JP6314616B2 - 車両用旋回走行制御装置、車両用旋回走行制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載された従来技術では、目標スタビリティファクタを設定すると共に、実スタビリティファクタを算出し、これらの偏差に応じて車両の制駆動力を制御することにより、安定した旋回走行を図っている。
本発明の課題は、旋回挙動の動的な変化特性に応じた運転支援を行うことである。
《構成》
本実施形態は、今の旋回挙動のみならず、刻々と変化する旋回挙動の動的な変化特性をも把握したうえで、次の旋回挙動に向けた運転支援を行うものである。なお、運転者が運転している場合に限らず、人為的な運転操作がなくとも、車両に搭載されたレーダやカメラ等で周囲の環境を認識し、車両の走行システムが主体となって自律的に走行(自動走行)できるものにも適応できる。
本実施形態の走行制御装置11は、コントローラ12と、アクチュエータ13と、を備える。
コントローラ12は、例えばマイクロコンピュータからなり、加速度センサ、車輪速度センサ、横加速度センサ、ヨーレートセンサ、操舵角センサ等、各種センサからの検出信号を入力する。
旋回特性推定部14は、タイヤ横力推定部21と、摩擦係数推定部22と、補正部23と、基準特性規定部24と、第一のコーナリングパワー算出部(K1算出部)25と、第一のスタビリティファクタ算出部(A1算出部)26と、第二のコーナリングパワー算出部(K2算出部)27と、第二のスタビリティファクタ算出部(A2算出部)28と、特性推定部29と、を備える。
mGy=FyF+FyR
Iγ’=FyF×LF−FyR×LR
ここで、摩擦係数μの推定について説明する。
路面の摩擦係数μが異なるときの、タイヤのスリップ率λとタイヤの制駆動力Fxとの関係を図2に示す。
μb=(b1/a1)×μa
μb=(b2/a2)×μa
μb=(b3/a3)×μa
制駆動力Fxについては、電気自動車であれば、加減速度Gx、車輪速度VwFL〜VwRR、モータ電流値、モータ回転数、減速比等に応じて求められる。また、エンジン車両であれば、加減速度Gx、車輪速度VwFL〜VwRR、エンジン回転数、減速比等に応じて求められる。
スリップ率λについては、車輪速度VwFL〜VwRR、及び車速(車体速度)Vに応じて求められる。
上記が摩擦係数推定部22の説明である。
ここで、横力Fyの補正について説明する。
路面の摩擦係数μが異なるときの、タイヤのスリップ角βとタイヤの横力Fyとの関係を図3に示す。
座標横軸にタイヤのスリップ角βをとり、座標横軸にタイヤの横力Fyをとり、摩擦係数がμc=1.0となる路面Cでのスリップ角βと横力Fyとの関係を、実線の特性線Lcで示している。また、摩擦係数がμd=0.5となる路面Dでのスリップ角βと横力Fyとの関係を、破線の特性線Ldで示している。また、摩擦係数がμE=0.2となる路面Eでのスリップ角βと横力Fyとの関係を、破線の特性線Leで示している。特性線Lc、Ld、Leは、縦横比が同一となるので、その形状は相似である。
座標原点[0,0]と点Pcとを結ぶ直線Lsに沿った直線距離をc1とし、座標原点[0,0]から点Pcまでの縦軸方向の距離をc2とし、座標原点[0,0]から点Pcまでの横方向の距離をc3とする。また、座標原点[0,0]と点Pdとを結ぶ直線Lsに沿った直線距離をd1とし、座標原点[0,0]から点Pdまでの縦軸方向の距離をd2とし、座標原点[0,0]から点Pdまでの横方向の距離をd3とする。特性線Lc及びLdは、縦横比が同一となるので、その形状は相似である。
c2=d2×(μc/μd)
また、点Pdと傾きが同一になる点Pcの横軸座標c3を推定する場合、下記の式に示すように、点Pdの横軸座標d3に、μcとμdとの比を乗算することにより、点Pcの横軸座標c3を推定できる。
c3=d3×(μc/μd)
そこで、例えば乾燥した舗装路面を基準の路面Cとし、その摩擦係数μcを予め記憶しておく。そして、現在の走行路面を路面Dとし、その摩擦係数μdと、現在の横力Fyとを取得する。このとき、点Pdの縦軸座標に相当する横力Fyがd2となる。そして、座標原点[0,0]と点Pdとを結ぶ直線Lsと、特性線Lcとが交わる点を点Pcとし、この点Pcの縦軸座標c2に相当する横力Fyを求める。すなわち、下記の式に示すように、現在の横力FyF及びFyRに、μcとμdとの比(μc/μd)を乗算することにより、横力FyF及びFyRを補正する。
FyF ← FyF×(μc/μd)
FyR ← FyR×(μc/μd)
βF ← βF×(μc/μd)
βR ← βR×(μc/μd)
ここでは、便宜上、基準の摩擦係数をμcとし、推定する摩擦係数をμdとして説明しているが、基準の摩擦係数はμRと表記し、推定した摩擦係数はμEと表記する。なお、補正部23で用いる摩擦係数μEは、予め定めた期間にわたって摩擦係数推定部22が推定した摩擦係数μEの平均値とする。
上記が補正部23の説明である。
ここで、基準特性線Lrについて説明する。
タイヤのスリップ角βとタイヤの横力Fyとの関係を図5に示す。
