[go: up one dir, main page]

JP6297378B2 - 眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ製造方法、眼鏡レンズ設計システムおよび眼鏡レンズ設計装置 - Google Patents

眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ製造方法、眼鏡レンズ設計システムおよび眼鏡レンズ設計装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6297378B2
JP6297378B2 JP2014063367A JP2014063367A JP6297378B2 JP 6297378 B2 JP6297378 B2 JP 6297378B2 JP 2014063367 A JP2014063367 A JP 2014063367A JP 2014063367 A JP2014063367 A JP 2014063367A JP 6297378 B2 JP6297378 B2 JP 6297378B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spectacle lens
face
orientation
wearer
lens design
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014063367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015184624A (ja
Inventor
恵介 中條
恵介 中條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Essilor Co Ltd
Original Assignee
Nikon Essilor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Essilor Co Ltd filed Critical Nikon Essilor Co Ltd
Priority to JP2014063367A priority Critical patent/JP6297378B2/ja
Publication of JP2015184624A publication Critical patent/JP2015184624A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6297378B2 publication Critical patent/JP6297378B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Eyeglasses (AREA)

Description

本発明は、眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ製造方法、眼鏡レンズ設計システムおよび眼鏡レンズ設計装置に関する。
遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、遠用部と近用部の屈折力を連続的に滑らかに変化させて接続する中間部と、を備える累進眼鏡レンズが知られている。このような累進眼鏡レンズにおいては、個々の装用者の個別装用状況データとレンズ屈折作用による視線の偏向とに基づいて、近用部のインセット量を決定する方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2010−237402号公報
上述した従来技術では、個別の装用前傾角の違いについては考慮されているが、装用者の顔が注視対象の物体に対して真正面を向いている状態を前提として、左右で対称的に近用部のインセット量が決定されている。しかしながら、人が手元の物体を見るときには、その物体の持ち方や姿勢の癖などにより、注視対象の物体に対して顔の真正面を向けず、斜め方向を向ける傾向がある人もいる。従来技術では、このような装用者に対して適切に近用部のインセット量を決定することができなかった。
(1)請求項1に記載の眼鏡レンズ設計方法は、遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、遠用部と近用部との間に設けられ遠用部から近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部と、を有する眼鏡レンズを設計する眼鏡レンズ設計方法であって、近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定する測定工程と、測定工程により測定された顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、近用部のインセット量を左右それぞれで決定する決定工程と、を有することを特徴とする。
(2)請求項4に記載の眼鏡レンズ設計方法は、遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、遠用部と近用部との間に設けられ遠用部から近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部と、を有する眼鏡レンズを設計する眼鏡レンズ設計方法であって、近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定した測定結果を取得し、測定結果の顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、近用部のインセット量を左右それぞれで決定する決定工程を有することを特徴とする。
