以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図4を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図4を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図4を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図4を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図4を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取り付け位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取り付け位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取り付け位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、普通図柄または特別図柄(第1特別図柄もしくは第2特別図柄)の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータは、普通図柄表示器10で普通図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行可能であり、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行可能であり、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行可能であるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、小当り図柄または普図当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で小当りまたは普図当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が小当り図柄または普図当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、小当りまたは普図当り(小当り遊技におけるV入賞による大当り)をいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(可変表示部)として第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。なお、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。また、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とは、同時に実行可能である。
演出表示装置9の右下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置(普通役物)15とが設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置(普通役物)15は、ソレノイド16によって開放状態とされる。この実施の形態では、第2始動入賞口14の真上に入賞防止部17が設けられ、可変入賞球装置(普通役物)15が閉鎖状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能であり、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能となるように構成されている。そのため、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態になることによって、遊技者にとって有利な状態になる。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態である場合にのみ入賞可能となるように構成する場合を示しているが、可変入賞球装置(普通役物)15が閉鎖状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成してもよい。例えば、入賞防止部17を図1に示す位置よりも上方に設け、可変入賞球装置(普通役物)15が閉鎖状態であっても、第2始動入賞口14に入賞可能となるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aと、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bとが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に対する有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に対する有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を実行可能である。このとき、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて小当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において小当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示(小当り図柄)される。
また、遊技領域7の右下方には、可変入賞球装置(役物)24が設けられている。可変入賞球装置(役物)24は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示されたときに、ソレノイド25によって開閉板が開放状態に制御されることによって、可変入賞球装置(役物)24が開放状態になる。可変入賞球装置(役物)24内に進入した全ての遊技球は役物入賞スイッチ28で検出される。なお、役物入賞スイッチ28は、例えば、光センサにより実現可能である。可変入賞球装置(役物)24内には特定領域(V入賞領域)が設けられており、可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域に入賞した遊技球はV入賞スイッチ29で検出される。また、特定領域以外の領域に入賞した遊技球は役物排出スイッチ30で検出される。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24は、可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球が、1/10の割合で特定領域(V入賞領域)に入賞し、9/10の割合で特定領域以外に入賞するように構成されているが、これとは異なる割合で入賞するようにしてもよいし、必ず特定領域(V入賞領域)に入賞するようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置(普通役物)15の左下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、可変入賞球装置(役物)24内に設けられた特定領域(V入賞領域)に遊技球が入賞したときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
演出表示装置9の下方には、遊技球が通過可能なゲート32が設けられている。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置(普通役物)15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。すなわち、可変入賞球装置(普通役物)15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
演出表示装置9は、普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を実行可能である。このとき、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、普通図柄表示器10において当り図柄(普図当り図柄)が停止表示されるときには、演出表示装置9において当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示(普図当り図柄)される。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、第1特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、第2特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、所定の条件が成立したとき(本例では小当り時の遊技状態と小当り種別とにもとづいて高ベースフラグがセットされたとき(ステップS166))には、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、第2特別図柄表示器8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合(低ベース状態)と比較して、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置(普通役物)15が所定回数、所定時間だけ開放状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置(普通役物)15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置(普通役物)15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄であったりする場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉鎖状態から開放状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(以下、普通図柄時短状態と区別する場合に特別図柄時短状態ともいう)に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、小当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、低ベース状態と高ベース状態とでは、始動入賞のしやすさは略変わらず、遊技者が認識可能な程の差異はない。これは、後述する第1遊技状態と第3遊技状態との違いを遊技者に把握させないことを目的としているためであるが、そのような目的がなければ始動入賞のしやすさを大きく変えてもよい。
図2は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の例を示す説明図である。図2に示すように、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aの検出信号がオン状態になると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、当り(普図当り)またははずれである。そして、普通図柄の変動(可変表示)が開始される。また、普通図柄の変動(可変表示)に同期して演出図柄の変動(可変表示)が開始される。普通図柄および演出図柄の変動が終了すると、当り(普図当り)に決定されている場合には、可変入賞球装置(普通役物)15を開放状態に制御する。
そして、開放状態に制御された第2始動入賞口14に遊技球が入賞して始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態になる、または第1始動入賞口13に遊技球が入賞して始動口スイッチ13aの検出信号がオン状態になると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、小当りまたははずれである。抽選の結果が小当りの場合には、遊技の進行を制御する遊技制御手段は、抽選を実行し、小当り種別(第1小当種別、第2小当り種別または第3小当り種別のいずれか)を決定する。
そして、特別図柄の変動(可変表示)が開始される。また、特別図柄の変動に同期して演出図柄の変動(可変表示)が開始される。特別図柄(および演出図柄)の変動が終了すると、小当りに決定されている場合には、遊技状態が小当り遊技状態に移行され、小当りに決定されていない場合には、小当り遊技状態に移行されない。すなわち、はずれになる。小当り遊技状態では、遊技制御手段は、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御する(例えば、所定の期間、所定の回数開放状態に制御する)。そして、小当り遊技状態において、遊技球が可変入賞球装置(役物)24に入賞し、さらに、遊技球が特定領域(V入賞領域)に入賞してV入賞スイッチ29で検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態に移行される。この大当り遊技状態では、開閉板16による大入賞口が、例えば16回(16ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。V入賞が発生しなかった場合には、大当り遊技状態に移行しない。すなわち、はずれになる。
この実施の形態では、遊技者は、打球操作ハンドル5を操作することによって、遊技領域の左方または右方を狙って発射操作を行うことができる。遊技領域の左方に発射された遊技球は、ゲート32を通過して、またはゲート32を通過せず、アウト口26に取り込まれる。また、遊技領域の右方に発射された遊技球は、可変入賞球装置(役物)24、第2始動入賞口14、第1始動入賞口13または特別可変入賞球装置20に入賞する、もしくはいずれにも入賞せずアウト口26に取り込まれる。したがって、遊技者は、ゲート32を通過させたいときには、遊技領域の左方を狙って発射操作を行い、可変入賞球装置(役物)24、第2始動入賞口14、第1始動入賞口13または特別可変入賞球装置20に入賞させたいときには、遊技領域の右方を狙って発射操作を行う。
ここで、この実施の形態では、所定の条件が成立したとき(後述する小当り時の遊技状態と小当り種別とにもとづいて時短フラグがセットされたとき(ステップS166))には、特別図柄の可変表示時間が短縮される時短状態に制御される。また、第1始動入賞口13に入賞したことにもとづいて行われる第1特別図柄の可変表示の変動時間(可変表示期間)は、遊技状態が通常状態(非時短状態)のときには時短状態のときに比べて極めて長い(本例では通常状態(非時短状態)で1900秒、時短状態で10〜20秒)。なお、第2始動入賞口14に入賞したことにもとづいて行われる第2特別図柄の可変表示の変動時間(可変表示期間)は、遊技状態に関わらず、極めて短い(本例では2秒)。ただし、可変入賞球装置(普通役物)15が閉鎖状態であれば第2始動入賞口14には入賞させることはできない。
そのため、遊技状態が通常状態(非時短状態)であり、可変入賞球装置(普通役物)15が閉鎖状態であれば、遊技領域の右方を狙って遊技球を発射することで、第1始動入賞口13に入賞させることはできるものの、第1特別図柄の可変表示の変動時間(可変表示期間)が極めて長いため、変動が開始される頻度が低く(換言すれば、保留記憶が消化しにくい)、無効な始動入賞が発生しやすい。
したがって、遊技状態が通常状態(非時短状態)であり、可変入賞球装置(普通役物)15が閉鎖状態であれば、遊技者は遊技領域の左方(例えばゲート32)を狙って発射操作を行う。つまり、ゲート32を通過させて、普通図柄の変動を行い、表示結果が普図当りとなることによって、可変入賞球装置(普通役物)15が閉鎖状態から開放状態に制御されることを狙う遊技を行う。
そして、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態に制御されれば、遊技者は遊技領域の右方(例えば第2始動入賞口14)を狙って発射操作を行う遊技に切り替える。つまり、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態に制御されることによって入賞可能となった第2始動入賞口14に入賞させて、第2特別図柄の変動を行い、表示結果が小当りとなることによって、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖状態から開放状態に制御されることを狙う遊技に切り替える。
そして、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖状態から開放状態に制御されれば、遊技者は継続して遊技領域の右方(例えば可変入賞球装置(役物)24)を狙って発射操作を行う。つまり、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御されることによって通過(入賞)可能となった特定領域(V入賞領域)を通過(入賞)させ、その結果、大当り遊技状態(特別可変入賞球装置20(大入賞口)が開放される)に制御されることを狙う遊技を行う。
そして、大当り遊技中には、遊技者は継続して遊技領域の右方(例えば特別可変入賞球装置20)を狙って発射操作を行う。つまり、開放状態に制御される特別可変入賞球装置20に入賞させることを狙う遊技を行う。
