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JP6324270B2 - 測定装置および傾斜センサ装置 - Google Patents

測定装置および傾斜センサ装置 Download PDF

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JP6324270B2
JP6324270B2 JP2014174302A JP2014174302A JP6324270B2 JP 6324270 B2 JP6324270 B2 JP 6324270B2 JP 2014174302 A JP2014174302 A JP 2014174302A JP 2014174302 A JP2014174302 A JP 2014174302A JP 6324270 B2 JP6324270 B2 JP 6324270B2
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Description

本発明は、基台部に対して回転可能に設けられた回転部の傾きの態様を求める測定装置および傾斜センサ装置に関する。
例えば、測量では、トータルステーションのような距離測定を行う測定装置を用いて、測定対象物の三次元座標位置を測定する。このような測定装置では、距離測定のための測距光を投射するとともに測定対象物からの反射光を受光して測定対象物までの光波距離測定を行うための測距部が、基台部に対して回転可能とされた回転部の内方に設けられて構成されている。その測定装置では、測定対象物の三次元座標位置を極めて高い精度で測定するために、測距部回転部)の回転軸の水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を極めて高い精度で検出することが求められる。このため、このような測定装置では、重力により水平を維持する液体の自由表面(液面)を利用して、水平面に対する傾きの態様を検出可能な傾斜センサ装置を用いることが考えられている(例えば、特許文献1参照)。この傾斜センサ装置では、液体の自由表面を利用するものであることから、測距部(回転部)に設けることで、測距部(回転部)の回転軸の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
特開2007−127628号公報
ところが、上記した測定装置では、測距部が基台部に対して回転可能とされた回転部の内方に設けられていることから、回転部の回転に伴って傾斜センサ装置における液体の自由表面が動いてしまうので、測距部(回転部)の回転軸の水平面に対する傾きの態様を正確に検出することが困難である。このため、測定装置では、液体の自由表面を利用する傾斜センサ装置を用いる場合、基台部に対して回転可能とされる回転部(そこに設けられる測距部等)の回転軸の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出するためには改善の余地があった。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、基台部に対して回転可能とされる回転部の回転軸の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することのできる測定装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本願発明の測定装置は、基台部と、前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部と、前記基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、前記回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備える。
前記照射光学系は、前記検出光に測定パターンを形成する測定パターン形成部を有し、前記演算制御部は、前記受光素子が取得した前記反射光における測定パターンに基づいて、前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する構成とすることができる。
前記照射光学系は、前記測定パターン形成部を経て測定パターンが形成された前記検出光を平行光束とするコリメートレンズを有する構成としてもよい。
前記照射光学系は、前記測定パターン形成部へ向けて前記検出光を出射する光源と、前記測定パターン形成部と前記コリメートレンズとの間に設けられたビームスプリッタと、を有し、前記受光光学系は、前記コリメートレンズと前記ビームスプリッタとを前記照射光学系と共用し、前記ビームスプリッタは、前記測定パターン形成部を経た前記検出光を前記コリメートレンズへと透過させるとともに、前記コリメートレンズを経た前記反射光を前記受光素子へ向けて反射する構成とすることができる。
前記受光光学系は、前記ビームスプリッタと前記受光素子との間に集光レンズを有し、前記集光レンズは、前記コリメートレンズと協働して、前記自由表面を介して前記測定パターン形成部と前記受光素子とを共役な位置関係とする構成としてもよい。
前記液体容器では、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、鉛直方向下側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる光開口部が設けられ、前記基台部には、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記液体容器の鉛直方向下側から前記光開口部へ向けて進行させる案内光路が設けられている構成とすることができる。
前記液体容器では、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、鉛直方向上側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる光開口部が設けられ、前記基台部には、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記液体容器の鉛直方向上側から前記光開口部へ向けて進行させる案内光路が設けられている構成としてもよい。
前記基台部では、前記液体容器として、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、鉛直方向下側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる下側光開口部が設けられた第1液体容器と、鉛直方向上側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる上側光開口部が設けられた第2液体容器と、が固定して設けられ、前記基台部には、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記第1液体容器の鉛直方向下側から前記下側光開口部へ向けて進行させる第1案内光路と、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記第2液体容器の鉛直方向上側から前記上側光開口部へ向けて進行させる第2案内光路と、前記第1案内光路と前記第2案内光路とを選択的に切り替える光路切替部と、が設けられ、前記光路切替部は、前記第1案内光路と前記第2案内光路とのいずれか一方に前記検出光および前記反射光を通すとともに、いずれか他方に前記検出光および前記反射光を通さない構成とすることができる。
前記演算制御部は、前記基台部に対して前記回転部が所定の回転姿勢とされた状態で、前記照射光学系から前記検出光を照射して前記自由表面で反射された前記反射光を受光した前記受光素子からの前記受光信号に基づいて演算した傾きの態様と、前記基台部に対して前記回転部が前記所定の回転姿勢から180度回転された状態で、前記照射光学系から前記検出光を照射して前記自由表面で反射された前記反射光を受光した前記受光素子からの前記受光信号に基づいて演算した傾きの態様と、を用いて、零点の較正を行う構成としてもよい。
本願発明の傾斜センサ装置は、基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備える構成としてもよい。
本発明の測定装置によれば、基台部に対して回転可能とされる回転部の回転軸の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
前記照射光学系は、前記検出光に測定パターンを形成する測定パターン形成部を有し、前記演算制御部は、前記受光素子が取得した前記反射光における測定パターンに基づいて、前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する構成があるときは、より適切にかつ精度良く回転部の回転軸の傾きの態様を求めることができる。
前記照射光学系は、前記測定パターン形成部を経て測定パターンが形成された前記検出光を平行光束とするコリメートレンズを有する構成とすると、回転部に固定されて設けられた照射光学系から、基台部に固定されて設けられた液体容器の自由表面までの間隔(光学的な距離)の変化に拘わらず、自由表面からの反射光を受光素子で適切に取得させることができ、回転部の回転軸の水平面に対する傾きの態様をより適切に求めることができる。
前記照射光学系は、前記測定パターン形成部へ向けて前記検出光を出射する光源と、前記測定パターン形成部と前記コリメートレンズとの間に設けられたビームスプリッタと、を有し、前記受光光学系は、前記コリメートレンズと前記ビームスプリッタとを前記照射光学系と共用し、前記ビームスプリッタは、前記測定パターン形成部を経た前記検出光を前記コリメートレンズへと透過させるとともに、前記コリメートレンズを経た前記反射光を前記受光素子へ向けて反射する構成とされているときは、照射光学系および受光光学系に要する部材の点数を削減することができるとともに、全体としての大きさ寸法の低減を図ることができる。
前記受光光学系は、前記ビームスプリッタと前記受光素子との間に集光レンズを有し、前記集光レンズは、前記コリメートレンズと協働して、前記自由表面を介して前記測定パターン形成部と前記受光素子とを共役な位置関係とする構成とすると、照射光学系から液体容器の自由表面までの間隔の変化に拘わらず、反射光における測定パターンを受光素子上に形成することができる。
前記液体容器では、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、鉛直方向下側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる光開口部が設けられ、前記基台部には、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記液体容器の鉛直方向下側から前記光開口部へ向けて進行させる案内光路が設けられている構成があるときは、基台部の鉛直方向上側に回転部が設けられて構成されているものであっても、その基台部に設けた液体容器の鉛直方向下側から光開口部を経て自由表面へと検出光を進行させることができる。
