部を通り、すべり軸受に油を供給する給油構造とを備え、すべり軸受は、軸が回転自在に挿入される軸受部と、軸受部において軸が挿入される内周部に形成された凹部又は軸の外周部に形成された凹部に挿入され、軸受部よりも大きい線膨張係数を有して、温度上昇により凹部から突出する高さが増大する第1しゅう動部材とを備え、第1しゅう動部材の形状が、軸の回転方向に向けて先細りとなるV字形状であるものである。
本発明によれば、広い運転範囲において、低損失と高信頼性を確保することが可能なすべり軸受を有する圧縮機を得ることができる。
本発明の実施の形態1に関わるスクロール圧縮機の構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受の横断面図である。 本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受からしゅう動部材を取り外した状態を示す図で、(a)は図2のA矢視図、(b)は横断面展開図である。 本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受を示す図で、(a)は図2のA矢視図、(b)は横断面展開図である。 一般のすべり軸受に軸が挿入された状態の横断面図である。 一般のすべり軸受において軸の回転数が摩擦係数に及ぼす影響を示したグラフである。 本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受の動作形態を示した模式図である。 図7の左下図において一点鎖線で囲った部分の拡大斜視図である。 本発明の実施の形態1に関わるスクロール圧縮機の回転数に応じて動圧溝が摩擦係数に及ぼす影響を示すグラフと、回転数に応じた温度上昇を示すグラフとを示す図である。 本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受の変形例を示す図で、(a)はすべり軸受の縦断面図、(b)はすべり軸受の横断面展開図である。 図11のすべり軸受のしゅう動部材が突出した場合のすべり軸受及び軸の横断面展開図である。 本発明の実施の形態2に関わるすべり軸受を示す図で、(a)はすべり軸受の縦断面図、(b)はすべり軸受の横断面展開図である。 本発明の実施の形態3に関わるすべり軸受を示す図で、(a)はすべり軸受の縦断面図、(b)はすべり軸受の横断面展開図である。 本発明の実施の形態4に関わるすべり軸受の縦断面図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に関わるスクロール圧縮機の構成を模式的に示す縦断面図である。
このスクロール圧縮機100は、冷媒等の流体を吸入し、圧縮して高温及び高圧の状態として吐出させる機能を有している。スクロール圧縮機100は、圧縮機構部10と主軸6を介して圧縮機構部10を駆動する電動機20と、その他の構成部品とを有し、これらが外郭を構成する密閉容器13の内部に収納された構成を有している。そして、密閉容器13の下方は、潤滑油を貯留する油溜め14となっている。
密閉容器13には更に、上部ハウジング8aと下部ハウジング8bとが配置されている。上部ハウジング8aは、圧縮機構部10の下側に配置されて圧縮機構部10と電動機20との間に位置しており、下部ハウジング8bは、電動機20の下側に位置している。上部ハウジング8a及び下部ハウジング8bは、焼き嵌め又は溶接等によって密閉容器13の内周面に固着されている。上部ハウジング8a及び下部ハウジング8bの中央部には貫通孔が設けられており、この貫通孔に設けた主軸受19及び副軸受11に主軸6が回転自在に支持されている。
密閉容器13には、流体を吸入するための冷媒吸入管15と、流体を吐出するための冷媒吐出管16とが設けられている。
圧縮機構部10は、冷媒吸入管15から吸入した流体を圧縮し、密閉容器13内の上方に形成されている高圧空間13aに排出する機能を有している。圧縮機構部10は、固定スクロール1と揺動スクロール2とを備えている。固定スクロール1は下側に配置された上部ハウジング8aを介して密閉容器13に固定されている。揺動スクロール2は固定スクロール1と上部ハウジング8aとの間に配置され、主軸6に揺動自在に支持されている。