座標横軸にタイヤのスリップ角βをとり、座標縦軸にタイヤの横力Fyをとり、基準摩擦係数μRの基準路面において、基準特性となるタイヤのスリップ角βと横力Fyとの関係を、実線の基準特性線Lrとして規定している。ここでは、一つの基準特性線Lrについて説明するが、実際には前輪の基準特性線LrFを規定すると共に、後輪の基準特性線LrRを規定しているものとする。
コーナリングパワーKは、タイヤのスリップ角βに対する横力Fyの比(Fy/β)、つまり傾きで表される。
基準特性線Lr上の非線形領域に任意の点Pをとり、この点Pにおける接線をLk1とする。また、接線Lk1と縦軸とが交わる座標を[0、Fy1]とし、点Pの座標を[β0,Fy2]とし、Fy2とFy1との差分をΔFy(=Fy2−Fy1)とすると、接線Lk1の傾きは、ΔFy/β0で表される。この接線Lk1の傾きΔFy/β0を第一のコーナリングパワーK1とする。また、座標原点[0,0]と点Pとを結ぶ直線をLk2とすると、直線Lk2の傾きは、Fy2/β0で表され、この直線Lk2の傾きFy2/β0を、第二のコーナリングパワーK2とする。また、基準特性線Lrにおける線形領域の接線をLk3とし、この接線Lk3の横軸座標β0に対応する縦軸座標をFy3とすると、接線Lt3の傾きは、Fy3/β0で表される。この接線Lk3の傾きFy3/β0を、第三のコーナリングパワーK3とする。
第三のコーナリングパワーK3は、線形領域でのタイヤ特性を示している。すなわち、スリップ角βに対する横力Fyの関係が定常状態にあるときのコーナリングパワーとなるため、定常のコーナリングパワーともいえる。
第二のコーナリングパワーK2は、ある時点における静的なタイヤ特性を示している。すなわち、ある時点のスリップ角βと横力Fyとを維持したときのコーナリングパワーとなるため、静的なコーナリングパワーともいえる。また、一定して変わらないという意味において、準定常的なコーナリングパワーともいえる。
第一のコーナリングパワーK1は、ある時点における動的なタイヤ特性を示している。すなわち、車速V又は操舵角θの増加に伴って、ある時点からスリップ角βや横力Fyが変化するときのコーナリングパワーとなるため、動的なコーナリングパワーともいえる。また、過渡的な状態にあるという意味では、過渡的なコーナリングパワーともいえる。
基準となるコーナリングパワーをK0[N/rad]とすると、輪荷重を考慮したコーナリングパワーKb[N/rad]は、下記の式によって表せる。ここで、Wwは輪荷重であり、W0は1輪当たりの車両重量(W/4)[kg]である。
Kb=K0×(Ww/W0)
また、コーナリングフォースFcは、下記の式によって表せる。
Fc=−{(Kb×β−2×μ×Ww)2/(4×μ×Ww)}+(μ×Ww)
また、コーナリングフォースFc、及びスリップ角β[deg]を用いると、コーナリングパワーKfは、下記の式によって表せる。
Kf=Fc/β
また、基準となるコーナリングパワーKb、横加速度dy[g]、及び路面とタイヤ間の摩擦係数μを用いると、コーナリングパワーKmは、下記の式によって表せる。
Km=Kb×√{1−(dy/μ)}
したがって、コーナリングパワーKmを推定し、これを第一のコーナリングパワーK1の代わりに用いてもよい。また、コーナリングパワーKfを推定し、これを第二のコーナリングパワーK2の代わりに用いてもよい。さらに、コーナリングパワーKbを推定し、これを第三のコーナリングパワーK3の代わりに用いてもよい。
上記が基準特性規定部24の説明である。
ここでは、基準特性線Lrに基づいて、横力Fyに応じて第一のコーナリングパワーK1を算出するためのマップを用意しておき、このマップを参照し、横力Fyに応じて第一のコーナリングパワーK1を算出する。
このマップは、座標横軸に横力Fyをとり、座標縦軸に第一のコーナリングパワーK1をとり、横力Fyが大きいほど、第一のコーナリングパワーK1が小さくなるように設定されている。なお、基準特性線Lrによれば、線形領域にある間は、接線Lk1の傾きは接線Lk3の傾きと同一になるため、横力Fyが0のときには、第一のコーナリングパワーK1が第三のコーナリングパワーK3となる。また、基準特性線Lrによれば、接線Lk1の傾きは最終的には略0、つまり座標横軸と略平行になるため、横力Fyが最大値FyMAXになるときに、第一のコーナリングパワーK1は0になる。タイヤの垂直荷重をWとすると、最大値FyMAXはμ×Wで表される。
すなわち、基準特性線Lrに基づいて、スリップ角βに応じて第一のコーナリングパワーK1を算出するためのマップを用意しておき、このマップを参照し、スリップ角βに応じて第一のコーナリングパワーK1を算出する。
このマップは、座標横軸にスリップ角Βをとり、座標縦軸に第一のコーナリングパワーK1をとり、スリップ角Βが大きいほど、第一のコーナリングパワーK1が小さくなるように設定されている。なお、基準特性線Lrによれば、線形領域にある間は、接線Lk1の傾きは接線Lk3の傾きと同一になるため、スリップ角Βが0のときには、第一のコーナリングパワーK1が第三のコーナリングパワーK3となる。また、基準特性線Lrによれば、接線Lk1の傾きは最終的には略0、つまり座標横軸と略平行になるため、スリップ角Βが最大値ΒMAXになるときに、第一のコーナリングパワーK1は0になる。
