JP6312500B2 - 防振装置用液体組成物及び液体封入式防振装置 - Google Patents
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Description
しかし、大振幅振動と比較して振幅が小さい小振幅振動が液体封入式防振装置に入力すると、振動の吸収・減衰が低下し、かえって防振性能が悪化する場合がある。
本発明の目的は、液体封入式防振装置において、封入された作動液中のキャビテーションの発生を抑制し、キャビテーションの崩壊に伴う異音や衝撃の発生を防止することにある。
ここで、前記環状化合物(A)の濃度が少なくとも50質量%であることが好ましい。 さらに、下記一般式(2)で表される液状化合物(B)を含むことが好ましい。
また、前記液状化合物(B)の濃度が5質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましい。
図1は、液体封入式防振装置の一形態である液封マウント1を説明する図である。液封マウント1は、第1取り付け部材11と、第2取り付け部材12と、第1取り付け部材11及び第2取り付け部材12を連結し、これらと一体的に設けられた弾性部材13と、を備えている。さらに、第2取り付け部材12に弾性部材13と相対するように取り付けられたダイアフラム15を有し、ダイアフラム15と弾性部材13とによって囲まれた閉鎖空間からなる液封室(主液室16,副液室17)が構成されている。
第1取り付け部材11は、振動源である駆動力機関の一例としての自動車用エンジン(図示せず)側のエンジン側ブラケット100に取り付けられる。第2取り付け部材12は、非振動源である自動車の車体側ブラケット200に取り付けられる。
第1取り付け部材11の本体部112は、エンジン側ブラケット100の一端に嵌合し、取り付けボルト111により取り付けられている。エンジン側ブラケット100の他端は、図示しない自動車用エンジンにボルト等により取り付けられている。
本実施の形態において、液封マウント1の弾性部材13に使用するゴム材料は、自動車用エンジンマウントの用途に通常使用されるゴムの中から適宜選択され、特に限定されない。例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、高シス−ポリブタジエンゴム(HCBR)、低シス−ポリブタジエンゴム(LCBR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR(乳化重合SBR(ランダム)、溶液重合SBR(ランダム、スチレンテーパード))等が挙げられる。さらに、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(HNBR)、エチレン−α−オレフィン系共重合ゴム(EPR、EPDM)、クロロプレンゴム等が挙げられる。
本実施の形態における弾性部材13は、上述したゴム材料に各種補強剤、加硫剤、加硫促進剤、可塑剤、老化防止剤等を配合したゴム組成物を調製し、これを加硫することにより成形される。
次に、液封マウント1に封入される防振装置用液体組成物としての作動液Lについて説明する。
次に、作動液Lについて説明する。
本実施の形態において、液封マウント1に封入される防振装置用液体組成物(以下、単に「液体組成物」と記すことがある。)としての作動液Lは、下記一般式(1)で表わされる環状化合物(A)を主成分として含んでいる。ここで、主成分とは、環状化合物(A)の液体組成物中の濃度が少なくとも50質量%であり、また、液体組成物全体を100質量部にしたとき、少なくとも50質量部であることをいう。さらに、環状化合物(A)の液体組成物中の濃度が、少なくとも60質量部であることが好ましく、少なくとも80質量部であることがより好ましい。環状化合物(A)の濃度が過度に低いと、図1に示した液封マウント1における弾性部材13の疲労耐久性や振動吸収性能が低下する傾向がある。
Xがカーボネート基である化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。
XがN−置換アルキルアミド基である化合物としては、例えば、N−メチル−γ−ブチロラクタム、1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの中でも、N−メチル−γ−ブチロラクタムが好ましい。
XがN,N’−ジ置換アルキルウレア基である化合物としては、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
Xがスルホキシド基である化合物としては、例えば、1,3−ジメチル−2−スルホラン、テトラメチレンスルホラン等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ジメチル−2−スルホランが好ましい。