固定スクロール1は、第1台板1aと、第1台板1aの一方の面に立設された第1渦巻突起1bとを備えている。揺動スクロール2は、第2台板2aと、第2台板2aの一方の面に立設された第2渦巻突起2bとを備えている。固定スクロール1及び揺動スクロール2は、第1渦巻突起1bと第2渦巻突起2bとを互いに噛み合わせた状態で密閉容器13内に装着されている。そして、第1渦巻突起1bと第2渦巻突起2bとの間には、主軸6の回転に伴い、容積が半径方向内側へ向かうにしたがって縮小する圧縮室5が形成されている。固定スクロール1において、圧縮室5の外周側には冷媒吸入管15から吸入された冷媒を圧縮室5内に供給する吸入口3が形成されている。また、固定スクロール1の中央部には、圧縮されて高圧となった流体を吐出する吐出口4が形成されている。
揺動スクロール2は、固定スクロール1に対して自転することなく偏心旋回運動を行うようになっている。また、揺動スクロール2の第2渦巻突起2b形成面とは反対側の面(以下、スラスト面と称する)の略中心部には、駆動力を受ける中空円筒形状の揺動軸受17が配置されている。揺動軸受17には、主軸6の上端に設けられた後述の偏心軸6aが嵌入(係合)されている。揺動スクロール2はスラスト軸受18を介して上部ハウジング8aに下方からしゅう動自在に支持されている。
電動機20は、ロータ20aとステータ20bとを備えている。ステータ20bは、通電されることによってロータ20aを回転駆動させる機能を有している。また、ステータ20bは、略円筒形状に形成されており、外周面が焼き嵌め等により密閉容器13に固着支持されている。ロータ20aは、主軸6の外周に固定されており、内部に永久磁石を有し、ステータ20bと僅かな隙間を隔ててステータ20bの内側に回転可能に保持されている。そして、ロータ20aは、ステータ20bに通電がされることにより回転駆動し、主軸6を回転させる。つまり、ロータ20aが回転することにより、圧縮機構部10に、主軸6を介して回転動力が伝達されることとなる。
主軸6は、上側が上部ハウジング8aに設けた主軸受19で回転可能に支持され、下側が下部ハウジング8bに設けた副軸受11で回転可能に支持されている。また、主軸6は、上端部に偏心軸6aを有し、偏心軸6aが揺動スクロール2の揺動軸受17と嵌め合わされ、主軸6の回転により揺動スクロール2を偏心旋回運動させるようになっている。また、主軸6の上部にはバランサ6bが突設されると共に、主軸6には軸心方向に貫通して給油孔7aが形成されている。主軸6の下端部にはポンプ7bが設置されている。ポンプ7bは、上面開口が主軸6の下端部に嵌合され、下端開口が油溜め14の潤滑油中に浸漬されており、油溜め14に貯溜された油を上方に吸い上げて給油孔7aに供給する。給油孔7aとポンプ7bとにより給油機構7が構成されている。
そして、密閉容器13内には、揺動スクロール2の偏心旋回運動中における揺動スクロール2の自転を防止するためのオルダム継手12が揺動スクロール2と上部ハウジング8aとの間に配置されている。上部ハウジング8aには、オルダム継手12に供給された潤滑油を油溜め14に返油する返油パイプ9が接続されている。
次に動作について説明する。電動機20のロータ20aと共に主軸6が回転すると、揺動スクロール2はオルダム継手12により自転を阻止されながら公転運動を行う。冷媒吸入管15から密閉容器13内に吸入されたガス冷媒は、固定スクロール1に設けられた吸入口3を介して固定スクロール1の第1渦巻突起1bと揺動スクロール2の第2渦巻突起2bとの間に形成された圧縮室5に取り込まれる。そして、ガス冷媒を取り込んだ圧縮室5は、揺動スクロール2の公転運動に伴い、外周部から中心側に移動しながら次第に容積を減じ、冷媒ガスを圧縮する。そして、圧縮された冷媒ガスは、吐出口4及び冷媒吐出管16を通じて機外の冷媒配管内へ圧送される。
このようにして密閉容器13内の冷媒が外部へ吐出されるので、密閉容器13内は負圧となり、機外の冷媒配管からの冷媒は冷媒吸入管15を通じて吸入されて、電動機20を冷却した後、吸入口3から圧縮室5に吸入される。
また、油溜め14の潤滑油は、給油機構7のポンプ作用により給油孔7aを通じて主軸6の上端部へ送られて副軸受11、主軸受19、揺動軸受17を潤滑する。ここで、ポンプ7bは主軸6の回転数に比例して給油流量が増加する容積型である。容積型を用いると、回転数が高いほど給油流量が多くなるため軸受の冷却効果が増加する。なお、軸受の冷却効果の観点からポンプ7bには容積型ポンプを用いることが好ましいが、ポンプ7bは容積型ポンプに限られず、非容積型ポンプでも良い。揺動軸受17を経由した潤滑油は主軸受19及びオルダム継手12に供給されて、これらしゅう動部を潤滑する。また、オルダム継手12に供給された潤滑油は返油パイプ9を経て油溜め14に戻される。
