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JP6323108B2 - 防曇剤組成物および積層フィルム。 - Google Patents

防曇剤組成物および積層フィルム。 Download PDF

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Description

本発明は、フィルム等の表面に防曇性を付与する防曇剤組成物、特に防曇剤組成物が基材フィルムの少なくとも片面側に設けられた積層フィルムに関する。
近年、様々な分野で種々の熱可塑性樹脂が使用されている。これらの熱可塑性樹脂より製造された成形品の多くは、その表面が疎水性であるため、成形品の使用温度等の使用条件によっては、成形品の表面に曇りを発生させるという問題がある。具体的には、食品包装用フィルムにおいては、曇りが発生すると、内容物が見えにくくる。また、温室に用いられる農業用フィルムでは、曇りが発生すると、太陽光線の透過が悪くなり、植物の生育が悪くなったり、曇りの微細水滴が集合して生じた大粒の水滴が温室内で栽培する植物に落下することにより、幼芽が害をうけたり、病害の発生の原因となったりする。
このような問題点を解決する方法として、熱可塑性樹脂成形品の表面に、防曇性を付与する方法が知られている。この防曇性の付与方法としては、熱可塑性樹脂に界面活性剤のような親水性物質を練り込み成形品とする方法、または成形品とした後に、その表面に、例えば、シリカやアルミナと界面活性剤との混合物を塗布する方法が各種提案されている。
しかし、前者の方法は、熱可塑性樹脂に練り込んだ親水性物質が成形品の表面にふきだした状態で配位し、成形品に防曇性を付与することができるが、練り込んだ親水性物質は、水によって流出し易く、短期間のうちに防曇性が消失する。一方、後者の方法においては、塗布によって配置された塗膜は、熱可塑性樹脂との密着性に乏しいため、時間の経過とともに塗膜が脱落することがあるという問題点がある。
これに対し、特開平09−087615号公報(特許文献1)には、シリカやアルミナに疎水性アクリル樹脂等を含有させることにより熱可塑性樹脂との密着性を向上させた水分散系の防曇剤が知られている。
しかし、この方法では、たとえば農業用ハウスなどに使用する場合、ハウス内と外気との温度差が大きい環境において、水滴が早期に大きく成長し、その自重により流れ落ちることができるが、温度差が小さく水滴が成長しにくい環境においては、結露により水滴の発生はあるものの、水滴が比較的大きくなりにくく、水滴の自重で流れ落ちにくい状況となりやすい。また、防曇塗膜の親水性により、その水滴は塗膜と水の吸着力が高まり、更に流れ落ちにくくなることがあった。
水滴が流れ落ちず表面に残ると、透光性不足による視認性の不良や、農業用フィルムにおいては水滴の落下による病害が発生等、種々の問題が生じる虞があった。
特開平09−087615号公報
本発明は、結露が発生しにくい条件において、水滴が比較的小さい段階においても、水滴を早期に流れさせ、結露による視界性不良や、大粒の水滴が落下することを抑制する防曇剤組成物および積層フィルムを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
[1]無機質コロイド状物質及び少なくとも1種の合成樹脂を含む防曇剤組成物であって、前記合成樹脂の少なくとも1つはフッ素系樹脂であることを特徴とする防曇剤組成物。
[2]アクリル系樹脂を更に含むことを特徴とする[1]に記載の防曇剤組成物。
[3]前記フッ素系樹脂は、アクリル変性フッ素樹脂であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の防曇剤組成物。
[4]前記無機質コロイド状物質がコロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の防曇剤組成物。
[5][1]〜[4]のいずれか1項に記載の防曇剤組成物からなる層が基材フィルムの少なくとも片面側に設けられたことを特徴とする積層フィルム。
[6]前記基材フィルムがポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする[5]に記載の積層フィルム
[7]前記積層フィルムが農業用途であることを特徴とする[5]又は[6]に記載の積層フィルム。
を、提供するものである。
本発明の防曇剤組成物および積層フィルムは、優れた防曇性を有し、かつ結露による視界性不良や水滴落下を抑制するものである。
以下に、本発明の防曇剤組成物および積層フィルムを詳細に説明する。
本発明の防曇剤組成物は、無機質コロイド状物質及び少なくとも1種の合成樹脂を含有する組成物であって、前記合成樹脂の少なくとも1つはフッ素系樹脂であることが重要である。
<フッ素系樹脂>
本発明におけるフッ素系樹脂は、その連鎖中に、重合のために開鎖可能なビニル基を含む化合物から選択された少なくとも1つのモノマーを有し、かつこのビニル基に直接付着した状態で、少なくとも1つのフッ素原子、少なくとも1つのフルオロアルキル基または少なくとも1つのフルオロアルコキシ基を含む任意のポリマーを意味する。フッ素系樹脂に用いるモノマー構成単位の構造例としては、フッ化ビニル(VF);フッ化ビニリデン(VDF);トリフルオロエチレン(VF3);クロロトリフルオロエチレン(CTFE);1,2−ジフルオロエチレン;テトラフルオロエチレン(TFE);ヘキサフルオロプロピレン(HFP);ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテル類、例えばペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)およびペルフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE);ペルフルオロ(1,3−ジオキソール);ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(PDD)等があげられるが、この中でも、フッ化ビニリデンからなるポリフッ化ビニリデン(PVDF)は代表的なフッ素樹脂として使用されており、入手のしやすさから好ましく使用することができる。