(3)請求項6に記載の眼鏡レンズ製造方法は、請求項1〜のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ設計方法によって設計された眼鏡レンズを製造することを特徴とする。
)請求項7に記載の眼鏡レンズ設計システムは、遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、遠用部と近用部との間に設けられ遠用部から近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部と、を有する眼鏡レンズを設計する眼鏡レンズ設計システムであって、近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定した測定結果を入力する入力装置と、測定結果の顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、近用部のインセット量を左右それぞれで決定する設計装置と、を有することを特徴とする。
)請求項8に記載の眼鏡レンズ設計装置は、遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、遠用部と近用部との間に設けられ遠用部から近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部と、を有する眼鏡レンズを設計する眼鏡レンズ設計装置であって、近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定した測定結果を取得し、測定結果の顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、近用部のインセット量を左右それぞれで決定することを特徴とする。
本発明によれば、累進眼鏡レンズの近用部のインセット量を適切に決定することができる。
本発明の一実施の形態に係る累進眼鏡レンズの概要を示す図である。 顔の向きとインセット量との関係を説明する図である。 顔の向き角度の定義を説明する図である。 左眼輻輳角および右眼輻輳角を求める方法を説明する図である。 インセット量を決定する方法を説明する図である。 累進眼鏡レンズの供給システムの構成を示す図である。 眼鏡レンズを提供する手順を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。以下の説明において、累進眼鏡レンズの「上方」、「下方」、「上部」、「下部」等と表記する場合は、当該累進眼鏡レンズが眼鏡用に加工される場合において眼鏡を装用したときのレンズの位置関係に基づくものとする。
(累進眼鏡レンズの概要)
図1は、本実施の形態に係る累進眼鏡レンズLSの概要を示す平面図である。図1において、累進眼鏡レンズLSは、眼鏡用フレームの形状に合わせてレンズを加工する前の状態(玉摺り加工前の状態)になっており、平面視で円形に形成されている。累進眼鏡レンズLSは、図中上側が装用時において上方に配置されることとなり、図中下側が装用時において下方に配置されることとなる。累進眼鏡レンズLSは、遠用部Fと、近用部Nと、中間部Pとを有している。
遠用部Fは、累進眼鏡レンズLSの上部に配置されており、当該累進眼鏡レンズLSが眼鏡用に加工された後には遠景に対応する屈折力を有する部分となる。近用部Nは、累進眼鏡レンズLSの下部に配置されており、当該累進眼鏡レンズLSが眼鏡用に加工された後には近景に対応する屈折力を有する部分となる。中間部Pは、累進眼鏡レンズLSのうち遠用部Fと近用部Nの中間に配置されており、遠用部Fと近用部Nとの間の屈折力を連続的に滑らかに変化させて接続する部分である。
累進眼鏡レンズLSは、複数の基準点を有している。このような基準点として、例えば、図1に示すように、アイポイント(フィッティングポイントとも呼ばれる)EP、遠用基準点FV、近用基準点NVなどが挙げられる。アイポイントEPは、装用者がレンズを装用する時の基準点となる。遠用基準点FVは、レンズの遠用度数を測定する測定基準点となる。近用基準点NVは、近用部Nにおいてレンズの近用度数を測定する測定基準点となる。
また累進眼鏡レンズLSのほぼ中央には、装用者が正面上方から正面下方にある物体を見た場合に視線が通過するレンズ上の仮想線である主注視線Mが設けられている。主注視線Mは、主子午線とも呼ばれ、遠用部Fを通過する遠用線部Mfと、中間部Pを通過する中間線部Mpと、近用部Nを通過する近用線部Mnとからなる。遠用線部Mfは、遠用基準点FVとアイポイントEPとを通り、装用時における鉛直方向に沿って形成される。近用線部Mnは近用基準点NVを通り、装用時における鉛直方向に沿って形成され、近方視時の輻輳を考慮して、遠用線部Mfからインセット量Hだけ鼻側(図1中左側)に内寄せ(インセット)されている。中間線部Mpは遠用線部Mfの下端と近用線部Mnの上端とを接続するため、これらの線分に対して斜めに形成されている。
(近用部のインセット量の決定)
次に、累進眼鏡レンズの近用部のインセット量を決定する方法について説明する。なお、以下では、説明を簡単にするため、累進眼鏡レンズにおいて左右の度数が同じであることを前提として説明するが、本実施の形態は、左右で度数が異なる場合にも適用可能である。まず、図2を用いてインセット量を決定する方法の概要について説明する。