そして、大当り遊技後に、遊技状態が時短状態に制御されるときには、通常状態(非時短状態)に比べて第1特別図柄の可変表示の変動時間(可変表示期間)が極めて長いものではないため、変動が開始される頻度が高く(換言すれば、保留記憶が消化しやすい)、無効な始動入賞が発生しにくい。したがって、遊技者は継続して遊技領域の右方(例えば第1始動入賞口13)を狙って発射操作を行う。つまり、第1始動入賞口13に入賞させて、第1特別図柄の変動を行い、表示結果が小当りとなることによって、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖状態から開放状態に制御されることを狙う遊技を行う。
一方、大当り遊技後に遊技状態が時短状態に制御されないとき、または所定の条件が成立したことによって時短状態から通常状態(非時短状態)に移行されたとき(後述する特別図柄の変動回数が所定回数行われたことによって時短フラグがリセットされたとき(ステップS139))には、再び遊技者は遊技領域の左方(例えばゲート32)を狙って発射操作を行う遊技に戻る。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、時短フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、役物入賞スイッチ28、V入賞スイッチ29、役物排出スイッチ30からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置(普通役物)15を開閉するソレノイド16、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および可変入賞球装置(役物)24を開閉するソレノイド25を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
なお、演出制御手段には、後述するように、スティックコントローラ122が備えるトリガセンサ125や傾倒方向センサユニット123、バイブレータ用モータ126、およびプッシュボタン120が備えるプッシュセンサ124にも接続されているのであるが(図4参照)、図3では図示を省略している。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介して可動部材用モータ43に駆動信号を出力することにより、可動部材42を動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する処理も実行する。CPU56は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。乱数回路503は、所定のクロック信号を用いて乱数を発生させる。一例として、乱数回路503は、CPU56から数値が読み出されるときに、0〜598の数値のいずれかの数値をCPU56に出力するように設定される。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS10〜S12の処理によって、例えば、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値(例えば0)が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S36のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、役物入賞スイッチ28、V入賞スイッチ29および役物排出スイッチ30の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS34,S35で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる小当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:小当りの種類(後述する第1小当り種別、第2小当り種別、第3小当り種別)を判定する(小当り種別判定用)
(2)ランダム2:普通図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(普通図柄変動パターン決定用)
(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを判定する(普通図柄当り判定用)
(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)
(5)ランダム5:特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(特別図柄変動パターン決定用)
(6)ランダム6:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
なお、小当りにするのかを決定するための小当り判定用乱数として、乱数回路503が生成する乱数が用いられる。以下、小当り判定用乱数を、ランダムRということがある。また、(1)〜(6)の乱数をソフトウェア乱数ということがある。なお、図7に示す例では、ランダム6が設けられているが、設けないようにしてもよい。また、ランダム1の初期値を決定するための初期値決定用乱数を設けるようにしてもよい。
図6に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の小当り種別判定用乱数および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、小当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、小当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや可変入賞球装置(役物)24、特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや可変入賞球装置(役物)24、特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態および可変入賞球装置(普通役物)15の制御状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、CPU56は、演出表示装置9の表示制御に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、役物入賞スイッチ28、V入賞スイッチ29および役物排出スイッチ30の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23およびV入賞スイッチ29のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域(ポート出力用RAM領域)におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:ソレノイド出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、特別図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS36)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S35(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルは、特別図柄の可変表示結果と小当り判定用乱数の判定値との関係を示す。この実施の形態では、小当り判定用乱数(ランダムR)が取り得る数値の範囲は、0〜65535であるとする。判定値の総数は、小当り判定用乱数が取り得る数である65536個ある。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503からカウント値を抽出して抽出値を小当り判定用乱数値とするのであるが、小当り判定用乱数値に一致する判定値に対応する小当りとすることに決定する。この実施の形態では、図8(a),(b)に示すように、第1特別図柄の可変表示結果は1/5の確率で小当りとなり、第2特別図柄の可変表示結果は99/100の確率で小当りとなる。すなわち、第2始動入賞口14に入賞したことにもとづいて第2特別図柄の可変表示が行われるときには、ほぼ小当りとなり、第1始動入賞口13に入賞したことにもとづいて第1特別図柄の可変表示が行われるときよりも有利になるように構成されている。なお、図8(a),(b)に示す例に限らず、遊技状態(例えば、時短状態であるか否か、高ベース状態であるか否か)に応じて異なる確率で小当りとするようにしてもよい。また、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24は、可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球が、1/10の割合で特定領域(V入賞領域)に入賞し、9/10の割合で特定領域以外に入賞するように構成されているが、必ず特定領域(V入賞領域)に入賞するように構成されている場合には、有利な状態が延々と継続してしまう虞があるため、図8に示す例よりも小当りとなる確率を低下させることが望ましい。
図9は、小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、小当り時の小当り種別と小当り種別判定用乱数の判定値との関係を示す。この実施の形態では、可変表示結果を小当りとすると判定されたときに、小当り種別も判定される。図9(a)に示すように、小当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に応じて、1/2の確率で第1小当り種別に、1/4の確率で第2小当り種別に、1/4の確率で第3小当り種別に決定される。
ここで、小当り種別について説明する。この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が小当り図柄となると、小当り遊技(可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御する動作に相当)が開始され、小当り遊技においてV入賞が生ずると大当り遊技が開始される。そして、小当り種別は、その大当り遊技の終了後に制御される遊技状態を決定するために用いられる。つまり、小当り種別にもとづいて大当り遊技の終了後に所定の遊技状態に制御されるともいえる。ただし、厳密には、後述するように小当り時の遊技状態と小当り種別とにもとづいて所定の遊技状態に制御される。
図9(b)は、遊技状態決定テーブルを示す説明図である。遊技状態決定テーブルは、小当り種別と小当り時の遊技状態とに応じて大当り遊技終了後に移行される遊技状態を示す。なお、既に時短状態と高ベース状態とについては説明したが、これらの組み合わせで、非時短状態かつ低ベース状態のことを第1遊技状態ともいい、時短状態かつ高ベース状態のことを第2遊技状態ともいい、非時短状態かつ高ベース状態のことを第3遊技状態ともいう。この実施の形態では、図9(b)に示す遊技状態テーブルを用いて、小当り種別と小当り時の遊技状態とに応じて、大当り遊技後に、時短状態に制御される(時短制御される)か否か(および制御される場合の継続条件)と、高ベース状態に制御される(高ベース制御される)か否か(および制御される場合の継続条件)とが決定される。なお、図9(b)に示す遊技状態テーブルは、後述するステップS166〜S167において用いられる。
図9(a)に示す小当り種別判定テーブルおよび図9(b)に示す遊技状態決定テーブルによれば、第1遊技状態で大当り遊技状態に制御されると、1/2の確率で第1小当り種別に決定され、時短制御および高ベース制御ともになしの遊技状態、すなわち第1遊技状態に制御される。また、1/2の確率で第1小当り種別以外(すなわち第2小当り種別または第3小当り種別)に決定され、時短制御および高ベース制御が行われる遊技状態、すなわち第2遊技状態に制御される。ただし、第2小当り種別と第3小当り種別とでは、時短制御の継続条件(特別図柄の変動が25回行われるまで)は同じであるが、高ベース制御の継続条件が異なる。具体的には、高ベース制御の継続条件が、第2小当り種別の場合には、特別図柄の変動が30回行われるまで、または普通図柄の変動が30回行われるまでであるのに対し、第3小当り種別の場合には、特別図柄の変動が30回行われるまで、または普通図柄の変動が100回行われるまでである。したがって、第2小当り種別または第3小当り種別のときには、第1小当り種別のときに制御される第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態に制御される。また、第2小当り種別よりも第3小当り種別の方が有利な継続条件で第2遊技状態に制御される。
また、図9(a)に示す小当り種別判定テーブルおよび図9(b)に示す遊技状態決定テーブルによれば、第2遊技状態で大当り遊技状態に制御されると、いずれの小当り種別であっても、時短制御および高ベース制御が行われる遊技状態、すなわち第2遊技状態に同じ継続条件(いずれも特別図柄の変動が100回行われるまで)で制御される。
また、図9(a)に示す小当り種別判定テーブルおよび図9(b)に示す遊技状態決定テーブルによれば、第3遊技状態で大当り遊技状態に制御されると、いずれの小当り種別であっても、時短制御および高ベース制御が行われる遊技状態、すなわち第2遊技状態に制御される。ただし、小当り種別に応じて、時短制御の継続条件(特別図柄の変動が25回行われるまで)は同じであるが、高ベース制御の継続条件が異なる。具体的には、高ベース制御の継続条件が、第1小当り種別の場合には、特別図柄の変動が30回行われるまで、または普通図柄の変動が50回行われるまでであり、第2小当り種別の場合には、特別図柄の変動が30回行われるまで、または普通図柄の変動が30回行われるまでであり、第3小当り種別の場合には、特別図柄の変動が30回行われるまで、または普通図柄の変動が100回行われるまでである。したがって、第2小当り種別よりも第1小当り種別の方が、第1小当り種別よりも第3小当り種別の方が有利な継続条件で第2遊技状態に制御される。
図9(a)に示す小当り種別判定テーブルおよび図9(b)に示す遊技状態決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1遊技状態で大当り遊技状態に制御されたときよりも、第2遊技状態または第3遊技状態で大当り遊技状態に制御されたときの方が有利な状態(遊技状態および継続条件)に制御される割合が高くなるように構成されていることである。このように構成されることによって、どの遊技状態で大当り遊技状態に制御されるかに注目させることができ、遊技興趣を高めることができる。特に、第2遊技状態で大当り遊技状態に制御されたときには、最も有利な状態に制御されるため、第2遊技状態に制御されること(また第2遊技状態で大当り遊技状態に制御されること)に関心を持たせることができる。
また、図9(a)に示す小当り種別判定テーブルおよび図9(b)に示す遊技状態決定テーブルにおいて特徴的なことは、第1遊技状態または第3遊技状態で大当り遊技状態に制御されたときには、時短制御の終了条件と高ベース制御の終了条件とが異なるように構成されていることである。このように構成されることによって、例えば、大当り遊技後に第2遊技状態に制御されると、特別図柄の変動が25回行われるまでは、時短制御および高ベース制御がなされる第2遊技状態を継続させ、特別図柄の変動が25回目以降になると高ベース制御のみがなされる第3遊技状態に移行させることができる。すなわち、第2遊技状態中に大当り遊技状態に制御されなかったときに、第2遊技状態から第1遊技状態に移行するのではなく、第2遊技状態には劣るものの第1遊技状態よりも有利な第3遊技状態(大当り遊技後に第2遊技状態に移行される確率が異なる)に移行することで、遊技者の落胆を抑えることができる。
ただし、この実施の形態では、時短状態から非時短状態に移行されると、遊技者は、それまでの遊技領域の右方(例えば第1始動入賞口13)を狙って発射操作を行う遊技から、再び遊技領域の左方(例えばゲート32)を狙って発射操作を行う遊技に戻る。よって、第3遊技状態では、特別図柄の変動は行われず、普通図柄の変動が行われるようになる。そのため、第3遊技状態における高ベース制御の継続条件を、単に「特別図柄の変動が30回行われるまで」としていると、延々と第3遊技状態が継続してしまうことになる虞がある。
そこで、この実施の形態では、図9(b)に示すように、第1遊技状態または第3遊技状態で大当り遊技状態に制御されたときには、高ベース制御の継続条件を「特別図柄の変動が30回行われるまで」または「普通図柄の変動が所定回(30、50、100回)行われるまで」としている。このようにすることで、遊技領域の左方(例えばゲート32)を狙って発射操作を行う遊技に戻っても、普通図柄の変動が所定回行われると高ベース制御が終了するため(すなわち第1遊技状態に移行するため)、延々と第3遊技状態(有利な状態)が継続してしまうこと回避することができる。
また、この実施の形態では、図9(b)に示すように、第1遊技状態または第3遊技状態で小当りとなった結果、V入賞が生じて大当り遊技状態に制御されるときには、小当り時の小当り種別によって、高ベース制御の継続条件が異なるように構成されている。具体的には、「特別図柄の変動が30回行われるまで」は同じであるが、普通図柄の変動が何回行われるまでかが異なる。このように、小当り時の小当り種別に応じて、第3遊技状態の継続条件(すなわち第3遊技状態が継続する期間)が異なるように構成することによって、遊技興趣を向上させることができる。さらに、この実施の形態では、小当り時の遊技状態と小当り種別とによって決定された高ベース制御の継続条件を、遊技者に対して報知しないように構成されている。このように構成することによって、第3遊技状態がいつ終了するかを遊技者が把握できなくなるため、より遊技興趣を向上させることができる。