次に、揺動軸受17及び主軸受19について説明する。揺動軸受17及び主軸受19にはすべり軸受が採用されており、潤滑油がすべり軸受に供給されると、軸(主軸6、偏心軸6a)とすべり軸受との間の隙間に油膜が形成される。そして、油膜により軸とすべり軸受とが分離され、すべり軸受は非接触で軸に作用する荷重を支持する。
図2は、本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受の横断面図である。図3は、本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受からしゅう動部材を取り外した状態を示す図で、(a)は図2のA矢視図、(b)は横断面展開図である。展開図は軸受の幅方向(図3(a)の上下方向)の中心で切断した断面を0°の位置から平面に展開した様子を表している。図4は、本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受を示す図で、(a)は図2のA矢視図、(b)は横断面展開図である。
すべり軸受30は、軸が回転自在に挿入される円筒状の内周部を有する軸受部31と、しゅう動部材32とを有する。軸受部31には、A矢視図に示すように内周面にV字状の凹部31aが周方向に複数、並設されている。凹部31aの高さをhとする。凹部31aには、凹部31aと同形状のしゅう動部材(第1しゅう動部材)32が挿入されている。
しゅう動部材32は、凹部31aの深さと同様の高さhを有しており、図4に示すようにすべり軸受30の内周面は段差がなく平滑である。すなわち、すべり軸受30の内周面は、凹部31aにしゅう動部材32が設置された部分も含めて面一となっている。しゅう動部材32は、軸受部31よりも線膨張係数が高い材料で構成されている。軸受部31の材質は例えば金属、しゅう動部材32は金属よりも線膨張係数が高い材質として例えば樹脂が挙げられる。固体潤滑効果を有する樹脂のしゅう動部材32を適用することで、軸としゅう動部材32とが接触した場合においても低摩擦係数を維持できるという利点もある。
ここで、図2〜図4に示した本実施の形態1のすべり軸受30の動作を説明するに先立ち、一般のすべり軸受の軸回転時のしゅう動の様子を説明する。
図5は、一般のすべり軸受に軸が挿入された状態の横断面図である。
軸40が図5において左回りに回転すると仮定すると、軸40とすべり軸受41との間の隙間に満たされている潤滑油は、軸40の回転に伴い、矢印に示すようにすべり軸受41の内周面においてA°の位相の位置からB°の位相の位置に向かって引き込まれる。ここで、A°の位相の位置からB°の位相の位置に向かって引き込まれる潤滑油の流路は、流路断面積が徐々に狭まるくさび形状であり、それ故、油膜圧力が発生する。くさび形状による油膜圧力は、軸40の回転数が大きいほど大きくなる。
反対に回転数が小さくなると油膜圧力が小さくなる。このため、回転数が小さい場合、すべり軸受41に作用する荷重を支持できず、B°の位相の位置での油膜厚さが薄くなり、軸40がすべり軸受41に接触する。
図6は、一般のすべり軸受において軸の回転数が摩擦係数に及ぼす影響を示したグラフである。図6において横軸は回転数、縦軸は摩擦係数である。
一般的にすべり軸受41において軸40とすべり軸受41とが油膜で隔てられている場合、潤滑油の粘性抵抗のみが軸40の摩擦力として作用し、摩擦係数は0.001〜0.009の範囲にある。しかし、回転数が小さくB°の位相の位置で軸40とすべり軸受41とが接触した場合、固体接触の摩擦係数は一般的に0.01〜0.1程度となり、粘性抵抗による摩擦係数に比べて大きくなる。ここで、摩擦損失L[W]は式1で表される。
[数1]
L=μFV ・・・ (式1)
ここで、μは摩擦係数、Fは荷重[N]、Vはすべり速度[m/s]である。
このように、回転数が小さい場合には軸40がすべり軸受41に接触し、摩擦損失による発熱が生じる。このような発熱は、潤滑油、軸40、すべり軸受41の温度を上昇させ、焼付きの原因となる。
そこで、本実施の形態1では、このように回転数が小さい場合すなわち低速運転の場合の焼付きを抑制するために、上述したようにすべり軸受30の軸受部31の内周部に凹部31aを設けると共に、凹部31a内に軸受部31よりも線膨張係数が高いしゅう動部材32を配置した構成としている。なお、例えば60rps未満が低速運転、60〜120rpsが高速運転に相当する。