図2は、装用者の頭部At、左眼の眼球EL、右眼の眼球ER、左眼用の累進眼鏡レンズLSL、および右眼用の累進眼鏡レンズLSRを模式的に示す俯瞰図である。装用者は近方の注視点Pgを見ているとする。ここで、左眼の輻輳による左眼の視線の寄り角度αLを左眼輻輳角αLと定義する。左眼輻輳角αLは、遠方を見た場合の左眼の視線と近方を見た場合の左眼の視線とがなす角度である。また、右眼の輻輳による右眼の視線の寄り角度αRを右眼輻輳角αRと定義する。右眼輻輳角αRは、遠方を見た場合の右眼の視線と近方を見た場合の右眼の視線とがなす角度である。
図2(a)は、装用者の顔(頭部At)が注視点Pgに対して真正面を向いている(正対している)状態を示す。この状態は、顔(頭部At)の中心線(ここでは、左眼の眼球ELの中心と右眼の眼球ERの中心とを結ぶ線分L1の垂直二等分線L2)上に、注視点Pgが位置する状態である。この状態では、左眼輻輳角αLと右眼輻輳角αRとは同じ角度となっている。そのため、左眼用の累進眼鏡レンズLSLのインセット量HLと右眼用の累進眼鏡レンズLSRのインセット量HRとが同じ量に決定される。従来は、このように、装用者の顔(頭部At)が注視点Pgに対して真正面を向いている状態を前提として、左右で対称的にインセット量が決定されていた。
しかしながら、日常生活において、人は常に正面で物を見ているわけではない。特に読書のときや携帯端末を操作するときなど、手元の物体を見るときにはその物体の持ち方や姿勢の癖などから人による違いが出やすく、注視対象の物体に対して真正面を向けず、斜め方向を向ける傾向がある人もいる。たとえば、図2(b)は、装用者が注視点Pgに対して顔の左側を向けている状態を示す。この状態は、注視点Pgが、顔(頭部At)の中心線L2上ではなく、中心線L2よりも左側にずれた位置にある。この状態では、右眼輻輳角αRが左眼輻輳角αLよりも大きくなっている。そのため、右眼のインセット量HRを左眼のインセット量HLよりも大きくすることが適切であるが、従来の方法では、左右で対称的にインセット量が決定されていたため、装用者に合わないインセット量で累進眼鏡レンズが設計されてしまっていた。
このように、近方の注視点に対して顔を斜めに向ける傾向がある装用者に対しては、従来の方法では、適切にインセット量を決定することができなかった。そこで、本実施の形態では、装用者の注視点Pgに対する顔の向きを考慮して、適切にインセット量を決定するようになっている。
以下、本実施の形態において、累進眼鏡レンズにおける近用部のインセット量を決定する方法について具体的に説明する。以下の説明では、図3に示すように、左眼の眼球ELの中心と右眼の眼球ERの中心とを結ぶ線分L1の垂直二等分線L2を定義し、線分L1の中点Oと近方の注視点Pgとを通る直線L3を定義し、垂直二等分線L2と直線L3とがなす角度を、装用者の顔の向き角度φとして定義する。装用者の顔の向き角度φは、装用者の顔が注視点Pgに対して真正面を向いている場合に0度となる。すなわち、装用者の顔の向き角度φは、装用者の顔が注視点Pgに対して真正面を向いている(正対している)場合の顔の向きを基準とした角度となっている。
図4は、装用者の顔が注視点Pgに対して正面を向いていない(すなわち斜め方向を向いている)場合の左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRを求める方法を説明する図である。図4は、装用者が注視点Pgに対して顔の左側を向けている状態を示す。ここで、装用者の顔が注視点Pgに対して正面を向いている場合の左眼輻輳角および右眼輻輳角を仮輻輳角θとすると、装用者が注視点Pgに対して顔の左側を向けている場合の左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRは、図4で示されるように、次式(1)および(2)により算出される。
αL=θ−φ ・・・(1)
αR=θ+φ ・・・(2)
逆に、装用者が注視点Pgに対して顔の右側を向けている場合の左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRは、次式(3)および(4)により算出される。
αL=θ+φ ・・・(3)
αR=θ−φ ・・・(4)
このように、仮輻輳角θと装用者の顔の向き角度φとを用いて、左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRを算出することができる。
図5は、上述したような顔の向きφによる左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRの違いに基づいて、左右の近用部のインセット量をそれぞれ算出する方法を説明する図である。まず、注視点が装用者の顔の真正面にあることを前提とした近用部のインセット量を、仮インセット量Hkとして求める。仮インセット量Hkを求める方法としては、たとえば、特開2010−237402号公報に記載されているように、装用者の遠用度数、加入度数、近用物体距離、眼球回旋距離、および遠用瞳孔間距離を用いて、近似式により仮インセット量Hkを算出する方法を用いてもよい。なお、近用物体距離とは、近方視状態での眼球から注視点までの距離である。眼球回旋距離とは、眼球の回旋中心から累進眼鏡レンズ面までの距離である。遠用瞳孔間距離とは、遠方視状態での瞳孔間距離である。また、仮インセット量Hkを求める方法はこの方法に限らなくてもよく、この他の方法を用いてもよい。このように仮インセット量Hkは、公知の方法で求めればよいので、詳細な説明は省略する。
