JP6295056B2 - 自動車用バックドアおよび自動車用バックドアの製造方法 - Google Patents
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Description
一方別の対策として、樹脂構造体にリブを造作して荷重変形を小さくする方法が考えられる。
また更に別の対策として、リブを造作する代わりに、樹脂構造体の一部または前面を金属部材で補強して、荷重変形を小さくする方法が検討されている。
また、樹脂構造体を金属部材で補強しても、金属部材だけでは荷重変形を目標通り小さくできない場合が多いことが本発明者らの検討によりわかってきた。
すなわち、このように、樹脂構造体は、成形が容易で軽量であることから、前記の多くの用途に用いられているが、自動車用バックドアなどの荷重変形を小さくしなければならない用途に対しては課題があることがわかってきた。
すなわち、本発明によれば、以下に示す金属/樹脂複合構造体を含む自動車用バックドアが提供される。
アウターパネルと、該アウターパネルの車内側に設けられたインナーパネルとからなる自動車用バックドアであって、
前記アウターパネルおよび/またはインナーパネルの少なくとも一部が、金属/樹脂複合構造体を含み、
該金属/樹脂複合構造体は、
樹脂材料aからなる構造体部(A)と、
前記構造体部(A)の少なくとも一部に接合する金属体部(B)と、
前記構造体部(A)と一体化しているとともに前記金属体部(B)に少なくとも一部で接合し、かつ樹脂材料cからなるリブ部(C)と、
を含み、
前記金属体部(B)は、複数の十字形の貫通穴を備え、
前記リブ部(C)はその少なくとも一部が、前記複数の十字形の貫通穴を介して、前記金属体部(B)に対し前記構造体部(A)とは反対の方向に突出して前記金属体部(B)の上面において一体化しており、平面視において格子状に配置されている自動車用バックドア。
前記構造体部(A)が板状である、[1]に記載の自動車用バックドア。
[3]
前記構造体部(A)の前記金属体部(B)と接合する面は、平面であるか、またはじゃばら状に屈曲した面である、[2]に記載の自動車用バックドア。
[4]
前記金属体部(B)が板状である、[1]ないし[3]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[5]
構造体部(A)と前記金属体部(B)との間にプライマー層をさらに備え、
前記プライマー層を介して、前記構造体部(A)と前記金属体部(B)とが接合されている、[1]ないし[4]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[6]
前記金属体部(B)が、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、およびチタン合金から選択される少なくとも1種からなる、[1]ないし[5]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[7]
前記構造体部(A)は、
重合体a1と、
前記重合体a1:100重量部あたり、1〜100重量部のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、およびガラス粉から選ばれる1種以上の充填剤と、
を含む樹脂材料aからなる、[1]ないし[6]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[8]
前記リブ部(C)は、
重合体c1と、
前記重合体c1:100重量部あたり、1〜100重量部のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、およびガラス粉から選ばれる1種以上の充填剤と、
を含む樹脂材料cからなる、[1]ないし[7]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[9]
前記構造体部(A)を構成する重合体a1がポリオレフィンである、[1]ないし[8]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[10]
前記リブ部(C)を構成する重合体c1がポリオレフィンである、[1]ないし[9]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[11]
前記構造体部(A)を構成する重合体a1と前記リブ部(C)を構成する重合体c1が同一である[1]ないし[10]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[12]
前記金属/樹脂複合構造体は、
前記構造体部(A)を形成するための第1キャビティと、前記リブ部(C)を形成するための第2キャビティとを備える射出成形用金型を用い、
当該射出成形用金型に前記金属体部(B)を配置し、前記第1キャビティに重合体a1と充填剤とを含む樹脂材料aを射出成形するとともに、前記第2キャビティに重合体c1と充填剤とを含む樹脂材料cを射出成形することにより得られる、[1]ないし[11]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[13]
