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JP6325305B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP6325305B2 JP2014066510A JP2014066510A JP6325305B2 JP 6325305 B2 JP6325305 B2 JP 6325305B2 JP 2014066510 A JP2014066510 A JP 2014066510A JP 2014066510 A JP2014066510 A JP 2014066510A JP 6325305 B2 JP6325305 B2 JP 6325305B2
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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
一般に、タイヤ用ゴム組成物には、ブタジエンゴムやカーボンブラックなどの石油資源由来の原材料が汎用されているが、二酸化炭素の排出量抑制の規制が強化されている点、石油現存量は有限で使用に限界がある点から、石油資源由来の原材料の一部又は全てを天然ゴムやシリカ、炭酸カルシウム等の白色充填剤などの石油外資源由来の原材料で代替することが検討されている。
例えば、タイヤ部材にシリカを配合した場合、シリカは電気絶縁性が高く、タイヤの電気抵抗が増す傾向があるため、車両に静電気が溜まりやすく、燃料補給時に静電気によるスパークが発生し燃料に引火する可能性がある。更に、近年の低燃費化の強い要請から、ケースの1枚化やサイドウォールの薄ゲージ化、フィラーの減量を進めた場合、タイヤの通電性(導電性)の確保が更に困難になる傾向もある。
加えて、ケースの1枚化やサイドウォールの薄ゲージ化により、操縦安定性が悪化するという問題も生じる。そのため、良好な低燃費性、通電性能、操縦安定性が得られるとともに、耐亀裂成長性等の性能も確保されたタイヤの提供が望まれている。
特許文献1には、クリンチと接続したサイドウォール内側導電層、前記サイドウォール内側導電層と接続した特定配合のトレッド内側導電層等を備えることで、通電性、低燃費性を改善したタイヤが開示されているが、低燃費性、通電性能、操縦安定性、耐亀裂成長性等の性能を改善するという点で、未だ改善の余地を残している。
特開2013−6571号公報
本発明は、前記課題を解決し、通電性能、低燃費性、操縦安定性、耐亀裂成長性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、トレッド部と、サイドウォール部と、リムに当接する領域にクリンチを備えたビード部と、前記トレッド部と前記サイドウォール部のタイヤの径方向内側を通り、前記ビード部に至るように配置されたカーカスと、前記トレッド部と前記カーカスとの間に配置されたブレーカーとを備えた空気入りタイヤであって、更に、前記クリンチ及び前記ブレーカーと接続し、前記カーカスと前記サイドウォール部との間に配置されたサイドウォール内側導電層と、前記ブレーカーと接続し、前記トレッド部の表面に露出するように配置された通電ゴムとを備え、前記クリンチ、前記サイドウォール内側導電層、前記ブレーカー及び前記通電ゴムの体積固有抵抗値は、いずれも1×10Ω・cm以下であり、前記サイドウォール内側導電層は、ハイシスブタジエンゴム(a)と、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含み、該結晶の融点が90〜140℃であり、重量平均分子量が50000〜500000のブタジエンゴム(b)とを含むゴム成分100質量部に対して、導電性カーボンブラックを1〜10質量部配合したサイドウォール内側導電層用ゴム組成物を用いて作製されている空気入りタイヤに関する。
前記ハイシスブタジエンゴム(a)は、シス含量が96質量%以上、ムーニー粘度が35〜75、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.7以下であることが好ましい。
前記導電性カーボンブラックは、ジブチルフタレート吸油量が300ml/100g以上であることが好ましい。
本発明によれば、ハイシスブタジエンゴム(a)と、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含み、該結晶の融点が90〜140℃であり、重量平均分子量が50000〜500000のブタジエンゴム(b)とを含むゴム成分100質量部に対して、導電性カーボンブラックを1〜10質量部配合したサイドウォール内側導電層を配した特定構造を有する空気入りタイヤであるので、優れた通電性能、低燃費性、操縦安定性、耐亀裂成長性を確保できる。
本発明の空気入りタイヤの断面図の右上半分を示す図である。
<基本構造>
本発明の空気入りタイヤの構造は、例えば、図1のタイヤ断面の右上半分に例示されるものである。タイヤ1は、トレッド部を構成するトレッドゴム7と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部を構成するサイドウォールゴム8と、各サイドウォール部の内方端に位置するクリンチゴム3及びリム上部に位置するチェーファーゴム2とを備える。また、クリンチ、チェーファー間にはカーカス10が架け渡されるとともに、このカーカス10のタイヤ半径方向外側にブレーカーゴム9が配される。