しゅう動部材32は、上述したように軸受部31よりも線膨張係数が大きい材料で形成されているため、運転中に軸との接触により摩擦熱が生じると、その摩擦熱に起因した温度上昇により膨張し、凹部31aからすべり軸受30の内周面方向に突出する挙動を示す。この挙動について、以下、図7及び図8を参照して詳述する。
図7は、本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受の動作形態を示した模式図である。図7において軸60(主軸6、偏心軸6a)の中心の空洞部分と空洞部分から半径方向に延びる部分は給油穴を示している。また、図7において薄いドットで示した部分は潤滑油を示している。図8は、図7の左下図において一点鎖線で囲った部分の拡大斜視図である。ここで、軸60の回転方向は、凹部31aのV字が先細りとなる方向に(図8では左から右に向かう方向)に限定される。よって、V字が先細りとなる方向に油の流れが発生する。
運転停止時は、しゅう動部材32が変形せず、すべり軸受30の内周面は平滑を維持している。
(低速運転)
図7の(a)に示すように、低速運転の開始初期は、潤滑油の流量が少なく、また軸60の回転数が小さいため、軸60がすべり軸受30に接触し、摩擦損失による発熱が生じる。
ここで、図7の(a)に示すように、B°位相の近辺で軸60がすべり軸受30に接触すると、B°位相の近辺に配置されたしゅう動部材32が図7の(b)及び図8に示すように摩擦熱により膨張して突出する。しゅう動部材32が突出することで、しゅう動部材32が突出していない部分が溝となり、この溝が動圧溝として機能する。すなわち、しゅう動部材32が突出することで、まず、しゅう動部材32の表面が軸60に接触するが、同時に、動圧溝の作用により、図8の点線矢印に示すようにすべり軸受30の幅方向の中心に向かう潤滑油の流れができる。この潤滑油の流れによって、すべり軸受30の幅方向の中心部において、油膜圧力が発生し、軸60に作用する荷重を支持できるようになる。このため、しゅう動部材32と軸60との間に油膜が形成されて互いに非接触となり、軸60は、流体潤滑でしゅう動できるようになる。
例えば、しゅう動部材32の熱膨張係数を10×10−5[/K]とし、高さhが1[mm]の場合に、摩擦熱による温度上昇が50[K]あれば、しゅう動部材32の突出高さは5[μm]となる。しゅう動部材32の突出高さが2〜10[μm]となるような設計をすれば軸60は流体潤滑でしゅう動できるようになる。また、しゅう動部材32が突出してすぐは軸60に接触するが、樹脂の持つ固体潤滑効果により摩耗は抑制される。固体潤滑効果を有する樹脂として、例えばフッ素、POM、PPS等が挙げられる。後述のしゅう動部材33、34、35も同様の素材で構成できる。また、軸受部31の材料は例えば、鉄、銅、アルミ等が挙げられる。
以上のように、低速運転で軸60とすべり軸受30とが接触する条件において、しゅう動部材32が膨張して軸受部31の内周面から軸60側に向けて突出し、動圧溝を出現させることができる。そして、この動圧溝の作用によりしゅう動部材32と軸60との間に油膜が形成され、摩擦係数の上昇、摩耗及び焼付きを抑制することができる。
(高速運転)
高速運転においては、潤滑油の流量が多く、また軸60の回転数が大きく、くさび形状の流路の効果により油膜圧力が発生する。このため、軸60とすべり軸受30との接触を回避でき、高い摩擦熱が発生しない。したがって、しゅう動部材32が摩擦熱で膨張する量はごくわずかとなり、しゅう動部材32の高さは凹部31aの高さと同一のままかもしくは若干高い程度となる。つまり、すべり軸受30の内周面は平滑面もしくは若干動圧溝が形成される程度となっており、軸60がすべり軸受内部で偏心したことによるくさび効果で、油膜圧力が発生し、軸受荷重を支持することができる。また、すべり軸受30の内周面が平滑面もしくは若干動圧溝が形成される程度となることで、従来の動圧溝で発生するような不要な粘性抵抗を軽減でき、軸受損失を低く維持できる。以上の関係をグラフで表したのが次の図9である。
図9は、本発明の実施の形態1に関わるスクロール圧縮機の回転数に応じて動圧溝が摩擦係数に及ぼす影響を示すグラフと、回転数に応じた温度上昇を示すグラフとを示す図である。図9において横軸は回転数[rps]、左縦軸は摩擦係数[μ]、右縦軸は温度上昇ΔT[K]を示している。図9において(a)〜(c)は軸の回転数と摩擦係数との関係を示すグラフで、(a)は本実施の形態1の場合、(b)は動圧溝ありの場合、(c)は動圧溝なしの場合、を示している。図9において(d)は、軸の回転数に応じた温度上昇ΔTを示すグラフである。