次に、仮インセット量Hkと、眼球の回旋中心から累進眼鏡レンズ面までの距離(眼球回旋距離)Deを用いて、式(5)により装用者の顔が注視点に対して正面を向いている場合の左眼輻輳角および右眼輻輳角(仮輻輳角)θを算出する。
θ=arctan(Hk/De) ・・・(5)
なお、眼球回旋距離Deは、眼球の回旋中心から角膜頂点までの距離と、角膜頂点から累進眼鏡レンズ面までの距離(角膜頂点距離)とを加算して求めることができる。これらの距離は予め設定された値を用いてもよいし、装用者ごとに測定するようにしてもよい。
次に、上述したように、仮輻輳角θと装用者の顔の向き角度φとを用いて、式(1)および(2)または式(3)および(4)により、左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRを算出する。
そして、左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRと眼球回旋距離Deとを用いて、式(6)および(7)により、左眼のインセット量HLおよび右眼のインセット量HRをそれぞれ算出する。
HL=De・tan(αL) ・・・(6)
HR=De・tan(αR) ・・・(7)
以上のようにして、顔の向き角度φによる左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRの違いに基づいて、左眼のインセット量HLおよび右眼のインセット量HRをそれぞれ決定する。これにより、近方の注視点に対して顔を斜めに向ける傾向がある装用者に対しても、累進眼鏡レンズの近用部のインセット量を左右それぞれで適切に決定することができる。
(累進眼鏡レンズの供給システム)
次に、累進眼鏡レンズの供給システムについて説明する。図6は、本実施形態による累進眼鏡レンズの供給システムの構成を示す図である。累進眼鏡レンズの供給システムは、データ端末101と、データ記憶部107と、設計部105と、加工機制御部111とを備える。データ端末101、設計部105および加工機制御部111は、種々の形態のコンピュータであってもよい。データ端末101は、たとえば、眼鏡店10に設置される。設計部105、データ記憶部107および加工機制御部111は、たとえば、レンズメーカの工場20に設置される。データ端末101と設計部105とは、たとえば、インターネットなどの回線103によって接続されている。また、設計部105と加工機制御部111とは、たとえば、イントラネットなどの回線109によって接続されている。レンズの加工機113は、加工機制御部111に接続されている。
(累進眼鏡レンズを提供する手順)
次に、本実施形態において、顧客に眼鏡を提供する一連の手順について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図7の左側に眼鏡店において行う手順を示し、図7の右側にレンズメーカにおいて行う手順を示す。ステップS10において、顧客は、眼鏡店において、購入する眼鏡フレームを決定する。
ステップS11において、ステップS10で決定した眼鏡フレームに装着する眼鏡レンズの処方値(例えば、球面度数、乱視度数、乱視軸度、加入度など)を決定する。眼鏡レンズの処方値は、顧客に対して、眼科医により発行された処方箋や、眼鏡店で行われた視力チェックなどに基づいて決定される。
ステップS12において、装用者が眼鏡を装用した状態における各種パラメータ(フィッティングパラメータ)を測定する。フィッティングパラメータとしては、たとえば、遠用瞳孔間距離、近用物体距離、角膜頂点距離、前傾角(鉛直面に対する累進眼鏡レンズ面の角度)などが測定される。
ステップS13において、近方の注視点に対する装用者の顔の向き角度φを測定する。顔の向き角度φの測定方法の一例は、以下の通りである。まず、装用者の顔の正面方向が上面に描かれた測定用帽子を装用者の頭部にかぶせる。そして、装用者に本や携帯端末などを手に持って自然な状態で見てもらうことにより、装用者を近方視状態とする。この状態で、測定用帽子を観察することで装用者の顔の正面方向を検知すると共に、装用者の注視点の位置を公知の視線検出装置等で測定する。これにより、近方の注視点に対する装用者の顔の向き角度φを求めることができる。
なお、顔の向き角度φを測定する方法は上述した方法に限らず、種々の方法の中から適切な方法を用いればよい。たとえば、長さが既知である測定用治具を眼鏡フレームに装着した状態で、注視点近傍に設置したカメラで装用者の顔を撮影する方法を用いてもよい。この場合、装用者の顔が注視点に対して正面方向を向いているときと斜め方向を向いているときとで撮影画像上に写る測定用治具の長さが異なるので、撮影画像上に写る測定用治具の長さに基づいて顔の向き角度を求めることができる。
また、たとえば本の左端から右端を読むときなど視線と共に頭部を動かす場合があり、装用者の顔の向き角度φは時間的に変化する可能性がある。したがって、顔の向き角度φを所定時間継続して測定し、測定値の平均値を眼鏡レンズの設計に用いる顔の向き角度φとしてもよい。
ステップS14において、眼鏡店の店員は、ステップS10で決定した眼鏡フレームの情報、ステップS11で決定した眼鏡レンズの処方値、およびステップS12で測定したフィッティングパラメータ、ステップS13で測定した顔の向き角度などを含む眼鏡レンズの発注情報を、眼鏡店に設置されたデータ端末101に入力する。データ端末101は、入力された発注情報を、回線103を介して、レンズメーカに設置された設計部105に送信する。