本発明に使用することができるPVDFは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーまたはPVDFホモポリマーもしくはコポリマーとこのPVDF(コ)ポリマーと相溶性ある1つ以上の他のポリマーとのブレンドであってよい。
フッ化ビニリデンのコポリマー、ターポリマーおよびさらに高次のポリマーは、フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン、1つ以上の部分的または完全にフッ素化されたアルファオレフィン、例えば3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、3,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、およびヘキサフルオロプロペン、部分的にフッ素化されたオレフィンヘキサフルオロイソブチレン、ペルフッ素化ビニルエーテル、例えばペルフルオロメチルビニルエーテル、ペルフルオロエチルビニルエーテル、ペルフルオロ−n−プロピルビニルエーテル、およびペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル、フッ素化ジオキソール、例えばペルフルオロ(1,3−ジオキソール)およびペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アリルモノマー、部分的にフッ素化されたアリルモノマーまたはフッ素化アリルモノマー、例えば2−ヒドロキシエチルアリルエーテルまたは3−アリルオキシプロパンジオール、およびエテンまたはプロペンからなる群からの1つ以上のモノマーとフッ化ビニリデンを反応させることによって製造することができる。
好ましいコポリマーまたはターポリマーは、フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン(TFE)、およびヘキサフルオロプロペン(HFP)を用いて形成される。
本発明に使用することができるPVDFは、表面に結合し接着力を改善できる無水マレイン酸などの反応性モノマーを用いてグラフトしたものを使用してもよい。
また、本発明の防曇剤組成物は、フッ素樹脂と相溶性のポリマーを含有してもよい。相溶性ポリマーとしては、たとえば、アクリルポリマー、コポリマーやポリメチルメタクリレート(PMMA)、またはMMAとエチルアクリレートもしくはブチルアクリレートなどの、アクリルモノマーとのコポリマーをブレンドしたものを使用することもできる。
本発明の防曇剤組成物は、フッ素樹脂以外に他の合成樹脂を含むことができる。たとえば、使用できる合成樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等があげられるが、基材に使用する汎用の樹脂との相性が高い点から考慮すると、特に、アクリル系樹脂を用いることが好ましい。
<アクリル系樹脂>
本発明に使用できるアクリル系樹脂としては、(a)親水性アクリル系重合体、(b)疎水性アクリル系重合体、親水性アクリル系モノマーと疎水性アクリル系モノマーの共重合体、(a)と(b)を含むブレンドが挙げられる。
(a)の親水性アクリル系重合体としては、水酸基含有ビニル単量体成分を主成分とした酸基含有ビニル単量体成分を含有する共重合体、その部分中和物または完全中和物が挙げられる。水酸基含有ビニル単量体成分としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類があげられ、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等があげられる。これらは単独重合体であってもよく、これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類を主成分とし、これらと共重合しうる他の単量体との共重合体であってもよい。
これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類と共重合しうる酸基含有単量体としては、カルボン酸類、スルホン酸類、ホスホン酸類が挙げられ、特に好ましくは、カルボン酸に属する(メタ)アクリル酸である。
その他の共重合体成分としては、たとえばスチレン、ビニルテルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酸化ビニル、(メタ)アクリル酸エステル類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン等があげられる。これらに加え架橋部位を含有するモノマーを共重合させておき、適切な架橋剤を適切な架橋温度で反応させることにより、架橋密度を向上させ、耐水性を向上させることが出来る。