前記金属体部(B)は貫通穴を備え、
前記樹脂材料cとして前記樹脂材料aと同一の樹脂材料を用い、
前記樹脂材料aが、まず構造体部(A)を形成するための第1キャビティに供給され、次いで当該樹脂材料aの一部が金属体部(B)に設けられた前記貫通穴から、リブ部(C)を形成するための第2キャビティに供給される、[12]に記載の自動車用バックドア。
[14]
前記金属体部(B)の少なくとも一部が、予め表面処理され、表面に微細な凹凸を形成したものである、[1]ないし[13]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
[15]
前記金属体部(B)の少なくとも一部が、予め表面処理され、さらにプライマーを塗布されたものである[1]ないし[14]のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
アウターパネルと、該アウターパネルの車内側に設けられたインナーパネルとからなる自動車用バックドアであって、
前記アウターパネルおよび/またはインナーパネルの少なくとも一部が、金属/樹脂複合構造体を含み、
該金属/樹脂複合構造体は、
樹脂材料aからなる構造体部(A)と、
前記構造体部(A)の少なくとも一部に接合する金属体部(B)と、
前記構造体部(A)および/または前記金属体部(B)に少なくとも一部で接合し、かつ樹脂材料cからなるリブ部(C)と、
を含み、
前記リブ部(C)はその少なくとも一部が、前記金属体部(B)に対し前記構造体部(A)とは反対の方向に突出している自動車用バックドア。
本実施形態の自動車用バックドアに含まれる金属/樹脂複合構造体は、図1に示すように構造体部(A)及びリブ部(C)が樹脂から得られ、金属体部(B)が金属材料から得られる。
以下、金属/樹脂複合構造体を構成する樹脂(以下樹脂材料ということがある)と金属(以下金属材料ということがある)について説明した後、前記構造体部(A)と前記金属体部(B)、及びリブ部(C)の接合の態様、金属/樹脂複合構造体の特徴について説明する。
本実施形態の金属/樹脂複合構造体を構成する構造体部(A)及びリブ部(C)は同一または異なる樹脂材料からなる。この樹脂材料はそれぞれ樹脂材料aおよび樹脂材料cから得ることができる。
また、ポリオレフィンとしては、直鎖状のものであっても、分岐構造を導入したものであってもよい。成形品の強度および耐衝撃性の観点から、ポリアミド(PA)とポリエステルが好ましく用いられる。また、耐熱性および耐薬品性の観点から、ポリアリーレンスルフィド、中でもポリフェニレンスルフィド(PPS)が好ましく用いられる。成形品外観および寸法安定性の観点から、ポリカーボネート(PC)やスチレン系樹脂が特に好ましく用いられる。
本実施形態の金属/樹脂複合構造体を構成する金属体部(B)は金属材料からなる。
本実施形態で用いることができる金属材料の種類は世の中に存在する全てが対象であるが、好ましくは、線膨張率の大きな金属の種類を用いた方が好ましい。その理由は、後述する樹脂材料の線膨張率は充填剤等を加えて調整しても金属と同等の線膨張率にするには無理があるためである。すなわち、樹脂材料の線膨張率は、最も低いものでも2×10−5℃−1程度である。
本実施形態にかかる金属/樹脂複合構造体の金属体部(B)は、上記構造体部(A)を構成する樹脂材料と強固に接合させるために、公知の表面処理技術を施したものを使用することができる。
構造体部(A)は、塊状、板状のものなど、構造体の役割を果たすことができる形状であれば特に形状や大きさに制限はないが、板状であることが好ましい。この場合、厚みは全範囲にわたって同一でもよく、異なる厚みの部分を有するものであっても良い。板状である場合、構造体部(A)の厚みが0.5〜10mmの範囲の部分を含むことが好ましく1〜8mmの範囲を含むことがより好ましい。また平均の厚みが0.5〜10mmの範囲にあることがより好ましく1〜8mmの範囲にあることがより好ましい。さらに厚みがすべての部分において0.5〜10mmの範囲内に含まれることが中でも好ましい態様のひとつであり、1〜8mmの範囲にあることがより好ましい。
また、後述する金属体部(B)と接合する面は、平面であっても、屈曲した構造であっても良い。後者の場合、じゃばら状でとすることができる。
金属体部(B)は、塊状、板状のものなど、構造体を補強する役割を果たすことができる形状であれば特に形状や大きさに制限はないが、板状であることが好ましい。この場合、厚みは全範囲にわたって同一でもよく、異なる厚みの部分を有するものであっても良い。板状である場合、金属体部(B)の厚みが0.5〜5mmの範囲の部分を含むことが好ましく、厚みがすべての部分において0.5〜5mmの範囲内に含まれることが中でも好ましい態様のひとつである。形状も平板であっても、屈曲した構造であっても良い。後者の場合、じゃばら状であっても良い。