ステップS20において、レンズメーカでは、設計部105が、眼鏡店の発注用コンピュータからの眼鏡レンズの発注情報を受信する。ステップS21において、設計部105は、受信した累進眼鏡レンズの発注情報に基づいて眼鏡レンズの設計を行う。すなわち、眼鏡フレームの情報や眼鏡レンズの処方値、フィッティングパラメータ、顔の向き角度などの情報に基づいて、眼鏡レンズの設計を行う。
この眼鏡レンズの設計の際、設計部105は、上述したように、顔の向き角度φを用いて左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRを算出し、左眼のインセット量HLおよび右眼のインセット量HRをそれぞれ決定する。
ステップS22において、設計部105は、ステップS21で設計した眼鏡レンズの設計データを、回線109を介して、加工機制御部111に出力する。加工機制御部111は、この設計データに基づいて、レンズの加工機113に加工指示を送る。この結果、レンズの加工機113によって、当該設計データに基づく眼鏡レンズが加工され、製造される。そして、レンズの加工機113によって製造された眼鏡レンズが眼鏡店に出荷される。ステップS15において、眼鏡店では、ステップS22で製造された眼鏡レンズを、ステップS10で決定された眼鏡フレームに枠入れして眼鏡を完成し、顧客に提供する。
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)眼鏡レンズ設計方法は、近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定する測定工程と、測定工程により測定された顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、近用部のインセット量を左右それぞれで決定する決定工程とを有する。具体的には、測定工程では、顔の向きとして、装用者の顔が前記近方の注視点に対して正対する場合の顔の向きを基準とした顔の向き角度φを測定し、決定工程では、顔の向き角度φによる左眼および右眼の輻輳角の違いに基づいて、近用部のインセット量を左右それぞれで決定するようにした。これにより、近方の注視点に対して顔を斜めに向ける傾向がある装用者に対しても、累進眼鏡レンズの近用部のインセット量を左右それぞれで適切に決定することができる。
(2)上記眼鏡レンズ設計方法において、決定工程では、装用者の顔が近方の注視点に対して正対している場合における近用部のインセット量を仮インセット量Hkとして求め、仮インセット量Hkと顔の向き角度φとに基づいて、近用部のインセット量を左右それぞれで決定するようにした。これにより、公知の方法を用いて仮インセット量Hkを求めた後、顔の向き角度を用いて仮インセット量Hkを補正するだけで、適切なインセット量を簡単に決定することができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)
上述した実施の形態では、装用者の顔が近方の注視点に対して正対している場合における近用部のインセット量を仮インセット量Hkとして求め、近用部のインセット量を決定する例について説明したが、仮インセット量Hkを経由せずに近用部のインセット量を直接求めてもよい。たとえば、眼鏡レンズの処方値、フィッティングパラメータおよび顔の向き角度φを用いて、光線追跡シミュレーションを行って、近用部のインセット量を左右それぞれで決定するようにしてもよい。
(変形例2)
上述した実施の形態では、仮インセット量Hkと顔の向き角度φとを用いて左眼輻輳角αLおよび右眼輻輳角αRを算出し、左右のインセット量をそれぞれ算出する例について説明したが、これに限らなくてもよい。たとえば、近方の注視点に対して顔を正面に向ける傾向がある場合、近方の注視点に対して顔を左側に向ける傾向がある場合、および近方の注視点に対して顔を右側に向ける傾向がある場合の3パターンのインセット量を予め用意しておき、顔の向きの測定結果を用いて、これら3パターンのインセット量の中から装用者に最適なインセット量を選択するようにしてもよい。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。また、本発明は、遠近タイプの累進眼鏡レンズに適用することもできるし、中近タイプの累進眼鏡レンズに適用することもできる。
LS…累進眼鏡レンズ、F…遠用部、N…近用部、P…中間部、101…データ端末、105…設計部、111…加工機制御部、113…レンズの加工機

Claims (8)

  1. 遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、前記遠用部と前記近用部との間に設けられ前記遠用部から前記近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部と、を有する眼鏡レンズを設計する眼鏡レンズ設計方法であって、
    近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定する測定工程と、
    前記測定工程により測定された前記顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、前記近用部のインセット量を左右それぞれで決定する決定工程と、
    を有することを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
  2. 請求項1に記載の眼鏡レンズ設計方法において、
    前記測定工程では、前記顔の向きとして、前記装用者の顔が前記注視点に対して正対する場合の顔の向きを基準とした向き角度を測定し、