また、図9(a)に示す小当り種別判定テーブルおよび図9(b)に示す遊技状態決定テーブルにおいて特徴的なことは、第2遊技状態で大当り遊技状態に制御されたときには、時短制御の終了条件と高ベース制御の終了条件とが同じになるように構成されていることである。このように構成されることによって、第2遊技状態の終了後、必ず第3遊技状態に移行されるのではなく、第1遊技状態に移行されることがあり、多様な遊技状態の遷移を実現することができる。
図10は、普図当り判定テーブルを示す説明図である。普図当り判定テーブルは、普通図柄の停止図柄と判定値との関係を示している。この実施の形態では、普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)が取り得る数値の範囲は、0〜149であるとする。判定値の総数は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)が取り得る数である150個ある。
この実施の形態では、図10に示すように、遊技状態に関わらず、当りに対応する判定値の数は一定である。具体的には、この実施の形態では、図10に示すように、150分の1の確率で当りになる。なお、図10に示す例に限らず、遊技状態に応じて当りの確率を異ならせてもよい。例えば、高ベース状態であるときには、当りの確率を高くするようにしてもよい。
図11(a)は、普通図柄変動パターンテーブルを示す説明図である。普通図柄変動パターンテーブルは、普通図柄の表示結果と変動パターンとの関係の一例を示す。図11に示すように、普通図柄の可変表示結果を当り(普図当り)とすることに決定されると、普通図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、普図変動パターン#1(ノーマルリーチ)または普図変動パターン#2(スーパーリーチ)に決定する。なお、図11に示す例では、普図変動パターン#1(ノーマルリーチ)の変動時間は19秒であり、普図変動パターン#2(スーパーリーチ)の変動時間は29秒である。
また、図11(a)に示すように、普通図柄の表示結果をはずれとすることに決定されると、普通図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、普図変動パターン#3(リーチなし)、普図変動パターン#4(ノーマルリーチ)または普図変動パターン#5(スーパーリーチ)に決定する。なお、図11(a)に示す例では、普図変動パターン#3(リーチなし)の変動時間は10秒であり、普図変動パターン#4(ノーマルリーチ)の変動時間は19秒であり、普図変動パターン#5(スーパーリーチ)の変動時間は29秒である。
図11(b)は、第1特別図柄変動パターンテーブル(時短状態時)を示す説明図である。第1特別図柄変動パターンテーブル(時短状態時)は、時短状態時の第1特別図柄の表示結果と変動パターンとの関係の一例を示す。図11(b)に示すように、時短状態時の第1特別図柄の可変表示結果を小当りとすることに決定されると、特別図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、第1特図変動パターン#1(ノーマルリーチ)または第1特図変動パターン#2(スーパーリーチ)に決定する。なお、図11(b)に示す例では、第1特図変動パターン#1(ノーマルリーチ)の変動時間は19秒であり、第1特図変動パターン#2(スーパーリーチ)の変動時間は29秒である。
また、図11(b)に示すように、時短状態時の第1特別図柄の可変表示結果をはずれとすることに決定されると、特別図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、第1特図変動パターン#3(リーチなし)、第1特図変動パターン#4(ノーマルリーチ)または第1特図変動パターン#5(スーパーリーチ)に決定する。なお、図11(b)に示す例では、第1特図変動パターン#3(リーチなし)の変動時間は10秒であり、第1特図変動パターン#4(ノーマルリーチ)の変動時間は19秒であり、第1特図変動パターン#5(スーパーリーチ)の変動時間は29秒である。
図11(a),(b)に示すように、可変表示結果を当り(普図当りまたは小当り)にするときには、はずれにするときに比べて、リーチ態様がスーパーリーチの変動パターンに決定される割合が高い。したがって、図柄の変動中にスーパーリーチが実行される場合には当り(普図当りまたは小当り)となる割合が高いのであるから、スーパーリーチが実行されることによって、当り(普図当りまたは小当り)が発生することへの期待感を高めることができる。
図11(c)は、第1特別図柄変動パターンテーブル(非時短状態時)を示す説明図である。第1特別図柄変動パターンテーブル(非時短状態時)は、非時短状態時の第1特別図柄の表示結果と変動パターンとの関係の一例を示す。図11(c)に示すように、非時短状態時の第1特別図柄の可変表示結果を小当りとすることに決定されると、特別図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、第1特図変動パターン#6(リーチなし)に決定する。また、非時短状態時の第1特別図柄の可変表示結果をはずれとすることに決定されると、特別図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、第1特図変動パターン#7(リーチなし)に決定する。図11(c)に示す例では、第1特図変動パターン#6(リーチなし)および第1特図変動パターン#7(リーチなし)の変動時間は1900秒である。
既に説明したように、この実施の形態では、第1始動入賞口13に入賞したことにもとづいて行われる第1特別図柄の可変表示の変動時間(可変表示期間)は、遊技状態が通常状態(非時短状態)のときには時短状態のときに比べて極めて長くなるように設定されている。具体的には、図11(b),(c)に示すように、第1特別図柄の可変表示の変動時間(可変表示期間)は、通常状態(非時短状態)のときには1900秒、時短状態のときには10〜29秒である。そのため、遊技状態が通常状態(非時短状態)であれば、遊技領域の右方を狙って遊技球を発射することで、第1始動入賞口13に入賞させることはできるものの、第1特別図柄の可変表示の変動時間(可変表示期間)が極めて長くなり、変動が開始される頻度が低く(換言すれば、保留記憶が消化しにくい)、無効な始動入賞が発生しやすくすることができる。
図11(c)に示す例では、非時短状態の第1特別図柄の可変表示の変動パターンとして、リーチなしの変動パターンのみが設けられているが、これは、非時短状態の第1特別図柄の可変表示については、変動時間(可変表示期間)が極めて長いことや、遊技の流れから実質的に可変表示結果に期待するようには構成されていないためである。なお、図11(c)に示す例に限らず、ノーマルリーチやスーパーリーチのリーチ態様で変動が行われる変動パターンを設けるようにしてもよい。
図11(d)は、第2特別図柄変動パターンテーブルを示す説明図である。第2特別図柄変動パターンテーブルは、第2特別図柄の表示結果と変動パターンとの関係の一例を示す。図11(d)に示すように、第2特別図柄の可変表示結果を小当りとすることに決定されると、特別図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、第2特図変動パターン#1(リーチなし)に決定する。また、第2特別図柄の可変表示結果をはずれとすることに決定されると、特別図柄変動パターン決定用乱数値にもとづいて、変動パターンを、第2特図変動パターン#2(リーチなし)に決定する。図11(d)に示す例では、第2特図変動パターン#1(リーチなし)および第2特図変動パターン#2(リーチなし)の変動時間は2秒である。
既に説明したように、この実施の形態では、可変入賞球装置(普通役物)15が開放状態であるときのみ第2始動入賞口14に入賞可能となり、第2始動入賞口14に入賞したことにもとづいて行われる第2特別図柄の可変表示の可変表示結果は、ほぼ小当りとなる(99/100の確率。図8(b)参照)。ここで、結果がほぼ決まっているにも関わらず、図柄の変動が長い期間行われると、遊技者を不快にさせてしまう虞がある。そのため、この実施の形態では、図11(c)に示すように、第2特図変動パターン#8(リーチなし)および第2特図変動パターン#9(リーチなし)の変動時間は、2秒と極めて短くなるように設定されている。
図12は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8a、可変入賞球装置(役物)24および特別可変入賞球装置(大入賞口)20を制御するための処理が実行される。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS309のY)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。第1始動口スイッチ通過処理の内容は後述する。
次に、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2役物開放前処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値(具体的には、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS300〜S309に相当する第2特別図柄プロセス処理における各処理に応じた第2特別図柄プロセスフラグの値が「0」〜「9」であるとすると、第2役物開放中処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値は「4」〜「9」)であるかどうかを確認する(ステップS314)。第2特別図柄プロセスフラグの値が、第2役物開放前処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS314のY)、ステップS315,S316の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には(ステップS314のN)、ステップS317,S318の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS315では、CPU56は、第1特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドが未送信であるか否か確認する(ステップS315)。なお、第1特別図柄の変動中であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS302の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。変動中でない場合、または第1中断指定コマンドを送信済みの場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了する。未だ第1中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS316)。
また、ステップS317では、CPU56は、第1中断指定コマンドを送信済みであるか否か確認する(ステップS317)。第1中断指定コマンドを送信済みである場合(例えば、第1中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第1再開指定コマンドを送信する(ステップS318)。そして、CPU56は、ステップS300〜S312のうちのいずれかの処理を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1中断指定コマンドを受信すると、第1特別図柄に対応する第1演出図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第1再開指定コマンドを受信すると、第1特別図柄に対応する第1演出図柄の変動を再開する。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9において、第1特別図柄の変動表示に同期して第1演出図柄の変動表示を行い、第2特別図柄の変動表示に同期して第2演出図柄の変動表示を行い、普通図柄の変動表示に同期して第3演出図柄の変動表示を行う。
このように、第1特別図柄プロセス処理においてステップ314〜S318の処理を実行し、後述する第2特別図柄プロセス処理においてステップ414〜S418の処理を実行することによって、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示する構成であっても、同時に大当り(大当り遊技状態)となってしまうことを回避することができる。なお、この実施の形態では、第1特別図柄または第2特別図柄の表示結果が小当り図柄であるときに、小当り遊技が開始され、小当り遊技においてV入賞すると大当り遊技が開始される。そのため、第1特別図柄と第2特別図柄との変動の一方で表示結果が小当り図柄となり小当り遊技が開始されると、他方の変動を中断させるのではなく、他方の変動で表示結果が小当り図柄となっても、先に開始された小当り遊技(および大当り遊技)が終了するまでは、新たな小当り遊技が開始されない(例えば、可変入賞球装置(役物)24が開放状態に制御されない)ようにしてもよい。
ステップS300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、小当りとするか否か決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(この例では1)に更新する。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第1特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を第1特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、第1特別図柄の変動時間を計測するための変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(この例では2)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、第1特別図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1役物開放前処理(ステップS304)に対応した値(この例では4)に更新する。小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する第1特別図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第1特別図柄に対応する第1演出図柄が停止されるように制御する。
第1役物開放前処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御するための処理を実行して、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)を、第1役物開放中処理(ステップS305)に応じた値(この例では5)に更新する。
第1役物開放中処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。V入賞スイッチ29がオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。V入賞スイッチ29がオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にする。そして、役物開放の開放回数が、決定されている開放回数に達していなければ、再び可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御する。役物開放の開放回数が、決定されている開放回数に達している場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値(この例では6)に更新する。
第1役物閉鎖後処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では7)に更新する。また、V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(この例では0)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大入賞口(開閉板16による大入賞口)を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)を、第1大入賞口開放中処理(ステップS308)に応じた値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したときに、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)を、第1大当り終了処理(ステップS309)に応じた値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に応じた値(この例では0)に更新する。