また、リブ部(C)が金属体部(B)と接触している部分の面積(Scb)と、金属体部(B)に設けられた貫通穴のうち、リブ部(C)が突出する側の表面の開口面積(Sh)とを比べた場合、(Sh)/(Sh+Scb)は0.1〜1、好ましくは0.2〜1である。
(Sh)/(Sh+Scb)が上記範囲にあると、リブ部(C)による補強効果がより大きくなる。
リブ部(C)は、構造体部(A)や金属体部(B)を補強する役割を果たしていると考えられる。
リブ部(C)は、その少なくとも一部が金属体部(B)に対し構造体部(A)とは反対方向に突出していれば大きさや高さに特に制限はない。
この場合、後述するように突発的な力にも破壊せずに耐えることがより容易である。
すなわち、まず、リブ部(C)の各上端(金属体と接触している部分とは反対の端)は、リブ部(C)の形を表す直線または曲線を形成している。この直線または曲線との接線に垂直な方向に直線を引く。当該直線と金属体部(B)表面との交点と、各上端の点との間の長さを、当該リブ部(C)の「高さ」と定義する。
具体的に図を用いて説明すると、図9においては、リブ部(C)の上端を表す直線に対して垂直な方向に直線を引き、当該直線と、金属体部(B)表面との交点を求める。この金属体部(B)とリブ部(C)上端との間の長さをリブ部(C)の「高さ」とする。
図10は後述する実施例4によって得られた金属/樹脂複合構造体を側面から見た概念図である。この場合、リブ部(C)上端が直線を形成しているものの、金属体部(B)として屈曲板を用いているため、複数のリブ部(C)の「高さ」を有することとなる。図10の矢印線で示した部分のリブ部(C)の「高さ」は40mmであるが、これ以外にもリブ部(C)の「高さ」として10mmの部分も存在する(図5参照)。
金属体部(B)は、構造体部(A)の荷重変形を抑止するために、構造体部(A)に重なるように接合することができるが、限定されるものではない。例えば構造体部(A)が平板である場合、構造体部(A)の片側の面に金属体部(B)を接合し、その際に金属体部(B)の一部に貫通穴を設けておいて後述の射出成形によりリブを造作することが好ましく例示できる。このような態様では、曲げ剛性の低い構造体部(A)を金属体部(B)が補強する働きをし、リブ部(C)が全体を更に補強する働きをしているものと考えられる。また、金属体部(B)はリブ部(C)と反対側の面で構造体部(A)と少なくとも一部が接合した構造となっていることも面剛性を高くできる一因と考えられる。一方で、金属体部(B)は構造体部(A)の全面を補強する必要はなく、荷重変形を有効に抑止できる程度の面積を備えていればよい。更に金属体部(B)と構造体部(A)との接合面は、該すべての面で接合する必要はなく、荷重変形を有効に抑止できれば一部でもよい。またリブ部(C)は、例えば金属体部(B)に貫通穴を開けた上でインサートによる射出成形で造作できるが、前述したようにリブ部(C)が金属体部(B)と接触している部分の面積(Scb)と、金属体部(B)に設けられた貫通穴のうち、リブ部(C)が突出する側の表面の開口面積Shとを比べた場合、(Sh)/(Sh+Scb)、前述した範囲にあることが好ましい。すなわちリブ部(C)が金属体部(B)表面と交わる底面全体に穴を開ける必要はなく、荷重変形を有効に抑止できれば部分的な貫通穴でもよい。この際は、穴の開いていない部分は金属体部(B)と接着されることになる。荷重変形を有効に抑止するための好ましいリブ部(C)の構造としては格子状にすることが好ましく、曲げやねじれの力の両方に耐える構造となる。
本実施形態にかかる金属/樹脂複合構造体は、射出成形により製造することができる。
具体的には、構造体部(A)を形成するための第1キャビティと、リブ部(C)を形成するための第2キャビティとを備える射出成形用金型を用い、以下の工程を行う。
工程a:当該射出成形用金型に前記金属体部(B)を配置する工程。
工程b:第1キャビティに重合体a1と充填剤とを含む樹脂材料aを射出成形するとともに、第2キャビティに重合体c1と充填剤とを含む樹脂材料cを射出成形する工程。
射出成形時の樹脂材料の温度が、使用する樹脂の融点よりも10℃以上140℃以下高いことが好ましい。つまり、射出成形時の上記樹脂材料の温度をT1[℃]とし、使用する樹脂材料の融点をT2[℃]としたとき、上記T1が、T2+10≦T1≦T2+140の範囲であることが好ましい。また、射出成形時の樹脂材料の温度は、使用する樹脂材料の融点よりも、20℃以上130℃以下高いことがより好ましく、30℃以上125℃以下高いことが特に好ましい。なお、上記樹脂材料の温度は、いわゆる成形温度(シリンダー温度)と認識されても差し支えない。
金属部材を接合する場合は、単に金属体部(B)と構造体部(A)とをボルトネジ等によって部分固定する方法でもよいが、本発明者らは、前記方法により表面処理した金属体部(B)と構造体部(A)とを接合したものの方が、荷重負荷に対してボルト穴の部分で応力集中が起こったりする心配がなく、破壊強度がよりよくなると考える。またボルトネジ等による部分接合よりは前記方法により表面処理した金属体部(B)と構造体部(A)の接合である方が蓋材などに必要な剛性である、荷重による変形を小さくする効果が大きいと考えられる。例えば板状の樹脂構造体に対して、金属板を片側の面に接合して補強する場合、接着している面積が増えるほど面剛性が上がることによるが、金属と樹脂の接着性を良くするとさらに良いと考えられる。