    前記決定工程では、前記測定工程により測定された前記向き角度による左眼および右眼の輻輳角の違いに基づいて、前記近用部のインセット量を左右それぞれで決定することを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
  3. 請求項2に記載の眼鏡レンズ設計方法において、
    前記決定工程では、前記装用者の顔が前記注視点に対して正対している場合における前記近用部のインセット量を仮インセット量として求め、前記仮インセット量と前記向き角度とに基づいて、前記近用部のインセット量を左右それぞれで決定することを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
  4. 遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、前記遠用部と前記近用部との間に設けられ前記遠用部から前記近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部と、を有する眼鏡レンズを設計する眼鏡レンズ設計方法であって、
    近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定した測定結果を取得し、前記測定結果の前記顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、前記近用部のインセット量を左右それぞれで決定する決定工程を有することを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ設計方法において、
    前記装用者の前記顔の向きの測定では、前記装用者が手に持つ物体を前記近方の注視点にした際の、前記近方の注視点に対する前記装用者の顔の向きが測定されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の眼鏡レンズ設計方法によって設計された眼鏡レンズを製造することを特徴とする眼鏡レンズ製造方法。
  7. 遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、前記遠用部と前記近用部との間に設けられ前記遠用部から前記近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部と、を有する眼鏡レンズを設計する眼鏡レンズ設計システムであって、
    近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定した測定結果を入力する入力装置と、
    前記測定結果の前記顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、前記近用部のインセット量を左右それぞれで決定する設計装置と、
    を有することを特徴とする眼鏡レンズ設計システム。
  8. 遠景に対応する屈折力を有する遠用部と、近景に対応する屈折力を有する近用部と、遠用部と近用部との間に設けられ遠用部から近用部までの屈折力を連続的に接続する中間部と、を有する眼鏡レンズを設計する眼鏡レンズ設計装置であって、
    近方の注視点に対する装用者の顔の向きを測定した測定結果を取得し、前記測定結果の前記顔の向きによる左眼と右眼の輻輳角の違いに基づいて、前記近用部のインセット量を左右それぞれで決定することを特徴とする眼鏡レンズ設計装置。
JP2014063367A 2014-03-26 2014-03-26 眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ製造方法、眼鏡レンズ設計システムおよび眼鏡レンズ設計装置 Active JP6297378B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014063367A JP6297378B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ製造方法、眼鏡レンズ設計システムおよび眼鏡レンズ設計装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014063367A JP6297378B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ製造方法、眼鏡レンズ設計システムおよび眼鏡レンズ設計装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015184624A JP2015184624A (ja) 2015-10-22
JP6297378B2 true JP6297378B2 (ja) 2018-03-20

Family

ID=54351168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014063367A Active JP6297378B2 (ja) 2014-03-26 2014-03-26 眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ製造方法、眼鏡レンズ設計システムおよび眼鏡レンズ設計装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6297378B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2874709B1 (fr) * 2004-08-27 2006-11-24 Essilor Int Procede de determination d'une paire de lentilles ophtalmiques progressives