図13は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13に示す例において、コマンド8001(H)〜8009(H)は、普通図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される第3演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(普図変動パターンコマンド)である(それぞれ普図変動パターン#1〜#5に対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8005(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において第3演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
また、図13に示す例において、コマンド8101(H)〜8107(H)は、第1特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される第1演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(第1特図変動パターンコマンド)である(それぞれ第1特図変動パターン#1〜#7に対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8101(H)〜8107(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において第1演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
また、図13に示す例において、コマンド8201(H)〜8202(H)は、第2特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される第2演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(第2特図変動パターンコマンド)である(それぞれ第2特図変動パターン#1〜#2に対応)。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8202(H)〜8202(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において第2演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8F00(H)は、普通図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、普通図柄確定指定コマンドを受信すると、普通図柄に対応した第3演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。なお、導出表示とは、図柄を最終的に停止表示させることである。
コマンド8F01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(第1特別図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄確定指定コマンドを受信すると、第1特別図柄に対応した第1演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド8F02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(第2特別図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2特別図柄確定指定コマンドを受信すると、第2特別図柄に対応した第2演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、第1特別図柄の可変表示結果にもとづく小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1小当り開始指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、第2特別図柄の可変表示結果にもとづく小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2小当り開始指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、役物開放(小当り遊技)の開始を指定する演出制御コマンド(役物開放開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、役物開放(小当り遊技)の終了を指定する演出制御コマンド(役物開放終了指定コマンド)である。
コマンドB100(H)は、演出表示装置9における第1演出図柄の可変表示の中断を指定する演出制御コマンド(第1中断指定コマンド)である。コマンドB101(H)は、演出表示装置9における第1演出図柄の可変表示の再開を指定する演出制御コマンド(第1再開指定コマンド)である。
コマンドB200(H)は、演出表示装置9における第2演出図柄の可変表示の中断を指定する演出制御コマンド(第2中断指定コマンド)である。コマンドB201(H)は、演出表示装置9における第2演出図柄の可変表示の再開を指定する演出制御コマンド(第2再開指定コマンド)である。
コマンドE001(H)は、第1始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。なお、第1始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、第1保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE002(H)は、第2始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、第2始動入賞が生じたことを示す演出制御コマンドを、第2保留記憶数そのものを示す演出制御コマンドにしてもよい。
コマンドE400(H)は、可変入賞球装置(役物)24への入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(役物入賞指定コマンド)である。コマンドE401(H)は、遊技球多可変入賞球装置(役物)24から特別領域(V入賞領域)以外の領域を通過して排出されたことを示す演出制御コマンド(役物排出指定コマンド)である。コマンドE402(H)は、特別領域(V入賞領域)へのV入賞が生じたことを示す演出制御コマンド(V入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図13に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプ等の発光体の表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
図14は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS81)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS82)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路503のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路503が生成する小当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS83)。ステップS83では、CPU56は、ソフトウェア乱数としてランダム5(図7参照)の値(特別図柄変動パターン用乱数を生成するためのカウンタの値)を抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、第1保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや第1保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
また、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示を、第1保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS84)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS85)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図15および図16は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数を確認する(ステップS51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1保留記憶数が0であれば処理を終了する。
第1保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS52)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、乱数バッファ領域から小当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS60)、小当り判定モジュールを実行する(ステップS61)。小当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値(図8に例示されたテーブルの設定されている判定値)と小当り判定用乱数とを比較し、小当りとするか否かを決定する処理を実行するプログラムである。
小当りとすることに決定したときには(ステップS62のN)、ステップS67に移行し、小当りとすることに決定したときには(ステップS62のY)、CPU56は、第1特別図柄の変動表示結果が小当りとすることに決定されたことを示す第1小当りフラグをセットする(ステップS63)。次いで、CPU56は、小当り種別判定用乱数(ランダム1)と小当り種別判定用テーブル(図9参照)とにもとづいて、小当り種別を決定する(ステップS65)。また、CPU56は、決定した小当り種別を示すデータをRAM55における小当り種別バッファに設定する(ステップS66)。例えば、「第1小当り種別」の場合には小当り種別を示すデータとして「01」が設定され、「第2小当り種別」の場合には小当り種別を示すデータとして「02」が設定され、「第3小当り種別」の場合には小当り種別を示すデータとして「03」が設定される。そして、ステップS67に移行する。
ステップS67では、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する。具体的には、小当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を第1特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り種別の決定結果に応じて、小当り図柄となる「3」、「5」、「7」のいずれかを第1特別図柄の停止図柄に決定する。例えば、「第1小当り種別」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「第2小当り種別」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定し、「第3小当り種別」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS68)。
図17は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から特別図柄変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS90)。そして、CPU56は、遊技状態(非時短状態または時短状態)に応じて第1特別図柄変動パターンテーブル(図11(b),(c)参照)を選択し、選択した第1特別図柄変動パターンテーブルから特別図柄変動パターン決定用乱数にもとづいて、変動パターンを選択する(ステップS91)。変動パターンテーブルとは、図11に示されたような、変動パターンと対応させて判定値が設定されているROM54の領域である。この実施の形態では、図11に示すように、遊技状態(非時短状態または時短状態)に応じて異なる第1特別図柄変動パターンテーブルを用いている。
次いで、CPU56は、ステップS91で選択した変動パターンに応じた第1特図変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS92)。
また、第1特別図柄の変動を開始する(ステップS94)。例えば、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、ステップS91の処理で選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
図18は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS123)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図19は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS34の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、第1特別図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS132)。
第1小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、第1小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS133,S134)。また、CPU56は、第1小当りフラグをリセットし(ステップS134a)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1役物開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS135)。
小当りフラグがセットされていない場合(すなわち、はずれである場合)には、CPU56は、時短状態に制御されていることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS136)、セットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS137)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
また、CPU56は、高ベース状態に制御されていることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS140)、セットされている場合には、高ベース状態における特別図柄の変動可能回数を示す高ベース回数カウンタの値を−1する(ステップS141)。そして、CPU56は、減算後の高ベース回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS142)、高ベースフラグをリセットする(ステップS143)。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS144)。
図19に示すように、ステップS136〜S143の処理が実行されることによって、時短状態または高ベース状態における特別図柄の変動可能回数をカウントすることができ、後述する第1大当り終了処理(ステップS166〜S177)において設定される時短状態または高ベース状態の継続条件(例えば、特別図柄の変動が25回行われるまでなど)にしたがって、遊技状態を制御することができる。
この実施の形態では、時短回数カウンタと高ベース回数カウンタとは、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とで共通して用いられている。そのため、時短状態または高ベース状態の継続条件として、特別図柄の変動が25回行われるまでと設定されたときには、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した変動回数が25回行われるまで、時短状態または高ベース状態に制御される。なお、これに限らず、例えば、時短状態または高ベース状態の継続条件(例えば第1特別図柄の変動が所定回行われるまでなど)に応じて、第1特別図柄プロセス処理と第2特別図柄プロセス処理とでそれぞれ別の時短回数カウンタと高ベース回数カウンタとを用いるようにしてもよいし、いずれか一方の特別図柄プロセス処理のみ上述のステップS136〜S143の処理を実行するようにしてもよい。