前記液体容器では、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、鉛直方向上側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる光開口部が設けられ、前記基台部には、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記液体容器の鉛直方向上側から前記光開口部へ向けて進行させる案内光路が設けられている構成とすると、回転部における案内光路の構成を簡易なものとすることができ、回転部に設ける部材の点数を削減することができるとともに全体としての大きさ寸法の低減を図ることができる。
前記基台部では、前記液体容器として、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、鉛直方向下側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる下側光開口部が設けられた第1液体容器と、鉛直方向上側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる上側光開口部が設けられた第2液体容器と、が固定して設けられ、前記基台部には、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記第1液体容器の鉛直方向下側から前記下側光開口部へ向けて進行させる第1案内光路と、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記第2液体容器の鉛直方向上側から前記上側光開口部へ向けて進行させる第2案内光路と、前記第1案内光路と前記第2案内光路とを選択的に切り替える光路切替部と、が設けられ、前記光路切替部は、前記第1案内光路と前記第2案内光路とのいずれか一方に前記検出光および前記反射光を通すとともに、いずれか他方に前記検出光および前記反射光を通さない構成とされているときは、通常の姿勢であるか上下逆転した姿勢であるかに拘わらず、基台部に対して回転可能とされる回転部の回転軸の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
前記演算制御部は、前記基台部に対して前記回転部が所定の回転姿勢とされた状態で、前記照射光学系から前記検出光を照射して前記自由表面で反射された前記反射光を受光した前記受光素子からの前記受光信号に基づいて演算した傾きの態様と、前記基台部に対して前記回転部が前記所定の回転姿勢から180度回転された状態で、前記照射光学系から前記検出光を照射して前記自由表面で反射された前記反射光を受光した前記受光素子からの前記受光信号に基づいて演算した傾きの態様と、を用いて、零点の較正を行う構成とすると、照射光学系(受光光学系)の主光軸を回転体の回転軸と高い精度で一致させなくても、回転軸の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で求めることができる。このため、照射光学系および受光光学系の回転部への取付精度の管理を容易なものとしつつ、回転軸の傾きの態様を極めて高い精度で求めることができる。
基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備える傾斜センサ装置では、基台部に対して回転可能とされる回転部の回転軸の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
本発明に係る測定装置の一例としての実施例1の測定装置10の構成を模式的に示す説明図である。 測定装置10の内部構成をブロック図で示す説明図である。 測定装置10における傾斜センサ装置40の構成を模式的に示す説明図である。 傾斜センサ装置40の内部構成をブロック図で示す説明図である。 零点の較正を行う様子を説明するための説明図であり、(a)は所定の回転姿勢で傾きの態様を検出する様子を示し、(b)は所定の回転姿勢から180度回転させた回転姿勢で傾きの態様を検出する様子を示す。 実施例2における測定装置10Aの傾斜センサ装置40Aの構成を模式的に示す図3と同様の説明図である。 実施例3における測定装置10Bの傾斜センサ装置40Bの構成を模式的に示す図3および図6と同様の説明図である。 傾斜センサ装置40Bの内部構成をブロック図で示す説明図である。 測定装置10B(傾斜センサ装置40B)が上下逆転した姿勢とされた様子を模式的に示す図7と同様の説明図である。
以下に、本願発明に係る測定装置および傾斜センサ装置の実施の形態としての各実施例について図面を参照しつつ説明する。
先ず、本願発明に係る傾斜センサ装置の一例としての傾斜センサ装置40、およびそれが設けられた測定装置の一例としての測定装置10の概略的な構成について説明する。この測定装置10は、図1に示すように、実施例1ではトータルステーションであり、測定点へ向けてパルスレーザ光線を照射し、その測定点からのパルス反射光を受光して、パルス毎に測距を行い、測距結果を平均化して高精度の距離測定を行うことができる。なお、測量機20は、所定の周波数で変調された光ビームを用いる位相差測定方式を採用するものであってもよく、他の方式を採用するものであってもよく、実施例1に限定されるものではない。この測定装置10は、整準部11と、基盤部12と、托架部13と、望遠鏡部14と、を備える。
整準部11は、三脚15に取付けられる箇所である。基盤部12は、その整準部11に対する傾斜角を変更可能に整準部11に設けられている。托架部13は、基盤部12に対して鉛直回転軸Avを回転中心として回転(以下では、鉛直回転軸Av回りの回転とも言う)可能に、その基盤部12に設けられている。この托架部13には、表示部16と操作部17とが設けられている。この操作部17は、測定装置10における各種機能を利用するための操作部であり、入力操作された情報を後述する制御部31(図2参照)へと出力する。表示部16は、制御部31の制御下で、操作部17に為された操作に基づいて各種機能を利用するための操作画面や測定結果等を表示する。
望遠鏡部14は、托架部13に対して水平回転軸Ahを回転中心として回転(以下では、水平回転軸Ah回りの回転とも言う)可能に、その托架部13に設けられている。その望遠鏡部14には、測定装置10の概略の視準方向を設定するための照星照門18が設けられている。望遠鏡部14は、測定対象物を視準する第2望遠鏡19と、その第2望遠鏡19よりも低倍率で広範囲な視野を有する第1望遠鏡21と、を有する。この望遠鏡部14では、第1望遠鏡21の光学系を介して視準方向あるいは略視準方向の画像(広角画像)を取得する第1撮像部22(図2参照)と、第2望遠鏡19の光学系を介して視準方向の画像(望遠画像)を取得する第2撮像部23(図2参照)と、が設けられている。その第1撮像部22および第2撮像部23には、例えば、撮像画像をデジタル画像信号として出力するデジタルカメラが用いられる。そして、望遠鏡部14には、第2望遠鏡19の光学系を共有する測距部24および追尾部25(図2参照)が内蔵されている。その測距部24は、測距光を射出するとともに測定対象物からの反射光を受光して測定対象物までの光波距離測定を行う。追尾部25は、追尾光を投射するとともに追尾対象物からの反射光を受光して追尾対象物の位置の検出を可能とする。
その望遠鏡部14を水平回転軸Ah回りに回転可能とする托架部13には、水平回転駆動部26と水平角検出部27とが設けられている(図2参照)。その水平回転駆動部26は、基盤部12に対して托架部13を鉛直回転軸Av回りにすなわち水平方向に回転させる。水平角検出部27は、その托架部13の基盤部12に対する水平回転角を検出することにより、視準方向の水平角を検出(測角)する。
また、托架部13には、鉛直回転駆動部28と鉛直角検出部29とが設けられている(図2参照)。その鉛直回転駆動部28は、托架部13に対して望遠鏡部14を水平回転軸Ah回りにすなわち鉛直方向に回転させる。鉛直角検出部29は、その望遠鏡部14の托架部13に対する鉛直角を検出することにより、視準方向の鉛直角を検出(測角)する。
さらに、托架部13には、制御部31(図2参照)が内蔵されている。その制御部31は、接続された記憶部32(図2参照)に格納されたプログラムにより、測定装置10の動作を統括的に制御する。その記憶部32には、測定に必要な計算プログラムや、追尾に必要な計算プログラムや、画像処理を行う為の画像処理プログラムや、送信する情報を生成して送信するデータ送信プログラム等のプログラムが格納されている。
その制御部31には、図2に示すように、表示部16、操作部17、第1撮像部22、第2撮像部23、測距部24、追尾部25、水平回転駆動部26、水平角検出部27、鉛直回転駆動部28、鉛直角検出部29、記憶部32、通信部33および傾斜センサ装置40が接続されている。
その通信部33は、例えば、測距部24により測距される測定対象物となる測定端末機(図示せず)の端末側制御部と制御部31との通信を可能とするものであり、制御部31の制御下において記憶部32に格納された各情報を適宜送信する。このため、制御部31は、通信部33を介して測定端末機の端末側制御部とのデータの遣り取りを行うことができる。
傾斜センサ装置40は、測定装置10における望遠鏡部14(図1参照)の水平方向での回転中心(鉛直回転軸Av)の水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を検出する。傾斜センサ装置40は、実施例1では、托架部13の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きを検出することにより、測定装置10の望遠鏡部14の水平方向での回転中心(鉛直回転軸Av)の水平面に対する傾きの態様を検出する。この傾斜センサ装置40の構成については、後に詳細に説明する。傾斜センサ装置40は、検出した測定装置10(望遠鏡部14)の傾きの態様(その情報)を制御部31へと出力する。
制御部31には、測距部24、追尾部25、水平角検出部27、鉛直角検出部29および傾斜センサ装置40からの測定のための出力値が入力される。この制御部31は、それらの出力値に基づき、距離測定、高低角、水平角の測定(算出)を行い、測定結果を記憶部32に格納するとともに表示部16に表示させる。第1撮像部22および第2撮像部23により取得(撮像)された画像(その画像データ)は、制御部31に出力されて適宜記憶部32に格納される。制御部31は、入力された画像または記憶部32に格納された画像(例えば第1撮像部22あるいは第2撮像部23で取得した画像)に適宜画像処理を施し、その画像を記憶部32に格納するとともに表示部16に表示させる。
その制御部31は、水平回転駆動部26および鉛直回転駆動部28の駆動を制御して托架部13および望遠鏡部14(図1参照)を適宜回転させることにより、当該望遠鏡部14を所定の方向に向けることができ、所定の範囲を走査することができる。また、制御部31は、第1望遠鏡21および第2望遠鏡19の切り替えを制御しつつ上述した第1撮像部22および第2撮像部23を適宜制御することにより、所要の倍率の画像を取得する。さらに、制御部31は、測距部24を制御して所定の測定対象物の測距(距離測定)を行う。この制御部31は、視準方向の高低角および水平角の測定(算出)を行うことにより、測定対象物の三次元座標位置を測定する。このとき、制御部31は、傾斜センサ装置40で検出した望遠鏡部14の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を用いて補正することで、測定対象物の三次元座標位置を極めて高い精度で測定することができる。加えて、制御部31は、追尾部25からの追尾対象物の位置の情報に基づいて、水平回転駆動部26および鉛直回転駆動部28の駆動を制御することにより、望遠鏡部14(図1参照)を追尾対象物の方向に常に向ける(追尾する)ことができる。このため、測定装置10では、整準部11、基盤部12、托架部13、望遠鏡部14、照星照門18、第2望遠鏡19(第2撮像部23)、第1望遠鏡21(第1撮像部22)、測距部24、追尾部25、水平回転駆動部26、水平角検出部27、鉛直回転駆動部28、鉛直角検出部29および傾斜センサ装置40が、制御部31により駆動制御される測量ユニットとして機能する。