(b)の疎水性アクリル系重合体としては、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類からなる単量体、またはアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体混合物及びα、β−エチレン性不飽和単量体とを、通常の重合条件に従って、例えば乳化剤の存在下に、水系媒質中で乳化重合させて得られる水分散性の重合体または共重合体を挙げることができる。
疎水性アクリル系重合体の製造に用いられるアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル類としては、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n−プロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステル、メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸−n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロピルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸デシルエステル等が挙げられ、一般には、アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル及び/又はアルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリル酸アルキルエステルが使用される。アルケニルベンゼン類としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
疎水性アクリル系重合体を得るために用いるα、β−エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のα、β−エチレン性不飽和カルボン酸類;エチレンスルホン酸等のα、β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸;α、β−エチレン性不飽和ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシエチル等の水酸基含有ビニル単量体;アクリロニトリル類;アクリルアマイド類;アクリル酸又はメタクリル酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。これら単量体は、単独で用いても、または2種以上の併用でもよい。
疎水性アクリル系重合体は水系エマルジョンとして用いるのが好ましい。各単量体を水系媒質中での重合によって得られた水系エマルジョンをそのまま使用しても良く、更にこのものに液状分散媒を加えて希釈したものでもよく、また上記のような重合によって生じた重合体を分別採取し、これを液状分散媒に再分散させて水系エマルジョンとしたものでもよい。
本発明で用いることができるアクリル系樹脂には、上記の親水性アクリル系モノマーと疎水性アクリル系モノアーの共重合体、及び上記の親水性アクリル系重合体と疎水性アクリル系重合体を含むブレンドも含まれる。
また、本発明においては、フッ素系樹脂は、アクリル変性フッ素樹脂とすることが好ましい。一般的にフッ素系樹脂は多くの合成樹脂と親和性が低く、フィルムとの密着性が低い。そのため、加工時に密着不良のトラブルが生じたり、長期使用時にフィルムから剥落したりする虞がある。一方、アクリル系樹脂は合成樹脂フィルムとの親和性は比較的良好であるとともに、フッ素系樹脂との相溶性にも優れている。そのため、あらかじめフッ素系樹脂にアクリル系樹脂を相溶化させた合成樹脂を用いることでフッ素系樹脂としての性質を保ちつつ、基材との密着性を高めることができる。
アクリル変性フッ素樹脂の水系エマルジョンを製造する方法は、一般的に知られた技術を使用して得ることができる。例えば、米国特許第5,646,201号明細書、米国特許第6,680,357号明細書および米国仮特許出願第61/078619号明細書中に記載されている方法を用いることができる。エマルジョンはフッ素樹脂を核として1つ以上のアクリルモノマーで膨潤させ、次にアクリルモノマーを重合することによって形成され、エマルジョンはフッ素樹脂とアクリル樹脂の相互貫入網目構造の形で得られる。
ここで、核となるフッ素樹脂としては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)が挙げられる。また、アクリルモノマーとしては、メチルメタクリレートモノマーが挙げられる。
本発明において使用することができるアクリル変性フッ素樹脂としては、
東日本塗料(株)製の水性フッ素樹脂エマルション(VINYCOAT PVDF AQ 360)などが挙げられる。
<無機質コロイド状物質>
本発明に使用する無機質コロイド状物質は、一種又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明に使用する無機質コロイド状物質としては、シリカ、アルミナ、水不溶性リチウムシリケート、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、水酸化鉄、水酸化スズ、酸化チタン、酸化アンチモン、硫酸バリウム、アンチモン酸亜鉛等の無機質水性コロイド粒子を、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散させた水性ゾルがあげられる。中でも好ましく用いられるのは、コロイダルシリカとコロイダルアルミナで、これらは、単独で用いても併用しても良い。