低速運転では動圧溝が形成されて油膜圧力が発生するため、動圧溝がない場合(図9(c))に比べて、動圧溝がある場合(図9(a)、(b))は、約15[rps]から更に低速運転まで摩擦係数を低く維持できる(図9の矢印A)。また、高速運転では動圧溝が発生しないもしくは高さが低い。このため、動圧溝がある場合(図9(a)、(b))に比べて、動圧溝がない場合(図9(c))の方が、摩擦係数が低くなる(図9の矢印B)。
なお、本実施の形態1では凹部31a及びしゅう動部材32の形状をV字状としたが、動圧効果を発現できる形状であればV字状に限定されるものではない。以下の図10、図11に凹部31a及びしゅう動部材32の他の形状例を示す。
図10は、本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受の変形例を示す図である。
図10(a)は、凹部31aの形状を軸の回転方向に向けて突出する円弧状とした例を示している。また、図10(b)は、凹部31aを、軸受部31の軸方向の中心部を境として一対で構成し、軸受部31の軸方向の両端部から中心部に向かうに連れて軸の回転方向に傾斜する斜線状に構成した例を示している。図10(a)及び図10(b)のどちらにおいても、凹部31aにはこれと同形状のしゅう動部材32が挿入される。しゅう動部材32の形状を図10(a)及び図10(b)に示す形状としても、V字状とした場合と同様の作用効果を得ることができる。
図11は、本発明の実施の形態1に関わるすべり軸受の変形例を示す図で、(a)はすべり軸受の縦断面図、(b)はすべり軸受の横断面展開図である。図12は、図11のすべり軸受のしゅう動部材が突出した場合のすべり軸受及び軸の横断面展開図である。
図11(b)の横断面展開図に示すように凹部31a及びしゅう動部材32において軸60の回転方向に対して手前側の高さh1は軸60の回転方向に対して奥側の高さh2よりも低い。この構成により、しゅう動部材32が膨張して軸受部31の内周面から軸60側に向けて突出したときに、図12に示すように軸60の回転方向に対して奥側の方が手前側よりも軸受の内周面からの突出高さが高くなる。この構成によりしゅう動部材32と軸60との隙間で潤滑油の流路が狭まることにより、油膜圧力を大きく発生させることができる。なお、軸60が回転していない状態(非回転時)では、図11(b)に示すように凹部31aにしゅう動部材32が設置された部分も含めて軸受部31の内周面が面一となっている。
以上説明したように本実施の形態1によれば、軸受部31の内周部に設けた凹部31aに軸受部31よりも大きい線膨張係数を有するしゅう動部材32を挿入した構成とし、しゅう動部材32の温度が高くなるにつれ、しゅう動部材32の膨張により動圧溝を出現させて動圧効果が高くなるようにした。
このため、低速運転では、運転開始初期において油膜圧力が発生せず、軸60と軸受部31とが接触して摩擦熱が高くなり、しゅう動部材32の温度が上昇する。その結果、動圧溝の効果により流体潤滑で運転でき、軸受損失を低減して軸受の摩耗及び焼付きを抑制することができる。
また、高速運転では、ポンプ7bから供給される潤滑油が増加し、潤滑油の冷却効果により摩擦で発生する熱を抑えられるため、しゅう動部材32の変形量をごくわずかに抑えられる。また、高速運転では、すべり軸受30の内周面は平滑もしくはわずかにしゅう動部材32が突出しており、軸60がすべり軸受内部で偏芯したことによるくさび効果で油膜圧力が発生し、軸受荷重を支持することができる。
また、高速運転では、すべり軸受30の内周面が平滑もしくはしゅう動部材32がわずかに突出しているのみであるため、動圧溝による不要な粘性抵抗を軽減でき軸受損失を小さく維持できる。なお、図示しないが凹部31aを、軸受部31の内周部に代えて軸60の外周部に設け、軸60の外周部に設けた凹部31aにしゅう動部材32を取付けても、同様の効果が得られる。
以上より、広い運転範囲において、低損失と高信頼性を確保することが可能なすべり軸受30を得ることができる。
また、しゅう動部材32の材料が樹脂であり、軸60がしゅう動部材32に接触した際の摩擦係数が金属よりも小さくなるため、低速運転において動圧効果が発生して流体潤滑に移行するまでの混合潤滑状態において、摩擦損失を低減することができる。
実施の形態2.