図20は、第1特別図柄プロセス処理における第1役物開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。第1役物開放前処理において、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24の開放時間(例えば、5秒)を、可変入賞球装置(役物)24の開放時間を計測するための役物開放時間タイマにセットする(ステップS1512)。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を開放状態に制御する(ステップS1513A)。具体的には、ソレノイド25を駆動して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を開放状態にする。そして、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタに0をセットする(ステップS1513B)。役物内遊技球個数カウンタは、可変入賞球装置(役物)24内に進入してから未だ排出されていない遊技球の個数を示すカウンタである。例えば、役物内遊技球個数カウンタは、可変入賞球装置(役物)24に遊技球が入賞したとき(すなわち、役物入賞スイッチ28がオンであるとき)に1加算され、可変入賞球装置(役物)24から遊技球が排出されたとき(役物排出スイッチ30がオンであるとき)に1減算される。したがって、役物内遊技球個数カウンタの値が0である場合は、可変入賞球装置(役物)24内に進入した全ての遊技球が排出された場合である。
次いで、CPU56は、役物開放開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1514)。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1役物開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS1515)。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1役物開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1役物開放中処理において、CPU56は、まず、役物入賞スイッチ28からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1520A)。役物入賞スイッチ28がオンしたら、すなわち、可変入賞球装置(役物)24内に遊技球が進入したことを検出したら、役物内遊技球個数カウンタの値を1加算する(ステップS1520B)。役物入賞スイッチ28がオフであれば、ステップS1521へ移行する。
次に、CPU56は、役物排出スイッチ30からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1521)。役物排出スイッチ30がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)以外の領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1521のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を1減算し(ステップS1522A)、役物排出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1522B)。
次いで、CPU56は、役物開放時間タイマを1減算し(ステップS1523)、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1524)。役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、ステップS1528に移行する。役物開放時間がタイムアウトしていれば、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する(ステップS1525)。具体的には、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を閉鎖状態にする。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1役物閉鎖後処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1526)。
なお、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御するための条件として、役物開放時間タイマのタイムアウト(すなわち、所定時間の経過)としたが、これに限るものではない。例えば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞(または排出)を所定回数検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとしてもよい。例えば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を検出したとき(例えば、ステップS1520Bの前後)に所定のカウンタを1加算し、該所定のカウンタの値が10となった場合にステップS1525へ移行することとすれば、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を10回検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとなる。また、例えば、可変入賞球装置(役物)24からの遊技球の排出を検出したとき(例えば、ステップS1521のY〜S1523の間)に所定のカウンタを1加算し、該所定のカウンタの値が10となった場合にステップS1525へ移行することとすれば、可変入賞球装置(役物)24からの遊技球の排出を10回検出した場合に可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとなる。また、さらに、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御するための条件として、所定時間の経過と、可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞(または排出)を所定回数検出することとを併用することとしてもよい。例えば、所定時間が経過していない場合であっても可変入賞球装置(役物)24に対する遊技球の入賞を所定回数検出した場合に、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御することとしてもよい。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1524のN)、V入賞スイッチ29からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1528)。V入賞スイッチ29がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1528のY)、V入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1529)。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御する(ステップS1530)。具体的には、ソレノイド25の駆動を停止して可変入賞球装置(役物)24の開閉板を閉鎖状態にする。また、CPU56は、役物開放終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS1531)。
次いで、CPU56は、遊技状態に応じて、第1遊技状態フラグ、第2遊技状態フラグまたは第3遊技状態のうちのいずれかのフラグをセットする(ステップS1532)。具体的にはこの実施の形態では、非時短状態かつ低ベース状態を第1遊技状態としているため、CPU56は、非時短状態かつ低ベース状態であれば第1遊技状態フラグをセットする。また、時短状態かつ高ベース状態を第2遊技状態としているため、CPU56は、時短状態かつ高ベース状態であれば第2遊技状態フラグをセットする。また、非時短状態かつ高ベース状態を第3遊技状態としているため、CPU56は、非時短状態かつ高ベース状態であれば第3遊技状態フラグをセットする。
次いで、CPU56は、時短フラグと高ベースフラグとをセットされていれば、それぞれリセットする(ステップS1533)。すなわち、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生し大当り遊技が発生するので、時短フラグをリセットして時短状態を終了し、高ベースフラグをリセットして高ベース状態を終了する。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1535)。
また、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS1536)。また、大当り遊技における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(ステップS1537)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新して(ステップS1538)、第1役物開放中処理を終了する。なお、ステップS1528においてV入賞スイッチがオンである場合、役物内遊技球個数カウンタの値をリセットすることとしてもよい。また、役物内遊技球個数カウンタの値が0となるまで、待機するようにしてもよい。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1役物閉鎖後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。役物開放後処理において、CPU56は、まず、役物入賞スイッチ28からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2520A)。役物入賞スイッチ28がオンしたら、すなわち、可変入賞球装置(役物)24内に遊技球が進入したことを検出したら、役物内遊技球個数カウンタの値を1加算する(ステップS2520B)。役物入賞スイッチ28がオフであれば、ステップS2521へ移行する。
次に、CPU56は、役物排出スイッチ30からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2521)。役物排出スイッチ30がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)以外の領域に入賞した遊技球を検出したら(ステップS2521のY)、役物内遊技球個数カウンタの値を1減算し(ステップS2522)、役物排出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2523)。
次いで、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0であるか否かを判定し(ステップS2524)、0でなければステップS2528へ移行する。役物内遊技球個数カウンタの値が0であれば、CPU56は、役物開放終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2525)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2526)。
役物内遊技球個数カウンタの値が0でなければ(ステップS2524のN)、V入賞スイッチ29からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2528)。V入賞スイッチ29がオンしたら、すなわち可変入賞球装置(役物)24内に進入した遊技球のうち特定領域(V入賞領域)に入賞した遊技球を検出したら(ステップS2528のY)、V入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2529)。
次いで、CPU56は、役物開放終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う(ステップS2531)。次いで、CPU56は、遊技状態に応じて、第1遊技状態フラグ、第2遊技状態フラグまたは第3遊技状態のうちのいずれかのフラグをセットする(ステップS2532)。
次いで、CPU56は、時短フラグと高ベースフラグとをセットされていれば、それぞれリセットする(ステップS2533)。すなわち、可変入賞球装置(役物)24内の特定領域(V入賞領域)へのV入賞が発生し大当り遊技が発生するので、時短フラグをリセットして時短状態を終了し、高ベースフラグをリセットして高ベース状態を終了する。
次いで、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2535)。
また、大入賞口開放前タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS2536)。また、大当り遊技における大入賞口の開放回数(本例では、ラウンド数)をカウントするための開放回数カウンタに開放回数(例えば、15回)をセットする(ステップS2537)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新して(ステップS2538)、第1役物開放後処理を終了する。なお、ステップS2528においてV入賞スイッチがオンである場合、役物内遊技球個数カウンタの値をリセットすることとしてもよい。
このように、この実施の形態では、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖直前に進入した遊技球が少し遅れて特定領域(V入賞領域)などに入賞する場合もあり得るので、多少のマージンをもって役物開放前処理に移行するようにすることとしている。なお、この実施の形態のように、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御した後、進入した遊技球の数と排出された遊技球の数とが一致するまで、特定領域(V入賞領域)などへの入賞を監視するようにしてもよいし、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御してから所定期間が経過するまでステップS1521〜S1522B,S1528〜S1529と同様の処理を行って特定領域(V入賞領域)などへの入賞を監視するようにし、可変入賞球装置(役物)24の閉鎖後であっても、所定期間以内に入賞すれば有効な入賞として扱うようにしてもよい。
また、ステップS2520Aにおいて、役物入賞スイッチ28からの検出信号を入力した場合とは、可変入賞球装置(役物)24が閉鎖された時点で可変入賞球装置(役物)24内には進入していたものの役物入賞スイッチ28に検出される位置まで到達していなかった遊技球(以下、「遅れ球」という)が、役物入賞スイッチ28に検出される位置に到達した場合である。すなわち、ステップS2520A,S2520Bの処理をおこなうことにより、遅れ球を考慮して、可変入賞球装置(役物)24内に入賞した全ての遊技球が排出されるまで待機させることができる。ここで、仮に、遅れ球が役物入賞スイッチ28に検出される位置に到達するよりも前の時点で、ステップS2524において役物内遊技球個数カウンタの値が0であると判定された場合、V入賞スイッチに対する監視をおこなっていない状態(例えば、役物開放前処理の実行中)に制御した後に、該遅れ球が特定領域に入賞してしまう可能性がある。その場合、せっかくV入賞が発生したにもかかわらず大当り遊技状態に制御されないこととなってしまい、遊技者に不利な状況となってしまう虞がある。そこで、遅れ球が可変入賞球装置(役物)24に入賞してから役物入賞スイッチ28に検出される位置に到達するまでの所要時間よりも長いタイマを、可変入賞球装置(役物)24を閉鎖状態に制御した際にセットし、該タイマの計測中は役物内遊技球個数カウンタの値が0であってもV入賞スイッチに対する監視を継続するものとすれば、V入賞スイッチに対する監視をおこなっていない状態で遅れ球が特定領域に入賞してしまうことを防止し、遊技者に不利な状況となってしまうことを防止することができる。その場合、該タイマがタイムアウトした後に役物内遊技球個数カウンタの値が0であると判定された場合にV入賞スイッチに対する監視をおこなわない状態に制御することとなる。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放前処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する(ステップS1401)。大入賞口開放前タイマがタイムアウト(大入賞口開放前タイマの値が0)したら(ステップS1402)、CPU56は、大当り種別および開始するラウンドに応じた大入賞口開放中指定コマンドを選択し、その大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータに現在の開放回数カウンタの値をセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1403)。