無機質コロイド状物質を、前記のものとすることで、より高い親水性が得ることができるため、好ましく使用することができる。
また、上記無機質コロイド状物質は、乾燥時における無機質コロイドゾル同士や無機質コロイドゾルと合成樹脂バインダー間の接着性向上のために、フィルム表面への親水性付与を阻害しない範囲で、表面処理を施すことができる。
本発明に使用する無機質コロイド状物質の平均粒子径は、0.1nm〜200nmが好ましく、1nm〜100nmがより好ましく、3nm〜80nmが更に好ましい。無機質コロイド状物質の平均粒子径を0.1nm以上とすることで、親水性を有する部分の分散性に優れ、200nm以下とすることで被膜の透明性に優れ好ましい。
なお、本発明の平均粒子径とは、BET法と呼ばれる窒素ガス吸着法により測定される比表面積(m/g)から常法により平均粒子径として算出される比表面積径のことを言う。
また、本発明の防曇剤組成物は、合成樹脂と無機質コロイド状物質の配合比率が、5:95〜80:20であることが好ましく、5:95〜70:30であることがより好ましく、5:95〜65:35であることが更に好ましい。合成樹脂と無機質コロイド状物質の配合比を上記とすることで、結露が発生しにくい条件においても、水滴が比較的小さい段階においても水滴を早期に流れさせることができる。
本発明の防曇剤組成物は、必要に応じて、溶媒、消泡剤、可塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、耐候性改良剤、熱安定剤等の慣用の添加剤を混合することができる。
本発明の防曇剤組成物を防曇層として基材の表面に形成する方法としては、特に限定するものではなく一般に用いられる方法を使用することができる。たとえば、防曇剤組成物の溶液または分散液をそれぞれドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バーコート法、ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。
塗布後の乾燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採用してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜200℃、好ましくは70〜180℃の温度範囲で乾燥することができる。基材に合成樹脂を使用したフィルムにおいては、乾燥温度を200℃以下とすることにより、融解や熱収縮等変形の発生を抑制することができる。
また、加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法、及び紫外線硬化法等適宜の方法を採用すればよく、乾燥速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが好ましい。
本発明のもう一つの態様は、本発明の防曇剤組成物からなる層が基材フィルムの少なくとも片面側の表面に設けられた積層フィルムである。
本発明に使用できる基材フィルムは、熱可塑性樹脂であれば、特に限定することはないが、たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等を使用することができる。
また、これらの樹脂を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
また、基材フィルムは単層でもよく、2層以上の層を有する多層であってもよく、たとえば内層、中間層及び外層を有する3層、またはそれ以上の多層とすることもできる。
また、基材フィルムは、必要に応じて、可塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤、耐候性改良剤、熱安定剤等の慣用の添加剤を混合することができる。
以下、本発明を実施例、比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。
(1)基材フィルムの作製
3層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機はチューブ外内層を30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40mmφ((株)プラ技研製)として、外内層押出し機温度180℃、中間層押し出し機温度170℃、ダイス温度180〜190℃、ブロー比2.0〜3.0、引取り速度3〜7m/分、の加工条件で、外層/中間層/内層が30/90/30の厚み比となる、厚さ0.15mmの3層の積層フィルムを作製した。なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの端部を切り開いて使用するため、展開した際に製膜時のチューブ外層が展張時にはハウスの内層(内面)となる。
<基材フィルムに使用した材料>
・低密度ポリエチレン(LDPE):宇部丸善ポリエチレン社製「F022NH」(MFR:0.8g/10分、密度0.922)
・メタロセンPE(Me−PE):日本ポリエチレン社製カーネル「KF270」(MFR:2g/10分、密度0.907)
・エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA1):(酢酸ビニル含有量5重量%、MFR2g/10分)
・エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA2):(酢酸ビニル含有量15重量%、MFR2g/10分)
・紫外線吸収剤A:サイテック社製「トリアリールトリアジン系紫外線吸収剤UV1164」
・合成ハイドロタルサイトA:協和化学社製「DHT4A」