A1=−(m/2L2)×{(LF×K1F−LR×K1R)/(K1F×K1R)}
第一のスタビリティファクタA1は、ある時点における旋回挙動の動的な変化特性を示している。すなわち、車速V又は操舵角θの増加に伴って、ある時点から旋回挙動が変化するときのスタビリティファクタとなるため、動的なスタビリティファクタともいえる。また、過渡的な状態にあるという意味では、過渡的なスタビリティファクタともいえる。
ここでは、基準特性線Lrに基づいて、横力Fyに応じて第二のコーナリングパワーK2を算出するためのマップを用意しておき、このマップを参照し、横力Fyに応じて第二のコーナリングパワーK2を算出する。
このマップは、座標横軸に横力Fyをとり、座標縦軸に第二のコーナリングパワーK2をとり、横力Fyが大きいほど、第二のコーナリングパワーK2が小さくなるように設定されている。なお、基準特性線Lrによれば、線形領域にある間は、直線Lk2の傾きは接線Lk3の傾きと同一になるため、横力Fyが0のときには、第二のコーナリングパワーK2が第三のコーナリングパワーK3となる。また、基準特性線Lrによれば、直線Lk2の一端は座標原点[0,0]であるため、その傾きは常に0より大きいため、第二のコーナリングパワーK2も常に0より大きい値となる。
すなわち、基準特性線Lrに基づいて、スリップ角βに応じて第二のコーナリングパワーK2を算出するためのマップを用意しておき、このマップを参照し、スリップ角βに応じて第二のコーナリングパワーK2を算出する。
このマップは、座標横軸にスリップ角βをとり、座標縦軸に第二のコーナリングパワーK2をとり、スリップ角βが大きいほど、第二のコーナリングパワーK2が小さくなるように設定されている。なお、基準特性線Lrによれば、線形領域にある間は、直線Lk2の傾きは接線Lk3の傾きと同一になるため、スリップ角βが0のときには、第二のコーナリングパワーK2が第三のコーナリングパワーK3となる。また、基準特性線Lrによれば、直線Lk2の一端は座標原点[0,0]であるため、その傾きは常に0より大きいため、第二のコーナリングパワーK2も常に0より大きい値となる。
A2=−(m/2L2)×{(LF×K2F−LR×K2R)/(K2F×K2R)}
第二のスタビリティファクタA1は、ある時点における静的な旋回挙動を示している。すなわち、ある時点の車速V又は操舵角θを維持したときのスタビリティファクタとなるため、静的なスタビリティファクタともいえる。また、一定して変わらないという意味において、準定常的なスタビリティファクタともいえる。
上記が旋回特性推定部14の構成である。
第一のコーナリングパワーK1から目標スタビリティファクタA*を設定するためのマップを図10に示す。
このマップは、座標横軸に第一のコーナリングパワーK1をとり、座標縦軸に目標スタビリティファクタA*をとる。また、第一のコーナリングパワーK1については、0よりも大きく且つ0近傍の値Kt1と、このKt1よりも大きい値Kt2と、を予め定める。第一のコーナリングパワーK1がKt2よりも大きい範囲を定常領域とし、第一のコーナリングパワーK1がKt2よりも小さい範囲を非定常領域する。また、目標スタビリティファクタA*については、0よりも大きな値である最大値AMAXと、0よりも大きく且つ0近傍の値である基準値ARと、を予め定める。
制御量設定部17は、第二のスタビリティファクタA2、及び目標スタビリティファクタA*を用いて、目標ヨーレートγ*を実現するための目標ヨーモーメントMz*、及び目標車速V*を実現するための目標減速度Gx*を、目標制御量として設定する。
ここでは、下記の式に示すように、目標スタビリティファクタA*、車速V、及び操舵角θに応じて、目標ヨーレートγ*を設定する。ここで、Lはホイールベースである。なお、目標ヨーレートγ*はローパスフィルタ処理することが望ましい。
γ*={V/(1+A*×V2)}×(θ/L)
そして、下記の式に示すように、目標ヨーレートγ*とヨーレートγとの偏差(γ*−γ)に応じて、目標ヨーモーメントMz*を設定する。ここで、Δtは単位時間である。目標ヨーモーメントMz*は、右旋回を正の値とし、左旋回を負の値とする。
Mz*=(γ*−γ)/Δt
V*={√(A*/A2)}×V
そして、下記の式に示すように、目標車速V*と及び車速Vとの偏差(V*−V)に応じて、目標減速度Gx*を設定する。ここで、Δtは単位時間である。
Gx*=(V*−V)/Δt
上記が制御量設定部17の説明である。
ここでは、第一のコーナリングパワーK1に応じて、配分比率Rを設定するためのマップを用意しておき、このマップを参照し、前輪における第一のコーナリングパワーK1に応じて配分比率Rdを設定する。第一のコーナリングパワーK1には、前輪における第一のコーナリングパワーK1F、及び後輪における第一のコーナリングパワーK1Rの何れか一方を用いる。