次いで、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1404)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、開始するラウンドに応じた開放時間(本例では、29秒)を、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマにセットする(ステップS1405)。
次いで、CPU56は、大入賞口を開放状態に制御する(ステップS1406)。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開放状態にする。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1407)。
図24は、第1特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放中処理(ステップS308)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、カウントスイッチ23からの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS1451)。カウントスイッチ23がオンしたら、すなわち大入賞口に入賞した遊技球を検出したら(ステップS1451のY)、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS1452)。
次いで、CPU56は、入賞個数カウンタの値が10となっているか否かを確認する(ステップS1454)。入賞個数カウンタの値が10となっていれば、ステップS1457に移行する。
入賞個数カウンタの値が10未満であれば(ステップS1454のN)、CPU56は、開放時間タイマを1減算し(ステップS1455)、開放時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS1456)。開放時間タイマがタイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。開放時間タイマがタイムアウトしていれば、CPU56は、大入賞口を閉鎖状態に制御する(ステップS1457)。具体的には、ソレノイド21の駆動を停止して特別可変入賞球装置20の開閉板を閉状態にする。
次いで、CPU56は、現在の開放回数カウンタの値をEXTデータにセットして、演出制御用マイクロコンピュータ100に大入賞口開放後指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1458)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を1減算する(ステップS1459)とともに、減算後の開放回数カウンタの値が0となっているか否かを確認する(ステップS1460)。開放回数カウンタの値が0となっている場合(すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合)には、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS1463)。
開放回数カウンタの値が0となっていなければ(すなわち、まだ残りのラウンドがあれば)、CPU56は、大入賞口開放前タイマにラウンド開始前時間(新たなラウンドが開始されることを例えば演出表示装置9において報知する時間(インターバル演出を行い期間に相当))に相当する値(本例では、1秒)を設定する(ステップS1461)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS1462)。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS309)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS164)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、遊技状態フラグと小当り種別とにもとづいて、時短フラグと高ベースフラグとをセットする(ステップS166)。具体的には、CPU56は、ステップS66でRAMに記憶されている小当り種別を示すデータに基づいて小当り種別を特定し、ステップS1532またはS2532でいずれかがセットされた第1遊技状態フラグ〜第3遊技状態フラグの状態にもとづいて、小当り時の遊技状態を特定する。そして、CPU56は、特定した小当り種別と小当り時の遊技状態とにもとづいて、図9(b)に示す遊技状態決定テーブルを用いて、大当り遊技後の遊技状態を決定する。その後、時短制御を行う場合には時短フラグをセットし、高ベース制御を行う場合には高ベースフラグをセットする。
次いで、CPU56は、遊技状態フラグと小当り種別とにもとづいて、時短回数カウンタと、高ベース回数カウンタおよび普図カウンタに値をセットする(ステップS167)。具体的には、CPU56は、特定した小当り種別と小当り時の遊技状態とにもとづいて、図9(b)に示す遊技状態決定テーブルを用いて、時短回数カウンタ、高ベース回数カウンタおよび普図カウンタに値をセットする。すなわち、ステップS167では、時短制御および高ベース制御の継続条件が決定され、セットされる。なお、例えば、時短制御なしの場合には、時短回数カウンタに0をセットする。このように、小当り時の遊技状態と小当り種別とにもとづいて、大当り遊技後の遊技状態を決定することで、多様な遊技状態の遷移を実現することができる。
次いで、CPU56は、遊技状態フラグをリセットする(ステップS168)。すなわち遊技状態フラグ(第1遊技状態フラグ、第2遊技状態フラグおよび第3遊技状態フラグ)は、全てリセットされた状態になる。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS169)。
図26は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8b、可変入賞球装置(役物)24および特別可変入賞球装置(大入賞口)20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS411のY)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS412)。第2始動口スイッチ通過処理の内容は図14に示した第1始動口スイッチ通過処理において「第1」を「第2」と置き換えただけであるため、説明を省略する。
次に、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1役物開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値(具体的には、第1役物開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値は「4」〜「9」)であるかどうかを確認する(ステップS414)。第1特別図柄プロセスフラグの値が、第1役物開放前処理〜第1大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS414のY)、ステップS415,S416の処理を実行した後、第2特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には(ステップS414のN)、ステップS417,S418の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS400〜S409のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS415では、CPU56は、第2特別図柄の変動中であって、かつ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2中断指定コマンドが未送信であるか否か確認する(ステップS415)。なお、第2特別図柄の変動中であるか否かは、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS402の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。変動中でない場合、または第2中断指定コマンドを送信済みの場合(例えば、第2中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了する。未だ第2中断指定コマンドを送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2中断指定コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS416)。
また、ステップS417では、CPU56は、第2中断指定コマンドを送信済みであるか否か確認する(ステップS417)。第2中断指定コマンドを送信済みである場合(例えば、第2中断指定コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して第2再開指定コマンドを送信する(ステップS418)。そして、CPU56は、ステップS400〜S409のうちのいずれかの処理を行う。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2中断指定コマンドを受信すると、第2特別図柄の変動(可変表示)に対応する第2演出図柄の変動(可変表示)を中断する。また、第2再開指定コマンドを受信すると、第2演出図柄の変動を再開する。
なお、第2特別図柄通常処理(ステップS400)〜第2大当り終了処理(ステップS409)の処理の内容については第1特別図柄プロセス処理で説明した内容と略同じであるため、第1特別図柄プロセス処理と異なる処理について説明する。
第2変動パターン設定処理における、図17に示した第1変動パターン設定処理のステップS91に相当する処理では、CPU56は、第1変動パターン設定処理とは異なり、遊技状態に関わらず、図11(d)に示す第2特別図柄変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。
その他の第2特別図柄プロセス処理においては、「第1」とあるのを「第2」と読み替え、「第2」とあるのを「第1」と読み替えることにより、実現することが可能である。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図27は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS211)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS212)を実行する。その後、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS200〜S205に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
図28は、ゲートスイッチ通過処理の一例を示すフローチャートである。ゲートスイッチ通過処理では、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する(ステップS221)。最大値に達していなければ(ステップS221のN)、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する(ステップS222)。そして、CPU56は、ソフトウェア乱数である普通図柄変動パターン決定用乱数(ランダム2)および普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う(ステップS223)。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。
ステップS200〜S205では以下の処理が実行される。
普通図柄通常処理(ステップS200):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS200を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置(普通役物)15の開閉動作中(開放状態に制御される)でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄変動パターン設定処理(ステップS201)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS201):普通図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、ゲート32への入賞の発生時に抽出した普通図柄変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、普通図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(普通図柄の変動時間)を普通変動時間タイマにセットした後、普通変動時間をスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS202)に応じた値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄変動中処理(ステップS202):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通変動時間タイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄停止処理(ステップS203)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS203):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、演出表示装置9における第3演出図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスフラグの値を、普通役物解放前処理(ステップS204)を示す値(具体的には「4」)に更新する。
普通役物開放前処理(ステップS204):普通図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通役物開放時間タイマをセットし、タイマをスタートさせる。また、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置(普通役物)15を開放状態に制御する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通役物開放中処理(ステップS205)に対応した値(具体的には「5」)に更新する。
普通役物開放中処理(ステップS205):普通図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通役物開放時間タイマがタイムアウトしたら、ソレノイド16を駆動して、可変入賞球装置(普通役物)15を閉鎖状態に制御する。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS200)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。
図29は、普通図柄通常処理(ステップS200)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS224)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS224のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS224のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および普通図柄変動パターン決定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS225)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS226)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および普通図柄変動パターン決定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および普通図柄変動パターン決定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する普図当り判定処理を実行する(ステップS227)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数と図10に示す普図当り判定テーブルとにもとづいて、乱数が普図当りに割り当てられた判定値に一致しているときに、当り(普図当り)と判定する。
そして、CPU56は、「普図当り」と決定された場合に、普図当りフラグをセットし(ステップS228,229)、「5」を普通図柄表示器10に表示させる普通図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。また、「はずれ」と決定された場合には、「0」を普通図柄表示器10に表示させる普通図柄の停止図柄(表示結果)に決定する。