・光安定剤A:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製光安定剤 「chimassorb 944」
・エチレン・環状アミノビニル共重合体:日本ポリエチレン社製「ノバテックLD・XJ100H」(MFR=3g/10分、密度=0.931g/cm、 融点=111℃)
<基材フィルムの各層の配合>
内層:LDPE(10質量部)、Me−PE(90質量部)、エチレン・環状アミノビニル共重合体(6質量部)
中間層:LDPE(2質量部)、EVA1(98質量部)、合成ハイドロタルサイトA(6質量部)、紫外線吸収剤A(0.06質量部)、光安定剤A(0.4質量部)
外層:LDPE(10質量部)、EVA2(90質量部)、エチレン・環状アミノビニル共重合体(6質量部)
(2)フィルムの表面処理
得られた基材フィルムのハウス内層側にあたる表面(外層)を、放電電圧120V、放電電流4.7A、ラインスピード10m/minでコロナ放電処理を行った。濡れ指数は、46dyn/cmとした(JIS−K6768)。
(3)防曇剤組成物分散液の調製
無機質コロイド状物質と合成樹脂を表1のように配合し、固形分濃度10質量%となるように、分散媒を加えて防曇剤組成物分散液を調製した。尚、分散媒は、水とイソプロピルアルコールを用い、防曇剤組成物分散液中のイソプロピルアルコールを30質量%となるよう調整した。
また、無機質コロイド状物質の配合量は無機質粒子量で示し、合成樹脂の配合量は重合体固形分量で示す。
<防曇剤組成物に使用した材料>
<合成樹脂>
・合成樹脂A:東日本塗料(株)製水性フッ素樹脂エマルション「VINYCOAT PVDF AQ 360」
・合成樹脂B:日本合成化学工業(株)製水性エマルション「モビニール7720」
<無機質コロイド状物質>
・無機質コロイド状物質A:日産化学工業(株)製コロイダルシリカ「スノーテックス20L」(平均粒子径:40〜50nm、Naで表面を安定化)
・無機質コロイド状物質B:日産化学工業(株)製コロイダルシリカ「スノーテックス20」(平均粒子径:10〜20nm、Naで表面を安定化)
・無機質コロイド状物質C:日産化学工業(株)製コロイダルシリカ「スノーテックスS」(平均粒子径:8〜11nm、Naで表面を安定化)
・無機質コロイド状物質D:日産化学工業(株)製コロイダルシリカ「スノーテックスXS」(平均粒子径:4〜5nm、Naで表面を安定化)
・無機質コロイド状物質E:日産化学工業(株)製コロイダルシリカ「スノーテックスN」(平均粒子径:10〜20nm、アンモニアで表面を安定化)
・無機質コロイド状物質F:日産化学工業(株)製コロイダルシリカ「スノーテックスO」(平均粒子径:10〜20nm、Na除去・酸性安定化)
(4)塗膜の形成
(1)の基材フィルムを(2)の方法で表面処理し、(3)の防曇剤組成物分散液をそれぞれ#8バーコーターを用いて塗布した。塗布したフィルムを80℃のオーブン中に1分間保持して、液状分散媒を揮発させ防曇層を形成した。
上記方法にて作製した各サンプルを使用し、以下の評価を行った。
<防曇性の評価>
初期の防曇性には塗布原料に含まれる界面活性剤の影響がでることがあるため、水をいれた水槽の上部に、成形品の塗膜を形成した表面を水槽内部に向けて配置し、外気温を23℃、水槽内水温を50℃に保持し、1ヶ月養生した後、防曇性の評価を行った。
<評価方法>
水をいれた水槽の上部に、基材フィルムに塗膜を形成した表面を水槽内部に向けて地表水平面に対して10度の角度で配置し、外気温を12℃、水槽内気温を22℃に保持し、水滴が流れ始める迄の時間を測定した結果を表1に示す。
また、得られた結果の評価は以下の基準で実施した。
○:水滴が流れ始める迄の時間が240分より短いもの。
△:水滴が流れ始める迄の時間が240〜300分のもの。
×:水滴が流れ始める迄の時間が300分以上のもの。
以上の結果から明らかなように、本発明に関るフッ素系樹脂と無機質コロイド状物質を含有する防曇剤組成物は、防曇性が良好であり、かつ水滴が流れ落ちる時間が早い結果が得られた。
Figure 0006323108

Claims (6)

  1. 無機質コロイド状物質及び少なくとも1種の合成樹脂を含む防曇剤組成物であって、前記合成樹脂の少なくとも1つはフッ素系樹脂であり、前記フッ素系樹脂は、ポリフッ化ビニリデン又はポリフッ化ビニリデンを核とするアクリル変性フッ素樹脂であることを特徴とする防曇剤組成物。
  2. アクリル系樹脂を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の防曇剤組成物。
  3. 前記無機質コロイド状物質がコロイダルシリカ及び/又はコロイダルアルミナであることを特徴とする請求項1又は2に記載の防曇剤組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の防曇剤組成物からなる層が基材フィルムの少なくとも片面側に設けられたことを特徴とする積層フィルム。
  5. 前記基材フィルムがポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項に記載の積層フィルム
  6. 前記積層フィルムが農業用途であることを特徴とする請求項又はに記載の積層フィルム。
JP2014062843A 2014-03-26 2014-03-26 防曇剤組成物および積層フィルム。 Expired - Fee Related JP6323108B2 (ja)

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