カーカス10は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、トレッド部からサイドウォール部を経て、ビードコア13と、該ビードコア13の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス11との廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返され、折返し部によって係止される。本発明のタイヤでは、1枚のカーカスプライから形成されるカーカス10でも充分な性能が得られる。ブレーカーゴム9は、ブレーカーコードを配列した2枚以上のブレーカープライからなり、各ブレーカーコードがブレーカープライ間で交差するよう向きを違えて重置している。
トレッドゴム7とブレーカーゴム9との間には、トレッドゴム7の内側に被覆ゴム(アンダートレッド)5、該被覆ゴム5の内側にジョイントレス構造を有するバンド12が配置される。ブレーカーゴム9に接し、一部が接地面に露出するようにトレッドゴム7中に通電ゴム6が配置される。また、ブレーカーゴム9と接触領域を有し、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に、少なくともブレーカーゴム9から、クリンチゴム3に接する位置に亘るサイドウォール内側導電層14が配置される。空気入りタイヤ1では、通電ゴム6とブレーカーゴム9とサイドウォール内側導電層14とクリンチゴム3とが電気的に接続する構造となっている。
上記構造を採用することでタイヤ走行時にリムとの接触領域に位置するクリンチゴムや、接地領域に発生する静電気は、体積固有抵抗値が低く、タイヤ内部で電気的に接続されたクリンチゴム3、サイドウォール内側導電層14、ブレーカーゴム9及び通電ゴム6の各導電性ゴムを通ってタイヤの外部に放出される。従って、タイヤの電気抵抗を低くできる。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用、トラック・バス用、重機用等、種々の車両のタイヤとして使用可能である。
次に、各タイヤ部材に用いられるゴム組成物について説明する。
<サイドウォール内側導電層>
サイドウォール内側導電層14は、ブレーカーゴム9と接触領域を有して、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に、少なくともブレーカーゴム9から、クリンチゴム3に接する位置に亘って配置され、例えば、該内側導電層14の上端部でブレーカーゴム9、下端部でクリンチゴム3と電気的に接続する構造となっている。サイドウォール内側導電層14の体積固有抵抗は1×10Ω・cm以下であり、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下に設定される。1×10Ω・cm以下であれば、タイヤに良好な導電性が得られる。タイヤがリムに接する領域における電気化学反応が促進されリムが錆び易くなることを回避する点から、該体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以上、より好ましくは1×10Ω・cm以上に設定される。
サイドウォール内側導電層14の厚さは、タイヤの転がり抵抗を低減するという観点から、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上であり、また、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。なお、本発明における層の厚さは最小厚さである。
なお、サイドウォール内側導電層14は、カーカス10とサイドウォールゴム8との間に配置され(例えば、カーカス10の外側、サイドウォールゴム8の内側にそれぞれ隣接して配置され)、ブレーカーゴム9及びクリンチゴム3に接する部分を有していればよい。また、一部がカーカスとブレーカーの間に配置され、タイヤ周方向に連続又は不連続に形成されても良い。
サイドウォール内側導電層14と、ブレーカーゴム9、クリンチゴム3との接する部分について、該内側導電層14とは、タイヤ周方向に帯状の5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。該内側導電層14とブレーカーゴム9とを上記の条件で接触させることにより、タイヤの導電性効果が十分に得られる。クリンチゴム3との接触は、カーカス形状に沿って5mm以上の幅で接触している部分があることが好ましく、10mm以上接触していることがより好ましい。
サイドウォール内側導電層14は、ハイシスブタジエン(a)と、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含み、該結晶の融点が90〜140℃であり、重量平均分子量が50000〜500000のブタジエンゴム(b)と、導電性カーボンブラックとを含むサイドウォール内側導電層用ゴム組成物により作製される。
ゴム成分として、ハイシスブタジエン(a)、ブタジエンゴム(b)を用いるとともに、充填剤として、比較的少量の導電性カーボンブラックを添加することにより、損失弾性率(E’’)の低減、貯蔵弾性率(E’)の上昇、tanδの上昇を抑制しながらの導電性の向上、耐亀裂成長性の確保が実現され、その結果、通電性能、低燃費性、操縦安定性、耐亀裂成長性に優れたタイヤを提供できる。