その後、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄変動パターン設定処理(ステップS202)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS230)。
図30は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS202)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄変動パターン決定用乱数を読み出し(ステップS231)、読み出した普通図柄変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、普通図柄変動パターンテーブル(図11(a)参照)を用いて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS232)。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンに応じた普通図柄変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS233)。また、CPU56は、普通図柄の変動を開始するとともに、普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマにセットする(ステップS234,S235)。
その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS202)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS236)。
図31は、普通図柄変動中処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動中処理において、CPU56は、普図変動時間タイマの値を1減算する(ステップS241)。そして、CPU56は、普図変動時間タイマがタイムアウトしたときには、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄停止処理(ステップS203)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS243)。
図32は、普通図柄停止処理(ステップS203)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させ、停止図柄を導出表示する(ステップS251)。そして、CPU56は、普通図柄確定指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS252)。
次いで、CPU56は、普図当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS253)。普図当りフラグがセットされているときは(ステップS253のY)、CPU56は、普図当りフラグをリセットするとともに(ステップS253a)、普通図柄プロセスフラグの値を、普通役物開放前処理(ステップS204)を示す値(具体的には「4」)に更新する(ステップS254)。
一方、ステップS253において、普図当りフラグがセットされていないと判断したときは(ステップS253のN)、CPU56は、高ベースフラグがセットされ、かつ普図カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(ステップS255)。
高ベースフラグがセットされていない、または高ベースフラグがセットされているが普図カウンタの値が0である場合には、ステップS259に移行する。また、高ベースフラグがセットされ、かつ普図カウンタの値が0より大きい場合には、CPU56は、普図カウンタの値を1減算し(ステップS256)、減算した結果、普図カウンタの値が0となれば、高ベースフラグをリセットする(ステップS258)。その後、ステップS259に移行する。
ステップS255〜S258の処理を実行することによって、大当り遊技後の普通図柄の変動回数をカウントすることができるため、高ベース制御の継続条件として、「特別図柄の変動が所定回行われるまで」という条件に加えて、「普通図柄の変動が所定回行われるまで」という条件を実現することができる。
ステップS259では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄通常処理(ステップS204)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS259)。
図33は、普通役物開放前処理(ステップS204)を示すフローチャートである。普通電動役物開放前処理において、CPU56は、まず、可変入賞球装置(普通役物)15を開放状態に制御する時間を普通役物開放時間タイマにセットする(ステップS262)。次いで、CPU56は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置(普通役物)15を開放状態に制御する(ステップS263)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放中処理(ステップS205)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS163)。
図34は、普通役物開放中処理(ステップS205)を示すフローチャートである。普通役物開放中処理において、CPU56は、普通役物開放時間タイマの値を1減算する(ステップS269)とともに、普通役物開放時間タイマの値が0になったか否か(すなわち、普通電役タイマがタイムアウトしたか否か)を確認する(ステップS270)。普通電役タイマの値が0でなければ、そのまま処理を終了する。
また、普通役物開放時間タイマの値が0になった場合には、すなわち普通役物開放時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS270のY)、CPU56は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置(普通役物)15を閉鎖状態に制御する(ステップS271)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS200)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS272)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図35は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。第1演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9における第1演出図柄の表示制御等を実行する。また、第2演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。第2演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9における第2演出図柄の表示制御等を実行する。また、第3演出制御プロセス処理を行う(ステップS707)。第3演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第3演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9における第3演出図柄の表示制御等を実行する。そして、図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
なお、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1演出図柄表示制御処理と第2演出図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
図36〜図37は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが普図変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その普図変動パターンコマンドを、RAMに形成されている普図変動パターンコマンド格納領域に格納し(ステップS615)、普図変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。また、第1特図変動パターンコマンドを受信した場合に(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その第1特図変動パターンコマンドを、RAMに形成されている第1特図変動パターンコマンド格納領域に格納し(ステップS618)、第1特図変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS619)。また、第2特図変動パターンコマンドを受信した場合に(ステップS620)、演出制御用CPU101は、その第2特図変動パターンコマンドを、RAMに形成されている第2特図変動パターンコマンド格納領域に格納し(ステップS621)、第2特図変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
また、受信した演出制御コマンドが普通図柄確定指定コマンドであれば(ステップS622A)、演出制御用CPU101は、普図確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622B)。
受信した演出制御コマンドが第1特別図柄確定指定コマンドであれば(ステップS623A)、演出制御用CPU101は、第1特図確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS623B)。
受信した演出制御コマンドが第2特別図柄確定指定コマンドであれば(ステップS624A)、演出制御用CPU101は、第2特図確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624B)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドあれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが役物開放開始指定コマンドあれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、役物開放開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
また、受信した演出制御コマンドが役物入賞指定コマンドあれば(ステップS629)、役物入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
また、受信した演出制御コマンドが役物排出指定コマンドあれば(ステップS631)、役物排出指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632)。
また、受信した演出制御コマンドがV入賞指定コマンドあれば(ステップS623)、V入賞指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS634)。
また、受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS636)。また、受信した演出制御コマンドが役物開放終了指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、役物開放終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS638)。
また、受信した演出制御コマンドが第1中断指定コマンドであれば(ステップS639)、演出制御用CPU101は、第1中断指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS640)。受信した演出制御コマンドが第2中断指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、第2中断指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
また、受信した演出制御コマンドが第1再開指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、第1再開指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが第2再開指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、第2再開指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
そして、受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS647)。その後、ステップS611の処理に移行する。
図38は、図35に示されたメイン処理における第1演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、遊技状態に応じた演出モードを選択して実行する(ステップS800A)。そして、演出制御用CPU101は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S809のうちのいずれかの処理を行う。
この実施の形態では、演出表示装置9において、第1特別図柄に対応して第1演出図柄が変動表示され、第2特別図柄に対応して第2演出図柄が変動表示され、普通図柄に対応して第3演出図柄が変動表示されるように構成されている。例えば、演出表示装置9の表示領域に、第1演出図柄の変動表示用の第1演出領域と、第2演出図柄の変動表示用の第2演出領域と、第3演出図柄の変動表示用の第3演出領域とを設けておくことで実現可能である。また、各演出領域は、例えば、対応する演出図柄の変動表示を行っているか否かによって、大きさが変化するものであってもよい。例えば、第1演出図柄の変動表示のみが行われるときには、第2演出領域および第3演出領域が縮小され、その代わりに拡大された第1演出領域において、第1演出領域にあわせて拡大された第1演出図柄の変動表示を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態に応じて、第1特別図柄、第2特別図柄または普通図柄の変動表示への注目度が異なる。具体的には、第1遊技状態(非時短状態かつ低ベース状態)または第3遊技状態(非時短状態かつ高ベース状態)においては、主に普通図柄の変動表示が行われるため、普通図柄の変動表示が最も注目される。また、第2遊技状態(時短状態かつ高ベース状態)においては、第1特別図柄(または第2特別図柄)の変動表示が主に行われるため、第1特別図柄(または第2特別図柄)の変動表示が最も注目される。
そこで、対応する演出図柄の変動表示を行っているか否かだけでなく、遊技状態に応じて、第1演出領域、第2演出領域および第3演出領域が変化するようにしてもよい。例えば、第1遊技状態または第3遊技状態の時には、普通図柄の変動表示と第1特別図柄の変動表示とが同時に行われていても、普通図柄に対応して第3演出図柄の変動表示が行われる第3演出領域が拡大され、他の演出領域が縮小される(またはなくなる)ようにしてもよい。このように、ステップS800Aでは、遊技状態に応じて、各演出領域のサイズが定められた演出モードが選択される。
ステップS800〜S809の各処理において、以下のような処理を実行する。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1特図変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる第1特図変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。第1特図変動パターンコマンドを受信していれば、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
第1演出図柄変動開始処理(ステップS801):第1演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1変動パターンコマンド受信待ち処理で受信した第1特図変動パターンに応じて、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動中処理(ステップS802):変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動停止処理(ステップS803):第1特別図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(第1特別図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、第1演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、第1小当り開始指定コマンドを受信した場合には、第1演出制御プロセスフラグの値を、第1小当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新し、第1小当り開始指定コマンドを受信していない場合には、第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