本実施形態にかかる金属/樹脂複合構造体は、比較的生産性が高く、形状制御の自由度も高いので、自動車用バックドアとして用いられる。一般に、自動車用バックドアはインターパネルとアウターパネルを含むものであるが、本実施形態の金属/樹脂複合構造体は自動車用バックドアのインターパネル、アウターパネルのどちらにも用いることができる。そのなかでも特にインターパネルとして好ましく用いることができる。
なお、本実施形態の金属/樹脂複合構造体を自動車用バックドアとして用いる際には、公知の手法を用いて、適宜加工等を行うことができる。
以下、参考形態の例を付記する。
1.アウターパネルと、該アウターパネルの車内側に設けられたインナーパネルとからなる自動車用バックドアであって、
前記アウターパネルおよび/またはインナーパネルの少なくとも一部が、金属/樹脂複合構造体を含み、
該金属/樹脂複合構造体は、
樹脂材料aからなる構造体部(A)と、
前記構造体部(A)の少なくとも一部に接合する金属体部(B)と、
前記構造体部(A)および/または前記金属体部(B)に少なくとも一部で接合し、かつ樹脂材料cからなるリブ部(C)と、
を含み、
前記リブ部(C)はその少なくとも一部が、前記金属体部(B)に対し前記構造体部(A)とは反対の方向に突出している自動車用バックドア。
2.前記金属体部(B)は貫通穴を備え、
前記構造体部(A)と一体化した前記リブ部(C)が、前記貫通穴から突出している、1.に記載の自動車用バックドア。
3.前記構造体部(A)が板状である、1.または2.に記載の自動車用バックドア。
4.前記構造体部(A)の前記金属体部(B)と接合する面は、平面であるか、またはじゃばら状に屈曲した面である、3.に記載の自動車用バックドア。
5.前記金属体部(B)が板状である、1.ないし4.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
6.構造体部(A)と前記金属体部(B)との間にプライマー層をさらに備え、
前記プライマー層を介して、前記構造体部(A)と前記金属体部(B)とが接合されている、1.ないし5.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
7.前記リブ部(C)は、前記金属体部(B)の上面において一体化しており、平面視において格子状となるように設けられている、1.ないし6.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
8.前記金属体部(B)が、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、およびチタン合金から選択される少なくとも1種からなる、1.ないし7.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
9.前記構造体部(A)は、
重合体a1と、
前記重合体a1が100重量部あたり、1〜100重量部となる量のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、およびガラス粉から選ばれる1種以上の充填剤と、
を含む樹脂材料aからなる、1.ないし8.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
10.前記リブ部(C)は、
重合体c1と、
前記重合体c1が100重量部あたり、1〜100重量部となる量のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、およびガラス粉から選ばれる1種以上の充填剤と、
を含む樹脂材料cからなる、1.ないし9.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
11.前記構造体部(A)を構成する重合体a1がポリオレフィンである、1.ないし10.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
12.前記リブ部(C)を構成する重合体c1がポリオレフィンである、1.ないし11.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
13.前記構造体部(A)を構成する重合体a1と前記リブ部(C)を構成する重合体c1が同一である1.ないし12.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
14.前記金属/樹脂複合構造体は、
前記構造体部(A)を形成するための第1キャビティと、前記リブ部(C)を形成するための第2キャビティとを備える射出成形用金型を用い、
当該射出成形用金型に前記金属体部(B)を配置し、前記第1キャビティに重合体a1と充填剤とを含む樹脂材料aを射出成形するとともに、前記第2キャビティに重合体c1と充填剤とを含む樹脂材料cを射出成形することにより得られる、1.ないし13.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