次に、本発明に係る実施例1の測定装置10における特徴的な構成すなわち傾斜センサ装置40の構成について、主に図3から図5を用いて説明する。その以下の説明では、上述したように構成された測定装置10において、基盤部12(基台部)の鉛直方向上側に托架部13(回転部)を位置させた状態における位置関係で表すものとする。なお、図3は、傾斜センサ装置40の構成の理解を容易なものとするために、基盤部12(基台部)および托架部13(回転部)を模式的に示しており、必ずしも実際の測定装置10の構成と一致するものではない。また、図5は、零点の較正の理解を容易なものとするために、傾斜センサ装置40における主光軸Oの鉛直回転軸Avに対する傾斜の様子や反射光45が受光素子46(その受光面)に進行する様子を強調して示しており、必ずしも実際の測定装置10の構成と一致するものではない。
測定装置10に設けられた傾斜センサ装置40は、図3に示すように、照射光学系41と受光光学系42と液体容器43とを備える。その液体容器43は、後述するように封入した液体61の液面より、常に水平な状態を維持する自由表面64を形成する。照射光学系41は、液体容器43の自由表面64へ向けて検出光44を照射し、受光光学系42は、検出光44の自由表面64による反射光45を受光素子46に受光させる。この傾斜センサ装置40では、受光光学系42の受光素子46で受光した反射光45の態様を求めることにより傾きの態様を求める。これは、傾斜センサ装置40では、水平を維持される自由表面64に対する検出光44の照射方向が傾きの態様に応じて変化し、その自由表面64からの反射光45の態様が傾きの態様に応じて変化することによる。このように、傾斜センサ装置40は、その常に水平な状態の自由表面64を利用することにより、絶対的な傾きすなわち水平面に対する傾き(その態様)を測定する。
本願発明の傾斜センサ装置40(測定装置10)は、照射光学系41と受光光学系42とが托架部13に設けられ、液体容器43が基盤部12に設けられる。その托架部13は、上述したように、基盤部12に対して鉛直回転軸Av回りに回転可能に設けられており、その基盤部12は、整準部11を介して取付けられた三脚15により動かない状態で設置される。このため、傾斜センサ装置40(測定装置10)では、基盤部12が基台部として機能するとともに、その基盤部12に対して鉛直回転軸Av回りに回転可能に設けられた托架部13が回転部として機能する。このように、傾斜センサ装置40(測定装置10)では、動かない状態で設置される基盤部12(基台部)に液体容器43を設けることにより、その液体容器43における自由表面64を安定して水平な状態を維持することを可能とする。
そして、傾斜センサ装置40は、上述したように托架部13の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きを検出するために、基本的に、照射光学系41における光軸となる主光軸Oを托架部13(回転部)の基盤部12(基台部)に対する回転軸線である鉛直回転軸Avに一致させて設けられる。ここで、基本的にと言ったのは、照射光学系41の托架部13(回転部)に対する組み付け公差等により、主光軸Oを鉛直回転軸Avに必ずしも一致しないことが生じ得ることによる。この傾斜センサ装置40(測定装置10)における詳細な構成を以下で説明する。
傾斜センサ装置40では、回転部としての托架部13に、光源51とコンデンサレンズ52と測定パターン形成部53とビームスプリッタ54とコリメートレンズ55と集光レンズ56と受光素子46とが設けられている。また、傾斜センサ装置40では、基台部としての基盤部12に、第1ミラー57と第2ミラー58と液体容器43とが設けられている。
その光源51は、液体容器43の自由表面64を照射する検出光44を出射するものであり、実施例1ではLED光源を用いて構成されている。光源51は、後述する演算制御部65(図4参照)により点灯制御される。この光源51は、傾斜センサ装置40(照射光学系41)の主光軸O上に設けられ、その主光軸Oに沿って検出光44を出射する。
コンデンサレンズ52は、主光軸O上に設けられ、光源51から出射された検出光44を所定の形状に適宜成形することにより、検出光44で測定パターン形成部53を適切に照射させる。この適切な照射とは、後述するように測定パターン形成部53を全体に渡って検出光44で照射することを言う。なお、光源51は、コンデンサレンズ52との協働により、測定パターン形成部53を照射する検出光44を出射するものであれば、他の光源を用いるものであってもよく、実施例1の構成に限定されるものではない。
測定パターン形成部53は、主光軸O上に設けられ、検出光44を測定パターン光束とする、すなわち検出光44に測定パターンを形成する。その測定パターンは、検出光44の進行方向に直交する平面上において互いに交わる2つの方向(例えば図3の紙面の左右方向と当該紙面に直交する方向)の傾きを検出するための図柄である。この測定パターンの構成については、従来(例えば特許文献1参照)と同様であることから詳細な説明は省略する。測定パターン形成部53は、実施例1では、測定パターンを形成する箇所で検出光44(光束)を透過させるものとされ、測定パターンの箇所を明るいものとするとともに、それ以外の箇所を暗いものとする。このため、測定パターン形成部53では、自らを照射する検出光44(光束)を透過させることにより、検出光44を測定パターン光束とする。
ビームスプリッタ54は、主光軸O上に設けられ、傾斜面54aを有する。このビームスプリッタ54は、測定パターン形成部53を透過して測定パターン光束とされた検出光44を透過させるとともに、後述するようにコリメートレンズ55を経て進行してくる反射光45を傾斜面54aで反射する。傾斜センサ装置40では、図示は略すがビームスプリッタ54の構成に応じて、そのビームスプリッタ54に至る光路上に適宜偏光板や1/4波長板を設けるものとしてもよい。
コリメートレンズ55は、主光軸O上に設けられ、ビームスプリッタ54を透過した測定パターン光束とされた検出光44を平行光束とする。これら光源51、コンデンサレンズ52、測定パターン形成部53、ビームスプリッタ54およびコリメートレンズ55は、托架部13(回転部)に固定されて設けられており、それらの位置関係が固定されている。そのコリメートレンズ55を経て平行光束とされた検出光44は、主光軸O上で基盤部12(基台部)に設けられた第1ミラー57へ向けて進行する。
その第1ミラー57は、基盤部12(基台部)において主光軸O上に設けられ、コリメートレンズ55を経て平行光束とされた検出光44を、第2ミラー58へ向けて反射する。その第2ミラー58は、第1ミラー57により反射された平行光束の検出光44を鉛直方向下方から液体容器43へと向けて反射する。
その液体容器43は、例えばシリコンオイル等のように適度の粘性を有する液体61を気体とともに収容しており、鉛直方向下方となる底面に光開口部62が設けられている。その光開口部62には、少なくとも検出光44(反射光45)の透過を許す材料から為る透過部材63が嵌め込まれて封じられている。このため、液体容器43では、液体61と気体とが封入されているとともに、光開口部62(その透過部材63)を経ることで鉛直方向下方から液体61へと検出光44(反射光45)が進行することが可能とされている。この液体容器43は、封入された液体61の気体との境界となる液面により、重力により水平を維持する自由表面64を形成する。液体容器43では、第1ミラー57および第2ミラー58により鉛直方向下方から液体容器43へ向けて進行された検出光44が、光開口部62(透過部材63)を経て液体61へと進行して、その液面である自由表面64に至る。すると、その検出光44の一部は、自由表面64で反射されて反射光45となり、その反射光45が光開口部62(透過部材63)を経て液体容器43から鉛直方向下方へと進行する。その反射光45は、測定パターン光束とされた検出光44が自由表面64で反射されたものであることから、検出光44と同様に測定パターン光束とされている。
その反射光45は、第1ミラー57および第2ミラー58で反射されることで、托架部13(回転部)に設けられたコリメートレンズ55へと進行し、そのコリメートレンズ55を経てビームスプリッタ54へと進行する。そして、反射光45は、ビームスプリッタ54の傾斜面54aで反射されて、集光レンズ56へと向かう。すなわち、集光レンズ56は、托架部13(回転部)において、傾斜センサ装置40(照射光学系41)の主光軸O上を進行する反射光45の傾斜面54aによる反射方向に設けられている。その集光レンズ56は、コリメートレンズ55およびビームスプリッタ54の傾斜面54aを経た反射光45を、受光素子46(その受光面)上で結像させる。すなわち、集光レンズ56は、コリメートレンズ55と協働して、自由表面64を介して測定パターン形成部53(その測定パターン)と受光素子46(その受光面)とを共役な位置関係とする。
その受光素子46は、集光レンズ56の光軸方向に直交する平面に沿う矩形状の画像を取得することが可能とされている所謂エリアセンサである。受光素子46は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等を用いて構成することができる。この受光素子46は、集光レンズ56により結像された測定パターン光束とされた反射光45を受光して、その受光(各画素での受光量)に応じた検出値としての受光信号Siを演算制御部65(図4参照)へと出力する。
その演算制御部65は、図4に示すように、受光素子46と光源51とに接続されている。演算制御部65は、受光素子46および光源51の駆動を制御するとともに、受光素子46からの受光信号Siを取得することができる。この演算制御部65は、取得した受光信号Siに基づいて傾斜センサ装置40(照射光学系41)の主光軸Oの傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を演算する。その傾きの態様は、受光素子46で受光した反射光45の態様、すなわち受光素子46が受光する測定パターンの基準状態からの変化の態様に基づいて、求めることができる。これは、傾斜センサ装置40では、水平を維持する自由表面64に対する検出光44の照射方向が傾きの態様に応じて変化し、その自由表面64からの反射光45の態様が傾きの態様に応じて変化することによる。この傾きの態様の求め方については、従来(例えば特許文献1参照)と同様であることから詳細な説明は省略する。ここで、液体容器43では、鉛直方向下方から液体61に検出光44が進行し自由表面64で反射された反射光45が鉛直方向下方へと進行する際の検出光44に対する反射光45の進行の態様が、液体61の屈折率等により変化する。このため、演算制御部65では、液体61の屈折率等に基づいて、液体容器43において液体61(液体層)側から自由表面64に進行した際の検出光44に対する反射光45の進行の態様を考慮して傾きの態様を算出するように設定されている。そして、演算制御部65は、算出した主光軸Oの傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を、傾斜センサ装置40での検出値(検出信号)として制御部31(図2参照)へと出力する。