本実施の形態2は、しゅう動部材の高さが実施の形態1と異なるものである。以下、本実施の形態2が実施の形態1と異なる点を中心に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施の形態2についても同様に適用される。
図13は、本発明の実施の形態2に関わるすべり軸受を示す図で、(a)はすべり軸受の縦断面図、(b)はすべり軸受の横断面展開図である。図13は、軸60が回転していない状態を示しており、この状態において実施の形態2のしゅう動部材(第1しゅう動部材)33は、すべり軸受30の内周面よりも突出する高さに形成されており、この点が実施の形態1と異なる。そして、しゅう動部材33が突出していない部分は溝となり、この溝が、動圧溝となる。よって、圧縮機の通常の運転範囲のうち高速運転に相当する例えば60〜120rpsの運転においてすべり軸受30は動圧溝の効果を有するため、高速運転において軸60は流体潤滑でしゅう動することが可能である。なお、軸60が回転していない状態における、しゅう動部材33のすべり軸受30の内周面からの突出高さh3は、高速運転時に動圧溝の効果により適正な油膜厚さが形成される高さに設定され、油膜が厚くなり過ぎて軸受損失の増大が生じないようにしている。
一方、低速運転(例えば、60rps未満)においては、運転開始初期において、高速運転時に比べて油膜厚さが薄くなり、軸60がすべり軸受30の内周部に設置されたしゅう動部材32に接触してしゅう動する。このしゅう動により摩擦熱が発生し、摩擦熱に起因したしゅう動部材32の膨張により、しゅう動部材32の高さが高くなる。言い換えれば、低速運転の運転開始初期以降では、高速運転時に比べて動圧溝の高さが高くなる。したがって、低速運転では、高速運転の場合よりも動圧溝の効果が大きくなり、油膜圧力が発生し、流体潤滑を維持できるようになる。この効果は、例えば30rps以下の超低速運転においても同様に得られる。
以上説明したように本実施の形態2によれば、低速運転から高速運転の広い運転範囲において、軸受損失の低減と高信頼性を確保することが可能である。
実施の形態3.
本実施の形態3は、実施の形態2と同様にしゅう動部材の高さが実施の形態1と異なるものであり、しゅう動部材34の高さが、すべり軸受30の内周面よりも低く形成されているものである。以下、本実施の形態3が実施の形態1と異なる点を中心に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施の形態3についても同様に適用される。
図14は、本発明の実施の形態3に関わるすべり軸受を示す図で、(a)はすべり軸受の縦断面図、(b)はすべり軸受の横断面展開図である。図14は、軸60が回転していない状態を示しており、この状態において実施の形態3のしゅう動部材(第1しゅう動部材)34は、すべり軸受30の内周面よりも低い高さに形成されており、この点が実施の形態1と異なる。そして、しゅう動部材34が低い部分は溝となり、この溝が、動圧溝となる。よって、圧縮機の通常の運転範囲のうち高速運転に相当する例えば60〜120rpsの運転においてすべり軸受30は動圧溝の効果を有するため、高速運転において軸60は流体潤滑でしゅう動することが可能である。なお、軸60が回転していない状態における、しゅう動部材33のすべり軸受30の内周面からの凹み高さh4は、高速運転時にわずかながら膨張したしゅう動部材34が軸受部31の内周面と面一となるように設定され、油膜が厚くなり過ぎて軸受損失の増大が生じないようにしている。
一方、低速運転(例えば、60rps未満)においては、運転開始初期において、高速運転時に比べて油膜厚さが薄くなり、軸60が軸受部31の内周面に接触してしゅう動する。このしゅう動により摩擦熱が発生し、摩擦熱に起因したしゅう動部材32の膨張により、しゅう動部材32の高さが高くなり、軸受部31の内周面から突出する。したがって、低速運転では、高速運転の場合よりも動圧溝の効果が大きくなり、油膜圧力が発生し、流体潤滑を維持できるようになる。この効果は、例えば30rps以下の超低速運転においても同様に得られる。
以上説明したように本実施の形態3によれば、低速運転から高速運転の広い運転範囲において、軸受損失の低減と高信頼性を確保することが可能である。
実施の形態4.