US8632177B2 (en) * 2008-09-24 2014-01-21 Essilor International (Compagnie Generale D'optique) Method for determining the inset of a progressive addition lens
JP5187227B2 (ja) * 2009-02-23 2013-04-24 セイコーエプソン株式会社 眼鏡レンズの設計方法
JP2012203189A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Seiko Epson Corp 累進屈折力レンズの設計方法
EP2867722B1 (en) * 2012-06-29 2020-09-23 Essilor International Ophthalmic lenses taking into account the wearer's handedness

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015184624A (ja) 2015-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6377080B2 (ja) 1対の累進眼科用レンズ(1、2)を提供する方法
US10690939B2 (en) Spectacles comprising a pair of progressive lenses
JP6563918B2 (ja) 眼科用累進レンズ用の少なくとも1つの光学設計パラメータの決定方法
US8550622B2 (en) Progressive power lens and progressive power lens design method
KR101779270B1 (ko) 안경 렌즈
EP3143458B1 (en) A progressive multifocal lens having an enlarged intermediate distance vision region
ES2932157T3 (es) Determinación de un error de refracción de un ojo
US10261340B2 (en) Method for producing a customized progressive ophthalmic lens
JP4824031B2 (ja) 眼鏡レンズを製造するための方法および装置、並びに眼鏡レンズを製造するためのシステムおよびコンピュータプログラム製品
JP2011253042A (ja) 眼鏡レンズ選択方法及び眼鏡レンズ選択システム
US11726350B2 (en) Progressive addition lens and method for manufacturing thereof
US9759931B2 (en) Pair of progressive ophthalmic lenses
JP2008501990A (ja) 眼用レンズ
US12007627B2 (en) Method, manufacturing method, and design system of progressive addition lens, and progressive addition lens
KR20150103024A (ko) 안경 렌즈의 제조 장치 및 제조 방법
JP2015522845A (ja) 一対の累進式眼用レンズを決定する方法
KR20190052141A (ko) 누진 굴절력 렌즈쌍, 누진 굴절력 렌즈쌍의 설계 방법 및 누진 굴절력 렌즈쌍의 제조 방법
US20220026741A1 (en) Method for determining a progressive lens and associated system
JP6920289B2 (ja) 近視で老眼の装用者のための眼科用累進屈折力レンズと、かかるレンズを提供する方法
JP6297378B2 (ja) 眼鏡レンズ設計方法、眼鏡レンズ製造方法、眼鏡レンズ設計システムおよび眼鏡レンズ設計装置
JP6920288B2 (ja) 遠視で老眼の装用者のための累進屈折力レンズと、かかるレンズを提供する方法
JP6581192B2 (ja) 累進型眼科用レンズ
JP7055097B2 (ja) 正視で老眼の装用者のための累進屈折力レンズと、かかるレンズを提供する方法
JP6298231B2 (ja) 眼鏡レンズ設計方法および眼鏡レンズ製造方法
WO2018079835A1 (ja) 眼鏡レンズの評価方法、眼鏡レンズの設計方法、眼鏡レンズの製造方法および眼鏡レンズ評価装置

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20170207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171010

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6297378

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250