このマップは、座標横軸に第一のコーナリングパワーK1をとり、座標縦軸に配分比率Rdをとる。また、第一のコーナリングパワーK1については、0よりも大きな値Kt3と、このKt3よりも大きな値Kt4と、を予め定める。このマップによれば、第一のコーナリングパワーK1がKt4より大きな範囲にあるときには、配分比率Rdが1.0を維持する。また、第一のコーナリングパワーK1がKt4からKt3の範囲にあるときには、第一のコーナリングパワーK1が小さいほど、配分比率Rdが0から1.0の範囲で小さくなる。また、第一のコーナリングパワーK1がKt3から0の範囲にあるときには、配分比率Rdが0を維持する。このように、第一のコーナリングパワーK1が小さいほど、配分比率Rdが小さくなる。
ここでは、第一のコーナリングパワーK1に応じて、配分比率Rを設定するためのマップを用意しておき、このマップを参照し、前輪における第一のコーナリングパワーK1に応じて配分比率Rdを設定する。
このマップは、座標横軸に第一のコーナリングパワーK1をとり、座標縦軸に配分比率Rdをとる。また、第一のコーナリングパワーK1については、0よりも大きな値Kt3と、このKt3よりも大きな値Kt4と、を予め定める。このマップによれば、第一のコーナリングパワーK1がKt4より大きな範囲にあるときには、配分比率Rdが0を維持する。また、第一のコーナリングパワーK1がKt4からKt3の範囲にあるときには、第一のコーナリングパワーK1が小さいほど、配分比率Rdが0から1.0の範囲で大きくなる。また、第一のコーナリングパワーK1がKt3から0の範囲にあるときには、配分比率Rdが1.0を維持する。このように、第一のコーナリングパワーK1が小さいほど、配分比率Rdが大きくなる。
α=1−√{(Gx2/0.252)+(Gy2/0.82)}
したがって、タイヤグリップの余裕率αを推定し、これを第一のコーナリングパワーK1の代わりに用いてもよい。例えば、余裕率αが0.5より大きな範囲にあるときには、ヨーモーメント制御の配分比率Rdが1.0を維持する。また、余裕率αが0.5から0.1の範囲にあるときには、余裕率αが小さいほど、ヨーモーメント制御の配分比率Rdが1.0から0の範囲で小さくなる。また、余裕率αが0.1から0の範囲にあるときには、ヨーモーメント制御の配分比率Rdが0を維持する。このように、タイヤグリップの余裕率αが小さいほど、ヨーモーメント制御の配分比率Rdを小さくしてもよい。
上記が配分比率設定部18の説明である。
Mz* ← Mz*×Rd
Gx* ← Gx*×(1.0−Rd)
Mz* ← Mz*×(1.0−Rd)
Gx* ← Gx*×Rd
具体的には、目標ヨーモーメントMz*の絶対値が予め定めた設定値Msより小さいときには、下記の式に示すように、前輪における左右輪の制動力差ΔPF、及び後輪における左右輪の制動力差ΔPRを設定する。dはトレッドである。
ΔPF=0
ΔPR=|Mz*|×2/d
このように、目標ヨーモーメントMz*の絶対値が設定値Ms未満であるときには、後輪だけ左右輪に制動力差を発生させる。
ΔPF=(|Mz*|−Ms)×2/d
ΔPR=Ms×2/d
このように、目標ヨーモーメントMz*の絶対値が設定値Ms以上であるときには、前輪及び後輪の双方で制動力差を発生させる。
すなわち、回転駆動源がエンジンであれば、エンジンブレーキによって目標減速度Gx*を発生させ、回転駆動源がモータであれば、回生ブレーキによって目標減速度Gx*を発生させる。駆動力制御には、変速比をシフトダウンさせる変速制御も含まれるものとする。
具体的には、制動力差ΔPF及びΔPRによって発生する減速度をGmとし、下記に示すように、目標減速度Gx*から減速度Gmを減算することにより、目標減速度Gx*を補正する。
Gx* ← Gx*−Gm
なお、左右輪の制動力差によって目標ヨーモーメントMz*を発生させる構成について説明したが、これに限定されるものではなく、左右輪に伝達する駆動力の配分を制御するトルクベクタリングによって目標ヨーモーメントMz*を発生させる構成としてもよい。また、電動パワーステアリングやステアリングバイワイヤを搭載している車両では、操舵トルクの付与によって目標ヨーモーメントMz*を発生させる構成としてもよい。
上記が駆動制御部16の構成である。
駆動力制御装置30は、回転駆動源の駆動力を制御する。例えば、回転駆動源がエンジンであれば、スロットルバルブの開度、燃料噴射量、点火時期などを調整することで、エンジン出力(回転数やエンジントルク)を制御する。回転駆動源がモータであれば、インバータを介してモータ出力(回転数やモータトルク)を制御する。
吸気管路31(例えばインテークマニホールド)内には、径方向に延びるスロットルシャフト32を軸支してあり、このスロットルシャフト32に、吸気管路31の内径未満の直径を有する円盤状のスロットルバルブ33を固定してある。また、スロットルシャフト32には、減速機34を介してスロットルモータ35を連結してある。
上記が駆動力制御装置30の説明である。
ブレーキ制御装置50は、各車輪の制動力を制御する。例えば、アンチスキッド制御(ABS)、トラクション制御(TCS)、スタビリティ制御(VDC:Vehicle Dynamics Control)等に用いられるブレーキアクチュエータにより、各車輪に設けられたホイールシリンダの液圧を制御する。