ハイシスブタジエンゴム(a)としては、例えば、シス含量が96質量%以上、ムーニー粘度が35〜75、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.7以下のブタジエンゴムを好適に使用できる。
ハイシスブタジエンゴム(a)のシス含量が96質量%未満であると、耐亀裂成長性の改善効果が得られない傾向がある。
なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ハイシスブタジエンゴム(a)の100℃で測定したムーニー粘度(ムーニー粘度ML1+4(100℃))は、35〜75、好ましくは37〜65、より好ましくは40〜55である。ムーニー粘度が上記範囲内であると、良好な低燃費性、耐亀裂成長性、操縦安定性が得られる。
なお、ムーニー粘度は、ISO289、JIS K6300に準じて測定される。
ハイシスブタジエンゴム(a)の重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は、2.7以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.3以下である。該Mw/Mnの下限は特に限定されないが、好ましくは1.9以上、より好ましくは2.0以上である。Mw/Mnが上記範囲内であると、良好な低燃費性、耐亀裂成長性、操縦安定性が得られる。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
ハイシスブタジエンゴム(a)のビニル含量は、好ましくは1.8質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下である。1.8質量%を超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。ビニル含量の下限は特に限定されない。
なお、本明細書において、ビニル含量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
ハイシスブタジエンゴム(a)の調製方法は、特に限定されず、ハイシスブタジエンゴム(a)の所望の上記特性が定まれば、当業者であれば容易に上記特性を有するハイシスブタジエンゴム(a)を調製できる。なかでも、ハイシスブタジエンゴム(a)は、希土類元素系触媒を用いて合成されることが好ましい。これにより、上記特性を有するハイシスブタジエンゴム(a)をより好適に調製できる。
上記希土類元素系触媒としては、公知のものを使用でき、例えば、ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルミノキサン、ハロゲン含有化合物、必要に応じてルイス塩基を含む触媒が挙げられる。なかでも、ランタン系列希土類元素化合物としてネオジム(Nd)含有化合物を用いたNd系触媒が特に好ましい。
ランタン系列希土類元素化合物としては、原子番号57〜71の希土類金属のハロゲン化物、カルボン酸塩、アルコラート、チオアルコラート、アミド等が挙げられる。なかでも、Nd系触媒の使用が高シス含量、低ビニル含量のBRが得られる点で好ましい。
有機アルミニウム化合物としては、AlR(式中、R、R、Rは、同一若しくは異なって、水素又は炭素数1〜8の炭化水素基を表す。)で表されるものを使用できる。アルミノサンとしては、鎖状アルミノキサン、環状アルミノキサンが挙げられる。ハロゲン含有化合物としては、AlX 3−k(式中、Xはハロゲン、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基又はアラルキル基、kは1、1.5、2又は3を表す。)で表されるハロゲン化アルミニウム;MeSrCl、MeSrCl、MeSrHCl、MeSrClなどのストロンチウムハライド;四塩化ケイ素、四塩化錫、四塩化チタン等の金属ハロゲン化物が挙げられる。ルイス塩基は、ランタン系列希土類元素化合物を錯体化するのに用いられ、アセチルアセトン、ケトン、アルコール等が好適に用いられる。
上記希土類元素系触媒は、ブタジエンの重合の際に、有機溶媒(n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、ベンゼン等)に溶解した状態で用いても、シリカ、マグネシア、塩化マグネシウム等の適当な担体上に担持させて用いてもよい。重合条件としては、溶液重合又は塊状重合のいずれでもよく、好ましい重合温度は−30〜150℃であり、重合圧力は他の条件に依存して任意に選択してもよい。
ブタジエンゴム(a)としては、JSR(株)製のJSR BR51、T700、BR730、LANXESS社製のCB24等の市販品を使用してもよい。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のハイシスブタジエンゴム(a)の含有量は、10質量%以上、好ましくは30質量%以上である。10質量%未満であると、充分な低燃費性、耐亀裂成長性が得られないおそれがある。該含有量は、90質量%以下、好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。90質量%を超えると、充分な加工性、低燃費性が得られないおそれがある。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物では、ゴム成分として、上記ハイシスブタジエンゴム(a)と共に、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)を含み、該結晶の融点が90〜140℃であり、重量平均分子量(Mw)が50000〜500000のブタジエンゴム(b)(SPB含有BR)を含む。