本実施の形態4は、実施の形態1のすべり軸受30に更にしゅう動部材を備えた構成を有するものである。以下、本実施の形態4が実施の形態1と異なる点を中心に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施の形態4についても同様に適用される。
図15は、本発明の実施の形態4に関わるすべり軸受の縦断面図である。
本実施の形態4のすべり軸受30は、実施の形態1のすべり軸受30の軸方向の両端に、しゅう動部材32と同一素材で形成されたリング状のしゅう動部材(第2しゅう動部材)35が挿入された構成を有するものである。
このように構成された実施の形態4のすべり軸受30において、圧縮機の通常運転範囲のうち高速運転に相当する例えば60〜120rpsの条件では、実施の形態1と同様にくさびの効果により油膜圧力が発生し、かつ、ポンプ7bから供給される潤滑油が増加し、潤滑油の冷却効果により摩擦で発生する熱を抑えられる。このため、軸60とすべり軸受30との接触による摩擦熱が小さく抑えられる。したがって、しゅう動部材32の高さは凹部31aの高さと同一もしくは若干高い程度である。よって、動圧溝で発生するような不要な軸受損失が発生せず、損失を低く維持できる。
また、低速運転(例えば、60rps未満)の運転開始初期においては、油膜圧力が小さく、油膜圧力が発生しにくくなるため、すべり軸受30に作用する荷重を支持できず、油膜厚さが薄くなり、軸がすべり軸受30に接触する。接触する際の摩擦熱に起因したすべり軸受30の温度上昇により、V字状のしゅう動部材32及びリング状のしゅう動部材35の両方がすべり軸受30の内側に向けて次第に突出する。
しゅう動部材32が突出することによって、各しゅう動部材32同士の間に動圧溝が形成される。また、しゅう動部材35が突出することによって、動圧溝の両端が、しゅう動部材35によって閉塞された状態となる。したがって、すべり軸受30の軸方向両端からすべり軸受外部への潤滑油の流出量が小さくなる。その結果、動圧効果を大きく確保できるため低速運転において流体潤滑を確保できるようになる。
以上説明したように、本実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、すべり軸受30の軸方向の両端にリング状のしゅう動部材35を設けたことで、更に以下の効果が得られる。すなわち、低速運転において、動圧溝の両端が、しゅう動部材35によって閉塞された状態となり、すべり軸受30の軸方向両端からすべり軸受外部への潤滑油の流出量が小さくなる。その結果、動圧効果を大きく確保できるため低速運転において流体潤滑を確保できるようになる。
なお、しゅう動部材35の素材はしゅう動部材32と同一素材としたが、同一素材に限られたものではなく、異なる素材でもよい。
なお、実施の形態4では、実施の形態1のすべり軸受30に対してしゅう動部材35を設けた構成について説明したが、実施の形態2及び実施の形態3のすべり軸受30に対してしゅう動部材35を設けた構成としてもよい。
実施の形態2のすべり軸受30に対してしゅう動部材35を設けた場合の具体的な構成としては、軸60が回転していない状態において、しゅう動部材35のすべり軸受30の内周面からの突出高さh3(図13(b)参照)を、同状態におけるしゅう動部材35の突出高さと同じとする。これにより、実施の形態2と同様の効果が得られると共に、しゅう動部材35を設けたことで、低速運転及び高速運転の両方において、動圧溝の両端が、しゅう動部材35によって閉塞された状態となり、すべり軸受30の軸方向両端からすべり軸受外部への潤滑油の流出量が小さくなる。その結果、動圧効果を大きく確保できるため低速運転及び高速運転の両方において、しゅう動部材35を設けない場合に比べて更に流体潤滑を確保できるようになる。
また、実施の形態3のすべり軸受30に対してしゅう動部材35を設けた場合の具体的な構成としては、軸60が回転していない状態において、しゅう動部材35のすべり軸受30の内周面からの凹み高さh4(図14(b)参照)を、同状態におけるしゅう動部材33の凹み高さと同じとする。これにより、実施の形態3と同様の効果が得られると共に、しゅう動部材35を設けたことで、低速運転において、動圧溝の両端が、しゅう動部材35によって閉塞された状態となる。これにより、すべり軸受30の軸方向両端からすべり軸受外部への潤滑油の流出量が小さくなる。その結果、動圧効果を大きく確保できるため、低速運転において、しゅう動部材35を設けない場合に比べて更に流体潤滑を確保できるようになる。
なお、上記の実施の形態1〜4では、圧縮機の通常の運転範囲のうち60〜120rpsを高速運転、60rps未満を低速運転、30rps未満を超低速運転として説明したが、これは一例を示したに過ぎず、この数値に限定されるものではない。
また、上記の実施の形態1〜4では、圧縮機がスクロール圧縮機である構成を説明したが、本発明のすべり軸受は、ロータリー圧縮機等、他の形式の圧縮機にも適用可能である。
また、上記の実施の形態1〜4においてそれぞれ別の実施の形態として説明したが、各実施の形態の特徴的な構成及び変形例を適宜組み合わせてすべり軸受を構成してもよい。例えば、実施の形態1の図10に示した変形例と実施の形態4とを組み合わせ、図15のしゅう動部材32を図10(a)の円弧状又は図10(b)の斜線状としてもよい。