ブレーキアクチュエータ51は、マスターシリンダ52と各ホイールシリンダ53FL〜53RRとの間に介装してある。
マスターシリンダ52は、運転者のペダル踏力に応じて2系統の液圧を作るタンデム式のもので、プライマリ側をフロント左・リア右のホイールシリンダ53FL・53RRに伝達し、セカンダリ側を右前輪・左後輪のホイールシリンダ53FR・53RLに伝達するダイアゴナルスプリット方式を採用している。
プライマリ側は、第1ゲートバルブ61Aと、インレットバルブ62FL(62RR)と、アキュムレータ63と、アウトレットバルブ64FL(64RR)と、第2ゲートバルブ65Aと、ポンプ66と、ダンパー室67と、を備える。
第1ゲートバルブ61A・61Bと、インレットバルブ62FL〜62RRと、アウトレットバルブ64FL〜64RRと、第2ゲートバルブ65A・65Bとは、夫々、2ポート2ポジション切換・シングルソレノイド・スプリングオフセット式の電磁操作弁である。また、第1ゲートバルブ61A・61B及びインレットバルブ62FL〜62RRは、非励磁のノーマル位置で流路を開放し、アウトレットバルブ64FL〜64RR及び第2ゲートバルブ65A・65Bは、非励磁のノーマル位置で流路を閉鎖するように構成してある。
また、ポンプ66は、負荷圧力に係りなく略一定の吐出量を確保できる歯車ポンプ、ピストンポンプ等、容積形のポンプで構成してある。
上記の構成により、プライマリ側を例に説明すると、第1ゲートバルブ61A、インレットバルブ62FL(62RR)、アウトレットバルブ64FL(64RR)、及び第2ゲートバルブ65Aが全て非励磁のノーマル位置にあるときに、マスターシリンダ52からの液圧がそのままホイールシリンダ53FL(53RR)に伝達され、通常ブレーキとなる。
ブレーキコントローラ54は、第1ゲートバルブ61A・61Bと、インレットバルブ62FL〜62RRと、アウトレットバルブ64FL〜64RRと、第2ゲートバルブ65A・65Bと、ポンプ66とを駆動制御することによって、各ホイールシリンダ53FL〜53RRの液圧を増圧・保持・減圧する。
また、本実施形態では、バネ形のアキュムレータ63を採用しているが、これに限定されるものではなく、各ホイールシリンダ53FL〜53RRから抜いたブレーキ液を一時的に貯え、減圧を効率よく行うことができればよいので、重錘形、ガス圧縮直圧形、ピストン形、金属ベローズ形、ダイヤフラム形、ブラダ形、インライン形など、任意のタイプでよい。
上記がブレーキ制御装置50の説明である。
先ずステップS101では、各種データを読込む。具体的には、加減速度Gx、車輪速度VwFL〜VwRR、横加速度Gy、ヨーレートγ、車速V、操舵角θ等を読込む。
続くステップS102では、タイヤ横力推定部21の処理により、前輪の横力FyF及び後輪の横力FyRを推定する。
続くステップS103では、摩擦係数推定部22の処理により、路面の摩擦係数μEを推定する。
続くステップS105では、第一のコーナリングパワー算出部25の処理により、マップを参照し、横力FyF及びFyRに応じて第一のコーナリングパワーK1F及びK1Rを算出する。
続くステップS106では、第一のスタビリティファクタ算出部26の処理により、第一のコーナリングパワーK1F及びK1Rを用いて、第一のスタビリティファクタA1を算出する。
続くステップS108では、第二のスタビリティファクタ算出部28の処理により、第二のコーナリングパワーK2F及びK2Rを用いて、第二のスタビリティファクタA2を算出する。
続くステップS111では、制御量設定部17の処理により、第二のスタビリティファクタA2、及び目標スタビリティファクタA*を用いて、目標ヨーレートγ*を実現するための目標ヨーモーメントMz*、及び目標車速V*を実現するための目標減速度Gx*を設定する。
続くステップS112では、配分比率設定部18の処理により、ヨーモーメント制御と減速制御と、の配分比率Rdを設定する。
続くステップS113では、駆動部19の処理により、配分比率Rdに従い、ヨーモーメント制御及び減速制御の少なくとも一方を実行し、アクチュエータ13を駆動制御してから所定のメインプログラムに復帰する。
上記が走行制御処理である。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
先ず、スリップ角がβ1であるときの、スリップ角βと横力Fyとの関係を図16に示す。
座標横軸にスリップ角βをとり、座標縦軸に横力Fyをとり、前輪のスリップ角βと横力Fyとの関係を実線の特性線LnFで示し、後輪のスリップ角βと横力Fyとの関係を破線の特性線LnRで示す。また、特性線LnF上でスリップ角がβ1となる点をP1Fとし、この点P1Fにおける接線をLk1Fとし、座標原点[0,0]と点P1Fとを結ぶ直線をLk2Fとする。また、特性線LnR上でスリップ角がβ1となる点をP1Rとし、この点P1Rにおける接線をLk1Rとし、座標原点[0,0]と点P1Rとを結ぶ直線をLk2Rとする。このとき、前輪の横力Fyよりも後輪の横力Fyの方が大きいため、直線Lk2Fの傾きよりも直線Lk2Rの傾きの方が大きくなる。したがって、旋回挙動がアンダーステア特性であると判定できる。また、接線Lk1Fの傾きと接線Lk1Rの傾きとでは大きな差がない。そのため、タイヤのスリップ角βが増加しても、横力Fyの増加量は、前輪と後輪とで大きな差がなく、依然としてアンダーステア特性が維持されることになる。