1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の融点は、90℃以上であり、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上である。該融点は、140℃以下であり、好ましくは130℃以下である。SPBの融点が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、耐亀裂成長性が得られる。
ブタジエンゴム(b)中において、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶の含有量は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。該含有量は好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。SPBの含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、耐亀裂成長性が得られる。
ブタジエンゴム(b)の重量平均分子量(Mw)は、50000以上であり、好ましくは70000以上、より好ましくは100000以上、更に好ましくは150000以上である。該Mwは、500000以下であり、好ましくは400000以下、より好ましくは300000以下である。ブタジエンゴム(b)のMwが上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、耐亀裂成長性が得られる。
ブタジエンゴム(b)の調製方法は、特に限定されず、ブタジエンゴム(b)の所望の上記特性が定まれば、当業者であれば容易に上記特性を有するブタジエンゴム(b)を調製できる。
ブタジエンゴム(b)としては、JSR(株)製のRB840、RB830、RB820等の市販品を使用してもよい。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム(b)の含有量は、5質量%以上、好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、充分な操縦安定性、低燃費性、耐亀裂成長性が得られないおそれがある。該含有量は、40質量%以下、好ましくは35質量%以下である。40質量%を超えると、充分な耐亀裂成長性が得られないおそれがある。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のブタジエンゴム(a)及びブタジエンゴム(b)の合計含有量は、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは35〜70質量%である。該合計含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、耐亀裂成長性が得られる。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物では、ゴム成分として、ブタジエンゴム(a)、ブタジエンゴム(b)と共に、イソプレン系ゴムを配合することが好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、イソプレンゴム(IR)、天然ゴム(NR)、改質天然ゴム等が挙げられる。NRには、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(HPNR)も含まれ、改質天然ゴムとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等が挙げられる。また、NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。イソプレン系ゴムのなかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、NRが好ましい。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。該イソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。上記範囲外であると、充分な操縦安定性、低燃費性、耐亀裂成長性が得られないおそれがある。
また、ゴム成分100質量%中のハイシスブタジエンゴム(a)、ブタジエンゴム(b)及びイソプレン系ゴムの合計含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、100質量%でもよい。該合計含有量が上記範囲内であると、良好な操縦安定性、低燃費性、耐亀裂成長性が得られる。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物では、ゴム成分として、ハイシスブタジエンゴム(a)、ブタジエンゴム(b)、イソプレン系ゴム以外にも、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系ゴムを使用してもよい。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物は、導電性カーボンブラックを含有する。これにより、良好な導電性が得られ、本発明の効果が良好に得られる。導電性カーボンブラックとしては、例えば、ライオン(株)製のライオナイト、ライオン(株)製のケチェンブラックEC600JD、EC300JD等の市販品を使用できる。