また、本発明により得られる効果を損なわない範囲において、従来、液体封入式防振装置に使用されている、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水等を併用することは可能である。
図1に示す液封マウント1を作製し、液封室(主液室16,副液室17)に作動液Lを封入した後、液封マウント1に振動(Sin13Hz±2.0mm)を入力し、その際のキャビテーション崩壊時の伝達力(キャビテーション異音)を測定した(単位:N)。入力振動の1波〜20波について伝達力を測定したうえ、それらのうちの最大値を結果とした。数値が小さいほど、異音の発生が抑制されていることを示す。尚、表1〜表3は、後述する比較例1の場合の値を100としたときの指数(伝達力指数)として結果を表示した。
液封室(主液室16,副液室17)に作動液Lを封入した液封マウント1について、減衰性を測定した(単位:N・sec/mm)。液封マウント1に振幅±1.0mm、周波数範囲5〜30Hzの入力を与え減衰係数の周波数依存性を測定し、そのピーク値を減衰性の指標とした。数値が大きいほど、減衰性がすぐれていることを示す。
液封マウント1の弾性部材13は、下記配合組成のゴム組成物を射出成形方法により成形し、165℃×10分間の加硫を行って調製した。
天然ゴム 65部
ブタジエンゴム 35部
カーボンブラックGPF 40部
酸化亜鉛 5部
ステアリン酸 1部
老化防止剤 3部
ワックス 1部
硫黄 1.5部
加硫促進剤(TMTD) 1部
加硫促進剤(CBS) 0.5部
ダイアフラム部の膨れについて、以下の基準に基づき判定した。
液封室(主液室16,副液室17)に作動液Lを封入した液封マウント1を100℃に制御したギアオーブン中に48時間静置した後、目視にてダイアフラム部に膨れが発生していないか、以下に示す基準に基づき判定した。
○:気体発生がほぼなく、外観上変化がない。
△:気体発生量が初期形状の維持ができる程であり、外観上変化がない。
×:気体発生量が初期形状の維持ができない程となり、外観上変化がある。
図1に示す液封マウント1の液封室(主液室16,副液室17)に、表1に示す成分の液体組成物(環状化合物(A))からなる作動液Lを封入し、キャビテーション異音(伝達力指数)、減衰性、ダイアフラム部の膨れを測定した。また、比較例として、環状化合物(A)を含まない場合(比較例1、比較例2)、液状化合物(B)を含み且つ環状化合物(A)を含まない場合(比較例3、比較例4)、環状化合物(A)が主成分ではない場合(比較例5)の作動液Lをそれぞれ液封マウント1の液封室(主液室16,副液室17)に封入し、実施例1と同じ条件でキャビテーション異音等を測定した。
結果を、作動液Lとして使用した液体組成物の成分と併せて表1に示す。尚、特に断らない限り、実施例及び比較例における表中の成分表示は質量部である。
図1に示す液封マウント1の液封室(主液室16,副液室17)に、環状化合物(A)としてプロピレンカーボネートを含み、さらに表2に示す種類と成分の液状化合物(B)を含む作動液Lを封入し、キャビテーション異音(伝達力指数)、減衰性、ダイアフラム部の膨れを測定した。結果を、作動液Lとして使用した液体組成物の成分と併せて表2に示す。
図1に示す液封マウント1の液封室(主液室16,副液室17)に封入する作動液Lとして、環状化合物(A)としてのN−メチル−γ−ブチロラクタムを含み、液状化合物(B)としての1−ブチルアルコールを含む場合(実施例16〜実施例19)と、環状化合物(A)としてのプロピレンカーボネートを含み、その他表3に示す成分を含む場合(実施例20,実施例21)について、キャビテーション異音(伝達力指数)、減衰性、ダイアフラム部の膨れを測定した。結果を、作動液Lとして使用した液体組成物の成分と併せて表3に示す。
Claims (5)
- 前記環状化合物(A)の濃度が少なくとも50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の防振装置用液体組成物。
- 前記液状化合物(B)の濃度が5質量%〜40質量%の範囲内であることを特徴とする請求項2又は3に記載の防振装置用液体組成物。
- 振動源と非振動源との間に設けられる液体封入式防振装置であって、
振動源側に取り付けられる第1取り付け部材と、
非振動源側に取り付けられる第2取り付け部材と、
前記第1取り付け部材と前記第2取り付け部材とを弾性的に連結する弾性部材と、
前記第2取り付け部材に前記弾性部材と相対するように取り付けられたダイアフラムと当該弾性部材とによって囲まれた閉鎖空間からなる液封室と、を有し、
前記液封室には、下記一般式(1)で表わされる環状化合物(A)を主成分として含む作動液が封入されることを特徴とする液体封入式防振装置。
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