ここでは、特性線LnF上でスリップ角がβ2となる点をP2Fとし、この点P2Fにおける接線をLk1Fとし、座標原点[0,0]と点P2Fとを結ぶ直線をLk2Fとする。また、特性線LnR上でスリップ角がβ2となる点をP2Rとし、この点P2Rにおける接線をLk1Rとし、座標原点[0,0]と点P2Rとを結ぶ直線をLk2Rとする。このとき、前輪の横力Fyよりも後輪の横力Fyの方が大きいため、直線Lk2Fの傾きよりも直線Lk2Rの傾きの方が大きくなる。したがって、旋回挙動がアンダーステア特性であると判定される。しかしながら、接線Lk1Rの傾きは、接線Lk1Fの傾きよりも小さく、略0である。そのため、タイヤのスリップ角βが増加すると、前輪の横力Fyは増加するのに、後輪の横力Fyは減少傾向に転じてしまう。したがって、旋回挙動がアンダーステア特性にありながら、オーバーステア特性へと近づいてゆくことになる。
ここでは、特性線LnF上でスリップ角がβ3となる点をP2Fとし、この点P3Fにおける接線をLk1Fとし、座標原点[0,0]と点P3Fとを結ぶ直線をLk2Fとする。また、特性線LnR上でスリップ角がβ3となる点をP2Rとし、この点P3Rにおける接線をLk1Rとし、座標原点[0,0]と点P3Rとを結ぶ直線をLk2Rとする。このとき、前輪の横力Fyと後輪の横力Fyとが等しいため、直線Lk2Fの傾きと直線Lk2Rの傾きも等しくなる。したがって、旋回挙動がニュートラルステア特性であると判定される。しかしながら、接線Lk1Rの傾きは、接線Lk1Fの傾きよりも小さく、右肩上がりを正の値、右肩下がりを負の値とするなら、接線Lk1Fの傾きが0より大きいのに対して、接線Lk1Rの傾きは0より小さい。そのため、タイヤのスリップ角βが増加すると、前輪の横力Fyは増加するのに、後輪の横力Fyはさらに減少してしまう。したがって、旋回挙動がニュートラルステア特性にありながら、オーバーステア特性が発現する直前である。
また、安定した旋回走行を図るものとして、目標ヨーレートγ*を設定し、実ヨーレートγとの偏差Δγに応じて、制御介入するものも知られている。これは車両の限界挙動を抑制することはできるが、運転者にとっての車両の扱いやすさに寄与するとは限らない。すなわち、人の内部モデルは、運転操作と車両挙動の履歴から構築されるため、ある操作に対して期待した挙動は、直前の操作の延長上にあるといえる。ヨーレートγは、車速Vや操舵角θによって絶えず変化するため、ヨーレート偏差Δγに応じて制御介入したときに、運転者は車両挙動の変化を識別できても、運転操作との因果関係を把握しにくい。したがって、運転者にとっての車両の扱いやすさには結びつきにくい。
このように、基準特性線Lrにおいて、横力Fyに対応する座標位置での接線Lk1F及びLk1Rの傾きを、第一のコーナリングパワーK1F及びK1Rとして算出しているため、次にコーナリングパワーがどのように変化するかを把握することができる。したがって、この第一のコーナリングパワーK1F及びK1Rを用いて、第一のスタビリティファクタA1を算出することにより、次にスタビリティファクタがどのように変化するかを把握することができ、こうして旋回挙動の動的な変化特性を把握することができる。
そして、第二のスタビリティファクタA2の符号及び大きさに応じて、静的な旋回挙動を推定する。すなわち、ある時点の車速V又は操舵角θを維持したときの旋回挙動が、アンダーステア特性(US特性)であるか、オーバーステア特性(OS特性)であるか、ニュートラステア(NS特性)であるかを推定する。
目標スタビリティファクタA*の設定については、第一のコーナリングパワーK1が小さいほど、車両のアンダーステア特性が強まるように目標スタビリティファクタA*を設定する。第一のコーナリングパワーK1が小さいほど、前輪又は後輪の横力Fyが飽和状態に近づいていることを意味するため、この場合は予めアンダーステア特性を強めておくことが望ましい。このように、第一のコーナリングパワーK1が小さいほど、車両のアンダーステア特性が強まるように目標スタビリティファクタA*を設定することで、旋回挙動の動的な変化特性に応じた運転支援を行うことができる。
一方、第一のコーナリングパワーK1が閾値Kt2よりも小さい非定常領域にあるときには、車両のアンダーステア特性が基準値ARよりも強まるように、目標スタビリティファクタA*を設定する。このように、第一のコーナリングパワーK1が非定常領域にあるときには、目標スタビリティファクタA*を基準値ARよりも大きな値に設定することにより、オーバーステア特性に遷移しそうになることを抑制し、良好なステア特性を維持することができる。