導電性カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは300ml/100g以上、より好ましくは350ml/100g以上である。300ml/100g未満では、充分な導電性を付与できないおそれがある。また、導電性カーボンブラックのDBPは、好ましくは600ml/100g以下、より好ましくは500ml/100g以下、更に好ましくは400ml/100g以下である。600ml/100gを超えると、耐亀裂成長性、操縦安定性が低下するおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001に準拠して測定される。
導電性カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、700m/g以上が好ましく、800m/g以上がより好ましい。700m/g未満では、充分な導電性を付与できないおそれがある。該NSAは、1200m/g以下が好ましく、1100m/g以下がより好ましい。1200m/gを超えると、低燃費性、耐亀裂成長性が悪化するおそれがある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
導電性カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上、好ましくは2質量部以上である。1質量部未満であると、充分な導電性を付与できないおそれがある。また、該含有量は、10質量部以下、好ましくは5質量部以下である。10質量部を超えると、低燃費性、耐亀裂成長性が低下するおそれがある。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物は、導電性カーボンブラックと共に導電性カーボンブラック以外のカーボンブラック(以下、「通常のカーボンブラック」ともいう。)を含むことが好ましい。これにより、良好な補強性が得られ、本発明の改善効果が相乗的に得られる。また、導電性カーボンブラックを、通常のカーボンブラックと共に配合することにより、少量の導電性カーボンブラックを配合するのみで、好適に導電性を付与できる。
通常のカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは20m/g以上、より好ましくは30m/g以上である。20m/g未満であると、補強性が低下し、所望の性能が得られない傾向がある。また、該NSAは、150m/g以下、好ましくは105m/g以下、より好ましくは60m/g以下である。150m/gを超えると、低燃費性が悪化する傾向がある。
通常のカーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸油量は、70ml/100g以上、好ましくは100ml/100g以上である。70ml/100g未満であると、補強性が低下し、所望の性能が得られないおそれがある。また、該DBP吸油量は、好ましくは180ml/100g以下、より好ましくは140ml/100g以下、更に好ましくは120ml/100g以下である。180ml/100gを超えると、耐亀裂成長性が低下する傾向がある。
通常のカーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。20質量部未満であると、補強性を確保できないおそれがある。該含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。70質量部を超えると、tanδ(転がり抵抗特性)が悪化する傾向がある。
サイドウォール内側導電層用ゴム組成物には、軟化剤を配合してもよい。軟化剤としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマ系プロセスオイル)等のプロセスオイルが挙げられる。軟化剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましく、3〜10質量部が更に好ましい。
該ゴム組成物には、前記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、他の補強用充填剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
<ビード部ゴム>
ビード部は、リムフランジに接する領域にクリンチゴム3を有し、他にチェーファーゴム2も設けられている。タイヤが走行する際にビード部を介してリムから駆動力が伝達されるが、この際にリムとビード部ゴムとの摩擦で静電気が発生しやすい。クリンチゴム3は、サイドウォール内側導電層14と接触領域を有するので、静電気は該内部導電層を通って接地面に有効に放出される。図1において、クリンチゴム3は、前記サイドウォール内側導電層14と電気的に接続している。
ここで、クリンチゴム3の体積固有抵抗は1×10Ω・cm以下、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下である。1×10Ω・cm以下にすることで、タイヤの良好な導電性が得られる。
クリンチゴム3は、ゴム成分、カーボンブラック等を含むクリンチ用ゴム組成物により作製される。