次に、傾斜センサ装置40における傾きの態様を検出する際の動作について説明する。先ず、演算制御部65の制御下で、光源51が点灯されるとともに、受光素子46が受光を開始する。すると、図3に示すように、托架部13(回転部)において、光源51から検出光44が射出され、その検出光44がコンデンサレンズ52を経ることで測定パターン形成部53を全体に渡って照射する。その検出光44は、測定パターン形成部53を透過することで測定パターン光束とされ、ビームスプリッタ54を透過してコリメートレンズ55へと進行する。測定パターン光束とされた検出光44は、コリメートレンズ55を経ることで平行光束とされて、基盤部12(基台部)に設けられた第1ミラー57へ向けて進行する。
すると、平行光束とされた検出光44は、基盤部12(基台部)において、第1ミラー57および第2ミラー58で反射されて、鉛直方向下方から液体容器43(その光開口部62)へ向けて進行する。その検出光44は、光開口部62(透過部材63)を経て、液体容器43に封入された液体61へと進行して、その液面である自由表面64に至る。このため、傾斜センサ装置40では、光源51、コンデンサレンズ52、測定パターン形成部53、ビームスプリッタ54およびコリメートレンズ55が、托架部13(回転部)に固定されて設けられ、液体容器43の自由表面64へ向けて検出光44を照射する照射光学系41として機能する。また、第1ミラー57および第2ミラー58は、基盤部12(基台部)に固定されて設けられ、照射光学系41においてコリメートレンズ55を経て平行光束とされた検出光44を、鉛直方向下方から液体容器43の光開口部62(透過部材63)へ向けて進行させる案内光路47として機能する。
その自由表面64に至った検出光44の一部は、自由表面64で反射されて反射光45となり、その反射光45が光開口部62(透過部材63)を経て液体容器43から鉛直方向下方へと進行する。その反射光45は、第2ミラー58および第1ミラー57で反射されて、托架部13(回転部)に設けられたコリメートレンズ55へ向けて進行する。すると、反射光45は、コリメートレンズ55を経てビームスプリッタ54へと進行し、その傾斜面54aで反射されることで集光レンズ56へ向けて進行する。そして、反射光45は、集光レンズ56を経ることで受光素子46(その受光面)に至り、その受光素子46(その受光面)上に測定パターンが結像される。
このため、傾斜センサ装置40では、コリメートレンズ55、ビームスプリッタ54および集光レンズ56が、托架部13(回転部)に固定されて設けられ、自由表面64で反射された反射光45を受光素子46に受光させる受光光学系42として機能する。このことから、演算制御部65は、受光素子46すなわち受光光学系42と光源51すなわち照射光学系41との駆動を制御する。また、第2ミラー58および第1ミラー57は、基盤部12(基台部)に固定されて設けられ、自由表面64で反射された反射光45を受光光学系42(そのコリメートレンズ55)へ向けて進行させる案内光路47として機能する。このことから、傾斜センサ装置40では、照射光学系41と受光光学系42とが、コリメートレンズ55およびビームスプリッタ54を共用している。このため、傾斜センサ装置40では、光源51からコリメートレンズ55を経る照射光学系41の主光軸O上で、受光光学系42がコリメートレンズ55を経てビームスプリッタ54へと反射光45を進行させる。
そして、傾斜センサ装置40では、図4に示すように、測定パターン光束とされた反射光45の受光(各画素での受光量)に応じた検出値としての受光信号Siを演算制御部65へと出力する。その演算制御部65では、受光信号Siから受光素子46(その受光面)上に形成された測定パターンを取得し、その測定パターンの基準状態からの変化の態様に基づいて、傾斜センサ装置40の主光軸Oの水平面に対する傾きの態様を演算する。これにより、演算制御部65は、受光信号Siに基づいて、基盤部12(基台部)に対する回転中心となる托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を求めることができる。
ここで、傾斜センサ装置40(測定装置10)では、光源51等の托架部13(回転部)に対する組み付け公差等が生じ得ることにより、主光軸Oが鉛直回転軸Avと必ずしも一致しないことが考えられる。特に、測定装置10では、極めて高い精度で距離測定を行うことが要求されることから、傾斜センサ装置40においては秒単位で傾斜角度を正確に検出することが求められる。このため、この精度を満たすべく主光軸Oを鉛直回転軸Avと完全に一致させることは困難である。
このことから、傾斜センサ装置40(測定装置10)では、傾きの態様を検出するための基準となる零点(鉛直回転軸Avが水平面に直交する状態であるときの主光軸Oの傾きの態様)の較正を行う。この零点の較正では、図5(a)に示すように、基盤部12(基台部)に対する托架部13(回転部)の鉛直回転軸Av回りの回転姿勢を所定の回転姿勢として、上記したように傾斜センサ装置40の主光軸Oの傾きの態様を求める。また、零点の較正では、その後、図5(b)に示すように、基盤部12(基台部)に対して托架部13(回転部)を鉛直回転軸Av回りに180度回転させて、上記したように傾斜センサ装置40の主光軸Oの傾きの態様を求める。すると、上記した2つの回転姿勢では、図5の(a)と(b)とを比較しても解るように、液体容器43の自由表面64は常に水平な状態を維持することに対し、傾斜センサ装置40の主光軸Oが鉛直回転軸Avに関して回転対称な位置関係となる。加えて、傾斜センサ装置40の回転に伴って検出光44に形成される測定パターンが回転されることに対し、受光素子46(受光面)における反射光45の入射位置の変位する方向が一定(図5の例では(a)、(b)ともに正面視して上側)である。このため、上記した2つの回転姿勢では、受光素子46(その受光面)上において、鉛直回転軸Avに対する傾斜センサ装置40の主光軸Oの傾きの態様に応じて回転対称に測定パターンが形成される。このことから、2つの回転姿勢での受光素子46(その受光面)上における2つの測定パターンの平均値を求めることで、鉛直回転軸Avに対する傾斜センサ装置40の主光軸Oの傾きを相殺することができ、主光軸Oの適切な零点へのオフセット量を求めることができる。これにより、傾斜センサ装置40(測定装置10)では、傾きの態様を検出するための基準となる零点の較正を行うことができる。このため、傾斜センサ装置40(測定装置10)では、軸ブレに起因する角度検出誤差を打ち消して、高い精度で托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を求めることが可能となる。
次に、基台部に対して回転部が回転可能とされた測定装置における当該回転部の回転軸の水平面に対する傾きの態様を、重力により水平を保つ液体の自由表面を利用する傾斜センサ装置を用いて検出する際の従来の技術の課題について説明する。
従来の傾斜センサ装置では、液体を封入して自由表面を形成する液体容器が照射光学系の鉛直方向上側に設けられ、その照射光学系と一部の光学部材を共用して受光光学系が設けられており、それらが単一の筐体内に収容されて構成されている。このため、従来の傾斜センサ装置では、回転部内に設けることで当該回転部の回転軸の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。ところが、測定装置では、回転部が基台部に対して回転可能とされていることから、回転部の回転に伴って傾斜センサ装置における液体の自由表面が動いてしまう。傾斜センサ装置では、自由表面が水平な状態であることを前提とするものであることから、自由表面が動いてしまうと傾きの態様を極めて高い精度で検出することができなくなってしまう。
このため、測定装置では、自由表面が安定するまで待つことで、傾斜センサ装置により極めて高い精度で傾きの態様を検出することが考えらえるが、使い勝手の低下を招くとともに測定作業に要する時間の増大を招いてしまう。このことは、例えば、極寒の地で測定装置を用いた場合には、液体容器に封入した液体の粘性が上がることから、自由表面が安定するまでに要する時間が長くなるので、更なる使い勝手の低下と測定作業に要する時間の増大とを招いてしまう。加えて、測定装置では、上記した実施例1の測定装置10のように追尾対象物を追尾する機能を有するものである場合、追尾対象物の移動に応じて回転部が基台部に対して回転されることとなる。このため、測定装置では、回転部の回転により傾斜センサ装置の液体容器の自由表面が動いてしまうので、追尾動作の際に追尾対象物の位置を高い精度で測定することができなくなってしまう。ここで、測定装置では、自由表面が動かない程度に回転部を低速で回転させることにより、傾斜センサ装置で傾きの態様を極めて高い精度で検出することができるが、やはり使い勝手の低下を招くとともに測定作業に要する時間の増大を招いてしまう。このことから、従来の測定装置では、重力により水平を保つ液体の自由表面を利用する傾斜センサ装置を用いると、使い勝手の低下や測定作業に要する時間の増大を招くことなく、回転部の水平面に対する傾きの態様を正確に検出することが困難である。
これに対して、本発明に係る測定装置(傾斜センサ装置)の一実施例としての測定装置10(傾斜センサ装置40)では、液体容器43が基盤部12(基台部)に設けられている。その基盤部12(基台部)は、托架部13(回転部)を鉛直回転軸Av回りに回転可能に支持するものであって固定されて設けられる。このため、液体容器43では、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Av回りに回転に拘わらず自由表面64が動くことが防止される。これにより、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Av回りの回転に拘わらず、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を極めて高い精度で検出することができる。
また、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Av回りの回転に拘わらず自由表面64が動かないことから、回転された直後(途中)であっても托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、使い勝手を向上させることができるとともに、測定作業に要する時間の低減を図ることができる。このことは、例えば、極寒の地で測定装置10(傾斜センサ装置40)を用いた場合には、より効果的となる。