1 固定スクロール、1a 第1台板、1b 第1渦巻突起、2 揺動スクロール、2a 第2台板、2b 第2渦巻突起、3 吸入口、4 吐出口、5 圧縮室、6 主軸、6a 偏心軸、6b バランサ、7 給油機構、7a 給油孔、7b ポンプ、8a 上部ハウジング、8b 下部ハウジング、9 返油パイプ、10 圧縮機構部、11 副軸受、12 オルダム継手、13 密閉容器、13a 高圧空間、14 油溜め、15 冷媒吸入管、16 冷媒吐出管、17 揺動軸受、18 スラスト軸受、19 主軸受、20 電動機、20a ロータ、20b ステータ、30 すべり軸受、31 軸受部、31a 凹部、32 しゅう動部材、33 しゅう動部材、34 しゅう動部材、35 しゅう動部材、40 軸、41 軸受、60 軸、100 スクロール圧縮機。

Claims (11)

  1. 軸と、
    前記軸を回転自在に軸支するすべり軸受と、
    前記軸の一方の端部に設置されて前記軸の回転によって作動するポンプを有し、前記ポンプから前記軸の内部を通り、前記すべり軸受に油を供給する給油構造とを備え、
    前記すべり軸受は、前記軸が回転自在に挿入される軸受部と、前記軸受部において前記軸が挿入される内周部に形成された凹部又は前記軸の外周部に形成された凹部に挿入され、前記軸受部よりも大きい線膨張係数を有して、温度上昇により前記凹部から突出する高さが増大する第1しゅう動部材とを備え
    前記第1しゅう動部材の形状が、前記軸の回転方向に向けて先細りとなるV字形状であるすべり軸受を有する圧縮機。
  2. 軸と、
    前記軸を回転自在に軸支するすべり軸受と、
    前記軸の一方の端部に設置されて前記軸の回転によって作動するポンプを有し、前記ポンプから前記軸の内部を通り、前記すべり軸受に油を供給する給油構造とを備え、
    前記すべり軸受は、前記軸が回転自在に挿入される軸受部と、前記軸受部において前記軸が挿入される内周部に形成された凹部又は前記軸の外周部に形成された凹部に挿入され、前記軸受部よりも大きい線膨張係数を有して、温度上昇により前記凹部から突出する高さが増大する第1しゅう動部材とを備え、
    前記第1しゅう動部材の形状が、前記軸の回転方向に向けて突出する円弧状であるすべり軸受を有する圧縮機。
  3. 軸と、
    前記軸を回転自在に軸支するすべり軸受と、
    前記軸の一方の端部に設置されて前記軸の回転によって作動するポンプを有し、前記ポンプから前記軸の内部を通り、前記すべり軸受に油を供給する給油構造とを備え、
    前記すべり軸受は、前記軸が回転自在に挿入される軸受部と、前記軸受部において前記軸が挿入される内周部に形成された凹部又は前記軸の外周部に形成された凹部に挿入され、前記軸受部よりも大きい線膨張係数を有して、温度上昇により前記凹部から突出する高さが増大する第1しゅう動部材とを備え、
    前記第1しゅう動部材は、前記軸受部の軸方向の中心部を境として一対で構成され、前記軸受部の軸方向の端部から前記中心部に向かうに連れて前記軸の回転方向に傾斜するように構成されているすべり軸受を有する圧縮機。
  4. 前記凹部の高さと前記第1しゅう動部材の高さとは同じに構成され、前記軸の非回転時において前記軸受部の内周面が面一となっている
    請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のすべり軸受を有する圧縮機。
  5. 前記凹部の高さと前記第1しゅう動部材の高さとのそれぞれは、前記軸の回転方向手前側の方が前記軸の回転方向奥側よりも低く構成され、前記軸の非回転時において前記軸受部の内周面が面一となっている
    請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のすべり軸受を有する圧縮機。
  6. 前記第1しゅう動部材の高さは前記凹部の高さよりも高く構成され、前記軸の非回転時において前記軸受部の内周面から前記第1しゅう動部材が突出している
    請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のすべり軸受を有する圧縮機。
  7. 前記第1しゅう動部材の高さは前記凹部の高さよりも低く構成され、前記軸の非回転時において前記軸受部の内周面から前記第1しゅう動部材が低くなっている
    請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のすべり軸受を有する圧縮機。
  8. 前記軸受部の材料が金属であり、前記第1しゅう動部材の材料が樹脂である
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載のすべり軸受を有する圧縮機。
  9. 前記軸受部の軸方向の両端にリング状の第2しゅう動部材が挿入されている
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載のすべり軸受を有する圧縮機。
  10. 前記第2しゅう動部材の材料が樹脂である
    請求項記載のすべり軸受を有する圧縮機。
  11. 前記ポンプは容積型ポンプである
    請求項1〜請求項10の何れか一項に記載のすべり軸受を有する圧縮機。
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