クリンチ用ゴム組成物において、ゴム成分としては、前述のものが挙げられるが、NR、SBR等を好適に使用できる。この場合、クリンチ用ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対して、NRの含有量は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜40質量%、SBRの含有量は、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは60〜80質量%である。
クリンチ用ゴム組成物に用いられるカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40〜120m/g、より好ましくは60〜90m/gである。また、該カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20〜120質量部、より好ましくは40〜80質量部である。
<ブレーカーゴム>
ブレーカーゴム9は、サイドウォール内側導電層14と通電ゴム6とに接し、トレッドゴム7、カーカス10間に配置し、導電性を確保するため、体積固有抵抗が1×10Ω・cm以下に設定されたものである。該体積固有抵抗は、好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下である。
ブレーカーゴム9は、ゴム成分、カーボンブラック等を含むブレーカー用ゴム組成物により作製される。
ブレーカー用ゴム組成物において、ゴム成分としては、前述のものが挙げられるが、NR等を好適に使用できる。この場合、ブレーカー用ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対して、NRの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上であり、100質量%でもよい。
ブレーカー用ゴム組成物に用いられるカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40〜120m/g、より好ましくは60〜90m/gである。また、該カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20〜120質量部、より好ましくは40〜80質量部である。
<通電ゴム>
通電ゴム6は、トレッド部に埋設されその一部はタイヤ接地面に露出し、他の一部はブレーカーゴム9と連結(接触)しており、空気入りタイヤの走行時に発生した静電気を接地面に効果的に放出する。図1において通電ゴム6は、トレッド部の中央部に1箇所埋設された構造として示されているが、複数個の通電ゴムを埋設することもできる。そしてタイヤ幅方向の通電ゴムの幅は、例えば、0.2〜10mm、好ましくは0.9〜1.5mmである。0.2mm未満の場合は通電効果は少なく、一方、10mmを超えるとトレッド部における通電ゴムの接地領域が相対的に増加し、接地特性を損なうおそれがある。また、通電ゴムはタイヤ周方向に連続層として形成することが好ましいが、タイヤ周方向に断続的に形成することもできる。
通電ゴム6の体積固有抵抗は、1×10Ω・cm以下である。1×10Ω・cm以下の場合、タイヤの導電性が改善され静電気の放出効果が得られる。好ましくは1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下である。
通電ゴム6は、ゴム成分、カーボンブラック等を通電ゴム用ゴム組成物により作製される。
通電ゴム用ゴム組成物において、ゴム成分としては、前述のものが挙げられるが、SBR、BR等を好適に使用できる。この場合、通電ゴム用ゴム組成物において、ゴム成分100質量部に対して、SBRの含有量は、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは50〜70質量%、BRの含有量は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは30〜50質量%である。
通電ゴム用ゴム組成物に用いられるカーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは60〜150m/g、より好ましくは90〜120m/gである。また、該カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20〜120質量部、より好ましくは40〜70質量部である。
<トレッドゴム、サイドウォールゴム、カーカス>
本発明の空気入りタイヤにおけるトレッドゴム、サイドウォールゴム、及びカーカス(カーカストッピングゴム)は、例えば、以下のゴム成分、充填剤等を含むゴム組成物から構成される。
ゴム成分としては、前述のものが挙げられ、例えば、トレッドゴムにはNR、サイドウォールゴムにはNRやBR、カーカスにはNRやSBRを好適に使用できる。充填剤としては、カーボンブラックやシリカ等を使用できる。
トレッドゴム、サイドウォールゴム、カーカスの体積固有抵抗を、1×10Ω・cm以上に設定しても、転がり抵抗や操縦安定性等のタイヤ性能を維持しながら、サイドウォール内側導電層と、これに電気的に接続されたクリンチ、ブレーカー及び通電ゴムの体積固有抵抗を低く調整している。従って、空気入りタイヤに発生した静電気をこれらにより形成される電気的な接続通路を介して効果的に放出できる。更に、特定配合のサイドウォール内側導電層を配置しているため、同時に、優れた転がり抵抗特性、操縦安定性、耐亀裂成長性を得ることも可能となる。