さらに、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Av回りの回転に拘わらず自由表面64が動かないことから、追尾部25からの情報に基づいて望遠鏡部14で追尾対象物を追尾している際であっても托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、追尾動作の際に追尾対象物の位置を高い精度で測定することができる。
測定装置10(傾斜センサ装置40)では、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Av回りの回転に拘わらず自由表面64が動かないことから、托架部13(回転部)の回転動作を制限(例えば低速で回転させる)することなく、鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、より使い勝手を向上させることができるとともに、測定作業に要する時間の低減を図ることができる。
測定装置10(傾斜センサ装置40)では、測定パターン形成部53で検出光44に測定パターンを形成し(測定パターン光束とし)、その検出光44の自由表面64による反射光45を受光素子46(その受光面)で取得する。そして、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、受光信号Siから受光素子46(その受光面)上に形成された測定パターンを取得し、その測定パターンの基準状態からの変化の態様に基づいて、鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を演算する。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、より適切にかつ精度良く鉛直回転軸Avの傾きの態様を求めることができる。
測定装置10(傾斜センサ装置40)では、検出光44を自由表面64へ向けて照射する照射光学系41において、測定パターン形成部53を経て測定パターンが形成された検出光44を平行光束とするコリメートレンズ55が設けられている。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、托架部13(回転部)に固定されて設けられた照射光学系41から、基盤部12(基台部)に固定されて設けられた液体容器43の自由表面64までの間隔(光学的な距離)の変化に拘わらず、自由表面64からの反射光45を受光素子46(その受光面)で適切に取得させることができる。これにより、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、受光素子46(その受光面)上に形成された測定パターンの基準状態からの変化の態様に基づいて、鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様をより適切に求めることができる。
測定装置10(傾斜センサ装置40)では、照射光学系41と受光光学系42とが、ビームスプリッタ54およびコリメートレンズ55を共用する。また、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、ビームスプリッタ54が、測定パターン形成部53を経た検出光44をコリメートレンズ55へと透過させるとともに、コリメートレンズ55を経た反射光45を受光素子46へ向けて反射する。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、照射光学系41および受光光学系42に要する部材の点数を削減することができるとともに、全体としての大きさ寸法の低減を図ることができる。
測定装置10(傾斜センサ装置40)では、受光光学系42において、コリメートレンズ55と協働して自由表面64を介して測定パターン形成部53と受光素子46とを共役な位置関係とする集光レンズ56が、ビームスプリッタ54と受光素子46との間に設けられている。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、照射光学系41から液体容器43の自由表面64までの間隔の変化に拘わらず、反射光45における測定パターンを受光素子46(その受光面)上に形成することができる。
測定装置10(傾斜センサ装置40)では、基盤部12(基台部)の鉛直方向上側に托架部13(回転部)を位置させた状態において、鉛直方向下側から自由表面64へ向けて検出光44を受け入れる光開口部62が液体容器43に設けられている。また、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、基盤部12(基台部)において、コリメートレンズ55を経て平行光束とされた検出光44を液体容器43の鉛直方向下側から光開口部62へ向けて進行させる案内光路47が設けられている。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、基盤部12(基台部)の鉛直方向上側に托架部13(回転部)が設けられて構成されているものであっても、その基盤部12(基台部)に設けた液体容器43の鉛直方向下側から光開口部62を経て自由表面64へと検出光44を進行させることができる。これにより、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、液体を封入して自由表面を形成する液体容器を照射光学系の鉛直方向上側に設けて構成される従来の傾斜センサ装置における当該液体容器を液体容器43として用いることができる。よって、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、簡易にかつ容易に製造することができる。
測定装置10(傾斜センサ装置40)では、基盤部12(基台部)に対して托架部13(回転部)が所定の回転姿勢とされた状態で演算した主光軸Oの傾きの態様と、基盤部12(基台部)に対して托架部13(回転部)が所定の回転姿勢から180度回転された状態で演算した主光軸Oの傾きの態様と、を用いて零点の較正を行う。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、主光軸Oを鉛直回転軸Avと高い精度で一致させなくても、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を極めて高い精度で求めることができる。このことから、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、照射光学系41および受光光学系42の托架部13(回転部)への取付精度の管理を容易なものとしつつ、鉛直回転軸Avの傾きの態様を極めて高い精度で求めることができる。
測定装置10(傾斜センサ装置40)では、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Av回りの回転に拘わらず自由表面64が動かないことから、測定対象物の三次元座標位置を測定している最中であっても常に零点の較正(基準となる零点へのオフセット量の更新)を行うことができる。このため、測定装置10(傾斜センサ装置40)では、より適切に托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を検出することができる。
したがって、本発明に係る測定装置(傾斜センサ装置)の一実施例としての測定装置10(傾斜センサ装置40)では、基台部(基盤部12)に対して回転可能とされる回転部(托架部13)の回転軸(鉛直回転軸Av)の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
なお、上記した実施例1の測定装置10(傾斜センサ装置40)では、基盤部12(基台部)の鉛直方向上側に托架部13(回転部)を位置させた状態(図1参照)である通常の姿勢で用いることとしている。しかしながら、その通常の姿勢から上下を逆転させた姿勢(上下逆転した姿勢)で用いるものとしてもよく、上記した実施例1の構成に限定されるものではない。その場合、演算制御部65を、液体61の屈折率等に基づいて、液体容器43において気体(気体層)側から自由表面64に進行した際の検出光44に対する反射光45の進行の態様を考慮して傾きの態様を算出するものとする。
次に、本発明の実施例2の傾斜センサ装置としての傾斜センサ装置40A、およびそれが設けられた測定装置の一例としての測定装置10Aについて、図6を用いて説明する。この実施例2の傾斜センサ装置40Aは、液体容器43Aの構成が実施例1の液体容器43とは異なる例である。この実施例2の傾斜センサ装置40Aは、基本的な構成および動作は上記した実施例1の傾斜センサ装置40と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、実施例2の測定装置10Aは、傾斜センサ装置40に替えて実施例2の傾斜センサ装置40Aを用いることを除くと実施例1と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
実施例2の傾斜センサ装置40Aでは、図6に示すように、基盤部12(基台部)に設けられた液体容器43Aにおいて、光開口部62Aが鉛直方向上側に設けられ、その光開口部62Aに透過部材63が封止的に嵌め込まれている。これに伴って、基盤部12(基台部)では、托架部13(回転部)に設けられた照射光学系41の主光軸O上に光開口部62A(その透過部材63)が位置するように液体容器43Aが設けられている。
このため、液体容器43Aでは、托架部13(回転部)の照射光学系41のコリメートレンズ55を経て平行光束とされた検出光44が、何らの光学部材を経ることなく鉛直方向上側から光開口部62A(その透過部材63)へと進行する。このことから、基盤部12(基台部)では、コリメートレンズ55から光開口部62A(その透過部材63)へと至る空間が、コリメートレンズ55を経て平行光束とされた検出光44を液体容器43Aの鉛直方向上側から光開口部62Aへ向けて進行させる案内光路47Aとして機能する。
この傾斜センサ装置40Aでは、実施例1の傾斜センサ装置40と同様に、托架部13(回転部)のコリメートレンズ55を経て平行光束とされた検出光44が、照射光学系41の主光軸O上で鉛直方向下方へ向けて進行する。すると、平行光束とされた検出光44は、基盤部12(基台部)において、鉛直方向上方から液体容器43A(その光開口部62A)へ向けて進行する。その検出光44は、光開口部62A(透過部材63)を経て、液体61とともに封入されている気体(気体層)へと進行して、気体と液体61との境界となる液面である自由表面64に至る。その自由表面64に至った検出光44の一部は、自由表面64で反射されて反射光45となり、その反射光45が光開口部62A(透過部材63)を経て液体容器43Aから鉛直方向上方へと進行し、托架部13(回転部)に設けられたコリメートレンズ55へ向けて進行する。すると、反射光45は、実施例1の傾斜センサ装置40と同様に、コリメートレンズ55、ビームスプリッタ54および集光レンズ56を経て受光素子46(その受光面)に至り、その受光素子46(その受光面)上に測定パターンが結像される。