第1小当り表示処理(ステップS804):演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、役物開放開始指定コマンドを受信すると、第1演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1小当り遊技中処理(ステップS805):小当り遊技中の制御を行う。例えば、演出表示装置9において、小当り遊技に対応した表示演出を行う。そして、役物開放終了指定コマンドを受信した場合には、第1演出制御プロセスフラグの値を小当り後演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
第1小当り後演出処理(ステップS806):役物開放終了後の演出を行う。そして、V入賞指定コマンドを受信した場合には、第1演出制御プロセスフラグの値を、第1大当り遊技中処理(ステップS807)に対応した値に更新し、V入賞指定コマンドを受信していない場合には、第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS807):演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、大当り開始指定コマンドを受信すると、第1演出制御プロセスフラグの値を第1大当り遊技中処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
第1大当り遊技中処理(ステップS808):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、第1演出制御プロセスフラグの値を第1大当り終了処理(ステップS809)に対応した値に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS811):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
演出制御メイン処理の第2演出制御プロセス処理(ステップS706)の処理の内容については、第1演出制御プロセス処理で説明した内容と略同じであり、「第1」とあるのを「第2」と読み替えることにより実現することが可能であるため、説明を省略する。
図39は、図35に示されたメイン処理における第3演出制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。第3演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第3演出制御プロセス処理のステップS800Aと同様に、遊技状態に応じた演出モードを選択して実行する(ステップS810A)。そして、演出制御用CPU101は、第3演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS810〜S814のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS810〜S814の各処理において、以下のような処理を実行する。
第3変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS810):遊技制御用マイクロコンピュータ560から普図変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる普図変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。普図変動パターンコマンドを受信していれば、第3演出制御プロセスフラグの値を第3演出図柄変動開始処理(ステップS811)に対応した値に変更する。
第3演出図柄変動開始処理(ステップS811):第3演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第3変動パターンコマンド受信待ち処理で受信した第3特図変動パターンに応じて、第3演出制御プロセスフラグの値を第3演出図柄変動中処理(ステップS812)に対応した値に更新する。
第3演出図柄変動中処理(ステップS812):変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、第3演出制御プロセスフラグの値を第3演出図柄変動停止処理(ステップS813)に対応した値に更新する。
第3演出図柄変動停止処理(ステップS813):第3特別図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、第3演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、表示結果(停止図柄)が当り(普図当り)である場合には、第3演出制御プロセスフラグの値を、普図当り表示処理(ステップS814)に対応した値に更新し、表示結果(停止図柄)がはずれである場合には、第3変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS810)に対応した値に更新する。
普図当り表示処理(ステップS814):変動時間の終了後、演出表示装置9に普図当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、第3演出制御プロセスフラグの値を第3変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS810)に対応した値に更新する。
なお、この実施の形態では、第1演出図柄の変動表示に対応する第1演出制御プロセス処理と、第2演出図柄の変動表示に対応する第2演出制御プロセス処理と、普通図柄の変動表示に対応する第3演出制御プロセス処理とをそれぞれ独立して実行するように構成しているが、構成例はこれに限らない。例えば、1つの演出制御プロセス処理において第1演出図柄、第2演出図柄および第3演出図柄の変動表示に対応する処理を実行するようにしてもよい。例えば、受信した変動パターンが第1特図変動パターン、第2特図変動パターンおよび普図変動パターンのいずれであるかによって、対応する演出図柄の変動表示を行うようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技状態として、可変表示期間が短い特別識別情報(本例では第1特別図柄または第2特別図柄)の可変表示が行われやすくする短縮制御(本例では時短制御)および有利制御(本例では高ベース制御)が行われない第1遊技状態と、短縮制御および有利制御が行われる第2遊技状態と、短縮制御は行われないが有利制御が行われる第3遊技状態とを含む。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2遊技状態または第3遊技状態中に特定遊技状態(V入賞が生じたことによる大当り遊技状態)に制御されたときに、該特定遊技状態後に第2遊技状態に制御する第2遊技状態制御手段と、第2遊技状態において特別識別情報(本例では特別図柄)の可変表示が所定回数(例えば、25回)行われたときに、第3遊技状態に制御する第3遊技状態制御手段と、第3遊技状態において特別識別情報の可変表示が特定回数(例えば、5回)行われたときまたは普通識別情報(本例では普通図柄)の可変表示が特別回数(例えば、30回)行われたときに、第1遊技状態に制御する第1遊技状態制御手段とを備えている。そのように構成されることにより、有利な遊技状態(例えば、第3遊技状態)が延々と継続してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別回数を決定する特別回数決定手段を備えている。特別回数決定手段は、複数種類の特定表示結果(例えば、小当り種別)のいずれが導出表示されたかにもとづいて、複数種類の特別回数(例えば、30回、50回または100回)のいずれかに決定し、特別回数決定手段によって決定された特別回数は、報知されない。そのように構成されることにより、第3遊技状態がいつ終了するかを遊技者が把握できないため、遊技興趣を向上させることができる。
例えば、第1遊技状態であるかまたは第3遊技状態であるかを遊技者が認識できない状態(第3遊技状態に移行してから普通図柄の変動回数が30〜100回の期間)では、いずれの状態であるかに関わらず、共通の演出(例えば背景表示など)を実行すればよい。また、共通の演出の種類を複数設け、いずれの種類であるかによって、第3遊技状態である可能性が異なるようにしてもよい。また、共通の演出を実行しているときに、いずれの遊技状態であるかを報知することがあってもよい。
また、第3遊技状態であることを遊技者が認識できる状態(第3遊技状態に移行してから普通図柄の変動回数が30回に達するまでの期間)では、第3遊技状態であることを報知する演出(例えば第3遊技状態用背景表示など)を実行するようにしてもよい。
また、第2遊技状態であるときは、第2遊技状態に制御される期間が特別図柄の変動回数が30回に達するまでであるか、100回に達するまでであるか(すなわち第2遊技状態の継続条件)に応じて、演出(例えば背景表示など)を異ならせるようにしてもよい。また、第2遊技状態に制御される残りの変動回数を報知するようにしてもよいし、報知せず、遊技者が第2遊技状態に制御される期間を認識できないように共通の演出を実行するようにしてもよい。
また、第1遊技状態であることを遊技者が認識できる状態(第3遊技状態に移行してから普通図柄の変動回数が100回を超えた後)では、第1遊技状態であることを報知する演出(例えば第1遊技状態用背景表示など)を実行するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、特別回数(本例では高ベース制御の継続条件における「普通図柄の変動回数」)は、報知されないように構成されているが、これに限らず、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、大当り終了処理において、小当り種別指定コマンドや遊技状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100が受信したコマンドにもとづいて特別回数を報知する演出を行うようにしてもよい。すなわち、第3遊技状態の残り回数を報知するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2遊技状態制御手段は、第3遊技状態中に特定遊技状態に制御されたときには、該特定遊技状態後に特別識別情報の可変表示が所定回数(例えば、30回)行われるまで第2遊技状態に制御し、第2遊技状態中に特定遊技状態に制御されたときには、該特定遊技状態後に特別識別情報の可変表示が所定回数よりも多い回数(例えば、100回)行われるまで第2遊技状態に制御する。そのように構成されることによって、どの遊技状態で特定遊技状態に制御されるかに注目させることができる。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別識別情報の可変表示の可変表示期間を決定する可変表示期間決定手段を備えている。また、普通可変装置(本例では可変入賞球装置(普通役物)15)の状態に関わらず遊技媒体が通過可能な第1特別始動領域(本例では第1始動入賞口13)と、該普通可変装置が開放状態であるときに遊技媒体が通過可能となる第2特別始動領域(本例では第2始動入賞口14)とを含む。そして、可変表示期間決定手段は、短縮制御が行われていないとき(非時短状態)に第1特別始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて特別識別情報(第1特別図柄)の可変表示を行うときには、第2特別始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて特別識別情報(第2特別図柄)の可変表示を行うときよりも長い可変表示期間に決定する。そのように構成することによって、短縮制御が行われていないときの普通識別情報の可変表示に注目させることができる。
また、この実施の形態では、遊技領域は、遊技者が遊技媒体の発射先として選択可能な第1領域(本例では遊技領域の左方)と第2領域(本例では遊技領域の右方)とを含み、普通始動領域は、第1領域へ向けて発射された遊技媒体が通過しやすい位置に設けられ、特別始動領域は、第2領域へ向けて発射された遊技媒体が通過しやすい位置に設けられ、短縮制御が行われていないときには第1領域へ向けて遊技媒体を発射する方が有利となり、短縮制御が行われているときには第2領域へ向けて遊技媒体を発射する方が有利となる。そのように構成されることによって、短縮制御が行われているか否かによって遊技性を変化させることができ、遊技興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動可能であるが、一方の変動が行われているときには他方の変動が行われないようにしてもよい。すなわち、同時に変動可能でなくてもよい。
また、この実施の形態では、ゲート32を通過したときには賞球が発生しないため、発射された遊技球がゲート32を通過する割合を高めても、ベース(出玉率)が高まることがない。そのため、ゲート32を通過する割合を高める(通過しやすくする)ことで、ベース(出玉率)を高めることなく、普通図柄の変動を多く実行することができる。
また、上述した実施の形態について、特別図柄の可変表示結果として大当り図柄を設け、可変表示結果が大当り図柄となったことにもとづいて大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。つまり、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄であるときには、小当り遊技を行わず(V入賞が発生するか否かに関わらず)、大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。また、小当り遊技(小当り図柄)を設けず、可変表示結果が大当り図柄となったときに大当り遊技状態に移行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、小当り遊技における可変入賞球装置(役物)24の開放時間が5秒と定められているが、複数種類の開放時間パターン(例えば、1秒)が設けられていてもよい。
また、この実施の形態では、高ベース制御が開始されると、特別図柄の変動回数が所定回数に達するまで、または普通図柄の変動回数が所定回数に達するまで継続されるが、これに限らず、例えば、特別図柄の変動回数と普通図柄の変動回数とを合算した変動回数が所定回数に達するまで継続するようにしてもよい。
この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示結果が小当りとなる確率(小当り確率)は1/5であり、小当り遊技時に可変入賞球装置(役物)24に入賞した遊技球がV入賞する確率(V入賞確率)は1/10である。そのため、時短制御が行われている第2遊技状態でも、必ずしも大当り遊技が発生する(第1特別図柄の可変表示結果が小当りとなり、小当り遊技においてV入賞が発生して大当り遊技に制御される)わけではない。しかし、この例に限らず、例えば、時短制御および高ベース制御の継続条件が「特別図柄の変動表示が100回行われるまで」である第2遊技状態に制御されているときには、小当り確率やV入賞確率が調整されることにより、極めて高い割合(例えば、ほぼ100%)で大当り遊技が発生するようにしてもよい。なお、その場合には、第2遊技状態が延々と継続してしまうことを防ぐために、例えば、第2遊技状態で小当りが発生したときに、小当り種別が第1小当り種別のときには、大当り遊技後の時短制御の継続条件を厳しくしたり(特別図柄の変動表示が25回行われるまでとする)、大当り遊技後に時短制御を行わないようにしたりしてもよい。また、例えば、時短制御および高ベース制御の継続条件が「特別図柄の変動表示が100回行われるまで」である第2遊技状態に所定回連続して制御されたときには、それ以上連続しないように、強制的に時短制御および高ベース制御の継続条件が「特別図柄の変動表示が100回行われるまで」である第2遊技状態には制御されないようにしてもよい。
また、普通図柄の可変表示結果が当り(普図当り)となる確率が高い普図確変状態を設け、当り(普図当り)確率や変動頻度という点では実質的に有利度が変わらない低ベース状態と高ベース状態とに加えて、高い頻度で当り(普図当り)となることで、低ベース状態および高ベース状態よりも有利な超高ベース状態を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、小当り種別と小当り時の遊技状態とにもとづいて、大当り遊技が終了した後に所定の遊技状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、可変入賞球装置24の特定領域(V入賞領域)を通過したときに乱数を抽出し、抽出した乱数にもとづいてV入賞後の大当り遊技が終了した後に所定の遊技状態に制御される遊技機や、可変入賞球装置24に特定領域(V入賞領域)が複数設けられ、いずれの特定領域を通過したかにもとづいて、V入賞後の大当り遊技が終了した後に所定の遊技状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。