本発明の空気入りタイヤは、各タイヤ部材を構成するゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合した各タイヤ部材用ゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例で用いた各種薬品について説明する。
<材料>
NR:TSR20
BR730:JSR(株)製のBR730(ハイシスBR、Nd系触媒を用いて合成されたBR、シス含量:97質量%、ムーニー粘度(100℃):55、Mw/Mn:2.51、ビニル含量:0.9質量%(ハイシスブタジエンゴム(a)に相当))
BR1250H:日本ゼオン(株)製のBR1250H(ローシスブタジエンゴム)
RB840:JSR(株)製のRB840(SPB含有BR)(SPB結晶の融点:126℃、SPB結晶の含有量:36質量%、Mw:200000(ブタジエンゴム(b)に相当))
VCR617:宇部興産(株)製のUBEPOL VCR617(SPB含有BR、SPB結晶の融点:200℃、SPB結晶の含有量:17質量%、Mw:450000)
RB810:JSR(株)製のRB810(SPB含有BR、SPB結晶の融点:71℃、SPB結晶の含有量:18質量%、Mw:200000)
BR150B:宇部興産(株)製のUBEPOL BR150B(ハイシスBR、Ni系触媒を用いて合成されたBR、シス含量:95質量%、ムーニー粘度(100℃):40、Mw/Mn:2.78、ビニル含量:2.0質量%)
SBR1502:住友化学工業(株)製のSBR1502(スチレン含量:23.5質量%)
カーボンブラックN550:キャボットジャパン(株)製のN550(NSA:41m/g、DBP:115ml/100g)
カーボンブラックN220:キャボットジャパン(株)製のN220(NSA:114m/g、DBP:114ml/100g)
カーボンブラックN330:キャボットジャパン(株)製のN330(NSA:75m/g、DBP:102ml/100g)
導電性カーボンブラック:LION(株)製のケチェンブラックEC300J(DBP:365ml/100g、NSA:800m/g)
シリカ:デグッサ社製ウルトラシルVN3(NSA:175m/g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi266
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「つばき」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
ステアリン酸コバルト:日鉱金属(株)製のCOST−S
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:住友化学(株)製のソクシノールCZ
<サイドウォール内側導電層、クリンチゴム、ブレーカーゴム、通電ゴム、トレッドゴム、サイドウォールゴム、カーカスゴムの調製>
表1〜7に示す配合成分のうち硫黄及び加硫促進剤を除いた成分を、密閉式バンバリーミキサーを用いて150℃で5分間混練した後、硫黄及び加硫促進剤を加えて、オープンロールを用いて80℃で3分間更に練り込み、未加硫のサイドウォール内側導電層ゴム組成物A−1〜A−4、a−1〜a−14、クリンチゴム組成物B、ブレーカーゴム組成物C、通電ゴム組成物D、トレッドゴム組成物E、サイドウォールゴム組成物F、カーカスゴム組成物Gを調製した。
また、各未加硫ゴム組成物を加硫し、加硫ゴム組成物を調製した。
<ゴム組成物の体積固有抵抗>
表1〜7のゴム組成物A−1〜Gを用いて厚さ2mm、15cm×15cmの試験片を作成し、ADVANTEST社製の電気抵抗測定R8340Aを用いて電圧500V、気温25℃、湿度50%の条件で測定した。その結果を表1〜7に示す。値が大きいほどゴム組成物の体積固有抵抗は高い。
<加工性>
未加硫のサイドウォール内側導電層ゴム組成物A−1〜A−4、a−1〜a−14について、JIS K6300に準拠し、130℃におけるムーニー粘度を測定した。基準比較例のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れる。結果を表1に示す。
(加工性指数)=(比較例1のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
<粘弾性試験>
(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータVESを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10%及び動歪2%の条件下で、加硫ゴム組成物の損失弾性率、貯蔵弾性率を測定した。比較例1の損失弾性率、貯蔵弾性率を100とし、それぞれ指数表示した(低燃費性指数、剛性指数)。それぞれ、指数が大きいほど、低燃費性、操縦安定性が優れる。結果を表1に示す。
<耐亀裂成長性試験>
JIS−K6260の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムのデマッチャ屈曲亀裂成長試験方法」の試験方法に準じて、室温25℃の条件でサンプル(サイドウォール内側導電層ゴム組成物A−1〜A−4、a−1〜a−14)に1mmの破断が生じるまでの回数を測定し、得られた回数を対数で表した。数値が大きいほど耐亀裂成長性が良好である。結果を表1に示す。
(実施例、比較例)