この傾斜センサ装置40Aでは、演算制御部65が、液体61の屈折率等に基づいて、液体容器43Aにおいて気体(気体層)側から自由表面64に進行した際の検出光44に対する反射光45の進行の態様を考慮して傾きの態様を算出するものとされている。これにより、傾斜センサ装置40Aでは、実施例1の傾斜センサ装置40と同様に、演算制御部65が、受光信号Siに基づいて基盤部12(基台部)に対して鉛直回転軸Av回りに回転可能とされた托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を求める。
実施例2の測定装置10A(傾斜センサ装置40A)では、基本的に実施例1の測定装置10(傾斜センサ装置40)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2の測定装置10A(傾斜センサ装置40A)では、鉛直方向上側から液体容器43Aの光開口部62A(透過部材63)へと検出光44を進行させることができる。このため、測定装置10A(傾斜センサ装置40A)では、托架部13(回転部)における案内光路47Aの構成を簡易なものとすることができ、托架部13(回転部)に設ける部材の点数を削減することができるとともに全体としての大きさ寸法の低減を図ることができる。
したがって、本発明に係る測定装置(傾斜センサ装置)の実施例2の測定装置10A(傾斜センサ装置40A)では、基台部(基盤部12)に対して回転可能とされる回転部(托架部13)の回転軸(鉛直回転軸Av)の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
なお、上記した実施例2の測定装置10A(傾斜センサ装置40A)では、基盤部12(基台部)の鉛直方向上側に托架部13(回転部)を位置させた状態(図6参照)である通常の姿勢で用いることとしている。しかしながら、その通常の姿勢から上下を逆転させた姿勢(上下逆転した姿勢)で用いるものとしてもよく、上記した実施例2の構成に限定されるものではない。その場合、演算制御部65を、液体61の屈折率等に基づいて、液体容器43において液体61(液体層)側から自由表面64に進行した際の検出光44に対する反射光45の進行の態様を考慮して傾きの態様を算出するものとする。
次に、本発明の実施例3の傾斜センサ装置としての傾斜センサ装置40B、およびそれが設けられた測定装置の一例としての測定装置10Bについて、図7から図9を用いて説明する。この実施例3の傾斜センサ装置40Bは、測定装置10Bが上下逆転された場合であっても傾きの態様を極めて高い精度で検出することを可能とする例である。これは、測定装置(測定装置10B)では、上下逆転された状態で使用される場合があることによる。この実施例3の傾斜センサ装置40Bは、基本的な構成および動作は上記した実施例1の傾斜センサ装置40と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。また、実施例3の測定装置10Bは、傾斜センサ装置40に替えて実施例3の傾斜センサ装置40Bを用いることを除くと実施例1と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
実施例3の傾斜センサ装置40Bでは、図7に示すように、基盤部12(基台部)に、第1液体容器43Bと第2液体容器43Cとが設けられている。その第1液体容器43Bは、実施例1の液体容器43と同様の構成であり、鉛直方向下側に下側光開口部62B(透過部材63)が設けられている。第2液体容器43Cは、実施例1の液体容器43と同様の構成であり、上側光開口部62C(透過部材63)が設けられている。この第2液体容器43Cは、実施例1の液体容器43と異なり、基盤部12(基台部)において、照射光学系41の主光軸O上で上側光開口部62C(透過部材63)を鉛直方向上側に向けて設けられている。このため、第2液体容器43Cは、実質的に、実施例2の液体容器43Aと同様の構成とされている。
これに伴って、基盤部12(基台部)では、第1ミラー71と第2ミラー58と第1シャッタ72と第2シャッタ73とが設けられている。その第1ミラー71は、主光軸O上に設けられ、実施例3ではハーフミラーで構成されている。第1ミラー71は、コリメートレンズ55を経て平行光束とされた検出光44の一部を第2ミラー58へ向けて反射するとともに、当該検出光44の他部を透過させる。なお、第1ミラー71は、検出光44の一部を第2ミラー58へ向けて反射するとともに他部を透過させるものであれば、他の光学素子で構成されていてもよく、実施例3の構成に限定されるものではない。その第2ミラー58は、実施例1の傾斜センサ装置40と同様であり、第1ミラー57により反射された平行光束の検出光44を鉛直方向下方から第1液体容器43Bへと向けて反射する。
第1シャッタ72は、第2ミラー58と、第1液体容器43Bの下側光開口部62B(透過部材63)と、の間に挿入可能に設けられており、後述する第1シャッタ駆動部74(図8参照)により挿入位置と退避位置と間での変位が可能とされている。その第1シャッタ72は、第2ミラー58と下側光開口部62B(透過部材63)との間に挿入される(挿入位置(図7参照))とそれらの間での検出光44(反射光45)の進行を阻み、退避される(退避位置(図9参照))と検出光44(反射光45)の進行を可能とする。
第2シャッタ73は、第1ミラー71と、第2液体容器43Cの上側光開口部62C(透過部材63)と、の間に挿入可能に設けられており、後述する第2シャッタ駆動部75(図8参照)により挿入位置と退避位置と間での変位が可能とされている。その第2シャッタ73は、第1ミラー71と上側光開口部62C(透過部材63)との間に挿入される(挿入位置(図9参照))と、それらの間での検出光44(反射光45)の透過を阻み、退避される(退避位置(図7参照))と検出光44(反射光45)の進行を可能とする。
傾斜センサ装置40Bでは、図8に示すように、演算制御部65に、受光素子46および光源51に加えて、第1シャッタ駆動部74と第2シャッタ駆動部75と姿勢判断部76とが接続されている。その第1シャッタ駆動部74は、演算制御部65の制御下で第1シャッタ72を移動させ、第2ミラー58と第1液体容器43Bの下側光開口部62Bとの間に挿入する(挿入位置)とともに、その間から退避させる(退避位置)。第2シャッタ駆動部75は、演算制御部65の制御下で第2シャッタ73を移動させ、第1ミラー71と第2液体容器43Cの上側光開口部62Cとの間に挿入する(挿入位置)とともに、その間から退避させる(退避位置)。演算制御部65は、第1シャッタ72および第2シャッタ73の一方を挿入位置とすると、それらの他方を退避位置とするように、第1シャッタ駆動部74と第2シャッタ駆動部75とを制御する。
姿勢判断部76は、傾斜センサ装置40Bすなわち測定装置10Bが通常の姿勢(図7参照)であるか、上下逆転した姿勢(図9参照)であるかを判断し、その判断結果としての信号を演算制御部65に出力する。その通常の姿勢は、図7に示すように、基盤部12(基台部)の鉛直方向上側に托架部13(回転部)を位置させた状態をいう。また、上下逆転した姿勢は、図9に示すように、基盤部12(基台部)の鉛直方向下側に托架部13(回転部)を位置させた状態をいう。この姿勢判断部76は、実施例3では、測定装置10Bに設けられた切替スイッチにより構成されている。その切替スイッチは、測定装置10Bを通常の姿勢(図7参照)で使用するか上下逆転した姿勢(図9参照)で使用するかの切り替えを行うものである。このため、演算制御部65では、姿勢判断部76に為された操作に基づいて、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)が通常の姿勢であるか上下逆転した姿勢であるかを判断し、その判断に応じて第1シャッタ72および第2シャッタ73の位置を制御する。なお、この姿勢判断部76は、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)が通常の姿勢であるか上下逆転した姿勢であるかを検出することのできる姿勢センサで構成するものであってもよく、実施例3の構成に限定されるものではない。
そして、演算制御部65は、実施例3では、図7に示すように、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)が通常の姿勢となると、演算制御部65が姿勢判断部76からの信号に基づいてその旨を取得し、第1シャッタ72を退避位置とするとともに第2シャッタ73を挿入位置とする。すると、基盤部12(基台部)では、托架部13(回転部)のコリメートレンズ55を経て平行光束とされて照射光学系41の主光軸O上を進行する検出光44のうち、第1ミラー71と第2ミラー58とで反射された検出光44が、第1液体容器43Bの鉛直方向下側から下側光開口部62Bへ向けて進行する。このため、第1ミラー71と第2ミラー58とが第1案内光路47Bとして機能する。
また、演算制御部65は、実施例3では、図9に示すように、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)が上下逆転した姿勢となると、演算制御部65が姿勢判断部76からの信号に基づいてその旨を取得し、第1シャッタ72を挿入位置とするとともに、第2シャッタ73を退避位置とする。これにより、基盤部12(基台部)では、基盤部12(基台部)の鉛直方向上側に托架部13(回転部)を位置させた状態で見ると、托架部13(回転部)のコリメートレンズ55を経て平行光束とされて照射光学系41の主光軸O上を進行する検出光44のうち、第1ミラー71を透過した検出光44が、第2液体容器43Cの鉛直方向上側から上側光開口部62Cへ向けて進行する。このため、第1ミラー71が第2案内光路47Cとして機能する。これらのことから、傾斜センサ装置40B(測定装置10B)では、第1シャッタ72(第1シャッタ駆動部74)および第2シャッタ73(第2シャッタ駆動部75)が、第1案内光路47Bと第2案内光路47Cとを選択的に切り替える光路切替部として機能する。
このため、傾斜センサ装置40Bでは、図7に示すように、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)が通常の姿勢となると、基盤部12(基台部)において、平行光束とされた検出光44の一部が第1ミラー71で反射された後に第2ミラー58で反射されて(第1案内光路47B)、鉛直方向下方から第1液体容器43B(その下側光開口部62B)へ向けて進行する。その検出光44は、下側光開口部62B(透過部材63)を経て液体61へと進行して、液体61と気体との境界となる液面である自由表面64に至る。その自由表面64に至った検出光44の一部は、自由表面64で反射されて反射光45となり、その反射光45が下側光開口部62B(透過部材63)を経て第1液体容器43Bから鉛直方向下方へと進行する。その反射光45は、第2ミラー58および第1ミラー71で反射されて(第1案内光路47B)、托架部13(回転部)に設けられたコリメートレンズ55へ向けて進行する。すると、反射光45は、実施例1の傾斜センサ装置40と同様に、コリメートレンズ55、ビームスプリッタ54および集光レンズ56を経て受光素子46(その受光面)に至り、その受光素子46(その受光面)上に測定パターンが結像される。このとき、傾斜センサ装置40Bでは、挿入位置とされた第2シャッタ73により、検出光44が第2液体容器43Cの自由表面64に至ることが防止されているので、その自由表面64からの反射光45が受光素子46へと進行することが防止されている。