15.前記樹脂材料cとして前記樹脂材料aと同一の樹脂材料を用い、
前記樹脂材料aが、まず構造体部(A)を形成するための第1キャビティに供給され、次いで当該樹脂材料aの一部が金属体部(B)に設けられた前記開口部から、リブ部(C)を形成するための第2キャビティに供給される、14.に記載の自動車用バックドア。
16.前記金属体部(B)の少なくとも一部が、予め表面処理され、表面に微細な凹凸を形成したものである、1.ないし15.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
17.前記金属体部(B)の少なくとも一部が、予め表面処理され、さらにプライマーを塗布されたものである1.ないし16.のいずれか一つに記載の自動車用バックドア。
射出成形により得られた試験体(幅100×長さ400×厚み4mm)の長尺方向片側を片支持し、その反対側の辺に沿って幅10mmに10kgの重りを載せて撓み量を室温下に測定した。
(金属体部の準備)
市販の1.5mm厚A5052板材を入手し、切断して、幅100mm×長さ400mmの合金板材を作成し、さらに、図6に示すようにリブ部と構造体部とを一体化するための貫通穴をプレス機で打ち抜き、金属体部とした。
次いで、槽に市販のアルミニウム合金用脱脂剤NE−6(メルテックス株式会社製)と水を投入して60℃、濃度7.5%の水溶液とした。これに金属体部を7分浸漬し十分に水洗した。続いて別の槽に40℃とした1%濃度の塩酸水溶液を用意し、これに金属体部を1分浸漬して十分に水洗した。次いで別の槽に40℃とした1.5%濃度の苛性ソーダ水溶液を用意し、金属体部を2分浸漬して十分に水洗した。続いて別の槽に40℃とした3%濃度の硝酸水溶液を用意し、これに金属体部を1分浸漬し水洗した。
次いで、別の槽に60℃とした一水和ヒドラジンを3.5%含む水溶液を用意し、これに金属体部を2分浸漬し、水洗した。次いで67℃にした温風乾燥機に15分入れて乾燥した。
次いで、金属体部にプライマー樹脂材料を、プライマー層の厚みが10μmとなるようにメイヤーバーを使用し室温で塗工をおこない、200℃のオーブンにて乾燥を行った。プライマー樹脂材料としては、無水マレイン酸変性プロピレン系重合体(三井化学株式会社製、ユニストールR300(登録商標))を用いた。
日本製鋼所社製射出成型機(JSW J400AD110H)と専用の金型(リブの高さが10mm、長手方向には幅方向中央部に1本のリブ、反対方向には100mmごとに3本のリブ)を開いて、前記金属体部を装着した。その金型内にガラス長繊維強化ポリプロピレン(プライムポリマー社製、モストロンL4070P)を、シリンダー温度230℃(樹脂材料の温度)、金型温度55℃、射出速度100mm/sec、保圧15MPa、保圧時間5秒、冷却時間50秒の条件にて射出成形を行った。次いで、金型より取り出して図2に示す厚みが4mmの金属/樹脂複合構造体を得た。尚、リブ部には2°の抜き勾配を設けており、金型より取り出しやすくした。リブ部の高さは10mmであった。
得られた金属/樹脂複合構造体について、荷重−たわみ量の測定を行なったところ、28mmの撓みであった。
リブの高さが20mmになるように金型を変更した以外は実施例1と同様に行ない、図3に示す厚みが4mmの金属/樹脂複合構造体を得た。リブ部の高さは20mmであった。
得られた金属/樹脂複合構造体について、荷重−たわみ量の測定を行なったところ、9mmの撓みであった。
図7に示すようにリブ部と構造体部とを一体化するための穴を開けた。また金型のリブ部側を変更して格子状のリブ部を造作した以外は実施例1と同様に行ない、図4に示す厚みが4mmの金属/樹脂複合構造体を得た。リブ部の高さは10mmであった。
得られた金属/樹脂複合構造体について、荷重−たわみ量の測定を行なったところ、25mmの撓みであった。
金属体部として平板ではなく横断面が図8のような屈曲板を用いた。リブ部の上端が直線になるように金型及び金属体部を調整した以外は(なお、図8においてリブ部が形成される部分は破線で示している。)、実施例1と同様に行ない、図5に示す厚みが4mmの金属/樹脂複合構造体を得た。リブ部の高さは10〜40mmであった。
得られた金属/樹脂複合構造体について、荷重−たわみ量の測定を行なったところ、4mmの撓みであった。
リブ部がない金属体部と構造体部だけからなるように金型を変更した他は、実施例1と同様に行ない、厚みが4mmの金属/樹脂複合構造体を得た。
得られた金属/樹脂複合構造体について、荷重−たわみ量の測定を行なったところ、142mmの非常に大きい撓みであった。
金属体部をインサートせずに射出成形した以外は実施例1と同様に行ない、厚みが4mmのリブ部を有する樹脂構造体を得た。
得られた樹脂構造体について、荷重−たわみ量の測定を行なったところ、141mmの大きい撓みであった。
また、本実施例の金属/樹脂複合構造体は、リブ部が突出しており、そのリブ部先端部の形状は丸みがあっても、またリブ部が付け根の部分と先端部分とで厚みに差を付けても差し支えない。