図中の(a)は、第一のコーナリングパワーK1が大きく、タイヤグリップに十分な余裕がある場合を示す。仮に、目標スタビリティファクタA*が点線で示す特性線LA上にあるとする。今、旋回走行状態にあり、横方向の移動速度と前後方向の移動速度との関係が、特性線LA上の点P0にあるとする。この状態から運転者の加速要求があった場合、タイヤグリップに十分な余裕があれば、ヨーモーメント制御によって、横方向の移動速度を増加させ、特性線LA上の点P1へと遷移することができる。これにより、目標スタビリティファクタA*を維持し、所望のアンダーステア特性を得ることができる。
このように、第一のコーナリングパワーK1F及びK1Rの何れか一方を用いて、ヨーモーメント制御及び減速制御の配分比率Rdを設定することにより、旋回挙動の動的な変化特性に応じた運転支援を行うことができる。
本実施形態では、基準特性規定部24が「基準特性規定部」に対応し、タイヤ横力推定部21が「タイヤ状態取得部」に対応する。また、第一のコーナリングパワー算出部25が「第一のコーナリングパワー算出部」に対応し、目標挙動設定部15が「目標挙動設定部」に対応し、駆動制御部16が「駆動制御部」に対応する。また、摩擦係数推定部22が「摩擦係数推定部」に対応し、補正部23が「補正部」に対応し、図6及び図7のマップが「第一のモデル」に対応する。
次に、第1実施形態における主要部の効果を記す。
(1)本実施形態に係る車両用旋回走行制御装置は、予め定めた座標系で、基準特性となるタイヤのスリップ角β及び横力Fyの関係を、基準特性線Lrとして規定する。そして、基準特性線Lrを参照し、スリップ角β又は横力Fyに対応する座標位置での接線の傾きを、第一のコーナリングパワーK1として算出する。そして、第一のコーナリングパワーK1を用いて、車両の目標スタビリティファクタA*を設定し、この目標スタビリティファクタA*に応じて、車両の旋回走行を駆動制御する。
このように、基準特性線Lrにおいて、スリップ角β又は横力Fyに対応する座標位置での接線の傾きを、第一のコーナリングパワーK1として算出しているため、次に第一のコーナリングパワーK1がどのように変化するかを把握することができる。したがって、この第一のコーナリングパワーK1を用いて、車両の目標スタビリティファクタA*を設定し、車両の旋回走行を駆動制御することにより、旋回挙動の動的な変化特性に応じた運転支援を行うことができる。
このように、第一のコーナリングパワーK1が小さいほど、車両のアンダーステア特性が強まるように目標スタビリティファクタA*を設定することで、旋回挙動の動的な変化特性に応じた運転支援を行うことができる。
このように、第一のコーナリングパワーK1が定常領域にあるときは、目標スタビリティファクタA*を基準値ARに設定することにより、弱いアンダーステア特性を維持し、良好なステア特性を維持することができる。
このように、第一のコーナリングパワーK1が非定常領域にあるときには、目標スタビリティファクタA*を基準値ARよりも大きな値に設定することにより、オーバーステア特性に遷移しそうになることを抑制し、良好なステア特性を維持することができる。
このように、タイヤの横力Fyと第一のコーナリングパワーK1との関係を規定したモデルを用いて、第一のコーナリングパワーK1を算出することにより、容易に第一のコーナリングパワーK1を算出することができる。
このように、推定した摩擦係数μEを用いて横力Fyを補正することにより、路面の摩擦係数μが基準のμRとは異なる路面であっても、第一のコーナリングパワーK1や第二のコーナリングパワーK2を精度よく算出することができる。
このように、基準の摩擦係数μRと推定した摩擦係数はμEとの比(μR/μE)を用いて横力FyF及びFyRを補正することにより、路面の摩擦係数μが基準のμRとは異なる路面であっても、第一のコーナリングパワーK1や第二のコーナリングパワーK2を精度よく算出することができる。
このように、予め定めた期間にわたって推定した摩擦係数μEの平均値を補正に用いることで、ノイズや外乱による影響を抑制し、横力Fyの補正精度を向上させることができる。
このように、基準特性線Lrにおいて、スリップ角β又は横力Fyに対応する座標位置での接線の傾きを、第一のコーナリングパワーK1として算出しているため、次に第一のコーナリングパワーK1がどのように変化するかを把握することができる。したがって、この第一のコーナリングパワーK1を用いて、車両の目標スタビリティファクタA*を設定し、車両の旋回走行を駆動制御することにより、旋回挙動の動的な変化特性に応じた運転支援を行うことができる。
12 コントローラ
13 アクチュエータ
14 旋回特性推定部
15 目標挙動設定部
16 駆動制御部
17 制御量設定部
18 配分比率設定部
19 駆動部
21 タイヤ横力推定部
22 摩擦係数推定部
23 補正部
24 基準特性規定部
25 コーナリングパワー算出部
26 スタビリティファクタ算出部
27 コーナリングパワー算出部
28 スタビリティファクタ算出部
29 特性推定部
30 駆動力制御装置
50 ブレーキ制御装置
Claims (9)
- 予め定めた座標系で、基準特性となるタイヤのスリップ角及び横力の関係を、基準特性線として規定する基準特性規定部と、