この傾斜センサ装置40Bでは、実施例1の傾斜センサ装置40と同様に、演算制御部65が、液体61の屈折率等に基づいて、第1液体容器43Bおよび第2液体容器43Cにおいて液体61(液体層)側から自由表面64に進行した際の検出光44に対する反射光45の進行の態様を考慮して傾きの態様を算出するものとされている。これにより、傾斜センサ装置40Bでは、実施例1の傾斜センサ装置40と同様に、演算制御部65が、受光信号Siに基づいて基盤部12(基台部)に対して鉛直回転軸Av回りに回転可能とされた托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を求める。
また、傾斜センサ装置40Bでは、図9に示すように、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)が上下逆転した姿勢となると、基盤部12(基台部)において、平行光束とされた検出光44の一部が第1ミラー71を透過して(第2案内光路47C)、鉛直方向上方から第2液体容器43C(その光開口部62A)へ向けて進行する。ここで、第2液体容器43Cでは、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)が上下逆転した姿勢とされていることから、上側光開口部62C(透過部材63)が鉛直方向下側となり、その上側光開口部62C(透過部材63)の上に液体61(液体層)が位置されている。このため、検出光44は、上側光開口部62C(透過部材63)を経て液体61(液体層)へと進行して、液体61と気体との境界となる液面である自由表面64に至る。その自由表面64に至った検出光44の一部は、自由表面64で反射されて反射光45となり、その反射光45が上側光開口部62C(透過部材63)を経て第1ミラー71を透過して(第2案内光路47C)、托架部13(回転部)に設けられたコリメートレンズ55へ向けて進行する。すると、反射光45は、実施例1の傾斜センサ装置40と同様に、コリメートレンズ55、ビームスプリッタ54および集光レンズ56を経て受光素子46(その受光面)に至り、その受光素子46(その受光面)上に測定パターンが結像される。このとき、傾斜センサ装置40Bでは、挿入位置とされた第1シャッタ72により、検出光44が第1液体容器43Bの自由表面64に至ることが防止されており、その自由表面64からの反射光45が受光素子46へと進行することが防止されている。
この傾斜センサ装置40Bでは、上述したように、演算制御部65が、液体61の屈折率等に基づいて、第1液体容器43Bおよび第2液体容器43Cにおいて液体61(液体層)側から自由表面64に進行した際の検出光44に対する反射光45の進行の態様を考慮して傾きの態様を算出するものとされている。これにより、傾斜センサ装置40Bでは、通常の姿勢のときと同様に、演算制御部65が、受光信号Siに基づいて基盤部12(基台部)に対して鉛直回転軸Av回りに回転可能とされた托架部13(回転部)の水平面に対する傾きの態様(傾斜角度および傾斜の方向)を求める。
実施例3の測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、基本的に実施例1の測定装置10(傾斜センサ装置40)と同様の構成であることから、基本的に実施例1と同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例3の測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、通常の姿勢であるか上下逆転した姿勢であるかに拘わらず、基盤部12(基台部)に対して回転可能とされる托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
また、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、基盤部12(基台部)において、第1液体容器43Bと、それに対応する第1案内光路47Bと、第2液体容器43Cと、それに対応する第2案内光路47Cと、光路切替部と、を設けて構成されている。このため、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、簡易な構成でかつ適切に、通常の姿勢であるか上下逆転した姿勢であるかに拘わらず、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
さらに、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、第1液体容器43Bと第2液体容器43Cとを互いに等しい構成とするとともに、通常の姿勢での基盤部12(基台部)において、第1液体容器43Bを鉛直方向下側に下側光開口部62Bを位置させて設け、かつ第2液体容器43Cを鉛直方向上側に上側光開口部62Cを位置させて設けている。このため、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、通常の姿勢で第1液体容器43Bと第2液体容器43Cとのいずれか一方を用いるものとし、上下逆転した姿勢でそれらのいずれか他方を用いるものとすることで、通常の姿勢と上下逆転した姿勢とで第1液体容器43Bと第2液体容器43Cとの態様を等しいものとすることができる。このため、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、より簡易な構成でかつ適切に、通常の姿勢であるか上下逆転した姿勢であるかに拘わらず、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、第1液体容器43Bと第2液体容器43Cとを互いに等しい構成とするとともに、通常の姿勢での基盤部12(基台部)において、第1液体容器43Bを鉛直方向下側に下側光開口部62Bを位置させて設け、かつ第2液体容器43Cを鉛直方向上側に上側光開口部62Cを位置させて設けている。また、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、照射光学系41において、測定パターン形成部53を経て測定パターンが形成された検出光44を平行光束とするコリメートレンズ55が設けられている。このため、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、通常の姿勢で第1液体容器43Bと第2液体容器43Cとのいずれか一方を用いるものとし、上下逆転した姿勢でそれらのいずれか他方を用いるものとすることで、通常の姿勢と上下逆転した姿勢とで受光素子46(その受光面)上に形成される測定パターンの基準状態からの変化の態様を等しいものとすることができる。これにより、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、測定パターンの基準状態からの変化の態様に基づく水平面に対する傾きの態様の演算を、通常の姿勢と上下逆転した姿勢とで等しいものとすることができる。このことから、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、より簡易な構成でかつ適切に、通常の姿勢であるか上下逆転した姿勢であるかに拘わらず、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、第1案内光路47Bと第2案内光路47Cとを選択的に切り替える光路切替部を、第1シャッタ72(第1シャッタ駆動部74)と第2シャッタ73(第2シャッタ駆動部75)とで構成している。このため、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、より簡易な構成とすることができるとともに、姿勢に応じて使用しない液体容器(43B、43C)からの反射光45が受光素子46へと進行することを確実に防止することができる。これにより、測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、より簡易な構成でかつ適切に、通常の姿勢であるか上下逆転した姿勢であるかに拘わらず、托架部13(回転部)の鉛直回転軸Avの水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
したがって、本発明に係る測定装置(傾斜センサ装置)の実施例3の測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、基台部(基盤部12)に対して回転可能とされる回転部(托架部13)の回転軸(鉛直回転軸Av)の水平面に対する傾きの態様を極めて高い精度で検出することができる。
なお、上記した実施例3の測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、通常の姿勢で第1液体容器43Bを用いかつ上下逆転した姿勢で第2液体容器43Cを用いるものとしていたが、通常の姿勢で第2液体容器43Cを用いかつ上下逆転した姿勢で第1液体容器43Bを用いるものとしてもよく、上記した実施例3の構成に限定されるものではない。その場合、演算制御部65を、液体61の屈折率等に基づいて、第1液体容器43Bおよび第2液体容器43Cにおいて気体(気体層)側から自由表面64に進行した際の検出光44に対する反射光45の進行の態様を考慮して傾きの態様を算出するものとする。
また、上記した実施例3の測定装置10B(傾斜センサ装置40B)では、光路切替部を第1シャッタ72(第1シャッタ駆動部74)および第2シャッタ73(第2シャッタ駆動部75)で構成している。しかしながら、光路切替部は、第1案内光路47Bと第2案内光路47Cとを選択的に切り替えることを可能とするものであればよく、実施例3の構成に限定されるものではない。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る測定装置の一実施例としての測定装置10、10A、10Bについて説明したが、基台部と、前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部と、前記基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、前記回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備える測定装置であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、本発明に係る傾斜センサ装置40の一実施例としての傾斜センサ装置40、40A、40Bについて説明したが、基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備える傾斜センサ装置であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
さらに、上記した各実施例では、傾斜センサ装置40、40A、40Bがトータルステーションとしての測定装置10、10A、10Bに用いられるものとしている。しかしながら、本願発明の傾斜センサ装置(40、40A、40B)が用いられる測定装置は、基台部に対して回転部が回転可能に設けられて構成されて、測量、計測、BIM(ビルディングインフォメーションモデリング)の分野で用いられる測定装置であれば、例えば、ゼオドライトや3Dスキャナやレーザポインタ(レーザ照準装置)やレベル測定器であってもよく、他の測定装置であってもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