表1〜7のゴム配合で調整したゴム組成物を表8に示す組合せでそれぞれ用い、サイドウォール内側導電層、クリンチゴム、ブレーカーゴム、通電ゴム、トレッドゴム、サイドウォールゴム、カーカスゴムに適用し、常法にて加硫成形し、図1に示す構造を有するサイズ195/65R15の空気入りタイヤを作製した。
ここで、試作タイヤの基本構造は次のとおりである。
<カーカスプライ(1枚)>
コード角度:タイヤ周方向に90度
コード材料:ポリエステル 1670dtex/2
<ブレーカー>
コード角度:タイヤ周方向に24度×24度
コード材料:スチールコード(2+2×0.25)
なお、サイドウォール内側導電層の厚みは0.5mm、通電ゴムの幅は3mmでタイヤ周方向に連続した構造のものを採用した。
また、ブレーカーゴムとサイドウォール内側導電層の接触はタイヤ周方向に帯状で5mmの幅、ブレーカーゴムと通電ゴムの接触は通電ゴムのタイヤ幅方向の全面、サイドウォール内側導電層とクリンチゴムの接触はカーカス形状に沿って5mm以上の幅の構造のものを採用した。なお、サイドウォールは、内側、外側及びクリンチを押出しにて一体物で作製したものを用いた。
<タイヤの導電性>
上記で作製した空気入りタイヤを正規リムに装着し、規定内圧2.0MPaを充填して、荷重4.7kNで鉄板にトレッド部を接地させ、印加電圧100Vにおいてタイヤリム部と鉄板との間の体積抵抗値を測定した。結果を表8に示す。
<転がり抵抗>
上記で作製した空気入りタイヤを正規リムに装着し、規定内圧2.0MPaを充填して、STL社製の転がり抵抗試験機を用い、速度80km/h、荷重4.7kNで転がり抵抗を測定した。転がり抵抗の測定値を荷重で除した転がり抵抗係数(RRC)につき、各タイヤの転がり抵抗を下記式により比較例1を100として指数表示した。値が大きいほど転がり抵抗が小さく性能が良好である。結果を表8に示す。
(転がり抵抗指数)=(比較例1の転がり抵抗係数)/(各タイヤの転がり抵抗係数)×100
<耐クラック性能>
上記で作製した195/65R15空気入りタイヤを装着し、速度80km/h、荷重4.7kNで30000km走行させ、サイドウォール内側導電層のクラック成長量を測定し、耐クラック性能を評価した。比較例1を100とし、指数表示した。数値が大きいほど、耐クラック性能に優れる。結果を表8に示す。
<操縦安定性>
上記で作製した195/65R15空気入りタイヤを装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。比較例1の操縦安定性を100とし、指数表示した。数値が大きいほど、操縦安定性に優れる。結果を表8に示す。
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表1、8から、ハイシスBR、所定のSPB含有BRに比較的少量の導電性カーボンブラックを添加した配合A−1〜A−4をサイドウォール内側導電層に用いた実施例のタイヤは、導電性、転がり抵抗、操縦安定性、耐亀裂成長性(耐クラック性)が良好であった。一方、これらの成分を用いていない比較例1−3のタイヤは、性能が劣っていた。
1 タイヤ
2 チェーファーゴム
3 クリンチゴム
4 導電性ゴム
5 被覆ゴム
6 通電ゴム
7 トレッドゴム
8 サイドウォールゴム
9 ブレーカー
10 カーカス
11 ビードエーペックス
12 バンド
13 ビードコア
14 サイドウォール内側導電層

Claims (3)

  1. トレッド部と、サイドウォール部と、リムに当接する領域にクリンチを備えたビード部と、前記トレッド部と前記サイドウォール部のタイヤの径方向内側を通り、前記ビード部に至るように配置されたカーカスと、前記トレッド部と前記カーカスとの間に配置されたブレーカーとを備えた空気入りタイヤであって、
    更に、前記クリンチ及び前記ブレーカーと接続し、前記カーカスと前記サイドウォール部との間に配置されたサイドウォール内側導電層と、前記ブレーカーと接続し、前記トレッド部の表面に露出するように配置された通電ゴムとを備え、
    前記クリンチ、前記サイドウォール内側導電層、前記ブレーカー及び前記通電ゴムの体積固有抵抗値は、いずれも1×10Ω・cm以下であり、
    前記サイドウォール内側導電層は、ハイシスブタジエンゴム(a)と、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含み、該結晶の融点が90〜140℃であり、重量平均分子量が50000〜500000のブタジエンゴム(b)とを含むゴム成分100質量部に対して、窒素吸着比表面積700m /g以上の導電性カーボンブラックを1〜10質量部、窒素吸着比表面積150m /g以下のカーボンブラックを20〜70質量部配合したサイドウォール内側導電層用ゴム組成物を用いて作製されている空気入りタイヤ。
  2. 前記ハイシスブタジエンゴム(a)は、シス含量が96質量%以上、ムーニー粘度が35〜75、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が2.7以下である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記導電性カーボンブラックは、ジブチルフタレート吸油量が300ml/100g以上である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
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