タイヤのスリップ角又は横力を取得するタイヤ状態取得部と、
前記基準特性規定部で規定した基準特性線を参照し、前記タイヤ状態取得部で取得したスリップ角又は横力に対応する座標位置での接線の傾きを、第一のコーナリングパワーとして算出する第一のコーナリングパワー算出部と、
前記第一のコーナリングパワー算出部で算出した第一のコーナリングパワーを用いて、車両の目標スタビリティファクタを設定する目標挙動設定部と、
前記目標挙動設定部で設定した目標スタビリティファクタに応じて、車両の旋回走行を駆動制御する駆動制御部と、を備え、
前記目標挙動設定部は、
前記第一のコーナリングパワーが小さいほど、車両のアンダーステア特性が強まるように前記目標スタビリティファクタを設定することを特徴とする車両用旋回走行制御装置。 - 予め定めた座標系で、基準特性となるタイヤのスリップ角及び横力の関係を、基準特性線として規定する基準特性規定部と、
タイヤのスリップ角又は横力を取得するタイヤ状態取得部と、
前記基準特性規定部で規定した基準特性線を参照し、前記タイヤ状態取得部で取得したスリップ角又は横力に対応する座標位置での接線の傾きを、第一のコーナリングパワーとして算出する第一のコーナリングパワー算出部と、
前記第一のコーナリングパワー算出部で算出した第一のコーナリングパワーを用いて、車両の目標スタビリティファクタを設定する目標挙動設定部と、
前記目標挙動設定部で設定した目標スタビリティファクタに応じて、車両の旋回走行を駆動制御する駆動制御部と、を備え、
前記目標挙動設定部は、
前記第一のコーナリングパワーが予め定めた閾値より大きい定常領域にあるときには、車両のアンダーステア特性が予め定めた基準値を維持するように、前記目標スタビリティファクタを設定することを特徴とする車両用旋回走行制御装置。 - 前記目標挙動設定部は、
前記第一のコーナリングパワーが前記閾値より小さい非定常領域にあるときには、車両のアンダーステア特性が前記基準値よりも強まるように、前記目標スタビリティファクタを設定することを特徴とする請求項2に記載の車両用旋回走行制御装置。 - 前記第一のコーナリングパワー算出部は、
前記基準特性線を参照し、タイヤのスリップ角又は横力の一方と、前記接線の傾きである前記第一のコーナリングパワーとの関係を規定した第一のモデルを有し、
前記第一のモデルを参照し、前記タイヤ状態取得部で取得したスリップ角又は横力を用いて、前記第一のコーナリングパワーを算出することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用旋回走行制御装置。 - 路面の摩擦係数を推定する摩擦係数推定部と、
前記タイヤ状態取得部で取得したスリップ角又は横力の一方を、前記摩擦係数推定部で推定した路面の摩擦係数に応じて補正する補正部と、を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用旋回走行制御装置。 - 前記補正部は、
前記基準特性線を規定するのに前提としている路面の摩擦係数を基準値とし、且つ前記摩擦係数推定部で推定した路面の摩擦係数を推定値とし、前記基準値及び前記推定値の比に応じて、前記タイヤ状態取得部で取得したスリップ角又は横力の一方を補正することを特徴とする請求項5に記載の車両用旋回走行制御装置。 - 前記補正部は、
予め定めた期間にわたって前記摩擦係数推定部で推定した路面の摩擦係数の平均値に応じて、前記タイヤ状態取得部で取得したスリップ角又は横力の一方を補正することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用旋回走行制御装置。 - 予め定めた座標系で、基準特性となるタイヤのスリップ角及び横力の関係を、基準特性線として予め規定しておき、前記基準特性線を参照し、タイヤのスリップ角又は横力に対応する座標位置での接線の傾きを、第一のコーナリングパワーとして算出し、
前記第一のコーナリングパワーを用いて、車両の目標スタビリティファクタを設定し、前記目標スタビリティファクタに応じて、車両の旋回走行を駆動制御し、
前記第一のコーナリングパワーが小さいほど、車両のアンダーステア特性が強まるように前記目標スタビリティファクタを設定することを特徴とする車両用旋回走行制御方法。 - 予め定めた座標系で、基準特性となるタイヤのスリップ角及び横力の関係を、基準特性線として予め規定しておき、前記基準特性線を参照し、タイヤのスリップ角又は横力に対応する座標位置での接線の傾きを、第一のコーナリングパワーとして算出し、
前記第一のコーナリングパワーを用いて、車両の目標スタビリティファクタを設定し、前記目標スタビリティファクタに応じて、車両の旋回走行を駆動制御し、
前記第一のコーナリングパワーが予め定めた閾値より大きい定常領域にあるときには、車両のアンダーステア特性が予め定めた基準値を維持するように、前記目標スタビリティファクタを設定することを特徴とする車両用旋回走行制御方法。
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