上記した各実施例では、測定パターン形成部53で測定パターンが形成された検出光44を液体容器43等の自由表面64に照射するものとしている。しかしながら、照射光学系41により自由表面64に検出光44を照射し、その検出光44の自由表面64による反射光45を受光光学系42における受光素子46に受光させて、受光素子46が取得した受光信号Siに基づいて回転部(上記した各実施例では托架部13)の回転軸(上記した各実施例では鉛直回転軸Av)の傾きの態様を演算するものであればよい。このため、例えば、照射光学系41が自由表面64に点光源を照射するものとしてもよく、他の光を自由表面64に照射するものとしてもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
以上、本発明の測定装置および傾斜センサ装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
10、10A、10B 測定装置
12 (基台部の一例としての)基盤部
13 (回転部の一例としての)托架部
40、40A、40B 傾斜センサ装置
41 照射光学系
42 受光光学系
43、43A 液体容器
43B 第1液体容器
43C 第2液体容器
44 検出光
45 反射光
46 受光素子
47、47A 案内光路
47B 第1案内光路
47C 第2案内光路
51 光源
53 測定パターン形成部
54 ビームスプリッタ
55 コリメートレンズ
56 集光レンズ
61 液体
62、62A 光開口部
62B 下側光開口部
62C 上側光開口部
64 自由表面
65 演算制御部
72 (一例としての光路切替部を構成する)第1シャッタ
73 (一例としての光路切替部を構成する)第2シャッタ
74 (一例としての光路切替部を構成する)第1シャッタ駆動部
75 (一例としての光路切替部を構成する)第2シャッタ駆動部
Si 受光信号

Claims (8)

  1. 基台部と、
    前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部と、
    前記基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、
    前記回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、
    前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、
    前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備え
    前記照射光学系は、前記検出光に測定パターンを形成する測定パターン形成部を有し、
    前記演算制御部は、前記受光素子が取得した前記反射光における測定パターンに基づいて、前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算し、
    前記照射光学系は、前記測定パターン形成部を経て測定パターンが形成された前記検出光を平行光束とするコリメートレンズを有し、
    前記基台部では、前記液体容器として、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、鉛直方向下側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる下側光開口部が設けられた第1液体容器と、鉛直方向上側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる上側光開口部が設けられた第2液体容器と、が固定して設けられ、
    前記基台部には、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記第1液体容器の鉛直方向下側から前記下側光開口部へ向けて進行させる第1案内光路と、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記第2液体容器の鉛直方向上側から前記上側光開口部へ向けて進行させる第2案内光路と、前記第1案内光路と前記第2案内光路とを選択的に切り替える光路切替部と、が設けられ、
    前記光路切替部は、前記第1案内光路と前記第2案内光路とのいずれか一方に前記検出光および前記反射光を通すとともに、いずれか他方に前記検出光および前記反射光を通さない
    ることを特徴とする測定装置。
  2. 前記照射光学系は、前記測定パターン形成部へ向けて前記検出光を出射する光源と、前記測定パターン形成部と前記コリメートレンズとの間に設けられたビームスプリッタと、を有し、
    前記受光光学系は、前記コリメートレンズと前記ビームスプリッタとを前記照射光学系と共用し、
    前記ビームスプリッタは、前記測定パターン形成部を経た前記検出光を前記コリメートレンズへと透過させるとともに、前記コリメートレンズを経た前記反射光を前記受光素子へ向けて反射することを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記受光光学系は、前記ビームスプリッタと前記受光素子との間に集光レンズを有し、
    前記集光レンズは、前記コリメートレンズと協働して、前記自由表面を介して前記測定パターン形成部と前記受光素子とを共役な位置関係とすることを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記演算制御部は、前記基台部に対して前記回転部が所定の回転姿勢とされた状態で、前記照射光学系から前記検出光を照射して前記自由表面で反射された前記反射光を受光した前記受光素子からの前記受光信号に基づいて演算した傾きの態様と、前記基台部に対して前記回転部が前記所定の回転姿勢から180度回転された状態で、前記照射光学系から前記検出光を照射して前記自由表面で反射された前記反射光を受光した前記受光素子からの前記受光信号に基づいて演算した傾きの態様と、を用いて、零点の較正を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の測定装置。
  5. 基台部と、
    前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部と、
    前記基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、
    前記回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、
    前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、
    前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備え、
    前記照射光学系は、前記検出光に測定パターンを形成する測定パターン形成部を有し、
    前記演算制御部は、前記受光素子が取得した前記反射光における測定パターンに基づいて、前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算し、
    前記照射光学系は、前記測定パターン形成部を経て測定パターンが形成された前記検出光を平行光束とするコリメートレンズを有し、
    前記照射光学系は、前記測定パターン形成部へ向けて前記検出光を出射する光源と、前記測定パターン形成部と前記コリメートレンズとの間に設けられたビームスプリッタと、を有し、
    前記受光光学系は、前記コリメートレンズと前記ビームスプリッタとを前記照射光学系と共用し、
    前記ビームスプリッタは、前記測定パターン形成部を経た前記検出光を前記コリメートレンズへと透過させるとともに、前記コリメートレンズを経た前記反射光を前記受光素子へ向けて反射することを特徴とする測定装置。
  6. 前記受光光学系は、前記ビームスプリッタと前記受光素子との間に集光レンズを有し、
    前記集光レンズは、前記コリメートレンズと協働して、前記自由表面を介して前記測定パターン形成部と前記受光素子とを共役な位置関係とすることを特徴とする請求項5に記載の測定装置。
  7. 基台部と、
    前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部と、
    前記基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、
    前記回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、
    前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、
    前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備え、
    前記照射光学系は、前記検出光に測定パターンを形成する測定パターン形成部を有し、
    前記演算制御部は、前記受光素子が取得した前記反射光における測定パターンに基づいて、前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算し、
    前記照射光学系は、前記測定パターン形成部を経て測定パターンが形成された前記検出光を平行光束とするコリメートレンズを有し、
    前記液体容器では、前記基台部の鉛直方向上側に前記回転部を位置させた状態において、鉛直方向下側から前記自由表面へ向けて前記検出光を受け入れる光開口部が設けられ、
    前記基台部には、前記コリメートレンズを経て平行光束とされた前記検出光を前記液体容器の鉛直方向下側から前記光開口部へ向けて進行させる案内光路が設けられていることを特徴とする測定装置。
  8. 基台部と、
    前記基台部に対して回転可能に設けられた回転部と、
    前記基台部に固定して設けられ、自由表面を形成する液体を封入する液体容器と、
    前記回転部に固定して設けられ、前記液体容器の前記自由表面へ向けて検出光を照射する照射光学系と、
    前記回転部に固定して設けられ、前記検出光が前記自由表面で反射された反射光を受光素子に受光させる受光光学系と、
    前記照射光学系と前記受光光学系とを制御するとともに、前記受光素子からの前記反射光の受光信号に基づいて前記回転部の回転軸の傾きの態様を演算する演算制御部と、を備え、
    前記演算制御部は、前記基台部に対して前記回転部が所定の回転姿勢とされた状態で、前記照射光学系から前記検出光を照射して前記自由表面で反射された前記反射光を受光した前記受光素子からの前記受光信号に基づいて演算した傾きの態様と、前記基台部に対して前記回転部が前記所定の回転姿勢から180度回転された状態で、前記照射光学系から前記検出光を照射して前記自由表面で反射された前記反射光を受光した前記受光素子からの前記受光信号に基づいて演算した傾きの態様と、を用いて、零点の較正を行うことを特徴とする測定装置。
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