本発明の自動車用バックドアは荷重変形が小さく、かつ軽量で強度をもつ構造体を比較的簡便な方法で実現することができる。そのため、本発明の産業の発展への寄与は大きい。
Claims (15)
- アウターパネルと、該アウターパネルの車内側に設けられたインナーパネルとからなる自動車用バックドアであって、
前記アウターパネルおよび/またはインナーパネルの少なくとも一部が、金属/樹脂複合構造体を含み、
該金属/樹脂複合構造体は、
樹脂材料aからなる構造体部(A)と、
前記構造体部(A)の少なくとも一部に接合する金属体部(B)と、
前記構造体部(A)と一体化しているとともに前記金属体部(B)に少なくとも一部で接合し、かつ樹脂材料cからなるリブ部(C)と、
を含み、
前記金属体部(B)は、複数の十字形の貫通穴を備え、
前記リブ部(C)はその少なくとも一部が、前記複数の十字形の貫通穴を介して、前記金属体部(B)に対し前記構造体部(A)とは反対の方向に突出して前記金属体部(B)の上面において一体化しており、平面視において格子状に配置されている自動車用バックドア。 - 前記構造体部(A)が板状である、請求項1に記載の自動車用バックドア。
- 前記構造体部(A)の前記金属体部(B)と接合する面は、平面であるか、またはじゃばら状に屈曲した面である、請求項2に記載の自動車用バックドア。
- 前記金属体部(B)が板状である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。
- 構造体部(A)と前記金属体部(B)との間にプライマー層をさらに備え、
前記プライマー層を介して、前記構造体部(A)と前記金属体部(B)とが接合されている、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。 - 前記金属体部(B)が、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、銅、銅合金、およびチタン合金から選択される少なくとも1種からなる、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。
- 前記構造体部(A)は、
重合体a1と、
前記重合体a1:100重量部あたり、1〜100重量部のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、およびガラス粉から選ばれる1種以上の充填剤と、
を含む樹脂材料aからなる、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。 - 前記リブ部(C)は、
重合体c1と、
前記重合体c1:100重量部あたり、1〜100重量部のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、タルク、粘土、およびガラス粉から選ばれる1種以上の充填剤と、
を含む樹脂材料cからなる、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。 - 前記構造体部(A)を構成する重合体a1がポリオレフィンである、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。
- 前記リブ部(C)を構成する重合体c1がポリオレフィンである、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。
- 前記構造体部(A)を構成する重合体a1と前記リブ部(C)を構成する重合体c1が同一である請求項1ないし10のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。
- 前記金属/樹脂複合構造体は、
前記構造体部(A)を形成するための第1キャビティと、前記リブ部(C)を形成するための第2キャビティとを備える射出成形用金型を用い、
当該射出成形用金型に前記金属体部(B)を配置し、前記第1キャビティに重合体a1と充填剤とを含む樹脂材料aを射出成形するとともに、前記第2キャビティに重合体c1と充填剤とを含む樹脂材料cを射出成形することにより得られる、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。 - 前記樹脂材料cとして前記樹脂材料aと同一の樹脂材料を用い、
前記樹脂材料aが、まず構造体部(A)を形成するための第1キャビティに供給され、次いで当該樹脂材料aの一部が金属体部(B)に設けられた前記貫通穴から、リブ部(C)を形成するための第2キャビティに供給される、請求項12に記載の自動車用バックドア。 - 前記金属体部(B)の少なくとも一部が、予め表面処理され、表面に微細な凹凸を形成したものである、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。
- 前記金属体部(B)の少なくとも一部が、予め表面処理され、さらにプライマーを塗布されたものである請求項1ないし14のいずれか一項に記載の自動車用バックドア。
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